説明

車両用バンパの取付構造

【課題】車体重量の増加を招くことなく、バンパの両端部に衝突荷重が入力した時のサイドメンバの変形を抑制する。
【解決手段】バンパレインフォース2の後壁2bに衝突荷重の入力方向に突出する内部突出部10を形成し、バンパステイ5の上部に座屈低減部11を設け、バンパレインフォース2の長手方向両端部に、バンパステイ5の上部に衝突荷重を大きく入力する荷重入力調整部12を設ける。内部突出部10でバンパレインフォース2の反力を大きくしつつ、荷重入力調整部12でバンパステイ5の上部側に大きく荷重入力してバンパステイ5の座屈低減部11を座屈し易くする。サイドメンバ4に衝突荷重が入力する前にバンパステイ5およびバンパレインフォース2で衝突荷重を効率よく吸収し、サイドメンバ4の変形を効果的に抑制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バンパステイを介してサイドメンバの先端に取り付ける車両用バンパの取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用バンパはバンパレインフォースを備えており、そのバンパレインフォースをバンパステイを介して左右のサイドメンバの先端に跨って取り付けるのが一般的となっている。
【0003】
従来のバンパレインフォースとしては、アルミニウムで断面目字状に押出成形して長手方向に3つの中空部を連続して形成し、それら3つの中空部のうちの真ん中の中空部内に発泡樹脂製のフォーム材や合成ゴムからなる充填材を詰めたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−301993号公報(第3頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、かかる従来の車両用バンパの取付構造では、バンパレインフォースが断面目字状となって衝突荷重の入力方向に対して2つのリブが閉断面内に形成されているため、平面視での曲げ強度が高くなる。このため、バンパの長手方向中央部に柱状物体が衝突した場合に、その時の衝突エネルギの吸収効率は高くなる。
【0005】
また、バンパの長手方向端部に柱状物体が衝突した場合には、バンパレインフォースは3つの中空部の真ん中に充填材を詰めてあるため、バンパレインフォースは潰れ難くなる。このため、バンパレインフォースの両端部に結合しているバンパステイやサイドメンバを大きく潰してしまう。
【0006】
このように、車体骨格を成すサイドメンバの変形量が大きい場合には、事後の修理コストが嵩んでしまう。また、サイドメンバの変形量を抑制するためにサイドメンバの強度を高めようとすると、サイドメンバの肉厚を厚くしたり補強材を取り付けたりする必要があるため車体重量の増加を招いてしまう。
【0007】
そこで、本発明は、車体重量の増加を招くことなく、バンパの両端部に衝突荷重が入力した時のサイドメンバの変形を抑制できる車両用バンパの取付構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、バンパレインフォースの後壁の上下方向ほぼ中央部から衝突荷重の入力方向に突出する内部突出部と、サイドメンバの先端に結合したバンパステイの上部および下部のいずれか一方に設けられ、他方よりも座屈強度を低くした座屈低減部と、バンパレインフォースの長手方向端部に設けられ、バンパステイの上部および下部のうち座屈低減部に対応した側に、他側よりも衝突荷重を大きく入力する荷重入力調整部と、を備えたことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、バンパレインフォースは内部突出部により断面係数を増加させることができるため、バンパの長手方向中央部に柱状物体などのように衝突面積が小さい物体が衝突した場合に、バンパレインフォースの曲げ荷重を大きくすることができる。また、前記内部突出部によりバンパレインフォースの反力が大きくなり、物体が衝突した時の大きな衝撃エネルギを効率よく吸収することができる。
【0010】
また、バンパの長手方向端部に物体が衝突した場合、バンパレインフォースからバンパステイに衝突荷重が入力する際、荷重入力調整部によってバンパステイの座屈低減部に対応した側に大きく荷重入力するので、バンパステイは座屈低減部を設けた上部または下部が座屈して後退する。これにより、バンパレインフォースは長手方向の軸周りに回転し、これに伴って内部突出部も衝突荷重の入力方向に対して傾斜し、その内部突出部の根元部、つまり、内部突出部と後壁との境界部に前記長手方向の軸周り方向のモーメントが発生する。
【0011】
従って、バンパステイが潰れ変形した後、内部突出部が前記モーメントによって曲げ変形が促進しつつバンパレインフォースの潰れ量が増大するため、そのバンパレインフォースでの衝突エネルギの吸収量を増加させることができる。このため、サイドメンバに衝突荷重が入力する前にバンパステイおよびバンパレインフォースで衝突エネルギを効率よく吸収できるため、サイドメンバの変形を効果的に抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面と共に詳述する。
【0013】
(第1実施形態)
図1〜図11は本発明にかかる車両用バンパの取付構造の第1実施形態を示し、図1はバンパレインフォースの取付部の要部を断面して示す斜視図、図2はバンパレインフォースの取付状態を示す平面図であり、図3は図2中III−III線に沿った拡大断面図、図4は図2中IV−IV線に沿った拡大断面図、図5は図1中V−V線に沿った拡大断面図である。
