説明

誘導加熱調理器

【課題】被加熱調理器具の材質に関わらず加熱効率が高い誘導加熱調理器を提供する。
【解決手段】板状加熱体22のリボンヒータ42は、通電することにより発熱する。トッププレート13上に載置された鍋17などの被加熱調理器具は、発熱する板状加熱体22によって直接加熱される。絶縁基板41に巻回されているリボンヒータ42は、ヒータ巻回部47を除いて大部分が絶縁基板41に接していない。そのため、通電による発熱でリボンヒータ42に寸法変化が生じても、熱膨張率の異なる絶縁基板41とリボンヒータ42との間には相互作用が生じない。すなわち、発熱によりリボンヒータ42の寸法が変化しても、絶縁基板41に生じる応力は低減される。その結果、絶縁基板41とリボンヒータ42との間で熱膨張率の差が大きな場合でも、リボンヒータ42の発熱によって絶縁基板41に割れなどの破損が生じない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誘導加熱調理器に関し、特にトッププレートと誘導加熱コイルとの間に板状加熱体を備えた誘導加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
誘導加熱調理器では、例えばアルミニウムや銅などの低誘電率で電気伝導率の高い材料からなる被加熱調理器具を用いる場合、この被加熱調理器具がトッププレートに対し反発移動するいわゆる「鍋浮き」現象が発生することがある。そこで、低誘電率で電気伝導率の高い材料からなる被加熱調理器具を加熱するために、トッププレートと誘導加熱コイルとの間に発熱体を設けることが提案されている。しかし、この場合、発熱体は誘導加熱コイルによって誘導加熱されるとともに、被加熱調理器具は誘導加熱コイルによって加熱された発熱体を経由して加熱される。そのため、被加熱調理器具は発熱体を経由して誘導加熱コイルで間接的に加熱され、加熱効率が低いという問題がある。そこで、通電することにより発熱する発熱体を、トッププレートと誘導加熱コイルとの間に設け、発熱体によってトッププレート上に載置された被加熱調理器具を加熱する誘導加熱調理器が提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−123159号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1の場合、発熱体はトッププレートとは反対がセラミックス製の補強板で支持されている。ステンレス製の発熱体は、セラミックスの補強板と熱膨張率が異なる。そのため、通電による発熱によって発熱体が膨張したとき、補強板との間の寸法変化の差が大きくなる。その結果、補強板の破損を招くという問題がある。
【0004】
そこで、本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、熱膨張による影響が低減されるとともに、被加熱調理器具の材質に関わらず加熱効率が高い誘導加熱調理器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明の誘導加熱調理器によれば、被加熱調理器具が載置されるトッププレートと、前記トッププレートの下方に設けられ、前記トッププレート上に載置された被加熱調理器具を誘導加熱する誘導加熱コイルと、前記トッププレートと前記誘導加熱コイルとの間に配置され、前記トッププレート上に載置された被加熱調理器具を加熱する板状加熱体と、を備える誘導加熱調理器において、前記板状加熱体は、板状の絶縁基板と、前記絶縁基板に巻回され通電することにより発熱する帯状のヒータと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
上記構成の誘導加熱調理器によれば、帯状のヒータと、このヒータが巻回された絶縁基板とを有する板状加熱体を備えている。ヒータは通電することにより発熱し、その熱はトッププレート上の被加熱調理器具を加熱する。これにより、被加熱調理器具は、板状加熱体のヒータによって直接加熱される。したがって、材質に関わらず被加熱調理器具を加熱することができるとともに、加熱効率を高めることができる。
【0007】
また、請求項1記載の誘導加熱調理器では、帯状のヒータは絶縁基板に巻回されている。これにより、絶縁基板とヒータとは大部分が密着していないため、通電による発熱でヒータに寸法変化が生じても、ヒータと絶縁基板との間に相互作用が生じない。すなわち、ヒータの寸法が変化しても、絶縁基板に生じる応力は低減される。そのため、絶縁基板とヒータとの間で熱膨張率の差が大きな場合でも、ヒータの発熱によって絶縁基板に割れなどの破損が生じない。したがって、板状加熱体の耐久性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明による誘導加熱調理器の複数の実施例を図面に基づいて説明する。なお、各実施例において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第1実施例)
本発明の第1実施例による誘導加熱調理器を図2に示す。誘導加熱調理器10は、調理器本体11を構成する本体ケース12およびトッププレート13を備えている。誘導加熱調理器10は、トッププレート13が重力方向において上方となるように設けられる。また、図2において、左方が誘導加熱調理器10の前方側であり、右方が誘導加熱調理器10の後方側である。誘導加熱調理器10は、調理器本体11に加熱ユニット14および冷却ファン部15を備えている。
