試料上の欠陥を分析する装置および方法
【課題】分析ツール上で実現されるプロシージャを促進する方法および装置を提供する。
【解決手段】装置は、前記試料上の欠陥を画像化し、高解像度画像を生成するよう構成された分析ツール(202)、およびディスプレイ装置(211)を含む。この装置は、前記少なくとも1つのディスプレイ装置中で検査器インタフェース(212)をシミュレーションするよう構成された検査器インタフェースモジュール(214)であって、前記検査器インタフェースは、対応する検査ツール上で利用可能な機能を含み、前記検査器インタフェースは、少なくとも一部は前記検査ツールからの欠陥結果に基づく、検査器インタフェースモジュールを含む。分析器モジュールは、検査器インタフェースモジュールの知識なしで実行し、その逆も成り立ち、この装置は、前記分析器および検査器インタフェースモジュールを知るよう構成される。
【解決手段】装置は、前記試料上の欠陥を画像化し、高解像度画像を生成するよう構成された分析ツール(202)、およびディスプレイ装置(211)を含む。この装置は、前記少なくとも1つのディスプレイ装置中で検査器インタフェース(212)をシミュレーションするよう構成された検査器インタフェースモジュール(214)であって、前記検査器インタフェースは、対応する検査ツール上で利用可能な機能を含み、前記検査器インタフェースは、少なくとも一部は前記検査ツールからの欠陥結果に基づく、検査器インタフェースモジュールを含む。分析器モジュールは、検査器インタフェースモジュールの知識なしで実行し、その逆も成り立ち、この装置は、前記分析器および検査器インタフェースモジュールを知るよう構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に半導体検査および欠陥分析技術に関し、より具体的には欠陥分析装置上で欠陥をレビュー(または分析)する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体製造産業は、半導体材料を用いる集積回路を製造する非常に複雑な技術を伴う。大規模な回路集積およびますます小さくなる半導体デバイスのサイズのために、半導体製造プロセスは、プロセス欠陥を生じやすくなる。よって試験プロシージャは、品質管理を維持するために非常に重要である。試験プロシージャは、製造プロセスの中で不可欠かつ重要な部分であるために、半導体産業は、常により正確で効率的な試験プロシージャを求めている。
【0003】
光学検査ツールは、欠陥を検出するのにふつう用いられる。典型的な検査プロセスは、ウェーハ上で同様の半導体デバイス領域を比較することによって(例えばダイ・ツー・ダイ、またはセル・ツー・セル)欠陥を検出する。2つのデバイス領域間で検出された差は、デバイスがうまく機能しないようにさせる欠陥でありえるか、またはシステム動作に影響しないニュイサンスでありえる。半導体ウェーハ検査の不可欠なフェーズは、一般に「レシピ」と呼ばれる検査デバイスの設定を最適化することによって、欠陥をニュイサンスから正確に区別できるようにすることを伴う。
【0004】
潜在的な欠陥が検査システムによって見つかった後、ウェーハは典型的にはレビューツールまたは計測ツールに搬送される。一般にレビューツールおよび計測ツールは、検査ツールよりも非常に高い解像度を有する。このより高い解像度は、かなり小さい欠陥を分析または計測するのに必要とされる。検査のために欠陥の高解像度画像を提供するために、走査電子顕微鏡(SEM)システムが典型的にはレビューツールとして用いられる。
【0005】
ウェーハがレビューツール(または計測ツール)に搬送されるとき、欠陥ファイルもふつうはレビューツールに送られる。この検査欠陥ファイルは典型的には、それぞれの欠陥の座標を含み、それによりレビューツールが自動的にウェーハ上でそれぞれの位置に移動し、それぞれの位置で見つかったそれぞれの欠陥(またはニュイサンス)を画像化する。操作者はそれから、欠陥のサンプリングをレビューし、そのような欠陥を分類する。操作者はそれからその分類情報を用いて検査ツールが正しくセットアップされているか、または、重要な欠陥は実質的にキャプチャされ、一方で最小数のニュイサンスエラーしかキャプチャされないようにするよう改善されえるかを決定する。もし検査ツールが正しくセットアップされていない、または改善されえると決定されるなら、操作者は手動でレビューステーションから検査ステーションへ歩いて行き、それから検査ツールのレシピを調整する。ウェーハはまた、検査ツールに戻され、欠陥データは再び新しいレシピ設定で集められる。このプロシージャは、レビューステーションにいる操作者が検査ツールが正しくセットアップされていると決定するまで、任意の回数だけ繰り返されえる。よって検査ツールをセットアップすることは、かなり面倒な時間のかかるプロシージャでありえ、これは操作者が検査ステーションおよびレビューステーションの間を歩いて行ったり来たりすることを要求する。
【0006】
さらに典型的にはレビューツールにおいて利用可能である検査ツールからの欠陥情報はかなり限られる。検査ツールからの情報は、レビューツールにそれぞれの欠陥位置へステッピングするメカニズム以外は少ししか提供しない。欠陥情報は、レビューツールにおいて欠陥分析プロシージャを助けえる検査欠陥パッチのような他のコンテキスト情報を含まない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述を鑑み、レビューツールにおいて利用可能な検査ツールからの欠陥情報の量がより豊富であることによって、欠陥レビューツールにおいて実施されるプロシージャが促進されることが望ましい。さらに、検査ツールを効率的にセットアップする改良された装置および技術が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
したがって、分析ツール(例えばレビューまたは計測ツール)上で実現されるプロシージャを促進するメカニズムがここで提供される。一般にこれらのメカニズムは、分析ツール上で試料(例えばウェーハ)がロードされ画像化されるときに、検査ツールのユーザインタフェースおよび機能を用いて、検査ツールなどからの結果をレビューすることを可能にする。ある実施形態において、検査ユーザインタフェースは、分析ツール上でシミュレーションされる。検査ツールから収集された欠陥データの豊富なセットが、この検査ユーザインタフェースにおいて示される。分析ツールによって画像化された1つ以上の欠陥画像もこの中に、または分析ツールの異なるインタフェース中に表示されえる。シミュレーションされた検査ユーザインタフェースは、欠陥分析または計測を促進するために、分析ツールからの高解像度画像のレビューに関連して操作されえる。
【0009】
特定の応用例において、欠陥が分析ツール上でレビューされているときに、検査ツールからの欠陥およびニュイサンスの最適化レベルを検査ツールレシピへの調整が生むかを決定するために、検査ツールの設定が検査ユーザインタフェースを介してシミュレーションされえる。シミュレーション結果(例えばシミュレーションされた欠陥結果は検査ツールから生じる)が分析ツールにおける検査ユーザインタフェース内で示される。他の検査インタフェース機能は、欠陥分類またはニュイサンスフィルタリングを促進する。
【0010】
ある実施形態において、試料上の欠陥を分析する装置が開示される。この装置は、前記試料上の欠陥を画像化し、高解像度画像を生成するよう構成された分析ツール、および 前記分析ツールによって生成された前記高解像度画像を示す少なくとも1つのディスプレイ装置を含む。この装置は、前記分析器ツールを管理し、前記分析器ツールによって生成された前記高解像度画像が前記少なくとも1つのディスプレイに示されるようにする分析器モジュールをさらに含む。この装置は、前記少なくとも1つのディスプレイ装置中で検査器インタフェースをシミュレーションするよう構成された検査器インタフェースモジュールであって、前記検査器インタフェースは、対応する検査ツール上で利用可能な機能を含み、前記検査器インタフェースは、少なくとも一部は前記検査ツールからの欠陥結果に基づく、検査器インタフェースモジュールを含む。ある実施形態において、分析器モジュールは、検査器インタフェースモジュールの知識なしで実行し、その逆も成り立ち、この装置は、前記分析器および検査器インタフェースモジュールを知るよう構成され、これら2つのモジュールと通信するよう構成される同期メカニズムを含む。ある実施形態において、前記同期モジュールは、前記分析器モジュールと通信するよう構成される分析器スクリプトモジュール、および前記検査器インタフェースモジュールと通信するよう構成される検査器スクリプトから形成され、前記分析器および検査器スクリプトは、互いに通信するようさらに構成される。
【0011】
さらなる局面において、前記欠陥結果は、複数の欠陥識別子、および複数の欠陥位置、対応する検査ツールからの複数の欠陥パッチ画像、および欠陥差異強度値を含む。具体的な実現例において、分析器ツールは、走査電子計測(SEM)レビューツールの形をとる。他の局面において、前記シミュレーションされた検査器インタフェースの前記機能は、前記分析器ツールにおいて実行される欠陥分析プロシージャを促進するのに用いられるよう構成される。さらに他の局面において、前記検査器インタフェース中の前記機能は、前記分析器ツールによって作られた高解像度画像をレビューしながら見ることができ、対話可能である有用な欠陥情報を提供するよう構成可能である。さらなる実現例において、前記機能は、前記分析ツールによってどの画像が生成されるか、および/またはグラビングされるかに自動的に影響を及ぼす選択メカニズムの形をとる。
【0012】
本発明のこれらおよび他の特徴は、以下の本発明の明細書および添付図面においてより詳細に記載され、これらは本発明の原理を例示的に示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は、添付図面と併せれば以下の詳細な説明によって容易に理解されるであろう。図面において同様の参照番号は同様の構成要素を表す。
【0014】
本発明の具体的な実施形態が詳細に参照される。これら具体的な実施形態の例は、添付図面に示される。本発明はこれら具体的な実施形態について説明されるが、本発明は記載された実施形態に限定するように意図されていない。むしろ本発明は、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の精神および範囲内に含まれるように、代替物、改変物、および等価物をカバーするように意図される。以下の記載において、多くの具体的な詳細が本発明の完全な理解を図るために述べられる。本発明は、これら具体的な詳細の一部または全部なしに実施されえる。あるいは、よく知られたプロセス操作は、本発明の趣旨を不必要にぼかさないために詳細には記載されていない。
【0015】
一般に、検査器ツールインタフェース(inspector tool interface)の機能および高解像度画像を生成する分析器ツール(analyzer tool)を含む分析器システムがここで説明される。これら検査インタフェース機能は、分析器ステーションにおいて作られた高解像度画像の分析を助けるのに用いられえる。したがって分析器システムは、高解像度画像を作る任意の適切なスキャニングまたは計測要素を含む。例えば分析器システムは、SEM欠陥レビューまたはCD SEM計測ツールを含む。
【0016】
本発明の具体的な実施形態において、分析器システムは、検査ツールなどによって生成されたネイティブ欠陥結果(native defect results)を受け取り、示し、分析器ツールにおける有用な検査器ツールインタフェースの機能(inspector tool interface features)を提供する検査器インタフェース(inspector interface)も含む。すなわち、分析器システムにおいて欠陥分析を促進するいくつかの新しい特徴を含む検査器インタフェースが分析器システムにおいて提供される。検査器インタフェースは、任意の数、および組み合わせの後述の検査器インタフェース特徴を含みえる。検査器インタフェースのいくつかの特徴は、分析器ツールによって作られた高解像度画像をレビューしながら見たり、および/または操作したりできる有用な欠陥情報を提供する。他の特徴は、分析ツールによって生成および/またはグラブ(grab)される画像を自動的に変更する選択メカニズムの形をとる。ある有用な特徴は、操作者または自動プロセスが異なる検査レシピセッティングを分析器システムにおいて試行し、分析器システムの検査器インタフェースにおいて示される検査結果に対するそのような変更の結果を見ることができるよう、ネイティブ結果が示されるようにする。ネイティブ結果は、後で詳述される欠陥識別子、欠陥位置、欠陥パッチイメージ、欠陥差異強度値などを含みえる。
【0017】
検査器インタフェースの特徴を分析器ツールにおいて提供するためのいくつかの可能な解決法が実現されえる。ある実施形態において、検査ツールソフトウェアは、分析器ツール上で分析器ソフトウェアとマージされる。この解決法は、分析ツール上で検査特徴のシームレスな統合を提供するが、この方法には、ソフトウェアアップデートを協調させる歳の時間遅れのようないくつかの困難がある。検査ツールソフトウェアが典型的にはまずアップデートされ、分析器ツールの検査ソフトウェアはそれから数ヶ月かけてアップデートされ、分析器ツールと統合される。このアップデートプロセスは、分析器ツール上で検査ソフトウェアアップデートを統合するのに大きな遅れを伴いがちである。分析器ツールは、その異なるアーキテクチャのために検査ツールとは異なるソフトウェアの変更を要求するので、分析器ツール上での検査器ソフトウェアアップデートプロセスは必然的に複雑で時間のかかるものになる。プラグ&プレイ検査特徴を用いてより効率的にソフトウェアアップデートを可能にすることもできるかもしれない。残念ながら検査ツールソフトウェア特徴をプラグ&プレイソフトウェアモジュールに変換することも時間がかかり複雑な作業になる。他の同様な解決法は、ネイティブ検査結果が分析器ツール(またはレビューツール)と通信されることを可能にするメカニズムを提供することである。換言すれば、検査およびレビューソフトウェアは、互いに通信するように構成される。統合されたシステムのいくつかの実施形態は、2002年11月14日に出願されたDavid Bruce Coldrenらによる「検査システムセットアップ技術」と題された同時係属中の米国特許出願第10/298,389号(弁護士整理番号KLA1P094)にさらに詳細に記載される。
【0018】
示された実施形態において、シミュレートされた検査器ユーザインタフェースが分析ツール上に提供される。検査ネイティブ結果は、この検査器ユーザインタフェースを分析器システムにおいて生成するのに用いられる。これらネイティブ結果は、例えば典型的には検査ツールからレビューツールに送られるファイル(例えばKLA−Tencor検査システムのためのKLARFファイル)よりも多くの情報を含む。ある実現例において、検査結果は、パッチイメージ、極性情報(polarity information)、欠陥識別情報および座標(defect identities and coordinates)、ラフ欠陥サイジング情報(rough defect sizing information)、検査比較から得られる差異強度値、欠陥の検出を担う特定のレシピパラメータ(群)、検査システム上でキャプチャされた光学イメージ、検査器によって決定された自然グループまたは自動生成された分類結果などを含む。多くのこれらネイティブ結果パラメータは、後で詳述されるように欠陥分析を促進するように検査器ユーザインタフェースにおいて効果的に示される。
