説明

車両の蓄電装置

【課題】エネルギー効率を低下させることなく、低温環境において車両の動力性能を確保できる構造に搭載された車両の蓄電装置を得る。
【解決手段】車両の蓄電装置は、車両に搭載される第1の蓄電部101と、上記車両に搭載されるとともに上記第1の蓄電部よりも低温時の最大放電電力及び最大充電電力の低下が小さい第2の蓄電部102と、を備える車両の蓄電装置において、上記第2の蓄電部の発熱または上記第2の蓄電部による断熱により、上記第1の蓄電部を昇温または保温する。また、他の車両の蓄電装置は、車両に搭載される第1の蓄電部と、上記車両に搭載されるとともに上記第1の蓄電部よりも低温時の最大放電電力及び最大充電電力の低下が小さい第2の蓄電部と、上記第2の蓄電部の出力を制御する出力制御装置と、を備える車両の蓄電装置において、上記出力制御装置の発熱により、上記第1の蓄電部を昇温する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電動機を駆動源とする車両に搭載される蓄電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、環境問題を考慮した車両として、電動機を駆動源とする電気自動車やハイブリッド自動車及びプラグインハイブリッド自動車が注目されている。これらの車両には、電動機に電力を供給したり、減速時に運動エネルギーを電気エネルギーに変換して蓄電したりするために、二次電池や電気二重層キャパシタ等からなる蓄電装置が搭載されている。
ところで、一般的な蓄電装置では、低温になるほどその充放電特性が低下する。このため、低温環境において、蓄電装置の充放電特性の低下により、加速時に電動機に十分な電力が供給されず、ドライバーの要求を満たす加速度を出せないという問題があった。また、減速時には電動機から供給される電力を十分に蓄電できないという問題もあった。
【0003】
これらの問題に対して、蓄電装置が複数の蓄電部を備え、低温環境での蓄電装置の充放電特性の低下を抑制するための方法として、蓄電部を昇温する蓄電装置が提案されている。具体的には、一方の蓄電部に直列に接続されたコンバータと他方の蓄電部に直列に接続されたコンバータとを並列に接続し、一方の蓄電部の温度が温度下限値を下回っている場合には、その蓄電部から放電する電流の電流目標値を、負荷装置に流れる電流よりも大きく設定し、一方の蓄電部に接続されたコンバータは一方の蓄電部からの放電電流が電流目標値となるように制御する。負荷装置に流れなかった電流については、他方の蓄電部に接続されたコンバータを介して他方の蓄電部に蓄電される。これにより、一方の蓄電部の内部発熱を促し、その蓄電部を昇温することができる。その蓄電部を昇温することでその蓄電部の充放電特性の低下を抑制することができ、加速時にはドライバーの要求を満たす加速度を出せるようになり、減速時には電動機から供給される電力を十分に蓄電できるようになる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−295782号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に開示される蓄電装置では、一方の蓄電部から負荷電流を上回る電流を流すことによってその蓄電部の温度を上昇させるため、その蓄電部に蓄えられた電力が無駄に消費されることになる。具体的には、その蓄電部に蓄えられた電力は、2つのコンバータを介して他方の蓄電部に蓄電されるため、エネルギー効率が低下するという問題がある。
また、一方の蓄電部が温度下限値よりも高い温度まで昇温されなければ、加速時にモータに十分な電力を供給することができず、ドライバーの要求を満たす加速度を出すことができないという問題がある。また、減速時には電動機から供給される電力を十分に蓄電できないという問題もある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、エネルギー効率を低下させることなく、低温環境において車両の動力性能を確保できる構造に搭載された車両の蓄電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る車両の蓄電装置は、車両に搭載される第1の蓄電部と、上記車両に搭載されるとともに上記第1の蓄電部よりも低温時の最大放電電力及び最大充電電力の低下が小さい第2の蓄電部と、を備える車両の蓄電装置において、上記第2の蓄電部の発熱または上記第2の蓄電部による断熱により、上記第1の蓄電部を昇温または保温する。
【0008】
