説明

車両の制御装置

【課題】複数のアクセルセンサの一部に異常が生じたときのフェールセーフ機能をより適正なものとする。
【解決手段】二つのアクセルセンサの一方に異常が生じたときには、正常なセンサ値をユーザー開度Auとして設定し、ユーザー開度Auがアクセル開度Acc以上のときには、レート値Art2を用いたレートリミット処理により制御開度Anを設定すると共に(S150)、車速Vが大きいほど且つ路面勾配θが大きいほど大きくなる傾向に上限開度Alimを設定し(S160)、上限開度Alimと制御開度Anのうち小さい方を新たなアクセル開度Accとして設定する(S170)。これにより、アクセル開度Accを車速Vや路面勾配θに応じたものとし、二つのアクセルセンサの一方に異常が生じたときのフェールセーフ機能をより適正なものとすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の制御装置に関し、詳しくは、複数のアクセルセンサからの信号に基づくアクセル開度を用いて車両を制御する制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の車両の制御装置としては、二つのアクセル開度センサと二つのスロットル開度センサの中のいずれか一つが故障したときには、選択したアクセル開度センサの検出値と、小さい値に切り替えた絶対値の上限値と、選択したアクセル開度センサの検出値に対して小さい値に切り替えた上限変化率でリミット処理した値と中で最も小さい値を選択して使用するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、上述した処理を行なうことにより、センサ故障時のフェールセーフ機能を向上させている。
【0003】
また、複数のアクセルセンサの一部に異常が検出されたときには、正常なセンサの出力信号のレベルが、第1の変化率で増大させる開動作領域と第2の変化率で減少させる閉動作領域と開動作領域と閉動作領域との間のアクセル開度を一定に保持する保持領域とのいずれに存在するかに応じてアクセル開度の変化を決定するものも提案されている(例えば、特許文献2参照)。この装置では、正常なセンサの出力信号レベルがどの区分領域に存在するかに応じてアクセル開度を徐々に変化させるので、正常時に比べてアクセル開度の変化を緩やかにしつつ、車両の制御を継続することを可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−157260号公報
【特許文献2】特開2001−260699号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の車両の制御装置では、運転者の運転要求に対して十分に対応することができず、運転者に不快感を与える場合が生じる。複数のアクセル開度センサの一部に異常が生じているときのフェールセーフ機能であるため、アクセル開度の上限や変化率に制限を課すのは好ましいが、車両の走行状況に応じた制限を考慮しないと、運転者に不快感を与えるものとなる。例えば、ある程度の車速で走行しているときにアクセルペダルを踏み込んで加速するときには、比較的大きなトルクを要するが、アクセル開度に対して小さな値の上限値が設定されていると、アクセルペダルを大きく踏み込んでも小さな上限値のアクセル開度が設定され、アクセル開度に応じた小さなトルクしか出力することができず、アクセルペダルの踏み込みに対応した加速を得ることができない。また、勾配の急な登坂路で発進するときにも大きなトルクを必要とするが、アクセル開度に小さな値の上限値が設定されていると、登坂路を発進できない場合も生じる。
【0006】
本発明の車両の制御装置は、複数のアクセルセンサの一部に異常が生じたときのフェールセーフ機能をより適正なものとすることを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の車両の制御装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0008】
本発明の車両の制御装置は、
複数のアクセルセンサからの信号に基づくアクセル開度を用いて車両を制御する制御装置であって、
前記複数のアクセルセンサの一部に異常が生じたときには、正常なアクセルセンサからの信号を用いて車速に応じた上限開度の範囲内でアクセル開度を設定する異常時アクセル開度設定手段、
を備えることを特徴とする。
【0009】
この本発明の車両の制御装置では、複数のアクセルセンサの一部に異常が生じたときには、正常なアクセルセンサからの信号を用いて車速に応じた上限開度の範囲内でアクセル開度を設定する。このため、アクセル開度を車速に応じたものとすることができる。この結果、複数のアクセルセンサの一部に異常が生じている最中にある程度の車速で走行しているときでも、運転者がアクセルペダルを踏み込めば、ある程度の加速感を運転者に与えることができる。即ち、複数のアクセルセンサの一部に異常が生じたときのフェールセーフ機能をより適正なものとすることができる。ここで、異常時アクセル開度設定手段は、前記上限開度として車速が大きいほど大きくなる傾向の値を用いてアクセル開度を設定する手段である、ものとすることもできる。
