角速度についての振動マイクロ−メカニカルセンサー
【課題】コンパクトな角速度の振動マイクロ−メカニカルセンサーにおいて、信頼性が高くかつ効率的な測定を可能とする。
【解決手段】震動質量1、2がバネによってまたはバネと堅固な補助構造によって支持領域に接続され、これによって、震動質量によって形成されるウェハーの平面に垂直な回転軸に関する自由度、および、ウェハーの平面に平行な少なくとも1つの回転軸に関する自由度が、震動質量1、2に与えられる。
【解決手段】震動質量1、2がバネによってまたはバネと堅固な補助構造によって支持領域に接続され、これによって、震動質量によって形成されるウェハーの平面に垂直な回転軸に関する自由度、および、ウェハーの平面に平行な少なくとも1つの回転軸に関する自由度が、震動質量1、2に与えられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、角速度の測定において用いられる測定デバイスに関し、より詳細には、角速度についての、振動マイクロ−メカニカルセンサー(oscillating micro-mechanical sensor)に関する。本発明は、とりわけ、コンパクトな振動マイクロ−メカニカル角速度センサーのソリューションにおいて、信頼性を有しかつ効率的な測定を可能とする改善されたセンサー構造を提供することを目的とする。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
振動センサーに基づいた角速度の測定は、単純な原理を有し、そして、角速度の測定の信頼できるやり方を提供するとが示されている。角速度の振動センサーにおいて最も一般的に用いられている動作原理は、所謂、音叉の原理(turning fork principle)である。
【0003】
角速度についての振動センサーでは、ある既知の主運動(primary motion)がセンサー内に生成されかつ維持される。他方、該センサーを用いて測定されるべき所望の運動は、主運動からの偏差(deviation)として検出される。音叉の原理では、主運動は、2つの震動(vibrating)する直線的な共振器の逆位相の振動(oscillation)である。
【0004】
該共振器の運動の方向に対して垂直な方向にて、該センサーに作用する外部の角速度は、複数の質量部(masses)上に、反対方向に、コリオリの力を誘導する。該コリオリの力は、角速度に比例し、それら質量部から直接的に検出され、即ち、それら質量部は、同じ回転シャフトに接続され、そして、検出運動は角速度軸の方向における角振動である。
【0005】
震動および衝撃に対する抵抗は、角速度についてのセンサーに要求される中心的な特徴である。とりわけ、ある要求での用途、例えば、自動車産業における電子的な安定性プログラムにおいては、これら要求は極めて厳しい。例えば、石によって引き起こされる外部からの衝撃などの、ハードな一撃、または、車のオーディオプレイヤーによって引き起こされる震動でさえも、角速度についてのセンサーの出力に影響を及ぼしてはならない。
【0006】
音叉の原理に従った測定では、検出運動は、角振動または微分直線状振動であり、このため、いかなる外部の直線状の加速度も、理想構造における検出共振器に結合(link)することはない。しかしながら、不可否的に、角速度についてのセンサーの検出の軸に対する角加速度も、材料および支持体内の震動に起因して、衝撃および震動から生成される。こうして、検出する共振器の運動は不可否的に妨害を受け、そして、それが、角速度についてのセンサーの出力信号に、とりわけ妨害(interference)の周波数がセンサーの作動周波数に近いときには、偏差を生じさせる。
【0007】
従来技術による角速度についてのセンサーも開発されており、これらのセンサーでは、主運動と検出運動の両方が角振動(angular oscillation)である。角速度についてのセン
サーに対するそのような従来技術によるソリューション(解決策)が、例えば、U.S.特許第6,349,597号において説明されている。このU.S.特許において述べられている角速度のセンサーに対するソリューションでは、主運動は、そのウェハーの平面内に存在するZ軸についての角振動として実現される。角速度検出運動もこれと対応するように、Z平面に対するウェハーの勾配として測定される。この提案されているソリューションでは、角速度に起因するモーメントは、その振動構造の質量部に比例することに加えて、角速度の軸の方向における質量部の長さの二乗に比例する。
【0008】
上記で述べられた従来技術のソリューションは、しかしながら、外部からの機械的な妨害に対して、音叉の原理に基づく構造とほとんど同程度の感度を示している。主運動だけが、角振動であって、直線状(linear)の加速度に対する感度が劣り、しかし、該主運動は、どうしても、検出運動よりも、外部の力に対して感度が明らかに劣る。
【0009】
現時点において一般的に知られている角速度のマイクロ−メカニカルセンサーの測定原理は、振動に対する感度の観点からは最良のものではない。こうして、本発明の目的は、角速度の振動センサーに対する構造を提供することにあり、従来技術によるソリューションと比較して機械的な妨害のリンクに対して明らかに感度が低いものである。
【発明の概要】
【0010】
発明の概要
本発明の目的は、とりわけコンパクトな角速度の振動センサーソリューションにおいて、信頼性が高くかつ効率的な測定が可能であり、しかも従来技術によるソリューションと比較して機械的な干渉のリンクに対して充分に感度が低い、改善された角速度の振動センサーを提供することにある。
【0011】
本発明によると、角速度についての振動マイクロ−メカニカルセンサーが提供され、当該センサーは、2つの震動質量部を有し、これら質量部は、センサー構成部品の本体に支持領域の所で取り付けられ、かつ、当該センサーは、該質量部の間に位置する接続バネを有し、
角速度についての当該センサーには、生成されるべき主運動は、支持領域に関する、2つの震動質量部の逆位相の角振動であり、
これら震動質量部は、互いに少なくとも1つの曲がりバネによって接続されており、そのことが、それら質量部の主運動を機械的に同期させており、
これら震動質量部は、バネによってまたはバネと剛性を有する補助構造によって支持領域に接続されており、そのことが、震動質量部に、それらによって形成されるディスクの平面に垂直な回転の軸に関する自由度と、該ディスクの平面の方向を向いた少なくとも1つの回転の軸に関する自由度とを与えている。
【0012】
好ましくは、角速度についての当該センサーは、1つの軸に関して角速度を測定する角速度についてのセンサーであって、当該センサーでは、2つの震動質量部が、少なくとも2つの取付けスポットの所で、センサー構成部品の本体に取り付けられる。さらに、好ましくは、曲がりバネは、幅が広いことよりも、実質的により高いものである。
【0013】
好ましくは、角速度についての当該センサーは、
主運動のための回転バネを有し、これらバネは、主運動に関して柔軟性を持っており、
検出運動のための捩りバネを有し、これらバネは、外部からの角速度によって導入されるトルクモーメントによって生じる捩り振動に関して、柔軟性を持つものである。
【0014】
好ましくは、外部からの角速度によって生じる振動は、質量部の上方または下方に配置された電極によって、静電容量的に検出される。さらに、好ましくは、これら電極は、センサー構造を密封的に閉じるウェハーの内側の面に成長している。
【0015】
好ましくは、角速度についての当該センサーが、角速度についての当該センサーの質量部同士を接続するバネの中央ポイントの所に取り付けられている、第2の曲がりバネを有し、該バネが、実質的に同じ方向に延びている。
【0016】
好ましくは、質量部は、取付けスポットによって、および、付加的には、中央に設けられた取付けスポットによって、該本体に取り付けられる。代替的には、質量部は、取付けスポットによって、および、付加的には、コーナーまたは端部に設けられた取付けスポットによって、該本体に取り付けられる。さらに、代替的には、質量部は、取付けスポットによって、該本体に取り付けられ、該取付けスポットが、一方の側で、設計された剛性を有する補助構造によって、質量部に取り付けられている。さらに、代替的には、質量部は、取付けスポットによって、該本体に取り付けられ、該取付けスポットは、一方の側で、バネによって、質量部に取り付けられている。さらに、代替的には、質量部は、取付けスポットによって該本体に取り付けられ、これら取付けスポットは、端部の中央の所に設けられており、付加的には、取付けスポットによって該本体に取り付けられ、これら取付けスポットが、一方の側で、バネによって質量部に取り付けられている。
