説明

読取装置及び読取システム

【課題】無線通信媒体の読取結果を予め用意した基準に基づいて容易に且つ適切に判断することができ、且つその判断の基準となる情報を第三者が取得し難い構成を提供する。
【解決手段】、読取装置2は、一部非公開コードCが撮像されたときに、この一部非公開コードCの公開領域を読み取り、公開領域に記録された連携識別子(所定情報)が解読されたことを条件として通信可能エリア内の無線タグ50を読み取っている。更に、この無線タグ50の読取結果と、一部非公開コードCにおける非公開領域Cbの解読結果とを比較し、その比較結果を表示部13等に出力している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、読取装置及び読取システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、様々な物品の管理にRFIDタグが用いられている。RFIDを用いた管理方法としては、例えば、管理対象エリア内の物品にRFIDタグを付すと共にこのRFIDタグに物品情報などを記録しておき、この物品情報を利用して商品購入時の精算を行ったり、或いは物品に付されたRFIDタグを監視して不正な持ち運びなどを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−299422公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のようにRFIDタグを物品に付して管理を行う場合、これと併用して他情報による管理を行うべき場合もある。例えば、RFIDタグが付された物品を複数まとめて管理する場合、これら物品の個数管理を正確に行うことが求められることも多い。しかしながら、RFIDシステムでは、一般的に、RFIDタグの読取時の個数を把握することができるが、この個数が正しい値であるか否かは何らかの基準情報(比較情報)がなければ判断できない。従って、このような個数管理を行う場合、例えば、正しい個数情報を何らかの方法で別途用意しておき、個数検査時には、実際に読み取られたタグ数と別途用意された個数情報とを比較するといった方法を用いる必要がある。
【0005】
上記のような個数管理を行う場合、例えば情報コードなどに正しい個数情報(基準情報)を記録しておき、これをRFIDタグの付近などに配置しておけば、個数検査時に容易に用いることができるようになり、実際の読取結果が正しいか否かを個数情報(基準情報)に基づいて判断できるようになる。
【0006】
しかしながら、このような個数情報などの基準情報は、改ざんなどによって悪用される懸念もあり、第三者が容易に取得できないようにすべき場合も多い。例えば、収容箱に多数収容された高価な物品の個数管理を行うような場合、正しい個数情報を予め情報コードに記録しておくと、この情報コードが第三者によって容易に読み取られ、記録内容が箱内の個数情報であることを察知されてしまう懸念がある。また、場合によっては、個数情報を改ざんした新たなコードが作成されてしまう虞がある。このような問題点から、読取結果を比較する上で基準となる情報を第三者が容易に取得できない構成が求められている。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、無線通信媒体の読取結果を予め用意した基準に基づいて容易に且つ適切に判断することができ、且つその判断の基準となる情報を第三者が取得し難い構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、公開領域と、暗号化キーに基づいて暗号化された暗号データが記録された非公開領域とを有すると共に、前記公開領域に所定情報が記録されてなる一部非公開コードを撮像可能な撮像手段と、前記暗号化キーに対応する解読キーを記憶可能な解読キー記憶手段と、前記撮像手段によって前記一部非公開コードが撮像された場合に、前記公開領域のデータを解読すると共に、前記解読キー記憶手段に前記解読キーが記憶されていることを条件として前記非公開領域のデータを解読する解読手段と、無線通信媒体を無線通信によって読み取る無線読取手段と、備えた読取装置であって、前記無線読取手段が、前記公開領域に記録された前記所定情報が前記解読手段によって解読されたことを条件として通信可能エリア内の前記無線通信媒体を読み取る構成をなしており、更に、前記無線読取手段による前記無線通信媒体の読取結果と、前記解読手段による前記非公開領域の解読結果とを比較する比較手段と、前記比較手段による比較結果を出力する出力手段と、が設けられていることを特徴としている。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載の読取装置において、更に、前記一部非公開コードが、前記非公開領域に個数情報が記録されたものであり、前記比較手段が、前記非公開領域に記録された前記個数情報と、前記無線読取手段によって読み取られた前記無線通信媒体の個数とが所定の一致条件を満たすか否かの一致判断を行っており、前記出力手段が、前記比較手段による前記一致判断の結果を出力することを特徴としている。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1に記載の読取装置において、前記無線通信媒体が、物品に付されると共に当該物品に関する情報を記録した記録部を有するものであり、前記一部非公開コードが、前記物品を収容する収容手段に付されると共に、前記非公開領域に少なくとも物品情報が記録されたものであり、前記比較手段が、前記非公開領域に記録された前記物品情報と、前記無線読取手段によって読み取られた前記物品に関する情報とが所定の対応関係にあるか否かを比較判断しており、前記出力手段が、前記比較手段による前記比較判断の結果を出力することを特徴としている。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の読取装置において、更に、ユーザによるアクセスが可能となるアクセス領域と、ユーザによるアクセスが制限された非アクセス領域とを備えたメモリが設けられており、前記解読手段が、前記公開領域に記録される前記所定情報を解読した場合に、前記非公開領域の解読結果を前記非アクセス領域に書き込み、前記比較手段が、前記非アクセス領域に書き込まれた前記非公開領域の解読結果と、前記無線読取手段による前記無線通信媒体の読取結果とを比較することを特徴としている。
