説明

足臭の形成を阻害する微生物

皮膚微生物による足臭の形成を阻害することができる微生物が記載される。また、そのような微生物を含む組成物ならびに化粧品、予防または治療的適用におけるそのような微生物の使用も記載される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚微生物による足臭の生成を防止することができる微生物に関する。本発明はまた、そのような微生物を含む組成物、例えば、化粧品または医薬組成物および化粧品的、予防的または治療的適用におけるそのような微生物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
不快な体臭は、汗腺または皮膚の構成要素から誘導された有機物質の短鎖脂肪酸への分解により生成されることが、当業界でよく知られている(Kandaら、Br. J. Dermat. 122(1990), 771-776)。特に、足臭は、足が履物の内側に取り囲まれ、汗をかく時に発生する。足は身体の他の部分よりも多い数の汗腺を有するため、過剰に汗をかき、産生された汗は履物の中に足が取り囲まれていることに起因して蒸発することができない。足の皮膚の表面上の片利共生生物として生き、汗の成分または皮膚の構成要素を代謝することができる微生物は、悪臭を引き起こす。悪臭のする足の重要な着臭剤がイソ吉草酸であることは、当業界で広く受け入れられる事実である。例えば、Kandaら(Br. J. Dermat. 122(1990), 771-776)は、短い脂肪酸、特に、イソ吉草酸が、明らかな足のにおいを有さない人よりも、強い足のにおいを有する人によって、より大量に生成されることを見出した。イソ吉草酸は、足のにおいを有する全ての被験者において存在したが、靴下および靴中に蓄積した足のにおいを有さない人においては検出されず、一般的に知られる足の布地のにおいをもたらす。
【0003】
イソ吉草酸は、分枝状アミノ酸であるロイシンの酵素的変換により主に生成される。比較可能な酵素的プロセスは、微生物を意図的に用いて、主要な香りの構成要素としてイソ吉草酸を生成させる、スイスチーズの製造から既に公知である(Thierryら、Appl. Env. Microbiol. 68(2) (2002), 608-615)。酪農プロピオン酸細菌は、スイス型チーズの熟成の間に増殖し、特徴的な香りの形成に関与する主要な植物相の1つを構成する。Thierryら(Appl. Env. Microbiol. 68(2) (2002), 608-615)は、プロピオニバクテリウム・フロイデンライシイ(Propionibacterium freudenreichii)が分枝状アミノ酸を分解することができ、該細菌によるロイシンのトランスアミノ化がα-ケトイソカプロン酸を生成し、続いて、イソ吉草酸に酵素的に変換されることを示すことができた。イソ吉草酸の生合成に関与する特定の足の微生物は、従来技術においてはまだ記載されていない。
【0004】
不快な体臭の減少または排除を目的とする市場で現在入手可能な製品の多くは、体臭を隠すための強力な香料もしくは発汗を阻害するためのアルミニウム塩を含むか、または足の微生物の生物活性の非特異的低下、すなわち、においを引き起こす原因となる細菌の根絶に依存する。実際、デオドラント化粧品は、例えば、2,4,4'-トリクロロ-2'-ヒドロキシ-ジフェニル-エーテル(Triclosan)のような、一般的には皮膚微生物叢の増殖を阻害する抗細菌化合物を含む。しかしながら、この原理はにおいの形成に対しては有効であるが、例えば、潜在的な病原性微生物によるコロニー形成などから、皮膚を防御する天然の常在性皮膚微生物叢の重篤な破壊をもたらす(Bisnoら、Am. J. Med. 76(5A)(1984), 172-179)。
【0005】
かくして、重篤な副作用を引き起こすか、またはヒトの足の皮膚微生物叢を破壊することなく、足臭の形成を阻害することを可能にする手段および方法の必要性が存在する。
【発明の開示】
【0006】
本発明は、この必要性に取り組み、皮膚微生物による足臭の防止をもたらす微生物および方法を提供する。具体的には、本発明は、特許請求の範囲で特徴付けられた実施形態を提供する。
【0007】
従って、本発明は、第1の態様において、皮膚微生物による足臭の生成を防止することができる微生物に関する。
【0008】
本発明者らは驚くべきことに、足臭の生成の効率的な防止を、上記の微生物またはその不活性化形態を皮膚に投与することにより達成することができることを見出した。本発明者らは初めて、対応する微生物を同定し、その同定のための方法を提供した。これらの微生物は、皮膚からのにおいを生成する微生物によるイソ吉草酸の形成を阻害するか、または足臭を生成する皮膚微生物の増殖を阻害することができる。これにより、典型的な足のにおいの生成が抑制される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
用語「足臭」は、一般的には、チーズのような、と記載される典型的な足のにおいに関する。「足臭」は、一般的には、足の皮膚領域に常在する皮膚微生物により生成される。好ましくは、この用語は、典型的な足のにおいを検出することができることを意味する。より好ましくは、この用語は、典型的な足のにおいの検出を、鼻、好ましくは、当業者の鼻で嗅ぐことにより検証することを意味する。本発明の目的のために、好ましくは様々なカテゴリーの足のにおい強度を用いる。好ましくは、これらのカテゴリーを、0(検出可能なにおいなし)、1(検出可能なわずかなにおい)、2(検出可能なにおい)および3(検出可能な強いにおい)として定義することができる。足臭の生成に関連する用語「防止する」とは、典型的なチーズのような足臭の放出が、皮膚を本発明に係る微生物と接触させた場合に停止または減少することを意味する。好ましくは、この用語は、任意のより高い数から任意のより低い数への、本明細書に上記されたカテゴリーのいずれかの足臭強度の低下に関する。「停止した放出」とは、チーズのような足臭が、本発明に係る微生物を皮膚と接触させた場合、検出不可能であることを意味する。好ましくは、この用語は、本発明に係る微生物を皮膚と接触させた場合、足臭のカテゴリーが0である(検出可能なにおいなし)ことを意味する。「減少した放出」は、チーズのような足臭が、本発明に係る微生物を皮膚と接触させた場合に減少することを意味する。典型的なチーズのような足臭の放出に関連する用語「減少した」とは、本発明に係る微生物と接触させなかった皮膚のにおいの強度が3(検出可能な強いにおい)である場合、本発明に係る微生物と接触した皮膚のにおいの強度が、2(検出可能なにおい)、好ましくは、1(検出可能なわずかなにおい)、およびより好ましくは、0(検出可能なにおいなし)であるか、または本発明に係る微生物と接触させなかった皮膚のにおいの強度が2(検出可能なにおい)である場合、本発明に係る微生物と接触した皮膚のにおいの強度が1(検出可能なわずかなにおい)、および好ましくは、0(検出可能なにおいなし)であるか、または本発明に係る微生物と接触させなかった皮膚のにおいの強度が1(検出可能なわずかなにおい)である場合、本発明に係る微生物と接触した皮膚のにおいの強度が0(検出可能なにおいなし)であることを意味する。
【0010】
「鼻で嗅ぐこと」による検出は、鼻を用いてにおいの検出について訓練されたか、または訓練されていない1人以上の人により実行される典型的な足臭の検出に関する。検出を、任意の好適な形態で、または当業者には公知の任意の好適な技術を用いることにより実行することができる。好ましくは、検出を、鼻を用いる足臭の検出について訓練された有資格委員会の人々により実行することができ、より好ましくは、有資格委員会を形成する3人の人により実行することができる。本発明の目的のためには、様々なカテゴリーのにおいの強度を用いるのが好ましい。好ましくは、これらのカテゴリーを、0(検出可能なにおいなし)、1(検出可能なわずかなにおい)、2(検出可能なにおい)および3(検出可能な強いにおい)として定義することができる。有資格委員会を形成する人(複数も可)は、においサンプルのにおいの強度を独立に評価することができる。有資格委員会に属する人(複数も可)のにおい感知の値を、当業者には公知の任意の手段により算出することができる。好ましくは、有資格委員会に属する全ての人のにおい感知の平均値を算出することができる。これらのデータに基づいて、においの強度を、当業者には公知の任意の手段により定量することができる。
【0011】
別の好ましい実施形態においては、足臭の検出を、Kandaら(Br. J. Dermat. 122(1990), 771-776)に記載のように委員会の人々により実行することができる。さらに、においを嗅ぐアッセイを、本明細書に記載のように実行することができる。
【0012】
好ましい実施形態においては、皮膚微生物による足臭の生成を防止することができる微生物は、皮膚微生物によるイソ吉草酸の生合成を抑制することができる。
【0013】
用語「イソ吉草酸の生合成」は、例えば、アミノ酸に分解された後の、通常、分泌された足の汗に認められるか、または死んだ皮膚細胞もしくは(死んだ)皮膚成分から生じ得る前駆体の、イソ吉草酸への変換に関する。
【0014】
具体的には、用語「前駆体」は、イソ吉草酸の産生をもたらす反応において化学的または酵素的に変換される化合物に関する。好ましくは、用語「前駆体」は、分枝鎖アミノ酸(BCAA)またはその誘導体に関する。より好ましくは、この用語は、ロイシンまたはアミノアクセプターなど、例えば、α-ケトグルタレートまたはオキソグルタレートに関する。好ましい実施形態においては、ロイシンおよびα-ケトグルタレートまたはオキソグルタレートを、基質および共基質の形態で同時に用いる。さらに好ましい実施形態においては、本発明に係る微生物は、それが典型的な足臭と似たにおいを有するという意味で、においのする少なくとも1種の他の化合物の生合成を抑制する。そのような化合物の例は、3-メチルブタナール、2-メチルブタナール、3-メチルブタン酸(イソ吉草酸)のエチルエステル、特に、また、イソ吉草酸に構造的に関連し、従って、その誘導体であると考えられる化合物である。
【0015】
用語「におい」、「においのする」または「においを放つ」とは、典型的な足のにおいを検出することができることを意味する。好ましくは、この用語は、典型的な足のにおいの検出を、鼻、好ましくは、当業者の鼻で嗅ぐことにより検証することを意味する。より好ましくは、この用語は、GC/MS分析により検出することができるイソ吉草酸またはその誘導体の量を指す。用語「においのない」とは、典型的な足のにおいを、鼻、好ましくは、当業者の鼻で嗅ぐことにより検出することができないことを意味する。より好ましくは、この用語は、イソ吉草酸をGC/MS分析により検出することができないことを意味する。「鼻で嗅ぐこと」による検証は、鼻を用いるにおいの検出について訓練されたか、または訓練されていない1人以上の人により実行される典型的な足臭の検出に関する。より好ましくは、前記用語は、鼻を用いるにおいの検出について訓練されたか、または訓練されていない1人以上の人により実行されるイソ吉草酸の検出に関する。この検出を、任意の好適な形態で、または当業者には公知の任意の好適な技術を用いることにより実行することができる。好ましくは、検出を、鼻を用いる足のにおいの検出について訓練された有資格委員会の人々により実行することができ、より好ましくは、有資格委員会を形成する3人の人により実行することができる。本発明の目的のためには、好ましくは、様々なカテゴリーのにおい強度を用いる:0(検出可能なにおいなし)、1(検出可能なわずかなにおい)、2(検出可能なにおい)および3(検出可能な強いにおい)。有資格委員会を形成する人(複数も可)は、微生物のにおいのするサンプルのにおい強度を独立に評価することができる。好ましくは、その前駆体形態からイソ吉草酸を生成することができる微生物からなるin vitroで生成されたサンプルのにおい、本発明で定義される微生物を用いずにイソ吉草酸または対応する対照サンプルの生合成を抑制することができる前駆体および微生物を評価することができる。有資格委員会に属する人(複数も可)のにおい感知の値を、当業者には公知の任意の手段により算出することができる。好ましくは、有資格委員会に属する全ての人(複数も可)のにおい感知の平均値を算出することができる。次いで、これらのデータに基づいて、においの強度を、当業者には公知の任意の手段により定量することができる。
【0016】
用語「皮膚」は、当業者には公知のように、身体の外側の被覆を指す。好ましくは、この用語は、3つの層:表皮、真皮、および皮下脂肪組織に関する。表皮は、皮膚の最も外側の層である。それは、典型的には、身体の表面上で防水の保護的ラップを形成し、下にある基底膜と共に層状の扁平上皮から作られる。それは通常、血管を含まず、真皮からの拡散により栄養が与えられる。表皮を作る主な型の細胞はケラチノサイトであり、メラニン細胞およびランゲルハンス細胞も存在する。表皮は、最も内側の層での細胞分裂を介して細胞が形成されるいくつかの層に分割される。それらは分化するにつれて形状および組成を変化させながら層を上に向かって移動し、ケラチンで充填されるようになる。それらは、最終的には角質層と呼ばれる最上層に到達し、剥がれ落ちるか、または落屑するようになる。表皮の最も外側の層は、25〜30層の死んだ細胞からなる。従来、表皮は5つのサブ層または階層(表面から深部まで)に分割される:角質層、透明層、顆粒層、有棘層および基底層(stratum germinativum)または基底層(stratum basale)。典型的には、表皮と真皮の境界は不規則であり、皮膚が薄い場所で最も小さく、手のひらおよび足の裏の皮膚において最も長い、一連の乳頭突起、または指状突起からなる。典型的には、手のひらおよび足の裏の乳頭突起は、頭部を生成する表皮の上昇と関連する。皮下脂肪組織は、皮膚の最深層である。この層の特徴は、それが結合組織、血管、および脂肪細胞から構成されることである。典型的には、この層は皮膚を下にある構造物に結合させ、身体を冷気から防護し、脂肪の形態でエネルギーを蓄える。一般的には、皮膚は、より深い組織に対する物理的、化学的、および細菌因子の作用に対する防御障壁を形成する。これは、例えば、口腔または膣領域または粘膜に属する組織は、皮膚に属さないことを意味する。好ましい実施形態においては、用語「皮膚」は、身体の被覆の最も外側の層、すなわち、表皮に関する。より好ましい実施形態においては、用語「皮膚」は、表皮の角質層に関する。さらにより好ましい実施形態においては、用語「皮膚」は、最も外側の25〜30層の表皮の死んだ細胞に関する。より好ましくは、用語「皮膚」は、最も外側の10層の表皮の死んだ細胞に関する。
【0017】
より好ましい実施形態においては、用語「皮膚」は、足の皮膚に関する。用語「足の皮膚」は、足の皮膚領域、好ましくは足の裏の皮膚領域に関する。典型的には、足の皮膚は、例えば、微生物に関して、ユニークな生息環境を提供する。足の皮膚の表面は、通常、いくつかの様式で身体の他の領域とは異なっている。典型的には、角質層、角質化された角質層は、身体の他のどの場所よりも足の裏で厚く、例えば、約0.5 mmである。従って、足の皮膚、好ましくは、足の裏の皮膚領域は、通常、高い水分含量を維持する。これは、それが典型的には、他の皮膚表面よりも栄養物および液体の進入および放出の両方の透過性が低いことを意味する。従来、足の皮膚表面の構造は、身体の他の部分で認められるものとパターンおよび分布の双方において異なる。一般的には、足の裏または足の甲には皮脂腺が存在しない。典型的には、足にはアポクリン汗腺が存在せず、足の裏または末節骨には毛嚢が存在しない。一般的に知られるように、足の皮膚には、典型的には、残りの体表面上のエクリン腺とは異なる温度および金属刺激に応答する、多数のエクリン汗腺が供給されている。一般的には、足の皮膚表面は、より深い組織に対する物理的、化学的、および細菌因子の作用に対する防御障壁を形成する。従来、足の皮膚領域のpHは、他の皮膚領域のpHよりもわずかに高い。好ましくは、足の裏の皮膚のpHは、他の皮膚領域のpHよりもわずかに高い。好ましい実施形態においては、足の皮膚領域のpHは、5.0より高く、より好ましくは、5.5より高く、さらにより好ましくは、6.0より高く、最も好ましくは、6.5より高い。
【0018】
イソ吉草酸または他のにおいのある化合物の生合成に関連する用語「抑制する」とは、本発明に係る微生物と接触させた場合、皮膚微生物によるイソ吉草酸もしくは他の化合物の形成が停止するか、または減少することを意味する。「停止した形成」とは、イソ吉草酸または他の化合物が、イソ吉草酸または他の化合物の前駆体の存在下で、イソ吉草酸または他の化合物を生成することができる微生物と、本発明に係る微生物とを含む混合物中で検出可能でないことを意味する。「減少した形成」とは、イソ吉草酸または他の化合物の量が、本発明に係る微生物が存在しない混合物と比較して、イソ吉草酸または他の化合物の前駆体の存在下で、イソ吉草酸または他の化合物を生成することができる微生物と、本発明に係る微生物とを含む混合物中で減少することを意味する。イソ吉草酸または他の化合物の生合成に関連する用語「減少した」とは、イソ吉草酸または他の化合物の前駆体の存在下で、イソ吉草酸または他の化合物を生成することができる微生物と、本発明に係る微生物とを含む混合物中のイソ吉草酸または他の化合物の量が、本発明に係る微生物が存在しない混合物中に存在するイソ吉草酸または他の化合物の量の95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%未満、より好ましくは、3%未満、および最も好ましくは、2%未満であることを意味する。
【0019】
本発明に係る微生物がイソ吉草酸の生合成を抑制する能力を、以下に記載のアッセイにおいて決定することができる。
【0020】
簡単に述べると、そのようなアッセイは、以下の工程:
・イソ吉草酸の生合成を抑制する能力について試験すべき微生物と、イソ吉草酸を生成することができる微生物およびイソ吉草酸の前駆体とを混合すること、
・イソ吉草酸の生成を可能にする条件下で、該混合物をインキュベートすること、
・該混合物の上清から短い脂肪酸を抽出すること、ならびに
・イソ吉草酸の発生によりにおい放出を検出すること、
を含む。
【0021】
前記成分の混合を、当業者には公知の、任意の好適な比率で、かつ任意の好適なバッファー中で行うことができる。好ましい実施形態においては、イソ吉草酸自体を生成することができる微生物を、好適であることが当業者に知られる条件下で培養する。好ましくは、それを37℃でBHI培地中で好気的に培養する。この培養を、例えば、10〜40時間、好ましくは、20〜35時間、およびさらにより好ましくは、24時間、行うことができる。この培養を、好適であると当業者には公知の任意の容器中で行うことができる。好ましくは、それを振とうガラスフラスコ中で行う。好気的培養の容量として、任意の好適な容量を用いることができ、好ましくは、1〜50 mlの容量、より好ましくは、5〜40 ml、さらにより好ましくは、10〜30 ml、および最も好ましくは、20 mlを用いる。さらなる工程として、当業者に好適であると知られる量または容量を、さらなる培養のための接種材料として用いることができる。好気的培養のための容量として、任意の好適な容量を用いることができ、好ましくは、1〜50μlの容量、より好ましくは、5〜40μl、さらにより好ましくは、10〜30μl、および最も好ましくは、15μlの初回培養物を、さらなる培養のための接種材料として用いる。最も好ましい実施形態においては、20 ml容量の24時間前培養物15μlを、さらなる培養のための接種材料として用いる。さらなる工程として、イソ吉草酸を生成することができる微生物を、好適であることが当業者に知られる条件下で培養することができる。好ましくは、それを37℃で、BHI培地中、好気的に培養する。この培養を、例えば、10〜40時間、好ましくは、20〜35時間、およびさらに好ましくは、24時間行うことができる。好気的培養のための容量として、任意の好適な容量を用いることができ、好ましくは、1〜50 mlの容量、より好ましくは、5〜40 ml、さらにより好ましくは、10〜30 ml、および最も好ましくは、20 mlを用いる。この培養を、当業者には好適であることが知られる任意の容器中で行うことができる。好ましくは、インキュベーションを、振とう下で行うことができ、より好ましくは、インキュベーションを、激しい振とう下で、例えば、往復式振とう培養機上、160 rpmで行う。次いで、イソ吉草酸を生成することができる微生物を、任意の好適な方法により培養培地から分離し、例えば、該微生物の培養物を、例えば、4000 x gで5分間遠心分離することができる。さらなる工程として、得られた微生物を、当業者には公知の任意の好適な手段により洗浄することができ、好ましくは、得られた細胞ペレットを、バッファー、例えば、PBSバッファー、pH 8.0中、1回から数回洗浄する。さらなる工程として、得られた細胞を、当業者には公知の任意の好適なバッファー中に再懸濁することができ、好ましくは、得られた細胞ペレットを、例えば、20 mlのリン酸(例えば、60 mMのリン酸)、例えば、PBSバッファー、pH 8.0中に再懸濁する。イソ吉草酸の生合成を抑制する能力について試験すべき微生物を、当業者には好適であることが知られる条件下で培養する。好ましくは、それを、例えば、37℃でMRS培地中、嫌気的条件下で培養することができる。より好ましくは、閉じられたエッペンドルフチューブ中で培養することができる。培養を、任意の好適な時間、例えば、1〜3日、好ましくは30〜60時間、より好ましくは、40〜50時間、およびさらにより好ましくは、48時間、行うことができる。培養を、当業者には好適であることが知られる任意の形態の細菌を用いて開始することができる。好ましくは、培養を、-80℃の凍結培養物から開始することができる。嫌気的培養のための容量として、任意の好適な容量を用いることができ、好ましくは、1〜1000μlの容量、より好ましくは、10〜500μl、さらにより好ましくは100〜300μl、およびより好ましくは、150μlの容量を用いる。次に、イソ吉草酸の生合成を抑制する能力について試験すべき微生物を、任意の好適な方法により培養培地から分離し、例えば、該微生物の培養物を、例えば、4000 x gで15分間遠心分離することができる。さらなる工程として、得られる微生物を、当業者には公知の任意の好適な手段により洗浄することができ、好ましくは、得られた細胞ペレットを、バッファー、好ましくは、リン酸バッファー、より好ましくは、60 mMリン酸バッファー、例えば、PBSバッファー、pH 8.0中、1回から数回洗浄する。さらなる工程として、得られた細胞を、当業者には公知の任意の好適なバッファー中に再懸濁することができ、好ましくは、得られた細胞ペレットを、例えば、200μlのリン酸バッファー(例えば、60 mMのリン酸)、例えば、PBSバッファー、pH 8.0中に再懸濁する。
