説明

設定可能なデジタル−アナログ位相ロックループ

位相ロックループ(PLL)デバイスは、アナログ位相ロックループおよびハイブリッドアナログ−デジタル位相ロックループ内で構成可能である。アナログモードでは、少なくとも位相検出器、アナログループフィルタおよび電圧制御発振器(VCO)はアナログループを形成するために接続される。デジタルモードでは、少なくとも前記位相検出器、前記電圧制御発振器(VCO)、時間−デジタルコンバータ(TDC)、デジタルループフィルタおよびデジタル−アナログコンバータ(DAC)は前記ハイブリッドデジタル−アナログループを形成するために接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般には位相ロックループに係わり、より詳細にはハイブリッドアナログ−デジタル位相ロックループに関する。
【背景技術】
【0002】
位相ロックループ(PLL)は基準信号に関連して信号を生成する。位相ロックループ回路は、基準信号および出力信号の位相および/または周波数の差に基づいて、PLL出力信号の周波数を調整する。出力信号の周波数は、前記差に基づいて増加または減少される。位相ロックループは、したがって、負のフィードバックを用いた制御システムである。位相ロックループは、ラジオ、遠隔通信回路およびコンピュータ、ならびに他のデバイスなどのエレクトロニクスにも使用される。
【0003】
PLLは、しばしば、PLL出力信号を生成するために、共振同調電圧制御発振器(VCO)を使用する。共振同調VCOは、しばしば、容量性デバイスおよび共振インダクタ−キャパシタ(LC)回路を内蔵する。容量性デバイスは、一般には、少なくとも一つの、PLL出力信号の周波数を変えるためにチューニング電圧に応答する静電容量を有するバラクタを含む。
【0004】
いくつかの従来のPLLは、もう一つのデジタルコンポーネントを含む。このようなPLLはいくつかの点でアナログループに優る。残念ながら、これらのPLLはまた、いくつかの欠点を有する。したがって、アナログおよびデジタルループの両方の利点を有するPLLが必要である。
【発明の概要】
【0005】
位相ロックループ(PLL)デバイスは、アナログ位相ロックループおよびハイブリッドアナログ−デジタル位相ロックループ内で設定可能(configurable)である。アナログモードでは、少なくとも位相検出器、アナログループフィルタおよび電圧制御発振器(VCO)は、アナログループを形成するために接続される。デジタルモードでは、少なくとも前記位相検出器、前記電圧制御発振器(VCO)、時間−デジタルコンバータ(time to digital converter (TDC))、デジタルループフィルタおよびデジタル−アナログコンバータ(DAC)は前記ハイブリッドデジタル−アナログループを形成するために接続される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1は、本発明の例示的な実施形態によるハイブリッドアナログ−デジタル位相ロックループデバイス(PLLデバイス)のブロック図である。
【図2】図2は、スイッチング機構がデジタルモード期間中に積分器を形成するためのフィルタ要素を構成するPLLデバイスのブロック図である。
【図3】図3は、スイッチング要素がトランジスタである、チャージポンプおよび電流DACに接続されたスイッチング機構の概略図である。
【図4】図4は、スイッチング機構がアナログモードにあるときに形成されたアナログループフィルタの概略図である。
【図5】図5は、複素平面上の典型的なループフィルタのフィルタ応答のグラフィカル表現である。
【図6】図6は、スイッチング機構がデジタルモードにあるときに形成された積分器の概略図である。
【図7】図7は、参照パス内に低周波ポートを有する2点変調を備えたデュアルモードPLLのブロック図である。
【図8】図8は、フィードバックパス内に低周波数ポートを有する2点変調を備えたデュアルモードPLLのブロック図である。
【図9】図9は、フィードバックパス内にデルタ信号変調を使用する低周波数のポートを有する2点変調を備えたデュアルモードPLLのブロック図である。
【図10】図10は、本発明の例示的な実施形態によるPLLデバイスを管理する方法のフローチャートである。
【図11】図11は、アナログモードでPLLデバイスを構成する方法のフローチャートである。
【図12】図12は、デジタルモードでPLLデバイスを構成する方法のフローチャートである。
【図13】図13は、電流源出力段を有する電流ステアリング(steering)DACの概略図である。
【図14】図14は、別の構成による電流源出力段を有する電流ステアリング(steering)DACの概略図である。
【図15】図15は、電流源出力段を有する例示的な電流パルスDACの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
単語“例示的な(exemplary)”は、“例(example)、事例(instance)または例証(illustration)として仕えること”を意味するために本明細書では使用され、必ずしも他の例示的な実施形態よりも好ましいまたは有利であるとは本明細書では必ずしも解釈されない。
【0008】
図1は、本発明の例示的な実施形態による設定可能なアナログ−デジタル位相ロックループデバイス(PLLデバイス)のブロック図である。図1を参照して論じられる機能ブロックは、デバイス、回路、および/または、コードの任意の適切な組み合わせを用いて実装され得る。したがって、機能ブロックは、ハードウェア、ソフトウェアおよび/またはファームウェアで実装され得る。いくつかのブロックの機能は、単一の回路またはデバイスによって実行され、そして、単一のブロックによって実行されると記述した機能は、いくつかのデバイスまたは回路によって実行され得る。
【0009】
PLLデバイスは、アナログPLL内に、または、デジタル信号とアナログ信号とコンポーネントを含むハイブリッドデジタル−アナログPLL内に、PLLデバイス100を構成するためのスイッチング機構102を含む。アナログモードのときには、PLLデバイス100は、少なくとも位相検出器104、アナログループフィルタ106、電圧制御発振器(VCO)108およびフィードバック110を含むPLLループで構成される。デジタルモードのときには、PLLデバイス100は、少なくとも位相−デジタルコンバータ(PDC)112、デジタルループフィルタ114、デジタル−アナログコンバータ(DAC)116、VCO108およびフィードバック110を含むようにハイブリッドデジタル−アナログループで構成される。例示的な実施形態では、検出器117は、位相検出器104およびPDC112を含み、PDC112は位相検出器104および時間−デジタルコンバータ(TDC)118により形成される。検出器117は、したがって、デジタルモードではデジタル検出器として、そして、アナログモードではアナログ検出器として構成される。検出器117で生成された訂正信号120は、アナログモードでは、アップ信号122とダウン信号124とを含むアナログ信号である。デジタルモードの間中では、デジタル訂正信号126は、検出器112によって提供される。例示的な実施形態では、アナログ訂正信号120のアナログアップおよびダウン信号122,124は、デジタル訂正信号126を形成するために、TDC118によってデジタル数(digital number)に変換される。いくつかの事情においてデジタル訂正信号126を提供するために、検出器117によって他の方法を使用することができる。
