説明

超音波探触子

【課題】 本発明では、小型で、信頼性の向上と圧電振動子の振動を妨げず、特性ばらつきを抑制した超音波探触子を提供する。
【解決手段】 対向する2つの面それぞれに電極を有する複数の圧電振動子と、前記2つの面のうち第1の面側に積層された音響整合層と、前記圧電振動子に接し前記音響整合層に積層された配線用基板と、該配線用基板と前記2つの面のうち第2の面側の前記電極とを電気的に接続する導電体と、から構成される超音波探触子であって、前記圧電振動子の前記第2の面と同方向の前記配線用基板の面は、該圧電振動子の前記第2の面の垂直方向に対して、該圧電振動子の前記第2の面より低い位置にあることにより、上記課題の解決を図る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体の体腔内において超音波の送受信を行うことにより、超音波断層像を得る超音波探触子に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波診断装置に用いられる超音波探触子は、その製造において微細な加工を必要とするものであり、従来より様々な製造方法の提案がなされている(例えば、特許文献1、特許文献2。)。
【0003】
圧電振動子への配線方法としてFPC(フレキシブルプリント基板)を用いた場合、圧電振動子に接続した後、ダイシングソーで裁断し、分割することが一般的である(例えば、特許文献1。)。特許文献1では、ダイシングソー裁断時の負荷に耐えるため、接着剤を圧電振動子の側面に突出させるなどの剛性の向上が計られている。
【特許文献1】特開平5−3598号公報
【特許文献2】特公昭59−20240号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
超音波内視鏡などに搭載される体腔内超音波探触子では、全体寸法を極力小さくし、内視鏡挿入時の患者への負担を軽減する必要がある。特許文献1の形状では、剛性向上のための接着剤の量を規定できないため、完成時の寸法は接着剤という不確定寸法を考慮した分大きくなってしまう。
【0005】
特に、FPCを背面負荷材の側面に沿って曲げる場合、FPC弾性の残留応力が圧電振動子近傍で大きくなり、配線の信頼性が低下する。また、特許文献1では、FPCと圧電振動子の接着と記載があるが、半田を使用した場合、半田量のコントロールが難しく、裁断後の各圧電振動子の振動への負荷質量がばらつき、超音波特性に影響がでる。
【0006】
特許文献2に示すように、半田以外の方法として、導電性接着剤を使用する例もある。特許文献2では、背面負荷材側面に配線基板を設け、この基板と圧電振動子を導電性接着剤で配線している。
【0007】
しかし、圧電振動子上に塗布される導電接着剤の量はコントロールが難しく、かつ、音響放射方向(=振動方向)に導電性接着剤を塗布するため、各圧電振動子の振動への負荷質量が大きくなる。
【0008】
上記の課題に鑑み、本発明では、小型で、信頼性の向上と圧電振動子の振動を妨げず、特性ばらつきを抑制した超音波探触子を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題は、特許請求の範囲の請求項1に記載の発明によれば、対向する2つの面それぞれに電極を有する複数の圧電振動子と、前記2つの面のうち第1の面側に積層された音響整合層と、前記圧電振動子に接し前記音響整合層に積層された配線用基板と、該配線用基板と前記2つの面のうち第2の面側の前記電極とを電気的に接続する導電体とから構成される超音波探触子であって、前記圧電振動子の前記第2の面と同方向の前記配線用基板の面は、該圧電振動子の前記第2の面より相対的に下方にあることを特徴とする超音波探触子を提供することによって達成できる。
【0010】
上記課題は、特許請求の範囲の請求項2に記載の発明によれば、前記導電体は、前記圧電振動子と前記配線用基板を1組とする全ての組みについて均一の体積及び質量で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の超音波探触子を提供することによって達成できる。