【0014】
また、図6はバンパレインフォースの長手方向のほぼ中央部に柱状物体が衝突した状態を示す平面図であり、図7は図6中VII−VII線に沿った拡大断面図、図8はバンパレインフォースの長手方向のほぼ中央部に柱状物体が衝突した場合のF−S特性線を従来と比較して示す説明図である。
【0015】
更に、図9はバンパレインフォースの長手方向端部に物体が衝突する状態を示す平面図であり、図10は衝突によりバンパレインフォースの取付部分が変形する過程を(a)〜(c)に順を追って示す図9中X−X線に沿った拡大断面図、図11はバンパレインフォースの長手方向端部に物体が衝突した場合のF−S特性線を従来と比較して示す説明図である。
【0016】
図2に示すように、本実施形態の車両用バンパの取付構造は、フロントバンパ1に適用した場合を示す。フロントバンパ1は、骨格を成すバンパレインフォース2を備え、このバンパレインフォース2の外側を図示省略したバンパフェイシャで覆うことにより概ね構成される。
【0017】
バンパレインフォース2は車幅方向に延在し、車体前部のフロントコンパートメント3の車幅方向両側に車両前後方向に延在する左右のサイドメンバ4に跨って、これら左右のサイドメンバ4の先端にそれぞれ結合したバンパステイ5を介して取り付けてある。バンパレインフォース2は、前壁2a、後壁2bおよび上・下壁2c、2dによって閉断面構造として形成してある。
【0018】
ここで、本発明は、図3、図4にも示すように、バンパレインフォース2の後壁2bの長手方向全長に亘って、上下方向ほぼ中央部から衝突荷重の入力方向、つまり、車両前方に突出する内部突出部10を形成してある。
【0019】
内部突出部10は、後壁2bの上下方向中央部を所定幅W(図1参照)に亘って車両前方に突設し、その突設先端10aが前壁2aの内面近傍に近接(接触させてもよい)している。
【0020】
サイドメンバ4は、上・下壁4a、4bおよび左・右側壁4c、4dにより断面矩形状の閉断面構造として形成し、車体の前後方向の骨格部材となる。
【0021】
また、バンパステイ5は、サイドメンバ4と同様に上・下壁5a、5bおよび左・右側壁5c、5dにより断面矩形状の閉断面構造として概ね形成し、本実施形態ではバンパステイ5とサイドメンバ4との閉断面寸法をほぼ等しく形成してある。
【0022】
ここで、バンパステイ5の上部および下部のいずれか一方、即ち、本実施形態では上部に他方(下部)よりも座屈強度を低くした座屈低減部11を設けてある。
【0023】
即ち、本実施形態のバンパステイ5は、上部と下部に分割し、かつ、上部を更に前後に分割した第1〜第3ステイパーツ5P、5Q、5Rを組み合わせて構成してある。
【0024】
第1ステイパーツ5Pおよび第2ステイパーツ5Qは下方に開放する断面ほぼ逆U字状に形成し、第3ステイパーツ5Rは上方に開放する断面ほぼU字状に形成してある。そして、第1ステイパーツ5Pの後端部を第2ステイパーツ5Qの前端部内側に重ねて接合するとともに、それら接合した第1・第2ステイパーツ5P、5Qの下端部を、図5に示すように、第3ステイパーツ5Rの上端部内側に重ねて接合してある。
【0025】
このとき、バンパステイ5は、その上部を第1・第2ステイパーツ5P、5Qの2つの部材から構成してこれら各部材相互を組み付ける構造とすることで、下部の1つの部材からなる第3ステイパーツ5Rに対し、座屈強度が低下して上述の座屈低減部11となる。あるいは、第1・第2ステイパーツ5P、5Qのうち、少なくとも第1ステイパーツ5Pの肉厚を第3ステイパーツ5Rよりも薄肉化して座屈強度を低下させることにより、上述の座屈低減部11とすることもできる。
【0026】
また、第1〜第3ステイパーツ5P、5Q、5Rを接合構成した場合にも、図5に示すように、バンパステイ5のステイ内面5inおよびステイ外面5outのうち、バンパレインフォース2の長手方向ほぼ中央部に衝突荷重が入力した場合に座屈し易いステイ内面inの座屈強度は、バンパレインフォース2の変形を先行させるような強度バランスとしてある。
【0027】
そして、バンパステイ5はそれの後端をサイドメンバ4の前端に結合するのであるが、図1に示すように、サイドメンバ4の前端周囲に設けたフランジ部41に取付板42を接合するとともに、バンパステイ5の後端周囲に設けたフランジ部51に同様の取付板52を接合し、それら両取付板42、52を相互に結合する。尚、この両取付板42、52は、少なくともいずれか一方のみ設ける構造としてもよい。
【0028】
また、バンパステイ5の前端はバンパレインフォース2の後壁2bに結合するのであるが、バンパステイ5の前端周囲に設けたフランジ部53に取付板54を接合し、その取付板54を上述の後壁2bに接合する。つまり、バンパレインフォース2とバンパステイ5とは、それらの間に取付板54を介在させて結合してある。
【0029】
そして、バンパレインフォース2の長手方向両端部には、図1に示すように、バンパステイ5の上部および下部のうち上述した座屈低減部11に対応した側、つまり、本実施形態では上部に、他側(下部)よりも衝突荷重を大きく入力する荷重入力調整部12を設けてある。
【0030】
即ち、本実施形態ではバンパレインフォース2の前面、つまり、前壁2aの表面に発泡樹脂材などで形成したエネルギ吸収部材13を設けてある。そして、上述の荷重入力調整部12は、そのエネルギ吸収部材13の上部および下部のうち、座屈低減部11に対応した側、つまり、本実施形態では上部を、他側(下部)よりも前方への突出量(肉厚)を大きくした肉厚変化部13Tによって構成してある。