【0017】
好ましくは、角速度についての当該センサーは、歪緩和構造を有する。好ましくは、角速度についての当該センサーは、クシ形の構造を有する。好ましくは、角速度についての当該センサーは、放射状のクシ形構造を有する。
【0018】
好ましくは、角速度についての当該センサーは、2つの軸に関する角速度を測定する角速度についてのセンサーであって、当該センサーには、2つの震動質量部が取り付けられており、これら質量部が、2つの取付けスポットにおいて、センサー構成部品の本体に取り付けられる。好ましくは、その曲がりバネは、幅が広いことよりも、実質的により高いものである。
【0019】
好ましくは、角速度についての当該センサーは、
主運動のための回転バネを有し、これら回転バネは、主運動に関して柔軟性を持っており、
第1の方向における検出運動のための捩りバネを有し、これら捩りバネは、第1の方向における検出運動に関して柔軟性を持っており、
第2の方向における検出運動のための捩りバネを有し、これら捩りバネは、第2の方向における検出運動に関して柔軟性を持っている。
【0020】
好ましくは、外部からの角速度によって生じる振動は、質量部の上方または下方に配置された電極によって、静電容量的に検出される。さらに、好ましくは、これら電極は、そのセンサー構造を密封的に閉じるウェハーの内側面に成長している。
【0021】
好ましくは、取付けスポットは、センサー構造を密封的に閉じるウェハーに、陽極的手法によって接合される。代替的には、これら取付けスポットは、そのセンサー構造を密封的に閉じるウェハーに溶融接合によって接合される。
【0022】
以下では、本発明およびこの好ましい実施例が添付の図面を例示的に参照しながら詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、本発明による、角速度の振動センサーの可動の質量部の構造の斜視図を示している。
【図2】図2は、本発明による、角速度の振動センサーの可動の質量部を、主運動状態で示している。
【図3】図3は、本発明による、角速度の振動センサーの可動の質量部を、検出運動状態で示している。
【図4】図4は、本発明による、角速度の振動センサーの可動の質量部の1つの代替的な構造を示している。
【図5】図5は、本発明による、角速度の振動センサーの可動の質量部の第2の代替的な構造を示している。
【図6】図6は、本発明による、角速度の振動センサーの可動の質量部の第3の代替的な構造を示している。
【図7】図7は、本発明による、角速度の振動センサーの可動の質量部の第4の代替的な構造を示している。
【図8】図8は、本発明による、第5の代替的な角速度の振動センサーの、可動の質量部が主運動の状態になっているのを示している。
【図9】図9は、本発明による、第5の代替的な角速度の振動センサーの、可動の質量部が検出運動の状態になっているのを示している。
【図10】図10は、本発明による、2つの軸を持った角速度の振動センサーの、可動の質量部の構造の斜視図を示している。
【図11】図11は、本発明による、2つの軸を持った角速度の振動センサーの、可動の質量部が、Y軸に関する角速度で生じた検出運動の状態にあるのを示している。
【図12】図12は、本発明による、2つの軸を持った角速度の振動センサーの、可動の質量部が、X軸に関する角速度で生じた検出運動の状態にあるのを示している。
【発明を実施するための形態】
【0024】
発明の詳細な説明
本発明による、角速度についてのセンサーでは、発生させられるべき主運動(primary motion)は、少なくとも2つの可動の震動質量部(seismic masses)の角振動であって、該主運動は、これら質量部をセンサー構成部品(センサーコンポーネント)の本体(ボディ)に取り付ける支持領域について、反対の位相となっている。各質量部のための支持領域が少なくとも1つ存在し、それらは、バネによって、または、バネと堅固な補助構造によって、それらの周囲の質量部に接続されており、ウェハーの平面に垂直な回転軸に関して、および、ウェハーの平面と同一方向の少なくとも1つの回転軸に関して、それら質量部に自由度を与えている。それら質量部は互いに少なくとも1つの曲がりバネ(bending spring)によって接続され、該曲がりバネが、それらの主運動を機械的に同期させる。当分野において知られている構造は、該運動を生成するために用いることができる。
【0025】
図1は、本発明による、角速度の振動センサーの可動の質量部の構造の斜視図を示している。本発明による角速度についてのセンサーは、2つの震動質量部1、2を有し、これらは、センサー構成部品の本体に、2つの取付けスポット3、4の所で取り付けられる。該取付けスポット3、4は、質量部1、2の中央の所で、該構成部品の本体に、例えば、陽極的手法(anodic manner)によってまたは溶融接合によって接合することができる。
【0026】
本発明による角速度についてのセンサーは、さらに、主運動のための回転バネ(rotary spring)5、6と、検出運動のための捩りバネ(torsion spring)7〜10と、震動質量部
1、2を互いに接続する曲がりバネ11とを有する。
【0027】
図2は、本発明による角速度の振動センサーの可動の質量部が、主運動の状態にあるのを示している。本発明による角速度についてのセンサーは、主運動の状態になるように作動させられ、生成された主運動は、2つの震動質量部1、2の、反対の位相の角振動であって、センサー構成部品の本体に震動質量部1、2を取り付ける取付けスポット3、4についての角振動である。
【0028】
中央に位置する長いバネ11は、これら共振器を接続しており、質量部1、2の運動を、互いに反対の位相へと同期させる。さらに、その接続するバネ11は、本質的に幅よりも高さが大きく、取付けスポット3、4を取り巻くフレームのY軸の方向への捩りモードを阻止し、こうして、それらフレームは、実質的にZ軸の方向のみの自由度を有する。
【0029】
本発明による角速度の振動センサーの質量部1、2は、両方とも、X軸の方向に延びる2つの捩りバネ7〜10によって、取付けスポット3、4を取り巻くフレームに取り付けられる。こうして、これら震動質量部1、2は、2つの自由度を有し、即ち、一方は、Z軸に関する自由度であり、他方は、X軸に関する自由度であり、これらが、角速度についてのセンサーとしての動作を可能にする。
【0030】
図3は、本発明による角速度の振動センサーの可動の質量部が、検出運動状態にあるのを示している。本発明による、角速度についての当該振動センサーでは、Y軸に関する外部からの角速度が、Z軸の方向における、質量部1、2の反対の位相の主運動を、X軸について反対に向けられたトルクモーメントへとリンクさせる。これら回転モーメントは、主運動と同一周波数の、反対の位相の捩り振動を生じさせ、その振動は、X軸の方向における質量部の質量部1、2の検出軸についてのものである。本発明によるこの角速度の振動センサーでは、検出運動のための捩りバネ7〜10は、捩り振動に関して柔軟性を有する。
【0031】
本発明によるこの角速度の振動センサーでは、外部の角速度に起因する振動の振幅は、その角速度に正比例し、そしてこれは、例えば、これら質量部1、2の上方または下方に配置された電極によって静電容量的手法(capacitive manner)で検出することができ、こ
れら電極は、例えば、このセンサー構造を密封的(ハーメチック)に閉じるウェハーの内面上に成長させても良い。
【0032】
図4は、本発明による角速度の振動センサーの可動の質量部の代替的な構造を示している。本発明による、この代替的な角速度の振動センサーでは、接続バネのあらゆる捩じれ(ツイスティング)が、中央の所において、付加的な曲がりバネによって低減される。この接続バネの捩り剛性の増加によって、この構造は、外部からの干渉によって生成される質量部の共通モード運動の観点からは、より剛性を有するものとなり、主モードのまたは検出モードを剛性化することは実質的にはない。
【0033】
本発明による代替的な角速度の振動センサーでは、質量部1、2は、取付けスポット3、4によって、そして、付加的には、中央に位置した取付けスポット12、13によって、該本体に取付けられている。これら取付けスポット12、13は、該構成部品の本体に、例えば、陽極的手法によってまたは溶融接合によって接合しても良い。