【0011】
上記課題は、特許請求の範囲の請求項3に記載の発明によれば、前記配線用基板と前記圧電振動子と前記音響整合層の各部材を接着させる該各部材の接着剤を塗布する表面について、少なくとも該部材のうちのいずれかの一部に該接着剤を充填する空間を設けたことを特徴とする請求項1に記載の超音波探触子を提供することによって達成できる。
【0012】
上記課題は、特許請求の範囲の請求項4に記載の発明によれば、前記圧電振動子の角が、前記導電体に被覆される場合には、該角部分を面取りすることを特徴とする請求項1に記載の超音波探触子を提供することによって達成できる。
【0013】
上記課題は、特許請求の範囲の請求項5に記載の発明によれば、前記配線用基板と前記圧電振動子と前記音響整合層の各部材を接着させる接着剤は、弾性接着剤であることを特徴とする請求項1に記載の超音波探触子を提供することによって達成できる。
【0014】
上記課題は、特許請求の範囲の請求項6に記載の発明によれば、前記圧電振動子の側面と前記導電体とが接する部分に弾性接着剤を塗布することを特徴とする請求項1に記載の超音波探触子を提供することによって達成できる。
【0015】
上記課題は、特許請求の範囲の請求項7に記載の発明によれば、請求項1から6のうちいずれかに記載の超音波探触子を備える超音波内視鏡を提供することによって達成できる。
【0016】
上記課題は、特許請求の範囲の請求項8に記載の発明によれば、対向する2つの面それぞれに電極を有する複数の圧電振動子と、前記2つの面のうち第1の面側に積層された音響整合層と、前記圧電振動子に接し前記音響整合層に積層された配線用基板と、該配線用基板と前記2つの面のうち第2の面側の前記電極とを電気的に接続する導電体と、から構成される超音波探触子の製造方法において、前記音響整合層に前記圧電振動子を形成する圧電振動子形成工程と、前記音響整合層の表面と前記圧電振動子の側面とに、該圧電振動子よりも薄い前記配線用基板を形成する配線用基板形成工程と、前記配線用基板形成工程の結果、構成された構造体の表面のうち、前記圧電振動子及び前記配線用基板の合わせ面を含む所定部分以外をマスキングするマスキング工程と、前記マスキング工程によりマスキングされていない部分に前記導電体を形成する導電体形成工程と、前記マスキングされた部分を除去するマスキング除去工程とからなることを特徴とする超音波探触子の製造方法を提供することによって達成できる。
【0017】
上記課題は、特許請求の範囲の請求項9に記載の発明によれば、さらに、前記配線用基板と前記圧電振動子と前記音響整合層の各部材を接着させる該各部材の接着剤を塗布する表面について、少なくとも該部材のうちのいずれかの一部に該接着剤を充填する空間を設ける充填空間形成工程を行うことを特徴とする請求項8に記載の超音波探触子の製造方法を提供することによって達成できる。
【0018】
上記課題は、特許請求の範囲の請求項10に記載の発明によれば、さらに、前記圧電振動子の角が、前記導電体に被覆される場合には、該角部分を面取りする面取り工程を前記マスキング工程よりも前に行うことを特徴とする請求項8に記載の超音波探触子の製造方法を提供することによって達成できる。
【0019】
上記課題は、特許請求の範囲の請求項11に記載の発明によれば、さらに、前記圧電振動子の側面と前記導電体とが接する部分に弾性接着剤を塗布する接着剤塗布工程を行うことを特徴とする請求項8に記載の超音波探触子の製造方法を提供することによって達成できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明を用いることにより、小型で、信頼性の向上と圧電振動子の振動を妨げず、特性ばらつきを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1は、本実施形態における超音波内視鏡の外観構成を示す。超音波内視鏡1は、細長の挿入部2の基端に操作部6を備えて、一端にスコープコネクタ8を有する。この操作部6の側部からは、図示しない光源装置に接続されるユニバーサルコード7が延出している。さらに、スコープコネクタ8は図示しない超音波観測装置に接続される。
