説明

認証鍵および認証装置

【課題】情報が他人に読み取られる危険性を効果的に低める。
【解決手段】人工歯10などの物品に対して表面加工を施すことにより形成された認証鍵11a,11bに対して、電磁波や超音波を認証鍵11a,11bに照射したり、認証鍵11a,11bの画像を撮影して解析したりすることにより、物品自体に加工を施すことにより形成された認証鍵11a,11bから物品に係る情報に対してアクセスする権限を有するか否かの認証に係る認証鍵情報を読み取り、読み取った認証鍵情報に基づいて、物品に係る情報に対してアクセスする権限を有するか否かの認証をおこなう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、物品に係る情報に対してアクセスする権限を有するか否かの認証に係る認証鍵情報が読み取られる認証鍵、および、物品に係る情報に対してアクセスする権限を有するか否かの認証をおこなう認証装置に関し、特に、情報が他人に読み取られる危険性を効果的に低めることができる認証鍵および認証装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品1つ1つにタグを取り付け、そのタグから物品を識別する技術が開発されている。具体的には、このタグは、所定の交流磁界の周波数で共振する共振素子を有し、この共振素子の共振周波数をタグごとに変更することにより、物品を識別することを可能としている。
【0003】
たとえば、特許文献1には、異なる長さの薄い片持ちばりのアレイをエッチングにより形成し、各片持ちばりの表面を磁性材料で被覆した多重ビット磁気高周波タグの技術が開示されている。
【0004】
具体的には、多重ビット磁気高周波タグの各片持ちばりは、高周波磁界が印加されるとそれぞれの共振周波数で振動する。そして、振動する各片持ちばりにより生成された磁界または電流が検出され、検出された磁界または電流が、物品を識別するための所定のコードに変換される。
【0005】
【特許文献1】特開平8−249430号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来技術では、タグは情報を取得したい物体に取り付けられるものであるため、タグが取れてしまう危険性があるという問題があった。たとえば、重要な情報を読み出すためにタグが用いられる場合には、タグが取れてしまうと、重要な情報を他人に読まれてしまう危険性が出てくる。
【0007】
特に、個人情報などのさまざまな情報をタグを用いて読み出すことが、近年ますます望まれるようになってきているが、上述した従来技術では、それらの情報が他人に読み取られる危険性があることから、適用範囲が限定されるという問題があった。
【0008】
そのため、情報を他人に読み取られる危険性を低めることができる情報提供システムをいかにして提供するかが重要な問題となってきている。
【0009】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、情報が他人に読み取られる危険性を効果的に低めることができる認証鍵および認証装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、物品に係る情報に対してアクセスする権限を有するか否かの認証に係る認証鍵情報が読み取られる認証鍵であって、前記物品自体に加工を施すことにより形成されたこと、を特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記発明において、前記物品自体に施される加工は、物品の表面に凹凸を形成する加工であることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記発明において、前記物品自体に加工を複数箇所に重複して施すことにより形成されたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、物品に係る情報に対してアクセスする権限を有するか否かの認証をおこなう認証装置であって、前記物品自体に加工を施すことにより形成された認証鍵から物品に係る情報に対してアクセスする権限を有するか否かの認証に係る認証鍵情報を読み取る認証鍵情報読取手段と、前記認証鍵情報読取手段により読み取られた認証鍵情報に基づいて、前記物品に係る情報に対してアクセスする権限を有するか否かの認証をおこなう認証手段と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記発明において、前記認証鍵情報読取手段は、前記認証鍵のあらかじめ指定された部分から認証鍵情報を読み取り、前記認証手段は、前記認証鍵情報読取手段により読み取られた認証鍵情報に基づいて、前記物品に係る情報に対してアクセスする権限を有するか否かの認証をおこなうことを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、上記発明において、前記認証鍵情報読取手段は、前記認証鍵の各部分からあらかじめ指定された順序で認証鍵情報を読み取り、前記認証手段は、前記認証鍵情報読取手段により読み取られた認証鍵情報に基づいて、前記物品に係る情報に対してアクセスする権限を有するか否かの認証をおこなうことを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、上記発明において、前記認証鍵情報と照合される認証鍵穴情報を読み取る認証鍵穴情報読取手段をさらに備え、前記認証手段は、前記認証鍵情報と認証鍵穴情報との間の対応関係に基づいて、前記物品に係る情報に対してアクセスする権限を有するか否かの認証をおこなうことを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、上記発明において、前記認証鍵穴情報読取手段は、前記認証鍵が形成された物品に取り付けられた通信装置から所定の情報を受信した場合に、当該情報を受信した場合にのみ読み取り可能な認証鍵穴情報を読み取ることを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、上記発明において、前記認証鍵穴情報読取手段は、前記認証鍵穴情報を当該認証鍵穴情報を記憶したRFIDタグから読み取ることを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、上記発明において、RFIDタグの識別情報と前記認証鍵穴情報とを対応付けて記憶したデータベースと、RFIDタグからRFIDタグの識別情報を読み取る識別情報読取手段をさらに備え、前記認証鍵穴情報読取手段は、前記識別情報読取手段により読み取られた識別情報を基にして、前記認証鍵穴情報を前記データベースから読み取ることを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、上記発明において、複数のRFIDタグから各RFIDタグが取り付けられたそれぞれの物品の識別情報を読み取る物品識別情報読取手段と、RFIDタグから物品のグループに係る情報を読み取るグループ情報読取手段と、前記物品の識別情報および物品のグループに係る情報に基づいて、前記物品が揃っているか否かの状況を判定する状況判定手段をさらに備え、前記認証鍵情報読取手段は、前記物品に係る情報に対するアクセス要求を受け付けた場合に、前記物品自体に形成された認証鍵から認証鍵情報を読み取り、前記認証手段は、前記認証鍵情報読取手段により読み取られた認証鍵情報に基づいて、前記物品に係る情報に対してアクセスする権限を有するか否かの認証をおこなうことを特徴とする。
【0021】
また、本発明は、上記発明において、前記認証鍵情報読取手段は、前記認証鍵情報の読み取りを電磁波または音波を認証鍵に照射することによりおこなうことを特徴とする。
【0022】
また、本発明は、上記発明において、前記認証鍵情報読取手段は、前記認証鍵情報の読み取りを認証鍵の画像を撮影することによりおこなうことを特徴とする。
【0023】
また、本発明は、物品に係る情報に対してアクセスする権限を有するか否かの認証をおこなう認証方法であって、前記物品自体に加工を施すことにより形成された認証鍵から物品に係る情報に対してアクセスする権限を有するか否かの認証に係る認証鍵情報を読み取る認証鍵情報読取工程と、前記認証鍵情報読取工程により読み取られた認証鍵情報に基づいて、前記物品に係る情報に対してアクセスする権限を有するか否かの認証をおこなう認証工程と、を含んだことを特徴とする。
【0024】
