説明

認証システムおよび認証装置

【課題】登録済ユーザに対応する楽音が、パラメータを変更された状態で再生出力された場合であっても、正しくユーザを認証することができるようにする。
【解決手段】端末装置から再生出力された楽音に付加音が含まれている場合(s530「YES」)、認証装置は、再生出力された楽音における特定楽音による認証を行うのに先立ち、特定楽音と対象楽音とのパラメータを付加音に基づいて整合させてから(s560〜s570)、これら楽音同士を比較することによって、特定楽音に対応するユーザを認証する(s580)。このように、パラメータが整合されたうえで、特定楽音と対象楽音との比較が行われるため、特定楽音におけるパラメータが変更されていたとしても、その特定楽音に対応するユーザを正しく認証することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、楽音を再生可能な楽音再生装置と、楽音再生装置のユーザを認証する認証装置と、からなる認証システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、楽音再生装置(携帯端末)から再生出力される楽音を入力し、この楽音が登録済ユーザ(チケット情報に対応する楽音)のものであるかを判定することにより、この楽音再生装置のユーザを認証する認証システムが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4501953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ただ、楽音再生装置の中には、携帯音楽プレーヤやカラオケ装置など、再生出力する楽音のパラメータ(例えば、音程を設定する音高キー値(以下、キー)や、再生速度を設定するテンポ値(以下、テンポ)など)を変更する機能が備えられているものがあり、この機能に基づいて、利用者による再生楽音の音の好みによって、パラメータが変更されていると、登録済ユーザに対応する楽音を再生出力させたのにも拘わらず、上記認証システム側で登録済ユーザに対応する楽音ではないと判定してしまい、ユーザを正しく認証できなくなる恐れがある。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、登録済ユーザに対応する楽音が、パラメータを変更された状態で再生出力された場合であっても、正しくユーザを認証することができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため第1の構成(請求項1)は、楽音を再生可能な楽音再生装置と、該楽音再生装置のユーザを認証する認証装置と、からなる認証システムである。
まず、前記楽音再生装置は、当該楽音再生装置の備える再生側記憶部に記憶された楽音データに基づき、該楽音データで示される特定の楽音(特定楽音)をスピーカから再生出力させる楽音出力手段と、ユーザの操作を受けて、前記楽音出力手段が特定楽音を再生出力させる際の楽音に関するパラメータを変更可能なパラメータ変更手段と、前記楽音出力手段が再生出力する特定楽音と共に、前記パラメータ変更手段により変更されたパラメータの変更量を特定可能な音である付加音をスピーカから再生出力させる付加音出力手段と、を備えており、前記楽音出力手段が、前記パラメータ変更手段により変更されたパラメータに従って特定楽音を再生出力させる。
【0007】
一方、前記認証装置は、前記楽音再生装置から再生出力された楽音を入力する楽音入力手段と、前記楽音入力手段により入力された楽音における特定楽音を、それぞれがユーザと対応づけられた複数の異なる楽音(対象楽音)と比較し、所定のしきい値以上の類似度を示す対象楽音に対応づけられたユーザが、前記特定楽音を再生出力した前記楽音再生装置のユーザであるとして認証を行う楽音認証手段と、前記楽音入力手段により入力された楽音に前記付加音が含まれている場合に、該付加音で特定されるパラメータの変更量に応じて、前記特定楽音および前記対象楽音の少なくとも一方における同一パラメータを変更して両楽音のパラメータを整合させるパラメータ整合手段と、を備えており、前記楽音入力手段により入力された楽音に前記付加音が含まれている場合に、前記パラメータ整合手段によりパラメータが整合させられた楽音同士が比較されることで、前記楽音認証手段による認証が行われる。
【0008】
このような構成の認証システムであれば、楽音再生装置から再生出力された楽音に付加音が含まれている場合、認証装置は、再生出力された楽音における特定楽音による認証を行うのに先立ち、特定楽音と対象楽音とのパラメータを付加音に基づいて整合させる。
【0009】
このように、特定楽音と対象楽音とのパラメータが整合されたうえで、両楽音の比較に基づく認証が行われるため、特定楽音におけるパラメータが変更されていたとしても、その特定楽音に対応するユーザを正しく認証することができるようになる。
【0010】
この構成において、楽音再生装置側で変更される「楽音に関するパラメータ」とは、例えば、再生出力する楽音のキー(変更前の楽音を基準とした音程の高低度合い)、テンポ(時間方向の長さ)、音声レベル、帯域などのパラメータのことである。
【0011】
また、楽音再生装置側で再生出力される付加音は、パラメータの変更量を特定可能な音であって、例えば、パラメータの具体的な変更量に応じて、周波数成分や組合せを異ならせた音や、特定成分で出力させる時間や回数を異ならせた音のことである。
