説明

負荷駆動装置

【課題】吸入調量弁を駆動する電磁コイルのローサイドの+B異常を検出することができる負荷駆動装置を提供する。
【解決手段】電磁コイルに流れる実電流を取得し(ステップ100)、取得した実電流が異常電流値を超え(ステップ110)、実電流と目標電流との電流偏差ΔIを取得し(ステップ120)、取得した電流偏差ΔIが異常電流偏差値以上となり(ステップ130)、さらに、実電流の値が0である場合(ステップ150)、電磁コイルのローサイドの+B異常であると確定する(ステップ160)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、負荷のローサイドの電源入力異常を検出する機能を備えた負荷駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ディーゼル燃料噴射システムにおいて、吸入調量型の燃料供給ポンプに内蔵された吸入調量弁(SCV)の電磁コイルを駆動する負荷駆動装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。当該負荷駆動装置には、負荷である電磁コイルのローサイドに保護回路が設けられている。この保護回路は、電磁コイルに電流を流すバッテリ電源に異常が発生した場合、電磁コイルに流れる電流を停止させて電磁コイルを保護する機能を有している。また、負荷駆動装置は、吸入調量弁を駆動する電磁コイルのハイサイド・ローサイドの各バッテリ電源異常やグランド異常を検出する機能を有している。
【特許文献1】特開2003−307149号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の技術では、吸入調量弁を駆動する電磁コイルに電流を流すバッテリ電源やグランドに異常が発生した場合、電磁コイルのローサイドでは当該バッテリ電源異常やグランド異常を検出できない。このことについて、図5〜図7を参照して説明する。
【0004】
なお、以下では、バッテリ電源異常、すなわちバッテリ電源のショートを+B異常、グランド異常、すなわちグランドショートをGND異常という。また、図5〜図7において、電磁コイルに流れる電流をSCV実電流、電磁コイルに流すべき目標電流をSCV目標電流と記してある。
【0005】
図5は、電磁コイルのハイサイドの+B異常時における電磁コイルに流れる電流のタイムチャートである。図6は、電磁コイルのローサイドの+B異常時における電磁コイルに流れる電流のタイムチャートである。そして、図7は、電磁コイルに流れる電流のグランド異常時における電磁コイルに流れる電流のタイムチャートをそれぞれ示したものである。
【0006】
まず、負荷駆動装置は、電磁コイルに流れる実電流が+B異常であることを示す+B異常電流閾値を一定時間超える場合、+B異常であると判定し、+B異常のダイアグ確定を行う。また、負荷駆動装置は、電磁コイルに流れる実電流がグランド異常であることを示すGND異常電流閾値を一定時間下回る場合、GND異常であると判定し、GND異常のダイアグ確定を行う。
【0007】
図5に示されるように、電磁コイルのハイサイドを流れる実電流は、電磁コイルのハイサイドにおいて+B異常発生時に電磁コイルを流れる目標電流よりも急増し、+B異常電流閾値を超えてしまう。しかしながら、電磁コイルを流れる実電流は、電磁コイルの抵抗の効果によって増加し続けることはなく、+B異常電流閾値を超える実電流が一定時間続く。
【0008】
このため、負荷駆動装置は、電磁コイルのハイサイドを流れる実電流が+B異常電流閾値を超えると判定でき、+B異常であると判定することができる。これにより、当該+B異常であることを示すダイアグを確定することができ、吸入調量弁を駆動する電磁コイルのハイサイドの+B異常については、電磁コイルのハイサイドの+B異常であると正常に判定することができる。
【0009】
なお、上記の場合においては、GND異常が判定される前に+B異常が判定されるため、電磁コイルを流れる実電流がGND異常電流閾値を下回っても、GND異常を示すダイアグ確定はなされない。
【0010】
しかしながら、電磁コイルのローサイドについては、電磁コイルを流れる実電流が+B異常電流閾値を超えると、保護回路が作動して電磁コイルに電流が流れなくなる。このため、図6に示されるように、電磁コイルのローサイドを流れる実電流は、電磁コイルのローサイドにおいて+B異常発生時に電磁コイルを流れる目標電流よりも急増するが、保護回路の作動によって電磁コイルに流れる電流が0になる。これにより、実電流が+B異常電流閾値を超える時間が、負荷駆動装置が+B異常であることを判定できる時間よりも短くなってしまう。
【0011】
したがって、負荷駆動装置が+B異常であると判定する前に、実電流が急減してGND異常電流閾値を下回り、負荷駆動装置はGND異常であると判定してGND異常としてダイアグ確定を行ってしまう。
【0012】
また、図7に示されるように、電磁コイルのグランドに異常が生じた場合、電磁コイルに流れる電流は、目標電流よりも先にGND異常電流閾値を下回り、GND異常としてダイアグ確定が行われる。