【0031】
つまり、エネルギ吸収部材13は、バンパレインフォース2の長手方向中央部では、図3に示すように、上部から下部に亘ってほぼ等しい突出量(肉厚)Pで形成して断面がほぼ矩形状となっているが、バンパレインフォース2の長手方向両端部では、図4に示すように、上部から下部に行くに従って突出量(肉厚)Pが減少して断面がほぼ逆三角形若しくは逆台形状となっている。従って、バンパレインフォース2の両端部では、衝突する物体は、まず、エネルギ吸収部材13の上部に干渉した後に、そのエネルギ吸収部材13の下部へと徐々に押し潰すことになる。
【0032】
また、バンパレインフォース2とバンパステイ5との間に介在した上述の取付板54は、バンパステイ5の上部と下部にそれぞれ対応する境界部で分割して、上部取付板54Aと下部取付板54Bとによって構成してある。
【0033】
従って、取付板54を上部取付板54Aと下部取付板54Bとに分割したことにより、バンパレインフォース2の上部に入力した荷重をバンパステイ5の上部に伝達し、バンパレインフォース2の下部に入力した荷重をバンパステイ5の下部に伝達できるようになる。
【0034】
そして、このように構成されたフロントバンパ1の取付構造では、バンパレインフォース2からバンパステイ5を介してサイドメンバ4に至る全体の強度バランスは、{サイドメンバ4の強度>バンパレインフォース2の強度>バンパステイ5の強度}となるように設定してある。
【0035】
更に、図1に示すように、上述した内部突出部10の衝突荷重が大きく入力する側、つまり、本実施形態では内部突出部10の上側部分の根元部10R近傍を、バンパステイ5の座屈低減部11に対応させて配置してある。
【0036】
以上の構成により本実施形態のフロントバンパ1の取付構造によれば、バンパレインフォース2は内部突出部10により断面係数を増加させることができるため、図6、図7に示すように、フロントバンパ1の長手方向中央部に柱状体などの衝突面積が小さい物体Tが衝突した場合に、バンパレインフォース2の曲げ荷重を大きくすることができる。また、前記内部突出部10によりバンパレインフォース2の反力が大きくなり、物体Tが衝突した時の大きな衝撃エネルギを効率よく吸収することができる。
【0037】
つまり、バンパレインフォース2の長手方向中央部に物体Tが衝突する場合、車体側の変形量はバンパレインフォース2の曲げ強度とバンパレインフォース2を支持するバンパステイ5の支持強度で支配的に決定される。このとき、バンパレインフォース2の内部には内部突出部10が配置されることによって、バンパレインフォース2の断面係数を大きくすることができ、バンパレインフォース2の曲げ強度を増加させることができる。
【0038】
また、バンパステイ5のステイ内面5inの座屈強度として、バンパレインフォース2の中心が衝突する物体Tによって曲げ荷重が加わる荷重であっても座屈し難い強度を持つことにより、バンパレインフォース2が曲げられてもバンパステイ5に大きな変形が生じ難く、修理コストを抑えることができる。
【0039】
このようにバンパレインフォース2の長手方向中央部に衝突荷重が入力する場合には、図8に示すように、本実施形態のフロントバンパ1の取付構造のF−S特性A1(図中実線)と従来の取付構造のF−S特性B1(図中破線)とをほぼ等しく高く設定することが可能となる。
【0040】
次に、図9に示すように、フロントバンパ1の長手方向端部に物体Tが衝突した場合、図10(a)に示すように、バンパレインフォース2からバンパステイ5に衝突荷重が入力する際、荷重入力調整部12によってバンパステイ5の座屈低減部11に対応した上部側に大きく荷重入力する。このため、図10(b)に示すように、バンパステイ5は座屈低減部11を設けた上部が座屈して後退する。
【0041】
これにより、バンパレインフォース2は長手方向の軸周りに回転し、これに伴って内部突出部10も衝突荷重の入力方向に対して傾斜し、その内部突出部10の根元部10R、つまり、内部突出部10とバンパレインフォース2の後壁2bとの境界部に長手方向の軸周り方向のモーメントMが発生する。
【0042】
従って、図10(c)に示すように、バンパステイ5が潰れ変形した後、内部突出部10が上述したモーメントによって曲げ変形が促進しつつ、バンパレインフォース2の潰れ量が増大するため、そのバンパレインフォース2での衝突エネルギの吸収量を増加させることができる。このため、サイドメンバ4に衝突荷重が入力する前にバンパステイ5およびバンパレインフォース2で衝突エネルギを効率よく吸収できるため、サイドメンバ4の変形を効果的に抑制することができる。
【0043】
つまり、バンパレインフォース2の長手方向端部に物体Tが衝突する場合、まず、エネルギ吸収部材13の上部が車両側面視で車両前後方向に長いことから、バンパレインフォース2の上部をバンパステイ5側へ押し込むことになる。その時、バンパステイ5の上部の強度が低いことから、バンパレインフォース2の上部はバンパステイ5の上部に押し込まれる。
【0044】
また、取付板54を上下に分割したことにより、効率的にバンパレインフォース2の上部はバンパステイ5の上部に押し込まれるので、バンパレインフォース2は車両幅方向の軸周りにほぼ回転運動を行う。この回転運動によってバンパレインフォース2の内部突出部10も同時に前記車両幅方向の軸周りに回転し、図10(b)に示すように、側面視で衝突荷重の入力方向と内部突出部10の突出方向との間に角度αが発生する。この角度αにより内部突出部10の根元部10Rに上述したモーメントMを発生する。