【0009】
本体ケース12は、誘導加熱調理器10の主たる外郭を形成している。トッププレート13は、本体ケース12の上方を覆っている。調理器本体11は、例えばシステムキッチンのカウンタートップ16に組み込まれる。これにより、調理器本体11は、トッププレート13がカウンタートップ16に露出する。このトッププレート13の上面には、被加熱調理器具として二点鎖線で示す鍋17が載置される。トッププレート13の上に載置された鍋17は、本体ケース12に収容されている加熱手段によって加熱される。トッププレート13は、例えば強化耐熱ガラスなどによって矩形平板状に形成されている。トッププレート13は、後方に吸気用および排気用の開口部18を有している。本実施例の場合、開口部18は、トッププレート13の後方において左側に排気用が設けられ、右側に吸気用が設けられている。調理器本体11の本体ケース12の内部には、加熱制御部19が収容されている。
【0010】
誘導加熱調理器10は、図3に示すように加熱手段を構成する加熱ユニット14として誘導加熱コイル21および板状加熱体22を備えている。誘導加熱調理器10は、一般に複数の誘導加熱コイル21、および他の加熱手段であるシーズヒータからなるロースター機能など複数の加熱手段を備えている。また、誘導加熱調理器10は、例示した上記以外の加熱手段を備えていてもよい。これら他の加熱手段については、図示および説明を省略する。
【0011】
本実施例の場合、誘導加熱コイル21および板状加熱体22は、加熱ユニット14を構成し、誘導加熱調理器10の平面視において同一の位置に設けられている。すなわち、加熱ユニット14を構成する誘導加熱コイル21および板状加熱体22は、本体ケース12の所定の位置に一体に支持されている。加熱ユニット14は、例えば圧縮コイルばねを有する弾性体23によりトッププレート13の下面に押し付けられている。これにより、加熱ユニット14は、トッププレート13の下面に密着している。
【0012】
加熱ユニット14は、図3および図4に示すように誘導加熱コイル21および板状加熱体22に加え、支持部材24および断熱材25を有している。支持部材24は、誘導加熱コイル21のトッププレート13側に板状加熱体22を支持している。支持部材24は、誘導加熱コイル21と所定の隙間を形成して設けられている。これにより、加熱ユニット14の板状加熱体22と誘導加熱コイル21との間には、空気が流れる通路26が形成される。支持部材24は、図4に示すように穴241を有している。断熱材25は、板状加熱体22と誘導加熱コイル21との間に設けられている。断熱材25は、板状加熱体22から発生する熱が板状加熱体22から誘導加熱コイル21側へ伝達されるのを遮断する。断熱材25は、一部に穴251を有している。この断熱材25の穴251は、支持部材24に設けられている穴241と接続している。
【0013】
冷却ファン部15は、図2に示すように本体ケース12の内側に設けられている。冷却ファン部15は、ファン27およびファンモータ28を有している。ファン27が回転することにより、吸気用の開口部18から吸入された空気は、加熱ユニット14および加熱制御部19を経由して排気用の開口部18から排出される。これにより、冷却ファン部15は、冷却風の流れを形成し、加熱ユニット14および加熱制御部19を冷却する。
加熱制御部19は、図5に示すように高周波電流供給手段を構成するインバータ29に接続している。すなわち、加熱制御部19は、インバータ29の主回路をなどを構成するIGBTなどの発熱性のスイッチング素子が実装された回路基板を有している。加熱制御部19の発熱性の素子は、冷却ファン部15で生じた風によって冷却される。
【0014】
次に、加熱ユニット14について詳細に説明する。
加熱ユニット14を構成する誘導加熱コイル21は、図4に示すように中空の円盤状に形成されている。誘導加熱コイル21は、トッププレート13から所定の距離離れた位置に支持されている。誘導加熱コイル21は、図3に示すように耐熱樹脂製のベースプレート31によって支持されている。ベースプレート31は、外周部の複数の位置に下方へ突出する筒状の脚部32を有している。図2に示すように、この脚部32と本体ケース12の内枠部材33との間に弾性体23が取り付けられている。これにより、ベースプレート31に支持されている誘導加熱コイル21は、トッププレート13側へ押し付けられている。誘導加熱コイル21に高周波電流を供給することにより、トッププレート13上に載置された鍋17には渦電流が発生する。この渦電流によって鍋17にはジュール熱が生じ、鍋17は加熱される。
【0015】
一方、加熱ユニット14を構成する板状加熱体22は、図1に示すように絶縁基板41およびリボンヒータ42を有している。絶縁基板41は、絶縁体から形成されている。本実施例の場合、絶縁基板41はセラミックスで形成されている。また、絶縁基板41は、熱伝導率の高いセラミックスで形成することが望ましい。リボンヒータ42は、帯状に形成され、特許請求の範囲のヒータを構成している。リボンヒータ42は、帯状に形成された大部分が絶縁基板41に巻かれるとともに、端部が端子43として絶縁基板41の外部へ取り出されている。絶縁基板41を形成するセラミックスとしては、例えば窒化アルミニウム、窒化ケイ素あるいはアルミナなどを適用することができる。窒化アルミニウムは、熱伝導率が大きく、リボンヒータ42の熱を均一にトッププレート13側へ伝達する。一方、窒化アルミニウムは、衝撃に弱いという弱点がある。そこで、絶縁基板41を窒化ケイ素で形成することにより、窒化アルミニウムに比較して衝撃に対する強度を向上させることができる。また、絶縁基板41をアルミナで形成することにより、絶縁基板41を安価に形成することができる。これらのセラミックスの材質は、上記の例に限らず絶縁基板41を適用する誘導加熱調理器10の仕様による要求に応じて任意に変更可能である。
