説明

記録装置、及びこの記録装置に用いられる増設排紙ユニット

【課題】増設排紙ユニット内の記録媒体の詰りが拡大する。
【解決手段】装置本体は、画像が記録された用紙の搬送先を、本体排紙トレイと増設排紙ユニットとの間で選択的に切り替え可能な本体搬送先切替機構を備えている。増設排紙ユニットは、用紙Pを収容するための増設排紙トレイと、装置本体から搬送されてきた用紙Pを増設排紙トレイへと案内する増設搬送経路と、装置本体の本体搬送先切替機構を制御可能な増設ユニット制御部を備えている。増設ユニット制御部は、増設搬送経路において用紙の詰りが検知(B5:YES)したときに、用紙の搬送先を増設排紙ユニットから本体排紙トレイに変更させるように本体搬送先切替機構を制御する(B8)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録装置、及びこの記録装置に用いられる増設排紙ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数の排紙トレイを備えた記録装置が知られている。このような記録装置として、例えば、特許文献1には、使用中の排紙トレイにトレイフルなどのエラーが発生した場合に、他の排紙トレイに排紙を行うことで、印字を続行できる印字装置について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−10344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、記録装置において、増設排紙ユニットをオプションとして装置本体に対して装着可能に構成されたものがある。この種の記録装置においては、通常、装置本体及び増設排紙ユニットそれぞれに互いに通信可能な制御手段が設けられている。この装置本体の本体制御手段は、画像が記録された記録媒体の搬送先を、装置本体の本体排紙トレイ及び増設排紙ユニットとの間で切り替える処理等を行う。また、増設排紙ユニットの増設ユニット制御手段は、増設排紙ユニット内の記録媒体の詰り(ジャム)の検知等を行う。
【0005】
ここで、増設排紙ユニット内において記録媒体の詰りが発生した場合には、増設ユニット制御手段が記録媒体の詰りを検知して、その検知データを本体制御手段に対して送信する。そして、本体制御手段がその検知データを受信した後、記録媒体の搬送先が本体排紙トレイとなるように搬送先を切り替える処理が行われることになる。この場合において、増設排紙ユニット内において記録媒体の詰りが発生してから、記録媒体の搬送先が本体排紙トレイへと切り換わるまでの処理時間が長くなると増設排紙ユニット内の記録媒体の詰りが拡大するという問題が生じる。
【0006】
そこで、本発明の目的は、増設排紙ユニット内において記録媒体の詰りが拡大することを抑制可能な記録装置、及び増設排紙ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の記録装置は、装置本体と、前記装置本体に装着される増設排紙ユニットとを備えた記録装置において、前記装置本体は、画像データに基づいて記録媒体に画像を記録する画像記録手段と、記録媒体を収容するための本体排紙トレイと、前記画像記録手段により画像が記録された記録媒体の搬送先を、前記本体排紙トレイと前記増設排紙ユニットとの間で選択的に切り替え可能な搬送先切替手段と、前記画像記録手段、及び前記搬送先切替手段を制御する本体制御手段とを備え、前記増設排紙ユニットは、記録媒体を収容するための増設排紙トレイと、前記装置本体から搬送されてきた記録媒体を前記増設排紙トレイへと案内する増設搬送経路と、前記増設搬送経路における記録媒体の詰りを検知するジャム検知手段と、前記装置本体の前記搬送先切替手段を制御可能な増設搬送先制御手段とを備えており、前記増設搬送先制御手段は、前記ジャム検知手段が記録媒体の詰りを検知したときに、記録媒体の搬送先を前記増設排紙ユニットから前記本体排紙トレイに変更させるように前記搬送先切替手段を制御することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の増設排紙ユニットは、画像データに基づいて記録媒体に画像を記録する画像記録手段と、記録媒体を収容するための本体排紙トレイと、前記画像記録手段により画像が記録された記録媒体の搬送先を、前記本体排紙トレイと前記本体排紙トレイとは異なる外部との間で選択的に切り替え可能な搬送先切替手段と、前記画像記録手段、及び前記搬送先切替手段を制御する本体制御手段とを備えた記録装置本体に装着される増設排紙ユニットであって、記録媒体を収容するための増設排紙トレイと、前記搬送先切替手段が記録媒体の搬送先を前記外部に設定しているときに前記記録装置本体から搬送されてきた記録媒体を、前記増設排紙トレイへと案内する増設搬送経路と、前記増設搬送経路における記録媒体の詰りを検知するジャム検知手段と、前記記録装置本体の前記搬送先切替手段を制御可能な増設搬送先制御手段とを備えており、前記増設搬送先制御手段は、前記ジャム検知手段が記録媒体の詰りを検知したときに、記録媒体の搬送先を前記増設排紙ユニットから前記本体排紙トレイに変更させるように前記搬送先切替手段を制御することを特徴とする。
【0009】
上記の記録装置の構成、及び増設排紙ユニットの構成によれば、増設搬送先制御手段が装置本体の搬送先切替手段を直接制御することが可能にされているため、増設排紙ユニット内において記録媒体の詰りが発生してから、記録媒体の搬送先が本体排紙トレイへと切り換わるまでの処理時間を短くすることができる。その結果、増設排紙ユニット内の記録媒体の詰りが拡大することを抑制することができる。
【0010】
また、本発明の記録装置においては、前記増設排紙ユニットは、前記増設排紙トレイを複数有しており、前記増設搬送経路は、前記複数の前記増設排紙トレイのうちの第1増設排紙トレイへと記録媒体を案内する主増設搬送経路と、前記主増設搬送経路から分岐して、前記第1増設排紙トレイとは異なる第2増設排紙トレイへと記録媒体を案内する分岐増設搬送経路を含み、前記装置本体から搬送されてきた記録媒体の搬送先を、少なくとも前記第1増設排紙トレイと前記第2増設排紙トレイとの間で選択的に切り替え可能な増設トレイ側搬送先切替手段と、前記増設トレイ側搬送先切替手段を制御する増設トレイ側搬送先制御手段とを更に備え、前記増設搬送先制御手段は、前記ジャム検知手段が前記主増設搬送経路と前記分岐増設搬送経路との分岐点よりも搬送方向上流側における前記主増設搬送経路の記録媒体の詰りを検知した場合に、記録媒体の搬送先を前記増設排紙ユニットから前記本体排紙トレイに変更させるように前記搬送先切替手段を制御してもよい。上記の構成によれば、増設排紙ユニットにおいて何れの増設排紙トレイにも記録媒体を排紙することができないときに、記録媒体を装置本体の本体排紙トレイに排紙させることができる。
【0011】
また、本発明の記録装置において、前記増設排紙ユニットは、前記ジャム検知手段が記録媒体の詰りを検知したときに、ジャム検知データを前記本体制御手段に対して送信する検知データ送信手段を更に備えており、前記本体制御手段は、前記ジャム検知データを前記検知データ送信手段から受信したときに、現在記録中の記録媒体に対しては記録を続行し、その後の記録媒体に対する記録は停止するように前記画像記録手段を制御してもよい。上記の構成によれば、増設排紙ユニット内において記録媒体の詰りが発生した場合には、記録中の記録媒体に対してのみ記録が続行されるので、記録中の記録媒体が無駄になること防ぐことができると共に、本来の排紙先とは異なる本体排紙トレイに排紙される記録媒体の枚数を最小限に留めることができる。