【0022】
挿入部2は、先端側から順に先端部3、湾曲自在な湾曲部4、可撓性を有する可撓管部5を連設して構成されている。操作部6には湾曲操作ノブ6aが設けられており、この湾曲操作ノブ6aを操作することによって湾曲部4を湾曲させられるようになっている。
【0023】
図2は、図1の超音波内視鏡1の先端部3の拡大図である。先端部3には、超音波探触子10が設けられ、湾曲部4と超音波探触子10の間には斜面部12が設けられている。超音波探触子10は、音響レンズ11を形成した材質で被覆されている。斜面部12には、観察部位に照明光を照射する照明光学部を構成する照明レンズカバー14、観察部位の光学像を捉える観察光学部を構成する観察用レンズカバー13、処置具が突出する開口である鉗子出口15が設けてある。
【0024】
図3は、超音波振動子の製造過程における超音波振動子を構成する構造体の斜視図を示す。同図において、超音波振動子を形成するに際し、まず配線用基板20、導電体21、電極22(22a,22b)、圧電振動子23、音響整合層24(第1音響整合層24a,第2音響整合層24b)、GND導電部25、溝26から構成される構造体Aを作製する。それでは、構造体Aの作製について説明する。
【0025】
まず、第2音響整合層24bを形成した後に、第1音響整合層24aを形成する。次に、例えばダイシングソー(精密裁断機)を用いて、第1音響整合層24aに溝を形成し、その溝に導電性樹脂を注型し、GND導電部25を形成する。次に、対向する両面に電極層22a,22bを形成した圧電振動子23を接合する。次に、圧電振動子23に隣接させて配線用基板20を取り付ける。配線用基板20の表面には、電極層20aが形成されている。そして、電極20aと電極22aを電気的に導通させるための導電体21を取り付ける。
【0026】
ダイシングソーを用いて、上記で形成した構造体Aに切り込みを入れ、数十μm幅の溝(ダイシング溝)26を複数形成する。この溝幅は、20〜50μmであるのが好ましい。このとき、第2音響整合層24bのみが完全に切断されずに数十μm切れ残るように構造体Aに切り込みを入れるようにする。
【0027】
その後は、コンベックスタイプ、リニアタイプ、及びラジアルタイプ等の超音波振動子の種類に応じた加工がなされる。例えば、図2の場合では、この超音波探触子は電子ラジアル型超音波探触子であるので、構造体Aの両側面X1及びX2を向かい合わせるようにして円筒形状にする。
【0028】
それでは、以下に各実施形態について説明する。
<第1の実施形態>
本実施形態では、各圧電振動子上の導電性接着剤の量を均一にし、さらに、圧電振動子に隣接する配線用基板の上面をその圧電振動子の上面よりも低くした超音波探触子について説明する。
【0029】
図4は、本実施形態における超音波探触子10内部を構成する超音波振動子の製造工程を示す。まず、上述したように、音響整合層24を形成し、その上に圧電振動子23を接着させる。また、配線用基板20を音響整合層24の上面及び圧電振動子23の側面の両方の面に接着させる(図4(a))。このとき、配線用基板20の上面が圧電振動子23の上面より高くならないように、配線用基板20の厚さは、圧電振動子23の厚さより薄くする。なお、同図では、電極層22a,22bは省略してある。以下で説明する図5−図7についても同様である。
【0030】
次に、圧電振動子23と配線用基板20とを電気的に接続させるため、スクリーン印刷により導電性接着剤33を塗布する。すなわち、まず、図4(b)に示すように、マスク部材30を圧電振動子23の上面に接触させる。本実施形態で用いるマスク部材30は、平板であって、この平板には平面方向に細長い孔31を設けている。上記の通り、配線用基板20の上面が圧電振動子23の上面より低いので、マスク30の下面と配線用基板20の上面との間には空隙が生じる。
【0031】