【0022】
アッセイのために、イソ吉草酸を生成することができる微生物の細胞、好ましくは、洗浄された細胞を、当業者には公知の任意の好適な比率で、イソ吉草酸前駆体と混合する。好ましい実施形態においては、1〜500μlの細胞を用い、より好ましくは、5〜200μl、さらにより好ましくは、10〜100μl、および最も好ましくは、15μlを用いる。混合を、当業者には公知の任意の好適なバッファー、例えば、リン酸バッファー中で行うことができる。好ましくは、混合を、60 mMのリン酸バッファー、pH 8.0中で行うことができる。イソ吉草酸前駆体を、当業者には公知の任意の好適な量または濃度で、例えば、1 mM〜100 mMの濃度、好ましくは、2 mM〜50 mMの濃度、より好ましくは、5 mM〜20 mMの濃度、および最も好ましくは、10 mMの濃度で用いることができる。イソ吉草酸前駆体として、好ましくは、分枝鎖アミノ酸を用いる。より好ましくは、ロイシンまたはα-ケトグルタレートを用いる。さらにより好ましくは、5 mMのL-ロイシンおよび10 mMのα-ケトグルタレートを用いる。そのような混合物に、イソ吉草酸の生合成を抑制する能力について試験すべき微生物の培養物の細胞を、当業者には公知の好適な量で添加することができる。好ましくは、1〜1000μlを添加し、より好ましくは5〜500μl、さらにより好ましくは、10〜250μlおよび最も好ましくは、100μlを添加する。対照として、好適な対応する量の任意の好適なバッファーまたは培地、例えば、PBSバッファーまたはMRS培地を、本明細書に上記で特徴付けられた混合物に添加することができる。サンプルを、イソ吉草酸の生成を可能にする条件下でインキュベートする。そのような条件は、当業者には公知である。「イソ吉草酸の生成を可能にする条件」とは、例えば、イソ吉草酸を生成することができる微生物のみが存在するが、イソ吉草酸の生合成を抑制することができる微生物が存在しない対照において検出することができるように、微生物がイソ吉草酸を生成することが可能になることが当業者に知られている条件を意味する。より好ましくは、このサンプルを、好気的条件下、30℃で、例えば、5〜40時間、さらにより好ましくは、7〜35時間、10〜30時間および最も好ましくは、24時間、インキュベートする。好ましくは、インキュベーションを、振とう下で行うことができ、より好ましくは、インキュベーションを、激しい振とう下で、例えば、往復式振とう培養機上、160 rpmで行う。その後、例えば、4000 x gで5分間、細胞を遠心分離することができ、例えば、6 M HClを用いて上清を酸性化することができる。次いで、短鎖脂肪酸を、当業者には公知の任意の方法を用いて、例えば、3 x 150μlのCHCl3を用いて抽出することができる。この抽出物を、例えば、窒素下で、例えば、10μlの容量までさらに濃縮することができる。
【0023】
イソ吉草酸の存在を、当業者には公知の方法により検出することができる。好ましくは、それを、例えば、スプリット/スプリットレス注入器およびFFAPカラムを備えたHewlett-Packard GC 5980シリーズII/MSD 5971系を用いるGC/MS分析により決定する。好ましい実施形態においては、少量、例えば、1μlの本明細書に上記されたにおいのする溶液または抽出物を、例えば、スプリットレスモードで、30 m、0.5 mm ID、0.53μmのフィルム厚を有する、FFAPカラムを備えたGC/MSD中に注入することができる。当業者には公知の、好適な注入器および検出器温度を選択する。好ましくは、150〜220℃の注入器および検出器温度を選択する。短い脂肪酸の実用的な分離のためには、当業者には公知の好適な温度条件を選択する。好ましくは、短い脂肪酸の実用的な分離のための温度条件は、150℃で2分、次いで、15℃/分で220℃の最終温度まで傾斜させることができる。この温度を、1〜100分間、好ましくは、5〜50分間、および最も好ましくは、3分間保持することができる。カラムの流速を、当業者には公知の条件に従って設定することができる。好ましくは、カラムの流速を30 cm/sに設定することができる。担体ガスとして、当業者には公知の任意の好適なガスを用いることができる。好ましくは、ヘリウムを用いることができる。イソ吉草酸の同定を、未知のスペクトルと純粋な市販の標準物とを比較することにより行うことができる。さらなる同定パラメーターとして、例えば、相対クロマトグラフィー保持時間を用いることができる。イソ吉草酸の生合成を抑制することができる少なくとも1種の微生物を用いるそのようなにおい放出アッセイにおいて検出されるイソ吉草酸の量が、本発明に係る微生物が存在しない混合物中で検出可能であるイソ吉草酸の量の95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%以下、好ましくは、5%以下、より好ましくは、3%以下および最も好ましくは、2%以下である場合、微生物をそのような微生物であるとみなす。
【0024】
また、記載のアッセイを用いて、イソ吉草酸の生合成を抑制することができる微生物を同定することができる。
【0025】
好ましい実施形態においては、皮膚微生物による足臭の生成を防止することができるか、またはイソ吉草酸の生合成を抑制することができる微生物は、悪臭を生成する皮膚微生物の増殖を阻害することができる。足臭を生成する皮膚微生物の増殖に関連する用語「阻害する」とは、1種以上のこれらの微生物の増殖が、本発明に係る微生物と接触させた場合に減少することを意味する。
【0026】
さらに好ましい実施形態においては、本発明の微生物は、少なくとも1種の足臭を生成する皮膚微生物、好ましくは、足臭を生成する皮膚微生物の主な代表、すなわち、ミクロコッカス種(Micrococcus spec.)の増殖を阻害する。さらに好ましい実施形態においては、本発明の微生物は、そのような微生物、好ましくは、ミクロコッカス種の増殖を特異的に阻害する。「特異的に」とは、好ましくは、それがそのような微生物、好ましくは、ミクロコッカス種の増殖を阻害するが、他の微生物、特に、足の常在性皮膚微生物叢に属する微生物の増殖を有意に阻害するか、または少ない程度でのみ阻害する。用語「足の常在性皮膚微生物叢」とは、足の皮膚、好ましくは、ヒトの足の皮膚に認められる好気的微生物の叢を指す。典型的には、足の皮膚微生物叢は、他の皮膚部位に認められるものと類似している。従来、細菌は最も豊富であるが、優勢な細菌は、例えば、ミコロコッカス科(Micrococcaceae)であり、最も典型的には、表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis) (コアグラーゼ陰性)ならびに、例えば、コリネ型細菌、ジフテロイド(Tachibana DK. 「足の微生物学(Microbiology of the foot)」、Annu Rev Microbiol. 1976;30:351-375、Marshall J, Leeming JP, Holland KT. 「正常なヒトの足の皮下微生物学(The cutaneous microbiology of normal human feet)」、J. Appl. Bacteriol. 1987 Feb;62(2):139-146)である。一般的には、好気的細菌の範囲は、例えば、102〜106コロニー形成単位/cm2である。典型的には、足の上には、細菌は皮膚表面自体の上に存在する。一般的に知られるように、細菌が正常な損傷されていない皮膚の表皮層の下に存在する証拠はない。
【0027】
より好ましくは、用語「特異的に」とは、足臭を生成する微生物、好ましくは、ミコロコッカスに対する阻害の程度が、別の微生物、特に、足の常在性皮膚微生物叢の微生物に対する阻害の程度よりも非常に高いことを意味する。特に好ましくは、用語「特異的に」とは、当業者には公知の好適な増殖アッセイにおいて、本発明の微生物の存在下での、足臭を生成する微生物、好ましくは、ミクロコッカスの増殖が、本発明の微生物の存在下での、別の微生物、特に、足の常在性微生物叢の別の微生物の増殖のほとんど50%であることを意味する。好ましくは、足臭を生成する微生物、好ましくは、ミクロコッカス種の増殖は、本発明の微生物の存在下での、別の微生物、特に、足の常在性皮膚微生物叢の別の微生物の増殖の40%、30%、20%、10%、より好ましくは、5%および最も好ましくは、0%である。ミクロコッカス種の特異的阻害を、実施例4および5に示すが、これは、in vitro液体アッセイにおいて、本発明に係る微生物によりミクロコッカス種は阻害されるが、表皮ブドウ球菌は阻害されないことを例示している。好ましい実施形態においては、本発明の微生物は、ミクロコッカス種の増殖を阻害するが、表皮ブドウ球菌の増殖を阻害しない。
【0028】
減少した増殖は、好ましくは、増殖、すなわち、時間単位あたりの細胞分裂における減少を意味する。あるいは、用語「阻害する」はまた、個々の細胞の大きさの減少をも指す。細菌細胞の大きさを、染料SYBR Green I(Molecular Probes, USA)を用いる染色後に、フローサイトメトリー(例えば、Becton-Dickinson FACSortフローサイトメーター、San Jose, CA)により評価することができる。細菌細胞の大きさを、Side-Angle Light Scatter (SSC)モードで評価する。かくして、減少した増殖は、時間単位あたりのバイオマス産生の減少を意味する。
【0029】
足臭を生成する皮膚微生物の増殖の減少を、好ましくは、in vitroで、より好ましくは、本発明に係る微生物を1種以上の悪臭を生成する微生物と接触させ、これらの悪臭を生成する皮膚微生物の増殖を決定するアッセイにおいて観察することができる。この増殖を、様々な時間間隔のインキュベーション後、細胞/コロニーの数を計数することにより決定することができ、本発明に係る微生物を含まない対照と比較することによって、増殖の減少が存在するかどうかを決定することができる。増殖の阻害を決定するためのin vitroアッセイは、実施例に記載されており、いわゆる「in vitroでのホールプレートアッセイ」を含む。簡単に述べると、そのようなアッセイは、以下の工程:
・少なくとも1種の悪臭を生成する皮膚微生物を培養し、個々の微生物の増殖、および好ましくは、検出のための好適な寒天培地を含む調製された寒天プレート上にそれ/それらを均一に拡散させること;
・接種された寒天プレート中に穴を開けること;
・本発明に係る微生物の予備培養された細胞を穴に充填すること;
・悪臭を生成する皮膚微生物の増殖を可能にする条件下で、好適な量の時間、寒天プレートをインキュベートすること;ならびに
・本発明に係る微生物を含む穴の周囲の悪臭を生成する皮膚微生物叢の微生物の増殖を決定し、それを、本発明に係る微生物を含まない穴の周囲の微生物の増殖と比較すること、
を含む。
【0030】
最後の工程における増殖の決定を、例えば、好適な染料を用いる染色および/または濃度測定などの最適な手段により、細胞および/またはコロニーの数を決定し、顕微鏡下で細胞/コロニーを計数するための利用可能な手段および方法により行うことができる。
【0031】
また、記載のアッセイを用いて、足臭を生成する皮膚微生物の増殖を阻害することができる微生物を同定することができる。
【0032】
より好ましくは、足臭を生成する皮膚微生物の増殖の阻害を、「in vitro液体アッセイ」において決定することができる。そのようなアッセイは、実施例に記載されているが、簡単に述べると、以下の工程:
・液体培養物中で少なくとも1種の足臭を生成する皮膚微生物を培養すること;
・本発明に係る微生物の液体培養物のアリコートおよび足臭を生成する皮膚微生物の液体培養物のアリコートを、一過性病原性皮膚微生物叢の微生物の増殖を可能にする培養培地に適用すること;
・液体培養物中で本発明に係る微生物と足臭を生成する皮膚微生物とを同時培養すること;
・同時培養液体培養物のアリコートを、好適な増殖培地を含む寒天プレートに移すこと;
・足臭を生成する皮膚微生物の増殖を可能にする期間および条件下で該寒天プレートをインキュベートすること;
・コロニー形成単位の定量により足臭を生成する皮膚微生物の増殖を決定し、それを、本発明の微生物を適用しなかった対照における該微生物の増殖と比較すること、
を含む。
【0033】
さらにより好ましくは、悪臭を生成する皮膚微生物叢の増殖を、「in situ皮膚アッセイ」において観察することもできる。そのようなアッセイは、以下の工程:
・少なくとも1種の悪臭を生成する皮膚微生物を培養し、試験個体の皮膚の領域上にそれ/それらを均一に拡散させること:
・悪臭を生成する皮膚微生物叢を拡散させた領域内の定時領域中に本発明に係る微生物のアリコートを適用すること;
・悪臭を生成する皮膚微生物の増殖を可能にするのに十分な量の時間、皮膚をインキュベートすること;
・これらの中に含まれる微生物を含む、上側の皮膚層を、好適な増殖培地を含む寒天プレートに移すこと;
・悪臭を生成する皮膚微生物の増殖を可能にする期間および条件下で、寒天プレートをインキュベートすること;
・本発明に係る微生物を適用した領域の周囲の悪臭を生成する皮膚微生物叢の増殖を決定し、それを、本発明の微生物を適用しなかった対照における該微生物の増殖と比較すること、
を含む。
【0034】
このアッセイに用いられる皮膚の領域は、個体、好ましくは、ヒト個体の皮膚の任意の好適な領域であってよい。好ましい実施形態においては、それはヒト個体の足の上の皮膚の領域である。該領域の大きさは、決定的に重要ではないが、好ましくは、それは約1〜40 cm2、より好ましくは、5〜20 cm2、さらにより好ましくは、5〜10 cm2、例えば、約5、6、7、8、9または10 cm2である。
【0035】
悪臭を生成する皮膚微生物を、好ましくは、約102 cfu/cm2〜103 cfu/cm2の密度で、前記領域上に均一に分布させる。皮膚上に拡散した微生物を空気乾燥させ、本発明に係る微生物のアリコートを、前記領域内に定時的様式で適用する。これを、当業者には公知の手段により達成することができる。例えば、本発明に係る微生物を、遠心分離する(15分間、4000 x g)。細胞ペレットを、K/Naバッファー(それぞれ1 ml)で2回洗浄する。細胞を200μlのK/Naバッファー中に再懸濁し、10μlの調製された微生物を、マイクロピペットを用いて予め接種された皮膚領域上に定時的に適用する。
【0036】
好ましくは、皮膚のインキュベーションを、室温で、例えば、2時間行う。そこに含まれる微生物を含む上側皮膚層の導入を、例えば、接着テープを援用して行うことができる。上側皮膚層を移した寒天プレートを、試験しようとする悪臭を生成する皮膚微生物の増殖を可能にし、この(これらの)微生物の増殖を支援することが知られる増殖培地を含む温度でインキュベートする。典型的には、このインキュベーションを、約24時間行う。微生物の増殖を、当業者には公知の方法により検出することができる。好ましくは、それを、濃度測定によるか、または本発明の微生物のアリコートを適用した点の近くに形成されたコロニーを計数することにより決定する。細菌細胞の大きさを、染料SYBR Green I(Molecular Probes, USA)を用いて染色した後、フローサイトメトリー(例えば、Becton-Dickinson FACSortフローサイトメーター、San Jose, CA)により評価することができる。細菌細胞の大きさを、Side-Angle Light Scatter (SSC)モードで評価する。
【0037】
微生物が、微生物を添加しなかった対照と比較して、少なくとも5%、好ましくは、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%、より好ましくは、少なくとも95%およびさらにより好ましくは、少なくとも99%および最も好ましくは、100%のin vitroホールプレートアッセイにおける少なくとも1種のそのような微生物の増殖の減少をもたらす場合、それを、1種以上の足臭を生成する皮膚微生物の増殖を阻害するとみなす。
【0038】
より好ましくは、微生物が、微生物を添加しなかった対照と比較して、少なくとも5%、好ましくは、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%、より好ましくは、少なくとも95%およびさらにより好ましくは、少なくとも99%および最も好ましくは、100%のin vitro液体アッセイにおける少なくとも1種のそのような微生物の増殖の減少をもたらす場合、それを、1種以上の足臭を生成する皮膚微生物の増殖を阻害するとみなす。
【0039】
さらにより好ましくは、微生物が、少なくとも5%、好ましくは、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%、より好ましくは、少なくとも95%およびさらにより好ましくは、少なくとも99%および最も好ましくは、100%のin situ皮膚アッセイにおける少なくとも1種のそのような微生物の増殖の減少をもたらす場合、それを、1種以上の足臭を生成する皮膚微生物の増殖を阻害するものとみなす。微生物が、足臭を生成する皮膚微生物、例えば、ミクロコッカス種の増殖を阻害するか、または阻害しないことを決定するための試験は、好ましくは、本明細書で上記されたin vitroおよび/またはin situ試験であり、より好ましくは、実施例に記載の試験である。
【0040】
好ましい実施形態においては、本明細書に記載のアッセイにおいて用いられるイソ吉草酸を生成することができる、においを生成する微生物は、ミクロコッカス(Micrococcus)属またはプロピオン酸菌(Propionibacterium)属に属する。より好ましくは、においを生成する微生物は、ミクロコッカス種またはプロピオニバクテリウム・フロイデンライシイである。最も好ましくは、本明細書で上記されたアッセイにおいて用いられるにおいを生成する微生物は、プロピオニバクテリウム・フロイデンライシイ亜種シェルマニ(shermanii)TL34(ATCC 9614)である。
【0041】
足臭の典型的なにおいをもたらす化合物を産生する微生物を、実施例に記載のように、かつ当業者には公知の方法に従って単離することができる。
【0042】
特に好ましい実施形態においては、本発明の微生物は、乳酸菌群に属する微生物である。用語「乳酸菌群に属する微生物」は、細菌、具体的には、グラム陽性発酵性真正細菌、より具体的には、乳酸菌などのラクトバクテリア科に属する微生物を包含する。乳酸菌は、分類上の観点から、ストレプトコッカス(Streptococcus)、ロイコノストック(Leuconostoc)、ペジオコッカス(Pediococcus)、ラクトコッカス(Lactococcus)およびラクトバチルス(Lactobacillus)の区分に分割される。本発明の微生物は、好ましくは、ラクトバチルス種またはラクトコッカス種またはロイコノストック種である。通常は、ポルフィリンおよびシトクロムを欠く乳酸菌群のメンバーは、電子輸送リン酸化を行わず、従って、基質レベルのリン酸化によってのみエネルギーを獲得する。すなわち、乳酸菌においては、炭水化物の発酵を介して、ATPが合成される。全ての乳酸菌は嫌気的に増殖するが、多くの嫌気性生物と違って、多くの乳酸菌は酸素に対して敏感ではなく、かくして、その存在下でも、またはその非存在下でも増殖することができる。従って、本発明の細菌は、好ましくは、酸素耐性嫌気性乳酸菌であり、好ましくは、ラクトバチルス属、ラクトコッカス属またはロイコノストック属に属する。
【0043】
本発明の乳酸菌は、好ましくは桿状または球状であり、細長い桿状から短い湾曲した桿状まで変化してよく、さらに好ましくは、不動性および/または胞子非形成性であり、発酵的代謝の主要な、または唯一の生成物として、乳酸を産生する。本発明の微生物が属するラクトバチルス属は、好ましい実施形態においては、以下の特徴により3つの主要な亜群に分割され、それによって本発明のラクトバチルス種は3つの主要な亜群の各々に属し得る:
(a) ホモ発酵性ラクトバチルス
(i)エムデン-メイヤーホフ経路を介して、グルコースから少なくとも85%の量で、乳酸、好ましくは、乳酸のL-、D-もしくはDL-アイソマーを産生する;
(ii)15℃の温度ではなく、45℃の温度で増殖する;
(iii)長い桿状である;および
(iv)細胞壁中にグリセロールテイコ酸を有する;
(b)ホモ発酵性ラクトバチルス
(i)エムデン-メイヤーホフ経路を介して、乳酸、好ましくは、乳酸のL-もしくはDL-アイソマーを産生する;
(ii)15℃の温度で増殖し、45℃の温度で可変的増殖を示す;
(iii)短い桿状またはコリネ型である;ならびに
(iv)その細胞壁中にリビトールおよび/もしくはグリセロールテイコ酸を有する;
(c)へテロ発酵性ラクトバチルス