【0045】
そして、衝突現象の進行によりバンパステイ5は軸方向に押し潰されて圧潰しつつ、バンパレインフォース2も潰れ変形していくが、内部突出部10の根元部10Rに曲げモーメントMが発生しているため、図10(c)に示すように、その内部突出部10は倒れ変形してバンパレインフォース2の端部全体の潰れ量は増加する。これにより、バンパレインフォース2による衝突エネルギの吸収量を促進できる。
【0046】
従って、図11に示すように、本実施形態のフロントバンパ1の取付構造が従来のそれと同様な衝突形態を取る場合に、従来構造ではバンパレインフォースの曲げ強度を高くしてあるためにバンパステイとサイドメンバが潰れることで衝突エネルギを吸収することになる。これに対し、本実施形態の取付構造ではバンパレインフォース2の圧潰により衝突エネルギを吸収できるため、サイドメンバ4の変形を抑制することができる。尚、同図中、実線は本実施形態の特性A2、破線は従来の特性B2を示す。
【0047】
その結果、本実施形態の取付構造は、従来のそれと比較してサイドメンバ4の変形を抑制することができるので、衝突後の修理コストを抑えることができる。また、本実施形態ではサイドメンバ4の強度を高める必要が無いことから、車体重量の増加やコストが嵩むのを効率よく抑制できる。
【0048】
また、本実施形態では、バンパレインフォース2とバンパステイ5との間に介在した取付板54を、バンパステイ5の上部と下部にそれぞれ対応する境界部で分割したので、荷重入力調整部12によってバンパレインフォース2の長手方向端部の上部に大きく入力した衝突荷重を、バンパステイ5の上部に集中して伝達することができる。これにより、バンパステイ5の上部に設けた座屈低減部11を効率よく座屈させることが可能となり、ひいては、バンパレインフォース2を長手方向の軸周りに確実に回転運動させることができる。
【0049】
更に、荷重入力調整部12を、バンパレインフォース2の前面に設けたエネルギ吸収部材13の上部および下部のうち、座屈低減部11に対応した上部を、他側(下部)よりも前方への突出量(肉厚)を大きくした肉厚変化部13Tによって構成してある。これにより、衝突する物体Tは、まず、エネルギ吸収部材13の肉厚が大きい上部に干渉した後、衝突現象の進行に伴ってエネルギ吸収部材13は肉厚が小さい下部へと圧縮変形する。従って、エネルギ吸収部材13の肉厚を単に変化させるという簡単な構成により、物体Tの衝突荷重をバンパレインフォース2の上部に大きく入力させることができる。
【0050】
更にまた、内部突出部10の衝突荷重が大きく入力する側(上側部分の根元部10R)の近傍を、バンパステイ5の座屈低減部11に対応させて配置したので、内部突出部10の根元部10Rがバンパステイ5の座屈低減部11に侵入し易くなるため、バンパレインフォース2を長手方向の軸周りに回転運動をより確実に発生させることができる。
【0051】
(第2実施形態)
図12、図13は本発明の第2実施形態を示し、前記第1実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を極力省略して述べるものとし、図12は図2中III−III線に対応した拡大断面図、図13は図2中IV−IV線に対応した拡大断面図である。
【0052】
本実施形態の車両用バンパの取付構造は、基本的に第1実施形態とほぼ同様の構成となり、バンパレインフォース2の長手方向両端部を、バンパステイ5を介してサイドメンバ4に結合してある(図2参照)。また、図12、図13に示すように、バンパレインフォース2の後壁2bの長手方向全長に亘って内部突出部10を形成してあり、かつ、バンパステイ5の上部および下部のうち上部に座屈低減部11を設けてある。更に、バンパレインフォース2の長手方向両端部には、バンパステイ5の上部および下部のうち座屈低減部11に対応した上部に荷重入力調整部12を設けてある。
【0053】
ここで、本実施形態が第1実施形態と主に異なる点は、図13に示すように、荷重入力調整部12を、バンパレインフォース2の上部および下部のうち、座屈低減部11に対応した側(上部)に設けた外部突出部14としたことにある。
【0054】
外部突出部14は、バンパレインフォース2の前壁2aのほぼ上半部を覆って前方に突出する断面逆コ字状に形成し、その上面を延長したフランジ部14f1をバンパレインフォース2の上壁2cに接合するとともに、下面の端部を折曲したフランジ部14f2を前壁2aに接合してある。
【0055】
尚、本実施形態ではバンパレインフォース2の前面に設けたエネルギ吸収部材13は、そのバンパレインフォース2の上部から下部に亘ってほぼ等しい突出量(肉厚)Pをもって、バンパレインフォース2の長手方向全長に亘って設けてある。そして、バンパレインフォース2の長手方向両端部に対応したエネルギ吸収部材13には、外部突出部14の外側形状にほぼ沿った切欠部13Cを形成してある。
【0056】
従って、本実施形態のフロントバンパ1の取付構造によれば、バンパレインフォース2に内部突出部10を設けるとともに、バンパステイ5に座屈低減部11を設け、かつ、バンパレインフォース2の長手方向両端部に荷重入力調整部12を設けたことにより、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0057】
特に、本実施形態では、第1実施形態の作用効果に加えて、荷重入力調整部12を外部突出部14としたことにより、バンパレインフォース2の長手方向端部に衝突する物体Tは、まず、外部突出部14に干渉して、衝突荷重をバンパレインフォース2の上部に大きく入力させて、バンパレインフォース2を長手方向の軸周りに回転運動を発生させることができる。