【0012】
また、本発明の記録装置において、前記装置本体は、表示手段と、ユーザの操作入力を受け付ける操作入力手段とを更に備えており、前記本体制御手段は、前記ジャム検知データを前記検知データ送信手段から受信したときに、前記増設排紙ユニットの前記増設搬送経路に記録媒体の詰りが発生したことを表す画像、記録媒体の搬送先が前記本体排紙トレイに切り替わったことを表す画像、及び、記録媒体の搬送先を前記本体側排紙トレイとして記録媒体への記録を続行するか否かをユーザに選択させるための選択画像を前記表示手段に表示させ、前記操作入力手段が、ユーザから前記記録媒体の記録を続行する旨の操作入力を受け付けた場合には、前記記録媒体への記録が続行されるように前記画像記録手段を制御してもよい。上記の構成によれば、増設排紙ユニットの増設搬送経路において記録媒体の詰りが発生したことにより、記録媒体の搬送先が本体排紙トレイに切り替わったことをユーザが視認することができる。またさらには、記録媒体の搬送先を本体側排紙トレイとして記録媒体への記録を続行するか否かをユーザが選択できるので、ユーザの操作性を向上させることができる。
【0013】
また、本発明の記録装置において、前記増設排紙ユニットが、前記本体制御手段との間で、前記増設搬送先制御手段による前記搬送先切替手段の制御許可に関する認証を行う認証制御手段と、前記認証制御手段による前記制御許可の認証が成功したときは、前記増設搬送先制御手段に対して前記搬送先切替手段の制御を許可し、前記認証制御手段による前記制御許可の認証が失敗したときには前記増設搬送先制御手段に対して前記搬送先切替手段の制御を禁止する制御許可手段とを更に備えていてもよい。上記の構成によれば、搬送先切替手段の制御許可の認証が成功したときのみ、増設搬送先制御手段は搬送先切替手段を制御することができるので、当該増設搬送先制御手段により搬送先切替手段の制御を正常に行うことができる。
【0014】
また、本発明の記録装置においては、前記増設トレイ側搬送先制御手段は、前記ジャム検知手段が前記分岐増設搬送経路の記録媒体の詰りを検知し、且つ前記主増設搬送経路の記録媒体の詰りを検知していないときに、記録媒体の搬送先を前記第2増設排紙トレイから前記第1増設排紙トレイに変更させるように前記増設トレイ側搬送先切替手段を制御してもよい。上記の構成によれば、装置本体の搬送先切替手段を制御することなく、増設排紙ユニット内の記録媒体の詰りが拡大することを抑制することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、増設排紙ユニット内の記録媒体の詰りが拡大することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係るプリンタの機械的構成を示す概略側面図である。
【図2】図1に示す本体搬送先切替機構近傍の部分側面図である。
【図3】図1に示すプリンタの電気的構成を示す図である。
【図4】図1に示す装置本体の動作を説明する動作フロー図である。
【図5】図1に示す増設排紙ユニットの動作を説明する動作フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好適な実施の形態として、記録装置をインクジェットプリンタに適用し、図面を参照しつつ説明する。
【0018】
先ず、図1及び図2を参照し、プリンタ101の全体構成について説明する。プリンタ101は、図1に示すように、用紙Pに画像を記録(形成)する装置本体1と、装置本体1に対して着脱可能に装着される増設排紙ユニット200とを備えている。
【0019】
(装置本体の機械的構成)
装置本体1は、直方体形状の装置筐体1aを有する。装置筐体1aの天板には、用紙排紙口1dが開口しているとともに、記録媒体である用紙Pを収容するための本体排紙トレイ60が設けられている。また、装置筐体1aにより画定される空間(プリンタ101の内部空間)には、給紙ユニット1cから本体排紙トレイ60に向けて、用紙Pが搬送される搬送経路が形成されている。また、プリンタ101の内部空間には、用紙Pの搬送経路を規定する搬送機構30、搬送機構30により搬送されている用紙P上に画像を記録するインクジェットヘッド10(以下、単にヘッド10と称す)、搬送機構30に用紙Pを給紙する給紙ユニット1c、及び、装置本体1全体の動作を司る本体制御部(本体制御手段)100、及びタッチパネル80(図3参照)等が配置されている。
【0020】
ヘッド10は、主走査方向に長尺な略直方体形状を有するラインヘッドであり、その下面は多数の吐出口が開口した吐出面10aである。また、ヘッド10は、ヘッドホルダ13を介して装置筐体1aに支持されている。ヘッドホルダ13は、吐出面10aと後述のプラテン46との間に画像記録に適した所定の間隙が形成されるようにヘッド10を保持している。
【0021】
搬送機構30が規定する搬送経路は、通常搬送に係る本体搬送路R1,R2,R3と、増設排紙ユニット200が装置本体1に装着されたときに、当該増設排紙ユニット200の後述の増設搬送経路REに接続される本体搬送路R4とを含む。
【0022】
本体搬送路R1は、給紙ユニット1cから記録位置(吐出面10aと対向する位置)に至る経路であり、送りローラ31〜33、及びガイド36〜39により規定されている。本体搬送路R2は、ヘッド10の記録位置を通る経路であり、送りローラ41,42、及びヘッド10と対向するプラテン46により規定されている。本体搬送路R3は、記録位置から本体排紙トレイ60に至る経路であり、送りローラ51〜54、及びガイド56〜59により規定されている。
【0023】
本体搬送路R4は、本体搬送路R3の途中から分岐して、用紙排紙口1dに至る経路であり、ガイド59から分岐した分岐ガイド59a、及び用紙排紙口1dにより規定されている。送りローラ31〜33,41,42,51〜54は、用紙Pを挟持するように対向配置された一対のローラ部材をそれぞれ有しており、挟持した用紙Pが搬送方向に搬送されるように用紙Pに搬送力を付与する。また、ガイド36〜39,56〜59は、互いに対向する一対のガイド面から構成されており、装置筐体1aに支持されている。
【0024】
また、本体搬送路R3と本体搬送路R4との分岐点には、画像記録された用紙Pの搬送先を、本体排紙トレイ60と増設排紙ユニット200との間で選択的に切り替え可能な本体搬送先切替機構(搬送先切替手段)70が設けられている。本体搬送先切替機構70は、第1位置(図2に示す位置)と、本体搬送路R3と本体搬送路R4をと連通させる第2位置(図1に示す位置)との間において、揺動する揺動部材71と、揺動部材71を駆動する本体搬送先切替モータ72(図3参照)とを有する。揺動部材71は、本体制御部100又は増設排紙ユニット制御部300の制御の下、本体搬送先切替モータ72が駆動されることで、用紙Pを本体排紙トレイ60に搬送する際には第1位置に、用紙Pを増設排紙ユニット200に搬送する際には第2位置に配置される。
【0025】
給紙ユニット1cは、装置筐体1aに対して副走査方向(主走査方向及び鉛直方向と直交する方向)に着脱可能に装着される給紙トレイ20、及び、給紙ローラ21を有している。給紙トレイ20は、上方に開口する箱であり、複数の用紙Pを収納する。給紙ローラ21は、給紙トレイ20内で最も上方にある用紙Pを本体搬送路R1へ送り出す。本実施形態においては、給紙ユニット1c、搬送機構30、及びヘッド10で画像記録手段を構成している。
【0026】