(i)ペントース-リン酸経路を介して、グルコースから少なくとも50%の量で乳酸、好ましくは、乳酸のDL-アイソマーを産生する;
(ii)二酸化炭素およびエタノールを産生する;
(iii)15℃または45℃の温度で可変的増殖を示す;
(iv)長いか、もしくは短い桿状である;ならびに
(v)その細胞壁中にグリセロールテイコ酸を有する。
【0044】
上記の特徴に基づいて、本発明の微生物を、乳酸菌群、具体的には、ラクトバチルス属に属するものと分類することができる。古典的体系を用いることにより、例えば、「Bergey's Manual of Systematic Bacteriology」(Williams & Wilkins Co., 1984)中の関連する説明を参照することにより、本発明の微生物を、ラクトバチルス属に属するものと決定することができる。あるいは、本発明の微生物を、当業界で公知の方法、例えば、それらの代謝フィンガープリント、すなわち、糖を代謝する本発明の微生物の能力の比較可能な概説によるか、または例えば、Schleiferら、System. Appl. Microb., 18(1995), 461-467もしくはLudwigら、System. Appl. Microb., 15(1992), 487-501に記載の他の方法により、ラクトバチルス属に属するものと分類することができる。本発明の微生物は、ラクトバチルス属に属する微生物に関して典型的であり、かつ当業界で公知である糖源を代謝することができる。
【0045】
また、ラクトバチルス属への本発明の微生物の所属を、例えば、決定しようとする種の総タンパク質のSDS-PAGEゲル電気泳動を用いて、当業界で公知の他の方法を用いることにより特性評価し、それらをラクトバチルス属の公知の株および既に特性評価された株と比較することができる。上記の総タンパク質プロフィールを調製するための技術、ならびにそのようなプロフィールの数値分析は、当業者にはよく知られている。しかしながら、その結果は、このプロセスの各段階が十分に標準化されている限りにおいて信頼できるに過ぎない。ラクトバチルス属への微生物の付属を決定する場合の正確性の要件に直面し、公共利用可能な標準化された手順を、1994年9月12〜16日に、ベルギーのUniversity of Ghentで欧州連合により開催された「ワークショップ」の間に提示された、Potらなどの著者により定期的に作製する(細菌の分類および同定のためのフィンガープリント技術、全細胞タンパク質のSDS-PAGE)。SDS-PAGE電気泳動ゲルを分析するための技術において用いられるソフトウェアは、種間の相関度がこのソフトウェアにより用いられるパラメーターおよびアルゴリズムに依存するため、非常に重要である。理論的に詳細に述べるものではないが、密度計により測定され、コンピューターにより正規化されたバンドの定量的比較を、Pearson相関係数を用いて行うのが好ましい。かくして得られた類似性マトリックスを、最も類似するプロフィールと一緒に群を作製することができるだけでなく、デンドグラムを構築することもできるUPGMA(非加重結合法)アルゴリズムを援用して体系化することができる(Kersters、「電気泳動による細菌の分類および同定における数値的方法(Numerical methods in the classification and identification of bacteria by electrophoresis)」、Computer-assisted Bacterial Systematics, 337-368, M. Goodfellow, A.G. O'Donnell(編)、John Wiley and Sons Ltd, 1985を参照)。
【0046】
あるいは、ラクトバチルス属への本発明の前記微生物の所属を、いわゆるRiboprinter.RTM中、リボゾームRNAに関して特性評価することができる。より好ましくは、ラクトバチルス属への新しく同定された本発明の種の所属を、本発明の細菌の16SリボゾームRNA、または16SリボゾームRNAをコードするそのゲノムDNAのヌクレオチド配列と、現在知られている乳酸菌の他の属および種のものと比較することにより証明する。ラクトバチルス属への新しく同定された本発明の種の付属を決定するための別の好ましい代替方法は、16S-23S rRNAスペーサー領域を標的化する種特異的PCRプライマーの使用である。別の好ましい代替方法は、ラクトバチルス属への本発明に従う同定された微生物の所属の決定を可能にする株特異的DNAパターンが生成されるという理由で、RAPD-PCRである(Nigatuら、Antonie van Leeuwenhoek(79), 1-6, 2001)。ラクトバチルス属への本発明の微生物の所属を決定するのに有用なさらなる技術は、制限断片長多型(RFLP)(Giraffaら、Int. J. Food Microbiol. 82 (2003), 163-172)、反復エレメントのフィンガープリント法(Geversら、FEMS Microbiol. Lett. 205 (2001) 31-36)または細菌細胞の脂肪酸メチルエステル(FAME)パターンの分析(Heyrmanら、FEMS Microbiol. Lett. 181 (1991), 55-62)である。あるいは、ラクトバチルスを、レクチンタイピング(Annukら、J. Med. Microbiol. 50 (2001), 1069-1074)またはその細胞壁タンパク質の分析(Gattiら、Lett. Appl. Microbiol. 25 (1997), 345-348)により決定することができる。
【0047】
本発明の好ましい実施形態においては、前記微生物は、プロバイオティック微生物である。本発明の文脈における用語「プロバイオティック」とは、前記微生物が、皮膚に局所適用された場合、健康に対して有益な効果を有することを意味する。好ましくは、「プロバイオティック」微生物は、皮膚、例えば、足に局所適用された場合、この組織の健康にとって有益である生きた微生物である。最も好ましくは、これは、前記微生物が、皮膚の微生物叢に対する肯定的な効果を有することを意味する。
【0048】
好ましい実施形態においては、本発明の微生物は、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルス・カルバタス(Lactobacillus curvatus)、ラクトバチルス・デルブルッキ(Lactobacillus delbruckii)(好ましくは、ラクトバチルス・デルブルッキ・デルブルッキ(Lactobacillus delbruckii delbruckii))、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)、ラクトコッカス・ブレビス(Lactococcus brevis)、ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)またはロイコノストック・メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)の種に属する。しかしながら、本発明の乳酸菌は、それらに限定されるものではない。
【0049】
本発明の特に好ましい実施形態においては、本発明の微生物を、寄託番号DSM 17599(ラクトバチルス・ブレビス、LB-FG-0001)、DSM 17600(ラクトバチルス・プランタルム、LB-FG-0002)、DSM 17601(ラクトバチルス・カルバタス、LB-FG-0003)、DSM 17602(ロイコノストック・メセンテロイデス、LB-FG-0004)、DSM 17603(ラクトバチルス・プランタルム、LB-FG-0005)、DSM 17604(ラクトバチルス・デルブルッキ・デルブルッキ、LB-FG-0006)、DSM 17605(ラクトバチルス・デルブルッキ・デルブルッキ、LB-FG-0007)、DSM 17606(ラクトバチルス・プランタルム、LB-FG-0008)およびDSM 17607(ラクトバチルス・ブレビス、LB-FG-0009)の下でBASF Future Business GmbH, 4, Gartenweg-Z25, 67063 Ludwigshafen, GermanyによりDSMZに寄託されているラクトバチルス・ブレビス、ラクトバチルス・プランタルム、ラクトバチルス・カルバタス、ラクトバチルス・デルブルッキ・デルブルッキ、またはロイコノストック・メセンテロイデスからなる群より選択する。
【0050】
本発明はまた、皮膚微生物による足臭の生成を防止する能力、より好ましくは、イソ吉草酸の生合成を抑制し、および/もしくは足臭を生成する皮膚微生物の増殖を阻害する能力を保持する、上記の寄託された乳酸菌株の突然変異体または派生体にも関する。
【0051】
用語「DSMZに寄託されているラクトバチルス・ブレビス、ラクトバチルス・プランタルム、ラクトバチルス・カルバタス、ラクトバチルス・デルブルッキ・デルブルッキ、またはロイコノストック・メセンテロイデス」は、BASF Future Business GmbH, 4, Gartenweg-Z25, 67063 Ludwigshafen, Germanyにより、2005年9月22日にDeutsche Sammulung fur Mikroorganismen und Zellkulturen(DSMZ)に寄託されたラクトバチルス・ブレビス種、ラクトバチルス・プランタルム種、ラクトバチルス・カルバタス種、ラクトバチルス・デルブルッキ・デルブルッキ種、またはロイコノストック・メセンテロイデス種に属し、かつ以下の寄託番号:DSM 17599(ラクトバチルス・ブレビス、LB-FG-0001)、DSM 17600(ラクトバチルス・プランタルム、LB-FG-0002)、DSM 17601(ラクトバチルス・カルバタス、LB-FG-0003)、DSM 17602(ロイコノストック・メセンテロイデス、LB-FG-0004)、DSM 17603(ラクトバチルス・プランタルム、LB-FG-0005)、DSM 17604(ラクトバチルス・デルブルッキ・デルブルッキ、LB-FG-0006)、DSM 17605(ラクトバチルス・デルブルッキ・デルブルッキ、LB-FG-0007)、DSM 17606(ラクトバチルス・プランタルム、LB-FG-0008)およびDSM 17607(ラクトバチルス・ブレビス、LB-FG-0009)を有する微生物の細胞に関する。DSMZは、Mascheroder Weg 1b, D-38124 Braunschweig, Germanyに位置する。上記の寄託物は、特許手続きのための微生物寄託の国際認識に関するブダペスト条約の条件に準拠して作製されたものである。特に好ましい実施形態においては、本発明の微生物を、「単離」または「精製」する。用語「単離された」とは、材料が、それが天然のものである場合は、その元々の環境、例えば、天然の環境から、またはそれが培養されたものである場合は、培養培地から除去されることを意味する。例えば、天然の系に同時に存在する材料のいくらか、または全てから分離された、天然の微生物、好ましくは、乳酸菌は、単離されている。そのような微生物は、組成物の一部であってよく、該組成物がその天然の環境の一部ではないという点で依然として単離されたものとみなされる。
【0052】
用語「精製された」は、絶対的な純度を要求するものではなく、むしろ、それは相対的な定義として意図される。ライブラリーから得られた個々の微生物を、微生物学的均一性まで従来どおり精製した、すなわち、それらは当業界で公知の方法により寒天プレート上に画線された場合、単一のコロニーとして増殖する。この目的のために用いられる寒天プレートは、乳酸菌、好ましくは、ラクトバチルス種にとって選択的であるのが好ましい。そのような選択的寒天プレートは、当業界で公知である。
【0053】
別の態様においては、本発明は、例えば、温度的に不活性化されたか、または凍結乾燥されたが、イソ吉草酸の生合成を抑制する能力を保持する特性を保持する、不活性化形態の本発明の微生物に関する。
【0054】
本発明に従えば、用語「不活性化形態の本発明の微生物」は、乳酸菌に属する微生物に特異的なプレート上で単一のコロニーを最早形成することができない、本発明の微生物、好ましくは、本明細書に開示される乳酸菌の死んだ細胞または不活性化された細胞を含む。前記の死んだ細胞または不活性化された細胞は、無傷の、または破壊された細胞膜を有してもよい。本発明の微生物の細胞を殺傷または不活性化するための方法は、当業界で公知である。El-Nezamiら、J. Food Prot. 61 (1998), 466-468は、UV照射によりラクトバチルス種を不活性化する方法を記載している。好ましくは、本発明の微生物の細胞を、温度的に不活性化するか、または凍結乾燥する。本発明の細胞の凍結乾燥は、皮膚微生物による足臭の生成を防止するその特性を保持しながら、それらを容易に保存し、取り扱うことができるという利点を有する。
【0055】
さらに、凍結乾燥された細胞を、当業界で公知の条件の下で好適な液体または固体培地に適用する時に再度増殖させることができる。凍結乾燥を、当業界で公知の方法により行う。好ましくは、それを、室温、すなわち、16℃〜25℃の間の任意の温度で、少なくとも2時間行う。さらに、本発明の微生物の凍結乾燥された細胞は、上記のようなそれらの特性を依然として保持するように、4℃の温度で少なくとも4週間安定である。本発明の微生物の細胞を170℃の温度で少なくとも2時間インキュベートすることにより、温度的な不活性化を達成することができる。しかし、2バールの大気圧での飽和気流の存在下で、少なくとも20分間、121℃の温度で前記細胞をオートクレーブすることにより、温度的不活性化を達成するのが好ましい。あるいは、-20℃で少なくとも4週間、3週間、2週間、1週間、12時間、6時間、2時間または1時間、本発明の微生物の細胞を凍結することにより、該細胞の温度的不活性化を達成する。少なくとも70%、75%または80%、より好ましくは、少なくとも85%、90%または95%および特に好ましくは、少なくとも99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%または少なくとも99.9%および最も特に好ましくは、100%の不活性化形態の本発明の微生物の細胞が、死んでいるか、または不活性化されているが、しかしながら、それらは依然として皮膚微生物による足臭の生成を防止する能力を有するのが好ましい。不活性化形態の本発明の微生物が実際に死んでいるか、または不活性化されているかどうかを、当業界で公知の方法、例えば、生存能力に関する試験により試験することができる。
【0056】
用語「不活性化形態の本発明の微生物」は、好ましくは、皮膚微生物による足臭の生成を防止する、本発明の微生物、好ましくは、本明細書に開示される乳酸菌の溶解物または画分も包含する。この抑制を、本明細書に記載のように、および具体的には、添付の実施例に記載のように試験することができる。本発明の微生物の溶解物または画分が皮膚微生物による足臭の生成を防止する場合、当業者であれば、例えば、本明細書の以下に例示される当業界で公知の方法により該溶解物または画分をさらに精製して、皮膚微生物による足臭の生成を防止することができる物質を除去することができる。これは、本発明の微生物の溶解物または画分が、皮膚微生物による足臭の生成を防止することができない場合、当業者であれば、例えば、当業界で公知の方法により該溶解物または画分をさらに精製して、皮膚微生物による足臭の生成の防止を妨げ得る物質を除去することができることを意味する。その後、当業者であれば、該溶解物または画分が、皮膚微生物による足臭の生成を防止するかどうかについて、それを再度試験することができる。
【0057】
本発明に従えば、用語「溶解物」は、破壊された本発明の微生物の細胞の水性培地中での溶液または懸濁液を意味する。しかしながら、この用語は、限定的な様式で解釈されるべきではない。細胞溶解物は、例えば、DNA、RNA、タンパク質、ペプチド、炭水化物、脂質などの大分子および/もしくはアミノ酸、糖、脂肪酸などの小分子、またはその画分を含む。さらに、前記溶解物は、平滑構造または顆粒構造のものであってよい細胞破片を含む。微生物の細胞溶解物を調製するための方法は、例えば、加圧型細胞破壊装置、ガラスもしくは鉄ビーズを用いる細胞ミルまたは酵素的細胞溶解などを用いることにより、当業界で公知である。さらに、細胞の溶解は、細胞の開口/破壊のための当業界で公知の様々な方法に関する。細胞の溶解のための方法は重要ではなく、本発明の微生物の細胞の溶解を達成することができる任意の方法を用いることができる。当業者であれば、好適な方法を選択することができ、例えば、細胞の開口/破壊を、酵素的、化学的または物理的に行うことができる。酵素および酵素カクテルに関する非限定例は、プロテイナーゼKなどのプロテアーゼ、リパーゼまたはグリコシダーゼであり;化合物の非限定例は、イオノフォア、ドデシル硫酸ナトリウムなどの洗剤、酸または塩基であり;および物理的手段の非限定例は、加圧型細胞破壊装置、浸透圧などの高圧、熱または冷気などの温度である。さらに、タンパク質溶解酵素以外の酵素、酸、塩基などの好適な組合せを用いる方法を用いることもできる。例えば、凍結および解凍、より好ましくは、-70℃以下の温度での凍結および30℃以上の温度での解凍、具体的には、好ましくは、-75℃以下の温度での凍結および35℃以上の温度での解凍、最も好ましくは、-80℃以下の温度での凍結および37℃以上の温度での解凍により、本発明の微生物の細胞を溶解する。また、この凍結/解凍を、少なくとも1回、より好ましくは、少なくとも2回、さらにより好ましくは、少なくとも3回、特に好ましくは、少なくとも4回、および最も好ましくは、少なくとも5回繰り返すのが好ましい。
【0058】
従って、当業者であれば、上記の一般的説明を参照し、必要に応じて、それらの方法を好適に改変するか、または変更することにより所望の溶解物を調製することができる。好ましくは、記載のような溶解物に用いられる水性培地は、水、生理的塩水、または緩衝溶液である。細菌細胞溶解物の利点は、それを容易に作製し、技術的設備があまり必要ではないため、効率的に費用を蓄えることができるという点である。
【0059】
好ましくは、用語「抽出物」は、皮膚微生物による足臭の生成を防止する、本発明の微生物の細胞内成分、例えば、DNA、RNA、タンパク質、ペプチド、炭水化物、脂質などの大分子および/もしくはアミノ酸、糖、脂肪酸などの小分子または任意の他の有機化合物もしくは分子、またはその画分を意味する。より好ましくは、用語「抽出物」とは、無細胞培地中の上記の細胞内成分のいずれかを指す。
【0060】
さらに好ましい実施形態においては、本明細書に上記されたような細胞の開口/破壊のために当業界で公知の様々な方法に従って細胞を溶解することにより、および/または当業者には公知の任意の好適な液体、培地もしくはバッファー中での本発明の微生物の培養物またはそのような培養物もしくは任意の他の好適な細胞懸濁液の溶解物の遠心分離手順の上清として、抽出物を取得することができる。より好ましくは、前記抽出物は、皮膚微生物による足臭の生成を防止する、精製された溶解物もしくは細胞培養上清またはその任意の画分もしくは一部分であってよい。抽出物の精製のための好適な方法は、当業者には公知であり、例えば、アフィニティクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、およびカラムもしくはバッチ式方法で他のクロマトグラフィー材料を用いるクロマトグラフィー、他の分画方法、例えば、濾過方法、例えば、限外濾過、透析、遠心分離におけるサイズ排除を用いる透析および濃縮、密度勾配もしくはステップマトリックスにおける遠心分離、沈降、例えば、親和性沈降、塩溶もしくは塩析(硫酸アンモニウム沈降)、アルコール沈降または他のタンパク質化学、分子生物学、生化学、免疫学、化学もしくは物理的方法が挙げられる。
【0061】
本発明に従えば、溶解物は、上記の溶解物に由来する分子の画分の調製物でもある。これらの画分を、クロマトグラフィー、例えば、アフィニティクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、およびカラムもしくはバッチ式方法で他のクロマトグラフィー材料を用いるクロマトグラフィー、他の分画方法、例えば、濾過方法、例えば、限外濾過、透析、遠心分離におけるサイズ排除を用いる透析および濃縮、密度勾配もしくはステップマトリックスにおける遠心分離、沈降、例えば、親和性沈降、塩溶もしくは塩析(硫酸アンモニウム沈降)、アルコール沈降または溶解物の上記成分を分離するための他のタンパク質化学、分子生物学、生化学、免疫学、化学もしくは物理的方法などの当業者には公知の方法により取得することができる。好ましい実施形態においては、他のものよりも免疫原性が高い画分が好ましい。当業者であれば、上記の一般的説明および本明細書の実施例に記載の特定の説明を参照し、必要に応じて、これらの方法を改変するか、または変更することにより、好適な方法を選択し、その免疫原性を決定することができる。
【0062】
従って、用語「不活性形態の本発明の微生物」は、好ましくは、皮膚微生物におる足臭の生成を防止する、本発明の微生物、好ましくは、本明細書に開示された乳酸菌の濾液をも包含する。この抑制を、本明細書に記載のように、および具体的には、添付の実施例に記載のように試験することができる。本発明の微生物の濾液が皮膚微生物による足臭の生成を防止することができない場合、当業者であれば、例えば、本明細書の以下に例示される当業界で公知の方法により該濾液をさらに精製して、皮膚微生物による足臭の生成の防止を妨げ得る物質を除去することができる。その後、当業者であれば、該濾液が皮膚微生物による足臭の生成を防止するかどうかを、再度試験することができる。
【0063】