【0034】
図5は、本発明による角速度の振動センサーの可動の質量部の第2の代替構造を示している。本発明によるこの第2の代替的な角速度の振動センサーでは、接続バネのあらゆる捩じれが、該接続バネの中央から各コーナーへと延びている付加的な曲がりバネによって低減される。この接続バネの捩り剛性の増加によって、この構造は、外部からの干渉によって生成される質量部の共通のモードの運動の観点からは、より剛性を有するものとなり、主モードのまたは検出モードを剛性化することは実質的にはない。
【0035】
本発明による第2の代替的な角速度の振動センサーでは、質量部1、2は、取付けスポット3、4によって、そして、付加的には、中央にコーナの所に位置した取付けスポット14〜17によって、該本体に取付けられる。これら取付けスポット14〜17は、エッジ領域の所で直接的に該本体に一体化してもよいし、または、これらは、該構成部品の該本体に、例えば、陽極的手法によってまたは溶融接合によって接合しても良い。
【0036】
図6は、本発明による角速度の振動センサーの可動の質量部の、第3の代替的な構造を示している。本発明による、この第3の代替的な角速度の振動センサーでは、質量部1、2は、取付けスポット18、19によって該本体に取り付けられ、これら取付けスポット18、19は、一方の側において、バネによって質量部1、2に取り付けられている。これら取付けスポット18、19は、該構成部品の該本体に、例えば、陽極的手法によってまたは溶融接合によって接合しても良い。
【0037】
本発明による角速度の振動センサーのこれら可動の電極の第3の代替的な構造は、バネの寸法の設計の観点で少し複雑であり、さらにこれは、同じバネが、主(primary)と検出
の両方のモードの関与するので、これらモード間の結合を増加させる。他方、上記で説明した第3の代替的構造は、空間の効率的な利用の長所を有し、かつ、より単純である。
【0038】
図7は、本発明による角速度の振動センサーの可動の質量部の、第4の代替的な構造を示している。本発明による、この第4の代替的な角速度の振動センサーでは、質量部1、2は、取付けスポット20、21によって、そして、付加的には、端部の中央に位置した取付けスポット24、25によって、該本体に取り付けられる。これら取付けスポット20、21は、一方の側において、バネ22、23によって質量部1、2に取り付けらていれる。これら取付けスポット20、21、24、25は、該構成部品の該本体に、例えば、陽極的手法によってまたは溶融接合によって接合しても良い。本発明による、この第4の代替的な角速度の振動センサーには、さらに、これらバネの非線形的な特徴を低減させるための歪緩和構造26、27があり、かつ、静電気発生、維持、または、主運動の検出のためのクシ(櫛)形構造28、29がある。
【0039】
図8は、本発明による第5の代替的な角速度の振動センサーの、可動の質量部が、主運動状の状態にあるのを示している。本発明による、この第5の代替的な角速度の振動センサーでは、質量部1、2は、取付けスポット30、31によって該本体に取り付けられ、これら取付けスポット30、31は、一方の側において、剛性を有する補助構造32、33によって質量部1、2に取り付けられている。これら取付けスポット30、31は、該構成部品の該本体に、例えば、陽極的手法によってまたは溶融接合によって接合しても良い。本発明による、この第5の代替的な角速度の振動センサーには、付加的に、放射状のクシ形構造34、35があり、震動質量部1、2を互いに接続する曲がりバネ11がある。
【0040】
図9は、本発明による第5の代替的な角速度の振動センサーの、可動の質量部が、検出運動の状態にあるのを示している。
【0041】
上に説明された構造に加えて、質量部に2つの自由度を作り出すための多くの他のやり方が存在し、これら自由度は、本発明に従って角速度を測定するために必要とされるものである。
【0042】
図10は、本発明による、2つの軸を持った角速度の振動センサーの、可動の質量部の構造の斜視図を示している。本発明による、2つの軸に関して角速度を測定する、この角速度についてのセンサーは、2つの震動質量部36、37を有しており、これらは、2つの取付けスポット38、39によってセンサー構成部品の本体に取り付けられている。本発明による、2つの軸を持った角速度の振動センサーは、主運動のための回転バネ40、41と、第1の方向における検出運動のための捩りバネ42〜45と、第2の方向における検出運動のための捩りバネ46〜49と、2つの震動質量部36、37を互いに接続する曲がりバネ50とを有する。
【0043】
共振体(resonator)36、37を接続している、中央に位置する長いバネ50は、それ
ら質量部の運動を、互いに反対の位相の運動へと同期させる。加えて、該接続バネ50は、広さよりも実質的に高く、それが、取付けスポット38、39の周りのフレームのY軸の方向における捩れモードを妨害し、それによって、フレームは、実質的にZ軸方向の自由度を有する。
【0044】
前に説明した1つの軸を持った構造と比較すると、本発明によるこの2つの軸を有する角速度の振動センサーの構造は、付加的な剛性を有する補助構造を有し、これら補助構造は、バネによって、Y軸の方向に延びる捩りバネ46〜49のペアによって、質量部36、37に懸架される。本発明による、この2つの軸を持った角速度の振動センサーの構造は、震動質量部36、37に、主運動に対して垂直な第2の自由度を与え、当該センサーが同一の主運動を利用して2つの軸を持った角速度についてのセンサーとして作動することを可能にしている。
【0045】
図11は、本発明による、2つの軸を持った角速度の振動センサーの、可動の質量部が、Y軸に関する角速度で生じた検出運動の状態にあるのを示している。本発明による、この2つの軸を持った角速度の振動センサーでは、Y軸に関する外部からの角速度(これが測定されるべきものである)が、質量部36、37のZ軸に関する逆位相の主運動を、X軸に関する逆位相のトルクモーメントに結合する。該トルクモーメントは、X軸に平行な検出軸に関しての、質量部の質量部36、37の逆位相の捩り振動を生成させる。本発明による、この2つの軸を持った角速度についてのセンサーでは、検出運動のための捩りバネ42〜45が、この捩り振動に関して柔軟性を有する。
【0046】
図12は、本発明による、2つの軸を持った角速度の振動センサーの、可動の質量部が、X軸に関する角速度で生じた検出運動の状態にあるのを示している。本発明による、この2つの軸を持った角速度の振動センサーでは、X軸に関する、測定すべきアイテムに対する角速度が、質量部36、37のZ軸の方向における逆位相の主運動を、Y軸に関する逆位相のトルクモーメントに結合させる。該トルクモーメントは、質量部の逆位相の捩り振動を生成させ、該捩り振動は、主運動と同じ周波数であり、質量部の質量部36、37の検出軸についてのものであり、Y軸に平行である。本発明による、この2つの軸を持った角速度についてのセンサーでは、検出運動のための捩りバネ46〜49が、この捩り振動に関して柔軟性を有する。
【0047】
本発明による、2つの軸を持った角速度の振動センサーでは、外部からの角速度で生じた振動は、角速度に正比例し、そしてこれは、例えば、質量部36、37の上方または下方に配置された電極によって静電容量的手法で検出することができ、これら電極は、例えば、このセンサー構造を密封的に閉じるウェハーの内面上に成長させることができる。
【0048】
例示する構造に加えて、2つの軸を持った角速度についてのセンサーの多数のバリエーションを、本発明の範囲内で示すことができる。
【0049】
従来技術によるセンサー構造と比較した、本発明による角速度の振動センサーの最も重要な長所は、その周囲からの震動および衝撃に対する、角速度信号における本質的に改善された抵抗である。本発明による、この角速度についてのセンサーでは、角速度が、共通の検出軸に関して質量部に逆位相の運動を生じさせ、それが、質量部のための差分検出回路(differential detection circuit)によって検出される。
【0050】
本発明による、2つの軸を持った角速度の振動センサーでは、外部からの角加速度によって生じた、および、質量部のあらゆる質量非対称性によって生じた、リニアな加速度が、質量部に、同じ位相になったモーメントを生じさせる。同じ位相になった運動で生じた信号は、差分検出において相殺され、こうして、理想的な対称構造の場合には、外部からの機械的な妨害は、完全に過負荷な状況においてしか、出力に影響を与えることはない。