本体制御部100は、外部装置(プリンタ101に接続されたPC等)から受信した記録指令に基づいて、用紙Pに画像が記録されるよう、用紙Pの搬送動作、及び、用紙Pの搬送に同期したインク吐出動作等の画像記録を行う。本体制御部100の搬送動作により給紙トレイ20から送り出された用紙Pは、本体搬送路R1,R2に沿って搬送される。用紙Pがプラテン46上に支持されつつヘッド10の真下(記録位置)を副走査方向に通過する際に、本体制御部100によりヘッド10が駆動されて、吐出面10aの吐出口から用紙Pに向けてインクが吐出される。これにより用紙P上に所望の画像が記録される。なお、本体制御部100のインク吐出動作は、用紙センサ17からの検知信号に基づき行われる。その後、用紙Pは、本体搬送路R3に沿って搬送され、本体搬送先切替機構70の揺動部材71が第1位置に配置されている際には本体排紙トレイ60に搬送され、揺動部材71が第2位置に配置されている際には増設排紙ユニット200に搬送される。
【0027】
また、装置筐体1aの天板上部には、装置本体1に対して装着される増設排紙ユニット200の位置決めに用いられる位置決め穴1bが形成されていると共に、本体制御部100に電気的に接続された本体コネクタ3が設けられている。この本体コネクタ3に対して増設排紙ユニット200の後述の増設コネクタ203が接続されることで、本体制御部100と、増設排紙ユニット200の後述の増設ユニット制御部300とが通信可能に接続される。また、本体コネクタ3と本体搬送先切替機構70の本体搬送先切替モータ72とは電気的に接続されており、本体コネクタ3に対して増設コネクタ203が接続されたときに、増設ユニット制御部300が本体搬送先切替モータ72を直接制御することが可能にされている。
【0028】
(増設排紙ユニットの機械的構成)
次に、増設排紙ユニット200の機械的構成について説明する。増設排紙ユニット200は、図1に示すように、増設排紙筐体200aを有する。増設排紙筐体200aには、上下方向に離隔して配置され、用紙Pを収容するための3つの増設排紙トレイ260(261〜263)、用紙Pの搬送経路(以下、増設搬送経路RE)を規定する増設搬送機構230、及び、増設排紙ユニット200全体の動作を司る増設ユニット制御部300等が配置されている。増設排紙筐体200aの底板には、装置本体1から搬送される用紙Pが通過する用紙給紙口200dが開口している。
【0029】
増設搬送機構230が規定する増設搬送経路REは、主増設搬送路R5と、主増設搬送路R5の途中から分岐した分岐増設搬送経路R6,R7とを含む。
【0030】
主増設搬送路R5は、用紙給紙口200dから、最も鉛直方向上方に位置する増設排紙トレイ(第1増設排紙トレイ)261に至る経路であり、装置本体1から搬送されてきた用紙Pを増設排紙トレイ261へと案内する。この主増設搬送路R5は、送りローラ231〜234、及びガイド236〜238により規定されている。
【0031】
分岐増設搬送経路R6は、主増設搬送路R5の途中から分岐して増設排紙トレイ(第2増設排紙トレイ)262に至る経路であり、用紙Pを増設排紙トレイ262へと案内する。この分岐増設搬送経路R6は、ガイド237から分岐した分岐ガイド237a、及び送りローラ241により規定されている。
【0032】
また、分岐増設搬送経路R7は、主増設搬送路R5と分岐増設搬送経路R6との分岐点よりも搬送方向上流側において、主増設搬送路R5から分岐して増設排紙トレイ(第2増設排紙トレイ)263に至る経路であり、用紙Pを増設排紙トレイ263へと案内する。分岐増設搬送経路R7は、ガイド236から分岐した分岐ガイド236a、及び送りローラ242により規定されている。送りローラ231〜234,241,242は、用紙Pを挟持するように対向配置された一対のローラ部材をそれぞれ有しており、挟持した用紙Pが搬送方向に搬送されるように用紙Pに搬送力を付与する。また、ガイド236〜238は、互いに対向する一対のガイド面から構成されている。ガイド236〜238を構成する一対のガイド面のうち図中左のガイド面は増設排紙筐体200aに支持されている。
【0033】
増設排紙筐体200aの側壁には開口が形成されており、当該開口には、下端の主走査方向に沿った水平軸を支点として開閉可能な扉200cが設けられている。扉200cはガイド236〜238を構成する一対のガイド面のうち図中右側のガイド面を支持している。この構成において、増設搬送経路RE内において用紙Pが詰まった場合には、ユーザが扉200cを開けることにより、詰まった用紙Pを取り除く(ジャム処理)ことができる。
【0034】
また、主増設搬送路R5と分岐増設搬送経路R6との分岐点、及び主増設搬送路R5と分岐増設搬送経路R6との分岐点には、上述した本体搬送先切替機構70と略同様の機構である、増設トレイ側搬送先切替機構270,280がそれぞれ設けられている。増設トレイ側搬送先切替機構270は、第1位置(図1に示す位置)と、主増設搬送路R5と分岐増設搬送経路R6とを連通させる第2位置(図2に示す位置)との間において、揺動する揺動部材271と、揺動部材271を駆動する増設搬送先切替モータ272(図3参照)とを有する。揺動部材271は、増設排紙ユニット制御部300の制御の下、本体搬送先切替モータ272が駆動されることで、用紙Pを増設排紙トレイ261に搬送する際には第1位置に、用紙Pを増設排紙トレイ262に搬送する際には第2位置に配置される。
【0035】
増設トレイ側搬送先切替機構280は、第1位置(図2に示す位置)と、主増設搬送路R5と分岐増設搬送経路R7とを連通させる第2位置(図1に示す位置)との間において、揺動する揺動部材281と、揺動部材281を駆動する増設搬送先切替モータ282(図3参照)とを有する。揺動部材281は、増設排紙ユニット制御部300の制御の下、本体搬送先切替モータ282が駆動されることで、用紙Pを増設排紙トレイ261又は増設排紙トレイ262に搬送する際には第1位置に、用紙Pを増設排紙トレイ263に搬送する際には第2位置に配置される。
【0036】
主増設搬送路R5には、その検知面が主増設搬送路R5を通過する用紙Pに対向するように用紙検知センサ221〜224が設けられている。用紙検知センサ221は主増設搬送路R5の搬送方向上流端(用紙給紙口200d)に、用紙検知センサ222は主増設搬送路R5の搬送方向下流端(ガイド238の搬送方向下流端)に、用紙検知センサ223は主増設搬送路R5における分岐増設搬送経路R6との分岐点に、用紙検知センサ224は主増設搬送路R5における分岐増設搬送経路R7との分岐点にそれぞれ設けられている。これらの用紙検知センサ221〜224は、主増設搬送路R5内を通過する用紙Pの前端及び後端を検知して、その検知結果を用紙検知信号として増設ユニット制御部300に出力する。増設ユニット制御部300は、用紙検知センサ221〜224が用紙Pの前端を検知してから所定時間が経過しても、用紙Pの後端を検知しない(以下、用紙後端不検知)場合には、主増設搬送路R5内において用紙Pの詰り(以下、ジャム)が発生したと判断する。ここで、所定時間とは、用紙Pの前端と後端との距離(用紙Pの搬送方向に関する幅)を用紙Pの搬送速度で除算した値に搬送誤差分の時間を加えた時間である。
【0037】