【0013】
なお、+B異常やGND異常の発生に伴って吸入調量弁が駆動されなくなると蓄圧容器としてのコモンレール内の実圧は一定の目標圧に対してそれぞれ漸増していくが、負荷駆動装置の異常判定への影響はない。
【0014】
以上のように、従来の負荷駆動装置では吸入調量弁を駆動する電磁コイルのハイサイドにおける+B異常を正常に検出できる一方、電磁コイルのローサイドの異常検出については+B異常でありながらGND異常としてダイアグが確定してしまっていた。このような場合、負荷駆動装置の修理の際に、故障とは関係ないGND異常から調べることになり、修理が煩雑になっていた。
【0015】
そこで、電磁コイル90のローサイドにおける+B異常を検出するためだけの検出回路を設けることが考えられるが、コストが増加し、好ましくない。
【0016】
本発明は、上記点に鑑み、吸入調量弁を駆動する電磁コイルのローサイドの+B異常を検出することができる負荷駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するため、本発明の第1の特徴では、まず、負荷(90)に接続された実電流検出抵抗(60)を流れる電流を差動増幅回路部(70)にて検出することで、負荷に流れる駆動電流を取得すると共に、負荷に流れる駆動電流が、負荷のローサイドにおけるバッテリ電源のショートであると推定される異常電流値以上となるか否かを判定する。また、負荷に流れる駆動電流と記憶手段(85)に記憶された負荷に流すべき目標電流との差である電流偏差を取得すると共に、電流偏差が、負荷のローサイドにおけるバッテリ電源のショートに基づく電流偏差の値であると推定される異常電流偏差値以上となるか否かを判定する。そして、負荷に流れる駆動電流が異常電流値以上であり、かつ、電流偏差が異常電流偏差値以上である場合、負荷のローサイドにおいてバッテリ電源に異常が発生しているとして、負荷のローサイドにおけるバッテリ電源のショートであるとダイアグ確定を行って報知することを特徴とする。
【0018】
これにより、負荷のローサイドにおける+B異常の挙動を一つずつ判定することができ、負荷のローサイドのバッテリ電源のショートを判定することができる。したがって、負荷のローサイドにおけるバッテリ電源のショートをグランドショートとして判定することなく、正常にバッテリ電源のショートであると判定することができる。
【0019】
これに伴い、負荷駆動装置にショートによる故障が発生した場合であっても、故障とは関係ないグランドショートから調べずに済み、修理の工程を削減することができる。また、上記のような判定を行うことで、負荷のローサイドにおけるバッテリ電源のショートを検出するためだけの回路を不要とすることができる。
【0020】
以上のようにして、負荷のローサイドにおけるバッテリ電源のショートをグランドショートではなくバッテリ電源のショートであることを報知することができる。
【0021】
また、制御手段にて負荷に流れる駆動電流が、異常電流値以上となると判定すると共に、電流偏差が異常電流偏差値以上となると判定した後、負荷に電流が流れているか否かを判定し、負荷に電流が流れていないと判定した場合にダイアグ確定を行うこともできる。
【0022】
本発明の第2の特徴では、まず、負荷(90)に接続された実電流検出抵抗(60)を流れる電流を差動増幅回路部(70)にて検出することで、負荷に流れる駆動電流を取得すると共に、負荷に流れる駆動電流が、負荷のローサイドにおけるバッテリ電源のショートであると推定される異常電流値以上となるか否かを判定する。また、蓄圧器内の圧力を取得すると共に、当該蓄圧器内の圧力と、記憶手段(85)に記憶された蓄圧器内の目標圧との差であるレール圧偏差を取得し、レール圧偏差が、負荷のローサイドにおけるバッテリ電源のショートに基づく値であると推定される異常レール圧偏差値以上となるか否かを判定する。そして、負荷に流れる駆動電流が異常電流値以上となり、かつ、レール圧偏差が異常レール圧偏差値以上となった場合、負荷のローサイドにおいてバッテリ電源に異常が発生しているとして、負荷のローサイドにおけるバッテリ電源のショートであるとダイアグ確定を行って報知することを特徴とする。
【0023】
このように、負荷のローサイドにおけるバッテリ電源のショートが生じた際の蓄圧器内の圧力の挙動に基づいて、負荷のローサイドにおけるバッテリ電源のショートを判定することができる。このようにしても、負荷のローサイドにおけるバッテリ電源のショートをグランドショートではなくバッテリ電源のショートであることを報知することができる。
【0024】
本発明の第3の特徴では、上記本発明の第1の特徴と本発明の第2の特徴との組み合わせによっても負荷のローサイドにおいてバッテリ電源に異常が発生していると判定することもできる。
【0025】
