説明

調理器

【課題】本発明は電子レンジなどの調理器に関するもので、待機時に部品故障などで待機中に電力消費することを課題とする。
【解決手段】待機時に制御手段3への電力供給を電力開閉手段5を遮断させ、さらに第2電力開閉手段7を連動して、加熱手段1を駆動する駆動手段8の駆動電力を遮断する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理器において未使用時の使用電力を低減させる制御回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の回路構成では主動作停止時、いわゆる待機時には制御手段にマイコンを用いている場合そのマイコン回路の電源を切断して機器の消費電力を低減させ、たとえば加熱室の一部を開閉可能としたドアの開閉操作によって再びマイコンの電源を投入し機器を動作可能とする構成にしている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図4は、特許文献1に記載された従来の回路構成を示すものである。図4に示すように、制御手段3へ電力を供給する電源回路4と、電源回路4から制御手段3への電力供給を開閉する電力開閉手段5と、電力開閉手段5のON/OFFを制御する保持手段6で構成されている。また、特許文献2によれば、制御を半導体制御装置の制御に依存する場合に、2つ以上の制御信号の論理積でリレーを駆動させる構成が、機器の安全性確保として示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−327924号公報
【特許文献2】特開2007−35390号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の構成では、制御手段3のマイコン回路の電源を開閉する方法では、大電流高出力の加熱手段の制御に用いられる、例えば機械式リレーや半導体リレーの部品故障によって、待機時であっても電力を消費し続けるという問題があった。また、故障時によって、機器の安全性が損なわれることも大きな課題である。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、駆動回路にマイコン回路とは独立した第2制御回路を付加し、待機時電力低減時の信頼性を向上させた制御回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、本発明の調理器は、制御手段の電源を開閉する電力開閉手段に加熱手段を駆動する駆動手段の電源を開閉する第2電力開閉手段を加え、待機時に制御手段と駆動手段の両方の電源を遮断する構成としている。
【0008】
これによって、加熱手段は制御手段が待機時に電力制御手段が電力を遮断してもなお動作し続けている場合に第2電力開閉手段が駆動手段の電力を遮断するため、加熱手段の駆動を停止させることができ、待機時に省電力となる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の調理器は、従来の待機時電力対応制御回路に第2電力開閉手段を付加することで制御回路の故障などによって待機時の消費電力低減を阻害することがない構成を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1における回路構成図
【図2】本発明の実施の形態2における回路構成図
【図3】本発明の実施の形態3における回路構成図
【図4】従来の回路構成図
【発明を実施するための形態】
【0011】
第1の発明は、食品を加熱する加熱手段と、設定を行うキー入力手段と、調理器を制御する制御手段と、前記制御手段との間に設け前記制御手段への電力を開閉する電力開閉手段と、前記電力開閉手段の開閉状態を保持する保持手段と、前記電力開閉手段から従属して動作する第2電力開閉手段とを備え、前記加熱手段が前記制御手段と前記第2開閉手段の論理積で駆動する駆動手段を備えた構成とすることにより、電力開閉手段で制御手段が遮断されている時、いわゆる待機時には、加熱手段を駆動する駆動手段の電源である第2電力開閉手段が加熱手段を駆動する駆動手段の電源を遮断することにより、待機時に駆動手段の動作を確実とする効果がある。
【0012】
第2の発明は、特に、第1の発明の第2電力開閉手段の回路電圧を電力開閉手段の回路電圧より高い回路構成とすることにより、制御手段を構成するマイコンの動作電圧を超える制御手段において請求項1の効果を実現することができる。
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0014】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における回路構成を示すものである。
【0015】
図1において、電源回路4は、100Vや200V、50Hz/60Hzといった商用電源からマイコンを用いた制御手段3と駆動手段4用の直流低電圧、例えば12Vや5Vに変換するもので、12VはリレーやLEDなどの電源に、5Vはマイコンの電源に使用し、待機時における電力開閉制御は、このうち5Vを待機時に切断させるものである。
【0016】
電力開閉手段5は、キー入力手段2の状態により制御手段3用の5Vの電力供給開始の指示を行うが、その状態の保持は保持手段6による。電力開閉手段5が、電力を制御手段3に供給し始めた後、制御手段3から保持手段6により、その状態を維持することができる。
【0017】
第2電力開閉手段7は、電力開閉手段5に連動して動作し、待機時に停止する単純な構成で、回路電源からリレー用の12V電源を開閉している。
【0018】
キー入力手段2により、制御手段3から駆動手段8を操作する。この時、駆動手段8は制御手段3と第2電力開閉手段7との論理積で動作し、加熱手段1を駆動する。
【0019】
以上のように本実施の形態によれば、第2電力開閉手段7が電力遮断の状態では、制御手段3が駆動手段8を操作する信号を発しても、加熱手段1は停止し待機動作を維持できる。
【0020】
(実施の形態2)
図2は、本発明の第2の実施の形態における回路構成を示すものである。
【0021】
図2において、第2電力開閉手段としてNPNおよびPNPのトランジスタで構成した
第2電力制御回路9は、電力開閉手段5の出力を入力として、リレー12とトランジスタで構成された駆動回路10の電源12Vを開閉し、加熱手段としてヒータ11を駆動している。
【0022】
(実施の形態3)
図3は、本発明の第3の実施の形態における回路構成を示すものである。
【0023】
図3において、第2電力開閉手段として、NPNのトランジスタで構成した第2電力制御回路9は駆動回路10の0V側に配置することで電力開閉手段5との接続を簡略化している。
【0024】
以上のように構成された制御回路について、以下その動作、作用を説明する。
【0025】
まず、商用電源に接続された回路電源は待機時には待機時電力制御によりマイコンの電源5Vを切断し、起動のためのキー入力手段の開閉によってマイコンの電源5Vを供給し、待機時には第2制御回路が駆動回路の動作を阻止するため、制御回路が動作したとしても加熱手段は動作しない。
【0026】
以上のように、本実施の形態においては加熱手段が動作する条件に制御手段に第2電力開閉手段が付加され、待機時にあっては駆動回路が第2電力開閉手段によって強制的に遮断されることで、待機時にあっても部品故障などで駆動手段が動作するような状況であっても余計な電力を消費されることを防ぐことができる。また、加熱手段の動作条件が多重になるため、調理器として電子レンジやオーブンなどの安全手段としても有効であり、容易に実装可能な方法である。
【産業上の利用可能性】
【0027】
以上のように、本発明にかかる調理器は、従来の回路構成に容易に実装が可能となるので、特に調理器として電子レンジやオーブンなどの安全手段としても有効であり、容易に実装可能な方法である。
【符号の説明】
【0028】
1 加熱手段
2 キー入力手段
3 制御手段
4 電源回路
5 電力開閉手段
6 保持手段
7 第2電力開閉手段
8 駆動手段
9 第2電力制御回路
10 駆動回路
11 ヒータ
12 リレー
13 高周波発振部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品を加熱する加熱手段と、設定を行うキー入力手段と、調理器を制御する制御手段と、前記制御手段との間に設け前記制御手段への電力を開閉する電力開閉手段と、前記電力開閉手段の開閉状態を保持する保持手段と、前記電力開閉手段から従属して動作する第2電力開閉手段とを備え、
前記加熱手段が、前記制御手段の出力信号と前記第2開閉手段との論理積で駆動する駆動手段を備えた構成を特徴とする調理器。
【請求項2】
第2電力開閉手段の回路電圧は、電力開閉手段の回路電圧より高い回路構成とした請求項1に記載の調理器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−149610(P2011−149610A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−10797(P2010−10797)
【出願日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】