【0012】
また、上記構成において、認証装置側での認証に係る特定楽音は、楽音再生装置のユーザと対応づけたものを、あらかじめ楽音再生装置の再生側記憶部に記憶させておき、これを認証のタイミングで再生出力することとすればよい。
【0013】
ここで、特定楽音と楽音再生装置のユーザとの対応づけは、楽音再生装置とは別の装置により管理することが考えられ、そのためには、上記構成を以下に示す第2の構成(請求項2)のようにするとよい。
【0014】
第2の構成は、前記楽音再生装置と、前記認証装置と、管理装置と、からなる認証システムである。
まず、前記楽音再生装置は、ユーザの操作を受けて、該ユーザの識別情報を前記管理装置へと送信する再生側送信手段と、前記再生側送信手段により識別情報が送信された後、該識別情報を受信した前記管理装置から送信されてくる楽音データを、前記特定楽音を示すものとして前記再生側記憶部に記憶させる再生側記憶手段と、を備えている。
【0015】
また、前記管理装置は、前記楽音再生装置から前記識別情報を受信した場合に、該識別情報で識別されるユーザに対応づけるべき特定楽音を、複数種類の楽音の中から選択する楽音選択手段と、前記楽音再生装置から受信した前記識別情報、および、該識別情報に基づいて前記楽音選択手段が選択した特定楽音を示す楽音データを、前記認証装置へと送信する管理側送信手段と、を備えている。
【0016】
そして、前記認証装置は、前記管理装置から前記識別情報および前記楽音データを受信した場合に、これらを対応づけた状態で当該認証装置の備える認証側記憶部に記憶させる認証側記憶手段、を備えている。また、前記楽音認証手段は、前記楽音入力手段により入力された楽音における特定楽音を、前記認証側記憶部に記憶された楽音データで示される楽音(対象楽音)それぞれと比較して、所定のしきい値以上の類似度を示す対象楽音に対応づけられたユーザが、前記特定楽音を再生出力した前記楽音再生装置のユーザであるとして認証を行うる認証が行われる。
【0017】
この構成であれば、楽音再生装置から送信された識別情報に基づいて管理装置側で識別情報と特定楽音の対応付けが行われた後、この特定楽音を示す楽音データおよび識別情報が認証装置に送信、記憶される。これにより、認証装置側では、特定楽音と対象楽音との比較に基づく認証を行うことができるようになる。
【0018】
この構成において、認証装置と管理装置とはそれぞれ通信可能な別体の装置として構成されていてもよいし、一体の装置として構成されていてもよい。
また、上記構成において、ユーザに対応づけられる特定楽音は、どのように選択されることとしてもよいが、例えば、複数種類の楽音の中からランダムに選択することとすればよく、また、識別情報からユーザの属性(例えば、性別、年齢、所属など)などを識別できる場合であれば、その属性に合わせた楽音を選択することとしてもよい。
【0019】
また、上記各構成において、楽音再生装置が付加音を再生出力するタイミングは特に限定されないが、例えば、特定楽音に先立って再生出力する、特定楽音と重畳させて再生出力する、特定楽音の後に再生出力する、といったタイミングが考えられる。
【0020】
これらのうち、特定楽音に先立って付加音を再生出力させる場合には、上記構成を、例えば、以下に示す第3の構成(請求項3)のようにするとよい。
第3の構成の前記楽音再生装置において、前記付加音出力手段は、前記楽音出力手段による特定楽音の再生出力に先立って、前記付加音を再生出力させる、ように構成されている。そして、前記認証装置において、前記パラメータ整合手段は、前記楽音入力手段により、最初に前記付加音が入力された場合に、該付加音で特定されるパラメータの変更量に応じて、該付加音の後で入力される前記特定楽音および前記対象楽音の少なくとも一方における同一パラメータを変更していくことで、両楽音のパラメータを整合させる。
【0021】
この構成であれば、認証装置は、特定楽音に先立って付加音が入力された場合に、この付加音で特定されるパラメータの変更量に応じて、その後に入力される特定楽音と対象楽音とのパラメータを整合させたうえで、両楽音の比較に基づく認証を行うことができる。
【0022】
また、特定楽音に付加音が重畳された状態で再生出力をさせる場合には、上記構成を、例えば、以下に示す第3−1の構成のようにすることが考えられる。
第3−1の構成の楽音再生装置において、楽音出力手段は、再生出力手段に再生出力される楽音に重畳させた状態で付加音を再生出力させる。そして、認証装置には、楽音再生装置にて再生出力された楽音から付加音を分離する付加分離手段が備えられ、パラメータ整合手段は、楽音入力手段により入力された楽音から付加音が分離される場合、この付加音で特定されるパラメータの変更量に応じて、付加音が分離された特定楽音および比較対象楽音の少なくとも一方における同一パラメータを変更してパラメータを整合させる。
【0023】
この構成であれば、認証装置は、楽音再生装置にて再生出力された楽音から付加音が分離される場合に、この付加音で特定されるパラメータの変更量に応じて、付加音が分離された残りの成分である特定楽音と対象楽音とのパラメータを整合させたうえで、両楽音の比較に基づく認証を行うことができる。
【0024】
また、特定楽音の後に付加音を再生出力させる場合には、上記構成を、例えば、以下に示す第3−2の構成のようにするとよい。
