説明

車両内部構成部材のデカップラを形成する改善された方法

車両内部トリム構成部材のデカップラなどの物品を製造する方法が開示される。当該方法は、エンクロージャの形状を有するプレフォームを形成するために、材料をエンクロージャに搬送するステップと、隣接材料が冷却時に互いに結合することが可能であるような温度にプレフォームを加熱するステップと、型により加熱済みプレフォームを所定の3次元構成に形成するステップとを含む。エンクロージャは、穿孔部分、および穿孔部分の一部を選択的に露出させるように、エンクロージャに対して可動な少なくとも1つのパネルを有する。プレフォームの密度は、少なくとも1つのパネルがエンクロージャの穿孔部分を露出させるように移動する際に、変化させられることが可能である。本発明のデカップラなどの物品を製造する方法も開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本出願は、2004年2月10日に出願された米国特許出願10/775547に対する優先権を主張し、2003年3月12日に出願された米国仮特許出願60/454203の利益を主張する。これらの開示は、参照によって組み込まれている。
【0002】
本発明は、一般的には車両に関し、具体的には車両のトリム構成部材に関し、より具体的には車両における雑音低減に関する。
【背景技術】
【0003】
車両乗員区画内の雑音レベルを低減することが望ましいと一般的に考えられている。道路雑音、エンジン雑音、振動などの外部雑音、ならびに乗員区画内から発生する雑音が、様々な音響材料を使用することにより減衰されることが可能である。したがって、自動車などの車両の音響減衰材料が、フロアパネルのカーペットと関連してダッシュボードにおいて、ホイール壁において、トランク区画において、フードの下において、およびヘッドライナの一部として、慣例的に使用されている。
【0004】
顧客がより静かな乗員区画を望むために、最近、カーペットおよびダッシュインシュレータなど、車両トリム構成部材の音響特性が強調されている。自動車などの車両のフロア領域を覆うために使用されるカーペットは、従来、適切にはめ込まれるように、車両のフロアの輪郭に一致する非平面3次元外径構成に成形される。ダッシュインシュレータが、乗員区画をエンジン区画から分離する車両の防火壁に取り付けられる。ダッシュインシュレータは、エンジン区画から乗員区画への雑音および熱の伝達を低減するように設計される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
デカップラ(decoupler)と呼ばれる材料のフォームまたは繊維性の層が、音の減衰を助成するために、車両のダッシュインシュレータの背面およびカーペットに通常取り付けられる。デカップラは、隣接層間の隔離体として作用することが可能である。デカップラは、複雑な形状および構成を有することが要求される可能性があり、したがって、製造の時間がかかり、かつ高価である可能性がある。車両製造業者は、車両の製造に関連するコストおよび複雑さを低減する手段を常に探求している。さらに、車両製造業者は、乗員区画内の雑音を低減する一方で、トリム構成部材の重量を低減する方式を常に探求している。したがって、優れた音響減衰特性を呈示する一方で、軽量かつ低コストに装備が容易でもある、車両内で使用される遮音材料が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記を考慮して、たとえば内部トリム構成部材のデカップラなど、密度が制御されている物品を形成するシステムおよび方法が提供される。本発明の実施形態によれば、車両内部トリム構成部材のデカップラなどの物品を製造する方法が、より高い音響減衰を必要とする部分を識別するために、車両乗員区画の一部の音響特性を確認することと、望ましい形状および密度プロファイルを有するプレフォームを形成するために、材料をエンクロージャに搬送することと、冷却時に隣接材料が互いに結合することが可能である温度までプレフォームを加熱することと、加熱済みプレフォームを型により所定の3次元デカップラ構成に形成することとを含む。所定の構成は、内部トリム構成部材が装備される領域における車両の物理的寸法、およびその領域において所望される音響減衰に基づく。
【0007】
本発明の実施形態によれば、材料が中に搬送されるエンクロージャが、穿孔部分を有し、1つまたは複数のパネルが、プレフォームを形成するために材料が空気流によりエンクロージャ内に搬送される際に、穿孔部分の一部を選択的に露出させるように、エンクロージャに対して可動である。空気は、穿孔部分を通ってエンクロージャから出て、ルーズな材料がエンクロージャのその領域において集合させられることを可能にする。エンクロージャ内に形成されたプレフォームの選択領域の密度は、エンクロージャの穿孔部分が露出される率および/または期間によって制御される。密度は、ルーズな材料を搬送する空気流の圧力、および空気流における材料の濃度の関数とすることも可能である。本発明の実施形態によれば、プレフォームの選択領域の密度は、より高い音響減衰を必要とすると識別された領域において増大されることが可能である。したがって、より高い音響減衰を必要とすると識別されたデカップラの各選択領域について、圧力が、搬送材料の濃度と共に増大されることが可能であり、および/またはパネルの移動率が緩慢にされ、および/または穿孔部分の露出期間が増大され、これにより、より多くの材料が、プレフォームを形成するために、エンクロージャのその特定の領域内に搬送されて、集合させられる。さらに、変動横断面が輪郭付けられているプレフォームが形成されて、後に、特定の領域において追加の高密度化および音響減衰を提供するために、圧縮されることが可能である。
【0008】
さらに、材料の送達は、エンクロージャに空気流を提供するダクトの出力セクションの開口直径を制御することによって調節されることが可能であり、そのような空気流は、エンクロージャの所与の位置において集合させられる材料の量を再び制御するために、選択的にパルス化される、または率が変更されることも可能である。
【0009】
本発明の実施形態によれば、加熱済みプレフォームが、加熱済み内部トリム構成部材(たとえば、ダッシュインシュレータ、カーペットなど)と任意選択で組み合わされ、次いで、型により、デカップラを含む所定の3次元内部トリム構成部材に共に成形されることが可能である。
【0010】
本発明の実施形態によれば、制御された密度を有する物品、好ましくはプレフォームまたはデカップラの製造方法は、熱可塑性材料、熱硬化性材料、繊維性材料、フォーム、織物材料、不織材料、任意のタイプのファイバ、およびその組合せでエンクロージャを充填することを含む。好ましくは、ファイバの混合物が使用されることが可能である。たとえば、異なるデニールのファイバが、異なる音響性能を達成するために、異なる位置において使用されることが可能である。さらに、異なる材料の組成のファイバ、ならびに同じファイバ内において複数の材料組成を有するファイバ(たとえば、シース/コア、交互セグメントなどの2成分ファイバ)、およびその混合物が、使用されることが可能である。
【0011】
「材料」または「複数の材料」を搬送するという言及は、たとえばファイバ形態にある単一の材料、またはファイバ形態もしくは非繊維性形態にある2つ以上の材料の搬送を含むと理解されたい。さらに、エンクロージャを充填するために使用される材料は、ファイバ、クランプ、チャンク、タフト、ビード、クラスタ、スクラップ、粉末、およびペレットを含むが、これに限定されない、ほぼあらゆる形態および形状にあることが可能である。材料は、ほぼあらゆるサイズおよびアスペクト比とすることも可能である。さらに、エンクロージャに搬送され、エンクロージャの穿孔部分における開口のサイズを調節することによってエンクロージャ内に保持されることが可能であるように、そのようなサイズおよびアスペクト比を制御し、かつ、ある程度のロフトまたは低減された密度を有する物品を好ましくは提供することが好ましい。
【0012】
したがって、エンクロージャの穿孔部分における開口のサイズおよび形状は、エンクロージャに搬送される様々な形態および形状を有する材料が、プレフォームを形成するためにエンクロージャにおいて選択的に集合させられることが可能であるように、選択的に調整されることが可能である。
【0013】