また、本発明は、物品に係る情報に対してアクセスする権限を有するか否かの認証をおこなう認証プログラムであって、前記物品自体に加工を施すことにより形成された認証鍵から物品に係る情報に対してアクセスする権限を有するか否かの認証に係る認証鍵情報を読み取る認証鍵情報読取手順と、前記認証鍵情報読取手順により読み取られた認証鍵情報に基づいて、前記物品に係る情報に対してアクセスする権限を有するか否かの認証をおこなう認証手順と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0025】
また、本発明は、上記発明において、前記物品は、人が装着する物品であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、物品に係る情報に対してアクセスする権限を有するか否かの認証に係る認証鍵情報が読み取られる認証鍵を、物品自体に加工を施すことにより形成することとしたので、物品に係る情報を読み出す場合に、物品自体に加工を施すことにより形成された認証鍵を用いて認証をおこなうことにより、情報が他人に読み取られる危険性を効果的に低めることができるという効果を奏する。
【0027】
また、本発明によれば、物品自体に施される加工は、物品の表面に凹凸を形成する加工であることとしたので、物品に係る情報を読み出す場合に、物品自体に凹凸の加工を施すことにより形成された認証鍵を用いて認証をおこなうことにより、情報が他人に読み取られる危険性を効果的に低めることができるという効果を奏する。
【0028】
また、本発明によれば、物品自体に加工を複数箇所に重複して施すことにより認証鍵が形成されることとしたので、複数箇所に重複して加工をおこなうことにより、そのうちの一箇所が損傷した場合でも、残りの加工箇所を用いて認証をおこなうことができるという効果を奏する。
【0029】
また、本発明によれば、物品自体に加工を施すことにより形成された認証鍵から物品に係る情報に対してアクセスする権限を有するか否かの認証に係る認証鍵情報を読み取り、読み取った認証鍵情報に基づいて、物品に係る情報に対してアクセスする権限を有するか否かの認証をおこなうこととしたので、物品に係る情報を読み出す場合に、物品自体に加工を施すことにより形成された認証鍵を用いて認証をおこなうことにより、情報が他人に読み取られる危険性を効果的に低めることができるという効果を奏する。
【0030】
また、本発明によれば、認証鍵のあらかじめ指定された部分から認証鍵情報を読み取り、読み取った認証鍵情報に基づいて、物品に係る情報に対してアクセスする権限を有するか否かの認証をおこなうこととしたので、認証鍵情報を読み取る認証鍵の部分を変更することにより認証鍵情報を変更し、情報が他人に読み取られる危険性を効果的に低めることができるという効果を奏する。
【0031】
また、本発明によれば、認証鍵の各部分からあらかじめ指定された順序で認証鍵情報を読み取り、読み取った認証鍵情報に基づいて、物品に係る情報に対してアクセスする権限を有するか否かの認証をおこなうこととしたので、認証鍵の各部分から認証鍵情報を読み取る順序を変更することにより認証鍵情報を変更し、情報が他人に読み取られる危険性を効果的に低めることができるという効果を奏する。
【0032】
また、本発明によれば、認証鍵情報と照合される認証鍵穴情報を読み取り、認証鍵情報と認証鍵穴情報との間の対応関係に基づいて、物品に係る情報に対してアクセスする権限を有するか否かの認証をおこなうこととしたので、認証鍵情報と認証鍵穴情報とを照合することにより、情報が他人に読み取られる危険性を効果的に低めることができるという効果を奏する。
【0033】
また、本発明によれば、認証鍵が形成された物品に取り付けられた通信装置から所定の情報を受信した場合に、当該情報を受信した場合にのみ読み取り可能な認証鍵穴情報を読み取ることとしたので、認証鍵穴情報の読み取りを制限することにより、情報が他人に読み取られる危険性を効果的に低めることができるという効果を奏する。
【0034】
また、本発明によれば、認証鍵穴情報を当該認証鍵穴情報を記憶したRFIDタグから読み取ることとしたので、認証鍵が形成された物品と独立したRFIDタグから認証鍵穴情報を読み取って認証鍵情報と照合することにより、情報が他人に読み取られる危険性を効果的に低めることができるという効果を奏する。
【0035】
また、本発明によれば、RFIDタグからRFIDタグの識別情報を読み取り、読み取った識別情報を基にして、RFIDタグの識別情報と認証鍵穴情報とを対応付けて記憶したデータベースから認証鍵穴情報を読み取ることとしたので、データベースから認証鍵穴情報を読み取って認証鍵情報と照合することにより、情報が他人に読み取られる危険性を効果的に低めることができるという効果を奏する。
【0036】
複数のRFIDタグから各RFIDタグが取り付けられたそれぞれの物品の識別情報を読み取り、また、RFIDタグから物品のグループに係る情報を読み取り、物品の識別情報および物品のグループに係る情報に基づいて、物品が揃っているか否かの状況を判定し、物品に係る情報に対するアクセス要求を受け付けた場合に、物品自体に形成された認証鍵から認証鍵情報を読み取り、読み取った認証鍵情報に基づいて、物品に係る情報に対してアクセスする権限を有するか否かの認証をおこなうこととしたので、情報が他人に読み取られる危険性を効果的に低めることができるとともに、物品が揃っているか否かを検査することができるという効果を奏する。
【0037】
また、本発明によれば、物品は、人が装着する物品であることとしたので、人が装着する物品に認証鍵を形成することにより、認証鍵情報の読み取りをどこでもおこなうことができるという効果を奏する。
【0038】
また、本発明によれば、認証鍵情報の読み取りを電磁波または音波を認証鍵に照射することによりおこなうこととしたので、認証鍵情報の読み取りを効率的におこなうことができるという効果を奏する。
【0039】
また、本発明によれば、認証鍵情報の読み取りを認証鍵の画像を撮影することによりおこなうこととしたので、認証鍵情報の読み取りを効率的におこなうことができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る認証鍵および認証装置の好適な実施例を詳細に説明する。
【実施例1】
【0041】
まず、本実施例1に係る認証処理の概念について説明する。図1は、人工歯10に形成される認証鍵11a,11bについて説明する図である。図1に示すように、この認証処理では、人工歯10の表面に微細な凹凸を加工することにより認証鍵11a,11bを形成し、その認証鍵11a,11bを用いて必要な情報を取得する際の認証をおこなう。
【0042】
なお、認証鍵11a,11bは2つ形成されているが、これは、一方の認証鍵11a,11bの凹凸が磨耗や脆性破壊などにより失われた場合でも、認証をおこなえるようにするためである。また、認証鍵11a,11bを3つ以上形成することとしてもよい。
【0043】
この認証処理においては、認証鍵11a,11bの画像をCCD(Charge Coupled Devices)カメラやCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)カメラなどで撮影したり、認証鍵11a,11bに対して超音波を照射し、その反射波強度を検出したり、認証鍵11a,11bに対してレーザや赤外線などの電磁波を照射し、その反射強度を検出したりすることにより、認証鍵11a,11bの加工形状の違いを読み取る。
【0044】
図1には、カメラ撮影用の認証鍵パターン12、超音波照射用の認証鍵パターン13、電磁波照射用の認証鍵パターン14の例が示されている。
【0045】
カメラ撮影用の認証鍵パターン12では、大きさや形状を変えた複数の凹凸が形成されている。一方で、さまざまな大きさや形状を有する凹凸を文字や数字などに変換する変換テーブルを記憶したデータベースを設けておく。そして、撮影された認証鍵パターン12を、変換テーブルを用いて文字や数字に変換することにより、認証鍵情報を取得する。
【0046】
また、超音波照射用の認証鍵パターン13では、深さを変えた複数の凹部が形成されている。一方で、超音波を凹部に照射した場合の反射波の強度を文字や数字などに変換する変換テーブルを記憶したデータベースを設けておく。
【0047】
そして、反射波の強度を、変換テーブルを用いて文字や数字に変換することにより、認証鍵情報を取得する。ここで、少なくとも2つ以上の周波数の超音波を用いて反射波の強度を検出することにより、認証鍵情報をより確実に取得することができる。
【0048】