【0058】
従って、エネルギ吸収部材13を設けない場合やエネルギ吸収部材13の形状が大きく変形してしまう場合などに本実施形態の外部突出部14を設けることにより、本発明の目的とする変形モードを発生させることができる。
【0059】
(第3実施形態)
図14、図15は本発明の第3実施形態を示し、前記第1実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を極力省略して述べるものとし、図14は図2中III−III線に対応した拡大断面図、図15は図2中IV−IV線に対応した拡大断面図である。
【0060】
本実施形態の車両用バンパの取付構造は、基本的に第1実施形態とほぼ同様の構成となり、バンパレインフォース2の長手方向両端部を、バンパステイ5を介してサイドメンバ4に結合してある(図2参照)。また、図14、図15に示すように、バンパレインフォース2の後壁2bの長手方向全長に亘って内部突出部10を形成してある。更に、バンパステイ5には座屈低減部11と、バンパレインフォース2の長手方向両端部には荷重入力調整部12と、を設けてあり、また、バンパレインフォース2の前面にエネルギ吸収部材13を設けてある。尚、本実施形態では、荷重入力調整部12は第1実施形態と同様に肉厚変化部13Tによって形成してある。
【0061】
ここで、本実施形態が前記各実施形態と主に異なる点は、図15に示すように、バンパレインフォース2の長手方向両端部に位置する内部突出部10の上側10bおよび下側10cのうち、バンパステイ5の座屈低減部11に対応した上側10bに易変形部としてのビード15を設けたことにある。ビード15は、上側10bの突出方向ほぼ中央部に上方に突出する凸条として形成してある。
【0062】
従って、本実施形態のフロントバンパ1の取付構造によれば、内部突出部10、座屈低減部11および荷重入力調整部12を設けたことにより、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0063】
特に、本実施形態では、第1実施形態の作用効果に加えて、バンパレインフォース2の長手方向両端部に位置する内部突出部10の上側10bにビード15を設けたので、バンパレインフォース2の長手方向端部に物体Tが衝突する場合に、内部突出部10が曲げモーメントM(図10参照)によって根元部10Rから倒れ変形する際に、ビード15を起点として内部突出部10が圧潰する。これにより、バンパレインフォース2による衝突エネルギの吸収量を増大することができる。このとき、ビード15は、バンパステイ5の座屈低減部11に対応した側(上部)に設けたことにより、内部突出部10の圧潰が容易となる。
【0064】
尚、ビード15は下方に突出させてもよく、また、易変形部として薄肉形成した場合でもよい。
【0065】
また、本実施形態では荷重入力調整部12を、第1実施形態と同様にエネルギ吸収部材13の肉厚変化部13Tとしてあるが、これに限らず、第2実施形態に示した外部突出部14であってもよい。
【0066】
(第4実施形態)
図16、図17は本発明の第4実施形態を示し、前記第1実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を極力省略して述べるものとし、図16は図2中III−III線に対応した拡大断面図、図17は図2中IV−IV線に対応した拡大断面図である。
【0067】
本実施形態の車両用バンパの取付構造は、基本的に第1実施形態とほぼ同様の構成となり、バンパレインフォース2の長手方向両端部を、バンパステイ5を介してサイドメンバ4に結合してある(図2参照)。また、図16、図17に示すように、バンパレインフォース2の後壁2bの長手方向全長に亘って内部突出部10を形成してある。更に、バンパステイ5には座屈低減部11と、バンパレインフォース2の長手方向両端部には荷重入力調整部12と、を設けてあり、また、バンパレインフォース2の前面にエネルギ吸収部材13を設けてある。尚、本実施形態では、荷重入力調整部12は第1実施形態と同様に肉厚変化部13Tによって形成してある。
【0068】
ここで、本実施形態が前記各実施形態と主に異なる点は、図17に示すように、バンパレインフォース2の長手方向両端部に位置する内部突出部10を、衝突荷重の入力方向(本実施形態では車両前後方向)に対して座屈低減部11に対応した側(上方)に傾斜させたことにある。
【0069】
従って、本実施形態のフロントバンパ1の取付構造によれば、内部突出部10、座屈低減部11および荷重入力調整部12を設けたことにより、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0070】
特に、本実施形態では、第1実施形態の作用効果に加えて、バンパレインフォース2の長手方向両端部に位置する内部突出部10を、衝突荷重の入力方向に対して座屈低減部11に対応した上方に傾斜させてある。これにより、衝突初期から内部突出部10の根元部10Rに確実に曲げモーメントMを発生させることができ、衝突荷重による内部突出部10の倒れ変形を促進してバンパレインフォース2による衝突エネルギの吸収効果を高めることができる。
【0071】
(第5実施形態)
図18は本発明の第5実施形態を示し、前記第1実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を極力省略して述べるものとし、図18はバンパステイ5の斜視図である。
