車両用ナビゲーション装置
【課題】 ＥＴＣ車載器と連携して最適な案内経路を探索する車両用ナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】 有料道路の料金所に設置された路上機との間の通信により有料道路利用料金の決済を行なう車載器と接続可能な車両用ナビゲーション装置において、有料道路利用料金が課金される料金収受カードの車載器への装着の有無を検出する料金収受カード検出手段と、料金収受カードが車載器に装着されていることを検出している場合には、目的地までの案内経路として、路上機が設置された料金所のある有料道路を含む案内経路を優先して探索する経路探索手段と、を有することを特徴とする車両用ナビゲーション装置として提供可能である。
【解決手段】 有料道路の料金所に設置された路上機との間の通信により有料道路利用料金の決済を行なう車載器と接続可能な車両用ナビゲーション装置において、有料道路利用料金が課金される料金収受カードの車載器への装着の有無を検出する料金収受カード検出手段と、料金収受カードが車載器に装着されていることを検出している場合には、目的地までの案内経路として、路上機が設置された料金所のある有料道路を含む案内経路を優先して探索する経路探索手段と、を有することを特徴とする車両用ナビゲーション装置として提供可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、特に運転者が指定した目的地に到達するための最適な経路を検索する車両用ナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
車両の走行に伴ってＧＰＳ（Global Positioning System：全地球測位システム）等により現在位置を検出し、その現在位置を表示装置上に道路地図と共に表示して、現在地から目的地までの適切な経路を設定し、表示装置や音声出力装置などによって案内する車両用ナビゲーション装置は、運転者の効率的で安全な運転に貢献している。
【０００３】
また、高速道路等の有料道路の出入口を車が通過し、料金を支払うシステムにおいて、従来のチケットに代えて車の入路・通過・出路の情報を搭載した車載器と料金所に設置された据置形送受信装置（路上機）との間で通信を行なって、料金の計算・請求・支払い・記録を電子的に自動化し、料金所をノンストップで通過し、時間と人件費を節約する自動料金収受（ＥＴＣ：Electronic Toll Collection）システムが実用化され、普及しつつある。
【０００４】
近年、単に最短距離を探す経路探索だけでなく、使用者が指定する道路に対して自由にコストを設定できるようにして使用者の好みが経路探索に反映できるようにする車載ナビゲーション装置が考案されている（特許文献１参照）。
【０００５】
また、ＥＴＣシステムナビゲーション装置とを融合させた技術としては、使用者がＥＴＣシステムによる支払いが可能な状態にある場合には、現金支払いを要する経路を誘導経路として提示しないようにするナビゲーション装置が考案されている（特許文献２参照）。
【０００６】
【特許文献１】特開２００４−０４５０５３号公報
【特許文献２】特開２００４−１３２７９８号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
特許文献１の例は、使用者が指定する道路に対して自由にコストを設定するため、使用者の設定作業が必要となる。有料道路あるいは高速道路を使用したい場合でもその設定されたコストにより探索が行われるため、使用者の希望する案内経路が探索されない場合もある。
【０００８】
特許文献２の例は、ＥＴＣカードの挿入状態を確認してから案内経路を探索する際に、料金所がＥＴＣシステムによる料金支払いができるかどうかを確認してＥＴＣシステムによる料金支払いができる経路を探索するものである。しかし、ＥＴＣシステムによる料金支払いができるかどうかの情報はナビゲーション装置に記憶されるため、常に最新の情報を入手する必要があり、使用者の操作負荷は増大する。
【０００９】
通常の経路探索においてはＥＴＣカードの挿入状態は特に考慮されない。1つの案内経路を探索する場合は、探索条件はデフォルト条件または使用者が設定した条件を用いて探索する。このため、使用者が探索条件を変更したい場合は探索後に再度探索条件を変更するといった作業が必要になる。
【００１０】
また、複数の案内経路を探索する場合は、標準，距離優先，別ルート，有料道路優先，一般道路優先といった条件で探索した案内経路が表示され、有料道路あるいは高速道路を使用したい場合でも有料道路あるいは高速道路優先ルート以外の案内経路も表示され、有料道路あるいは高速道路を使用する条件下での複数の案内経路の探索は行われない。
【００１１】
上記問題を背景として、本発明の課題は、ＥＴＣ車載器と連携して最適な案内経路を探索する車両用ナビゲーション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【００１２】
本発明は、上記課題を解決するための車両用ナビゲーション装置を提供するものである。即ち、請求項１によれば、有料道路の料金所に設置された路上機との間の通信により有料道路利用料金の決済を行なう車載器と接続可能な車両用ナビゲーション装置において、有料道路利用料金が課金される料金収受カードの車載器への装着の有無を検出する料金収受カード検出手段と、料金収受カードが車載器に装着されていることを検出している場合には、目的地までの案内経路として、路上機が設置された料金所のある有料道路を含む案内経路を優先して探索する経路探索手段と、を有することを特徴とする車両用ナビゲーション装置として構成される。
【００１３】
本発明は、有料道路の料金所に設置された路上機との間の通信により有料道路利用料金の決済を行なう、いわゆるＥＴＣシステムの車載器と車両用ナビゲーション装置を連携させることにより、使用者の希望する最適な経路を探索するものである。料金収受カードすなわちＥＴＣカードを車載器に装着するということは、使用者が有料道路を利用する意図を示している。上記構成では、ＥＴＣカードを車載器に装着すれば自動的にＥＴＣシステム対応の料金所のある有料道路を含む経路を優先して探索するため、従来技術のように使用者が車両用ナビゲーション装置に様々な設定を行なう必要がないので、操作負荷は増大しない。
【００１４】
請求項２によれば、本発明の車両用ナビゲーション装置における経路探索手段は、料金収受カードが車載器に装着されていることを検出している場合には、目的地までの案内経路として、路上機が設置された料金所のある有料道路を含む案内経路のみを探索する構成をとることができる。
【００１５】
上記構成によって、使用者がＥＴＣカードを装着して有料道路を利用する意図を示しているにもかかわらず、有料道路を利用しない案内経路を探索して表示するということはなく、迅速に所望の案内経路を探索して決定することが可能となる。
【００１６】
請求項３によれば、本発明の車両用ナビゲーション装置は、有料道路の料金所利用情報を取得する料金所利用情報取得手段と、料金所利用情報取得手段が取得した料金所利用情報を記憶する料金所利用情報記憶手段とを有し、経路探索手段は、料金収受カードが車載器に装着されていることを検出している場合には、記憶された料金所利用情報に含まれる料金所を利用する案内経路を探索する構成をとることができる。
【００１７】
使用者は、過去に利用した料金所および周辺の道路の状況について凡そ把握していることが多い。上記構成によって、馴染みのある料金所および道路を含む案内経路が探索されるため、全く利用しない料金所を含む案内経路よりも快適かつ安全に走行することが可能となる。
【００１８】
請求項４によれば、本発明の車両用ナビゲーション装置は、案内経路を探索するための探索条件を設定する探索条件設定手段を有し、経路探索手段は、料金収受カードが車載器に装着されていることを検出している場合には、探索条件を有料道路優先に変更して案内経路を探索する構成をとることができる。
【００１９】
車両用ナビゲーション装置では、経路探索に、有料道路優先，一般道路優先，指定地点を通過する等の経路探索条件を設定することができるものがある。上記構成によって、使用者がＥＴＣカードを装着して有料道路を利用する意図を示している場合は、設定されている経路探索条件によらず有料道路を利用する案内経路を探索するため、迅速に所望の案内経路を探索して決定することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２０】