【0019】
パッチは、検査プロセスから生成された画像であり、これらは識別された欠陥についてのコンテキストを与える。ある実現例では、パッチは、欠陥およびその周辺領域の画像、対応するレファレンス領域の画像、および欠陥そのものの画像を含む。分析プロセス中にパッチを用いて、他の分析目的と共に、例えば欠陥クラスを決定するより多くの情報を提供することができる。このパッチはまた、分析ツールにおいてより簡単に欠陥の位置特定をすることを可能にしえる。極性情報は、欠陥が明欠陥または暗欠陥のどちらであるか特定する。極性は、どの種類のニュイサンスフィルタを使用するかを決定するときに重要でありえ、例えば極性は、明欠陥または暗欠陥の特定のクラスのどちらかをフィルタリングするのに用いられえる。パッチおよび極性の両方は、本発明の分析器システムの実施形態上でシミュレーションされた検査器インタフェースにおいて示されえる。
【0020】
この実現例において、包括的なネイティブ結果情報がシミュレーションされた検査ユーザインタフェースにおいて効果的に利用可能にされる。対照的に、分析ツールユーザインタフェースは、高解像度画像と併せてラフサイジング(rough sizing)と共に欠陥マップおよび欠陥テーブルの形での欠陥の位置のような、このネイティブ結果データの一部しか示さない。本発明の実施形態において、これら高解像度画像は、検査ユーザインタフェースにおいて表示されるより完全なセットの結果情報と関連して見ることができ、よって、より完全に欠陥を分析(例えば分類および/または計測)し、また検査ツールをいつ、どのようによりよく調整すべきかを決定しえる。
【0021】
要約すれば、分析器ツール、例えばSEMツールにおいて座ったままで、計測ネイティブ結果にアクセスかつ操作できる分析器システムが提供される。示された実施形態において、分析器システムは、高精細度分析器画像を見て分析しながら、高計測のネイティブ結果を分析および操作できる検査器ユーザインタフェースを含む。
【0022】
図1は、本発明の実施形態が実現されえる、欠陥を探してサンプル(sample、試料)を検査する検査ステーション102、およびそのような欠陥を分析する分析器ステーション104を含むシステム100の概略図である。サンプルは、半導体ウェーハまたはレチクルのような、欠陥を探すための検査を必要とするものならなんでもよい。示されるようにシステム100は、潜在的な欠陥を探してサンプルを検査する少なくとも1つの検査ステーション102、およびその潜在的な欠陥を分析する少なくとも1つの分析ステーション104を備える。システム100は、例えば、異なるタイプの欠陥を検査する1つより多い検査ステーションを含みえ、また異なるタイプの欠陥をレビューまたは分析する1つより多い分析ステーションを含みえる。
【0023】
システム100はまた、サンプルを検査ステーション102および分析ステーション104間で搬送するメカニズムを含む。示された実施形態において、システム100は、自動的にサンプルを搬送する自動ローダ108を含む。自動ローダ108は、検査ステーション102の検査ポート103へ向けて位置110に伸びることができるアームを有するロボット112を含む。アームは、外部ポート104へ向けて位置110’に回転および伸長することもでき、ここでは参照番号110’によって示された状態である。同様に参照番号110’’によって示される状態にあるとき、ロボットアームは、検査ステーション102によって見つけられた潜在的欠陥を分析する分析ステーション104の分析ステーションポート105に向けて伸びることもできる。ロボットアームは、さらに伸びて分析ステーション104からサンプルを取り出すように設計される。あるいは、1つ以上のアームを有するロボットは、トラック上のステーション群間を移動しえる。任意の適切な自動化メカニズムが利用されえ、そのような自動化メカニズムは当業者によく知られている。
【0024】
欠陥分析プロセスは、本発明のある実施形態によれば、複数のサンプルが外部ポート104上に置かれた後に始まりえ、例えば後に続く検査アプリケーションにおいて用いられるまでそれらサンプルの格納が意図される。位置110’にあるロボットアームは、サンプルを外部ポート104から搬送し、それを検査ステーション102の検査ポート103に置く。サンプルが検査ステーション102によって検査された後、ロボットアーム110は、検査されたサンプルを検査ポート103から取り出し、ロボットアームを位置110’’に伸ばすことによってそれを分析ステーション104の分析ポート105上に置く。サンプルがレビューまたは分析された後、ロボットアームはそれから分析されたサンプルを分析ポート105から取り出し、位置110’’から位置110’へ移動することによってそれを外部ポート104に戻して置く。
【0025】
検査ステーション102はまた、サンプルが検査をパスしたかが決定されるプロセスを実施する1つ以上のコンピュータシステム(群)(不図示)を含みえる。あるいはコンピュータシステムは、検査ステーション102とは別のものでありえる。検査ステーション102は、例えば幾何学的形状のリストの形でデザインデータ154を受け取りえる。加えて、検査ステーション102は、画像データをサンプルから得る。検査ステーション102はそれから、デザインデータ254から生成されえるベースラインイメージと、またはより典型的には、サンプルの同様の領域と、または異なるサンプル(例えば、ダイ・トゥ・ダイまたはセル・トゥ・セルのモード検査において)と、サンプルのイメージデータを比較することによってイメージデータを分析する。
【0026】
検査が完了した後、ロボット112は、サンプルを分析ステーション104に移動させる。検査ステーション102はまた、欠陥結果156(例えばネイティブ結果ファイル)を分析ステーション104にネットワークを通して送ることができる(または分析器ステーション104は結果156を検査ステーション102から受け取りえる)。分析ステーション104はまた、欠陥分析プロセスを実施する1つ以上のコンピュータシステム(群)(不図示)を含みえ、ここで潜在的欠陥が計測および/またはレビューおよび分類される。あるいはコンピュータシステムは検査ステーション104とは別のものでありえる。
【0027】
ここで記載された検査および欠陥分析技術を実施および制御するのに用いられる適切なコンピュータシステムは、さまざまなベンダー(Round Rock、テキサス州のDell Computer Corporation)から入手されえ、またはカリフォルニア州、サンノゼのKLA Tencorのような検査システムベンダーによって注文を受けて構築されえる。
【0028】
好ましくは、検査ステーション102は、ここで記載された検査動作の多くを実施するコンピュータシステムと統合される、光学、UV(紫外)、電子ビーム、または他の検査システムの形をとる。このような複合システムは好ましくは、少なくとも(a)メモリ、またはベースラインイメージを得るメカニズム中に格納されたベースラインイメージ(好ましくはコンパクトにされた)、(b)サンプルの光学または電子ビームイメージ(およびベースラインイメージ)を生成するよう構成された画像化システム、および(c)ベースラインおよび現在のテストイメージを比較することによって欠陥を識別し、それと共にさまざまな統計的情報を計算し格納するよう構成された処理ユニットを含む。少なくとも、この画像化システムは、(i)サンプルの特定の位置に放射を導くよう方向づけられた照射源、および(ii)サンプルによって散乱されたソースからのサンプルのイメージを検出するよう方向づけられた1つ以上の検出器をふつうは含む。この画像化システムはまたスキャニング手段を含みえる。適切な検査ステーションには、カリフォルニア州サンノゼのKLA−Tencor社から入手可能なAIT−XP、eS20XP、TeraStar、およびSL3UVが含まれる。
【0029】
分析ステーション104はまた好ましくは、下記に詳述される分析操作を実現するための複合システムを形成する。しかし分析ステーション104は、欠陥の分析のために、検査ステーション102によって提供されるイメージよりも高解像度の試料のイメージを典型的には提供する。適切な分析ステーションには、カリフォルニア州サンノゼのKLA−Tencor社から入手可能なeV300およびCRS3100が含まれ、ここで記載された新規な分析メカニズムは、これらシステムの任意のものの中で実現されえる。
【0030】
検査ステーション102および分析ステーション104は別個のツールとして示されるが、単一の統合された検査および分析ステーションが利用されえる。そのような統合されたシステムのいくつかの実施形態は、Gaurav Vermaらによる「METHODOLOGIES FOR EFFICIENT INSPECTION OF TEST STRUCTURES USING ELECTRON BEAM SCANNING AND STEP AND REPEAT SYSTEMS」と題された2003年8月8日に出願された米国特許出願第10/638,027号(弁護士整理番号KLA1P097)にさらに記載される。
【0031】
一般に、検査および分析ステーションは、欠陥を探してサンプルを検査し、またはそのような欠陥をレビューする任意の適切なスキャニング(またはステップ・アンド・リピート)モジュールを含みえる。それぞれのスキャニングモジュールは、明視野または暗視野光学システムのような光学システムの形をとりえる。スキャニングモジュールはまた、明視野および暗視野モードの両方を利用しえる。明視野システムの例には、カリフォルニア州サンノゼのKLA−Tencor社からの2350、2351、2360、および2370が含まれる。暗視野システムの例には、カリフォルニア州サンノゼのKLA−Tencor社から入手可能なAIT II、AIT XP、Fusion、Fusion UV、およびSP1 PatternProが含まれる。それぞれのスキャニングモジュールはまた、スキャニング、スナップショット、またはステップ・アンド・リピートタイプのeビームシステムのような電子ビーム(eビーム)システムの形をとりえる。スキャニングモジュールは、サンプルの大きな領域にわたるマクロ欠陥、ベア基板上の欠陥、またはソルダーバンプ(例えばボールグリッドアレイバンプ)内の欠陥のような特別なタイプの欠陥を検出するよう設計されえる。それぞれのスキャニングモジュールまたはステーションはまた、スタンドアローンでもよく、またはプロセスツール(processing tool)内で統合化されてもよい。
【0032】
図2は、本発明のある実施形態による図1の分析システム104の概略図である。示されるように分析システム104は、2つのモニタ211および219を含むが、任意の数のモニタが利用されえる。第1モニタまたはディスプレイデバイス211は、シミュレーションされた検査器ユーザインタフェース(simulated inspector user interface)212および分析器インタフェース(analyzer interface)210を表示するのに用いられる。これらインタフェースは任意の適切な構成を用いえるが、この例では検査器ユーザインタフェース212は、分析器ユーザインタフェース211の上に配置され、これは、分析プロセス中に検査器ユーザインタフェース212が分析器インタフェース211よりもより頻繁に用いられるであろうからである。もう一つのモニタ219は、分析器ツール202によって生成される分析(例えばSEM)イメージを表示するのに用いられる。もちろん検査器ユーザインタフェース、分析器ユーザインタフェース、および分析器画像を表示するためには単一のモニタ(または任意の数のモニタ)も用いられえる。加えて、分析器ユーザインタフェースは完全に省略されえる。
【0033】
分析器システム104はまた、分析器ツール202と通信し、それを制御し、また分析器ユーザインタフェース210内で欠陥情報を示す分析器ツールモジュール204を含みえる。ある実施形態において、分析器ツールモジュール204は、単一のコンピュータシステム内で実現される。具体的な例においては、分析器ツールモジュール204は、分析器ツール202に、いつどこにステージおよびステージ上のサンプルを移動すべきかを特定する。加えて、検査器ユーザインタフェースシミュレータ214が実現される別個のコンピュータシステムが存在してもよい。検査器ユーザインタフェースシミュレータは、ユーザインタフェースとのユーザの対話と共に欠陥結果156に基づいて、検査器ユーザインタフェース218を生成および制御するよう構成される。
【0034】
検査器ユーザインタフェース218は、通常は検査ステーションにおいて示される検査対話特徴(inspection interactive features)を分析ステーション104において提供する。これら特徴のいくつかは、検査器ユーザインタフェース内でどのように欠陥結果が示されるかの操作を可能にし、一方、他の特徴は、分析ツールの制御を検査器ユーザインタフェースを介して可能にする。
【0035】
この実施形態において、分析器モジュール204は、検査器モジュール214の知識なしで実行し、その逆も言え、分析システム104は、これら2つのモジュールについて知り、これら2つのモジュールと通信できる同期メカニズムを含む。一般に、この同期メカニズムは、検査器ユーザインタフェースシミュレータに入力されるコマンドを、分析器モジュール204に入力されるコマンドに翻訳し、その逆も行う。示された例においては、同期メカニズムは、分析器および検査器モジュールを疎に結合するよう構成される2つのスクリプトの形をとる。示されるように、それぞれのモジュールは、SILC(SEM Inspector Loose Coupling、SEMインスペクタ・ルース・カップリング、SEM検査器疎結合)モジュール220および222と関連付けられる。分析器モジュール204は、SILC−分析器220と関連付けられ、一方、検査器シミュレータモジュール214は、SILC−検査器222と関連付けられる。この構成は、それぞれのモジュールを変更することなく、分析器および検査器モジュールが互いに通信することを可能にする。
【0036】
図3は、本発明のある実施形態による例示的なシミュレーションされた検査器ユーザインタフェース300のスクリーンショットである。この実現例では検査器ユーザインタフェースは、欠陥結果を多くのやりかたで示す。示されるようにインタフェース300は、複数のダイを有するウェーハ上の潜在的欠陥の相対位置を示す欠陥ウェーハマップ316を含む。このインタフェースはまた、欠陥、欠陥の識別情報(defect identities)、絶対位置などをリストする欠陥リスト318を含む。インタフェース300は、また選択された欠陥に対応するパッチ(patches)320を示しえる。インタフェース300は、それぞれの選択された欠陥についての、任意の数のパッチまたはコンテキストイメージ(contextual images)を含みえる。左から右へと示されるように、パッチは、欠陥およびその周辺領域を示す欠陥パッチ、対応するレファレンスまたはベースラインパッチ(欠陥なしの)、および欠陥そのものを含む。このパッチは、コンテキスト情報(contextual information)のような欠陥を分析する追加情報を提供しえる。しかし高解像度画像も依然として必要とされる。高解像度画像は一般に、1/4ミクロンより小さく分解されるフィーチャを有する画像として定義される。もちろん高解像度画像は将来的には異なるように定義されるだろう。よって高解像度画像は、図4に示される分析ウィンドウ400のような高解像度画像ウィンドウ内に表示される。