【0010】
位相検出器104は、基準信号128とフィードバック108によって提供されるフィードバック信号130との間の位相差に従ってアップ信号122およびダウン信号124を発生する。チャージポンプ132は、PLLデバイス100がアナログモードであるときには、アップおよびダウン信号122,124に基づいて、アナログループ信号134を発生する。チャージポンプ132およびアナログループフィルタ106は、これらのブロックがデジタルモードでは用いられないことを表すために、破線を有するブロックで図示されている。アナログモードでは、TDC118、デジタルフィルタ114およびDAC116は用いられない。
【0011】
スイッチング機構102は、部分的にデジタルループ(ハイブリッドデジタル−アナログループ)またはアナログループ内のいずれかにPLLデバイス100を構成するために、制御信号136に応答する。スイッチング機構102は、アナログモード間中にはアナログループフィルタ106を通るループ経路を可能にし、そして、デジタルモード間中にはデジタルループフィルタ114およびDAC116を含むループ経路を可能にする、少なくとも一つのスイッチング要素(switching element)を含む。制御信号136は、値を変える単一の信号でも構わなく、または、前記制御信号は多重信号(multiple signals)を含んでも構わない。例示的な実施形態では、アナログモードでは、スイッチング機構102は、パワーダウンし、接続を断ち、および/または、そうでなければTDC118および/またはDAC116を無効にする。DAC116を無効にするための適切な技術の一例は、電流基準信号(IREFは以下に図13、図14および図15にて論じられる)を回収すること、あるいはスイッチを切ることを含み、そして、オープンまたはハイインピーダンス状態にするために、トランジスタおよびスイッチを設定する。いくつかの状況で、他のコンポーネントは、アナログモードまたはアナログモード間中に、無効にされたり、または電源から接続を断たれても構わない。
【0012】
アナログモード間中は、位相検出器104は、チャージポンプ132にアナログループ信号134を発生させる、アップおよびダウン信号122,124を発生する。アナログループフィルタ106は、VCO108にVCO制御信号138を提供するためにアナログループ信号134をフィルタする。VCO制御信号138は、VCO出力信号140の周波数を調整する。VCOの出力信号140は、フィードバック110を通って位相検出器116にフィードバックされる。フィードバック110は、フィードバック信号130を発生するために、分周(dividing)、スケーリングによりVCO出力信号140を変えたり、あるいはその逆で、VCO出力信号140を処理しても構わない。フィードバックは、特定の状況によってはデジタルモードとは異なる構成をアナログモードにおいて有しても構わない。例えば、フィードバックにおける分周比(divider ratio)は、PLLが1つのモードから他のモードに切り替えられるときに、基準周波数および/またはVCO動作周波数が変わるモード間で、変わっても構わない。
【0013】
図2は、PLLデバイス100のブロック図であり、ここにおいて、スイッチング機構102は、デジタルモード期間中に積分器208を形成するためのフィルタ要素(filter elements)202,204,206を接続するスイッチング要素200を含む。この例ではDAC116は電流源出力段210を含む電流DACである。適切な電流DACの例は、電流ステアリングDACおよび電流パルスDACを含む。図13、図14および図15を参照する以下の議論では、電流DACの例を説明する。電流源出力段210は、アナログ電流信号212を提供する。積分器208は、VCO108へのVCO制御電圧信号を提供するために、電流信号212を積分する。アナログループフィルタ106は、デジタルモード間中に積分器208として構成される少なくとも1つのフィルタ要素206を含む。アナログモード間中には、フィルタ要素206は、アナログループフィルタ106を形成するために、他のフィルタ要素202、204に接続される。以下に述べるように、例えば、アナログループフィルタ106の部分を形成するキャパシタは、デジタルモード間中に積分器208を形成するために、DAC116の出力とアースとに接続することができる。
【0014】
アナログループフィルタ106は、アナログモード時ではPLLデバイス100の特定の要件に従って選択された周波数応答を有する。適切な応答の例は、複素平面で極零点プロット(pole-zero plot)で表されたときに、原点で第1の極、第1の周波数でゼロ、そして、第1の周波数よりも大きい第2の周波数で第2の極を有する。
【0015】
図2の例のフィードバック208は、検出器への適切に分割されたフィードバック信号130を生成するための数で、VCO出力信号を分周するフラクショナルN分周器214を含む。上述したようにフィードバックは必ずしもモード間で変更されないが、VCO周波数または基準信号周波数の変化に順応するために分周比は変更される状況がある。
【0016】
図2の例では、スイッチング機構102は、コントローラ216によって生成された制御信号136に応答する。コントローラ216は、デジタルモードおよびアナログモード内にPLLをいつ設定するのかを決定し、かつ、デジタルモードでは第1の値、アナログモードでは第2の値を有する制御信号136を発生することができる、ハードウェア、ロジック、および/または、コードの任意の組み合わせである。上記のように、制御信号136は、いくつかの事情では複数の(multiple)信号を含んでも構わない。したがって、用語“第1の制御信号値”および“第2の制御信号値”は、少なくとも単一制御信号の2つの値および異なる2つの制御信号の値を含む。コントローラ216は、PLLデバイス100を管理する(manage)機能を行う、プロセッサ、マイクロプロセッサ、または、プロセッサの配置でも構わない。
【0017】