ＥＴＣ車載器と連携して最適な案内経路を探索する車両用ナビゲーション装置を提供するという目的を、ＥＴＣカードが車載器に装着されていることを検出している場合には、目的地までの案内経路として、路上機が設置された料金所のある有料道路を含む案内経路を優先して探索する構成により実現した。
【実施例】
【００２１】
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例を参照しながら説明する。図１は車両用ナビゲーション装置（以下、ナビゲーション装置と略称する）１００の全体構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置１００は、位置検出器１，地図データ入力器６，操作スイッチ群７，リモートコントロール（以下リモコンと称する）センサ１１，音声案内などを行なう音声合成回路２４およびスピーカ１５，半導体記憶装置９，表示装置１０，ハードディスク装置（ＨＤＤ）２１，これらの接続された制御回路８，リモコン端末１２を備えている。
【００２２】
位置検出器１は、周知の地磁気センサ２，ジャイロスコープ３，距離センサ４，および衛星からの電波に基づいて車両の位置を検出するＧＰＳのためのＧＰＳ受信機５を有している。これらのセンサ等２，３，４，５は各々が性質の異なる誤差を持っているため、複数のセンサにより各々補完しながら使用するように構成されている。なお、精度によっては前述したうちの一部センサで構成してもよく、さらに、ステアリングの回転センサや各転動輪の車輪センサ等を用いてもよい。
【００２３】
地図データ入力器６は、位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ、道路の接続を表した道路データを含む各種データを記憶媒体２０から入力するための装置である。記憶媒体としては、そのデータ量からＣＤ−ＲＯＭやＤＶＤを用いるのが一般的であるが、例えばメモリカード等の他の媒体を用いてもよい。
【００２４】
地図データは、表示用となる所定の地図画像情報を記憶すると共に、リンク情報やノード情報等を含む道路網情報を記憶する。リンク情報は、各道路を構成する所定の区間情報であって、位置座標、距離、所要時間、道幅、車線数、制限速度等から構成される。また、ノード情報は、交差点（分岐路）等を規定する情報であって、位置座標、右左折車線数、接続先道路リンク等から構成される。また、リンク間接続情報には、通行の可不可を示すデータなどが設定されている。
【００２５】
操作スイッチ群７は、例えば表示装置１０と一体になったタッチスイッチもしくはメカニカルなスイッチ等が用いられる。タッチスイッチは、表示装置１０の画面上に縦横に微細に配置された赤外線センサ、赤外線センサが検出した指等の接触を電気信号に変えるパネル部分、電気信号を外部機器へ送るための信号処理回路、および、これらを制御するコントローラを含んで構成される。例えば指やタッチペンなどでその赤外線を遮断すると、その遮断した位置が２次元座標値（Ｘ，Ｙ）として検出される。タッチスイッチとして、ガラス基盤と透明なフィルムにスペーサと呼ばれる隙間を介してＸ軸方向、Ｙ軸方向に電気回路が配線し、フィルム上を使用者がタッチすると、押された部分の配線がショートして電圧値が変わるため、これを２次元座標値（Ｘ，Ｙ）として検出する、いわゆる抵抗膜方式を用いてもよい。あるいは、透明な導電性基盤のガラス面に電気信号を受ける物質を塗布し、指をガラス面に近づけると静電容量の変化を電気信号としてセンサで検知する、いわゆる静電容量方式を用いてもよい。
【００２６】
メカニカルスイッチ，タッチスイッチの他に、マウスやカーソル等のポインティングデバイスを用いてもよい。また、音声認識ユニット３０を用いて種々の指示を入力することも可能である。これは、音声認識ユニット３０に接続されるマイク３１から音声を入力することによって、その音声信号を周知の音声認識技術により音声認識処理して、その結果に応じた操作コマンドに変換するものである。音声認識ユニット３０は、マイク３１から入力された音声信号を適切なレベルに増幅する増幅器と、増幅後の音声信号をＡ／Ｄ変換した後、周知の隠れマルコフモデル等の音声認識アルゴリズムにより音声を識別するための音声信号処理装置（ＤＳＰ：Digital Signal Processor）、音声を識別するための基準データが記憶されているメモリ等で構成されており、ＤＳＰにより音声信号がその音声に対応した数値情報に変換された後、制御回路８に送られる。これら本発明の探索条件設定手段である操作スイッチ群７、リモコン端末１２、マイク３１によって、種々の指示を入力することが可能である。
【００２７】
送受信機１３は、例えばＶＩＣＳ（Vehicle Information and Communication System：道路交通情報通信システム）センタ１４から道路交通情報を受信するための装置である。また、通信ユニット１９および携帯電話機１７によって外部ネットワークと接続することも可能である。これら通信ユニット１９および携帯電話機１７を介してＶＩＣＳセンタ１４との通信を行なう構成をとってもよい。
【００２８】
本発明の経路探索手段である制御回路８は通常のコンピュータとして構成されており、周知のＣＰＵ８１，ＲＯＭ８２，ＲＡＭ８３，入出力回路であるＩ／Ｏ８４およびこれらの構成を接続するバスライン８５が備えられている。ＣＰＵ８１は、ＨＤＤ２１に記憶されたナビプログラム２１ｐおよびデータにより制御を行なう。また、ＨＤＤ２１へのデータの読み書きの制御はＣＰＵ８１によって行なわれる。Ａ／Ｄ変換部８６は周知のＡ／Ｄ（アナログ／デジタル）変換回路を含み、例えば位置検出器１などから制御回路８に入力されるアナログデータをＣＰＵ８１で演算可能なデジタルデータに変換するものである。
【００２９】
ＨＤＤ２１に地図データを記憶する構成をとってもよい。また、ＨＤＤ２１には経路案内の補助情報や娯楽情報、その他に使用者が独自にデータを書き込むことができる。これらのデータは、操作スイッチ群７およびリモコン端末１２の操作あるいはマイク３１からの音声入力によって内容の書き換えが可能である。また、地図データ入力器６を用いて記憶媒体２０から地図データ等を読み込んでＨＤＤ２１の内容を更新することも可能である。また、車内の他の制御装置との間でデータの遣り取りを行なう車内ＬＡＮ（Local Area Network）２２を介して受信したデータを記録する構成をとってもよい。
【００３０】
本発明の料金所利用情報記憶手段である半導体記憶装置９はＥＥＰＲＯＭ（Electrically Erasable ＆ Programmable Read Only Memory：電気的消去・プログラム可能・読出し専用メモリ）やフラッシュメモリ等の書き換え可能な半導体によって構成され、ナビゲーション装置１００の動作に必要な情報およびデータが記憶されている。なお、半導体記憶装置９は、車両のアクセサリスイッチがオフ状態（即ち、ナビゲーション装置１００がオフ状態）になっても、記憶内容が保持されるようになっている。
【００３１】
また、半導体記憶装置９の代わりにナビゲーション装置１００の動作に必要な情報およびデータをＨＤＤ２１に記憶してもよい。さらに、ナビゲーション装置１００の動作に必要な情報およびデータを半導体記憶装置９とＨＤＤ２１に分けて記憶してもよい。この場合、ＨＤＤ２１よりも半導体記憶装置９へのアクセス速度の方が速いため、読み書きの頻度が比較的多いものを半導体記憶装置９に記憶し、読み書きの頻度が比較的少ないものをＨＤＤ２１に記憶するとよい。半導体記憶装置９に記憶された内容をＨＤＤ２１にバックアップ保存するようにしてもよい。
【００３２】
表示装置１０は周知のカラー液晶表示器で、例えばドット・マトリックスＬＣＤ（Liquid Crystal Display）およびＬＣＤ表示制御を行なうためのドライバ回路を含んで構成されている。ドライバ回路は、例えば、画素毎にトランジスタを付けて目的の画素を確実に点灯させたり消したりすることができるアクティブマトリックス駆動方式が用いられ、制御回路８から送られる表示指示および表示画面データに基づいて表示を行なう。表示装置１０の画面には位置検出器１から入力された車両の現在位置マークと、記憶媒体２０から入力された地図データと、更に地図上に表示する誘導経路等付加データとを重ね合わせて表示すると共に、本画面に経路案内の設定および経路誘導中の案内や画面の切り換え操作を行なうためのメニューボタンが表示される。