用語「濾液」とは、当業者には公知の任意の好適な液体、培地またはバッファー中の本発明の微生物の培養物の遠心分離手順の上清として得られた本発明の微生物の無細胞溶液または懸濁液を意味する。しかしながら、この用語は、限定的な様式で解釈されるべきではない。濾液は、例えば、DNA、RNA、タンパク質、ペプチド、炭水化物、脂質などの大分子および/もしくはアミノ酸、糖、脂肪酸などの小分子、またはその画分を含む。微生物の濾液を調製する方法は、当業界で公知である。さらに、「濾過する」とは、当業界で公知の様々な方法に関する。抽出方法は重要ではなく、本発明の微生物の細胞の濾過を達成することができる任意の方法を用いることができる。
【0064】
用語「不活性形態の本発明の微生物」は、本発明の微生物の細胞の任意の部分を包含する。好ましくは、該不活性形態は、膜調製法により得られる膜画分である。乳酸菌に属する微生物の膜調製物を、例えば、Rollanら、Int. J. Food Microbiol. 70(2001), 303-307、Matsuguchiら、Clin. Diagn. Lab. Immunol. 10(2003), 259-266またはStentzら、Appl. Environ. Microbiol. 66(2000), 4272-4278またはVarmanenら、J. Bacteriology 182(2000), 146-154に記載の方法を用いることにより、当業界で公知の方法により取得することができる。あるいは、全細胞調製物も想定される。
【0065】
別の態様においては、本発明は、本発明に係る微生物または上記のようなこの微生物の突然変異体、派生体もしくは不活性形態を含む組成物に関する。好ましい実施形態においては、前記組成物は、固体形態の該組成物中、102〜1012細胞、好ましくは、103〜108細胞/mlの量の上記の微生物を含む。液体形態の組成物の場合、該微生物の量は、102〜103細胞/mlである。さらに好ましい実施形態においては、前記組成物は、乳液、例えば、水中油もしくは油中水乳液の形態、軟膏の形態、またはマイクロカプセルの形態にある。乳液、軟膏またはマイクロカプセルの場合、前記組成物は、102〜1013細胞/mlの量の本明細書に記載の微生物を含む。しかしながら、特定の組成物に関して、前記微生物の量は、本明細書に記載のものと異なっていてもよい。
【0066】
用語「組成物」は、以下でさらに説明される繊維組成物も含む。
【0067】
さらなる態様においては、本発明は、本発明に係る微生物または上記のこの微生物の突然変異体、派生体もしくは不活性形態を、化粧品上もしくは製薬上許容し得る担体もしくは賦形剤と共に製剤化する工程を含む、皮膚微生物による足臭の生成を防止するための組成物の製造方法を提供する。
【0068】
本発明に従って用いられる用語「組成物」は、少なくとも1種の本発明の微生物または上記の該微生物の突然変異体、派生体もしくは不活性形態を含む組成物(複数も可)に関する。本明細書の以下に記載される本発明の組成物は、任意の組合せで上記成分を含むことが想定される。必要に応じて、それは皮膚微生物による足臭の生成を防止するのに好適な少なくとも1種のさらなる成分を含んでもよい。従って、必要に応じて、それは本明細書の以後に記載されるさらなる成分の任意の組合せを含んでもよい。用語「皮膚微生物による足臭の生成を防止するのに好適な成分」は、pH値の変化、例えば、pH値の増加または低下をもたらす化合物もしくは組成物および/またはその組合せを包含する。好ましい実施形態においては、前記用語は、pH値の増加をもたらす化合物もしくは組成物および/またはその組合せを包含する。
【0069】
前記組成物は、固体、液体または気体の形態にあってよく、特に、粉末、溶液、エアロゾル、懸濁液、乳液、液体、エリキシル剤、抽出物、チンキ剤もしくは流体抽出液の形態、または局所投与にとって特に好適である形態にあってもよい。局所適用にとって好適な形態としては、例えば、デオドラント、ペースト、軟膏、ポンプ式スプレー、ローション、ゲル、クリーム、例えば、ポンプ式ディスペンサーボトル中のエアロゾルスプレーとして、もしくはロールオンとして、チューブもしくは格子中に分配される濃いクリームの形態で、棒の形態で、または経皮パッチとして分配されるクリームまたは流体ゲルが挙げられる。
【0070】
好ましくは、本発明の組成物は、化粧品上許容し得る担体または賦形剤をさらに含む化粧品組成物である。
【0071】
本発明の化粧品組成物は、本発明の微生物、上記のようなその突然変異体、派生体もしくは不活性形態と、本発明の組成物およびさらに化粧品上許容し得る担体とを含む。好ましくは、本発明の化粧品組成物は、局所適用における使用のためのものである。
【0072】
本明細書で用いられる用語「化粧品上許容し得る担体」とは、安全かつ効率的な様式で皮膚に本発明の組成物を適用するのに用いることができる好適なビヒクルを意味する。そのようなビヒクルとしては、乳液、例えば、水中油乳液もしくは油中水乳液、軟膏またはマイクロカプセルなどの材料が挙げられる。本明細書で用いられる用語「安全かつ効率的な様式」とは、イソ吉草酸の生合成を抑制するのに十分な量を意味する。
【0073】
別の態様においては、本発明は、製薬上許容し得る担体または賦形剤をさらに含む、本発明の微生物または上記のようなその派生体もしくは突然変異体もしくは不活性形態を含む医薬組成物に関する。好ましくは、医薬組成物は、局所投与にとって好適である形態にある。
【0074】
さらに、本発明は、皮膚微生物による足臭の生成を防止することによって足臭を抑制するための組成物、好ましくは、医薬組成物または化粧品組成物の調製のための、本発明の微生物または上記のようなその派生体もしくは突然変異体もしくは不活性形態の使用に関する。
【0075】
医薬組成物は、治療上有効量の本発明の微生物または本発明の派生体もしくは突然変異体または上記のような本発明の該微生物の不活性形態を含み、例えば、固体、液体、粉末、水性凍結乾燥形態などの様々な形態中で製剤化することができる。
【0076】
医薬組成物を、本明細書に記載のように、製薬上許容し得る担体と共に患者に投与することができる。特定の実施形態においては、用語「製薬上許容し得る」とは、動物、およびより具体的には、ヒトにおける使用のために規制機関または他の一般的に認識される薬局方により認可されていることを意味する。
【0077】
用語「担体」は、治療剤と共に投与される希釈剤、アジュバント、賦形剤、またはビヒクルを指す。そのような担体は、製薬上許容し得るものであり、すなわち、用いられる用量および濃度で、レシピエントにとって非毒性的である。それは等張性、低張性または弱く高張性であるのが好ましく、スクロース溶液により提供されるものなどの比較的低いイオン強度を有する。そのような製薬上の担体は、水および石油、動物、植物または合成起源のものなどの油などの滅菌液体、例えば、ピーナッツ油、大豆油、鉱物油、ゴマ油などであってよい。塩水溶液および水性デキストロースおよびグリセロール溶液を液体担体として用いることもできる。好適な製薬上の賦形剤としては、デンプン、グルコース、スクロース、ゼラチン、モルト、コメ、小麦、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タルク、ナトリウムイオン、乾燥スキムミルク、グリセロール、プロピレングリコール、水、エタノールなどが挙げられる。必要に応じて、前記組成物は、少量の湿潤剤または乳化剤、またはpH緩衝化剤を含んでもよい。これらの組成物は、例えば、溶液、懸濁液、乳液、粉末、持続放出製剤などの形態を取ってもよい。好適な製薬上の担体の例は、E.W. Martinによる「Remington's Pharmaceutical Sciences」に記載されている。製薬上の担体として役立ち得る物質のいくつかの他の例は、グルコースおよびスクロースなどの糖類;トウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプンなどのデンプン;カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロースなどのセルロースおよびその誘導体;粉末状トラガカント;モルト;ゼラチン;タルク;ステアリン酸;ステアリン酸マグネシウム;硫酸カルシウム;炭酸カルシウム;ピーナッツ油、綿実油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油およびカカオ脂などの植物油;プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、およびポリエチレングリコールなどのポリオール;寒天;アルギン酸;発熱源を含まない水;等張性塩水;クランベリー抽出物およびリン酸緩衝溶液;スキムミルク粉末;ならびに、例えば、ビタミンC、エストロゲンおよびエキナシアなどの医薬製剤において用いられる他の非毒性相溶性物質である。湿潤剤およびラウリル硫酸ナトリウムなどの潤滑剤、ならびに着色剤、香料、潤滑剤、賦形剤、錠剤化剤、安定剤、酸化防止剤および保存剤を存在させることもできる。前記活性成分を、カプセル化形態で、例えば、ゼラチン中の、セルロースカプセルとして、ポリアミド、ナイオソーム、ワックスマトリックスと共に、シクロデキストリンまたはリポソーム的にカプセル化して投与することも有利である。
【0078】
一般的には、前記成分を、別々に供給するか、または、例えば、凍結乾燥粉末または活性薬剤の量を示すアンプルもしくはサチェットなどの湿度的に密封された容器中の水を含まない濃縮物として、単位投与剤形中で一緒に混合して供給する。
【0079】
本発明の医薬組成物を、中性または塩の形態として製剤化することができる。製薬上許容し得る塩としては、塩酸、リン酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸などから誘導されたものなどの陰イオンと共に形成されたもの、およびナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、水酸化第二鉄、イソプロピルアミン、トリエチルアミン、2-エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカインなどから誘導されたものなどの陽イオンと共に形成されたものが挙げられる。
【0080】
必要に応じて、in vitroアッセイ、例えば、実施例に記載のアッセイのうちの1つを用いて、最適な用量範囲を同定するのに役立てることができる。また、前記製剤中で用いられる正確な用量は、投与経路、疾患もしくは障害の重篤度に依存するであろうし、医師の判断および各患者の環境に従って決定すべきである。局所投与経路が好ましい。有効用量を、in vitroまたは(動物)モデル試験系から誘導された用量応答曲線から外挿することができる。好ましくは、前記医薬組成物を、直接投与するか、またはアジュバントと組合わせて投与する。アジュバントを、クロロキン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロール、EtOH、1-メチルL-2-ピロリドンもしくはそれらの誘導体などのプロトン性極性化合物、またはジメチルスルホキシド(DMSO)、ジエチルスルホキシド、ジ-n-プロピルスルホキシド、ジメチルスルホン、スルホラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、テトラメチルウレア、アセトニトリルもしくはそれらの誘導体などの非プロトン性極性化合物からなる群より選択することができる。これらの化合物を、pH限界に関する条件で添加する。本発明の組成物を、脊椎動物に投与することができる。本明細書で用いられる「脊椎動物」は、当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有することが意図される。具体的には、「脊椎動物」は、哺乳動物、およびより具体的には、ヒトを包含する。
【0081】
用語「投与される」とは、治療上有効量の上記組成物の投与を意味する。「治療上有効量」とは、投与された場合に効果をもたらす量を意味し、好ましくは、この効果は皮膚微生物による足臭の生成の防止である。正確な用量は、治療の目的に依存するであろうし、公知の技術を用いて当業者によって確認可能であろう。当業界で公知であり、上記のように、全身対局所化送達、年齢、体重、一般的な健康、性別、食事、投与時間、薬剤相互作用および症状の重篤度に関する調整が必要であり、当業者による日常的な実験を用いて確認可能であろう。
【0082】
前記方法は、ヒト治療に対して適用可能である。所望の治療活性を有する本明細書に記載の化合物を、本明細書に記載のように、患者に対して生理的に許容し得る担体中で投与することができる。投与の様式に応じて、前記化合物を、以下に考察される様々な方法で製剤化することができる。製剤中の治療上活性な化合物の濃度は、約0.01〜100重量%で変化してもよい。前記薬剤を単独で投与するか、または他の治療剤と組合わせて投与することができる。
【0083】
医薬組成物の投与を、様々な方法で行うことができる。好ましい投与経路は、局所経路である。
【0084】
主治医および臨床因子であれば、投薬計画を決定することができる。医学界ではよく知られるように、任意の1人の患者のための投薬は、患者の大きさ、体表面積、年齢、投与される特定の化合物、性別、投与時間および投与経路、一般的な健康、および同時に投与される他の薬剤などの多くの因子に依存する。典型的な用量は、例えば、0.001〜1000μgの範囲にある;しかしながら、特に上記の因子を考慮すれば、この例示的な範囲の下または上の用量も想定される。
【0085】
前記用量を、好ましくは、週に1回、より好ましくは、週に2回、3回、4回、5回もしくは6回、および最も好ましくは、毎日、およびさらにより好ましくは、1日2回以上与える。しかしながら、治療の進行の間に、前記用量をさらに長い時間間隔で与えてもよく、必要に応じて、より短い時間間隔で、例えば、1日数回与えてもよい。好ましい事例においては、本明細書に記載の方法および当業者には公知のさらなる方法を用いて免疫応答をモニターし、用量を、例えば、時間、量および/または組成において最適化する。定期的評価により、進行をモニターすることができる。また、前記医薬組成物を、同時治療手法で用いる、すなわち、他の医薬品もしくは薬剤、例えば、皮膚微生物による足臭の生成を防止するための他の薬剤と共に同時投与することも想定される。
【0086】
本発明の化粧品または医薬組成物の局所投与は、所望の治療が局所投与によって容易に近接可能な領域または器官を含む場合に有用である。皮膚への局所適用のためには、前記医薬組成物をデオドラントもしくはスプレー(ポンプ式スプレーもしくはエアロゾル)の形態で、またはペースト、軟膏、ローション、クリーム、ゲルもしくは経皮パッチを用いて製剤化するのが好ましい。化粧品または医薬調製物はまた、使用の領域に応じて、気泡、ゲルスプレー、ムース、懸濁液または粉末の形態にあってもよい。
【0087】
また、前記化粧品または医薬組成物を、スプレー(ポンプ式スプレーまたはエアロゾル)の形態で製剤化することもできる。本発明に従うエアロゾルのための好適な推進剤は、慣用的な推進剤、例えば、プロパン、ブタン、ペンタンなどである。
【0088】
あるいは、前記化粧品または医薬組成物を、担体中に懸濁した活性成分を含む好適なペーストと共に製剤化することもできる。そのような担体としては、限定されるものではないが、石油、柔白色パラフィン、黄色ワセリンおよびグリセロールが挙げられる。
【0089】
前記化粧品または医薬組成物を、担体中に懸濁または溶解した活性成分を含む好適な軟膏と共に製剤化することもできる。そのような担体としては、限定されるものではないが、グリセロール、鉱物油、液体油、液体石油、白石油、黄色ワセリン、プロピレングリコール、アルコール、トリグリセリド、セチルエステルなどの脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン化合物、白蝋および黄色蜜蝋などの蝋、セチルアルコール、ステアリルアルコールおよびセチルステアリルアルコールなどの脂肪酸アルコール、ステアリン酸などの脂肪酸、ステアリン酸セチル、ラノリン、水酸化マグネシウム、カオリンおよび水のうちの1種以上が挙げられる。あるいは、前記化粧品または医薬組成物を、担体中に懸濁または溶解した活性成分を含む好適なローションまたはクリームと共に製剤化することもできる。そのような担体としては、限定されるものではないが、パラフィンなどの鉱物油、ヒマシ油、ヒマシ種子油および水素化ヒマシ油などの植物油、ソルビタンモノステアレート、ポリソルバット、セチルエステルなどの脂肪酸エステル、蝋、セチルアルコール、ステアリルアルコール、2-オクチルドデカノールなどの脂肪酸アルコール、ベンジルアルコール、アルコール、トリグリセリドおよび水のうちの1種以上が挙げられる。
【0090】
あるいは、前記化粧品または医薬組成物を、担体中に懸濁または溶解した活性成分を含む好適なゲルと共に製剤化することもできる。そのような担体としては、限定されるものではないが、水、グリセロール、プロピレングリコール、液体パラフィン、ポリエチレン、脂肪油、セルロース誘導体、ベントナイトおよびコロイド状二酸化ケイ素のうちの1種以上が挙げられる。
【0091】
本発明に係る調製物は、一般的には、さらなる補助剤を含んでもよく、そのような調製物において慣用的に用いられる補助剤としては、例えば、保存剤、香料、消泡剤、染料、色素、濃縮剤、界面活性物質、乳化剤、皮膚軟化剤、表面処理剤、脂肪、油、蝋または化粧品もしくは皮膚科用製剤の他の慣用的な構成成分、例えば、アルコール、ポリオール、ポリマー、気泡安定化剤、溶解促進剤、電解質、有機酸、有機溶媒、またはシリコン誘導体が挙げられる。
【0092】
本発明に係る化粧品または医薬組成物は、皮膚軟化剤を含んでもよい。皮膚軟化剤を、乾燥を防止するか、または軽減するのに有効な量で用いることができる。有用な皮膚軟化剤としては、限定されるものではないが、炭化水素油および蝋;シリコン油;トリグリセリドエステル;アセトグリセリドエステル;エトキシ化グリセリド;アルキルエステル;アルケニルエステル;脂肪酸;脂肪アルコール;脂肪アルコールエーテル;エーテルエステル;ラノリンおよび誘導体;多価アルコール(ポリオール)およびポリエーテル誘導体;多価アルコール(ポリオール)エステル;蝋エステル;蜜蝋誘導体;植物蝋;リン脂質;ステロール;ならびにアミドが挙げられる。
【0093】
かくして、例えば、典型的な皮膚軟化剤は、鉱物油、特に、50〜500 SUSの範囲の粘度を有する鉱物油、ラノリン油、ミンク油、ココナッツ油、ココアバター、オリーブ油、アーモンド油、マカデミアナッツ油、アロエ抽出物、ホホバ油、サフラワー油、コーン油;液体ラノリン;綿実油、ピーナッツ油、ピュアセリン油、ペルヒドロスクアレン(スクアレン)、ヒマシ油、ポリブテン、無臭石油スピリット、スイートアーモンド油、アボカド油、カロフィルム油、リシン油、酢酸ビタミンE、オリーブ油、石油スピリット、セテアリルアルコール(主にセチルおよびステアリルアルコールからなる脂肪アルコールの混合物)、リノレン酸アルコール、オレイルアルコール、オクチルドデカノール、小麦胚種油などの穀物胚種油、セテアリルオクタノエート(セテアリルアルコールと2-エチルヘキサノン酸のエステル)、パルミチン酸セチル、アジピン酸ジイソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸ヘキサデシル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸オクチル、オクチルヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸プロピレングリコール、ステアリン酸ブチル、オレイン酸デシル、オレイン酸グリセリル、アセチルグリセリド、(C12-C15)アルコールのオクタン酸エステルおよび安息香酸エステル、グリコールおよびグリセロールのものなどのアルコールおよびポリアルコールのオクタン酸エステルおよびデカン酸エステル、ならびにアジピン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、ドデカノン酸オクチル、ジメチコンコポリオール、ジメチコノール、ラノリン、ラノリンアルコール、ラノリン蝋、水素化ラノリン、ヒドロキシル化ラノリン、アセチル化ラノリン、石油、ラノリン酸イソプロピル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸グリセリル、ミリスチン酸ミリスチル、乳酸ミリスチル、セチルアルコール、イソステアリルアルコール、ステアリルアルコール、およびラノリン酸イソセチルなどのアルコールおよびポリアルコールのリシンオレアートなどが挙げられる。
【0094】
さらに、本発明に係る化粧品または医薬組成物は、乳化剤を含んでもよい。乳化剤(すなわち、乳化させる薬剤)を、組成物の成分の均一な混合を提供するのに有効な量で用いるのが好ましい。有用な乳化剤としては、(i)脂肪酸石鹸などの陰イオン、例えば、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸アンモニウム、およびステアリン酸トリエタノールアミン;脂肪酸石鹸を含むポリオール脂肪酸モノエステル、例えば、カリウム塩もしくはナトリウム塩を含むモノステアリン酸グリセロール;ならびに硫酸エステルを含むポリオール脂肪酸モノエステル、例えば、ラウリル硫酸ナトリウムを含むモノステアリン酸グリセリル;(ii)N(ステアロイルコラミノホルミルメチル)ピリジウムなどの陽イオン塩化物;N-ソーヤ-N-エチルモルホリニウムエトサルフェート;アルキルジメチルベンジル塩化アンモニウム;字イソブチルフェノキシテオキシエチルジメチルベンジル塩化アンモニウム;および塩化セチルピリジウム;ならびに(iii)ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテルなどの陰イオン、例えば、モノステアレート;ポリオキシエチレンラウリルアルコール;ポリオキシプロピレン脂肪アルコールエーテル、例えば、プロポキシ化オレイルアルコール;ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート;ソルビタン脂肪酸エステル、例えば、ソルビタン;ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル、例えば、ポリオキシエチレングリコールモノステアレート;ならびにポリオール脂肪酸エステル、例えば、モノステアリン酸グリセロールおよびモノステアリン酸プロピレングリコール;ならびにエトキシ化ラノリン誘導体、例えば、エトキシ化ラノリン、エトキシ化ラノリンアルコールおよびエトキシ化コレステロールが挙げられる。乳化剤の選択は、Schrader, Grundlagen und Rezepturen der Kosmetika, Huthig Buch Verlag, Heidelberg、第2版、1989, 第3部に例示的に記載されている。
