説明

賦形シートの製造方法

【課題】金型離型性が良好で、種々の厚さを有する樹脂層を有する樹脂層シートを用いてパターンを形成できる賦形シートの製造法を提供すること。
【解決手段】エネルギー線硬化型樹脂組成物の積層シートを金型ロール及び圧接ロールからなる一対のロールに、樹脂層シートの樹脂層面と金型ロールとが接触するように供給する工程と、樹脂層に金型ロール上のパターンを押圧転写して、賦形された樹脂層を得る工程と、賦形された樹脂層にエネルギー線を照射して硬化された樹脂層を得る工程とを含有する賦形シートの製造方法であり、エネルギー線硬化型樹脂組成物が複素粘性率1×10dPa・s以上で、金型ロールが該組成物の粘度が1×10〜1×10dPa・sとなる表面温度を有し、圧接ロールが該組成物の粘度が1×10〜1×10dPa・sとなるような表面温度を有する賦形シートの製造法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学レンズ、映写スクリーン、建装材用エンボスシート等の凹凸を持つ賦形シートの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光学レンズや映写スクリーンなどに用いられる光学シートや建装材用エンボスシートは、射出成形法、押出成形法、プレス成形法などの製造方法により製造されている。しかしながら、これらの製造方法では、大きなサイズのシートの成形が困難である、大量生産のためには数多くの金型が必要となる、等の問題があった。
【0003】
このため、紫外線硬化型樹脂等の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を含有する樹脂層をポリエチレンテレフタレート等のシート状樹脂基材に積層させた積層シートやアクリル樹脂やスチレン樹脂等の熱可塑性樹脂を含有する樹脂層を前記シート状樹脂基材に積層させた積層シート(賦形用シート)を用い、該賦形用シートに円筒形のレンズ型(ロール金型)等を押し当て(押圧し)てシートに連続的にレンズパターンを賦形する製造方法(押圧賦形法)が知られている。(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
前記特許文献1においてロール金型の型の形状を正確に転写させるには熱可塑性ポリマーとして低分子量のアクリル樹脂等を用いる必要がある。しかしながら、低分子量の樹脂を用いることにより、ロール金型と密着性が良好となりすぎ、賦形用シートからロール金型が離れにくい(型離れしにくい)問題が生じ、生産性を悪化させる原因となっている。
【0005】
ロール金型から賦形後のシートの脱離性を良くするために、シート状樹脂基材上に電離放射線硬化型樹脂を塗布した賦形用シートの樹脂層側をウエット状態で凹凸型ロール版に接触させ、しかる後、シート状樹脂基材を樹脂層とともに凹凸型ロール版より剥離する際、その剥離する直前および直後の上記樹脂層に電離放射線を照射する凹凸化粧材の製造方法が知られている。(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、該製造方法では、用いている電離放射線硬化型樹脂の粘度が低く、厚みのある賦形パターンを得ることは困難であった。また、硬化前における該賦形用シートの保存安定性も良好ではない。
【0006】
そこで、電離放射線硬化型樹脂として、電離放射線硬化型ホットメルト樹脂を用い、加熱溶融した該電離放射線硬化型ホットメルト樹脂をベースシートに塗布し、樹脂層シートを得る工程と、該ベースシート面の電離放射線硬化型ホットメルト樹脂を冷却金型ロール周面に巻付けながら冷却硬化する硬化工程と、硬化した該電離放射線硬化型ホットメルト樹脂に電離放射線を照射して重合硬化させる重合硬化工程を含む賦形パターンの製造方法(エンボスシート製造方法)が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0007】
しかしながら、特許文献3の製造方法では、冷却金型ロールを用いる為、例えば、薄く比熱の小さい樹脂層を有する樹脂層シートを用いると比熱の大きい冷却金型ロールに熱を急速に奪われ、深く微細な賦形を施すことが難しく、薄い樹脂層を有する樹脂層シートを賦形する方法としては好ましくない。特に、最近電子材料、光学用途分野では薄型化が進行しているため、該特許文献3に記載された製造方法では市場の要求を満足する賦形シートを得るのは困難である。従って、種々の厚さを有する樹脂層を用いて賦形パターンを形成することができる方法(賦形シートの製造方法)は提供されていないのが現状である。
【0008】
【特許文献1】特開平7−128503号公報
【0009】
【特許文献2】特開平6−142603号公報
【0010】
【特許文献3】特開平6−47807号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、本発明の解決しようとする課題は、金型離型性が良好で、精細な賦形を施すことができ、しかも種々の厚さを有する樹脂層を有する樹脂層シートを用いて賦形パターンを形成することができる賦形シートの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、鋭意検討した結果、下記知見を見出した。
1.活性エネルギー線硬化型樹脂組成物として25℃において溶剤を除く成分の複素粘性率が1×10dPa・s以上の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を用い、更に該活性エネルギー線硬化型樹脂組成物をシート状樹脂基材に塗布してなる樹脂層シートを金型ロールおよび圧接ロールからなる一対のロールに、該樹脂層シートの樹脂層面と金型ロールとが接触するように供給する際に、圧接ロールとして該樹脂組成物の粘度が1×10〜1×10dPa・sとなる表面温度を有する圧接ロールを用い、且つ、金型ロールとして該樹脂組成物の粘度が1×10〜1×10dPa・sとなるような表面温度を有する金型ロールを用いることにより金型離型性が良好であり、精細な賦形を施すことが可能ないう効果が得られること。
【0013】
2.金型ロールおよび圧接ロールで樹脂層の粘度調整を行いながら賦形パターンを形成するので様々な厚さの樹脂層を有する賦形パターンをえることができること。また、賦形パターンの形成に用いる樹脂層シートの保存安定性も良好で、予め、該樹脂層シートを製造し、保存しておくこともできること。
本発明は上記知見に基づいて完成されたものである。
【0014】
即ち、本発明は、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物をシート状樹脂基材に塗布してなる樹脂層シートを金型ロールおよび圧接ロールからなる一対のロールに、該樹脂層シートの樹脂層面と金型ロールとが接触するように供給する工程(A)と、該樹脂層に金型ロール上のパターンを押圧転写することにより、該パターンが賦形された樹脂層を得る工程(B)と、該賦形された樹脂層に活性エネルギー線を照射して硬化された樹脂層を得る工程(C)とを含有する賦形シートの製造方法であり、該活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が25℃において溶剤を除く成分の複素粘性率が1×10dPa・s以上の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物で、該金型ロールが該活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の粘度が1×10〜1×10dPa・sとなるような表面温度を有する金型ロールで、且つ、該圧接ロールが該活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の粘度が1×10〜1×10dPa・sとなるような表面温度を有する圧接ロールであることを特徴とする賦形シートの製造方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の賦形シートの製造方法によれば、金型離型性が良好であり、精細な賦形を施すことが可能である。