説明

車両用バンパ装置

【課題】例えば車両衝突時にサイドメンバに対し偏心的な力が加わることを抑制し、衝撃エネルギーを好適に吸収することができる車両用バンパ装置を提供する。
【解決手段】車両の幅方向に延びる第1バンパリインホース17の両端部において、該第1バンパリインホース17と車両の前後方向に延びる一対のサイドメンバ11との間にそれぞれ介在される一対の第1クラッシュボックス13と、車両の幅方向に延びる第2バンパリインホース23の両端部において、該第2バンパリインホース23と一対のサイドメンバ11の端部に結合されたラジエータサポートサイド12との間にそれぞれ介在される一対の第2クラッシュボックス21と、車両の幅方向両側に配設され、前端部がラジエータサポートサイド12に結合されるとともに、後端部がサイドメンバ11に結合されるサスペンションメンバに結合される一対の第3クラッシュボックス27とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用バンパ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用バンパ装置としては、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。図4に示すように、この車両用バンパ装置は、車両の幅方向(図4において紙面に直交する方向)に延びるバンパリインホース91と、該バンパリインホース91の幅方向両端部に配設された一対のクラッシュボックス92とを備え、これら両クラッシュボックス92を介して車両の前後方向に延びる一対のサイドメンバ93に結合されている。
【0003】
また、この車両用バンパ装置は、バンパリインホース91の幅方向両端部においてその下部に結合された一対のステー94と、車両の幅方向に延びその両端部がこれら両ステー94に結合された突出部材95とを備える。なお、前記各ステー94は、クラッシュボックス92及びサイドメンバ93の結合部にも結合されている。そして、各ステー94の突出部材95との結合部は、蛇腹状に成形されてエネルギー吸収部94aを形成する。
【0004】
このような構成にあって、例えば車両衝突時には、先ず突出部材95が当たることでステー94のエネルギー吸収部94aが変形し始め、そのときの衝撃エネルギーを吸収する。
【特許文献1】特開2002−145113号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、この車両用バンパ装置では、突出部材95とエネルギー吸収部94aが変形する際に発生する荷重をステー94で支える構造であるため、該荷重を支えるためには前記ステー94に十分な強度を確保する必要がある。この場合、図4に矢印で示すように、例えば車両衝突時に突出部材95からステー94に車両の前後方向の荷重F91が加わることで、前記サイドメンバ93に対し偏心的な力(車両の前後方向に対し傾いた方向の力)F92が加わることになり、該サイドメンバ93又はクラッシュボックス92が軸方向に塑性変形することなく折れてしまう可能性がある。この場合、車両衝突時の衝撃エネルギーが十分に吸収できなくなってしまう。
【0006】
本発明の目的は、例えば車両衝突時にサイドメンバに対し偏心的な力が加わることを抑制し、衝撃エネルギーを好適に吸収することができる車両用バンパ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、車両の幅方向に延びる第1バンパリインホースの両端部において、該第1バンパリインホースと車両の前後方向に延びる一対のサイドメンバとの間にそれぞれ介在され、加えられた荷重を軸方向の塑性変形で吸収して衝撃エネルギーを吸収する一対の第1クラッシュボックスと、車両の幅方向に延びる第2バンパリインホースの両端部において、該第2バンパリインホースと前記一対のサイドメンバの端部に結合された支持部材との間にそれぞれ介在され、加えられた荷重を軸方向の塑性変形で吸収して衝撃エネルギーを吸収する一対の第2クラッシュボックスと、車両の幅方向両側に配設され、一方の端部が前記支持部材に結合されるとともに、他方の端部が前記サイドメンバに結合される取付部材に結合され、加えられた荷重を軸方向の塑性変形で吸収して衝撃エネルギーを吸収する一対の第3クラッシュボックスとを備えたことを要旨とする。
【0008】