すなわち、負荷(90)に流れる駆動電流を取得して当該駆動電流が異常電流値以上となるか否かを判定すると共に、電流偏差を取得して当該電流偏差が異常電流偏差値以上となるか否かを判定し、駆動電流が異常電流値以上であり、かつ、電流偏差が異常電流偏差値以上である場合、負荷のローサイドにおいてバッテリ電源に異常が発生している可能性があるとして、仮異常としてその内容を保持する。また、蓄圧器内の圧力を取得して当該圧力と目標圧との差であるレール圧偏差を取得すると共に、レール圧偏差が異常レール圧偏差値以上となるか否かを判定する。そして、仮異常が保持され、かつ、レール圧偏差が異常レール圧偏差値以上となった場合、負荷のローサイドにおいてバッテリ電源に異常が発生しているとして、負荷のローサイドにおけるバッテリ電源のショートであるとダイアグ確定を行って報知することを特徴とする。
【0026】
このように、負荷に流れる駆動電流および蓄圧器内の圧力両方に基づいて、負荷のローサイドにおけるバッテリ電源のショートの判定を行うことで、精度良くバッテリ電源のショートを判定することができる。
【0027】
上記に示された負荷駆動装置において、負荷のローサイドに、負荷に過電流が流れた際に当該過電流をカットする保護回路(4、5、6、50)を備えることもできる。
【0028】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
【0030】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図を参照して説明する。本実施形態で示される負荷駆動装置は、車両におけるサプライポンプからコモンレール内に圧送されるポンプ圧送量を変更する吸入調量弁を電磁コイルにて駆動するものである。
【0031】
図1は、本発明の第1実施形態に係る負荷駆動装置のブロック図である。この図に示されるように、負荷駆動装置1は、過電流検出抵抗10と、電流検出回路部20と、レベル変換部30と、駆動用トランジスタ40と、保護用トランジスタ50と、実電流検出抵抗60と、差動増幅回路部70と、CPU80と、記憶部85とを備えて構成されている。
【0032】
過電流検出抵抗10は、負荷駆動装置1に接続された吸入調量弁(SCV)を駆動する電磁コイル90に流れる過電流を検出するための抵抗である。当該過電流検出抵抗10の一端はバッテリ電源2に接続され、他端は駆動用トランジスタ40のドレインに接続されている。なお、以下ではバッテリ電源2を+Bという。
【0033】
電流検出回路部20は、過電流検出抵抗10に流れる過電流を検出し、過電流検出抵抗10に過電流が流れている場合、レベル変換部30に駆動用トランジスタ40を停止させる駆動停止指令を出す機能を有している。
【0034】
レベル変換部30は、CPU80から入力される駆動信号に応じたゲート電圧としてのPWM信号を、抵抗3を介して駆動用トランジスタ40に入力して駆動用トランジスタ40をPWM駆動するものである。また、レベル変換部30は、電流検出回路部20から入力される駆動停止指令に基づいて駆動用トランジスタ40の駆動を停止させるものである。
【0035】
駆動用トランジスタ40は、レベル変換部30から入力されるPWM信号に基づいてオン/オフすることで負荷駆動装置1に接続された電磁コイル90に電流を流すPch型のトランジスタである。本実施形態では、駆動用トランジスタ40のソースが電磁コイル90のハイサイドに接続されている。なお、抵抗3、レベル変換部30、および駆動用トランジスタ40は、本発明の駆動手段に相当する。
【0036】
保護用トランジスタ50は、+B異常またはGND異常が生じた場合、CPU80からの指令に基づいて負荷としての電磁コイル90に流れる電流をカットするNch型のトランジスタであり、保護回路として機能するものである。本実施形態では、保護用トランジスタ50のドレインが電磁コイル90のローサイドに接続されている。
【0037】
なお、電磁コイル90は本発明の負荷に相当する。さらに、以下では、+B異常はバッテリ電源2のショート、GND異常はグランドショートを意味するものとして説明する。また、上記の電磁コイル90のハイサイドとは電磁コイル90の高圧側を指し、負荷駆動装置1において駆動用トランジスタ40のソースが接続される端子と電磁コイル90の一端との間の電気的経路に相当する。電磁コイル90のローサイドとは電磁コイル90の低圧側を指し、負荷駆動装置1において保護用トランジスタ50のドレインが接続される端子と電磁コイル90の他端との間の電気的経路に相当する。これら各経路は、例えばワイヤーハーネス等の配線になっている。そして、電磁コイル90のハイサイドで+B異常とは、電磁コイル90のハイサイドが+Bショートすることを指し、負荷駆動装置1において駆動用トランジスタ40のソースが接続される端子と電磁コイル90の一端との間の配線が+Bと同電位になることを指す。電磁コイル90のローサイドで+B異常とは、電磁コイル90のローサイドが+Bショートすることを指し、負荷駆動装置1において保護用トランジスタ50のドレインが接続される端子と電磁コイル90の他端との間の配線が+Bと同電位になることを指す。電磁コイル90のGND異常とは、上記のようにグランドショートを意味するものであるが、より詳しくは電磁コイル90のハイサイドまたはローサイドがグランドとショートすることを指す。