本発明の実施形態によるデカップラは、安価に製造されることが可能であり、車両において現在使用されている高価なプレフォームバッティング、材料の複数層、および別の繊維性材料と置き換わることが可能である。さらに、本発明によるデカップラは、従来のバッティングより少ない材料を使用することが可能であるが、その理由は、音吸収材料が、必要とされる場所に戦略的に直接配置されて、より効率的な材料の使用を提供するからである。したがって、特定の領域の密度および局所的な部分厚さの組合せは、任意の選択位置において密度および厚さを選択的に制御することによって有効な音響減衰を提供するために使用される。したがって、本発明によるデカップラ層は、従来のデカップラと比較するとき、より軽量とされることが可能であり、複数層を層状にせずに、可変厚さを有して提供されることが可能である。本発明の実施形態によるデカップラは、車両の特定の必要性を満たすように、異なる位置において異なる音響プロファイルを有することが可能である。したがって、本明細書のデカップラは、選択位置における好ましくはファイバであるデカップラ材料の配置を対象とし、一方、デカップラ組成全体においてバインダ層(結合材層)または別の付加物もしくは複数層などのより高価な構成部材を必要とすることを回避することによって、コストを制御する機会を提供する。さらに、本発明の文脈では、機能に関して、デカップラへの言及は、音吸収材、または音障壁、または遮音体、または音隔離体、または音響減衰体、もしくはその組合せとして作用するあらゆる媒体を含むことを理解されたい。したがって、デカップラは、音をもたらすことが可能であるあらゆる媒体を含む。
【0014】
明細書の一部を形成する添付の図面は、本発明の枢要な実施形態を示す。図面および記述は、共に、本発明を完全に説明するように作用する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
ここで、本発明の好ましい実施形態が示されている添付の図面を参照して、以下により完全に本発明を記述する。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態において実現されることが可能であり、本明細書において記述される実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が完全かつ完璧であるように提供され、当業者に本発明の範囲を完全に伝達する。
【0016】
図面では、線、層、および領域の厚さは、明瞭化のために誇張されている可能性がある。層、領域、基板、またはパネルなどの部材が別の部材の「上」にあると言及されるとき、それは、別の部材のすぐ上にあるとすることができ、または介在する部材が存在することも可能であることが理解されるであろう。対照的に、部材が別の部材の「すぐ上に」あると言及されるとき、介在する部材は存在しない。一方の部材が他方の部材に「接続される」または「取り付けられる」と言及されるとき、それは、他方の部材に直接接続されるかまたは取り付けられることができ、あるいは、介在する部材が存在していてもよいことが理解されるであろう。対照的に、一方の部材が他方の部材に「直接接続される」または「直接取り付けられる」と言及されるとき、介在する部材は存在しない。「上方」、「下方」、「垂直」、「水平」などの用語は、本明細書において使用されるとき、単なる例示を目的とする。
【0017】
本発明の様々な実施形態に共通の部材について、実施形態間の数字参照符号は変わることなく維持されるが、アルファベット文字を既存の数字参照符号に付加することによって区別される。すなわち、たとえば、第1実施形態において10と表される部材は、10A、10Bなどと対応して表され、その後の実施形態で引き続き使用される。したがって、実施形態の記述において所定の部材を示すために参照符号が使用される場合、この参照符号は、アルファベット文字で区別されて、部材が共通である別の実施形態に同じように適用される。
【0018】
ここで図1Aを参照すると、本発明の実施形態による車両内部トリム構成部材のデカップラを製造する方法は、より高い音響減衰を必要とする部分を識別するために、内部トリム構成部材が接して配置される車両乗員区画の一部の音響特性を確認するステップ(ブロック100)と、望ましい形状および密度プロファイルを有するプレフォームを形成するために、好ましくはファイバである材料をエンクロージャ内に吹き込むステップ(ブロック110)と、隣接材料が冷却時に互いに結合することが可能である温度にプレフォームを加熱するステップ(ブロック120)と、加熱済みプレフォームを型により所定の3次元製品構成に形成するステップ(ブロック130)とを含む。3次元デカップラ構成を冷却する際に、隣接材料、好ましくはファイバが互いに結合することにより、所定の構成の形状保持が提供される。
【0019】
既述のように、本発明は、一部分は、冷却時に、隣接材料または好ましくはファイバが互いに結合するような温度までプレフォームを加熱するステップに基づいている。このことは、様々な方法によって達成されることができ、1つの方法は、材料またはファイバを、隣接材料またはファイバが溶融せずに互いに結合するような温度まで加熱するものである。このコンセプトを精密化すると、これは、材料またはファイバ混合物の一部として、アモルファスポリマーを使用する特徴に関するものであると理解することができる。アモルファスポリマー自体は、真の熱力学溶融事象の結果として軟化し、結合を提供するのに十分な所定の融点(Tm)を有さない。この代わりに、ポリマーはアモルファスであるので、軟化は、たとえばガラス転移温度(Tg)、またはある別の温度など、2次転移温度で生じる可能性がある。したがって、当業者なら、隣接ファイバが溶融せずに互いに結合するような温度にファイバなどを加熱することが、ファイバ組成内の実質的にアモルファスのポリマー材料のTgよりも高い温度において行われることが可能であることを理解するであろう。そのような環境下では、ファイバ混合物の結晶ポリマーファイバは、依然として溶融しておらず、Tg以上に加熱されたアモルファスポリマーは、冷却時に必要な結合を提供する。
【0020】
択一的に、結合はバインダ(結合材)の使用により行われてよく、このバインダ自体は、熱の導入により化学反応性であることが考えられる。たとえば、熱硬化性タイプの先駆物質の場合のように、化学架橋される高分子先駆物質などの構成部材を含むバインダシステムを任意選択で使用することが可能である。択一的に、湿度硬化システムを使用することを任意選択で選択することが可能であり、ポリマー樹脂などの構成部材は、熱および湿度の導入の際に反応し、冷却時に凝固して、プレフォーム内の結合を提供する。
【0021】
さらに別の実施形態では、ポリマーなど、融点がプレフォームの材料またはファイバの融点よりも高い構成部材バインダを使用することもできる。ポリマーバインダは、冷却されるときにプレフォーム内において隣接材料またはファイバが結合するように、高温において溶融を経験する。再び、これは、プレフォームの材料またはファイバ自体が溶融せずに、材料またはファイバが結合する別の例である。
【0022】
さらに別の実施形態では、ポリマーなど、融点がプレフォームの材料またはファイバの融点よりも高い構成部材バインダを使用することもできる。ポリマーバイダは、冷却されるとき、プレフォーム内において隣接材料またはファイバが結合するように、高温において溶融を経験する。再び、これは、プレフォームのファイバ自体が溶融せずに、材料またはファイバが結合する別の例である。
【0023】
したがって、ここで、車両乗員区画の一部の音響特性は、内部音および外部音が閾値強度レベルを超える強度レベルを有する乗員区画の領域を識別することによって、確認されてよいことに留意することができる。これは、乗員区画の1つまたは複数の部分の音強度マップを生成することを含むことが可能である。音強度マップは、当業者には十分に理解されており、本明細書においてさらに説明される必要はない。たとえば、“Noise Control:Measurement, Analysis and Control of Sound & Vibration”(Krieger Publishing Co.、フォークランド諸島、マラバル、1994年)を参照されたい。
【0024】
ここで図1Bを参照すると、本発明の実施形態による車両内部トリム構成部材のためのデカップラを製造する方法は、より高い音響減衰を必要とする部分を識別するために、車両乗員区画の一部の音響特性を確認するステップ(ブロック200)と、望ましい形状および密度プロファイルを有するプレフォームを形成するために、好ましくはファイバである材料をエンクロージャ内に搬送するステップ(ブロック210)と、隣接材料が冷却時に互いに結合することが可能である温度にプレフォームを加熱するステップ(ブロック220)と、車両内部トリム構成部材(たとえば、カーペット、ダッシュインシュレータなど)を所定の温度に加熱するステップ(ブロック230)と、加熱済みプレフォームおよび加熱済み内部トリム構成部材を共に対合させるステップ(ブロック240)と、組み合わされた内部トリム構成部材およびプレフォームを型により所定の3次元製品構成に形成するステップ(ブロック250)とを含む。デカップラ層を含めて3次元内部トリム構成部材を冷却する際に、隣接材料またはファイバが互いに結合することにより、所定の構成の形状保持が提供される。
