説明

誘電体層形成用塗布液及びその製造方法

【課題】 成膜温度が120℃〜200℃でリーク電流値が10−8A/cm以下の塗布膜が形成できるとともに、高誘電体膜との積層により低リーク電流及び高比誘電率がシリコン窒化膜と同等以上の特性が得られる誘電体層形成用塗布液及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明の誘電体層形成用塗布液は、一般式Si(OR、及びRSi(ORで表されるSiアルコキシド、これらの部分加水分解物及び縮合物から選ばれる一種以上のSiアルコキシド誘導体を主成分として有機溶剤に溶解してなる。ここで、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜8のアルキル基であり、Rは炭素数2以上の置換基である。aはSiの価数であり、b、cはそれぞれ1以上の整数でb+cがSiの価数である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子の製造時に使用される誘電体層形成用塗布液に関し、特に低温プロセスで低リーク電流性を確保しつつ高誘電体層を形成する塗布液に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体素子の誘電体層にはリーク電流を極めて低く抑えられることから、CVDやスパッター法によるシリコン酸化膜や窒化ケイ素膜が用いられてきている。しかしながら、これらの膜は真空チャンバーや高温処理を必要とし、表示デバイスなど大型基板向けに使うには非常にコストが高くなるという欠点がある。
【0003】
真空チャンバーの不要な成膜方式として、塗布型絶縁膜いわゆるスピン・オンガラスと呼ばれるテトラアルコキシシラン等を原料としたシリカ系被膜が用いられているが、これら材料は通常400℃程度の高温処理を必要とし、200℃以下の低温では十分な絶縁性が得られないという欠点がある。
【0004】
例えば、有機シリコン化合物を用いたシリカ系被膜の形成方法として、Si基板上に1um程度の膜を塗布する例が提案されているが(特許文献1参照)、焼成温度が450℃であって、表示デバイスに用いられるガラス基板には適用できない。また、こうして得られた膜の絶縁性を示すリーク電流値についての記述はない。
【0005】
同様に、有機シリコン化合物を用いてシリカ系被膜を形成し、比誘電率及びリーク電流を測定している例が示されているが(特許文献2参照)、低誘電率材料になっているため比誘電率が約2.5前後と低く、焼成温度が400℃と高温であり、エレクトロンビーム照射が必要であるなど煩雑な工程になっている。
【0006】
また、チタン酸ジルコニウム高誘電体薄膜形成用の塗布液について、得られた薄膜のリーク電流特性について示されている例があるが(特許文献3の段落[0047]等参照)、焼成温度が370℃とやはり高温であり、350℃未満では良好な絶縁膜が得られない等の問題点がある。
【0007】
一方、有機半導体層に120℃という低温で処理することにより、絶縁層を形成する有機系ポリマー塗布液の例が示されているが(特許文献4参照)、このような従来の有機系ポリマー塗布液は、耐熱性、耐久性、耐薬品性等が必ずしも十分でない等の欠点がある。そのため、電子部品の絶縁材料にはあまり好んで使われるものではなく、無機系材料の代替品としてやむを得ず用いられる場合がある。
【0008】
【特許文献1】特開平8−27420号公報
【特許文献2】特開2006−117763号公報
【特許文献3】特開2004−345922号公報
【特許文献4】特開2003−324202号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このように、従来型のシリカ系例えばテトラエトキシシランSi(O−Et)、メチルトリエトキシシランMe−Si(O−Et)、ジメチルジエトキシシラン2Me−Si(O−Et)などの無機系塗布液は350℃程度以上の高温処理が必用とされており、最近注目を集めている有機TFTの分野におけるガラスやプラスチックを基盤とするプロセスには適用できない。
【0010】
そして、最近発展している有機薄膜トランジスタを用いた表示デバイスのプロセス温度は、ガラス基板を用いた場合でも250℃が上限温度であり、将来的には汎用プラスチック基板が使えるよう130℃以下のプロセス温度が望まれている。こういった低温プロセスを必要とされる分野では、従来技術の塗布液では適用困難であった。すなわち、上記通常の塗布液は、200℃以下で成膜すると、リーク電流が非常に大きく絶縁性が得られなくなってしまうことから適用できないという問題点があった。
【0011】
