説明

赤外線吸収特性を有するバックライトシステム

【課題】従来の技術の欠点を回避し、かつ照明手段、特にガス放電ランプの放出による機器の問題及び障害が生じないスクリーン若しくはディスプレイの背景照明のためのバックライトシステムの提供。
【解決手段】本発明によりカバーガラスを有する少なくとも1つの照明手段を含むディスプレイ又はスクリーンの背景照明のためのバックライトシステムにおいて、カバーガラスのガラス組成物がIR放射線を吸収する1個又は複数個のドーピング酸化物でドープされており、及び/又は前記カバーガラスがIR放射線吸収内部及び/又は外部コーティングを有し、及び/又は前記バックライトシステムがカバーガラス以外の素子にIR放射線吸収コーティングを有するバックライトシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、赤外線吸収特性を有するバックライトシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来公知のディスプレイ、特にフラットディスプレイ、スクリーン等々の背景照明に対する常法のシステムは、大まかには、1つ又は複数のライト若しくはランプなどの1つ又は複数の発光ユニットと、光を均一にディスプレイ上又はスクリーン上に分配するユニット、いわゆる光分配ユニットとから構成されている。この光分配ユニットは、例えばディフューザユニット又は光導ユニット、すなわち光輸送プレート若しくは光導プレート、いわゆるライト・ガイド・プレート(ight uiding late)(LGP)の形態で設けることができる。
【0003】
例えばフラットスクリーンの背景照明では、いわゆるバックライトシステム内にガス放電ランプ(特に例えばCCFL、EEFLのような小型化されたガス放電ランプ)又はFFLのような平面型ライトが使用されている。ガス放電ランプは、光を発生させるため、例えばネオン及びアルゴンなどの希ガスを含有する(更に水銀も含有することもある)。それらのランプはまた、特にランプの点灯時に、ネオン−/アルゴン放電による、例えば910〜920nmの範囲の波長の赤外線を放出する。
【0004】
今日用いられるエンターテイメント用のエレクトロニクス機器は、そのほとんどが赤外線遠隔制御装置を介して操作できる。このような遠隔制御装置は通常850〜950nmの間の範囲の波長で作動する。ゆえにこの波長域内のガス放電ランプによる放射によって機器に障害が生じ得る。とりわけIR放射線はバックライトシステムの加熱をもたらし、かつ熱の滞留をもたらし得る。
【0005】
本発明は、前記のようなIR放射線の妨害若しくはバックライトシステムの加熱を抑制することを目的とする。
【0006】
従来の技術において既にIRコーティングが記載されているが、これは反射特性のみを有する。
【0007】
例えば特許文献1は樹脂箔上に干渉多層システムが塗布されている合成樹脂箔に関し、それは、重合可能及び/又は縮重合可能な表面有機基を有するナノスケールの無機固体粒子を含むコーティング組成物を、固化及び/又は熱処理して、重合可能及び/又は重縮合可能な表面有機基を介して架橋層を形成させて得られた、少なくとも2つの層を有することを特徴とする。前記箔は光積層箔として使用することができる。ここで「ナノスケールの無機固体粒子」とは、200nmを超えない、例えば5〜10nmの平均粒径であり、かつ該固体粒子は任意の材料、好ましくは金属及び特に金属の(必要であれば水化された)酸化物、硫化物、セレン化物及びテルル化物及びこれらの混合物などの金属化合物を含んでなる。特に好ましくは、重合可能及び/又は縮重合可能な表面有機基を有するSiO、TiO、ZrO、ZnO、Ta、SnO及びAlのナノスケール粒子、ならびにこれらの任意の混合物である。
【0008】
更に特許文献2から、許容できる低い放出力値(“low−E”)を可能とし、かつ高いIR反射強度を有する、ガラス基板上の種々の層システムが記載されている。この層システムは、Si及びニッケル又はニッケルクロムからなる多数の層を使用し、前記層間にサンドイッチ状に選択された順序でIR反射金属水銀からなる1つ又は複数の層が配置されている。
【0009】
更に特許文献3は、付加的な赤外線フィルタが光源に前置されるHUD(ヘッドアップ・ディスプレイ)システムに関する。
【特許文献1】独国特許出願公開第10213036号明細書
【特許文献2】米国特許第5344718号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第0704740号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
以上より、本発明の課題は、従来の技術の欠点を回避し、かつ照明手段、特にガス放電ランプからの放出による機器のトラブル及び障害が生じない、スクリーン若しくはディスプレイの背景照明のためのバックライトシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この本発明の課題は、カバーガラスを有する少なくとも1つの照明手段を含むディスプレイ又はスクリーンの背景照明のためのバックライトシステムであって、
− 前記カバーガラスのガラス組成物がIR放射線を吸収する1個又は複数個のドーピング酸化物でドープされており、及び/又は
− 前記カバーガラスがIR放射線吸収内部及び/又は外部コーティングを有し、及び/又は
− 前記バックライトシステムがカバーガラス以外の素子にIR放射線吸収コーティングを有する、バックライトシステムの提供によって解決される。
【0012】
上記は、以下のような変形が可能である:
(1)IR放射線吸収ドーパントを有するカバーガラス;
(2)任意に内部及び/又は外部コーティングを有してもよい、IR放射線吸収コーティングを有するカバーガラス;
(3)バックライトシステム中のカバーガラス以外の素子上への、IR放射線吸収コーティング;
(4)IR放射線吸収内部及び/又は外部コーティングと共に、IR放射線吸収ドーパントを有するカバーガラス;
(5)IR放射線吸収コーティングを有するカバーガラスと、バックライトシステムを構成する前記カバーガラス以外の少なくとも1つの素子上へのIR放射線吸収ドーパント;
(6)IR放射線吸収コーティングを有するカバーガラスと、バックライトシステムを構成する、カバーガラス以外の少なくとも1つの素子上へのIR放射線吸収内部及び/又は外部コーティング;並びに、
(7)IR放射線吸収内部及び/又は外部コーティングと共に、IR放射線吸収コーティングを有するカバーガラスと、並びにバックライトシステムを構成する少なくとも1つの素子上へのIR放射線吸収コーティング。
【0013】
本発明はまた、バックライトシステム内でIR放射線を吸収するための、IR放射線を吸収する1個又は複数個のドーピング酸化物でドープされたカバーガラスの使用、及び/又はIR放射線吸収内部及び/又は外部コーティングを有するカバーガラスの使用、及び/又はIR放射線吸収コーティングの、バックライトシステム中のカバーガラス以外の素子上への使用の提供に関する。
上記の場合においても、以下のような変形が可能である:
(1)IR放射線吸収ドーパントを有するカバーガラスの使用;
(2)カバーガラスが任意に内部及び/又は外部コーティングを有してもよい、IR放射線吸収コーティングを有するカバーガラスの使用;
(3)バックライトシステムを構成する、カバーガラス以外の素子上への、IR放射線吸収コーティングの使用;
(4)同時にIR放射線吸収内部及び/又は外部コーティングを有する、IR放射線吸収ドーパントを有するカバーガラスの使用;
(5)バックライトシステムを構成する、カバーガラス以外の少なくとも1つの素子上へのIR放射線吸収ドーパントと、IR放射線吸収コーティングを有するカバーガラスの使用;
(6)バックライトシステムを構成する、カバーガラス以外の少なくとも1つの素子上へのIR放射線吸収コーティングと、IR放射線吸収外部コーティングを有するカバーガラスの使用;及び
(7)IR放射線吸収コーティングを有するカバーガラスと、バックライトシステムを構成する少なくとも1つの素子上への、IR放射線吸収内部及び/又は外部コーティングと共にIR放射線吸収コーティングの使用。
本発明に係る各変形態様を用いることにより、バックライトシステム内の望ましくないIR放射線が吸収される。
以上より、本発明により、望ましくないIR放射線からバックライトシステムを保護するための複数の解決方法が提供されうる。
【0014】
これは例えば、IR放射線を吸収する1個又は複数個のドーピング酸化物を用いて、ガス放電ランプなどの照明手段のカバーガラスにドーピングすることによって可能となる。ドーピングの例としては、酸化イッテルビウム、酸化ジスプロシウム、酸化サマリウム、酸化第二鉄及び酸化第二銅並びにこれらの混合物の使用である。特に好ましいのは酸化イッテルビウムによるドーピングである。
【0015】
特に好ましくは、Yb、Sm、Dy、FeO及びCuOの合計が0.3〜50重量%となる態様である。特に好ましくは、カバーガラスが以下のドーピング酸化物を下記の数値範囲で含有する態様である:
Yb 0〜40重量%
Sm 0〜40重量%
Dy 0〜40重量%
FeO 0〜10重量%
CuO 0〜10重量%
但し、Yb、Sm、Dy、FeO及びCuOの合計が0.3〜50重量%である。
【0016】
ガラスがTiOを含まない場合、すなわち該ガラスがTiOによるUVブロック作用を有さない場合にのみ、FeO[Fe(2+)]を使用してIRブロック効果を付与することに留意すべきである。さもないとガラスが変色する危険性があるからである。Fe(2+)を用いてドープした場合、通常ガラスは緑色に着色される傾向があり、ゆえに可能な限り少量での使用が望ましい。
【0017】
本発明の他の実施態様では、付加的又は代替的に、ガス放電ランプなどの照明手段のガラスに、内部及び/又は外部コーティングを施してもよい。
【0018】
他の実施態様では、付加的又は代替的に、例えば光分配ユニット(ライト・ガイド・プレート、LGP)などのバックライトシステムを構成するその他の素子(特にディフューザプレート、支持プレート又は支持ディスク、カバーディスク又は保護ディスクの素子、バックライトシステムの(部分)平面若しくは領域、又はそれらのを構成する部材)に、IR放射線を吸収する層を設けてもよい。IR吸収層は、IR放射線を反射する性質を有してもよい。特に好ましいIR吸収層は、例えばSiO及びTiOからなる複数の層で構成されている。これは例えば10、20又はそれ以上の異なる層であってよい。TiOに代わりTaも好適である。当該コーティングはこの場合、好ましくは高屈折層及び低屈折層からなる多層干渉システム、好ましくは低屈折SiO層、及び高屈折TiO層若しくはTa層から構成される。TiO層の代わりにTa層又はNb層又はIn層又はZrO層を含む干渉層システムを使用してもよい。