また、分岐増設搬送経路R6の搬送方向下流端(分岐ガイド236aの搬送方向下流端)には、その検知面が分岐増設搬送経路R6を通過する用紙Pに対向するように用紙検知センサ225が設けられている。用紙検知センサ225が用紙後端不検知の場合には、増設ユニット制御部300は、分岐増設搬送経路R6(分岐ガイド236a)内においてジャムが発生したと判断する。分岐増設搬送経路R7の搬送方向下流端(分岐ガイド237aの搬送方向下流端)には、その検知面が分岐増設搬送経路R7を通過する用紙Pに対向するように用紙検知センサ226が設けられている。用紙検知センサ226が用紙後端不検知の場合には、増設ユニット制御部300は、分岐増設搬送経路R7(分岐ガイド237a)内においてジャムが発生したと判断する。
【0038】
また、増設排紙筐体200aの底板下部には、装置本体1の位置決め穴1bに対応する位置決めピン200bが形成されているとともに、装置本体1の本体コネクタ3に対して接続可能な増設コネクタ203が設けられている。この増設コネクタ203は増設ユニット制御部300に接続されている。位置決めピン200bを位置決め穴1bに嵌合させることで、増設排紙ユニット200が装置本体1に対して装着される。このとき、本体コネクタ3と増設コネクタ203とが接続されることで、本体制御部100と増設ユニット制御部300とが通信可能に接続され、且つ、増設ユニット制御部300と本体搬送先切替モータ72とが電気的に接続される。また、
位置決めピン200bを位置決め穴1bに嵌合させることにより、本体搬送路R4と主増設搬送路R5とが接続される。
【0039】
(装置本体の電気的構成)
次に、装置本体1の本体制御部100について図3を参照しつつ説明する。本体制御部100は、CPU(Central Processing Unit)と、CPUが実行するプログラム及びこれらプログラムに使用されるデータを書き替え可能に記憶するROM(Read Only Memory)と、プログラム実行時にデータを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)とを含んでいる。本体制御部100を構成する各機能部は、これらハードウェアとROM内のソフトウェアとが協働して構築されている。図3に示すように、本体制御部100は、本体通信制御部141、画像データ記憶部142、画像記録制御部143、認証データ記憶部144、認証フラグ記憶部145、本体認証部146、及び入出力制御部147を有している。
【0040】
本体通信制御部141は、本体コネクタ3及び増設コネクタ203を介して増設排紙ユニット200と各種のデータ通信を行う。画像データ記憶部142は、外部装置から受信した記録指令に含まれる、画像データ、及び画像記録した用紙Pの搬送先を示す搬送先データを記憶する。
【0041】
画像記録制御部143は、画像記録時において、画像データ記憶部142に記憶されている搬送先データに基づいて、用紙Pが搬送方向に沿って所定速度で搬送されるように、給紙ローラ21、送りローラ31〜33,41,42,51〜54、及び本体搬送先切替機構70(本体搬送先切替モータ72)を制御する。なお、画像記録制御部143は、給紙ローラ21を制御して、送りローラ31〜33,41,42,51〜54により搬送される前後の用紙P間の距離が、用紙検知センサ221と本体搬送路R3及び本体搬送路R4の分岐点との搬送経路に沿った離隔距離よりも若干長い搬送間距離になるように、給紙トレイ20から用紙Pを送り出す。ここで搬送間距離とは、主増設搬送路R5の搬送方向上流端においてジャムが発生してから増設ユニット制御部300が本体搬送先切替機構70を制御するまでに掛かると予測される時間に、用紙Pの搬送速度を乗算した値と、用紙検知センサ221と本体搬送路R3及び本体搬送路R4の分岐点との搬送経路に沿った離隔距離とを加算した値である。これにより、増設ユニット制御部300が、主増設搬送路R5の搬送方向上流端の用紙検知センサ221の検知結果に基づいて、主増設搬送路R5内においてジャムを検知したときには、当該ジャムをした用紙Pの次に搬送される用紙Pの前端は、本体搬送路R3及び本体搬送路R4の分岐点まで至っていない。その結果、増設ユニット制御部300が、増設搬送経路RE内のジャムを検知した場合に、本体搬送先切替機構70を制御して、揺動部材71を第1に配置することで増設搬送経路RE内においてジャムをした用紙Pの次に搬送される用紙Pを本体排紙トレイ60に搬送することができる。
【0042】
また、画像記録制御部143は、画像記録時において、画像データ記憶部142に記憶された画像データに基づいて、搬送される用紙Pに向けてインクが吐出されるようヘッド10を制御する。さらに、画像記録制御部143に記憶されている搬送先データが、増設排紙トレイ261〜263のうちの何れかを示す場合、本体通信制御部141は、当該搬送先データを含めた搬送制御データを、増設排紙ユニット200に送信する。
【0043】
認証データ記憶部144は、本体搬送先切替機構70の制御を許可する増設排紙ユニット200の認証データを予め記憶している。認証フラグ記憶部145は、装置本体1に対して装着される増設排紙ユニット200が、本体搬送先切替機構70の制御が許可されているか否かを示す認証フラグを記憶する。この認証フラグは、オン状態のときに本体搬送先切替機構70の制御が許可されていることを示し、オフ状態のときに本体搬送先切替機構70の制御が許可されていないことを示す。
【0044】
本体認証部146は、本体制御部100との間で、増設排紙ユニット200による本体搬送先切替機構70の制御許可に関する認証を行う。増設排紙ユニット200から送信された認証データを、本体通信制御部141を介して受信する。そして、当該受信した認証データと、認証データ記憶部144に記憶されている認証データと一致するか否かを判定することで、認証を行う。また、本体認証部146は、認証が成功した場合(互いの認証データが一致した場合)には認証フラグ記憶部145に記憶されている認証フラグをオン状態にする。一方、認証が失敗した場合には、認証フラグ記憶部145に記憶されている認証フラグをオフ状態にする。また、本体通信制御部141は、その認証結果を示す認証結果データを、増設排紙ユニット200に対して送信する。
【0045】
入出力制御部147は、タッチパネル80において表示させる表示データを生成し、この表示データをタッチパネル80に表示する。また、入出力制御部147は、タッチパネル80を介してユーザの操作入力を受け付ける。本実施形態においては、タッチパネル80が、表示手段と操作入力手段を構成している。
【0046】
(増設排紙ユニットの電気的構成)
次に、増設排紙ユニット200の増設ユニット制御部300について図3を参照しつつ説明する。本体制御部100は、CPUと、CPUが実行するプログラム及びこれらプログラムに使用されるデータを書き替え可能に記憶するROMと、プログラム実行時にデータを一時的に記憶するRAMとを含んでいる。本体制御部100を構成する各機能部は、これらハードウェアとROM内のソフトウェアとが協働して構築されている。図3に示すように、増設ユニット制御部300は、増設通信制御部(検知データ送信手段)341、搬送制御データ記憶部342、増設搬送制御部343、ジャム検知部344、排紙可能トレイ判断部345、増設トレイ側搬送先切替部346、増設認証データ記憶部347、制御許可フラグ記憶部348、増設認証制御部(認証制御手段)349、及び増設搬送先制御部350を有している。
【0047】
増設通信制御部341は、本体コネクタ3及び増設コネクタ203を介して装置本体1と各種のデータ通信を行う。例えば、ジャム検知部344が本体搬送路R3のジャムを検知した場合には、装置本体1に対してジャム検知データを送信する。なお、ジャム検知データには、増設排紙ユニット200の何れの増設排紙トレイ260に対しても用紙Pを排紙することが不可能である場合に装置本体1に対して送信される第1ジャム検知データと、排紙可能な増設排紙トレイ260が有る場合に装置本体1に対して送信される第2ジャム検知データとがある。