第3−2の構成の楽音再生装置において、楽音出力手段は、再生出力手段による特定楽音の再生出力後に付加音を再生出力させる、ように構成されている。そして、認証装置において、パラメータ整合手段は、楽音入力手段により特定楽音の後で付加音が入力された場合に、この付加音で特定されるパラメータの変更量に応じて、その特定楽音および比較対象楽音の少なくとも一方における同一パラメータを変更してパラメータを整合させる。
【0025】
この構成であれば、認証装置は、特定楽音の後で付加音が入力された場合に、この付加音で特定されるパラメータの変更量に応じて、先に入力された特定楽音と対象楽音とのパラメータを整合させたうえで、両楽音の比較に基づく認証を行うことができる。
【0026】
また、上記各構成において、特定楽音と対象楽音とのパラメータを整合させる際には、付加音で示されるパラメータの変更量に応じて、一方の楽音における同一パラメータを、その変更量がキャンセルされる方向に変更することとすればよい。このとき、特定楽音および対象楽音のいずれを変更することとしてもよいが、特定楽音との比較を行う対象楽音が複数存在しているケースを考えると、特定楽音のパラメータのみを変更することが、処理負荷をおさえるのに好適である。
【0027】
このための構成としては、上記各構成を以下に示す第4の構成(請求項4)のようにするとよい。
第4の構成の前記認証装置において、前記パラメータ整合手段は、前記楽音入力手段により入力された楽音に前記付加音が含まれている場合に、該付加音で特定されるパラメータの変更量に応じて、前記特定楽音における同一パラメータを変更することで、前記対象楽音のパラメータと整合させる。
【0028】
この構成であれば、1つの特定楽音のパラメータのみを変更することで、特定楽音と対象楽音とのパラメータを整合させることができるため、特定楽音との比較を行う対象楽音が複数存在しているケースにおいても、対象楽音の数に拘わらず、両楽音のパラメータを整合させる際の処理負荷を一定にすることができるため好適である。
【0029】
また、上記課題を解決するため第5の構成(請求項5)は、楽音を再生可能な楽音再生装置と共に、認証システムを構成する認証装置である。
ここでは、前記楽音再生装置が、当該楽音再生装置の備える再生側記憶部に記憶された楽音データに基づき、該楽音データで示される特定の楽音(特定楽音)をスピーカから再生出力させる楽音出力手段と、ユーザの操作を受けて、前記楽音出力手段が特定楽音を再生出力させる際の楽音に関するパラメータを変更可能なパラメータ変更手段と、前記楽音出力手段が再生出力する特定楽音と共に、前記パラメータ変更手段により変更されたパラメータの変更量を特定可能な音である付加音をスピーカから再生出力させる付加音出力手段と、を備え、前記パラメータ変更手段により変更されたパラメータに従って特定楽音が再生出力される、ように構成されている場合を前提としている。
【0030】
そして、前記楽音再生装置から再生出力された楽音を入力する楽音入力手段と、前記楽音入力手段により入力された楽音における特定楽音を、それぞれがユーザと対応づけられた複数の異なる楽音(対象楽音)と比較し、所定のしきい値以上の類似度を示す対象楽音に対応づけられたユーザが、前記特定楽音を再生出力した前記楽音再生装置のユーザであるとして認証を行う楽音認証手段と、前記楽音入力手段により入力された楽音に前記付加音が含まれている場合に、該付加音で特定されるパラメータの変更量に応じて、前記特定楽音および前記対象楽音の少なくとも一方における同一パラメータを変更して両楽音のパラメータを整合させるパラメータ整合手段と、を備え、前記楽音入力手段により入力された楽音に前記付加音が含まれている場合、前記パラメータ整合手段によりパラメータが整合させられた楽音同士が比較されることで、前記楽音認証手段による認証が行われる、ように構成されている。
【0031】
この構成であれば、上記各構成に係る認証システムの一部を構成することができ、これにより、同様の作用、効果を得ることができる。
なお、上記課題を解決するためには、上記各構成要素における各手段と同様の手順を各構成要素に実施させるプログラムとすることも考え、このプログラムを実行する構成要素それぞれは、上記各構成と同様の作用、効果を得ることができる。
【0032】
このプログラムは、コンピュータシステムによる処理に適した命令の順番付けられた列からなるものであって、各種記録媒体や通信回線を介して認証装置や、これを利用するユーザ等に提供されるものとすればよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】認証システムの全体構成を示すブロック図
【図2】認証システムによる処理手順を示す図
【図3】ユーザ認証の準備までの手順を示すフローチャート
【図4】管理装置の記憶部に記憶されたデータベースのデータ構造(レコード)を示す図
【図5】ユーザの認証を行う手順を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
(1)全体構成
認証システム1は、ユーザを認証するためのシステムであり、図1に示すように、ユーザの所有する端末装置2と、端末装置2のユーザを認証する認証装置4と、端末装置2および認証装置4それぞれと通信可能な管理装置6と、からなる。
【0035】
端末装置2は、CPU、ROM、RAM、EEPROMなどを内蔵した制御部21、制御部21による処理結果などを記憶する記憶部23、モニタや操作パネルなどからなるユーザインタフェース(U/I)25、ネットワーク100を介した通信(無線通信)を制御する通信部27、マイク31からの音声の入力およびスピーカ33からの音声の出力を制御する音声処理部29などを備えた携帯電話端末である。