【0038】
また、保護用トランジスタ50のゲートは抵抗4の一端に接続され、当該抵抗4の他端に抵抗5の一端およびnpn型の停止用トランジスタ6のコレクタが接続されている。当該停止用トランジスタ6のエミッタはグランドに接続され、抵抗5の他端に5Vの電圧が印加されている。なお、抵抗4、5、停止用トランジスタ6、および保護用トランジスタ50は、本発明の保護回路に相当する。
【0039】
停止用トランジスタ6のベースはCPU80に接続されている。そして、当該ベースがCPU80から入力される保護信号に応じて駆動されることで、保護用トランジスタ50が駆動され、電磁コイル90に流れる電流がカットされるようになっている。
【0040】
実電流検出抵抗60は、電磁コイル90に流れる駆動電流を検出するための抵抗であり、一端が保護用トランジスタ50のソースに接続され、他端がグランドに接続されている。
【0041】
差動増幅回路部70は、実電流検出抵抗60に流れる電流を増幅してA/D変換したものをCPU80に入力するものである。
【0042】
CPU80は、駆動用トランジスタ40を駆動するためにレベル変換部30に駆動信号を入力する機能、保護用トランジスタ50を駆動して保護回路として機能させるため、停止用トランジスタ6に保護信号を入力する機能、差動増幅回路部70から入力される電磁コイル90に流れる電流に基づいて電磁コイル90のローサイドにおける+B異常を検出する+B異常検出処理を実行する機能を有している。なお、CPU80は、本発明の制御手段に相当する。
【0043】
記憶部85は、データを記憶する記憶手段であり、ROMやRAM等で構成されるものである。当該記憶部85には、CPU80が+B異常検出処理を実行するための+B異常検出プログラムや電磁コイル90に流すべき目標電流値等が記憶されている。当該プログラムはCPU80によって実行される。
【0044】
以上が、本実施形態に係る負荷駆動装置1の全体構成である。上記負荷駆動装置1として例えばECUが採用される。
【0045】
上記負荷駆動装置1において、GND異常が生じた場合、実電流検出抵抗60に流れる電流が0となる。このため、CPU80にて当該電流がGND異常電流閾値を下回ったと判定され、ハイサイドまたはローサイドのGND異常としてダイアグ確定がなされる。
【0046】
電磁コイル90のハイサイドにおいて+B異常が発生した場合、実電流検出抵抗60には、電磁コイル90を流れた後の電流が流れることになる。したがって、保護回路としての保護用トランジスタ50が作動するまでの間に、実電流検出抵抗60に流れる電流が+B異常電流閾値を超えると判定することができ、電磁コイル90のハイサイドにおける+B異常を検出することができる。
【0047】
また、負荷駆動装置1において、保護回路として機能する保護用トランジスタ50は次のように駆動される。通常、電磁コイル90が駆動される場合、CPU80から停止用トランジスタ6のベースをオフする保護信号が入力される。これにより、停止用トランジスタ6がオフし、各抵抗4、5の接続点、すなわち保護用トランジスタ50のゲートに一定電圧が入力されて保護用トランジスタ50がオンされる。これにより、電磁コイル90に電流が流れ、吸入調量弁が駆動される。
【0048】
しかしながら、電磁コイル90のローサイドで+B異常が生じた場合、実電流検出抵抗60に流れる電流が急増し(図6参照)、その電流値が差動増幅回路部70にて検出およびA/D変換され、CPU80に入力される。これにより、CPU80から停止用トランジスタ6のベースをオンする保護信号が入力され、停止用トランジスタ6がオンし、抵抗5に電流が流れて保護用トランジスタ50のゲートがオフされる。すると、実電流検出抵抗60に電流が流れなくなり、負荷駆動装置1にてGND異常として検出されてしまう。
【0049】
次に、上記のように電磁コイル90のローサイドで+B異常が発生したにも関わらず、負荷駆動装置1にてGND異常として誤判定されないように、負荷駆動装置1にて電磁コイル90のローサイドの+B異常を検出する+B異常検出処理について、図2を参照して説明する。図2は、電磁コイル90のローサイドの+B異常を検出する+B異常検出プログラムの内容を示すフローチャートである。本実施形態では、負荷駆動装置1に電源が供給されると、+B異常検出プログラムに従って図2に示されるフローがスタートする。また、当該フローは負荷駆動装置1が稼働している間、一定周期で繰り返し実行される。
【0050】
ステップ100では、電磁コイル90に流れる電流が取得される。これは、図1に示される実電流検出抵抗60に流れる電流が差動増幅回路部70にて増幅およびA/D変換されることで取得される。
【0051】
ステップ110では、電磁コイル90を流れる実電流が異常電流値以上となるか否かが判定される。当該異常電流値とは、負荷である電磁コイル90のローサイドにおけるバッテリ電源2のショートであると推定される値であり、記憶部85に記憶されている。
【0052】