また、電磁波照射用の認証鍵パターン14では、電磁波を乱反射させるため、それぞれ不規則な方向を向くように形成された複数の面から構成される凹部と、内部が平坦である凹部とが形成されている。
【0049】
一方で、電磁波をこれらの凹部に照射した場合の反射波の強度を文字や数字などに変換する変換テーブルを記憶したデータベースを設けておく。そして、反射波の強度を、変換テーブルを用いて文字や数字に変換することにより、認証鍵情報を取得する。
【0050】
また、認証鍵11a,11bのパターンは上記パターンに限定されず、バーコードに類似した形状のパターンとすることとしてもよい。図2は、バーコード類似形状の認証鍵21a,21bの例を示す図である。
【0051】
図2の場合においても、図1の場合と同様、人工歯20の表面に認証鍵21a,21bが形成される。ただし、図2の場合には、認証鍵21a,21bに形成される凹凸のパターンは、バーコードに類似した縦縞模様となっている。ここで、縦縞部分は、凹部であってもよいし、凸部であってもよい。
【0052】
そして、この縦縞模様をカメラなどで撮影し、そのパターンを一般的なバーコードリーダがおこなう処理と同様にして文字や数字に変換することにより、認証鍵情報を取得することができる。
【0053】
このように、人工歯10,20の表面に認証鍵11a,11b,21a,21bを形成し、その認証鍵11a,11b,21a,21bから取得された認証鍵情報を用いて人工歯10,20に係る情報を取得する際の認証をおこなうことにより、情報が他人に読み取られる危険性を効果的に低めることができる。
【0054】
なお、ここでは、人工歯10,20の表面に認証鍵11a,11b,21a,21bを形成する場合を説明したが、人工歯10,20に限らず、人工頭髪などの人体に装着する物品の表面に認証鍵を形成することとしてもよい。
【0055】
この認証処理においては、電磁波を用いて通信をおこなうRFIDタグを人工歯や人工頭髪に取り付けて認証鍵情報を取得するのではないため、過度の電磁波照射による健康被害が心配される場合に有効である。
【0056】
また、RFIDタグを人工歯や人工頭髪に取り付けた場合には、RFIDタグから情報を読み取るリーダ・ライタが周囲にある場合に、情報が勝手に読み取られてしまう危険性があるが、この認証処理においては、勝手に情報が読み取られることを防ぐことができる。
【0057】
さらに、認証鍵が形成される物品は、人工歯や人工頭髪などの人体に装着される物品だけでなく、ペットに装着される物品や、宝石や貴金属が埋め込まれた時計などの貴重品であってもよい。貴重品に認証鍵を形成する場合には、貴重品の価値を損なわないよう、文字や数字などの刻印内、または、刻印の近傍に微細加工することが望ましい。
【0058】
つぎに、本実施例1に係る認証システムの機能構成を説明する。図3は、実施例1に係る認証システムの機能構成を示す図である。なお、ここでは、図1の認証鍵パターン12を用いて説明したように、認証鍵をカメラで撮影することにより認証鍵情報を取得する場合について説明する。
【0059】
この認証システムは、人工歯30、RFIDタグ40および認証装置50からなる。人工歯30は、図1または図2で説明したような認証鍵31a,31bが表面に形成された人工歯である。
【0060】
なお、この認証鍵31a,31bから読み取られる情報は、暗号化された情報となっている。この暗号化された情報を復号する復号キーは、後に説明するように、RFIDタグ40に記憶されている。
【0061】
RFIDタグ40は、人工歯30に係る情報を取得する際に、人工歯30の認証鍵31a,31bを基にして取得された認証鍵情報と照合する認証鍵穴情報などを記憶したタグである。このRFIDタグ40は、プラスチックのカードなどに取り付けられ、人が持ち運びやすいようになっている。
【0062】
図3に示すように、このRFIDタグ40は、記憶部41、アンテナ42、データ送受信部43および制御部44を有する。
【0063】
記憶部41は、各種情報を記憶するメモリである。この記憶部41は、ID情報41a、認証鍵穴情報41bおよび復号キー情報41cを記憶している。ID情報41aは、RFIDタグ40を識別するためのID情報である。
【0064】
認証鍵穴情報41bは、人工歯30の認証鍵31a,31bを基にして取得された認証鍵情報と照合される鍵穴情報である。
【0065】
復号キー情報41cは、暗号化された認証鍵情報の復号に用いられるキーである。ここで、人工歯30の認証鍵31a,31bを基にして取得される認証鍵情報は、第三者が容易に認証鍵情報を読み取ることができないように暗号化されたものとなっている。
【0066】
なお、記憶部41に、人工歯30における認証鍵31a,31bの形成位置に係る情報をさらに記憶させ、その情報を読み取ることにより、認証鍵31a,31bの位置を探しやすくすることとしてもよい。
【0067】
アンテナ42は、認証装置50との間で電波通信をおこなうためのアンテナである。データ送受信部43は、認証装置50との間でさまざまなデータの送受信をおこなう送受信部である。制御部44は、RFIDタグ40を全体制御する制御部であり、機能部間でのデータの授受などを司る。
【0068】
認証装置50は、人工歯30に係る情報を記憶したデータベースから情報を読み出す場合に、人工歯30の認証鍵31a,31bを基にして取得した認証鍵情報と、RFIDタグ40から取得した認証鍵穴情報41bとが一致するか否かを判定し、一致した場合にデータベースから情報を読み出して、出力する処理をおこなう。
【0069】
この認証装置50は、入力部51、表示部52、所有者情報データベース53、認証鍵変換情報データベース54、認証鍵読取部55、RFIDタグ情報読取部56、復号処理部57、認証処理部58および制御部59を有する。
【0070】
入力部51は、キーボードやマウスなどの入力デバイスである。表示部52は、ディスプレイなどの表示デバイスである。所有者情報データベース53は、人工歯30を所有している所有者の情報を、RFIDタグ40のID情報41aと対応付けて人工歯30に係る情報として記憶したデータベースである。
【0071】
具体的には、所有者情報データベース53は、人工歯30の素材、人工歯30を作成する際の各種化学処理または加工情報、人工歯30の装着に係る情報、メインテナンスの情報、治療時の種々の機器の詳細設定情報、人工歯30の処分・廃棄時の手順に係る情報などを記憶する。
【0072】
認証鍵変換情報データベース54は、認証鍵31a,31bの凹凸を文字や数字などに変換する変換情報を記憶したデータベースである。具体的には、認証鍵変換情報データベース54は、さまざまな大きさや形状を有する1つ1つの凹凸をそれぞれ文字や数字に割り当てた情報を記憶している。
【0073】
認証鍵読取部55は、人工歯30に形成された凹凸のある認証鍵31a,31bの画像を撮影し、認証鍵変換情報データベース54を参照してさまざまな大きさや形状を有する凹凸を、認証鍵情報を構成する文字や数字に変換する。ここで、認証鍵読取部55により読み取られた認証鍵情報は暗号化されたものとなっている。
【0074】
なお、この認証鍵読取部55は、歯を治療する際に口内に挿入される機器の先端部分などに取り付けられる。これにより、人工歯30に形成された認証鍵31a,31bの画像を容易に撮影することができる。
【0075】
RFIDタグ情報読取部56は、アンテナを用いてRFIDタグ40との間で電波通信をおこない、ID情報41a、認証鍵穴情報41b、復号キー情報41cをRFIDタグ40から読み取る処理をおこなう。
【0076】
復号処理部57は、認証鍵読取部55がさまざまな大きさや形状を有する凹凸を暗号化された認証鍵情報に変換した場合に、RFIDタグ40から読み取った復号キー情報41cを基にして、暗号化された認証鍵情報を復号する処理をおこなう。
【0077】
認証処理部58は、復号処理部57により復号された認証鍵情報と、RFIDタグ情報読取部56によりRFIDタグ40から読み取られた認証鍵穴情報とを照合する。そして、認証処理部58は、認証鍵情報と認証鍵穴情報とが一致する場合に、所有者情報データベース53に記憶された人工歯30に係る情報を表示部52に出力する。
【0078】
制御部59は、認証装置50を全体制御する制御部であり、各機能部間でのデータの授受を司る。
【0079】
つぎに、本実施例1に係る認証処理の処理手順について説明する。図4は、実施例1に係る認証処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0080】