図3は、スイッチング要素200がトランジスタ300である、チャージポンプ132および電流DAC116に接続されたスイッチング機構102の概略図である。トランジスタ300は、フィルタ要素が抵抗302、第1のキャパシタ304および第2のキャパシタ306を含む、フィルタ要素202,204,206に接続される。例えば、トランジスタ300は、Nチャネル電界効果トランジスタ(FET)である。他のタイプトランジスタは公知の技術に従って使用することができる。制御信号136はFET300のゲートにバイアスを提供し、ここにおいては、一つの制御信号値は、FET300に、抵抗器302をバイパスためのアース308への接続を形成させ、そして、第2の制御信号値はハイインピーダンス(すなわち、オープン回路)をもたらす。ハイインピーダンス(オープン回路)は、抵抗器302を介してアース308に接続された第1のキャパシタ304を含む回路をもたらす。したがって、1つの制御信号値は、アナログループフィルタ106を形成するために前記複数のフィルタ要素を接続し、そして、別の制御信号値は、積分器208を形成するために前記複数のフィルタ要素を接続する。2つの形成された回路は、図4および図6を参照して、以下に説明される。ほとんどの実装では、アースへの接続を形成するために制御信号が前記FETのゲートにバイアスに提供するとき、FET直列抵抗は、前記抵抗に比べて相対的に小さく、かつ、前記キャパシタ内の固有の直列抵抗以下である。
【0018】
図4は、スイッチング機構102がアナログループ内にPLLデバイス100を構成するときに形成されたアナログループフィルタ106の概略図である。任意の数のフィルタ要素および構成は、アナログループフィルタ106に用いることができる。例示的な実施形態において、アナログループフィルタ106は、2つの極およびゼロを持つものとして複素平面で表現できるフィルタ応答を形成するために、2つのキャパシタ304,306および抵抗302を含む。
【0019】
図5は、複素平面上の典型的なループフィルタのフィルタ応答のグラフィカル表現500である。フィルタ応答は、原点で第1の極502、第1の周波数でゼロ、そして、第1の周波数よりも大きい第2の周波数で第2の極506を有する。
【0020】
図6は、スイッチング機構102がPLLデバイス100をハイブリッドデジタル−アナログループ内に構成するときに形成された積分器208の概略図である。第1のキャパシタ304と第2のキャパシタ306とは、積分器208を構成する並列容量を提供するために、並列に接続される。キャパシタ304,306は、VCO制御信号138を形成するために、電流DACによって供給された電流信号212を統合する。
【0021】
図7は、参照パス内に低周波ポート702を有する2点変調を有する設定可能なPLLデバイス100のブロック図である。PLLデバイス100は、上述したように、デジタルモードとアナログモードとの間で切り替えが可能である。デジタルモードのときには、2点変調は、VCO出力信号140を変調するために用いることができる。2ポイント変調ポート700は、低周波数ポート(lower frequency port)702および高周波数ポート(higher frequency port)704を含み、低周波数ポート702は、高周波数ポート704を介しての変調に用いられるデータ信号成分の周波数より低い周波数を有する、データ信号成分による変調を提供する。図7の例に関しては、低周波数ポート702は、基準信号パス内にある。データ信号入力データ信号706は、位相検出器の前に基準信号に結合される。データ信号706は、任意の公知の手法を用いて基準信号128に結合されても構わない。信号を合成するための適切な技術の例は、データ信号を基準信号に結合したり、または、データ信号を基準信号で変調するために、ミキサーまたは変調器を用いることを含む。信号を結合するために他の技術を使用しても構わない。状況によっては、信号は、例えば、加算器(summer)を用いて結合されても構わない。
【0022】
高周波数ポート704は、デジタルループフィルタ114によって提供されたデジタルフィルタ出力信号708に入力データ706を結合する。例示的な実施形態では、2つの信号は、加算器(summer)710によって結合される。データ信号706は、低周波ポート702および/または高周波数ポート704に導入する前に処理されても構わない。
【0023】
図8は、フィードバックパス内に低周波数ポート802を有する2点変調を備えたデュアルモードPLLのブロック図である。PLLデバイス100は、上述したように、デジタルモードとアナログモードとの間で切り替えが可能である。デジタルモードのときには、2点変調は、VCO出力信号140を変調するために用いることができる。2ポイント変調ポートは、高周波数ポート704および低周波数ポート(lower frequency port)802を含み、低周波数ポート802は、高周波数ポート704を介しての変調に用いられるデータ信号成分の周波数より低い周波数を有する、データ信号成分による変調を提供する。図8の例に関しては、低周波数ポート802は、フィードバックパス内にある。データ信号706は、フィードバック信号130を変える(alter)ために用いられる。低周波数ポート802を実装するために適した技術の例は、シグマ・デルタ変調器を用いることを含む。このような実装の例を図9を参照してさらに詳細に説明される。
【0024】
高周波数ポート704は、デジタルフィルタ114によって提供されたデジタルフィルタ出力信号708に入力データ706を結合する。例示的な実施形態では、2つの信号は、加算器710によって結合される。データ信号706は、低周波ポート802および/または高周波数ポート704に導入する前に処理されても構わない。
【0025】
図9は、実施形態によるフィードバック110パス内にシグマデルタ変調低周波数ポート902を有する2点変調を含むPLLデバイス900のブロック図である。入力位相データ706は、入力位相データから変調VCO出力への全てのパス伝達関数を作成するPLL内の2点に適用される。低周波数変調ポート902は、フィードバック分周器デルタシグマ変調器904の入力にある。フィードバック110は、フラクショナルN分周器214を含む。フィードバック分周比を入力位相データに伴って変化させることにより、PLLの帯域幅内の入力位相変調は、VCO出力140に転送される。高周波数変調ポート704は、利得適応および正規化デバイス906に適用される。ゲイン適応および正規化デバイス906は、電流モードDAC116、アナログ積分器208およびVCO電圧−周波数利得(voltage to frequency gain)の実際および期待されるアナログ利得の変動を見積もるために、デジタルループフィルタ114への位相誤差入力を測定し、そして、スケーリング係数(scaling factor)を入力位相データ706に適用する。位相データを含む利得が調整された信号は、コンバイナ(combiner)908内で、デジタルループフィルタ114の出力に結合される。これは、PLLの帯域幅の外側の入力位相変調をVCO出力140に転送する、高周波変調パスを作成する。いくつかの状況では、利得適応および規格化デバイス906に適用された入力位相データは、フィルタ出力と加算される前にデジタル的に微分される(differentiated)。例えば、この出願と同時にファイルされた関連出願で説明されるように、デジタル微分は、積分器208によって行われたアナログ積分を補償するために、デジタルループフィルタ114に含めることができる。このような構成(arrangement)では、利得適応および規格化デバイス906に適用された入力位相データは、デジタル的に微分されたデジタルフィルタ出力と加算される前に、デジタル的に微分される。
【0026】