【0012】
請求項5の発明は、請求項4に記載の読取装置において、更に、前記比較手段により前記無線通信媒体の読取結果と前記非公開領域の解読結果とが比較された後に、前記非アクセス領域に書き込まれた前記非公開領域の解読結果を消去する消去手段が設けられていることを特徴としている。
【0013】
請求項6の発明は、公開領域と、暗号化キーに基づいて暗号化された暗号データが記録された非公開領域とを有すると共に、前記公開領域に所定情報が記録されてなる一部非公開コードと、前記一部非公開コードを読取可能な読取装置と、を備えた読取システムであって、前記読取装置が、前記一部非公開コードを撮像可能な撮像手段と、前記暗号化キーに対応する解読キーを記憶可能な解読キー記憶手段と、前記撮像手段によって前記一部非公開コードが撮像された場合に、前記公開領域のデータを解読すると共に、前記解読キー記憶手段に前記解読キーが記憶されていることを条件として前記非公開領域のデータを解読する解読手段と、前記公開領域に記録された前記所定情報が前記解読手段によって解読されたことを条件として通信可能エリア内の無線通信媒体を読み取る無線読取手段と、
前記無線読取手段による前記無線通信媒体の読取結果と、前記解読手段による前記非公開領域の解読結果とを比較する比較手段と、前記比較手段による比較結果を出力する出力手段と有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明では、公開領域に記録された所定情報が解読手段によって解読されたことを条件として無線読取手段が通信可能エリア内の無線通信媒体を読み取るように構成されている。このようにすると、公開領域に所定情報を記録しておくことでコードの読み取りと無線通信媒体の読み取りとを連携させることができ、複雑な操作や処理の遅延を極力抑えて無線読取にスムーズに移行しやすくなる。
また、無線読取手段による無線通信媒体の読取結果と、解読手段による非公開領域の解読結果とを比較する比較手段と、比較手段による比較結果を出力する出力手段とが設けられているため、無線通信媒体の読取結果を予め用意した基準に基づいて容易に且つ適切に判断することができ、更には、その判断の基準となる情報が暗号化された状態で非公開領域に記録されているため、この情報を第三者が取得することは極めて困難となる。
【0015】
請求項2の発明は、非公開領域に個数情報が記録された一部非公開コードを読取対象としており、比較手段は、非公開領域に記録された個数情報と、無線読取手段によって読み取られた無線通信媒体の個数とが所定の一致条件を満たすか否かの一致判断を行っている。そして、出力手段は、比較手段による一致判断の結果を出力している。このようにすると、予め用意された個数情報に基づき、実際の読取個数が適切か否かを正確に判断することができる。更に、その個数情報は暗号化された状態で非公開領域に記録されているため、第三者によって改ざんされるといった事態を防止することができ、無線通信媒体の実際の読取個数が常に正確な基準に基づいて判断されやすくなる。
【0016】
請求項3の発明では、物品に付されると共に当該物品に関する情報を記録した記録部を有する無線通信媒体を通信対象とし、物品を収容する収容手段に付されると共に非公開領域に少なくとも物品情報が記録された一部非公開コードを読取対象としている。そして、比較手段は、非公開領域に記録された物品情報と、無線読取手段によって読み取られた物品に関する情報とが所定の対応関係にあるか否かを比較判断し、出力手段は、比較手段による比較判断の結果を出力している。
このようにすると、収容手段に収容される物品が、予め用意されている基準情報(非公開領域に記録された物品情報)に照らして適切であるか否かを判断することができ、特に、このような判断を収容手段の外側から行うことができる。また、その物品情報は暗号化された状態で非公開領域に記録されているため、第三者に把握されたり或いは改ざんされたりする事態を効果的に防止することができる。
【0017】
請求項4の発明では、ユーザによるアクセスが可能となるアクセス領域と、ユーザによるアクセスが制限された非アクセス領域とを備えたメモリが設けられ、解読手段は、公開領域に記録される所定情報を解読した場合に、非公開領域の解読結果を非アクセス領域に書き込み、比較手段は、非アクセス領域に書き込まれた非公開領域の解読結果と、無線読取手段による無線通信媒体の読取結果とを比較している。このようにすると、非公開領域の解読結果が非アクセス領域で処理されるため、非公開領域に記録された情報が読取装置を介して間接的に漏洩することも防止することができる。
【0018】
請求項5の発明は、比較手段により無線通信媒体の読取結果と非公開領域の解読結果とが比較された後に、非アクセス領域に書き込まれた非公開領域の解読結果を消去する消去手段が設けられている。このようにすると、非公開領域に記録された情報の漏洩をより一層確実に防止することができる。