図4に示すように、まず、認証装置50のRFIDタグ情報読取部56は、RFIDタグ40からID情報41a、認証鍵穴情報41bおよび復号キー情報41cを読み取る(ステップS101)。
【0081】
そして、認証鍵読取部55は、人工歯30に加工された認証鍵31a,31bから暗号化された認証鍵情報を読み取る(ステップS102)。その後、復号処理部57は、暗号化された認証鍵情報を、復号キーを用いて復号する(ステップS103)。
【0082】
そして、認証処理部58は、認証鍵情報と認証鍵穴情報とが一致するか否かを調べ(ステップS104)、認証鍵情報と認証鍵穴情報とが一致しない場合には(ステップS104,No)、所有者情報データベース53に対するアクセスを不許可に設定する(ステップS108)。
【0083】
その後、認証処理部58は、表示部52にアクセス不許可メッセージを出力し(ステップS109)、この認証処理を終了する。
【0084】
ステップS104において、認証鍵情報と認証鍵穴情報とが一致する場合には(ステップS104,Yes)、認証処理部58は、所有者情報データベース53に対するアクセスを許可する(ステップS105)。
【0085】
そして、認証処理部58は、RFIDタグ40から読み取ったID情報41aに対応する所有者情報を所有者情報データベース53から読み取り(ステップS106)、読み取った所有者情報を表示部52に出力して(ステップS107)、この認証処理を終了する。
【0086】
なお、上記認証処理では、認証鍵穴情報41bをRFIDタグ40から読み取ることとしたが、認証鍵穴情報をRFIDタグ40のID情報41aと対応付けてデータベースに記憶しておき、RFIDタグ40のID情報41aが認証装置50により認証された場合に、認証鍵穴情報をデータベースから読み出して、認証鍵穴情報が認証鍵情報と一致するか否かを判定することとしてもよい。
【0087】
また、上記認証処理では、認証鍵31a,31bの画像をそのまま撮影することとしているが、認証鍵31a,31bのあらかじめ指定された部分から認証鍵情報を読み取り、部分的に読み取られた認証鍵情報とその部分に対応する認証鍵穴情報が一致するか否かを判定することとしてもよい。
【0088】
さらには、認証鍵31a,31bの各部分の画像をあらかじめ指定された順序で撮影し、その画像に基づいて部分的に読み取られた認証鍵情報を結合することにより新たな認証鍵情報を生成し、生成された認証鍵情報と、画像を撮影した順序に応じて再構成された認証鍵穴情報とが一致するか否かを判定することとしてもよい。
【0089】
上述してきたように、本実施例1では、人工歯10に係る情報に対してアクセスする権限を有するか否かの認証に係る認証鍵情報が読み取られる認証鍵11a,11bを、人工歯10に対して加工を施すことにより形成することとしたので、人工歯10に係る情報を読み出す場合に、人工歯10に加工を施すことにより形成された認証鍵11a,11bを用いて認証をおこなうことにより、情報が他人に読み取られる危険性を効果的に低めることができる。
【0090】
また、本実施例1では、人工歯10に対して施される加工は、人工歯10の表面に凹凸を形成する加工であることとしたので、人工歯10に係る情報を読み出す場合に、人工歯10に凹凸の加工を施すことにより形成された認証鍵11a,11bを用いて認証をおこなうことにより、情報が他人に読み取られる危険性を効果的に低めることができる。
【0091】
また、本実施例1では、人工歯10に対して加工を複数箇所に重複して施すことにより認証鍵11a,11bが形成されることとしたので、複数箇所に重複して加工をおこなうことにより、そのうちの一箇所が損傷した場合でも、残りの加工箇所を用いて認証をおこなうことができる。
【0092】
また、本実施例1では、認証装置50の認証鍵読取部55が、人工歯30に対して加工を施すことにより形成された認証鍵31a,31bから、人工歯30に係る情報に対してアクセスする権限を有するか否かの認証に係る認証鍵情報を読み取り、認証処理部58が、認証鍵読取部55により読み取られた認証鍵情報に基づいて、人工歯30に係る情報に対してアクセスする権限を有するか否かの認証をおこなうこととしたので、人工歯30に係る情報を読み出す場合に、人工歯30に加工を施すことにより形成された認証鍵31a,31bを用いて認証をおこなうことにより、情報が他人に読み取られる危険性を効果的に低めることができる。
【0093】
また、本実施例1では、認証鍵読取部55が、認証鍵31a,31bのあらかじめ指定された部分から認証鍵情報を読み取り、認証処理部58が、認証鍵読取部55により読み取られた認証鍵情報に基づいて、人工歯30に係る情報に対してアクセスする権限を有するか否かの認証をおこなうこととしたので、認証鍵情報を読み取る認証鍵31a,31bの部分を変更することにより認証鍵情報を変更し、情報が他人に読み取られる危険性を効果的に低めることができる。
【0094】
また、本実施例1では、認証鍵読取部55が、認証鍵31a,31bの各部分からあらかじめ指定された順序で認証鍵情報を読み取り、認証処理部58が、認証鍵読取部55により読み取られた認証鍵情報に基づいて、人工歯30に係る情報に対してアクセスする権限を有するか否かの認証をおこなうこととしたので、認証鍵31a,31bの各部分から認証鍵情報を読み取る順序を変更することにより認証鍵情報を変更し、情報が他人に読み取られる危険性を効果的に低めることができる。
【0095】
また、本実施例1では、RFIDタグ情報読取部56が、認証鍵情報と照合される認証鍵穴情報を読み取り、認証処理部58が、認証鍵情報と認証鍵穴情報との間の対応関係に基づいて、人工歯30に係る情報に対してアクセスする権限を有するか否かの認証をおこなうこととしたので、認証鍵情報と認証鍵穴情報とを照合することにより、情報が他人に読み取られる危険性を効果的に低めることができる。
【0096】
また、本実施例1では、RFIDタグ情報読取部56が、認証鍵穴情報41bを当該認証鍵穴情報41bを記憶したRFIDタグ40から読み取ることとしたので、認証鍵31a,31bが形成された人工歯30と独立したRFIDタグ40から認証鍵穴情報41bを読み取って認証鍵情報と照合することにより、情報が他人に読み取られる危険性を効果的に低めることができる。
【0097】
また、本実施例1では、RFIDタグ情報読取部56が、RFIDタグ40からID情報41aを読み取り、認証処理部58が、RFIDタグ情報読取部56により読み取られたID情報41aを基にして、RFIDタグのID情報41aと認証鍵穴情報とを対応付けて記憶したデータベースから認証鍵穴情報を読み取ることとしたので、データベースから認証鍵穴情報を読み取って認証鍵情報と照合することにより、情報が他人に読み取られる危険性を効果的に低めることができる。
【0098】
また、本実施例1では、認証鍵31a,31bが形成される物品は、人工歯30などの人が装着する物品であることとしたので、人が装着する物品に認証鍵31a,31bを形成することにより、認証鍵情報の読み取りをどこでもおこなうことができる。
【0099】
また、本実施例1では、認証鍵読取部55が、認証鍵情報の読み取りを電磁波または音波を認証鍵31a,31bに照射することによりおこなうこととしたので、認証鍵情報の読み取りを効率的におこなうことができる。
【0100】
また、本実施例1では、認証鍵読取部55が、認証鍵情報の読み取りを認証鍵31a,31bの画像を撮影することによりおこなうこととしたので、認証鍵情報の読み取りを効率的におこなうことができる。
【実施例2】
【0101】
ところで、上記実施例1では、認証装置がRFIDタグにより送信された認証鍵穴情報などを読み取ることとしたが、RFIDタグにより送信された情報が第三者の読取装置により読み取られることを防止するため、認証装置から認証鍵に係る所定の情報を受信した場合にのみRFIDタグが情報を送信するように構成することとしてもよい。
【0102】
具体的には、認証鍵が形成された物品に、認証装置による電磁波を用いた通信に対して応答するRFIDタグを取り付ける。この場合、物品が人工歯のような人体装着品である場合には、強い電磁波による通信は好ましくはないが、たとえば、物品が時計や宝石などの取り外し可能な貴重品である場合には電磁波の強度は問題とはならない。
【0103】
そして、認証装置は、物品に取り付けられたRFIDタグに問い合わせをおこなう。もし、その問い合わせに対してRFIDタグから応答があった場合には、RFIDタグが認証装置との間で通信可能な位置にあることが分かり、認証鍵から認証鍵情報を読み取ることができる状態にあると判定される。このようにして、認証鍵情報の読み取りがスタンバイ状態にあるか否かが調べられる。