本ステップにて実電流が異常電流値を下回ると判定されると電磁コイル90のローサイドに+B異常は発生していないとして本フローは終了し、所定時間経過後に再びスタートする。また、本ステップにて実電流が異常電流値以上の値であると判定されると、ステップ120に進む。
【0053】
ステップ120では、電流偏差ΔIが取得される。これは、上記ステップ100で取得された実電流と、記憶部85に記憶された電磁コイル90に流すべき目標電流との差が演算されることで取得される。
【0054】
ステップ130では、電流偏差ΔIの絶対値が異常電流偏差値以上となるか否かが判定される。当該異常電流偏差値とは、電磁コイル90が正常に駆動されている場合の電流偏差ΔIの絶対値が異常であると推定される値であり、記憶部85に記憶されている。電流偏差ΔIは、電磁コイル90に正常に電流が流れる場合には小さい値となり、保護回路としての保護用トランジスタ50が駆動されることで実電流が流れなくなる場合には大きい値となる。
【0055】
本ステップにて電流偏差ΔIの絶対値が異常電流偏差値を下回ると判定されると電磁コイル90のローサイドに+B異常は発生していないとして本フローは終了し、図2に示されるフローが繰り返し実行される。また、本ステップにて電流偏差ΔIの絶対値が異常電流偏差値以上の値であると判定されると、ステップ140に進む。
【0056】
ステップ140では、ステップ130にて電流偏差ΔIの絶対値が異常電流偏差値以上の値であるとn回連続して判定されたか否かが判定される。本ステップは、ステップ130での判定結果が+B異常が原因であるかを確実に判定するために設けられており、例えばnは2とされる。本ステップにて、n回連続であると判定されなければステップ120に戻る。また、本ステップにて、n回連続であると判定されるとステップ150に進む。
【0057】
ステップ150では、電磁コイル90に流れる実電流の値が0であるか否かが判定される。すなわち、電磁コイル90に異常電流が流れた場合、上述のように、CPU80からの保護信号によって停止用トランジスタ6がオンされ、保護回路としての保護用トランジスタ50がオフされる。これにより、図6に示されるように、+B異常によって実電流は急激に増加するが保護用トランジスタ50のオフによって急激に減少し、電磁コイル90に電流が流れなくなる。
【0058】
したがって、電磁コイル90に正常に電流が流れていれば保護用トランジスタ50が駆動されずに電磁コイル90に電流が流れるため、実電流は0ではないと判定され、ステップ120に戻る。一方、保護用トランジスタ50が駆動されて電磁コイル90に電流が流れないようにされると、ステップ100にて0の実電流が取得されるため、本ステップにて実電流は0であると判定され、ステップ160に進む。
【0059】
ステップ160では、電磁コイル90のローサイドにおける+B異常のダイアグが確定される。こうして、本スローは終了する。
【0060】
以上説明したように、本実施形態では、電磁コイル90に流れる実電流を取得し、取得した実電流が異常電流値を超え、かつ、実電流と目標電流との電流偏差ΔIを取得し、取得した電流偏差ΔIが異常電流偏差値以上となり、さらに、実電流の値が0である場合、電磁コイル90のローサイドの+B異常であると判定することが特徴となっている。
【0061】
このように、図6に示される電磁コイル90のローサイドにおける+B異常の挙動を一つずつ判定することで、電磁コイル90のローサイドの+B異常を検出することができる。これにより、電磁コイル90のローサイドの異常をGND異常としてダイアグ確定せずに、+B異常であることを示すダイアグを確定することができる。
【0062】
このような場合、負荷駆動装置1の修理の際に、故障とは関係ないGND異常から調べることはなくなり、修理が煩雑にならないようにすることができる。また、電磁コイル90のローサイドにおける+B異常を検出するためだけの検出回路を設ける必要がなくなり、コストを削減することができる。
【0063】
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。上記第1実施形態では、電磁コイル90に流れる電流に基づいて電磁コイル90のローサイドにおける+B異常を検出していたが、本実施形態では、コモンレール内の圧力に基づいて電磁コイル90のローサイドにおける+B異常を検出することが特徴となっている。
【0064】
すなわち、図1に示される負荷駆動装置1には、コモンレール内の圧力を検出する図示しない圧力センサから圧力に応じた信号が常時入力され、実圧として記憶部85に記憶されるようになっている。また、記憶部85にはコモンレール内の目標レール圧も記憶されている。
【0065】
図3は、本実施形態において、電磁コイル90のローサイドの+B異常を検出する+B異常検出プログラムの内容を示すフローチャートである。まず、ステップ200では、上記ステップ100と同様に、電磁コイル90に流れる電流が取得される。
【0066】