また、この発明に係る他の車両の蓄電装置は、車両に搭載される第1の蓄電部と、上記車両に搭載されるとともに上記第1の蓄電部よりも低温時の最大放電電力及び最大充電電力の低下が小さい第2の蓄電部と、上記第2の蓄電部の出力を制御する出力制御装置と、を備える車両の蓄電装置において、上記出力制御装置の発熱により、上記第1の蓄電部を昇温する。
【発明の効果】
【0009】
この発明に係る車両の蓄電装置は、低温時に電動機が必要とする電力のうち第1の蓄電部から放電される電力だけでは不足するときに第2の蓄電部から放電する電力で補っているから、第2の蓄電部はジュール熱によって発熱し、この発熱により第1の蓄電部が昇温されるので、第1の蓄電部及び第2の蓄電部から放電された電力が全て電動機に供給されており、エネルギー効率を低下することなく、第1の蓄電部の最大放電電力の低下を抑制することができ、且つ加速時にはドライバーの要求を満たす加速度を出すことができる。
【0010】
また、第2の蓄電部は第1の蓄電部にとって、外部環境との間の断熱材としても作用するので、第1の蓄電部を保温し、外部環境が低温時であっても第1の蓄電部の温度の低下が小さくなり、第1の蓄電部の最大放電電力の低下を抑制することができ、且つ加速時にはドライバーの要求を満たす加速度を出すことができる。
【0011】
また、この発明に係る車両の蓄電装置は、低温時に電動機が発電する電力が第1の蓄電部に充電し得る電力に比べて多いときに第2の蓄電部に充電しているから、第2の蓄電部はジュール熱によって発熱し、この発熱により第1の蓄電部が昇温されるので、第1の蓄電部に充電し得る最大充電電力の低下が抑えられており、全体として充電し得る電力が大きくなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明の実施の形態1に係る車両の蓄電装置を備える車両の主要部を示す概念図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る第1の蓄電部及び第2の蓄電部を蓄電装置パック内に配置する例を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る第1の蓄電部の最大充放電電力の温度依存性の一例である。
【図4】この発明の実施の形態1に係る第2の蓄電部の最大充放電電力の温度依存性の一例である。
【図5】この発明の実施の形態1に係る車両に搭載されるモータへ供給する電力の配分である。
【図6】この発明の実施の形態1に係る第1の蓄電部及び第2の蓄電部を蓄電装置パック内に配置する他の例を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態2に係る第1の蓄電部及び出力制御装置を蓄電装置パックに配置する例を示す図である。
【図8】図7に蓄電装置パック内に形成される空気流路を追加した図である。
【図9】この発明の実施の形態2に係る出力制御装置の概略構成図である。
【図10】この発明の実施の形態2に係る第1の蓄電部、第2の蓄電部及び出力制御装置を蓄電装置パックに配置する例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、この発明の車両の蓄電装置の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る車両の蓄電装置を備える車両の主要部を示す概念図である。
尚、この実施の形態1では、蓄電装置を搭載する車両の一例として、電気自動車を例に挙げて説明する。
この発明の実施の形態1に係る車両100は、第1の蓄電部101、第2の蓄電部102、出力制御装置103、インバータ104、モータ105及び蓄電装置パック106を備える。第1の蓄電部101は、例えばリチウムイオン電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池のような容量の大きい二次電池である。第2の蓄電部102は、第1の蓄電部101よりも最大充放電電力の低温時の低下が小さい蓄電装置であり、例えば、電気二重層キャパシタである。
出力制御装置103は、第2の蓄電部102と直列に接続され、第2の蓄電部102の出力を制御する。また、出力制御装置103は、第1の蓄電部101と並列に接続される。
【0014】
インバータ104は、第1の蓄電部101及び第2の蓄電部102から供給される直流電力を交流電力に変換し、変換した交流電力をモータ105に供給する。また、インバータ104は、車両100の減速時において、モータ105が車両100の運動エネルギーによって発電する交流電力を直流電力に変換し、変換した直流電力を第1の蓄電部101または第2の蓄電部102に供給する。
【0015】