【0037】
分析器システムはまた、分析器ツールインタフェースを含みえ、その例は図5に示される。示されるように、分析器ツールユーザインタフェース500は、欠陥ウェーハマップ、欠陥テーブル、および欠陥カウントグラフのような図3の検査器ユーザインタフェースに示されるような同様のフィーチャ(features)を含む。分析器インタフェースは、欠陥結果を表示する多くのフィーチャを含むが、図3の検査器インタフェースほど多くのフィーチャは持たない。
【0038】
図3に戻って、検査器ユーザインタフェース300はまた、検査スレッショルド314を視覚的に調節し、欠陥結果において結果として生じる変化をすぐに見ることができるようにするビジュアルオプティマイザ(visual optimizer)312を含みえる。もちろん、任意の数のスレッショルドが調節されえる。ある実施形態においてオプティマイザ312は、スレッショルドの関数としての欠陥の個数のグラフであり、1つより多いスレッショルドおよび対応する欠陥カウントグラフを含みえる。
【0039】
図6は、本発明のある実施形態による分析器システムにおいて検査スレッショルドを調節し、欠陥結果のそのような調節の結果を見るプロシージャ600を示すフローチャートである。初期操作として、オプティマイザグラフ(例えば図3のオプティマイザ312のような)が操作601で分析器システムにおいて検査器ユーザインタフェース内に示される(例えば図2のSILC検査器222を介して)。ある実施形態において、欠陥結果、およびそのような結果を生成するのに用いられた現在のスレッショルドは、図3に示されるグラフ312のようなオプティマイザグラフ内に示される。それから1つ以上のスレッショルドが調整されたかが操作602で決定される。例えば、図3のオプティマイザ312においてスレッショルドラインをだれかが調整したかが決定されえる。
【0040】
1つ以上のスレッショルドが調整されるとき、分析器ツールにおいて検査器ユーザインタフェースにおいて示される欠陥情報は、新しいスレッショルドおよび検査器ツールからの結果に基づいて操作304において自動的にアップデートされる。例えば、図3のウェーハマップ316および欠陥テーブル318は、図3のオプティマイザ312上のスレッショルドを調整するときに自動的にアップデートされる。このプロセス600は、最適なスレッショルドを得るのに必要なだけ何回でも操作者によって反復されえる。例えば操作者は、スレッショルドを調整するために、ニュイサンス欠陥の数を最小限に抑えつつ重要な欠陥の大半がキャプチャされるまで継続しえる。この調整プロセスは、操作者が分析器システムに留まったままで、必要とされるだけ何回でも反復されえる。
【0041】
従来は、操作者は、ニュイサンスのような特定のクラスのキャプチャされた欠陥の数に基づいて、検査ツールのスレッショルドが変化されなければならないかを、分析器ツールにおいて決定しなければならなかった。それから操作者は、検査ツールに行ってスレッショルドを変化させ、スキャンを再びおこなって検査器ユーザインタフェースに結果を表示させる。本発明においては、操作者は分析ツールにいながらにして、スレッショルドが検査ツールユーザインタフェースにおいて調整されえ、それからウェーハの新しいスキャンをおこなうことなく、欠陥結果データがユーザインタフェースにおいてアップデートされる。すなわち分析器ツール、例えばSEMレビューツールに留まったままで検査レシピを最適化することができる。
【0042】
ある実施形態において強度値は、検査中にキャプチャされ、ネイティブ結果内に保存される(例えばもし検査ツール上でそうするように設定されるなら)。例えば、2つの異なるダイ領域が比較されるとき、2つの領域の強度差がキャプチャされ、併せてその差が選択されたスレッショルドより上であるという理由で欠陥として解釈されるかどうかもキャプチャされる。ネイティブ結果は、分析ツール上で検査器ユーザインタフェースに利用可能にされるので、検査のための1つ以上のスレッショルド(群)は調整されえ、それから、何個の欠陥がそのような変化の後に存在するかは収集されたネイティブ結果を介してすぐに知られえる。すなわち、ネイティブ結果中の何個の強度差が新しいスレッショルド以下であるかが知られえる。それからそれぞれの欠陥クラスについての欠陥カウントがそれに基づいてアップデートされえる。高解像度分析画像(例えばSEM画像)もこの調整プロセス中に見られえる。
【0043】
スレッショルドオプティマイザの機能は、多くの欠陥が分類された後で用いられえる。したがって検査器ユーザインタフェースはまた、他の欠陥分析プロセスと併せて、欠陥分類プロセスを助ける任意の数の機能を含みえる。
【0044】
図3に示されるように、検査器ユーザインタフェースはまた、検査器ユーザインタフェース中で選択される特定の欠陥に分析ツールを移動させる「Sync」(同期)オプション310を含みえる。操作者は、選択された欠陥についてのパッチを見ているかもしれず、また分析器ツールによって作られた高解像度画像をレビューしたいかもしれない。図7は、本発明のある実現例による分析器システムにおけるシミュレータ検査器ユーザインタフェース中で「Sync」オプションを実現するプロシージャ700を示すフローチャートである。まず、操作701において「Sync」オプションが分析システムの検査器ユーザインタフェース中で与えられる。例えば、図2のSILC−検査器222は、図3に示される検査器ユーザインタフェース300上で「Sync」オプション310を与える。もちろん任意の適切な入力メカニズム(チェックボックスおよびプルダウンメニューのような)が「Sync」オプションのために利用されえる。
【0045】
それから与えられた「Sync」オプションが選択されたかどうかが操作702で決定される。Syncオプションは任意の数のやり方で選択されえ、インタフェースメカニズムの特定のタイプに依存する。例えば、Syncオプションは、操作者が図3の示された例におけるSYNCボタン310を押すか、またはAUTO SYNCチェックボックス311を選択するときに選択されえる。もしAUTO syncチェックボックスが選択されるなら、syncオプションは常に選択され、ユーザが新しい欠陥を選択するときには、Syncボタン310の選択なしに分析ツールは自動的に選択された欠陥に行く。もしSyncオプションが選択されないなら(SYNCボタンまたはAUTOチェックボックスを介して)、Syncプロシージャ700は単に待機する。
【0046】
もしSyncオプションが選択されるなら、現在の欠陥選択は、分析ツールを選択された欠陥に移動させ、それから選択された欠陥を画像化させるコマンドに操作706において翻訳される。ある実施形態において、SILC−検査器222は、検査器ユーザインタフェース218を見て、どの欠陥が選択されるかを決定する。例えば、欠陥は、図3の欠陥マップ316または欠陥テーブル318を介して選択されえる。欠陥結果のローディングがおこなわれるとデフォールトの選択も初めに用いられえる。
【0047】
翻訳されたコマンドはそれから分析ツールモジュールに操作708で送られる。ある実施形態において、SILC検査器222は、どの欠陥が選択されたかを示す情報をSILC−分析器220に送る。それからSILC−分析器220は、その情報を分析器モジュール204のためのコマンドに翻訳する。例えば、検査器ユーザインタフェース218上の欠陥マップまたは欠陥リスト上の欠陥に対応するマウス選択位置は、分析器モジュール204に入力される絶対座標値または欠陥識別情報に翻訳される。ある実現例では、SILC−分析器は、分析器ツールをどこに移動させるかを特定するための、分析器ユーザインタフェース210において操作者によって通常は入力される一連のキーボードまたはマウス選択へ、欠陥選択を翻訳する。例えば、欠陥選択は、分析器ユーザインタフェース210を介して欠陥を選択するマウスの動きに翻訳される。欠陥選択情報を受け取った後で、分析器モジュール204はそれから、分析ツールにそのステージを特定された座標へ移動し、選択された欠陥を画像化するように操作710で指示する。
【0048】
また本発明は、欠陥がレビューされているときに、分析器ツールステーションにおいてより多くの情報を検査器ネイティブ結果に付加することも可能にする。よって分析器ツールにおいて欠陥を分析するときには、より多くの情報にアクセスする準備ができていることになる。より多くの情報は、検査器ツールが調整を要求するとき、またはプロセスが偏差を生じ調整が必要となるときを決定するプロセスを補助しえる。
【0049】
図8は、本発明のある実現例による分析器システムにおけるシミュレータ検査器ユーザインタフェース中で「Grab Image」(画像をグラビングする)オプションを実現するプロシージャ800を示すフローチャートである。まず、「Grab Image」オプションが、分析システムの検査器ユーザインタフェース中に操作801で与えられる。操作802から810は、図7の操作702から710と同様に実現される。すなわち、Grab Imageオプションが選択されるとき、分析器ツールモジュールは、現在、選択されている欠陥に分析器ツールを移動させ、選択された欠陥を画像化するように指示される。操作812において、それから画像が欠陥結果中に保持され、その結果、欠陥が将来再び選択されるときにはいつでも使用されえる。
【0050】
ある実現例において、図3の「Grab Image」オプション306が選択されるとき、SILC−検査器222は、この選択を受け取り、それから画像をグラビングすることが必要である旨をSILC−分析器220(図2を参照)に示す。それからSILC−分析器は、現在、選択されている欠陥の画像をグラビングするよう分析器ツール202に指示する。SILC−分析器はそれから、グラビングされた画像を、SILC−検査器によってアクセス可能であるディレクトリにコピーする。それからSILC−検査器は、グラビングされた画像をネイティブ結果に置く。
【0051】
上述のGrab Imageオプションは、任意の適切な個数の選択された欠陥上で実現されえる。示された実施形態において、「Grab Selected」(選択されたものをグラビングする)オプション308は、複数の選択された欠陥を一度に画像化することを可能にする。「Grab View」(画像をグラビングする)チェックボックス302と呼ばれる他の機能は、特定の欠陥について1個、2個、または3個の異なるタイプの画像が生成されることを可能にする。
【0052】
図9は、本発明のある実現例による分析器システムにおけるシミュレータ検査器ユーザインタフェース中で「Size」(サイズ)オプションを実現するプロシージャ900を示すフローチャートである。Sizeオプションは、まず検査器ユーザインタフェース(不図示)に操作901において示される。Sizeオプションが操作902において選択されると決定されるとき、現在の欠陥選択は、分析ツールを選択された欠陥に移動させ、画像ウィンドウ中に、ラバーバンド型のアイコンのようなサイジングアイコンを表示させるコマンドに操作906で翻訳される。
【0053】
それから翻訳されたコマンドは、分析器ツールモジュールに操作908で入力され、分析器モジュールはそれから操作910において、分析器ツールを選択された欠陥に移動させ、欠陥を画像化させ、欠陥画像上にサイジングアイコンを表示させる。図2の例については、ラバーバンドボックスが分析器画像エリア218中に表示される。それから操作者は、分析器画像領域218中でサイジングする領域を選択する。すなわち、操作者は、検査器ユーザインタフェース212中の「SIZE」ボタンを選択することによって、サイジングプロセスを起動し、それからサイジングアイコンの調整が完了したときを示すために検査器ユーザインタフェース212中で「Done」オプションを選択しえる。図9に戻って、特定のフィーチャエリア(feature area)を囲むためにサイジングアイコンが調整されるとき、囲まれたフィーチャはそれから操作912において計測される(そして測定結果は欠陥結果中に保存される)。
【0054】
ある実現例において、サイジングアイコンまたはラバーバンド操作は、計測するコマンドに翻訳され、SILCモジュールを介して分析器モジュール204中に入力される。SILC−分析器モジュールはそれからサイジング結果をSILC−検査器モジュールに転送し、この検査器モジュールがこの情報をネイティブ結果に置き、この情報は検査器モジュール214によってそれからアクセス可能であり、それによって検査器ユーザインタフェース219中で表示される。優位なことに、分析器モジュールまたはSILC−分析器モジュールは、ネイティブ結果について何も知る必要はない。このようにして、SILC−検査器モジュールは、異なる分析器モジュール、または異なる分析器ツール上の異なるSILC−分析器モジュールと共に使用されえ、その逆も当てはまる。
【0055】
図10は、本発明のある実現例による分析器システムにおけるシミュレータ検査器ユーザインタフェース中で「PWQ」(Process Window Qualification、プロセスウィンドウクオリフィケーション)オプションを実現するプロシージャ900を示すフローチャートである。Process Window Qualification(PWQ)は、ウェーハのそれぞれのダイ・ロウ(die row)上でパターンを異なるように露光することを伴う。そのようなPWQオプションは、検査器ユーザインタフェース上で「Grab Row」(ロウをグラビングする)オプション(不図示)の形で示されえる。このオプションが選択されるとき、ロウ全体のそれぞれのダイが画像化される。例えば、分析器ツールは、一度に一つずつそれぞれのダイへとステッピングし、それぞれのダイから画像をグラビングするよう指示される。
【0056】
図10の示されたプロシージャにおいて、「Grab Row」(ロウをグラビングする)オプションは、分析システムの検査器ユーザインタフェース中に操作1001で与えられる。例えば、図2のSILC−検査器222は、図3に示される検査器ユーザインタフェース300上に「Grab Row」ボタン(不図示)を与える。もちろん任意の適切な入力メカニズム(チェックボックスおよびプルダウンメニューのような)が「Grab Row」オプションのために利用されえる。
【0057】
与えられた「Grab Row」オプションが選択されたかが操作1002でそれから決定される。Grab Rowオプションは、任意の数のやり方で選択されえ、特定のタイプのインタフェースメカニズムに依存する。もしGrab Rowオプションが選択されないなら、PWQプロシージャ1000は単に待機する。
【0058】