【0019】
ガス放電ランプ中におけるガラスの外部又は内部コーティング以外にも、ディフューザプレート又はライト・ガイド・プレート(いわゆる光導プレート若しくは光輸送プレート)などの、バックライトシステムを構成する他の部材をコーティングしてよい。
【0020】
上記コーティングに対する別法として、導電性酸化層(例えばIn、SnO、ZnO又はSn、Fのような好適な元素でドーピングできるIn、SnO、ZnOからなる導電性酸化層)を用いて、導電性若しくは反射性能を向上させてもよい。
【0021】
その他の可能なコーティングとしては、例えば銀又は好適な銀ベースの層システムからなる薄い金属層が挙げられる。
【0022】
これらの本発明に係る層若しくはコーティングは、様々な方法によって施すことができる。例えば欧州特許第0305135号に記載されているような浸漬法、又は欧州特許第0369253号に記載されたCVD法が適用可能である。また欧州特許第0409451号記載のPVD法を使用してもよい。しかしながら、特に好ましくはドイツ国特許出願公開第19852454号明細書記載の、いわゆるPICVD法(パルス放電プラズマCVD法)であり、それはマイクロ波反応器内でマイクロ波プラズマCVD法を利用してコーティングを施すことを特徴とする。前記特許文献の全開示内容を本発明に援用する。
【0023】
また、本発明の上記諸態様を、適宜組み合わせてもよい。
【発明の効果】
【0024】
本発明により、いわゆる「オール・イン・ワン」ソリューションが提供され、それによってフィルタなどの付加的な高価な素子の使用を省略することもできる。本発明によりIR放射線を吸収する層がランプ上に提供され、及び/又は照明手段自体にその選択されたガラス組成のカバーガラスを適用することによって、IR放射線からの保護が提供される。それによってランプの加熱及びバックライトシステム全体の加熱を回避できる。それによって、IR光線によって生じる望ましくない熱の滞留が本発明により完全に排除される。温度負荷を明らかに低減できるため、バックライトシステムの構成要素であるランプ及びその他の素子の耐久性が顕著に改善される。更にバックライトシステムの操作を妨げ得るIR妨害放射線が抑制される。
【0025】
更に、別個のIR放射線フィルタの設置を省略でき、かつIR放射線保護がランプ及び/又はバックライトシステムの素子自体に施されている場合、非常に実用可能であり、かつコスト的にもより好適である。組み込まれたIR放射線保護によるハンドリングの簡素化及び付加的な部材の設置の回避以外にも、使用される合成樹脂の温度保護の必要性も軽減され、コスト的に好適な材料、特に合成樹脂をバックライトシステム中に使用することが可能となる。発生する熱は、好ましくは照明手段(すなわちIR放射線を吸収するランプ上のコーティング)によって直接、及び/又はIR放射線を吸収する1個又は複数個のドーピング酸化物でドープされた照明手段上のカバーガラスのガラス組成物、及び/又はバックライトシステムのその他のIR放射線吸収コーティングを有する素子によって排除される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の特に好ましい実施態様では、ディスプレイ又はスクリーンの背景照明のためのバックライトシステムは、カバーガラスを有する少なくとも1つの照明手段、並びに合成樹脂からなる光分配ユニット(ライト・ガイド・プレート、LGP)を含んでなる。この実施態様においては、特にコスト的に好適な合成樹脂を光分配ユニットに使用することができ、該樹脂は、バックライトシステム内にIR光線からの前記保護手段が設けられているため、低い温度耐性であってもよい。
【0027】
本発明で使用される、いわゆるバックライト型の照明手段としては、例えば低圧放電ランプのような放電ランプ(特に蛍光ランプ)、特に好ましくは小型化蛍光ランプのような、本発明の属する技術の当業者に公知のあらゆる照明手段であってもよい。
【0028】
この種のバックライトランプは、好ましくは引抜管ガラスから製造することができる。この照明手段は、好ましくは広範囲にわたり透明であり、かつ内側及び外側を有し、中空体の形態で、カバーガラスとして設けられる照明手段と、並びに金属又は合金線の挿入による接続部を有する2つの端部とからなる。その際、焼戻工程で、金属若しくは金属線をガラス体のカバーガラスと溶融させてもよい。当該金属若しくは合金線は電極ブッシング及び/又は電極である。
【0029】
前記ブッシングは、好ましくはタングステン−又はモリブデン金属又はコバール合金である。カバーガラスの前記ガラス組成物の線熱膨張率(CTE)は、好ましくは前記ブッシングの線熱膨張率(CTE)と広い範囲において一致し、その結果、ブッシングの領域で応力が発生せず、若しくは一定の、かつ想定された限度内の応力のみが発生する。
【0030】
本発明に係るシステム内には通常、発光ユニットのほかに、光分配ユニットが含まれている。これは本発明では特に制限されないが、特に好ましい実施態様では、当該光分配ユニットは合成樹脂から構成されている。また、例えばディフューザ若しくはディフューザプレート、又はディフューザディスク、又はLGP(“ライト・ガイド・プレート”)などの光導プレート又は光輸送プレート若しくはディスクを使用してよい。
【0031】
特に好ましくは、光分配ユニット用の合成樹脂は、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド、ポリエーテルケトン(PEK、PEEK、PAEK)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、SAN(スチレン−アクリルニトリル−コポリマー)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート及びシクロオレフィンベースのポリマーからなる群から選択される。好ましいのは、ポリメチルメタクリレート(PMMA)並びにシクロオレフィンベースのポリマー及びこれらの混合物である。
【0032】
バックライト配列の構造、特に照明手段と光分配ユニットの構造及び配列は、本発明では特に限定されない。以下、幾つかの本発明に係る変形を記載するが、本発明に係る教示内容はこれらの変形態様に制限されるものではない。
【0033】
本発明に係るバックライトシステムは通常、特殊な反射性の基底プレート若しくは支持プレート、並びにカバープレート若しくは基板を有し、それらの周辺に1つ又は複数の照明手段が直接配置されている。特に本発明では、好ましくは小型バックライトランプの配列が使用される。
【0034】
したがって、好ましくは1つ又は複数の、特に個々の小型照明手段が使用される。複数の、特に少なくとも2つの照明手段は好ましくは互いに平行に配置してよく、また例えば支持プレートとカバープレートとの間に配置してもよい。当該照明手段は例えば支持プレート上の1つ又は複数の凹所中に設けてよく、それぞれ1つの凹所が1つの照明手段を含んでなってもよい。基板又はカバープレート若しくはカバーディスクとして前記目的に通常用いられる任意のプレート又はディスクを使用してよく、これらはそれぞれのシステム構造及び用途に応じて光分配ユニットとして、又は単にカバーとして機能させてもよい。従って、基板又はカバープレート若しくはバーディスクは、例えば半透明のディフューザディスク又は全透明のディスクであってよい。光分配ユニットは、好ましくは合成樹脂から構成されている。
【0035】
かかるバックライトシステムは従来技術と異なり、温度安定性の低い合成樹脂を使用できる。
【0036】
本発明に係る照明手段のカバーガラスは、望ましくないIR放射線を吸収するための、1個又は複数個のドーピング酸化物でドープされていてよい。別法としては、IR吸収コーティングを、例えば支持プレート又はカバープレート上に、又は外部コーティングとしてカバーガラス上に設けてもよい。またカバーガラスの内部コーティングとして使用してもよい。当然ながら、本発明ではこれらの変形態様を組合せてもよい。
【0037】
この配列を、例えばテレビ受像機に使用されるような大型ディスプレイに使用してもよい。
【0038】
例えば蛍光管などの照明手段は、選択的に外部又は内部電極(選択された配列に依存する)を有してもよい。
【0039】
本発明に係る他の実施態様では、照明手段は本発明に係るバックライトシステムに対応して例えば光分配ユニットの外部に配置されていてもよい。すなわち、1つ以上の照明手段は、例えばディスプレイ又はスクリーンの外部に取り付けてもよく、その場合、目的に応じて光導体として用いられる光輸送プレート、いわゆるLGP(ライト・ガイド・プレート)を利用して、ディスプレイ又はスクリーン全体にわたって均一に光が放出される。このような光輸送プレートは、好ましくは上述のように合成樹脂から製造されており、かつ例えば粗い表面を有し、該表面を介して光が出射される。照明手段のカバーガラスとして対応するIR放射線を吸収するガラス及び/又はカバーガラス用のIR吸収外部コーティング及び/又は内部コーティング及び/又はIR吸収コーティングを光導プレートのようなバックライトシステムの1つ又は複数の素子上に取り付けてもよい。
【0040】
本発明に係るバックライトシステムに、無電極ランプシステム(いわゆるEEFLシステム(外部電極蛍光ランプ))を使用してもよい。
【0041】
本発明の好ましい一変形態様では、発光ユニットは例えば上側に位置する好ましくは構造化されたディスクと、下側に位置する支持プレートと、並びに側方に位置する壁によって画定される囲繞空間を有する。例えば蛍光ランプのような照明手段はユニットの側方にある。前記囲繞空間は例えば所定の厚さで支持ディスク上に取り付けられている放電発光物質を含んでいてもよく、例えば更に個々の放射空間に分割されていてもよい。カバープレート又はカバーディスクとして、それぞれのシステム構造に応じて、半透明のディフューザディスク又は全透明のディスク等々を使用してよい。IR放射線を吸収するためにEEFLランプのカバーガラスを好適な量のドーピング酸化物でドープしてよく、及び/又はバックライト配列の素子及び/又はカバーガラス自体がIR吸収コーティングを具備してもよい。
【0042】
この本発明に係る変形によるバックライトシステムは、例えば無電極ガス放電ランプである。すなわち該バックライトシステムはブッシングが無く、単に外部若しくは外置型電極が存在する。
【0043】
しかしながら、原理的には内置型接触も可能である。この場合、プラズマの点弧は内置型電極を介して行うことができる。
【0044】
