説明

警報システムおよびそのための携帯端末装置、基地局、サーバ装置およびプログラム

【課題】 ユーザがいつ異常な状況に遭遇しても、然るべき人に対し必要な情報が自動的に通知されることを可能とする手段を提供する。
【解決手段】 携帯端末装置11はユーザの体温等を示す計測データを所定の時間間隔で基地局12を介してサーバ装置13に送信する。サーバ装置13は、予め記憶されている条件データにより示される条件が、携帯端末装置11から送信された計測データにより示されるユーザの体温等により充たされるか否かを判定する。サーバ装置13はその判定結果に応じて、計測データの送信元の携帯端末装置11に対し警報指示データを送信し、携帯端末装置11はその警報指示データに従い警報音を発してユーザもしくは周囲の人々に異常の通知を行う。また、サーバ装置13は判定結果に応じて予め登録されている連絡先の電話番号に対し、ユーザの状況および場所を通報する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末装置を用いて当該携帯端末装置のユーザの異常を通知する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
急に身体の異常を感じた場合等に携帯電話により消防署等へ緊急通報することは広く行われている。
【0003】
また、暴漢に襲われる等の危険な事態が発生した場合に、周囲に対し警報音を発してその危険な事態を通知し危険を回避するための技術がある。例えば、特許文献1には、警報音を発する防犯装置を携帯電話に着脱可能とする技術が開示されている。
【特許文献1】特開2004−77648号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
携帯電話は近年、小型軽量化しているものの、送受話器やダイヤルパッドを備える必要があるため、例えば運動をしている時に身体に装着する程度に小型軽量化することは困難である。従って、運動中に身体に異常を感じた場合、携帯電話を所持しておらず、緊急通報が行えない、という不都合が生じやすい。また、身体の異常が深刻であるような場合、たとえ携帯電話を所持していても、自分で然るべき電話番号をダイヤルすることが困難な場合もある。
【0005】
また、警報音を発する防犯装置のあるものは、運動中も身体に装着可能な程度に小型軽量化されたものが存在するが、そのような防犯装置は危険な事態に遭遇したユーザの周囲に対し警報音を発するのみで、例えば警察官等の然るべき人に対し通報を行うものではなく、十分な防犯効果が得られるとは限らない。
【0006】
上記の状況に鑑み、本発明はユーザがいつ異常な状況に遭遇しても、然るべき人に対し必要な情報が自動的に通知されることを可能とする手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を達成するために、本発明は、身体の属性値を計測するセンサと、当該センサの計測の結果を示す計測データを自機を識別する携帯端末識別データとともに複数の基地局のうちの少なくとも1の基地局に無線により送信する送信手段と、前記複数の基地局のうちの少なくとも1の基地局から警報指示データを無線により受信する受信手段と、当該受信手段により受信された警報指示データに従いユーザに対する警報の通知を行う通知手段とを各々備える複数の携帯端末装置と、前記複数の携帯端末装置のうちの少なくとも1の携帯端末装置から計測データおよび携帯端末識別データを無線により受信するとともにサーバ装置から警報指示データおよび携帯端末識別データを無線もしくは有線により受信する受信手段と、当該受信手段により当該1の携帯端末装置から受信された計測データおよび携帯端末識別データを自機を識別する基地局識別データとともに前記サーバ装置に無線もしくは有線により送信するとともに当該受信手段により前記サーバ装置から受信された警報指示データを無線により当該受信手段により前記サーバ装置から受信された携帯端末識別データにより識別される携帯端末装置に送信する送信手段とを各々備える複数の基地局と、前記複数の基地局の各々から計測データ、携帯端末識別データおよび基地局識別データを無線もしくは有線により受信する受信手段と、当該受信手段により受信された計測データが所定の条件を満たす場合に警報指示データを当該受信手段により受信された携帯端末識別データとともに無線もしくは有線により当該受信手段により受信された基地局識別データにより識別される基地局に送信する送信手段とを備えるサーバ装置とを備えることを特徴とする警報システムを提供する。
【0008】
かかる構成の警報システムによれば、携帯端末装置のユーザは自分で何らかの操作等を行うことなく、自分の身体の異常を容易に知ることができ、その異常な事態がより深刻となることを回避することが可能となる。
【0009】
また、本発明は、身体の属性値を計測するセンサと、当該センサの計測の結果を示す計測データを自機を識別する携帯端末識別データとともに複数の基地局のうちの少なくとも1の基地局に無線により送信する送信手段とを各々備える複数の携帯端末装置と、前記複数の携帯端末装置のうちの少なくとも1の携帯端末装置から計測データおよび携帯端末識別データを無線により受信する受信手段と、当該受信手段により受信された計測データおよび携帯端末識別データを自機を識別する基地局識別データとともに前記サーバ装置に無線もしくは有線により送信する送信手段とを各々備える複数の基地局と、前記複数の携帯端末装置の各々の携帯端末識別データに対応付けて、通信網において所定の通信端末装置を識別する通信端末識別データを予め記憶する記憶手段と、前記複数の基地局の各々から計測データ、携帯端末識別データおよび基地局識別データを無線もしくは有線により受信する受信手段と、当該受信手段により受信された計測データが所定の条件を満たす場合に当該受信手段により受信された携帯端末識別データに対応付けて当該記憶手段に記憶されている通信端末識別データにより識別される通信端末装置との間に通信接続を確立し当該受信手段により受信された基地局識別データにより識別される基地局の位置を示す位置データを当該通信接続を用いて送信する通信手段とを備えるサーバ装置とを備えることを特徴とする警報システムを提供する。