【0010】
こうした本発明の車両の制御装置において、前記異常時アクセル開度設定手段は、前記上限開度として登坂路としたときの勾配が大きいほど大きくなる傾向の値を用いてアクセル開度を設定する手段である、ものとすることもできる。こうすれば、アクセル開度を走行路の勾配に応じたものとすることができ、登坂路での発進をある程度スムーズに行なうことができると共に、登坂路での走行中にアクセルペダルが踏み込まれたときに、ある程度の加速感を運転者に与えることができる。この結果、複数のアクセルセンサの一部に異常が生じたときのフェールセーフ機能をより適正なものとすることができる。
【0011】
また、本発明の車両の制御装置において、前記異常時アクセル開度設定手段は、前記上限開度として前記正常なアクセルセンサからの信号に基づいて判定されるアクセルオンが継続しているアクセルオン時間が長いほど大きくなる傾向の値を用いてアクセル開度を設定する手段である、ものとすることもできる。こうすれば、登坂路での発進時にもたつきが生じたときでも、運転者がアクセルペダルを踏み続けることにより、より大きなアクセル開度を設定して発進させることができる。これにより、フェールセーフ時の車両の発進性を確保することができる。この場合、前記異常時アクセル開度設定手段は、前記上限開度として車速が所定車速以上のときには前記アクセルオン時間に対して変化しない値を用いてアクセル開度を設定する手段である、ものとすることもできる。ある程度の車速以上では不要と考えられることに基づく。
【0012】
本発明の車両の制御装置において、前記異常時アクセル開度設定手段は、正常なアクセルセンサからの信号を用いてユーザー開度を設定し、ユーザー開度がそのときに設定されているアクセル開度より大きいときには、前記複数のアクセルセンサのすべてが正常なときに比して、アクセル開度のユーザー開度への追従性が低くなる緩変化処理を用いてアクセル開度を設定する手段である、ものとすることもできる。複数のアクセルセンサの一部に異常が生じているときには、すべてのアクセルセンサが正常なときよりアクセル開度を大きくする際のユーザー開度への追従性を低くしても差し支えないからである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施例としての車両の制御装置を搭載するハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。
【図2】HVECU70により実行されるアクセル開度設定処理の一例を示すフローチャートである。
【図3】車速Vと路面勾配θとにより上限開度Alimを設定する際に用いる上限開度設定用マップの一例を示す説明図である。
【図4】変形例のアクセル開度設定処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】車速Vとアクセルオン継続時間tとにより上限開度Alimを設定する際に用いる上限開度設定用マップの一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
【実施例】
【0015】
図1は、本発明の一実施例としての車両の制御装置を搭載するハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、ガソリンや軽油などを燃料とするエンジン22と、エンジン22を駆動制御するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという。)24と、エンジン22のクランクシャフト26にキャリアが接続されると共に駆動輪38a,38bにデファレンシャルギヤ37を介して連結された駆動軸36にリングギヤが接続されたプラネタリギヤ30と、例えば同期発電電動機として構成されて回転子がプラネタリギヤ30のサンギヤに接続されたモータMG1と、例えば同期発電電動機として構成されて回転子が駆動軸36に接続されたモータMG2と、モータMG1,MG2を駆動するためのインバータ41,42と、モータMG1,MG2を駆動制御するモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという。)40と、インバータ41,42を介してモータMG1,MG2と電力をやりとりするバッテリ50と、バッテリ50を管理するバッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという。)52と、車両全体を制御するハイブリッド用電子制御ユニット(以下、HVECUという。)70と、を備える。ここで、車両の制御装置としては、HVECU70が相当する。