この方式の点弧は別の技術である。このようなシステムはCCFLシステム(冷陰極蛍光ランプ)と呼ばれる。電極ブッシングは特にタングステン−及びモリブデン金属又はコバール合金をブッシング材料として含んでいてもよい。前記配列は大型フラットバックライトを形成し、そのためフラットバックライトとも呼ばれる。
【0045】
照明手段のカバーガラスはガラス組成物を含んでなるか、又は前記ガラス組成物から構成され、また本発明に係る照明手段に使用するガラスとしては、ホウ珪酸ガラスが特に好ましい。ホウ珪酸ガラスは第1の成分としてSiO並びにBを含み、かつその他の成分として例えばLiO、NaO、KO、CaO、MgO、SrO及びBaOのようなアルカリ金属酸化物及び/又はアルカリ土類金属酸化物を含む。
【0046】
5重量%〜15重量%のB含有量のホウ珪酸ガラスは高い化学的耐性を示す。更にこの種のホウ珪酸ガラスは、金属(例えばタングステン又はコバールなどの合金)の組成を一定の範囲で選択することによって、線熱膨張率(いわゆるCTE)を適宜調整できる。それによってブッシングの領域の応力の発生を回避することができる。
【0047】
15重量%〜25重量%のB含有量のホウ珪酸ガラスの使用により、金属タングステン及びコバール合金(Fe−Co−Ni合金)を用いた良好な工程処理性、並びに良好な線熱膨張率(CTE)適合性が得られる。
【0048】
25〜35重量%の範囲のB含有量を有するホウ珪酸ガラスは、特に無電極ガス放電ランプすなわちその電極がランプバルブの外側に取り付けられるランプに使用する場合に有利である。
【0049】
本発明の第1の実施態様では、ベースガラスは通常好ましくは少なくとも50重量%若しくは少なくとも55重量%のSiOを含有し、少なくとも60重量%、特に好ましくは少なくとも63重量%含有する。最も好ましいSiOの最小量は65重量%である。しかし、個別的な場合においては、SiOの最小量が35重量%であってもよい。SiOの最大量は85重量%、特に83重量%であり、より好ましくはSiO79重量%、特に好ましくは最大75重量%である。本発明では、Bは0重量%以上、好ましくは3重量%以上、好ましくは5重量%以上及び特に好ましくは少なくとも10重量%の量で含有され、少なくとも15重量%が最も好ましい。Bの最大量は最大35重量%であるが、好ましくは最大32重量%、特に好ましくは最大30重量%である。
【0050】
カバーガラスのガラス組成物は、個別的な場合においてAlを含有しなくてもよいが、通常、最小量0.1重量%、特に0.2重量%でAlが含有されている。Alは一般には0〜25重量%、好ましくは0〜20重量%、更に好ましくは0〜10重量%の量で含有され、0.5重量%若しくは1重量%及び特に2重量%の最小量が好ましい。最大量は通常25重量%、好ましくは10重量%である。
【0051】
アルカリ金属酸化物の合計量は、好ましくは5重量%未満、好ましくは1重量%未満である。特に好ましくは、不純物が生成しない程度で、ガラス組成物中にアルカリ金属を含有させる。LiOの場合は、好ましくは0〜5重量%、特に1.0重量%未満の量である。NaOの場合は、好ましくは0〜10重量%、特に3.0重量%未満の量であり、かつKOの場合は0〜9重量%、特に5.0重量%未満の量で使用され、それぞれ、0.1重量%以下及び0.2重量%以下、特に0.5重量%以下の量が好ましい。
【0052】
本発明では、Mg、Ca、Srなどのアルカリ土類金属酸化物を、それぞれ0〜20重量%、特に0〜8重量%若しくは0〜5重量%の量で含有させる。BaOの場合は、好ましくは0〜64重量%の量で存在させてもよい。アルカリ土類金属酸化物の合計は、本発明により0〜64重量%、特に0〜50重量%、好ましくは0〜40重量%である。特に外置型電極を有するガス放電ランプの場合に使用される照明手段では、可能な限り低い損失率Plossと共に高い収率を可能にするため、損失角tanδと誘電率ε’の商を可能な限り低く選択するのが、特に有利であることを見出した。当該数値は以下の式から算出する:
【数1】

式中、
ω:回路周波数
tanδ:損失角
ε’:誘電率
d:コンデンサの厚さ(この場合はガラスの厚さ)
A:電極面積
I:電流の強さ、である。
【0053】
前記商は、EEFLに使用する場合、好ましくは5×10−4未満及び4×10−4未満、特に好ましくは3×10−4未満及び2.5×10−4未満、最も好ましくは2×10−4未満及び1×10−4未満である。
【0054】
本発明において、tanδ及びε’の商を可能な限り小さく設定するため、ガラス組成物に、特に好ましくはガラスマトリックス中に組み込まれる、酸化物の形態の高分極性元素を含有させる。酸化物形態のかかる高分極性元素は、Ba、Cs、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、Eu、Gd、Tb、Ho、Er、Tm及び/又はLuの酸化物からなる群から選択されてもよい。
【0055】
好ましくは前記酸化物の少なくとも1種類がガラス組成物中に含まれている。前記酸化物の2種類以上の混合物として存在してよい。従って前記酸化物の少なくとも1種類は、好ましくは0〜64重量%以上、好ましくは5〜60重量%、特に好ましくは10〜50重量%、特に15〜55重量%の量で含有されている。更に好ましくは20〜45重量%、特に20〜40重量%である。特に好ましくは15重量%、特に18重量%、好ましくは20重量%を下回らない。
【0056】
特に好ましくはCsO、BaO、PbO、Bi並びにアルカリ希土類元素の酸化物、酸化ランタン、酸化ガドリニウム、酸化イッテルビウムを、本発明に係るガラス組成物中に存在させる。
【0057】
特に好ましくは、1種類以上の高分極性元素が少なくとも15重量%、更に好ましくは18重量%、特に20重量%、最も好ましくは25重量%以上が酸化物形態でガラス組成物中に含有されている。
【0058】
カバーガラス中のCeOの含有量は、好ましくは0〜10重量%、0〜5重量%、及び特に0〜1重量%若しくは0〜0.5重量%の量が好ましい。Ndの含有量は、好ましくは0〜5重量%、0〜2重量%、特に0〜1重量%の量が特に好ましい。Biは、好ましくは0〜64重量%、より好ましくは5〜60重量%、特に好ましくは10〜55重量%、特に15〜50重量%の量で含有される。更に好ましくは20〜55重量%又は20〜50重量%である。より更に好ましくは20〜45重量%、特に好ましくは20〜40重量%又は20〜35重量%である。
【0059】
したがって、本発明における全アルカリ土類金属酸化物の合計は、好ましくは0〜64重量%、特に5〜60重量%、より好ましくは10〜55重量%、最も好ましくは20〜55重量%である。更に好ましくは20〜40重量%である。
【0060】
ガラスはZnOを含まなくてもよいが、好ましくは最小0.1重量%〜最大30重量%で含有し、より好ましくは最大20重量%、更に好ましくは10重量%、特に3重量%の含有量が好適である。ZrOは0〜5重量%、特に0〜3重量%の量で含有され、3重量%の最大含有量は、多くの場合において十分であることが実証されている。更に、WO及びMoOもまた、各々独立に0〜5重量%若しくは0〜3重量%、特に0.1〜3重量%の量で含有されていてよい。
【0061】
Al+B+CsO+BaO+Bi+PbOの合計が15〜64重量%、好ましくは15〜64重量%、特に20〜60重量%の範囲である場合、本発明では特に好ましいことが実証されている。Bは通常最大量35重量%で使用されるため、残りの45重量%を分極性の酸化物BaO、Bi、CsO及びPbOの1種類以上で分配する。
【0062】
好ましい実施態様では、PbO含有量は好ましくは0〜64重量%、好ましくは10〜60重量%、より好ましくは15〜55重量%に調整される。特に好ましくは20〜50重量%で含有される。
【0063】
当該ガラスは「UVエッジ」(UV放射線の吸収)を調整するためにTiOを含んでいてもよいた、該ガラスは原理的にそれを含まなくてもよい。TiOの最大含有量は、好ましくは10重量%、特に最大8重量%であり、最大5重量%が好ましい。TiOの好ましい最小含有量は1重量%である。好ましくは、含有されるTiOの少なくとも80〜99%、特に99.9%又は99.99%がTi4+として存在する。幾つかのケースで99.999%のTi4+含有量が有効であることが実証されており、好ましくは酸化条件下で溶融物を生成させる。すなわちこの酸化条件とは、特にチタンが前記量でTi4+として存在し又は前記工程で酸化される条件のことである。この酸化条件は溶融物中への例えば硝酸塩、特に硝酸アルカリ及び/又は硝酸アルカリ土類の添加によって容易に実施できる。酸素及び/又は乾燥空気の吹込みによっても酸化溶融物を調製できる。更に酸化溶融物を酸化バーナー調整法により、例えば混合物の溶融時に調製することも可能である。
【0064】
ガラス組成物中のTiO含有量が2重量%以上あり、かつ合計Fe含有量が5ppm以上である混合物を使用する場合、好ましくはAsで精製され、かつ硝酸塩で溶融される。硝酸塩の添加は、好ましくは可視領域におけるガラスの着色(イルメナイト(FeTiO)混合酸化物の形成)を防止ため、1重量%以上のアルカリ金属硝酸塩含量にて実施される。更に、Sb及び硝酸塩による精製も可能である。
【0065】
ガラス溶融時に硝酸塩がアルカリ金属硝酸塩及び/又はアルカリ土類金属硝酸の形態で添加されるにもかかわらず、精製後の製造されたガラス中の硝酸塩濃度は最大0.01重量%になるだけであり、多くの場合では最大0.001重量%である。
【0066】
Feの含有量は、好ましくは0〜5重量%であり、0〜1重量%及び特に0〜0.5重量%の量が好ましい。MnOの含有量は、好ましくは0〜5重量%であり、0〜2重量%、特に0〜1重量%の量が更に好ましい。成分MoOは、より好ましくは0〜5重量%、好ましくは0〜4重量%の量で含有される。
【0067】
Feはガラス中に5重量%までの量で添加されてよい。しかしながら、この含有量は好ましくはそれを顕著に下回る量である。鉄が含有されている場合、それは溶融の際の酸化的条件(例えば硝酸塩含有原料の使用)によって酸化数が+3となり、それによって可視波長域での変色が最小限になる。Feはガラス中に好ましくは500ppm未満の濃度で含有される。Feは一般に不純物として存在する。
【0068】
特にガラスの変色(特に可視波長域における変色)は、TiOを1重量%以上の含有量となるように添加する際に、ガラス溶融物が実質的に塩化物を含まず、かつ特に塩化物及び/又はSbが精製の際にガラス溶融物に添加されないことによって、少なくとも部分的に回避することができる。ガラスの青色への着色は、特にTiOの使用時に生じるように、精製剤としての塩化物の使用が省略される場合に回避できることを見出した。塩化物並びにフッ化物の最大含有量は、本発明においては最大2重量%、特に1重量%、好ましくは0.1重量%である。
