説明

車両の障害物認識装置

【課題】単一のカメラで、ステレオカメラのように、物標までの距離を検出することができる車両の障害物認識装置の提供。
【解決手段】車両前方に向かって交互に光を照射する左光源1及び右光源2と、車幅方向中央に設けられ、車両前方を撮像する単一のカメラ3と、カメラ3によって撮像された車両前方の画像から、左右の光源1及び2でそれぞれ照らされた物標20の第1の影21及び第2の影22を抽出する影抽出部4と、第1の影21の延びる方向と第2の影22の延びる方向とが成す角度βに基づいて、車両100から当該物標20までの距離を求める距離測定部5と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の障害物認識装置に係り、より詳細には、単一の撮像手段によって物標までの距離を求める車両の障害物認識装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両の安全走行のため、自車両の前方の障害物を認識する種々の障害物認識装置が提案されている。これらの障害物認識装置では、通常、ステレオカメラを用いて、障害物までの距離を検出している(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開平7−318650号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、一般に、カメラ自体が高価な部品であるため、2台以上のカメラを必要とするステレオカメラによる障害物認識装置は、コストが高くなってしまうという問題がある。このため、ステレオカメラを用いずに、障害物までの距離を検出することができる障害物認識装置の実現が望まれる。
【0005】
そこで、本発明は、単一の撮像手段で物標までの距離を求めることができる車両の障害物認識装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明の車両の障害物認識装置は、車両前方に向かって光を照射する照射手段と、車幅方向に照射手段と離間して設けられ、車両前方を撮像する単一の撮像手段と、撮像手段によって撮像された車両前方の画像から、上記照射手段によって照らされた物標の影を抽出する影抽出手段と、影抽出手段によって抽出された影の延びる方向に基づいて、車両から当該物標までの距離を求める距離測定手段と、を備えることを特徴としている。
【0007】
このように、本発明によれば、物標に光を照射し、その照射光による物標の影の延びる方向に基づいて物標までの距離が求められる。これにより、本発明によれば、単一の撮像手段であっても、物標までの距離を求めることができる。
【0008】
また、本発明において好ましくは、照射手段は、車幅方向に互いに離間して配置された第1及び第2照射手段から構成され、該第1及び第2照射手段は、車両前方に向かって光を交互に照射し、撮像手段は、第1照射手段の照射時の第1画像と、第2照射手段の照射時の第2画像とをそれぞれ撮像し、影抽出手段は、第1画像中の物標の第1の影と、第2画像中の該物標の第2の影とを抽出し、距離測定手段は、第1の影の延びる方向と第2の影の延びる方向との成す角度に基づいて、当該物標までの距離を求める。
【0009】
第1照射手段によって照らされたときの物標の第1の影と、第2照射手段によって照らされたときの当該物標の第2影との成す角度は、自車両から物標までの距離が短い程、大きくなる傾向がある。これにより、撮像手段によって撮像された画像中の第1及び第2の影の成す角度から、自車両から物標までの距離が求められる。
【0010】
また、本発明において好ましくは、影抽出手段は、物標の第1及び第2の影を抽出するにあたり、第1画像と第2画像との差分を抽出する。
これにより、物標の第1及び第2の影が容易に抽出される。
【0011】
また、本発明において好ましくは、照射手段は、車幅方向の一カ所に配置され、距離測定手段は、撮像手段によって撮像された物標の画像中の水平方向の位置から、当該物標の車幅方向の位置を求め、照射手段によって照らされた物標の影の延びる方向と当該物標の車幅方向位置とに基づいて、当該物標までの距離を求める。
これにより、車幅方向の位置と、物標の影の延びる方向とに基づいて、三角測量と同様にして、自車両から当該物標までの距離が求められる。
【0012】
また、本発明において好ましくは、照射手段は特定波長の光を照射し、撮像手段は、当該特定波長の光の画像を撮像する。
これにより、物標の影の抽出にあたり、車両の外部状況の影響を低減することができる。
【0013】