【0016】
エンジンECU24は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM、入出力ポート、通信ポートを備える。エンジンECU24には、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号が入力ポートを介して入力されており、エンジンECU24からは、エンジン22を駆動するための種々の制御信号が出力ポートを介して出力されている。また、エンジンECU24は、HVECU70と通信しており、HVECU70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをHVECU70に出力する。なお、エンジンECU24は、クランクシャフト26に取り付けられた図示しないクランクポジションセンサからの信号に基づいてクランクシャフト26の回転数、即ちエンジン22の回転数Neも演算している。モータECU40は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM、入出力ポート、通信ポートを備える。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力ポートを介して入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42の図示しないスイッチング素子をスイッチングするためのスイッチング制御信号が出力ポートを介して出力されている。また、モータECU40は、HVECU70と通信しており、HVECU70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをHVECU70に出力する。なお、モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からの信号に基づいてモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2を演算している。バッテリECU52は、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM、入出力ポート、通信ポートを備える。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ラインに取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた図示しない温度センサからの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりHVECU70に送信する。また、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいてそのときのバッテリ50から放電可能な電力の容量の全容量の割合である蓄電割合SOCを演算したり、演算した蓄電割合SOCと電池温度Tbとに基づいてバッテリ50を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限Win,Woutを演算している。
【0017】
HVECU70は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM、入出力ポート、通信ポートを備える。HVECU70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルメインセンサ84aおよびアクセルサブセンサ84bからのメイン開度A1およびサブ開度A2,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。HVECU70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
【0018】
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダルの踏み込み量に対応するアクセルメインセンサ84aおよびアクセルサブセンサ84bからのメイン開度A1およびサブ開度A2に基づいてアクセル開度Accを設定しすると共に設定したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸36に出力すべき要求トルクTr*を計算し、この要求トルクTr*に対応する要求動力が駆動軸36に出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とを運転制御する。