【0019】
請求項6の発明の発明によれば、請求項1と同様の効果を奏する読取システムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、第1実施形態に係る読取システムを概略的に説明する説明図である。
【図2】図2は、図1の読取システムで用いられる読取装置の電気的構成を例示するブロック図である。
【図3】図3(A)は、図2の読取装置における無線リーダ部を例示するブロック図であり、図3(B)は、図2の読取装置における情報コード読取部を例示するブロック図である。
【図4】図4は、無線タグの電気的構成を例示するブロック図である。
【図5】図5は、図1の読取システムで用いられる一部非公開コードのコード構成を概念的に説明する説明図である。
【図6】図6(A)は、図5の一部非公開コードのデータ構成を例示する説明図であり、図6(B)は、その一部非公開コードの公開領域に記録する公開データを例示する説明図であり、図6(C)は、その一部非公開コードの非公開領域に記録する暗号データを例示する説明図である。
【図7】図7は、読取装置で行われる読取処理の流れを例示するフローチャートである。
【図8】図8は、読取装置のメモリ内の構成を概念的に説明する説明図である。
【図9】図9(A)は、各無線タグに記録される記録情報を概念的に示す説明図であり、図9(B)は、非公開領域に記録される非公開データを概念的に説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[第1実施形態]
以下、本発明の読取装置及び読取システムを具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
(読取システムの全体構成)
まず、図1〜図4等を参照して読取システムの全体構成を概説する。図1は、第1実施形態に係る読取システムを概略的に説明する説明図である。図2は、図1の読取システムで用いられる読取装置の電気的構成を例示するブロック図である。図3(A)は、図2の読取装置における無線リーダ部を例示するブロック図であり、図3(B)は、図2の読取装置における情報コード読取部を例示するブロック図である。図4は、無線タグの電気的構成を例示するブロック図である。
【0022】
図1に示すように、本実施形態に係る読取システム1は、主として読取装置2と一部非公開コードCと無線タグ50とによって構成されており、読取装置2が、読取対象物Rに付された一部非公開コードCや物品に付された無線タグ50を読み取るように構成されている。
【0023】
読取装置2は、ユーザによって携帯されて様々な場所で用いられる携帯情報端末として構成されており、バーコードや二次元コードなどの情報コードを読み取る情報コードリーダとしての機能と、無線タグを読み取る無線タグリーダとしての機能とを備え、読み取りを二方式で行いうる構成をなしている。
【0024】
図2に示すように、読取装置2は、全体的制御を司る制御部10を備えており、この制御部10に、メモリ11、キー操作部12、表示部13、外部インターフェース14、無線リーダ部20、情報コード読取部30、無線通信部40などが接続されている。
【0025】
制御部10は、マイコンを主体として構成されるものであり、CPU、システムバス、入出力インターフェース等を有し、メモリ11とともに情報処理装置として機能している。キー操作部12は、複数のキーによって構成され、使用者のキー操作に応じて制御部10に対して操作信号を与える構成をなしており、制御部10は、キー操作部12から操作信号を受けたとき、その操作信号に応じた動作を行うように構成されている。表示部13は、例えば液晶表示器などによって構成されており、制御部10によって表示内容が制御されるように構成されている。また、外部インターフェース14は、外部(例えばホスト装置)との間でのデータ通信(例えば、ケーブルを介したシリアル通信等)を行うためのインターフェースとして構成されており、制御部10と協働して通信処理を行う構成をなしている。また、読取装置2には、電源となるバッテリ15や電源部16が設けられており、これらによって制御部10や各種電気部品に電力が供給されている。
【0026】
無線リーダ部20は、アンテナ25及び制御部10と協働して無線タグ50との間で電磁波による通信を行い、無線タグ50に記憶されるデータの読み取り、或いは無線タグ50へのデータの書き込みを行うように機能している。この無線リーダ部20は、公知の電波方式で伝送を行う回路として構成されており、図3(A)に示すように、送信回路21、受信回路22、整合回路23などを有している。
【0027】
送信回路21は、キャリア発振器、符号化部、増幅器、送信部フィルタ、変調部などによって構成されており、キャリア発振器から例えば周波数953MHzのキャリア(搬送波)が出力される構成をなしている。また、符号化部は、制御部10に接続されており、当該制御部10より出力される送信データを符号化して変調部に出力している。変調部は、キャリア発振器からのキャリア(搬送波)、及び符号化部からの送信データが入力される部分であり、キャリア発振器より出力されるキャリア(搬送波)に対し、通信対象へのコマンド送信時に符号化部より出力される符号化された送信符号(変調信号)によってASK(Amplitude Shift Keying)変調された被変調信号を生成し、増幅器に出力している。増幅器は、入力信号(変調部によって変調された被変調信号)を所定のゲインで増幅し、その増幅信号を送信部フィルタに出力しており、送信部フィルタは、増幅器からの増幅信号をフィルタリングした送信信号を、整合回路23を介してアンテナ25に出力している。このようにしてアンテナ25に送信信号が出力されると、その送信信号が電磁波として当該アンテナ25より外部に放射される。
