説明

誘導電動機制御装置及び誘導電動機制御方法

【課題】より安定な起動を実現するための、あるいは運転中に外乱が加わっても誘導電動機を安定に動作するよう制御するための誘導電動機制御装置等を提供する。
【解決手段】MERS100u,100v及び100wは、交流電源VSが発生する電圧の位相を値θsetだけ変動させたものに相当する電圧を生成して、この電圧と交流電源が発生する電圧との和に相当する電圧を誘導電動機Mへと印加する。制御部200は、電流検出部GMが検出した負荷電流が値Isetへと収束して、電圧検出部VMが検出した負荷電圧の基本波成分の実効値が、値Isetからの負荷電流の偏差に基づいて決まる値Vsetへと収束するようにθsetを決定し、一方でこの基本波成分の微分に比例する値と負荷電流に比例する値とをθsetの値にフィードフォワードする、そして、このθsetの値に基づいて各ゲート信号の遷移のタイミングを決定し、各MERSに供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誘導電動機制御装置及び誘導電動機制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
誘導電動機を、起動時に過大な電流が流れないようにしつつ安定に動作するよう制御するための手法として、たとえば特許文献1に開示されているものがある。特許文献1の手法は、誘導電動機に印加される負荷電圧を、起動時以降の当該誘導電動機の回転数の増加に追随するように増加させるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−33942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の手法によった場合でも、誘導電動機の起動中、その回転数を所望の値に導くことができなくなり、結果として起動に失敗するということがあり得た。そこで、この問題を解決する手法として、たとえば特願2010−230992に開示されている手法が考えられている。ところがこの手法によっても、外乱(具体的には、たとえば誘導電動機をポンプのバルブを開閉するために用いる場合に生じる突発的な負荷変動など)の抑制は必ずしも十分に行われないという問題は残る。
【0005】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたもので、より安定な起動を実現するための、あるいは運転中に外乱が加わっても誘導電動機を安定に動作するよう制御するための誘導電動機制御装置及び誘導電動機制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る誘導電動機制御装置は、
外部の交流電源が発生する入力交流電圧を取得し、当該入力交流電圧の位相を、自己に所定の制御信号が供給されるタイミングにより定まる量変動させたものに相当する補償電圧を生成して、当該入力交流電圧と当該補償電圧との和に相当する電圧を外部の誘導電動機へと印加する直列補償手段と、
前記制御信号を前記直列補償手段に供給する制御手段と、
前記直列補償手段から前記誘導電動機へと印加される負荷電圧の量を検出し、検出した当該負荷電圧の量を示す信号を生成する負荷電圧検出手段と、
前記直列補償手段と前記誘導電動機との間に流れる負荷電流の量を検出し、検出した当該負荷電流の量を示す信号を生成する負荷電流検出手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記負荷電圧検出手段が生成した前記信号を取得し、当該信号が示す負荷電圧の基本波成分の量を特定する電圧基本波成分特定手段と、
前記基本波成分の量が所定の電圧基準値へと収束するように第1の値を決定し、前記負荷電流検出手段が生成した前記信号を取得して、当該信号が示す負荷電流の量に比例する量と前記第1の値との和に基づいて、前記タイミングを決定するタイミング決定手段と、
前記制御信号を、前記タイミング決定手段が決定したタイミングで前記直列補償手段に供給する制御信号供給手段と、を備える。
【0007】
また、本発明の第2の観点に係る誘導電動機制御装置は、
外部の交流電源が発生する入力交流電圧を取得し、当該入力交流電圧の位相を、自己に所定の制御信号が供給されるタイミングにより定まる量変動させたものに相当する補償電圧を生成して、当該入力交流電圧と当該補償電圧との和に相当する電圧を外部の誘導電動機へと印加する直列補償部と、前記直列補償部から前記誘導電動機へと印加される負荷電圧の量を検出し、検出した当該負荷電圧の量を示す信号を生成する負荷電圧検出部と、前記直列補償部と前記誘導電動機との間に流れる負荷電流の量を検出し、検出した当該負荷電流の量を示す信号を生成する負荷電流検出部と、からなる装置を介して前記誘導電動機を制御する誘導電動機制御装置であって、
前記負荷電圧検出部が生成した前記信号を取得し、当該信号が示す負荷電圧の基本波成分の量を特定する電圧基本波成分特定手段と、
前記基本波成分の量が所定の電圧基準値へと収束するように制御値を決定し、前記負荷電流検出部が生成した前記信号を取得して、当該信号が示す負荷電流の量に比例する量と前記制御値との和に基づいて、前記タイミングを決定するタイミング決定手段と、
前記制御信号を、前記タイミング決定手段が決定したタイミングで前記直列補償部に供給する制御信号供給手段と、を備える。
【0008】
また、本発明の第3の観点に係る誘導電動機制御方法は、
外部の交流電源が発生する入力交流電圧を取得し、当該入力交流電圧の位相を、自己に所定の制御信号が供給されるタイミングにより定まる量変動させたものに相当する補償電圧を生成して、当該入力交流電圧と当該補償電圧との和に相当する電圧を外部の誘導電動機へと印加する直列補償部と、前記直列補償部から前記誘導電動機へと印加される負荷電圧の量を検出し、検出した当該負荷電圧の量を示す信号を生成する負荷電圧検出部と、前記直列補償部と前記誘導電動機との間に流れる負荷電流の量を検出し、検出した当該負荷電流の量を示す信号を生成する負荷電流検出部と、からなる装置を介して前記誘導電動機を制御する誘導電動機制御方法であって、
前記負荷電圧検出部が生成した前記信号を取得し、当該信号が示す負荷電圧の基本波成分の量を特定する電圧基本波成分特定ステップと、
前記基本波成分の量が所定の電圧基準値へと収束するように制御値を決定し、前記負荷電流検出部が生成した前記信号を取得して、当該信号が示す負荷電流の量に比例する量と前記制御値との和に基づいて、前記タイミングを決定するタイミング決定ステップと、
前記制御信号を、前記タイミング決定ステップで決定したタイミングで前記直列補償部に供給する制御信号供給ステップと、より構成されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、より安定な起動を実現するための、あるいは運転中に外乱が加わっても誘導電動機を安定に動作するよう制御するための誘導電動機制御装置及び誘導電動機制御方法が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態に係る誘導電動機駆動装置の構成を示す図である。
【図2】MERSの構成を示す回路図である。
【図3】図1の制御部の機能的構成を示す図である。