【0036】
なお、端末装置2は、記憶部23に格納された楽音データで示される楽音を、音声処理部29を介してスピーカ33から再生出力させる楽音再生機能と、この機能で再生出力する楽音のパラメータを変更するパラメータ変更機能と、を有している。
【0037】
認証装置4は、CPU、ROM、RAMなどからなる制御部41、制御部41による処理結果などを記憶する記憶部43、キーボードなどからなるユーザインタフェース(U/I)45、ネットワーク100を介した通信を制御する通信部47、マイク51からの音声の入力およびスピーカ53からの音声の出力を制御する音声処理部49などを備えている。なお、本願発明において、認証装置4は、カラオケ装置の一部機能として実装されたものである。
【0038】
管理装置6は、CPU、ROM、RAMなどからなる制御部61、制御部61による処理結果などを記憶する記憶部63、キーボードなどからなるユーザインタフェース(U/I)65、ネットワーク100を介した通信を制御する通信部67などを備えたサーバーである。
【0039】
このような構成の認証システム1の動作を図2に基づいて説明する。
この認証システム1では、まず、端末装置2が管理装置6へと登録要求を行うと(a)、管理装置6が、登録要求に伴う識別情報に応じた楽音データを選択、登録した後(b)、この楽音データを端末装置2へと送信すると共に(c)、この楽音データと識別情報とを認証装置4へと送信する(d)。端末装置2は、この楽音データを記憶部23に記憶させる一方(e)、認証装置4は、この楽音データと識別情報とを対応づけて記憶部43に記憶させる(f)。こうして端末装置2と認証装置4との間でユーザ認証の準備が整う。
【0040】
端末装置2は、上記のように、楽音再生機能とパラメータ変更機能を有しており、パラメータ変更機能によるパラメータの変更を行うための操作を受けることで該当するパラメータが設定変更される(g)。なお、この操作は、変更するパラメータ、および、その変更量の指令を伴う操作である。
【0041】
本実施形態では、そのパラメータの変更量を示す変更情報(初期値:変更量0)が制御部21のEEPROMに格納されているため、この変更情報が、操作にて指令された変更内容に応じた変更量に更新される。なお、パラメータは、キー(周波数分布)、テンポ(時間方向の長さ)、音声レベル、帯域などが選択的に使用される。
【0042】
また、端末装置2のユーザを認証装置4側で認証するに際しては、端末装置2の楽音再生機能により、先に記憶部23に記憶させた楽音データで示される楽音(特定楽音)を再生出力させ、これを認証装置4に入力させる(h)。
【0043】
このとき、上記のようにパラメータが設定変更されている場合には、その内容に応じてパラメータが変更された特定楽音と共に、パラメータの変更内容を特定可能に符号化した付加音が再生出力される。本実施形態では、付加音の後で特定楽音が再生出力される。
【0044】
こうして、端末装置2が再生出力した楽音を入力した認証装置4は、この楽音に付加音が含まれていれば、その付加音から特定されるパラメータの変更量に応じて、特定楽音、および、先に記憶部43に記憶させた楽音データで示される楽音(対象楽音)のいずれか一方または両方のパラメータを変更することで両楽音のパラメータを整合させる(i)。
【0045】
そして、認証装置4は、特定楽音と対象楽音との対比を行った結果、特定楽音と一致する(所定割合以上の近似を含む)対象楽音を示す楽音データにつき、これに対応するユーザが端末装置2のユーザであるとして認証する(j)。
(2)ユーザ認証の準備までの手順
以下に、端末装置2と認証装置4との間でユーザ認証の準備が整えられるまでの手順を、図3に示す各装置の処理に基づいて説明する。
(2−1)端末装置2による操作受付処理
はじめに、端末装置2の制御部23により実行される操作受付処理の処理手順を説明する。この操作受付処理は、ユーザインタフェース25の操作パネルを介して操作が受け付けられる毎に行われる。
【0046】
この操作受付処理が開始されると、まず、受け付けられた操作が「ユーザ登録操作」であるか否かがチェックされる(s110)。「ユーザ登録操作」は、ユーザ登録を管理装置6に要求するための操作であり、あらかじめ所定の操作内容が割り当てられている。
【0047】
このs110で「ユーザ登録操作」が受け付けられたと判定された場合(s110:YES)、端末装置2のユーザに割り当てられた識別情報を伴う登録要求が管理装置6へと送信される(s120)。本実施形態において、識別情報は、あらかじめ制御部23のEEPROMや記憶部23に記憶されたものであるが、都度ユーザに入力させてもよい。
【0048】
この登録要求を受信した管理装置6からは、識別情報に対応づけられた楽音データが送信されてくる。
こうして、登録要求が送信された後、管理装置6から楽音データを受信したら、この楽音データが認証用の特定楽音を示すものとして記憶部23に記憶された後(s130)、その旨のメッセージがユーザインタフェース25のモニタに表示された後(s140)、本操作受付処理が終了する。
【0049】
また、受け付けられた操作が「設定変更操作」であると判定された場合(s110:NO、s150:YES)、再生出力される楽音のパラメータが設定変更された後(s160)、本操作受付処理が終了する。このs160では、上述した変更情報が設定変更操作にて指令された変更内容に応じた変更量に更新される。