次に、図4(c)に示すように、マスク30の上面の孔31付近に導電性接着剤33を山盛りに塗布し、スキージ32の先端部分をマスク30の上面に接したまま孔31の方へ移動させる。そうすると、図4(d)に示すように、導電性接着剤33が孔31に押し出され、導電性接着剤33が孔31の形状に沿った形状で圧電振動子23と配線用基板20に接着する(すなわち、導電体21となる)。
【0032】
その後、図4(e)に示すように、マスク30を外して、加熱することで、導電性接着剤33が硬化する。なお、導電性接着剤33はゲル状であって、粘性が高いので、マスク30を取り除いた後で液だれすることはない。
【0033】
以上より、マスク30の下面が圧電振動子23に必ず接触し、マスク30の厚みとマスク30の孔31で導電性接着剤の量が一義的に定まるため、各圧電振動子23上の導電性接着剤33の量が均一になる。そして、圧電振動子23上にかかる導電性接着剤33の質量負荷が各振動子とも同一になるため、振動特性(=超音波性能)が均一になる。したがって、超音波診断画像の画質のムラを抑制することができる。
【0034】
なお、配線用基板20の厚さを圧電振動子23の厚さと同じにすることは機械加工上の精度では難しく、設計寸法上一致していても、交差レベルでは違いが必ず生じる。もし、配線用基板20が圧電振動子23より厚くなった場合、圧電振動子23とマスク30の間の隙間ができるため、スキージ32でマスクが意図せず変形し圧電振動子23上の導電性接着剤の量が不定となり、質量負荷が各振動子で不均一となる。なお、本実施形態では、配線用基板20の厚さを圧電振動子23の厚さより薄くしているが、実質的には圧電振動子23の上面より配線用基板20の上面の位置が低ければよい。
【0035】
<第2の実施形態>
本実施形態では、導電性接着剤により接着される表面積を大きくすることにより、接着剤の接着力を高めた超音波探触子について説明する。
【0036】
図5は、本実施形態における超音波探触子10内部を構成する超音波振動子の製造工程を示す。第1の実施形態で説明したように、配線用基板20は、音響整合層24の上面と圧電振動子23の側面に接着されているが、この接着は接着剤40を用いてなされている(図5(a))。
【0037】
上述の通り、構造体Aはダイシングソーにより複数の切り込みを入れてダイシング溝26を形成するが、接着剤40を用いて十分に接着されていないと、ダイシング溝26を形成するときに、配線用基板20、音響整合層24、または圧電振動子23が剥がれて断線や接続不良となるおそれがある。
【0038】
そこで、接着剤40による接着力を高めるため、図5(b)に示すように、配線用基板20の角を面取り(41)して、接着される表面積を大きくする。また、図5(c)に示すように、音響整合層24に凹部42を設けて、そこに接着剤を充填することで接着される表面積を大きく、かつアンカー効果を期待してもよい。また、図5(b)と図5(c)を組み合わせても良い。
【0039】
また、接着剤としては、例えば弾性接着剤を用いるのが良い。弾性接着剤を用いると、接着された部材が振動により剥離することを抑制することができるからである。また、弾性接着剤を用いると、接着剤と接着された部材との界面において振動の伝搬が阻害されるのを極力抑えることができるからである。
【0040】
以上より、接着剤のアンカー効果が高まり、配線用基板をダイシングする時の負荷に余裕をもって耐えることができる。これにより、歩留まりを改善することができる。
また、変形例として、配線用基板を圧電振動子と同じセラミクスとし、ダイシングブレードへの負荷を同じにしてもいい。
【0041】
<第3の実施形態>
本実施形態では、圧電振動子23の角を面取りすることにより、導電性接着剤と圧電振動子との接合を高めた超音波探触子について説明する。
【0042】
図6は、本実施形態における超音波探触子10内部を構成する超音波振動子の製造工程を示す。同図では、圧電振動子23の角を面取り(50)している。このようにするのは、導電性接着剤と圧電振動子面積が増加することで導電性接着剤と圧電振動子との接合を高めることができる。
【0043】
また、圧電振動子が上下方向に振動すると、応力が圧電振動子の角(鋭角部分)に集中し、圧電振動子23から導電性接着剤が剥がれ、断線する可能性がある。このような断線を回避するため、鋭角を面取りして応力を分散している。