また、種々の厚さを有する樹脂層を有する樹脂層シートを用いて賦形パターンを形成することができる。得られた賦形シートは特に光学シート、建装材用エンボスシート、ICチップ封止用シート等の分野で好ましく使用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明で用いる樹脂層シートは25℃において溶剤を除く成分の複素粘性率が1×10dPa・s以上の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物をシート状樹脂基材に塗布してなるものである。用いる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が、25℃において溶剤を除く成分の複素粘性率が1×10dPa・sよりも小さいと樹脂層シートが流動しやすく、保存安定性が乏しいという理由から好ましくない。本発明で用いる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物としては25℃において溶剤を除く成分の複素粘性率が1×10〜1×10dPa・sのものが得られる樹脂層シートの樹脂層が柔軟性に富み、ロールとして巻き取ったときにワレが生じにくいことから好ましく、5.0×10〜5.0×10dPa・sのものがより好ましい。
【0017】
前記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物としては、例えば、光重合性化合物を必須として、更に、必要に応じ、合成樹脂、光重合開始剤、その他の添加剤等を含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物;活性エネルギー線硬化型樹脂を必須として、更に、必要に応じ、活性エネルギー線硬化型樹脂以外の他の樹脂、光重合性モノマー、光重合性オリゴマー、光重合開始剤、その他の添加剤等を含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物等が挙げられる。
【0018】
前記光重合性化合物としては、例えば、重合性ビニル化合物(V)等が挙げられる、具体的には、各種の重合性ビニルモノマーや重合性ビニルオリゴマー、例えば、β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、β−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAアルキレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFアルキレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールSアルキレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリス〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕イソシアヌレート等の(メタ)アクリル系モノマー;ポリエステル(メタ)アクリレート、ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート、ノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル系オリゴマーなどが挙げられる。これら重合性ビニルモノマーと重合性ビニルオリゴマーはそれぞれ単独で用いることができるが、通常は重合性ビニルモノマーの単独使用、重合性ビニルモノマーと重合性ビニルオリゴマーの併用が好ましく、なかでも重合性ビニルモノマーと重合性ビニルオリゴマーの併用が特に好ましい。なお、重合性ビニルオリゴマーとしては、数平均分子量が200以上2,000以下のオリゴマーが好ましい。また、後述するポリエステル樹脂と混合する場合には該ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)よりも小さいオリゴマーが好ましい。
【0019】
重合性ビニル系化合物(V)のなかでも、活性エネルギー線照射による硬化後に十分な架橋密度を得ることができることから、分子中に不飽和二重結合を2〜6個有する(メタ)アクリル系化合物であるエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノール骨格にアルキレンオキサイドが付加した化合物のジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリス〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕イソシアヌレートを必須成分として用いることが好ましい。
【0020】
前記合成樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂(飽和ポリエステル樹脂)、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネートや下記に示す活性エネルギー線硬化型樹脂等が挙げられる。
【0021】
前記活性エネルギー線硬化型樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、アクリル系アクリレート、シリコンアクリレート等が挙げられる。中でも、粘度調整が容易で、硬化物性に優れることから不飽和ポリエステル樹脂、ポリエステルアクリレート等のポリエステル系活性エネルギー線硬化型樹脂が好ましく、活性エネルギー線照射による硬化後に十分な架橋密度を得ることができることから不飽和ポリエステル樹脂がより好ましい。
【0022】
活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の中でも前記重合性ビニル系化合物とポリエステル樹脂とを含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が好ましい。ここで用いるポリエステル樹脂としては、圧接ロールから供給される熱によりシート状樹脂基材が変形を受けない温度領域、例えば30〜100℃での加熱による粘度低下が適度に大きく、賦形性と硬化物の機械物性のバランスのより良好な賦形用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が得られることから、数平均分子量(Mn)が1,000〜8,000のポリエステル樹脂が好ましく、1,500〜5,000のポリエステル樹脂がより好ましい。また、ポリエステル樹脂としては、前記したとおり飽和ポリエステル樹脂や不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられるが、活性エネルギー線照射による硬化後に十分な架橋密度を得ることができることから不飽和ポリエステル樹脂が好ましい。また、前記ポリエステル樹脂は分岐状ポリエステル樹脂であってもよい
【0023】
前記ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリカルボン酸成分とポリオール成分を必須成分として用いて得られるものが挙げられる。
【0024】