【0095】
また、本発明に係る化粧品または医薬組成物は、界面活性剤を含んでもよい。好適な界面活性剤としては、例えば、洗浄剤、乳化剤、気泡追加剤、ハイドロトロープ剤、可溶化剤、懸濁剤および非界面活性剤(液体中での固体の分散を容易にする)として一般的にグループ化される界面活性剤が挙げられる。
【0096】
界面活性剤は、通常、両性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤および非イオン性界面活性剤として分類される。両性界面活性剤としては、アシルアミノ酸および誘導体およびN-アルキルアミノ酸が挙げられる。陰イオン性界面活性剤としては、アシルアミノ酸および塩、例えば、アシルグルタミン酸、アシルペプチド、アシルサルコシネート、およびアシルタウレート;カルボン酸および塩、例えば、アルカノン酸、エステルカルボン酸、およびエーテルカルボン酸;スルホン酸および塩、例えば、イセチオン酸アシル、スルホン酸アルキルアリール、スルホン酸アルキル、およびスルホスクシネート;硫酸エステル、例えば、硫酸アルキルエーテルおよび硫酸アルキルが挙げられる。陽イオン性界面活性剤としては、アルキルアミン、アルキルイミダゾリン、エトキシ化アミン、および第4級塩(例えば、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルベタイン、ヘテロ環アンモニウム塩、およびテトラアルキルアンモニウム塩)が挙げられる。非イオン性界面活性剤としては、アルコール、例えば、8〜18個の炭素原子を含む一次アルコール;アルカノールアミド、例えば、アルカノールアミン誘導アミドおよびエトキシ化アミド;アミン酸化物;エステル、例えば、エトキシ化カルボン酸、エトキシ化グリセリド、グリコールエステルおよび誘導体、モノグリセリド、ポリグリセリルエステル、多価アルコールエステルおよびエーテル、ソルビタン/ソルビトールエステル、およびリン酸のトリエステル;ならびにエーテル、例えば、エトキシ化アルコール、エトキシ化ラノリン、エトキシ化ポリシロキサン、およびプロポキシ化ポリオキシエチレンエーテルが挙げられる。
【0097】
さらに、本発明に係る化粧品または医薬組成物は、フィルム形成剤を含んでもよい。本発明に従って用いられる好適なフィルム形成剤は、前記組成物を平滑なまま維持し、さらに、限定されるものではないが、アクリルアミド/アクリル酸ナトリウムコポリマー;アクリル酸アンモニウムコポリマー;ペルーバルサム;セルロースゴム;エチレン/マレイン酸無水物コポリマー;ヒドロキシエチルセルロース;ヒドロキシプロピルセルロース;ポリアクリルアミド;ポリエチレン;ポリビニルアルコール;pvm/MAコポリマー(ポリビニルメチルエーテル/マレイン酸無水物);PVP(ポリビニルピロリドン);Gulf Science and Technologyから入手可能なPA-18などのマレイン酸無水物コポリマー;GAF Corporationから入手可能なGanex V-216などのPVP/ヘキサデセンコポリマー;アクリルイクラクリレートコポリマーなどが挙げられる。
【0098】
一般的には、フィルム形成剤を、全組成物の約0.1重量%〜約10重量%の量で用いるのことができるが、約1%〜約8%が好ましく、約0.1 DEG/O〜約5%が最も好ましい。また、保湿剤を有効な量で用いることができ、フルクトース;グルコース;グルタミン酸;グリセリン;蜂蜜;マルチトール;メチルグルセス-10;メチルグルセス-20;プロピレングリコール;乳酸ナトリウム;スクロースなどが挙げられる。
【0099】
勿論、本発明の化粧品または医薬組成物は、保存剤を含んでもよい。本発明の特定の組成物に従う保存剤としては、限定されるものではないが、ブチルパラベン;エチルパラベン;イミダゾリジニルウレア;メチルパラベン;O-フェニルフェノール;プロピルパラベン;クアテルニウム-14;クアテルニウム-15;デヒドロ酢酸ナトリウム;亜鉛ピリチオンなどが挙げられる。
【0100】
保存剤を、微生物の増殖を防止するか、または遅延させるのに有効な量で用いる。一般的には、保存剤を、全組成物の約0.1重量%〜約1重量%の量で用いるが、約0.1%〜約0.8%が好ましく、約0.1%〜約0.5%が最も好ましい。
【0101】
本発明に係る化粧品または医薬組成物は、香料を含んでもよい。当業者にはよく知られた香料(芳香成分)および着色料(着色剤)を、本発明の組成物にとって望ましい芳香および色を得るのに有効な量で用いることができる。
【0102】
さらに、本発明の化粧品または医薬組成物は、蝋を含んでもよい。本発明に従って有用である好適な蝋としては、動物蝋、例えば、蜜蝋、鯨蝋、もしくは羊毛脂(ラノリン);植物蝋、例えば、カルナバもしくはカンデリラ;鉱物油、例えば、モンタン蝋もしくはオゾケライト;および石油蝋、例えば、パラフィン蝋および微結晶蝋(高分子量石油蝋)が挙げられる。動物蝋、植物蝋、およびいくつかの鉱物蝋は、主に高分子量脂肪アルコールと、高分子量脂肪酸とのエステルである。例えば、トリコンタノールのヘキサデカノイン酸エステルが、蜜蝋の主要成分であると一般的に報告されている。本発明に従う他の好適な蝋としては、ポリエチレンポリオキシエチレンなどの合成蝋および一酸化炭素および水素から誘導された炭化水素蝋が挙げられる。
【0103】
また、代表的な蝋としては、セロシン;セチルエステル;水素化ホホバ油;水素化ホホバ蝋;水素化米ぬか蝋;日本蝋;ホホババター;ホホバ油;ホホバ蝋;ムンク蝋;モンタン酸蝋;オウリキュリーワックス;米ぬか蝋;セラック蝋;硫酸化ホホバ油;合成蜜蝋;合成ホホバ油;トリヒドロキシステアリン;セチルアルコール;ステアリルアルコール;ココアバター;それぞれ、商標Syncrowax HRCおよびSyncrowax HGL-Cの下でCroda, Inc., New York, N.Y.から入手可能な、ラノリンの脂肪酸;25℃で固体であるモノ-、ジ-および25トリグリセリド、例えば、トリベヘン酸グリセロール(ベヘン酸とグリセリンのトリエステル)およびC1g-C36酸トリグリセリド(C1g-C36カルボン酸とグリセリンのトリエステルの混合物);25℃で固体である脂肪エステル;メチルオクタデカンオキシポリシロキサンおよびポリ(ジメチルシロキシ)ステアロキシシロキサンなどのシリコン蝋;ステアリルモノ-およびジ-エタノールアミド;グリコールおよびグリセロールのアビエチン酸エステルなどのロジンおよびその誘導体;25℃で固体である水素化油;ならびにスクログリセリドが挙げられる。水性系において有効な量で用いることができる濃縮剤(粘度制御剤)としては、アルギン;カルボマー934、934P、940および941などのカルボマー;セルロースゴム;セテアリルアルコール、コカミドDEA、デキストリン;ゼラチン;ヒドロキシエチルセルロース;ヒドロキシプロピルセルロース;ヒドロキシプロピルメチルセルロース;ケイ酸マグネシウムアルミニウム;ミリスチルアルコール;オート麦;オレアミドDEA;オレイルアルコール;PEG-7M;PEG-14M;PEG-9OM;ステアラミドDEA;ステアラミドMEA;ステアリルアルコール;トラガカントゴム;小麦デンプン;キサンタンゴムなどが挙げられる。濃縮剤の上記一覧のうち、DEAはジエタノールアミンであり、MEAはモノエタノールアミンである。非水性系において有効な量で用いることができる濃縮剤(粘度制御剤)としては、ステアリン酸アルミニウム;蜜蝋;カンデリア蝋;カルナバ;セレシン;セテアリルアルコール;セチルアルコール;コレステロール;ケイ酸;水素化ヒマシ油;水素化綿実油;水素化大豆油;水素化獣脂グリセリド;水素化植物油;ヒドロキシプロピルセルロース;ラノリンアルコール;ミリスチルアルコール;オクチルドデシルステアロイル硫酸;オレイルアルコール;オゾケライト;微結晶蝋;パラフィン、ペンタエリスリチルテトラオクタノン酸;ポリアクリルアミド;ポリブテン;ポリエチレン;プロピレングリコールジカピレート;プロピレングリコールジペラルゴナート;ステアラルコニウムヘクトライト;ステアリルアルコール;ステアリルステアレート;合成蜜蝋;トリヒドロキシステアリン;トリリノレイン;トリステアリン;ステアリン酸亜鉛などが挙げられる。
【0104】
製剤中の慣用的な天然および合成の濃縮剤またはゲル形成剤は、架橋されたポリアクリル酸およびその誘導体、ポリサッカリド、例えば、キサンタンゴムもしくはアルギナート、カルボキシメチルセルロースもしくはヒドロキシカルボキシメチルセルロース、ヒドロコロイド、例えば、アラビアゴムまたはモンモリロナイト鉱物、例えば、ベントナイトまたは脂肪アルコール、ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドンである。
【0105】
その意図される使用にとって有効な量で本発明に係る化粧品または医薬組成物に添加するか、または使用することができる他の成分としては、アミノ酸、タンパク質、バニラ、アロエ抽出物、バイオフラビノイドなどのパフォーマンスまたは消費者へのアピールを増強するための生物学的添加物;緩衝剤;乳化安定剤;pH調整剤;乳白剤;ならびにブタンカーボンクリオキシド、エタン、ヒドロクロロフルオロカーボン22および142b、ヒドロフルオロカーボン152a、イソブタン、イソペンタン、窒素、酸化窒素、ペンタン、プロパンなどの推進剤が挙げられる。
【0106】
さらに、本発明に係る調製物はまた、その作用を補給するか、または増強するための、酸化防止作用、フリーラジカルスカベンジャー作用、皮膚湿潤作用もしくは保湿作用、紅斑防止作用、抗炎症作用または抗アレルギー作用を有する化合物を含んでもよい。特に、これらの化合物を、ビタミン、植物抽出物、α-およびβ-ヒドロキシ酸、セラミド、抗炎症物質、抗微生物物質またはUV濾過物質、ならびにその誘導体およびその混合物の群から選択することができる。有利には、本発明に係る調製物は、UV-Bおよび/またはUV-A領域においてUV照射を吸収する物質を含んでもよい。有利には、脂質相を、鉱物油、鉱物蝋、分枝状および/もしくは非分枝状炭化水素および炭化水素蝋、飽和および/もしくは不飽和の、分枝状および/もしくは非分枝状C8-C24アルカンカルボン酸の物質群から選択する;それらを、合成、半合成または天然の油、例えば、オリーブ油、ヤシ油、アーモンド油もしくは混合物;芳香族カルボン酸および飽和および/もしくは不飽和の分枝状および/もしくは非分枝状C3-C30アルコールに由来する、飽和および/もしくは不飽和の分枝状および/もしくは非分枝状C3-C30アルカンカルボン酸ならびに飽和および/もしくは不飽和の分枝状および/もしくは非分枝状C3-C30アルコールの油、脂肪または蝋、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸ヘキシルデシル、オレイン酸オレイル;ならびにまた、そのようなエステルの合成、半合成および天然の混合物、例えば、ホホバ油、安息香酸アルキルまたはシリコン油、例えば、シクロメチコン、ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、オクタメチルシクロ-テトラシロキサンおよびその混合物もしくはジアルキルエーテルから選択することができる。
【0107】
本発明に係る活性成分を、例えば、皮膚の洗浄のための化粧品組成物、例えば、棒石鹸、トイレ用石鹸、カード石鹸、透明石鹸、高級石鹸、脱臭石鹸、クリーム石鹸、ベビー用石鹸、皮膚保護石鹸、研磨剤、合成洗剤、液体石鹸、ペースト状石鹸、軟石鹸、洗浄用ペースト、液体洗浄剤、シャワー用および風呂用調製物、例えば、洗浄ローション、シャワー用調製物、シャワー用ゲル、泡風呂、クリーム泡風呂、油風呂、風呂抽出物、スクラブ調製物、in-situ製品、髭剃り用フォーム、髭剃り用ローション、髭剃り用クリーム中で用いることができる。さらに、それらは、W/OもしくはO/W皮膚および身体用クリーム、昼間および夜間用クリーム、光保護組成物、日焼け後用製品、多重エマルジョン、ゼリー、マイクロエマルジョン、リポソーム調製物、ナイオソーム調製物、リポゲル、スポーツゲル、保湿用クリーム、漂白用クリーム、ビタミンクリーム、スキンローション、ケアローション、アンプル、プレシェーブ、保湿ローション、セルライトクリーム、脱色用組成物、マッサージ用調製物、ボディーパウダー、デオドラント、制汗剤、虫除け剤などの皮膚化粧品調製物にとって好適である。用語「活性成分」とは、例えば、上記のような、本発明に係る微生物、その突然変異体、派生体、不活性形態、溶解物、画分または抽出物を指す。好ましくは、本明細書の以下に記載の組成物において用いられる用語「活性成分」は、例えば、本明細書で上記された微生物、その突然変異体、派生体、不活性形態、溶解物、画分または抽出物の代用物である。特に指摘しない場合、以下に記載の組成物において用いられる用語「活性成分」とは、例えば、該組成物中の、上記のような、本発明に係る微生物、その突然変異体、派生体、不活性形態、溶解物、画分または抽出物の割合を指す。好ましくは、用語「活性成分」とは、例えば、102〜1013細胞/mlの濃度中の、本明細書で上記で定義されたような、ラクトバチルス種またはロイコノストック種などの本発明に係る微生物を指す。より好ましくは、用語「活性成分」とは、当業者には公知の好適な濃度、例えば、102〜1013細胞/mlの濃度で、0.001%〜99.999%の本発明に係る微生物、例えば、本明細書の上記で定義されたラクトバチルス種またはロイコノストック種を含む溶液、例えば、水性溶液または当業者には公知の任意の他の好適な溶液を指す。さらにより好ましくは、前記用語は、当業者には公知の任意の好適な濃度、例えば、102〜1013細胞/mlの濃度で、0.001%、0.01%、0.1%、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、99.9%、99.99%または99.999%、最も好ましくは、0.001%〜5%の本発明に係る微生物、例えば、本明細書の上記で定義されたようなラクトバチルス種またはロイコノストック種を含む溶液を指す。
【0108】
好ましい実施形態においては、化粧品組成物は、例えば、化粧品成分の国際命名法(INCI)に従う以下の成分(%):
活性成分1%:
A 1.7 セテアレス-6、ステアリルアルコール
0.7 セテアレス-25
2.0 ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート
2.0 PEG-14ジメチコン
3.6 セテアリルアルコール
6.0 エチルヘキシルメトキシシンナメート
2.0 アジピン酸ジブチル
B 5.0 グリセロール
0.2 EDTAジナトリウム
1.0 パンテノール
q.s. 保存剤
68.4 脱塩水(aqua dem.)
C 4.0 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、アクリル酸ナトリウムコポリマー
D 0.2 アスコルビルリン酸ナトリウム
1.0 酢酸トコフェロール
0.2 ビサボロール
1.0 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、アスコルビン酸ナトリウム、トコフェロール、レチノール
1.0 活性成分
E q.s. 水酸化ナトリウム
活性成分5%:
A 1.7 セテアレス-6、ステアリルアルコール
0.7 セテアレス-25
2.0 ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート
2.0 PEG-14ジメチコン
3.6 セテアリルアルコール
6.0 エチルヘキシルメトキシシンナメート
2.0 アジピン酸ジブチル
B 5.0 グリセロール
0.2 EDTAジナトリウム
1.0 パンテノール
q.s. 保存剤
64.4 脱塩水
C 4.0 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、アクリル酸ナトリウムコポリマー
D 0.2 アスコルビルリン酸ナトリウム
1.0 酢酸トコフェロール
0.2 ビサボロール
1.0 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、アスコルビン酸ナトリウム、トコフェロール、レチノール
5.0 活性成分
E q.s. 水酸化ナトリウム
を含んでもよいデイケア用O/W製剤を含む。
【0109】
相AおよびBを別々に約80℃に加熱する。次いで、相Bを相A中で攪拌し、均一化する。相Cを、相Aおよび相Bの混合物中で攪拌し、均一化する。この混合物を、攪拌下で約40℃に冷却する;次いで、相Dを加え、pHを相Eで約6.5に調整する。次いで、この溶液を均一化し、室温まで冷却する。
【0110】
さらに好ましい実施形態においては、化粧品組成物は、例えば、化粧品成分の国際命名法(INCI)に従う以下の成分(%):
活性成分1%:
A 1.7 セテアレス-6、ステアリルアルコール
0.7 セテアレス-25
2.0 ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート
2.0 PEG-14ジメチコン
3.6 セテアリルアルコール
6.0 エチルヘキシルメトキシシンナメート
2.0 アジピン酸ジブチル
B 5.0 グリセロール
0.2 EDTAジナトリウム
1.0 パンテノール
q.s. 保存剤
68.6 脱塩水
C 4.0 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、アクリル酸ナトリウムコポリマー
D 1.0 アスコルビルリン酸ナトリウム
1.0 酢酸トコフェロール
0.2 ビサボロール
1.0 活性成分
E q.s. 水酸化ナトリウム
活性成分5%:
A 1.7 セテアレス-6、ステアリルアルコール
0.7 セテアレス-25
2.0 ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート
2.0 PEG-14ジメチコン
3.6 セテアリルアルコール
6.0 エチルヘキシルメトキシシンナメート
2.0 アジピン酸ジブチル
B 5.0 グリセロール
0.2 EDTAジナトリウム
1.0 パンテノール
q.s. 保存剤
64.6 脱塩水
C 4.0 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、アクリル酸ナトリウムコポリマー
D 1.0 アスコルビルリン酸ナトリウム
1.0 酢酸トコフェロール
0.2 ビサボロール
5.0 活性成分
E q.s. 水酸化ナトリウム
を含んでもよい保護用デイクリームO/W製剤を含む。
【0111】
相AおよびBを別々に約80℃に加熱する。次いで、相Bを相A中で攪拌し、均一化する。相Cを、相Aおよび相Bの混合物中で攪拌し、均一化する。この混合物を、攪拌下で約40℃に冷却する;次いで、相Dを加え、pHを相Eで約6.5に調整する。次いで、この溶液を均一化し、室温まで冷却する。
【0112】
さらに好ましい実施形態においては、化粧品組成物は、例えば、化粧品成分の国際命名法(INCI)に従う以下の成分(%):
活性成分1%:
A 10.0 セテアリルエチルヘキサノエート
10.0 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド
1.5 シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン
2.0 PEG-40水素化ヒマシ油
B 3.5 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、アクリル酸ナトリウムコポリマー
C 1.0 酢酸トコフェロール
0.2 ビサボロール
q.s. 保存剤
q.s. 香料油
D 3.0 ポリクアテルニウム-44
0.5 ココトリモニウムメトスルフェート
0.5 セテアレス-25
2.0 パンテノール、プロピレングリコール
4.0 プロピレングリコール
0.1 EDTAジナトリウム
1.0 活性成分
60.7 脱塩水
活性成分5%:
A 10.0 セテアリルエチルヘキサノエート
10.0 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド
1.5 シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン
2.0 PEG-40水素化ヒマシ油
B 3.5 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、アクリル酸ナトリウムコポリマー
C 1.0 酢酸トコフェロール
0.2 ビサボロール
q.s. 保存剤
q.s. 香料油
D 3.0 ポリクアテルニウム-44
0.5 ココトリモニウムメトスルフェート
0.5 セテアレス-25
2.0 パンテノール、プロピレングリコール
4.0 プロピレングリコール