【0069】
更に、例えば精製剤として使用されるような硫化物が、前記精製剤と同様に可視波長域におけるガラスの変色を生じさせることが判明した。そのため、好ましくは硫化物も省かれる。硫化物の最大含有量は本発明においては2重量%、特に1重量%であり、最大0.1重量%の含有量が好ましい。本発明では、可視波長域とは320nm〜780nmの波長域であると解される。
【0070】
更にAsによるガラスの精製が、特に酸化条件下で実施される場合において、前記欠点を大幅に克服することを見出した。好ましくはガラス中にAsを0.01〜1重量%含有させる。
【0071】
本発明のガラスは、UV照射時のソラリゼーションに対して非常に安定しているにもかかわらず、このソラリゼーション安定性は、PdO、PtO、PtO、PtO、RhO、Rh、IrO及び/又はIrを微量で含有させることによって更に改善できることを見出した。このような物質の含有量は通常、最大0.1重量%、好ましくは最大0.01重量%であり、最大0.001重量%が特に好ましい。最小の含有量は通常、0.01ppmであり、少なくとも0.05ppm、特に少なくとも0.1ppmが好ましい。
【0072】
本発明に係るバックライトシステムにおける照明手段に好適な、カバーガラスの第2の実施態様では、SiOが60重量%、好ましくは少なくとも62重量%の最小含有量であり、特に64重量%の最小含有量が好ましい。本発明に係るガラス中のSiOの最大含有量は最大85重量%、特に79重量%であり、最大75重量%の含有量が好ましい。特に好ましい最大含有量は72重量%である。非常に高いSiO含有量を有するガラスは低い誘電損失率tanδを特徴とし、そのため特に無電極蛍光ランプに好適である。
【0073】
の含有量は最大15重量%、特に最大10重量%であり、最大5重量%の含有量が好ましい。特に好ましくは、最大3重量%のB含有量であり、最大2重量%の含有量が最も好ましい。個別的な場合においては、本発明に係るガラスは全くBを含まなくてもよい。しかしながら、好ましい実施態様においては少なくとも0.1重量%含有し、0.5重量%が好ましい。特に好ましくは0.75重量%の最小含有量であり、0.9重量%が最も好ましい。
【0074】
本発明の第2の実施態様に係るガラスは、個別的な場合においてはAlが含まれていなくてもよいが、通常Alを0.1重量%、特に0.2重量%の最小量で含有する。好ましくは0.3重量%の最小含有量であり、0.7重量%、特に少なくとも1.0重量%の最小量が特に好ましい。Alの最大量は通常10重量%であり、最大8重量%が好ましい。多くの場合において5重量%、特に4重量%の最大量が十分であることが実証されている。
【0075】
第2の実施態様によるガラスは、アルカリ金属酸化物及びアルカリ土類金属酸化物を含有する。この場合のアルカリ金属酸化物の総含有量は少なくとも5重量%、特に少なくとも6重量%、より好ましくは少なくとも8重量%になり、少なくとも10重量%のアルカリ金属酸化物の最小含有量が特に好ましい。全アルカリ金属酸化物の最大含有量は最大25重量%、22重量%、及び特に20重量%の最大量が特に好ましい。多くの場合において、18重量%の最大量で十分であることが実証されている。それらのうち、本発明におけるLiOの含有量は好ましくは0重量%〜最大10重量%であり、最大8重量%及び特に最大6重量%の最大量が好ましい。KOは少なくとも0重量%〜最大20重量%の含有量であり、0.01重量%、好ましくは0.05重量%の最小含有量がより好ましい。個別的な場合において、1.0重量%の最小含有量が好適であることが実証されている。KOの最大含有量は、好ましい実施態様では最大20重量%であり、最大15重量%及び特に最大10重量%が好ましい。多くの場合において5重量%の最大含有量が最も好ましいことが実証されている。
【0076】
NaOの含有量は、個別的な場合において、0重量%〜最大20重量%である。しかしながら、好ましくはNaOの含有量は少なくとも3重量%、特に少なくとも5重量%であり、少なくとも8重量%、特に少なくとも10重量%の含有量が好ましい。特に好ましい本発明の実施態様では、酸化ナトリウムは少なくとも12重量%の量で含有される。NaOの好ましい最大量は18重量%若しくは16重量%であり、最大15重量%が特に好ましい。
【0077】
アルカリ土類金属酸化物の含有量は、CaOの場合は最大20重量%である。但し、個別的な場合において、18重量%、特に最大15重量%の含有量で十分である。本発明に係るガラスはカルシウム成分を含んでいなくてもよいが、本発明に係るガラスは通常少なくとも1重量%のCaOを含み、少なくとも2重量%、特に少なくとも3重量%の含有量が好ましい。実際には、4重量%の最小含有量が好適であることが実証されている。MgOの下限は、個別的な場合においては0重量%のときもあるが、少なくとも1重量%、好ましくは少なくとも2重量%の含有量である。本発明に係るガラス中のMgOの最大含有量は8重量%であり、最大7重量%及び特に最大6重量%が好ましい。SrO及び/又はBaOは、本発明に係るガラス中に全く含まれなくてもよい。しかしながら、好ましくは少なくともその一方又は両方の物質をそれぞれ1重量%、好ましくは少なくとも2重量%で含有する。ガラス中に含有される全アルカリ土類金属酸化物の総含有量は、少なくとも3重量%〜最大30重量%、特に20重量%であり、4重量%、特に5重量%の最小含有量が好ましい。多くの場合において、6若しくは7重量%の最小含有量が好適であることが実証されている。アルカリ土類金属酸化物の好ましい最大含有量は18重量%であり、最大15重量%が好ましい。幾つかの場合において12重量%の最大含有量で十分であることが実証されている。
【0078】
第2の実施態様では、ガラスはZnOを含有しなくてもよいが、好ましくは最小0.1重量%〜最大30重量%、特に8重量%、好ましくは最大5重量%の最大含有量であり、3重量%若しくは2重量%の最大含有量で十分好適である。ZrOは0〜8重量%、特に0〜5重量%、好ましくは0〜5重量%の量で含有され、3重量%の最大含有量が多くの場合十分であることが実証されている。
【0079】
TiOの最大含有量は、好ましくは10重量%であり、最大5重量%が好ましい。TiOの好ましい最小含有量は1重量%である。当該ガラスは、好ましくは0〜5重量%PbOを含有し、最大2重量%、特に最大1重量%の含有量が好適である。当該ガラスは、好ましくは鉛を含有しない。Fe及び/又はCeOの含有量はそれぞれ0〜5重量%であり、0〜1重量%及び特に0〜0.5重量%の量が好ましい。MnO及び/又はNdの含有量は0〜5重量%であり、0〜2重量%、特に0〜1重量%の量が好ましい。本発明に係るガラス中に、成分Bi及び/又はMoOは、それぞれ0〜5重量%、好ましくは0〜4重量%の量で含有され、かつAs及び/又はSbはそれぞれ0〜1重量%の量で含有され、最小含有量は好ましくは0.1重量%、特に0.2重量%である。Fe、CeO、TiO、PbO、As及びSbの総量は、この場合好ましくは0.1〜10重量%、特に好ましくは1〜8重量%以上である。本発明に係るガラスは、好ましい実施態様では、必要に応じて0〜2重量%の微量のSO2−並びにそれぞれ0〜2重量%のCl及び/又はFを含有する。
【0080】
なお、各組成物の選択された成分の総量が100重量%まで補充されることは自明である。
【0081】
本発明のカバーガラスの好適な組成を、以下に示す。
SiO 55〜85重量%、
0〜35重量%、
Al 0〜20重量%、
LiO 0〜10重量%、
NaO 0〜20重量%、
O 0〜20重量%であり、但し、
LiO+NaO+KO=0〜25重量%であり、
MgO 0〜8重量%、
CaO 0〜20重量%、
SrO 0〜5重量%、
BaO 0〜45重量%、好ましくはBaO 0〜5重量%であり、但し、
MgO+CaO+SrO+BaO=0〜45重量%、好ましくは0〜20重量%であり、
TiO 0〜10重量%、好ましくは>0.5〜10重量%であり、
ZrO 0〜3重量%、
CeO 0〜3重量%、
WO 0〜3重量%、
Bi 0〜3重量%、
MoO 0〜3重量%、
YB 0〜40重量%、
Sm 0〜40重量%、
Dy 0〜40重量%、
FeO 0〜10重量%、
CuO 0〜10重量%、
但し、YB、Sm、Dy、FeO及びCuOの合計が0.3〜45重量%であり、
並びに、必要に応じて精製剤(好ましくは塩化物、硫化物、As及びSb)を通常の濃度で含有する。
【0082】
好ましくは、本発明の照明手段に用いられるカバーガラスは、以下の組成を有する。
SiO 55〜79重量%、
3〜25重量%、
Al 0〜10重量%、
LiO 0〜10重量%、
NaO 0〜10重量%、
O 0〜10重量%であり、但し、
LiO+NaO+KO=0.5〜16重量%であり、
MgO 0〜2重量%、
CaO 0〜3重量%、
SrO 0〜3重量%、
BaO 0〜41,2重量%、好ましくはBaO 0〜3重量%、
ZnO 0〜30重量%、好ましくはZnO 0〜3重量%であり、但し、
MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO=0〜30重量%、好ましくは0〜10重量%であり、
ZrO 0〜3重量%、
CeO 0〜1重量%、
Fe 0〜1重量%、
WO 0〜3重量%、
Bi 0〜3重量%、
MoO 0〜3重量%、
TiO 0〜10重量%、好ましくはTiO>0.5〜10重量%であり、
YB 0〜40重量%、
Sm 0〜40重量%、
Dy 0〜40重量%、
FeO 0〜10重量%、
CuO 0〜10重量%であり、
但し、YB、Sm、Dy、FeO及びCuOの合計が0.3〜41.5重量%であり、
必要に応じて精製剤(好ましくは塩化物、硫化物、As及びSb)を通常の濃度で含有する。
【0083】
SiO 60〜74.7重量%、
>25〜35重量%、
Al 0〜10重量%、
LiO 0〜10重量%、
NaO 0〜14.7重量%、
O 0〜14.7重量%であり、但し、
LiO+NaO+KO=0〜14.7重量%であり、
MgO 0〜8重量%、
CaO 0〜14.7重量%、
SrO 0〜5重量%、
BaO 0〜14.7重量%、好ましくはBaO 0〜5重量%であり、但し、
MgO+CaO+SrO+BaO=0〜14.7重量%、好ましくは0〜14.7重量%であり、
ZnO 0〜14.7重量%、好ましくは0〜3重量%、
ZrO 0〜5重量%、
TiO 0〜10重量%、
Fe 0〜0.5重量%、
CeO 0〜0.5重量%、
MnO 0〜1重量%、
Nd 0〜1重量%、
WO 0〜2重量%、
Bi 0〜5重量%、
MoO 0〜5重量%、
As 0〜1重量%、
Sb 0〜1重量%、
SO2− 0〜2重量%、