そこで、本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、成膜温度が120℃〜200℃でありかつリーク電流値が10−8A/cm以下の塗布膜が形成できるとともに、高誘電体膜との積層により低リーク電流及び高比誘電率がシリコン窒化膜と同等以上の特性が得られる誘電体層形成用塗布液及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、請求項1の発明の誘電体層形成用塗布液は、一般式Si(OR、及びRSi(ORで表されるSiアルコキシド、これらの部分加水分解物及び縮合物から選ばれる一種以上のSiアルコキシド誘導体を主成分として有機溶剤に溶解してなることを特徴としている。(ここで、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜8のアルキル基であり、Rは炭素数2以上の置換基である。aはSiの価数であり、b、cはそれぞれ1以上の整数でb+cがSiの価数である。)
【0013】
請求項2の発明は、請求項1記載の誘電体層形成用塗布液であって、前記RSi(ORのRの置換基は、好ましくは炭素数3以上のアルキル基から選ばれ少なくとも1種以上を有することを特徴としている。
【0014】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2記載の誘電体層形成用塗布液であって、前記塗布液は、120℃乃至200℃で誘電体層への塗布膜を成膜できることを特徴としている。
【0015】
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の誘電体層形成用塗布液であって、前記塗布液を基板上に塗布し焼成して得られた薄い塗布膜が、比誘電率3以上であり、かつ10−8A/cm以下のリーク電流特性を有していることを特徴としている。
【0016】
請求項5の発明は、請求項4記載の誘電体層形成用塗布液であって、前記塗布膜の表面が疎水性の性質を有していることを特徴としている。
【0017】
請求項6の発明は、請求項3乃至請求項5のいずれか1項記載の誘電体層形成用塗布液であって、前記塗布膜を高誘電体膜と積層することにより、低リーク電流及び高比誘電率がシリコン窒化膜と同等以上の特性が得られることを特徴としている。
【0018】
請求項7の発明の誘電体層形成用塗布液の製造方法は、一般式Si(OR、及びRSi(ORで表されるSiアルコキシド、これらの部分加水分解物及び縮合物から選ばれる一種以上のSiアルコキシド誘導体を主成分として有機溶剤中における酸性触媒下で水分量2〜50重量%、好ましくは5〜30重量%の量で加水分解し、有機溶剤で濃度調整をすることを特徴としている。(ここで、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜8のアルキル基であり、Rは炭素数2以上の置換基である。aはSiの価数であり、b、cはそれぞれ1以上の整数でb+cがSiの価数である。)
【0019】
請求項8の発明は、請求項7記載の誘電体層形成用塗布液の製造方法であって、前記RSi(ORのRの置換基は、好ましくは炭素数3以上のアルキル基から選び少なくとも1種以上を有することを特徴としている。
【0020】
請求項9の発明は、請求項7又は請求項8記載の誘電体層形成用塗布液の製造方法であって、前記炭素数2以上の置換基のついたSiアルコキシド誘導体は、1〜75重量%、好ましくは2〜50重量%の割合で含むよう反応時に仕込むことを特徴としている。
【0021】
請求項10の発明は、請求項7乃至請求項9のいずれか1項記載の誘電体層形成用塗布液の製造方法であって、前記加水分解反応時に使用する溶媒として、水を溶解させるアルコール系溶媒及び/又はケトン系溶媒及び/又は多価アルコール部分エーテル系溶媒を少なくとも1種以上を含んだ混合液を用いることを特徴としている。
【0022】
請求項11の発明は、請求項7乃至請求項10のいずれか1項記載の誘電体層形成用塗布液の製造方法であって、前記加水分解反応の際に用いられる水の量は、通常Siアルコキシド誘導体1モルに対して水を1〜50倍モル、好ましくは1〜25倍モルの範囲で選定し、Siアルコキシド誘導体の量により変動することを特徴としている。
【0023】
請求項12の発明は、請求項7乃至請求項9のいずれか1項記載の誘電体層形成用塗布液の製造方法であって、前記酸性触媒として、塩酸、硝酸、硫酸などの無機酸及び/又はギ酸、酢酸、プロピオン酸などの有機酸を少なくとも1種以上を含んだ混合液を用いることを特徴としている。
【発明の効果】
【0024】
本発明者は、Si原子に結合している置換基で、メチル基、エチル基、プロピル基、ペンチル基、オクチル基などの炭素数の長いアルキル基を用いると、200℃の低温熱処理でも膜構造中に残る未反応成分のO−H基の量が大幅に減らせることを見出した。このO−H基は、極性成分であってリーク電流増大の原因となることから、O−H基が減少することはリーク電流の低減に極めて有効であると言える。