【0010】
かかる構成の警報システムによれば、携帯端末装置のユーザは自分で何らかの操作等を行うことなく、自分の身体の異常を然るべき人に通知することができ、通知された人がその異常な事態を解決するための適切な対処をとることが可能となる。
【0011】
また、本発明は、上記の警報システムに用いられる携帯端末装置、基地局、サーバ装置およびそれらの装置の各々において行われる処理をコンピュータに実行させるプログラムを提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
[実施形態]
[1.警報システムの構成]
図1は、本発明にかかる警報システム1の全体構成を示したブロック図である。警報システム1は、複数の携帯端末装置11と、携帯端末装置11との間で無線によりデータの送受信を行う複数の基地局12と、複数の基地局12の各々と有線にて接続され基地局12との間でデータの送受信を行うサーバ装置13とを備えている。さらに、サーバ装置13は公衆電話網14に接続され、公衆電話網14を介して複数の電話機15の各々との間で音声データによる通信を行うことができる。
【0013】
図1においては例として3つの携帯端末装置11(携帯端末装置11−1〜3)と、2つの基地局12(基地局12−1〜2)および3つの電話機15(電話機15−1〜3)が示されているが、これらの数は任意である。また、図1においては基地局12の各々は直接、サーバ装置13に接続されている様子が示されているが、基地局12の各々は通信網に含まれる他のノードを介してサーバ装置13と接続されてもよく、また基地局12とサーバ装置13との通信が無線により行われたり、基地局12とサーバ装置13との通信経路が有線区間と無線区間を含むように構成されてもよい。また、公衆電話網14は固定電話網であっても移動電話網であってもよく、それらが相互接続されたものであってもよい。従って、電話機15は固定電話機であっても移動電話機であってもよい。
【0014】
複数の基地局12の各々は、携帯端末装置11が警報システム1のサービスエリアのいずれの地点に配置されている場合であっても、少なくともいずれかの基地局12との間で携帯端末装置11がデータ通信を可能なように、携帯端末装置11および基地局12の発する電波の到達距離に応じた適当な間隔を保ち、サービスエリア内に散在するように固定的に配置されている。例えば、図1において基地局12−1との間で携帯端末装置11が通信可能な範囲はエリアa1として示され、基地局12−2との間で携帯端末装置11が通信可能な範囲はエリアa2として示されている。
【0015】
図2は携帯端末装置11の構成を示したブロック図である。携帯端末装置11はユーザの身体の属性値を計測するセンサの集まりであるセンサ群111と、ユーザの音声を集音するとともにユーザもしくはその周囲の人々に対し警報音を発するサウンドシステム112と、アプリケーションプログラムに従い携帯端末装置11の各構成部の制御を行うとともに各種データ生成を行う制御部113と、所定の時間間隔でクロック信号を生成し制御部113に供給する発振器114と、制御部113に対し処理の指示を行うアプリケーションプログラムや各種データを記憶する記憶部115と、無線により基地局12との間でデータの送受信を行う無線通信部116を備えている。
【0016】
センサ群111は、ユーザの体温を計測する温度センサ1111と、ユーザの血圧を計測する圧力センサ1112と、ユーザの発汗による湿度を計測する湿度センサ1113と、心拍数を測定するために光の反射により血流量を計測する光センサ1114と、ユーザの運動量を測定するために携帯端末装置11に加えられる加速度を計測する加速度センサ1115を含んでいる。ただし、これらのセンサは例示であり、例えば心拍数を測定するために光センサを用いる代わりに圧力センサを用いるようにしてもよいし、また呼吸数を計測するためのセンサなど、他の種類もしくは用途のセンサを設けるようにしてもよい。
【0017】
温度センサ1111、圧力センサ1112、湿度センサ1113および光センサ1114は、ユーザが携帯端末装置11を例えば腕に装着した際にユーザの皮膚表面に適する角度および圧力で圧着するように携帯端末装置11に配置されている。センサ群111に含まれる各センサは、計測したユーザの体温等を示すアナログ信号を常時、制御部113に対し出力している。以下、各センサから出力されるアナログ信号を総称して「センサ信号」と呼ぶ。また、例えば温度センサ1111から出力されるセンサ信号を「温度センサ信号」のように呼ぶ。
【0018】
サウンドシステム112は、ユーザの音声を集音し音声信号を生成するマイク1121と、警報音を発するスピーカ1122と、マイク1121により集音される音声からスピーカ1122から発せられた音の成分を取り除くエコーキャンセラ1123と、マイク1121により生成される音声信号をデジタルの音声データに変換するA/D(Analog to Digital)コンバータ1124と、例えばFM(Frequency Modulation)音源方式等により様々な警報音を示す音データを生成する音源部1125と、音源部1125により生成される音データをアナログの音声信号に変換するD/A(Digital to Analog)コンバータ1126と、D/Aコンバータ1126により生成される警報音を示す音声信号を増幅するアンプ1127を備えている。
【0019】
A/Dコンバータ1124により生成されるユーザの音声を示す音声データは、音声データ1152として記憶部115に記憶される。ただし、音声データ1152は例えば過去3分間分だけの音声データを含み、古いデータは新しいデータにより順次上書きされる。