また、本発明において好ましくは、照射手段は、LEDで構成される。
このように照射手段をLEDで構成すれば、照射する光の波長を容易に特定することができる。また、LEDは、点灯及び消灯の応答性が良いため、特に二つの照射手段を交互に点灯させるのに用いて好適である。
【0014】
また、本発明において好ましくは、照射手段は、特定波長の可視光を照射し、撮像手段は、当該特定波長の可視光の画像を撮像する。
これにより、車両の外部状況の影響を低減することができる。
【0015】
また、本発明において好ましくは、照射手段は、近赤外光を照射し、撮像手段は、近赤外光の画像を撮像する。
これにより、車両の外部状況の影響を低減することができる。
【0016】
また、本発明において好ましくは、影抽出手段は、物標の影の長さを抽出し、当該物標の影の長さと、当該物標までの距離とに基づいて、当該物標の高さ求める高さ測定手段を更に備える。
これにより、物標の高さが求まり、かかる物標の高さを当該物標の画像認識に利用することができる。
【発明の効果】
【0017】
このように、本発明の車両の障害物認識装置によれば、単一の撮像手段で物標までの距離を求めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、添付の図面を参照して、本発明の車両の障害物認識装置の実施形態を説明する。
まず、図1のブロック図を参照して、第1実施形態の車両の障害物認識装置の構成について説明する。図1に示すように、第1実施形態の車両の障害物認識装置1は、車両前方に向かって光を照射する第1及び第2照明手段としての左光源1及び右光源2と、車両前方を撮像する単一の撮像手段としてのカメラ3と、コンピュータ10とから構成されている。
【0019】
左光源1及び右光源2は、図2に示す例では、車幅方向の両端に離間して設けられている。左光源1及び右光源2は、車両前端の左右のランプボックスに、それぞれヘッドライトとともに組み込んでもよいし、ランプボックスとは別個に配置してもよい。
【0020】
また、左右の光源1及び2は、特定の波長の光を照射するLEDで構成されている。特定の波長は、可視光でもよいし、近赤外光でもよい。そして、左光源1及び右光源2は、車両前方に向かって光を交互に照射する。交互照射の周期は、例えば、数ミリ秒から数百ミリ秒程度が望ましい。
【0021】
カメラ3は、図2に示す例では、フロントガラスの内側の上部であって車幅方向の中央の位置に、左右の光源1及び2と離間して設けられている。カメラ3は、CCDカメラ等の任意好適な撮像装置を採用することができる。そして、カメラ3は、左右の光源1及び2の照射する特定波長、例えば、LEDの発光波長の光の画像を撮像するのがよい。その場合、例えば、可視光又は近赤外の波長の光のみを選択的に投下する波長フィルタを介して撮像するとよい。
【0022】
ここで、図2を参照して、本実施形態における物標(障害物)までの距離の測定原理について説明する。
図2は、車両100を上方から見た様子を示している。車両100の前方には、物標20が存在している。この物標20を左光源1で照らしたときに、路面上に第1の影21が生じる。一方、この物標20を右光源2で照らしたときには、路面上に第2の影22が生じる。そして、これら第1の影21と第2の影22との成す角度は、車両100から物標20までの距離に依存する。
【0023】
図3のグラフに、第1の影21と第2の影22との成す角度βと、車両100(例えば、第1光源1の位置と第2光源2の位置とを結ぶ線)から物標20までの距離との関係を示す。図3のグラフ中の曲線Iに示すように、角度βが大きくなるほど、物標までの距離が短くなる。例えば、角度β=90°のとき、物標までの距離は、左光源1と右光源2の間隔の半分となる。図3のグラフでは、左光源1と右光源2の間隔を1mとしているので、角度β=90°のとき物標までの距離は、50cmとなる。
【0024】
物標の影の角度に基づいて物標までの距離を求める処理は、コンピュータ10によって行われる。コンピュータ10は、例えば、車両に搭載されたECU(electric control unit:電子制御装置)である。そして、図1に示すように、コンピュータ10は、カメラ3によって撮像された車両前方の画像から、左右の光源1及び2によって照らされた物標の影を抽出し、更に物標の影の長さを抽出する影抽出部4と、影抽出手段によって抽出された影の延びる方向に基づいて、車両から当該物標までの距離を求める距離測定部5と、当該物標の影の長さと当該物標までの距離とに基づいて当該物標の高さを求める高さ測定部6を有する。これらの各部4〜6は、コンピュータ10において、所定のプログラムを実行することにより、或いは、ICチップ等により実現される処理機能を表すものである。