【0050】
なお、「設定変更操作」は、再生出力される楽音のパラメータの変更を指令するための操作であり、あらかじめ所定の操作内容が割り当てられている。
また、受け付けられた操作が上記以外の操作であると判定された場合(s110:NO、s150:NO)、その操作に対応する処理(その他の処理)が行われた後(s170)、本操作受付処理が終了する。なお、ここで行われる処理の一部が、後述する被認証処理である。
(2−2)管理装置6によるユーザ登録処理
続いて、管理装置6の制御部63により実行されるユーザ登録処理の処理手順を説明する。このユーザ登録処理は、端末装置2から登録要求を受ける毎に行われる。
【0051】
このユーザ登録処理が開始されると、まず、登録要求に伴う識別情報に応じた楽音データが、あらかじめ用意された複数の楽音データの中から選択される(s210)。
ここでは、識別情報に応じて、あらかじめ記憶部63に記憶された複数の楽音データの中からランダムに選択するように構成されているが、識別情報からユーザの属性(例えば、性別、年齢、所属など)なども識別できる場合であれば、その属性に合わせた楽音を示す楽音データを選択することとしてもよい。
【0052】
次に、登録要件に伴う識別情報と、上記s210にて選択された楽音データとが対応づけられた状態で、記憶部63に記憶されているデータベースに登録される(s220)。ここでは、図4に示すように、楽音データ(のアドレス)、識別情報の他、この楽音データで示される楽音の楽音番号や、この楽音におけるパラメータの初期値などがセットされたレコードがデータベースに登録される。
【0053】
次に、上記s210にて選択された楽音データが、登録要求の送信元である端末装置2へと送信される(s230)。この楽音データは、端末装置2が操作受付処理のs130にて受信するものである。
【0054】
次に、上記s210にて選択された楽音データ、および、登録要求に伴う識別情報が、認証装置4へと送信される(s240)。この楽音データおよび識別情報を受信した認証装置4では、これらの受信を契機に開始される楽音登録処理において、識別情報と楽音データとが対応づけられた状態で記憶部43に記憶される(s310)。
(3)ユーザの認証を行う手順
以下に、端末装置2と認証装置4との間でユーザの認証を行う手順を、図5に示す各装置の処理に基づいて説明する。
(3−1)端末装置2による被認証処理
はじめに、端末装置2の制御部23により実行される被認証処理の処理手順を説明する。この被認証処理は、ユーザインタフェース25の操作パネルを介して、ユーザ認証を開始する旨の操作が受け付けられる毎に行われる。
【0055】
この被認証処理が開始されると、まず、再生出力する楽音に関するパラメータが変更されているか否かがチェックされる(s410)。ここでは、制御部21のEEPROMに格納されている変更情報がチェックされ、これが初期値0とは異なる値を示すものとなっていることをもって、パラメータが変更されていると判定する。
【0056】
このs410でパラメータが変更されていると判定された場合(s410:YES)、制御部21のEEPROMに格納されている変更情報に基づき、パラメータの変更量が読み出された後(s420)、この変更情報で示されるパラメータ変更量を特定可能な音である付加音が生成される(s430)。ここでは、例えば、パラメータの変更量に応じて、周波数成分や組合せを異ならせたり、特定成分で出力させる時間や回数を異ならせたりした音が、付加音として生成される。
【0057】
次に、上記s430にて生成された付加音がスピーカ33から再生出力される(s440)。こうして再生出力された付加音は、認証装置4のマイク51から入力される。
次に、操作受付処理(s130)において認証用の特定楽音を示すものとして記憶部23に記憶された楽音データが読み出される(s450)。
【0058】
次に、上記s450にて読み出された楽音データで示される特定楽音がスピーカ33から再生出力される(s460)。このとき、上記s420にてパラメータの変更量が読み出されている場合には、そのパラメータと同じパラメータが、その変更量だけ変更させた状態で再生出力される。
【0059】
こうして再生出力された特定楽音は、認証装置4のマイク51から入力され、認証装置4からは、この特定楽音に基づく認証が行われた後、その認証結果が送信されてくる。
上記s460にて特定楽音が再生出力された後、認証装置4からの認証結果が受信されるまで待機状態となり(s470:NO)、認証結果が受信されたら(s470:YES)、その認証結果がユーザインタフェース25のモニタに表示されて(s480)、被認証処理が終了する。
(3−2)認証装置4のユーザ認証処理
続いて、認証装置4の制御部43により実行されるユーザ認証処理の処理手順を説明する。このユーザ認証処理は、認証装置4が起動した以降、繰り返し実行される。
【0060】
このユーザ認証処理が開始されると、まず、マイク51から所定以上のレベルでの音声入力が開始されるまで待機状態となり(s510:NO)、その後、音声の入力が開始されたら(s510:YES)、スピーカ53を介した音声出力が中断される(s520)。ここでは、音声処理部49を介したスピーカ53からの出力を行わないようにすることで、音声出力が中断される。
【0061】