【0025】
つまり、炭素数の長いアルキル基を有したSiアルコキシド誘導体の加水分解生成物からなる塗布膜は、低温処理でも残存O−H基が非常に少なくその結果、リーク電流も極めて低い膜であることを見出し本発明に至った。鋭意検討した結果、特に、炭素数2以上、好ましくは炭素数3以上のアルキル基がリーク電流の低減に非常に効果的であることがわかった。
【0026】
また、このようにして得られた塗布膜の表面は疎水性を示し、科学文献「エレクトロケミカル・アンド・ソリッド−ステート・レターズ10(3)H114−H116(2007)に記載されているが、有機薄膜トランジスタ製造工程において、例えば代表的有機半導体の1つであるペンタセンの下層誘電体層として用いる場合には、ペンタセンの結晶性向上に有効であると言われており、非常に都合がよい。
【0027】
ところで、表示デバイスの誘電体層では、比誘電率が高い方がトランジスタ部分の電流量を多くすることができ、また、動作電圧の低電圧化にも寄与するので、ゲート絶縁膜部分には高誘電体層を用いることが望まれている。
【0028】
一般にゲート絶縁膜として使われているシリコン酸化膜は、比誘電率が約4であるが、これよりも比誘電率の高い高誘電体材料としては、シリコン窒化膜が良く知られている。このシリコン窒化膜の比誘電率は約7程度であるので、比誘電率が7以上の誘電体層が塗布液でかつ200℃以下の低温で成膜できれば産業上極めて有益である。
【0029】
一般に、シリコン窒化膜を除く他の高誘電体膜は、低温処理ではリーク電流が大きくそのままでは適用できないことが多い。本発明の塗布液は、別の高誘電体膜と積層して用いても良く、リーク電流防止層として本塗布液を高誘電体層に積層すると、本塗布膜の部分でリーク電流が止められるので、低いリーク電流レベルを保ちつつ高誘電体層としての活用が低温プロセスで可能にすることができる。リーク電流レベルとしては、低ければ低いほどよいが、10−8A/cm以下が好ましい。
【0030】
このように、本発明に係る誘電体層形成用塗布液は、リーク電流値が10−8A/cm以下と非常に低い値が200℃以下という低温で得られる。また、他の高誘電体膜と積層することにより、高誘電率と低リーク電流を両立した誘電体層を形成することができるので各種表示デバイスや有機薄膜トランジスタ工程での誘電体層として極めて有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の誘電体層形成用塗布液及びその製造方法を実施するための最良の形態の具体例を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0032】
本発明の誘電体層形成用塗布液は、メチルトリエトキシシランのメチル基(Me−)部分をプロピル基、ペンチル基、オクチル基といったような炭素数の長いアルキル基にすると、200℃以下の低温焼成でも縮合が充分に進み、塗布膜中の未反応(末端)O−H基が残らず、そして、リーク電流もメチル基置換の場合と比べてはるかに低くなることを見出したもので、基板上に誘電体層を120℃以上200℃以下の低温で成膜する場合に適用できる。
【0033】
塗布膜構造中のO−H基が減る理由は、定かではないが一つには、一般にアルキル基は電子供与性置換基として知られており、その電子供与性は炭素数が多くなるほど大きい。そして、Siアルコキシドが酸性触媒下で加水分解されシラノール基(Si−OH)が生成し縮合していく過程では、Si原子は正に帯電する傾向にあるが、このSi原子にさらに電子供与性置換基が結合していると、シラノール基の酸素原子の電荷が増えることからO−H基の反応性が上がり、熱処理中の縮合反応が進み易くなり、その結果、熱処理後の塗布膜中のO−H基の量が減少したと推論することができる。
【0034】
図1に、(a)テトラエトキシシランとメチルトリエトキシシランのモル比1:1混合物、(b)テトラエトキシシランとプロピルトリエトキシシランのモル比1:1混合物、(c)テトラエトキシシランとペンチルトリエトキシシランのモル比1:1混合物、(d)テトラエトキシシランとオクチルトリエトキシシランのモル比1:1混合物をそれぞれ有機溶媒中で加水分解した生成物である塗布液をスピンコーターでSiウエハー上に塗布し150℃で1分、さらに200℃で1分ベークしたものを、日本分光株式会社製のFT−IR 5300によりフーリエ変換赤外吸収スペクトルを測定した結果のチャートを示す。図1の縦軸は任意の強度を示す「吸収(任意強度)〔−〕」、横軸は1cm当りにどれだけ光りの振動(周期)が入っているかを表す「波数〔cm−1〕」で、赤外吸収スペクトルの場合はこの単位を用いる。
【0035】