【0016】
絶縁基板41は、略円板状に形成されている。絶縁基板41は、周方向へほぼ等間隔に穴431、432、433、434およびスリット441、442、443、444を有している。穴431、432、433、434およびスリット441、442、443、444は、絶縁基板41を板厚方向へ貫いている。穴431、432、433、444は、絶縁基板41の径方向において両端部が絶縁基板41によって塞がれている。一方、スリット441、442、443、444は、絶縁基板41の径方向において外周側の端部が開放している。本実施例の場合、絶縁基板41は、周方向へ45°間隔で穴431、432、433、434とスリット441、442、443、444とを交互に有している。絶縁基板41は、中心部にセンサ穴45を有している。センサ穴45は、絶縁基板41を板厚方向へ貫いている。
【0017】
絶縁基板41は、穴431、432、433、434およびスリット441、442、443、444にそれぞれ凹凸部46を有している。凹凸部46は、絶縁基板41において穴431、432、433、434およびスリット441、442、443、444を形成している対向する壁部に設けられている。凹凸部46は、絶縁基板41の周方向へ突出または窪んでいる。また、凹凸部46は、絶縁基板41の径方向へ複数の凹凸を有している。なお、穴431、432、433、434およびスリット441、442、443、444の本数および間隔、ならびに凹凸部46の形状などは、任意に変更することができる。
【0018】
リボンヒータ42は、絶縁基板41に巻回されている。具体的には、リボンヒータ42は、絶縁基板41の周方向において隣接する穴431、432、433、434の凹凸部46およびスリット441、442、443、444の凹凸部46をヒータ巻回部47とし、このヒータ巻回部47で折り返されている。すなわち、リボンヒータ42は、穴431、432、433、434の凹凸部46およびスリット441、442、443、444の凹凸部46においてヒータ巻回部47を形成している。そして、リボンヒータ42は、ヒータ巻回部47で折り返されながら絶縁基板41の周方向で隣接する穴431、432、433、434とスリット441、442、443、444との間に挟まれた絶縁基板41に巻き付けられている。そのため、リボンヒータ42は、図1に示す絶縁基板41のトッププレート13側の上面側だけでなく、誘導加熱コイル21側の下面側にも巻かれている。上述のように穴431、432、433、434およびスリット441、442、443、444は複数設けられているため、ヒータ巻回部47も絶縁基板41の周方向へ複数設けられている。
【0019】
本実施例の場合、板状加熱体22に巻かれているリボンヒータ42は、ヒータ線として二本のリボンヒータエレメント51、52を有している。一方のリボンヒータエレメント51は、端子511から端子512まで絶縁基板41を巻回しつつ絶縁基板41に設けられている。ここで、絶縁基板41に巻き付けられているリボンヒータエレメント51の経路について詳細に説明する。リボンヒータエレメント51は、端子511から絶縁基板41の裏面側の渡し部513を経由してスリット443へ伸びている。スリット443へ達したリボンヒータエレメント51は、スリット443と穴434との間に巻回されている。絶縁基板41に巻回されることにより穴434の内周側の端部に達したリボンヒータエレメント51は、スリット443の内周側において絶縁基板41の裏面に位置する渡し部514を経由してスリット443を挟んで位置する穴433の内周側の端部に達する。穴433に達したリボンヒータエレメント51は、穴433とスリット443との間に巻回されてスリット443の外周側の端部に達する。スリット443の外周側に達したリボンヒータエレメント51は、絶縁基板41の裏面側の渡し部515、表面側の接続部516および裏面側の渡し部517を経由して、スリット442の外周側の端部に達する。そして、リボンヒータエレメント51は、スリット442と穴433との間、絶縁基板41の裏面に位置する渡し部518、穴432とスリット442との間、および絶縁基板41の裏面に位置する渡し部519を経由して端子512に至っている。
【0020】
また、他方のリボンヒータエレメント52は、リボンヒータエレメント51と同様に、端子521から端子522まで絶縁基板41を巻回している。具体的には、リボンヒータエレメント52は、絶縁基板41の裏面側の渡し部523、スリット444と穴434との間、絶縁基板41の裏面側の渡し部524、穴431とスリット444との間、絶縁基板41の裏面側の渡し部525、表面側の接続部526、裏面側の渡し部527、スリット441と穴431の間、裏面側の渡し部528、穴432とスリット441との間、および裏面側の渡し部529を経由して端子522に至っている。このように、第1実施例では、二本のリボンヒータエレメント51、52が穴432および穴434を通る軸を対称軸として図1に上下対称に絶縁基板41に巻かれている。