【0025】
以下、第1実施形態の車両の障害物認識装置の動作例について説明する。
まず、図4のフローチャート参照して、第1実施形態における撮像処理を説明する。
第1実施形態では、左右の光源1及び2を交互に所定の間隔で点灯させ、カメラ3は、各光源1及び2がそれぞれ点灯しているタイミングで撮像する。
【0026】
具体的には、まず、左光源1を点灯し、車両前方に光を照射する(ステップS41)。次いで、所定時間経過後(ステップS42で「Yes」の場合)、カメラ3が車両前方を撮像した第1画像を保存する(ステップS43)。所定時間は、例えば、数ミリ秒乃至数百ミリ秒程度がよい。次いで、左光源1を消灯する(ステップS44)。
【0027】
図5(A)に、左光源1を照射時の第1画像31を示す。第1画像31では、車両前方やや左側に、物標20が撮像されている。物標20の右後には、左光源1の照明による物標20の第1の影21が延びている。
【0028】
次いで、右光源2を点灯し、車両前方に光を照射する(ステップS45)。
次いで、所定時間経過後(ステップS46で「Yes」の場合)、カメラ3が車両前方を撮像した第2画像を保存する(ステップS47)。次いで、左光源1を消灯する(ステップS48)。
【0029】
図5(B)に、右光源2を照射時の第2画像32を示す。第2画像32においても、第1画像31と同様に、車両前方やや左側に物標20が撮像されている。しかし、第2画像32では、物標20の左後ろに、右光源2の照明による物標20の第2の影22が延びている。
【0030】
次いで、図6のフローチャートを参照して、第1実施形態における距離演算処理を説明する。第1実施形態では、影抽出部4が、第1画像31中の物標20の第1の影21と、第2画像32中の該物標20の第2の影22とを抽出し、続いて、距離測定部5が、第1の影21の延びる方向と第2の影22の延びる方向とが成す角度に基づいて、当該物標20までの距離を求める。
【0031】
具体的には、まず、カメラ3で撮像した第1画像31と、第2画像32との差分データを抽出する(ステップS61)。第1画像31及び第2画像32においては、物標20の第1の影21及び第2の影22以外は同じである。このため、差分データは、物標20の第1の影21及び第2の影22のみとなる。図7に差分データの画像を示す。図7に示すように、差分データには、第1及び第2画像31及び32中の物標20の像も建造物の像も含まれていない。
【0032】
次いで、第1の影21の延びる方向と、第2の影22の延びる方向とが成す角度を抽出する(ステップS62)。
影抽出部4は、物標20の第1の影21、及び第2の影22を抽出するにあたり、左光源1が照射したときの第1画像31と、右光源2が照射したときの第2画像32との差分を抽出する。
【0033】
図7に、第1画像31と第2画像32との差分データの一例を示す。図7に示すように、第1画像31中の第1の影21と、第2画像32中の第2の影22影のみが、差分データとして抽出される。第1画像31及び第2画像に共通に撮像されている、路面や建造物は、差分データから除去されている。
【0034】
次いで、第1の影21の延びる方向と第2の影22の延びる方向とが成す角度αに基づいて、当該物標までの距離を求める(ステップS63)。
角度αの抽出にあたり、差分データの画像のノイズ除去処理、及び影の輪郭線の一次近似処理といった前処理を行うことが望ましい。そして、本実施形態では、図7に示すように、差分データの第1の影21及び第2の影22の外側の輪郭線をそれぞれ延長した波線I及びIIの成す角度αを求める。
【0035】
そして、角度αに基づいて、物標20までの距離を、例えば、図2に示したグラフのデータの参照テーブルやマップに基づいて求めるとよい。また、左右の光源1及び2の間の距離と、角度αとから算出してもよい。
【0036】
このようにして、単一のカメラで、ステレオカメラのように、物標までの距離を検出することができる。
【0037】
さらに、本実施形態では、物標の影の長さから、物標の高さも求めることができる。物標の高さが、左右の光源1及び2の配置された高さよりも低い場合、例えば、光源の位置の高さ、物標までの距離及び物標の影の長さを利用して、物標20の高さを求めることができる。物標の高さが分かれば、これを物標の認識に利用することができる。
【0038】
次に、本発明の車両の障害物認識装置の第2実施形態を説明する。