遊離したO−Hは3550〜3500cm−1、結合したO−Hは3300〜2500cm−1の波数位置に吸収ピークが出ること(「赤外線スペクトル入門」:東京化学同人 第3版 p.108参照)から、その化合物中にはO−H基が存在すると言える。例えば、3550cm−1を波長に換算すると2.8umの赤外線を吸収しており、2500cm−1は4umの波長に相当する。概ねこの範囲に入る3200cm−1〜3600cm−1に現れる塗布膜構造中に残っている残留O−H基の量は、メチル基>プロピル基>ペンチル基>オクチル基の順に小さくなっていることがわかる。つまり、炭素数の大きなアルキル基をSi原子に導入してやれば、200℃の低温処理でも残留O−H基の量が減るので、リーク特性の大幅な改善につながることが十分に期待できる。
【0036】
鋭意検討した結果、特に、炭素数2以上、好ましくは炭素数3以上のアルキル基がリーク電流の低減に非常に効果的であることが判明した。
【0037】
本発明の誘電体層形成用塗布液は、一般式Si(OR、及びRSi(ORで表されるSiアルコキシド、これらの部分加水分解物及び縮合物から選ばれるSiアルコキシド誘導体(以下、単に「Siアルコキシド誘導体」と記す)を主成分とし、これを有機溶剤に溶解して得られる。上記式中において、R、Rは、それぞれ独立に炭素数1〜8のアルキル基であり、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−アミル、ペンチル、ヘキシル、オクチル基などが挙げられる。Rは炭素数2以上の置換基である。aはSiの価数であり、b、cはそれぞれ1以上の整数でb+cがSiの価数である。
【0038】
ここで、部分加水分解物は、Siアルコキシド中の一部のアルコキシド基が加水分解されて水酸基となった一般式Si(ORa−1(OH)、又はRSi(ORc−1(OH)などであり、縮合物は、加熱などによりSiアルコキシド誘導体が脱アルコールあるいは場合により脱水して2分子以上が縮合したダイマー、トリマー、テトラマー等である。
【0039】
本発明において、一般式RSi(OR)で示されるSiアルコキシド誘導体のRは炭素数で2以上の置換基であることが必要であるが、炭素数で2以上の置換基としては、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、オクタデシル基などのアルキル基の他、アリル基、アリール基、グリシジル基が挙げられる。そのようなアルキルアルコキシシランとしては、メトキシトリプロピルシラン、ジエトキシジエチルシラン、ジエトキシドデシルメチルシラン、ジエトキシメチルオクタデシルシラン、モノエチルトリエトキシシラン、モノエチルトリメトキシシラン、モノプロピルトリエトキシシラン、モノプロピルトリメトキシシラン、モノブチルトリエトキシシラン、モノブチルトリメトキシシラン、モノペンチルトリエトキシシラン、モノペンチルトリメトキシシラン、モノヘキシルトリエトキシシラン、モノヘキシルトリメトキシシラン、モノヘプチルトリエトキシシラン、モノヘプチルトリメトキシシラン、モノオクチルトリエトキシシラン、モノオクチルトリメトキシシラン、モノノニルトリエトキシシラン、モノノニルトリメトキシシラン、モノデシルトリエトキシシラン、モノデシルトリメトキシシラン、モノドデシルトリエトキシシラン、モノドデシルトリメトキシシラン、モノオクタドデシルトリエトキシシラン、モノオクタドデシルトリメトキシシランなどが挙げられる。
【0040】
アリル基としてはビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなど、アリール基としてはフェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランなど、グリシジル基としてγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなど、アミノ基としてγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。好ましくは、モノプロピルトリエトキシシラン、モノプロピルトリメトキシシラン、モノブチルトリエトキシシラン、モノブチルトリメトキシシラン、モノペンチルトリエトキシシラン、モノペンチルトリメトキシシラン、モノヘキシルトリエトキシシラン、モノヘキシルトリメトキシシラン、モノヘプチルトリエトキシシラン、モノヘプチルトリメトキシシラン、モノオクチルトリエトキシシラン、モノオクチルトリメトキシシランなどが挙げられる。
【0041】