【0021】
第1実施例では、接続部516は絶縁基板41の径方向において穴433の外側に配置し、接続部526は穴431の外周側に配置している。これにより、リボンヒータエレメント51は穴433の外周側を通り、リボンヒータエレメント52は穴431の外周側を通る。例えばスリットの外周側を経由してリボンヒータエレメント51、52を巻回すると、リボンヒータエレメント51、52の伸縮によって端部が開放しているスリットを形成する絶縁基板41に応力が加わり、絶縁基板41の破損を招くおそれがある。
【0022】
一方、本実施例のように接続部516、526を穴433、431の外周に配置することにより、リボンヒータエレメント51、52は穴433および穴431を横切ることがない。そのため、絶縁基板41に加わる応力は低減され、絶縁基板41の破損は回避される。また、リボンヒータエレメント51、52は、スリット441、442、443、444の内周側に位置する渡し部528、518、514、524を通っている。そのため、リボンヒータエレメント51、52は、スリット441、442、443、444を横切ることがない。その結果、絶縁基板41に加わる応力は低減され、絶縁基板41の破損は回避される。
【0023】
また、リボンヒータエレメント51、52の接続部516、526は、スリット441、442、443、444のいずれも横切らないように配置されている。そのため、リボンヒータエレメント51、52は、絶縁基板41に対し、いずれの部分でも支持され、むき出しになることがない。すなわち、リボンヒータエレメント51、52は、絶縁基板41から垂れ下がったり、絶縁基板41間に懸架あるいは渡された状態にならない。その結果、絶縁基板41の位置ずれなどによりリボンヒータエレメント51、52に生じる応力が低減される。したがって、リボンヒータエレメント51、52の断線を防止することができる。
【0024】
次に、誘導加熱調理器10の制御について説明する。
加熱制御部19は、調理器本体11の内部に設けられ、図示しないマイクロコンピュータによって構成されている。加熱制御部19には、図5に示すように操作部61および温度センサ62が接続している。操作部61は、調理器本体11の外側に設けられている。操作部61は、トッププレート13の前方に配置されている。操作部61は、入力された情報を操作信号として加熱制御部19に出力する。温度センサ62は、トッププレート13の温度を検出する。温度センサ62は、検出したトッププレート13の温度を電気信号として加熱制御部19に出力する。また、加熱制御部19は、トッププレート13上に載置された鍋17などの被加熱調理器具の材質を判定する材質判定手段としても機能する。加熱制御部19は、操作部61および温度センサ62から入力された制御信号、および予め記憶している制御プログラムなどに基づいて、インバータ29を制御する。これにより、加熱制御部19は、インバータ29を経由して誘導加熱コイル21に高周波電流を供給し、誘導加熱コイル21を制御する。また、誘導加熱コイル21には、共振コンデンサ63が直列に接続されている。これら誘導加熱コイル21および共振コンデンサ63は、鍋17の材質に応じて出力を調整するために、コイルの巻数やコンデンサの容量が可変となる構成であることが望ましい。
【0025】
インバータ29は、商用交流電源64から整流回路65によって直流に変換された駆動用電源が供給される。同様に、通電制御部66は、商用交流電源64から板状加熱体22へ供給する電力を制御する。通電制御部66は、板状加熱体22に交流の電力を供給する。通電制御部66から板状加熱体22へ供給される電力は、加熱制御部19によって統括的に制御される。また、整流回路65の入力側およびインバータ29の出力側には、それぞれ電流トランス67、68が配置されている。この電流トランス67、68で検出された電流値は、いずれも加熱制御部19に入力される。これにより、加熱制御部19は、商用交流電源64から入力される入力電流値、およびインバータ29の出力電流値を検出する。
【0026】
加熱制御部19は、被加熱調理器具である鍋17が抵抗の大きな金属材料か否かを判定することにより、この鍋17の材質を判定する。例えば加熱制御部19は、一定の高周波電流を誘導加熱コイル21に供給し、入力電流とインバータ29の出力電流であるコイル電流との関係に基づいて鍋17の材質を判定する。例えば鉄などの強磁性体で鍋17が形成されている場合、誘導加熱コイル21が発生した磁束は鍋17を流れやすくなる。かつ、鍋17の底部において誘導加熱コイル21側に渦電流が集中する表皮効果も高くなる。そのため、誘導加熱コイル21の等価抵抗は増大する。一方、鍋17の材料がアルミニウムや銅などのように非磁性あるいは弱磁性であって比抵抗が小さい場合、誘導加熱コイル21によって発生した磁束は鍋17に到達しにくくなり、漏れ磁束も増大する。そして、比抵抗が小さく表皮効果も得にくいため、等価抵抗は減少する。その結果、加熱制御部19は、入力電流と出力電流との大小の変化に基づいて、鍋17の材質を判定することができる。したがって、加熱制御部19は、鍋17の材質を判定すると共に、予め設定された入力電力設定値に基づいて鍋17の誘導加熱コイル21による加熱または板状加熱体22によるヒータ加熱を選択して実行することができる。
【0027】