【0044】
以上より、導電接着剤と圧電振動子の接触面積が増加し、さらに応力を分散させることにより、断線等する割合を減少させることができるので、歩留まりが改善する。
<第4の実施形態>
本実施形態では、上下方向以外の不要な振動を抑止した超音波探触子について説明する。
【0045】
図7は、接着剤を圧電振動子23の側面に塗布した様子を示す。図7(a)では、配線用基板20の側面と接着する部分に対応する圧電振動子23の側面部分にのみ接着剤60を塗布した場合を示す。図7(b)では、接着剤62を圧電振動子23側面全体に塗布した場合を示す。
【0046】
圧電振動子に電圧を印加すると上下方向に電界が発生し、この電界と同方向の振動が生じる。本来は、このように圧電振動子23の上面と下面との間に電界が生じ、上下方向のみに振動するのが好ましい。
【0047】
しかしながら、図7(a)では、圧電振動子23の側面の一部61が導電接着剤33に直接接触しているため、矢印65で示すように、側面61と圧電振動子23の底面との間に斜め方向にも電界が生じるため、この方向と同方向で振動が発生する。この斜め方向の振動が不要振動となるため、本来必要な振動に対して損失となる。その結果、音響特性が低下する。また、導電接着剤33に伝搬する振動も上下方向の振動だけでなく、不要振動の振動も伝搬する。このような異方向の振動に対して、導電接着剤33に歪みが生じて割れる恐れもある。
【0048】
また、圧電振動子の同一側面に異なる部材(接着剤60と導電接着剤33)が接していると、圧電振動子の振動時において、振動の伝搬状態が異なってしまい、振動を阻害することにもなる。
【0049】
そこで、図7(b)に示すように、圧電振動子23の側面の全面に接着剤62を塗布する。そうすると、図7(a)のように、圧電振動子23の側面の一部と導電接着剤33とが直接接触することがないため、側面61に接する部材が1つとなり、音響的な不連続面がなくなる。したがって、側面からの不要な振動の発生を抑制することができる。
【0050】
このとき、接着剤には、第2の実施形態で説明したように弾性接着剤を用いるのが好ましい。また、弾性接着剤は、不要な電界の発生を防止するという観点から、より絶縁性であるのが好ましい。
【0051】
なお、第1〜第4の実施形態において、これらの実施形態を複数組み合わせてもよい。また、弾性接着剤は第1〜第4の実施形態のいずれにおいても用いて良い。
以上より、圧電振動子の側面全体を弾性接着剤で塗布することで、不要な電界の発生を抑制し、それにより不要な振動の発生を除去することができる。また、導電接着剤への振動を規制することができるので、導電接着剤に余計な負担をかけることがなくなるため、導電接着剤の割れを防止し、歩留まりを改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】超音波内視鏡の外観構成を示す図である。
【図2】図1の超音波内視鏡1の先端部3の拡大図である。
【図3】超音波振動子の製造過程における超音波振動子を構成する構造体の斜視図である。
【図4】第1の実施形態における超音波探触子10内部を構成する超音波振動子の製造工程を示す図である。
【図5】第2の実施形態における超音波探触子10内部を構成する超音波振動子の製造工程を示す図である。
【図6】第3の実施形態における超音波探触子10内部を構成する超音波振動子の製造工程を示す図である。
【図7】接着剤を圧電振動子23の側面に塗布した様子を示す図である。
【符号の説明】
【0053】
1 超音波内視鏡
2 挿入部
3 先端部
4 湾曲部
5 可撓管部
6 操作部
6a 湾曲操作ノブ
10 超音波振動子
11 音響レンズ
12 斜面部
13 観察用レンズカバー
14 鉗子出口
20 基板
20a 電極
21 導電体
22(22a,22b) 電極
23 圧電素子
24 音響整合層
24a 第1音響整合層
24b 第2音響整合層
25 GND導電部
26 溝
30 マスク
31 孔
32 スキージ
33 導電性接着剤