【0028】
一方、アンテナ25によって受信された電波信号は、整合回路23を介して受信回路22に入力される。この受信回路22は、受信部フィルタ、増幅器、復調部、二値化処理部、複号化部などによって構成されており、アンテナ25を介して受信された信号を受信部フィルタによってフィルタリングした後、増幅器によって増幅し、その増幅信号を復調部によって復調する。そして、その復調された信号波形を二値化処理部によって二値化し、復号化部にて復号化した後、その復号化された信号を受信データとして制御部10に出力している。
【0029】
通信対象となる無線タグ50は、ハードウェア的には例えば公知のRFIDタグとして構成され、図4に示すように、アンテナ51,電源回路52,復調回路53,制御回路54,メモリ55,変調回路56などによって構成されている。電源回路52は、アンテナ51を介して受信した読取装置2からの送信信号(キャリア信号)を整流、平滑して動作用電源を生成するものであり、その動作用電源を、制御回路54をはじめとする各構成要素に供給している。また、復調回路53は、送信信号(キャリア信号)に重畳されているデータを復調して制御回路54に出力している。メモリ55は、ROM,EEPROM等の各種半導体メモリによって構成されており、制御プログラムや無線タグ50を識別するためのタグ識別情報(タグID)、無線タグ50の用途に応じてユーザが設定したデータ(商品データ、物流データ等)などが記憶されている。制御回路54は、メモリ55から上記情報やデータを読み出し、それを送信データとして変調回路56に出力する構成をなしており、変調回路56は、キャリア信号を当該送信データで負荷変調してアンテナ51から反射波として送信するように構成されている。
【0030】
情報コード読取部30は、図3(B)に示すように、CCDエリアセンサなどの固体撮像素子からなる受光センサ33、結像レンズ37、複数個のLEDやレンズ等から構成される照明部31などを備えた構成をなしており、制御部10と協働して読取対象物Rに付された情報コードを読み取るように機能する。なお、本実施形態では、情報コードとしてQRコードとして構成される一部非公開コードCが用いられている。
【0031】
この情報コード読取部30では、例えば一部非公開コードCの読み取りを行う場合、まず、制御部10から指令を受けた照明部31にて照明光Lfが出射され、この照明光Lfが読取口(図示略)を通って読取対象物Rに照射されるようになっている。そして、照明光Lfが一部非公開コードCにて反射した反射光Lrは読取口を通って装置内に取り込まれ、結像レンズ37を通って受光センサ33に受光される。なお、受光センサ33は、「撮像手段」の一例に相当する。
【0032】
読取口(図示略)と受光センサ33との間に配される結像レンズ37は、一部非公開コードCの像を受光センサ33上に結像させる構成をなしており、受光センサ33はこの一部非公開コードCの像に応じた受光信号を出力する。受光センサ33から出力される受光信号は、画像データとしてメモリ11(図2)に記憶され、デコード処理などに用いられるようになっている。なお、情報コード読取部30には、受光センサ33からの信号を増幅する増幅回路や、その増幅された信号をデジタル信号に変換するAD変換回路等が設けられているがこれらの回路については図示を省略している。
【0033】
(一部非公開コードの構成)
次に、情報コード読取部30によって読み取られる一部非公開コードCについて図5、図6等を参照して説明する。
図5は、第1実施形態に係る読取システム1で用いられる一部非公開コードのコード構成を概念的に説明する説明図である。また、図6(A)は、図5の一部非公開コードのデータ構成を例示する説明図であり、図6(B)は、その一部非公開コードの公開領域に記録する開示データを例示する説明図であり、図6(C)は、その一部非公開コードの非公開領域に記録する暗号データを例示する説明図である。なお、図1、図5では、一部非公開コードの具体的セル構成は省略しているが、公知のQRコードと同様の構成(明色セル及び暗色セルをマトリックス状に配列した構成)とすることができる。
【0034】
一部非公開コードCは、図5に示すように、暗号化キーを用いずに読み取りが可能となる非暗号化データ(公開データ)が記録される公開領域Caと、暗号化キーによって暗号化された暗号化データ(非公開データ)が記録される非公開領域Cbと、誤り訂正符号が記録される誤り訂正領域とを備えている。更に、本実施形態では、公開領域Caに後述する連携識別子(所定情報)が記録され、非公開領域Cbに後述する個数情報や物品名情報などが記録されていることを特徴としている。
【0035】
一部領域を非公開領域(暗号化キーに対応する解読キーの取得を条件として読み取り可能な領域)とし、他の領域を公開領域(解読キーを用いずに読み取り可能な領域)とする一部非公開コードCの生成方法や生成される一部非公開コードCの具体的構成としては、例えば、特開2009−9547公報、特開2008−299422公報などに開示された技術を好適に用いることができる。図6(A)には、これら公報の技術を利用して生成される一部非公開コードCのデータ構成を例示しており、このうち、「開示コード」は、図6(B)のような各開示データをJISの基本仕様(JISX0510:2004)に従って符号化したものである。また、秘匿コードは、図6(C)のような各暗号データをJISの基本仕様(JISX0510:2004)に従って符号化したものである。なお、特開2009−9547公報、特開2008−299422公報に示す方法では、非公開領域に記録される秘匿コード内に復号キーや復号キーを特定しうる復号キー検査データが含まれているが、本実施形態では、非公開領域内に復号キーや復号キー検査データを含ませないようにしている。