ステップ210では、上記ステップ110と同様に、電磁コイル90を流れる実電流が異常電流値以上となるか否かが判定される。本ステップにて実電流が異常電流値を下回ると判定されると電磁コイル90のローサイドで+B異常は発生していないとして本フローは終了する。また、本ステップにて実電流が異常電流値以上の値であると判定されると、ステップ220に進む。
【0067】
ステップ220では、遅延処理が行われる。図6に示されるように、保護用トランジスタ50が作動して電磁コイル90が駆動されなくなった場合、電磁コイル90に電流が流れなくなってからコモンレール内の圧力は上昇する。したがって、以後のステップ230にてレール圧偏差ΔPCを取得するために実圧が漸増し始めるまで本ステップにてディレイを設けている。
【0068】
ステップ230では、レール圧偏差ΔPCが取得される。これは、圧力センサから入力されるコモンレール内の実圧と記憶部85に記憶された目標レール圧との差が演算されることで取得される。
【0069】
ステップ240では、レール圧偏差ΔPCの絶対値が異常レール圧偏差値以上となるか否かが判定される。当該異常レール圧偏差値とは、電磁コイル90が正常に駆動されている場合のコモンレール内の圧力と目標レール圧との差であるレール圧偏差ΔPCの絶対値が異常であると推定される値であり、記憶部85に記憶されている。
【0070】
本ステップにてレール圧偏差ΔPCの絶対値が異常レール圧偏差値を下回ると判定されると電磁コイル90のローサイドで+B異常は発生していないとして本フローは終了する。また、本ステップにてレール圧偏差ΔPCの絶対値が異常レール圧偏差値以上の値であると判定されると、ステップ250に進む。
【0071】
ステップ250では、ステップ240にてレール圧偏差ΔPCの絶対値が異常レール圧偏差値以上の値であるとn回連続して判定されたか否かが判定される。本ステップでは、例えばnは2とされる。本ステップにて、n回連続であると判定されなければステップ230に戻る。また、本ステップにて、n回連続であると判定されるとステップ260に進む。
【0072】
ステップ260では、上記ステップ160と同様に、電磁コイル90のローサイドにおける+B異常のダイアグが確定される。こうして、本スローは終了する。
【0073】
以上説明したように、本実施形態では、電磁コイル90に流れる実電流を取得し、取得した実電流が異常電流値を超え、かつ、コモンレール内の実圧と目標レール圧とのレール圧偏差ΔPCを取得し、取得したレール圧偏差ΔPCが異常レール圧偏差値以上となった場合、電磁コイル90のローサイドで+B異常であると判定することが特徴となっている。
【0074】
このように、電磁コイル90のローサイドにおいて+B異常が発生することにより、保護用トランジスタ50が作動して電磁コイル90が駆動されなくなることに伴い、コモンレール内の圧力が上昇することを利用して電磁コイル90のローサイドにおける+B異常を判定することができる。このようにして、電磁コイル90のローサイドの+B異常を+B異常としてダイアグ確定することができる。
【0075】
(第3実施形態)
本実施形態では、上記各実施形態と異なる部分についてのみ説明する。本実施形態では、上記第1、第2実施形態を組み合わせて電磁コイル90のローサイドの+B異常を判定することが特徴となっている。なお、以下では、第1実施形態において図2に示された処理を第1異常検出処理といい、第2実施形態において図3に示された処理を第2異常検出処理という。
【0076】
図4は、本実施形態において、電磁コイル90のローサイドの+B異常を検出する+B異常検出プログラムの内容を示すフローチャートである。図4に示されるフローでは、まず、第1異常検出処理が行われる。当該第1異常検出処理は、図2に示されるステップ100〜ステップ150の各ステップに対応する処理である。
【0077】
すなわち、ステップ300にて電磁コイル90に流れる電流が取得され、ステップ305にて電磁コイル90を流れる実電流が異常電流値以上となるか否かが判定される。実電流が異常電流値以上の値であると判定されると、ステップ310にて電流偏差ΔIが取得される。ステップ305にて実電流が異常電流値以上にならないと判定されれば、本フローは終了する。
【0078】
続いて、ステップ315にて電流偏差ΔIの絶対値が異常電流偏差値以上となるか否かが判定される。電流偏差ΔIの絶対値が異常電流偏差値を下回ると判定されると電磁コイル90のローサイドに+B異常は発生していないとして本フローは終了する。また、ステップ315にて電流偏差ΔIの絶対値が異常電流偏差値以上の値であると判定されるとステップ320に進む。
【0079】
ステップ320では、ステップ315にて連続してΔIの絶対値が異常電流偏差値以上になると判定されればステップ325に進み、それ以外の判定結果の場合、ステップ310に戻る。
【0080】
ステップ330では、電磁コイル90のローサイドにおいて+B仮異常であるという結果が保持される。
【0081】