【0025】
本発明の実施形態によれば、図1A〜図1Bに示される動作の様々なステップは、図示の順序以外で実施されることが可能である。たとえば、車両乗員区画の1つまたは複数の部分の音響特性が、図1A〜Bの残りのステップよりも十分先に実施されることが可能である。さらに、様々なブロックによって表される動作が、ほぼ同時に実施されることが可能である。たとえば、プレフォームおよび内部トリム構成部材が、ほぼ同じ時間または異なる時間に加熱されることが可能である(ブロック220、230)。
【0026】
本発明の実施形態によれば、材料またはファイバが中に搬送されるエンクロージャは、穿孔部分と1つまたは複数のパネルとを有する。パネルは、材料またはファイバがエンクロージャ内に搬送される際に、穿孔部分の一部を選択的に露出させるように、エンクロージャに対してどの方向でも可動である。空気流、あるいはさらには、材料またはファイバを伝達する気体または流体などのあらゆる別の適切な搬送媒体は、穿孔部分を通ってエンクロージャを出て、材料またはファイバがその領域において集合させられることを可能にする。このような点では、エンクロージャに材料またはファイバを単に重力供給することもできることを理解されたい。単に例示の目的として、空気が、好ましいファイバを搬送する好ましい媒体として依拠される。
【0027】
したがって、エンクロージャ内において形成されるプレフォームのファイバまたは材料が、エンクロージャの穿孔部分が露出される(もしくはパネルが移動される)率、および/または穿孔部分が露出される期間によって制御されることが可能であることが好ましい。たとえば、穿孔部分を露出させる本質的に一様なパネル移動率が、本質的に一様な密度のプレフォームを提供する。パネルの除去率を減速するかまたは増大することにより、プレフォームは、材料またはファイバのより高いおよび/またはより低い密度を有する様々なセクションを含むことが可能になる。さらに、材料または好ましいファイバがブロワからエンクロージャに供給されることが可能である率も、プレフォームの密度に影響を与える可能性がある。たとえば、比較的長期間、比較的高率(たとえば、40lbs./分)で所与の穿孔領域にわたってファイバを導入する場合、より短い時間期間、より緩慢なファイバ導入率(たとえば、10lbs./分)の場合と比較して、ファイバのより密な詰込みを提供する。
【0028】
本発明の実施形態によれば、材料または好ましいファイバの密度が、より高い音響減衰を必要とすると識別されたデカップラ層の領域において増大されることが可能である。したがって、より高い音響減衰を必要とすると識別されたデカップラ層の各領域について、エンクロージャの圧力は、プレフォームが形成される際、材料またはファイバがエンクロージャのその特定の領域に吹き付けられる際に増大される(または、パネル移動率は減少される)。さらに、材料またはファイバの異なるタイプ、サイズ、組成、および物理的特徴が、デカップラ層の異なる位置において使用されることが可能である。たとえば、材料またはファイバの供給混合物は、エンクロージャ内の選択位置において送達された材料またはファイバのタイプを変化させるように、エンクロージャの充填中の任意の所与の時間に選択的に調節されることができる。たとえば、デカップラ層の選択領域がより密に形成されると、ファイバはより微細になり、音響インピーダンスはより大きくなる。さらに、本発明の広範な文脈では、プレフォームは、特定の領域をさらに制御して高密度化するために、輪郭付き形状を有していてよく、かつ成形中に選択レベルにおいて圧縮されることが可能である。
【0029】
好ましい材料としてファイバが、空気ブロワから発生する空気流にルーズなファイバを供給することによって、エンクロージャ内に有利に搬送される。しかしながら、真空および真空と圧力との組合せを含むがこれに限定されない、ファイバまたは別の材料を搬送する別の手段が、使用されることが可能である。したがって、所与の3次元輪郭形状について、真空が、空気を吹き付けることにより単に充填することを超えてファイバ充填を助成することが必要である位置において、選択的に適用されることが可能である。より具体的には、より高い密度およびより大きい厚さが望ましいプレフォームの領域では、ファイバの充填を改善するために、空気流および真空を使用することが好ましいであろう。
【0030】
材料または好ましいファイバが、2つ以上の方向からエンクロージャ内に吹き込まれるおよび/または引き込まれることが可能である。たとえば、ファイバが、複数の方向からおよび/または複数のダクトもしくはノズルから、エンクロージャ内に吹き込まれることが可能である。さらに、様々なタイプのファイバが、プレフォームの選択領域において異なるプレフォーム組成を提供するために、これらのダクトまたはノズルを経て選択的にエンクロージャ内に搬送される(たとえば、特有のファイバのタイプが各ノズルにおいて供給される)ことが可能であることがさらに考えられる。さらに、特定のノズルまたはダクトが、先述のタイプの特定のバインダ組成物(たとえば、アモルファスファイバ、反応性バインダ、低溶融ポリマーなど)を送達するように、エンクロージャの回りの好ましい位置において選択されることが可能である。
【0031】
既述のように、様々なタイプおよびサイズの好ましいファイバが、本発明の実施形態により使用されることが可能である。たとえば、ショディファイバ(shoddy fibers)、ならびに様々な長さの別のスクラップおよび非スクラップのファイバが使用されることが可能である。ショディは、様々なファイバの混合物であり、混合物内のファイバの特性の変化により、隣接ファイバが共に結合する固有の機会を呈示する。既述のように、ファイバは、実質的にルーズな状態でエンクロージャ内に吹き込まれることが好ましい。ファイバは、合成ファイバ(熱可塑性および/または熱硬化性)、天然ファイバ、リサイクルファイバ、およびその混合物を含むことが可能であるが、これに限定されるものではない。さらに、シース/コア、サイドバイサイド、チップ、セグメントパイ、ストライプ、およびシーアイランドの変形体を含むがこれに限定されない、2成分ファイバなどの複数組成を有するファイバが、単独で、あるいは合成ファイバおよび/または天然ファイバと組み合わされて、使用されることが可能である。上記で言及された2成分ファイバの場合、成分の1つは、加熱および冷却プロファイル後、結合を提供するために最大限の効果が得られるように使用される。さらに、このような結合は、プレフォームのファイバを溶融せずに行われることが可能であるが、その理由は、2成分は、アモルファスであり、かつTmを有さない1つのポリマー成分を含むことが可能であるからである。そのような2成分ファイバは、シース/コア構成を含み、結晶ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)の内部コアが、約220°CのTmを有することが好ましい。シースは、約70°CのTgを有するアモルファスポリマーを含むことが可能である。したがって、アモルファスポリエステルは、システムがTgよりも高く加熱されるとき、結合を提供することが可能であり、別のファイバ自体は、溶融を経験しない。
【0032】
本発明の実施形態によれば、キャリアがエンクロージャ内に配置されて、材料または好ましいファイバがエンクロージャ内に吹き込まれて、キャリアによって支持されるプレフォームが形成されることが可能である。キャリアにより、エンクロージャ、オーブン、および型間のプレフォームの輸送が容易になる。キャリアは、様々なタイプの材料のいずれかとすることが可能である。たとえば、キャリアは、材料の音響ウエブを含むことが可能である。しかしながら、キャリアとして使用されることが可能である別のタイプの材料には、スクリム材料、スキン材料、レザー、プラスチックトリム部品、カーペット、ショディ、ファイババッティング、フォームなどがあるが、これに限定されるものではない。カーペットに関して言えば、このようなカーペットは、多孔性であることが好ましく、多孔性裏打ち膜を含み、この膜は、ポリオレフィンポリマー、および好ましくはポリウレタンをベースとする材料を含む。このようにして、プレフォームは、カーペットの多孔性膜層の上に構築される。プレフォームの加熱中、膜層は、次いで、プレフォームをカーペット材料に結合されるように作用する。さらに、キャリアは、連続製造プロセス中にファイバの支持を提供する連続(エンドレス)ベルトとすることも可能である。したがって、このベルトは、デカップラ層の一部とはならない。