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてがプラネタリギヤ30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されて駆動軸36に出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部がプラネタリギヤ30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力が駆動軸36に出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力を駆動軸36に出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。なお、トルク変換運転モードと充放電運転モードは、いずれもエンジン22の運転を伴って要求動力が駆動力36に出力されるようエンジン22とモータMG1,MG2とを制御するモードであり、実質的な制御における差異はないため、以下、両者を合わせてエンジン運転モードという。
【0019】
エンジン運転モードでは、HVECU70は、設定したアクセル開度Accと車速センサ88からの車速Vとに基づいて駆動軸36に出力すべき要求トルクTr*を設定し、設定した要求トルクTr*に駆動軸36の回転数Nr(例えば、モータMG2の回転数Nm2や車速Vに換算係数を乗じて得られる回転数)を乗じて走行に要求される走行用パワーPdrvを計算すると共に計算した走行用パワーPdrvからバッテリ50の蓄電割合SOCに基づいて得られるバッテリ50の充放電要求パワーPb*(バッテリ50から放電するときが正の値)を減じてエンジン22から出力すべきパワーとしての要求パワーPe*を設定する。そして、要求パワーPe*を効率よくエンジン22から出力することができるエンジン22の回転数NeとトルクTeとの関係としての動作ライン(例えば燃費最適動作ライン)を用いてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定し、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で、エンジン22の回転数Neが目標回転数Ne*となるようにするための回転数フィードバック制御によりモータMG1から出力すべきトルクとしてのトルク指令Tm1*を設定すると共にモータMG1をトルク指令Tm1*で駆動したときにプラネタリギヤ30を介して駆動軸36に作用するトルクを要求トルクTr*から減じてモータMG2のトルク指令Tm2*を設定し、設定した目標回転数Ne*と目標トルクTe*とについてはエンジンECU24に送信し、トルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40に送信する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによってエンジン22が運転されるようエンジン22の吸入空気量制御や燃料噴射制御,点火制御などを行い、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
【0020】
モータ運転モードでは、HVECU70は、設定したアクセル開度Accと車速センサ88からの車速Vとに基づいて駆動軸36に出力すべき要求トルクTr*を設定し、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定する共にバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTr*が駆動軸36に出力されるようモータMG2のトルク指令Tm2*を設定してモータECU40に送信する。そして、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
【0021】
次に、実施例のハイブリッド自動車20の動作、特にアクセルメインセンサ84aとアクセルサブセンサ84bとのうちの一方に異常が生じているときにアクセル開度Accを設定する動作について説明する。図2はアクセル開度設定処理の一例を示すフローチャートである。このアクセル開度設定処理は、所定時間毎(例えば、数msec毎や数十msec毎,数百msec毎など)に繰り返し実行される。
【0022】
アクセル開度設定処理が実行されると、HVECU70は、まず、アクセルメインセンサ84aやアクセルサブセンサ84bに異常が生じているか否かの情報(アクセルセンサ異常情報)を取得すると共に、アクセルメインセンサ84aからのメイン開度A1やアクセルサブセンサ84bからのサブ開度A2,勾配センサ89からの路面勾配θ,車速センサ88からの車速Vなどアクセル開度Accを設定するのに必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、アクセルセンサ異常情報は、システム起動時に実行されるシステムチェックにより異常が判定されたときやシステム起動後に定期的に実行される異常判定により異常が判定されたときに異常であることを保持する異常判定フラグ(アクセルメインセンサ異常判定フラグやアクセルサブセンサ異常判定フラグ)を読み込むことにより取得するものとした。