40 接着剤
41 面取り部分
42 凹部
50 面取り部分
60 接着剤
61 圧電振動子23の側面の一部
62 接着剤


【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する2つの面それぞれに電極を有する複数の圧電振動子と、前記2つの面のうち第1の面側に積層された音響整合層と、前記圧電振動子に接し前記音響整合層に積層された配線用基板と、該配線用基板と前記2つの面のうち第2の面側の前記電極とを電気的に接続する導電体とから構成される超音波探触子であって、
前記圧電振動子の前記第2の面と同方向の前記配線用基板の面は、該圧電振動子の前記第2の面より相対的に下方にあることを特徴とする超音波探触子。
【請求項2】
前記導電体は、前記圧電振動子と前記配線用基板を1組とする全ての組みについて均一の体積及び質量で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の超音波探触子。
【請求項3】
前記配線用基板と前記圧電振動子と前記音響整合層の各部材を接着させる該各部材の接着剤を塗布する表面について、少なくとも該部材のうちのいずれかの一部に該接着剤を充填する空間を設けたことを特徴とする請求項1に記載の超音波探触子。
【請求項4】
前記圧電振動子の角が、前記導電体に被覆される場合には、該角部分を面取りすることを特徴とする請求項1に記載の超音波探触子。
【請求項5】
前記配線用基板と前記圧電振動子と前記音響整合層の各部材を接着させる接着剤は、弾性接着剤であることを特徴とする請求項1に記載の超音波探触子。
【請求項6】
前記圧電振動子の側面と前記導電体とが接する部分に弾性接着剤を塗布することを特徴とする請求項1に記載の超音波探触子。
【請求項7】
請求項1から6のうちいずれかに記載の超音波探触子を備える超音波内視鏡。
【請求項8】
対向する2つの面それぞれに電極を有する複数の圧電振動子と、前記2つの面のうち第1の面側に積層された音響整合層と、前記圧電振動子に接し前記音響整合層に積層された配線用基板と、該配線用基板と前記2つの面のうち第2の面側の前記電極とを電気的に接続する導電体と、から構成される超音波探触子の製造方法において、
前記音響整合層に前記圧電振動子を形成する圧電振動子形成工程と、
前記音響整合層の表面と前記圧電振動子の側面とに、該圧電振動子よりも薄い前記配線用基板を形成する配線用基板形成工程と、
前記配線用基板形成工程の結果、構成された構造体の表面のうち、前記圧電振動子及び前記配線用基板の合わせ面を含む所定部分以外をマスキングするマスキング工程と、
前記マスキング工程によりマスキングされていない部分に前記導電体を形成する導電体形成工程と、
前記マスキングされた部分を除去するマスキング除去工程と
からなることを特徴とする超音波探触子の製造方法。
【請求項9】
さらに、前記配線用基板と前記圧電振動子と前記音響整合層の各部材を接着させる該各部材の接着剤を塗布する表面について、少なくとも該部材のうちのいずれかの一部に該接着剤を充填する空間を設ける充填空間形成工程
を行うことを特徴とする請求項8に記載の超音波探触子の製造方法。
【請求項10】
さらに、前記圧電振動子の角が、前記導電体に被覆される場合には、該角部分を面取りする面取り工程を前記マスキング工程よりも前に行うことを特徴とする請求項8に記載の超音波探触子の製造方法。
【請求項11】
さらに、前記圧電振動子の側面と前記導電体とが接する部分に弾性接着剤を塗布する接着剤塗布工程
を行うことを特徴とする請求項8に記載の超音波探触子の製造方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−109030(P2006−109030A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−292144(P2004−292144)
【出願日】平成16年10月5日(2004.10.5)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】