【００３３】
スピーカ１５は制御回路８のＩ／Ｏ３４に接続される周知の音声合成回路２４に接続され、ナビプログラム２１ｐの指令によって半導体記憶装置９あるいはＨＤＤ２１に記憶されるデジタル音声データを音声合成回路２４においてアナログ音声に変換したものが送出される。なお、音声合成の方法には、音声波形をそのままあるいは符号化して蓄積しておき、必要に応じて繋ぎあわせる録音編集方式、音声波形を分析してパラメータに変換された形で蓄積し、それを繋ぎ合せて音声合成回路を駆動し音声を作り出すパラメータ編集方式、文字列あるいは音素記号列から、音声学的・言語学的規則に基づいて、音声を作り出す規則合成方式などがある。
【００３４】
車速センサ２３は周知のロータリエンコーダ等の回転検出部を含み、例えば車輪取り付け部付近に設置されて車輪の回転を検出してパルス信号として制御回路８に送るものである。制御回路８では、その車輪の回転数を車両の速度に換算して、車両の現在位置から所定の場所までの予想到達時間を算出したり、車両の走行区間毎の平均車速を算出する。車速データを車内ＬＡＮ（Local Area Network）２２を介して他の車載機器から取得する方法をとってもよい。
【００３５】
本発明の料金収受カード検出手段，料金所利用情報取得手段である外部情報入出力装置２６は、外部機器とデータ伝送可能に接続するための入出力回路，コネクタを含むものである。本実施例ではＥＴＣ車載器１６が接続されている。また、車内ＬＡＮ２２を介してＥＴＣ車載器１６を接続する構成を用いてもよい。
【００３６】
このような構成を持つことにより、ナビゲーション装置１００は、制御回路８のＣＰＵ８１によりナビプログラム２１ｐが起動されると、運転者が操作スイッチ群７あるいはリモコン端末１２の操作あるいはマイク３１からの音声入力によって、表示装置１０上に表示されるメニューから目的地経路を表示装置１０に表示させるための経路案内処理を選択した場合、次のような処理を実施する。
【００３７】
即ち、使用者が地図上の任意の地点あるいは施設検索や住所検索、使用者が設定した登録地などから地点を選択して目的地として設定すると、ＧＰＳ受信機５から得られる衛星のデータに基づき車両の現在位置が求められ、該現在位置から目的地までの最適な案内経路を求める処理が行われる。そして、表示装置１０上の道路地図に案内経路を重ねて表示し、運転者に適切な経路を案内する。このような自動的に最適な案内経路を設定する手法は、ダイクストラ法等の手法が知られている。また、表示装置１０およびスピーカ１５の少なくとも一方によって、操作時のガイダンスや動作状態に応じたメッセージの報知を行なう。
【００３８】
ダイクストラ法では、リンク情報，ノード情報，リンク間接続情報を用いて、現在地から各ノードに至るまでの経路評価値（経路計算コスト）を算出し、目的地までの全ての経路評価値の計算が終了した段階で、総評価値が最小となるリンクを接続して目的地までの経路を設定している。この場合の評価値は、道路長・道路種別・道路幅員・車線数・交差点での右左折・信号機の有無などに応じて設定されている。例えば、道路幅員が広いほど評価値が低く、車線数が多いほど評価値が低い。
【００３９】
各リンクでの経路計算コストの計算は、例えば次式を用いて行われる。経路計算コスト＝リンク長×道路幅員係数×道路種別係数×渋滞度。ここで、道路幅員係数とは道路幅に応じて設定される係数であり、道路種別係数とは有料道路等の道路種別に応じて設定される係数である。そして、渋滞度とは、その道路の渋滞度合に応じて設定される係数である。
【００４０】
最適な案内経路が求められると、制御回路８は案内経路の右左折する交差点あるいは案内の目印となる建物等の案内対象点を設定する。そして、設定された案内対象点に対し、車両がある一定距離まで近づいたときに音声により案内すべきポイントとして、案内実施点を決定する。案内実施点は、例えば、案内対象点が交差点の場合、一般道では７００ｍ手前，３００ｍ手前，１００ｍ手前、高速道路では２ｋｍ手前，１ｋｍ手前，５００ｍ手前といったように複数設定することができる。
【００４１】
図２はＥＴＣシステムの概略を示す模式図である。ＥＴＣシステムは、有料道路の出口および入口の各料金所に設置された路上機７３と、この路上機７３と無線通信する車両に搭載される本発明の車載器であるＥＴＣ車載器１６と、路上機７３に接続された管理センタに設置され、有料道路を利用する車両に対する利用料金の決済処理全般を管理するコンピュータ７４とを含み構成されている。
【００４２】
コンピュータ７４は、例えばパーソナルコンピュータあるいはワークステーションとして構成され、各料金所の路上機７３と通信回線を介して接続されており、路上機７３からのＥＴＣ処理結果の情報を統括管理する装置である。このコンピュータ７４には、契約車両の情報、車載器の情報等の契約者に関する情報が記憶された契約者情報データベースが構築されている。そして、路上機７３からの問い合わせに対して契約者情報データベースとの照合結果を返信する。
【００４３】
路上機７３は、有料道路の料金所の入口車線および出口車線に設置された車両検知装置、路側無線装置、案内表示装置、車両発進制御装置、これらの機器を制御する車線制御装置などを含み、入口車線あるいは出口車線に車両が進入した際に、車両との無線通信によりＥＴＣ車載器１６から車載器情報を取得して有料道路の利用に関する処理等を行ない、その結果をＥＴＣ車載器１６へ返信する。
【００４４】
ＥＴＣ車載器１６は、路上機７３との無線通信を行なうアンテナ５０と、無線通信制御を行なう無線部５１と、ＬＥＤあるいはＬＣＤ表示器の少なくとも一方を含み車両に乗車している人に対する操作案内や料金等を表示する表示部５８と、音声メッセージ等を送出するスピーカ５７と、操作ボタンを含む入力操作部５９と、ＩＣカード７０の情報をＩＣカードコネクタ５５を介して読み取りおよび書き込みを行なうＩＣカード制御部５４と、ＥＴＣ車載器１６全体の制御を行なう全体制御部５３と、日時データの生成を行なう時刻管理部５６と、外部機器接続部６０とから構成されている。また、電源部５２はＥＴＣ車載器１６全体に電源を供給するものである。
【００４５】
全体制御部５３は図示しない周知のＣＰＵ，ＲＯＭ，ＲＡＭ，入出力回路であるＩ／Ｏおよびこれらの構成を接続するバスライン、入力操作部５９からの信号の処理を行なう信号処理回路、表示部５８を制御するための信号出力回路等が備えられている。ＣＰＵは、ＲＯＭおよびＲＡＭに記憶された制御プログラムおよびデータによりＥＴＣ車載器１６全体の動作制御を行なう。
【００４６】
外部機器接続部６０は、ナビゲーション装置１００に接続するためのコネクタ，回路により構成され、必要なデータの遣り取りを行なう。また、車内ＬＡＮを介してナビゲーション装置１００に接続する構成を用いてもよい。
【００４７】
ＩＣカード７０には、情報を記憶・読み出し可能な周知のフラッシュメモリ等で構成されるメモリ７２、ＥＴＣ車載器１６のＩＣカードコネクタ５５を介してＩＣカード制御部５４との間でデータの遣り取りを行なったり、メモリ７２への読み書きを制御する制御部７１とが設けられている。メモリ７２には、ＩＣカード７０がクレジットタイプであれば、契約者の金融機関情報、および契約の有効期限等、有料道路の利用料金を引き落とすための決済情報が記憶されている。また、このメモリ７２には、ＩＣカード７０を特定するためのＩＣカードＩＤが記憶されている。
【００４８】
ＥＴＣ車載器１６にＩＣカード７０が装着されると、ＩＣカード内部の情報がＥＴＣ車載器１６に読み込まれる。この情報は、路上機７３との無線通信時にＥＴＣ車載器１６に予め登録されている車両の情報と共に車載器情報として送信される。
【００４９】
車両が有料道路の料金所入口に進入する場合、ＥＴＣ車載器１６と路上機７３との無線通信により車載器情報を取得して車載器情報の正否を判定し、車載器情報が正しい場合に入口料金所番号、入口通過時刻等の入口情報をＥＴＣ車載器１６に通知し、通知された内容はメモリ７２に記憶される。
【００５０】