【0023】
アクセルセンサ異常情報によりアクセルメインセンサ84aとアクセルサブセンサ84bの双方に異常が生じておらず共に正常なときには、通常時のアクセル開度設定処理を実行して(ステップS120)、本処理を終了する。通常時のアクセル開度設定処理としては、例えば、アクセルメインセンサ84aからのメイン開度A1をユーザー開度Auとして設定すると共にこのユーザー開度Auを用いてアクセル開度Accを設定するものや、アクセルメインセンサ84aとアクセルサブセンサ84bの平均値をユーザー開度Auとして設定すると共にこのユーザー開度Auを用いてアクセル開度Accを設定するものなどとすることができる。ユーザー開度Auを用いてアクセル開度Accを設定する処理としては、例えば、ユーザー開度Auがアクセル開度Acc以上のときには緩変化処理(例えば、なまし処理やレートリミット処理など)を用いてアクセル開度Accを設定し、ユーザー開度Auがアクセル開度Acc未満のときにはユーザー開度Auをアクセル開度Accとして設定する処理などを挙げることができる。緩変化処理の一例としてレートリミット処理を用いるものとすれば、アクセル開度Accにレート値Art1を加えたものとユーザ開度Auのうち小さい方をアクセル開度Accとして設定するものとなる。ここで、レート値Art1は、アクセル開度設定処理が実行される毎にアクセル開度Accを大きくする値であり、アクセル開度設定処理の起動間隔やエンジン22,モータMG1,MG2からの出力のレスポンス,人間工学により得られる人間のレスポンスなどに基づいて比較的応答性が良好となるよう定められる。このように、ユーザー開度Auがアクセル開度Acc以上のときのアクセル開度Accの設定に緩変化処理を施すのは、エンジン22やモータMG1,MG2の応答性を考慮するためである。なお、通常時のアクセル開度設定処理については、本発明の中核をなさないため、これ以上の詳細な説明は省略する。
【0024】
アクセルセンサ異常情報によりアクセルメインセンサ84aとアクセルサブセンサ84bとの双方に異常が生じているときには、アクセルレス制御への移行を指示して(ステップS190)、本処理を終了する。アクセルレス制御としては、例えば、シフトポジションSPが前進用ポジション(Dポジション)のときには前進方向に所定車速(例えば、5km/hなど)までとなる範囲内で予め定められた異常時の前進用トルクがエンジン22やモータMG1,MG2から出力されるように制御し、シフトポジションSPが後進用ポジション(Rポジション)のときには後進方向に所定車速(例えば、5km/h)までとなる範囲内で予め定められた異常時の後進用トルクがモータMG2から出力されるように制御するものなどを挙げることができる。アクセルレス制御については、本発明の中核をなさないため、これ以上の詳細な説明は省略する。
【0025】
アクセルセンサ異常情報によりアクセルメインセンサ84aかアクセルサブセンサ84bの一方のみに異常が生じているときには、異常が生じていない正常なセンサからの開度をユーザー開度Auに設定する(ステップS130)。即ち、アクセルメインセンサ84aに異常が生じているときにはアクセルサブセンサ84bからのサブ開度A2をユーザー開度Auに設定し、アクセルサブセンサ84bに異常が生じているときにはアクセルメインセンサ84aからのメイン開度A1をユーザー開度Auに設定するのである。
【0026】
続いて、設定したユーザー開度Auをそれまでに設定されているアクセル開度Accと比較し(ステップS140)、ユーザー開度Auがアクセル開度Acc以上のときには、アクセル開度Accにレート値Art2を加えたものとユーザー開度Auのうち小さい方を制御開度Anとして設定する(ステップS150)。ここで、レート値Art2は、レートリミット処理におけるレート値であり、通常時のアクセル開度設定処理でユーザー開度Auがアクセル開度Accより大きいときに用いる緩変化処理の一例として説明したレートリミット処理におけるレート値Art1より小さい値が用いられる。即ち、通常時のアクセル開度設定処理では、比較的応答性が良好となるようレート値Art1を用いるものとしたが、アクセルメインセンサ84aかアクセルサブセンサ84bの一方に異常が生じているときには、通常時と同様の応答性を有する必要がないため、通常時より応答性が低下したものとなるよう通常時のレート値Art1より小さいレート値Art2を用いるのである。言い換えれば、アクセルメインセンサ84aかアクセルサブセンサ84bの一方に異常が生じているときには、双方が正常なときに比して、制御開度Anやアクセル開度Accのユーザー開度Auへの追従性が低くなる緩変化処理を用いているのである。
【0027】