もしGrab Rowオプションが選択されるなら、現在の欠陥選択は、同じロウ(row)のそれぞれのダイ中の対応する欠陥に分析ツールを移動させ、それからそれぞれの対応する欠陥を画像化させるコマンドに操作1006で翻訳される。ある実施形態において、SILC−検査器222は、検査器ユーザインタフェース218を見て、どの欠陥が選択されているかを決定する。例えば欠陥は、図3の欠陥マップ316または欠陥テーブル318を介して選択されえる。また欠陥結果のローディングおこなわれるとき、初めにデフォールトの選択が用いられえる。
【0059】
翻訳されたコマンドはそれから分析ツールモジュールに操作1008で送られる。ある実現例において、SILC−検査器222は、どの欠陥が選択されたかを示す情報をSILC−分析器220に送る。それからSILC−分析器220は、その情報を分析器モジュール204のためのコマンドに翻訳する。例えば、検査器ユーザインタフェース218上の欠陥マップまたは欠陥リスト上の欠陥に対応するマウス選択位置は、分析器モジュール204に入力される欠陥のロウについての絶対座標値または欠陥識別情報に翻訳される。ある実現例では、SILC−分析器は、分析器ツールをどこに移動させるかを特定するための、分析器ユーザインタフェース210において操作者によって通常は入力される一連のキーボードまたはマウス選択へ、欠陥選択を翻訳する。例えば、欠陥選択は、分析器ユーザインタフェース210を介して欠陥を選択するマウスの動きに翻訳される。(欠陥が画像化された後で、このプロセスは同じロウ中の次の欠陥について反復される。)欠陥選択情報を受け取った後で、分析器モジュール204はそれから操作1010で、分析ツールにそのステージを特定された座標へ移動し、選択された欠陥を画像化するよう指示し、この画像化は同じロウ中の対応する欠陥のそれぞれについて反復される。また画像結果は、後のアクセスのために、欠陥結果中に操作1012で保存されえる。
【0060】
図11は、本発明のある実現例による分析器システムにおけるシミュレータ検査器ユーザインタフェース中で検査結果からニュイサンスをフィルタリングするプロシージャ1100を示すフローチャートである。操作者または自動化されたプロセスは、検査結果から特定の欠陥群をニュイサンスとして分類しえる。ニュイサンスは一般に、本当は欠陥ではないか、または重要ではない欠陥、例えばアクティブデバイスの完全性に影響を与えない欠陥であるウェーハ中の差異として定義される。操作者は、上述の任意の技術を用いて、または分析器ツールユーザインタフェース上の位置を単に選択することによって(例えば欠陥ウェーハマップまたは欠陥リストを介して)特定の欠陥の画像を見ることができる。
【0061】
示された実施形態において、「Classify」(分類)オプションが検査器ユーザインタフェース中に操作1101で与えられる。プロセス1100は、入力されるべきクラスのために操作1102で待機する。「Classify」オプションが選択されるとき、現在の欠陥選択は、選択された欠陥についての分類識別子(classification identifier)を入力する入力ボックスを検査器ユーザインタフェースに表示させるコマンドに操作1106で翻訳される。翻訳されたコマンドはそれから、操作1108および1110で検査器ユーザインタフェースに入力ボックスを表示させる。例えば、分類ダイアログボックスが検査器ユーザインタフェース中で開かれ、ここで操作者はニュイサンスクラスコード(nuisance class code)(または他のタイプのクラスタイプ)を入力しえる。
【0062】
操作者はそれから欠陥を分類する。例えば、操作者は、検査器ユーザインタフェース中で分類値を入力する。その欠陥がクラスコードを与えられるとき、検査器ユーザインタフェース中で欠陥情報を示すときに用いられえるように、そのクラスコードは操作1112で欠陥結果中に保持される。ある実施形態において、検査器ユーザインタフェースシミュレータモジュールは、新しい分類値を読む。分類情報はそれからSILC−検査器によって用いられることによって、上述の欠陥マップ、欠陥リスト、およびオプティマイザ欠陥グラフをアップデートするために検査器モジュールによってそれから用いられるネイティブ結果をアップデートする。検査器モジュールはまた、分類されたニュイサンス欠陥に基づいて他の欠陥をニュイサンスとしてどのように分類すべきかを学習するように構成される。検査器シミュレータは一般に、他の欠陥が同じ特定のフィーチャを示すときに、そのような他の欠陥をニュイサンスとして分類するのに用いるために、分類されたニュイサンスの特定のフィーチャを決定する。
【0063】
本発明の実施形態は、分析ステーションに検査インタフェース機能を追加する効率的かつエレガントな解法を提供する。この検査インタフェースシミュレータは、ふつう、検査ソフトウェアがアップデートされるときに検査ソフトウェアをデバッグするのに開発される。よって検査インタフェースシミュレータは、分析器システム上にロードするためにすでに利用可能である。
【0064】
異なる検査モジュールが異なるツールから分析器システムに提供されえる。分析器ツール操作者が、分析されるべきタイプの結果を示すとき、分析器ツールは、その結果を得るためにどのタイプの検査がおこなわれたかを自動的に知る。この情報は、それからロードすべき検査インタフェースシミュレータモジュールのうちの一つを決定するために用いられえる。すなわち、異なる検査ツールのための異なるシミュレータモジュールが存在しえる。
【0065】
本発明は、検査インタフェースを分析ツールにインポートする簡略化された、それでいて強力なメカニズムを提供する。特定の機能は、分析器ツールモジュール中に実現されないとしても、ここで記載された機能のそれぞれは、特定の分析器ツール上に依然として実現されえる。例えば、CD SEMのような分析器ツールは、欠陥識別情報(例えばKLARFファイルからの)を読んでSEMを自動的にそのような座標に移動させるメカニズムを提供しないとしても、SILC−検査器およびSILC−分析器に関連付けられた検査シミュレータは、欠陥の選択、および選択された欠陥を、SEMを制御するのに用いられる座標にそれから翻訳することを可能にする。よってこの検査シミュレータは、通常そのような能力を提供しないツールにおいて、自動的に選択された欠陥に移動する能力を優位に提供する。
【0066】
前記本発明は、理解の明瞭さのためにある程度、詳細に記載されてきたが、ある種の変更および修正は、添付の特許請求の範囲の範囲内で実施されえることが明らかである。本発明のプロセスおよび装置の両方を実現する多くの代替方法が存在することに注意されたい。例えば試料は、半導体ウェーハまたはレチクルのような検査およびレビューのための任意の物質または対象物でありえる。代替例として本発明は、ますます小さい寸法で設計されつつあるハードディスク内の薄膜ヘッドを検査するのに特に有用である。したがって本実施形態は、例示的であって限定的ではないと解釈されるべきであり、本発明は、ここに与えられた詳細に限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲のおよび均等物内で改変されえる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施形態が実現されえる、試料を欠陥を求めて検査する検査ステーション、およびそのような欠陥を分析する分析ステーションを含むシステムの概略図である。
【図2】本発明のある実施形態による図1の分析システムの概略図である。
【図3】本発明のある実施形態による例示的シミュレーションされた検査器ユーザインタフェースのスクリーンショットである。
【図4】高解像度画像ウィンドウ中に表示される高解像度画像のスクリーンショットである。
【図5】分析器ツールユーザインタフェースのスクリーンショットである。
【図6】本発明のある実施形態による分析ステーションにおいてスレッショルドを調整し、欠陥結果のそのような調整の結果を見るプロシージャを示すフローチャートである。
【図7】本発明のある実施形態による分析ステーションのシミュレータ検査器ユーザインタフェース中で「Sync」オプションを実現するプロシージャを示すフローチャートである。
【図8】本発明のある実施形態による分析ステーションのシミュレータ検査器ユーザインタフェース中で「Grab Image」オプションを実現するプロシージャを示すフローチャートである。
【図9】本発明のある実施形態による分析ステーションのシミュレータ検査器ユーザインタフェース中で「Size」オプションを実現するプロシージャを示すフローチャートである。
【図10】本発明のある実施形態による分析ステーションのシミュレータ検査器ユーザインタフェース中で「PWQ」(プロセスウィンドウクオリフィケーション)オプションを実現するプロシージャを示すフローチャートである。
【図11】本発明のある実施形態による分析ステーションのシミュレータ検査器ユーザインタフェース中で検査結果からのニュイサンスをフィルタリングするプロシージャを示すフローチャートである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に半導体検査および欠陥分析技術に関し、より具体的には欠陥分析装置上で欠陥をレビュー(または分析)する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体製造産業は、半導体材料を用いる集積回路を製造する非常に複雑な技術を伴う。大規模な回路集積およびますます小さくなる半導体デバイスのサイズのために、半導体製造プロセスは、プロセス欠陥を生じやすくなる。よって試験プロシージャは、品質管理を維持するために非常に重要である。試験プロシージャは、製造プロセスの中で不可欠かつ重要な部分であるために、半導体産業は、常により正確で効率的な試験プロシージャを求めている。
【0003】
光学検査ツールは、欠陥を検出するのにふつう用いられる。典型的な検査プロセスは、ウェーハ上で同様の半導体デバイス領域を比較することによって(例えばダイ・ツー・ダイ、またはセル・ツー・セル)欠陥を検出する。2つのデバイス領域間で検出された差は、デバイスがうまく機能しないようにさせる欠陥でありえるか、またはシステム動作に影響しないニュイサンスでありえる。半導体ウェーハ検査の不可欠なフェーズは、一般に「レシピ」と呼ばれる検査デバイスの設定を最適化することによって、欠陥をニュイサンスから正確に区別できるようにすることを伴う。
【0004】
潜在的な欠陥が検査システムによって見つかった後、ウェーハは典型的にはレビューツールまたは計測ツールに搬送される。一般にレビューツールおよび計測ツールは、検査ツールよりも非常に高い解像度を有する。このより高い解像度は、かなり小さい欠陥を分析または計測するのに必要とされる。検査のために欠陥の高解像度画像を提供するために、走査電子顕微鏡(SEM)システムが典型的にはレビューツールとして用いられる。
【0005】
ウェーハがレビューツール(または計測ツール)に搬送されるとき、欠陥ファイルもふつうはレビューツールに送られる。この検査欠陥ファイルは典型的には、それぞれの欠陥の座標を含み、それによりレビューツールが自動的にウェーハ上でそれぞれの位置に移動し、それぞれの位置で見つかったそれぞれの欠陥(またはニュイサンス)を画像化する。操作者はそれから、欠陥のサンプリングをレビューし、そのような欠陥を分類する。操作者はそれからその分類情報を用いて検査ツールが正しくセットアップされているか、または、重要な欠陥は実質的にキャプチャされ、一方で最小数のニュイサンスエラーしかキャプチャされないようにするよう改善されえるかを決定する。もし検査ツールが正しくセットアップされていない、または改善されえると決定されるなら、操作者は手動でレビューステーションから検査ステーションへ歩いて行き、それから検査ツールのレシピを調整する。ウェーハはまた、検査ツールに戻され、欠陥データは再び新しいレシピ設定で集められる。このプロシージャは、レビューステーションにいる操作者が検査ツールが正しくセットアップされていると決定するまで、任意の回数だけ繰り返されえる。よって検査ツールをセットアップすることは、かなり面倒な時間のかかるプロシージャでありえ、これは操作者が検査ステーションおよびレビューステーションの間を歩いて行ったり来たりすることを要求する。
【0006】
さらに典型的にはレビューツールにおいて利用可能である検査ツールからの欠陥情報はかなり限られる。検査ツールからの情報は、レビューツールにそれぞれの欠陥位置へステッピングするメカニズム以外は少ししか提供しない。欠陥情報は、レビューツールにおいて欠陥分析プロシージャを助けえる検査欠陥パッチのような他のコンテキスト情報を含まない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述を鑑み、レビューツールにおいて利用可能な検査ツールからの欠陥情報の量がより豊富であることによって、欠陥レビューツールにおいて実施されるプロシージャが促進されることが望ましい。さらに、検査ツールを効率的にセットアップする改良された装置および技術が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
したがって、分析ツール(例えばレビューまたは計測ツール)上で実現されるプロシージャを促進するメカニズムがここで提供される。一般にこれらのメカニズムは、分析ツール上で試料(例えばウェーハ)がロードされ画像化されるときに、検査ツールのユーザインタフェースおよび機能を用いて、検査ツールなどからの結果をレビューすることを可能にする。ある実施形態において、検査ユーザインタフェースは、分析ツール上でシミュレーションされる。検査ツールから収集された欠陥データの豊富なセットが、この検査ユーザインタフェースにおいて示される。分析ツールによって画像化された1つ以上の欠陥画像もこの中に、または分析ツールの異なるインタフェース中に表示されえる。シミュレーションされた検査ユーザインタフェースは、欠陥分析または計測を促進するために、分析ツールからの高解像度画像のレビューに関連して操作されえる。
【0009】
特定の応用例において、欠陥が分析ツール上でレビューされているときに、検査ツールからの欠陥およびニュイサンスの最適化レベルを検査ツールレシピへの調整が生むかを決定するために、検査ツールの設定が検査ユーザインタフェースを介してシミュレーションされえる。シミュレーション結果(例えばシミュレーションされた欠陥結果は検査ツールから生じる)が分析ツールにおける検査ユーザインタフェース内で示される。他の検査インタフェース機能は、欠陥分類またはニュイサンスフィルタリングを促進する。
【0010】