【0033】
ここで図2を参照すると、本発明による車両内部トリム構成部材のためのデカップラを製造する1つの好ましいシステム10が示されている。図示のシステム10は、ファイバ梱破断ステーション15を含み、ここで、ファイバの梱16は、より小さいセクションに破断され、次いで、ファイバ準備ステーション20に装填される。ファイバ準備ステーション20は、一般に圧縮された構成(束化されることによって生じる)から、開繊されたルーズな構成にファイバを放出し、次いで、ルーズなファイバをブロワ22に供給するように構成される。様々なタイプの装置が、ファイバ準備ステーション20の機能を実施するために使用されることが可能である。たとえば、当業者なら理解するように、回転する歯またはスパイクのセットが、ファイバを開繊するために使用されることが可能である。1つまたは複数の遠心(または別のタイプ)のファンが、開繊ファイバをブロワ22または等価な運動源に供給するために提供されることが可能である。
【0034】
このステップのプロセス(非梱化)と関連して、ファイバをエンクロージャ内に導入する前に、ファイバが締め固められた状態に戻ることを防止するのを助成するために、霧化、および/または静電防止剤、および/または脱イオン空気の使用により制御された湿度の量を含むことが好ましい可能性がある。好ましくは、アキュムレータ28が、ブロワ22を供給するために使用されてよい。アキュムレータは、好ましくは、エンクロージャに導入されるアキュムレータに残留しているファイバの量を制御するために、光電検出器を有していてよい。
【0035】
ブロワ22は、エンクロージャの形状を有するプレフォーム18を形成するために、ルーズなファイバをエンクロージャ30内に吹き込まれるように構成される。図示の実施形態では、ブロワ22およびエンクロージャ30は、ダクト23を介して流体連絡する。空気流によるダクト23を経たエンクロージャ30内へのファイバの流れが、矢印Aによって示されている。任意的に、空気流自体は、所望に応じて加熱または冷却されることが可能である。
【0036】
以下で記述されるように、エンクロージャ30は、穿孔部分(38、図6)、および1つまたは複数のパネル(35、図6)を有する。パネルは、穿孔部分の一部を選択的に露出させるようにエンクロージャに対して可動であり、これにより、露出された穿孔部分を通ってエンクロージャの外部に空気が流れることを可能にし、ある領域において圧力が増大する際に、該領域においてより多くの材料または好ましいファイバが集合させることによって、プレフォームの密度を制御する。図示のエンクロージャ30は、ベース32および可動な上方部分34によって画定される。したがって、本発明の文脈では、エンクロージャを使用する特徴は、材料またはファイバがそのようなエンクロージャの構成を想定することができるように、ファイバの集合を見込む任意の構造に対応することを理解されたい。したがって、すべての側面上において壁が必要とされるとは限らない。
【0037】
図示のシステム10は、オーブン40および型50をも含む。オーブン40は(たとえば、加熱気体、赤外線放射などにより)、隣接材料またはファイバが冷却時に互いに結合することが可能である温度まで、プレフォーム18(エンクロージャ30から取り外された後)を加熱する。上記に既述のように、これは、自体はTmを有さないアモルファスポリマー成分を使用することによって達成されることが好ましい。さらに、オーブンでの加熱中、プレフォームは、1〜75%のレベルにおいて、およびその間の任意の増分において、厚さがまず低減されることが可能である。最も好ましい実施形態では、プレフォームの厚さは、全横断面にわたって約40〜60%低減されることが可能である。
【0038】
たとえば、好ましい実施形態では、ショディファイバ混合物が、45重量%2成分シース/コアPETと組み合わされた55重量%コットン/ポリエステル混合物で準備され、シースは、アモルファスポリエステルを含め、コアは、結晶PETファイバ成分を含む。そのようなファイバ混合物を可能にするために必要な温度は、約390°F(約199°C)であった。しかしながら、様々な温度が様々な異なるタイプのファイバについて必要されることを理解することができる。材料は、ファイバであることが好ましい。
【0039】
オーブン40から取り外された後、型50は、プレフォームを覆うように閉じることによって、かつ好ましくは望ましい形状および密度に圧縮することによって、加熱済みプレフォーム18を所定の3次元デカップラ構成39になるように形成する。型から取り外して冷却する際に、ファイバなどの隣接材料の相互結合はほぼ完了しており、これにより、デカップラは型の形状を本質的に維持する。
【0040】
図3は、接続ダクト23の上流端部23aの拡大透視図である。上流端部23aの内部に、モータ25により前後に振動することが可能である1対のベーン24が配置される。ベーン24の振動運動により、ルーズなファイバまたは別の材料は、ダクト23内においてより一様に流れ、エンクロージャ30にわたってより一様な材料分布を提供する。一様な流れを生じさせる様々な装置が、本発明の実施形態によれば使用可能である。本発明の実施形態は、図示されたベーン24に限定されるものではない。たとえば、単一ベーンが提供されることが可能であり、および/または、振動運動が別の方向(たとえば、上方および下方)において実施されることが可能である。
【0041】
図4は、ダクト23の部分透視図である。図示のダクト23は、透明な窓29を有し、この窓により、エンクロージャ30内に吹き込まれている材料またはファイバFを見ることが可能になる。圧力計26が、図示のダクト23の上に取り付けられ、ダクト23内および/またはエンクロージャ内の圧力を測定するように構成される。
【0042】
図5は、エンクロージャ30を形成するように接触関係にあるベース32および可動な上方部分34を示す透視図である。ダクト23は、ダクト端部23bを介してエンクロージャと流体連絡する。複数の可動なパネル35が、エンクロージャ上方部分34の穿孔部分38(図6参照)を覆っている。しかしながら、本発明の実施形態は、複数のパネル35に限定されるものではない。単一のパネル35が、使用されることも可能である。さらに、穿孔部分は、完成したデカップラにおいて音が減衰されることが望ましい特定の領域に材料またはファイバの集合を向けるために、エンクロージャの任意の部分、上部、底部、側壁など、およびその組合せを含むことが可能である。さらに、プレフォームを収容するためのエンクロージャの高さは、エンクロージャの側壁17にたいして上方部分34を移動させることによって調節されることが可能である。カバープレート31が、ピン33と位置合わせされる側壁17のスロットを覆っている。ピンは、上述されたエンクロージャの好都合な高さ調整を可能にするように、スロット19内で移動することができる。ここで、可動なパネル35の動作について、図6〜7を参照して以下で記述する。
【0043】
エンクロージャ30の上方部分34が、明瞭化のために部分的にのみ示されている上昇機構37により、ベース32に対して隆起および下降されるように構成され、これにより、プレフォーム18は、取り外されることが可能である。図6に示されるように、パネルは、穿孔部分38を露出させるようにスライドすることが可能であり、これにより、より多くの空気流がエンクロージャの当該領域を通ることが可能になる。択一的に、パネルは、前後方向ではなく、エンクロージャに対して任意の方向に移動することが可能である。たとえば、パネルは、択一的に、より大きな密度が望ましい穿孔部分38の選択領域を露出させるように、持ち上げられる、ヒンジで動く、回転される、またはそうでない場合は変位されることが可能である。より小さい密度の領域について、パネルは、状況に応じて、プレフォームのその領域において材料またはファイバの集合を減少させるために、より迅速に移動されることが可能であり、または穿孔部分は、比較的短期間露出されることが可能である。
【0044】
あるいは、穿孔領域を順次および連続的に露出させるのではなく、本明細書では、露出後、穿孔部分の選択領域が閉じられることが可能であることが考慮される。このようにして、デカップラ組成内において明確な密度境界をより確実に創出することができる。たとえば、パネル35は、エンクロージャの穿孔部分を横断するように、選択的に開閉されることが可能であり、このような位置においてファイバが選択的に集合させられる。パネルは、このような選択領域にわたって延びる1つの縁の上にヒンジで留められるパネルを含むことが好ましい。したがって、パネルは、穿孔を露出させるようにヒンジにより移動させることができ、開放する時間期間は、関連するプロセッサまたはプログラム可能論理制御装置(PLC)によって好都合に制御されることが可能である。開閉は、プレフォームにおいて異なる密度プロファイルを提供するために、エンクロージャの全横断面にわたって同じとするかまたは時間をずらすことが可能である。