そして、路面勾配θと車速Vとに基づいて上限開度Alimを設定し(ステップS160)、制御開度Anと上限開度Alimのうち小さい方を新たなアクセル開度Accとして設定して(ステップS170)、本処理を終了する。ここで、上限開度Alimは、車速Vが大きいほど大きくなる傾向に、且つ、路面勾配θが大きいほど大きくなる傾向に設定されるものであり、実施例では、予め車速Vと路面勾配θと上限開度Alimとの関係を定めて上限開度設定用マップとしてHVECU70の図示しないROMに記憶しておき、車速Vと路面勾配θとが与えられるとマップから対応する上限開度Alimを導出することにより設定するものとした。上限開度設定用マップの一例を図3に示す。図示するように、上限開度Alimは、車速Vが大きいほど且つ路面勾配θが大きいほど大きな値が設定される。即ち、上限開度Alimは、路面勾配θが正の登り勾配のときには、車速Vが大きいほど路面勾配θが大きいほど大きな値に設定され、路面勾配θが負の下り勾配のときには、車速Vが大きいほど路面勾配θの絶対値が小さいほど大きな値に設定される。車速Vが大きいほど大きな値を上限開度Alimとして設定するのは、走行するのに車速Vが大きいほど車両に要求される要求パワーTr*が大きくなることに基づいている。また、路面勾配θが大きいほど大きな値を上限開度Alimとして設定するのは、走行するのに登り勾配が大きいほど大きなトルクが必要となることに基づいている。
【0028】
なお、ステップS140でユーザー開度Auがアクセル開度Acc未満であると判定されると、ユーザー開度Auを新たなアクセル開度Accとして設定して(ステップS180)、本処理を終了する。ユーザー開度Auがアクセル開度Acc未満のときにアクセル開度Accの設定の際に緩変化処理を行なわないのは、エンジン22やモータMG1,MG2からの出力の減少に対しては、できる限り運転者の意図に沿うようにするためである。
【0029】
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20の制御装置によれば、アクセルメインセンサ84aかアクセルサブセンサ84bの一方のみに異常が生じているときには、異常が生じていない正常なセンサからの開度をユーザー開度Auに設定し、設定したユーザー開度Auがアクセル開度Acc以上のときには、アクセル開度Accにセンサ異常が生じていない通常時のレート値Art1より小さなレート値Art2を用いたレートリミット処理により制御開度Anを設定すると共に車速Vが大きいほど大きくなる傾向に且つ路面勾配θが大きいほど大きくなる傾向に設定された上限開度Alimと制御開度Anとうち小さい方を新たなアクセル開度Accとして設定することにより、アクセル開度Accを車速Vや路面勾配θに応じたものとすることができる。即ち、アクセルメインセンサ84aかアクセルサブセンサ84bの一方に異常が生じている最中にある程度の車速Vで走行しているときでも、運転者がアクセルペダル83を踏み込めば、ある程度の加速感を運転者に与えることができる。また、アクセルメインセンサ84aかアクセルサブセンサ84bの一方に異常が生じている最中に登坂路を走行しているときでも運転者がアクセルペダル83が踏み込めば、ある程度の加速感を運転者に与えることができる。これらの結果、アクセルメインセンサ84aかアクセルサブセンサ84bの一方に異常が生じたときのフェールセーフ機能をより適正なものとすることができる。
【0030】
実施例のハイブリッド自動車20の制御装置では、アクセルメインセンサ84aかアクセルサブセンサ84bの一方に異常が生じているときにユーザー開度Auがアクセル開度Acc以上のときには、車速Vが大きいほど大きくなる傾向に且つ路面勾配θが大きいほど大きくなる傾向に上限開度Alimを設定し、設定した上限開度Alimと制御開度Anとうち小さい方を新たなアクセル開度Accとして設定するものとしたが、アクセルメインセンサ84aかアクセルサブセンサ84bの一方に異常が生じているときにユーザー開度Auがアクセル開度Acc以上のときには、路面勾配θに拘わらずに車速Vが大きいほど大きくなる傾向に上限開度Alimを設定し、設定した上限開度Alimと制御開度Anとうち小さい方を新たなアクセル開度Accとして設定するものとしてもよい。
【0031】