車両が有料道路の料金所出口に進入する場合、ＥＴＣ車載器１６から路上機７３が受信したＩＣカードＩＤ、車載器ＩＤ等の車載器情報と、ＩＣカード７０に記憶されているＩＣカードＩＤ，入口料金所番号，入口通過時刻等の入口情報と、路上機７３が保持している自料金所番号、他の料金所との対距離料金情報、時刻情報等の出口情報とを組み合わせて車両側からの情報の正否を判定した後、正しい場合に通行料金を算出し、それをＥＴＣ処理結果としてＥＴＣ車載器１６およびコンピュータ７４へ通知する。そして、これら入口情報，出口情報，通行料金情報が料金所利用情報としてメモリ７２に記憶される。
【００５１】
図３のフロー図を用いて、本発明の経路探索処理について説明する。なお、本処理はＣＰＵ８１により実行されるナビプログラム２１ｐに含まれ、ナビプログラム２１ｐの他の処理とともに繰り返し実行される。
【００５２】
まず、上述のように目的地を設定する（Ｓ１）。次いでＥＴＣ車載器１６との接続を確認してＥＴＣ車載器１６にＩＣカード７０が装着されているかの問合せ信号を送る。ＥＴＣ車載器１６からの応答信号を受信し、その中にＩＣカード７０の装着を示すデータが含まれている場合（Ｓ２：ＹＥＳ）には、探索条件をＥＴＣシステムに対応した料金所のある有料道路を含むように探索条件を変更する（Ｓ３）。
【００５３】
次に、半導体記憶装置９に確保される料金所利用情報記憶領域を参照して、過去にＥＴＣシステム対応の料金所を利用したかどうかを調べる。過去に利用した、ＥＴＣシステム対応の料金所のあるＩＣ（インターチェンジの略称、以下同じ）が目的地までの経路付近に存在する場合（Ｓ４：ＹＥＳ）はそのＩＣを利用する経路を探索するように探索条件を変更する（Ｓ５）。
【００５４】
探索条件は距離優先、有料道路優先、一般道路優先、推奨ルート、それぞれの探索条件に対する別ルートなどがある。有料道路を優先した経路を探索する場合は有料道路優先が一般的だが、その他の探索条件でも有料道路を通るルートを探索するのであれば該探索条件を用いてもよい。複数ルート探索の場合は有料道路を優先する探索条件の他に、その他の探索条件で有料道路を通る経路があればその条件での探索を行なう。そして、上述の条件下で目的地までの経路を探索する（Ｓ６）。
【００５５】
経路探索が完了すると表示装置１０に探索した経路が画面内に表示できる縮尺で地図上に探索した経路を表示する（Ｓ７）。1ルート探索の場合は経路表示をせずにそのまま案内経路として設定することも可能である。複数ルート探索の場合は探索した経路を表示装置１０に同時に表示することにより、使用者は経路を比較することができる。また、表示された経路から使用者が最も適切と思われる経路を選択することができる。使用者がいずれかの経路を選択すると、制御回路８はその経路を案内経路として確定し、表示装置１０に表示するとともに目的地までの経路案内を開始する。
【００５６】
ＥＴＣ車載器１６にＩＣカード７０が装着されているかの問合せ信号を送り、ＥＴＣ車載器１６からの応答信号を受信し、その中にＩＣカード７０の装着を示すデータが含まれている場合に、メモリ７２に記憶されている料金所利用情報を取得して半導体記憶装置９に確保される料金所利用情報記憶領域に記憶する構成を用いてもよい。また、ＨＤＤ２１内のデータベース２１ｄとして料金所利用情報を記憶してもよい。
【００５７】
図４のフロー図を用いて料金所利用情報の取得および記憶処理の流れについて説明する。目的地までの経路案内が開始されて（Ｓ１１）、ＥＴＣカード７０が車載器１６に装着されている場合（Ｓ１２：ＹＥＳ）、位置検出器１によって検出される車両の現在位置の推移から求められる走行軌跡から、車両が有料道路の料金所を通行したと判定されたときに、記憶媒体２０に記憶されている地図データから該通行したＩＣに関する情報を取得し（Ｓ１４）、ＥＴＣシステム対応の料金所であれば料金所利用情報として半導体記憶装置９の料金所利用情報記憶領域に記憶する（Ｓ１５）。記憶媒体２０からＩＣ情報を取得できない場合は、その地点の位置情報を記憶しておいてもよい。
【００５８】
また、ＥＴＣシステム対応の料金所のあるＩＣを通行したときに、ＥＴＣ車戴器１６から通行したＩＣの情報すなわち料金所利用情報を取得する方法をとってもよい。料金決済が終了してＥＴＣ車戴器１６が路上機７３から出口情報および料金情報を受信しＩＣカード７０にこれら情報を記憶した後に、車両用ナビゲーション装置１００に料金所利用情報を送るものである。そして、車両用ナビゲーション装置１００は受信した料金所利用情報を半導体記憶装置９の料金所利用情報記憶領域に記憶する。
【００５９】
そして、目的地に到着したら（Ｓ１６：ＹＥＳ）、経路案内を終える（Ｓ１７）とともに本処理を終了する。
【００６０】
経路案内を行なっていない場合でも、ＥＴＣシステム対応の料金所のあるＩＣを通行したときに該ＩＣの情報を取得するようにしてもよい。
【００６１】
料金所における車両の走行方向、すなわち料金所に入る入口利用、料金所から出る出口利用という情報を料金所利用情報に含めて記憶してもよい。この情報は、車両の走行軌跡，ＥＴＣ車戴器１６からの料金所利用情報のいずれからも取得可能である。そして、探索条件に有料道路を優先する条件に加えて、料金所における車両の走行方向を含めてもよい。これにより、同じＩＣでも入口利用しかしていない場合は、そのＩＣを入るような案内経路しか探索されない。よって、通行したことのない出口を利用する案内経路は探索されないので、使用者は不慣れな道を通ることを回避できる。
【００６２】
上記の実施の形態において、本発明の経路探索機能を用いるかどうかの選択は、使用者により設定を以下のように行なうことができる。使用者が操作スイッチ群７あるいはリモコン端末１２の操作、あるいはマイク３１からの音声入力によって、表示装置１０上に表示されるメニューから機能設定メニューを表示装置１０に表示させ、その中から経路探索に関する設定画面を選択して表示させる。そして、料金所利用情報を用いて経路探索を用いるかどうか，他の経路探索条件と併用するかどうか等それぞれの項目について選択・設定を行なう。選択・設定された内容は、半導体記憶装置９あるいはＨＤＤ２１の所定の領域に記憶される。
【００６３】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【００６４】
【図１】ナビゲーション装置の構成を示すブロック図。
【図２】ＥＴＣシステムの構成を示すブロック図。
【図３】本発明の経路探索処理を説明するためのフロー図。
【図４】料金所利用情報の取得および記憶処理を説明するためのフロー図。
【符号の説明】
【００６５】
１ 位置検出器
７ 操作スイッチ群（探索条件設定手段）
８ 制御回路（経路探索手段）
９ 半導体記憶装置（料金所利用情報記憶手段）
１０ 表示装置
１２ リモコン端末（探索条件設定手段）
１６ ＥＴＣ車載器（車載器）
２０ 記憶媒体
２１ ハードディスク装置
２６ 外部情報入出力装置（料金収受カード検出手段，料金所利用情報取得手段）
３０ 音声認識ユニット
３１ マイク（探索条件設定手段）
７３ 路上機
１００ ナビゲーション装置
【技術分野】
【０００１】
本発明は、特に運転者が指定した目的地に到達するための最適な経路を検索する車両用ナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
車両の走行に伴ってＧＰＳ（Global Positioning System：全地球測位システム）等により現在位置を検出し、その現在位置を表示装置上に道路地図と共に表示して、現在地から目的地までの適切な経路を設定し、表示装置や音声出力装置などによって案内する車両用ナビゲーション装置は、運転者の効率的で安全な運転に貢献している。
【０００３】
また、高速道路等の有料道路の出入口を車が通過し、料金を支払うシステムにおいて、従来のチケットに代えて車の入路・通過・出路の情報を搭載した車載器と料金所に設置された据置形送受信装置（路上機）との間で通信を行なって、料金の計算・請求・支払い・記録を電子的に自動化し、料金所をノンストップで通過し、時間と人件費を節約する自動料金収受（ＥＴＣ：Electronic Toll Collection）システムが実用化され、普及しつつある。
【０００４】
近年、単に最短距離を探す経路探索だけでなく、使用者が指定する道路に対して自由にコストを設定できるようにして使用者の好みが経路探索に反映できるようにする車載ナビゲーション装置が考案されている（特許文献１参照）。
【０００５】
また、ＥＴＣシステムナビゲーション装置とを融合させた技術としては、使用者がＥＴＣシステムによる支払いが可能な状態にある場合には、現金支払いを要する経路を誘導経路として提示しないようにするナビゲーション装置が考案されている（特許文献２参照）。