モータ105は、インバータ104から供給される交流電力によって回転駆動力を発生したり、外部からの回転駆動力によって交流電力を発電したりする。モータ105は、図示しないトランスミッション等の動力伝達装置と連結され、発生した回転駆動力を図示しない車軸へ伝達する。
【0016】
次に、この発明の実施の形態1に係る第1の蓄電部101及び第2の蓄電部102を車両100に搭載するときの構造について説明する。
図2に示すように、第1の蓄電部101及び第2の蓄電部102は、蓄電装置パック106に内蔵され、第2の蓄電部102は、第1の蓄電部101の下に搭載される。
ここで、第1の蓄電部101の最大放電電力および最大充電電力の温度依存性の一例を図3に示す。尚、以下の説明において、低温(T℃)時の最大放電電力または最大充電電力の低下を常温(例えば25℃)時の最大放電電力または最大充電電力に対する割合として表し、割合が小さいほど最大放電電力または最大充電電力の低下が大きいと表現する。
そして、第1の蓄電部101は、低温になるほど分極作用等によって内部抵抗が増加し、最大放電電力および最大充電電力が低下する。
また、第2の蓄電部102の最大放電電力及び最大充電電力の温度依存性の一例を図4に示す。第2の蓄電部102は、第1の蓄電部101よりも低温時の最大放電電力及び最大充電電力の低下が小さい蓄電装置であり、この発明の実施の形態1においては、第2の蓄電部102は、電気二重層キャパシタである。電気二重層キャパシタの場合、リチウムイオン電池等の二次電池のような化学反応を伴わないため、低温時でも内部抵抗の増加が小さく、このため、最大放電電力及び最大充電電力の低下は小さい。
【0017】
次に、この発明の実施の形態1に係る車両の蓄電装置100において、第2の蓄電部102の発熱によって、第1の蓄電部101を昇温する動作について説明する。
図5は、この発明の実施の形態1に係る車両に搭載されるモータ105へ供給する電力の配分を説明するタイミングチャートであり、(a)は車両の速度、(b)はモータに入出力される電力、(c)は第1の蓄電部101から放電される電力または第1の蓄電部101に充電される電力、(d)は第2の蓄電部102から放電される電力または第2の蓄電部102に充電される電力を示している。なお、図5に示すモータ105へ供給する電力の配分は一例である。
【0018】
図5の時点tにおいて、第1の蓄電部101及び第2の蓄電部102の温度はT℃とする。このとき、図3、図4に示す第1の蓄電部101及び第2の蓄電部102の最大充放電電力の温度依存性から、第1の蓄電部101及び第2の蓄電部102がモータ105に供給できる最大放電電力はそれぞれP、Pである。
図5の時点tにおいて車両100は発進し、図5の時点tから時点tの間、車両は加速を続け、図5の時点tにおいて車両の速度はVaに達する。ここで、図5の時点tにおいて、モータ105が必要とする電力が第1の蓄電部101が供給できる最大電力Pを超えるため、第1の蓄電部101だけではモータ105が必要とする電力を供給できなくなる。このとき、低温時において最大充放電電力の低下が小さい第2の蓄電部102から、不足する電力を補う。即ち、図5の時点tから時点tの間、モータ105に供給する電力の一部は、第2の蓄電部102から供給される。
【0019】
図5の時点tにおいて車両は減速を開始し、図5の時点tから時点tの間、車両は減速を継続し、図5の時点tにおいて車両の速度はVbとなる。このとき、図3、図4に示す第1の蓄電部101及び第2の蓄電部102の最大充電電力の温度依存性から、第1の蓄電部101及び第2の蓄電部102がモータ105から受け入れることのできる最大充電電力はそれぞれP、Pである。
ここで、低温環境において、第1の蓄電部101は最大充電電力が低下しているため、モータ105が回生する電力の一部しか充電することができない。このとき、低温環境においても最大充電電力の低下が小さい第2の蓄電部102に、モータ105が回生する電力の残りを充電する。
【0020】
図5の時点tにおいて車両は再び加速を開始し、図5の時点tから時点tの間、車両は加速を続け、図5の時点tにおいて車両の速度はVaとなる。このとき、図5の時点tから時点tの間と同様に、モータ105に必要とする電力が第1の蓄電部101から供給できる電力Pを超えるため、第1の蓄電部101だけではモータ105が必要とする電力を供給できない。従って、モータ105が必要とする電力の一部は、第2の蓄電部102から供給される。
【0021】