【0051】
本発明による角速度の振動センサーは、また、運動の方向が注意深く考慮されているので、極めて高い信号レベルを可能にしている。この大きな慣性モーメントは、震動質量部の長さによってもたらされ、例えば、その質量部の上方または下方に配置された大きな電極によって、効率的に利用することができる。
【0052】
本発明による、この角速度の振動センサーの構造の長所は、また、バネの変形の種々のモードにおける、とりわけ、フレームを持ったタイプの構造における特殊性(distinctiveness)であり、これらバネは、運動のモードの周波数と方向を本質的に決定する。
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、角速度の測定において用いられる測定デバイスに関し、より詳細には、角速度についての、振動マイクロ−メカニカルセンサー(oscillating micro-mechanical sensor)に関する。本発明は、とりわけ、コンパクトな振動マイクロ−メカニカル角速度センサーのソリューションにおいて、信頼性を有しかつ効率的な測定を可能とする改善されたセンサー構造を提供することを目的とする。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
振動センサーに基づいた角速度の測定は、単純な原理を有し、そして、角速度の測定の信頼できるやり方を提供するとが示されている。角速度の振動センサーにおいて最も一般的に用いられている動作原理は、所謂、音叉の原理(turning fork principle)である。
【0003】
角速度についての振動センサーでは、ある既知の主運動(primary motion)がセンサー内に生成されかつ維持される。他方、該センサーを用いて測定されるべき所望の運動は、主運動からの偏差(deviation)として検出される。音叉の原理では、主運動は、2つの震動(vibrating)する直線的な共振器の逆位相の振動(oscillation)である。
【0004】
該共振器の運動の方向に対して垂直な方向にて、該センサーに作用する外部の角速度は、複数の質量部(masses)上に、反対方向に、コリオリの力を誘導する。該コリオリの力は、角速度に比例し、それら質量部から直接的に検出され、即ち、それら質量部は、同じ回転シャフトに接続され、そして、検出運動は角速度軸の方向における角振動である。
【0005】
震動および衝撃に対する抵抗は、角速度についてのセンサーに要求される中心的な特徴である。とりわけ、ある要求での用途、例えば、自動車産業における電子的な安定性プログラムにおいては、これら要求は極めて厳しい。例えば、石によって引き起こされる外部からの衝撃などの、ハードな一撃、または、車のオーディオプレイヤーによって引き起こされる震動でさえも、角速度についてのセンサーの出力に影響を及ぼしてはならない。
【0006】
音叉の原理に従った測定では、検出運動は、角振動または微分直線状振動であり、このため、いかなる外部の直線状の加速度も、理想構造における検出共振器に結合(link)することはない。しかしながら、不可否的に、角速度についてのセンサーの検出の軸に対する角加速度も、材料および支持体内の震動に起因して、衝撃および震動から生成される。こうして、検出する共振器の運動は不可否的に妨害を受け、そして、それが、角速度についてのセンサーの出力信号に、とりわけ妨害(interference)の周波数がセンサーの作動周波数に近いときには、偏差を生じさせる。
【0007】
従来技術による角速度についてのセンサーも開発されており、これらのセンサーでは、主運動と検出運動の両方が角振動(angular oscillation)である。角速度についてのセン
サーに対するそのような従来技術によるソリューション(解決策)が、例えば、U.S.特許第6,349,597号において説明されている。このU.S.特許において述べられている角速度のセンサーに対するソリューションでは、主運動は、そのウェハーの平面内に存在するZ軸についての角振動として実現される。角速度検出運動もこれと対応するように、Z平面に対するウェハーの勾配として測定される。この提案されているソリューションでは、角速度に起因するモーメントは、その振動構造の質量部に比例することに加えて、角速度の軸の方向における質量部の長さの二乗に比例する。
【0008】
上記で述べられた従来技術のソリューションは、しかしながら、外部からの機械的な妨害に対して、音叉の原理に基づく構造とほとんど同程度の感度を示している。主運動だけが、角振動であって、直線状(linear)の加速度に対する感度が劣り、しかし、該主運動は、どうしても、検出運動よりも、外部の力に対して感度が明らかに劣る。
【0009】
現時点において一般的に知られている角速度のマイクロ−メカニカルセンサーの測定原理は、振動に対する感度の観点からは最良のものではない。こうして、本発明の目的は、角速度の振動センサーに対する構造を提供することにあり、従来技術によるソリューションと比較して機械的な妨害のリンクに対して明らかに感度が低いものである。
【発明の概要】
【0010】
発明の概要
本発明の目的は、とりわけコンパクトな角速度の振動センサーソリューションにおいて、信頼性が高くかつ効率的な測定が可能であり、しかも従来技術によるソリューションと比較して機械的な干渉のリンクに対して充分に感度が低い、改善された角速度の振動センサーを提供することにある。
【0011】
本発明によると、角速度についての振動マイクロ−メカニカルセンサーが提供され、当該センサーは、2つの震動質量部を有し、これら質量部は、センサー構成部品の本体に支持領域の所で取り付けられ、かつ、当該センサーは、該質量部の間に位置する接続バネを有し、
角速度についての当該センサーには、生成されるべき主運動は、支持領域に関する、2つの震動質量部の逆位相の角振動であり、
これら震動質量部は、互いに少なくとも1つの曲がりバネによって接続されており、そのことが、それら質量部の主運動を機械的に同期させており、
これら震動質量部は、バネによってまたはバネと剛性を有する補助構造によって支持領域に接続されており、そのことが、震動質量部に、それらによって形成されるディスクの平面に垂直な回転の軸に関する自由度と、該ディスクの平面の方向を向いた少なくとも1つの回転の軸に関する自由度とを与えている。
【0012】
好ましくは、角速度についての当該センサーは、1つの軸に関して角速度を測定する角速度についてのセンサーであって、当該センサーでは、2つの震動質量部が、少なくとも2つの取付けスポットの所で、センサー構成部品の本体に取り付けられる。さらに、好ましくは、曲がりバネは、幅が広いことよりも、実質的により高いものである。
【0013】
好ましくは、角速度についての当該センサーは、
主運動のための回転バネを有し、これらバネは、主運動に関して柔軟性を持っており、
検出運動のための捩りバネを有し、これらバネは、外部からの角速度によって導入されるトルクモーメントによって生じる捩り振動に関して、柔軟性を持つものである。
【0014】
好ましくは、外部からの角速度によって生じる振動は、質量部の上方または下方に配置された電極によって、静電容量的に検出される。さらに、好ましくは、これら電極は、センサー構造を密封的に閉じるウェハーの内側の面に成長している。
【0015】
好ましくは、角速度についての当該センサーが、角速度についての当該センサーの質量部同士を接続するバネの中央ポイントの所に取り付けられている、第2の曲がりバネを有し、該バネが、実質的に同じ方向に延びている。
【0016】
好ましくは、質量部は、取付けスポットによって、および、付加的には、中央に設けられた取付けスポットによって、該本体に取り付けられる。代替的には、質量部は、取付けスポットによって、および、付加的には、コーナーまたは端部に設けられた取付けスポットによって、該本体に取り付けられる。さらに、代替的には、質量部は、取付けスポットによって、該本体に取り付けられ、該取付けスポットが、一方の側で、設計された剛性を有する補助構造によって、質量部に取り付けられている。さらに、代替的には、質量部は、取付けスポットによって、該本体に取り付けられ、該取付けスポットは、一方の側で、バネによって、質量部に取り付けられている。さらに、代替的には、質量部は、取付けスポットによって該本体に取り付けられ、これら取付けスポットは、端部の中央の所に設けられており、付加的には、取付けスポットによって該本体に取り付けられ、これら取付けスポットが、一方の側で、バネによって質量部に取り付けられている。