【0036】
また、一部非公開コードCの読み取り方法は基本的には上記特開2009−9547公報、特開2008−299422公報の場合と同様であり、まず、先頭から終端子までのデータを公知のQRコードと同様の方法で読み取り、その後、所定位置(図6(A)の例では終端子の直後)に秘匿識別子があるか否かを判断し、秘匿識別子が存在する場合には、その秘匿識別子の後に続く非公開領域のデータを読み取ることになる。この非公開領域のデータは上述したように暗号化キーによって暗号化されているため、携帯端末内に暗号化キーが存在する場合のみ解読できる。
【0037】
なお、一部非公開コードCの生成方法や生成される一部非公開コードCの具体的構成はこの例に限られるものではなく、一部領域に暗号化データを記録し、他の領域に非暗号化データを記録した二次元コードを生成可能な方法であれば、これら公報に記載された方法以外の方法で生成されていてもよい。
【0038】
更に、本実施形態で用いられる一部非公開コードCは、公開領域Caに記録されるデータ内において所定位置(図6(A)の例では公開領域の終わりを示す終端子の直前)に連携識別子(所定情報)が設けられている。この連携識別子は、後述する読取処理において無線タグの読み取り開始条件となる識別子であり、予め定められた特定の番号で構成されている。
【0039】
(読取処理)
次に、読取装置2で行われる読取処理について図7〜図9等を参照して説明する。なお、図7は、読取装置で行われる読取処理の流れを例示するフローチャートであり、図8は、読取装置のメモリ内の構成を概念的に説明する説明図である。図9(A)は、各無線タグに記録される記録情報を概念的に示す説明図であり、図9(B)は、非公開領域に記録される非公開データを概念的に説明する説明図である。
【0040】
図7に示す読取処理は例えば所定操作(例えばキー操作部12に対する所定操作等)が行われたときに実行され、まず情報コードを撮像する撮像処理が行われる(S1)。例えば、図1のように撮像可能エリア内に一部非公開コードCが存在する場合にはこの一部非公開コードCが撮像され、この一部非公開コードCのコード画像がメモリ11に記憶される。
【0041】
S1の撮像処理の後には、公開領域の解読処理が行われる(S2)。図7の読取処理では、情報コードとして、通常のQRコード(非公開領域(解読キーの取得を条件として解読可能となる領域)を含まないQRコード)、及び非公開領域を有するQRコード(一部非公開コードC)のいずれをも読取対象としており、いずれのQRコードの場合でも、S2では公知のQRコードと同様の方式で公開領域(暗号化されていないデータが記録された領域)のデータが読み取られる。具体的には、図6(A)のように、一部非公開コードCの場合にも公開領域のデータの後に通常のQRコードと同様の終端子が設けられており、S2では、公知の通常のQRコードであっても、図5、図6に示す一部非公開コードCであっても終端子の位置までのデータが解読される。なお、「QRコード」は登録商標である。
【0042】
S2の後には、S1で撮像された情報コードのデータの所定位置に秘匿識別子が存在するか否かを判断する判断処理が行われる(S3)。本実施形態で用いられる一部非公開コードCは、記録データの所定位置(図6(A)の例では終端子の直後)に特定の番号からなる秘匿識別子が設けられており、S3では、S1で撮像された情報コードに記録される記録データの所定位置に秘匿識別子を示す特定番号が存在するか否かが判断される。秘匿識別子が存在しない場合には、通常のQRコード(非公開領域(解読キーの取得を条件として解読可能となる領域)を含まないQRコード)であるため、非公開領域の解読処理は行われないことになる。この場合には、S3においてNoとなり、S2での解読結果が出力され(S13)、図7の読取処理は終了する。
【0043】
一方、S3において、秘匿識別子が存在すると判断された場合には、S3にてYesとなり、非公開領域の解読が行われる。本実施形態に係る読取装置2では、非公開領域Cbに記録される暗号データの暗号化に用いる暗号化キーに対応した解読キー(例えば暗号化キー(公開鍵)と同一データ)をメモリ11(図2)に記憶しておくことができ、S1で取得された一部非公開コードCの暗号化キーに対応した解読キーがメモリ11に記録されている場合には、その解読キーを用いて非公開領域Cbに記録された暗号データが解読される。
【0044】
秘匿識別子(所定情報)の解読に応じてS4で解読される非公開領域Cbのデータは、図8のように、メモリ11における非アクセス領域に一時的に書き込まれるようになっている。図8の例では、メモリ11において、ユーザによるアクセスが可能となるアクセス領域と、ユーザによるアクセスが制限された非アクセス領域とが設けられており、アドレス番号が00h〜10hの部分については非アクセス領域とされており、アドレス番号が11h以降の部分についてはアクセス領域とされている。なお、図8では、非公開領域Cbにおいて後述する個数情報及び物品情報が記録されている場合を例示しており、非公開領域の解読データ(個数情報及び物品情報)が非アクセス領域に記録されるようになっている。
【0045】
なお、本実施形態の「アクセス領域」とは、読取装置2に対する外部操作(例えばキー操作部12による操作)によって外部から読み取りが可能な領域であり、「非アクセス領域」は、読取装置2に対する外部操作(例えばキー操作部12による操作)ではアクセスできない領域であってもよく、或いは特別のコマンドや特別なパスワードを条件として外部からアクセスが可能となる領域(即ち、特別のコマンド或いは特別なパスワードを知る者だけがアクセル可能となる領域)であってもよい。