【図4】三相交流における各線間電圧の値から生成される、仮想の12相交流における各相電圧に相当する12個のベクトルを示す図である。
【図5】従来の例、及び図1の誘導電動機駆動装置による三相誘導電動機の負荷電流の推移例を示す図である。
【図6】MERSの変形例を示す回路図である。
【図7】MERSの変形例を示す回路図である。
【図8】MERSの変形例を示す回路図である。
【図9】MERSの変形例を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を、誘導電動機駆動装置を例として、図面を参照しつつ説明する。
【0012】
本発明の実施の形態に係る誘導電動機駆動装置は、図1に示すように、3個のMERS(磁気エネルギー回生スイッチ:Magnetic Energy Recovery Switch)100u、100v及び100wと、電圧検出部VMと、電流検出部GMと、制御部200とから構成されている。
【0013】
MERS100uは、たとえば図2に示すようなフルブリッジ型MERSからなる。図1のMERS100uは、4個の逆導通型半導体スイッチSW1,SW2,SW3及びSW4と、コンデンサCMとから構成されている。
【0014】
逆導通型半導体スイッチSW1は、逆方向導通部D1及びスイッチ部S1から構成されている。同様に、逆導通型半導体スイッチSW2は逆方向導通部D2及びスイッチ部S2から構成され、逆導通型半導体スイッチSW3は逆方向導通部D3及びスイッチ部S3から構成され、逆導通型半導体スイッチSW4は逆方向導通部D4及びスイッチ部S4から構成されている。
【0015】
スイッチ部S1〜S4はいずれも、たとえばMOSFET(Metal-Oxide-Silicon Field Effect Transistor)、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT:Insulated Gate Bipolar Transistor)あるいはその他の半導体スイッチング素子からなり、それぞれ電流路と制御端とを備えている。そして、各自の制御端に後述のオン信号が供給されると電流路を導通させ、オフ信号が供給されると電流路を遮断する。
【0016】
逆方向導通部D1〜D4はいずれも、たとえばダイオード等の整流素子からなり、電流を一方向にのみ導通させる電流路を備える。このダイオードはたとえば、スイッチ部を構成する半導体スイッチの寄生ダイオードであってもよい。
【0017】
以下の説明では、各実施形態を通じ、断りのない限り各逆方向導通部はいずれもダイオードからなり、各スイッチ部はいずれもnチャネルMOSFETからなるものとして説明する。この場合、このMOSFETのドレイン−ソース間がスイッチ部の電流路をなし、ゲートが制御端をなすものである。
【0018】
それぞれの逆導通型半導体スイッチにつき、逆方向導通部のアノードはスイッチ部のソースに接続されており、逆方向導通部のカソードはスイッチ部のドレインに接続されており、スイッチ部の電流路と逆方向導通部の電流路とが、合わせて逆導通型半導体スイッチの電流路をなす。
このような接続関係をとる結果、各逆導通型半導体スイッチはいずれも、スイッチ部のドレインからソースに向かう方向(順方向)に流れる電流を、当該スイッチ部のゲートに印加される信号の値に応じてオン/オフする。一方、当該スイッチ部のソースからドレインに向かう方向(逆方向)の電流については、逆方向導通部がこの電流のバイパスを確保する結果、常にオン状態を保つ。
【0019】
スイッチ部S1及びS3の各ドレインはいずれもコンデンサCMの一端(以下、正極と呼ぶ)に接続されている。スイッチ部S2及びS4の各ソースはいずれもコンデンサCMの他端(以下、負極と呼ぶ)に接続されている。
【0020】
スイッチ部S1のソースは、スイッチ部S2のドレインに接続され、交流入力端子AC1をなしている。スイッチ部S3のソースはスイッチ部S4のドレインに接続されて交流出力端子AC2をなしている。
【0021】
MERS100uの交流入力端子AC1は、たとえば3個の極U,V及びWを備える三相交流電源からなる外部の交流電源VSの極Uに接続され、MERS100uの交流出力端子AC2は、たとえば3個の極u,v及びwを備える三相誘導電動機からなる外部の誘導電動機Mの極Uに接続される。
【0022】
なお、交流電源VSの極U,V及びWはいずれも正弦波交流電圧を出力するものとし、極Vが出力する電圧の位相は極Uの電圧の位相に対して(2π/3)ラジアン遅れており、極Wが出力する電圧の位相は極Uの電圧の位相に対して(4π/3)ラジアン遅れているものとする。
【0023】
なお、誘導電動機Mは、図示するように3個の誘導性負荷LD1、LD2及びLD3からなるネットワークとして表すことができるものである。誘導性負荷LD1、LD2及びLD3は、それぞれ、インダクタL1と抵抗R1との直列回路、インダクタL2と抵抗R2との直列回路、及びインダクタL3と抵抗R3との直列回路として表すことができ、誘導性負荷LD1、LD2及びLD3の一端が、それぞれ誘導電動機Mの極u、v及びwをなし、誘導性負荷LD1、LD2及びLD3の他端同士が互いに接続されているものとして表すことができる。
【0024】
MERS100uのスイッチ部S1,S2,S3及びS4の各ゲート(順に、G1u,G2u,G3u及びG4u)は、MERS100uの制御端をなすもので、いずれも制御部200に接続されている。
【0025】
MERS100v及び100wは、いずれもMERS100uと実質的に同一の構成を有している。
MERS100vの交流入力端子AC1は、交流電源VSの極Vに接続され、MERS100vの交流出力端子AC2は、誘導電動機Mの極vに接続される。MERS100wの交流入力端子AC1は、交流電源VSの極Wに接続され、MERS100wの交流出力端子AC2は、誘導電動機Mの極wに接続される。
【0026】
なお、本明細書及び図面では、MERS100uを構成する各要素に付された参照符号については、末尾に更に「u」を付した表記も行う場合があるものとする。たとえば、MERS100uの交流入力端子AC1、逆導通型半導体スイッチSW1、コンデンサCMは、それぞれ「交流入力端子AC1u」、「逆導通型半導体スイッチSW1u」、「コンデンサCMu」とも表記する。
同様に、本明細書及び図面では、MERS100vを構成する要素に付された参照符号については、末尾に更に「v」を付した表記も行う場合があるものとし、MERS100wを構成する要素に付された参照符号については、末尾に更に「w」を付した表記も行う場合があるものとする。
【0027】
電圧検出部VMは、たとえば交流電圧の瞬時値を検出可能な公知の電気回路からなっており、誘導電動機Mの極vに対する極uの線間電圧Vuvの値と、誘導電動機Mの極wに対する極vの線間電圧Vvwの値と、誘導電動機Mの極uに対する極wの線間電圧Vwuの値とを継続的に検出し、検出した各線間電圧Vuv、Vvw及びVwuの値をそれぞれ2次元ベクトルとして表す信号を生成し、制御部200へと継続的に供給する。(なお、以下では、線間電圧Vuv、Vvw及びVwuの三者を総称する場合は「Vload」と記す。)
【0028】
電流検出部GMは、たとえば交流電流の瞬時値を検出可能な公知の電気回路からなっており、極uに流れ込む電流iuの値と、極vに流れ込む電流ivの値と、極wに流れ込む電流iwの値とを継続的に検出し、検出した各電流iu、iv及びiwの値をそれぞれ2次元ベクトルとして表す信号を生成して、制御部200へと継続的に供給する。