これら以外にも、成膜した膜の耐溶剤性などに悪影響を及ぼさない範囲で、他のジアルコキシシラン及び又はモノアルコキシシランを適量加えてもよい。ジアルコキシシランとしては、上記に含まれているものの他、ジエトキシジメチルシラン、ジエトキシジフェニルシラン、ジエトキシジビニルシラン、ジエトキシ−3−グリシドキシプロピルメチルシラン、ジエトキシメチルシラン、ジエトキシメチルフェニルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、ジメトキシジメチルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジメトキシメチルフェニルシランなどが挙げられる。
【0042】
モノアルコキシシランとしては、エトキシジメチルビニルシラン、エトキシトリメチルシラン、エトキシトリフェニルシラン、2−エチルヘキシロキシトリメチルシラン、メトキシジメチルビニルシラン、メトキシトリメチルシラン、などが挙げられる。
【0043】
テトラアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、などが挙げられるが、好ましくはテトラメトキシシラン、テトラエトキシシランがよい。
【0044】
炭素数2以上の置換基のついたSiアルコキシド誘導体は、1〜75重量%、好ましくは2〜50重量%の割合で含むよう反応時に仕込むのがよい。
【0045】
加水分解反応時に使用される有機溶剤としては、Siアルコキシド誘導体の加水分解反応及び引続いて進行する脱水縮合反応に支障のない有機溶剤であれば、特に制約は無い。また、加水分解反応及び脱水縮合反応後、有機溶剤を用いて適宜希釈してもよい。
【0046】
これら本発明で用いられる有機溶剤としては、アルコール系溶媒、グリコール系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、アミド系溶媒、非プロトン系溶媒などが使用できる。
【0047】
例えば、アルコール系溶媒として、メタノール、エタノール、プロパノール、 iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、iso−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノール、3−メトキシブタノール、ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、ノニルアルコール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコールなどが挙げられる。
【0048】
グリコール系溶媒としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ペンタンジオール−2,4、ヘキサンジオール−2,5などが挙げられる。
【0049】
エーテル系溶媒としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテルなどの多価アルコール部分エーテル系溶媒、さらにエチルエーテル、プロピルエーテル、ブチルエーテル、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
【0050】
ケトン系溶媒としては、アセトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−iso−ブチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、さらにアセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、2,4−ヘキサンジオン、2,4−ヘプタンジオンなどのβ−ジケトン類などが挙げられる。
【0051】
エステル系溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸iso−プロピル、酢酸ブチル、酢酸iso−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸iso−アミル、シュウ酸ジエチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、マロン酸ジエチル、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
【0052】
アミド系溶媒としては、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどが挙げられる。
【0053】
非プロトン系溶媒としては、アセトニトリル、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。
【0054】
以上の有機溶媒は、1種あるいは2種以上を混合して使用することができる。
【0055】
本発明における加水分解反応時に使用する溶媒としては、水を溶解させるようなアルコール系溶媒及び又はケトン系溶媒及び又は多価アルコール部分エーテル系溶媒を少なくとも1種以上を含んだ混合液が好ましい。