【0046】
なお、本実施形態では、メモリ11が「解読キー記憶手段」の一例に相当し、非公開領域Cbの暗号化キーに対応する解読キーを記憶可能とされている。また、S2、S4の処理を実行する制御部10が「解読手段」の一例に相当し、受光センサ33(撮像手段)によって一部非公開コードCが撮像された場合に、公開領域Caのデータを解読すると共に、メモリ11(解読キー記憶手段)に解読キーが記憶されていることを条件として非公開領域Cbのデータを解読するように機能している。
【0047】
S4の後には、S2又はS4での解読結果に基づき、連携識別子が存在するか否かを判断する判断処理が行われる(S5)。図6(A)に示すように、本実施形態で用いられる一部非公開コードCには、所定位置(例えば、図6(A)のような終端子の直前位置)に特定の番号からなる連携識別子が設けられており、S5では、S1で撮像された一部非公開コードCの記録データ内にこのような連携識別子が含まれているか判断される。一部非公開コードCの記録データの中に連携識別子が含まれていない場合には、S5においてNoとなり、この場合には、S2及びS4での解読結果が出力され(S13)、当該読取処理は終了する。
【0048】
一方、一部非公開コードCの記録データの中に連携識別子が含まれている場合には、S5においてYesとなり、無線タグ50の読取処理が行われる(S6)。そして、このS6の読み取り処理は、所定の終了条件が成立するまで(例えば、予め定められた設定時間が経過するまで)行われる(S7)。
本実施形態では、S6の処理を実行する制御部10及び無線リーダ部20が「無線読取手段」の一例に相当しており、公開領域Caに記録された連携識別子(所定情報)が解読手段によって解読されたことを条件として通信可能エリア内の無線タグ50(無線通信媒体)を読み取るように機能している。
【0049】
本実施形態では、図7の読取処理が例えば図1のような環境で行われ、この例では、物品80が収容される収容箱90(収容箱90は「収容手段」の一例に相当)を読取対象物として読み取りが行われるようになっている。この場合、上述のS1〜S5の処理によって収容箱90に付された一部非公開コードCの解読や判断が行われ、この一部非公開コードCに記録される連携識別子が取得されたときには、S6の読取処理により、収容箱90内の無線タグ50が読み取られることとなる。
【0050】
この図1の例では、収容箱90内の各物品80に無線タグ50が付されており、各無線タグ50のメモリ55(記録部)には、各無線タグ50が付される物品に関する情報(例えば、物品名や商品コードなど)が記録されている。なお、図9(A)では、各無線タグに記録される記録情報を概念的に示しており、この例では、各無線タグ50のメモリ55に、固有ID、付された物品の物品名情報(物品名や商品コード等)、その他の情報(付された物品の価格情報など)がそれぞれ記憶されている。S6の読み取り処理では、各無線タグ50に記録されるこれらの情報が読み取られ、メモリ11に一時的に記憶されることとなる。
【0051】
S6の読み取りが所定の終了条件の成立まで行われた後には、照合処理が行われる(S8)。この照合処理は、S4で解読された非公開領域Cbのデータと、S6での無線タグ50の読取結果とが比較・照合され、これらが所定の一致状態となっているか否かが判断される。例えば図1のように収容箱90に一部非公開コードCが付される場合、一部非公開コードCの非公開領域Cbには、図9(B)のように、収容箱90に入るべき無線タグ50の個数情報(即ち、収容箱90に入るべき物品80の個数情報)としての「無線タグ数」と、収容箱90に入るべき各物品の各物品名情報(各物品の物品名や商品コードなど)とを含んだデータが上述の暗号化キー(公開鍵)を用いて暗号化された上で記録されており、S4では、このような情報が解読されて上述の非アクセス領域(図8)に記憶されている。S8では、このように非アクセス領域に書き込まれた個数情報(無線タグ数)とS6で読み取られた無線タグ50の数とが一致しているか否かを判断し、更に、非アクセス領域に書き込まれた各物品名情報とS6で読み取られた各無線タグ50の各物品名情報とが一致しているか否かを判断する。そして、無線タグ数及び物品名情報がいずれも一致している場合には、照合結果を「一致」としてその旨の情報を一時的に記憶し、無線タグ数又は物品名情報のいずれかが一致していない場合には照合結果を「不一致」としてその旨の情報を一時的に記憶する。
【0052】
なお、S9の処理を実行する制御部10は、「比較手段」の一例に相当し、無線読取手段による無線タグ50(無線通信媒体)の読取結果と、解読手段による非公開領域Cbの解読結果とを比較するように機能し、より具体的には、非公開領域Cbに記録された個数情報と、無線読取手段によって読み取られた無線タグ50の個数とが一致しているか否かの判断(所定の一致条件を満たすか否かの一致判断)を行い、更に、非公開領域Cbに記録された物品名情報(物品情報)と、無線読取手段によって読み取られた物品に関する情報(各無線タグ50に記録された物品名情報)とが全て一致するか否かの比較判断(所定の対応関係にあるか否かの比較判断)を行っている。
【0053】