【0072】
本実施形態の車両用バンパの取付構造は、基本的に第1実施形態とほぼ同様の構成となり、図18に示すように、バンパステイ5は、上・下壁5a、5bおよび左・右側壁5c、5dにより断面矩形状の閉断面構造として概ね形成してある。また、バンパステイ5の上部に座屈低減部11を設けてあるとともに、第1〜第3ステイパーツ5P、5Q、5Rを組み合わせて構成してある。更に、バンパステイ5の後端に、サイドメンバ4の取付板42(図1参照)に結合する取付板52を接合してあるとともに、バンパステイ5の前端に、バンパレインフォース2の後面2b(図1参照)に接合する取付板54を接合してある。
【0073】
ここで、本実施形態が第1実施形態と主に異なる点は、バンパレインフォース2とバンパステイ5との間に介在する取付板54がバンパステイ5の上部と下部にそれぞれ対応する境界部に脆弱部としてのビード16を設けたことにある。
【0074】
即ち、第1実施形態では、取付板54をバンパステイ5の上部と下部にそれぞれ対応する境界部で分割したのであるが、本実施形態では境界部を分割することなく、その境界部をビード16で連結してある。
【0075】
従って、本実施形態のフロントバンパ1の取付構造によれば、フロントバンパ1の長手方向端部に物体Tが衝突してバンパレインフォース2からバンパステイ5に衝突荷重が入力する際、荷重入力調整部12によってバンパステイ5の座屈低減部11に対応した上部側に大きく荷重入力する。このとき、取付板54はバンパステイ5の上部と下部にそれぞれ対応する境界部に設けたビード16から容易に変形して、バンパレインフォース2の上部からバンパステイ5の座屈低減部11に荷重を効率よく伝達できる。従って、バンパレインフォース2の上部はバンパステイ5の上部に押し込まれて、バンパレインフォース2を車両幅方向の軸周りにほぼ回転運動を行わせることができる。
【0076】
また、本実施形態では取付板54を分割することなくビード16によって上部と下部とを連結した状態を保持できるので、バンパステイ5によってバンパレインフォース2を支持する剛性を向上することができる。
【0077】
図19は本発明の第5実施形態の変形例を示すバンパステイの斜視図であり、取付板54がバンパステイ5の上部と下部にそれぞれ対応する境界部に設ける脆弱部を切欠き17とした場合を示す。
【0078】
この場合にあっても、第5実施形態と同様にバンパレインフォース2の上部からバンパステイ5に大きく荷重入力する際に、取付板54は切欠部17から容易に変形して、バンパレインフォース2の上部からバンパステイ5の座屈低減部11に荷重を効率よく伝達できる。勿論、取付板54を分割することなく上部と下部とを連結した状態を保持できるので、バンパレインフォース2を支持する剛性を向上することができる。
【0079】
(第6実施形態)
図20は本発明の第6実施形態を示し、前記第1実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を極力省略して述べるものとし、図20はバンパステイの斜視図である。
【0080】
本実施形態の車両用バンパの取付構造は、基本的に第1実施形態とほぼ同様の構成となり、図20に示すように、バンパステイ5は、上・下壁5a、5bおよび左・右側壁5c、5dにより断面矩形状の閉断面構造として概ね形成してある。
【0081】
また、バンパステイ5の後端に、サイドメンバ4の取付板42に結合する取付板52を接合してあるとともに、バンパステイ5の前端に、バンパレインフォース2の後面2b(図1参照)に接合する取付板54を接合してある。
【0082】
ここで、本実施形態が第1実施形態と主に異なる点は、バンパステイ5を、下方に開放する断面ほぼ逆U字状の第4ステイパーツ5Sと、上方に開放する断面ほぼU字状の第5ステイパーツ5Tと、によって構成し、第4ステイパーツ5Sの下端部を、第5ステイパーツ5Tの上端部内側に重ねて接合してある。そして、座屈低減部11を、第4ステイパーツ5Sの上壁5aの車幅方向に形成したビード18で構成したことにある。
【0083】
従って、本実施形態のフロントバンパ1の取付構造によれば、バンパレインフォース2の長手方向端部が衝突した場合に、そのバンパレインフォース2の上部から荷重入力調整部12を介して大きな荷重がバンパステイ5の上部に入力した際に、そのバンパステイ5は上壁5aに形成したビード18を起点として容易に屈曲し、バンパレインフォース2を長手方向の軸周りに回転運動させることができる。
【0084】
これにより、本実施形態ではバンパステイ5の構成部材、つまり、ステイパーツ5S、5Tの数を削減しつつ第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0085】
(第7実施形態)
図21、図22は本発明の第7実施形態を示し、前記第1実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を極力省略して述べるものとし、図21はバンパレインフォースの取付部の要部を断面して示す斜視図、図22はバンパレインフォースの取付部の要部側面図である。
【0086】
本実施形態の車両用バンパの取付構造は、基本的に第1実施形態とほぼ同様の構成となり、図21、図22に示すように、バンパレインフォース2の長手方向両端部を、バンパステイ5を介してサイドメンバ4に結合してある。また、バンパレインフォース2には内部突出部10を形成してあり、かつ、バンパステイ5の上部および下部のうち上部に座屈低減部11を設けてある。更に、バンパレインフォース2の長手方向両端部には、バンパステイ5の上部および下部のうち座屈低減部11に対応した上部に荷重入力調整部12を設けてある。
