説明

調理食品の改善・改質材とこれによる調理食品改善・改質方法

【課題】調理食品において、食品の本質的な改善・改良を実現しヒトの健康の維持増進に顕著な効果をもたらす調理食品の改質改善剤を実現する。
【解決手段】中鎖脂肪酸、共役リノール酸、炭水化物、ナトリウム、乳化材からなり、特に食用油に添加して炒め物、揚げ物に使用することにより脂肪分の体内における分解・燃焼の迅速化を促進して体内への蓄積を抑制するようにした調理食品の改善材、あるいは、魚鱗由来で分子量がほぼ500前後の加水分解コラーゲンを主成分として具え、体内で迅速に吸収され内蔵、皮膚等人体の各器質の形成・維持を増進するようにしてなる調理食品の改善材、あるいは、粉末豆乳、大豆イソフラボン、葉酸を主成分としてなり、人体におけるホルモンバランス、造血作用に効果を有しかつたんぱく質、核酸の合成に有効な調理食品の改善材である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、調理食品の改善・改質材とこれによる調理方法に関し、詳しくは調理された食品の機能の改質・改善と味覚改善を可能にする改善・改質材とこれを使用した食品の調理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
食品に添加して、食品の味覚を増感させるために古来より各種の調味料が使用されてきている。 調味料にはこれを大別すると、食味の向上のみでなくヒトにとって摂取自体が必須のものと、ヒトにとり摂取が必ずしも必須ではないが食味を増して喫食を増進するものとがある。
【0003】
食味の向上のみでなくヒトにとって摂取自体が必須の調味料の代表的なものは食塩であり、塩分はヒトの生理作用の健全な維持には不可欠なばかりか食味の向上あるいは保存料としても古来より使用されてきている。塩分を主体とした調味料は歴史の進展とともに進化し、この中で代表的なものとして醤油、味噌、魚醤等が挙げられる。これらは食塩単体にくらべて、食品の旨みや風味を増進する。
【0004】
一方、ヒトにとり摂取が必ずしも必須ではないが食味を増して喫食を増進するものとして代表的なものに、いわゆる香辛料や酢類がある。 たとえば、胡椒類は肉類の摂取には欠かせないもので、中近世時の欧州では黄金に均等視されたともいわれている。
他に、この種のものとして、カレー香辛料、唐辛子などがあり使用される地域では食品調理に必要不可欠のものとなっている。 酢類も古くから食味を増すために各地で使用されている。
これらの調味料は食塩系と異なり、概ね食味の向上のために使用されるものであり、それ自体がヒトの生理作用に必須のものではない。
なお、調味料または調味料様食品添加物に関する文献としては以下に示すようなものがある。