高周波数ポート704は、デジタルループフィルタ114によって提供されたディジタルフィルタ出力信号708に入力データ706を結合する。例示的な実施形態では、二つの信号は加算によって結合される。データ信号は、低周波ポートおよび/または高周波数に導入する前に処理されても構わない。
【0027】
図10は、本発明の例示的な実施形態によるPLLデバイス100を管理する(manage)方法のフローチャートである。前記方法は、ハードウェア、ソフトウェアおよび/またはファームウェアの任意の組み合わせを用いて実装しても構わなく、例示的な実施形態では、コントローラ216は、PLLデバイス100のコンポーネントを管理するための制御信号(control signal(s))136を発生する。
【0028】
ステップ1002では、少なくとも位相検出器104、アナログループフィルタ106および電圧制御発振器(VCO)108は、アナログモードでアナログループを形成するために、PLLデバイス100を構成すように接続される。例示的な実施形態では、スイッチング機構102は、アナログ位相ロックループを形成するために、PLLデバイス100のコンポーネント(components)を接続する。スイッチング機構102は、デバイスコンポーネント(device components)をアナログループにへと接続および構成するために、制御信号136に応答する。上記のように、適切なスイッチング機構102の例は、FET300等のスイッチング要素200を含む。
【0029】
ステップ1004では、PLLデバイス100がデジタルモードで構成されるべきか否かが決定される。アナログループフィルタを用いることのためにデジタルフィルタを用いることが有利であるときに、デジタルモードは選択される。例示的な実施形態では、PLLが信号の伝送に用いられ、そして、二点変調が適用される場合、または、スプリアスまたはノイズを低減するために、キャンセル信号が2点変調ポートに導入される場合、デジタルモードは選択される。PLLデバイス100はデジタルモードに切り替えられるべきと決定された場合、前記方法はステップ1006で継続する。それ以外の場合、前記方法は、切り替えがなされるべきであるかどうかを決定するために、システムを監視することを継続するためにテップ1004に戻る。
【0030】
ステップ1006では、少なくとも位相検出器104、時間デジタル変換器[time to digital converter(TDC)]118、デジタルループフィルタ114、デジタル−アナログ変換器(DAC)116およびVCO108は、デジタルモードでハイブリッドデジタル−アナログループを形成するために、PLLデバイス100を構成するように接続される。例示的な実施形態では、スイッチング機構102は、ハイブリッドデジタル−アナログ位相ロックループを形成するために、PLLデバイス100のコンポーネント(components)を接続し、ここで、ループの一部はデジタル信号を用いて動作し、そして、ループの一部はアナログ信号を用いて動作する。スイッチング機構102は、デバイスコンポーネントをハイブリッドデジタル−アナログループ内にへと接続および構成するために、制御信号136に応答する。
【0031】
ステップ1008では、PLLデバイス100がアナログモードで構成されるべきか否かが決定される。デジタルフィルタを用いることに利点がない場合、アナログモードは選択される。例示的な実施形態では、二点変調が適用されて、PLLデバイスが信号の伝送に用いられないであろう場合、または、スプリアスまたはノイズを低減するために、キャンセル信号が2点変調ポートに導入される場合、PLLデバイス100はアナログモードで構成される必要があるべきと決定される。PLLデバイス100はアナログモードに切り替えられるべきと決定された場合、前記方法はステップ1002に戻る。それ以外の場合、前記方法は、切り替えがなされるべきであるかどうかを決定するために、システムを監視することを継続するためにテップ1002に戻る。
【0032】
図11は、アナログモードでPLLデバイスを構成する方法のフローチャートである。したがって、図11を参照して説明される前記方法は、図10のステップ1002を行うための例示的な方法を提供する。
【0033】
ステップ1102では、TDC118は無効になっている。例示的な実施形態では、TDC119がオフになっているか、そうでなければ消費電力を低減または削除するように制御される。スイッチング機構102は、TDC118に電源を接続および切断するトランジスタまたは他のスイッチング要素を含んでいても構わない。TDCは、消費電力を制御するためのスイッチング回路を含み、そのような回路はここでの論考の一部であると考えることができる。コントローラ216は、TDC118を無効にするために、スイッチング機構に信号を提供する。例示的な実施形態では、TDCに入力するアップおよびダウン信号を遮断することによってTDCは無効にされる。適切な技術の例は、TDCが有効なモードにおいては、ANDまたはMUXの出力がUPおよびDNで、そして、チャージポンプが有効なモードにおいては、PFDからのUPおよびDN出力がトグルしているにもかかわらずTDCへのUPおよびDN入力上に遷移(transitions)がないようにANDまたはMUXの出力が“0”に設定されるように、一対のANDまたはMUXを介して信号を指示することを含む。そのような構成(arrangement)は、PFDから出てくるUPおよびDNが伴に低いときにモードを切り替えることによって、および、TDCが無効になっているときにTDCリングオシレータVDDを衰弱させる(collapsed)ことによって、達成することができる。これは、TDCが使用されていないにもかかわらず、リング発振器の稼働に起因して電力が消費している状態にTDCが置かれることを回避するであろう。
【0034】
ステップ1104では、複数のフィルタ要素202,204,206は、アナログループフィルタ106を形成するために接続される。制御信号136に応答して、1つまたは複数のスイッチング要素200は、チャージポンプ132とVCO108との間にアナログループフィルタ104を形成するために、フィルタ要素202,204,206間に電気的接続を確立する。例示的な実施形態では、FET300は、2極、単一の零フィルタを作成するために、抵抗302を横切るオープン回路を提供する。
【0035】
ステップ1106では、チャージポンプ132は、位相検出器104とアナログループフィルタ106との間に接続される。制御信号136に応答して、スイッチング機構102は、チャージポンプ132を接続する。例示的な実施形態では、スイッチング機構は、PFDアップおよびダウンダウン信号がチャージポンプからループフィルタに電流を伝導するチャージポンプ出力スイッチを制御することを可能にさせるチャージポンプに電流バイアスを印加するために、回路をアクティブにする。いくつかの状況では、単一のスイッチング要素200は、アナログループ内にPLLデバイス100を構成する複数のステップを行うために、複数のコンポーネントを接続しても構わない。例えば、アナログループフィルタ106を形成することもまた、チャージポンプを接続する結果になることもある。