次に、上記s510にて入力が開始された音声が付加音であるか否かがチェックされる(s530)。ここでは、入力が開始された音声のパターンが、付加音として定められたパターンと一致(所定割合以上の近似を含む)するものであれば、その音声が付加音であると判定される。
【0062】
このs530で付加音であると判定された場合(s530:YES)、入力が開始された以降、付加音として定められた時間長にわたって入力される音声が付加音として取得され、この付加音を示す付加音データが記憶部43に記憶される(s540)。
【0063】
なお、「付加音として定められた時間長」は、あらかじめ定められた一定値として特定できるものであればよいし、また、付加音にその終了を示すパターンを含めておくことにより、このパターンに基づいて特定できるようにしてもよい。
【0064】
こうして付加音データが記憶された後、または、上記s530で付加音ではないと判定された場合(s530:NO)、これ以降、特定楽音として定められた時間長にわたって入力される音声が特定楽音として取得され、この特定楽音を示す特定楽音データが記憶部43に記憶される(s550)。
【0065】
なお、「特定楽音として定められた時間長」は、上記と同様、あらかじめ定められた一定値として特定できるものであればよいし、また、付加音にその終了を示すパターンを含めておくことにより、このパターンに基づいて特定できるようにしてもよい。
【0066】
次に、上記s540にて取得された付加音からパラメータの変更量が特定される(s560)。ここでは、記憶部43に記憶された付加音データで示される付加音を解析することにより、パラメータの変更量が特定される。なお、このs560は、上記s530にて付加音ではないと判定されている場合、何らの処理も行われない。
【0067】
次に、上記s560にて付加音から特定されたパラメータの変更量に応じて、特定楽音、および、楽音登録処理にて記憶部43に記憶された楽音データで示される対象楽音、の少なくとも一方における同一パラメータを変更して両楽音のパラメータを整合させる(s570)。
【0068】
ここでは、付加音で示されるパラメータの変更量に応じて、一方の楽音における同一パラメータが、その変更量がキャンセルされる方向に変更される。本実施形態では、特定楽音のパラメータのみを変更することで、特定楽音と対象楽音とのパラメータが整合させている。
【0069】
なお、このs570では、上記s530にて付加音ではないと判定されている場合、何らの処理も行われない。
次に、パラメータが整合させられた特定楽音および対象楽音に基づき、特定楽音と対象楽音それぞれとの比較が行われる(s580)。
【0070】
こうして、上記s580での比較の結果、対象楽音の中に特定楽音と一致(所定割合以上の近似を含む)対象楽音が存在しているか否かがチェックされる(s590)。
このs590にて一致する対象楽音が存在していると判定された場合(s590:YES)、端末装置2のユーザが、この対象楽音を示す楽音データに対応する識別情報のユーザとして正しく認識できた旨の認証結果が、端末装置2へと送信される(s610)。
【0071】
一方、一致する対象楽音が存在していないと判定された場合(s590:NO)、ユーザを正しく認証できない旨の認証結果が、端末装置2へと送信される(s620)。これら認証結果は、端末装置2が被認証処理のs470にて受信するものであり、これを受信した端末装置2では、その結果がモニタに表示される。
【0072】
こうして、認証結果が送信された後、上記s520にて中断された音声出力が再開された後(s630)、プロセスがs510へと戻り、以降の処理が繰り返される。このs630では、音声処理部49を介したスピーカ53からの出力を行うようにすることで、音声出力が再開される。
(4)作用,効果
このような構成の認証システム1であれば、端末装置2から再生出力された楽音に付加音が含まれている場合(図5のs530「YES」)、認証装置4は、再生出力された楽音における特定楽音による認証を行うのに先立ち、特定楽音と対象楽音とのパラメータを付加音に基づいて整合させる(同図s560〜s570)。
【0073】
このように、特定楽音と対象楽音とのパラメータが整合されたうえで、両楽音の比較に基づく認証が行われるため(同図s580)、特定楽音におけるパラメータが変更されていたとしても、その特定楽音に対応するユーザを正しく認証することができるようになる。
【0074】
また、上記実施形態では、端末装置2から送信された識別情報に基づいて管理装置6側で識別情報と特定楽音の対応付けが行われた後(同図s210〜s220)、この特定楽音を示す楽音データおよび識別情報が認証装置4に送信、記憶される(同図s240〜s310)。これにより、認証装置4側では、特定楽音と対象楽音との比較に基づく認証を行うことができるようになる。
【0075】
また、上記実施形態であれば、認証装置4は、特定楽音に先立って付加音が入力された場合に(図5のs530「YES」)、この付加音で特定されるパラメータの変更量に応じて、その後に入力される特定楽音と対象楽音とのパラメータを整合させたうえで(同図s560〜s570)、両楽音の比較に基づく認証を行うことができる(同図s580)。
【0076】
また、上記実施形態では、付加音で示されるパラメータの変更量に応じて、特定楽音における同一パラメータを、その変更量がキャンセルされる方向に変更している。これにより、特定楽音との比較を行う対象楽音が複数存在しているケースにおいても、対象楽音の数に拘わらず、両楽音のパラメータを整合させる際の処理負荷を一定にすることができるため好適である。