【0048】
搬送制御データ記憶部342は、装置本体1から送信された搬送制御データを、増設通信制御部341を介して受信して記憶する。なお、搬送制御データは、増設排紙トレイ261〜263のうちの何れの増設排紙トレイ260に用紙Pを搬送するかを示す搬送先データを含む。
【0049】
増設搬送制御部343は、搬送制御データ記憶部342に記憶されている搬送制御データが示す増設排紙トレイ260に、装置本体1から搬送されてきた用紙Pが搬送されるように、送りローラ231〜234,241,242、及び増設トレイ側搬送先切替機構270,280を制御する。具体的には、増設排紙トレイ261に用紙Pを搬送する際には、揺動部材271,281が第1位置に配置されるように増設トレイ側搬送先切替機構270,280を制御する。増設排紙トレイ262に用紙Pを搬送する際には、揺動部材271が第2位置に、揺動部材281が第1位置に配置されるように増設トレイ側搬送先切替機構270,280を制御する。また、増設排紙トレイ263に用紙Pを搬送する際には、揺動部材281が第2位置に配置されるように増設トレイ側搬送先切替機構280を制御する。
【0050】
ジャム検知部344は、用紙検知センサ221〜226から出力された用紙検知信号に基づいて、増設搬送経路RE内における用紙Pのジャムを検知するとともに、ジャムの発生箇所を特定する。具体的には、用紙検知センサ221〜226の何れかが用紙Pの前端を検知してから所定時間が経過しても、用紙Pの後端を検知していない場合(用紙後端不検知の場合)には、増設搬送経路REにおいて用紙Pのジャムが発生したと判断する。そして、用紙後端不検知となっている用紙検知センサの位置と、当該用紙検知センサよりも搬送方向上流側の用紙検知センサの位置との間の搬送経路をジャムの発生個所として特定する。例えば、用紙検知センサ224,226のみが用紙後端不検知の場合には、用紙検知センサ221が設けられている位置(用紙給紙口200d)から分岐増設搬送経路R7との分岐点までの主増設搬送路R5、及び分岐増設搬送経路R7をジャムの発生箇所と特定する。また、例えば、用紙検知センサ226のみが用紙後端不検知の場合には、分岐増設搬送経路R7をジャムの発生個所と特定する。本実施形態においては、用紙検知センサ221〜226とジャム検知部344とでジャム検知手段を構成する。
【0051】
排紙可能トレイ判断部345は、用紙Pを排紙可能な増設排紙トレイ260が有るか否かを判断する。また、排紙可能な増設排紙トレイ260が有ると判断した場合には、その増設排紙トレイ260を記憶する。具体的には、排紙可能トレイ判断部345は、ジャム検知部344が特定したジャムの発生個所に基づいて、用紙給紙口200dから各増設排紙トレイ261〜263に至るそれぞれの経路について、経路途中においてジャムの発生箇所あるか否かを判定する。そして、経路途中においてジャムの発生箇所がない増設排紙トレイ260がある場合には、用紙Pを排紙可能な増設排紙トレイ260が有ると判断する。そして、その増設排紙トレイ260を記憶する。例えば、ジャム検知部344が用紙給紙口200dから分岐増設搬送経路R7との分岐点までの主増設搬送路R5をジャムの発生個所と特定していた場合には、用紙給紙口200dから各増設排紙トレイ261〜263に至る全ての経路について、その経路途中においてジャムの発生箇所が有ることになるため、用紙Pを排紙可能な増設排紙トレイ260がないと判断する。一方、ジャム検知部344が分岐増設搬送経路R7のみをジャムの発生個所と特定していた場合には、用紙給紙口200dから増設排紙トレイ261に至る経路及び用紙給紙口200dから増設排紙トレイ262に至る経路については、その経路途中においてジャムの発生箇所がないことになるため、用紙Pを排紙可能な増設排紙トレイ260が有ると判断する。
【0052】
増設トレイ側搬送先切替部346は、ジャム検知部344がジャムを検知した際に、排紙可能トレイ判断部345が用紙Pを排紙可能な増設排紙トレイ260があると判断していた場合に、排紙可能トレイ判断部345が記憶した当該排紙可能な増設排紙トレイ260の何れかに装置本体1から搬送されてきた用紙Pが搬送されるように増設トレイ側搬送先切替機構270,280を制御する。
【0053】
増設認証データ記憶部347は、装置本体1との認証に用いられる増設排紙ユニット200固有の認証データを予め記憶している。制御許可フラグ記憶部348は、増設搬送先制御部350に対して本体搬送先切替機構70の制御を許可するか否かを示す制御許可フラグを記憶する。制御許可フラグは、オン状態のときに増設搬送先制御部350に対して本体搬送先切替機構70の制御が許可されていることを示し、オフ状態のときに本体搬送先切替機構70の制御が許可されていないことを示す。
【0054】
増設認証制御部349は、本体制御部100との間で、増設排紙ユニット200による本体搬送先切替機構70の制御許可に関する認証を行う。具体的には、増設排紙ユニット200が装置本体1に対して装着されたときに、増設通信制御部341を介して、増設認証データ記憶部347に記憶されている認証データを装置本体1に対して送信する。その後、装置本体1から送信される認証結果データを、増設通信制御部341を介して受信する。そして受信した認証結果データが、認証の成功を示すデータである場合には、制御許可フラグ記憶部348に記憶されている制御許可フラグをオン状態にする。一方、受信した認証結果データが、認証の失敗を示すデータである場合には、制御許可フラグ記憶部348に記憶されている制御許可フラグをオフ状態にする。本実施形態においては、制御許可フラグ記憶部348及び増設認証制御部349が制御許可手段を構成している。
【0055】
増設搬送先制御部350は、ジャム検知部344がジャムを検知した際に、排紙可能トレイ判断部345が用紙Pを排紙可能な増設排紙トレイ260がないと判断し、且つ制御許可フラグ記憶部348に記憶されている制御許可フラグがオン状態である場合に、用紙Pの搬送先を増設排紙ユニット200から本体排紙トレイ60に変更させるように装置本体1の本体搬送先切替機構70を直接制御する。
【0056】
(装置本体の動作)
次に、図4を参照して、装置本体1の動作について説明する。なお、この図4の動作フローの開始時は、装置本体1に対して増設排紙ユニット200が装着される直前である。
【0057】
まず、装置本体1に対して増設排紙ユニット200が装着されると、本体通信制御部141が増設排紙ユニット200から送信された認証データを受信する(A1)。次に、本体認証部146が、増設排紙ユニット200から送信されてきた認証データと、認証データ記憶部144に記憶されている認証データとが一致するか否かを判定する(A2)。次に、本体認証部146は、本体通信制御部141を介して、その認証結果を示す認証結果データを増設排紙ユニット200に対して送信するとともに、当該認証結果に基づいて、認証フラグ記憶部145に記憶されている認証フラグを更新する(A3)。本体認証部146の認証が成功した場合、認証フラグ記憶部145に記憶されている認証フラグがオン状態とされる。
【0058】