【0036】
図12は、デジタルモードでPLLデバイス100を構成する方法のフローチャートである。ステップ1202,1204および1206は、図10のステップ1006を行うための手続の例を提供する。ステップ1208は、PLLデバイス100がハイブリッドデジタル−アナログループで構成されるときに行われる図10を参照して説明した方法の付加的なステップである。
【0037】
ステップ1202では、TDC118は有効になる。例示的な実施形態では、TDCは、PFDからアップおよびダウン信号をTDCを入力することによって有効になる。
【0038】
ステップ1204では、チャージポンプ132の接続が断たれる。チャージポンプ出力スイッチが常にオフに強いれ、チャージポンプが積分キャパシタのシャントとともに高インピーダンスとして現れるように、チャージポンプからのバイアス電流をブロックし、そして、PFDアップおよびダウン信号をブロックすることによって、電力はデジタルモード間中に止められる。
【0039】
ステップ1206では、複数のフィルタ要素202,204,206は、DACとVCOとの間に積分器を形成するために接続される。例示的な実施形態では、FETは、キャパシタをグランドに直接的に接続するために、抵抗器302を横切る短絡回路を作成する。2つのキャパシタは、積分器を形成する並列容量をもたらす。
【0040】
ステップ1208では、VCO出力信号140は、2ポイント変調ポートを介して変調される。例示的な実施形態では、2ポイント変調ポートは高周波数ポートと低周波ポートで構成され、ここにおいて、低周波ポートは、フィードバックパス内に接続され、そして、シグマ−デルタ変調を用いる。アッパー(upper)周波数ポートは、デジタルループフィルタとDACとの間に接続される。他の2ポイント変調技術は、いくつかの状況で使用することができる。例えば、低周波ポートは、データ信号が基準信号に結合される(combined)ように、基準信号パスに接続されても構わない。
【0041】
図10、図11および図12を参照して上述した方法は、説明したものとは異なる順序で行われても構わない。単一のステップで行わると説明されたタスクは、部分的に他のステップによって行われても構わない。したがって、単一のステップで行わると説明されたタスクは、いくつかの状況では、複数のステップによって行われても構わない。
【0042】
さらに、いくつかのステップは、示されてない追加のステップによって行うことができるいくつかのタスクを含んでも構わない。
【0043】
図13は、電流源出力段1302を有する電流ステアリング(steering)DAC1300の概略図である。例えば、デジタル入力ワードはDI<n:0>である。MYはPMOSトランジスタ間の相対的なサイズを示し、そして、MXはNMOSトランジスタ間の相対的なサイズを示す。Irefは、入力バイアス電流である。例示的な電流源出力段1302はトランジスタ等の能動デバイスを用いて実装される。図13を参照して説明した出力段は、基準入力NMOSトランジスタ1306を有するカレントミラー1304を含み、ここで、基準入力NMOSトランジスタ1306のソースはグランド1308に接続されている。入力基準NMOSトランジスタのドレインおよびゲートは、基準電流入力1310に接続されている。基準入力NMOSトランジスタ1306は、ドレインおよびゲートのノードで基準電圧を発生する。前記基準電圧は、複数のNMOSトランジスタ1312−1316のゲートに結合されている。いくつかの状況では、複数のNMOSトランジスタ1313−1316はグランドに接続されたソースを有し、そして、ドレインはおのおの個別的にNMOS差動対のソース1317−1320に接続されている。各差動対の1つのドレイン出力は、DAC出力1322に接続されており、そして、他方は電力源1324等のダンプノード(dump node)に接続されることができる。DAC出力1322は、PMOSカレントミラー1328のPMOS電流源1326でバイアスされる。PMOSのカレントミラーは、電流源1326および基準デバイス1330を含み、ここで、電流源1326は、全ての電流源が出力1322に切り替えられたときに、NMOS電流源1312−1316によって提供されることができる最大電流の半分を提供する。差動対にゲート入力をプログラミングすることによって、DAC出力値は、DAC出力1322に切り替えために差動対出力へのいくつのNMOS電流源がプログラムされるかに応じて、設定される。
【0044】
図14は、別の構成による電流源出力段1402を有する電流ステアリングDAC1400の概略図である。この例では、各差動対1317−1320の1つのドレイン出力は、DAC出力1322に直接的に接続され、そして、他方はPMOSカレントミラー1328の基準デバイス1330に接続される。PMOSカレントミラーのデバイスのソースは正電力源1324に接続される。基準デバイス1330のゲートおよびドレインはともに、DAC出力1322に直接的に接続されていない、NMOS差動対トランジスタのドレインに接続される。PMOSカレントミラー基準デバイス1130のゲート上に発生された電圧は、DAC出力1322に接続されたドレインを有するPMOS電流源トランジスタ1326に印加される。その結果、DAC出力1322は、DACデジタル入力ワードの値に応じて正または負の電流のいずれかの源になることができる。
【0045】
図15は、電流源出力段1502を有する例示的な電流パルスDAC1500の概略図である。例えば、デジタル入力ワードは、フィルタされた位相誤差が正または負であるかどうかを示す符号ビットおよびDI<n:0>である。全てのトランジスタは同じ幅/長さ比を有する。
【0046】
電流源出力ステージ1502は、DAC出力1504に接続されたドレイン、ソースがグランド1308に接続されたソースを有するNMOSトランジスタ1508のドレインおよびゲートに基準電流を印加することにより生成された基準電圧に接続されたゲート、および、グランド1308に接続するスイッチ1510に接続されたソースを有する、単一のNMOSトランジスタ1502として実装される。DAC出力値は、スイッチ1510のオンおよびオフをDAC入力ワードDI<n:0>に等しい回数脈動する(pulse)ことによりプログラムされる。相補的電流源出力段1512は、DAC出力1504に接続されたドレイン、ソースが正電力源1324に接続されたPMOSトランジスタ1516のドレインおよびゲートにNMOS基準電流のコピーを印加することにより生成された基準電圧1514に接続されたゲート、および、正電力源1324に接続するスイッチ1518に接続されたソースを有する、単一のPMOSトランジスタ1512として実装される。NMOS1502またはPMOS電流源1504のどちらかはDAC入力ワードの符号ビットによってアクティブになるように選択される。入力ワードが符号なし(unsigned)である場合、DAC入力の最上位ビットは符号ビットとして用いることができる。リング発振器1520は、パルスカウンタ1522を駆動し、カウンタ1522の出力は、DACデジタル入力ワード、または、符号なしDACデジタル入力ワードに対しての最上位ビットを引いたデジタル入力ワードとカウントを比較するデジタル比較器1524を駆動する。