【0029】
制御部200は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサと、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の記憶装置とを備えたコンピュータから構成されている。
【0030】
また、制御部200は、たとえば電圧検出部VMが供給する信号(すなわち電圧Vloadの値を示す信号)及び電流検出部GMが供給する信号(すなわち電流iu、iv及びiwの各値を示す信号)をデジタル信号に変換するためのA/D(Analog-to-Digital)コンバータを備えている。ただし、電圧検出部VM及び電流検出部GMがこれらの信号をデジタル形式で供給するものである場合、制御部200は上述のA/Dコンバータを備えている必要はない。
【0031】
制御部200は、たとえば自己の記憶装置が予め記憶するプログラムを自己のプロセッサが読み出して実行することにより、後述する処理、たとえば、図3に示す三相二相変換部201、電流フィードフォワード制御部202、電流ローパスフィルタ203、電流偏差判定部204、電流比例積分制御部205、電圧離散フーリエ変換部206、電圧ローパスフィルタ207、電圧フィードフォワード制御部208、電圧偏差判定部209、電圧比例積分制御部210、加算部211及びゲート論理生成部212の機能を行う処理を実行する。
【0032】
三相二相変換部201は、電流検出部GMが供給する信号を取得し、この信号が表す、電流iu、iv及びiwの各ベクトル値の総和に相当する2次元ベクトルの値Irmsを、たとえばα軸及びβ軸からなる2次元直交座標系内のベクトルの各軸方向成分の値として特定し、特定した2次元ベクトルを表すデータを、電流フィードフォワード制御部202及び電流ローパスフィルタ203に供給する。
【0033】
電流フィードフォワード制御部202は、三相二相変換部201が供給するデータを取得し、このデータが示す値にフィードフォワード用の所定の比例係数Kp_ffを乗じたものに相当する値を求め、求めたこの値を表すデータを加算部211へと供給する。
【0034】
電流ローパスフィルタ203は、電流iu、iv及びiwの総和を表す上述のデータを三相二相変換部201より取得し、このデータから高調波成分を除去して基本波成分を抽出する。そして、抽出された基本波成分の実効値Irmsを示すデータを生成し、電流偏差判定部204へと供給する。なお、図3に示す例では、電流ローパスフィルタ203のカットオフ周波数は(1/2πT1_i)であるものとして図示している。
【0035】
なお、制御部200は、上述の値Irmsを特定するための電流ローパスフィルタ203の処理として、具体的には、たとえば、電流iu、iv及びiwの総和に相当する上述のベクトルにつき、1周期前の基本波成分方向の単位ベクトルとの内積の実効値を1周期にわたって求める処理を行えばよい。なお、「ベクトル表現し得るある物理量とその基本波成分方向の単位ベクトルとの内積の、ある期間全域内での実効値」とは、具体的には、当該物理量及び当該単位ベクトルの両者を複素表現した場合における、両者の実部の係数同士の積を当該期間全域で定積分した値と、両者の虚部の係数同士の積を当該期間全域で定積分した値との幾何平均をいうものとする。
【0036】
電流偏差判定部204は、電流ローパスフィルタ203が供給するデータを取得し、このデータが示す実効値Irmsと実効値の最大許容値として電流の指令値Isetとの差Ierrを表すデータを生成して、電流比例積分制御部205へと供給する。
指令値Isetは、たとえば、誘導電動機Mの駆動を開始する時点では0、その後、電流の最大許容値Iset_maxに至るまでランプ状に増大し、最大許容値Iset_maxに至って以降は、最大許容値Iset_maxに等しい値を保つ、という経時変化をなす変数であればよい。
指令値Isetを示すデータは、たとえば制御部200が自己を駆動するクロック信号を継続的に参照する等して生成してもよいし、図示しない公知のインターフェース回路を介して外部から取得してもよい。そして電流偏差判定部204は当該データを参照し、当該データが示す値が指令値Isetであるものとして、Ierrを表すデータを生成すればよい。
【0037】
電流比例積分制御部205は、電流偏差判定部204が供給するデータを取得し、このデータが示す値Ierrについて比例積分処理を行うことにより後述の電圧目標値Vsetを決定する。そして、決定した電圧目標値Vsetの値を示すデータを生成して、電圧偏差判定部209へと供給する。
【0038】
Vsetの値を決定するための比例積分処理として、電流比例積分制御部205は、たとえば以下(a)〜(c)として述べる処理を行えばよい。
(a) 電流比例積分制御部205は、値Ierrを表す最新データを供給されるたびに、当該最新のデータを参照し、当該最新のデータが示す値Ierrに、比例制御用の所定の比例係数Kp_iを乗じたものに相当する値(以下、電流比例制御値と呼ぶ)を求めて記憶し、当該最新の電流比例制御値を含め直近の過去の所定回数にわたって求められた電流比例制御値を表すデータも、引き続き記憶する。また、Vsetの最新の値を決定し、当該値を示すデータを生成するたびに、このデータも記憶する。ただし、Vsetの値がまだ1個も決定されていない間は、たとえばVsetの所定の初期値を示すデータを記憶する。
(b) そして、電流比例積分制御部205は、記憶している過去の所定回数分の電流比例制御値を表す各データを参照し、これらのデータの値に基づいて、電流比例制御値を直近の所定期間積分して、積分制御用の所定の比例定数Ti_iで除したものに相当する値(電流積分制御値)を求める(ここで値Ti_iは、積分回路を用いてこの積分を実現するとした場合におけるこの積分回路の時定数に相当する値である)。電流比例制御値を積分する所定期間は、たとえば、電流比例制御値を表すデータとして記憶している最も古いデータの生成に用いられた電流iu、iv及びiwの値が測定された時点から、電流比例制御値を表す最新のデータの生成に用いられた電流iu、iv及びiwの値が測定された時点までの期間であればよい。
(c) そして、電流比例積分制御部205は、過去最新のVsetの値を示すデータとして記憶しているデータを参照し、このデータの値、上述の電流比例制御値及び電流積分制御値の三者を互いに加算し、得られた値を最新のVsetの値として決定する。(そして上述した通り、決定したこの新たなVsetの値を示すデータを生成して記憶する。)
【0039】
電圧離散フーリエ変換部206は、電圧検出部VMが供給する信号を取得し、この信号が表す、線間電圧Vuv、Vvw及びVwuの各値に基づいて、(3・2)相交流における各相電圧に相当する(3・2)個の値を表すデータを生成し(ただしnはゼロを含む任意の自然数)、生成したデータを電圧ローパスフィルタ207へと供給する。
【0040】
(3・2k+1)相交流(kは0以上n−1以下の自然数)における各相電圧の値は、たとえば、(3・2)相交流における各相電圧の値に基づいて生成できる。また、三相交流における各線間電圧の値を用いて、当該三相交流における各相電圧の値を導くこともできる。