【0045】
図6では、好ましい材料としてのファイバは、エンクロージャ30内に吹き込まれているように示され、パネル35は、穿孔部分38を明らかに見せるように、矢印Aの方向に移動されている。ファイバを有するエンクロージャ内に吹き込まれる空気は、穿孔部分38を介してエンクロージャを出る。エンクロージャ内のファイバ密度は、ファイバがエンクロージャ30内に吹き込まれる際に空気流において達成される圧力に関係付けられることが可能である、パネル35が移動される率、および空気が搬送される際の空気におけるファイバの濃度によって局所的に制御される。エンクロージャの特定部分におけるより大きい密度ファイバについては、パネル35の移動は、より小さいファイバ密度が望ましいエンクロージャの部分についてよりも緩慢である。パネル35の移動速度は、ファイバが吹き込まれる際にエンクロージャ内において創出される圧力量に関係付けられることが可能である。
【0046】
択一的に、エンクロージャ30の下方部分は、穿孔表面を有することも可能であり、穿孔表面は、プレフォームの下方部分に接触し、これにより、そのような位置における好ましいファイバの付着を助成するように、真空を引き込むことまたは空気を吹き付けることができることを理解されたい。たとえば、充填が比較的より困難である領域を有する輪郭付きプレフォームの場合、真空の使用は、輪郭付きの厚いプレフォームのジオメトリに充填するのを助成する。
【0047】
図7は、プレフォームがエンクロージャ30内に形成される際に、穿孔部分38のより多くの部分を明らかに見せるように、矢印Aの方向に沿ってさらに移動されているパネル35を示す。図示の実施形態では、パネル35は、オペレータがエンクロージャ30内のプレフォームの形成を見ることができるように、透明であることが好ましい。しかしながら、本発明の実施形態は、透明パネル35またはさらにスライド可能なパネルには全く限定されず、同様に、穿孔部分の一部を選択的に露出させるように任意の方式で移動されることが可能であるエンクロージャの表面を含むあらゆるカバーにも限定されない。
【0048】
図8は、明瞭化のために上方部分34が取り外され、実質的に内部に形成されたプレフォーム18を示す、エンクロージャ30の上面平面図である。図示のプレフォーム18は、それぞれが異なるファイバ密度を有する5つの部分またはセクション39a〜39eを有する。当然、本発明は、5つの部分に限定されるものではなく、特定の設計選択肢によって所望されるように多くの部分を含むことが可能である。
【0049】
図示されるように、セクション39eは、図8では依然として形成されつつある(すなわち、好ましい材料としてのファイバが、エンクロージャ30内に依然として吹き込まれている)。各部分のファイバ密度は、上述されたように各プレフォーム部分の位置においてパネル35の移動率を制御することによって達成された。各セクション39a〜39eは、図示の密度パターンを提供するように選択的に開閉されるヒンジ付きの可動なパネルによって画定されることが可能であることが好ましい。択一的に、ヒンジ付きの可動なパネルは、ほぼ同じ期間開閉されることが可能であり、これにより、各セクションのプレフォームの密度はほぼ同じになる。
【0050】
さらに、この図では、異なる密度を有する矩形領域からなるように示されているが、プレフォーム18は、可動なパネル35を対応形状を備えるように構成することによって、異なる密度を有する任意の望ましい形状(たとえば、円形、3角形、6角形など)の選択領域を有するように形成されることが可能である。これにより、露出された穿孔部分38から発生する空気流が移動する際に、より多いまたはより少ない材料または好ましくはファイバが、その特定の領域において集合させられる。
【0051】
たとえば、エンクロージャの形状を有するプレフォームを形成するように、好ましいファイバをエンクロージャ内に搬送することが可能であり、エンクロージャは、エンクロージャの一部を選択的に露出させるようにエンクロージャに対して可動な1つまたは複数の部分を含むパネルを有する。そのような可動な部分は、たとえば、円形の複数の可動な部分(たとえば、絞りまたはシャッタなど)を含むことが可能であり、該部分は、パネルの表面にわたって選択的に開閉し、これにより、空気流を選択的に制御する。このような開口において、好ましくは、引き込まれるまたは吹き付けられる空気量、およびエンクロージャに保持される材料またはファイバの量を規制するために、メッシュまたは別の関係構造を含むことが可能である。
【0052】
本明細書では、矩形箱様の形状として示されているが、エンクロージャ30自体は、1つまたは複数のプレフォームまたはデカップラ層に対応することが可能である様々な形状、サイズ、および輪郭を有することが可能である。たとえば、大きなプレフォームが形成されて、複数のプレフォームを提供するような形状に切断されることが可能であり、または、厚いプレフォームが、2つ以上のより薄いプレフォームを提供するように削られることが可能である。すなわち、2つ以上のプレフォームまたはデカップラ層が、一度にエンクロージャにおいて形成されることが可能である。さらに、リブ、バッフル、および隔離空洞などの区分が、複雑な横断面構成および形状を達成するように、エンクロージャ内に含まれることが可能である。たとえば、図示のデカップラ層39(図11参照)の図示のセクション39a〜39eのそれぞれが、エンクロージャの外壁によって形成される異なる横断面寸法(たとえば、異なる高さ、幅、および長さなど)を有することができる。
【0053】
さらに、特に好ましい実施形態では、様々な横断面の輪郭付きプレフォームが、音響減衰を必要とするデカップラ層の特定の領域をさらに高密度化するために、成形プロセスにおいて高さを局所的に低減されることが可能である。この高さ低減は、車両の所望の位置におけるデカップラ層の音響要件および密度に非常に依存する可能性がある。
【0054】
ここで図9を参照すると、エンクロージャの上方部分34は、プレフォーム18を明らかに示すために、矢印Aによって示されるように上方に移動されている。図示のように、プレフォーム18は、キャリア31によって支持され、隣接する材料またはファイバが冷却時に互いに結合することが可能であるように、加熱用オーブン40に輸送されている(図2)。キャリアは、材料のシート、エンドレスベルトとすることが可能であり、または、手作業にで置き換えられることが可能である(すなわち、プレフォームは、手によって別の位置に搬送されることが可能である)。
【0055】
次いで、加熱済みプレフォーム18は、型50(図2)に移動される。図10〜11は、プレフォーム18をほぼ矩形の、好ましくは圧縮されたデカップラ構成39に成形するように構成された型50を示す。図示の実施形態では、デカップラ39のセクション39a〜39eは、異なるそれぞれの密度を有するが、成形後に同じ圧縮高さを有する。型50から取り外されて冷却された後(図11参照)、デカップラ39は、当業者には既知の様々なトリミングおよび/または別の最終動作を受けることが可能である。
【0056】
図12〜13は、ほぼ輪郭付けされた構成(図12)を有するプレフォーム18Aを、ほぼ一定の横断面寸法(図13)を有する圧縮構成39Aに成形するように構成された型50Aを示す。図12〜13の、図示の実施形態では、デカップラ層39Aは、輪郭付き構成を有するが、セクション39a′〜39e′は、成形後、異なるそれぞれの密度および同じ高さを有する。
【0057】
図14〜15は、部分的に輪郭付き構成を有するプレフォーム18B(図14)を、非一定の横断面寸法を備えた圧縮構成39B(図15)に成形するように構成された型50Bを示す。図14〜15の示される実施形態では、デカップラ39Bは、輪郭付き構成を有するが、セクション39a′′〜39e′′は、広範な音響インピーダンスを提供するように、成形後、異なるそれぞれの密度および異なるそれぞれの高さを有する。
【0058】