【0020】
制御部113は、センサ群111に含まれる各センサから出力されるセンサ信号を用いて、ユーザの体温等を示す各種の計測データを生成する計測データ生成部1131と、発振器114から出力されるクロック信号に基づき計時を行う計時部1132を備えている。計時部1132は、所定の時間間隔、例えば30秒間隔で計測データの生成を指示する生成指示データと現在時刻を示す時刻データを生成し、計測データ生成部1131に引き渡す。
【0021】
計測データ生成部1131は、センサ群111に含まれる各センサから出力されるセンサ信号を十分に短い時間間隔で常時サンプリングして量子化し、その結果得られるデジタルデータを一時的に記憶部115に記憶させる。なお、センサ信号の値を示すデジタルデータは、例えば過去30秒間分だけ記憶部115に記憶され、古いデータは新しいデータにより順次上書きされる。
【0022】
計測データ生成部1131は計時部1132から生成指示データを受け取ると、記憶部115に一時的に記憶しておいたデジタルデータを用いて、その時刻におけるユーザの身体の各種の属性値を示す計測データを生成する。具体的には、計測データ生成部1131は温度センサ信号をサンプリングして得られたデジタルデータに基づき、ユーザの体温を示す計測データ(以下、「体温データ」と呼ぶ)を生成する。同様に、圧力センサ信号からは血圧(収縮期血圧)を示す計測データ(以下、「血圧データ」と呼ぶ)、光センサ信号からは心拍数を示す計測データ(以下、「心拍数データ」と呼ぶ)、湿度センサ信号からは発汗量を示す計測データ(以下、「発汗量データ」と呼ぶ)、そして加速度センサ信号からは運動量を示す計測データ(以下、「運動量データ」と呼ぶ)が各々生成される。
【0023】
なお、発汗量データおよび運動量データは1〜100のいずれかの整数値により発汗量もしくは運動量を示す指標であり、大きい数値ほど発汗量もしくは運動量が大きいことを示すものとする。
【0024】
ここで、例えば圧力センサ信号から血圧データを生成するには、時系列的に並べられた圧力センサ信号の振幅の極大値を特定する等の処理が行われる。また、光センサ信号から心拍数データを生成するには、時系列に並べられた光センサ信号の振幅の極大値の数を特定する等の処理が行われる。また、湿度センサ信号もしくは加速度センサ信号から発汗量データもしくは運動量データを生成するには、例えば過去30秒間のセンサ信号の値の累積値を変数とする所定の算出式の値を算出する等の処理が行われる。ただし、これらの各種計測データの生成の方法は上記に限られず、既存の様々な手法が本発明において適用可能である。
【0025】
記憶部115は、予め携帯端末装置11を他の携帯端末装置11から識別する携帯端末識別データ1151を記憶している。以下の説明において、例として、携帯端末識別データ1151は「M+5桁数字」で表現されるものとする。また上述したように、記憶部115は過去3分間分のユーザの音声を示す音声データ1152を記憶する。
【0026】
無線通信部116は、基地局12から発せられた電波を受信するとともに基地局12に対し電波を発するためのアンテナ1161と、アンテナ1161により受信された電波をデジタルデータに変換して制御部113に引き渡す受信部1162と、制御部113から受け取ったデジタルデータをアナログ信号に変換してアンテナ1161に印加する送信部1163を備えている。
【0027】
図3は、基地局12の構成を示したブロック図である。基地局12は携帯端末装置11およびサーバ装置13との間でデータの送受信を行う通信部121と、アプリケーションプログラムに従い基地局12の各構成部の制御を行う制御部122と、制御部122に対し処理の指示を行うアプリケーションプログラムや各種データを記憶する記憶部123を備えている。
【0028】
通信部121は、携帯端末装置11から発せられた電波を受信するとともに携帯端末装置11に対し電波を発するためのアンテナ1211と、アンテナ1211により受信された電波をデジタルデータに変換して制御部122に引き渡す無線受信部1212と、制御部122から受け取ったデジタルデータをアナログ信号に変換してアンテナ1211に印加する無線送信部1213と、サーバ装置13から送信されたデータを受信して制御部122に引き渡す有線受信部1214と、制御部122から受け取ったデータをサーバ装置13に送信する有線送信部1215を備えている。
【0029】
記憶部123は、予め基地局12を他の基地局12から識別する基地局識別データ1231を記憶している。以下の説明において、例として、基地局識別データ1231は「B+4桁数字」で表現されるものとする。
【0030】
図4は、サーバ装置13の構成を示したブロック図である。サーバ装置13は、基地局12との間でデータの送受信を行う第1通信部131と、アプリケーションプログラムに従いサーバ装置13の各構成部の制御を行う制御部132と、制御部132に対し処理の指示を行うアプリケーションプログラムや各種データを記憶する記憶部133と、公衆電話網14を介して電話機15との間で音声データの送受信を行う第2通信部134を備えている。
【0031】
第1通信部131は、基地局12から送信されたデータを受信して制御部132に引き渡す第1受信部1311と、制御部132から受け取ったデータを基地局12に送信する第1送信部1312を備えている。
【0032】
制御部132は、第1受信部1311を介して基地局12から受信された計測データが所定の条件を満たすか否かを判定する判定部1321と、携帯端末装置11に対し警報の通知を指示する警報指示データを生成する警報指示データ生成部1322と、第2通信部134を用いて特定の電話番号の電話機15との間で通信接続を確立するための処理を行う通信接続処理部1323と、テキストデータにより示される文を人間が読み上げた場合の音声を示す音声データを合成する音声データ合成部1324を備えている。