【0041】
具体的にはまず、極u、v及びwの各相電圧Vu、Vv及びVwと、線間電圧Vuv、Vvw及びVwuとをいずれもベクトル表現した場合、Vu、Vv及びVwが互いに(2π/3)ラジアン位相を異にするとすれば、Vu、Vv及びVwの各値は、Vuv、Vvw及びVwuの各値を用いて表すことができる。一方、(3・2)相交流における各相電圧は、相電圧の値をベクトル表現するとすれば、基点がいずれも座標平面の原点にあって{2π/(3・2)}ラジアン間隔で放射状に配置される(3・2)個のベクトルとして表すことができる。たとえば、k=1とした場合、三相交流における各相電圧の値は、たとえば図4に示すような、基点がいずれも座標平面の原点にあって(2π/3)ラジアン間隔で放射状に配置される3個のベクトルv1,v5及びv9として表すことができる。ベクトルv1,v5及びv9はそれぞれ、たとえば上述の相電圧Vw、Vv及びVuを表すものとみることができる。
そして、これら(3・2)個のベクトルにつき、座標平面上で隣り合う2個のベクトルの値同士を加算し、得られたベクトルをスカラー倍することで当該ベクトルを規格化する(すなわち、当該ベクトルの絶対値を、上述の加算に用いた各ベクトルの絶対値に等しくする)ことにより、これらのベクトルの中間に配置される(3・2)個のベクトルを生成することができる。このようにベクトルの値を生成することで、ベクトルの総数を計(3・2k+1)個へと倍増させることができる。
ベクトルを倍増させるこのような演算を、kの値を0からn−1まで1ずつ増加させつつ(n−1)回繰り返して行うことにより、制御部200は、三相交流における各相電圧の値から、(3・2)相交流における各相電圧に相当する(3・2)個の値を生成することができる。たとえばn=2とすれば、図4に示すように、12相交流における各相電圧に相当するものとして12個のベクトルv1〜v12を生成することができる。このようにして生成された12個の相電圧の波形は、互いに共通する12分の1周期分の期間で切り出し、切り出された波形をつなぎ合わせると、図示するように1周期分の単相交流電圧に相当する波形となるという関係にある。
【0042】
電圧ローパスフィルタ207は、電圧離散フーリエ変換部206が供給する、各相電圧を表すデータを取得し、このデータのそれぞれから高調波成分を除去して、それぞれの相電圧の基本波成分を抽出する。そして、抽出された各基本波成分の実効値の平均Vrmsを示すデータを生成し、電圧フィードフォワード制御部208電圧及び電圧偏差判定部209へと供給する。なお、図3に示す例では、電圧ローパスフィルタ207のカットオフ周波数は(1/2πT1)であるものとして図示している。
【0043】
制御部200は、電圧ローパスフィルタ207の機能を実現するために上述のVrmsの値を特定する処理として、具体的には、たとえば、線間電圧Vuv、Vvw及びVwuの各値に基づいて生成した上述の(3・2)相交流の各相電圧のそれぞれの値につき、{1/(3・2)}周期前の基本波成分方向の単位ベクトルとの内積の実効値を{1/(3・2)}周期にわたって求め、これら(3・2)個の実効値の算術平均をとることにより、誘導電動機Mの各極の相電圧の基本波成分の実効値の平均に相当する値として値Vrmsを特定すればよい。
【0044】
電圧フィードフォワード制御部208は、電圧ローパスフィルタ207が供給するデータを取得し、このデータが示す値Vrmsを微分して所定の比例係数Kd_ffを乗じたものに相当する値を求め、求めたこの値を表すデータを加算部211へと供給する。値Vrmsを微分する処理は、具体的には、たとえば値Vrmsを表すデータを新たに供給されるたびにこのデータを記憶し、記憶したデータを参照して、値Vrmsを表す最新の2個のデータの値の差分を求めることにより行えばよい。なお、図3に示す例では、電圧フィードフォワード制御部208が上記微分の処理を、時定数がTである1段のCR(キャパシタ−抵抗)微分回路の応答に相当する結果を得る処理として行うものとして図示している。
【0045】
電圧偏差判定部209は、実効値Vrmsを表すデータを電圧ローパスフィルタ207より取得し、また、電圧目標値Vsetを表すデータを電流比例積分部205より取得して、これらのデータが示す実効値Vrmsと実効値の目標値Vsetとの差Verrを表すデータを生成して、電圧比例積分制御部210へと供給する。
【0046】
電圧比例積分制御部210は、電圧偏差判定部209が供給するデータを取得し、このデータが示す値Verrに基づいて、後述のゲート位相角θsetを決定する。そして、決定したゲート位相角θsetの値を示すデータを生成して、ゲート論理生成部212へと供給する。
【0047】
θsetの値を決定する処理として、電圧比例積分制御部210は、たとえば以下(d)〜(f)として述べる処理を行う。
(d) 電圧比例積分制御部210は、値Verrを表す最新のデータを供給されるたびにこのデータを取得して記憶し、当該最新のデータを含め直近の過去の所定回数にわたって供給された値Verrを表すデータも、引き続き記憶する。
(e) 一方、電圧比例積分制御部210は、値Verrを表す最新データを供給されるたびに、当該最新のデータを参照し、当該最新のデータが示す値Verrに比例制御用の所定の比例係数Kpを乗じたものに相当する値(以下、電圧比例制御値と呼ぶ)を求める。また、記憶している過去の所定回数分の値Verrを表す各データを参照し、これらのデータの値に基づいて、値Verrを直近の所定期間積分して、積分制御用の所定の比例定数(Ki/Ti)を乗じたものに相当する値(電圧積分制御値)を求める(ここで値Tiは、値Verrにつき積分回路を用いてこの積分を実現するとした場合におけるこの積分回路の時定数に相当する値である)。値Verrを積分する所定期間は、たとえば、値Verrを表すデータとして記憶している最も古いデータの生成に用いられた電圧Vloadの値が測定された時点から、最新のデータの生成に用いられた電圧Vloadの値が測定された時点までの期間であればよい。
(f) そして、電圧比例積分制御部210は、上述の電圧比例制御値及び電圧積分制御値を互いに加算し、得られた値を表すデータ生成して加算部211へと供給する。
【0048】
加算部211は、後述のゲート位相角θsetを決定する。そして、決定したゲート位相角θsetの値を示すデータを生成して、ゲート論理生成部212へと供給する。
値θsetを決定する処理として、加算部211は、具体的にはたとえば電圧比例積分制御部210より供給されたデータ、電流フィードフォワード制御部202より供給されたデータ、及び電圧フィードフォワード制御部202より供給されたデータを取得する。一方、θsetの最新の値を決定し、当該値を示すデータを生成するたびに、このデータを記憶する(ただし、θsetの値がまだ1個も決定されていない間は、たとえばθsetの所定の初期値(初期位相)を示すデータを記憶する)。そして、過去最新のθsetの値を示すデータとして記憶しているデータを参照し、このデータの値、及び取得した上記3個のデータが表す3個の値の合計4個の値を互いに加算し、得られた値を最新のθsetの値として決定する。(そして上述した通り、決定したこの新たなθsetの値を示すデータを生成して記憶する。)
【0049】