【特許文献1】特開平 5−292917号
【特許文献2】特開平 8−228717号
【特許文献3】特開2001−333706
【特許文献4】特開2003−265122
【特許文献5】特開2004−159627
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の調味料等は、摂取自体が必須の調味料にしてもまた摂取が必ずしも必須ではないが食味を増して喫食を増進するものにしても、食材ないしは食品の本質的な改質又は改善を実現するものではなく、いわば味付けが本来の目的となっている。
したがって、それらの調味料を添加することにより、食材ないしは食品の有する本来的な性質が改善改良されることなく、例えば米飯は米飯以上のものたり得ず、摂取しても炭水化物としての機能を奏するのみである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明は、各種食材の加工調理に際してこれに添加して出来上がり調理品の機序作用を改質・改善するものであって、中鎖脂肪酸、共役リノール酸、炭水化物、ナトリウム、乳化材からなり、特に食用油に添加して炒め物、揚げ物に使用することにより脂肪分の体内における分解・燃焼の迅速化を促進して体内への蓄積を抑制するようにした調理食品の改善材を提供して、上記従来の課題を解決しようとするものである。
【0007】
また、本願発明は、各種食材の加工調理に際してこれに添加して出来上がり調理品の栄養構成を改質・改善するものであって、魚鱗由来で分子量がほぼ500前後の加水分解コラーゲンを主成分として具え、体内で迅速に吸収され内蔵、皮膚等人体の各器質の形成・維持を増進するようにしてなる調理食品の改善材を実現して上記従来の課題を解決しようとするものである。
【0008】
さらに、本願発明は、各種食材の加工調理に際してこれに添加して出来上がり調理品の栄養構成ないしは機序作用を改質・改善するものであって、粉末豆乳、大豆イソフラボン、葉酸を主成分としてなり、人体におけるホルモンバランス、造血作用に効果を有しかつたんぱく質、拡散の合成に有効な調理食品の改善材を提供して上記従来の課題を解決する。
【0009】
そして、本願発明は上記の改善材を調理に際して又は調理後に食材又は調理品に混ぜ合わせるようにした調理食品改善・改質方法を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本願発明は、上記構成により調理食品において、単なる味付け効果あるいは嗜好性の向上をもたらすのみでなく、食品の本質的な改善・改良を実現しヒトの健康の維持増進に顕著な効果をもたらす。 すなわち、いわゆる、サプリメントや栄養補助食品はそのまま服用する使用方法が一般的であるが、忘れずに定期的に摂取することは以外に難しく効果を奏するまで継続できるヒトはそう多くないのが現状である。この点、本願発明によれば毎日の食事に添加されるから否応なく摂取を継続できる。
【実施例】
【0011】
本願の請求項1に係る発明の一実施例を説明する。
この改善材は、各種食材の加工調理に際してこれに添加して出来上がり調理品の機序作用を改質・改善するものであって、中鎖脂肪酸、共役リノール酸、炭水化物、ナトリウム、乳化材を具えて構成されていて、粉末状に生成されている。すなわち、具体的な構成要素として、粉末食用油脂(中鎖脂肪酸)、サフラワー共役化脂肪酸、でんぷん、カゼインナトリウム、乳化剤(グリセリン、脂肪酸エステル、酵素分解レシチン)、酸化防止剤が配合されている。
通常の植物油の炭素数は18程度なのに対して、中鎖脂肪酸(MCT)は炭素数が8〜10程度と役半数の長さの飽和脂肪酸である。このため、体内で迅速に燃焼して、体脂肪が蓄積され難いという特徴を有している。
また、共役リノール酸(CLA)は脂肪の体内への取り込みを不活発にする作用と、筋肉を維持したままで脂肪を分解・燃焼させやすくする作用とを併せ有する不飽和脂肪酸の一種である。
【0012】
該実施例に係る改善剤の栄養成分は以下の分析表のとおりである。

改善剤3.5g当たりの栄養成分
熱量: 25.3kcal
タンパク質: 0.21g
脂肪: 2.31g
炭水化物: 0.92g
ナトリウム: 3.25mg
中鎖脂肪酸: 1600mg以上
共役リノール酸: 630mg以上
【0013】
使用方法は、炒め物などの際にティースプーン2杯程度(約3.5g)を使用する油に添加する。 また、適量添加した食用油を揚げ物、ドレッシングに使用することもでき、また炊き込みご飯に添加すると非常においしく、さらにラーメン等の脂肪分多いスープに加えると脂肪の取りすぎを防止できる。
このような使用方法により、労することなく普通に食事をとることのみで、確実かつ容易に体脂肪の増加を防ぎいわゆるダイエットを実現できる。
【0014】
本願の請求項2に係る発明の一実施例を説明する。
この改善材は、各種食材の加工調理に際してこれに添加して出来上がり調理品の栄養構成を改質・改善するものであって、魚鱗由来で分子量がほぼ500前後の加水分解コラーゲンを主成分として具えていて、体内で迅速に吸収され内蔵、皮膚等人体の各器質の形成・維持を増進する機能を有し、添加により調理食品に同様の機能を具備させる。
この実施例で、改善剤はイトヨリ鯛、エソ等の鱗を原料として粉末状に生成され、分子量は500程度に抑制して、高い水溶性と体内吸収性が確保されている。
【0015】
該実施例に係る改善剤の栄養成分は以下の分析表のとおりである。