【0056】
酸性触媒としては、塩酸、硝酸、硫酸などの無機酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸などの有機酸が用いられる。これら酸性触媒は1種あるいは2種類以上を同時に使用してもよい。
【0057】
加水分解反応は、前記Siアルコキシド誘導体、有機溶剤、水及び酸性触媒を均一溶液にして行われる。この際に用いられる水の量は、Siアルコキシド誘導体の量により変動するが、通常シリコンアルコキシド誘導体1モルに対して水を1〜50倍モル、好ましくは1〜25倍モルの範囲で選定される。加水分解反応は、還流下で1〜24時間程度好ましくは1〜10時間行う。また、室温で加水分解反応をしても良く、この場合は1〜10日、好ましくは1〜3日がよい。
【0058】
このように加水分解反応及び脱水縮合を行った後、適宜有機溶剤を追加して濃度調整を行ってもよい。
【0059】
本発明で得られた塗布液を用いて基板上へ誘電体膜を形成する方法としては、例えば、スピンコート法、ディップ法、スプレー法、ロールコート法などを挙げることができる。この際、基板の種類や形に特に制約はない。塗布する誘電体層の膜厚は、用途によって異なるが、一般的には単層で0.1〜1.0um程度である。
【0060】
また、本発明の塗布液は、耐クラック性にも優れており、基板上にパターンが形成されている場合でも、クラックや剥がれの無い状態で、下地パターン部分を埋め込んで平坦化することができる。この場合、塗布液であるためパターン凹部には液が溜まることにより、凹凸部の平坦化ができる。下地部分が平坦化されると、引続いて積層される金属膜や絶縁膜などにもボイドやクラックなどが入り難くなるので都合がよい。
【0061】
塗布後直ちに、熱処理されるが、条件としては、例えば150℃で1分及び200℃で1分のホットプレート処理後、200℃で30〜180分熱処理する。又は、120℃で1分のホットプレート処理後、オーブンにより120℃で30〜180分熱処理する。いずれの工程も、大気中でも窒素雰囲気中でもよい。
【0062】
このようにして成膜された本発明の誘電体層は、比誘電率で3〜6、リーク電流値が10−8A/cm以下の極めてリーク電流の低い誘電体層を得ることができる。
【0063】
本発明の塗布液は、この塗布液から形成される1層の単膜で誘電体膜として用いてもよいが、別の高誘電体膜と積層して用いてもよい。
【0064】
次に、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの例により何ら制限されるものではない。なお、膜厚は、特に記述がない場合、全て約200nmになるよう、塗布液は加水分解後適宜エタノールを添加し希釈して用いた。
[膜厚の測定]
【0065】
4インチのSi基板上にスピンコーター(エムセテック株式会社製のMS―132)を用いて塗布し、エリプソメーター(株式会社溝尻光学工業所製のDHA−OLX)で633nmの波長で測定した。
[電気特性評価]
【0066】
基板として、P型<100>、比抵抗率0.02Ω・cm以下のシリコンウエハーを用いた。このシリコンウエハー上に塗布液を塗布し熱処理後、塗布膜上にメタルマスクを用いて蒸着により銀電極を直径1mmで形成し、リーク電流及び比誘電率の測定を以下の装置を用いて行った。
【0067】
リーク電流 :ケースレー社製
237 HIGH VOLTAGE SOURCE MEASURE UNIT
印加電圧 0〜−5V
ステップ 200mV/sec
比誘電率測定 :アジレントテクノロジー社製
HP4284プレシジョンLCRメータ
測定周波数 1KHz
[疎水性評価]
【0068】
疎水性の評価は、協和界面科学社製の接触角測定装置(型番CA−S150型)を用いて膜表面に滴下した水の接触角を測定することにより行った。
【0069】
測定条件は、
基板 :Siウエハー
成膜温度 :120℃で60分又は200℃で60分
測定温度 :室温
で行った。
【実施例1】
【0070】
加水分解反応:
テトラエトキシシラン 11.2g
オクチルトリエトキシシラン 7.5g
1−ブタノール 23.5g
プロピレングリコール 27g
モノプロピルエーテル
純水 3.3g
1%HNO水溶液 3.4g
を三口フラスコに順次入れた。
【0071】
三口フラスコの1つの口にはジムロートなどの冷却管、もう一つの口には温度計を挿入し、残った口は栓をした。
【0072】
約15分間室温にて攪拌後、マントルヒーターにて三口フラスコを加熱し、混合液を5時間還流した。還流温度は92℃であった。5時間の還流反応後、加熱を止め一晩自然放冷して塗布液とした。
【0073】
得られた塗布液をSiウエハーにスピンコーターを用いて塗布した。その後120℃で1分ホットプレートによりベークし、引続きオーブンにより120℃で60分キュアーした。
【実施例2】