カウントがDACのデジタル入力ワード未満である場合には、論理回路1526は、NMOS電流源トランジスタ1502またはPMOS電流源トランジスタ1512のソース内のスイッチ1502,1510のゲート制御へのリングオシレータ信号に結合を適用し、そして、各リングオシレータの周期(period)に対して1つの等しい電流のパルスを生成する。カウントがDACデジタル入力ワードを超えたとき、リングオシレータ信号は、NMOSまたはPMOS電流源スイッチトランジスタのゲート制御かららブロックされる。カウンタは各基準期間の開始時に一度ゼロにリセットされ、次のDAC入力ワードがアナログ電流出力サンプルに変換されることを可能とする。いくつかの状況では、必要数のパルスをカウントした後に発振器が無効になるように、高速リングオシレータにイネーブル信号を提供するためのコンパレータ出力からの接続。この例のDAC出力は一連の電流パルスであり、ここでは、サンプルあたりのパルスの総数は、DAC入力ワードに等しい。
【0047】
アナログモード時にDACを無効にするための適切な技術の例は、バイアス電流信号(IREF)を無効すること、および、DI<n:0>のほかにFET1510,1518によっても制御される全てのスイッチをオープンまたはハイインピーダンス状態に設定することを含む。
【0048】
当業者であれば、情報および信号は、種々の異なる技術や手法の任意のものを用いて表され得ることは、理解するだろう。例えば、上記記載を全体にわたって言及されるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁界または磁界粒子、光場または光粒子、またはこれらを組み合わせたものによって表され得る。
【0049】
当業者には、本明細書に開示された実施形態に関連して説明された種々の例示的な論理ブロック、モジュール、回路およびアルゴリズムステップは、電子的なハードウェア、コンピュータソフトウェアまたはこれらの組み合わせとして実装され得ることが、さらに理解されるだろう。このハードウェアとソフトウェアとの互換性を明確に示すために、種々の例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、およびステップは、全般的にそれらの機能性の観点から、上記では説明してきた。そのような機能性がハードウェアで実装されるかソフトウェアで実装されるかは、個々のアプリケーションおよび全体のシステムに課せられた設計の制約に依存する。当業者は、上記の機能性を、各個別のアプリケーションにつき種々の方法で実装し得るが、そのような実装の決定は、本発明の範囲からの逸脱を生じさせると解釈するべきではない。
【0050】
本明細書内に開示された実施形態に関連して述べられた種々の例示的な論理ブロック、モジュールおよび回路は、本明細書で述べられた機能を実行するように設計された汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイシグナル(FPGA)、またはその他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェア部品、またはこれらの任意の組み合わせによって、実装または実行され得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであっても良いが、代わりにプロセッサは従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンであっても良い。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスを組み合わせたものとして実装されてもよく、例えば、DSPとマイクロプロセッサ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと接続された一つ以上のマイクロプロセッサ、またはその他のそのような構成を組み合わせたものである。
【0051】
本明細書に開示された実施形態に関連して述べられた方法またはアルゴリズムのステップは、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュール、またはこれら2つを組み合わせたものによって、直接的に具体化され得る。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読取り専用メモリ(ROM)、消去可能なプログラマブル読取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能なプログラマブル読取り専用メモリ(EEPROM)、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD−ROM、または当技術分野で知られている任意の他の形態の記憶媒体内に存在し得る。例示的な記憶媒体は、プロセッサが、記憶媒体から情報を読み出し、記憶媒体に情報を書き込むことができるようにプロセッサに結合されている。代替では、記憶媒体は、プロセッサと一体であってよい。プロセッサおよび記憶媒体は、ASIC内に存在してもよい。ASICは、ユーザ端末内に存在してもよい。代替では、プロセッサおよび記憶媒体は、ユーザ端末内でディスクリートコンポーネントとして存在してもよい。
【0052】
開示された実施形態の先の説明は、当業者に本発明の実施または使用を可能とするために提供されている。これらの実施形態に対する種々の変更は当業者には容易に明らかであろうし、そして、本明細書で規定される一般的な原理は、本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく、他の実施形態に適用することができる。したがって、本発明は、本明細書で示された実施形態に限定されることを意図されるのではなく、本明細書に開示された原理および新規な特徴に矛盾しない、最も広い範囲に一致するべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
位相ロックループ(PLL)デバイスであって、
位相検出器;
アナログループフィルタ;
電圧制御発振器;
時間−デジタルコンバータ(TDC);
デジタルループフィルタ;
デジタル−アナログコンバータ(DAC);および
前記位相検出器、アナログループフィルタおよびVCOを具備してなるアナログループ内に前記PLLデバイスを構成するために第1の制御信号値に応答し、そして、前記位相検出器、TDC、DACおよびVCOを具備してなるハイブリッドデジタル−アナログループ内に前記PLLデバイスを構成するために第2の制御信号値に応答するスイッチング機構(switching mechanism)を具備してなるPLLデバイス。
【請求項2】
請求項1のPLLデバイスにおいて、前記スイッチング機構は、前記PLLデバイスが前記アナログループ内に構成されるときには、前記TDCを無効にする。
【請求項3】