【0087】
ここで、本実施形態が第1実施形態と主に異なる点は、サイドメンバ4には、内部突出部10の突出方向(本実施形態では前後方向)を車両後方に延長した延長上に補強部としてのフランジ部19を設けたことにある。
【0088】
フランジ部19は、サイドメンバ4の左・右側壁4c、4dの上下ほぼ中央部に前後方向に延在して設けてある。即ち、本実施形態ではサイドメンバ4を、下方に開放する断面ほぼ逆U字状のアッパメンバ4Pと、上方に開放する断面ほぼU字状のロアメンバ4Qと、で構成し、アッパメンバ4Pの両端部を外方に折曲したアッパフランジ19aと、ロアメンバ4Qの両端部を外方に折曲したロアフランジ19bと、を重ね合わせて接合してある。そして、互いに重ね合わせたアッパフランジ19aとロアフランジ19bとによって上述のフランジ部19を形成している。
【0089】
また、本実施形態では、それぞれ断面矩形状の閉断面構造としたバンパステイ5の外周4面(5a〜5d)を、サイドメンバ4の外周4面(4a〜4d)の面内方向とほぼ一致させてある。
【0090】
従って、本実施形態のフロントバンパ1の取付構造によれば、サイドメンバ4には、内部突出部10の突出方向を車両後方に延長した延長上にフランジ部19を設けてあるので、そのフランジ部19を設けた部分でサイドメンバ4の剛性を高めることができる。このため、バンパレインフォース2の長手方向端部に衝突荷重が入力した際に、内部突出部10は倒れ変形しつつその内部突出部10の車両後方に荷重を伝達するのであるが、サイドメンバ4はその荷重伝達経路にフランジ部19を設けたことにより、サイドメンバ4の圧潰を抑制することができる。
【0091】
また、バンパステイ5の外周4面(5a〜5d)を、サイドメンバ4の外周4面(4a〜4d)の面内方向とほぼ一致させたので、バンパステイ5の面内を伝達してくる荷重を効率よくサイドメンバ4に伝達することができ、この点からもサイドメンバ4の局所変形を抑制することができる。
【0092】
従って、本実施形態ではサイドメンバ4の変形を効果的に抑制できるので、衝突後の修理コストを低く抑えることができる。
【0093】
尚、本実施形態では補強部としてフランジ部19を示したが、これに限ることなく補強帯板をサイドメンバ4の両側壁4c、4dに溶接してもよく、また、それら両側壁4c、4dの上下中央部を厚肉形成してもよい。
【0094】
また、バンパステイ5の外周4面(5a〜5d)を、サイドメンバ4の外周4面(4a〜4d)の面内方向とほぼ一致させる構成は、上述した第1〜第6実施形態にあっても適用できる。
【0095】
ところで、本発明の車両用バンパの取付構造は前記第1〜第7実施形態に例をとって説明したが、これら実施形態に限ることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で他の実施形態を各種採用することができる。例えば、バンパレインフォース2を長手方向の軸周りに発生させる回転運動は、前方が上方に回転する挙動とした関係上、バンパステイ5の上部に座屈低減部11を設けたが、これに限ることなくバンパステイ5の下部に座屈低減部11を設けてもよい。この場合は、バンパレインフォース2は前方が下方に回転する挙動となり、また、それに伴って内部突出部10の倒れ方向や荷重入力調整部12の大きく荷重入力する側が上下逆となる。
【0096】
また、本実施形態はフロントバンパ1に例を取って説明したが、リヤバンパの取付構造にあっても適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の第1実施形態にかかるバンパレインフォースの取付部の要部を断面して示す斜視図。
【図2】本発明の第1実施形態にかかるバンパレインフォースの取付状態を示す平面図。
【図3】図2中III−III線に沿った拡大断面図。
【図4】図2中IV−IV線に沿った拡大断面図。
【図5】図1中V−V線に沿った拡大断面図。
【図6】本発明の第1実施形態にかかるバンパレインフォースの長手方向のほぼ中央部に柱状物体が衝突した状態を示す平面図。
【図7】図6中VII−VII線に沿った拡大断面図。
【図8】本発明の第1実施形態にかかるバンパレインフォースの長手方向のほぼ中央部に柱状物体が衝突した場合のF−S特性線を従来と比較して示す説明図。
【図9】本発明の第1実施形態にかかるバンパレインフォースの長手方向端部に物体が衝突する状態を示す平面図。
【図10】本発明の第1実施形態にかかる衝突によりバンパレインフォースの取付部分が変形する過程を(a)〜(c)に順を追って示す図9中X−X線に沿った拡大断面図。
【図11】本発明の第1実施形態にかかるバンパレインフォースの長手方向端部に物体が衝突した場合のF−S特性線を従来と比較して示す説明図。
【図12】本発明の第2実施形態にかかる図2中III−III線に対応した拡大断面図。
【図13】本発明の第2実施形態にかかる図2中IV−IV線に対応した拡大断面図。
【図14】本発明の第3実施形態にかかる図2中III−III線に対応した拡大断面図。
【図15】本発明の第3実施形態にかかる図2中IV−IV線に対応した拡大断面図。
【図16】本発明の第4実施形態にかかる図2中III−III線に対応した拡大断面図。
【図17】本発明の第4実施形態にかかる図2中IV−IV線に対応した拡大断面図。