同構成によれば、前記第1〜第3クラッシュボックスによる3段構えのクラッシュボックスにより、より大きな衝撃エネルギーを吸収することができる。また、前記第3クラッシュボックスは、自身の塑性変形による衝撃エネルギーの吸収機能に加えて、前記支持部材と前記取付部材との間に介在される前記第2クラッシュボックスの変形を支える機能を併せ有することで、該第2クラッシュボックスに加わる車両の前後方向の荷重により、前記サイドメンバに対し偏心的な力(車両の前後方向に対し傾いた方向の力)が加わることを抑制することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両用バンパ装置において、前記第2クラッシュボックスは、軸方向に折り返す態様で塑性変形して衝撃エネルギーを吸収してなり、前記第2クラッシュボックスの軸方向への折り返しを許容する空間を有することを要旨とする。
【0010】
同構成によれば、前記第2クラッシュボックスは、前記空間に許容されて軸方向に折り返す態様で塑性変形(いわゆるターニング変形)することで、少なくとも第2クラッシュボックスが結合部(支持部材)と当接するまで衝撃エネルギーを吸収し続けることができる。このため、第2クラッシュボックスの結合部の先端側に潰れ残りを見込む必要がなく、省スペースで効率的に衝撃エネルギーを吸収することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の車両用バンパ装置において、前記第3クラッシュボックスの先端は、前記第2クラッシュボックスの先端よりも車両前後方向内側に配置されていることを要旨とする。
【0012】
同構成によれば、前記第3クラッシュボックスの先端は、前記第2クラッシュボックスの先端よりも車両前後方向内側に配置されていることで、前記第3クラッシュボックスの塑性変形するタイミングを、前記第2クラッシュボックスの該タイミングから遅らせることができ、前記第2クラッシュボックスの変形をより確実に支えることができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両用バンパ装置において、前記支持部材は、ラジエータサポートで構成してなることを要旨とする。
同構成によれば、前記支持部材を、ラジエータを支持するための既存のラジエータサポートで構成することで、部品点数の増大を抑制することができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両用バンパ装置において、前記取付部材は、サスペンションメンバで構成してなることを要旨とする。
同構成によれば、前記取付部材を、サスペンションやエンジン等を支持するための既存のサスペンションメンバで構成することで、部品点数の増大を抑制することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明では、例えば車両衝突時にサイドメンバに対し偏心的な力が加わることを抑制し、衝撃エネルギーを好適に吸収することができる車両用バンパ装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1及び図2は、自動車などの車両のフロント部分に適用される本実施形態に係る車両用バンパ装置を示す斜視図及び縦断面図である。なお、図1では、便宜的に車両の幅方向一側(車両の前方に向かって右側)の構造を一部割愛して描画している。同図に示されるように、この車両用バンパ装置は、車両の幅方向両側に配設されてボデーの一部を構成する一対のサイドメンバ11を有する。各サイドメンバ11は、例えば金属板からなり、断面略四角形の中空構造を有して車両の前後方向に延びる。
【0017】
前記各サイドメンバ11の前端には、該サイドメンバ11の開口部を閉塞する態様で、例えば金属板からなる支持部材としてのラジエータサポートサイド12が溶接にて固着されている。一対のラジエータサポートサイド12は、両上端部間を橋渡しするラジエータサポートアッパ(図示略)及び両下端部間を橋渡しするラジエータサポートロア(図示略)とともに、ラジエータを支持するラジエータサポートを構成する。
【0018】
前記各ラジエータサポートサイド12の前面には、例えば金属板からなり、断面略四角形の中空構造を有して車両の前後方向に延びる第1クラッシュボックス13が取着されている。この第1クラッシュボックス13は、前後方向の中心線が前記サイドメンバ11の前後方向の中心線と一致するように配置されており、その後端に溶接にて固着されたブラケット14において、前記ラジエータサポートサイド12にボルト15及びナットにて締結されている。一対の第1クラッシュボックス13は、加えられた荷重を軸方向の塑性変形で吸収して衝撃エネルギーを吸収する。なお、各第1クラッシュボックス13は、軸方向に蛇腹状に塑性変形する。
【0019】