Cl 0〜2重量%、
0〜2重量%であり、但し、
YB 0〜14.7重量%、
Sm 0〜14.7重量%、
Dy 0〜14.7重量%、
FeO 0〜10重量%、
CuO 0〜10重量%であり、
但し、YB、Sm、Dy、FeO及びCuOの合計が0.3〜14.7重量%であり、
Fe+CeO+TiO+PbO+As+Sbの合計が0〜10重量%であり、
任意に、PdO+PtO+PtO+PtO+RhO+Rh+IrO+Ir=0.000001〜0.1重量%であり、
並びに必要に応じて精製剤を通常の濃度で含有する。
【0084】
電極ブッシングとガラスの溶融が行われない外置型電極を有する照明手段にも、前記ガラス組成物を同様に使用できる。これはいわゆるEEFL(外部電極蛍光ランプ)である。かかるEEFL照明装置は電極ブッシングを有さない照明装置である。無電極EEFLバックライトの場合の入射は、電場を利用して行われるため、特に良好な電気的特性及び誘電損失角tanδ並びに誘電率の低い商を特徴とするガラス組成物の使用が特に好適である。特に好適なカバーガラスとしては、例えば上記第1の実施態様に含まれる以下の組成物を有するガラスである。EEFL−放電ランプに用いる本発明に係るガラスは、好ましくは以下の組成を有する。
【0085】
SiO 55〜84.6重量%、
0.1〜35重量%、
Al 0〜25重量%、好ましくは0〜20重量%、
LiO <1.0重量%
NaO <3.0重量%
O <5.0重量%であり、但し、
LiO+NaO+KOの合計<5.0重量%であり、
MgO 0〜8重量%、
CaO 0〜20重量%、
SrO 0〜20重量%、
BaO 0〜44.6重量%、好ましくはBaO 0〜20重量%であり、但し、
TiO 0〜10重量%、好ましくは>0.5〜10重量%であり、
ZrO 0〜3重量%、
CeO 0〜10重量%、
Fe 0〜3重量%、好ましくは0〜1重量%、
WO 0〜3重量%、
Bi 0〜44.6重量%、
MoO 0〜3重量%、
ZnO 0〜15重量%、好ましくは0〜5重量%、
PbO 0〜44.6重量%であり、但し、
Al+B+BaO+PbO+Bi=15〜44.6重量%であり、但し
酸化物形態のHf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、La、Pr、Nd、Eu、Gd、Tb、Ho、Er、Tm及び/又はLuを0〜29.6重量%で含有し、
並びに必要に応じて精製剤を通常の濃度で含有し、
YB 0〜29.9重量%、
Sm 0〜29.9重量%、
Dy 0〜29.9重量%、
FeO 0〜10重量%、
CuO 0〜10重量%であり、
但し、YB、Sm、Dy、FeO及びCuOの合計が0.3〜29.9重量%であり、
並びに必要に応じて精製剤を通常の濃度で含有する。
【0086】
EEFL−ランプ中のカバーガラスの、特に好適な実施形態に係る組成は、以下の通りである。
SiO 55〜84.6重量%、
0.1〜29.6重量%、
Al 0〜20重量%、
LiO <0.5重量%、
NaO <0.5重量%、
O <0.5重量%であり、但し、
LiO+NaO+KOの合計 <1.0重量%であり、
MgO 0〜8重量%、
CaO 0〜20重量%、
SrO 0〜20重量%、
BaO 15〜44.6重量%、好ましくはBaO 20〜35重量%であり、但し、
MgO+CaO+SrO+BaO=15〜29.6重量%、好ましくは20〜40重量%であり、
TiO 0〜10重量%、好ましくは>0.5〜10重量%、
ZrO 0〜3重量%、
CeO 0〜10重量%、好ましくは0〜1重量%、
Fe 0〜1重量%、
WO 0〜3重量%、
Bi 0〜29.6重量%、
MoO 0〜3重量%、
ZnO 0〜10重量%、好ましくは0〜5重量%、
PbO 0〜29.6重量%であり、但し、
YB 0〜29.9重量%、
Sm 0〜29.9重量%、
Dy 0〜29.9重量%、
FeO 0〜10重量%、
CuO 0〜10重量%、
CsO 0〜29.6重量%であり、
但し、YB、Sm、Dy、FeO及びCuOの合計が0.3〜29.9重量%であり、
Al+B+BaO+CsO+PbO+Biの合計が15〜44.6重量%であり、
並びに必要に応じて精製剤を通常の濃度で含有する。
【0087】
好ましくは、当該ガラスは同様に、不純物が生じる程度にはアルカリを含有しない。
【0088】
EEFL−ランプ中のカバーガラスの、更に好適な実施形態に係る組成は、以下の通りである。
SiO 35〜65重量%、
0〜15重量%、
Al 0〜20重量%、好ましくは5〜15重量%、
LiO 0〜1.0重量%、
NaO 0〜10.0重量%、
O 0〜6.0重量%であり、但し、
LiO+NaO+KO=0〜17重量%であり、
MgO 0〜6重量%、
CaO 0〜15重量%、
SrO 0〜8重量%、
BaO 1〜20重量%、好ましくはBaO 1〜10重量%、
TiO 0〜10重量%、好ましくは>0.5〜10重量%、
ZrO 0〜1重量%、
CeO 0〜0.5重量%、
Fe 0〜0.5重量%、
WO 0〜2重量%、
Bi 0〜20重量%、
MoO 0〜5重量%、
ZnO 0〜5重量%、好ましくは0〜3重量%、
PbO 0〜64.7重量%であり、但し、
Al+B+BaO+PbO+Bi=8〜64.7重量%であり、
YB 0〜40重量%、
Sm 0〜40重量%、
Dy 0〜40重量%、
FeO 0〜10重量%、
CuO 0〜10重量%であり、
但し、YB、Sm、Dy、FeO及びCuOの合計が0.3〜50重量%であり、
並びに必要に応じて精製剤を通常の濃度で含有する。
【0089】
更に別の実施態様では、前記組成物が少なくとも1種類の高分極性酸化物の存在によって、同様に比較的大きいtanδ/ε’<5×10〜の商を有する。特にEEFLランプの使用に有利であるガラスは以下の組成物を有する:
SiO 50〜65重量%、
0〜15重量%、
Al 1〜17重量%、
LiO 0〜0.5重量%、
NaO 0〜0.5重量%、
O 0〜0.5重量%であり、但し、
LiO+NaO+KO=0〜1重量%であり、
MgO 0〜5重量%、
CaO 0〜15重量%、
SrO 0〜5重量%、
BaO 20〜48.7重量%、好ましくはBaO 20〜40重量%、
TiO 0〜1重量%、
ZrO 0〜1重量%、
CeO 0〜0.5重量%、
Fe 0〜1.0重量%、好ましくは0〜0.5重量%、
WO 0〜2重量%、
Bi 0〜28.7重量%、
MoO 0〜5重量%、
ZnO 0〜3重量%、
PbO 0〜28.7重量%、好ましくはPbO 10〜20重量%であり、但し、
YB 0〜18.7重量%、
Sm 0〜18.7重量%、
Dy 0〜18.7重量%、
FeO 0〜10重量%、
CuO 0〜10重量%であり、
但し、YB、Sm、Dy、FeO及びCuOの合計が0.3〜29重量%であり、
Al+B+BaO+PbO+Biの合計が21〜49.7重量%であり、
酸化物形態のHf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、La、Pr、Nd、Eu、Gd、Tb、Ho、Er、Tm、及び/又はLuを0〜28.7重量%含有し、
並びに必要に応じて精製剤を通常の濃度で含有する。
【0090】
更に、使用する照明手段とは独立に、上記ガラス組成物は以下の組成を有する:
SiO 63〜72重量%、
15〜20.2重量%、
Al 0〜5重量%、
LiO 0〜5重量%、
NaO 0〜8重量%、
O 0〜8重量%であり、但し、
LiO+NaO+KO=0.5〜10重量%であり、
MgO 0〜3重量%、
CaO 0〜5重量%、
SrO 0〜3重量%、
BaO 0〜20.2重量%、好ましくはBaO 0〜3重量%であり、但し、
MgO+CaO+SrO+BaO=0〜20.2重量%、好ましくは0〜5重量%であり、
ZnO 0〜20.2重量%、好ましくはZnO 0〜3重量%であり、
ZrO 0〜5重量%、
TiO >0.5〜10重量%、
CeO 0〜0.5重量%、
MnO 0〜1.0重量%、
Nd 0〜1.0重量%、
WO 0〜2重量%、
Bi 0〜5重量%、
MoO 0〜5重量%、
As 0〜1重量%、
Sb 0〜1重量%、
SO2− 0〜2重量%、
Cl 0〜2重量%
0〜2重量%であり、但し、
YB 0〜20.5重量%、
Sm 0〜20.5重量%、
Dy 0〜20.5重量%、
FeO 0〜10重量%、
CuO 0〜10重量%であり、但し、
YB、Sm、Dy、FeO及びCuOの合計が0.3〜20.5重量%であり、
Fe+CeO+TiO+PbO+As+Sbの合計が0.5〜10重量%であり、
並びに必要に応じて精製剤を通常の濃度で含有する。
【0091】
更に好適な組成を以下に示す。
SiO 67〜74重量%、
5〜10重量%、
Al 3〜10重量%、
LiO 0〜4重量%、
NaO 0〜10重量%、
O 0〜10重量%であり、但し、
LiO+NaO+KO=0.5〜10.5重量%であり、
MgO 0〜2重量%、
CaO 0〜3重量%、
SrO 0〜3重量%、
BaO 0〜24.1重量%、好ましくはBaO 0〜3重量%、
ZnO 0〜24.1重量%、好ましくはZnO 0〜3重量%であり、但し、
MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO=0〜24.1重量%、好ましくは0〜6重量%であり、
ZrO 0〜3重量%、
CeO 0〜1重量%であり、
TiO、Bi及び/又はMoOの量は各々独立に0〜10重量%であり、
但し、TiO+Bi+MoO=0.1〜10重量%であり、並びに、
YB 0〜24.4重量%、
Sm 0〜24.4重量%、
Dy 0〜24.4重量%、
FeO 0〜10重量%、
CuO 0〜10重量%、
但し、YB、Sm、Dy、FeO及びCuOの合計が0.3〜24.4重量%であり、
並びに必要に応じて精製剤を通常の濃度で含有する。
【0092】
以下のガラス組成物は同様に電極ブッシングを備える外置型電極を有する照明手段、特にランプに特に好適であり、ガラスの溶融は実施されない。これは、とりわけ酸、苛性ソーダ及び水に対する高い化学的耐性を特徴とし、本発明の第2の実施態様に含まれる:
SiO 60〜85重量%、
0〜10重量%、
Al 0〜10重量%、
LiO 0〜10重量%、
NaO 0〜20重量%、
O 0〜20重量%であり、但し、
LiO+NaO+KO=5〜25重量%であり、
MgO 0〜8重量%、
CaO 0〜20重量%、
SrO 0〜5重量%、
BaO 0〜30重量%、好ましくはBaO 0〜5重量%であり、但し、
MgO+CaO+SrO+BaO=3〜30重量%、好ましくは3〜20重量%であり、
ZnO 0〜20重量%、好ましくはZnO 0〜8重量%、
ZrO 0〜5重量%、
TiO 0〜10重量%、
Fe 0〜5重量%、