次に、上記の構成による誘導加熱調理器10の作動について説明する。
被調理物を収容した鍋17をトッププレート13の所定位置に載置し、操作部61で必要な入力操作が行われると、加熱制御部19は鍋17の加熱を開始する。加熱制御部19が材質判定処理により鍋17の材質が高抵抗金属であると判定すると、加熱制御部19は通常の入力電力に基づいて誘導加熱コイル21による誘導加熱調理を実行する。一方、鍋17の材質が高抵抗金属でないと判定したとき、加熱制御部19は鍋17の材質がアルミニウム、銅もしくは非磁性ステンレスのような低抵抗の非磁性金属であるのか、土鍋のような非金属であるのか、もしくは無負荷であるのかを判定する。そして、鍋17が低抵抗金属であると判定すると、加熱制御部19は鍋17の底がトッププレート13により反発して移動するいわゆる「鍋浮き」を生じないように、予め設定された火力調整に基づいて誘導加熱調理を実行する。
【0028】
ここで、火力調整によって加熱電力が通常の入力電力設定値より小さくなった場合、加熱制御部19はその差の電力分を通電制御部66を経由して板状加熱体22に供給する。これにより、加熱制御部19は、トッププレート13に載置された鍋17を板状加熱体22により加熱する。また、鍋17が低抵抗の非磁性金属で形成されている場合、誘導加熱コイル21の等価抵抗は小さくなる。そのため、加熱制御部19は、インバータ29を経由して誘導加熱コイル21へ出力する電圧を、高抵抗の磁性金属の場合よりも低下させたり、電圧の周波数を上昇させる。これにより、加熱制御部19は、加熱効率の向上を図る。
【0029】
また、鍋17が非金属で形成されている場合、または無負荷の場合、加熱制御部19は誘導加熱コイル21による誘導加熱を実行しない。そのため、加熱制御部19は、通常の入力電力設定値に等しい電力を通電制御部66から板状加熱体22へ供給し、板状加熱体22のみによる加熱を実行する。この場合、加熱制御部19は、鍋17が非金属であるのか、または無負荷であるのかを判定する必要がある。そこで、加熱制御部19は、温度センサ62によって板状加熱体22への通電が開始されてからのトッププレート13の温度変化を検出する。このとき、加熱制御部19は、トッププレート13の温度の変化が緩やかであれば土鍋などが載置されていると判定し、温度の変化が急激であれば無負荷であると判定する。
【0030】
鍋17などの被加熱調理器具が非金属材料であると判定したとき、加熱制御部19は板状加熱体22により鍋17の加熱を実行する。このとき、板状加熱体22のリボンヒータ42で発生した熱は、上面からトッププレート13を経由して鍋17へ伝達される。一方、加熱が終了した後、トッププレート13および板状加熱体22には熱が残っている。そのため、加熱制御部19は、板状加熱体22による加熱が終了すると、冷却ファン部15のファン27を回転駆動する。ファン27の回転によって形成された空気の流れは、加熱ユニット14の下方から上方へ向かう。そして、この空気の流れは、加熱ユニット14の中央部から上方へ抜け、誘導加熱コイル21と支持部材24との間に形成された通路26へ向かう。通路26では、加熱ユニット14の中心側から外周側へ空気の流れが形成される。
【0031】
このとき、誘導加熱コイル21と支持部材24との間を流れる空気は、図6に示すように一部が断熱材25の穴251および支持部材24の穴241を経由して板状加熱体22の裏面側へ流れる。図6は、加熱ユニット14の構成の一部を模式的に示した断面図である。そして、この空気の流れは、板状加熱体22の裏面側に位置するリボンヒータ42に接する。そのため、板状加熱体22の裏面側に位置するリボンヒータ42は、穴241および穴251を経由して流入する空気によって冷却される。さらに、リボンヒータ42は、板状加熱体22の裏面側で冷却されることにより、板状加熱体22の表面側に位置する部分も冷却される。すなわち、リボンヒータ42は、板状加熱体22の裏面側に位置する部分で放熱し、表面側に位置する部分も冷却される。その結果、鍋17の加熱によって温度が上昇していたトッププレート13は、冷却ファン部15による空気の流れによって急速に冷却される。
【0032】
例えば板状加熱体22によって鍋17を加熱する場合、調理が終了すると、使用者は鍋17をトッププレート13から除去する。鍋17がトッププレート13から除去されると、板状加熱体22から放熱または吸熱体となる鍋17へ伝達される熱は低減する。その結果、板状加熱体22から伝達される熱は、トッププレート13の表面に蓄えられ、トッププレート13のさらなる温度上昇を招くおそれがある。
【0033】
第1実施例の場合、板状加熱体22による加熱が終了すると、加熱制御部19はすぐに冷却ファン部15を駆動する。これにより、調理器本体11の内部には空気の流れが形成されるとともに、板状加熱体22の裏面側に位置するリボンヒータ42が冷却される。そのため、トッププレート13および板状加熱体22の表面側に留まっている熱は、板状加熱体22の裏面側に位置するリボンヒータ42から放熱される。その結果、板状加熱体22からトッププレート13側への熱の伝達が低減され、加熱終了時におけるトッププレート13の温度上昇が抑制される。
【0034】