ゲート論理生成部212は、加算部211が供給するデータを取得し、このデータが示すゲート位相角θsetの値に基づいて、MERS100u〜100wの各逆導通型半導体スイッチをオンするタイミングを後述のように決定し、決定結果に従って、ゲート信号SGG1u,SGG2u,SGG3u,SGG4u,SGG1v,SGG2v,SGG3v,SGG4v,SGG1w,SGG2w,SGG3w及びSGG4wを生成して、それぞれ、ゲートG1u,G2u,G3u,G4u,G1v,G2v,G3v,G4v,G1w,G2w,G3w及びG4wへと供給する。
【0050】
それぞれのゲート信号は、当該ゲート信号の供給先であるゲートを備える半導体スイッチのオン又はオフを指示する信号である。たとえば、オンを指示するときの当該ゲート信号(オン信号)は、当該半導体スイッチをオンさせるに足る電圧(ハイレベル電圧)をとり、オフを指示するときの当該ゲート信号(オフ信号)は、当該半導体スイッチをオフさせるに足る電圧(ローレベル電圧)をとる。
【0051】
次に、上記構成の誘導電動機駆動装置の動作を説明する。
まず、制御部200により制御されるMERS100uが交流電源VSの極Uから誘導電動機Mへと交流電圧を供給する動作は、たとえば上記特許文献の段落0055〜0066に記載されている、MERSが交流電源からモータへと電圧を供給する動作と実質的に同一である。
【0052】
すなわち、制御部200は、逆導通型半導体スイッチSW2及びSW3からなるペア(以下「ペアP1」と呼ぶ。特許文献1における逆導通型半導体スイッチ113及び111からなるペアに相当する。)と、逆導通型半導体スイッチSW1及びSW4からなるペア(以下「ペアP2」と呼ぶ。特許文献1における逆導通型半導体スイッチ114及び112からなるペアに相当する。)とが交互にON/OFFされるようなパターンを有するゲート信号SGG1u〜SGG4uを生成し、MERS100uに供給する。
このようなゲート信号により制御部200は、(i)まずペアP1がONしてペアP2がOFFする動作と、(ii)極Uの電圧が負に転じてからペアP1がOFFしてペアP2がONする動作と、を併せて1サイクルとして、このサイクルを極Uの電圧の周期と実質的に等しい周期でMERS100uに繰り返し行わせる。
【0053】
ただし、本実施形態においては、特許文献1における「ゲート位相角α」に代わる値として、上述のゲート位相角θsetが用いられる。制御部200のゲート論理生成部212は、ゲート信号SGG1u〜SGG4uの各状態遷移の位相が、電圧比例積分制御部210が供給するデータが示す最新のゲート位相角θset(θsetの値がまだ1個も決定されていない状態においては、上述した初期位相)に実質的に等しい位相となるように、これらのゲート信号の生成を行うものとする。
【0054】
なお、ゲート位相角θsetは、交流電源VSの極Uの相電圧(図示しない基準電位に対する電圧)が負から正に転じるゼロクロスポイントを位相0とした位相角である。
制御部200は、このゼロクロスポイントを検出するため、たとえば、極Uの相電圧の極性を検出して検出結果を示す信号を生成する公知の電気回路を備えていればよい。具体的には、たとえば制御部200は単に極Uに接続されていればよく、あるいは極Uの相電圧を図示しない分圧抵抗等により分圧して得られる電圧を、極性の検出結果を示す信号として扱うこととしてもよい。
【0055】
ペアP1がONしてペアP2がOFFすることにより、コンデンサCMの負極は極Uに電気的に接続され、正極は極Uから電気的に切り離され、誘導電動機Mの極uに電気的に接続される。この結果、交流電源VSとコンデンサCMとは直列回路(第1の向きの直列回路)を形成することになり、極uには、極Uの相電圧と、コンデンサCMの負極に対する正極の電圧との和に相当する電圧が印加される。
一方、ペアP1がOFFしてペアP2がONすることにより、コンデンサCMの正極は極Uに電気的に接続され、負極は極Uから電気的に切り離され、極uに電気的に接続される。この結果、交流電源VSとコンデンサCMとは、極Uに接続されるコンデンサCMの極が上記第1の向きの直列回路とは異なる第2の直列回路を形成することになる。このとき極uには、極Uの相電圧と、コンデンサCMの正極に対する負極の電圧との和に相当する電圧が印加される。
そして、コンデンサCMの両端間に発生する電圧は、極Uの相電圧に対してθsetだけ変動したものとなるから、交流電源VSとコンデンサCMとの直列回路の両端間に発生する電圧は、交流電源VSの電圧に位相補償が加えられたものに相当するということができる。
【0056】
一方、MERS100v及び100wの動作は、以下(A)〜(C)として述べる各点を除き、MERS100uの動作と実質的に同一である。
(A) 交流電源VSの極V及び極Wの位相は、極Uの相電圧の位相に対しそれぞれ(2π/3)ラジアン及び(4π/3)ラジアン遅れている。
(B) ゲート信号SGG1v,SGG2v,SGG3v及びSGG4vは、それぞれゲート信号SGG1u,SGG2u,SGG3u及びSGG4uの位相を(2π/3)ラジアン遅らせたものとなる。また、ゲート信号SGG1w,SGG2w,SGG3w及びSGG4wは、それぞれゲート信号SGG1u,SGG2u,SGG3u及びSGG4uの位相を(4π/3)ラジアン遅らせたものとなる。
(C) 交流電源VSとMERS100vとの間に流れる電流は、極V及び交流入力端子AC1vを介して流れ、誘導電動機MとMERS100vとの間に流れる電流は、交流出力端子AC2v及び極vを介して流れる。同様に、交流電源VSとMERS100wとの間に流れる電流は、極W及び交流入力端子AC1wを介して流れ、誘導電動機MとMERS100wとの間に流れる電流は、交流出力端子AC2w及び極wを介して流れる。
【0057】
以上説明した動作を行うことにより、この誘導電動機駆動装置は、誘導電動機Mに三相交流電圧を供給する。一方、誘導電動機駆動装置は、この三相交流電圧の基本波成分を抽出してその量Vrmsを特定し、当該量Vrmsが値Vsetに収束するように、ゲート位相角θsetの値を比例積分制御する。一方、値Vsetは、誘導電動機Mに流れ込む三相交流電流の基本波成分を抽出してその量Irmsを特定し、当該量Irmsが指令値Isetに収束するように比例積分制御することによって決定される。また、これらの三相交流電圧及び三相交流電流(負荷電圧及び負荷電流)の値は、部分的にはフィードフォワード制御によってもθsetの値へと反映される。
【0058】
これに対し、本実施の形態とは異なり、たとえば上述の特願2010−230992に開示されている手法として、誘導電動機Mの各相の負荷電圧の基本波の実効値のみを一定値に収束させるようにMERS100u,100v及び100wを制御する手法によった場合は、誘導電動機Mが加えるトルクがポンプのバルブの開閉操作等のために急激に変動する、といった外乱が生じたとき、誘導電動機Mの負荷電流(この電流は、誘導電動機Mの負荷電圧に比べて、トルクの変化をより忠実に反映する物理量であると考えられる)が長時間にわたってリンギングを起こし、動作が安定しないことがあり得る。本実施の形態に係る誘導電動機駆動装置は、この弊害を抑制して誘導電動機Mの安定な動作を容易にする。
【0059】