(5)変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態をとり得ることはいうまでもない。
【0077】
例えば、上記実施形態では、認証装置4と管理装置6とがそれぞれ通信可能な別体の装置として構成されている場合を例示したが、これら装置は、一体の装置として構成されていてもよい。
【0078】
また、上記実施形態では、端末装置2が特定楽音に先立って付加音を再生出力するように構成されているが、付加音を再生出力するタイミングは、例えば、特定楽音と重畳させて再生出力する、特定楽音の後に再生出力する、といったタイミングであってもよい。
【0079】
ここで、特定楽音に付加音を重畳されて再生出力する場合には、例えば、端末装置2側では、付加音の生成後(s430)、この付加音を特定楽音に重畳させた状態で再生出力させることとし(s460)、認証装置4側では、音声出力中断後(s520)、入力される楽音に付加音が含まれているか否かの確認後(s530)、入力された全ての楽音から付加音と特定楽音とを分離することで付加音および特定楽音それぞれを取得することとすればよい(s540,s550)。
【0080】
この場合、認証装置4は、端末装置2にて再生出力された楽音から付加音が分離される場合に、この付加音で特定されるパラメータの変更量に応じて、付加音が分離された残りの成分である特定楽音と対象楽音とのパラメータを整合させたうえで、両楽音の比較に基づく認証を行うことができる。
【0081】
また、特定楽音の後に付加音を再生出力させる場合には、例えば、端末装置2側では、特定楽音後に付加音を再生出力されるようにし(s450,s460の後でs410〜s440)、認証装置4側では、音声出力中断後(s520)、特定楽音を取得してから(s550)、付加音の入力確認を行う(s530)ようにすればよい。
【0082】
この場合、認証装置4は、特定楽音の後で付加音が入力された場合に、この付加音で特定されるパラメータの変更量に応じて、先に入力された特定楽音と対象楽音とのパラメータを整合させたうえで、両楽音の比較に基づく認証を行うことができる。
【0083】
また、上記実施形態において、認証装置4は、付加音にて特定されるパラメータの変更量に応じて特定楽音を変更することにより、特定楽音と対象楽音とのパラメータを整合させるように構成されている。しかし、認証装置4が特定楽音と対象楽音とのパラメータを整合させるに際しては、付加音で示されるパラメータの変更量に応じて、一方の楽音における同一パラメータを、その変更量がキャンセルされる方向に変更することとすればよく、対象楽音のパラメータを変更することとしてもよいし、特定楽音および対象楽音それぞれのパラメータを一定割合ずつ変更することとしてもよい。
(6)本発明との対応関係
以上説明した実施形態において、 端末装置2が本発明における楽音再生装置であり、図5におけるs460が本発明における楽音出力手段であり、同図s440が本発明における付加音出力手段であり、図3におけるs160が本発明におけるパラメータ変更手段であり、同図s120が本発明における再生側送信手段であり、同図s130が本発明における再生側記憶手段である。
【0084】
また、図5におけるs540,s550が本発明における楽音入力手段であり、同図s580が本発明における楽音認証手段であり、同図s570が本発明におけるパラメータ整合手段であり、図3におけるs310が本発明における認証側記憶手段である。
【0085】
そして、図3におけるs210が本発明における楽音選択手段であり、同図s230が本発明における管理側送信手段である。
【符号の説明】
【0086】
1…認証システム、2…端末装置、21…制御部、23…記憶部、23…制御部、25…ユーザインタフェース、27…通信部、29…音声処理部、31…マイク、33…スピーカ、4…認証装置、41…制御部、43…記憶部、43…制御部、47…通信部、49…音声処理部、51…マイク、53…スピーカ、6…管理装置、61…制御部、63…記憶部、63…制御部、67…通信部、100…ネットワーク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
楽音を再生可能な楽音再生装置と、該楽音再生装置のユーザを認証する認証装置と、からなる認証システムであって、
前記楽音再生装置は、
当該楽音再生装置の備える再生側記憶部に記憶された楽音データに基づき、該楽音データで示される特定の楽音(特定楽音)をスピーカから再生出力させる楽音出力手段と、
ユーザの操作を受けて、前記楽音出力手段が特定楽音を再生出力させる際の楽音に関するパラメータを変更可能なパラメータ変更手段と、
前記楽音出力手段が再生出力する特定楽音と共に、前記パラメータ変更手段により変更されたパラメータの変更量を特定可能な音である付加音をスピーカから再生出力させる付加音出力手段と、を備え、
前記楽音出力手段が、前記パラメータ変更手段により変更されたパラメータに従って特定楽音を再生出力させる、ように構成されており、
前記認証装置は、
前記楽音再生装置から再生出力された楽音を入力する楽音入力手段と、
前記楽音入力手段により入力された楽音における特定楽音を、それぞれがユーザと対応づけられた複数の異なる楽音(対象楽音)と比較し、所定のしきい値以上の類似度を示す対象楽音に対応づけられたユーザが、前記特定楽音を再生出力した前記楽音再生装置のユーザであるとして認証を行う楽音認証手段と、