ステップ330に続いて、第2異常検出処理が行われる。当該第2異常検出処理は、図3に示されるステップ230〜ステップ260の各ステップに対応する処理である。まず、ステップ335にてレール圧偏差ΔPCが取得され、ステップ340にて、レール圧偏差ΔPCの絶対値が異常レール圧偏差値以上となるか否かが判定される。当該ステップ340にてレール圧偏差ΔPCの絶対値が異常レール圧偏差値以上の値であると判定されるとステップ345に進み、それ以外の判定結果の場合、本フローは終了する。
【0082】
そして、ステップ345にてレール圧偏差ΔPCの絶対値が異常レール圧偏差値以上の値であるとn回連続して判定されたか否かが判定される。当該ステップ345にてn回連続であると判定されればステップ350に進み、それ以外の判定結果の場合、本フローは終了する。
【0083】
ステップ350では、ステップ160、260と同様に、電磁コイル90のローサイドにおける+B異常のダイアグが確定される。こうして、本スローは終了する。
【0084】
以上説明したように、本実施形態では、第1、第2実施形態における第1、第2異常検出処理を組み合わせて電磁コイル90のローサイドの+B異常を判定することが特徴となっている。このように、電磁コイル90を流れる実電流と、コモンレール内の実圧それぞれに基づいて+B異常の判定を行うことができる。このような場合、異なるパラメータにて+B異常の判定を行っているため、当該判定の精度を向上させることができる。
【0085】
(他の実施形態)
図1に示される負荷駆動装置1の回路は一例を示すものであって、他の回路形態を採用しても構わない。
【0086】
図2〜図4に示されるフローチャートは一例を示すものであって、これに限定されるものではない。例えば、第1実施形態では、図1に示されるフローにおいてステップ140にて電流偏差ΔIの絶対値がn回連続して異常電流偏差値以上となるかを判定しているが、当該ステップ140をなくしたフローとしても構わない。当該ステップ140は、+B異常の判定の確実性を上げるステップであり、他のステップで判定の確実性を担保できるのであれば、ステップ130からステップ150に進むようにしても構わない。第2実施形態におけるステップ250も同様である。また、ステップ150やステップ250をそれぞれ無くしたフローとしても良い。
【0087】
なお、各図中に示したステップは、機能を実現するための手段に対応するものであり、上記図2〜図4に示したフローチャートの各ステップをハードウェアとして構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の第1実施形態に係る負荷駆動装置のブロック図である。
【図2】第1実施形態において、電磁コイルのローサイドの+B異常を検出する+B異常検出プログラムの内容を示すフローチャートである。
【図3】第2実施形態において、電磁コイルのローサイドの+B異常を検出する+B異常検出プログラムの内容を示すフローチャートである。
【図4】第3実施形態において、電磁コイルのローサイドの+B異常を検出する+B異常検出プログラムの内容を示すフローチャートである。
【図5】従来において、負荷駆動装置に駆動される電磁コイルのハイサイドの+B異常時における電磁コイルに流れる電流のタイムチャートである。
【図6】従来において、負荷駆動装置に駆動される電磁コイルのローサイドの+B異常時における電磁コイルに流れる電流のタイムチャートである。
【図7】従来において、負荷駆動装置に駆動される電磁コイルに流れる電流のグランド異常時における電磁コイルに流れる電流のタイムチャートである。
【符号の説明】
【0089】
1…負荷駆動装置、2…バッテリ電源、10…過電流検出抵抗、20…電流検出回路部、30…レベル変換部、40…駆動用トランジスタ、50…保護用トランジスタ、60…実電流検出抵抗、70…差動増幅回路部、80…CPU、85…記憶部、90…電磁コイル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷(90)を駆動する駆動手段(3、30、40)と、
バッテリ電源(2)から前記負荷に駆動電流が流れるように前記駆動手段を駆動する制御手段(80)とを備えた負荷駆動装置であって、
前記制御手段は、
前記負荷に接続された実電流検出抵抗(60)を流れる電流を差動増幅回路部(70)にて検出することで、前記負荷に流れる駆動電流を取得する手段(100)と、
前記負荷に流れる駆動電流が、前記負荷のローサイドにおける前記バッテリ電源のショートであると推定される異常電流値以上となるか否かを判定する手段(110)と、
前記負荷に流れる駆動電流と、記憶手段(85)に記憶された前記負荷に流すべき目標電流との差である電流偏差を取得する手段(120)と、
前記電流偏差が、前記負荷のローサイドにおける前記バッテリ電源のショートに基づく電流偏差の値であると推定される異常電流偏差値以上となるか否かを判定する手段(130)と、