【0104】
その後、認証装置は、問い合わせに対する応答をRFIDタグから検出した場合に、応答を検出したことを示す応答検出情報を、認証鍵穴情報などの情報を記憶したRFIDタグに送信する。そして、RFIDタグは、応答検出情報を受信した場合にのみ、認証鍵穴情報などの情報を送信する。
【0105】
これにより、物品に取り付けられたRFIDタグからの応答がない場合には、認証鍵穴情報などの情報が第三者により読み取られる危険性を効果的に低めることができる。
【0106】
図5は、実施例2に係る認証システムの機能構成を説明する図である。この認証システムは、時計60、RFIDタグ70および認証装置80からなる。
【0107】
時計60は、図1で説明したような認証鍵61が表面に形成され、また、認証装置80との間で電波通信をおこなうRFIDタグ62が備えられた時計である。ここで、RFIDタグ62は、認証装置80からの問い合わせを受け付けた場合に、応答情報を送信するものである。
【0108】
RFIDタグ70は、プラスチックのカードなどに取り付けられたRFIDタグであり、図3で説明したRFIDタグ40とほぼ同様のものである。ただし、このRFIDタグ70は、時計60に取り付けられたRFIDタグ62からの応答を検出したことを示す応答検出情報を含んだ情報送信要求を認証装置80から受信した場合に、要求された情報を送信するよう構成されている。
【0109】
このRFIDタグ70は、記憶部71、アンテナ72、データ送受信部73、情報送信可否判定部74および制御部75を有する。ここで、記憶部71には、ID情報71a、認証鍵穴情報71bおよび復号キー情報71cが記憶されている。
【0110】
ここで、記憶部71、ID情報71a、認証鍵穴情報71bおよび復号キー情報71c、アンテナ72、データ送受信部73および制御部75は、図3に示した記憶部41、ID情報41a、認証鍵穴情報41bおよび復号キー情報41c、アンテナ42、データ送受信部43および制御部44と同様の機能を有する。
【0111】
情報送信可否判定部74は、応答検出情報を含んだ情報送信要求を認証装置80から受信したか否かを調べ、その情報送信要求を受信した場合に、ID情報71a、認証鍵穴情報71bおよび復号キー情報71cの送信を許可する。
【0112】
認証装置80は、図3で説明した認証装置50とほぼ同様のものである。ただし、この認証装置80は、時計60に取り付けられたRFIDタグ62との間で通信をおこない、RFIDタグ62からの応答を検出する処理をおこなう。
【0113】
そして、認証装置80は、RFIDタグ62からの応答を検出した場合に、応答を検出したことを示す応答検出情報を含んだ情報送信要求をRFIDタグ70に送信し、RFIDタグ70により送信されたID情報71a、認証鍵穴情報71bおよび復号キー情報71cを受信する。
【0114】
この認証装置80は、入力部81、表示部82、物品情報データベース83、認証鍵変換情報データベース84、状態問合せ部85、認証鍵読取部86、RFIDタグ情報読取部87、復号処理部88、認証処理部89および制御部90を有する。
【0115】
入力部81、表示部82、認証鍵変換情報データベース84、認証鍵読取部86、復号処理部88、認証処理部89および制御部90は、図3に示した入力部51、表示部52、認証鍵変換情報データベース54、認証鍵読取部55、復号処理部57、認証処理部58および制御部59と同様の機能を有する。
【0116】
物品情報データベース83は、時計60の修理履歴や時計60の所有者の情報など、時計60に係る情報を記憶したデータベースである。本実施例2に係る認証処理は、この物品情報データベース83に記憶されたデータを読み取る場合に実行されるものである。
【0117】
状態問合せ部85は、時計60に取り付けられたRFIDタグ62に対して問い合わせをおこない、それに対してRFIDタグ62から送信された応答を検出する処理をおこなう。
【0118】
RFIDタグ情報読取部87は、状態問合せ部85が、RFIDタグ62からの応答を検出した場合に、応答検出情報を含んだ情報送信要求をRFIDタグ70に送信し、それに応じてRFIDタグ70により送信されたID情報71a、認証鍵穴情報71bおよび復号キー情報71cを受信する処理をおこなう。
【0119】
つぎに、本実施例2に係る認証処理の処理手順について説明する。図6は、実施例2に係る認証処理の処理手順を示すフローチャートである。図6に示すように、まず、認証装置80の状態問合せ部85は、時計60に備えられたRFIDタグ62に対する問い合わせを実行する(ステップS201)。
【0120】
そして、状態問合せ部85は、RFIDタグ62から応答があったか否かを調べ(ステップS202)、応答がなかった場合には(ステップS202,No)、無応答であることを示す無応答メッセージを表示部82に出力し(ステップS206)、この認証処理を終了する。
【0121】
RFIDタグ62から応答があった場合には(ステップS202,Yes)、RFIDタグ情報読取部87は、応答検出情報を含んだ情報送信要求をプラスチックカードに備えられたRFIDタグ70に送信する(ステップS203)。
【0122】
そして、その情報送信要求に応じてプラスチックカードに備えられたRFIDタグ70により送信されたID情報71a、認証鍵穴情報71bおよび復号キー情報71cを受信する(ステップS204)。
【0123】
その後、認証鍵読取部86、復号処理部88および認証処理部89は、図4で説明した認証処理と同様の認証処理を実行し(ステップS205)、この認証処理を終了する。
【0124】
上述してきたように、本実施例2では、状態問合せ部85が、認証鍵61が形成された時計60に取り付けられたRFIDタグ62から問合せに対する応答を受信した場合に、応答を受信した場合にのみ読み取り可能な認証鍵穴情報71bをRFIDタグ70から読み取ることとしたので、認証鍵穴情報71bの読み取りを制限することにより、情報が他人に読み取られる危険性を効果的に低めることができる。
【実施例3】
【0125】
ところで、上記実施例1または実施例2では、認証鍵を用いて認証鍵が形成された物品に係る情報を読み出す場合について説明したが、物品が複数ある場合にすべての物品が揃っているか否かをさらに検査することとしてもよい。
【0126】
図7は、不足した物品があるか否かを検出する不足物品検出処理の概念を説明する図である。図7に示すように、この不足物品検出処理においては、ICカード100に内蔵されたRFIDタグ101に、外出時に携帯すべき物品102a〜102cの情報を記憶させておく。
【0127】
そして、玄関などに設置された認証装置110が、ICカード100に内蔵されたRFIDタグ101との間で通信をおこない、外出時に携帯すべき物品102a〜102cの情報をRFIDタグ101から読み取る。
【0128】
さらに、認証装置110は、各物品102a〜102cに取り付けられたRFIDタグ103a〜103cとの間で通信をおこない、各RFIDタグ103a〜103cのID情報を読み取る。
【0129】
そして、認証装置110は、ICカード100に内蔵されたRFIDタグ101から読み取った携帯すべき物品102a〜102cの情報と、RFIDタグ103a〜103cのID情報とから、すべての物品102a〜102cが揃っているか否かを判定し、揃っていない場合には、物品102a〜102cが不足していることを示すメッセージを出力する。
【0130】
さらに、認証装置110は、物品102a〜102cに係る詳細な情報の出力要求を物品102a〜102cの携帯者から受け付けた場合に、実施例1または実施例2で説明したようにして、物品102a〜102cに形成された認証鍵104a〜104cによる認証処理をおこない、認証が成功した場合にのみ、物品102a〜102cに係る詳細な情報を出力する。
【0131】
これにより、外出する際に、物品102a〜102cの不足を容易に確認することができるとともに、物品102a〜102cに係る情報を他人に読み取られることなく読み出すことができる。
【0132】
なお、ここでは、認証装置110が、物品102a〜102cが不足していることを検出することとしたが、余分な物品102a〜102cがある場合に、それを検出することとしてもよい。
【0133】
つぎに、本実施例3に係る認証システムの機能構成について説明する。図8は、実施例3に係る認証システムの機能構成を示す図である。この認証システムは、物品1201〜120n、ICカード130および認証装置140からなる。