前記楽音入力手段により入力された楽音に前記付加音が含まれている場合に、該付加音で特定されるパラメータの変更量に応じて、前記特定楽音および前記対象楽音の少なくとも一方における同一パラメータを変更して両楽音のパラメータを整合させるパラメータ整合手段と、を備え、
前記楽音入力手段により入力された楽音に前記付加音が含まれている場合に、前記パラメータ整合手段によりパラメータが整合させられた楽音同士が比較されることで、前記楽音認証手段による認証が行われる、ように構成されている
ことを特徴とする認証システム。
【請求項2】
前記楽音再生装置と、前記認証装置と、管理装置と、からなる認証システムであって、
前記楽音再生装置は、
ユーザの操作を受けて、該ユーザの識別情報を前記管理装置へと送信する再生側送信手段と、
前記再生側送信手段により識別情報が送信された後、該識別情報を受信した前記管理装置から送信されてくる楽音データを、前記特定楽音を示すものとして前記再生側記憶部に記憶させる再生側記憶手段と、を備えており、
前記管理装置は、
前記楽音再生装置から前記識別情報を受信した場合に、該識別情報で識別されるユーザに対応づけるべき特定楽音を、複数種類の楽音の中から選択する楽音選択手段と、
前記楽音再生装置から受信した前記識別情報、および、該識別情報に基づいて前記楽音選択手段が選択した特定楽音を示す楽音データを、前記認証装置へと送信する管理側送信手段と、を備えており、
前記認証装置は、
前記管理装置から前記識別情報および前記楽音データを受信した場合に、これらを対応づけた状態で当該認証装置の備える認証側記憶部に記憶させる認証側記憶手段、を備え、
前記楽音認証手段は、前記楽音入力手段により入力された楽音における特定楽音を、前記認証側記憶部に記憶された楽音データで示される楽音(対象楽音)それぞれと比較して、所定のしきい値以上の類似度を示す対象楽音に対応づけられたユーザが、前記特定楽音を再生出力した前記楽音再生装置のユーザであるとして認証を行うる認証が行われる
ことを特徴とする請求項1に記載の認証システム。
【請求項3】
前記楽音再生装置において、
前記付加音出力手段は、前記楽音出力手段による特定楽音の再生出力に先立って、前記付加音を再生出力させる、ように構成されており、
前記認証装置において、
前記パラメータ整合手段は、前記楽音入力手段により、最初に前記付加音が入力された場合に、該付加音で特定されるパラメータの変更量に応じて、該付加音の後で入力される前記特定楽音および前記対象楽音の少なくとも一方における同一パラメータを変更していくことで、両楽音のパラメータを整合させる
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の認証システム。
【請求項4】
前記認証装置において、
前記パラメータ整合手段は、前記楽音入力手段により入力された楽音に前記付加音が含まれている場合に、該付加音で特定されるパラメータの変更量に応じて、前記特定楽音における同一パラメータを変更することで、前記対象楽音のパラメータと整合させる
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の認証システム。
【請求項5】
楽音を再生可能な楽音再生装置と共に、認証システムを構成する認証装置であって、
前記楽音再生装置が、当該楽音再生装置の備える再生側記憶部に記憶された楽音データに基づき、該楽音データで示される特定の楽音(特定楽音)をスピーカから再生出力させる楽音出力手段と、ユーザの操作を受けて、前記楽音出力手段が特定楽音を再生出力させる際の楽音に関するパラメータを変更可能なパラメータ変更手段と、前記楽音出力手段が再生出力する特定楽音と共に、前記パラメータ変更手段により変更されたパラメータの変更量を特定可能な音である付加音をスピーカから再生出力させる付加音出力手段と、を備え、前記パラメータ変更手段により変更されたパラメータに従って特定楽音が再生出力される、ように構成されている場合において、
前記楽音再生装置から再生出力された楽音を入力する楽音入力手段と、
前記楽音入力手段により入力された楽音における特定楽音を、それぞれがユーザと対応づけられた複数の異なる楽音(対象楽音)と比較し、所定のしきい値以上の類似度を示す対象楽音に対応づけられたユーザが、前記特定楽音を再生出力した前記楽音再生装置のユーザであるとして認証を行う楽音認証手段と、
前記楽音入力手段により入力された楽音に前記付加音が含まれている場合に、該付加音で特定されるパラメータの変更量に応じて、前記特定楽音および前記対象楽音の少なくとも一方における同一パラメータを変更して両楽音のパラメータを整合させるパラメータ整合手段と、を備え、
前記楽音入力手段により入力された楽音に前記付加音が含まれている場合、前記パラメータ整合手段によりパラメータが整合させられた楽音同士が比較されることで、前記楽音認証手段による認証が行われる、ように構成されている
ことを特徴とする認証装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−58394(P2012−58394A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−199978(P2010−199978)
【出願日】平成22年9月7日(2010.9.7)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】