実施例のハイブリッド自動車20の制御装置では、アクセルメインセンサ84aかアクセルサブセンサ84bの一方に異常が生じているときにユーザー開度Auがアクセル開度Acc以上のときには、車速Vが大きいほど大きくなる傾向に且つ路面勾配θが大きいほど大きくなる傾向に上限開度Alimを設定し、設定した上限開度Alimと制御開度Anとうち小さい方を新たなアクセル開度Accとして設定するものとしたが、アクセルメインセンサ84aかアクセルサブセンサ84bの一方に異常が生じているときにユーザー開度Auがアクセル開度Acc以上のときには、車速Vが大きいほど大きくなる傾向に且つアクセルオンが継続している時間tが長いほど大きくなる傾向に上限開度Alimを設定し、設定した上限開度Alimと制御開度Anとうち小さい方を新たなアクセル開度Accとして設定するものとしてもよい。この場合、図2のアクセル開度設定処理に代えて図4のアクセル開度設定処理を実行すればよい。図4のアクセル開度設定処理は、図3のアクセル開度設定処理において、路面勾配θを入力するステップS100と路面勾配θを用いて上限開度Alimを設定するステップS160とに代えてアクセルオンを継続している時間tを入力するステップS110Bとアクセルオン継続時間tを用いて上限開度Alimを設定するステップS160Bとを実行すること以外については図2のアクセル開度設定処理と同一である。ここで、アクセルオン継続時間tとしては、この変形例では、ユーザー開度Auが値0でなくなったときに計時を開始し、ユーザー開度Auが値0のときにリセットされる図示しないタイマによって計時されたものを用いるものとした。この変形例のアクセル開度設定処理のステップS160Bでは、アクセルメインセンサ84aかアクセルサブセンサ84bの一方に異常が生じているときにユーザー開度Auがアクセル開度Acc以上のときには、車速Vが大きいほど大きくなる傾向に、且つ、アクセルオン時間tが大きいほど大きくなる傾向に、上限開度Alimが設定される。アクセルオン継続時間tが大きいほど大きな値を上限開度Alimとして設定するのは、運転者は加速を要求するときにはアクセルペダル83の踏み込みを継続することに基づいている。このように、上限開度Alimを設定することにより、登坂路での発進時にもたつきが生じたときでも、運転者がアクセルペダル83を踏み続けることにより、より大きなアクセル開度Accを設定して発進させることができる。これにより、フェールセーフ時の車両の発進性を確保することができる。なお、上限開度Alimは、この変形例では、予め車速Vとアクセルオン継続時間tと上限開度Alimとの関係を定めて上限開度設定用マップとしてHVECU70の図示しないROMに記憶しておき、車速Vとアクセルオン継続時間tとが与えられるとマップから対応する上限開度Alimを導出することにより設定するものとした。変形例の上限開度設定用マップの一例を図4に示す。図示するように、上限開度Alimは、車速Vが0km/hや30km/h,60km/hではアクセルオン継続時間tが大きいほど且つ車速Vが大きいほど大きな値が設定され、車速Vが90km/hや120km/hではアクセルオン継続時間tに拘わらずに車速Vが大きいほど大きな値が設定されている。車速Vが90km/hや120km/hのときにアクセルオン継続時間tに拘わらずに車速Vが大きいほど大きな値として上限開度Alimを設定するのは、ある程度の車速以上ではアクセルオン継続時間tに応じたアクセル開度Accの変化は不要と考えられるからである。
【0032】
実施例のハイブリッド自動車20の制御装置や変形例の制御装置では、アクセルメインセンサ84aかアクセルサブセンサ84bの一方に異常が生じているときにユーザー開度Auがアクセル開度Acc以上のときには、アクセル開度Accにセンサ異常が生じていない通常時のレート値Art1より小さなレート値Art2を用いたレートリミット処理により制御開度Anを設定するものとしたが、アクセルメインセンサ84aかアクセルサブセンサ84bの一方に異常が生じているときにユーザー開度Auがアクセル開度Acc以上のときでも、アクセル開度Accにセンサ異常が生じていない通常時のレート値Art1を用いたレートリミット処理により制御開度Anを設定するものとしても構わない。
【0033】
実施例のハイブリッド自動車20の制御装置や変形例の制御装置では、アクセルメインセンサ84aとアクセルサブセンサ84bの二つのセンサを備え、その一方に異常が生じているときに、異常が生じていない正常なセンサからの開度をユーザー開度Auに設定したが、三つのセンサを備え、そのうちの一つ又は二つのセンサに異常が生じたときに、二つの正常なセンサからの開度や一つの正常なセンサからの開度を用いてユーザー開度Auを設定するものとしてもよいし、四つ以上のセンサを備え、四つ以上のセンサのうちの全てのセンサには異常が生じていないが一つ又は二つ以上のセンサに異常が生じているときに、正常なセンサからの開度に基づいてユーザー開度Auを設定するものとしてもよい。
【0034】
実施例や変形例では、本発明をエンジン22とプラネタリギヤ30とモータMG1とモータMG2とバッテリ50とを備えるハイブリッド自動車に適用するものとしたが、エンジンと走行用のモータとを備えるあらゆるタイプのハイブリッド自動車や、エンジンを搭載しない電気自動車、走行用のモータを備えずエンジンのみを搭載する通常の自動車に適用するものとしてもよい。即ち、アクセルペダルの踏み込み量を検出するセンサとして二つ以上を備える車両であれば、如何なるタイプの車両に適用するものとしてもよいのである。
【0035】