【0074】
加水分解反応:
テトラエトキシシラン 6.25g
ペンチルトリエトキシシラン 7.0g
1−ブタノール 17.44g
プロピレングリコール 20g
モノプロピルエーテル
純水 2.21g
1%HNO水溶液 2.52g
を三口フラスコに順次入れた。
【0075】
以降の手順は、実施例1と同様に行った。
【実施例3】
【0076】
加水分解反応:
テトラエトキシシラン 12.5g
メチルトリエトキシシラン 10.7g
プロピルリエトキシシラン 6.18g
1−ブタノール 15g
プロピレングリコール 15g
モノプロピルエーテル
エタノール 5g
純水 11.02g
1%HNO水溶液 0.5g
を三口フラスコに順次入れた。
【0077】
以降の手順は、実施例1と同様に行った。
【実施例4】
【0078】
加水分解反応:
テトラエトキシシラン 14.6gg
メチルトリエトキシシラン 18.7g
オクチルトリエトキシシラン 9.7g
1−ブタノール 20.6g
プロピレングリコール 20.6g
モノプロピルエーテル
エタノール 10.3g
純水 14.87g
1%HNO水溶液 0.88g
を三口フラスコに順次入れた。
【0079】
以降の手順は、熱処理温度を200℃で60分に変えた点を除き実施例1と同様に行った。
【実施例5】
【0080】
図2に示すように、まず塗布型高誘電体(ここでは、ラサ工業株式会社製の商品名「RASA TI」)2をSi基板1上に塗布し、150℃で1分及び200℃で1分ベーク処理し、引続きこの高誘電体2層の上に実施例4の塗布膜3を積層して200℃で60分熱処理し、塗布膜3上にメタルマスクを用いて蒸着により一対の銀電極4を直径1mmで形成し、同様に電気特性を評価した。各膜厚は、塗布型高誘電体2膜が0.2um、この上に積層した実施例4の塗布膜3は0.1umである。
【0081】
得られた電気特性は、表1に示すように、リーク電流で10−9A/cm(@−5V印加時)、比誘電率で11.2(@1KHz)が得られた。この値は、CVDで得られるシリコン窒化膜と比べ、リーク電流で同等、比誘電率はシリコン窒化膜が約6〜7であるので、比誘電率はシリコン窒化膜よりも高い値が得られた。

【表1】

【0082】
それぞれ単層膜で見ると、実施例4の塗布膜は比誘電率が足らず、塗布型高誘電体は比誘電率が十分高いがリーク電流が悪い。それにもかかわらず、これら2層を積層することにより、リーク電流を低電流レベルに保ちながらかつ比誘電率をシリコン窒化膜の約7よりも高い値にすることができた。
[比較例1]
【0083】
実施例2で、オクチルトリエトキシシランを全量削除し、代わりにメチルトリエトキシシランを同モル数として5.3g添加し、他は全て実施例2と同様に操作した。
【0084】
リーク電流は10−5A/cm以上で、本発明品と比べて1000倍以上大きなリーク電流が流れた。
【0085】
以上の実施例1〜5及び比較例1のリーク電流評価の一覧を表2に示す。

【表2】

【0086】
また、実施例1〜5及び熱酸化膜(SiO膜)の疎水性評価の結果を表3に示す。
【表3】

本発明のいずれの塗布膜も、純粋なSiO膜である熱酸化膜よりも1.9倍以上接触角が高く、疎水性を示す膜であることが判明した。
【0087】
このように、本発明によれば、半導体素子の製造において使用される誘電体層として有用な塗布膜が、塗布法でかつ120℃〜200℃という低温で得ることができる。また、絶縁性を表す、リーク電流5×10−A/cm以下であることは、CVD法で得られるシリコン窒化膜に匹敵する低いレベルの値である。
【0088】
なお、本発明の特許請求の範囲に示す技術的思想の範囲において上記実施の形態を様々に変更できることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、リーク電流の低い誘電体層を低温で成膜することができる塗布液であって、比誘電率の高い膜に積層した場合は低リーク電流を保ちつつ高誘電体層を形成できるので、200℃以下の低温プロセスが必要な有機TFTの製造プロセスなどに非常に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の実施例の(a)テトラエトキシシランとメチルトリエトキシシランのモル比1:1混合物、(b)テトラエトキシシランとプロピルトリエトキシシランのモル比1:1混合物、(c)テトラエトキシシランとペンチルトリエトキシシランのモル比1:1混合物、(d)テトラエトキシシランとオクチルトリエトキシシランのモル比1:1混合物をそれぞれ有機溶媒中で加水分解した誘電体層形成用塗布液による塗布膜のフーリエ変換赤外吸収スペクトル測定結果のチャートである。
【図2】本発明の一実施の形態の誘電体層形成用塗布液による塗布膜を高誘電体膜と積層して電気特性を評価する実施例の概念図である。