前記ポリカルボン酸成分としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、マロン酸、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、オルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のジカルボン酸、またはその無水物;トリメリット酸、トリメチン酸、ピロメリット酸等の三官能以上のカルボン酸、またはその無水物等が挙げられる。また、炭素原子数4以下の低級アルキルカルボン酸エステル類をポリカルボン酸成分として使用することもできる。これらのポリカルボン酸成分は単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち、マレイン酸および/またはフマール酸をポリカルボン酸成分の一部乃至全部として用いた場合には、得られるポリエステル樹脂に不飽和二重結合を導入でき、また、重合性ビニル系化合物(V)との相溶性に優れるポリエステル樹脂が得られることから、より好ましい。なお、必要により安息香酸、p−トルイック酸、p−tert−ブチル安息香酸等のモノカルボン酸を併用することもできる。
【0025】
前記ポリオール成分としては、例えば、エチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール 、1,4−ブテンジオール 、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、水添ビスフェノールA、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物等の2価アルコール類;グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレート、ペンタエリスリトール等の3価以上のアルコ−ル類等が挙げられる。これらのポリオール成分は単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち、ビスフェノール類および/またはそのアルキレンオキサイド付加物をポリオール成分の一部乃至全部として用いた場合には、25℃において溶剤を除く成分の複素粘性率が1×10dPa・s以上の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を得やすいポリエステル樹脂が得られることから、より好ましい。
【0026】
ポリエステル樹脂を調製する際に、ポリカルボン酸成分の一部乃至全部としてマレイン酸および/またはフマール酸を用いることにより、本発明で用いることができる不飽和ポリエステル樹脂が得られ、また、前記重合性ビニル系化合物(V)との相溶性に優れるポリエステル樹脂が得られることから、より好ましい。従って、本発明で用いるポリエステル樹脂としては例えば、ポリカルボン酸成分の一部乃至全部としてマレイン酸および/またはフマール酸を用い、かつ、ポリオール成分の一部乃至全部としてビスフェノール類および/またはそのアルキレンオキサイド付加物を用いて得られるものが特に好ましい。
【0027】
なお、これらのポリカルボン酸成分とポリオール成分を用いてポリエステル樹脂を製造する際には、ジブチル錫オキシド等のエステル化触媒を適宜使用することができる。
【0028】
前記ポリエステル樹脂は、例えば、前記ポリカルボン酸成分とポリオール成分と必要に応じてエステル化触媒とをフラスコに入れ混合加熱し、窒素気流下で徐々に200〜250℃の範囲で攪拌しながら4〜48時間反応させ、エステル化反応を行う方法等により調製することができる。
【0029】
前記光重合開始剤としては、例えば、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジェフェニルエタン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、ベンゾインエチルエーテル、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、イソプロピルチオキサントン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、[4−(メチルフェニルチオ)フェニル]フェニルメタノン、ベンゾフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエチルエステル等が挙げられ、なかでも1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジェフェニルエタン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドが好ましい。光重合開始剤の使用量は、活性エネルギー線照射で硬化する成分100重量部に対して10重量部以下、好ましくは0.1〜6重量部である。具体的には、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物としてポリエステル樹脂と重合性ビニル系化合物を用いる場合は、ポリエステル樹脂と重合性ビニル系化合物の合計100重量部に対して10重量部以下、好ましくは0.1〜6重量部である。
【0030】
前記その他の添加剤としては、例えば、離形工程における離形性を向上させるための離形剤、顔料、染料等の着色剤、酸化防止剤、光拡散剤、熱重合防止剤等が挙げられる。
【0031】
これらその他の添加剤のなかでも、本発明で用いる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の熱重合防止や貯蔵安定性を保つために、熱重合防止剤を配合することが望ましい。熱重合防止剤としては、特に限定されないが、代表的なものを例示すれば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、tert−ブチルカテコール、p−ベンゾキノン、フェノチアジン等が挙げられる。熱重合防止剤の使用量は、通常前記ポリエステル樹脂(R)と重合性ビニル系化合物(V)の合計(または、加熱により硬化する樹脂成分)100重量部に対して2重量部以下、好ましくは0.05〜1重量部である。
【0032】
更に、本発明で用いる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物には離型剤を含有させることもできる。離型剤を含有させることにより賦形用シートに金型を密着させて加圧して賦形を行った後、冷却することなく離型性を向上させることができるので、冷却工程を省略することができ、賦形シートの製造効率向上に貢献する。
【0033】
前記離型剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、アミドワックス、テフロン(登録商標)パウダー等の固型ワックス類;フッ素系あるいはリン酸エステル系の界面活性剤;フッ素含有樹脂;シリコーン化合物等が挙げられる。中でも、シリコーン化合物が好ましい。
【0034】
前記シリコーン化合物としては、例えば、ポリエーテル変性シリコーン化合物、ポリエステル変性シリコーン化合物、ポリエーテル変性及びポリエステル変性シリコーン化合物等のポリエーテル変性および/またはポリエステル変性シリコーン化合物を好ましく使用することができる。
【0035】
前記ポリエーテル変性および/またはポリエステル変性シリコーン化合物としては、ポリシロキサンの末端および/または側鎖に、ポリエーテル鎖および/またはポリエステル鎖が導入された化合物等が挙げられ、ポリシロキサンにポリエーテル鎖およびポリエステル鎖以外のエポキシ基、アミノ基の如き有機基の導入が併用された共変性シリコーン化合物であっても差し支えない。また、分子中に(メタ)アクリロイル基を有するものであれば、活性エネルギー線照射による硬化後に十分な架橋密度を得ることができ、好ましい。
【0036】