ある実施形態において、試料上の欠陥を分析する装置が開示される。この装置は、前記試料上の欠陥を画像化し、高解像度画像を生成するよう構成された分析ツール、および 前記分析ツールによって生成された前記高解像度画像を示す少なくとも1つのディスプレイ装置を含む。この装置は、前記分析器ツールを管理し、前記分析器ツールによって生成された前記高解像度画像が前記少なくとも1つのディスプレイに示されるようにする分析器モジュールをさらに含む。この装置は、前記少なくとも1つのディスプレイ装置中で検査器インタフェースをシミュレーションするよう構成された検査器インタフェースモジュールであって、前記検査器インタフェースは、対応する検査ツール上で利用可能な機能を含み、前記検査器インタフェースは、少なくとも一部は前記検査ツールからの欠陥結果に基づく、検査器インタフェースモジュールを含む。ある実施形態において、分析器モジュールは、検査器インタフェースモジュールの知識なしで実行し、その逆も成り立ち、この装置は、前記分析器および検査器インタフェースモジュールを知るよう構成され、これら2つのモジュールと通信するよう構成される同期メカニズムを含む。ある実施形態において、前記同期モジュールは、前記分析器モジュールと通信するよう構成される分析器スクリプトモジュール、および前記検査器インタフェースモジュールと通信するよう構成される検査器スクリプトから形成され、前記分析器および検査器スクリプトは、互いに通信するようさらに構成される。
【0011】
さらなる局面において、前記欠陥結果は、複数の欠陥識別子、および複数の欠陥位置、対応する検査ツールからの複数の欠陥パッチ画像、および欠陥差異強度値を含む。具体的な実現例において、分析器ツールは、走査電子計測(SEM)レビューツールの形をとる。他の局面において、前記シミュレーションされた検査器インタフェースの前記機能は、前記分析器ツールにおいて実行される欠陥分析プロシージャを促進するのに用いられるよう構成される。さらに他の局面において、前記検査器インタフェース中の前記機能は、前記分析器ツールによって作られた高解像度画像をレビューしながら見ることができ、対話可能である有用な欠陥情報を提供するよう構成可能である。さらなる実現例において、前記機能は、前記分析ツールによってどの画像が生成されるか、および/またはグラビングされるかに自動的に影響を及ぼす選択メカニズムの形をとる。
【0012】
本発明のこれらおよび他の特徴は、以下の本発明の明細書および添付図面においてより詳細に記載され、これらは本発明の原理を例示的に示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は、添付図面と併せれば以下の詳細な説明によって容易に理解されるであろう。図面において同様の参照番号は同様の構成要素を表す。
【0014】
本発明の具体的な実施形態が詳細に参照される。これら具体的な実施形態の例は、添付図面に示される。本発明はこれら具体的な実施形態について説明されるが、本発明は記載された実施形態に限定するように意図されていない。むしろ本発明は、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の精神および範囲内に含まれるように、代替物、改変物、および等価物をカバーするように意図される。以下の記載において、多くの具体的な詳細が本発明の完全な理解を図るために述べられる。本発明は、これら具体的な詳細の一部または全部なしに実施されえる。あるいは、よく知られたプロセス操作は、本発明の趣旨を不必要にぼかさないために詳細には記載されていない。
【0015】
一般に、検査器ツールインタフェース(inspector tool interface)の機能および高解像度画像を生成する分析器ツール(analyzer tool)を含む分析器システムがここで説明される。これら検査インタフェース機能は、分析器ステーションにおいて作られた高解像度画像の分析を助けるのに用いられえる。したがって分析器システムは、高解像度画像を作る任意の適切なスキャニングまたは計測要素を含む。例えば分析器システムは、SEM欠陥レビューまたはCD SEM計測ツールを含む。
【0016】
本発明の具体的な実施形態において、分析器システムは、検査ツールなどによって生成されたネイティブ欠陥結果(native defect results)を受け取り、示し、分析器ツールにおける有用な検査器ツールインタフェースの機能(inspector tool interface features)を提供する検査器インタフェース(inspector interface)も含む。すなわち、分析器システムにおいて欠陥分析を促進するいくつかの新しい特徴を含む検査器インタフェースが分析器システムにおいて提供される。検査器インタフェースは、任意の数、および組み合わせの後述の検査器インタフェース特徴を含みえる。検査器インタフェースのいくつかの特徴は、分析器ツールによって作られた高解像度画像をレビューしながら見たり、および/または操作したりできる有用な欠陥情報を提供する。他の特徴は、分析ツールによって生成および/またはグラブ(grab)される画像を自動的に変更する選択メカニズムの形をとる。ある有用な特徴は、操作者または自動プロセスが異なる検査レシピセッティングを分析器システムにおいて試行し、分析器システムの検査器インタフェースにおいて示される検査結果に対するそのような変更の結果を見ることができるよう、ネイティブ結果が示されるようにする。ネイティブ結果は、後で詳述される欠陥識別子、欠陥位置、欠陥パッチイメージ、欠陥差異強度値などを含みえる。
【0017】
検査器インタフェースの特徴を分析器ツールにおいて提供するためのいくつかの可能な解決法が実現されえる。ある実施形態において、検査ツールソフトウェアは、分析器ツール上で分析器ソフトウェアとマージされる。この解決法は、分析ツール上で検査特徴のシームレスな統合を提供するが、この方法には、ソフトウェアアップデートを協調させる歳の時間遅れのようないくつかの困難がある。検査ツールソフトウェアが典型的にはまずアップデートされ、分析器ツールの検査ソフトウェアはそれから数ヶ月かけてアップデートされ、分析器ツールと統合される。このアップデートプロセスは、分析器ツール上で検査ソフトウェアアップデートを統合するのに大きな遅れを伴いがちである。分析器ツールは、その異なるアーキテクチャのために検査ツールとは異なるソフトウェアの変更を要求するので、分析器ツール上での検査器ソフトウェアアップデートプロセスは必然的に複雑で時間のかかるものになる。プラグ&プレイ検査特徴を用いてより効率的にソフトウェアアップデートを可能にすることもできるかもしれない。残念ながら検査ツールソフトウェア特徴をプラグ&プレイソフトウェアモジュールに変換することも時間がかかり複雑な作業になる。他の同様な解決法は、ネイティブ検査結果が分析器ツール(またはレビューツール)と通信されることを可能にするメカニズムを提供することである。換言すれば、検査およびレビューソフトウェアは、互いに通信するように構成される。統合されたシステムのいくつかの実施形態は、2002年11月14日に出願されたDavid Bruce Coldrenらによる「検査システムセットアップ技術」と題された同時係属中の米国特許出願第10/298,389号(弁護士整理番号KLA1P094)にさらに詳細に記載される。
【0018】
示された実施形態において、シミュレートされた検査器ユーザインタフェースが分析ツール上に提供される。検査ネイティブ結果は、この検査器ユーザインタフェースを分析器システムにおいて生成するのに用いられる。これらネイティブ結果は、例えば典型的には検査ツールからレビューツールに送られるファイル(例えばKLA−Tencor検査システムのためのKLARFファイル)よりも多くの情報を含む。ある実現例において、検査結果は、パッチイメージ、極性情報(polarity information)、欠陥識別情報および座標(defect identities and coordinates)、ラフ欠陥サイジング情報(rough defect sizing information)、検査比較から得られる差異強度値、欠陥の検出を担う特定のレシピパラメータ(群)、検査システム上でキャプチャされた光学イメージ、検査器によって決定された自然グループまたは自動生成された分類結果などを含む。多くのこれらネイティブ結果パラメータは、後で詳述されるように欠陥分析を促進するように検査器ユーザインタフェースにおいて効果的に示される。
【0019】
パッチは、検査プロセスから生成された画像であり、これらは識別された欠陥についてのコンテキストを与える。ある実現例では、パッチは、欠陥およびその周辺領域の画像、対応するレファレンス領域の画像、および欠陥そのものの画像を含む。分析プロセス中にパッチを用いて、他の分析目的と共に、例えば欠陥クラスを決定するより多くの情報を提供することができる。このパッチはまた、分析ツールにおいてより簡単に欠陥の位置特定をすることを可能にしえる。極性情報は、欠陥が明欠陥または暗欠陥のどちらであるか特定する。極性は、どの種類のニュイサンスフィルタを使用するかを決定するときに重要でありえ、例えば極性は、明欠陥または暗欠陥の特定のクラスのどちらかをフィルタリングするのに用いられえる。パッチおよび極性の両方は、本発明の分析器システムの実施形態上でシミュレーションされた検査器インタフェースにおいて示されえる。
【0020】
この実現例において、包括的なネイティブ結果情報がシミュレーションされた検査ユーザインタフェースにおいて効果的に利用可能にされる。対照的に、分析ツールユーザインタフェースは、高解像度画像と併せてラフサイジング(rough sizing)と共に欠陥マップおよび欠陥テーブルの形での欠陥の位置のような、このネイティブ結果データの一部しか示さない。本発明の実施形態において、これら高解像度画像は、検査ユーザインタフェースにおいて表示されるより完全なセットの結果情報と関連して見ることができ、よって、より完全に欠陥を分析(例えば分類および/または計測)し、また検査ツールをいつ、どのようによりよく調整すべきかを決定しえる。
【0021】
要約すれば、分析器ツール、例えばSEMツールにおいて座ったままで、計測ネイティブ結果にアクセスかつ操作できる分析器システムが提供される。示された実施形態において、分析器システムは、高精細度分析器画像を見て分析しながら、高計測のネイティブ結果を分析および操作できる検査器ユーザインタフェースを含む。
【0022】
図1は、本発明の実施形態が実現されえる、欠陥を探してサンプル(sample、試料)を検査する検査ステーション102、およびそのような欠陥を分析する分析器ステーション104を含むシステム100の概略図である。サンプルは、半導体ウェーハまたはレチクルのような、欠陥を探すための検査を必要とするものならなんでもよい。示されるようにシステム100は、潜在的な欠陥を探してサンプルを検査する少なくとも1つの検査ステーション102、およびその潜在的な欠陥を分析する少なくとも1つの分析ステーション104を備える。システム100は、例えば、異なるタイプの欠陥を検査する1つより多い検査ステーションを含みえ、また異なるタイプの欠陥をレビューまたは分析する1つより多い分析ステーションを含みえる。
【0023】
システム100はまた、サンプルを検査ステーション102および分析ステーション104間で搬送するメカニズムを含む。示された実施形態において、システム100は、自動的にサンプルを搬送する自動ローダ108を含む。自動ローダ108は、検査ステーション102の検査ポート103へ向けて位置110に伸びることができるアームを有するロボット112を含む。アームは、外部ポート104へ向けて位置110’に回転および伸長することもでき、ここでは参照番号110’によって示された状態である。同様に参照番号110’’によって示される状態にあるとき、ロボットアームは、検査ステーション102によって見つけられた潜在的欠陥を分析する分析ステーション104の分析ステーションポート105に向けて伸びることもできる。ロボットアームは、さらに伸びて分析ステーション104からサンプルを取り出すように設計される。あるいは、1つ以上のアームを有するロボットは、トラック上のステーション群間を移動しえる。任意の適切な自動化メカニズムが利用されえ、そのような自動化メカニズムは当業者によく知られている。
【0024】
欠陥分析プロセスは、本発明のある実施形態によれば、複数のサンプルが外部ポート104上に置かれた後に始まりえ、例えば後に続く検査アプリケーションにおいて用いられるまでそれらサンプルの格納が意図される。位置110’にあるロボットアームは、サンプルを外部ポート104から搬送し、それを検査ステーション102の検査ポート103に置く。サンプルが検査ステーション102によって検査された後、ロボットアーム110は、検査されたサンプルを検査ポート103から取り出し、ロボットアームを位置110’’に伸ばすことによってそれを分析ステーション104の分析ポート105上に置く。サンプルがレビューまたは分析された後、ロボットアームはそれから分析されたサンプルを分析ポート105から取り出し、位置110’’から位置110’へ移動することによってそれを外部ポート104に戻して置く。
【0025】
検査ステーション102はまた、サンプルが検査をパスしたかが決定されるプロセスを実施する1つ以上のコンピュータシステム(群)(不図示)を含みえる。あるいはコンピュータシステムは、検査ステーション102とは別のものでありえる。検査ステーション102は、例えば幾何学的形状のリストの形でデザインデータ154を受け取りえる。加えて、検査ステーション102は、画像データをサンプルから得る。検査ステーション102はそれから、デザインデータ254から生成されえるベースラインイメージと、またはより典型的には、サンプルの同様の領域と、または異なるサンプル(例えば、ダイ・トゥ・ダイまたはセル・トゥ・セルのモード検査において)と、サンプルのイメージデータを比較することによってイメージデータを分析する。
【0026】
検査が完了した後、ロボット112は、サンプルを分析ステーション104に移動させる。検査ステーション102はまた、欠陥結果156(例えばネイティブ結果ファイル)を分析ステーション104にネットワークを通して送ることができる(または分析器ステーション104は結果156を検査ステーション102から受け取りえる)。分析ステーション104はまた、欠陥分析プロセスを実施する1つ以上のコンピュータシステム(群)(不図示)を含みえ、ここで潜在的欠陥が計測および/またはレビューおよび分類される。あるいはコンピュータシステムは検査ステーション104とは別のものでありえる。
【0027】
ここで記載された検査および欠陥分析技術を実施および制御するのに用いられる適切なコンピュータシステムは、さまざまなベンダー(Round Rock、テキサス州のDell Computer Corporation)から入手されえ、またはカリフォルニア州、サンノゼのKLA Tencorのような検査システムベンダーによって注文を受けて構築されえる。
【0028】
好ましくは、検査ステーション102は、ここで記載された検査動作の多くを実施するコンピュータシステムと統合される、光学、UV(紫外)、電子ビーム、または他の検査システムの形をとる。このような複合システムは好ましくは、少なくとも(a)メモリ、またはベースラインイメージを得るメカニズム中に格納されたベースラインイメージ(好ましくはコンパクトにされた)、(b)サンプルの光学または電子ビームイメージ(およびベースラインイメージ)を生成するよう構成された画像化システム、および(c)ベースラインおよび現在のテストイメージを比較することによって欠陥を識別し、それと共にさまざまな統計的情報を計算し格納するよう構成された処理ユニットを含む。少なくとも、この画像化システムは、(i)サンプルの特定の位置に放射を導くよう方向づけられた照射源、および(ii)サンプルによって散乱されたソースからのサンプルのイメージを検出するよう方向づけられた1つ以上の検出器をふつうは含む。この画像化システムはまたスキャニング手段を含みえる。適切な検査ステーションには、カリフォルニア州サンノゼのKLA−Tencor社から入手可能なAIT−XP、eS20XP、TeraStar、およびSL3UVが含まれる。