【0134】
ここで、物品1201〜120n、ICカード130および認証装置140は、図7に示した物品102a〜102c、ICカード100および認証装置110にそれぞれ対応するものである。
【0135】
物品1201〜120nは、図1または図2で説明したような認証鍵1211〜121nが表面に形成されているとともに、ID情報1231〜123nを記憶したRFIDタグ1221〜122nが取り付けられている。
【0136】
ここで、RFIDタグ1221〜122nは、図3に示したようなRFIDタグ40と同様の構成をしており、記憶部41、アンテナ42、データ送受信部43および制御部44に相当する各機能部を有しているが、図8ではそれらを省略している。
【0137】
ID情報1231〜123nは、図3に示したID情報41aと同様のものであり、各物品1201〜120nに取り付けられた個々のRFIDタグ1221〜122nを識別するためのID番号である。
【0138】
ICカード130は、RFIDタグ131を内蔵したプラスチックのカードである。このRFIDタグ131は、ID情報132a、物品グループ情報132bおよび通信プロトコル情報133cを記憶している。
【0139】
なお、このRFIDタグ131もまた、図3に示したようなRFIDタグ40と同様の構成をしており、記憶部41、アンテナ42、データ送受信部43および制御部44に相当する各機能部を有しているが、図8ではそれらを省略している。
【0140】
ID情報132aは、ICカード130に取り付けられたRFIDタグ131を識別するためのID番号である。物品グループ情報132bは、外出時に携帯すべき各物品1201〜120nのID情報1231〜123nを記憶したものである。
【0141】
通信プロトコル情報132cは、外出時に携帯すべき各物品1201〜120nに取り付けられたRFIDタグ1221〜122nと通信をおこなう場合に用いる通信プロトコルの情報を記憶したものである。この通信プロトコルは、RFIDタグ1221〜122nごとに異なったものとなっている。
【0142】
認証装置140は、ICカード130から外出時に携帯すべき各物品1201〜120nの情報を取得するとともに、各物品1201〜120nに取り付けられたRFIDタグ1221〜122nとの間で通信をおこない、外出時に携帯すべき各物品1201〜120nがすべて揃っているか否かを判定する処理をおこなう。
【0143】
また、この認証装置140は、物品1201〜120nに係る詳細な情報の出力要求を物品1201〜120nの携帯者から受け付けた場合に、実施例1または実施例2で説明したようにして、認証鍵1211〜121nによる認証処理をおこない、認証が成功した場合に、物品1201〜120nに係る詳細な情報を出力する。
【0144】
この認証装置140は、入力部141、表示部142、物品情報データベース143、認証鍵変換情報データベース144、復号キー情報データベース145、認証鍵穴情報データベース146、認証鍵読取部147、RFIDタグ情報読取部148、復号処理部149、不足物品検出部150、認証処理部151および制御部152を有する。
【0145】
入力部141は、キーボードやマウスなどの入力デバイスである。表示部142は、ディスプレイなどの表示デバイスである。物品情報データベース143は、外出時に携帯すべき各物品1201〜120nに係る詳細情報を、RFIDタグ1221〜122nのID情報1231〜123nと対応付けて記憶したデータベースである。
【0146】
認証鍵変換情報データベース144は、図3で説明した認証鍵変換情報データベース54と同様のものであり、さまざまな大きさや形状を有する認証鍵1211〜121nの凹凸を文字や数字などに変換する変換テーブルを記憶したデータベースである。
【0147】
復号キー情報データベース145は、図3で説明した復号キー情報41cと同様の情報を記憶したデータベースであり、暗号化された認証鍵情報の復号に用いられるキーを、RFIDタグ1221〜122nのID情報1231〜123nと対応付けて記憶したデータベースである。
【0148】
認証鍵穴情報データベース146は、図3で説明した認証鍵穴情報41bと同様の情報を記憶したデータベースであり、認証鍵1211〜121nを基にして取得された認証鍵情報と照合する鍵穴情報を、RFIDタグ1221〜122nのID情報1231〜123nと対応付けて記憶したデータベースである。
【0149】
認証鍵読取部147は、物品1201〜120nに係る詳細な情報の出力要求を、物品1201〜120nの携帯者から受け付けた場合に、物品1201〜120nに形成された凹凸のある認証鍵1211〜121nを撮影し、認証鍵変換情報データベース144を参照して凹凸を文字や数字に変換する。ここで、認証鍵読取部147により読み取られた文字や数字は暗号化されたものとなっている。
【0150】
RFIDタグ情報読取部148は、ICカード130に内蔵されたRFIDタグ131との間で電波通信をおこない、ID情報132a、物品グループ情報132bおよび通信プロトコル情報132cを読み取る。
【0151】
また、RFIDタグ情報読取部148は、ICカード130に内蔵されたRFIDタグ131から読み取った通信プロトコル情報132cに基づいて、各物品1201〜120nに取り付けられたRFIDタグ1221〜122nとの間で特定の通信プロトコルを用いて電波通信をおこない、RFIDタグ1221〜122nからID情報1231〜123nを読み取る。
【0152】
復号処理部149は、図3で説明した復号処理部57と同様のものであり、認証鍵読取部147により暗号化された文字や数字に凹凸が変換された場合に、復号キー情報データベース145から復号キーを読み出し、読み出した復号キーを用いて暗号化された文字や数字を復号することにより、認証鍵情報を生成する処理をおこなう。
【0153】
不足物品検出部150は、ICカード130から取得された物品グループ情報132bと、各物品1201〜120nに取り付けられたRFIDタグ1221〜122nから取得されたID情報1231〜123nとを基にして、外出時に携帯すべき各物品1201〜120nがすべて揃っているか否かを判定する。
【0154】
そして、不足物品検出部150は、外出時に携帯すべき各物品1201〜120nがすべて揃っていないと判定した場合に、物品1201〜120nが不足していることを示すメッセージを出力する。
【0155】
また、不足物品検出部150は、外出時に携帯すべき各物品1201〜120nがすべて揃っていると判定した場合に、物品1201〜120nがすべて揃っていることを示すメッセージを出力する。
【0156】
認証処理部151は、復号処理部149により生成された認証鍵情報と、認証鍵穴情報データベース146から読み取られた認証鍵穴情報とを照合する。そして、認証処理部151は、認証鍵情報と認証鍵穴情報とが一致する場合に、物品情報データベース143に記憶された物品1201〜120nの詳細情報を表示部142に出力する。
【0157】
制御部152は、認証装置140を全体制御する制御部であり、各機能部間でのデータの授受を司る。
【0158】
つぎに、本実施例3に係る認証処理の処理手順について説明する。図9は、実施例3に係る認証処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0159】
図9に示すように、まず、認証装置140のRFIDタグ情報読取部148は、ICカード130のRFIDタグ131に記憶されたID情報132a、物品グループ情報132bおよび通信プロトコル情報132cを読み取る(ステップS301)。
【0160】
そして、RFIDタグ情報読取部148は、通信プロトコル情報132cにより特定される通信プロトコルを用いて、各物品1201〜120nに取り付けられたRFIDタグ1221〜122nからID情報1231〜123nを読み取る(ステップS302)。
【0161】
続いて、不足物品検出部150は、物品グループ情報132bと、各RFIDタグ1221〜122nから取得されたID情報1231〜123nとを基にして、外出時に携帯すべき各物品1201〜120nがすべて揃っているか否かを調べる(ステップS303)。
【0162】
そして、各物品1201〜120nがすべて揃っている場合には(ステップS303,Yes)、不足物品検出部150は、物品1201〜120nがすべて揃っていることを示す物品充足メッセージを出力する(ステップS304)。