前記ポリエーテル変性シリコーン化合物としては、例えば、KF−351、KF−352、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−618、KF−6011、KF−6015、KF−6004、X−22−4272、X−22−4952、X−22−6266、X−22−3667、X−22−4741、X−22−3939A、X−22−3908A〔以上;信越化学工業(株)製〕、BYK−300、BYK−302、BYK−306、BYK−310、BYK−320、BYK−325、BYK−330、BYK−331、BYK−333、BYK−337、BYK−344、BYK−375、BYK−377、BYK−UV3510、BYK−301、BYK−307、BYK−325、BYK−341、BYK−345、BYK−346、BYK−347、BYK−348(以上;ビックケミー社製)、SILWET L−77、SILWET L−720、SILWET L−7001、SILWET L−7002、SILWET L−7604、SILWET Y−7006、SILWET FZ−2101、SILWET FZ−2104、FZ−2105、SILWET FZ−2110、SILWET FZ−2118、SILWET FZ−2120、SILWET FZ−2122、SILWET FZ−2123、SILWET FZ−2130、SILWET FZ−2154、SILWET FZ−2161、SILWET FZ−2162、SILWET FZ−2163、SILWET FZ−2164、SILWET FZ−2166、SILWET FZ−2191、SILWET FZ−2203、SILWET FZ−2207、SILWET 2208、SILWET FZ−3736、SILWET Y−7499、SILWET FZ−3789、SF8472、BY16−004、SF8428、SH3771、SH3746、BY16−036、SH3749、SH3748、SH8400、SF8410〔以上;東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製〕、L032、L051、L066〔以上;旭化成ワッカーシリコーン(株)製〕等が挙げられる。また、特に分子中に一つ以上の(メタ)アクリロイル基を有するものとしては、例えば、BYK−UV3500、BYK−UV3570、BYK−UV3530(以上;ビックケミー社製)等が挙げられる。
【0037】
また、前記ポリエステル変性シリコーン化合物としては、例えば、BYK−310、BYK−315、BYK−370等が挙げられ、また、特に分子中に一つ以上の(メタ)アクリロイル基を有するものとしては、例えば、BYK−UV3570(ビックケミー社製)等が挙げられる。これらポリエーテル変性またはポリエステル変性シリコーン化合物(S)はそれぞれ単独、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0038】
前記ポリエーテル変性またはポリエステル変性シリコーン化合物は、光学部品用途にも好適な透明性を確保できるよう、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の相溶性が維持される範囲で用いられ、その配合量としては活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の塗膜形成成分における含有率が0.1〜15重量%となる範囲が好ましく、1〜10重量%となる範囲がより好ましい。この配合量は、一般的な注型重合等で用いられるシリコーン系化合物等の離型剤の場合と比較して多量である。これは、賦形性を維持しつつ賦形前後に樹脂層が流動しない程度に粘度が高くなるように配合された活性エネルギー線硬化型樹脂組成物である場合、一般的な注型重合の場合に比べて離型剤のブリード性(樹脂中の低分子成分が表面ににじみ出る性質)が乏しくなるため、そのような低ブリード性条件下でも離型性を発現出来るようするためである。
【0039】
なお、本発明において賦形用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の溶剤を除く成分の複素粘性率は、HAAKE社製レオメーター RS600を用いて、測定周波数:6.28rad/sec.(1Hz)、測定開始温度:25℃、測定終了温度:160℃、昇温速度:2℃/min.の条件で、溶剤を含有しない賦形用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物について測定を行って得られるものである。
【0040】
本発明で用いるシート状樹脂基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートに代表されるポリエステル系樹脂からなる樹脂シート基材、ポリメチルメタクリレートに代表されるアクリル系樹脂からなる樹脂シート基材およびポリカーボネート樹脂シート基材等が挙げられる。シート状樹脂基材の厚さは、20〜300μmが好ましい。また、薄型化および製造する際のラインの安定性が良好なことから50〜100μmが特に好ましい。また、シート状樹脂基材は樹脂層との密着性を向上させるために、その表面について、コロナ放電処理、プラズマ処理、プライマー処理等の易接着性処理を施したものを用いても良い。
【0041】
本発明の製造方法で用いる樹脂層シートは、製法に限定はないが、例えば、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を加熱し、溶融した活性エネルギー線硬化型樹脂組成物とする第一工程と、該溶融した活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を被覆装置によりシート状樹脂基材上に積層する第二工程を含有する積層シートの製造方法であり、前記第一工程が活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を加熱して複素粘性率が1.0×10〜1.0×10dPa・sの溶融した活性エネルギー線硬化型樹脂組成物とする工程で、且つ前記第二工程がノズルスロットを有するスロットノズル機構を備え、裏当ローラを経て移動するシート状樹脂基材上に活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の被膜を施す被覆装置で、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は全被覆巾に渡って延びた送出チャンネルを介し供給容器からスロットノズル機構のノズルスロットへ送出されるようになっており、スロットノズル機構の送出チャンネル内の空所には直線上に位置合わせされ、相互に離間し各々が2つのポンプギアを有する複数のポンプ部と各々隣接する2つのポンプ部に位置して互いに隔離するスペーサーピースと、前記複数のポンプ部を伝動関係に連結する手段とを有するギアポンプ機構が設けられ、該ギアポンプ機構が全被覆巾に渡って延びており、上記ポンプ部と前記スペーサーピースとは互いに独立の部材として形成されている被覆装置によりシート状樹脂基材上に積層する工程であることを特徴とする積層シートの製造方法により好ましく製造することができる。
【0042】
前記第一工程は前記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を加熱して、複素粘性率が1.0×10〜1.0×10dPa・sの溶融した活性エネルギー線硬化型樹脂組成物とする工程である。加熱する温度としては、用いる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物にもよるが、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物がゲル化を生じにくいことから通常50〜150℃が好ましく、60〜120℃がより好ましい。
【0043】
第一工程において、上述されるような活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を加熱・溶融する装置としては特に限定されるものではないが、例えば、マントルヒーター、脱気口、ルッキンググラスおよびマックスブレンド翼を備えたオートクレーブを用いれば、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を加熱しながら均一に混合でき、さらに最終的な積層シートへの気泡の混入を防ぐための減圧・脱泡が可能であるため好ましい。