【符号の説明】
【0091】
1 Si基板
2 塗布型高誘電体
3 塗布膜
4 銀電極


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式Si(OR、及びRSi(ORで表されるSiアルコキシド、これらの部分加水分解物及び縮合物から選ばれる一種以上のSiアルコキシド誘導体を主成分として有機溶剤に溶解してなることを特徴とする誘電体層形成用塗布液。
(ここで、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜8のアルキル基であり、Rは炭素数2以上の置換基である。aはSiの価数であり、b、cはそれぞれ1以上の整数でb+cがSiの価数である。)
【請求項2】
前記RSi(ORのRの置換基は、好ましくは炭素数3以上のアルキル基から選ばれ少なくとも1種以上を有することを特徴とする請求項1記載の誘電体層形成用塗布液。
【請求項3】
請求項1,2記載の塗布液は、120℃乃至200℃で誘電体層への塗布膜を成膜できることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の誘電体層形成用塗布液。
【請求項4】
前記塗布液を基板上に塗布し焼成して得られた薄い塗布膜が、比誘電率3以上であり、かつ10−8A/cm以下のリーク電流特性を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の誘電体層形成用塗布液。
【請求項5】
前記塗布膜の表面が疎水性の性質を有していることを特徴とする請求項4記載の誘電体層形成用塗布液。
【請求項6】
前記塗布膜を高誘電体膜と積層することにより、低リーク電流及び高比誘電率がシリコン窒化膜と同等以上の特性が得られることを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれか1項記載の誘電体層形成用塗布液。
【請求項7】
一般式Si(OR、及びRSi(ORで表されるSiアルコキシド、これらの部分加水分解物及び縮合物から選ばれる一種以上のSiアルコキシド誘導体を主成分として有機溶剤中における酸性触媒下で水分量2〜50重量%、好ましくは5〜30重量%の量で加水分解し、有機溶剤で濃度調整をすることを特徴とする誘電体層形成用塗布液の製造方法。
(ここで、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜8のアルキル基であり、Rは炭素数2以上の置換基である。aはSiの価数であり、b、cはそれぞれ1以上の整数でb+cがSiの価数である。)
【請求項8】
前記RSi(ORのRの置換基は、好ましくは炭素数3以上のアルキル基から選び少なくとも1種以上を有することを特徴とする請求項7記載の誘電体層形成用塗布液の製造方法。
【請求項9】
前記炭素数2以上の置換基のついたSiアルコキシド誘導体は、1〜75重量%、好ましくは2〜50重量%の割合で含むよう反応時に仕込むことを特徴とする請求項7又は請求項8記載の誘電体層形成用塗布液の製造方法。
【請求項10】
前記加水分解反応時に使用する溶媒として、水を溶解させるアルコール系溶媒及び/又はケトン系溶媒及び/又は多価アルコール部分エーテル系溶媒を少なくとも1種以上を含んだ混合液を用いることを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれか1項記載の誘電体層形成用塗布液の製造方法。
【請求項11】
前記加水分解反応の際に用いられる水の量は、通常Siアルコキシド誘導体1モルに対して水を1〜50倍モル、好ましくは1〜25倍モルの範囲で選定し、Siアルコキシド誘導体の量により変動することを特徴とする請求項7乃至請求項10のいずれか1項記載の誘電体層形成用塗布液の製造方法。
【請求項12】
前記酸性触媒として、塩酸、硝酸、硫酸などの無機酸及び/又はギ酸、酢酸、プロピオン酸などの有機酸を少なくとも1種以上を含んだ混合液を用いることを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれか1項記載の誘電体層形成用塗布液の製造方法。

【図2】
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【図1】
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【公開番号】特開2010−135470(P2010−135470A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−308344(P2008−308344)
【出願日】平成20年12月3日(2008.12.3)
【出願人】(000115500)ラサ工業株式会社 (19)
【Fターム(参考)】