第2実施形態の車両の障害物認識装置の構成は、図1に示した第1実施形態における構成のうち、右光源2を除いた構成と同じである。したがって、第2実施形態の車両の障害物認識装置は、一つの光源1と、一つのカメラ3を備える。
なお、第2実施形態では、左光源1のみを設けた例について説明するが、照射手段の位置は、右側でもよい。
【0039】
第2実施形態では、このように、照射手段1が車幅方向の一カ所に配置され、距離測定部5は、カメラ3によって撮像された物標の画像中の水平方向の位置から、当該物標の車幅方向の位置を求め、上記照射手段によって照らされた物標の影の延びる方向と当該物標の車幅方向位置とに基づいて、当該物標までの距離を求める。
【0040】
ここで、図8を参照して、本実施形態における物標までの距離の測定例について説明する。図8は、車両100を上方から見た様子を示している。車両100の前方の真正面には、物標20が存在している。この物標20を左光源1で照らしたときの影21が生じている。
【0041】
図8には、便宜的に、左光源1を通り、且つ、車幅方向に延びる直線Iと、カメラ3から、車両前方の真正面に延び、且つ物標20を通る破線IIと、左光源1及び物標20を通る破線IIIが描かれている。これらの直線I、破線II及び破線IIIによって形成される直角三角形OLHから、物標20までの距離が求められる。すなわち、直角三角形OLHの辺LHの長さは、光源1とカメラ3との車幅方向の離間距離Wである。また、直角三角OLHの頂角は、破線IIと破線IIIの成す角度θである。この角度θは、物標20の影21の延びる方向から求められる。したがって、直角三角形OLHの辺OHの長さはが、下記の式(1)により求められる。
tanθ=W/d ・・・(1)
【0042】
ところで、物標20は、常に、カメラ3の真正面に存在するとは限らない。そこで、図9(A)及び図9(B)を参照して、物標20がカメラ3の真正面から車幅方向にずれた位置に存在する場合の物標20までの距離の求め方について説明する。
【0043】
図9(A)は、カメラ3により撮像した画像の一例である。この画像では、車両正面の右寄りに物標20が存在している。そして、左光源1による物標20の影21が、物標20の右後ろに延びている。物標20の車幅方向の位置は、以下に説明するように、カメラ3によって撮像された物標20の画像中の水平方向の位置から求められる。
【0044】
図9(A)に、便宜的に、物標20を通り、画像の水平方向に延びる破線Iと、車両の前後方向に延び、且つ左光源1の真正面に位置を示す破線IIと、物標20を通り、且つ車両の前後方向に延びる破線IVとを示す。また、画像中の直線IIIは、カメラ3の真正面の位置を示す。さらに、画像中の、破線Iと破線IIとの交点を点p、破線Iと直線IIIとの交点を点q、破線Iと破線IVとの交点を点rとする。
【0045】
画像中の点pq間の水平画素数をaとし、点qr間の水平画素数をbとし、左光源1とカメラ3の車幅方向の離間距離をWとすると、物標20の車幅方向の位置は下記の(2)式により求められる。
なお、下記の(2)においては、物標20の車幅方向の位置を、左光源1の真正面の位置からの距離Yで表す。
Y=W×(a+b)/a ・・・(2)
【0046】
そして、図9(B)に示す直角三角形OLHにおいて、左光源1によって照らされた物標20の影21の延びる方向φとすれば、当該物標20の車幅方向位置Yに基づいて、当該物標20までの距離dは、下記の(3)式により求められる。
tanφ=Y/d ・・・(3)
【0047】
このようにして、単一光源及び単一のカメラで、ステレオカメラのように、物標までの距離を検出することができる。
【0048】
上述した各実施形態においては、本発明を特定の条件で構成した例について説明したが、本発明は種々の変更及び組み合わせを行うことができ、これに限定されるものではない。例えば、上述の実施形態では、照射手段が特定波長の光を照射する例について説明したが、本発明では、照射手段の照射する光は、特定波長のものに限定されず、例えば、広い波長分布をもつ光を照射してもよい。また、照射手段はLEDに限定されず、任意好適な発光手段を用いることができる。例えば、上述の実施形態は、高さ測定手段を設けた例について説明したが、本発明では、高さ測定手段を省略してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の第1実施形態の車両の障害物認識装置の構成を説明するブロック図である。
【図2】車両の上方から見た、第1実施形態の車両の障害物認識装置の説明図である。