次に、本体制御部100は、外部装置から記録指令を受信したか否かを判断する(A4)。記録指令を受信していないと判断した場合(A4:NO)には、ステップA4が繰り返されることにより、記録指令の受信待ちが行われる。一方、記録指令を受信したと判断した場合(A4:YES)には、画像記録制御部143は、給紙ローラ21、送りローラ31〜33,41,42,51〜54、本体搬送先切替機構70(本体搬送先切替モータ72)、及びヘッド10を制御して、画像データ記憶部142に記録されている画像データに基づいた、用紙Pに対する画像記録を開始する(A5)。なお、画像データ記憶部142に記録されている搬送先データが、本体排紙トレイ60を示す場合には、画像記録制御部143は、揺動部材71が第1位置に配置されるように本体搬送先切替機構70を制御する。一方、搬送先データが増設排紙トレイ261〜263の何れかを示す場合には、画像記録制御部143は、揺動部材71が第2位置に配置されるように本体搬送先切替機構70を制御するとともに、搬送制御データを本体通信制御部141を介して増設排紙ユニット200に対して送信する。以下、外部装置から受信した記録指令に含まれる搬送先データは、増設排紙トレイ261〜263の何れかを示すものであるとして説明する。
【0059】
次に、本体通信制御部141が、第1ジャム検知データを増設排紙ユニット200から受信したか否かを判断する(A6)。第1ジャム検知データを受信したと判断した場合(A6:YES)には、本体制御部100は、認証フラグ記憶部145に記憶されている認証フラグがオン状態であるか否かを判断する(A7)。認証データがオン状態ではないと判断した場合(A7:NO)には、増設排紙ユニット200により本体搬送先切替機構70の制御が行われていない、即ち、揺動部材71が第1位置に配置されていると判断して、画像記録制御部143は、ジャムの拡大を防ぐべく、給紙ローラ21、及び送りローラ31〜33,41,42,51〜54を制御して、用紙Pの搬送動作及びインクの吐出動作等を停止する(A8)。このステップA8の処理が終了すると、ステップA12の処理に移る。
【0060】
一方、ステップA7において、認証データがオン状態であると判断した場合(A7:YES)には、画像記録制御部143は、現在記録中の用紙P(ヘッド10から吐出されているインクが現在着弾している用紙P)に対しては、記録を続行し、現在記録中の用紙P以降に給紙トレイ20から送り出された用紙Pに対する記録は停止するように、給紙ローラ21、送りローラ31〜33,41,42,51〜54、及びヘッド10を制御する(A9)。なお、現在記録中の用紙Pは、増設排紙ユニット200により揺動部材71が第2位置に配置されているので、本体排紙トレイ60に搬送されることになる。
【0061】
ステップA9の後、入出力制御部147は、増設排紙ユニット200の増設搬送経路に用紙Pのジャムが発生したことを表す画像、用紙Pの搬送先が本体排紙トレイ60に切り替わったことを表す画像、及び、用紙Pの搬送先を本体排紙トレイ60として用紙Pへの記録を続行するか否かをユーザに選択させるための選択画像をタッチパネル80に表示する(A10)。これにより、増設排紙ユニット200の増設搬送経路REにおいて用紙Pの詰りが発生したことにより、用紙Pの搬送先が本体排紙トレイ60に切り替わったことをユーザが視認することができる。
【0062】
次に、入出力制御部147は、タッチパネル80を介してユーザから用紙Pの記録を続行する旨の操作入力を受け付けたか否かを判断する(A11)。
【0063】
ユーザから用紙Pの記録を続行しない旨の操作入力を受け付けたと判断した場合(A11:NO)には、ステップA12の処理に移る。一方、ユーザから用紙Pの記録を続行する旨の操作入力を受け付けたと判断した場合(A11:YES)には、ステップA16の処理に移る。
【0064】
ステップA12においては、入出力制御部147が、タッチパネル80を介して、ユーザからジャム処理が終了した旨を表す操作入力を受け付けた否かを判断する。なお、ジャム処理は、ユーザが扉200cを開けて増設搬送経路REに詰まった用紙Pを取り除くことにより行われる。
【0065】
ステップA12において、入出力制御部147が操作入力を受け付けていないと判断した場合(A12:NO)には、ステップA12が繰り返されることにより、ユーザによるジャム処理の終了待ち、及びその旨を示す操作入力の受け付け待ちが行われる。一方、操作入力を受け付けたと判断した場合(A12:YES)には、画像記録制御部143は、画像データ記憶部142に記憶されている搬送先データが示す搬送先に、用紙Pが搬送されるように本体搬送先切替機構70(本体搬送先切替モータ72)を制御して(A13)、ステップA16の処理に移る。
【0066】
一方、ステップA6において、本体通信制御部141が、第1ジャム検知データを受信していないと判断した場合(A6:NO)には、本体通信制御部141は、搬送先が他の異なる増設排紙トレイ260に切り替わったことを示す第2ジャム検知データを受信したか否かを判断する(A14)。第2ジャム検知データを受信していないと判断した場合(A14:NO)には、ステップA16の処理に移る。一方、第2ジャム検知データを受信したと判断した場合(A14:YES)には、入出力制御部147は、用紙Pの搬送先が他の異なる増設排紙トレイ260に切り替わった旨、及び切り替わった増設排紙トレイ260を表す画像をタッチパネル80に表示する(A15)。これにより、増設排紙ユニット200の増設搬送経路REにおいて用紙Pの詰りが発生したことにより、用紙Pの搬送先が他の異なる増設排紙トレイ260に切り替わったことをユーザが視認することができる。ステップA15の処理が終了すると、ステップA16の処理に移る。
【0067】
ステップA16の処理では、画像記録制御部143が、画像データ記憶部142に記憶されている画像データに基づいた用紙Pへの記録が続行されるよう、送りローラ31〜33,41,42,51〜54、及びヘッド10を制御する。ステップA16の処理が終了すると、画像記録制御部143は、画像データ記憶部142に記憶されている画像データの用紙Pへの記録が終了したか否かを判断する(A17)。画像データの用紙Pへの記録が終了していないと判断した場合(A17:NO)には、ステップA6の処理に戻る。一方、画像データの用紙Pへの記録が終了したと判断した場合(A17:YES)には、画像記録制御部143は、用紙Pの搬送が停止されるよう、給紙ローラ21、及び送りローラ31〜33,41,42,51〜54を制御するとともに、本体通信制御部141が増設排紙ユニット200に対して搬送停止データを送信して(A18)、ステップA4の処理に戻る。以上、装置本体1の動作について説明した。
【0068】
(増設排紙ユニットの動作)
次に、図5を参照して、増設排紙ユニット200の動作について説明する。なお、この図5の動作フローの開始時は、装置本体1に対して増設排紙ユニット200が装着される直前である。
【0069】
まず、装置本体1に対して増設排紙ユニット200が装着されると、増設認証制御部349は、増設認証データ記憶部347に記憶されている認証データを、増設通信制御部341を介して装置本体1に対して送信する(B1)。次に、増設認証制御部349が、装置本体1から送信された認証結果データを、増設通信制御部341を介して受信し、当該認証結果データに基づいて、制御許可フラグ記憶部348の制御許可フラグを更新する(B2)。本体認証部146の認証が成功している場合には、制御許可フラグ記憶部348に記憶された制御許可フラグがオン状態とされる。
【0070】