【0017】
好ましくは、角速度についての当該センサーは、歪緩和構造を有する。好ましくは、角速度についての当該センサーは、クシ形の構造を有する。好ましくは、角速度についての当該センサーは、放射状のクシ形構造を有する。
【0018】
好ましくは、角速度についての当該センサーは、2つの軸に関する角速度を測定する角速度についてのセンサーであって、当該センサーには、2つの震動質量部が取り付けられており、これら質量部が、2つの取付けスポットにおいて、センサー構成部品の本体に取り付けられる。好ましくは、その曲がりバネは、幅が広いことよりも、実質的により高いものである。
【0019】
好ましくは、角速度についての当該センサーは、
主運動のための回転バネを有し、これら回転バネは、主運動に関して柔軟性を持っており、
第1の方向における検出運動のための捩りバネを有し、これら捩りバネは、第1の方向における検出運動に関して柔軟性を持っており、
第2の方向における検出運動のための捩りバネを有し、これら捩りバネは、第2の方向における検出運動に関して柔軟性を持っている。
【0020】
好ましくは、外部からの角速度によって生じる振動は、質量部の上方または下方に配置された電極によって、静電容量的に検出される。さらに、好ましくは、これら電極は、そのセンサー構造を密封的に閉じるウェハーの内側面に成長している。
【0021】
好ましくは、取付けスポットは、センサー構造を密封的に閉じるウェハーに、陽極的手法によって接合される。代替的には、これら取付けスポットは、そのセンサー構造を密封的に閉じるウェハーに溶融接合によって接合される。
【0022】
以下では、本発明およびこの好ましい実施例が添付の図面を例示的に参照しながら詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、本発明による、角速度の振動センサーの可動の質量部の構造の斜視図を示している。
【図2】図2は、本発明による、角速度の振動センサーの可動の質量部を、主運動状態で示している。
【図3】図3は、本発明による、角速度の振動センサーの可動の質量部を、検出運動状態で示している。
【図4】図4は、本発明による、角速度の振動センサーの可動の質量部の1つの代替的な構造を示している。
【図5】図5は、本発明による、角速度の振動センサーの可動の質量部の第2の代替的な構造を示している。
【図6】図6は、本発明による、角速度の振動センサーの可動の質量部の第3の代替的な構造を示している。
【図7】図7は、本発明による、角速度の振動センサーの可動の質量部の第4の代替的な構造を示している。
【図8】図8は、本発明による、第5の代替的な角速度の振動センサーの、可動の質量部が主運動の状態になっているのを示している。
【図9】図9は、本発明による、第5の代替的な角速度の振動センサーの、可動の質量部が検出運動の状態になっているのを示している。
【図10】図10は、本発明による、2つの軸を持った角速度の振動センサーの、可動の質量部の構造の斜視図を示している。
【図11】図11は、本発明による、2つの軸を持った角速度の振動センサーの、可動の質量部が、Y軸に関する角速度で生じた検出運動の状態にあるのを示している。
【図12】図12は、本発明による、2つの軸を持った角速度の振動センサーの、可動の質量部が、X軸に関する角速度で生じた検出運動の状態にあるのを示している。
【発明を実施するための形態】
【0024】
発明の詳細な説明
本発明による、角速度についてのセンサーでは、発生させられるべき主運動(primary motion)は、少なくとも2つの可動の震動質量部(seismic masses)の角振動であって、該主運動は、これら質量部をセンサー構成部品(センサーコンポーネント)の本体(ボディ)に取り付ける支持領域について、反対の位相となっている。各質量部のための支持領域が少なくとも1つ存在し、それらは、バネによって、または、バネと堅固な補助構造によって、それらの周囲の質量部に接続されており、ウェハーの平面に垂直な回転軸に関して、および、ウェハーの平面と同一方向の少なくとも1つの回転軸に関して、それら質量部に自由度を与えている。それら質量部は互いに少なくとも1つの曲がりバネ(bending spring)によって接続され、該曲がりバネが、それらの主運動を機械的に同期させる。当分野において知られている構造は、該運動を生成するために用いることができる。
【0025】
図1は、本発明による、角速度の振動センサーの可動の質量部の構造の斜視図を示している。本発明による角速度についてのセンサーは、2つの震動質量部1、2を有し、これらは、センサー構成部品の本体に、2つの取付けスポット3、4の所で取り付けられる。該取付けスポット3、4は、質量部1、2の中央の所で、該構成部品の本体に、例えば、陽極的手法(anodic manner)によってまたは溶融接合によって接合することができる。
【0026】
本発明による角速度についてのセンサーは、さらに、主運動のための回転バネ(rotary spring)5、6と、検出運動のための捩りバネ(torsion spring)7〜10と、震動質量部
1、2を互いに接続する曲がりバネ11とを有する。
【0027】
図2は、本発明による角速度の振動センサーの可動の質量部が、主運動の状態にあるのを示している。本発明による角速度についてのセンサーは、主運動の状態になるように作動させられ、生成された主運動は、2つの震動質量部1、2の、反対の位相の角振動であって、センサー構成部品の本体に震動質量部1、2を取り付ける取付けスポット3、4についての角振動である。
【0028】
中央に位置する長いバネ11は、これら共振器を接続しており、質量部1、2の運動を、互いに反対の位相へと同期させる。さらに、その接続するバネ11は、本質的に幅よりも高さが大きく、取付けスポット3、4を取り巻くフレームのY軸の方向への捩りモードを阻止し、こうして、それらフレームは、実質的にZ軸の方向のみの自由度を有する。
【0029】
本発明による角速度の振動センサーの質量部1、2は、両方とも、X軸の方向に延びる2つの捩りバネ7〜10によって、取付けスポット3、4を取り巻くフレームに取り付けられる。こうして、これら震動質量部1、2は、2つの自由度を有し、即ち、一方は、Z軸に関する自由度であり、他方は、X軸に関する自由度であり、これらが、角速度についてのセンサーとしての動作を可能にする。
【0030】
図3は、本発明による角速度の振動センサーの可動の質量部が、検出運動状態にあるのを示している。本発明による、角速度についての当該振動センサーでは、Y軸に関する外部からの角速度が、Z軸の方向における、質量部1、2の反対の位相の主運動を、X軸について反対に向けられたトルクモーメントへとリンクさせる。これら回転モーメントは、主運動と同一周波数の、反対の位相の捩り振動を生じさせ、その振動は、X軸の方向における質量部の質量部1、2の検出軸についてのものである。本発明によるこの角速度の振動センサーでは、検出運動のための捩りバネ7〜10は、捩り振動に関して柔軟性を有する。
【0031】
本発明によるこの角速度の振動センサーでは、外部の角速度に起因する振動の振幅は、その角速度に正比例し、そしてこれは、例えば、これら質量部1、2の上方または下方に配置された電極によって静電容量的手法(capacitive manner)で検出することができ、こ
れら電極は、例えば、このセンサー構造を密封的(ハーメチック)に閉じるウェハーの内面上に成長させても良い。
【0032】
図4は、本発明による角速度の振動センサーの可動の質量部の代替的な構造を示している。本発明による、この代替的な角速度の振動センサーでは、接続バネのあらゆる捩じれ(ツイスティング)が、中央の所において、付加的な曲がりバネによって低減される。この接続バネの捩り剛性の増加によって、この構造は、外部からの干渉によって生成される質量部の共通モード運動の観点からは、より剛性を有するものとなり、主モードのまたは検出モードを剛性化することは実質的にはない。
【0033】
本発明による代替的な角速度の振動センサーでは、質量部1、2は、取付けスポット3、4によって、そして、付加的には、中央に位置した取付けスポット12、13によって、該本体に取付けられている。これら取付けスポット12、13は、該構成部品の本体に、例えば、陽極的手法によってまたは溶融接合によって接合しても良い。
【0034】