【0044】
第一工程において複素粘性率が1.0×10〜1.0×10dPa・sdPa・sまで加熱された活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、第二工程で被覆装置において被覆装置によりシート状樹脂基材上に積層する。ここで用いる被覆装置は、ノズルスロットを有するスロットノズル機構を備え、裏当ローラを経て移動するシート状樹脂基材上に活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の被膜を施す被覆装置で、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は全被覆巾に渡って延びた送出チャンネルを介し供給容器からスロットノズル機構のノズルスロットへ送出されるようになっており、スロットノズル機構の送出チャンネル内の空所には直線上に位置合わせされ、相互に離間し各々が2つのポンプギアを有する複数のポンプ部と各々隣接する2つのポンプ部に位置して互いに隔離するスペーサーピースと、前記複数のポンプ部を伝動関係に連結する手段とを有するギアポンプ機構が設けられ、該ギアポンプ機構が全被覆巾に渡って延びており、上記ポンプ部と前記スペーサーピースとは互いに独立の部材として形成されている被覆装置である。この様な被覆装置にあっては、全被覆巾に渡るスロットノズル機構により高粘性の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を厚膜で精度よく積層することが可能であり、また、全被覆巾に渡って延びたギアポンプ機構を特徴とする送出チャンネルを有することで、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物をゲル化させることなく、連続的に安定してスロットノズルに送出し、フィルム状樹脂基材上に積層することを可能とする。
【0045】
前記被覆装置では、被覆物が被覆巾に渡って延びた送出チャネルを介し供給容器からスロットノズル機構のノズルスロットへ送出され、スロットノズル機構の送出チャネル内で、各々2つの相互に噛合されたポンプギアを有する複数のポンプ部を備えたポンプギア機構が全被覆巾に渡って延びると共に、ポンプギアを取付ける離間ピース即ちスペーサーピースと一緒に容易に取外し可能なごとくポンプ部間で配置される。こうした構成により、全被覆巾に渡って一様に分割された充分な被覆物がノズルスロットで得られ、ポンプ部の数を所望の被覆巾に従って選択でき、しかも容易に変更可能である。
【0046】
好ましくは、ポンプギアがその両側の軸端によってスペーサーピースに取付けられ、動力源に結合される側の各被駆動ポンプギアがロック可能な方法で各ポンプギアと係合する軸連結ピースを介して隣接する被駆動ポンプギアに一体的に接続され、スペーサーピースの領域内で駆動伝達を行なう。従って、被駆動ポンプギアの駆動は一つの駆動モーターで達成できる。
【0047】
上述されるような被覆装置を用いて、フィルム状基材の両面もしくは片面に活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を積層するにあたっては、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の温度分布が粘度分布となって、膜厚等の塗工精度に影響を及ぼすため、第一工程において供給された際の温度を維持したまま行うことが好ましい。このために、被覆装置としては、供給容器の壁が加熱される構造を有するものが好ましい。
【0048】
上述されるような被覆装置としては、例えば、由利ロール機械(株)製「GPD(ギアーポンプインダイ)システム」等があげられる。
【0049】
本発明で用いる樹脂層シートとしては、厚さが30〜200μmの樹脂層を有する樹脂層シートを用いるのが好ましく、50〜100μmの樹脂層を有する樹脂層シートを用いるのがより好ましい。
【0050】
尚、本発明の製造方法においては、本発明で用いる樹脂層シートは予め製造し、保存しておいたものを使用しても良いし、後述する本発明の製造方法の工程(A)の前に樹脂層シートの製造ラインを設けて樹脂層シートの製造方法を組み込んでも良い。
【0051】
本発明は、前記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物をシート状樹脂基材に塗布してなる樹脂層シートを金型ロールおよび圧接ロールからなる一対のロールに、該樹脂層シートの樹脂層面と金型ロールとが接触するように供給する工程(A)と、該樹脂層に金型ロール上のパターンを押圧転写することにより、該パターンが賦形された樹脂層を得る工程(B)と、該賦形された樹脂層に活性エネルギー線を照射して硬化された樹脂層を得る工程(C)とを含有する賦形シートの製造方法であり、該金型ロールが該活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の粘度が1×10〜1×10dPa・sとなるような表面温度を有する金型ロールで、且つ、該圧接ロールが該活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の粘度が1×10〜1×10dPa・sとなるような表面温度を有する圧接ロールであることを特徴とする賦形シートの製造方法である。
【0052】
前記金型ロールが該活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の粘度が1×10dPa・sよりも小さい粘度となる表面温度を有すると、該活性エネルギー線硬化型樹脂が金型に付着し、離型困難となるため好ましくない。活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の粘度が1×10dPa・sよりも大きくなるような表面温度を有すると金型ロールによる冷却速度が速く、精細な賦形を施すことが困難になるだけでなく、過冷却により樹脂にワレが生じるという理由で好ましくない。本発明では該活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の粘度が5.0×10〜5.0×10dPa・sとなるような表面温度を有する金型ロールを用いるのが好ましい。
【0053】
前記金型ロールの温度は金型の結露を防ぐため、10℃以上であることが好ましい。また、金型ロールを駆動する機械の安定性の観点から、160℃以下であることが好ましい。
【0054】
前記圧接ロールが該活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の粘度が1×10dPa・sよりも小さい粘度となる表面温度を有すると、該活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の粘度が1×10〜1×10dPa・sとなるような表面温度を有する金型ロールを用いても、樹脂表面の粘度が下がらず、離型が困難となるため、好ましくない。活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の粘度が1×10dPa・sよりも大きくなるような表面温度を有すると樹脂粘度が大きく、精細な賦形形状を再現することが難しいという理由で好ましくない。本発明では該活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の粘度が5.0×10〜5.0×10dPa・sとなるような表面温度を有する圧接ロールを用いるのが好ましい。
【0055】
前記圧接ロールの温度も金型ロールと同様に、圧接ロールの結露を防ぐため、10℃以上であることが好ましい。また、圧接ロールを駆動する機械の安定性の観点から、160℃以下であることが好ましい。