そして、S9にて照合結果が一致すると判断される場合にはS9にてYesとなり、正常である旨の通知が行われる(S10)。この通知方法としては、例えば表示部13に「照合成功」といった説明情報などを表示するといった方法が挙げられ、これ以外の他の方法(例えばブザーによる鳴動、ランプの点灯など)であってもよい。一方、S9にて照合結果が一致しないと判断される場合にはS9にてNoとなり、異常である旨の通知が行われる(S11)。この通知方法としては、例えば表示部13に「照合失敗」といった説明情報などを表示するといった方法が挙げられ、これ以外の他の方法(例えばブザーなどによる鳴動(正常の場合とは異なる鳴動)、ランプの点灯(正常の場合とは異なる点灯)など)であってもよい。
【0054】
S10及びS11の処理を実行する制御部10及び表示部13は、「出力手段」の一例に相当し、比較手段による比較結果(具体的には、個数の一致判断の結果及び物品情報の比較判断の結果)を出力するように機能している。
【0055】
S10の後又はS11の後には、メモリ11の非アクセス領域に記録された個数情報及び物品名情報(非公開領域を解読したデータ)の内容が消去される(S12)。なお、S12の処理を実行する制御部10が「消去手段」の一例に相当し、比較手段により無線タグ50(無線通信媒体)の読取結果と非公開領域Cbの解読結果とが比較された後に、メモリ11の非アクセス領域に書き込まれた非公開領域Cbの解読結果を消去するように機能している。
【0056】
(第1実施形態の主な効果)
本実施形態に係る読取システム1及び読取装置2では、公開領域Caに記録された連携識別子(所定情報)が解読手段によって解読されたことを条件として無線読取手段が通信可能エリア内の無線タグ50(無線通信媒体)を読み取るように構成されている。このようにすると、公開領域Caに所定情報を記録しておくことでコードの読み取りと無線通信媒体の読み取りとを連携させることができ、複雑な操作や処理の遅延を極力抑えて無線読取にスムーズに移行しやすくなる。
また、無線読取手段による無線タグ50の読取結果と、解読手段による非公開領域Cbの解読結果とを比較する比較手段と、比較手段による比較結果を出力する出力手段とが設けられているため、無線タグ50の読取結果を予め用意した基準に基づいて容易に且つ適切に判断することができ、更には、その判断の基準となる情報が暗号化された状態で非公開領域Cbに記録されているため、この情報を第三者が取得することは極めて困難となる。
【0057】
また、本実施形態では、非公開領域Cbに個数情報が記録された一部非公開コードCを読取対象としており、比較手段は、非公開領域Cbに記録された個数情報と、無線読取手段によって読み取られた無線タグ50の個数とが所定の一致条件を満たすか否かの一致判断を行っている。そして、出力手段は、比較手段による一致判断の結果を出力している。このようにすると、予め用意された個数情報に基づき、実際の読取個数が適切か否かを正確に判断することができる。更に、その判断基準となる個数情報は暗号化された状態で非公開領域Cbに記録されているため、第三者によって改ざんされるといった事態を防止することができ、無線タグ50の実際の読取個数が常に正確な基準に基づいて判断されやすくなる。
【0058】
また、本実施形態では、物品80に付されると共に当該物品80に関する情報を記録したメモリ55(記録部)を有する無線タグ50を通信対象とし、更に、物品80を収容する収容箱90(収容手段)に付されると共に非公開領域Cbに少なくとも物品情報が記録された一部非公開コードCを読取対象としている。そして、比較手段は、非公開領域Cbに記録された物品情報と、無線読取手段によって読み取られた物品に関する情報とが所定の対応関係にあるか否かを比較判断し、出力手段は、比較手段による比較判断の結果を出力している。
このようにすると、収容箱90に収容される物品80が、予め用意されている基準情報(非公開領域に記録された物品情報)に照らして適切であるか否かを判断することができ、特に、このような判断を収容箱90の外側から行うことができる。また、その物品情報は暗号化された状態で非公開領域Cbに記録されているため、第三者に把握されたり或いは改ざんされたりする事態を効果的に防止することができる。特に、収容箱90に収容される物品80が高価な物品(例えば宝石、装飾品、貴金属など)の場合や、第三者に把握されたくない物品の場合には、収容箱90の物品80の具体的内容を第三者に秘密にしつつ、解読キーを備えた読取装置2を有する者のみがチェック可能となるため、セキュリティ面で非常に有利となる。
【0059】
また、本実施形態では、ユーザによるアクセスが可能となるアクセス領域と、ユーザによるアクセスが制限された非アクセス領域とを備えたメモリ11が設けられ、解読手段は、公開領域Caに記録される連携識別子(所定情報)を解読した場合に、非公開領域Cbの解読結果を非アクセス領域に書き込み、比較手段は、非アクセス領域に書き込まれた非公開領域の解読結果と、無線読取手段による無線タグ50の読取結果とを比較している。このようにすると、非公開領域Cbの解読結果が非アクセス領域で処理されるため、非公開領域Cbに記録された情報が読取装置2を介して間接的に漏洩することも防止することができる。
【0060】
また、本実施形態では、比較手段によって無線タグ50の読取結果と非公開領域Cbの解読結果とが比較された後に、非アクセス領域に書き込まれた非公開領域Cbの解読結果を消去する消去手段が設けられている。このようにすると、非公開領域Cbに記録された情報の漏洩をより一層確実に防止することができる。
【0061】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0062】