【0029】
分析ステーション104はまた好ましくは、下記に詳述される分析操作を実現するための複合システムを形成する。しかし分析ステーション104は、欠陥の分析のために、検査ステーション102によって提供されるイメージよりも高解像度の試料のイメージを典型的には提供する。適切な分析ステーションには、カリフォルニア州サンノゼのKLA−Tencor社から入手可能なeV300およびCRS3100が含まれ、ここで記載された新規な分析メカニズムは、これらシステムの任意のものの中で実現されえる。
【0030】
検査ステーション102および分析ステーション104は別個のツールとして示されるが、単一の統合された検査および分析ステーションが利用されえる。そのような統合されたシステムのいくつかの実施形態は、Gaurav Vermaらによる「METHODOLOGIES FOR EFFICIENT INSPECTION OF TEST STRUCTURES USING ELECTRON BEAM SCANNING AND STEP AND REPEAT SYSTEMS」と題された2003年8月8日に出願された米国特許出願第10/638,027号(弁護士整理番号KLA1P097)にさらに記載される。
【0031】
一般に、検査および分析ステーションは、欠陥を探してサンプルを検査し、またはそのような欠陥をレビューする任意の適切なスキャニング(またはステップ・アンド・リピート)モジュールを含みえる。それぞれのスキャニングモジュールは、明視野または暗視野光学システムのような光学システムの形をとりえる。スキャニングモジュールはまた、明視野および暗視野モードの両方を利用しえる。明視野システムの例には、カリフォルニア州サンノゼのKLA−Tencor社からの2350、2351、2360、および2370が含まれる。暗視野システムの例には、カリフォルニア州サンノゼのKLA−Tencor社から入手可能なAIT II、AIT XP、Fusion、Fusion UV、およびSP1 PatternProが含まれる。それぞれのスキャニングモジュールはまた、スキャニング、スナップショット、またはステップ・アンド・リピートタイプのeビームシステムのような電子ビーム(eビーム)システムの形をとりえる。スキャニングモジュールは、サンプルの大きな領域にわたるマクロ欠陥、ベア基板上の欠陥、またはソルダーバンプ(例えばボールグリッドアレイバンプ)内の欠陥のような特別なタイプの欠陥を検出するよう設計されえる。それぞれのスキャニングモジュールまたはステーションはまた、スタンドアローンでもよく、またはプロセスツール(processing tool)内で統合化されてもよい。
【0032】
図2は、本発明のある実施形態による図1の分析システム104の概略図である。示されるように分析システム104は、2つのモニタ211および219を含むが、任意の数のモニタが利用されえる。第1モニタまたはディスプレイデバイス211は、シミュレーションされた検査器ユーザインタフェース(simulated inspector user interface)212および分析器インタフェース(analyzer interface)210を表示するのに用いられる。これらインタフェースは任意の適切な構成を用いえるが、この例では検査器ユーザインタフェース212は、分析器ユーザインタフェース211の上に配置され、これは、分析プロセス中に検査器ユーザインタフェース212が分析器インタフェース211よりもより頻繁に用いられるであろうからである。もう一つのモニタ219は、分析器ツール202によって生成される分析(例えばSEM)イメージを表示するのに用いられる。もちろん検査器ユーザインタフェース、分析器ユーザインタフェース、および分析器画像を表示するためには単一のモニタ(または任意の数のモニタ)も用いられえる。加えて、分析器ユーザインタフェースは完全に省略されえる。
【0033】
分析器システム104はまた、分析器ツール202と通信し、それを制御し、また分析器ユーザインタフェース210内で欠陥情報を示す分析器ツールモジュール204を含みえる。ある実施形態において、分析器ツールモジュール204は、単一のコンピュータシステム内で実現される。具体的な例においては、分析器ツールモジュール204は、分析器ツール202に、いつどこにステージおよびステージ上のサンプルを移動すべきかを特定する。加えて、検査器ユーザインタフェースシミュレータ214が実現される別個のコンピュータシステムが存在してもよい。検査器ユーザインタフェースシミュレータは、ユーザインタフェースとのユーザの対話と共に欠陥結果156に基づいて、検査器ユーザインタフェース218を生成および制御するよう構成される。
【0034】
検査器ユーザインタフェース218は、通常は検査ステーションにおいて示される検査対話特徴(inspection interactive features)を分析ステーション104において提供する。これら特徴のいくつかは、検査器ユーザインタフェース内でどのように欠陥結果が示されるかの操作を可能にし、一方、他の特徴は、分析ツールの制御を検査器ユーザインタフェースを介して可能にする。
【0035】
この実施形態において、分析器モジュール204は、検査器モジュール214の知識なしで実行し、その逆も言え、分析システム104は、これら2つのモジュールについて知り、これら2つのモジュールと通信できる同期メカニズムを含む。一般に、この同期メカニズムは、検査器ユーザインタフェースシミュレータに入力されるコマンドを、分析器モジュール204に入力されるコマンドに翻訳し、その逆も行う。示された例においては、同期メカニズムは、分析器および検査器モジュールを疎に結合するよう構成される2つのスクリプトの形をとる。示されるように、それぞれのモジュールは、SILC(SEM Inspector Loose Coupling、SEMインスペクタ・ルース・カップリング、SEM検査器疎結合)モジュール220および222と関連付けられる。分析器モジュール204は、SILC−分析器220と関連付けられ、一方、検査器シミュレータモジュール214は、SILC−検査器222と関連付けられる。この構成は、それぞれのモジュールを変更することなく、分析器および検査器モジュールが互いに通信することを可能にする。
【0036】
図3は、本発明のある実施形態による例示的なシミュレーションされた検査器ユーザインタフェース300のスクリーンショットである。この実現例では検査器ユーザインタフェースは、欠陥結果を多くのやりかたで示す。示されるようにインタフェース300は、複数のダイを有するウェーハ上の潜在的欠陥の相対位置を示す欠陥ウェーハマップ316を含む。このインタフェースはまた、欠陥、欠陥の識別情報(defect identities)、絶対位置などをリストする欠陥リスト318を含む。インタフェース300は、また選択された欠陥に対応するパッチ(patches)320を示しえる。インタフェース300は、それぞれの選択された欠陥についての、任意の数のパッチまたはコンテキストイメージ(contextual images)を含みえる。左から右へと示されるように、パッチは、欠陥およびその周辺領域を示す欠陥パッチ、対応するレファレンスまたはベースラインパッチ(欠陥なしの)、および欠陥そのものを含む。このパッチは、コンテキスト情報(contextual information)のような欠陥を分析する追加情報を提供しえる。しかし高解像度画像も依然として必要とされる。高解像度画像は一般に、1/4ミクロンより小さく分解されるフィーチャを有する画像として定義される。もちろん高解像度画像は将来的には異なるように定義されるだろう。よって高解像度画像は、図4に示される分析ウィンドウ400のような高解像度画像ウィンドウ内に表示される。
【0037】
分析器システムはまた、分析器ツールインタフェースを含みえ、その例は図5に示される。示されるように、分析器ツールユーザインタフェース500は、欠陥ウェーハマップ、欠陥テーブル、および欠陥カウントグラフのような図3の検査器ユーザインタフェースに示されるような同様のフィーチャ(features)を含む。分析器インタフェースは、欠陥結果を表示する多くのフィーチャを含むが、図3の検査器インタフェースほど多くのフィーチャは持たない。
【0038】
図3に戻って、検査器ユーザインタフェース300はまた、検査スレッショルド314を視覚的に調節し、欠陥結果において結果として生じる変化をすぐに見ることができるようにするビジュアルオプティマイザ(visual optimizer)312を含みえる。もちろん、任意の数のスレッショルドが調節されえる。ある実施形態においてオプティマイザ312は、スレッショルドの関数としての欠陥の個数のグラフであり、1つより多いスレッショルドおよび対応する欠陥カウントグラフを含みえる。
【0039】
図6は、本発明のある実施形態による分析器システムにおいて検査スレッショルドを調節し、欠陥結果のそのような調節の結果を見るプロシージャ600を示すフローチャートである。初期操作として、オプティマイザグラフ(例えば図3のオプティマイザ312のような)が操作601で分析器システムにおいて検査器ユーザインタフェース内に示される(例えば図2のSILC検査器222を介して)。ある実施形態において、欠陥結果、およびそのような結果を生成するのに用いられた現在のスレッショルドは、図3に示されるグラフ312のようなオプティマイザグラフ内に示される。それから1つ以上のスレッショルドが調整されたかが操作602で決定される。例えば、図3のオプティマイザ312においてスレッショルドラインをだれかが調整したかが決定されえる。
【0040】
1つ以上のスレッショルドが調整されるとき、分析器ツールにおいて検査器ユーザインタフェースにおいて示される欠陥情報は、新しいスレッショルドおよび検査器ツールからの結果に基づいて操作304において自動的にアップデートされる。例えば、図3のウェーハマップ316および欠陥テーブル318は、図3のオプティマイザ312上のスレッショルドを調整するときに自動的にアップデートされる。このプロセス600は、最適なスレッショルドを得るのに必要なだけ何回でも操作者によって反復されえる。例えば操作者は、スレッショルドを調整するために、ニュイサンス欠陥の数を最小限に抑えつつ重要な欠陥の大半がキャプチャされるまで継続しえる。この調整プロセスは、操作者が分析器システムに留まったままで、必要とされるだけ何回でも反復されえる。
【0041】
従来は、操作者は、ニュイサンスのような特定のクラスのキャプチャされた欠陥の数に基づいて、検査ツールのスレッショルドが変化されなければならないかを、分析器ツールにおいて決定しなければならなかった。それから操作者は、検査ツールに行ってスレッショルドを変化させ、スキャンを再びおこなって検査器ユーザインタフェースに結果を表示させる。本発明においては、操作者は分析ツールにいながらにして、スレッショルドが検査ツールユーザインタフェースにおいて調整されえ、それからウェーハの新しいスキャンをおこなうことなく、欠陥結果データがユーザインタフェースにおいてアップデートされる。すなわち分析器ツール、例えばSEMレビューツールに留まったままで検査レシピを最適化することができる。
【0042】
ある実施形態において強度値は、検査中にキャプチャされ、ネイティブ結果内に保存される(例えばもし検査ツール上でそうするように設定されるなら)。例えば、2つの異なるダイ領域が比較されるとき、2つの領域の強度差がキャプチャされ、併せてその差が選択されたスレッショルドより上であるという理由で欠陥として解釈されるかどうかもキャプチャされる。ネイティブ結果は、分析ツール上で検査器ユーザインタフェースに利用可能にされるので、検査のための1つ以上のスレッショルド(群)は調整されえ、それから、何個の欠陥がそのような変化の後に存在するかは収集されたネイティブ結果を介してすぐに知られえる。すなわち、ネイティブ結果中の何個の強度差が新しいスレッショルド以下であるかが知られえる。それからそれぞれの欠陥クラスについての欠陥カウントがそれに基づいてアップデートされえる。高解像度分析画像(例えばSEM画像)もこの調整プロセス中に見られえる。
【0043】
スレッショルドオプティマイザの機能は、多くの欠陥が分類された後で用いられえる。したがって検査器ユーザインタフェースはまた、他の欠陥分析プロセスと併せて、欠陥分類プロセスを助ける任意の数の機能を含みえる。
【0044】
図3に示されるように、検査器ユーザインタフェースはまた、検査器ユーザインタフェース中で選択される特定の欠陥に分析ツールを移動させる「Sync」(同期)オプション310を含みえる。操作者は、選択された欠陥についてのパッチを見ているかもしれず、また分析器ツールによって作られた高解像度画像をレビューしたいかもしれない。図7は、本発明のある実現例による分析器システムにおけるシミュレータ検査器ユーザインタフェース中で「Sync」オプションを実現するプロシージャ700を示すフローチャートである。まず、操作701において「Sync」オプションが分析システムの検査器ユーザインタフェース中で与えられる。例えば、図2のSILC−検査器222は、図3に示される検査器ユーザインタフェース300上で「Sync」オプション310を与える。もちろん任意の適切な入力メカニズム(チェックボックスおよびプルダウンメニューのような)が「Sync」オプションのために利用されえる。
【0045】
それから与えられた「Sync」オプションが選択されたかどうかが操作702で決定される。Syncオプションは任意の数のやり方で選択されえ、インタフェースメカニズムの特定のタイプに依存する。例えば、Syncオプションは、操作者が図3の示された例におけるSYNCボタン310を押すか、またはAUTO SYNCチェックボックス311を選択するときに選択されえる。もしAUTO syncチェックボックスが選択されるなら、syncオプションは常に選択され、ユーザが新しい欠陥を選択するときには、Syncボタン310の選択なしに分析ツールは自動的に選択された欠陥に行く。もしSyncオプションが選択されないなら(SYNCボタンまたはAUTOチェックボックスを介して)、Syncプロシージャ700は単に待機する。
【0046】
もしSyncオプションが選択されるなら、現在の欠陥選択は、分析ツールを選択された欠陥に移動させ、それから選択された欠陥を画像化させるコマンドに操作706において翻訳される。ある実施形態において、SILC−検査器222は、検査器ユーザインタフェース218を見て、どの欠陥が選択されるかを決定する。例えば、欠陥は、図3の欠陥マップ316または欠陥テーブル318を介して選択されえる。欠陥結果のローディングがおこなわれるとデフォールトの選択も初めに用いられえる。
【0047】