【0056】
本発明の賦形シートの製造方法の一例について図面を用いて説明する。図1〜図4は、本発明の賦形シートの製造方法を実施するための製造装置の一例を示す概略図である。
【0057】
図1のように圧接ロール3と金型ロール4は1対のロールとして互いに配向して配置されている。圧接ロール3は温度調節を行えるものであり、また、金型ロール4は例えば、室温(25℃)で本発明で用いる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の粘度が1×10〜1×10dPa・sとなるような表面温度を有すれば温度調節する機構は必ずしも必要ではないが、温度調節機構を有しているものがより好ましい。
【0058】
工程(A)はこのような圧接ロール3と金型ロール4とが互いに配向して配置されているロールに、樹脂層シートの樹脂層面と金型ロールとが接触するように供給する工程である。樹脂層シートは前記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物をシート状樹脂基材に塗布して得られたものを予め製造、保存しておき、それを用いることもできるが、図1〜図4に示すように圧接ロール3と金型ロール4の前方(樹脂層シートを供給する方からみて圧接ロール3と金型ロール4の手前)にシート状樹脂基材2に活性エネルギー線硬化型樹脂組成物1を塗布する塗布装置(スリットダイ)6を配置しておき、圧接ロール3と金型ロール4にシート状樹脂基材2を供給する際に、スリットダイ6から加熱溶融された活性エネルギー線硬化型樹脂組成物1を所望の厚さの樹脂層を有する樹脂層シートが得られる量を連続的に供給することで、樹脂層シートを連続的に製造することもできる。スリットダイ6としては、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が多層(2層以上)の樹脂層からなることがあるので、多層押出形成することができるものが好ましい。
【0059】
金型ロール3及び/又は圧接ロール4は、その軸方向に移動して樹脂層シートに対する相対位置を軸方向に可変することができるものであることが好ましい。こうした機能を備えた金型ロール3及び/又は圧接ロール4は、樹脂層シート上の樹脂層に形成される賦形パターンの形成位置を調節することができる。
【0060】
工程(B)は樹脂層シート上の樹脂層に金型ロール上のパターンを押圧転写することにより、該パターンが賦形された樹脂層を得る工程である。
【0061】
金型ロール3の周面には、樹脂層シート上の樹脂層に形成させるパターン(賦形パターン)と逆形状からなるパターン型が設けられている。パターン型は、例えば、断面形状が三角形、矩形、多角形、円形、楕円形又はそれら形状に近似した形状を呈している。パターン型は、金型ロール3の周方向に連続する形態で形成され、軸方向に所定のピッチで配設されている。パターン型が設けられた金型ロール3には、図1に示すように、樹脂層シート上の樹脂(活性エネルギー線硬化型樹脂)が密着する。なお、パターン型は、必ずしも周方向に連続する形態で設けられている必要はなく、周方向に対して斜め方向でも直交方向でも構わないが、金型ロール3からの離型が容易であることが好ましいことから、周方向に連続した形態で設けられていることが好ましい。パターン型は、部分的又は全面的にピッチ及び/又は形状が異なっていてもよいし、ホログラムの干渉縞の様にランダムであってもよい。
【0062】
金型ロール3の断面形状は、通常、円形であり、そうした金型ロール3としては、その軸方向に移動可能で樹脂層シートに対する相対位置を可変できるものであることが好ましい。
【0063】
前述の通り、圧接ロールは本発明で用いる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の粘度が1×10〜1×10dPa・sとなるような表面温度を有する。このような表面温度を有する圧接ロールにより樹脂層シートのシート状樹脂基材側から加熱することにより樹脂層が金型ロールに付着することなくシャープなパターンを賦形することができる。
【0064】
また、金型ロールは本発明で用いる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の粘度が1×10〜1×10dPa・sとなるような表面温度を有する。このような表面温度を有する金型ロールにより樹脂層シートの樹脂層表面が金型ロールに付着することなく、金型ロール上のパターン型が賦形される。
【0065】
工程(C)は賦形された樹脂層に活性エネルギー線を照射して硬化された樹脂層を得る工程である。活性エネルギー線を照射する活性エネルギー線照射装置5は、電子線(EB)や紫外線(UV)等の放射線を金型ロール3上で賦形された樹脂層に向けて照射するものである。活性エネルギー線の照射は、該樹脂層に金型ロール上のパターンを押圧転写することにより、該パターンが賦形された樹脂層を得る工程と同時に行ってもよく、該工程の後に行っても良いが、中でも、前記樹脂層に金型ロール上のパターンを押圧転写することにより、該金型ロール上のパターンが賦形された樹脂層を得た後、該金型ロールから賦形された樹脂層とを剥離する工程(B1)の後、賦形された樹脂層に活性エネルギー線を照射して硬化された樹脂層を得る工程(C)を行うのが好ましい。
【0066】
前記活性エネルギー線照射装置5としては、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を硬化させることができる活性エネルギー線の照射装置ならば各種のものが適用でき、例えば超高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク又はメタルハライドランプ等の紫外線照射装置、コックロフトワルトン型、パンデルラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、エレクトロカーテン型、ダイナミトロン型又は高周波型等の電子線照射装置等が挙げられる。
【0067】
本発明の製造方法で樹脂層シートを金型ロールおよび圧接ロールからなる一対のロールに、該樹脂層シートの樹脂層面と金型ロールとが接触するように供給する工程(A)は樹脂層シートが金型ロール及び圧接ロールとに例えば、前記図1のように点接触であってもよいが、金型ロール及び圧接ロールと樹脂層シートが接触する箇所(以下、対向点と略記する)よりも前の時点で樹脂層シート上の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物1が十分に加熱でき、より良好な賦形パターンが形成できることから、図2のように圧接ロール4と接触させて樹脂層シートを十分に加熱できるようにしたほうが好ましい。
【0068】
更に、対向点よりも後方において賦形パターンが賦形された樹脂層を十分に冷却することにより賦形パターンの型崩れを防ぎ、より精密な賦形パターンを形成できることから図3のように金型ロール4と接触させて樹脂層シートを十分に冷却できるようにしたほうが好ましい。
【0069】
更に図4のように圧接ロール4は金型ロール3に対して、互いに対向して配設したのとは別に新たな圧接ロール4を金型と対向するように複数配設させても良い。図4のように圧接ロール4を複数配設することにより押圧賦形工程をもう一度行うことになり賦形時間をより多くとることができるため、賦形形状をより深く、また、よりシャープに再現できるだけでなく、ラインスピード増加させることもできるので生産性の向上も望める。
【0070】
本発明においては活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の複素粘性率(η)の測定は下記の条件に従って行った。
装置:HAAKE社製レオメーター RS600
測定周波数:6.28rad/sec.(1Hz)
測定開始温度:25℃
測定終了温度:160℃
昇温速度:2℃/min.