【0033】
記憶部133は、予め、計測データにより示される携帯端末装置11のユーザの身体の属性値に基づきユーザの状態を特定するための条件を示す条件データを格納した条件DB(Database)の集まりである条件DB群1331と、基地局識別データにより識別される基地局の位置を示す位置データを格納した位置DB1332と、携帯端末装置11の各々の所持者等を示すデータである携帯端末データを格納した携帯端末DB1333と、音声データ合成部1324が音声合成の際に用いる各種の音素の波形を示す音素データの集まりである音素データ群1334を記憶している。また、記憶部133は、携帯端末装置11の各々に関し過去の計測データを時系列的に格納した計測データ群1335を記憶する。
【0034】
図5は条件DB群1331の内容を例示した図である。条件DB群1331は、全ての携帯端末装置11のユーザに共通して適用される条件に関する条件DB(以下、「一般条件DB」と呼ぶ)と、携帯端末装置11の各々に関しその携帯端末装置11のユーザにのみ適用される条件に関する条件DB(以下、「携帯端末条件DB」という)を含んでいる。各々の条件DBは複数の条件データを格納している。条件データには、計測データにより示される携帯端末装置11のユーザの体温等の値に関する条件を示す「条件」欄、条件が充たされた場合に通知されるべき警報のレベルを示す「警報レベル」欄、条件が充たされた場合におけるユーザの状況を示す「状況」欄および条件が充たされた場合に公衆電話網14を介して連絡されるべき連絡先を示す「連絡先」欄が含まれている。一般条件DBは、例えば警報システム1の管理者により準備され、記憶部133に格納される。携帯端末条件DBは、各々の携帯端末装置11のユーザにより、例えば携帯端末装置11を用いた操作により編集可能であり、個々のユーザに特有の条件を格納することができる。
【0035】
図6は位置DB1332の内容を例示した図である。位置DB1332は、各々の基地局12に対応する位置データを格納している。位置データには、基地局12を識別する基地局識別データと、基地局12が配置されている場所を示す位置データが含まれている。
【0036】
図7は携帯端末DB1333の内容を例示した図である。携帯端末DB1333は、各々の携帯端末装置11に対応する携帯端末データを格納している。携帯端末データには、携帯端末装置11を識別する携帯端末識別データと、携帯端末装置11の所持者、当該所持者の年齢および当該所持者の計測データが条件DB群1331により示される条件を充たした場合に連絡されるべき電話番号である登録連絡先が含まれている。登録連絡先には複数の電話番号が登録可能である。
【0037】
図8は計測データ群1335の内容を例示した図である。計測データ群1335は各々の携帯端末装置11に関し、時系列的に並べられた各種の計測データを格納している。すなわち、計測データ群1335においては、携帯端末装置11ごとに、計測データの生成の時刻を示す時刻データに対し各種の計測データが対応付けられ、時刻データにより示される時刻の新しい順に格納されている。
【0038】
図4に戻り、サーバ装置13の構成をさらに説明する。サーバ装置13の第2通信部134は、公衆電話網14に含まれる交換局から送信されたアナログの音声信号を受信してデジタルの音声データに変換して制御部132に引き渡す第2受信部1341と、制御部132から受け取ったデジタルの音声データをアナログの音声信号に変換して交換局に送信する第2送信部1342を備えている。
【0039】
[2.警報システムの動作]
以下に警報システム1の動作を説明する。警報システム1を利用するユーザは、各々、携帯端末装置11を身体の所定の場所(例えば腕)に装着する。携帯端末装置11のセンサ群111に含まれる各センサはセンサ信号を生成し制御部113に引き渡す。制御部113の計測データ生成部1131は計時部1132から受け取る計測指示データに従い各種の計測データを生成し、計時部1132から計測指示データとともに受け取った時刻データに生成した各種の計測データを対応付け、記憶部115に記憶されている携帯端末識別データ1151とともに無線通信部116に引き渡す。無線通信部116の送信部1163は受け取った時刻データ、計測データおよび携帯端末識別データを、アンテナ1161を介して電波として送信する。
【0040】
携帯端末装置11は上記のように30秒間隔で計測データ等を送信する一方、ユーザの音声を常時、録音している。すなわち、マイク1121により生成されるユーザの音声を示す音声信号は、エコーキャンセラ1123によるエコー音の除去の後、A/Dコンバータ1124によりデジタルの音声データに変換され、音声データ1152として記憶部115に順次記憶される。
【0041】
携帯端末装置11のアンテナ1161から発せられた計測データ等を示す電波は、携帯端末装置11の最寄りの基地局12により受信される。例えば、図1の例によれば、エリアa1に配置された携帯端末装置11−1から発せられた電波は、最寄りの基地局12である基地局12−1により受信される。また、エリアa1とエリアa2の両方にまたがる領域に配置された携帯端末装置11−3から発せられた電波は、基地局12−1および基地局12−2の両方により受信される。
【0042】
基地局12の無線受信部1212は、アンテナ1211を介して携帯端末装置11から発せられた電波を受信し、受信した電波により示される計測データ等を制御部122に引き渡す。制御部122は受け取った計測データ等を、記憶部123に記憶されている基地局識別データ1231とともに有線送信部1215に引き渡す。有線送信部1215は制御部122から受け取った計測データ等をサーバ装置13に送信する。
【0043】
