説明

複数のバッテリで駆動可能な撮像装置

【課題】 バッテリ交換時に内蔵バッテリを用いる撮像装置において、外付けバッテリの容量が無くなるまでに内蔵バッテリの容量をフルにする。
【解決手段】 内蔵バッテリの容量が減っている場合に撮影モードを切り替え省エネモードにすることにより、撮影を行いながら、内蔵バッテリをに充電を行い、外付けバッテリの容量がなくなる前に内蔵バッテリ容量をフルにしておく。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複数のバッテリで駆動可能な撮像装置の電力供給に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来複数のバッテリで駆動する装置において、バッテリが無くなった際にデータが消えてしまうことを防ぐために、電子機器本体に内蔵された第2のバッテリを用い、電源を切らずに、連続使用を可能としたものがある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6-311666号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、バッテリ交換時も撮像装置を駆動させるような消費電力が大きい場合においては、内蔵バッテリの容量が少量しか残っていないと、バッテリ交換中に電源が切れてしまうという問題があった。
【0005】
上記課題から、本出願に係る、第1の発明の目的は、外付けバッテリの交換中の連続駆動を可能とするために電力供給の制御と警告を行うことで、常に内蔵バッテリの容量を一定量以上に維持することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の撮像装置は、本体に着脱可能な第1のバッテリ103と、本体に内蔵された第2のバッテリ104を有し、第1のバッテリ103の容量が閾値以上ならば、本体への給電と、同時に第2のバッテリに充電を行い、第1のバッテリ103の容量が閾値以下になれば、第2のバッテリ104から本体に電力を供給する撮像装置において、第1のバッテリが閾値以下になると、警告を出すことを特徴としている。
【0007】
また、本発明の他の特徴とするところは、前記警告は表示部に警告文を表示することを特徴としている。
【0008】
また、本発明のその他の特徴とするところは、前記撮像装置は、消費電力の異なる複数のモードを有し、モードにより、第2のバッテリへの充電の可否を判断することを特徴としている。
【0009】
また、本発明のその他の特徴とするところは、前記複数のモードは、それぞれのモードにより、本体に供給する電力と第2のバッテリに充電する充電速度を変更することを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように、本発明によれば、内蔵バッテリー容量を閾値以上にすることが可能となり、外付けバッテリー交換時も内蔵バッテリからの電力供給により連続撮影を行うことができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1a】本発明に係る撮像装置の全体図
【図1b】本発明に係る撮像装置の全体図
【図2】本発明に係る撮像装置の電力供給図
【図3】本発明に係る撮像装置の電力供給図
【図4】本発明に係る撮像装置の電力供給図
【図5】本発明に係る撮像装置の警告表示図
【図6】本発明に係る撮像装置のモード説明図
【図7】本発明に係る撮像装置ブロック図
【図8】本発明に係る撮像装置の警告表示図
【図9】本発明に係る撮像装置のブロック図
【発明を実施するための形態】
【0012】
[実施例1]
本発明の実施の形態を図1に基づき説明する。尚、本発明では撮像装置の1つであるカムコーダを用いて実施例の説明をする。
【0013】
図1aに示す、101は複数のバッテリを有する撮像装置本体を示している。
【0014】
図1aは、前記撮像装置101の表示部102を90°開状態とした図である。103は第1のバッテリであり、取り外し可能な外付けバッテリを示している。
【0015】
次に図1bに本撮像装置をブロック図を用いて示す。107は撮像レンズであり、101撮像装置本体の正面部に配置されている。前記撮像レンズ107からの光を撮像センサ108により光電変換し106制御マイコンにより、映像処理を行い前記表示部102に映像を表示する。また、105は電源基板であり、前記制御マイコン106により、前記外付けバッテリ103及び、前記内蔵バッテリ104から電力が供給され、撮像装置本体を駆動する。
【0016】
104は第2のバッテリであり、前記撮像装置本体101の内部に配置された内蔵バッテリを示している。前記内蔵バッテリ104は内蔵バッテリのみでも撮影動作を行うことが可能な容量を有しているバッテリである。また、前記外付けバッテリ103から電源の供給により前記内蔵バッテリ104に充電することができる。
【0017】
次に図2、図3、図4を用いて本撮像装置の電源の供給とバッテリ充電について説明する。
【0018】
図2、3,4は前記外付けバッテリ103、と前記内蔵バッテリ104と前記電源基板105の電力の流れを示している。前記本発明の外付けバッテリ103には、閾値Xが設けられており、前記101撮像装置を駆動することができる電力値、且つ、内蔵充電と本体駆動が可能な容量である。また、前記本発明の内蔵バッテリ104には、閾値Yが設けられており、前記外付けバッテリ103を交換している際にも連続撮影が可能な容量を閾値Yとしている。
【0019】
図2は前記内蔵バッテリ104の容量が閾値Y以上であり、外付けバッテリ103の容量は閾値X以上である場合を示しており、前記外付けバッテリ103から前記電源基板105に電力を供給する。
【0020】
図3は前記内蔵バッテリ104の容量が閾値Y以上であり、前記外付けバッテリ103の容量が閾値X以下である場合を示しており、内蔵バッテリに充電された電力から、前記電源基板105に電力を供給することにより、撮像装置を駆動させる。
【0021】
図4は前記内蔵バッテリ104の容量が閾値Y以下であり、外付けバッテリ103の容量は閾値X以上である場合を示しており、外付けバッテリ103から前記電源基板105に電力を供給すると同時に前記内蔵バッテリ104に充電を行う。