改善剤3.5g当たりの栄養成分
熱量: 13.3kcal
タンパク質: 3.34g
脂肪: 0.00g
炭水化物: 0.03g
ナトリウム:
0.82mg
ヒドロキシプリン: 0.32mg
【0016】
この改善剤は、日常の調理に際して、所定量を添加するだけで良質のコラーゲンを手軽に摂取できる。 当該改善剤は、水に溶け、無味無臭に近いので、さまざまな料理や好みの飲み物に混ぜて利用できる。 例えば、米1合に対して1g混ぜて炊飯することにより風味が増したおいしいご飯が得られる。 また、パン焼きにおいても、小麦粉に対して0.5〜1%混合することにより、弾力がありしっとりした風合いのパンができあがる。 さらに、うどん、そば等のツユニ加えるとコクが増し、いっそうおいしくなる。
【0017】
本願の請求項3に係る発明の一実施例を説明する。
この改善材は、各種食材の加工調理に際してこれに添加して出来上がり調理品の栄養構成ないしは機序作用を改質・改善するものであって、粉末豆乳、大豆イソフラボン、葉酸を主成分としてなり、人体におけるホルモンバランス、造血作用に効果を有しかつたんぱく質、拡散の合成に有効であり、添加により調理食品に同様に機能をもたらす。
この実施例では、粉末豆乳をベースに大豆イソフラボン、葉酸を配合して粉末状に生成されている。 イソフラボンは、抗酸化物であるポリフェノールの一種で、抗酸化作用はもちろん女性ホルモンのエストロゲンと同様の作用を有している。
また、葉酸はビタミンB群に属する水溶性物質で造血作用、貧血防止、胎児の核酸合成促進等の機能を有している。
【0018】
該実施例に係る改善剤の栄養成分は以下の分析表のとおりである。

改善剤3.5g当たりの栄養成分
熱量: 12.6kcal
タンパク質: 1.94g
脂肪: 0.08g
炭水化物:
1.00g
大豆イソフラボン: 30mg
葉酸:
400μg
【0019】
調理に際しては、1回または1品あたり、ティースプーン2杯(約3.5g)を目安に料理に混ぜたり、スープや牛乳など好みの飲み物に混ぜて使用する。 これにより、大豆イソフラボンが約30mg、葉酸が約400μg摂取することができ、PMSや更年期障害、悪性貧血症等の改善効果があり、さらには妊産婦の栄養補助食としても有効である。
すなわち、イソフラボンは女性ホルモンのエストロゲンと同様の作用を有していて、更年期障害の改善に効能があり、葉酸はタンパク質、核酸の合成を促進する作用を有することから、産前、産後にわたり母子の健全な発育に資するところが大きい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種食材の加工調理に際してこれに添加して出来上がり調理品の機序作用を改質・改善するものであって、中鎖脂肪酸、共役リノール酸、炭水化物、ナトリウム、乳化材からなり、特に食用油に添加して炒め物、揚げ物に使用することにより脂肪分の体内における分解・燃焼の迅速化を促進して体内への蓄積を抑制するようにした調理食品の改善材。
【請求項2】
各種食材の加工調理に際してこれに添加して出来上がり調理品の栄養構成を改質・改善するものであって、魚鱗由来で分子量がほぼ500前後の加水分解コラーゲンを主成分として具え、体内で迅速に吸収され内蔵、皮膚等人体の各器質の形成・維持を
増進するようにしてなる調理食品の改善材。
【請求項3】
各種食材の加工調理に際してこれに添加して出来上がり調理品の栄養構成ないしは機序作用を改質・改善するものであって、粉末豆乳、大豆イソフラボン、葉酸を主成分としてなり、人体におけるホルモンバランス、造血作用に効果を有しかつたんぱく質、拡散の合成に有効な調理食品の改善材。
【請求項4】
請求項1ないし3記載の改善材を調理に際して又は調理後に食材又は調理品に混ぜ合わせるようにしたことを特徴とする調理食品改善・改質方法。

【公開番号】特開2006−42652(P2006−42652A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−226337(P2004−226337)
【出願日】平成16年8月3日(2004.8.3)
【出願人】(399131286)株式会社コーワリミテッド (1)
【Fターム(参考)】