【図18】本発明の第5実施形態にかかるバンパステイの斜視図。
【図19】本発明の第5実施形態の変形例を示すバンパステイの斜視図。
【図20】本発明の第6実施形態にかかるバンパステイの斜視図。
【図21】本発明の第7実施形態にかかるバンパレインフォースの取付部の要部を断面して示す斜視図。
【図22】本発明の第7実施形態にかかるバンパレインフォースの取付部の要部側面図。
【符号の説明】
【0098】
1 フロントバンパ(車両用バンパ)
2 バンパレインフォース
4 サイドメンバ
5 バンパステイ
54 取付板
54A 上側取付板
54B 下側取付板
10 内部突出部
10R 内部突出部の根元部
11 バンパステイの座屈低減部
12 バンパレインフォースの荷重入力調整部
13 エネルギ吸収部材
13T エネルギ吸収部材の肉厚変化部
14 バンパレインフォースの外部突出部
15 内部突出部のビード(易変形部)
16 取付板のビード(脆弱部)
18 バンパステイのビード(座屈低減部)
19 サイドメンバのフランジ部(補強部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車幅方向両側に車両前後方向に延在する左右のサイドメンバと、
前記左右のサイドメンバの先端にそれぞれ結合したバンパステイと、
前記バンパステイを介して前記左右のサイドメンバに跨って取り付けた、閉断面構造のバンパレインフォースと、を備えた車両用バンパの取付構造において、
前記バンパレインフォースの後壁の上下方向ほぼ中央部から衝突荷重の入力方向に突出する内部突出部と、
前記バンパステイの上部および下部のいずれか一方に設けられ、他方よりも座屈強度を低くした座屈低減部と、
前記バンパレインフォースの長手方向端部に設けられ、バンパステイの上部および下部のうち前記座屈低減部に対応した側に、他側よりも衝突荷重を大きく入力する荷重入力調整部と、を備えたことを特徴とする車両用バンパの取付構造。
【請求項2】
前記バンパレインフォースと前記バンパステイとをそれらの間に取付板を介在させて結合し、その取付板をバンパステイの上部と下部にそれぞれ対応する境界部で分割したことを特徴とする請求項1に記載の車両用バンパの取付構造。
【請求項3】
前記バンパレインフォースと前記バンパステイとをそれらの間に取付板を介在させて結合し、その取付板の前記バンパステイの上部と下部にそれぞれ対応する境界部に脆弱部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の車両用バンパの取付構造。
【請求項4】
前記荷重入力調整部は、前記バンパレインフォースの前面に設けたエネルギ吸収部材の上部および下部のうち、前記座屈低減部に対応した側を、他側よりも前方への突出量を大きくした肉厚変化部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両用バンパの取付構造。
【請求項5】
前記荷重入力調整部は、前記バンパレインフォースの上部および下部のうち、前記座屈低減部に対応した側に設けた外部突出部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両用バンパの取付構造。
【請求項6】
前記内部突出部の衝突荷重が大きく入力する側の根元部近傍を、バンパステイの前記座屈低減部に対応させて配置したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の車両用バンパの取付構造。
【請求項7】
前記バンパレインフォースの長手方向両端部に位置する前記内部突出部の上側および下側のうち、前記座屈低減部に対応した側に易変形部を設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の車両用バンパの取付構造。
【請求項8】
前記バンパレインフォースの長手方向両端部に位置する前記内部突出部を、衝突荷重の入力方向に対して前記座屈低減部に対応した側に傾斜させたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の車両用バンパの取付構造。
【請求項9】
前記座屈低減部は、バンパステイを断面矩形状の閉断面構造として、それの上壁または下壁の車幅方向に形成したビードであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の車両用バンパの取付構造。
【請求項10】
前記サイドメンバには、前記内部突出部の突出方向を車両後方に延長した延長上に補強部を設けたことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の車両用バンパの取付構造。
【請求項11】
前記バンパステイおよび前記サイドメンバはそれぞれ断面矩形状の閉断面構造であり、前記バンパステイの外周4面を前記サイドメンバの外周4面の面内方向とほぼ一致させたことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の車両用バンパの取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2009−248602(P2009−248602A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−95388(P2008−95388)
【出願日】平成20年4月1日(2008.4.1)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】