次に、本体通信制御部141は、装置本体1から搬送制御データを受信したか否かを判断する(B3)。搬送制御データを受信していないと判断した場合(B3:NO)には、ステップB3が繰り返されることにより、搬送制御データの受信待ちが行われる。一方、本体通信制御部141が搬送制御データを受信したと判断した場合(B3:YES)には、搬送制御データ記憶部342が当該搬送制御データを記憶するとともに、当該搬送制御データに基づいて、用紙Pが搬送されるように送りローラ231〜234,241,242、及び増設トレイ側搬送先切替機構270,280(増設搬送先切替モータ272,282)を制御して、搬送動作を開始する(B4)。
【0071】
次に、ジャム検知部344がジャムを検知したか否かを判断する(B5)。ジャムを検知したと判断した場合(B5:YES)には、排紙可能トレイ判断部345が用紙Pを排紙可能な増設排紙トレイ260が有るか否かを判断する(B6)。用紙Pを排紙可能な増設排紙トレイ260がないと判断した場合(B6:NO)には、増設搬送先制御部350は、制御許可フラグ記憶部348に記憶されている制御許可フラグがオン状態であるか否かを判断する(B7)。制御許可フラグがオン状態ではないと判断した場合(B7:NO)には、ステップB9の処理に移る。一方、制御許可フラグがオン状態であると判断した場合(B7:YES)には、増設搬送先制御部350は、用紙Pの搬送先を増設排紙ユニット200から本体排紙トレイ60に変更させるように本体搬送先切替機構70(本体搬送先切替モータ72)を制御する(B8)。具体的には、揺動部材71が第1位置に配置されるように本体搬送先切替モータ72を駆動する。このステップB8の処理が終了すると、ステップB9の処理に移る。
【0072】
ステップB9の処理では、増設通信制御部341が第1ジャム検知データを装置本体1に対して送信する。次に、増設搬送先制御部350は、用紙Pの搬送動作が停止するように送りローラ231〜234,241,242を制御し(B10)、ステップB3の処理に戻る。
【0073】
一方、ステップB6において、用紙Pを排紙可能な増設排紙トレイ260があると判断した場合(B6:YES)には、増設トレイ側搬送先切替部346が、用紙Pの搬送先を排紙可能な何れかの増設排紙トレイ260に変更されるよう増設トレイ側搬送先切替機構270,280を制御する(B11)。これにより装置本体1の本体搬送先切替機構70を制御することなく、増設排紙ユニット200内の用紙Pの詰りが拡大することを抑制することができる。次に、増設通信制御部341が、増設トレイ側搬送先切替部346により新たな搬送先とされた増設排紙トレイ260を示すデータを含む第2ジャム検知データを装置本体1に対して送信し(B12)、ステップB15の処理に移る。
【0074】
一方、ステップB5において、ジャム検知部344がジャムを検知していないと判断した場合(B5:NO)には、増設通信制御部341が搬送停止データを受信しているか否かを判断する(B13)。搬送停止データを受信していないと判断した場合(B13:NO)には、ステップB15の処理に移る。一方、搬送停止データを受信したと判断した場合(B13:YES)には、用紙Pの搬送動作が停止するように送りローラ231〜234,241,242を制御し(B14)、ステップB3の処理に戻る。
【0075】
ステップB15の処理では、用紙Pの搬送動作が続行されるように、送りローラ231〜234,241,242を制御する。このステップB15の処理が終了すると、ステップB5の処理に戻る。以上、増設排紙ユニット200の動作について説明した。
【0076】
以上、本実施形態のプリンタ101によると、増設搬送先制御部350が装置本体1の本体搬送先切替機構70を直接制御することが可能にされているため、増設排紙ユニット200内において用紙Pの詰りが発生してから、用紙Pの搬送先が本体排紙トレイ60へと切り換わるまでの処理時間を短くすることができる。その結果、増設排紙ユニット200内のジャムが拡大することを抑制することができる。
【0077】
また、本実施形態のプリンタ101によると、増設排紙ユニット200内においてジャムが発生した場合には、現在記録中の用紙Pに対してのみ記録が続行されるので、記録中の用紙Pが無駄になること防ぐことができると共に、本来の排紙先とは異なる本体排紙トレイ60に排紙される用紙Pの枚数を最小限に留めることができる。
【0078】
またさらに、本体制御部100との間で、増設排紙ユニット200による本体搬送先切替機構70の制御許可に関する認証が成功したときのみ、増設搬送先制御部350は本体搬送先切替機構70を制御することができるので、本体搬送先切替機構70の制御を正常に行うことができる。
【0079】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、上述の実施形態においては、ジャム検知部344は、用紙検知センサ221〜224が用紙Pの前端を検知してから所定時間が経過しても、用紙Pの後端を検知しない場合に、増設搬送経路RE内においてジャムが発生したと判断していたが、特にこれに限定されるものではなく、例えば搬送方向上流にある用紙検知センサが用紙Pの前端を検出した時刻から搬送方向下流にある用紙検知センサが用紙Pの前端を検出する予定時刻となる所定時間が経過するまでに、搬送方向下流にある用紙検知センサが用紙Pの前端を検出しないときに、増設搬送経路RE内においてジャムが発生したと判断してもよい。この場合、所定時間とは用紙検知センサ間の搬送経路に沿った離隔距離を用紙Pの搬送速度で除算した値に搬送誤差分の時間を加えた時間である。
【0080】
また、上述の実施形態においては、搬送機構30、及び増設搬送機構230は、送りローラとガイドにより構成されているが、特にこれに限定されるものではなく、例えば搬送ベルトにより構成されていてもよい。
【0081】
また、上述の実施形態においては、増設排紙ユニット200による本体搬送先切替機構70の制御許可に関する認証の際、増設ユニット制御部300が認証データを本体制御部100に送信し、本体制御部100が、その送信された認証データと装置本体1に記憶されている認証データとが一致するか否かを判定しているが、本体制御部100が増設ユニット制御部300に認証データを送信し、増設ユニット制御部300が、その送信された認証データと増設排紙ユニット200に記憶されている認証データとが一致するか否かを判定してもよい。なお、これらは増設排紙ユニット200の認証を行なう構成であるが、増設排紙ユニット200の認証を行なわない構成であってもよい。
【0082】
また、上述の実施形態においては、増設排紙ユニット200の増設搬送経路REにおいてジャムが発生した際に、他の増設排紙トレイ260に用紙Pを排紙可能な場合には、現在記録中の用紙P以降の用紙Pに対する画像記録についても、ユーザの操作入力を受けずに記録が続行されるようにされているが、現在記録中の用紙Pに対しては記録を続行し、現在記録中の用紙P以降の用紙Pに対する記録は停止されるようにされていてもよい。
【0083】
また、上述の実施形態においては、画像記録手段(給紙ローラ21、送りローラ31〜33,41,42,51〜54、及びヘッド10)は本体制御部100のみが制御可能にされているが、増設ユニット制御部300も制御可能にされていてもよい。この場合、ジャム検知部344がジャムを検知した際に、増設ユニット制御部300が画像記録手段を直接制御することで、本来の排紙先とは異なる本体排紙トレイ60に排紙される用紙Pの枚数をより最小限に留めることができる。
【0084】