CeO 0〜5重量%、
MnO 0〜5重量%、
Nd 0〜1.0重量%、
WO 0〜2重量%、
Bi 0〜5重量%、
MoO 0〜5重量%、
PbO 0〜5重量%、
As 0〜1重量%、
Sb 0〜1重量%であり、但し、
Fe+CeO+TiO+PbO+As+Sb=0〜10重量%であり、但し、
任意にPdO+PtO+PtO+PtO+RhO+Rh+IrO+Ir=0.1重量%であり、
SO2− 0〜2重量%、
Cl 0〜2重量%、
0〜2重量%、
YB 0〜31.9重量%、
Sm 0〜31.9重量%、
Dy 0〜31.9重量%、
FeO 0〜10重量%、
CuO 0〜10重量%、
但し、YB、Sm、Dy、FeO及びCuOの合計が0.3〜31.9重量%であり、
並びに必要に応じて精製剤を通常の濃度で含有する。
【0093】
第1及び第2の実施態様によるガラスは特にフロート法による、特にフラットガラスの製造に好適であり、管ガラスの製造が特に好ましい。最も直径が少なくとも0.5mm、特に少なくとも1mm及び最大2cm、特に最大1cmの上限を有する管の製造に好適である。特に好ましい管径は2mm及び5mmの間になる。かかる管は少なくとも0.05mm、特に少なくとも0.1mmの肉厚を有し、少なくとも0.2mmが特に好ましいことが判明している。最大肉厚は最大1mmになり、最大0.8mm未満若しくは0.7mm未満の肉厚が好ましい。
【0094】
本発明の照明手段に対して指定されるガラスは特に外部電極を有する蛍光ランプの使用にも、電極がランプガラスと一緒に溶融され、かつそれによって発生する例えばコバール合金、モリブデン及びタングステン等の蛍光ランプにも好適である。外部電極の場合、これは例えば導電性ペーストによって形成されてよい。
【0095】
更に好ましいのは、平面型ガス放電ランプ用のフラットガラスの形態の上記ガラスの使用である。
【0096】
前記ガラスは、好ましくはまず初めに半製品に成形される。例えば高温成形工程による半製品の製造は、たとえば直接溶融物から行うことができる。例えば管は、液体ガラスが溶融物タンクから、いわゆるダンナー導管上へ流れ、そこから管に引き抜かれることによって製造される。前記管は例えばヴェロ引法又はA引法のような他の方法を介しても製造することができる。これらの工程は当業者に公知である。
【0097】
フラットガラスはアップドロー法又はダウンドロー法又はフロート法を介しても製造することができる。これらの工程も当業者に公知である。中空ガラスはプレス成形又は射出成形されてもよい。
【0098】
本明細書に記載されたガラス、特にホウ珪酸ガラスは、特にガス放電管並びに蛍光ランプ、特に小型化された蛍光ランプへの使用に好適であり、かつ完全に特別に照明用に、特に例えば移動電話及びコンピュータモニタのようなディスプレイ及びLCDスクリーンのような電子表示装置の背景照明用に好適であり、かつ液晶表示装置(LCD)の製造並びに背面を照明する表示装置(受動型ディスプレイ、いわゆるバックライトユニットを備えるディスプレイ)に光源として使用される。前記適用に対してかかる蛍光ライトは非常に小さい寸法を有し、かつ対応してランプガラスは非常に薄い厚さのみを有する。好ましいディスプレイ並びにスクリーンは、ラップトップに使用されるいわゆるフラットディスプレイ、特にフラットバックライト配列である。特に好ましくは、例えばキセノン原子の放電に基づくようなハロゲン不含の照明手段(キセノンランプ)である。この態様は特に環境に優しいことが実証されている。図面を参照しながら、本発明を以下で詳細に説明する。
【0099】
図1に、低圧放電ランプ、特に蛍光ランプ、最も好ましくは小型化された蛍光ランプの概略を示す。
【0100】
図1に、引き抜かれた管ガラスから製造された、いわゆるバックライトランプが示されている。中央部10は広範囲に透明であり、かつランプ本体を形成する。両方の開放端12.1、12.2の中にブッシングの金属線14.1、14.2が挿入されている。これらは例えば焼戻工程で透明の管ガラスと共に溶融される。ガラスは、好ましくはブッシングの領域で、ガラスの膨張係数が広範囲に金属線14.1、14.2の膨張係数と一致するように選択されている。
【0101】
バックライトランプのカバーガラスは、本発明により好ましくは酸化イッテルビウム、酸化ジスプロシウム、酸化サマリウム、酸化第二鉄及び酸化第二銅から選択された1個又は複数個のドーピング酸化物でドープすることができる。択一的又は付加的に、好ましくはSiO及びTiO層又はSiO及びTa層、S及びNb層、SiO及びIn層、SiO及びZrO層から選択された外部コーティングが塗布されていてもよい(図示せず)。一般に前記物質からなる層システムは20又はそれ以上の層を有する干渉層システムである。その他の可能なコーティングは、必要に応じて導電性及びIR反射性を高めるためにSn又はFでドープされた、例えばIn、SnO並びにZnOからなる導電性酸化層からなるシステムである。
【0102】
別法として、薄い金属層例えば銀又は銀ベースの層システムからなるコーティングを行ってもよい。
【0103】
図2ないし4に、例えば種々のバックライトシステムへのバックライトランプの使用が示されており、それにより、望ましくないIR放射線からの保護が可能となる。
【0104】
図2に、個々の小型化された発光物質管110が互いに平行に使用され、かつ送出された光をディスプレイ上で反射する凹所150を備えるプレート130の中にあるような適用に対する特殊使用が示されている。反射するプレート130の上方に、発光物質管110からプレート130の方向へ放射された光を一種の反射器として一様に散乱し、かつそれによって均一なディスプレイの照明を生ぜしめる反射層160が塗布されている。この配列は、好ましくはより大きいディスプレイ、例えばテレビ受像機に使用される。
【0105】
図3の実施態様に従って、照明手段210をディスプレイ202で外部に取り付けることもでき、その場合は光が光導体として用いられる光輸送プレート250、いわゆるLGP(ライト・ガイド・プレート)として均一にディスプレイ全体にわたって放射される。このような光輸送プレートは、例えば光が放射される粗い表面を有する。照明手段は外部又は内部の電極を有してよい。
【0106】
更に、発光ユニット310が直接構造化されたディスク315の中にあるようなバックライト配列に該照明手段を使用することも可能である。これは図4に示されている。この場合、平行の隆起部いわゆるディスク内の所定の幅(Wrib)を有するバリヤ380を利用して所定の深さ及び所定の幅を有するチャネル(dチャネル若しくはWチャネル)が製造され、その中に放電発光物質350があるように構造化されている。この場合、前記チャネルはリン層370を具備するディスクと共に複数の放射中空部360を形成する。
【0107】
図4に示したバックライト配列は無電極ガス放電ランプである。すなわちブッシングが無く、単に外部電極330a、330bがある。図4に示したカバープレート又はカバーディスク410はそれぞれのシステム構造に応じて半透明のディフューザディスク又は全透明のディスクであってよい。
【0108】
図4に示された無電極ランプシステムの場合が、いわゆるEEFLシステム(外部電極蛍光ランプ)である。前記配列は大きい平面的なバックライトを形成し、そのためフラットバックライトとも呼ばれる。
【0109】
図2ないし4に模式的に示されたバックライト配列の1つ又は複数の素子は、本発明によりIR放射線吸収コーティングを有してよい(図示せず)。これは例えば支持プレート、カバープレート又はカバーディスク、バックライト配列又は光分布ユニットの側面又はそれらの領域であってよい。
【0110】
本発明に係る教示内容を、実施例により以下に具体的に説明するが、これらに限定されるものではない。
【実施例】
【0111】
下表1ないし3に、バックライトシステム内の照明手段用のカバーガラス、及びドーピング酸化物による対応するドーピングによって、望ましくないIR放射線を吸収する、本発明に係る種々のガラス組成物を記載する。
【表1】


【表2】

【表3】

【0112】
すなわち、本発明により初めて、望ましくないIR放射線を吸収できるバックライトシステムが提供される。これは、照明手段の対応するドープされたカバーガラス、及び/又は対応する外部コーティング、及び/又はカバーガラスの内部コーティング、及び/又はバックライトシステムのその他の素子のコーティングの提供によって行うことができる。それによって、かかるバックライトシステムの作動時の障害が回避される。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】好ましくはガラスバルブの内部に導入される電極を備えた、いわゆるバックライトの形態の照明手段である。
【図2】小型化されたバックライト配列用の反射基底プレート若しくは支持プレート及び基板の基本形状である。
【図3】外部電極を備えるバックライト配列である。
【図4】側方に取り付けた蛍光ライトを備えるディスプレイ配列である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カバーガラスを有する少なくとも1つの照明手段を含むディスプレイ又はスクリーンの背景照明のためのバックライトシステムであって、
前記カバーガラスのガラス組成物がIR放射線を吸収する1個又は複数個のドーピング酸化物でドープされており、及び/又は
前記カバーガラスがIR放射線吸収内部及び/又は外部コーティングを有し、及び/又は
前記バックライトシステムがカバーガラス以外の素子にIR放射線吸収コーティングを有する、前記バックライトシステム。
【請求項2】
カバーガラスを有する少なくとも1つの照明手段、並びに合成樹脂からなる光分配ユニット(ライトガイドプレート、LGP)を含むディスプレイ又はスクリーンの背景照明のためのバックライトシステムであって、
前記カバーガラスのガラス組成物がIR放射線を吸収する1個又は複数個のドーピング酸化物でドープされており、及び/又は
前記カバーガラスがIR放射線吸収内部及び/又は外部コーティングを有し、及び/又は
前記バックライトシステムがカバーガラス以外の素子にIR放射線吸収コーティングを有する、前記バックライトシステム。
【請求項3】
前記ドーピング酸化物が、イッテルビウム、ジスプロシウム、サマリウム、酸化鉄(II)及び酸化銅(II)、並びにこれらの混合物を含んでなる、請求項1又は2記載のバックライトシステム。
【請求項4】
前記素子が、IR吸収コーティングを有し、光分配ユニット(ライト・ガイド・プレート、LGP)、好ましくはディフューザプレート、支持プレート又は支持ディスク、カバーディスク又は保護ディスクの素子、バックライトシステムの(部分)平面若しくは領域、又はそれらのを構成する部材から選択される、請求項2又は3記載のバックライトシステム。