サーバ装置13の制御部132は第1受信部1311を介して基地局12から送信された計測データ等を受け取る。制御部132は受け取った時刻データとそれに対応付けられた各種の計測データを、受け取った携帯端末識別データに対応する計測データとして、計測データ群1335(図8参照)に格納する。
【0044】
また、制御部132の判定部1321は、基地局12から計測データ等を受け取ると、条件DB群1331(図5参照)に含まれる一般用の条件DBおよび基地局12から受け取った携帯端末識別データに対応する条件DBを読み出し、読み出したそれらの条件DBに含まれる「条件」欄に示される条件の各々に関し、その条件が、受け取った計測データにより示される体温等の値により充たされるか否かを判定する。
【0045】
条件DBに含まれる「条件」欄に示される条件にユーザの年齢に関する条件が含まれる場合、判定部1321は受け取った携帯端末識別データに対応する携帯端末データを携帯端末DB1333(図7参照)から検索し、検索した携帯端末データに含まれる年齢の値を用いて、当該条件が充たされるか否かを判定する。また、条件DBに含まれる「条件」欄に示される条件に、例えば「血圧の上昇率」のような過去の計測データを要する条件が含まれる場合、判定部1321は受け取った携帯端末識別データに対応する必要な過去の計測データを計測データ群1335(図8参照)から検索し、検索した計測データを基地局12から受信した計測データとともに用いて、当該条件が充たされるか否かを判定する。
【0046】
判定部1321により、いずれかの条件データに示される条件が充たされたと判定された場合、警報指示データ生成部1322はその条件データの警報レベルを示すデータを含む警報指示データを生成し、生成した警報指示データを、先に基地局12から受け取った携帯端末識別データとともに、当該基地局12、すなわち先に受け取った基地局識別データにより識別される基地局12に対し第1送信部1312を介して送信する。
【0047】
基地局12の制御部122は、有線受信部1214を介してサーバ装置13から警報指示データおよび携帯端末識別データを受け取ると、受け取った携帯端末識別データにより識別される携帯端末装置11に対し、無線送信部1213およびアンテナ1211を介して、サーバ装置13から受け取った警報指示データを送信する。
【0048】
携帯端末装置11の制御部113は、アンテナ1161および受信部1162を介して警報指示データを受け取ると、受け取った警報指示データに含まれる警報レベルに応じた音色、音高および音量の楽音の発音を指示する発音指示データを生成し、サウンドシステム112に引き渡す。サウンドシステム112の音源部1125は制御部113から受け取った発音指示データに応じた音色および音高の楽音を示す音データを生成し、D/Aコンバータ1126はその音データをアナログの音信号に変換する。アンプ1127はD/Aコンバータ1126から出力される音信号を制御部113から受け取った発音指示データに応じた音量となるように増幅し、エコーキャンセラ1123を介してスピーカ1122に出力する。スピーカ1122はそのように受け取った音信号を音に変換し発音する。
【0049】
上記のように、ユーザの状況に応じた警報レベルの警報音がスピーカ1122から発せられるため、ユーザは自分の体調等に異常が生じた場合、すぐさまその異常の発生およびその程度を知ることができ、例えば運動中であれば運動を中止して休憩をとるなどの対処が可能となる。また、ユーザが暴漢に襲われそうになり、心拍数や血圧が急上昇したような場合、そのようなユーザの状況を示す条件が充たされ、例えば大音量のサイレン音が携帯端末装置11から発せられることにより、周囲の人がユーザの所に駆けつけたり、暴漢が恐れをなして退散する等の効果が期待される。
【0050】
なお、警報レベルに加え、もしくはそれに代えて、サーバ装置13から携帯端末装置11に対し、充たされた条件を示す条件データに含まれる「状況」欄のデータが送信されるようにしてもよい。その場合、携帯端末装置11の制御部113はユーザの状況の内容に応じた異なる警報音の発音を指示する発音指示データを生成し、サウンドシステム112に引き渡す。その結果、ユーザの状況が異なる警報音により、より詳細にユーザもしくは周囲の人々に通知されることになる。
【0051】
また、携帯端末装置11はスピーカ1122から警報音を発するのに加え、もしくはそれに代えて、例えば警報ランプの発光や振動等の他の通知手段により警報の通知を行うようにしてもよい。
【0052】
ところで、判定部1321により充たされたと判定された条件を示す条件データ(図5参照)の「連絡先」欄にいずれかの連絡先が示されている場合、サーバ装置13は上記のように基地局12を介して携帯端末装置11に対し警報指示データを送信する一方で、連絡先に対し公衆電話網14を介した通報を行う。
【0053】
例えば、連絡先に「登録連絡先」が示されている場合、サーバ装置13の通信接続処理部1323は記憶部133に記憶されている携帯端末DB1333(図7参照)から、先に基地局12から受け取った携帯端末識別データに対応する携帯端末データを検索し、検索した携帯端末データに含まれる登録連絡先に示される電話番号に対し発呼するよう、第2送信部1342に指示する。また、連絡先に「警察署」や「消防署」等の所定の連絡先が示されている場合、サーバ装置13の通信接続処理部1323は「110」や「119」等の所定の電話番号に対し発呼するよう、第2送信部1342に指示する。第2送信部1342はその指示に応じて公衆電話網14に対し発呼を行い、サーバ装置13と発呼先の電話機15との間に通信接続が確立される。
【0054】