この場合、支持部材24の穴241および断熱材25の穴251を絶縁基板41の穴431、432、433、434またはスリット441、442、443、444に対応する位置に重ねて配置することが望ましい。支持部材24の穴241および断熱材25の穴251を絶縁基板41の穴431、432、433、434またはスリット441、442、443、444に対応させることにより、穴241および穴251を通して流れる空気は絶縁基板41の穴431、432、433、434またはスリット441、442、443、444からトッププレート13側へ流入する。絶縁基板41には、上述のようにリボンヒータ42が巻回されている。そのため、トッププレート13と板状加熱体22との間には、図6に示すように巻回されているリボンヒータ42の間にリボンヒータ42の厚みに対応する隙間53が形成される。これにより、穴431、432、433、434またはスリット441、442、443、444からトッププレート13側へ流入した空気は、この隙間53を経由して隣接する穴431、432、433、434またはスリット441、442、443、444へ移動する。その結果、板状加熱体22の上面側におけるリボンヒータ42およびトッププレート13の冷却が促進される。
【0035】
以上のように、加熱制御部19は、鍋17などの被加熱調理器具の材質に応じて誘導加熱コイル21による加熱調理、板状加熱体22による加熱調理、またはこれらの組み合わせによる加熱調理を実行する。そして、加熱制御部19は、加熱調理が完了した後、冷却ファン部15を駆動することにより、トッププレート13および板状加熱体22の冷却を促進する。
【0036】
以上説明したように、第1実施例によれば次の効果を奏する。
板状加熱体22のリボンヒータ42は、通電することにより発熱する。トッププレート13上に載置された鍋17などの被加熱調理器具は、発熱する板状加熱体22によって直接加熱される。したがって、材質に関わらず鍋17などの被加熱調理器具を加熱することができるとともに、加熱効率を高めることができる。
【0037】
また、第1実施例では、リボンヒータ42は絶縁基板41に巻回されている。これにより、絶縁基板41とリボンヒータ42とはヒータ巻回部47を除いて大部分が接していない。すなわち、絶縁基板41とリボンヒータ42とは、寸法変化にともなう相対的な移動が許容される。そのため、通電による発熱でリボンヒータ42に寸法変化が生じても、熱膨張率の異なる絶縁基板41とリボンヒータ42との間には相互作用が生じない。すなわち、発熱によりリボンヒータ42の寸法が変化しても、絶縁基板41に生じる応力は低減される。そのため、絶縁基板41とリボンヒータ42との間で熱膨張率の差が大きな場合でも、リボンヒータ42の発熱によって絶縁基板41に割れなどの破損が生じない。したがって、板状加熱体22の耐久性を高めることができる。
【0038】
さらに、第1実施例では、絶縁基板41を例えばセラミックスなどの熱伝導率が高い材料で形成することにより、リボンヒータ42の熱は絶縁基板41に均一に伝搬する。すなわち、板状加熱体22は、均一に加熱され、温度分布が低減される。したがって、板状加熱体22の全体の均一な発熱が促進され、トッププレート13の上面を均一に加熱することができる。また、絶縁基板41にセラミックスを適用する場合、例えばマイカなど他の絶縁材料に比較して熱膨張率が小さい。そのため、セラミックス製の絶縁基板41は、リボンヒータ42の発熱時における変形が低減される。その結果、板状加熱体22は、トッププレート13との密着度の確保が容易である。したがって、板状加熱体22とトッププレート13との接触面積すなわち伝熱面積を確保することができ、板状加熱体22で発生した熱をトッププレート13に効率よく伝達することができる。
【0039】
第1実施例では、リボンヒータ42は、絶縁基板41の穴431、432、433、434またはスリット441、442、443、444において複数のヒータ巻回部47を形成している。リボンヒータ42を複数のヒータ巻回部47において絶縁基板41に巻回することにより、リボンヒータ42の局所的な発熱が低減される。そのため、通電時におけるリボンヒータ42の赤熱あるいは焦げは低減される。また、リボンヒータ42を複数のヒータ巻回部47において絶縁基板41に巻回することにより、通電時の発熱でリボンヒータ42の寸法が変化しても、その寸法の変化はヒータ巻回部47で吸収される。例えばリボンヒータ42が発熱によって膨張しリボンヒータ42の全長が増大する場合、ヒータ巻回部47において巻回されているリボンヒータ42が若干緩むことにより、その寸法変化は吸収される。そのため、発熱にともなう寸法変化によってリボンヒータ42から絶縁基板41に加わる力は低減される。したがって、板状加熱体22の耐久性を高めることができる。
【0040】
第1実施例では、ヒータ巻回部47は周方向に複数設けられている。すなわち、ヒータ巻回部47は、絶縁基板41の中心から概ね放射状に設けられている。そのため、絶縁基板41の中心部には、リボンヒータ42が巻回されない部分を確保可能である。これにより、このリボンヒータ42が巻回されていない部分に、温度センサ62を配置するためのセンサ穴45を配置可能である。したがって、大型化や設計的な制約を招くことなく、温度センサ62を配置することができるとともに、トッププレート13の温度の検出を容易にすることができる。
【0041】