0.1 EDTAジナトリウム
5.0 活性成分
56.7 脱塩水
を含んでもよい皮膚洗浄用O/W製剤を含む。
【0113】
最初に、相Aを溶解した後、相Bを相A中で攪拌する。次いで、相Cを相AおよびBの混合物中に導入する。次の工程において、相Dを溶解し、合わせた相A、BおよびC中で攪拌する。この混合物を均一化し、15分間攪拌する。
【0114】
さらに好ましい実施形態においては、化粧品組成物は、例えば、化粧品成分の国際命名法(INCI)に従う以下の成分(%):
活性成分1%:
A 3.0 エチルヘキシルメトキシシンナメート
2.0 ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート
1.0 ポリクアテルニウム-44
3.0 プロピレングリコール
2.0 パンテノール、プロピレングリコール
1.0 シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン
10.0 オクチルドデカノール
0.5 PVP
10.0 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド
3.0 C12-C15アルキルベンゾエート
3.0 グリセロール
1.0 酢酸トコフェロール
0.3 ビサボロール
1.0 活性成分
59.2 アルコール
活性成分5%:
A 3.0 エチルヘキシルメトキシシンナメート
2.0 ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート
1.0 ポリクアテルニウム-44
3.0 プロピレングリコール
2.0 パンテノール、プロピレングリコール
1.0 シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン
10.0 オクチルドデカノール
0.5 PVP
10.0 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド
3.0 C12-C15アルキルベンゾエート
3.0 グリセロール
1.0 酢酸トコフェロール
0.3 ビサボロール
5.0 活性成分
55.2 アルコール
を含んでもよいデイリーケアボディスプレー製剤を含む。
【0115】
相Aの成分を計り、消失するまで溶解する。
【0116】
さらに好ましい実施形態においては、化粧品組成物は、例えば、化粧品成分の国際命名法(INCI)に従う以下の成分(%):
活性成分1%:
A 3.6 PEG-40水素化ヒマシ油
15.0 アルコール
0.1 ビサボロール
0.5 酢酸トコフェロール
q.s. 香料油
B 3.0 パンテノール
0.6 カルボマー
1.0 活性成分
75.4 脱塩水
C 0.8 トリエタノールアミン
活性成分5%:
A 3.6 PEG-40水素化ヒマシ油
15.0 アルコール
0.1 ビサボロール
0.5 酢酸トコフェロール
q.s. 香料油
B 3.0 パンテノール
0.6 カルボマー
5.0 活性成分
71.4 脱塩水
C 0.8 トリエタノールアミン
を含んでもよい皮膚用ゲルを含む。
【0117】
最初に、消失するまで相Aを溶解する。相Bを温浸した後、相Cで中和する。次の工程において、相Aを均一化された相B中で攪拌し、混合物を均一化する。
【0118】
さらに好ましい実施形態においては、化粧品組成物は、例えば、化粧品成分の国際命名法(INCI)に従う以下の成分(%):
活性成分1%:
A 10.0 セテアリルエチルヘキサノエート
5.0 酢酸トコフェロール
1.0 ビサボロール
0.1 香料油
0.3 アクリル酸/c10-30アルキルアクリレート架橋ポリマー
B 15.0 アルコール
1.0 パンテノール
3.0 グリセロール
1.0 活性成分
0.1 トリエタノールアミン
63.5 脱塩水
活性成分5%:
A 10.0 セテアリルエチルヘキサノエート
5.0 酢酸トコフェロール
1.0 ビサボロール
0.1 香料油
0.3 アクリル酸/c10-30アルキルアクリレート架橋ポリマー
B 15.0 アルコール
1.0 パンテノール
3.0 グリセロール
5.0 活性成分
0.1 トリエタノールアミン
59.5 脱塩水
を含んでもよいアフターシェーブローションを含む。
【0119】
相Aの成分を混合する。次の工程において、相Bを溶解し、相A中に導入した後、均一化する。
【0120】
さらに好ましい実施形態においては、化粧品組成物は、例えば、化粧品成分の国際命名法(INCI)に従う以下の成分(%):
活性成分1%:
A 0.40 ヒドロキシエチルセルロース
50.0 脱塩水
B 25.0 アルコール
0.1 ビサボロール
0.3 ファルネソール
2.0 PEG-40水素化ヒマシ油、q.s.香料油
C 3.0 ジプロピレングリコール
3.0 PEG-14ジメチコン
3.0 ポリクアテルニウム-16
8.2 脱塩水
D 1.0 活性成分
活性成分5%:
A 0.40 ヒドロキシエチルセルロース
46.0 脱塩水
B 25.0 アルコール
0.1 ビサボロール
0.3 ファルネソール
2.0 PEG-40水素化ヒマシ油、q.s.香料油
C 3.0 ジプロピレングリコール
3.0 PEG-14ジメチコン
3.0 ポリクアテルニウム-16
8.2 脱塩水
D 5.0 活性成分
を含んでもよい蒸発防止ロールオンを含む。
【0121】
相Aを膨らませ、相BおよびCを独立に可溶化する。次いで、相BおよびAを、相C中で攪拌する。最後に、相Dを添加する。
【0122】
さらに好ましい実施形態においては、化粧品組成物は、例えば、化粧品成分の国際命名法(INCI)に従う以下の成分(%):
活性成分1%:
A 3.0 セテアレス-25
3.0 PEG-40水素化ヒマシ油
0.2 ビサボロールrac.
1.0 酢酸トコフェロール
3.0 香料油
5.0 ステアリン酸ナトリウム
15.0 グリセロール87%
60.0 プロピレングリコール
9.3 脱塩水
B 1.0 活性成分
活性成分5%:
A 3.0 セテアレス-25
3.0 PEG-40水素化ヒマシ油
0.2 ビサボロールrac.
1.0 酢酸トコフェロール
3.0 香料油
5.0 ステアリン酸ナトリウム
15.0 グリセロール87%
60.0 プロピレングリコール
5.3 脱塩水
B 5.0 活性成分
を含んでもよい透明スティックデオドラントを含む。
【0123】
相Aの成分を計り、融解させる。次いで、相Bを添加する。
【0124】
さらに好ましい実施形態においては、化粧品組成物は、例えば、化粧品成分の国際命名法(INCI)に従う以下の成分(%):
活性成分1%:
A 3.0 PEG-40水素化ヒマシ油
0.2 フィタントリオール
0.5 香料油
40.0 アルコール
B 53.49 脱塩水
2.0 プロピレングリコール
0.5 パンテノール
0.01 BHT
C 1.0 活性成分
活性成分5%:
A 3.0 PEG-40水素化ヒマシ油
0.2 フィタントリオール
0.5 香料油
40.0 アルコール
B 49.49 脱塩水
2.0 プロピレングリコール
0.5 パンテノール
0.01 BHT
C 5.0 活性成分
を含んでもよい蒸発防止スプレーを含む。
【0125】
相Aを可溶化する。次の工程において、相Bの成分を連続的に添加する。最後に、相Cを添加する。
【0126】
さらに好ましい実施形態においては、化粧品組成物は、例えば、化粧品成分の国際命名法(INCI)に従う以下の成分(%):
活性成分1%:
A 26.0 ステアリルアルコール
60.0 シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン
5.0 PEG-40水素化ヒマシ油
2.5 パルミチン酸イソプロピル
B 1.44 香料油
0.05 BHT
C 1.0 活性成分
活性成分5%:
A 26.0 ステアリルアルコール
56.0 シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン
5.0 PEG-40水素化ヒマシ油
2.5 パルミチン酸イソプロピル
B 1.44 香料油
0.05 BHT
C 5.0 活性成分
を含んでもよいスティックデオドラントを含む。
【0127】
相Aの成分を計り、融解させる。次いで、相Aを、攪拌しながら約50℃に冷却する。相BおよびCの成分を均一化し、連続的に添加する。
【0128】
さらに好ましい実施形態においては、化粧品組成物は、例えば、化粧品成分の国際命名法(INCI)に従う以下の成分(%):
活性成分1%:
A 0.40 ヒドロキシエチルセルロース
50.0 脱塩水
B 2.0 PEG-40水素化ヒマシ油
0.1 ビサボロール
0.3 ファルネソール
0.5 香料油
7.6 脱塩水
25.0 アルコール
C 3.0 プロピレングリコール
3.0 PEG-14デメチコン
3.0 ポリクアテルニウム-16
0.1 アラントイン
D 1.0 活性成分
活性成分5%:
A 0.40 ヒドロキシエチルセルロース
46.0 脱塩水
B 2.0 PEG-40水素化ヒマシ油
0.1 ビサボロール
0.3 ファルネソール
0.5 香料油
7.6 脱塩水
25.0 アルコール
C 3.0 プロピレングリコール
3.0 PEG-14デメチコン
3.0 ポリクアテルニウム-16
0.1 アラントイン
D 5.0 活性成分
を含んでもよい透明デオロールオンを含む。
【0129】
相Aを膨らませ、相Bを可溶化する。次いで、相Cを添加し、攪拌する。最後に、相B、CおよびDを、相A中で攪拌する。
【0130】
さらに好ましい実施形態においては、化粧品組成物は、例えば、化粧品成分の国際命名法(INCI)に従う以下の成分(%):
活性成分1%:
A 1.5 セテアレス-6、ステアリルアルコール
2.0 セテアレス-25
5.0 PEG-40水素化ヒマシ油
1.5 ステアリン酸グリセリル
1.0 セテアリルアルコール
0.5 ユーセリナム・アンヒドリカム
0.2 フィタントリオール
1.0 パルミチン酸セチル
5.0 ジカプリリルエーテル
0.3 ファルネソール
B q.s. 保存剤
72.0 脱塩水
C q.s. 香料油
D 1.0 活性成分
活性成分5%:
A 1.5 セテアレス-6、ステアリルアルコール
2.0 セテアレス-25
5.0 PEG-40水素化ヒマシ油
1.5 ステアリン酸グリセリル
1.0 セテアリルアルコール
0.5 ユーセリナム・アンヒドリカム
0.2 フィタントリオール
1.0 パルミチン酸セチル
5.0 ジカプリリルエーテル
0.3 ファルネソール
B q.s. 保存剤
68.0 脱塩水
C q.s. 香料油
D 5.0 活性成分
を含んでもよい乳液を含む。
【0131】
相AおよびBを別々に約80℃に加熱する。相Bを相A中で攪拌し、3分間均一化する。次いで、この混合物を40℃に冷却し、相CおよびDを添加する。最後に、混合物を攪拌し、室温まで冷却する。
【0132】
さらに好ましい実施形態においては、化粧品組成物は、例えば、化粧品成分の国際命名法(INCI)に従う以下の成分(%):
活性成分1%:
A 5.0 PEG-40水素化ヒマシ油
0.3 PEG-7水素化ヒマシ油
1.0 ステアリン酸グリセリル
1.0 セテアリルアルコール
5.0 シクロペンタシロキサン
0.5 ユーセリナム・アンヒドリカム
0.2 フィタントリオール
5.0 ジカプリリルエーテル
0.3 ファルネソール
B q.s. 保存剤
76.7 脱塩水
C q.s. 香料油
D 1.0 活性成分
活性成分5%:
A 5.0 PEG-40水素化ヒマシ油
0.3 PEG-7水素化ヒマシ油
1.0 ステアリン酸グリセリル
1.0 セテアリルアルコール
6.0 シクロペンタシロキサン
0.5 ユーセリナム・アンヒドリカム
0.2 フィタントリオール
5.0 ジカプリリルエーテル
0.3 ファルネソール
B q.s. 保存剤
72.7 脱塩水
C q.s. 香料油
D 5.0 活性成分
を含んでもよいデオポンプスプレーを含む。
【0133】
相AおよびBを別々に約80℃に加熱する。相Bを均一化し、相AおよびC中で攪拌する。次いで、混合物を40℃に冷却し、相Dを添加する。最後に、混合物を攪拌し、室温まで冷却する。
【0134】
さらに好ましい実施形態においては、化粧品組成物は、例えば、化粧品成分の国際命名法(INCI)に従う以下の成分(%):
活性成分1%:
A 1.5 セテアレス-6、ステアリルアルコール
1.5 セテアレス-25
2.0 PEG-40水素化ヒマシ油
2.0 ステアリン酸グリセリル
2.0 セテアリルアルコール
2.0 セチルアルコール
2.0 水素化ココグリセリド
8.0 オレイン酸デシル
0.5 PEG-14デメチコン
0.3 ファルネソール
B q.s. 保存剤
75.2 脱塩水
C q.s. 香料油
D 1.0 活性成分
活性成分5%:
A 1.5 セテアレス-6、ステアリルアルコール
1.5 セテアレス-25
2.0 PEG-40水素化ヒマシ油
2.0 ステアリン酸グリセリル
2.0 セテアリルアルコール
2.0 セチルアルコール
2.0 水素化ココグリセリド
8.0 オレイン酸デシル
0.5 PEG-14デメチコン
0.3 ファルネソール
B q.s. 保存剤
71.2 脱塩水
C q.s. 香料油
D 5.0 活性成分
を含んでもよいデオローションを含む。
【0135】
相AおよびBを、別々に約80℃に加熱する。相Bを均一化し、相A中で攪拌する。次いで、混合物を40℃に冷却し、相CおよびDを添加する。最後に、混合物を攪拌し、室温まで冷却する。
【0136】
さらに好ましい実施形態においては、化粧品組成物は、例えば、化粧品成分の国際命名法(INCI)に従う以下の成分(%):
活性成分1%:
A 2.0 セテアレス-6、ステアリルアルコール
2.0 セテアレス-25
4.0 セテアリルエチルヘキサノエート
2.0 セテアリルアルコール
2.0 水素化ココグリセリド
1.0 ステアリン酸グリセリル
1.0 鉱油
0.5 ジメチコン
0.2 ビサボロール
B 2.0 パンテノール、プロピレングリコール
2.0 プロピレングリコール
q.s. 保存剤
78.9 脱塩水
C 1.2 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、アクリル酸ナトリウムコポリマー
D 0.2 トコフェロール
q.s. 香料油
E 1.0 活性成分
活性成分5%:
A 2.0 セテアレス-6、ステアリルアルコール
2.0 セテアレス-25
4.0 セテアリルエチルヘキサノエート
2.0 セテアリルアルコール
2.0 水素化ココグリセリド
1.0 ステアリン酸グリセリル
1.0 鉱油
0.5 ジメチコン
0.2 ビサボロール
B 2.0 パンテノール、プロピレングリコール
2.0 プロピレングリコール
q.s. 保存剤
74.9 脱塩水
C 1.2 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、アクリル酸ナトリウムコポリマー
D 0.2 トコフェロール
q.s. 香料油
E 5.0 活性成分
を含んでもよいO/W型デオローションを含む。
【0137】
さらに好ましい実施形態においては、化粧品組成物は、例えば、化粧品成分の国際命名法(INCI)に従う以下の成分(%):
活性成分1%:
A 2.0 セテアレス-6、ステアリルアルコール
2.0 セテアレス-25
5.0 セテアリルエチルヘキサノエート
4.0 セチルアルコール
4.0 ステアリン酸グリセリル
5.0 鉱油
0.2 メントール
0.5 カンフォール
B 69.3 脱塩水
q.s. 保存剤
C 1.0 ビサボロール
1.0 酢酸トコフェロール
D 1.0 活性成分
5.0 マンサク抽出物
活性成分5%:
A 2.0 セテアレス-6、ステアリルアルコール
2.0 セテアレス-25
5.0 セテアリルエチルヘキサノエート
4.0 セチルアルコール
4.0 ステアリン酸グリセリル
5.0 鉱油
0.2 メントール
0.5 カンフォール
B 65.3 脱塩水
q.s. 保存剤
C 1.0 ビサボロール
1.0 酢酸トコフェロール
D 5.0 活性成分
5.0 マンサク抽出物
を含んでもよい足用バルサムを含む。
【0138】
相AおよびBを、別々に約80℃に加熱する。次いで、相Bを相A中で攪拌し、均一化する。混合物を、攪拌下で約40℃に冷却する;次いで、相CおよびDを添加する。次いで、混合物を均一化し、攪拌下で室温まで冷却する。
【0139】
さらに好ましい実施形態においては、化粧品組成物は、例えば、化粧品成分の国際命名法(INCI)に従う以下の成分(%):
活性成分1%:
A 6.0 PEG-7水素化ヒマシ油
8.0 セテアリルエチルヘキサノエート
5.0 ミリスチン酸イソプロピル
15.0 鉱油
0.3 ステアリン酸マグネシウム
0.3 ステアリン酸アルミニウム
2.0 PEG-45/ドデシルグリコールコポリマー
B 5.0 グリセロール
0.7 硫酸マグネシウム
55.6 脱塩水
C 1.0 活性成分
0.5 酢酸トコフェロール
0.6 ビサボロール
活性成分5%:
A 6.0 PEG-7水素化ヒマシ油
8.0 セテアリルエチルヘキサノエート
5.0 ミリスチン酸イソプロピル
15.0 鉱油
0.3 ステアリン酸マグネシウム
0.3 ステアリン酸アルミニウム
2.0 PEG-45/ドデシルグリコールコポリマー
B 5.0 グリセロール
0.7 硫酸マグネシウム
51.6 脱塩水
C 5.0 活性成分
0.5 酢酸トコフェロール
0.6 ビサボロール
を含んでもよいビサボロールを含むW/O乳液を含む。
【0140】
相AおよびBを、別々に約85℃に加熱する。次いで、相Bを相A中で攪拌し、均一化する。混合物を、攪拌下で約40℃に冷却する;次いで、相Cを添加する。次いで、混合物を手短に均一化し、攪拌下で室温まで冷却する。
【0141】
さらに好ましい実施形態においては、化粧品組成物は、例えば、化粧品成分の国際命名法(INCI)に従う以下の成分(%):
活性成分1%:
A 40.0 ラウレス硫酸ナトリウム
5.0 デシルグルコシド
5.0 コカミドプロピルベタイン
1.0 活性成分
1.0 パンテノール
q.s. 香料油
q.s. 保存剤
2.0 塩化ナトリウム
46.0 脱塩水
B q.s. クエン酸
活性成分5%:
A 40.0 ラウレス硫酸ナトリウム
5.0 デシルグルコシド
5.0 コカミドプロピルベタイン
5.0 活性成分
1.0 パンテノール
q.s. 香料油
q.s. 保存剤
2.0 塩化ナトリウム
42.0 脱塩水
B q.s. クエン酸
を含んでもよいシャワー用ゲルを含む。
【0142】
相Aの成分を混合し、溶解する。pHを、相B、すなわち、クエン酸を用いて6〜7に調整する。
【0143】
さらに好ましい実施形態においては、化粧品組成物は、例えば、化粧品成分の国際命名法(INCI)に従う以下の成分(%):
活性成分1%:
A 2.0 セテアレス-25
2.0 セテアレス-6、ステアリルアルコール
3.0 セテアリルエチルヘキサノエート
1.0 ジメチコン
4.0 セテアリルアルコール
3.0 ステアリン酸グリセリルSE
5.0 鉱油
4.0 ホホバ油
3.0 鉱油、ラノリンアルコール
B 5.0 プロピレングリコール
1.0 活性成分
1.0 パンテノール
0.5 ケイ酸マグネシウムアルミニウム
q.s. 保存剤
65.5 脱塩水
C q.s. 香料油
D q.s. クエン酸
活性成分5%:
A 2.0 セテアレス-25
2.0 セテアレス-6、ステアリルアルコール
3.0 セテアリルエチルヘキサノエート
1.0 ジメチコン
4.0 セテアリルアルコール
3.0 ステアリン酸グリセリルSE
5.0 鉱油
4.0 ホホバ油
3.0 鉱油、ラノリンアルコール
B 5.0 プロピレングリコール
5.0 活性成分
1.0 パンテノール
0.5 ケイ酸マグネシウムアルミニウム
q.s. 保存剤
61.5 脱塩水
C q.s. 香料油
D q.s. クエン酸
を含んでもよい保湿用ボディケアクリームを含む。
【0144】
相AおよびBを、別々に約80℃に加熱する。相Bを手短に予備均一化する。次いで、相Bを相A中で攪拌し、均一化する。混合物を約40℃に冷却する;次いで、相Cを添加する。次いで、混合物をよく均一化する。pHを、相D、すなわち、クエン酸を用いて6〜7に調整する。
【0145】
さらに好ましい実施形態においては、化粧品組成物は、例えば、化粧品成分の国際命名法(INCI)に従う以下の成分(%):
活性成分1%:
A 6.0 PEG-7水素化ヒマシ油
10.0 セテアリルエチルヘキサノエート
5.0 ミリスチン酸イソプロピル
7.0 鉱油
0.5 シェアバター(ブチロスペルマム・パーキ(butyrospermum parkii))
0.5 ステアリン酸アルミニウム
0.5 ステアリン酸マグネシウム
0.2 ビサボロール
0.7 クアテルニウム-18-ヘクトライト
B 5.0 ジプロピレングリコール
0.7 硫酸マグネシウム
q.s. 保存剤
62.9 脱塩水
C q.s. 香料油
1.0 活性成分
活性成分5%:
A 6.0 PEG-7水素化ヒマシ油
10.0 セテアリルエチルヘキサノエート
5.0 ミリスチン酸イソプロピル
7.0 鉱油
0.5 シェアバター(ブチロスペルマム・パーキ)
0.5 ステアリン酸アルミニウム
0.5 ステアリン酸マグネシウム
0.2 ビサボロール
0.7 クアテルニウム-18-ヘクトライト
B 5.0 ジプロピレングリコール
0.7 硫酸マグネシウム
q.s. 保存剤
58.9 脱塩水
C q.s. 香料油
5.0 活性成分
を含んでもよい保湿用ボディケアクリームを含む。
【0146】
相AおよびBを、別々に約80℃に加熱する。相Bを、相A中で攪拌し、均一化する。混合物を攪拌下で約40℃で冷却する;次いで、相Cを添加する。次いで、混合物を均一化する。混合物を攪拌下で室温まで冷却する。
【0147】
さらに好ましい実施形態においては、化粧品組成物は、例えば、化粧品成分の国際命名法(INCI)に従う以下の成分(%):