図16は、本発明の実施形態による、車両内部トリム構成部材のデカップラを大量生成するための好ましいアセンブリラインシステム10の概略図である。図示のシステム10は、図2のシステム10と同様に機能する。ファイバ梱が、梱ブレーカ(梱破断機)/ファイバオープナ(開繊機)15、20により、分割破断されて開かれることが好ましい。ファン21が、アキュムレータ28を介してルーズなファイバをブロワ22に供給する。ブロワ22が、ダクト23を介して開繊ファイバをエンクロージャ30に供給する。エンクロージャ30の上に配置される真空フード70が、エンクロージャ30の穿孔部分38から発生する風媒ファイバを除去し、それらを再使用するためにダクト27を介して開繊ステーション20に戻す。エンドレスベルトを含むことが好ましいコンベヤシステム80が、エンクロージャ30内に形成された各プレフォーム18のためのキャリアとして作用する。コンベヤは、デカップラ39を形成するために、各プレフォームをオーブン40および型50に輸送する。プレフォームが、形状に成形され、カーペットまたはダッシュインシュレータなどのトリム構成部材に取り付けられる場合、トリム構成部材は、エンドレスベルまたはウエブなどのキャリアにより両構成部材を供給し、たとえば両材料を例えば両側から並行して加熱することによって、オーブン40内でプレフォームと並行して加熱されることが可能である。十分に加熱すると、プレフォームおよびトリム構成部材は、共に対合され(mated)、形成のための型50に供給される。
【0059】
特に好ましい実施形態では、カーペットセクションが、プレフォームを形成するキャリアとして使用されることが可能である。これにより、カーペットおよびプレフォームは、オーブン内で共に加熱され、加熱済み組合せは、最小数の動作で当該組合せを3次元構成に形成する形成型に輸送されることが可能である。
【0060】
図17は、プレフォームのジオメトリ、デカップラ層のジオメトリ、選択位置におけるデカップラ層の望ましい密度、材料またはファイバの供給率、材料またはファイバの組成、バインダの軟化特性、ファイバのデニール、エンクロージャの穿孔部分についての露出時間、空気流の速度および温度、エンクロージャにおける真空/圧力の組合せ、選択位置におけるデカップラ層の寸法、デカップラ層を形成するプレフォームの圧縮程度、オーブンの温度および空気流量、ならびにデカップラ層の望ましい音響特性など、図示の変数の入力を有するプロセス制御装置(コンピュータ)により自動化されることが可能である。この情報の入力は、次いで、評価されて、望ましい密度、ジオメトリ、および/または音響特性のプレフォームおよび/またはデカップラ層を提供するように、デカップラ層製造ラインに出力される。
【0061】
図18は、例示的な実施形態において、本発明のプロセス制御装置を使用して行われることが可能であるプロセス制御特徴を示す。たとえば、選択位置における望ましい音響特性で、デカップラ構成を識別することが可能である。次いで、プロセッサは、この入力を、そのような選択位置における望ましい音響特性に対応する密度および厚さを識別する機械読取り可能なメモリに記憶されている情報と比較する。次いで、制御装置は、デカップラ音響要件を達成するように、選択位置における密度要件を有する適切なプレフォームジオメトリを決定する。次いで、プロセッサは、望ましいデカップラ層を提供するようなプレフォームを形成するために、システムの適切なプロセス入力を選択する。これは、システムのエンクロージャに送達される材料または好ましいファイバの組成および物理的特性(たとえば、デニール)、ならびに材料またはファイバの供給率および空気流速度を選択することを含む。さらに、プロセッサは、選択された密度で形成されなければならないプレフォームの領域に対応するエンクロージャの穿孔部分について露出時間を選択および制御することが可能である。次いで、プロセッサは、望ましいプレフォームの密度プロファイルを含めて、プレフォームの形成を選択および制御する。次いで、プロセッサは、プレフォームおよびカーペット、または別の内部トリム構成部材を、冷却時にファイバが結合するような選択温度に加熱するオーブンの温度も選択および制御する。プロセッサは、最終デカップラにプレフォームを形成するために使用される時間および型の圧力を選択および制御する。
【0062】
したがって、上記に関連して、本発明は、機械読取り可能な媒体をも考慮し、この媒体の内容により、システムが、車両内部トリム構成部材のためのデカップラを形成する方法を実施する。媒体は、デカップラ構成の望ましい音響特性を媒体に記憶し、かつデカップラの音響特性を提供するために必要な処理変数を記憶するように作用する。次いで、媒体は、望ましい音響特性を有するデカップラ層を形成するために必要な所定の処理変数を選択する。次いで、媒体は、デカップラを形成する方法を実施するために、処理変数をシステムに出力する。
【0063】
本発明の実施形態について記述された機能は、ハードウエア、ソフトウエア、またはハードウエアおよびソフトウエアの組合せによって実施されることが可能であることが理解されるであろう。ソフトウエアによって実施される場合、プロセッサおよび機械読取り可能な媒体が必要である。プロセッサは、本発明の実施形態によって必要とされる速度および機能を提供することができる任意のタイプのプロセッサとすることが可能である。たとえば、プロセッサは、インテルコーポレーション(Intel Corporation)によって作成されたペンティアム(登録商標)ファミリのプロセッサ、またはモトローラ(Motorola)によって作成されたプロセッサのファミリからのプロセッサとすることができる。機械読取り可能な媒体には、プロセッサによって実行されるように適合された命令を記憶することができるあらゆる媒体を含む。そのような媒体のいくつかの例には、読取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、プログラム可能ROM(PROM)、消去可能プログラム可能ROM(EPROM)、電子的消去可能プログラム可能ROM(EEPROM)、動的RAM(DRAM)、磁気ディスク(たとえば、フロッピディスクおよびハードドライブ)、光ディスク(たとえば、CD−ROM)、およびデジタル情報を記憶することができるあらゆる別のデバイスがあるが、これに限定されるものではない。一実施形態では、命令は、圧縮および/または暗号化フォーマットで媒体に記憶される。
【0064】
非限定的な一例では、45(重量)%の2成分シース/コアファイバ組成からなるベースまたはファイバが使用され、シースは、約70°CのTgを有するアモルファスポリエステルを含め、約220°CのTmを有する結晶性PETの内部コアを有していた。そのような2成分は、55(重量)%のコットン/ポリエステル混合物と混合され、ポリエステルは、リサイクルされたポリエステルファイバを含んでいた。梱は、ルーズなファイバになるように破断され、ファイバは空気流によりアキュムレータに供給され、アキュムレータは、プレフォームを形成するためにエンクロージャ内に供給されるファイバの一時的貯蔵を提供した。次いで、ファイバは、約35秒間約20lbs/分の率でエンクロージャ内に、スクリムキャリアの上へ導入された。ファイバが導入される際に、一連のヒンジ付きパネルが、エンクロージャの穿孔領域を露出させるために、順次開閉された。これは、長さ約8フィートかける幅6フィートかける厚さ8インチの寸法を有し、約133g/ftの基本重量を有するプレフォームを提供した。プレフォームはオーブンに輸送され、このオーブンは、約35秒間スクリムキャリアを経て上方からプレフォーム内に吹き込まれた約340°F(約171°C)の温度の高温空気を供給した。加熱済みプレフォームは、オーブン内にある間、約40〜60%に圧縮された。次いで、加熱済み組合せは、形成型に輸送され、望ましい形状にプレスされ、プレフォームは、望ましい音響特性を提供するように、横断面で見てさらに高密度化された。
【0065】
したがって、本発明は、複雑な構成に形成され、デカップラの密度および横断面厚さの両方を局所的に変化させることによって、デカップラの様々な領域において異なるレベルの音響減衰を提供することが可能である、モータ車両において使用される音響デカップラを製造する手段を提供する。さらに、デカップラは、車両に装備することが容易であり、特有の音響減衰を必要とする領域に整合する構成を有する最終製品を提供するように、成形プロセスの一部としてトリム構成部材に取り付けられることが可能である。
【0066】
上記は、本発明の例示であり、本発明の限定と解釈されるべきではない。本発明のいくつかの例示的な実施形態が記述されたが、当業者なら、本発明の新規な教示および利点から著しく逸脱せずに、多くの修正が例示的な実施形態において可能であることを容易に理解するであろう。したがって、すべてのそのような修正は、請求項において確定される本発明の範囲内に含まれることを意図する。したがって、上記は、本発明の例示であり、開示される特定の実施形態に限定されると解釈されるべきではなく、開示される実施形態ならびに別の実施形態に対する修正は、添付の請求項の範囲内に含まれることを意図することを理解されたい。本発明は、請求項の等価物が内部に含まれている、特許請求の範囲の請求項によって確定される。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1A】本発明の実施形態による、デカップラを製造する方法を示す動作のフローチャートである。