上記のようにサーバ装置13と電話機15との間に通信接続が確立されると、サーバ装置13の音声データ合成部1324は、位置DB1332(図6参照)から、先に基地局12から受け取った基地局識別データに対応する位置データを検索し、検索した位置データに含まれる基地局12の住所を示すテキストデータを取得する。また、音声データ合成部1324は、携帯端末DB1333(図7参照)から、先に基地局12から受け取った携帯端末識別データに対応する携帯端末データを検索し、検索した携帯端末データに含まれる所持者を示すテキストデータを取得する。さらに、音声データ合成部1324は、判定部1321により充たされたと判定された条件を示す条件データに含まれる「状況」欄のテキストデータを取得する。
【0055】
音声データ合成部1324は、上記のように取得した各種のテキストデータを組合せ、例えば「山田太郎さんが、血圧がかなり高い状態になっています。山田太郎さんは、現在、東京都千代田区大手町1丁目2番地付近にいらっしゃいます。」といったテキストデータを生成する。また、例えば図1における携帯端末装置11−3のように、エリアa1とエリアa2の両方にまたがる領域に配置されているような場合、サーバ装置13は同じ携帯端末識別データを含むデータを基地局12−1および基地局12−2からほぼ同時に受信することになる。そのような場合、音声データ合成部1324は、例えば「山田太郎さんが、血圧がかなり高い状態になっています。山田太郎さんは、現在、東京都千代田区大手町1丁目2番地と東京都千代田区大手町1丁目4番地の中間地点付近にいらっしゃいます。」といったテキストデータを生成する。
【0056】
音声データ合成部1324は上記のようにテキストデータを生成すると、記憶部133に記憶されている音素データ群1334から必要な音素データを読み出し、生成したテキストデータを人間が読み上げた場合の音声を示す音声データを合成する。音声合成の方法は従来技術によるので、その説明を省略する。音声データ合成部1324は合成した音声データを第2送信部1342に引き渡す。第2送信部1342は受け取った音声データをアナログの音声信号に変換した後、連絡先の電話機15に送信する。
【0057】
なお、サーバ装置13が公衆電話網14を介して音声通話によりユーザの状況を連絡先に対し通報する代わりに、例えば電子メール等により、同様の情報を連絡先の人々に通報するようにしてもよい。その場合、サーバ装置13は上記の音声合成を行う代わりに、同様の内容を示すテキストデータを含む電子メールを生成し、電話番号の代わりにメールアドレスを用いて、インターネット等の公衆データ通信網に対し生成した電子メールを送信する。そのように送信された電子メールは、公衆データ通信網に接続されたパーソナルコンピュータ等により受信され、連絡先の人々にユーザの状況が通報される。
【0058】
上記のように、予め連絡先がサーバ装置13に登録されている場合、ユーザの状況に応じて登録されている連絡先に対し、ユーザの状況およびユーザのいる場所に関する情報が通報されるため、例えばユーザの家族や警察官、救急隊員等が状況に応じた必要な対処をとることができる。
【0059】
警報システム1は、さらにユーザの状況に異常が発生した場合、ユーザの音声を連絡先の人々に伝達する機能を備えている。例えば、サーバ装置13の判定部1321により、警報レベルが「高」の条件データにより示される条件が充たされたと判定された場合、サーバ装置13の制御部132は基地局12を介し、携帯端末装置11に対し音声データの送信要求を示す送信要求データを送信する。携帯端末装置11は基地局12を介して送信要求データを受信すると、記憶部115にその時点で記憶されている音声データ1152を読み出し、基地局12を介してサーバ装置13に送信する。そのように送信される音声データは、ユーザの過去3分間の音声を記録したデータである。
【0060】
サーバ装置13の制御部132は基地局12を介して携帯端末装置11から音声データを受信すると、受信した音声データを第2送信部1342に引き渡す。第2送信部1342は、受け取った音声データをアナログの音声信号に変換し、既に上記のように公衆電話網14において確立された通信接続を用いて、連絡先の電話機15に対しユーザの音声を示す音声信号を送信する。
【0061】
上記のように、ユーザの音声が連絡先の人々に伝達されるため、ユーザが苦しみを声に出して訴えたり、例えば暴漢に襲われそうになった場合に助けを求めて叫んでいる様子等が家族や警察官、救急隊員等に伝わり、それらの人々はより適切な対処をとることができる。また、ユーザが暴漢に襲われそうになった場合など、暴漢の音声もユーザの音声とともに記録されている可能性があり、暴漢の特定等にも役立つ。そのため、携帯端末装置11はサーバ装置13から音声データの送信要求データを受信した場合、その時点で記憶部115に記憶している音声データ1152のコピーを生成し、そのコピーを記憶部115に保持するようにしてもよい。
【0062】
以上、説明したように、本発明にかかる警報システム1によれば、携帯端末装置11を装着したユーザが体調不良に陥ったり、暴漢に襲われる等の危険に遭遇したような場合、それらの異常な状況が、異常な状況の程度に応じて、自動的に然るべき人に通知されるため、ユーザ自らが危険な状況を回避するための手段を講じたり、ユーザの周囲の人々や通報を受けた人が必要な対処をとったりすることができる。その際、ユーザは何らかの操作を行う必要はなく、また、ユーザ自身に自覚症状がなくとも、適切な通知が行われる。
【0063】
その際、携帯端末装置11のユーザは、自分の身体の特徴に応じた条件データを自分の携帯端末装置11に対応する携帯端末条件DBに登録することにより、警報システム1による警報の通知のトリガをカスタマイズすることができる。その結果、例えば頻繁に喘息の発作が起こるユーザは、喘息の発作が始まる前の血圧値や心拍数、それらの変化等に関する条件を携帯端末条件DBに登録しておくことにより、喘息の発作の兆候をいち早く警報システム1に検出させ自分もしくは家族等に警報を報知させる、といったことが可能となる。
【0064】