図5は、本発明による角速度の振動センサーの可動の質量部の第2の代替構造を示している。本発明によるこの第2の代替的な角速度の振動センサーでは、接続バネのあらゆる捩じれが、該接続バネの中央から各コーナーへと延びている付加的な曲がりバネによって低減される。この接続バネの捩り剛性の増加によって、この構造は、外部からの干渉によって生成される質量部の共通のモードの運動の観点からは、より剛性を有するものとなり、主モードのまたは検出モードを剛性化することは実質的にはない。
【0035】
本発明による第2の代替的な角速度の振動センサーでは、質量部1、2は、取付けスポット3、4によって、そして、付加的には、中央にコーナの所に位置した取付けスポット14〜17によって、該本体に取付けられる。これら取付けスポット14〜17は、エッジ領域の所で直接的に該本体に一体化してもよいし、または、これらは、該構成部品の該本体に、例えば、陽極的手法によってまたは溶融接合によって接合しても良い。
【0036】
図6は、本発明による角速度の振動センサーの可動の質量部の、第3の代替的な構造を示している。本発明による、この第3の代替的な角速度の振動センサーでは、質量部1、2は、取付けスポット18、19によって該本体に取り付けられ、これら取付けスポット18、19は、一方の側において、バネによって質量部1、2に取り付けられている。これら取付けスポット18、19は、該構成部品の該本体に、例えば、陽極的手法によってまたは溶融接合によって接合しても良い。
【0037】
本発明による角速度の振動センサーのこれら可動の電極の第3の代替的な構造は、バネの寸法の設計の観点で少し複雑であり、さらにこれは、同じバネが、主(primary)と検出
の両方のモードの関与するので、これらモード間の結合を増加させる。他方、上記で説明した第3の代替的構造は、空間の効率的な利用の長所を有し、かつ、より単純である。
【0038】
図7は、本発明による角速度の振動センサーの可動の質量部の、第4の代替的な構造を示している。本発明による、この第4の代替的な角速度の振動センサーでは、質量部1、2は、取付けスポット20、21によって、そして、付加的には、端部の中央に位置した取付けスポット24、25によって、該本体に取り付けられる。これら取付けスポット20、21は、一方の側において、バネ22、23によって質量部1、2に取り付けらていれる。これら取付けスポット20、21、24、25は、該構成部品の該本体に、例えば、陽極的手法によってまたは溶融接合によって接合しても良い。本発明による、この第4の代替的な角速度の振動センサーには、さらに、これらバネの非線形的な特徴を低減させるための歪緩和構造26、27があり、かつ、静電気発生、維持、または、主運動の検出のためのクシ(櫛)形構造28、29がある。
【0039】
図8は、本発明による第5の代替的な角速度の振動センサーの、可動の質量部が、主運動状の状態にあるのを示している。本発明による、この第5の代替的な角速度の振動センサーでは、質量部1、2は、取付けスポット30、31によって該本体に取り付けられ、これら取付けスポット30、31は、一方の側において、剛性を有する補助構造32、33によって質量部1、2に取り付けられている。これら取付けスポット30、31は、該構成部品の該本体に、例えば、陽極的手法によってまたは溶融接合によって接合しても良い。本発明による、この第5の代替的な角速度の振動センサーには、付加的に、放射状のクシ形構造34、35があり、震動質量部1、2を互いに接続する曲がりバネ11がある。
【0040】
図9は、本発明による第5の代替的な角速度の振動センサーの、可動の質量部が、検出運動の状態にあるのを示している。
【0041】
上に説明された構造に加えて、質量部に2つの自由度を作り出すための多くの他のやり方が存在し、これら自由度は、本発明に従って角速度を測定するために必要とされるものである。
【0042】
図10は、本発明による、2つの軸を持った角速度の振動センサーの、可動の質量部の構造の斜視図を示している。本発明による、2つの軸に関して角速度を測定する、この角速度についてのセンサーは、2つの震動質量部36、37を有しており、これらは、2つの取付けスポット38、39によってセンサー構成部品の本体に取り付けられている。本発明による、2つの軸を持った角速度の振動センサーは、主運動のための回転バネ40、41と、第1の方向における検出運動のための捩りバネ42〜45と、第2の方向における検出運動のための捩りバネ46〜49と、2つの震動質量部36、37を互いに接続する曲がりバネ50とを有する。
【0043】
共振体(resonator)36、37を接続している、中央に位置する長いバネ50は、それ
ら質量部の運動を、互いに反対の位相の運動へと同期させる。加えて、該接続バネ50は、広さよりも実質的に高く、それが、取付けスポット38、39の周りのフレームのY軸の方向における捩れモードを妨害し、それによって、フレームは、実質的にZ軸方向の自由度を有する。
【0044】
前に説明した1つの軸を持った構造と比較すると、本発明によるこの2つの軸を有する角速度の振動センサーの構造は、付加的な剛性を有する補助構造を有し、これら補助構造は、バネによって、Y軸の方向に延びる捩りバネ46〜49のペアによって、質量部36、37に懸架される。本発明による、この2つの軸を持った角速度の振動センサーの構造は、震動質量部36、37に、主運動に対して垂直な第2の自由度を与え、当該センサーが同一の主運動を利用して2つの軸を持った角速度についてのセンサーとして作動することを可能にしている。
【0045】
図11は、本発明による、2つの軸を持った角速度の振動センサーの、可動の質量部が、Y軸に関する角速度で生じた検出運動の状態にあるのを示している。本発明による、この2つの軸を持った角速度の振動センサーでは、Y軸に関する外部からの角速度(これが測定されるべきものである)が、質量部36、37のZ軸に関する逆位相の主運動を、X軸に関する逆位相のトルクモーメントに結合する。該トルクモーメントは、X軸に平行な検出軸に関しての、質量部の質量部36、37の逆位相の捩り振動を生成させる。本発明による、この2つの軸を持った角速度についてのセンサーでは、検出運動のための捩りバネ42〜45が、この捩り振動に関して柔軟性を有する。
【0046】
図12は、本発明による、2つの軸を持った角速度の振動センサーの、可動の質量部が、X軸に関する角速度で生じた検出運動の状態にあるのを示している。本発明による、この2つの軸を持った角速度の振動センサーでは、X軸に関する、測定すべきアイテムに対する角速度が、質量部36、37のZ軸の方向における逆位相の主運動を、Y軸に関する逆位相のトルクモーメントに結合させる。該トルクモーメントは、質量部の逆位相の捩り振動を生成させ、該捩り振動は、主運動と同じ周波数であり、質量部の質量部36、37の検出軸についてのものであり、Y軸に平行である。本発明による、この2つの軸を持った角速度についてのセンサーでは、検出運動のための捩りバネ46〜49が、この捩り振動に関して柔軟性を有する。
【0047】
本発明による、2つの軸を持った角速度の振動センサーでは、外部からの角速度で生じた振動は、角速度に正比例し、そしてこれは、例えば、質量部36、37の上方または下方に配置された電極によって静電容量的手法で検出することができ、これら電極は、例えば、このセンサー構造を密封的に閉じるウェハーの内面上に成長させることができる。
【0048】
例示する構造に加えて、2つの軸を持った角速度についてのセンサーの多数のバリエーションを、本発明の範囲内で示すことができる。
【0049】
従来技術によるセンサー構造と比較した、本発明による角速度の振動センサーの最も重要な長所は、その周囲からの震動および衝撃に対する、角速度信号における本質的に改善された抵抗である。本発明による、この角速度についてのセンサーでは、角速度が、共通の検出軸に関して質量部に逆位相の運動を生じさせ、それが、質量部のための差分検出回路(differential detection circuit)によって検出される。
【0050】
本発明による、2つの軸を持った角速度の振動センサーでは、外部からの角加速度によって生じた、および、質量部のあらゆる質量非対称性によって生じた、リニアな加速度が、質量部に、同じ位相になったモーメントを生じさせる。同じ位相になった運動で生じた信号は、差分検出において相殺され、こうして、理想的な対称構造の場合には、外部からの機械的な妨害は、完全に過負荷な状況においてしか、出力に影響を与えることはない。