また、上述の実施形態においては、画像記録制御部143は、給紙ローラ21を制御して、送りローラ31〜33,41,42,51〜54により搬送される前後の用紙P間の距離が、用紙検知センサ221と本体搬送路R3及び本体搬送路R4の分岐点との搬送経路に沿った離隔距離よりも若干長い搬送間距離になるように、給紙トレイ20から用紙Pを送り出しているが、この搬送間距離よりも小さい距離になるように給紙トレイ20から用紙Pを送り出してもよい。この場合は、当該ジャムをした用紙Pの次に搬送される用紙Pについてもジャムする可能性はあるものの、それ以降の用紙Pについてのジャムは抑制することが可能となる。
【0085】
また、本発明は、プリンタに限定されず、ファクシミリやコピー機等にも適用可能である。ヘッドは、インク以外の任意の液体を吐出してよい。また、プリンタ101に含まれるヘッドの数は2つ以上であってもよい。記録媒体は、用紙Pに限定されず、記録可能な任意の媒体であってよい。
【符号の説明】
【0086】
1 装置本体
60 本体排紙トレイ
70 本体搬送先切替機構(搬送先切替手段)
100 本体制御部(本体制御手段)
101 プリンタ(記録装置)
200 増設排紙ユニット
260 増設排紙トレイ
300 増設ユニット制御部
RE 増設搬送経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と、前記装置本体に装着される増設排紙ユニットとを備えた記録装置において、
前記装置本体は、
画像データに基づいて記録媒体に画像を記録する画像記録手段と、
記録媒体を収容するための本体排紙トレイと、
前記画像記録手段により画像が記録された記録媒体の搬送先を、前記本体排紙トレイと前記増設排紙ユニットとの間で選択的に切り替え可能な搬送先切替手段と、
前記画像記録手段、及び前記搬送先切替手段を制御する本体制御手段と
を備え、
前記増設排紙ユニットは、
記録媒体を収容するための増設排紙トレイと、
前記装置本体から搬送されてきた記録媒体を前記増設排紙トレイへと案内する増設搬送経路と、
前記増設搬送経路における記録媒体の詰りを検知するジャム検知手段と、
前記装置本体の前記搬送先切替手段を制御可能な増設搬送先制御手段と
を備えており、
前記増設搬送先制御手段は、前記ジャム検知手段が記録媒体の詰りを検知したときに、記録媒体の搬送先を前記増設排紙ユニットから前記本体排紙トレイに変更させるように前記搬送先切替手段を制御することを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記増設排紙ユニットは、
前記増設排紙トレイを複数有しており、
前記増設搬送経路は、前記複数の前記増設排紙トレイのうちの第1増設排紙トレイへと記録媒体を案内する主増設搬送経路と、前記主増設搬送経路から分岐して、前記第1増設排紙トレイとは異なる第2増設排紙トレイへと記録媒体を案内する分岐増設搬送経路を含み、
前記装置本体から搬送されてきた記録媒体の搬送先を、少なくとも前記第1増設排紙トレイと前記第2増設排紙トレイとの間で選択的に切り替え可能な増設トレイ側搬送先切替手段と、
前記増設トレイ側搬送先切替手段を制御する増設トレイ側搬送先制御手段と
を更に備え、
前記増設搬送先制御手段は、前記ジャム検知手段が前記主増設搬送経路と前記分岐増設搬送経路との分岐点よりも搬送方向上流側における前記主増設搬送経路の記録媒体の詰りを検知した場合に、記録媒体の搬送先を前記増設排紙ユニットから前記本体排紙トレイに変更させるように前記搬送先切替手段を制御するものであることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記増設排紙ユニットは、
前記ジャム検知手段が記録媒体の詰りを検知したときに、ジャム検知データを前記本体制御手段に対して送信する検知データ送信手段を更に備えており、
前記本体制御手段は、前記ジャム検知データを前記検知データ送信手段から受信したときに、現在記録中の記録媒体に対しては記録を続行し、その後の記録媒体に対する記録は停止するように前記画像記録手段を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記装置本体は、表示手段と、ユーザの操作入力を受け付ける操作入力手段とを更に備えており、
前記本体制御手段は、前記ジャム検知データを前記検知データ送信手段から受信したときに、前記増設排紙ユニットの前記増設搬送経路に記録媒体の詰りが発生したことを表す画像、記録媒体の搬送先が前記本体排紙トレイに切り替わったことを表す画像、及び、記録媒体の搬送先を前記本体排紙トレイとして記録媒体への記録を続行するか否かをユーザに選択させるための選択画像を前記表示手段に表示させ、前記操作入力手段が、ユーザから前記記録媒体の記録を続行する旨の操作入力を受け付けた場合には、前記記録媒体への記録が続行されるように前記画像記録手段を制御することを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
【請求項5】
前記増設排紙ユニットが、
前記本体制御手段との間で、前記増設搬送先制御手段による前記搬送先切替手段の制御許可に関する認証を行う認証制御手段と、
前記認証制御手段による前記制御許可の認証が成功したときは、前記増設搬送先制御手段に対して前記搬送先切替手段の制御を許可し、前記認証制御手段による前記制御許可の認証が失敗したときには前記増設搬送先制御手段に対して前記搬送先切替手段の制御を禁止する制御許可手段と
を更に備えていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の記録装置。
【請求項6】
前記増設トレイ側搬送先制御手段は、前記ジャム検知手段が前記分岐増設搬送経路の記録媒体の詰りを検知し、且つ前記主増設搬送経路の記録媒体の詰りを検知していないときに、記録媒体の搬送先を前記第2増設排紙トレイから前記第1増設排紙トレイに変更させるように前記増設トレイ側搬送先切替手段を制御するものであることを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
【請求項7】
画像データに基づいて記録媒体に画像を記録する画像記録手段と、記録媒体を収容するための本体排紙トレイと、前記画像記録手段により画像が記録された記録媒体の搬送先を、前記本体排紙トレイと前記本体排紙トレイとは異なる外部との間で選択的に切り替え可能な搬送先切替手段と、前記画像記録手段、及び前記搬送先切替手段を制御する本体制御手段とを備えた記録装置本体に装着される増設排紙ユニットであって、
記録媒体を収容するための増設排紙トレイと、
前記搬送先切替手段が記録媒体の搬送先を前記外部に設定しているときに前記記録装置本体から搬送されてきた記録媒体を、前記増設排紙トレイへと案内する増設搬送経路と、
前記増設搬送経路における記録媒体の詰りを検知するジャム検知手段と、
前記記録装置本体の前記搬送先切替手段を制御可能な増設搬送先制御手段と
を備えており、
前記増設搬送先制御手段は、前記ジャム検知手段が記録媒体の詰りを検知したときに、記録媒体の搬送先を前記増設排紙ユニットから前記本体排紙トレイに変更させるように前記搬送先切替手段を制御することを特徴とする増設排紙ユニット。

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2013−76834(P2013−76834A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−216604(P2011−216604)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】