すなわち、まず、誘導電動機Mの各相につき負荷電圧の基本波成分の実効値のみを一定値に収束させるような制御を行った場合、たとえば図5において「#1」としてグラフを例示するように、誘導電動機Mの負荷電流のリンギングが生じることがある。グラフ#1の例では、負荷電流のオーバーシュートの最大値は66.5アンペアにのぼり、セトリングタイムは2.1秒にわたっている。なお、図5のグラフ#1及び#2は、時刻0に誘導電動機Mのトルクがその最大値の50%から100%へと変動したとした場合の負荷電流の経時変化を示すものである。
【0060】
一方、本実施の形態に係る誘導電動機駆動装置により誘導電動機Mを起動した場合の負荷電流の推移は、たとえば図5のグラフ#2に例示するようなものとなる。なお、グラフ#2は、Kp_i=0.035、Ti_i=0.02、Kp_ff=0.005、Kd_ff=0.001、T=0.001とした場合の一例を示すものである。グラフ#2の例では、負荷電流のオーバーシュートの最大値は55.4アンペアに抑えられ、セトリングタイムは1.2秒に短縮されている。
【0061】
なお、この誘導電動機駆動装置の構成は上述のものに限られない。
たとえば、電流ローパスフィルタ203は、必ずしも電流iu、iv及びiwの総和を表すデータから高調波成分を除去して基本波成分を抽出するものである必要はなく、誘導電動機Mの安定な駆動に寄与する任意の成分を抽出するものであればよい。
また、交流電源VS及び誘導電動機Mの相の数は3より多くてもよい。交流電源VSがp相交流電源からなり(pは3以上の整数)、誘導電動機Mがp相誘導電動機からなる場合、誘導電動機起動装置10は、それぞれMERS100uと実質的に同一の構成を有するp個のMERSを備えていればよい。この場合、これらp個のMERSの計p個の交流入力端子AC1は、交流電源VSのp個の極に1対1に接続されればよい。そして、計p個の交流出力端子AC2は、誘導電動機Mのp個の極に1対1に接続されればよい。
そして、たとえば交流電源VSのq番目の極(qはp以下の自然数)の相電圧の位相が、1番目の極の相電圧に対して{2π(q−1)/p}ラジアン遅れているとすれば、制御部200は、交流電源VSの1番目の極に接続されたMERSのスイッチ部S1,S2,S3及びS4に供給するゲート信号の位相をそれぞれ{2π(q−1)/p}ラジアン遅らせたものを、交流電源VSのq番目の極に接続されたMERSのスイッチ部S1,S2,S3及びS4に供給するものとすればよい。
【0062】
なお、交流電源VS及び誘導電動機Mの相の数がp(pは3より大きい整数)である場合も同様に、制御部200は、p相交流における各線間電圧の値から、(p・2)相交流における各相電圧に相当する(p・2)個の値を生成し、生成したこれらの値のそれぞれにつき、{1/(p・2)}周期前の基本波成分方向の単位ベクトルとの内積の実効値を計(p・2)個求め、これらの実効値の算術平均をとることにより値Vrmsを特定すればよい。
【0063】
また、制御部200が(3・2)相交流における各相電圧に相当する(3・2)個の値を表すデータを生成する手法は任意であり、たとえば上述した手法以外の手法により生成してもよい。
【0064】
また、MERS100u,100v及び100wは、いずれも縦ハーフブリッジ型MERSより構成されていてもよい。
たとえばMERS100uが縦ハーフブリッジ型MERSから構成される場合、MERS100uは、たとえば図6に示すように、2個の逆導通型半導体スイッチSW1及びSW2と、整流部D3及びD4と、コンデンサCM1及びCM2とから構成されている。
【0065】
逆導通型半導体スイッチSW1及びSW2はいずれも、図2の逆導通型半導体スイッチSW1及びSW2と実質的に同一の構成を有する。
図6の構成において、逆導通型半導体スイッチSW1及びSW2をそれぞれ構成するスイッチ部S1及びS2の各ゲート(順に、G1u,G2u)は、いずれも制御部200に接続されている。
また、スイッチ部S1のドレインはコンデンサCM1の一端に接続されており、スイッチ部S1のソースはスイッチS2のドレインに接続されている。スイッチS2のソースはコンデンサCM2の一端に接続されている。コンデンサCM1及びCM2の他端同士は互いに接続されて交流出力端子AC2をなしている。
【0066】
整流部D3及びD4はいずれも、たとえばダイオード等の整流素子からなる。以下、整流部D3及びD4はいずれもダイオードからなるものとして説明すると、整流部D3のアノード及び整流部D4のカソードは交流出力端子AC2に接続され、整流部D3のカソードはコンデンサCM1の上述の一端に接続され、整流部D4のアノードはコンデンサCM2の上述の一端に接続されている。
【0067】
MERS100uが図6に示す構成をとるとき、制御部200は、(i’)まず逆導通型半導体スイッチSW2がONしてSW1がOFFする動作と、(ii’)交流電源VSの極Uの相電圧が負に転じてから逆導通型半導体スイッチSW2がOFFしてSW1がONする動作と、を併せて1サイクルとして、このサイクルを極Uの相電圧の周期と実質的に等しい周期でMERS100uに繰り返し行わせればよい。
【0068】
図6のMERS100uにおいては、逆導通型半導体スイッチSW1がONしてSW2がOFFすることにより、コンデンサCM1が極Uに電気的に接続される。この結果、交流電源VSとコンデンサCM1とは直列回路を形成することになり、極uには、基準電位に対する極Uの相電圧と、コンデンサCM1の両端間の電圧との和に相当する電圧が印加される。
一方、逆導通型半導体スイッチSW1がOFFしてSW2がONすることにより、コンデンサCM2が極Uに電気的に接続される。この結果、交流電源VSとコンデンサCM2とが直列回路を形成することになり、極uには、基準電位に対する極Uの相電圧と、コンデンサCM2の両端間の電圧との和に相当する電圧が印加される。
【0069】
また、MERS100u,100v及び100wは、いずれも横ハーフブリッジ型MERSより構成されていてもよい。
たとえばMERS100uが横ハーフブリッジ型MERSから構成される場合、MERS100uは、たとえば図7に示すように、2個の逆導通型半導体スイッチSW2及びSW4と、コンデンサCM1及びCM2とから構成されている。
【0070】
逆導通型半導体スイッチSW2及びSW4はいずれも、図6の逆導通型半導体スイッチSW2及びSW4と実質的に同一の構成を有する。図7の構成においても、図6の構成と同様、逆導通型半導体スイッチSW1及びSW2をそれぞれ構成するスイッチ部S2及びS4の各ゲート(順に、G2u,G4u)はいずれも制御部200に接続されている。
一方、図7の構成では、スイッチ部S2のドレインはコンデンサCM1の一端に接続されて交流入力端子AC1をなしており、スイッチ部S2のソースはスイッチS4のソースに接続されている。スイッチS4のドレインはコンデンサCM2の一端に接続されて交流出力端子AC2をなしている。コンデンサCM1及びCM2の各他端は、いずれもスイッチ部S2及びS4のソース同士の接続点に接続されている。
【0071】
MERS100uが図7に示す構成をとるとき、制御部200は、(i’’)まず逆導通型半導体スイッチSW2がONしてSW4がOFFする動作と、(ii’’)交流電源VSの極Uの相電圧が負に転じてから逆導通型半導体スイッチSW2がOFFしてSW4がONする動作と、を併せて1サイクルとして、このサイクルを極Uの相電圧の周期と実質的に等しい周期でMERS100uに繰り返し行わせればよい。