【０００６】
【特許文献１】特開２００４−０４５０５３号公報
【特許文献２】特開２００４−１３２７９８号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
特許文献１の例は、使用者が指定する道路に対して自由にコストを設定するため、使用者の設定作業が必要となる。有料道路あるいは高速道路を使用したい場合でもその設定されたコストにより探索が行われるため、使用者の希望する案内経路が探索されない場合もある。
【０００８】
特許文献２の例は、ＥＴＣカードの挿入状態を確認してから案内経路を探索する際に、料金所がＥＴＣシステムによる料金支払いができるかどうかを確認してＥＴＣシステムによる料金支払いができる経路を探索するものである。しかし、ＥＴＣシステムによる料金支払いができるかどうかの情報はナビゲーション装置に記憶されるため、常に最新の情報を入手する必要があり、使用者の操作負荷は増大する。
【０００９】
通常の経路探索においてはＥＴＣカードの挿入状態は特に考慮されない。1つの案内経路を探索する場合は、探索条件はデフォルト条件または使用者が設定した条件を用いて探索する。このため、使用者が探索条件を変更したい場合は探索後に再度探索条件を変更するといった作業が必要になる。
【００１０】
また、複数の案内経路を探索する場合は、標準，距離優先，別ルート，有料道路優先，一般道路優先といった条件で探索した案内経路が表示され、有料道路あるいは高速道路を使用したい場合でも有料道路あるいは高速道路優先ルート以外の案内経路も表示され、有料道路あるいは高速道路を使用する条件下での複数の案内経路の探索は行われない。
【００１１】
上記問題を背景として、本発明の課題は、ＥＴＣ車載器と連携して最適な案内経路を探索する車両用ナビゲーション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【００１２】
本発明は、上記課題を解決するための車両用ナビゲーション装置を提供するものである。即ち、請求項１によれば、有料道路の料金所に設置された路上機との間の通信により有料道路利用料金の決済を行なう車載器と接続可能な車両用ナビゲーション装置において、有料道路利用料金が課金される料金収受カードの車載器への装着の有無を検出する料金収受カード検出手段と、料金収受カードが車載器に装着されていることを検出している場合には、目的地までの案内経路として、路上機が設置された料金所のある有料道路を含む案内経路を優先して探索する経路探索手段と、を有することを特徴とする車両用ナビゲーション装置として構成される。
【００１３】
本発明は、有料道路の料金所に設置された路上機との間の通信により有料道路利用料金の決済を行なう、いわゆるＥＴＣシステムの車載器と車両用ナビゲーション装置を連携させることにより、使用者の希望する最適な経路を探索するものである。料金収受カードすなわちＥＴＣカードを車載器に装着するということは、使用者が有料道路を利用する意図を示している。上記構成では、ＥＴＣカードを車載器に装着すれば自動的にＥＴＣシステム対応の料金所のある有料道路を含む経路を優先して探索するため、従来技術のように使用者が車両用ナビゲーション装置に様々な設定を行なう必要がないので、操作負荷は増大しない。
【００１４】
請求項２によれば、本発明の車両用ナビゲーション装置における経路探索手段は、料金収受カードが車載器に装着されていることを検出している場合には、目的地までの案内経路として、路上機が設置された料金所のある有料道路を含む案内経路のみを探索する構成をとることができる。
【００１５】
上記構成によって、使用者がＥＴＣカードを装着して有料道路を利用する意図を示しているにもかかわらず、有料道路を利用しない案内経路を探索して表示するということはなく、迅速に所望の案内経路を探索して決定することが可能となる。
【００１６】
請求項３によれば、本発明の車両用ナビゲーション装置は、有料道路の料金所利用情報を取得する料金所利用情報取得手段と、料金所利用情報取得手段が取得した料金所利用情報を記憶する料金所利用情報記憶手段とを有し、経路探索手段は、料金収受カードが車載器に装着されていることを検出している場合には、記憶された料金所利用情報に含まれる料金所を利用する案内経路を探索する構成をとることができる。
【００１７】
使用者は、過去に利用した料金所および周辺の道路の状況について凡そ把握していることが多い。上記構成によって、馴染みのある料金所および道路を含む案内経路が探索されるため、全く利用しない料金所を含む案内経路よりも快適かつ安全に走行することが可能となる。
【００１８】
請求項４によれば、本発明の車両用ナビゲーション装置は、案内経路を探索するための探索条件を設定する探索条件設定手段を有し、経路探索手段は、料金収受カードが車載器に装着されていることを検出している場合には、探索条件を有料道路優先に変更して案内経路を探索する構成をとることができる。
【００１９】
車両用ナビゲーション装置では、経路探索に、有料道路優先，一般道路優先，指定地点を通過する等の経路探索条件を設定することができるものがある。上記構成によって、使用者がＥＴＣカードを装着して有料道路を利用する意図を示している場合は、設定されている経路探索条件によらず有料道路を利用する案内経路を探索するため、迅速に所望の案内経路を探索して決定することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２０】
ＥＴＣ車載器と連携して最適な案内経路を探索する車両用ナビゲーション装置を提供するという目的を、ＥＴＣカードが車載器に装着されていることを検出している場合には、目的地までの案内経路として、路上機が設置された料金所のある有料道路を含む案内経路を優先して探索する構成により実現した。
【実施例】
【００２１】
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例を参照しながら説明する。図１は車両用ナビゲーション装置（以下、ナビゲーション装置と略称する）１００の全体構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置１００は、位置検出器１，地図データ入力器６，操作スイッチ群７，リモートコントロール（以下リモコンと称する）センサ１１，音声案内などを行なう音声合成回路２４およびスピーカ１５，半導体記憶装置９，表示装置１０，ハードディスク装置（ＨＤＤ）２１，これらの接続された制御回路８，リモコン端末１２を備えている。
【００２２】
位置検出器１は、周知の地磁気センサ２，ジャイロスコープ３，距離センサ４，および衛星からの電波に基づいて車両の位置を検出するＧＰＳのためのＧＰＳ受信機５を有している。これらのセンサ等２，３，４，５は各々が性質の異なる誤差を持っているため、複数のセンサにより各々補完しながら使用するように構成されている。なお、精度によっては前述したうちの一部センサで構成してもよく、さらに、ステアリングの回転センサや各転動輪の車輪センサ等を用いてもよい。
【００２３】
地図データ入力器６は、位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ、道路の接続を表した道路データを含む各種データを記憶媒体２０から入力するための装置である。記憶媒体としては、そのデータ量からＣＤ−ＲＯＭやＤＶＤを用いるのが一般的であるが、例えばメモリカード等の他の媒体を用いてもよい。
【００２４】
地図データは、表示用となる所定の地図画像情報を記憶すると共に、リンク情報やノード情報等を含む道路網情報を記憶する。リンク情報は、各道路を構成する所定の区間情報であって、位置座標、距離、所要時間、道幅、車線数、制限速度等から構成される。また、ノード情報は、交差点（分岐路）等を規定する情報であって、位置座標、右左折車線数、接続先道路リンク等から構成される。また、リンク間接続情報には、通行の可不可を示すデータなどが設定されている。
【００２５】