【図1B】本発明の実施形態による、デカップラを製造する方法を示す動作のフローチャートである。
【図2】本発明の実施形態による、車両内部トリウム構成部材のデカップラを製造するシステムを示す概略図である。
【図3】図2のブロワとエンクロージャとを接続するダクトの上流端部の拡大透視図である。
【図4】図2のブロワとエンクロージャとを接続するダクトの透視図である。
【図5】プレフォームを生成するためにファイバが中に吹き込まれ、穿孔部分を覆っている可動なパネルを示す、図2のエンクロージャの透視図である。
【図6】穿孔部分を露出させるように移動されている図5の可動なパネルを示す図である。
【図7】穿孔部分を露出させるように移動されている図5の可動なパネルを示す図である。
【図8】上部部分が明瞭化のため取り外され、実質的に内部に形成されたプレフォームを示す、図5〜7のエンクロージャの上面平面図である。
【図9】プレフォームを露出させるように移動されているエンクロージャの上方部分を示す図である。
【図10】異なる密度を有するプレフォームおよびデカップラを生成するための様々な型構成を示す図である。
【図11】異なる密度を有するプレフォームおよびデカップラを生成するための様々な型構成を示す図である。
【図12】異なる密度を有する輪郭付きプレフォームおよびデカップラを生成するための様々な型構成を示す図である。
【図13】異なる密度を有する輪郭付きプレフォームおよびデカップラを生成するための様々な型構成を示す図である。
【図14】異なる密度および異なる横断面寸法を有する輪郭付きプレフォームおよびデカップラを生成するための様々な型構成を示す図である。
【図15】異なる密度および異なる横断面寸法を有する輪郭付きプレフォームおよびデカップラを生成するための様々な型構成を示す図である。
【図16】本発明の実施形態による、車両内部トリム構成部材のデカップラを大量生成するためのアセンブリラインを示す概略図である。
【図17】図16のシステムにおいて使用されるプロセス制御装置の動作の概略図である。
【図18】図17のプロセス制御装置によって管理される情報の流れを記述するフローチャートである。
【符号の説明】
【0068】
10 システム
15 ファイバ梱破断ステーション(梱ブレーカ)
16 ファイバの梱
17 側壁
18 プレフォーム
20 ファイバ準備ステーション(ファイバオープナ)
22 ブロワ
23 ダクト
23a 上流端部
24 ベーン
25 モータ
26 圧力計
27 ダクト
28 アキュムレータ
29 窓
30 エンクロージャ
31 カバープレート
32 ベース
33 ピン
34 可動な上方部分
35 パネル
37 上昇機構
38 穿孔部分
39,39A,39B デカップラ
39a〜39e,39a′〜39e′,39a′′〜39e′′ セクション
40 オーブン
50 型

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両内部トリム構成部材のデカップラを製造する方法であって、
エンクロージャの形状を有するプレフォームを形成するべく、穿孔部分と、該穿孔部分の一部を選択的に露出させるように前記エンクロージャに対して可動な少なくとも1つのパネルとを有して成る、エンクロージャ内に材料を搬送するステップと、
前記プレフォームを、隣接材料が冷却時に互いに結合することが可能であるような温度に加熱するステップと、
前記加熱済みプレフォームを、型により、所定の3次元デカップラ構成に形成するステップとを含む、車両内部トリム構成部材のデカップラを製造する方法。
【請求項2】
前記エンクロージャが、輪郭付き形状を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記材料が、熱可塑性材料、熱硬化性材料、繊維性材料、フォーム、織物材料、不織材料、任意のタイプのファイバ、およびその組合せを備えて成る、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ファイバが、天然ファイバ、合成ファイバ、リサイクルファイバ、2成分ファイバ、およびその混合物のうちのいずれかを備えて成ることが可能である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ファイバが、ショディファイバを備えて成る、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記材料が、実質的にルーズな状態で前記エンクロージャ内に搬送される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
キャリア層が、前記エンクロージャ内に配置され、前記プレフォームが、前記キャリア層によって支持される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記キャリア層が、材料、スクリム、または輪郭付きトリム部品の音響ウエブを備えて成る、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記キャリア層が、スクリム材料を備えて成る、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記キャリア層が、エンドレスベルトを備えて成る、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記材料が、1つよりも多くの方向から前記エンクロージャ内に搬送される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記材料が、異なるそれぞれの密度を有する第1部分および第2部分を有するプレフォームを形成するように、前記エンクロージャ内に搬送される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記材料が、異なるそれぞれの横断面寸法を有する第1部分および第2部分を有するプレフォームを形成するように、前記エンクロージャ内に搬送され、前記形成ステップが、前記加熱済みプレフォームを所定の3次元デカップラ構成に形成することを備えて成る、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記材料が、ほぼ同じそれぞれの横断面寸法を有する第1部分および第2部分を有するプレフォームを形成するように、前記エンクロージャ内に搬送され、前記形成ステップが、前記加熱済みプレフォームを所定の3次元デカップラ構成に形成することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
より高い音響減衰を必要とする前記デカップラの部分を識別するために、車両乗員区画の音響特性を確認することをさらに備えて成る、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
材料を前記エンクロージャ内に前記搬送するステップが、より高い音響減衰を必要とする前記デカップラの識別部分の密度を調節するために、前記少なくとも1つのパネルの移動率を調節することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記車両乗員区画の音響特性を確認することが、所定の周波数範囲内の音が閾値強度レベルを超える強度レベルに向けられる前記デカップラの部分を識別することを備えて成る、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記車両乗員区画の音響特性を確認することが、前記車両乗員区画の少なくとも一部の音強度マップを生成することを備えて成る、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記材料が前記エンクロージャ内に搬送される際に、前記材料が加熱される、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記エンクロージャに対して可動な複数のパネルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記パネルが、ヒンジ式に可動であって、選択的に開閉される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記エンクロージャが、区分を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記少なくとも1つのパネルが前記エンクロージャの前記穿孔部分を露出させるように移動される際に、前記プレフォームの密度が変化させられることが可能である、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記プレフォームを、隣接材料が冷却時に互いに結合することが可能であるような温度に加熱する前記ステップが、アモルファスポリマーおよび結晶性ポリマーを備えて成る材料を前記プレフォームに供給することを備えて成り、前記アモルファスポリマーが、ガラス転移温度(Tg)よりも高く加熱され、前記結晶性ポリマーが、融点(Tm)よりも低い温度に加熱される、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