【0163】
また、各物品1201〜120nがすべて揃っていない場合には(ステップS303,No)、不足物品検出部150は、物品1201〜120nがすべて揃っていないことを示す物品不足メッセージを出力する(ステップS309)。
【0164】
ステップS304またはステップS309の後、認証鍵読取部147は、物品1201〜120nの詳細情報の取得要求があったか否かを調べる(ステップS305)。そして、物品1201〜120nの詳細情報の取得要求がなかった場合には(ステップS305,No)、そのままこの認証処理を終了する。
【0165】
物品1201〜120nの詳細情報の取得要求があった場合には(ステップS305,Yes)、認証鍵読取部147、復号処理部149および認証処理部151は、図4で説明したようにして、認証鍵1211〜121nを用いた認証処理を実行する(ステップS306)。
【0166】
そして、認証処理部151は、認証が成功したか否かを調べ(ステップS307)、認証が成功した場合には(ステップS307,Yes)、物品情報データベース143から物品1201〜120nに係る詳細情報を読み出して表示部142に出力し(ステップS308)、この認証処理を終了する。
【0167】
認証が成功しなかった場合には(ステップS307,No)、認証処理部151は、認証ができないことを示す認証不可メッセージを出力し(ステップS310)、この認証処理を終了する。
【0168】
上述してきたように、本実施例3では、RFIDタグ情報読取部148が、複数のRFIDタグ1221〜122nから各RFIDタグ1221〜122nが取り付けられたそれぞれの物品1201〜120nのID情報1231〜123nを読み取り、また、ICカード130に取り付けられたRFIDタグ131から物品グループ情報132bを読み取り、不足物品検出部150が、物品1201〜120nのID情報1231〜123nおよび物品グループ情報132bに基づいて、物品1201〜120nが揃っているか否かの状況を判定し、認証鍵読取部147が、物品1201〜120nに係る情報に対するアクセス要求を受け付けた場合に、物品1201〜120nに形成された認証鍵1211〜121nから認証鍵情報を読み取り、認証処理部151が、認証鍵読取部147により読み取られた認証鍵情報に基づいて、物品1201〜120nに係る情報に対してアクセスする権限を有するか否かの認証をおこなうこととしたので、情報が他人に読み取られる危険性を効果的に低めることができるとともに、物品1201〜120nが揃っているか否かを検査することができる。
【0169】
ところで、上記実施例で説明した各種の処理は、あらかじめ用意されたプログラムをコンピュータで実行することによって実現することができる。そこで、以下では、図10を用いて、上記各種処理を実現するプログラムを実行するコンピュータの一例について説明する。図10は、図3、図5または図8に示した認証装置50,80,140となるコンピュータのハードウェア構成を示す図である。
【0170】
このコンピュータは、ユーザからのデータの入力を受け付ける入力装置200、表示装置201、認証鍵から情報を読み取る認証鍵読取装置202、RFIDタグとの間で電波通信をおこない、RFIDタグに対する情報の記憶または情報の読み出しをおこなうリーダ・ライタ203、RAM(Random Access Memory)204、ROM(Read Only Memory)205、各種プログラムを記録した記録媒体からプログラムを読み取る記憶媒体読取装置206、ネットワークを介して他のコンピュータとの間でデータの授受をおこなうネットワークインターフェース207、CPU(Central Processing Unit)208およびHDD(Hard Disk Drive)209をバス210で接続して構成される。
【0171】
そして、HDD209には、認証装置50,80,140の機能と同様の機能を発揮するプログラム、つまり、図10に示す認証プログラム209bが記憶されている。なお、この認証プログラム209bは、適宜分散して記憶することとしてもよい。
【0172】
そして、CPU208が、認証プログラム209bをHDD209から読み出して実行することにより、認証プロセス208aとして機能するようになる。この認証プロセス208aは、図3、図5または図8に示した各機能部の処理プロセスに対応する。
【0173】
また、HDD209には、各種データ209aが記憶されている。この各種データ209aは、図3、図5または図8に示した所有者情報データベース53、認証鍵変換情報データベース54、物品情報データベース83、認証鍵変換情報データベース84、物品情報データベース143、認証鍵変換情報データベース144、復号キー情報データベース145、認証鍵穴情報データベース146に記憶されるデータなどに対応する。
【0174】
そして、CPU208は、各種データ209aをHDD209に記憶するとともに、各種データ209aをHDD209から読み出してRAM204に格納し、RAM204に格納された各種データ204aに基づいて認証処理を実行する。
【0175】
ここで、認証プログラム209bは、必ずしも最初からHDD209に記憶させておく必要はない。たとえば、コンピュータに挿入されるフレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MOディスク、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」、または、コンピュータの内外に備えられるハードディスクドライブ(HDD)などの「固定用の物理媒体」、さらには、公衆回線、インターネット、LAN、WANなどを介してコンピュータに接続される「他のコンピュータ(またはサーバ)」などに各プログラムを記憶しておき、コンピュータがこれらから各プログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
【0176】
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施例にて実施されてもよいものである。
【0177】
また、本実施例において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。
【0178】
この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0179】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示のように構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0180】
さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0181】
(付記1)物品に係る情報に対してアクセスする権限を有するか否かの認証に係る認証鍵情報が読み取られる認証鍵であって、
前記物品自体に加工を施すことにより形成されたこと、
を特徴とする認証鍵。
【0182】
(付記2)前記物品自体に施される加工は、物品の表面に凹凸を形成する加工であることを特徴とする付記1に記載の認証鍵。
【0183】
(付記3)前記物品自体に加工を複数箇所に重複して施すことにより形成されたことを特徴とする付記1または2に記載の認証鍵。
【0184】
(付記4)前記物品は、人が装着する物品であることを特徴とする付記1、2または3に記載の認証鍵。
【0185】
(付記5)物品に係る情報に対してアクセスする権限を有するか否かの認証をおこなう認証装置であって、
前記物品自体に加工を施すことにより形成された認証鍵から物品に係る情報に対してアクセスする権限を有するか否かの認証に係る認証鍵情報を読み取る認証鍵情報読取手段と、
前記認証鍵情報読取手段により読み取られた認証鍵情報に基づいて、前記物品に係る情報に対してアクセスする権限を有するか否かの認証をおこなう認証手段と、
を備えたことを特徴とする認証装置。
【0186】
(付記6)前記認証鍵情報読取手段は、前記認証鍵のあらかじめ指定された部分から認証鍵情報を読み取り、前記認証手段は、前記認証鍵情報読取手段により読み取られた認証鍵情報に基づいて、前記物品に係る情報に対してアクセスする権限を有するか否かの認証をおこなうことを特徴とする付記5に記載の認証装置。
【0187】