【図3】物標の角度と物標までの距離との関係を示すグラフである。
【図4】本発明の第1実施形態における撮像処理を説明するフローチャートである。
【図5】(A)は、左光源照射時の第1画像の例であり、(B)は、右光源照射時の第2画像の例である。
【図6】本発明の第1実施形態における距離演算処理を説明するフローチャートである。
【図7】第1画像と第2画像との差分データから、第1画像の影の延びる方向と、第2画像の影の延びる方向との成す角度を求める様子を示した図である。
【図8】車両の上方から見た、第2実施形態の車両の障害物認識装置の説明図である。
【図9】(A)は、第2実施形態において撮像された画像中の物標の車幅方向の位置の求め方の説明図であり、(B)は、第2実施形態における物標までの距離の算出方法の説明図である。
【符号の説明】
【0050】
1 左光源
2 右光源
3 カメラ
4 影抽出部
5 距離測定部
6 高さ測定部
10 コンピュータ
20 物標
21 第1の影
22 第2の影
31 第1画像
32 第2画像
100 車両

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両前方に向かって光を照射する照射手段と、
車幅方向に前記照射手段と離間して設けられ、車両前方を撮像する単一の撮像手段と、
上記撮像手段によって撮像された車両前方の画像から、上記照射手段によって照らされた物標の影を抽出する影抽出手段と、
上記影抽出手段によって抽出された影の延びる方向に基づいて、車両から当該物標までの距離を求める距離測定手段と、
を備えることを特徴とする車両の障害物認識装置。
【請求項2】
上記照射手段は、車幅方向に互いに離間して配置された第1及び第2照射手段から構成され、該第1及び第2照射手段は、車両前方に向かって光を交互に照射し、
上記撮像手段は、上記第1照射手段の照射時の第1画像と、上記第2照射手段の照射時の第2画像とをそれぞれ撮像し、
上記影抽出手段は、上記第1画像中の物標の第1の影と、上記第2画像中の該物標の第2の影とを抽出し、
上記距離測定手段は、上記第1の影の延びる方向と上記第2の影の延びる方向とが成す角度に基づいて、当該物標までの距離を求める、
ことを特徴とする請求項1記載の車両の障害物認識装置。
【請求項3】
上記影抽出手段は、上記物標の第1及び第2の影を抽出するにあたり、上記第1画像と上記第2画像との差分を抽出する、ことを特徴とする請求項2記載の車両の障害物認識装置。
【請求項4】
上記照射手段は、車幅方向の一カ所に配置され、
上記距離測定手段は、上記撮像手段によって撮像された物標の画像中の水平方向の位置から、当該物標の車幅方向の位置を求め、上記照射手段によって照らされた物標の影の延びる方向と当該物標の車幅方向位置とに基づいて、当該物標までの距離を求める
ことを特徴とする請求項1記載の車両の障害物認識装置。
【請求項5】
上記照射手段は、特定波長の光を照射し、
上記撮像手段は、当該特定波長の光の画像を撮像する、
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の車両の障害物認識装置。
【請求項6】
上記照射手段は、LEDで構成され、
上記撮像手段は、当該LEDの発光波長の画像を撮像する
ことを特徴とする請求項5記載の車両の障害物認識装置。
【請求項7】
上記照射手段は、特定波長の可視光を照射し、
上記撮像手段は、当該特定波長の可視光の画像を撮像する、
ことを特徴とする請求項5又は6記載の車両の障害物認識装置。
【請求項8】
上記照射手段は、近赤外光を照射し、
上記撮像手段は、近赤外光の画像を撮像する、
ことを特徴とする請求項5乃至7の何れか一項に記載の車両の障害物認識装置。
【請求項9】
上記影抽出手段は、物標の影の長さを抽出し、
当該物標の影の長さと、当該物標までの距離とに基づいて、当該物標の高さを求める高さ測定手段を更に備える、
ことを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の車両の障害物認識装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−8447(P2009−8447A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−168065(P2007−168065)
【出願日】平成19年6月26日(2007.6.26)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】