図5に示されるように、車両は発進してから加速、減速を繰り返す。このため、低温環境においては、第2の蓄電部102から放電した電力をモータ105に供給したり、また、モータ105が回生する電力を第2の蓄電部102に充電したりする動作が頻繁に行われるため、第2の蓄電部102には電流が流れ、ジュール熱によって発熱する。このジュール熱等の熱により、第2の蓄電部102の上に搭載されている第1の蓄電部101を暖め、昇温することができる。
【0022】
また、第2の蓄電部102は第1の蓄電部101の下に搭載されているため、第2の蓄電部102は第1の蓄電部101にとって、外部環境との間の断熱材としても作用する。従って、この実施の形態1における車両の蓄電装置では、第1の蓄電部101を保温する効果もある。
【0023】
以上述べたように、この発明の実施の形態1に係る車両の蓄電装置によれば、低温環境では、第1の蓄電部101の電力不足を補うために第2の蓄電部102からモータ105に電力を供給するため、第2の蓄電部102はジュール熱によって発熱する。この発熱を利用して第1の蓄電部101を加温するので、第1の蓄電部101及び第2の蓄電部102から放電される電力が全てモータ105に供給され、エネルギー効率を低下することなく、第1の蓄電部101の最大放電電力の低下を抑制することができる。
【0024】
また、第2の蓄電部102は第1の蓄電部101にとって、外部環境との間の断熱材としても作用するので、第1の蓄電部101を保温する効果もある。
また、低温環境で、第1の蓄電部101の最大放電電力が低下した場合でも、第1の蓄電部101よりも低温時の最大放電電力の低下が小さい第2の蓄電部102からモータ105に電力を供給できるため、加速時にはドライバーの要求を満たす加速度を出すことができる。
【0025】
また、モータ105が回生する電力を、第1の蓄電部101よりも低温時の最大充電電力の低下が小さい第2の蓄電部102に充電するため、減速時にはモータ105が回生する電力を十分に蓄電できる。
なお、この発明の実施の形態1では、第2の蓄電部102を第1の蓄電部101の下に搭載する場合を記載したが、図6に示すように、第2の蓄電部102を第1の蓄電部101の側に搭載しても同様の効果を得ることができる。また、第2の蓄電部102を第1の蓄電部101の上に搭載してもよい。
【0026】
実施の形態2.
図7は、この発明の実施の形態2に係る第1の蓄電部及び出力制御装置を蓄電装置パックに配置する例を示す図である。
この発明の実施の形態2に係る車両の蓄電装置は、この発明の実施の形態1に係る車両の蓄電装置と蓄電装置パック106Bが異なり、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記し説明を省略する。
第1の蓄電部101は、蓄電装置パック106に内蔵され、蓄電装置パック106には吸気口702及び排気口703が設けられており、吸気口702からダクト701が車両の進行方向に延びて開口している。このように構成された蓄電装置では、図8のような空気流路が形成される。この空気流路の上流となるダクト701の上に、出力制御装置103が搭載されている。
【0027】
次に、出力制御装置103について説明する。
一例として、出力制御装置103は図9に示すような昇降圧チョッパ回路で構成されており、トランジスタQ、Qをオン・オフすることで、出力制御装置103が出力する電圧または電流を制御することができる。
【0028】
次に、この発明の実施の形態2に係る車両の蓄電装置において、出力制御装置103の発熱によって、第1の蓄電部101を昇温する動作について説明する。
図5を参照して実施の形態1において説明したように、車両は発進してから加速、減速を繰り返す。このため、低温環境においては、第2の蓄電部102から放電される電力がモータ105に供給されたり、モータ105が回生する電力を第2の蓄電部102に充電したりする動作が頻繁に行われる。このとき、第2の蓄電部102から放電された電力は出力制御装置103を介してモータ105に供給され、逆にモータ105が発電した電力も出力制御装置103を介して第2の蓄電部102に充電する。即ち、図9に示すトランジスタQ、Qをオン・オフさせる動作を行うため、トランジスタQ、Qをオン・オフさせることによるスイッチング損失やトランジスタのもつ定常損失のために、出力制御装置103は発熱する。この熱で、ダクト701内の空気が昇温され、図9に示す空気流路(ダクト701→吸気口702→蓄電装置パック106→排気口703)を通して対流し、空気流路において、出力制御装置103よりも下流に搭載されている第1の蓄電部101が昇温される。
【0029】