操作スイッチ群７は、例えば表示装置１０と一体になったタッチスイッチもしくはメカニカルなスイッチ等が用いられる。タッチスイッチは、表示装置１０の画面上に縦横に微細に配置された赤外線センサ、赤外線センサが検出した指等の接触を電気信号に変えるパネル部分、電気信号を外部機器へ送るための信号処理回路、および、これらを制御するコントローラを含んで構成される。例えば指やタッチペンなどでその赤外線を遮断すると、その遮断した位置が２次元座標値（Ｘ，Ｙ）として検出される。タッチスイッチとして、ガラス基盤と透明なフィルムにスペーサと呼ばれる隙間を介してＸ軸方向、Ｙ軸方向に電気回路が配線し、フィルム上を使用者がタッチすると、押された部分の配線がショートして電圧値が変わるため、これを２次元座標値（Ｘ，Ｙ）として検出する、いわゆる抵抗膜方式を用いてもよい。あるいは、透明な導電性基盤のガラス面に電気信号を受ける物質を塗布し、指をガラス面に近づけると静電容量の変化を電気信号としてセンサで検知する、いわゆる静電容量方式を用いてもよい。
【００２６】
メカニカルスイッチ，タッチスイッチの他に、マウスやカーソル等のポインティングデバイスを用いてもよい。また、音声認識ユニット３０を用いて種々の指示を入力することも可能である。これは、音声認識ユニット３０に接続されるマイク３１から音声を入力することによって、その音声信号を周知の音声認識技術により音声認識処理して、その結果に応じた操作コマンドに変換するものである。音声認識ユニット３０は、マイク３１から入力された音声信号を適切なレベルに増幅する増幅器と、増幅後の音声信号をＡ／Ｄ変換した後、周知の隠れマルコフモデル等の音声認識アルゴリズムにより音声を識別するための音声信号処理装置（ＤＳＰ：Digital Signal Processor）、音声を識別するための基準データが記憶されているメモリ等で構成されており、ＤＳＰにより音声信号がその音声に対応した数値情報に変換された後、制御回路８に送られる。これら本発明の探索条件設定手段である操作スイッチ群７、リモコン端末１２、マイク３１によって、種々の指示を入力することが可能である。
【００２７】
送受信機１３は、例えばＶＩＣＳ（Vehicle Information and Communication System：道路交通情報通信システム）センタ１４から道路交通情報を受信するための装置である。また、通信ユニット１９および携帯電話機１７によって外部ネットワークと接続することも可能である。これら通信ユニット１９および携帯電話機１７を介してＶＩＣＳセンタ１４との通信を行なう構成をとってもよい。
【００２８】
本発明の経路探索手段である制御回路８は通常のコンピュータとして構成されており、周知のＣＰＵ８１，ＲＯＭ８２，ＲＡＭ８３，入出力回路であるＩ／Ｏ８４およびこれらの構成を接続するバスライン８５が備えられている。ＣＰＵ８１は、ＨＤＤ２１に記憶されたナビプログラム２１ｐおよびデータにより制御を行なう。また、ＨＤＤ２１へのデータの読み書きの制御はＣＰＵ８１によって行なわれる。Ａ／Ｄ変換部８６は周知のＡ／Ｄ（アナログ／デジタル）変換回路を含み、例えば位置検出器１などから制御回路８に入力されるアナログデータをＣＰＵ８１で演算可能なデジタルデータに変換するものである。
【００２９】
ＨＤＤ２１に地図データを記憶する構成をとってもよい。また、ＨＤＤ２１には経路案内の補助情報や娯楽情報、その他に使用者が独自にデータを書き込むことができる。これらのデータは、操作スイッチ群７およびリモコン端末１２の操作あるいはマイク３１からの音声入力によって内容の書き換えが可能である。また、地図データ入力器６を用いて記憶媒体２０から地図データ等を読み込んでＨＤＤ２１の内容を更新することも可能である。また、車内の他の制御装置との間でデータの遣り取りを行なう車内ＬＡＮ（Local Area Network）２２を介して受信したデータを記録する構成をとってもよい。
【００３０】
本発明の料金所利用情報記憶手段である半導体記憶装置９はＥＥＰＲＯＭ（Electrically Erasable ＆ Programmable Read Only Memory：電気的消去・プログラム可能・読出し専用メモリ）やフラッシュメモリ等の書き換え可能な半導体によって構成され、ナビゲーション装置１００の動作に必要な情報およびデータが記憶されている。なお、半導体記憶装置９は、車両のアクセサリスイッチがオフ状態（即ち、ナビゲーション装置１００がオフ状態）になっても、記憶内容が保持されるようになっている。
【００３１】
また、半導体記憶装置９の代わりにナビゲーション装置１００の動作に必要な情報およびデータをＨＤＤ２１に記憶してもよい。さらに、ナビゲーション装置１００の動作に必要な情報およびデータを半導体記憶装置９とＨＤＤ２１に分けて記憶してもよい。この場合、ＨＤＤ２１よりも半導体記憶装置９へのアクセス速度の方が速いため、読み書きの頻度が比較的多いものを半導体記憶装置９に記憶し、読み書きの頻度が比較的少ないものをＨＤＤ２１に記憶するとよい。半導体記憶装置９に記憶された内容をＨＤＤ２１にバックアップ保存するようにしてもよい。
【００３２】
表示装置１０は周知のカラー液晶表示器で、例えばドット・マトリックスＬＣＤ（Liquid Crystal Display）およびＬＣＤ表示制御を行なうためのドライバ回路を含んで構成されている。ドライバ回路は、例えば、画素毎にトランジスタを付けて目的の画素を確実に点灯させたり消したりすることができるアクティブマトリックス駆動方式が用いられ、制御回路８から送られる表示指示および表示画面データに基づいて表示を行なう。表示装置１０の画面には位置検出器１から入力された車両の現在位置マークと、記憶媒体２０から入力された地図データと、更に地図上に表示する誘導経路等付加データとを重ね合わせて表示すると共に、本画面に経路案内の設定および経路誘導中の案内や画面の切り換え操作を行なうためのメニューボタンが表示される。
【００３３】
スピーカ１５は制御回路８のＩ／Ｏ３４に接続される周知の音声合成回路２４に接続され、ナビプログラム２１ｐの指令によって半導体記憶装置９あるいはＨＤＤ２１に記憶されるデジタル音声データを音声合成回路２４においてアナログ音声に変換したものが送出される。なお、音声合成の方法には、音声波形をそのままあるいは符号化して蓄積しておき、必要に応じて繋ぎあわせる録音編集方式、音声波形を分析してパラメータに変換された形で蓄積し、それを繋ぎ合せて音声合成回路を駆動し音声を作り出すパラメータ編集方式、文字列あるいは音素記号列から、音声学的・言語学的規則に基づいて、音声を作り出す規則合成方式などがある。
【００３４】
車速センサ２３は周知のロータリエンコーダ等の回転検出部を含み、例えば車輪取り付け部付近に設置されて車輪の回転を検出してパルス信号として制御回路８に送るものである。制御回路８では、その車輪の回転数を車両の速度に換算して、車両の現在位置から所定の場所までの予想到達時間を算出したり、車両の走行区間毎の平均車速を算出する。車速データを車内ＬＡＮ（Local Area Network）２２を介して他の車載機器から取得する方法をとってもよい。
【００３５】
本発明の料金収受カード検出手段，料金所利用情報取得手段である外部情報入出力装置２６は、外部機器とデータ伝送可能に接続するための入出力回路，コネクタを含むものである。本実施例ではＥＴＣ車載器１６が接続されている。また、車内ＬＡＮ２２を介してＥＴＣ車載器１６を接続する構成を用いてもよい。
【００３６】
このような構成を持つことにより、ナビゲーション装置１００は、制御回路８のＣＰＵ８１によりナビプログラム２１ｐが起動されると、運転者が操作スイッチ群７あるいはリモコン端末１２の操作あるいはマイク３１からの音声入力によって、表示装置１０上に表示されるメニューから目的地経路を表示装置１０に表示させるための経路案内処理を選択した場合、次のような処理を実施する。
【００３７】
即ち、使用者が地図上の任意の地点あるいは施設検索や住所検索、使用者が設定した登録地などから地点を選択して目的地として設定すると、ＧＰＳ受信機５から得られる衛星のデータに基づき車両の現在位置が求められ、該現在位置から目的地までの最適な案内経路を求める処理が行われる。そして、表示装置１０上の道路地図に案内経路を重ねて表示し、運転者に適切な経路を案内する。このような自動的に最適な案内経路を設定する手法は、ダイクストラ法等の手法が知られている。また、表示装置１０およびスピーカ１５の少なくとも一方によって、操作時のガイダンスや動作状態に応じたメッセージの報知を行なう。
【００３８】
ダイクストラ法では、リンク情報，ノード情報，リンク間接続情報を用いて、現在地から各ノードに至るまでの経路評価値（経路計算コスト）を算出し、目的地までの全ての経路評価値の計算が終了した段階で、総評価値が最小となるリンクを接続して目的地までの経路を設定している。この場合の評価値は、道路長・道路種別・道路幅員・車線数・交差点での右左折・信号機の有無などに応じて設定されている。例えば、道路幅員が広いほど評価値が低く、車線数が多いほど評価値が低い。