翻訳されたコマンドはそれから分析ツールモジュールに操作708で送られる。ある実施形態において、SILC検査器222は、どの欠陥が選択されたかを示す情報をSILC−分析器220に送る。それからSILC−分析器220は、その情報を分析器モジュール204のためのコマンドに翻訳する。例えば、検査器ユーザインタフェース218上の欠陥マップまたは欠陥リスト上の欠陥に対応するマウス選択位置は、分析器モジュール204に入力される絶対座標値または欠陥識別情報に翻訳される。ある実現例では、SILC−分析器は、分析器ツールをどこに移動させるかを特定するための、分析器ユーザインタフェース210において操作者によって通常は入力される一連のキーボードまたはマウス選択へ、欠陥選択を翻訳する。例えば、欠陥選択は、分析器ユーザインタフェース210を介して欠陥を選択するマウスの動きに翻訳される。欠陥選択情報を受け取った後で、分析器モジュール204はそれから、分析ツールにそのステージを特定された座標へ移動し、選択された欠陥を画像化するように操作710で指示する。
【0048】
また本発明は、欠陥がレビューされているときに、分析器ツールステーションにおいてより多くの情報を検査器ネイティブ結果に付加することも可能にする。よって分析器ツールにおいて欠陥を分析するときには、より多くの情報にアクセスする準備ができていることになる。より多くの情報は、検査器ツールが調整を要求するとき、またはプロセスが偏差を生じ調整が必要となるときを決定するプロセスを補助しえる。
【0049】
図8は、本発明のある実現例による分析器システムにおけるシミュレータ検査器ユーザインタフェース中で「Grab Image」(画像をグラビングする)オプションを実現するプロシージャ800を示すフローチャートである。まず、「Grab Image」オプションが、分析システムの検査器ユーザインタフェース中に操作801で与えられる。操作802から810は、図7の操作702から710と同様に実現される。すなわち、Grab Imageオプションが選択されるとき、分析器ツールモジュールは、現在、選択されている欠陥に分析器ツールを移動させ、選択された欠陥を画像化するように指示される。操作812において、それから画像が欠陥結果中に保持され、その結果、欠陥が将来再び選択されるときにはいつでも使用されえる。
【0050】
ある実現例において、図3の「Grab Image」オプション306が選択されるとき、SILC−検査器222は、この選択を受け取り、それから画像をグラビングすることが必要である旨をSILC−分析器220(図2を参照)に示す。それからSILC−分析器は、現在、選択されている欠陥の画像をグラビングするよう分析器ツール202に指示する。SILC−分析器はそれから、グラビングされた画像を、SILC−検査器によってアクセス可能であるディレクトリにコピーする。それからSILC−検査器は、グラビングされた画像をネイティブ結果に置く。
【0051】
上述のGrab Imageオプションは、任意の適切な個数の選択された欠陥上で実現されえる。示された実施形態において、「Grab Selected」(選択されたものをグラビングする)オプション308は、複数の選択された欠陥を一度に画像化することを可能にする。「Grab View」(画像をグラビングする)チェックボックス302と呼ばれる他の機能は、特定の欠陥について1個、2個、または3個の異なるタイプの画像が生成されることを可能にする。
【0052】
図9は、本発明のある実現例による分析器システムにおけるシミュレータ検査器ユーザインタフェース中で「Size」(サイズ)オプションを実現するプロシージャ900を示すフローチャートである。Sizeオプションは、まず検査器ユーザインタフェース(不図示)に操作901において示される。Sizeオプションが操作902において選択されると決定されるとき、現在の欠陥選択は、分析ツールを選択された欠陥に移動させ、画像ウィンドウ中に、ラバーバンド型のアイコンのようなサイジングアイコンを表示させるコマンドに操作906で翻訳される。
【0053】
それから翻訳されたコマンドは、分析器ツールモジュールに操作908で入力され、分析器モジュールはそれから操作910において、分析器ツールを選択された欠陥に移動させ、欠陥を画像化させ、欠陥画像上にサイジングアイコンを表示させる。図2の例については、ラバーバンドボックスが分析器画像エリア218中に表示される。それから操作者は、分析器画像領域218中でサイジングする領域を選択する。すなわち、操作者は、検査器ユーザインタフェース212中の「SIZE」ボタンを選択することによって、サイジングプロセスを起動し、それからサイジングアイコンの調整が完了したときを示すために検査器ユーザインタフェース212中で「Done」オプションを選択しえる。図9に戻って、特定のフィーチャエリア(feature area)を囲むためにサイジングアイコンが調整されるとき、囲まれたフィーチャはそれから操作912において計測される(そして測定結果は欠陥結果中に保存される)。
【0054】
ある実現例において、サイジングアイコンまたはラバーバンド操作は、計測するコマンドに翻訳され、SILCモジュールを介して分析器モジュール204中に入力される。SILC−分析器モジュールはそれからサイジング結果をSILC−検査器モジュールに転送し、この検査器モジュールがこの情報をネイティブ結果に置き、この情報は検査器モジュール214によってそれからアクセス可能であり、それによって検査器ユーザインタフェース219中で表示される。優位なことに、分析器モジュールまたはSILC−分析器モジュールは、ネイティブ結果について何も知る必要はない。このようにして、SILC−検査器モジュールは、異なる分析器モジュール、または異なる分析器ツール上の異なるSILC−分析器モジュールと共に使用されえ、その逆も当てはまる。
【0055】
図10は、本発明のある実現例による分析器システムにおけるシミュレータ検査器ユーザインタフェース中で「PWQ」(Process Window Qualification、プロセスウィンドウクオリフィケーション)オプションを実現するプロシージャ900を示すフローチャートである。Process Window Qualification(PWQ)は、ウェーハのそれぞれのダイ・ロウ(die row)上でパターンを異なるように露光することを伴う。そのようなPWQオプションは、検査器ユーザインタフェース上で「Grab Row」(ロウをグラビングする)オプション(不図示)の形で示されえる。このオプションが選択されるとき、ロウ全体のそれぞれのダイが画像化される。例えば、分析器ツールは、一度に一つずつそれぞれのダイへとステッピングし、それぞれのダイから画像をグラビングするよう指示される。
【0056】
図10の示されたプロシージャにおいて、「Grab Row」(ロウをグラビングする)オプションは、分析システムの検査器ユーザインタフェース中に操作1001で与えられる。例えば、図2のSILC−検査器222は、図3に示される検査器ユーザインタフェース300上に「Grab Row」ボタン(不図示)を与える。もちろん任意の適切な入力メカニズム(チェックボックスおよびプルダウンメニューのような)が「Grab Row」オプションのために利用されえる。
【0057】
与えられた「Grab Row」オプションが選択されたかが操作1002でそれから決定される。Grab Rowオプションは、任意の数のやり方で選択されえ、特定のタイプのインタフェースメカニズムに依存する。もしGrab Rowオプションが選択されないなら、PWQプロシージャ1000は単に待機する。
【0058】
もしGrab Rowオプションが選択されるなら、現在の欠陥選択は、同じロウ(row)のそれぞれのダイ中の対応する欠陥に分析ツールを移動させ、それからそれぞれの対応する欠陥を画像化させるコマンドに操作1006で翻訳される。ある実施形態において、SILC−検査器222は、検査器ユーザインタフェース218を見て、どの欠陥が選択されているかを決定する。例えば欠陥は、図3の欠陥マップ316または欠陥テーブル318を介して選択されえる。また欠陥結果のローディングおこなわれるとき、初めにデフォールトの選択が用いられえる。
【0059】
翻訳されたコマンドはそれから分析ツールモジュールに操作1008で送られる。ある実現例において、SILC−検査器222は、どの欠陥が選択されたかを示す情報をSILC−分析器220に送る。それからSILC−分析器220は、その情報を分析器モジュール204のためのコマンドに翻訳する。例えば、検査器ユーザインタフェース218上の欠陥マップまたは欠陥リスト上の欠陥に対応するマウス選択位置は、分析器モジュール204に入力される欠陥のロウについての絶対座標値または欠陥識別情報に翻訳される。ある実現例では、SILC−分析器は、分析器ツールをどこに移動させるかを特定するための、分析器ユーザインタフェース210において操作者によって通常は入力される一連のキーボードまたはマウス選択へ、欠陥選択を翻訳する。例えば、欠陥選択は、分析器ユーザインタフェース210を介して欠陥を選択するマウスの動きに翻訳される。(欠陥が画像化された後で、このプロセスは同じロウ中の次の欠陥について反復される。)欠陥選択情報を受け取った後で、分析器モジュール204はそれから操作1010で、分析ツールにそのステージを特定された座標へ移動し、選択された欠陥を画像化するよう指示し、この画像化は同じロウ中の対応する欠陥のそれぞれについて反復される。また画像結果は、後のアクセスのために、欠陥結果中に操作1012で保存されえる。
【0060】
図11は、本発明のある実現例による分析器システムにおけるシミュレータ検査器ユーザインタフェース中で検査結果からニュイサンスをフィルタリングするプロシージャ1100を示すフローチャートである。操作者または自動化されたプロセスは、検査結果から特定の欠陥群をニュイサンスとして分類しえる。ニュイサンスは一般に、本当は欠陥ではないか、または重要ではない欠陥、例えばアクティブデバイスの完全性に影響を与えない欠陥であるウェーハ中の差異として定義される。操作者は、上述の任意の技術を用いて、または分析器ツールユーザインタフェース上の位置を単に選択することによって(例えば欠陥ウェーハマップまたは欠陥リストを介して)特定の欠陥の画像を見ることができる。
【0061】
示された実施形態において、「Classify」(分類)オプションが検査器ユーザインタフェース中に操作1101で与えられる。プロセス1100は、入力されるべきクラスのために操作1102で待機する。「Classify」オプションが選択されるとき、現在の欠陥選択は、選択された欠陥についての分類識別子(classification identifier)を入力する入力ボックスを検査器ユーザインタフェースに表示させるコマンドに操作1106で翻訳される。翻訳されたコマンドはそれから、操作1108および1110で検査器ユーザインタフェースに入力ボックスを表示させる。例えば、分類ダイアログボックスが検査器ユーザインタフェース中で開かれ、ここで操作者はニュイサンスクラスコード(nuisance class code)(または他のタイプのクラスタイプ)を入力しえる。
【0062】
操作者はそれから欠陥を分類する。例えば、操作者は、検査器ユーザインタフェース中で分類値を入力する。その欠陥がクラスコードを与えられるとき、検査器ユーザインタフェース中で欠陥情報を示すときに用いられえるように、そのクラスコードは操作1112で欠陥結果中に保持される。ある実施形態において、検査器ユーザインタフェースシミュレータモジュールは、新しい分類値を読む。分類情報はそれからSILC−検査器によって用いられることによって、上述の欠陥マップ、欠陥リスト、およびオプティマイザ欠陥グラフをアップデートするために検査器モジュールによってそれから用いられるネイティブ結果をアップデートする。検査器モジュールはまた、分類されたニュイサンス欠陥に基づいて他の欠陥をニュイサンスとしてどのように分類すべきかを学習するように構成される。検査器シミュレータは一般に、他の欠陥が同じ特定のフィーチャを示すときに、そのような他の欠陥をニュイサンスとして分類するのに用いるために、分類されたニュイサンスの特定のフィーチャを決定する。
【0063】
本発明の実施形態は、分析ステーションに検査インタフェース機能を追加する効率的かつエレガントな解法を提供する。この検査インタフェースシミュレータは、ふつう、検査ソフトウェアがアップデートされるときに検査ソフトウェアをデバッグするのに開発される。よって検査インタフェースシミュレータは、分析器システム上にロードするためにすでに利用可能である。
【0064】
異なる検査モジュールが異なるツールから分析器システムに提供されえる。分析器ツール操作者が、分析されるべきタイプの結果を示すとき、分析器ツールは、その結果を得るためにどのタイプの検査がおこなわれたかを自動的に知る。この情報は、それからロードすべき検査インタフェースシミュレータモジュールのうちの一つを決定するために用いられえる。すなわち、異なる検査ツールのための異なるシミュレータモジュールが存在しえる。
【0065】
本発明は、検査インタフェースを分析ツールにインポートする簡略化された、それでいて強力なメカニズムを提供する。特定の機能は、分析器ツールモジュール中に実現されないとしても、ここで記載された機能のそれぞれは、特定の分析器ツール上に依然として実現されえる。例えば、CD SEMのような分析器ツールは、欠陥識別情報(例えばKLARFファイルからの)を読んでSEMを自動的にそのような座標に移動させるメカニズムを提供しないとしても、SILC−検査器およびSILC−分析器に関連付けられた検査シミュレータは、欠陥の選択、および選択された欠陥を、SEMを制御するのに用いられる座標にそれから翻訳することを可能にする。よってこの検査シミュレータは、通常そのような能力を提供しないツールにおいて、自動的に選択された欠陥に移動する能力を優位に提供する。
【0066】
前記本発明は、理解の明瞭さのためにある程度、詳細に記載されてきたが、ある種の変更および修正は、添付の特許請求の範囲の範囲内で実施されえることが明らかである。本発明のプロセスおよび装置の両方を実現する多くの代替方法が存在することに注意されたい。例えば試料は、半導体ウェーハまたはレチクルのような検査およびレビューのための任意の物質または対象物でありえる。代替例として本発明は、ますます小さい寸法で設計されつつあるハードディスク内の薄膜ヘッドを検査するのに特に有用である。したがって本実施形態は、例示的であって限定的ではないと解釈されるべきであり、本発明は、ここに与えられた詳細に限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲のおよび均等物内で改変されえる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施形態が実現されえる、試料を欠陥を求めて検査する検査ステーション、およびそのような欠陥を分析する分析ステーションを含むシステムの概略図である。
【図2】本発明のある実施形態による図1の分析システムの概略図である。
【図3】本発明のある実施形態による例示的シミュレーションされた検査器ユーザインタフェースのスクリーンショットである。
【図4】高解像度画像ウィンドウ中に表示される高解像度画像のスクリーンショットである。
【図5】分析器ツールユーザインタフェースのスクリーンショットである。
【図6】本発明のある実施形態による分析ステーションにおいてスレッショルドを調整し、欠陥結果のそのような調整の結果を見るプロシージャを示すフローチャートである。