以上述べたように、この発明の実施の形態2による車両の蓄電装置によれば、低温環境では、第1の蓄電部101の電力不足を補うために第2の蓄電部102から出力制御装置103を介してモータ105に電力を供給するため、出力制御装置103は内部回路によって発熱する。この発熱を利用して第1の蓄電部101を昇温するので、エネルギー効率を低下することなく、第1の蓄電部101の最大放電電力の低下を抑制することができる。
【0030】
また、低温環境で、上記第1の蓄電部101の充放電特性が低下した場合でも、上記第1の蓄電部101よりも低温時の充放電特性の低下が小さい第2の蓄電部102から出力制御装置103を介してモータ105に電力を供給できるため、加速時にはドライバーの要求を満たす加速度を出すことができる。また、モータ105が回生する電力を、上記第1の蓄電部101よりも低温時の充放電特性の低下が小さい第2の蓄電部102に蓄電できるため、減速時にはモータ105が回生する電力を十分に蓄電できる。
【0031】
なお、この発明の実施の形態2では、出力制御装置103をダクト701の上に搭載したが、図10に示すように、出力制御装置103を蓄電装置パック106内の空気流路の上流側に搭載しても、同様の効果を得ることができる。
また、吸気口702または排気口703に、空気流路を強制対流させるためのファンを搭載することで、第1の蓄電部101をより効率的に昇温することができる。
また、この発明の実施の形態2では、出力制御装置103を空気経路において、第1の蓄電部101よりも上流に搭載することで、第1の蓄電部101が昇温できるようにしたが、第2の蓄電部102を空気経路において、第1の蓄電部101よりも上流に搭載することによっても、第1の蓄電部101を昇温することができる。
【符号の説明】
【0032】
100 車両、101 第1の蓄電部、102 第2の蓄電部、103 出力制御装置、104 インバータ、105 モータ、106、106B 蓄電装置パック、701 ダクト、702 吸気口、703 排気口、Q、Q トランジスタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される第1の蓄電部と、上記車両に搭載されるとともに上記第1の蓄電部よりも低温時の最大放電電力及び最大充電電力の低下が小さい第2の蓄電部と、を備える車両の蓄電装置において、
上記第2の蓄電部の発熱または上記第2の蓄電部による断熱により、上記第1の蓄電部を昇温または保温することを特徴とする車両の蓄電装置。
【請求項2】
車両に搭載される第1の蓄電部と、上記車両に搭載されるとともに上記第1の蓄電部よりも低温時の最大放電電力及び最大充電電力の低下が小さい第2の蓄電部と、上記第2の蓄電部の出力を制御する出力制御装置と、を備える車両の蓄電装置において、
上記出力制御装置の発熱により、上記第1の蓄電部を昇温することを特徴とする車両の蓄電装置。
【請求項3】
上記第2の蓄電部は、上記第1の蓄電部の下または側または上に搭載されることを特徴とする請求項1に記載の車両の蓄電装置。
【請求項4】
上記第1の蓄電部を内蔵するとともに、内部に空気流路を有する蓄電装置パックを備え、
上記第2の蓄電部は、上記第1の蓄電部よりも上記空気流路の上流側に搭載され、
上記第2の蓄電部の発熱で昇温した空気を上記空気流路に流して、上記第1の蓄電部を昇温することを特徴とする請求項1に記載の車両の蓄電装置。
【請求項5】
上記第1の蓄電部を内蔵するとともに、内部に空気流路を有する蓄電装置パックを備え、
上記出力制御装置は、上記第1の蓄電部よりも上記空気流路の上流側に搭載され、
上記出力制御装置の発熱で昇温した空気を上記空気流路に流して、上記第1の蓄電部を昇温することを特徴とする請求項2に記載の車両の蓄電装置。
【請求項6】
上記空気流路を強制対流にするファンを備えることを特徴とする請求項4または5に記載の車両の蓄電装置。
【請求項7】
上記第2の蓄電部は、上記蓄電装置パックに内蔵されることを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載の車両の蓄電装置。
【請求項8】
上記出力制御装置は、上記蓄電装置パックに内蔵されることを特徴とする請求項5に記載の車両の蓄電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−229288(P2011−229288A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−97045(P2010−97045)
【出願日】平成22年4月20日(2010.4.20)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】