【００３９】
各リンクでの経路計算コストの計算は、例えば次式を用いて行われる。経路計算コスト＝リンク長×道路幅員係数×道路種別係数×渋滞度。ここで、道路幅員係数とは道路幅に応じて設定される係数であり、道路種別係数とは有料道路等の道路種別に応じて設定される係数である。そして、渋滞度とは、その道路の渋滞度合に応じて設定される係数である。
【００４０】
最適な案内経路が求められると、制御回路８は案内経路の右左折する交差点あるいは案内の目印となる建物等の案内対象点を設定する。そして、設定された案内対象点に対し、車両がある一定距離まで近づいたときに音声により案内すべきポイントとして、案内実施点を決定する。案内実施点は、例えば、案内対象点が交差点の場合、一般道では７００ｍ手前，３００ｍ手前，１００ｍ手前、高速道路では２ｋｍ手前，１ｋｍ手前，５００ｍ手前といったように複数設定することができる。
【００４１】
図２はＥＴＣシステムの概略を示す模式図である。ＥＴＣシステムは、有料道路の出口および入口の各料金所に設置された路上機７３と、この路上機７３と無線通信する車両に搭載される本発明の車載器であるＥＴＣ車載器１６と、路上機７３に接続された管理センタに設置され、有料道路を利用する車両に対する利用料金の決済処理全般を管理するコンピュータ７４とを含み構成されている。
【００４２】
コンピュータ７４は、例えばパーソナルコンピュータあるいはワークステーションとして構成され、各料金所の路上機７３と通信回線を介して接続されており、路上機７３からのＥＴＣ処理結果の情報を統括管理する装置である。このコンピュータ７４には、契約車両の情報、車載器の情報等の契約者に関する情報が記憶された契約者情報データベースが構築されている。そして、路上機７３からの問い合わせに対して契約者情報データベースとの照合結果を返信する。
【００４３】
路上機７３は、有料道路の料金所の入口車線および出口車線に設置された車両検知装置、路側無線装置、案内表示装置、車両発進制御装置、これらの機器を制御する車線制御装置などを含み、入口車線あるいは出口車線に車両が進入した際に、車両との無線通信によりＥＴＣ車載器１６から車載器情報を取得して有料道路の利用に関する処理等を行ない、その結果をＥＴＣ車載器１６へ返信する。
【００４４】
ＥＴＣ車載器１６は、路上機７３との無線通信を行なうアンテナ５０と、無線通信制御を行なう無線部５１と、ＬＥＤあるいはＬＣＤ表示器の少なくとも一方を含み車両に乗車している人に対する操作案内や料金等を表示する表示部５８と、音声メッセージ等を送出するスピーカ５７と、操作ボタンを含む入力操作部５９と、ＩＣカード７０の情報をＩＣカードコネクタ５５を介して読み取りおよび書き込みを行なうＩＣカード制御部５４と、ＥＴＣ車載器１６全体の制御を行なう全体制御部５３と、日時データの生成を行なう時刻管理部５６と、外部機器接続部６０とから構成されている。また、電源部５２はＥＴＣ車載器１６全体に電源を供給するものである。
【００４５】
全体制御部５３は図示しない周知のＣＰＵ，ＲＯＭ，ＲＡＭ，入出力回路であるＩ／Ｏおよびこれらの構成を接続するバスライン、入力操作部５９からの信号の処理を行なう信号処理回路、表示部５８を制御するための信号出力回路等が備えられている。ＣＰＵは、ＲＯＭおよびＲＡＭに記憶された制御プログラムおよびデータによりＥＴＣ車載器１６全体の動作制御を行なう。
【００４６】
外部機器接続部６０は、ナビゲーション装置１００に接続するためのコネクタ，回路により構成され、必要なデータの遣り取りを行なう。また、車内ＬＡＮを介してナビゲーション装置１００に接続する構成を用いてもよい。
【００４７】
ＩＣカード７０には、情報を記憶・読み出し可能な周知のフラッシュメモリ等で構成されるメモリ７２、ＥＴＣ車載器１６のＩＣカードコネクタ５５を介してＩＣカード制御部５４との間でデータの遣り取りを行なったり、メモリ７２への読み書きを制御する制御部７１とが設けられている。メモリ７２には、ＩＣカード７０がクレジットタイプであれば、契約者の金融機関情報、および契約の有効期限等、有料道路の利用料金を引き落とすための決済情報が記憶されている。また、このメモリ７２には、ＩＣカード７０を特定するためのＩＣカードＩＤが記憶されている。
【００４８】
ＥＴＣ車載器１６にＩＣカード７０が装着されると、ＩＣカード内部の情報がＥＴＣ車載器１６に読み込まれる。この情報は、路上機７３との無線通信時にＥＴＣ車載器１６に予め登録されている車両の情報と共に車載器情報として送信される。
【００４９】
車両が有料道路の料金所入口に進入する場合、ＥＴＣ車載器１６と路上機７３との無線通信により車載器情報を取得して車載器情報の正否を判定し、車載器情報が正しい場合に入口料金所番号、入口通過時刻等の入口情報をＥＴＣ車載器１６に通知し、通知された内容はメモリ７２に記憶される。
【００５０】
車両が有料道路の料金所出口に進入する場合、ＥＴＣ車載器１６から路上機７３が受信したＩＣカードＩＤ、車載器ＩＤ等の車載器情報と、ＩＣカード７０に記憶されているＩＣカードＩＤ，入口料金所番号，入口通過時刻等の入口情報と、路上機７３が保持している自料金所番号、他の料金所との対距離料金情報、時刻情報等の出口情報とを組み合わせて車両側からの情報の正否を判定した後、正しい場合に通行料金を算出し、それをＥＴＣ処理結果としてＥＴＣ車載器１６およびコンピュータ７４へ通知する。そして、これら入口情報，出口情報，通行料金情報が料金所利用情報としてメモリ７２に記憶される。
【００５１】
図３のフロー図を用いて、本発明の経路探索処理について説明する。なお、本処理はＣＰＵ８１により実行されるナビプログラム２１ｐに含まれ、ナビプログラム２１ｐの他の処理とともに繰り返し実行される。
【００５２】
まず、上述のように目的地を設定する（Ｓ１）。次いでＥＴＣ車載器１６との接続を確認してＥＴＣ車載器１６にＩＣカード７０が装着されているかの問合せ信号を送る。ＥＴＣ車載器１６からの応答信号を受信し、その中にＩＣカード７０の装着を示すデータが含まれている場合（Ｓ２：ＹＥＳ）には、探索条件をＥＴＣシステムに対応した料金所のある有料道路を含むように探索条件を変更する（Ｓ３）。
【００５３】
次に、半導体記憶装置９に確保される料金所利用情報記憶領域を参照して、過去にＥＴＣシステム対応の料金所を利用したかどうかを調べる。過去に利用した、ＥＴＣシステム対応の料金所のあるＩＣ（インターチェンジの略称、以下同じ）が目的地までの経路付近に存在する場合（Ｓ４：ＹＥＳ）はそのＩＣを利用する経路を探索するように探索条件を変更する（Ｓ５）。
【００５４】
探索条件は距離優先、有料道路優先、一般道路優先、推奨ルート、それぞれの探索条件に対する別ルートなどがある。有料道路を優先した経路を探索する場合は有料道路優先が一般的だが、その他の探索条件でも有料道路を通るルートを探索するのであれば該探索条件を用いてもよい。複数ルート探索の場合は有料道路を優先する探索条件の他に、その他の探索条件で有料道路を通る経路があればその条件での探索を行なう。そして、上述の条件下で目的地までの経路を探索する（Ｓ６）。
【００５５】
経路探索が完了すると表示装置１０に探索した経路が画面内に表示できる縮尺で地図上に探索した経路を表示する（Ｓ７）。1ルート探索の場合は経路表示をせずにそのまま案内経路として設定することも可能である。複数ルート探索の場合は探索した経路を表示装置１０に同時に表示することにより、使用者は経路を比較することができる。また、表示された経路から使用者が最も適切と思われる経路を選択することができる。使用者がいずれかの経路を選択すると、制御回路８はその経路を案内経路として確定し、表示装置１０に表示するとともに目的地までの経路案内を開始する。
【００５６】
ＥＴＣ車載器１６にＩＣカード７０が装着されているかの問合せ信号を送り、ＥＴＣ車載器１６からの応答信号を受信し、その中にＩＣカード７０の装着を示すデータが含まれている場合に、メモリ７２に記憶されている料金所利用情報を取得して半導体記憶装置９に確保される料金所利用情報記憶領域に記憶する構成を用いてもよい。また、ＨＤＤ２１内のデータベース２１ｄとして料金所利用情報を記憶してもよい。
【００５７】