【0072】
また、MERS100u,100v及び100wは、いずれもワンコンデンサ横ハーフブリッジ型MERSより構成されていてもよい。
たとえばMERS100uがワンコンデンサ横ハーフブリッジ型MERSから構成される場合、MERS100uは、たとえば図8に示すように、2個の逆導通型半導体スイッチSW2及びSW4と、コンデンサCMとから構成されている。
【0073】
逆導通型半導体スイッチSW2及びSW4はいずれも、図6の逆導通型半導体スイッチSW2及びSW4と実質的に同一の構成を有する。図8の構成においても、逆導通型半導体スイッチSW2及びSW4をそれぞれ構成するスイッチ部S2及びS4の各ゲート(順に、G2u,G4u)はいずれも制御部200に接続されている。
一方、図8の構成では、スイッチ部S2のドレインはコンデンサCMの一端に接続されて交流入力端子AC1をなしており、スイッチ部S2のソースはスイッチS2のソースに接続されている。スイッチS4のドレインはコンデンサCMの他端に接続されて交流出力端子AC2をなしている。
【0074】
MERS100uが図8に示す構成をとるときも、制御部200は、図7の構成におけると同様、まず逆導通型半導体スイッチSW2がONしてSW4がOFFする動作と、交流電源VSの極Uの相電圧が負に転じてから逆導通型半導体スイッチSW2がOFFしてSW4がONする動作と、を併せて1サイクルとして、このサイクルを極Uの相電圧の周期と実質的に等しい周期でMERS100uに繰り返し行わせればよい。
【0075】
また、MERS100u,100v及び100wは、いずれも、たとえば図9に示すように、双方向サイリスタであるサイリスタZと、コンデンサCMとより構成されていてもよい。
図9の構成では、サイリスタZの電流路の一端をなす第1の主電極は交流入力端子AC1をなし、当該電流路の他端をなす第2の主電極は交流出力端子AC2をなす。サイリスタZのゲートは制御部200に接続されており、コンデンサCMはサイリスタZの電流路に並列に接続されている。
【0076】
また、上記各実施の形態における制御部200は、コンパレータ、フリップフロップ、タイマ等からなる専用の電子回路から構成されていてもよい。
【0077】
一方、上記各実施の形態における制御部200の構成は、通常のコンピュータシステムを用いても実現することができる。
例えば、制御部200が行う上述の処理を実行させるためのプログラムを、CD−ROM(Compact Disk Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)あるいはその他のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、このプログラムをコンピュータにインストールすることにより、上述の制御部200を構成することができる。
【0078】
また、プログラムをインターネット等の通信ネットワーク上の所定のサーバ装置が有するディスク装置等に格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、コンピュータにダウンロード等するようにしてもよい。更に、通信ネットワークを介してプログラムを転送しながら起動実行することによっても、上述の処理を達成することができる。
また、上述の機能を、OS(Operating System)が分担して実現する場合又はOSとアプリケーションとの協働により実現する場合等には、OS以外の部分のみを媒体に格納して配布してもよく、また、コンピュータにダウンロード等してもよい。
【符号の説明】
【0079】
10 誘導電動機駆動装置
100u,100v,100w MERS
200 制御部
201 三相二相変換部
202 電流フィードフォワード制御部
203 電流ローパスフィルタ
204 電流偏差判定部
205 電流比例積分制御部
206 電圧離散フーリエ変換部
207 電圧ローパスフィルタ
208 電圧フィードフォワード制御部
209 電圧偏差判定部
210 電圧比例積分制御部
211 加算部
212 ゲート論理生成部
VM 電圧検出部
GM 電流検出部
AC1 交流入力端子
AC2 交流出力端子
SW1〜SW4 逆導通型半導体スイッチ
CM,CM1,CM2 コンデンサ
S1〜S4 スイッチ部
D1〜D4 逆方向導通部
G1〜G4 ゲート
SGG1u〜SGG4u,GG1v〜SGG4v,GG1w〜SGG4w ゲート信号
VS 交流電源
M 誘導電動機
LD1〜LD3 誘導性負荷
L1〜L3 インダクタ
R1〜R3 抵抗
Z サイリスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部の交流電源が発生する入力交流電圧を取得し、当該入力交流電圧の位相を、自己に所定の制御信号が供給されるタイミングにより定まる量変動させたものに相当する補償電圧を生成して、当該入力交流電圧と当該補償電圧との和に相当する電圧を外部の誘導電動機へと印加する直列補償手段と、
前記制御信号を前記直列補償手段に供給する制御手段と、
前記直列補償手段から前記誘導電動機へと印加される負荷電圧の量を検出し、検出した当該負荷電圧の量を示す信号を生成する負荷電圧検出手段と、
前記直列補償手段と前記誘導電動機との間に流れる負荷電流の量を検出し、検出した当該負荷電流の量を示す信号を生成する負荷電流検出手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記負荷電圧検出手段が生成した前記信号を取得し、当該信号が示す負荷電圧の基本波成分の量を特定する電圧基本波成分特定手段と、
前記基本波成分の量が所定の電圧基準値へと収束するように第1の値を決定し、前記負荷電流検出手段が生成した前記信号を取得して、当該信号が示す負荷電流の量に比例する量と前記第1の値との和に基づいて、前記タイミングを決定するタイミング決定手段と、
前記制御信号を、前記タイミング決定手段が決定したタイミングで前記直列補償手段に供給する制御信号供給手段と、を備える
誘導電動機制御装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記基本波成分の量に比例する量を微分した結果に相当する第2の値を特定する電圧フィードフォワード手段をさらに備え、
前記タイミング決定手段は、前記負荷電流の量に比例する量と前記第1の値と前記第2の値の和に基づいて、前記タイミングを決定する、
請求項1に記載の誘導電動機制御装置。
【請求項3】
前記タイミング決定手段は、前記電圧基準値からの前記基本波成分の量の偏差につき、当該基本波成分の量が前記電圧基準値へと収束するように比例積分制御を施すことによって前記第1の値を決定する、
請求項1又は2に記載の誘導電動機制御装置。
【請求項4】
前記タイミング決定手段は、前記負荷電流検出手段が生成した前記信号が示す負荷電流の量が所定の電流基準値へと収束するように前記電圧基準値を決定する電圧基準値決定手段を備える、
請求項1、2又は3に記載の誘導電動機制御装置。
【請求項5】
前記電圧基準値決定手段は、前記電流基準値からの前記負荷電流の量の偏差につき、当該負荷電流の量が前記電流基準値へと収束するように比例積分制御を施すことによって前記電圧基準値を決定する、