第1実施例では、絶縁基板41に巻かれているリボンヒータ42は、二本のリボンヒータエレメント51、52から構成されている。すなわち、板状加熱体22は、端子511から端子512まで伸びるリボンヒータエレメント51と、端子521から端子522まで伸びるリボンヒータエレメント52とを有している。これらのリボンヒータエレメント51、52は、それぞれ連続する一本のリボンヒータとして絶縁基板に巻回されている。その結果、リボンヒータエレメント51、52の端子が集約され、板状加熱体22の周囲に確保すべき空間領域が低減される。したがって、板状加熱体22の下方に設けられている誘導加熱コイル21の設計に与える影響を低減することができ、設計自由度を高めることができる。
第1実施例では、冷却ファン部15を備えている。板状加熱体22による加熱調理が終了すると、板状加熱体22およびトッププレート13側には冷却のための空気が送風される。そのため、加熱調理の終了後、トッププレート13は板状加熱体22の放熱を利用して迅速に冷却される。したがって、安全性を向上することができる。
【0042】
なお、本実施例の場合、リボンヒータエレメント51、52は、絶縁基板41に均等に巻回する例について説明している。しかし、リボンヒータエレメント51、52は、絶縁基板41に対し不均等に巻回してもよい。例えば、トッププレート13の前方側にタッチパネルなどの操作部61を配置する場合、操作部61の近傍にはリボンヒータエレメント51、52を巻回しない領域を確保してもよい。これにより、使用者が操作部61を操作する際、リボンヒータエレメント51、52の発熱の影響を受けにくくすることができる。
【0043】
(第2実施例)
本発明の第2実施例による誘導加熱調理器の板状加熱体を図7に示す。
第2実施例では、図7に示すように板状加熱体122は、絶縁基板141およびリボンヒータ142を有している。図7は、板状加熱体122をトッププレート13側から見た概略図、すなわち上面側の概略図である。第2実施例の場合、絶縁基板141は、円環状に形成されている。絶縁基板141は、径方向において内周側および外周側にそれぞれ凹凸部146を有している。凹凸部146は、絶縁基板141の径方向に凹凸を形成している。リボンヒータ142は、内周側の凹凸部146および外周側の凹凸部146で折り返されながら絶縁基板141に巻回されている。第2実施例の場合、板状加熱体122は、並列に接続された二本のリボンヒータエレメント151、152を有している。二本のリボンヒータエレメント151、152は、内周側の凹凸部146の始点が周方向へ一つずれている。そして、各リボンヒータエレメント151、152は、それぞれ一つおきに内周側の凹凸部146と外周側の凹凸部146とを結びながら絶縁基板141に巻回されている。これにより、各リボンヒータエレメント151、152は、絶縁基板141の内周側の凹凸部146と外周側の凹凸部146との間をジグザグ状に結びつつ巻回される。その結果、凹凸部146で折り返されて上面側を通るリボンヒータエレメント151、152と、下面側を通るリボンヒータエレメント152、151とは、互いに絶縁基板141を挟んで交差している。
【0044】
第2実施例では、板状加熱体122は、二本のリボンヒータエレメント151、152を有し、それぞれジグザグ状に交差して絶縁基板141に巻回されている。そのため、板状加熱体122におけるリボンヒータ142の巻数は増加する。したがって、板状加熱体122によってトッププレート13を均一に加熱することができる。
【0045】
また、第2実施例では、二本のリボンヒータエレメント151、152が絶縁基板141に対し概ね均一に巻回されている。そのため、二本のリボンヒータエレメント151、152のうちの一方の通電を停止しても、トッププレート13は面均一に加熱される。すなわち、二本のリボンヒータエレメント151、152は、一方のみを発熱源として利用可能である。したがって、出力に応じて二本のリボンヒータエレメント151、152の一方のみに通電することができ、板状加熱体122の出力を柔軟に変更することができる。
【0046】
(その他の実施例)
以上説明した第1実施例では、放射状の穴431、432、433、434またはスリット441、442、443、444を有する絶縁基板41に周方向へリボンヒータ42を巻回する例について説明した。また、第2実施例では、円環状の絶縁基板141にジグザグ状にリボンヒータ142を巻回する例について説明した。しかし、絶縁基板に巻回するリボンヒータの形状は、上記の例に限るものではない。
【0047】
例えば、図8(a)に示すように、板状加熱体322は、絶縁基板341の任意の位置に穴342を設け、この穴342の間を結ぶようにリボンヒータ343を巻回してもよい。また、例えば図8(b)、(c)に示すように、板状加熱体322は、絶縁基板341に設ける穴342やスリットの位置や数、あるいはリボンヒータ343の巻回形状は任意に変更することができる。
また、第1実施例では、絶縁基板41に二本のリボンヒータエレメント51、52を巻回する例について説明した。しかし、絶縁基板41に巻回するリボンヒータエレメントは、一本であってもよいし、端子を引き出すための十分な空間が確保されるのであれば三本以上であってもよい。
【0048】
さらに、第1実施例および第2実施例では、板状加熱体22、122として一組の絶縁基板41、141およびリボンヒータ42、142を適用する例について説明した。しかし、図9に示すように絶縁基板641およびリボンヒータ642から板状加熱体ユニット622を構成し、この板状加熱体ユニット622を二重の環状、あるいは三重以上の環状に配置してもよい。二重の環状に板状加熱体ユニット622を配置した場合、内周側の板状加熱体ユニット622と外周側の板状加熱体ユニット622とを独立して通電を制御することができる。これにより、例えば被加熱調理器具の直径などに応じて適当な領域を加熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の第1実施例による加熱調理器の板状加熱体を示す概略図であって、トッププレート側から見た平面図