【0071】
また、本発明においては金型ロールと圧接ロールの表面温度は表面温度計〔株式会社佐藤計量器製作所製 本体:SK−1250MCIII、熱電対センサ:MC−K304III〕を用いて測定した。
【実施例】
【0072】
以下に実施例、比較例により本発明を詳細に説明する。例中断りの無い限り、「部」、「%」は重量基準である。
【0073】
参考例(樹脂層シートの製造)
ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物〔日本乳化剤(株)製BAP2グリコール〕812gとフマール酸272gとを、ジブチル錫オキシド1.1gの存在下215℃で8時間反応させ、分子中に不飽和二重結合を有し、数平均分子量(Mn)2,300、軟化点100℃のポリエステル樹脂を得た。
【0074】
次いで、セパラブルフラスコに、前記ポリエステル樹脂74部、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド4モル付加物のジアクリレート〔第一工業製薬(株)製 ニューフロンティアBPP−4〕22部、および、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン〔チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製IRGACURE 651〕4部を混合、130℃で加熱攪拌し、減圧脱泡して均一な活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を得た。得られた賦形用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の25℃において溶剤を除く成分の複素粘性率が8.82×10dPa・sであった。尚、10℃において溶剤を除く成分の複素粘性率は1.13×10dPa・s、23℃において溶剤を除く成分の複素粘性率は1×10dPa・s、37℃において溶剤を除く成分の複素粘性率は1×10dPa・s、50℃において溶剤を除く成分の複素粘性率は1×10dPa・s、160℃において溶剤を除く成分の複素粘性率は1×10dPa・sであった。
【0075】
上記の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を、由利ロール機械(株)製「GPD(ギアーポンプインダイ)システム」の樹脂ホッパーに仕込み、ダイの温度を105℃、バックロールの温度を65℃とし、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム〔東洋紡績(株)製 東洋紡エステルフィルムA4300〕上に、塗布幅300mm、塗布厚100μmで塗布し樹脂層を得た。その後、保護層として厚さ25μmの剥離処理ポリエチレンテレフタレートフィルム〔東セロ(株)製 SP−PET−03−25BU〕を該樹脂層上に被覆して巻き取り、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物をシート状樹脂基材に塗布してなる樹脂層面に保護層がついた樹脂層シートを得た。
【0076】
実施例1
図2に示したような配置で金型ロール、圧接ロール及び活性エネルギー線照射装置を配置させた賦形装置を用意した(但し、図2に示してあるようなスリットダイは除去してある。)。この装置に用いた金型ロールは素材が鉄でクロムめっき処理が施してあり、直径600mm、長さ600mmであり、開口部144μm、深さ78μmの楕円形状の溝が幅400mmで平行に設けられている。圧接ロールは素材が鉄でクロムめっき処理が施してあり、直径600mm、長さ600mmである。尚、金型ロールの表面温度を25℃、圧接ロールの表面温度を150℃である。ここで、前記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の25℃における複素粘性率は8.82×10dPa・s、150℃における複素粘性率は2.01×10dPa・sである。
【0077】
前記樹脂層面に保護層がついた樹脂層シートから保護層を剥離し、該樹脂層シートを前記した賦形装置に金型ロールと樹脂層とが接触するように供給した。圧接ロールの押圧を1200kPa、ラインスピードは1.2m/minとし樹脂層シートの樹脂層に押圧賦形により金型のパターンを転写した。その後、紫外線ランプにより1000mJ/cmの紫外線を照射して、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に金型のパターンが転写され、硬化した均一な賦形シートを得た。
【0078】
得られた賦形シートは、離型やその後の取り扱いに際して破損がなく、機械物性に優れるものであり、その形状をレーザー顕微鏡〔(株)キーエンス製超深度形状測定顕微鏡 VK−8510、以下同様〕を用いて測定したところ、深さ78μmの楕円形状の賦形パターンが得られていることが確認できた。
【0079】
実施例2
金型ロールの表面温度を25℃で、且つ、圧接ロールの表面温度を90℃とした以外は実施例1と同様にして均一な賦形シートを得た。得られた賦形シートは、離型やその後の取り扱いに際して破損がなく、機械物性に優れるものであり、その形状をレーザー顕微鏡を用いて測定したところ、深さ78μmの楕円形状の賦形パターンが得られていることが確認できた。尚、前記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の90℃における複素粘性率は5.98×10dPa・sである。
【0080】
実施例3
金型ロールの表面温度を25℃で、且つ、圧接ロールの表面温度を55℃とした以外は実施例1と同様にして均一な賦形シートを得た。得られた賦形シートは、離型やその後の取り扱いに際して破損がなく、機械物性に優れるものであり、その形状をレーザー顕微鏡を用いて測定したところ、深さ65μmの楕円形状の賦形パターンが得られていることが確認できた。尚、前記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の55℃における複素粘性率は2.15×10dPa・sである。
【0081】
実施例4
金型ロールの表面温度を35℃で、且つ、圧接ロールの表面温度を70℃とした以外は実施例1と同様にして均一な賦形シートを得た。得られた賦形シートは、離型やその後の取り扱いに際して破損がなく、機械物性に優れるものであり、その形状をレーザー顕微鏡を用いて測定したところ、深さ78μmの楕円形状の賦形パターンが得られていることが確認できた。尚、前記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の35℃における複素粘性率は1.51×10dPa・sで、70℃における複素粘性率は5.26×10dPa・sである。
【0082】
実施例5
金型ロールの表面温度を10℃で、且つ、圧接ロールの表面温度を100℃とした以外は実施例1と同様にして均一な賦形シートを得た。得られた賦形シートは、離型やその後の取り扱いに際して破損がなく、機械物性に優れるものであり、その形状をレーザー顕微鏡を用いて測定したところ、深さ78μmの楕円形状の賦形パターンが得られていることが確認できた。尚、前記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の10℃における複素粘性率は1.13×10dPa・sで、100℃における複素粘性率は2.52×10dPa・sである。
【0083】
実施例6
実施例1の樹脂層シートを実施例1と同様の方法にて膜厚200μの樹脂層シートを調製した。その樹脂層シートを金型ロールの表面温度を25℃で、且つ、圧接ロールの表面温度を90℃とした以外は実施例1と同様にして均一な賦形シートを得た。得られた賦形シートは、離型やその後の取り扱いに際して破損がなく、その形状をレーザー顕微鏡を用いて測定したところ、深さ78μmの楕円形状の賦形パターンが得られていることが確認できた。
【0084】
比較例1
金型ロールの表面温度を25℃で、且つ、圧接ロールの表面温度を40℃とした以外は実施例1と同様にして均一な賦形シートを得た。得られた賦形シートの賦形パターンをレーザー顕微鏡を用いて測定したところ深さ15μmの楕円形状の賦形しか得られていなかった。尚、前記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の40℃における複素粘性率は5.43×10dPa・sである。