プレフォームを製造するシステムであって、
穿孔部分と、少なくとも1つのパネルとを備えて成るエンクロージャであって、前記パネルが、前記穿孔部分の一部を選択的に露出させるように前記エンクロージャに対して可動なエンクロージャと、
前記エンクロージャの形状を有するプレフォームを形成するために、材料を前記エンクロージャ内に導入するように構成されたフィーダであって、材料が前記エンクロージャ内に吹き込まれる際に、前記エンクロージャの前記穿孔部分を露出させるように前記少なくとも1つのパネルを移動させることによって、前記エンクロージャ内の前記プレフォームの密度が変化させられることが可能であるフィーダと、
隣接材料が冷却時に互いに結合することが可能であるような温度に前記プレフォームを加熱するように構成されたオーブンとを備えて成る、プレフォームを製造するシステム。
【請求項26】
前記エンクロージャに対して可動な複数のパネルを含む、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記パネルが、ヒンジ式に可動であって、選択的に開閉されることができる、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記加熱済みプレフォームを所定の3次元デカップラ構成に形成する型をさらに備えて成る、請求項25に記載のシステム。
【請求項29】
前記材料が、熱可塑性材料、熱硬化性材料、繊維性材料、フォーム、織物材料、不織材料、任意のタイプのファイバ、およびその組合せを備えて成る、請求項25に記載のシステム。
【請求項30】
ファイバを前記フィーダに提供するために、梱カッタをさらに含む、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
プロセス制御装置をさらに含み、該プロセス制御装置が、処理変数を入力することを含み、前記プロセス制御装置が、前記プレフォームについて望ましいジオメトリおよび密度を提供するために、制御パラメータを前記システムに出力する、請求項25に記載のシステム。
【請求項32】
プロセス制御装置をさらに含み、該プロセス制御装置が、処理変数を入力することを含み、前記プロセス制御装置が、前記デカップラについて望ましいジオメトリおよび密度を提供するために、制御パラメータを前記システムに出力する、請求項28に記載のシステム。
【請求項33】
内容が、システムに、車両内部トリム構成部材のデカップラを形成する方法を実施させる、機械読取り可能な媒体であって、
デカップラ構成の望ましい音響特性を当該媒体内に記憶することと、
前記デカップラの前記望ましい音響特性を提供するために必要とされる処理変数を記憶することと、
前記望ましい音響特性を有する前記デカップラを形成するために必要とされる少なくとも1つの処理変数を選択することと、
前記デカップラを形成する前記方法を実施するために、前記少なくとも1つの処理変数を前記システムに出力することとを備えて成る、機械読取り可能な媒体。
【請求項34】
成形プレフォームが形成された元であるエンクロージャの形状を有する成形プレフォームを備えて成る、車両内部トリム構成部材のためのデカップラであって、前記プレフォームが、異なるそれぞれの密度を備えた第1部分および第2部分を有する熱的に結合された材料を備えて成る、車両内部トリム構成部材のためのデカップラ。
【請求項35】
前記材料が、熱可塑性材料、熱硬化性材料、繊維性材料、フォーム、織物材料、不織材料、任意のタイプのファイバ、およびその組合せを備えて成る、請求項34に記載のデカップラ。
【請求項36】
エンクロージャの前記形状を有する前記プレフォームが、実質的にルーズな状態で前記エンクロージャ内に搬送された材料を備えて成る、請求項34に記載のデカップラ。
【請求項37】
前記第1部分および前記第2部分が、異なる横断面寸法を有する、請求項34に記載のデカップラ。
【請求項38】
前記第1部分および前記第2部分が、ほぼ同じ横断面寸法を有する、請求項34に記載のデカップラ。
【請求項39】
前記ファイバが、天然ファイバ、合成ファイバ、2成分ファイバ、リサイクルファイバ、、およびその混合物のうちのいずれかを備えて成っていてよい、請求項35に記載のデカップラ。
【請求項40】
前記ファイバが、ショディファイバを備えて成る、請求項35に記載のデカップラ。
【請求項41】
異なるデニールのファイバが、前記第1部分および前記第2部分を備えて成る、請求項35に記載のデカップラ。
【請求項42】
車両内部トリム構成部材のためのデカップラを製造する方法であって、
エンクロージャの形状を有するプレフォームを形成するために、エンクロージャ内に材料を搬送するステップであり、前記エンクロージャは、前記エンクロージャの一部を選択的に露出させるように、前記エンクロージャに対して可動な1つまたは複数の部分を含むパネルを有し、前記少なくとも1つまたは複数の可動な部分が前記エンクロージャの一部を露出させるように移動される際に、前記プレフォームの密度が変化させられることが可能とされたものである、エンクロージャ内に材料を搬送するステップと、
隣接材料が冷却時に結合することが可能であるような温度に前記プレフォームを加熱するステップと、
前記加熱済みプレフォームを、型により、所定の3次元デカップラ構成に形成するステップとを含む、車両内部トリム構成部材のためのデカップラを製造する方法。
【請求項43】
前記材料が、熱可塑性材料、熱硬化性材料、繊維性材料、フォーム、織物材料、不織材料、任意のタイプのファイバ、およびその組合せを備えて成る、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
材料を搬送する前記ステップが、空気流で前記材料を前記エンクロージャ内に吹き込むことによって、実質的にルーズな状態で前記材料を導入することを含み、前記1つまたは複数の可動な部分が、移動時に、前記エンクロージャの一部を露出させるように前記パネルにおいて開口を画定し、該開口が、さらに、該開口を通って吹き込まれる空気の量と前記エンクロージャに保持される材料の量とを規制するための構造をさらに含む、請求項42に記載の方法。
【請求項45】
真空が、前記プレフォームを形成する目的で前記材料を前記エンクロージャ内に搬送するために含まれる、請求項42に記載の方法。
【請求項46】
材料を搬送する前記ステップが、前記材料を搬送するために空気流で前記材料を前記エンクロージャ内に吹き込むことおよび真空を適用することによって、実質的にルーズな状態で前記材料を導入することを含む、請求項42に記載の方法。
【請求項47】
制御された密度を有する物品を製造する方法であって、
エンクロージャの形状を有するプレフォームを形成すべく、穿孔部分と、該穿孔部分の一部を選択的に露出させるように、前記エンクロージャに対して可動な少なくとも1つのパネルとを有して成る、エンクロージャ内に材料を搬送するステップと、
隣接材料が冷却時に互いに結合することが可能であるような温度に前記プレフォームを加熱するこステップとを備えて成る、制御された密度を有する物品を製造する方法。
【請求項48】
前記加熱済みプレフォームを、型により、所定の3次元構成に形成することをさらに備えて成る、請求項47に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公表番号】特表2006−523573(P2006−523573A)
【公表日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−506948(P2006−506948)
【出願日】平成16年3月9日(2004.3.9)
【国際出願番号】PCT/US2004/007024
【国際公開番号】WO2004/080749
【国際公開日】平成16年9月23日(2004.9.23)
【出願人】(505343756)コリンズ・アンド・アイクマン・プロダクツ・コーポレーション (9)
【Fターム(参考)】