【0051】
本発明による角速度の振動センサーは、また、運動の方向が注意深く考慮されているので、極めて高い信号レベルを可能にしている。この大きな慣性モーメントは、震動質量部の長さによってもたらされ、例えば、その質量部の上方または下方に配置された大きな電極によって、効率的に利用することができる。
【0052】
本発明による、この角速度の振動センサーの構造の長所は、また、バネの変形の種々のモードにおける、とりわけ、フレームを持ったタイプの構造における特殊性(distinctiveness)であり、これらバネは、運動のモードの周波数と方向を本質的に決定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
角速度についての振動マイクロ−メカニカルセンサーであって、
当該センサーは、2つの震動質量部(1)、(2)、(36)、(37)を有し、これら質量部は、センサー構成部品の本体に支持領域の所で取り付けられ、かつ、当該センサーは、該質量部(1)、(2)、(36)、(37)の間にある接続バネを有し、
角速度についての当該センサーの、生じるべき主運動は、支持領域に関する、2つの震動質量部(1)、(2)、(36)、(37)の逆位相の角振動であり、
該震動質量部(1)、(2)、(36)、(37)は、互いに少なくとも1つの曲がりバネ(11)、(50)によって接続されており、そのことが、それら質量部の主運動を機械的に同期させており、
該震動質量部(1)、(2)、(36)、(37)は、バネによってまたはバネと剛性を有する補助構造によって支持領域に接続されており、そのことが、震動質量部(1)、(2)、(36)、(37)に、それら質量部によって形成されるウェハーの平面に垂直な回転の軸に関する自由度と、前記ウェハーの平面の方向を向いた少なくとも1つの回転の軸に関する自由度とを与えている
ことを特徴とする、前記角速度についての振動マイクロ−メカニカルセンサー。
【請求項2】
角速度についての当該センサーが、1つの軸に関して角速度を測定する角速度についてのセンサーであって、当該センサーが、2つの震動質量部(1)、(2)を持っており、これら質量部が、少なくとも2つの取付けスポット(3)、(4)の所で、センサー構成部品の本体に取り付けられることを特徴とする、請求項1記載の角速度についてのセンサー。
【請求項3】
曲がりバネ(11)が、幅が広いことよりも、実質的により高いことを特徴とする、請求項2記載の角速度についてのセンサー。
【請求項4】
角速度についての当該センサーが、
主運動のための回転バネ(5)、(6)を有し、これらバネは、主運動に関して柔軟性を持っており、
検出運動のための捩りバネ(7)〜(10)を有し、これらバネは、外部からの角速度によって生成されるトルクモーメントによって生じる捩り振動に関して、柔軟性を持つものであることを特徴とする、請求項2または3記載の角速度についてのセンサー。
【請求項5】
外部からの角速度によって生じる振動が、質量部(1)、(2)の上方または下方に配置された電極によって、静電容量的手法で検出されることを特徴とする、請求項2、3または4記載の角速度についてのセンサー。
【請求項6】
電極が、センサー構造を密封的に閉じるウェハーの内側の面に成長していることを特徴とする、請求項5記載の角速度についてのセンサー。
【請求項7】
角速度についての当該センサーが、第2の曲がりバネを有し、該バネが、角速度についての当該センサーの質量部同士を接続するバネ(11)と、実質的に同じ方向に延びており、かつ、その中央ポイントの所に取り付けられていることを特徴とする、請求項2〜6のいずれか1つに記載の角速度についてのセンサー。
【請求項8】
質量部(1)、(2)が、取付けスポット(3)、(4)によって、および、付加的には中央に設けられた取付けスポット(12)、(13)によって、該本体に取り付けられることを特徴とする、請求項2〜7のいずれか1つに記載の角速度についてのセンサー。
【請求項9】
質量部(1)、(2)が、取付けスポット(3)、(4)によって、および、付加的にはコーナーまたは端部に設けられた取付けスポット(14)〜(17)によって、該本体に取り付けられることを特徴とする、請求項2〜7のいずれか1つに記載の角速度についてのセンサー。
【請求項10】
質量部(1)、(2)が、取付けスポット(18)、(19)によって、該本体に取り付けられ、該取付けスポット(18)、(19)の一方の側が、設計された剛性を有する補助構造によって、質量部(1)、(2)に取り付けられていることを特徴とする、請求項2〜7のいずれか1つに記載の角速度についてのセンサー。
【請求項11】
質量部(1)、(2)が、取付けスポット(18)、(19)によって、該本体に取り付けられ、該取付けスポット(18)、(19)の一方の側が、バネによって、質量部(1)、(2)に取り付けられていることを特徴とする、請求項2〜7のいずれか1つに記載の角速度についてのセンサー。
【請求項12】
質量部(1)、(2)が、取付けスポット(24)、(25)によって該本体に取り付けられ、これら取付けスポットは、端部の中央の所に設けられており、かつ、付加的には、取付けスポット(20)、(21)によって該本体に取り付けられ、これら取付けスポット(20)、(21)の一方の側が、バネ(22)、(23)によって質量部(1)、(2)に取り付けられていることを特徴とする、請求項2〜7のいずれか1つに記載の角速度についてのセンサー。
【請求項13】
角速度についての当該センサーが、歪緩和構造(26)、(27)を有することを特徴とする、請求項2から12のいずれか1つに記載の角速度についてのセンサー。
【請求項14】
角速度についての当該センサーが、クシ形の構造(28)、(29)を有することを特徴とする、請求項2から13のいずれか1つに記載の角速度についてのセンサー。
【請求項15】
角速度についての当該センサーが、放射状のクシ形構造(34)、(35)を有することを特徴とする、請求項2から14のいずれか1つに記載の角速度についてのセンサー。
【請求項16】
角速度についての当該センサーが、2つの軸に関する角速度を測定する角速度についてのセンサーであって、当該センサーは、2つの震動質量部(36)、(37)を含んでおり、該質量部が、2つの取付けスポット(38)、(39)によって、センサー構成部品の本体に取り付けられることを特徴とする、請求項1記載の角速度についてのセンサー。
【請求項17】
曲がりバネ(50)が、幅が広いことよりも、実質的により高いことを特徴とする、請求項16記載の角速度についてのセンサー。
【請求項18】
角速度についての当該センサーが、
主運動のための回転バネ(40)、(41)を有し、これら回転バネは、主運動に関して柔軟性を持っており、
第1の方向における検出運動のための捩りバネ(42)〜(45)を有し、これら捩りバネは、第1の方向における検出運動に関して柔軟性を持っており、
第2の方向における検出運動のための捩りバネ(46)〜(49)を有し、これら捩りバネは、第2の方向における検出運動に関して柔軟性を持っている
ことを特徴とする、請求項16または17記載の角速度についてのセンサー。
【請求項19】
外部からの角速度によって生じる振動が、質量部(36)、(37)の上方または下方に配置された電極によって、静電容量的手法で検出されることを特徴とする、請求項16〜18のいずれかに記載の角速度についてのセンサー。
【請求項20】
電極が、センサー構造を密封的に閉じるウェハーの内側の面に成長していることを特徴とする、請求項19記載の角速度についてのセンサー。
【請求項21】
取付けスポット(3)、(4)、(14)〜(19)、(20)、(21)、(24)、(25)、(30)、(31)が、センサー構造を密封的に閉じるウェハーに、陽極的手法によって接合されることを特徴とする、請求項2〜20のいずれかに記載の角速度についてのセンサー。
【請求項22】
取付けスポット(3)、(4)、(14)〜(19)、(20)、(21)、(24)、(25)、(30)、(31)は、センサー構造を密封的に閉じるウェハーに溶融接合を介して接合される、ことを特徴とする、請求項2から20のいずれかに記載の角速度についてのセンサー。
【請求項1】
角速度についての振動マイクロ−メカニカルセンサーであって、
当該センサーは、2つの震動質量部(1)、(2)、(36)、(37)を有し、これら質量部は、センサー構成部品の本体に支持領域の所で取り付けられ、かつ、当該センサーは、該質量部(1)、(2)、(36)、(37)の間にある接続バネを有し、