(付記7)前記認証鍵情報読取手段は、前記認証鍵の各部分からあらかじめ指定された順序で認証鍵情報を読み取り、前記認証手段は、前記認証鍵情報読取手段により読み取られた認証鍵情報に基づいて、前記物品に係る情報に対してアクセスする権限を有するか否かの認証をおこなうことを特徴とする付記5に記載の認証装置。
【0188】
(付記8)前記認証鍵情報と照合される認証鍵穴情報を読み取る認証鍵穴情報読取手段をさらに備え、前記認証手段は、前記認証鍵情報と認証鍵穴情報との間の対応関係に基づいて、前記物品に係る情報に対してアクセスする権限を有するか否かの認証をおこなうことを特徴とする付記5、6または7に記載の認証装置。
【0189】
(付記9)前記認証鍵穴情報読取手段は、前記認証鍵が形成された物品に取り付けられた通信装置から所定の情報を受信した場合に、当該情報を受信した場合にのみ読み取り可能な認証鍵穴情報を読み取ることを特徴とする付記8に記載の認証装置。
【0190】
(付記10)前記認証鍵穴情報読取手段は、前記認証鍵穴情報を当該認証鍵穴情報を記憶したRFIDタグから読み取ることを特徴とする付記8または9に記載の認証装置。
【0191】
(付記11)RFIDタグの識別情報と前記認証鍵穴情報とを対応付けて記憶したデータベースと、RFIDタグからRFIDタグの識別情報を読み取る識別情報読取手段をさらに備え、前記認証鍵穴情報読取手段は、前記識別情報読取手段により読み取られた識別情報を基にして、前記認証鍵穴情報を前記データベースから読み取ることを特徴とする付記8または9に記載の認証装置。
【0192】
(付記12)複数のRFIDタグから各RFIDタグが取り付けられたそれぞれの物品の識別情報を読み取る物品識別情報読取手段と、RFIDタグから物品のグループに係る情報を読み取るグループ情報読取手段と、前記物品の識別情報および物品のグループに係る情報に基づいて、前記物品が揃っているか否かの状況を判定する状況判定手段をさらに備え、前記認証鍵情報読取手段は、前記物品に係る情報に対するアクセス要求を受け付けた場合に、前記物品自体に形成された認証鍵から認証鍵情報を読み取り、前記認証手段は、前記認証鍵情報読取手段により読み取られた認証鍵情報に基づいて、前記物品に係る情報に対してアクセスする権限を有するか否かの認証をおこなうことを特徴とする付記5〜11のいずれか1つに記載の認証装置。
【0193】
(付記13)前記物品は、人が装着する物品であることを特徴とする付記5〜12のいずれか1つに記載の認証装置。
【0194】
(付記14)前記認証鍵情報読取手段は、前記認証鍵情報の読み取りを電磁波または音波を認証鍵に照射することによりおこなうことを特徴とする付記5〜13のいずれか1つに記載の認証装置。
【0195】
(付記15)前記認証鍵情報読取手段は、前記認証鍵情報の読み取りを認証鍵の画像を撮影することによりおこなうことを特徴とする付記5〜13のいずれか1つに記載の認証装置。
【0196】
(付記16)物品に係る情報に対してアクセスする権限を有するか否かの認証をおこなう認証方法であって、
前記物品自体に加工を施すことにより形成された認証鍵から物品に係る情報に対してアクセスする権限を有するか否かの認証に係る認証鍵情報を読み取る認証鍵情報読取工程と、
前記認証鍵情報読取工程により読み取られた認証鍵情報に基づいて、前記物品に係る情報に対してアクセスする権限を有するか否かの認証をおこなう認証工程と、
を含んだことを特徴とする認証方法。
【0197】
(付記17)物品に係る情報に対してアクセスする権限を有するか否かの認証をおこなう認証プログラムであって、
前記物品自体に加工を施すことにより形成された認証鍵から物品に係る情報に対してアクセスする権限を有するか否かの認証に係る認証鍵情報を読み取る認証鍵情報読取手順と、
前記認証鍵情報読取手順により読み取られた認証鍵情報に基づいて、前記物品に係る情報に対してアクセスする権限を有するか否かの認証をおこなう認証手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする認証プログラム。
【産業上の利用可能性】
【0198】
以上のように、本発明に係る認証鍵および認証装置は、情報が他人に読み取られる危険性を効果的に低めることが必要な認証システムに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0199】
【図1】人工歯10に形成される認証鍵11a,11bについて説明する図である。
【図2】バーコード類似形状の認証鍵21a,21bの例を示す図である。
【図3】実施例1に係る認証システムの機能構成を示す図である。
【図4】実施例1に係る認証処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】実施例2に係る認証システムの機能構成を説明する図である。
【図6】実施例2に係る認証処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】不足した物品があるか否かを検出する不足物品検出処理の概念を説明する図である。
【図8】実施例3に係る認証システムの機能構成を示す図である。
【図9】実施例3に係る認証処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】図3、図5または図8に示した認証装置50,80,140となるコンピュータのハードウェア構成を示す図である。
【符号の説明】
【0200】
10,20,30 人工歯
11a,11b,21a,21b,31a,31b,61,104a〜104c,1211〜121n 認証鍵
12,13,14,22 認証鍵パターン
40,62,70,91,103a〜103c,1221〜122n,131 RFIDタグ
41,71 記憶部
41a,71a,1231〜123n,132a ID情報
41b,71b 認証鍵穴情報
41c,71c 復号キー情報
42,72 アンテナ
43,73 データ送受信部
44,75,59,90,152 制御部
50,80,110,140 認証装置
51,81,141 入力部
52,82,142 表示部
53 所有者情報データベース
54,84,144 認証鍵変換情報データベース
55,86,147 認証鍵読取部
56,87,148 RFIDタグ情報読取部
57,88,149 復号処理部
58,89,151 認証処理部
60 時計
74 情報送信可否判定部
83,143 物品情報データベース
85 状態問合せ部
100 ICカード
102a〜102c,1201〜120n 物品
132b 物品グループ情報
132c 通信プロトコル情報
145 復号キー情報データベース
146 認証鍵穴情報データベース
150 不足物品検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品に係る情報に対してアクセスする権限を有するか否かの認証に係る認証鍵情報が読み取られる認証鍵であって、
前記物品自体に加工を施すことにより形成されたこと、
を特徴とする認証鍵。
【請求項2】
前記物品自体に施される加工は、物品の表面に凹凸を形成する加工であることを特徴とする請求項1に記載の認証鍵。
【請求項3】
物品に係る情報に対してアクセスする権限を有するか否かの認証をおこなう認証装置であって、
前記物品自体に加工を施すことにより形成された認証鍵から物品に係る情報に対してアクセスする権限を有するか否かの認証に係る認証鍵情報を読み取る認証鍵情報読取手段と、
前記認証鍵情報読取手段により読み取られた認証鍵情報に基づいて、前記物品に係る情報に対してアクセスする権限を有するか否かの認証をおこなう認証手段と、
を備えたことを特徴とする認証装置。
【請求項4】
前記認証鍵情報と照合される認証鍵穴情報を読み取る認証鍵穴情報読取手段をさらに備え、前記認証手段は、前記認証鍵情報と認証鍵穴情報との間の対応関係に基づいて、前記物品に係る情報に対してアクセスする権限を有するか否かの認証をおこなうことを特徴とする請求項3に記載の認証装置。
【請求項5】
前記認証鍵穴情報読取手段は、前記認証鍵穴情報を当該認証鍵穴情報を記憶したRFIDタグから読み取ることを特徴とする請求項4に記載の認証装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−201895(P2006−201895A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−11103(P2005−11103)
【出願日】平成17年1月19日(2005.1.19)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】