請求項1のPLLデバイスにおいて、前記アナログフィルタは複数のフィルタ要素(filter elements)を具備してなり、そして、前記スイッチング機構は、前記PLLデバイスが前記ハイブリッドデジタル−アナログモード内に構成されるときには、前記DACと前記VCOとの間に積分器を形成するように、前記複数のフィルタ要素を接続するように構成されたスイッチング要素(switching element)を具備してなる。
【請求項4】
請求項1のPLLデバイスにおいて、前記DACは、前記PLLデバイスが前記ハイブリッドデジタル−アナログループ内に構成されるときには、前記積分器に接続された電流源出力段を具備してなる。
【請求項5】
請求項3のPLLデバイスにおいて、前記スイッチング要素は、前記PLLデバイスが前記アナログループ内に構成されるときには、前記アナログループフィルタを形成するように、前記複数のフィルタ要素を接続するように構成される。
【請求項6】
請求項5のPLLデバイスにおいて、前記スイッチング要素は、原点に第1の極、第1の周波数に零、および、前記第1の周波数よりも高い第2の周波数に第2の極を具備してなる応答を有する前記アナログループを形成するように、前記複数のフィルタ要素を接続するように構成される。
【請求項7】
請求項5のPLLデバイスにおいて、前記PLLデバイスが前記アナログループ内に構成されるときには、前記位相検出器と前記アナログループフィルタとの間に接続されたチャージポンプをさらに具備してなること。
【請求項8】
請求項7のPLLデバイスにおいて、前記スイッチング機構は、前記PLLデバイスが前記ハイブリッドデジタル−アナログループ内に構成されるときには、前記チャージポンプを無効にする。
【請求項9】
請求項3のPLLデバイスにおいて、前記位相検出器によって検出された基準信号にデータ信号を結合する(combine)ための低周波数(lower frequency)変調ポートと、前記デジタルフィルタによって提供されたデジタルフィルタ出力に前記データ信号を結合するための高周波数(upper frequency)変調ポートとを具備してなる、二重点変調ポートをさらに具備してなること。
【請求項10】
請求項3のPLLデバイスにおいて、前記VCOと前記位相検出器との間のフィードバックによって提供されたフィードバック信号にデータ信号を結合するための低周波数変調ポートと、前記デジタルフィルタによって提供されたデジタルフィルタ出力に前記データ信号を結合するための高周波数変調ポートとを具備してなる、二重点変調ポートをさらに具備してなること。
【請求項11】
請求項10のPLLデバイスにおいて、前記低周波数変調ポートはシグマデルタ変調を用いる。
【請求項12】
位相ロックループ(PLL)デバイスであって、
位相差を検出するための位相検出手段;
アナログループフィルタするためのアナログループフィルタ手段;
電圧制御発振器(VCO)手段であって、VCO信号を発生するためVCO手段;
時間期間(time period)をデジタル数に変換するための時間−デジタルコンバータ(TDC)手段;
デジタルフィルタするためのデジタルループフィルタ手段;
デジタル信号をアナログ信号に変換するためのデジタル−アナログコンバータ(DAC)手段;および
第1の制御信号値に応えて、前記位相検出手段、アナログループフィルタ手段およびVCO手段を具備してなるアナログループ内に前記PLLデバイスを構成し、そして、第2の制御信号値に応えて、前記位相検出手段、TDC手段、DAC手段およびVCO手段を具備してなるハイブリッドデジタル−アナログループ内に前記PLLデバイスを構成するスイッチング手段
を具備してなるPLLデバイス。
【請求項13】
請求項12のPLLデバイスにおいて、前記スイッチング手段は、前記PLLデバイスがアナログループ内に構成されるときには、前記TDC手段を無効にするためのものである。
【請求項14】
請求項12のPLLデバイスにおいて、前記アナログフィルタ手段は複数のフィルタ要素手段を具備してなり、そして、前記スイッチング手段は、前記PLLデバイスが前記ハイブリッドデジタル−アナログモードで構成されるときには、前記DAC手段により発生された電流信号を積分するための積分器手段(integrator means)を前記DAC手段と前記VCO手段との間に形成するように、前記複数のフィルタ要素手段を接続するように構成されている、スイッチング要素手段を具備してなる。
【請求項15】
請求項14のPLLデバイスにおいて、前記DAC手段は、前記PLLデバイスが前記ハイブリッドデジタル−アナログループ内に構成されるときには、前記積分器手段に接続される電流源出力段手段を具備してなる。
【請求項16】
請求項14のPLLデバイスにおいて、前記スイッチング要素手段は、前記PLLデバイスが前記アナログループ内に構成されるときには、前記アナログループフィルタ手段を形成するように、前記複数のフィルタ要素手段を接続するように構成される。
【請求項17】
請求項16のPLLデバイスにおいて、前記スイッチング要素手段は、原点に第1の極、第1の周波数に零、および、前記第1の周波数よりも高い第2の周波数に第2の極を具備する応答を有する前記アナログループ手段を形成するために、前記複数のフィルタ要素手段を接続するように構成される。
【請求項18】
請求項16のPLLデバイスにおいて、前記位相検出手段によって提供されるアナログ訂正信号に基づいてアナログループ信号を発生するための、チャージポンプ手段をさらに具備してなること、前記チャージポンプ手段は、前記PLLデバイスが前記アナログループ内に構成されるときに、前記位相検出手段と前記アナログループフィルタ手段との間に接続される。
【請求項19】
請求項18のPLLデバイスにおいて、前記スイッチング手段は、前記PLLデバイスが前記ハイブリッドデジタル−アナログループ内に構成されるときに前記チャージポンプ手段を無効にするためのものである。
【請求項20】
請求項14のPLLデバイスにおいて、前記VCO出力信号を変調するための二重点変調手段をさらに具備してなること、前記二重点変調手段は、前記位相検出手段によって検出された基準信号にデータ信号を結合するための低周波数変調ポート手段と、前記デジタルフィルタ手段によって提供されたデジタルフィルタ出力に前記データ信号を結合する(combine)ための高周波数変調ポート手段とを具備すること。
【請求項21】
請求項14のPLLデバイスにおいて、前記VCO出力信号を変調する二重点変調手段をさらに具備してなること、前記二重点変調手段は、前記VCO手段と前記位相検出手段との間のフィードバックによって提供されたフィードバック信号にデータ信号を結合するための低周波数変調ポート手段と、前記デジタルフィルタ手段によって提供されたデジタルフィルタ出力に前記データ信号を結合する(combine)ための高周波数変調ポート手段とを具備すること。
【請求項22】
請求項21のPLLデバイスにおいて、前記低周波数変調ポート手段はシグマデルタ変調を用いる。
【請求項23】
位相ロックループを管理するための方法であって、前記方法は、
第1の制御信号値に応えて、アナログループ内に前記PLLデバイスを構成するために、少なくとも位相検出器、アナログループフィルタおよび電圧制御発振器(VCO)を接続すること;