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、アクセルメインセンサ84aとアクセルサブセンサ84bが「複数のアクセルセンサ」に相当し、アクセルメインセンサ84aかアクセルサブセンサ84bの一方のみに異常が生じているときには、異常が生じていない正常なセンサからの開度をユーザー開度Auに設定し、設定したユーザー開度Auがアクセル開度Acc以上のときには、アクセル開度Accにセンサ異常が生じていない通常時のレート値Art1より小さなレート値Art2を用いたレートリミット処理により制御開度Anを設定すると共に車速Vが大きいほど大きくなる傾向に且つ路面勾配θが大きいほど大きくなる傾向に設定された上限開度Alimと制御開度Anとうち小さい方を新たなアクセル開度Accとして設定する図2のアクセル開度設定処理を実行するHVECU70が「異常時アクセル開度設定手段」に相当する。
【0036】
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
【0037】
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、車両の制御装置の製造産業などに利用可能である。
【符号の説明】
【0039】
20 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、24a CPU、24b ROM、24c RAM、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 プラネタリギヤ、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、36 駆動軸、37 デファレンシャルギヤ、38a,38b 駆動輪、39a,39b 車輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、70 ハイブリッド用電子制御ユニット(HVECU)、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、89 勾配センサ、MG1,MG2 モータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアクセルセンサからの信号に基づくアクセル開度を用いて車両を制御する制御装置であって、
前記複数のアクセルセンサの一部に異常が生じたときには、正常なアクセルセンサからの信号を用いて車速に応じた上限開度の範囲内でアクセル開度を設定する異常時アクセル開度設定手段、
を備えることを特徴とする制御装置。
【請求項2】
請求項1記載の制御装置であって、
前記異常時アクセル開度設定手段は、前記上限開度として車速が大きいほど大きくなる傾向の値を用いてアクセル開度を設定する手段である、
制御装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の制御装置であって、
前記異常時アクセル開度設定手段は、前記上限開度として登坂路としたときの勾配が大きいほど大きくなる傾向の値を用いてアクセル開度を設定する手段である、
制御装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のうちのいずれか一つの請求項に記載の制御装置であって、
前記異常時アクセル開度設定手段は、前記上限開度として前記正常なアクセルセンサからの信号に基づいて判定されるアクセルオンが継続しているアクセルオン時間が長いほど大きくなる傾向の値を用いてアクセル開度を設定する手段である、
制御装置。
【請求項5】
請求項4記載の制御装置であって、
前記異常時アクセル開度設定手段は、前記上限開度として車速が所定車速以上のときには前記アクセルオン時間に対して変化しない値を用いてアクセル開度を設定する手段である、
制御装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のうちのいずれか一つの請求項に記載の制御装置であって、
前記異常時アクセル開度設定手段は、正常なアクセルセンサからの信号を用いてユーザー開度を設定し、ユーザー開度がそのときに設定されているアクセル開度より大きいときには、前記複数のアクセルセンサのすべてが正常なときに比して、アクセル開度のユーザー開度への追従性が低くなる緩変化処理を用いてアクセル開度を設定する手段である、
制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−60826(P2013−60826A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−198356(P2011−198356)
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】