角速度についての当該センサーの、生じるべき主運動は、支持領域に関する、2つの震動質量部(1)、(2)、(36)、(37)の逆位相の角振動であり、
該震動質量部(1)、(2)、(36)、(37)は、互いに少なくとも1つの曲がりバネ(11)、(50)によって接続されており、そのことが、それら質量部の主運動を機械的に同期させており、
該震動質量部(1)、(2)、(36)、(37)は、バネによってまたはバネと剛性を有する補助構造によって支持領域に接続されており、そのことが、震動質量部(1)、(2)、(36)、(37)に、それら質量部によって形成されるウェハーの平面に垂直な回転の軸に関する自由度と、前記ウェハーの平面の方向を向いた少なくとも1つの回転の軸に関する自由度とを与えている
ことを特徴とする、前記角速度についての振動マイクロ−メカニカルセンサー。
【請求項2】
角速度についての当該センサーが、1つの軸に関して角速度を測定する角速度についてのセンサーであって、当該センサーが、2つの震動質量部(1)、(2)を持っており、これら質量部が、少なくとも2つの取付けスポット(3)、(4)の所で、センサー構成部品の本体に取り付けられることを特徴とする、請求項1記載の角速度についてのセンサー。
【請求項3】
曲がりバネ(11)が、幅が広いことよりも、実質的により高いことを特徴とする、請求項2記載の角速度についてのセンサー。
【請求項4】
角速度についての当該センサーが、
主運動のための回転バネ(5)、(6)を有し、これらバネは、主運動に関して柔軟性を持っており、
検出運動のための捩りバネ(7)〜(10)を有し、これらバネは、外部からの角速度によって生成されるトルクモーメントによって生じる捩り振動に関して、柔軟性を持つものであることを特徴とする、請求項2または3記載の角速度についてのセンサー。
【請求項5】
外部からの角速度によって生じる振動が、質量部(1)、(2)の上方または下方に配置された電極によって、静電容量的手法で検出されることを特徴とする、請求項2、3または4記載の角速度についてのセンサー。
【請求項6】
電極が、センサー構造を密封的に閉じるウェハーの内側の面に成長していることを特徴とする、請求項5記載の角速度についてのセンサー。
【請求項7】
角速度についての当該センサーが、第2の曲がりバネを有し、該バネが、角速度についての当該センサーの質量部同士を接続するバネ(11)と、実質的に同じ方向に延びており、かつ、その中央ポイントの所に取り付けられていることを特徴とする、請求項2〜6のいずれか1つに記載の角速度についてのセンサー。
【請求項8】
質量部(1)、(2)が、取付けスポット(3)、(4)によって、および、付加的には中央に設けられた取付けスポット(12)、(13)によって、該本体に取り付けられることを特徴とする、請求項2〜7のいずれか1つに記載の角速度についてのセンサー。
【請求項9】
質量部(1)、(2)が、取付けスポット(3)、(4)によって、および、付加的にはコーナーまたは端部に設けられた取付けスポット(14)〜(17)によって、該本体に取り付けられることを特徴とする、請求項2〜7のいずれか1つに記載の角速度についてのセンサー。
【請求項10】
質量部(1)、(2)が、取付けスポット(18)、(19)によって、該本体に取り付けられ、該取付けスポット(18)、(19)の一方の側が、設計された剛性を有する補助構造によって、質量部(1)、(2)に取り付けられていることを特徴とする、請求項2〜7のいずれか1つに記載の角速度についてのセンサー。
【請求項11】
質量部(1)、(2)が、取付けスポット(18)、(19)によって、該本体に取り付けられ、該取付けスポット(18)、(19)の一方の側が、バネによって、質量部(1)、(2)に取り付けられていることを特徴とする、請求項2〜7のいずれか1つに記載の角速度についてのセンサー。
【請求項12】
質量部(1)、(2)が、取付けスポット(24)、(25)によって該本体に取り付けられ、これら取付けスポットは、端部の中央の所に設けられており、かつ、付加的には、取付けスポット(20)、(21)によって該本体に取り付けられ、これら取付けスポット(20)、(21)の一方の側が、バネ(22)、(23)によって質量部(1)、(2)に取り付けられていることを特徴とする、請求項2〜7のいずれか1つに記載の角速度についてのセンサー。
【請求項13】
角速度についての当該センサーが、歪緩和構造(26)、(27)を有することを特徴とする、請求項2から12のいずれか1つに記載の角速度についてのセンサー。
【請求項14】
角速度についての当該センサーが、クシ形の構造(28)、(29)を有することを特徴とする、請求項2から13のいずれか1つに記載の角速度についてのセンサー。
【請求項15】
角速度についての当該センサーが、放射状のクシ形構造(34)、(35)を有することを特徴とする、請求項2から14のいずれか1つに記載の角速度についてのセンサー。
【請求項16】
角速度についての当該センサーが、2つの軸に関する角速度を測定する角速度についてのセンサーであって、当該センサーは、2つの震動質量部(36)、(37)を含んでおり、該質量部が、2つの取付けスポット(38)、(39)によって、センサー構成部品の本体に取り付けられることを特徴とする、請求項1記載の角速度についてのセンサー。
【請求項17】
曲がりバネ(50)が、幅が広いことよりも、実質的により高いことを特徴とする、請求項16記載の角速度についてのセンサー。
【請求項18】
角速度についての当該センサーが、
主運動のための回転バネ(40)、(41)を有し、これら回転バネは、主運動に関して柔軟性を持っており、
第1の方向における検出運動のための捩りバネ(42)〜(45)を有し、これら捩りバネは、第1の方向における検出運動に関して柔軟性を持っており、
第2の方向における検出運動のための捩りバネ(46)〜(49)を有し、これら捩りバネは、第2の方向における検出運動に関して柔軟性を持っている
ことを特徴とする、請求項16または17記載の角速度についてのセンサー。
【請求項19】
外部からの角速度によって生じる振動が、質量部(36)、(37)の上方または下方に配置された電極によって、静電容量的手法で検出されることを特徴とする、請求項16〜18のいずれかに記載の角速度についてのセンサー。
【請求項20】
電極が、センサー構造を密封的に閉じるウェハーの内側の面に成長していることを特徴とする、請求項19記載の角速度についてのセンサー。
【請求項21】
取付けスポット(3)、(4)、(14)〜(19)、(20)、(21)、(24)、(25)、(30)、(31)が、センサー構造を密封的に閉じるウェハーに、陽極的手法によって接合されることを特徴とする、請求項2〜20のいずれかに記載の角速度についてのセンサー。
【請求項22】
取付けスポット(3)、(4)、(14)〜(19)、(20)、(21)、(24)、(25)、(30)、(31)は、センサー構造を密封的に閉じるウェハーに溶融接合を介して接合される、ことを特徴とする、請求項2から20のいずれかに記載の角速度についてのセンサー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−137826(P2011−137826A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−15626(P2011−15626)
【出願日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【分割の表示】特願2007−548849(P2007−548849)の分割
【原出願日】平成17年12月30日(2005.12.30)
【出願人】(507220615)ヴェーテーイー テクノロジーズ オサケユキチュア (9)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−15626(P2011−15626)
【出願日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【分割の表示】特願2007−548849(P2007−548849)の分割
【原出願日】平成17年12月30日(2005.12.30)
【出願人】(507220615)ヴェーテーイー テクノロジーズ オサケユキチュア (9)
【Fターム(参考)】
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