ところで、上記の実施形態には、本発明の技術的思想の範囲において、様々な変形を施すことが可能である。例えば、上記の説明においては、サーバ装置13により連絡先の電話機15に対し通知されるユーザの場所に関する情報は、携帯端末装置11の最寄りの基地局12の住所であるものとしたが、例えば複数の基地局12により受信される同じ携帯端末装置11から発せられた電波の強度に基づき、サーバ装置13が携帯端末装置11の位置をより細かく特定することを可能としてもよい。その場合、例えば、警報システム1のサービスエリア内においては、携帯端末装置11はいずれの地点においても少なくとも3つの基地局12との間で通信が可能であるように基地局12を配置する。基地局12は携帯端末装置11から計測データ等を受信すると、その際の電波の強度を示す電波強度データを計測データ等とともにサーバ装置13に送信する。サーバ装置13は3つ以上の基地局12から同じ携帯端末装置11を示す携帯端末識別データおよび同じ時刻を示す時刻データを含むデータを受信すると、それらのデータとともに受信された電波強度データに基づき、各々の基地局12の位置を示す経度緯度から携帯端末装置11の位置を示す経度緯度を推定し、推定した携帯端末装置11の経度緯度に対応する住所を地図データから取得して、電話機15に対する通報に用いる。
【0065】
また、上記の説明においては、携帯端末装置11および基地局12は公衆電話網14とは異なる無線通信システムを用いるものとしたが、基地局12は移動電話網の基地局であり、携帯端末装置11は移動電話網に接続可能な端末装置であってもよい。その場合、既存の移動電話網の設備を利用して本発明にかかる警報システムを実現することが可能となる。
【0066】
また、上記の説明においては、携帯端末装置11の位置を特定するにあたり、携帯端末装置11の最寄りの基地局12の位置が用いられるものとしたが、例えば携帯端末装置11がGPS(Global Positioning System)衛星から送信される電波に基づき現在の位置を示す位置データを生成可能とし、サーバ装置13に対しそのように生成した位置データを送信するようにしてもよい。その場合、サーバ装置13は基地局12の住所の代わりに携帯端末装置11から受信した位置データを用いて、携帯端末装置11の現在の位置を特定する。その結果、携帯端末装置11の位置が連絡先の人々により正確に伝達される。
【0067】
また、基地局12およびサーバ装置13は、専用のハードウェアにより実現されてもよいし、汎用コンピュータにアプリケーションプログラムに従った処理を実行させることにより実現されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施形態にかかる警報システムの全体構成を示したブロック図である。
【図2】本発明の実施形態にかかる携帯端末装置の構成を示したブロック図である。
【図3】本発明の実施形態にかかる基地局の構成を示したブロック図である。
【図4】本発明の実施形態にかかるサーバ装置の構成を示したブロック図である。
【図5】本発明の実施形態にかかる条件DB群の内容を例示した図である。
【図6】本発明の実施形態にかかる位置DBの内容を例示した図である。
【図7】本発明の実施形態にかかる携帯端末DBの内容を例示した図である。
【図8】本発明の実施形態にかかる計測データ群の内容を例示した図である。
【符号の説明】
【0069】
1…警報システム、11…携帯端末装置、12…基地局、13…サーバ装置、14…公衆電話網、15…電話機、111…センサ群、112…サウンドシステム、113・122・132…制御部、114…発振器、115・123・133…記憶部、116…無線通信部、121…通信部、131…第1通信部、134…第2通信部、1111…温度センサ、1112…圧力センサ、1113…湿度センサ、1114…光センサ、1115…加速度センサ、1121…マイク、1122…スピーカ、1123…エコーキャンセラ、1124…A/Dコンバータ、1125…音源部、1126…D/Aコンバータ、1127…アンプ、1131…計測データ生成部、1132…計時部、1161・1211…アンテナ、1162…受信部、1163…送信部、1212…無線受信部、1213…無線送信部、1214…有線受信部、1215…有線送信部、1311…第1受信部、1312…第1送信部、1321…判定部、1322…警報指示データ生成部、1323…通信接続処理部、1324…音声データ合成部、1341…第2受信部、1342…第2送信部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体の属性値を計測するセンサと、当該センサの計測の結果を示す計測データを自機を識別する携帯端末識別データとともに複数の基地局のうちの少なくとも1の基地局に無線により送信する送信手段と、前記複数の基地局のうちの少なくとも1の基地局から警報指示データを無線により受信する受信手段と、当該受信手段により受信された警報指示データに従いユーザに対する警報の通知を行う通知手段とを各々備える複数の携帯端末装置と、
前記複数の携帯端末装置のうちの少なくとも1の携帯端末装置から計測データおよび携帯端末識別データを無線により受信するとともにサーバ装置から警報指示データおよび携帯端末識別データを無線もしくは有線により受信する受信手段と、当該受信手段により当該1の携帯端末装置から受信された計測データおよび携帯端末識別データを自機を識別する基地局識別データとともに前記サーバ装置に無線もしくは有線により送信するとともに当該受信手段により前記サーバ装置から受信された警報指示データを無線により当該受信手段により前記サーバ装置から受信された携帯端末識別データにより識別される携帯端末装置に送信する送信手段とを各々備える複数の基地局と、