第2の制御信号値に応えて、ハイブリッドデジタル−アナログループ内に前記PLLデバイスを構成するために、少なくとも前記位相検出器、時間−デジタルコンバータ(TDC)、デジタルループフィルタ、デジタル−アナログコンバータ(DAC)およびVCOを接続することを具備してなること。
【請求項24】
請求項23の方法において、前記アナログループを形成するための前記接続することは前記TDCを無効にすることを具備してなる。
【請求項25】
請求項24の方法において、前記ハイブリッドデジタル−アナログループを形成するための前記接続することは、前記DACと前記VCOとの間に積分器を形成するために前記アナログループフィルタの複数のフィルタ要素を接続することを具備してなる。
【請求項26】
請求項25の方法において、前記ハイブリッドデジタル−アナログループを形成するための前記接続することは、前記DAC内の電流源出力段を前記積分器に接続することを具備してなる。
【請求項27】
請求項26の方法において、前記ハイブリッドデジタル−アナログループを形成するための前記接続することは、チャージポンプを無効にすることを具備してなる。
【請求項28】
請求項25の方法において、前記アナログループを形成するための前記接続することは、前記アナログループフィルタを形成するために、前記複数のフィルタ要素を接続することを具備してなる。
【請求項29】
請求項28の方法において、前記アナログループフィルタを形成するために前記複数のフィルタ要素を接続することは、原点に第1の極、第1の周波数に零、および、前記第1の周波数よりも高い第2の周波数に第2の極を具備する応答を有する前記アナログループフィルタを形成するために、前記複数のフィルタ要素を接続することを具備してなる。
【請求項30】
請求項25の方法において、前記アナログループを形成するための前記接続することは、前記位相検出器と前記アナログループフィルタとの間にチャージポンプを接続することをさらに具備してなる。
【請求項31】
請求項25の方法において、前記位相検出器によって受信された基準信号にデータ信号を結合させるための低周波数変調ポートと、前記デジタルフィルタによって提供されたデジタルフィルタ出力信号に前記データ信号を結合されるための高周波数変調ポートとを具備してなる二重点変調ポートを介して、前記VCOのVCO出力信号を変調することをさらに具備してなる。
【請求項32】
請求項25の方法は、フィードバックを介して前記VCOから前記位相検出器によって受信されたフィードバック信号にデータ信号を結合させるための低周波数変調ポートと、前記デジタルフィルタによって提供されたデジタルフィルタ出力信号を前記データ信号に結合させるための高周波変調ポートを具備してなる二十変調ポートを介して、前記VCOのVCO出力信号を変調することをさらに具備してなる。
【請求項33】
請求項32の方法において、前記低周波数変調ポートはシグマデルタ変調を用いる。
【請求項34】
コンピュータ実行可能な命令(computer-executable instructions)でエンコードされたコンピュータ読取り可能媒体、前記コンピュータ実行可能な命令の実行は、
第1の制御信号値に応えて、アナログループ内に前記PLLデバイスを構成するために、少なくとも位相検出器、アナログループフィルタおよび電圧制御発振器(VCO)を接続すること;
第2の制御信号値に応えて、ハイブリッドデジタル−アナログループ内に前記PLLデバイス構成するために、少なくとも前記位相検出器、時間−デジタルコンバータ(TDC)、デジタルループフィルタ、デジタル−アナログコンバータ(DAC)およびVCOを接続することのためである。
【請求項35】
請求項34のコンピュータ読取り可能媒体において、前記アナログループを形成するための前記接続することは前記TDCを無効にすることを具備してなる。
【請求項36】
請求項34のコンピュータ読取り可能媒体において、前記ハイブリッドデジタル−アナログループを形成するための前記接続することは、前記DACと前記VCOとの間に積分器を形成するために前記アナログループフィルタの複数のフィルタ要素を接続することを具備してなる。
【請求項37】
請求項36のコンピュータ読取り可能媒体において、前記ハイブリッドデジタル−アナログループを形成するための前記接続することは、前記DAC内の電流源出力段を前記積分器に接続することを具備してなる。
【請求項38】
請求項37のコンピュータ読取り可能媒体において、前記ハイブリッドデジタル−アナログループを形成するための前記接続することは、チャージポンプを無効にすることを具備してなる。
【請求項39】
請求項36のコンピュータ読取り可能媒体において、前記アナログループを形成するための前記接続することは、前記アナログループフィルタを形成するために、前記複数のフィルタ要素を接続することを具備してなる。
【請求項40】
請求項39のコンピュータ読取り可能媒体において、前記アナログループフィルタを形成するために前記複数のフィルタ要素を接続することは、原点に第1の極、第1の周波数に零、および、前記第1の周波数よりも高い第2の周波数に第2の極を具備する応答を有する前記アナログループフィルタを形成するために、前記複数のフィルタ要素を接続することを具備してなる。
【請求項41】
請求項36のコンピュータ読取り可能媒体において、前記アナログループを形成するための前記接続することは、前記位相検出器と前記アナログループフィルタとの間にチャージポンプを接続することをさらに具備してなる。
【請求項42】
請求項36のコンピュータ読取り可能媒体は、前記位相検出器によって受信された基準信号にデータ信号を結合させるための低周波数変調ポートと、前記デジタルフィルタによって提供されたデジタルフィルタ出力信号に前記データ信号を結合させるための高周波数変調ポートとを具備してなる二重点変調ポートを介して、前記VCOのVCO出力信号を変調することをさらに具備してなる。
【請求項43】
請求項36のコンピュータ読取り可能媒体は、フィードバックを介して前記VCOから前記位相検出器によって受信されたフィードバック信号にデータ信号を結合させるための低周波数変調ポートと、前記デジタルフィルタによって提供されたデジタルフィルタ出力信号に前記データ信号を組み合わせるための高周波変調ポートを具備してなる二十変調ポートを介して、前記VCOのVCO出力信号を変調することをさらに具備してなる。
【請求項44】
請求項43のコンピュータ読取り可能媒体において、前記低周波数変調ポートはシグマデルタ変調を用いる。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2013−513343(P2013−513343A)
【公表日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543215(P2012−543215)
【出願日】平成22年12月7日(2010.12.7)
【国際出願番号】PCT/US2010/059338
【国際公開番号】WO2011/071954
【国際公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】