【図7】本発明のある実施形態による分析ステーションのシミュレータ検査器ユーザインタフェース中で「Sync」オプションを実現するプロシージャを示すフローチャートである。
【図8】本発明のある実施形態による分析ステーションのシミュレータ検査器ユーザインタフェース中で「Grab Image」オプションを実現するプロシージャを示すフローチャートである。
【図9】本発明のある実施形態による分析ステーションのシミュレータ検査器ユーザインタフェース中で「Size」オプションを実現するプロシージャを示すフローチャートである。
【図10】本発明のある実施形態による分析ステーションのシミュレータ検査器ユーザインタフェース中で「PWQ」(プロセスウィンドウクオリフィケーション)オプションを実現するプロシージャを示すフローチャートである。
【図11】本発明のある実施形態による分析ステーションのシミュレータ検査器ユーザインタフェース中で検査結果からのニュイサンスをフィルタリングするプロシージャを示すフローチャートである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料上の欠陥を分析する装置であって、
前記試料上の欠陥を画像化し、高解像度画像を生成するよう構成された分析ツール、
前記分析ツールによって生成された前記高解像度画像を示す少なくとも1つのディスプレイ装置、
前記分析器ツールを管理し、前記分析器ツールによって生成された前記高解像度画像が前記少なくとも1つのディスプレイに示されるようにする分析器モジュール、
前記少なくとも1つのディスプレイ装置中で検査器インタフェースをシミュレーションするよう構成された検査器インタフェースモジュールであって、前記検査器インタフェースは、対応する検査ツール上で利用可能な機能を含み、前記検査器インタフェースは、少なくとも一部は前記検査ツールからの欠陥結果に基づく、検査器インタフェースモジュール、および
前記分析器および検査器インタフェースモジュールを知るよう構成され、これら2つのモジュールと通信するよう構成される同期メカニズム
を備える装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、前記欠陥結果は、複数の欠陥識別子、および複数の欠陥位置、対応する検査ツールからの複数の欠陥パッチ画像、および欠陥差異強度値を含む装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の装置であって、前記分析器ツールは、走査電子計測(SEM)レビューツールの形をとる装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の装置であって、前記シミュレーションされた検査器インタフェースの前記機能は、前記分析器ツールにおいて実行される欠陥分析プロシージャを促進するのに用いられるよう構成される装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の装置であって、前記検査器インタフェース中の前記機能は、前記分析器ツールによって作られた高解像度画像をレビューしながら見ることができ、対話可能である有用な欠陥情報を提供するよう構成可能である装置。
【請求項6】
請求項5に記載の装置であって、前記試料はウェーハであり、前記検査器インタフェース中の前記機能は、前記対応する検査ツールおよび前記欠陥、それらの識別情報、およびそれらの位置数値についての欠陥リストによって前記ウェーハ上に見つかる欠陥の位置を示す欠陥ウェーハマップを含む装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置であって、前記検査器インタフェース中の前記機能は、前記欠陥ウェーハマップまたは前記欠陥リストから選択された現在の欠陥に対応する多くの画像パッチを含む装置。
【請求項8】
請求項7に記載の装置であって、前記画像パッチは、前記選択された欠陥およびその周辺領域を示す欠陥パッチ、欠陥がない対応するレファレンスパッチ、および前記選択された欠陥そのものを含む装置。
【請求項9】
請求項8に記載の装置であって、前記同期モジュールは、前記分析器モジュールに前記分析ツールを制御させることによって、それが前記選択された欠陥に動くよう構成され、前記検査器インタフェースモジュールに前記欠陥選択を前記シミュレーションされた検査器インタフェース中に表示させるよう構成される装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載の装置であって、前記検査器インタフェースの前記機能は、前記分析ツールによってどの画像が生成されるか、および/またはグラビングされるかに自動的に影響を及ぼす選択メカニズムの形をとる装置。
【請求項11】
請求項1〜9のいずれかに記載の装置であって、前記同期モジュールは、前記分析器モジュールと通信するよう構成される分析器スクリプトモジュール、および前記検査器インタフェースモジュールと通信するよう構成される検査器スクリプトを備え、前記分析器および検査器スクリプトは、互いに通信するようさらに構成される装置。
【請求項12】
請求項4に記載の装置であって、前記検査器インタフェースの前記機能は、反復して少なくとも1つの検査スレッショルドを視覚的に調整し、前記シミュレーションされた検査器インタフェースの前記欠陥ウェーハマップおよび欠陥リスト中で欠陥結果への変化を即座に見ることを可能にし、それによって前記対応する検査ツールによってキャプチャされた前記欠陥結果をそのような調整されたスレッショルドを用いて最適化するビジュアルオプティマイザを含む装置。
【請求項13】
請求項12に記載の装置であって、前記検査器インタフェースの前記機能は、欠陥分類を促進する機能を含む装置。
【請求項14】
請求項13に記載の装置であって、前記検査器インタフェースの前記機能は、前記分析ツールを前記検査器インタフェースにおいて選択された特定の欠陥に動かす同期メカニズムを含む装置。
【請求項15】
請求項14に記載の装置であって、前記機能は、自動同期メカニズムを含み、前記同期モジュールは、前記同期メカニズムを選択することなく、自動的に前記分析ツールを前記検査器インタフェース中で選択された特定の欠陥に動かすよう構成される装置。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれかに記載の装置であって、前記分析器モジュールは、分析器インタフェースを前記少なくとも1つのディスプレイ装置中に表示するようさらに構成され、前記分析器インタフェースは、ユーザが前記分析ツールを制御することを可能にするよう構成され、前記同期モジュールは、前記検査インタフェースとのユーザ対話を、前記分析インタフェースとのユーザ対話に翻訳するよう構成される装置。
【請求項17】
請求項16に記載の装置であって、前記検査器インタフェースの前記機能は、ユーザが前記高解像度画像の領域を選択することを可能にするサイズオプションを含む装置。
【請求項18】
請求項16に記載の装置であって、前記試料はウェーハであって、前記検査器インタフェースの前記機能は、ユーザが前記ウェーハ上のダイのロウまたはカラムを選択できるようにするプロセスウィンドウクオリフィケーションを含み、前記同期モジュールは、前記ディスプレイ中でそれぞれの選択されたダイの高解像度画像を順番に表示するよう構成される装置。
【請求項19】
請求項13に記載の装置であって、前記検査器インタフェースの前記機能は、ユーザが前記検査器インタフェース中で選択された欠陥を分類できるようにする分類入力機能を含み、前記同期モジュールは、前記分類が前記欠陥結果中に保存されるようにし、前記検査器インタフェース中に表示される欠陥情報をアップデートするように構成される装置。
【請求項1】
試料上の欠陥を分析する装置であって、
前記試料上の欠陥を画像化し、高解像度画像を生成するよう構成された分析ツール、
前記分析ツールによって生成された前記高解像度画像を示す少なくとも1つのディスプレイ装置、
前記分析器ツールを管理し、前記分析器ツールによって生成された前記高解像度画像が前記少なくとも1つのディスプレイに示されるようにする分析器モジュール、
前記少なくとも1つのディスプレイ装置中で検査器インタフェースをシミュレーションするよう構成された検査器インタフェースモジュールであって、前記検査器インタフェースは、対応する検査ツール上で利用可能な機能を含み、前記検査器インタフェースは、少なくとも一部は前記検査ツールからの欠陥結果に基づく、検査器インタフェースモジュール、および
前記分析器および検査器インタフェースモジュールを知るよう構成され、これら2つのモジュールと通信するよう構成される同期メカニズム
を備える装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、前記欠陥結果は、複数の欠陥識別子、および複数の欠陥位置、対応する検査ツールからの複数の欠陥パッチ画像、および欠陥差異強度値を含む装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の装置であって、前記分析器ツールは、走査電子計測(SEM)レビューツールの形をとる装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の装置であって、前記シミュレーションされた検査器インタフェースの前記機能は、前記分析器ツールにおいて実行される欠陥分析プロシージャを促進するのに用いられるよう構成される装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の装置であって、前記検査器インタフェース中の前記機能は、前記分析器ツールによって作られた高解像度画像をレビューしながら見ることができ、対話可能である有用な欠陥情報を提供するよう構成可能である装置。
【請求項6】
請求項5に記載の装置であって、前記試料はウェーハであり、前記検査器インタフェース中の前記機能は、前記対応する検査ツールおよび前記欠陥、それらの識別情報、およびそれらの位置数値についての欠陥リストによって前記ウェーハ上に見つかる欠陥の位置を示す欠陥ウェーハマップを含む装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置であって、前記検査器インタフェース中の前記機能は、前記欠陥ウェーハマップまたは前記欠陥リストから選択された現在の欠陥に対応する多くの画像パッチを含む装置。
【請求項8】
請求項7に記載の装置であって、前記画像パッチは、前記選択された欠陥およびその周辺領域を示す欠陥パッチ、欠陥がない対応するレファレンスパッチ、および前記選択された欠陥そのものを含む装置。
【請求項9】
請求項8に記載の装置であって、前記同期モジュールは、前記分析器モジュールに前記分析ツールを制御させることによって、それが前記選択された欠陥に動くよう構成され、前記検査器インタフェースモジュールに前記欠陥選択を前記シミュレーションされた検査器インタフェース中に表示させるよう構成される装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載の装置であって、前記検査器インタフェースの前記機能は、前記分析ツールによってどの画像が生成されるか、および/またはグラビングされるかに自動的に影響を及ぼす選択メカニズムの形をとる装置。
【請求項11】
請求項1〜9のいずれかに記載の装置であって、前記同期モジュールは、前記分析器モジュールと通信するよう構成される分析器スクリプトモジュール、および前記検査器インタフェースモジュールと通信するよう構成される検査器スクリプトを備え、前記分析器および検査器スクリプトは、互いに通信するようさらに構成される装置。
【請求項12】
請求項4に記載の装置であって、前記検査器インタフェースの前記機能は、反復して少なくとも1つの検査スレッショルドを視覚的に調整し、前記シミュレーションされた検査器インタフェースの前記欠陥ウェーハマップおよび欠陥リスト中で欠陥結果への変化を即座に見ることを可能にし、それによって前記対応する検査ツールによってキャプチャされた前記欠陥結果をそのような調整されたスレッショルドを用いて最適化するビジュアルオプティマイザを含む装置。
【請求項13】
請求項12に記載の装置であって、前記検査器インタフェースの前記機能は、欠陥分類を促進する機能を含む装置。
【請求項14】
請求項13に記載の装置であって、前記検査器インタフェースの前記機能は、前記分析ツールを前記検査器インタフェースにおいて選択された特定の欠陥に動かす同期メカニズムを含む装置。
【請求項15】
請求項14に記載の装置であって、前記機能は、自動同期メカニズムを含み、前記同期モジュールは、前記同期メカニズムを選択することなく、自動的に前記分析ツールを前記検査器インタフェース中で選択された特定の欠陥に動かすよう構成される装置。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれかに記載の装置であって、前記分析器モジュールは、分析器インタフェースを前記少なくとも1つのディスプレイ装置中に表示するようさらに構成され、前記分析器インタフェースは、ユーザが前記分析ツールを制御することを可能にするよう構成され、前記同期モジュールは、前記検査インタフェースとのユーザ対話を、前記分析インタフェースとのユーザ対話に翻訳するよう構成される装置。
【請求項17】
請求項16に記載の装置であって、前記検査器インタフェースの前記機能は、ユーザが前記高解像度画像の領域を選択することを可能にするサイズオプションを含む装置。
【請求項18】
請求項16に記載の装置であって、前記試料はウェーハであって、前記検査器インタフェースの前記機能は、ユーザが前記ウェーハ上のダイのロウまたはカラムを選択できるようにするプロセスウィンドウクオリフィケーションを含み、前記同期モジュールは、前記ディスプレイ中でそれぞれの選択されたダイの高解像度画像を順番に表示するよう構成される装置。
【請求項19】
請求項13に記載の装置であって、前記検査器インタフェースの前記機能は、ユーザが前記検査器インタフェース中で選択された欠陥を分類できるようにする分類入力機能を含み、前記同期モジュールは、前記分類が前記欠陥結果中に保存されるようにし、前記検査器インタフェース中に表示される欠陥情報をアップデートするように構成される装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−113040(P2006−113040A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−2298(P2005−2298)
【出願日】平成17年1月7日(2005.1.7)
【出願人】(500049141)ケーエルエー−テンカー テクノロジィース コーポレイション (126)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−2298(P2005−2298)
【出願日】平成17年1月7日(2005.1.7)
【出願人】(500049141)ケーエルエー−テンカー テクノロジィース コーポレイション (126)
【Fターム(参考)】
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