【0022】
次に図5に本発明の撮像装置にかかわる警告ついて示す。
【0023】
図5には前記表示部102に501警告文を表示している。前記警告文は、内蔵バッテリを用いて撮像装置を駆動させている場合に、aに示すように『内蔵バッテリで駆動中』という警告を表示する。また、外付けバッテリの容量が閾値X以下となった場合には、bに示すように『外付けバッテリを交換してください』という警告を表示する。さらに、外付けバッテリを取り付けたまま、外付けバッテリ容量が無くなり、内蔵バッテリを使用している場合には、前記a,bの両方の警告を表示する。
【0024】
次に図6に基づき、本発明のバッテリ駆動による充電、及び給電の動作についてフローチャートを用い説明する。S601において前記撮像装置本体101の電源を入れる。次にS602において外付けバッテリが有るか無いかを判定する。前記S602の判定により外付けバッテリが取り付けられている場合にはS603外付けバッテリの容量が閾値X以上であるか、以下であるかを判断する。また、前記S602の判定により外付けバッテリが取り付けられていない、もしくはバッテリ容量が無い場合は、S604内蔵バッテリから電力を供給し前記撮像装置本体101を駆動する。次に、S603の判定により外付けバッテリ容量が閾値X以上であった場合、S605内蔵バッテリの容量が閾値Y以上であるか、以下であるかを判定する。前記S603の判定により外付けバッテリ容量が閾値X以下であった場合、S606により、外付けバッテリの交換警告を出す。
【0025】
次に、前記S605の判定により、内臓バッテリ容量が閾値Y以上であれば、S607外付けバッテリから本体に電力を供給し撮影を行う。また、S605の判定により内蔵バッテリ容量が閾値Y以下であればS608本体に電源を供給すると同時に内蔵バッテリに充電を行う。
【0026】
以上説明したように、常に内蔵バッテリー容量を閾値以上にすることが可能となり、外付けバッテリー交換中にも内蔵バッテリからの電力供給により連続撮影を行うことが可能となる。
【0027】
[実施例2]
次に本発明の第2の実施の形態を図7に基づき説明する。
【0028】
図7は本発明の撮像装置101において、モードの切り替えについて説明する。
【0029】
701はモードダイヤルを示しており、複数個のモードに切り替えることが可能である。前記複数のモードは、それぞれのモードによって消費電力が異なっており、消費電力の少ないモードに切り替えることにより、前記内蔵バッテリ104へ充電する電力の量と前記電源基板に供給する電力の量の比率を変化させることができる。これにより、内蔵バッテリへの充電速度を変更することができる。
【0030】
図8は警告の表示方法について説明する為の図である。
【0031】
図8には前記表示部102に801警告文を表示している。前記警告文は、内蔵バッテリが閾値Y以下となっている場合に、消費電力の少ないモードに切り替える警告を出している。
【0032】
更に上記警告において、前記外付けバッテリ103の残容量を計算し、全てがなくなる前に前記内蔵バッテリ104をフル充電するための最適なモードを前記表示部102に表示する。
【0033】
次に図9に基づき、本発明のモード切替による、バッテリの充電、及び給電動作についてフローチャートを用い説明する。前記実施例1図6にて説明したフローチャートのS605に示した内蔵バッテリ容量が閾値Y以下であった場合を示している。
【0034】
前記S605内蔵バッテリが閾値Y以下であった場合に、S901本体モードの確認を行う。
【0035】
ここでS902省エネモードであるかどうかを判断する。前記S902で省エネモードであった場合にはS903外付けバッテリから内蔵バッテリに充電を行うと同時に本体に給電を行う。
【0036】
また、前記S902省エネモードでないと判断した場合には、S904警告表示をし、モード切替を促す。
【0037】
以上説明したように、撮像装置本体への電力給電量を減らし、前記内蔵バッテリ104への給電量を増やすことにより前記内蔵バッテリ104への充電速度を早くすることが可能となる。
【符号の説明】
【0038】
101‥‥撮像装置
102‥‥表示部
103‥‥外付けバッテリ
104‥‥内蔵バッテリ
105‥‥電源基板
106‥‥制御マイコン
107‥‥撮像センサ
107‥‥撮像センサ
501‥‥警告表示
701‥‥モードダイヤル
801‥‥警告表示


【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体に着脱可能な第1のバッテリ103と、本体に内蔵された第2のバッテリ104を有し、第1のバッテリ103の容量が閾値以上ならば、本体への給電と、同時に第2のバッテリに充電を行い、第1のバッテリ103の容量が閾値以下になれば、第2のバッテリ104から本体に電力を供給する撮像装置において、第1のバッテリが閾値以下になると、警告を出すことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記警告は表示部に警告文を表示することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記撮像装置は、消費電力の異なる複数のモードを有し、モードにより、第2のバッテリへの充電の可否を判断することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記複数のモードは、それぞれのモードにより、第2のバッテリに充電する充電速度を変更することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。


【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−118152(P2012−118152A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−265944(P2010−265944)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】