前記各第1クラッシュボックス13の前端には、該第1クラッシュボックス13の開口部を閉塞する態様で、例えば金属板からなるプレート16が溶接にて固着されるとともに、該プレート16には、車両の幅方向に延びる第1バンパリインホース17の各端部がボルト18及びナットにて締結されている。この第1バンパリインホース17は、例えばアルミニウムの押出材からなる断面略目の字形の一定断面を有しており、車両の幅方向両端部において、上述の態様で前記一対の第1クラッシュボックス13に支持されている。
【0020】
前記各ラジエータサポートサイド12は、前記ブラケット14の下側に、前後方向に貫通する円形の貫通孔12aを有するとととともに、該ラジエータサポートサイド12には、前記貫通孔12aの内径よりも小さい外径を有して該貫通孔12aの中心線に沿って配置された有蓋円筒状の第2クラッシュボックス21が取着されている。この第2クラッシュボックス21は、例えば金属板(鋼板)の深絞り成形により成形されており、その基端部は、その全周に亘って先端側に折り返されて円環状の周溝21aを形成するとともに、該周溝21aの先端から径方向外側に屈曲されて外側フランジ21bを形成する。前記第1クラッシュボックス13の下側に位置する第2クラッシュボックス21は、外側フランジ21bにおいて、前記ラジエータサポートサイド12にボルト22及びナットにて締結されている。この第2クラッシュボックス21は、平面視おいて前後方向の中心線が前記第1クラッシュボックス13(及びサイドメンバ11)の前後方向の中心線と一致するように配置されている。一対の第2クラッシュボックス21は、加えられた荷重を軸方向の塑性変形で吸収して衝撃エネルギーを吸収する。
【0021】
なお、各第2クラッシュボックス21は、軸方向に折り返す態様で塑性変形(いわゆるターニング変形)するもので、該第2クラッシュボックス21の後側には、その軸方向への折り返しを許容する空間Sが存在する。この空間Sは、車両の構造上、特別な設計変更をすることなく存在する既存のものである。図3(a)(b)に示すように、前記第2クラッシュボックス21は、前記空間S内に収まる態様でターニング変形することで、少なくとも第2クラッシュボックス21が結合部(ラジエータサポートサイド12)と当接するまで衝撃エネルギーを吸収し続けることができる。また、各第2クラッシュボックス21の前記ラジエータサポートサイド12側で曲成された前記周溝21aは、該第2クラッシュボックス21のターニング変形の起点となる応力集中部を形成する。
【0022】
前記各第2クラッシュボックス21の前端には、車両の幅方向に延びる第2バンパリインホース23の各端部がボルト24及びナットにて締結されている。この第2バンパリインホース23は、例えばアルミニウムの押出材からなる断面略四角形の一定断面を有しており、車両の幅方向両端部において、上述の態様で前記一対の第2クラッシュボックス21に支持されている。なお、第2バンパリインホース23の前端面の位置は、車両前後方向において前記第1バンパリインホース17の前端面の位置と略一致するように設定されている。従って、例えば車両衝突時には、基本的に第1及び第2バンパリインホース17,23に同時に前方からの衝撃が加わるようになっている。
【0023】
前記サイドメンバ11の基端部には、その下側において取付部材としての金属製のサスペンションメンバ26が結合されている。このサスペンションメンバ26は、例えばフロントのサスペンションやエンジン等をマウントするためのもので、ボデーの一部を構成する。なお、前記サスペンションメンバ26の下部には、前側及び下側に開口する略矩形状の切り欠き26aが形成されている。この切り欠き26aの上面の高さ位置は、前記ラジエータサポートサイド12の下面の高さ位置と一致するように設定されている。
【0024】
前記ラジエータサポートサイド12の下面には、例えば金属板からなり、断面略四角形の中空構造を有して車両の前後方向に延びる第3クラッシュボックス27の一方の端部がボルト28及びナットにて締結されるとともに、該第3クラッシュボックス27の他方の端部は、前記切り欠き26aの底面に当接する態様で該切り欠き26aの上面にボルト29にて締結されている。この第3クラッシュボックス27は、平面視おいて前後方向の中心線が前記サイドメンバ11の前後方向の中心線と一致するように配置されている。前記第3クラッシュボックス27の前端は、前記第2クラッシュボックス21の前端よりも車両前後方向内側となる後側に配置されていることはいうまでもない。一対の第3クラッシュボックス27は、加えられた荷重を軸方向の塑性変形で吸収して衝撃エネルギーを吸収する。なお、各第3クラッシュボックス27は、軸方向に蛇腹状に塑性変形する。
【0025】