を含んでもよい気泡O/W乳液を含む。
【0148】
さらに好ましい実施形態においては、化粧品組成物は、例えば、化粧品成分の国際命名法(INCI)に従う以下の成分(%):

を含んでもよいゲルクリームを含む。
【0149】
さらに好ましい実施形態においては、化粧品組成物は、例えば、化粧品成分の国際命名法(INCI)に従う以下の成分(%):


を含んでもよい水分散物を含む。
【0150】
さらに好ましい実施形態においては、化粧品組成物は、例えば、化粧品成分の国際命名法(INCI)に従う以下の成分(%):

を含んでもよいスティックを含む。
【0151】
さらに好ましい実施形態においては、化粧品組成物は、例えば、化粧品成分の国際命名法(INCI)に従う以下の成分(%):


を含んでもよいPIT乳液を含む。
【0152】
さらに好ましい実施形態においては、化粧品組成物は、例えば、化粧品成分の国際命名法(INCI)に従う以下の成分(%):

を含んでもよいゲルクリームを含む。
【0153】
さらに好ましい実施形態においては、化粧品組成物は、例えば、化粧品成分の国際命名法(INCI)に従う以下の成分(%):

を含んでもよい日焼け後の水分散物を含む。
【0154】
さらに好ましい実施形態においては、化粧品組成物は、例えば、化粧品成分の国際命名法(INCI)に従う以下の成分(%):

を含んでもよいW/O乳液を含む。
【0155】
さらに好ましい実施形態においては、化粧品組成物は、例えば、化粧品成分の国際命名法(INCI)に従う以下の成分(%):

を含んでもよいピッカリング乳液を含む。
【0156】
さらに好ましい実施形態においては、化粧品組成物は、例えば、化粧品成分の国際命名法(INCI)に従う以下の成分(%):

を含んでもよいスティックを含む。
【0157】
さらに好ましい実施形態においては、化粧品組成物は、例えば、化粧品成分の国際命名法(INCI)に従う以下の成分(%):

を含んでもよいオイルゲルを含む。
【0158】
相AおよびBを、別々に約80℃に加熱する。次いで、相Cを相AおよびB中で攪拌し、均一化する。最後に、混合物を40℃に冷却し、相DおよびEを添加する。
【0159】
本発明はまた、足臭、足または運動選手の足の発汗過多を防止、抑制または治療するための医薬組成物の調製のための、本発明に係る微生物または本明細書で上記されたその派生体、突然変異体、もしくは不活性形態の使用にも関する。
【0160】
別の態様においては、本発明は、繊維または繊維基材の内容における、本発明に係る微生物または本明細書で上記されたその派生体、突然変異体もしくは不活性形態の使用に関する。好ましくは、本発明は、繊維または繊維基材の条件化または含浸のための、本発明に係る微生物または本明細書で上記されたその派生体、突然変異体もしくは不活性形態の使用に関する。より好ましくは、本発明に係る微生物または本明細書で上記されたその派生体、突然変異体もしくは不活性形態を、当業者には公知であるか、または本明細書の以下に例示される任意の好適な方法に従って、繊維または繊維基材中、またはその上に適用することができる。従って、本発明は、繊維または繊維基材の領域における、本明細書で上記されたいずれかの使用、組成物または方法にも関する。
【0161】
従って、本発明は、本発明に係る微生物または上記のようなこの微生物の突然変異体、派生体もしくは不活性形態を、繊維および繊維基材と共に製剤化する工程を含む、皮膚微生物による足臭の生成を防止するための繊維および繊維基材の製造方法に関する。好ましくは、前記繊維および繊維基材は、本明細書で上記されたような化粧品上もしくは製薬上許容し得る担体もしくは賦形剤を含んでもよく、または本明細書で上記されたような化粧品もしくは医薬組成物のうちの1種以上を含んでもよい。
【0162】
本発明に従って用いられる用語「皮膚微生物による足臭の生成を防止するための繊維および繊維基材」は、少なくとも1種の本発明の微生物または上記のような該微生物の突然変異体、派生体もしくは不活性形態を含む繊維組成物に関する。本発明の繊維組成物は、任意の組合せで上記の成分を含むことが想定される。必要に応じて、それは皮膚微生物による足臭の生成を防止するのに好適な少なくとも1種のさらなる成分を含んでもよい(参照により本明細書に組み入れられるものとするUllmann, Vol. A 26 S. 227 ff, 1995も参照されたい)。
【0163】
本発明に従えば、繊維および繊維基材は、衣料業界のための繊維とは別に、例えば、カーペットおよび他の家庭用織物および技術的目的に役立つ布地製剤をも含む、布地繊維、半加工品および加工品の繊維およびそれらから製造された加工製品である。これらの製剤としては、フロックなどの不定形製剤、糸、繊維、毛糸、リネン、紐、ロープ、双糸などの線状製剤ならびに例えば、フェルト、織物、メリヤス、編物、不織布および詰め綿などの固形製剤も挙げられる。前記繊維を、例えば、天然起源の材料、例えば、脱脂綿、羊毛もしくは亜麻、または合成起源の材料、例えば、ポリアミド、ポリエステル、改変ポリエステル、ポリエステル混紡、ポリアミド混紡、ポリアクリロニトリル、トリアセテート、アセテート、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステルマイクロファイバーもしくはガラス繊維織物から作製することができる。
【0164】
本発明の一実施形態においては、本発明に係る皮膚微生物による足臭の生成を防止するための繊維および繊維基材の製造方法を、当業者には公知の繊維の加工のための任意の機械または装置、例えば、フーラードなどの標準的な機械を用いて実施することができる。好ましくは、前記フーラードは、例えば、必須要素として、繊維を案内して一緒にプレスされる2個のロールを含む、垂直方向の切り込み装置を備えたフーラード機械である。該ロールの上に、繊維を湿らせる水性製剤を充填することができる。典型的には、圧力は繊維をクエッチ(quetch)し、一定の適用を確保する。別の好ましい実施形態においては、フーラード機械において、布地を、例えば、最初に薬浴を通して案内した後、例えば、下から垂直方向の繊維切り込み装置を備えたフーラード中、一緒にプレスされる2個のロールを通して上方に案内する。繊維の加工のための機械または装置、特に、フーラード機械は、例えば、Hans-Karl Rouette、「Handbuch der Textilveredlung」、Deutscher Fachverlag 2003, p.618-620(参照により本明細書に組み入れられるものとする)に記載されている。
【0165】
本発明のさらなる実施形態においては、本発明に係る皮膚微生物による足臭の生成を防止するための繊維および繊維基材の製造方法を、例えば、噴霧、スロップパディング(slop padding)、キスロール(kiss roll)またはプリンティングなどの、当業者には公知の任意の好適な消耗的方法に従って実施することができる。好ましくは、本発明に係る皮膚微生物による足臭の生成を防止するための繊維および繊維基材の製造方法を、例えば、1〜50%、好ましくは20〜40%の範囲の液体吸収を用いる消耗的方法に従って実施する。
【0166】
本発明のさらなる実施形態においては、続いて、当業者には公知の任意の好適な方法、例えば、30〜100℃の範囲の温度での乾燥、または少なくとも100℃、好ましくは、少なくとも101℃〜150℃、好ましくは、最大135℃の範囲の温度での温度的固定により、前記繊維を温度的に処理することができる。好ましい実施形態においては、この処理は、10秒間〜30分間、好ましくは、30秒間〜10分間に渡る温度的なものであってよい。本発明のさらに好ましい実施形態においては、異なる温度で2つの温度処理工程を実施し、例えば、第1工程において、例えば、10秒〜20分間に渡って、例えば、30〜100℃の範囲の温度で乾燥を行った後、例えば、30秒〜3分間に渡って、例えば、101〜135℃の範囲の温度で固定を行う。
【0167】
好ましい実施形態においては、皮膚微生物による足臭の生成を防止するのに好適である本発明に係る繊維および繊維基材中に含まれるさらなる成分は、DE 40 35 378もしくはDE 10101294.2に記載のシクロデキストリンまたはEP-A1-1522626に記載のアミロース含有物質であってよい。
【0168】
典型的には、シクロデキストリンは、デンプンの酵素的分解により形成される環状オリゴ糖である。好ましくは、本発明に係る繊維または繊維基材中の成分として用いられるシクロデキストリンは、例えば、それぞれ、6、7もしくは8個のα-1,4結合グルコース単位からなるα-、β-またはγ-シクロデキストリンである。シクロデキストリン分子の特徴は、主に一定の寸法を有するその環状構造である。典型的には、この環の内径は、α-シクロデキストリンについては約570 pm、β-シクロデキストリンについては約780 pmおよびγ-シクロデキストリンについては約950 pmである。その構造に起因して、シクロデキストリンは、ゲスト分子を組込むことができる位置にある。好ましい実施形態においては、これらのゲスト分子は、当業者には公知の揮発性香料を含む。
【0169】
さらに好ましい実施形態においては、本発明は、本発明に係る繊維または繊維基材のにおい特性を改変するためのアミロース含有物質の使用を提供する。好ましくは、アミロース含量は、該物質の総重量に基づいて、少なくとも30重量%である。本発明はまた、繊維を、アミロースまたはアミロース含有物質、好ましくは、少なくとも30重量%のアミロース含量を用いて加工することを特徴とする繊維のにおい特性を改変するための方法も提供する。用語「アミロースまたはアミロース含有物質」は、アミロース含量が、好ましくは少なくとも30重量%である、任意のアミロース含有デンプン、例えば、天然のデンプン、改変デンプンおよびデンプン誘導体を意味する。デンプンは、天然のデンプンであってよく、例えば、トウモロコシデンプン、小麦デンプン、ジャガイモデンプン、ソルガムデンプン、コメデンプンまたはマランタデンプンを、天然のデンプンの部分的消化により得られるか、または化学的に改変することができる。また、例えば、酵素的に得られたアミロースである純粋なアミロース、例えば、スクロースから得られたアミロースも好適である。また、好ましくは、アミロースの総含量が、混合物の総重量に基づいて、少なくとも30重量%である場合、アミロースとデンプンの混合物も好適である。アミロースとデンプンの混合物に関する、アミロースまたはアミロース含有物質を指す重量%で表される全データは、特に明確に指摘しない限り、常にアミロース+デンプンの総重量に基づくものである。
【0170】
本発明に従って特に好適なものは、アミロース含量が、物質の総重量に基づいて、少なくとも40重量%であり、特に、少なくとも45重量%である、アミロース含有物質、特に、アミロースおよびアミロース含有デンプン、ならびにアミロース/デンプン混合物である。一般的には、アミロース含量は90重量%および特に80重量%を超えないであろう。そのような物質は当業者には公知であり、商業的に入手可能である。
【0171】
におい改変効果を達成するために、本発明に係る繊維を、それぞれの場合、繊維の重量に基づいて、一般的には、当業者には公知の任意の好適な量、好ましくは、少なくとも0.5重量%、より好ましくは、少なくとも1重量%および特に少なくとも2重量%のアミロース含有物質を用いて加工することができる。一般的には、アミロース含有物質を、繊維の触知性に有害に影響しないように、繊維の重量に基づいて、25重量%以下、頻繁には、20重量%以下、および特に、15重量%以下の量で用いることができる。
【0172】
本発明のさらに好ましい実施形態においては、におい特性を改善するために、本発明に係る繊維材料を、アミロース含有物質をそのまま用いて加工することができる。しかしながら、アミロース含有物質を、香料と共に用いて、繊維の長時間持続する心地よいにおい、または香りを達成することもできる。好ましくは、この手順は、アミロース含有物質で本発明に係る繊維を処理すること、または本発明に係る微生物およびアミロース含有物質で該繊維を同時に処理することを含む。次いで、この様式で加工された繊維を、香料で処理することができる。結果として、アミロース含有物質は香料で満たされる。
【0173】
さらに好ましい実施形態においては、本発明に係る微生物または上記のようなこの微生物の突然変異体、派生体もしくは不活性形態と共に製剤化される、本発明に係る繊維または繊維基材を、香料を用いて加工することができる。
【0174】
好ましくは、上記実施形態のいずれかに従って用いられる香料を、当業者には公知のような、所望の香り効果を満足させる量で用いることができる。その上限は、用いられるアミロース含有物質のアミロース単位の最大吸収能力により決定され、該物質のアミロース含量に基づいて、一般的には、20重量%および頻繁には、10重量%を超えないであろう。必要に応じて、一般的には、前記香料を、0.1〜10重量%、および特には、0.5〜5重量%の量で用いる。
【0175】
好適な香料は、原理的には、香料として知られる全ての揮発性有機化合物および有機化合物の混合物である。香料の概説は、Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry、第5版、CD ROM、Flavours and Fragrances、第2章、特に、第2.1章〜第2.4章に与えられている。本発明に従って特に好適なものは、脂肪族および脂環式性質の香料である。これらのものとしては、脂肪族C4-C12アルコール、例えば、3-オクタノール、シス-3-ヘキセン-1-オール、トランス-3-ヘキセン-1-オール、1-オクテン-3-オール、2,6-ジメチルヘプタン-2-オール、1-オクテン-3-オール、9-デセン-1-オール、10-ウンデセン-1-オール、2-トランス-6-シス-ノナジエン-1-オール、脂肪族C6-C13-アルデヒド、例えば、ヘキサナール、オクタナール、ノナナール、デカナール、ウンデカナール、2-メチルデカナール、2-メチルウンデカナール、ドデカナールおよびトリデカナール、シス-4-ヘプテナールおよび10-ウンデセナール、脂肪族C1-C6-カルボン酸と、脂肪族、必要に応じて、モノ不飽和C1-C8アルコールとのエステル、例えば、蟻酸エチル、シス-3-ヘキセニル蟻酸、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、酢酸ヘキシル、3,5,5-トリメチルヘキシル酢酸、トランス-2-ヘキセニル酢酸、シス-3-ヘキセニル酢酸、プロピオン酸エチル、酪酸エチル、酪酸ブチル、酪酸イソアミル、酪酸ヘキシル、シス-3-ヘキセニルイソ酪酸、イソ吉草酸エチル、2-メチル酪酸エチル、エチルヘキサノエート、2-プロペニルヘキサノエート、エチルヘプタノエート、2-プロペニルヘプタノエートおよびエチルオクタノエート、非環式テルペン炭化水素および炭化水素アルコール、例えば、ネロール、ゲラニオール、テトラヒドロゲラニオール、リナロオール、テトラヒドロリナロオール、シトロネロール、ラバンデュオール、ミルセノール、ファルネソール、ネロリドール、これらのアルコールの蟻酸エステル、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、酪酸エステル、吉草酸エステルおよびイソ酪酸エステル、上記のアルコールに対応するアルデヒド、例えば、シトラール、シトロネラール、ヒドロキシジヒドロシトロネラール、メト
キシジヒドロシトロネラール、ならびにこれらのアルデヒドのジメチル-およびジエチルアセタール、例えば、ジエチルシトラール、メトキシジヒドロシトロネラール-ジメチルアセタール、また、環式テルペン炭化水素、炭化水素アルコールおよびアルデヒドが挙げられる。また、これらのものとしては、天然起源の香り、例えば、バラ油、レモン油、ラベンダー油および丁子香の油も挙げられる。
【0176】
かくして、本発明は、本発明に係る微生物または本明細書に上記されたその派生体、突然変異体もしくは不活性形態を含む繊維または繊維基材にも関する。「含む」とは、例えば、特に、本発明に係る微生物または本明細書で上記されたその派生体、突然変異体もしくは不活性形態が上記方法のうちの1つから生じるような形態で、それと結合しているか、またはそれを組込むことを意味する。
【0177】
別の態様においては、本発明は、本発明の微生物または本明細書で上記されたその派生体もしくは突然変異体もしくは不活性形態を、化粧品上および/もしくは製薬上の担体または賦形剤と共に製剤化する工程を含む、組成物の製造方法に関する。
【0178】
本発明はさらに、予防上または治療上有効量の本発明に係る組成物を必要とする患者に、それを投与する工程を含む、足臭を防止、抑制または治療する方法に関する。
【0179】
本発明は、本明細書に記載された特定の方法、プロトコル、細菌、ベクター、および試薬などに限定されず、これらは変化してもよいことが理解されるべきである。また、本明細書で用いられる専門用語は、特定の実施形態のみを説明する目的のためのものであり、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるであろう本発明の範囲を限定することを意図されるものではないことも理解されるべきである。特に定義しない限り、本明細書で用いられる全ての技術用語および科学用語は、当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
【0180】
好ましくは、本明細書で用いられる用語は、「A multilingual glossary of biotechnological terms:(IUPAC Recommendations)」、Leuenberger, H.G.W, Nagel, B.およびKolbl, H.(編)(1995), Helvetica Chimica Acta, CH-4010 Basel, Switzerlandに記載されている。文脈が特に必要としない限り、本明細書および以下の特許請求の範囲を通して、用語「含む(comprise)」、および「含む(comprises)」および「含む(comprising)」などの変形は、整数もしくは工程の任意の他の整数もしくは工程もしくは群の排除だけでなく、記述された整数または複数の整数もしくは工程の工程もしくは群の包含を意味すると理解されるであろう。
【0181】
本明細書の本文を通して、いくつかの書類が引用される。本明細書で引用されるそれぞれの書類(全ての特許、特許出願、科学的刊行物、製造業者の明細書、説明書など)は、上記にしろ下記にしろ、その全体が参照により本明細書に組み入れられるものとする。本明細書に記載されることは、本発明が、先行発明のおかげでそのような開示に先行する資格を与えられないことを承諾するものとして解釈されるべきではない。
【0182】
本明細書で、また添付の特許請求の範囲で用いられる、単数形の「a」、「an」および「the」は、文脈が明確に指摘しない限り、複数の指示対象を含む。かくして、例えば、「試薬(a reagent)」に対する参照は、そのような異なる試薬の1つ以上を含み、「方法(the method)」に対する参照は、本明細書に記載の方法に関して改変するか、または置換することができる当業者には公知の等価な工程および方法に対する参照を含む。
【実施例】
【0183】
本発明およびその利点のより良い理解を、以下の実施例から得ることができるが、これらは例示目的のみで与えられるものであり、いかなる意味においても本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0184】
実施例1
においを生成する微生物の同定/においアッセイ
微生物によるイソ吉草酸の生成に関与する生合成経路は公知である(Thierryら、Appl. Env. Microbiol. 68(2) (2002), 608-615)が、この物質を生成することができる対応する足の微生物は知られていない。本発明者らは、足臭の生成に関与する特定の微生物を同定した。におい物質であるイソ吉草酸の合成に起因して足臭の生成に関与する足の微生物を同定するために、足臭を有する被験体から微生物を単離した。
【0185】
足の微生物の単離
足の裏の規定の領域(2 cm x 2 cm)上で、滅菌されたQチップを擦ることにより、皮膚から足の微生物を単離した。このQチップを、滅菌バッファー溶液(PBS, pH 7.0)に移し、グラム陽性(例えば、BHI, Difco Inc.)もしくはグラム陰性細菌(例えば、MacConkey寒天、Difco Inc.)のための選択用培養寒天プレートまたは酵母および菌類のための選択用培養寒天(例えば、Plate Count Agar, Difco Inc.)に、希釈液を塗布した。その後、皮膚から培養寒天プレートに移された微生物を30℃および37℃で、好気的および嫌気的に約24時間培養した。定性分析のための形態学的および生化学的方法により、ならびに定量分析のための計数により、コロニー形成単位を決定した。相対組成および総細胞計数を決定した。
【0186】
においを生成する微生物の同定/においアッセイ
個々の微生物は、イソ吉草酸の生合成に起因して、典型的な足臭の生成の原因となる。これらの微生物は、代謝活性に起因してイソ吉草酸を生成することができる。イソ吉草酸を合成することができる微生物を同定するために、以下のアッセイを実施した。
【0187】
単離された微生物を、20 mlの対応する培養培地(グラム陽性、グラム陰性、酵母もしくは菌類用(Difco Inc.))中、30℃/37℃で好気的および嫌気的に24時間培養した。細胞を遠心分離し(4000 x g)、60 mMリン酸バッファー、pH 8.0で2回洗浄した。におい生成アッセイのために、5 mMのL-ロイシンおよび10 mMのα-ケトグルタレートを含む60 mMリン酸バッファー、pH 8.0中に懸濁し、激しく攪拌しながら(160 rpm回転式振とう器)、24時間、好気的にインキュベートした。その後、遠心分離により細胞をペレット化し(4000 x g、5分間)、ガスクロマトグラフィー分析のためにガラスボトルに上清を移した。イソ吉草酸の生成を、キャピラリーカラム(0.53μm(フィルム厚)による0.5 mmによる30 m;Agilent HP-FFAP)を備えたHewlett-Packard 5890シリーズIIガスクロマトグラフ上で実施されたGC分析により観察した。温度プログラムは150℃〜220℃であった。温度は、最初は150℃で2分間であった;次いで、15℃/分で、220℃の最終温度まで増加させ、その温度で3分間保持した。一定流速は30 cm/sであり、担体ガスとしてヘリウムを使用し、スプリットレスモードで注入を行った。ガスクロマトグラフィー/質量スペクトル分析および純粋な標準物質との保持時間の比較により、イソ吉草酸を同定した。
【0188】
HClで再酸性化した後、サンプルを嗅ぐことにより、典型的なチーズのようなにおいの生成を検証した。詳細に述べると、インキュベーション後、サンプル中に6 M HCl溶液を滴下することにより、アリコートを再酸性化した。酸性化に起因して、蒸発したイソ吉草酸を、用量依存的な様式で鼻により認識した。イソ吉草酸および対応する典型的なチーズのにおいを生成することができるこれらの微生物を、においを生成する足の微生物として分類した。
【0189】
実施例2
微生物によるイソ吉草酸の生成を防止する微生物の同定
個々の微生物は、イソ吉草酸の生合成に起因して典型的な足臭の生成の原因となる。これらの微生物は、代謝活性に起因してイソ吉草酸を生成することができる。においを生成する足の微生物によるイソ吉草酸の生合成を阻害することができる微生物、特に、乳酸菌によるイソ吉草酸の生合成の特異的阻害を同定した。この効果を試験するために、以下のアッセイを実施した。
【0190】
ラクトバチルスの培養および調製
エッペンドルフチューブ中の1 mlのMRS培地中の-80℃凍結培養物から、乳酸菌を培養した。チューブを閉め、37℃で2日間培養した。5μlのこの前培養物を、エッペンドルフチューブ中の0.5 mlのMRS培地からなる主培養液に移した。培養液を2日間インキュベートした。培養後、遠心分離(4000 x g、15分間)により細胞を収穫した。細胞ペレットを、60 mMリン酸バッファー(pH 0.8)で2回洗浄した。細胞を、200μlの60 mMリン酸バッファー(pH 8.0)中に再懸濁した。
【0191】
指示株の培養および調製
1つの例示的な指示株は、ミクロコッカス種であった。培養のために、振とうガラスフラスコ中の20 mlのBHI培地に、15μlの24時間前培養物(20 ml)を接種した。指示株を、激しく振とうしながら(往復式振とう培養機上で160 rpm)、37℃で24時間培養した。細胞を遠心分離(4000 x g、5分間)により収穫し、PBSバッファー(pH 8.0)中で2回洗浄した。以下のにおい防止アッセイのために、細胞を60 mMリン酸バッファー、pH 8.0中に再懸濁した。
【0192】
におい防止アッセイ
におい防止アッセイのために、15μlの調製された指示株を、100μlのラクトバチルス培養物、60 mMリン酸バッファー(pH 8.0)、5 mM L-ロイシンおよび10 mM α-ケトグルタレートの存在下で、激しく振とうしながら30℃で24時間、好気的にインキュベートした。その後、細胞を遠心分離(4000 x g、5分間)によりペレット化し、ガスクロマトグラフ分析のために上清をガラスボトルに移した。対応する対照サンプルを、ラクトバチルスを用いずにインキュベートした。イソ吉草酸生成の防止を、キャピラリーカラム(0.53μm(フィルム厚)による0.5 mmによる30 m;Agilent HP-FFAP)を備えたHewlett-Packard 5890シリーズIIガスクロマトグラフ上で実施されたGC分析により観察した。温度プログラムは150℃〜220℃であった。温度は、最初は150℃で2分間であった;次いで、15℃/分で、220℃の最終温度まで増加させ、その温度で3分間保持した。一定流速は30 cm/sであり、担体ガスとしてヘリウムを使用し、スプリットレスモードで注入を行った。ガスクロマトグラフィー/質量スペクトル分析および純粋な標準物質との保持時間の比較により、イソ吉草酸を同定した。
【0193】
HClで再酸性化した後、サンプルを嗅ぐことにより、典型的なチーズのようなにおいの生成の防止を検証した。詳細に述べると、インキュベーション後、サンプル中に6 M HCl溶液を滴下することにより、アリコートを再酸性化した。酸性化に起因して、蒸発したイソ吉草酸を、用量依存的な様式で鼻により認識した。
【0194】
実施例3
においを生成する足の微生物の阻害
個々の微生物は、イソ吉草酸の生合成に起因して、典型的な足臭の生成の原因となる。足に完全な皮膚微生物叢を分布させることなく、局所的に適用された微生物によるこれらの微生物の特異的な阻害は、足臭の生成を減少させるのに有効な方法であるが、皮膚を保護するための皮膚微生物叢が依然として存在する。in vitroホールプレートアッセイにおいて寒天プレート上でにおいを生成する足の微生物の増殖を阻害することができる特定の乳酸菌を同定した。この効果を試験するために、前培養した乳酸菌を、予め切られた穴に充填し、指示株の増殖阻害を観察した。乳酸菌をピペッティングした穴の周囲での透明な環の形成として、阻害を定義した。いくつかの株については、それらが足の微生物の増殖を阻害することが観察された。ラクトバチルス・ブレビスLB-FG-0009(DSM 17607)および指示株ミクロコッカス種に関するデータを、図1に示す。
【0195】
ラクトバチルスの培養および調製
エッペンドルフチューブ中の1 mlのMRS培地中の-80℃凍結培養物から、乳酸菌を培養した。チューブを閉め、37℃で2日間培養した。10μlのこの前培養物を、Falconチューブ中の7 mlのMRS培地からなる主培養液に移した。培養液を1日間インキュベートした。培養後、細胞を遠心分離(15分間、4000 x g)により収穫した。細胞ペレットをK/Naバッファー(それぞれ1 ml)で2回洗浄した。細胞を200μlのK/Naバッファー中に再懸濁した。
【0196】
指示株の培養および調製
指示株は、ミクロコッカス種であった。振とうガラスフラスコ中の20 mlのBHI培地に、15μlの24時間前培養物を接種した。指示株を、37℃で24時間培養した。アリコートを、BHI培地中、0.025〜0.05の光学密度OD590nmに希釈し、800μlを指示プレート(BHI-Agar)上に塗布した。穿孔器を用いて、寒天をスタンプした。穴に前培養した乳酸菌を充填した。
【0197】
培地およびバッファー:
BHI-Agar Difco Agar 1.8%;20 ml/プレート
BHI培地 Difco
MRS-培地 Difco、150μl/ウェル
K/Naバッファー Kuster Thielに従う、pH7.0、オートクレーブ
0.066 M Na2HPO4 x 2H2O 61.2 ml
0.066 M KH2PO4 38.8 ml
【0198】
実施例4
in vitro液体アッセイにおける足臭を生成する微生物の増殖阻害
選択したラクトバチルス・ブレビス(LB-FG-0009)は、in vitro液体アッセイにおいて足臭を生成する足の微生物の増殖を防止することができる。この効果を試験するために、前培養した乳酸菌を、液体培養物中、指示株と共に同時インキュベートした。阻害の程度を、乳酸菌を用いない対照と比較して、指示株のコロニー形成単位を計数することにより定量した。
【0199】
ラクトバチルスの培養および調製
エッペンドルフチューブ中の1 mlのMRS培地中の-80℃凍結培養物から、乳酸菌を培養した。チューブを閉め、37℃で2日間培養した。10μlのこの前培養物を、Falconチューブ中の7 mlのMRS培地からなる主培養液に移した。培養液を2日間インキュベートした。培養後、細胞を遠心分離(15分間、4000 x g)により収穫した。細胞ペレットをK/Naバッファー(それぞれ1 ml)で2回洗浄した。細胞を200μlのK/Naバッファー中に再懸濁した。
【0200】
指示株の培養および調製
指示株は、ミクロコッカス種であった。振とうガラスフラスコ中の20 mlのBHI培地に、24時間前培養物のために15μlの凍結培養物を接種した。
【0201】
液体阻害アッセイ
液体アッセイのために、5μlの新鮮に調製された乳酸菌(200μlから)および10μlの前培養された指示株を、10 mlのBHI培地中、同時培養のために接種した。培養物を7時間インキュベートした。その後、100μlの1:1000希釈液を、コロニー形成単位の定量のためにBHI寒天プレート上に塗布した。プレートを24時間インキュベートし、コロニー形成単位を計数した。
【0202】
培地およびバッファー:
BHI-Agar Difco Agar 1.8%;20 ml/プレート
BHI培地 Difco
MRS培地 Difco
K/Naバッファー Kuster Thielに従う、pH 7.0、オートクレーブ
0.066 M Na2HPO4 x 2H2O 61.2 ml
0.066 M KH2PO4 38.8 ml
【0203】
実施例5
in vitro液体アッセイにおいてはスタフィロコッカス・エピデルミディス(DSM20044)の増殖は阻害されない
足の微生物による足臭の生成を防止することができる選択されたラクトバチルス・ブレビス(LB-FG-0009)は、in vitro液体アッセイにおいて、足の皮膚の共生微生物叢の重要なメンバーであるスタフィロコッカス・エピデルミディス(DSM20044)を阻害しない。
【0204】
この効果を試験するために、前培養された乳酸菌を、液体培養中、指示株と共に同時インキュベートした。阻害の程度を、乳酸菌を用いない対照と比較して、指示株のコロニー形成単位を計数することにより定量した。データを図3に示す。
【0205】
ラクトバチルスの培養および調製
エッペンドルフチューブ中の1 mlのMRS培地中の-80℃凍結培養物から、乳酸菌を培養した。チューブを閉め、37℃で2日間培養した。10μlのこの前培養物を、Falconチューブ中の7 mlのMRS培地からなる主培養液に移した。培養液を2日間インキュベートした。培養後、細胞を遠心分離(15分間、4000 x g)により収穫した。細胞ペレットをK/Naバッファー(それぞれ1 ml)で2回洗浄した。細胞を200μlのK/Naバッファー中に再懸濁した。
【0206】
指示株の培養および調製
指示株は、スタフィロコッカス・エピデルミディス(DSM20044)であった。振とうガラスフラスコ中の20 mlのBHI培地に、24時間前培養物のために15μlの凍結培養物を接種した。
【0207】
液体阻害アッセイ
液体アッセイのために、5μlの新鮮に調製された乳酸菌(200μlから)および10μlの前培養された指示株スタフィロコッカス・エピデルミディス(DSM20044)を、10 mlのBHI培地中、同時培養のために接種した。培養物を7時間インキュベートした。その後、100μlの1:1000希釈液を、コロニー形成単位の定量のためにBHI寒天プレート上に塗布した。プレートを24時間インキュベートし、コロニー形成単位を計数した。
【0208】
培地およびバッファー:
BHI-Agar Difco Agar 1.8%;20 ml/プレート
BHI培地 Difco
MRS培地 Difco
K/Naバッファー Kuster Thielに従う、pH 7.0、オートクレーブ
0.066 M Na2HPO4 x 2H2O 61.2 ml
0.066 M KH2PO4 38.8 ml
【0209】