前記複数の基地局の各々から計測データ、携帯端末識別データおよび基地局識別データを無線もしくは有線により受信する受信手段と、当該受信手段により受信された計測データが所定の条件を満たす場合に警報指示データを当該受信手段により受信された携帯端末識別データとともに無線もしくは有線により当該受信手段により受信された基地局識別データにより識別される基地局に送信する送信手段とを備えるサーバ装置と
を備えることを特徴とする警報システム。
【請求項2】
身体の属性値を計測するセンサと、当該センサの計測の結果を示す計測データを自機を識別する携帯端末識別データとともに複数の基地局のうちの少なくとも1の基地局に無線により送信する送信手段とを各々備える複数の携帯端末装置と、
前記複数の携帯端末装置のうちの少なくとも1の携帯端末装置から計測データおよび携帯端末識別データを無線により受信する受信手段と、当該受信手段により受信された計測データおよび携帯端末識別データを自機を識別する基地局識別データとともに前記サーバ装置に無線もしくは有線により送信する送信手段とを各々備える複数の基地局と、
前記複数の携帯端末装置の各々の携帯端末識別データに対応付けて、通信網において所定の通信端末装置を識別する通信端末識別データを予め記憶する記憶手段と、前記複数の基地局の各々から計測データ、携帯端末識別データおよび基地局識別データを無線もしくは有線により受信する受信手段と、当該受信手段により受信された計測データが所定の条件を満たす場合に当該受信手段により受信された携帯端末識別データに対応付けて当該記憶手段に記憶されている通信端末識別データにより識別される通信端末装置との間に通信接続を確立し当該受信手段により受信された基地局識別データにより識別される基地局の位置を示す位置データを当該通信接続を用いて送信する通信手段とを備えるサーバ装置と
を備えることを特徴とする警報システム。
【請求項3】
身体の属性値を計測するセンサと、
前記センサの計測の結果を示す計測データを自機を識別する携帯端末識別データとともに複数の基地局のうちの少なくとも1の基地局に無線により送信する送信手段と、
前記複数の基地局のうちの少なくとも1の基地局から警報指示データを無線により受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された警報指示データに従いユーザに対する警報の通知を行う通知手段と
を備えることを特徴とする携帯端末装置。
【請求項4】
複数の携帯端末装置のうちの少なくとも1の携帯端末装置から身体の属性値の計測結果を示す計測データおよび当該携帯端末装置を識別する携帯端末識別データを無線により受信するとともに、サーバ装置から警報の通知を指示する警報指示データおよび前記複数の携帯端末装置のうちのいずれかの携帯端末装置を識別する携帯端末識別データを無線もしくは有線により受信する受信手段と、
前記受信手段により前記1の携帯端末装置から受信された計測データおよび携帯端末識別データを自機を識別する基地局識別データとともに前記サーバ装置に無線もしくは有線により送信するとともに、前記受信手段により前記サーバ装置から受信された警報指示データを無線により前記受信手段により前記サーバ装置から受信された携帯端末識別データにより識別される携帯端末装置に送信する送信手段と
を備えることを特徴とする基地局。
【請求項5】
複数の携帯端末装置のうちの少なくとも1の携帯端末装置から身体の属性値の計測結果を示す計測データおよび当該携帯端末装置を識別する携帯端末識別データを無線により受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された計測データおよび携帯端末識別データを自機を識別する基地局識別データとともにサーバ装置に無線もしくは有線により送信する送信手段と
を備えることを特徴とする基地局。
【請求項6】
複数の基地局の各々から身体の属性値の計測結果を示す計測データ、携帯端末装置を識別する携帯端末識別データおよび当該基地局を識別する基地局識別データを無線もしくは有線により受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された計測データが所定の条件を満たす場合に、警報の通知を指示する警報指示データを前記受信手段により受信された携帯端末識別データとともに無線もしくは有線により前記受信手段により受信された基地局識別データにより識別される基地局に送信する送信手段と
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項7】
複数の携帯端末装置の各々に関し、当該携帯端末装置を識別する携帯端末識別データに対応付けて、通信網において所定の通信端末装置を識別する通信端末識別データを予め記憶する記憶手段と、
複数の基地局の各々から身体の属性値の計測結果を示す計測データ、携帯端末装置を識別する携帯端末識別データおよび当該基地局を識別する基地局識別データを無線もしくは有線により受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された計測データが所定の条件を満たす場合に、前記受信手段により受信された携帯端末識別データに対応付けて前記記憶手段に記憶されている通信端末識別データにより識別される通信端末装置との間に通信接続を確立し、前記受信手段により受信された基地局識別データにより識別される基地局の位置を示す位置データを、当該通信接続を用いて送信する通信手段と
を備えることを特徴とするサーバ装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2006−333114(P2006−333114A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−154270(P2005−154270)
【出願日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】