請求項4に記載の誘導電動機制御装置。
【請求項6】
pを3以上の整数として、前記交流電源はp相交流電源からなり、前記誘導電動機はp相誘導電動機からなり、
前記誘導電動機制御装置は、p個の前記直列補償手段を備えるものであって、各該直列補償手段は、前記交流電源の各相の極に1対1に接続され、かつ、前記誘導電動機の各相の極に1対1に接続されるものであって、
前記負荷電圧検出手段は、前記直列補償手段から前記誘導電動機へと印加される前記各相の負荷電圧の量を検出し、検出した当該各相の負荷電圧の量を示す信号を生成し、
前記タイミング決定手段は、
前記負荷電圧検出手段が生成した前記信号が示す前記p個の相の負荷電圧の値に基づき、nを自然数として(p・2)個の負荷電圧の値を特定する手段と、
特定された各該負荷電圧の、実質的に{1/(p・2)}周期分の区間における基本波成分の実効値の平均量を特定して、特定された当該平均量が前記電圧基準値へと収束するように、それぞれの前記直列補償手段につき前記タイミングを決定する手段と、を備える、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の誘導電動機制御装置。
【請求項7】
前記直列補償手段は、それぞれ電流路を備え、各自に供給される制御信号に応答して各自の電流路をオン及びオフするスイッチであって、各自の電流路を、オンしたとき双方向に実質的に導通させ、オフしたとき当該電流路の所定の一端から他端の一方向にのみ実質的に導通させる第1乃至第4のスイッチと、一端が前記第1のスイッチの電流路の前記他端及び前記第3のスイッチの電流路の前記他端に接続され、他端が前記第2のスイッチの電流路の前記一端及び前記第4のスイッチの電流路の前記一端に接続されたコンデンサと、より構成されており、前記第1のスイッチの電流路の前記一端及び前記第2のスイッチの電流路の前記他端が前記交流電源に接続され、前記第3のスイッチの電流路の前記一端及び前記第4のスイッチの電流路の前記他端が前記誘導電動機に接続されるものであり、
前記制御信号供給手段は、前記第2及び第3のスイッチの電流路をオンさせ前記第1及び第4のスイッチの電流路をオフさせる第1の前記制御信号を第1の前記タイミングで前記第1乃至第4のスイッチの各制御端に供給し、前記第2及び第3のスイッチの電流路をオフさせ前記第1及び第4のスイッチの電流路をオンさせる第2の前記制御信号を第2の前記タイミングで前記第1乃至第4のスイッチの各制御端に供給するものである、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の誘導電動機制御装置。
【請求項8】
前記直列補償手段は、それぞれ電流路を備え、各自に供給される制御信号に応答して各自の電流路をオン及びオフするスイッチであって、各自の電流路を、オンしたとき双方向に実質的に導通させ、オフしたとき当該電流路の所定の一端から他端の一方向にのみ実質的に導通させる第1及び第2のスイッチと、各自の電流路が所定の一端から他端の一方向にのみ実質的に導通する第1及び第2の整流素子と、一端が前記第1のスイッチの電流路の前記他端及び前記第1の整流素子の電流路の前記他端に接続された第1のコンデンサと、一端が前記第2のスイッチの電流路の前記一端及び前記第2の整流素子の電流路の前記一端に接続された第2のコンデンサと、より構成されており、前記第1のスイッチの電流路の前記一端及び前記第2のスイッチの電流路の前記他端が前記交流電源に接続され、前記第1の整流素子の電流路の前記一端、前記第2の整流素子の電流路の前記他端、前記第1のコンデンサの前記他端及び前記第2のコンデンサの前記他端が互いに結合されて前記誘導電動機に接続されるものであり、
前記制御信号供給手段は、前記第2のスイッチの電流路をオンさせ前記第1のスイッチの電流路をオフさせる第1の前記制御信号を第1の前記タイミングで前記第1及び第2のスイッチの各制御端に供給し、前記第2のスイッチの電流路をオフさせ前記第1のスイッチの電流路をオンさせる第2の前記制御信号を第2の前記タイミングで前記第1及び第2のスイッチの各制御端に供給するものである、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の誘導電動機制御装置。
【請求項9】
外部の交流電源が発生する入力交流電圧を取得し、当該入力交流電圧の位相を、自己に所定の制御信号が供給されるタイミングにより定まる量変動させたものに相当する補償電圧を生成して、当該入力交流電圧と当該補償電圧との和に相当する電圧を外部の誘導電動機へと印加する直列補償部と、前記直列補償部から前記誘導電動機へと印加される負荷電圧の量を検出し、検出した当該負荷電圧の量を示す信号を生成する負荷電圧検出部と、前記直列補償部と前記誘導電動機との間に流れる負荷電流の量を検出し、検出した当該負荷電流の量を示す信号を生成する負荷電流検出部と、からなる装置を介して前記誘導電動機を制御する誘導電動機制御装置であって、
前記負荷電圧検出部が生成した前記信号を取得し、当該信号が示す負荷電圧の基本波成分の量を特定する電圧基本波成分特定手段と、
前記基本波成分の量が所定の電圧基準値へと収束するように制御値を決定し、前記負荷電流検出部が生成した前記信号を取得して、当該信号が示す負荷電流の量に比例する量と前記制御値との和に基づいて、前記タイミングを決定するタイミング決定手段と、
前記制御信号を、前記タイミング決定手段が決定したタイミングで前記直列補償部に供給する制御信号供給手段と、を備える、
誘導電動機制御装置。
【請求項10】
外部の交流電源が発生する入力交流電圧を取得し、当該入力交流電圧の位相を、自己に所定の制御信号が供給されるタイミングにより定まる量変動させたものに相当する補償電圧を生成して、当該入力交流電圧と当該補償電圧との和に相当する電圧を外部の誘導電動機へと印加する直列補償部と、前記直列補償部から前記誘導電動機へと印加される負荷電圧の量を検出し、検出した当該負荷電圧の量を示す信号を生成する負荷電圧検出部と、前記直列補償部と前記誘導電動機との間に流れる負荷電流の量を検出し、検出した当該負荷電流の量を示す信号を生成する負荷電流検出部と、からなる装置を介して前記誘導電動機を制御する誘導電動機制御方法であって、
前記負荷電圧検出部が生成した前記信号を取得し、当該信号が示す負荷電圧の基本波成分の量を特定する電圧基本波成分特定ステップと、
前記基本波成分の量が所定の電圧基準値へと収束するように制御値を決定し、前記負荷電流検出部が生成した前記信号を取得して、当該信号が示す負荷電流の量に比例する量と前記制御値との和に基づいて、前記タイミングを決定するタイミング決定ステップと、
前記制御信号を、前記タイミング決定ステップで決定したタイミングで前記直列補償部に供給する制御信号供給ステップと、より構成されている、
誘導電動機制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−114979(P2012−114979A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−259300(P2010−259300)
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【出願人】(507149648)株式会社MERSTech (22)
【Fターム(参考)】