ここで、車両の衝突等により前方から衝撃が加えられると、この衝撃は、第1バンパリインホース17及び第1クラッシュボックス13を介してサイドメンバ11(ボデー)に伝達されるとともに、第2バンパリインホース23及び第2クラッシュボックス21を介してラジエータサポートサイド12を支持するサイドメンバ11に伝達される。このとき、第1及び第2バンパリインホース17,23とともに第1及び第2クラッシュボックス13,21が塑性変形することで、ボデーへと伝達される衝撃を緩衝する。
【0026】
この際、前記第3クラッシュボックス27は、前記第2クラッシュボックス21の変形終了まで該第2クラッシュボックス21の変形を支えることで、前記第2クラッシュボックス21に加わる車両の前後方向の荷重により、前記サイドメンバ11に対し偏心的な力(車両の前後方向に対し傾いた方向の力)が加わることが抑制される。そして、前記第2クラッシュボックス21の変形が概ね終了すると、前記第3クラッシュボックス27は、自身が塑性変形することで、サスペンションメンバ26(ボデー)へと伝達される衝撃を緩衝する。
【0027】
これにより、ボデー及び乗員に加えられる衝撃エネルギーが吸収される。
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、前記第1〜第3クラッシュボックス13,21,27による3段構えのクラッシュボックスにより、より大きな衝撃エネルギーを吸収することができ、ひいては車両変形量の低減された安全性に優れた車両を実現することができる。また、前記ラジエータサポートサイド12と前記サスペンションメンバ26との間に介在される前記第3クラッシュボックス27は、自身の塑性変形による衝撃エネルギーの吸収機能に加えて、前記第2クラッシュボックス21の変形終了まで該第2クラッシュボックス21の変形を支える機能を併せ有することで、該第2クラッシュボックス21に加わる車両の前後方向の荷重により、前記サイドメンバ11に対し偏心的な力(車両の前後方向に対し傾いた方向の力)が加わることを抑制することができる。そして、例えば車両衝突時に、前記第1クラッシュボックス13やサイドメンバ11が軸方向に塑性変形(軸圧潰)することなく折れたりすることを抑制できる。これにより、衝撃エネルギーを好適に吸収することができ、ひいては車両の安全性を高めることができる。
【0028】
(2)本実施形態では、前記第2クラッシュボックス21は、既存の空間S内に収まる態様でターニング変形することで、少なくとも第2クラッシュボックス21が結合部(ラジエータサポートサイド12)と当接するまで衝撃エネルギーを吸収し続けることができる。このため、第2クラッシュボックス21の結合部の前側に潰れ残りを見込む必要がなく、省スペースで効率的に衝撃エネルギーを吸収することができる。なお、蛇腹状に塑性変形するクラッシュボックスでは、その全長(前後方向の長さ)の概ね30%が潰れ残りとして生じることが確認されている。つまり、クラッシュボックスの衝撃エネルギーの吸収量が同等であれば、その全長の概ね30%分だけ省スペース化が可能である。
【0029】
(3)本実施形態では、前記第3クラッシュボックス27の前端は、前記第2クラッシュボックス21の前端よりも車両前後方向内側(後側)に配置されていることで、前記第3クラッシュボックス27の塑性変形するタイミングを、前記第2クラッシュボックス21の該タイミングから遅らせることができ、前記第2クラッシュボックス21の変形をより確実に支えることができる。
【0030】
(4)本実施形態では、前記第2クラッシュボックス21の結合を、ラジエータを支持するための既存のラジエータサポートで行うことで、部品点数の増大を抑制することができ、ひいてはコストの削減を図ることができる。
【0031】
(5)本実施形態では、前記第3クラッシュボックス27の結合を、サスペンションやエンジン等を支持するための既存のサスペンションメンバで構成することで、部品点数の増大を抑制することができ、ひいてはコストの削減を図ることができる。
【0032】
(6)本実施形態では、前記第2クラッシュボックス21は、ターニング変形することで、衝撃エネルギーの吸収時の荷重をより安定化することができる。
(7)本実施形態では、前記第1〜第3クラッシュボックス13,21,27による3段構えのクラッシュボックスにてより大きな衝撃エネルギーを吸収することで、例えば前記第1及び第2クラッシュボックス13,21の前後方向の長さを短くすることができ、オーバーハング(前輪の中心からバンパ前端までの距離)のより短いデザイン性に優れた車両を実現することができる。
【0033】
(8)本実施形態では、第1及び第2バンパリインホース17,23等でより広範囲で衝撃エネルギーを吸収することで、例えば車両同士の衝突時に相手車両に加わる単位面積当たりの荷重を低減することができ、自車両の加害性を抑制することができる。