図４のフロー図を用いて料金所利用情報の取得および記憶処理の流れについて説明する。目的地までの経路案内が開始されて（Ｓ１１）、ＥＴＣカード７０が車載器１６に装着されている場合（Ｓ１２：ＹＥＳ）、位置検出器１によって検出される車両の現在位置の推移から求められる走行軌跡から、車両が有料道路の料金所を通行したと判定されたときに、記憶媒体２０に記憶されている地図データから該通行したＩＣに関する情報を取得し（Ｓ１４）、ＥＴＣシステム対応の料金所であれば料金所利用情報として半導体記憶装置９の料金所利用情報記憶領域に記憶する（Ｓ１５）。記憶媒体２０からＩＣ情報を取得できない場合は、その地点の位置情報を記憶しておいてもよい。
【００５８】
また、ＥＴＣシステム対応の料金所のあるＩＣを通行したときに、ＥＴＣ車戴器１６から通行したＩＣの情報すなわち料金所利用情報を取得する方法をとってもよい。料金決済が終了してＥＴＣ車戴器１６が路上機７３から出口情報および料金情報を受信しＩＣカード７０にこれら情報を記憶した後に、車両用ナビゲーション装置１００に料金所利用情報を送るものである。そして、車両用ナビゲーション装置１００は受信した料金所利用情報を半導体記憶装置９の料金所利用情報記憶領域に記憶する。
【００５９】
そして、目的地に到着したら（Ｓ１６：ＹＥＳ）、経路案内を終える（Ｓ１７）とともに本処理を終了する。
【００６０】
経路案内を行なっていない場合でも、ＥＴＣシステム対応の料金所のあるＩＣを通行したときに該ＩＣの情報を取得するようにしてもよい。
【００６１】
料金所における車両の走行方向、すなわち料金所に入る入口利用、料金所から出る出口利用という情報を料金所利用情報に含めて記憶してもよい。この情報は、車両の走行軌跡，ＥＴＣ車戴器１６からの料金所利用情報のいずれからも取得可能である。そして、探索条件に有料道路を優先する条件に加えて、料金所における車両の走行方向を含めてもよい。これにより、同じＩＣでも入口利用しかしていない場合は、そのＩＣを入るような案内経路しか探索されない。よって、通行したことのない出口を利用する案内経路は探索されないので、使用者は不慣れな道を通ることを回避できる。
【００６２】
上記の実施の形態において、本発明の経路探索機能を用いるかどうかの選択は、使用者により設定を以下のように行なうことができる。使用者が操作スイッチ群７あるいはリモコン端末１２の操作、あるいはマイク３１からの音声入力によって、表示装置１０上に表示されるメニューから機能設定メニューを表示装置１０に表示させ、その中から経路探索に関する設定画面を選択して表示させる。そして、料金所利用情報を用いて経路探索を用いるかどうか，他の経路探索条件と併用するかどうか等それぞれの項目について選択・設定を行なう。選択・設定された内容は、半導体記憶装置９あるいはＨＤＤ２１の所定の領域に記憶される。
【００６３】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【００６４】
【図１】ナビゲーション装置の構成を示すブロック図。
【図２】ＥＴＣシステムの構成を示すブロック図。
【図３】本発明の経路探索処理を説明するためのフロー図。
【図４】料金所利用情報の取得および記憶処理を説明するためのフロー図。
【符号の説明】
【００６５】
１ 位置検出器
７ 操作スイッチ群（探索条件設定手段）
８ 制御回路（経路探索手段）
９ 半導体記憶装置（料金所利用情報記憶手段）
１０ 表示装置
１２ リモコン端末（探索条件設定手段）
１６ ＥＴＣ車載器（車載器）
２０ 記憶媒体
２１ ハードディスク装置
２６ 外部情報入出力装置（料金収受カード検出手段，料金所利用情報取得手段）
３０ 音声認識ユニット
３１ マイク（探索条件設定手段）
７３ 路上機
１００ ナビゲーション装置
【特許請求の範囲】
【請求項１】
有料道路の料金所に設置された路上機との間の通信により有料道路利用料金の決済を行なう車載器と接続可能な車両用ナビゲーション装置において、
前記有料道路利用料金が課金される料金収受カードの前記車載器への装着の有無を検出する料金収受カード検出手段と、
前記料金収受カードが前記車載器に装着されていることを検出している場合には、目的地までの案内経路として、前記路上機が設置された料金所のある有料道路を含む案内経路を優先して探索する経路探索手段と、
を有することを特徴とする車両用ナビゲーション装置。
【請求項２】
前記経路探索手段は、前記料金収受カードが前記車載器に装着されていることを検出している場合には、前記目的地までの案内経路として、前記路上機が設置された料金所のある有料道路を含む案内経路のみを探索する請求項１に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項３】
前記有料道路の料金所利用情報を取得する料金所利用情報取得手段と、
前記料金所利用情報取得手段が取得した料金所利用情報を記憶する料金所利用情報記憶手段とを有し、
前記経路探索手段は、前記料金収受カードが前記車載器に装着されていることを検出している場合には、前記記憶された料金所利用情報に含まれる料金所を利用する案内経路を探索する請求項１または２に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項４】
前記案内経路を探索するための探索条件を設定する探索条件設定手段を有し、
前記経路探索手段は、前記料金収受カードが前記車載器に装着されていることを検出している場合には、前記探索条件を有料道路優先に変更して案内経路を探索する請求項１ないし３のいずれか１項に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項１】
有料道路の料金所に設置された路上機との間の通信により有料道路利用料金の決済を行なう車載器と接続可能な車両用ナビゲーション装置において、
前記有料道路利用料金が課金される料金収受カードの前記車載器への装着の有無を検出する料金収受カード検出手段と、
前記料金収受カードが前記車載器に装着されていることを検出している場合には、目的地までの案内経路として、前記路上機が設置された料金所のある有料道路を含む案内経路を優先して探索する経路探索手段と、
を有することを特徴とする車両用ナビゲーション装置。
【請求項２】
前記経路探索手段は、前記料金収受カードが前記車載器に装着されていることを検出している場合には、前記目的地までの案内経路として、前記路上機が設置された料金所のある有料道路を含む案内経路のみを探索する請求項１に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項３】
前記有料道路の料金所利用情報を取得する料金所利用情報取得手段と、
前記料金所利用情報取得手段が取得した料金所利用情報を記憶する料金所利用情報記憶手段とを有し、
前記経路探索手段は、前記料金収受カードが前記車載器に装着されていることを検出している場合には、前記記憶された料金所利用情報に含まれる料金所を利用する案内経路を探索する請求項１または２に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項４】
前記案内経路を探索するための探索条件を設定する探索条件設定手段を有し、
前記経路探索手段は、前記料金収受カードが前記車載器に装着されていることを検出している場合には、前記探索条件を有料道路優先に変更して案内経路を探索する請求項１ないし３のいずれか１項に記載の車両用ナビゲーション装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図２】
【図３】
【図４】
【公開番号】特開２００６−２４２７００（Ｐ２００６−２４２７００Ａ）
【公開日】平成１８年９月１４日（２００６．９．１４）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００５−５７４３０（Ｐ２００５−５７４３０）
【出願日】平成１７年３月２日（２００５．３．２）
【出願人】（０００００４２６０）株式会社デンソー (27,639)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１８年９月１４日（２００６．９．１４）
【国際特許分類】
【出願日】平成１７年３月２日（２００５．３．２）
【出願人】（０００００４２６０）株式会社デンソー (27,639)
【Ｆターム（参考）】
[ Back to top ]