【0210】










【図面の簡単な説明】
【0211】
【図1】in vitroホールプレートアッセイにおける足臭を生成する微生物の阻害(実施例3)を示す。足臭を生成する指示株ミクロコッカス種および乳酸菌ラクトバチルス・ブレビスLB-FG-0009(DSM 17607)を含む寒天プレートを示す。ウェルの周囲の黒い環の形成は、指示株ミクロコッカス種の増殖阻害を示す。
【図2】in vitro液体アッセイ(実施例4)における、足臭を生成する微生物ミクロコッカス種の増殖阻害を示す。ラクトバチルス・ブレビスLB-FG-0009(DSM 17607)を用いた。乳酸菌を用いない対照と比較した、指示株のコロニー形成単位を計数することにより定量された阻害の程度を示す。
【図3】in vitro液体アッセイ(実施例5)における、スタフィロコッカス・エピデルミディス(DSM20044)の増殖阻害の欠如を示す。ラクトバチルス・ブレビスLB-FG-0009(DSM 17607)を用いた。乳酸菌を用いない対照と比較した、指示株のコロニー形成単位を計数することにより定量された阻害の程度を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚微生物による足臭の生成を防止することができる微生物。
【請求項2】
鼻を用いて嗅ぐアッセイにおいて、皮膚微生物による足臭の生成を防止する能力を示す、請求項1に記載の微生物。
【請求項3】
皮膚微生物によるイソ吉草酸の生合成を抑制することができる、請求項1または2に記載の微生物。
【請求項4】
下記工程:
(i)前記微生物と、イソ吉草酸を生成することができる微生物およびイソ吉草酸の前駆体とを混合すること;
(ii)イソ吉草酸の生成を可能にする条件下で該混合物をインキュベートすること;
(iii)該混合物の上清から短鎖脂肪酸を抽出すること;ならびに
(iv)イソ吉草酸の発生により、足臭の生成を検出すること、
を含むアッセイにおいて、皮膚微生物によるイソ吉草酸の生合成を抑制する能力を示す、請求項3に記載の微生物。
【請求項5】
足臭を生成する皮膚微生物の増殖を阻害することができる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の微生物。
【請求項6】
阻害アッセイにおいて足臭を生成する皮膚微生物の増殖を阻害する能力を示す、請求項5に記載の微生物。
【請求項7】
イソ吉草酸が、ミクロコッカス属またはプロピオン酸菌属に属する細菌により生成される、請求項3〜6のいずれか1項に記載の微生物。
【請求項8】
ミクロコッカス属に属する前記細菌が、ミクロコッカス種である、請求項7に記載の微生物。
【請求項9】
プロピオン酸菌属に属する前記細菌が、プロピオニバクテリウム・フロイデンライシイである、請求項7に記載の微生物。
【請求項10】
ラクトバチルス属、ラクトコッカス属またはロイコノストック属に属する微生物である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の微生物。
【請求項11】
前記ラクトバチルスが、ラクトバチルス・ブレビス、ラクトバチルス・プランタルム、ラクトバチルス・カルバタスまたはラクトバチルス・デルブルッキ・デルブルッキである、請求項10に記載の微生物。
【請求項12】
前記ロイコノストックが、ロイコノストック・メセンテロイデスである、請求項10に記載の微生物。
【請求項13】
ラクトバチルス・ブレビスLB-FG-0001(DSM 17599)、ラクトバチルス・プランタルムLB-FG-0002(DSM 17600)、ラクトバチルス・カルバタスLB-FG-0003(DSM 17601)、ロイコノストック・メセンテロイデスLB-FG-0004(DSM 17602)、ラクトバチルス・プランタルムLB-FG-0005(DSM 17603)、ラクトバチルス・デルブルッキ・デルブルッキLB-FG-0006(DSM 17604)、ラクトバチルス・デルブルッキ・デルブルッキLB-FG-0007(DSM 17605)、ラクトバチルス・プランタルムLB-FG-0008(DSM 17606)およびラクトバチルス・ブレビスLB-FG-0009(DSM 17607)または皮膚微生物による足臭の生成を防止する能力を保持する、その突然変異体もしくは派生体からなる群より選択される、請求項11または12に記載の微生物。
【請求項14】
皮膚微生物による足臭の生成を防止することができる、請求項1〜13のいずれか1項に記載の微生物の不活性形態。
【請求項15】
温度的に不活性化されるか、または凍結乾燥された、請求項14に記載の不活性形態。
【請求項16】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の微生物または請求項14もしくは15に記載の不活性形態を含む組成物。
【請求項17】
必要に応じて、化粧品上許容し得る担体または賦形剤を含む化粧品組成物である、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
必要に応じて、製薬上許容し得る担体または賦形剤を含む医薬組成物である、請求項16に記載の組成物。
【請求項19】
足臭を抑制するための化粧品または医薬組成物の調製のための、請求項1〜13のいずれか1項に記載の微生物または請求項14もしくは15に記載の不活性形態の使用。
【請求項20】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の微生物または請求項14もしくは15に記載の不活性形態を、化粧品上許容し得る担体または賦形剤と共に製剤化する工程を含む、化粧品組成物の製造方法。
【請求項21】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の微生物または請求項14もしくは15に記載の不活性形態を、製薬上許容し得る担体または賦形剤と共に製剤化する工程を含む、医薬組成物の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−508478(P2009−508478A)
【公表日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−530436(P2008−530436)
【出願日】平成18年9月18日(2006.9.18)
【国際出願番号】PCT/EP2006/009069
【国際公開番号】WO2007/039086
【国際公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】