前記負荷に流れる駆動電流が前記異常電流値以上であり、かつ、前記電流偏差が前記異常電流偏差値以上である場合、前記負荷のローサイドにおいて前記バッテリ電源に異常が発生しているとして、前記負荷のローサイドにおける前記バッテリ電源のショートであるとダイアグ確定を行って報知する手段(160)とを備えていることを特徴とする負荷駆動装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記負荷に流れる駆動電流が、前記異常電流値以上となると判定すると共に、前記電流偏差が前記異常電流偏差値以上となると判定した後に前記負荷に電流が流れているか否かを判定する手段(150)を備え、当該手段によって前記負荷に電流が流れていないと判定すると前記ダイアグ確定を行うようになっていることを特徴とする請求項1に記載の負荷駆動装置。
【請求項3】
負荷(90)を駆動する駆動手段(3、30、40)と、
バッテリ電源(2)から前記負荷に駆動電流が流れるように前記駆動手段を駆動して蓄圧器に高圧の燃料を圧送する制御手段(80)とを備えた負荷駆動装置であって、
前記制御手段は、
前記負荷に接続された実電流検出抵抗(60)を流れる電流を差動増幅回路部(70)にて検出することで、前記負荷に流れる駆動電流を取得する手段(200)と、
前記負荷に流れる駆動電流が、前記負荷のローサイドにおける前記バッテリ電源のショートであると推定される異常電流値以上となるか否かを判定する手段(210)と、
前記蓄圧器内の圧力を取得すると共に、当該蓄圧器内の圧力と、記憶手段(85)に記憶された前記蓄圧器内の目標圧との差であるレール圧偏差を取得する手段(230)と、
前記レール圧偏差が、前記負荷のローサイドにおける前記バッテリ電源のショートに基づく値であると推定される異常レール圧偏差値以上となるか否かを判定する手段(240)と、
前記負荷に流れる駆動電流が前記異常電流値以上となり、かつ、前記レール圧偏差が前記異常レール圧偏差値以上となった場合、前記負荷のローサイドにおいて前記バッテリ電源に異常が発生しているとして、前記負荷のローサイドにおける前記バッテリ電源のショートであるとダイアグ確定を行って報知する手段(260)とを備えていることを特徴とする負荷駆動装置。
【請求項4】
負荷(90)を駆動する駆動手段(3、30、40)と、
バッテリ電源(2)から前記負荷に駆動電流が流れるように前記駆動手段を駆動して蓄圧器に高圧の燃料を圧送する制御手段(80)とを備えた負荷駆動装置であって、
前記制御手段は、
前記負荷に接続された実電流検出抵抗(60)を流れる電流を差動増幅回路部(70)にて検出することで、前記負荷に流れる駆動電流を取得する手段(300)と、
前記負荷に流れる駆動電流が、前記負荷のローサイドにおける前記バッテリ電源のショートであると推定される異常電流値以上となるか否かを判定する手段(305)と、
前記負荷に流れる駆動電流と、記憶手段(85)に記憶された前記負荷に流すべき目標電流との差である電流偏差を取得する手段(310)と、
前記電流偏差が、前記負荷のローサイドにおける前記バッテリ電源のショートに基づく電流偏差の値であると推定される異常電流偏差値以上となるか否かを判定する手段(315)と、
前記負荷に流れる駆動電流が前記異常電流値以上であり、かつ、前記電流偏差が前記異常電流偏差値以上である場合、前記負荷のローサイドにおいて前記バッテリ電源に異常が発生している可能性があるとして、仮異常としてその内容を保持する手段(330)と、
前記蓄圧器内の圧力を取得すると共に、当該蓄圧器内の圧力と、記憶手段(85)に記憶された前記蓄圧器内の目標圧との差であるレール圧偏差を取得する手段(335)と、
前記レール圧偏差が、前記負荷のローサイドにおける前記バッテリ電源のショートに基づく値であると推定される異常レール圧偏差値以上となるか否かを判定する手段(340)と、
前記仮異常が保持され、かつ、前記レール圧偏差が前記異常レール圧偏差値以上となった場合、前記負荷のローサイドにおいて前記バッテリ電源に異常が発生しているとして、前記負荷のローサイドにおける前記バッテリ電源のショートであるとダイアグ確定を行って報知する手段(350)とを備えていることを特徴とする負荷駆動装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記負荷に流れる駆動電流が、前記異常電流値以上となると判定すると共に、前記電流偏差が前記異常電流偏差値以上となると判定した後に前記負荷に電流が流れているか否かを判定する手段(325)を備え、当該手段によって前記負荷に電流が流れていないと判定すると前記仮異常としてその内容を保持するようになっていることを特徴とする請求項4に記載の負荷駆動装置。
【請求項6】
前記負荷のローサイドには、前記負荷に過電流が流れた際に当該過電流をカットする保護回路(4、5、6、50)が備えられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の負荷駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−182874(P2008−182874A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−223863(P2007−223863)
【出願日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】