上記実施形態では、S6で読み取られた無線タグ50の個数及び各無線タグ50に記録された物品名情報のいずれかが不一致である場合に、照合結果が不一致であるとしていたが、いずれか一方のみで判断してもよい。例えば、S6で読み取られた無線タグ50の個数と非公開領域Cbに記録された無線タグ数とが一致している場合には、S9にてYesに進み、一致していない場合にはS9にてNoに進むようにしてもよい。或いは、S6で読み取られた各無線タグ50の各物品名情報と非公開領域Cbに記録された各物品名情報とを照合し、一致している場合にはS9にてYesに進み、一致していない場合にはS9にてNoに進むようにしてもよい。
【符号の説明】
【0063】
1…読取システム
2…読取装置
10…制御部(解読手段、無線読取手段、比較手段、出力手段、消去手段)
11…メモリ(解読キー記憶手段
13…表示部(出力手段)
20…無線リーダ部(無線読取手段、
33…受光センサ(撮像手段)
50…無線タグ(無線通信媒体)
55…メモリ(記録部)
80…物品
90…収容箱(収容手段)
C…一部非公開コード(情報コード)
Ca…公開領域
Cb…非公開領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
公開領域と、暗号化キーに基づいて暗号化された暗号データが記録された非公開領域とを有すると共に、前記公開領域に所定情報が記録されてなる一部非公開コードを撮像可能な撮像手段と、
前記暗号化キーに対応する解読キーを記憶可能な解読キー記憶手段と、
前記撮像手段によって前記一部非公開コードが撮像された場合に、前記公開領域のデータを解読すると共に、前記解読キー記憶手段に前記解読キーが記憶されていることを条件として前記非公開領域のデータを解読する解読手段と、
無線通信媒体を無線通信によって読み取る無線読取手段と、
を備えた読取装置であって、
前記無線読取手段は、前記公開領域に記録された前記所定情報が前記解読手段によって解読されたことを条件として通信可能エリア内の前記無線通信媒体を読み取る構成をなしており、
更に、前記無線読取手段による前記無線通信媒体の読取結果と、前記解読手段による前記非公開領域の解読結果とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較結果を出力する出力手段と、
が設けられていることを特徴とする読取装置。
【請求項2】
前記一部非公開コードは、前記非公開領域に個数情報が記録されたものであり、
前記比較手段は、前記非公開領域に記録された前記個数情報と、前記無線読取手段によって読み取られた前記無線通信媒体の個数とが所定の一致条件を満たすか否かの一致判断を行い、
前記出力手段は、前記比較手段による前記一致判断の結果を出力することを特徴とする請求項1に記載の読取装置。
【請求項3】
前記無線通信媒体は、物品に付されると共に当該物品に関する情報を記録した記録部を有するものであり、
前記一部非公開コードは、前記物品を収容する収容手段に付されると共に、前記非公開領域に少なくとも物品情報が記録されたものであり、
前記比較手段は、前記非公開領域に記録された前記物品情報と、前記無線読取手段によって読み取られた前記物品に関する情報とが所定の対応関係にあるか否かを比較判断し、
前記出力手段は、前記比較手段による前記比較判断の結果を出力することを特徴とする請求項1に記載の読取装置。
【請求項4】
ユーザによるアクセスが可能となるアクセス領域と、ユーザによるアクセスが制限された非アクセス領域とを備えたメモリを有し、
前記解読手段は、前記公開領域に記録される前記所定情報を解読した場合に、前記非公開領域の解読結果を前記非アクセス領域に書き込み、
前記比較手段は、前記非アクセス領域に書き込まれた前記非公開領域の解読結果と、前記無線読取手段による前記無線通信媒体の読取結果とを比較することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の読取装置。
【請求項5】
前記比較手段により前記無線通信媒体の読取結果と前記非公開領域の解読結果とが比較された後に、前記非アクセス領域に書き込まれた前記非公開領域の解読結果を消去する消去手段を備えたことを特徴とする請求項4に記載の読取装置。
【請求項6】
公開領域と、暗号化キーに基づいて暗号化された暗号データが記録された非公開領域とを有すると共に、前記公開領域に所定情報が記録されてなる一部非公開コードと、
前記一部非公開コードを読取可能な読取装置と、
を備えた読取システムであって、
前記読取装置は、
前記一部非公開コードを撮像可能な撮像手段と、
前記暗号化キーに対応する解読キーを記憶可能な解読キー記憶手段と、
前記撮像手段によって前記一部非公開コードが撮像された場合に、前記公開領域のデータを解読すると共に、前記解読キー記憶手段に前記解読キーが記憶されていることを条件として前記非公開領域のデータを解読する解読手段と、
前記公開領域に記録された前記所定情報が前記解読手段によって解読されたことを条件として通信可能エリア内の無線通信媒体を読み取る無線読取手段と、
前記無線読取手段による前記無線通信媒体の読取結果と、前記解読手段による前記非公開領域の解読結果とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較結果を出力する出力手段と、
を有することを特徴とする読取システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−186833(P2011−186833A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−52057(P2010−52057)
【出願日】平成22年3月9日(2010.3.9)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】