【図2】本発明の第1実施例による加熱調理器の概略構成を示す断面図
【図3】図2の要部を拡大した断面図
【図4】本発明の第1実施例による加熱調理器の加熱ユニットの構成を示す分解斜視図
【図5】本発明の第1実施例による加熱調理器を示すブロック図
【図6】図3に示す加熱ユニットの要部をさらに拡大した模式図
【図7】本発明の第2実施例による加熱調理器の板状加熱体を示す概略図であって、トッププレート側から見た平面図
【図8】本発明の加熱調理器の他の実施例を示す模式図
【図9】本発明の加熱調理器の他の実施例を示す模式図
【符号の説明】
【0050】
図面中、10は誘導加熱調理器、13はトッププレート、15は冷却ファン部(ファン)、17は鍋(被加熱調理器具)、21は誘導加熱コイル、22、122、322は板状加熱体、41、141、341、641は絶縁基板、42、142、343、642はリボンヒータ(ヒータ)、45はセンサ穴、47はヒータ巻回部、51、52、151、152はリボンヒータエレメント(ヒータ線)、62は温度センサ、431、432、433、434は穴、441、442、443、444はスリット、622は板状加熱体ユニットを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加熱調理器具が載置されるトッププレートと、
前記トッププレートの下方に設けられ、前記トッププレート上に載置された被加熱調理器具を誘導加熱する誘導加熱コイルと、
前記トッププレートと前記誘導加熱コイルとの間に配置され、前記トッププレート上に載置された被加熱調理器具を加熱する板状加熱体と、を備える誘導加熱調理器において、
前記板状加熱体は、板状の絶縁基板と、前記絶縁基板に巻回され通電することにより発熱する帯状のヒータと、を有することを特徴とする誘導加熱調理器。
【請求項2】
前記絶縁基板は、板厚方向に貫く複数の穴またはスリットを有し、
前記ヒータは、前記穴または前記スリットに引っ掛けられて前記絶縁基板を巻回する複数のヒータ巻回部を形成することを特徴とする請求項1記載の誘導加熱調理器。
【請求項3】
前記ヒータ巻回部は、前記絶縁基板の周方向へ複数設けられていることを特徴とする請求項2記載の誘導加熱調理器。
【請求項4】
前記トッププレートの温度を検出する温度センサをさらに備え、
前記絶縁基板は、中心部に板厚方向に貫いて前記温度センサが配置されるセンサ穴を有することを特徴とする請求項3記載の誘導加熱調理器。
【請求項5】
複数の前記ヒータ巻回部は、連続する一本の前記ヒータで形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載の誘導加熱調理器。
【請求項6】
前記ヒータは、前記絶縁基板の前記トッププレート側の面および前記誘導加熱コイル側の面においてほぼ対称に螺旋状に巻回していることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項記載の誘導加熱調理器。
【請求項7】
前記ヒータは、前記絶縁基板に巻かれている複数のヒータ線を有し、
複数の前記ヒータ線は、前記トッププレート側の面に位置する部分と前記誘導加熱コイル側の面に位置する部分とが前記絶縁基板を挟んで互いに交差して巻回されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項記載の誘導加熱調理器。
【請求項8】
複数の前記ヒータ線は、通電が独立して断続されることを特徴とする請求項7記載の誘導加熱調理器。
【請求項9】
前記板状加熱体は、径方向へ複数の環状に設けられ、各環ごとに通電がそれぞれ独立して断続されることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項記載の誘導加熱調理器。
【請求項10】
前記絶縁基板は、セラミックスで形成されていることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項記載の誘導加熱調理器。
【請求項11】
前記板状加熱体と前記誘導加熱コイルとの間には隙間が形成され、この隙間に送風するファンをさらに備えることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項記載の誘導加熱調理器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−123603(P2009−123603A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−298107(P2007−298107)
【出願日】平成19年11月16日(2007.11.16)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(502285664)東芝コンシューマエレクトロニクス・ホールディングス株式会社 (2,480)
【出願人】(503376518)東芝ホームアプライアンス株式会社 (2,436)
【Fターム(参考)】