【請求項5】
前記コーティングがIRを反射する性質を更に有する、請求項1から4のいずれか1項記載のバックライトシステム。
【請求項6】
前記コーティングが、以下のうちの1つ若しくは2つ以上の組み合わせから選択される層である、請求項1から5のいずれか1項記載のバックライトシステム:
SiO及びTiOからなる層、
SiO及びTaからなる層、
SiO及びNbからなる層、
SiO及びInからなる層、
SiO及びZrOからなる層、
透明な導電性層、
Inからなる層、
SnOからなる層、
ZnOからなる層、
Sn、Fでドーピングされた透明な導電性層、
Sn、FでドーピングされたInからなる層、
Sn、FでドーピングされたSnOからなる層、
Sn、FでドーピングされたZnOからなる層、
銀からなる層、並びに
銀ベースの層。
【請求項7】
前記照明手段が放電ランプである、請求項1から6記載のバックライトシステム。
【請求項8】
前記放電ランプが、放電空間を有し、前記放電空間に放電物質(ネオン、アルゴン、キセノン及び/又は希土類イオン及び/又は水銀)が充填されている、請求項7記載のバックライトシステム。
【請求項9】
前記放電ランプの前記カバーガラスの内側に蛍光層を有する、請求項7又は8記載のバックライトシステム。
【請求項10】
前記カバーガラスの前記組成物が以下の組成である、請求項1から9のいずれか1項記載のバックライトシステム:
SiO 55〜85重量%、
0〜35重量%、
Al 0〜20重量%、
LiO 0〜10重量%、
NaO 0〜20重量%、
O 0〜20重量%であり、但し、
LiO+NaO+KO=0〜25重量%であり、
MgO 0〜8重量%、
CaO 0〜20重量%、
SrO 0〜5重量%、
BaO 0〜45重量%、好ましくはBaO 0〜5重量%であり、但し、
MgO+CaO+SrO+BaO=0〜45重量%、好ましくは0〜20重量%であり、
TiO 0〜10重量%、好ましくは>0.5〜10重量%であり、
ZrO 0〜3重量%、
CeO 0〜3重量%、
WO 0〜3重量%、
Bi 0〜3重量%、
MoO 0〜3重量%、
YB 0〜40重量%、
Sm 0〜40重量%、
Dy 0〜40重量%、
FeO 0〜10重量%、
CuO 0〜10重量%であり、
但し、YB、Sm、Dy、FeO及びCuOの合計が0.3〜45重量%であり、
並びに必要に応じて精製剤、好ましくは塩化物、硫化物、As及びSbを通常の濃度で含有する。
【請求項11】
前記カバーガラスの前記組成物が以下の組成である、請求項1から9のいずれか1項記載のバックライトシステム:
SiO 55〜79重量%、
3〜25重量%、
Al 0〜10重量%、
LiO 0〜10重量%、
NaO 0〜10重量%、
O 0〜10重量%であり、但し、
LiO+NaO+KO=0.5〜16重量%であり、
MgO 0〜2重量%、
CaO 0〜3重量%、
SrO 0〜3重量%、
BaO 0〜41.2重量%、好ましくはBaO 0〜3重量%、
ZnO 0〜30重量%、好ましくはZnO 0〜3重量%であり、但し、
MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO=0〜30重量%、好ましくは0〜10重量%であり、
ZrO 0〜3重量%、
CeO 0〜1重量%、
Fe 0〜1重量%、
WO 0〜3重量%、
Bi 0〜3重量%、
MoO 0〜3重量%、
TiO 0〜10重量%、好ましくはTiO>0.5〜10重量%であり、
YB 0〜40重量%、
Sm 0〜40重量%、
Dy 0〜40重量%、
FeO 0〜10重量%、
CuO 0〜10重量%であり、
但し、YB、Sm、Dy、FeO及びCuOの合計が0.3〜41.5重量%であり、
必要に応じて精製剤(好ましくは塩化物、硫化物、As及びSb)を通常の濃度で含有する。
【請求項12】
前記カバーガラスの前記組成物が以下の組成である、請求項1から9のいずれか1項記載のバックライトシステム:
SiO 60〜74.7重量%、
>25〜35重量%、
Al 0〜10重量%、
LiO 0〜10重量%、
NaO 0〜14.7重量%、
O 0〜14.7重量%であり、但し、
LiO+NaO+KO=0〜14.7重量%であり、
MgO 0〜8重量%、
CaO 0〜14.7重量%、
SrO 0〜5重量%、
BaO 0〜14.7重量%、好ましくはBaO 0〜5重量%であり、但し、
MgO+CaO+SrO+BaO=0〜14.7重量%、好ましくは0〜14.7重量%であり、
ZnO 0〜14.7重量%、好ましくは0〜3重量%、
ZrO 0〜5重量%、
TiO 0〜10重量%、
Fe 0〜0.5重量%、
CeO 0〜0.5重量%、
MnO 0〜1重量%、
Nd 0〜1重量%、
WO 0〜2重量%、
Bi 0〜5重量%、
MoO 0〜5重量%、
As 0〜1重量%、
Sb 0〜1重量%、
SO2− 0〜2重量%、
Cl 0〜2重量%、
0〜2重量%であり、但し、
YB 0〜14.7重量%、
Sm 0〜14.7重量%、
Dy 0〜14.7重量%、
FeO 0〜10重量%、
CuO 0〜10重量%であり、
但し、YB、Sm、Dy、FeO及びCuOの合計が0.3〜14.7重量%であり、
Fe+CeO+TiO+PbO+As+Sbの合計が0〜10重量%であり、
任意に、PdO+PtO+PtO+PtO+RhO+Rh+IrO+Ir=0.000001〜0.1重量%であり、
並びに必要に応じて精製剤を通常の濃度で含有する。
【請求項13】
EEFLランプに用いられる前記カバーガラスの前記組成物が以下の組成である、請求項1から9のいずれか1項記載のバックライトシステム:
SiO 55〜84.6重量%、
0.1〜35重量%、
Al 0〜25重量%、好ましくは0〜20重量%、
LiO <1.0重量%
NaO <3.0重量%
O <5.0重量%であり、但し、
LiO+NaO+KOの合計<5.0重量%であり、
MgO 0〜8重量%、
CaO 0〜20重量%、
SrO 0〜20重量%、
BaO 0〜44.6重量%、好ましくはBaO 0〜20重量%であり、但し、
TiO 0〜10重量%、好ましくは>0.5〜10重量%であり、
ZrO 0〜3重量%、
CeO 0〜10重量%、
Fe 0〜3重量%、好ましくは0〜1重量%、
WO 0〜3重量%、
Bi 0〜44.6重量%、
MoO 0〜3重量%、
ZnO 0〜15重量%、好ましくは0〜5重量%、
PbO 0〜44.6重量%であり、但し、
Al+B+BaO+PbO+Bi=15〜44.6重量%であり、但し
酸化物形態のHf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、La、Pr、Nd、Eu、Gd、Tb、Ho、Er、Tm及び/又はLuを0〜29.6重量%で含有し、
並びに必要に応じて精製剤を通常の濃度で含有し、
YB 0〜29.9重量%、
Sm 0〜29.9重量%、
Dy 0〜29.9重量%、
FeO 0〜10重量%、
CuO 0〜10重量%であり、
但し、YB、Sm、Dy、FeO及びCuOの合計が0.3〜29.9重量%であり、
並びに必要に応じて精製剤を通常の濃度で含有する。
【請求項14】
EEFLランプに用いられる前記カバーガラスの前記組成物が以下の組成である、請求項1から9のいずれか1項記載のバックライトシステム:
SiO 55〜84.6重量%、
0.1〜29.6重量%、
Al 0〜20重量%、
LiO <0.5重量%、
NaO <0.5重量%、
O <0.5重量%であり、但し、
LiO+NaO+KOの合計 <1.0重量%であり、
MgO 0〜8重量%、
CaO 0〜20重量%、
SrO 0〜20重量%、
BaO 15〜44.6重量%、好ましくはBaO 20〜35重量%であり、但し、
MgO+CaO+SrO+BaO=15〜29.6重量%、好ましくは20〜40重量%であり、
TiO 0〜10重量%、好ましくは>0.5〜10重量%、
ZrO 0〜3重量%、
CeO 0〜10重量%、好ましくは0〜1重量%、
Fe 0〜1重量%、
WO 0〜3重量%、
Bi 0〜29.6重量%、
MoO 0〜3重量%、
ZnO 0〜10重量%、好ましくは0〜5重量%、
PbO 0〜29.6重量%であり、但し、
YB 0〜29.9重量%、
Sm 0〜29.9重量%、
Dy 0〜29.9重量%、
FeO 0〜10重量%、
CuO 0〜10重量%、
CsO 0〜29.6重量%であり、
但し、YB、Sm、Dy、FeO及びCuOの合計が0.3〜29.9重量%であり、
Al+B+BaO+CsO+PbO+Biの合計が15〜44.6重量%であり、
並びに必要に応じて精製剤を通常の濃度で含有し、
好ましくは前記ガラスが、不純物を生じさせる程のアルカリを含有しない。
【請求項15】
EEFLランプに用いられる前記カバーガラスの前記組成物が以下の組成である、請求項1から9のいずれか1項記載のバックライトシステム:
SiO 35〜65重量%、
0〜15重量%、
Al 0〜20重量%、好ましくは5〜15重量%、
LiO 0〜1.0重量%、
NaO 0〜10.0重量%、
O 0〜6.0重量%であり、但し、
LiO+NaO+KO=0〜17重量%であり、
MgO 0〜6重量%、
CaO 0〜15重量%、
SrO 0〜8重量%、
BaO 1〜20重量%、好ましくはBaO 1〜10重量%、
TiO 0〜10重量%、好ましくは>0.5〜10重量%、
ZrO 0〜1重量%、
CeO 0〜0.5重量%、
Fe 0〜0.5重量%、
WO 0〜2重量%、
Bi 0〜20重量%、
MoO 0〜5重量%、
ZnO 0〜5重量%、好ましくは0〜3重量%、
PbO 0〜64,7重量%であり、但し、
Al+B+BaO+PbO+Bi=8〜64.7重量%であり、
YB 0〜40重量%、
Sm 0〜40重量%、
Dy 0〜40重量%、
FeO 0〜10重量%、
CuO 0〜10重量%であり、
但し、YB、Sm、Dy、FeO及びCuOの合計が0.3〜50重量%であり、
並びに必要に応じて精製剤を通常の濃度で含有する。
【請求項16】
EEFLランプに用いられる前記カバーガラスの前記組成物が以下の組成である、請求項1から9のいずれか1項記載のバックライトシステム:
SiO 50〜65重量%、
0〜15重量%、
Al 1〜17重量%、
LiO 0〜0.5重量%、
NaO 0〜0.5重量%、
O 0〜0.5重量%であり、但し、
LiO+NaO+KO=0〜1重量%であり、
MgO 0〜5重量%、
CaO 0〜15重量%、
SrO 0〜5重量%、
BaO 20〜48.7重量%、好ましくはBaO 20〜40重量%、
TiO 0〜1重量%、
ZrO 0〜1重量%、
CeO 0〜0.5重量%、
Fe 0〜1.0重量%、好ましくは0〜0.5重量%、
WO 0〜2重量%、