【0085】
比較例2
金型ロールの表面温度を40℃で、且つ、圧接ロールの表面温度を55℃とした以外は実施例1と同様にして賦形シートの製造を試みた。しかしながら、金型ロールに樹脂が付着、均一な賦形シートを得ることはできなかった。尚、前記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の40℃における複素粘性率は5.43×10dPa・sで、55℃における複素粘性率は4.74×10dPa・sである。
【0086】
比較例3
セパラブルフラスコに、実施例1のポリエステル樹脂57部、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド4モル付加物のジアクリレート〔第一工業製薬(株)製 ニューフロンティアBPP−4〕39部、および、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン〔チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製IRGACURE 651〕4部を混合、130℃で加熱攪拌し、減圧脱泡して均一な活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を得た。得られた賦形用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の25℃において溶剤を除く成分の複素粘性率が4.92×10dPa・sであった。
上記樹脂組成物を樹脂シートとした時、ロールとして保存した場合、その流動性のために、平滑な塗膜のまま保存することが困難であった。
【0087】
比較例4
セパラブルフラスコに、実施例1のポリエステル樹脂90部、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド4モル付加物のジアクリレート〔第一工業製薬(株)製 ニューフロンティアBPP−4〕10部、および、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン〔チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製IRGACURE 651〕4部を混合、130℃で加熱攪拌し、減圧脱泡して均一な活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を得た。得られた賦形用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の45℃において溶剤を除く成分の複素粘性率が1.0×10dPa・sであった。
上記樹脂組成物を樹脂シートとした時、ロールとして保存した場合、樹脂層が脆く、巻き取り時にワレが生じた。
【0088】
比較例5
金型ロールの表面温度を30℃で、且つ、圧接ロールの表面温度を170℃とした以外は実施例1と同様にして賦形を行った。しかし、圧接ロールの表面温度が極端に高いため、金型ロールの温度を維持することが難しく、樹脂層は金型ロールへと付着し、賦形シートを得ることはできなかった。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の製造方法で好ましく用いることができる製造装置の一例である。
【図2】本発明の製造方法で好ましく用いることができる製造装置の一例である。
【図3】本発明の製造方法で好ましく用いることができる製造装置の一例である。
【図4】本発明の製造方法で好ましく用いることができる製造装置の一例である。
【符号の説明】
【0090】
1 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物
2 シート状樹脂基材
3 圧接ロール
4 金型ロール
5 活性エネルギー線照射
6 塗布装置(スリットダイ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性エネルギー線硬化型樹脂組成物をシート状樹脂基材に塗布してなる樹脂層シートを金型ロールおよび圧接ロールからなる一対のロールに、該樹脂層シートの樹脂層面と金型ロールとが接触するように供給する工程(A)と、該樹脂層に金型ロール上のパターンを押圧転写することにより、該パターンが賦形された樹脂層を得る工程(B)と、該賦形された樹脂層に活性エネルギー線を照射して硬化された樹脂層を得る工程(C)とを含有する賦形シートの製造方法であり、該活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が25℃において溶剤を除く成分の複素粘性率が1×10dPa・s以上の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物で、該金型ロールが該活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の粘度が1×10〜1×10dPa・sとなるような表面温度を有する金型ロールで、且つ、該圧接ロールが該活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の粘度が1×10〜1×10dPa・sとなるような表面温度を有する圧接ロールであることを特徴とする賦形シートの製造方法。
【請求項2】
前記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物として25℃において溶剤を除く成分の複素粘性率が1×10〜1×10dPa・sの活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を用い、前記金型ロールとして該活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の粘度が1×10〜1×10dPa・sとなるような表面温度を有する金型ロールを用い、且つ、前記圧接ロールとして該活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の粘度が1×10〜1×10dPa・sとなるような表面温度を有する圧接ロールを用いる請求項1記載の賦形シートの製造方法。
【請求項3】
前記シート状樹脂基材としてポリエチレンテレフタレート樹脂シート基材、アクリル樹脂シート基材およびポリカーボネート樹脂シート基材からなる群から選ばれる1種以上のシート状樹脂基材を用いる請求項1記載の賦形シートの製造方法。
【請求項4】
前記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物として数平均分子量(Mn)1,000〜8,000のポリエステル樹脂(R)と重合性ビニル系化合物(V)を含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を用いる請求項2記載の賦形シートの製造方法。
【請求項5】
前記ポリエステル樹脂(R)が不飽和二重結合を有するポリエステル樹脂である請求項4記載の賦形シートの製造方法。
【請求項6】
前記重合性ビニル系化合物(V)が不飽和二重結合を2〜6個有する(メタ)アクリル系化合物である請求項4記載の賦形シートの製造方法。
【請求項7】
前記樹脂層シートとして50〜200μmの樹脂層を有する樹脂層シートを用いる請求項1記載の賦形シートの製造方法。
【請求項8】
前記樹脂層に金型ロール上のパターンを押圧転写することにより、該金型ロール上のパターンが賦形された樹脂層を得た後、該金型ロールから賦形された樹脂層とを剥離する工程(B1)の後、前記工程(C)を行う請求項1記載の賦形シートの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−276284(P2007−276284A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−106210(P2006−106210)
【出願日】平成18年4月7日(2006.4.7)
【出願人】(000002886)大日本インキ化学工業株式会社 (2,597)
【Fターム(参考)】