Bi 0〜28.7重量%、
MoO 0〜5重量%、
ZnO 0〜3重量%、
PbO 0〜28.7重量%、好ましくはPbO 10〜20重量%であり、但し、
YB 0〜18.7重量%、
Sm 0〜18.7重量%、
Dy 0〜18.7重量%、
FeO 0〜10重量%、
CuO 0〜10重量%であり、
但し、YB、Sm、Dy、FeO及びCuOの合計が0.3〜29重量%であり、
Al+B+BaO+PbO+Biの合計が21〜49.7重量%であり、
酸化物形態のHf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、La、Pr、Nd、Eu、Gd、Tb、Ho、Er、Tm、及び/又はLuを0〜28.7重量%含有し、
並びに必要に応じて精製剤を通常の濃度で含有する。
【請求項17】
EEFLランプに用いられる前記カバーガラスの前記組成物が以下の組成である、請求項1から9のいずれか1項記載のバックライトシステム:
SiO 63〜72重量%、
15〜20.2重量%、
Al 0〜5重量%、
LiO 0〜5重量%、
NaO 0〜8重量%、
O 0〜8重量%であり、但し、
LiO+NaO+KO=0.5〜10重量%であり、
MgO 0〜3重量%、
CaO 0〜5重量%、
SrO 0〜3重量%、
BaO 0〜20.2重量%、好ましくはBaO 0〜3重量%であり、但し、
ZnO 0〜20.2重量%、好ましくはZnO 0〜3重量%であり、
ZrO 0〜5重量%、
TiO >0.5〜10重量%、
CeO 0〜0.5重量%、
MnO 0〜1.0重量%、
Nd 0〜1.0重量%、
WO 0〜2重量%、
Bi 0〜5重量%、
MoO 0〜5重量%、
As 0〜1重量%、
Sb 0〜1重量%、
SO2− 0〜2重量%、
Cl 0〜2重量%
0〜2重量%であり、但し、
YB 0〜20.5重量%、
Sm 0〜20.5重量%、
Dy 0〜20.5重量%、
FeO 0〜10重量%、
CuO 0〜10重量%であり、但し、
YB、Sm、Dy、FeO及びCuOの合計が0.3〜20.5重量%であり、
Fe+CeO+TiO+PbO+As+Sbの合計が0.5〜10重量%であり、
並びに必要に応じて精製剤を通常の濃度で含有する。
【請求項18】
EEFLランプに用いられる前記カバーガラスの前記組成物が以下の組成である、請求項1から9のいずれか1項記載のバックライトシステム:
SiO 67〜74重量%、
5〜10重量%、
Al 3〜10重量%、
LiO 0〜4重量%、
NaO 0〜10重量%、
O 0〜10重量%であり、但し、
LiO+NaO+KO=0.5〜10.5重量%であり、
MgO 0〜2重量%、
CaO 0〜3重量%、
SrO 0〜3重量%、
BaO 0〜24.1重量%、好ましくはBaO 0〜3重量%、
ZnO 0〜24,1重量%、好ましくはZnO 0〜3重量%であり、但し、
MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO=0〜24.1重量%、好ましくは0〜6重量%であり、
ZrO 0〜3重量%、
CeO 0〜1重量%であり、
TiO、Bi及び/又はMoOの量が各々独立に0〜10重量%であり、
但し、TiO+Bi+MoO=0.1〜10重量%であり、並びに、
YB 0〜24.4重量%、
Sm 0〜24.4重量%、
Dy 0〜24.4重量%、
FeO 0〜10重量%、
CuO 0〜10重量%、
但し、YB、Sm、Dy、FeO及びCuOの合計が0.3〜24.4重量%であり、
並びに必要に応じて精製剤を通常の濃度で含有する。
【請求項19】
EEFLランプに用いられる前記カバーガラスの前記組成物が以下の組成である、請求項1から9のいずれか1項記載のバックライトシステム:
SiO 60〜85重量%、
0〜10重量%、
Al 0〜10重量%、
LiO 0〜10重量%、
NaO 0〜20重量%、
O 0〜20重量%であり、但し、
LiO+NaO+KO=5〜25重量%であり、
MgO 0〜8重量%、
CaO 0〜20重量%、
SrO 0〜5重量%、
BaO 0〜30重量%、好ましくはBaO 0〜5重量%であり、但し、
MgO+CaO+SrO+BaO=3〜30重量%、好ましくは3〜20重量%であり、
ZnO 0〜20重量%、好ましくはZnO 0〜8重量%、
ZrO 0〜5重量%、
TiO 0〜10重量%、
Fe 0〜5重量%、
CeO 0〜5重量%、
MnO 0〜5重量%、
Nd 0〜1.0重量%、
WO 0〜2重量%、
Bi 0〜5重量%、
MoO 0〜5重量%、
PbO 0〜5重量%、
As 0〜1重量%、
Sb 0〜1重量%であり、但し、
Fe+CeO+TiO+PbO+As+Sb=0〜10重量%であり、但し、
任意にPdO+PtO+PtO+PtO+RhO+Rh+IrO+Ir=0.1重量%であり、
SO2− 0〜2重量%、
Cl 0〜2重量%、
0〜2重量%、
YB 0〜31.9重量%、
Sm 0〜31.9重量%、
Dy 0〜31.9重量%、
FeO 0〜10重量%、
CuO 0〜10重量%、
但し、YB、Sm、Dy、FeO及びCuOの合計が0.3〜31.9重量%であり、
並びに必要に応じて精製剤を通常の濃度で含有する。
【請求項20】
前記照明手段が蛍光ランプであり、前記蛍光ランプがEEFL−ランプ、ガス放電ランプ、LCD装置、コンピュータモニタ及び電話機用ディスプレイ用の照明、並びにディスプレイ装置用の照明である、請求項1から19のいずれか1項記載のバックライトシステム。
【請求項21】
前記照明手段の前記カバーガラスが、管状の形状を有する、請求項1から20のいずれか1項記載のバックライトシステム。
【請求項22】
前記管の直径が<0.8cmであり、及び/又は最大肉厚が<1mmである、請求項21記載のバックライトシステム。
【請求項23】
前記照明手段の前記カバーガラスが、直径<1cmのフラットガラスを含んでなる、請求項1から22のいずれか1項記載のバックライトシステム。
【請求項24】
バックライト用のカバーガラスであって、
前記カバーガラスのガラス組成物がIR放射線を吸収する1個又は複数個のドーピング酸化物でドープされており、及び/又は
前記カバーガラスがIR放射線を吸収する外部コーティングを有する、前記カバーガラス。
【請求項25】
前記ドーピング酸化物が、イッテルビウム、ジスプロシウム、サマリウム、酸化鉄(II)及び酸化銅(II)、並びにこれらの混合物を含んでなる、請求項24記載のバックライト用のカバーガラス。
【請求項26】
前記コーティングがIRを反射する性質を更に有する、請求項24記載のバックライト用のカバーガラス。
【請求項27】
前記コーティングが、SiO及びTiOからなる層又はSiO及びTaからなる層から選択される、請求項24から26のいずれか1項記載のバックライト用のカバーガラス。
【請求項28】
前記ガラス組成物が、請求項10から19のいずれか1項記載のガラス組成物である、請求項24から26のいずれか1項記載のバックライト用のカバーガラス。
【請求項29】
バックライトシステムにおけるIR放射性の吸収のための、カバーガラスの使用であって、
前記カバーガラスのガラス組成物がIR放射線を吸収する1個又は複数個のドーピング酸化物でドープされており、及び/又は
前記カバーガラスがIR放射線吸収内部及び/又は外部コーティングを有し、及び/又は
前記バックライトシステムがカバーガラス以外の素子にIR放射線吸収コーティングを有する、前記使用。
【請求項30】
前記ドーピング酸化物が、イッテルビウム、ジスプロシウム、サマリウム、酸化鉄(II)及び酸化銅(ii)、並びにこれらの混合物を含んでなる、請求項29記載の使用。
【請求項31】
前記素子が、IR吸収コーティングを有し、光分配ユニット(ライト・ガイド・プレート、LGP)、好ましくはディフューザプレート、支持プレート又は支持ディスク、カバーディスク又は保護ディスクの素子、バックライトシステムの(部分)平面若しくは領域、又はそれらのを構成する部材から選択される、請求項29又は30記載の使用。
【請求項32】
前記コーティングがIRを反射する性質を更に有する、請求項29から31のいずれか1項記載の使用。
【請求項33】
前記コーティングが、以下のうちの1つ若しくは2つ以上の組み合わせから選択される層である、請求項29から32のいずれか1項記載の使用:
SiO及びTiOからなる層、
SiO及びTaからなる層、
SiO及びNbからなる層、
SiO及びInからなる層、
SiO及びZrOからなる層、
透明な導電性層、
Inからなる層、
SnOからなる層、
ZnOからなる層、
Sn、Fでドーピングされた透明な導電性層、
Sn、FでドーピングされたInからなる層、
Sn、FでドーピングされたSnOからなる層、
Sn、FでドーピングされたZnOからなる層、
銀からなる層、並びに
銀ベースの層。
【請求項34】
前記照明手段が放電ランプである、請求項29から33のいずれか1項記載の使用。
【請求項35】
前記放電ランプが、放電空間を有し、前記放電空間に放電物質(ネオン、アルゴン、キセノン及び/又は希土類イオン及び/又は水銀)が充填されている、請求項34記載の使用。
【請求項36】
前記放電ランプの前記カバーガラスの内側に蛍光層が存在する、請求項34又は35記載の使用。
【請求項37】
前記ガラス組成物が請求項10から19のいずれか1項記載のガラス組成物である、請求項29から36のいずれか1項記載の使用。
【請求項38】
請求項24から28のいずれか1項記載のバックライト用のカバーガラスへのコーティング方法であって、前記コーティングがマイクロ波反応器内でマイクロ波プラズマCVD法を使用して施される、前記方法。
【請求項39】
電子機器、好ましくはLCD装置、コンピュータモニタ及び電話機用ディスプレイのディスプレイ又はスクリーンの背景照明のための、請求項1から23のいずれか1項記載のバックライトシステムの使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−537937(P2009−537937A)
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−510330(P2009−510330)
【出願日】平成19年5月11日(2007.5.11)
【国際出願番号】PCT/EP2007/004200
【国際公開番号】WO2007/131722
【国際公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(504299782)ショット アクチエンゲゼルシャフト (346)
【氏名又は名称原語表記】Schott AG
【住所又は居所原語表記】Hattenbergstr.10,D−55122 Mainz,Germany
【Fターム(参考)】