【0034】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記実施形態において、第1及び第2バンパリインホース17,23(第1及び第2クラッシュボックス13,21)による衝撃エネルギーの吸収開始タイミングは、いずれか一方がいずれか他方よりもある程度遅れていてもよい。
【0035】
・また、第3クラッシュボックス27による衝撃エネルギーの吸収は、第2クラッシュボックス21の変形が終了するよりもある程先立って開始してもよい。ただし、第1〜第3クラッシュボックス13,21,27等による衝撃エネルギーの吸収開始タイミングは、ボデー等に加わる荷重が過大にならないように設定することが好ましい。
【0036】
・前記実施形態において、各部材の締結に係るいずれかのボルト15,18,22,24,28及び当該ボルトと組み合わされるナットに代えて、ブラインドナットを採用してもよい。この場合、ボルト及びナットの組み合わせのように組み付け方向を二方向にする必要がなく、組み付け方向が一方向のみでよいため、組付け性を向上することができる。
【0037】
・前記実施形態において、ラジエータサポートサイド12及び第1クラッシュボックス13、あるいは第1クラッシュボックス13及び第1バンパリインホース17を溶接にて結合してもよい。また、ラジエータサポートサイド12及び第2クラッシュボックス21、あるいは第2クラッシュボックス21及び第2バンパリインホース23を溶接にて結合してもよい。さらに、ラジエータサポートサイド12及び第3クラッシュボックス27、あるいは第3クラッシュボックス27及びサスペンションメンバ26を溶接にて結合してもよい。
【0038】
・前記実施形態において、第1バンパリインホース17の断面形状は、口の字や日の字、あるいは田の字などであってもよい。
・前記実施形態において、第2バンパリインホース23の断面形状は、日の字や目の字、あるいは田の字などであってもよい。
【0039】
・前記実施形態において、第1及び第2バンパリインホース17,23を金属板で形成してもよい。
・前記実施形態において、第1及び第3クラッシュボックス13,27の断面形状は、日の字や目の字、あるいは田の字などであってもよい。
【0040】
・前記実施形態において、第1及び第3クラッシュボックス13,27をアルミニウムの押出材で形成してもよい。
・前記実施形態において、第2クラッシュボックス21は、蛇腹状に塑性変形して衝撃エネルギーを吸収する構造であってもよい。この場合、第2クラッシュボックス21の断面形状は、口の字や日の字、目の字、あるいは田の字などであってもよい。また、第2クラッシュボックス21をアルミニウムの押出材で形成してもよい。
【0041】
・前記実施形態において、サスペンションメンバ26は、サイドメンバ11に直結されていなくてもよく、適宜の中間部材を介して実質的にサイドメンバ11に一体化されていればよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施形態を示す斜視図。
【図2】同実施形態を示す縦断面図。
【図3】(a)(b)は、同実施形態の動作を示す模式図。
【図4】従来例を示す説明図。
【符号の説明】
【0043】
S…空間、11…サイドメンバ、12…ラジエータサポートサイド(支持部材)、13…第1クラッシュボックス、17…第1バンパリインホース、21…第2クラッシュボックス、23…第2バンパリインホース、26…サスペンションメンバ(取付部材)、27…第3クラッシュボックス。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の幅方向に延びる第1バンパリインホースの両端部において、該第1バンパリインホースと車両の前後方向に延びる一対のサイドメンバとの間にそれぞれ介在され、加えられた荷重を軸方向の塑性変形で吸収して衝撃エネルギーを吸収する一対の第1クラッシュボックスと、
車両の幅方向に延びる第2バンパリインホースの両端部において、該第2バンパリインホースと前記一対のサイドメンバの端部に結合された支持部材との間にそれぞれ介在され、加えられた荷重を軸方向の塑性変形で吸収して衝撃エネルギーを吸収する一対の第2クラッシュボックスと、
車両の幅方向両側に配設され、一方の端部が前記支持部材に結合されるとともに、他方の端部が前記サイドメンバに結合される取付部材に結合され、加えられた荷重を軸方向の塑性変形で吸収して衝撃エネルギーを吸収する一対の第3クラッシュボックスとを備えたことを特徴とする車両用バンパ装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用バンパ装置において、
前記第2クラッシュボックスは、軸方向に折り返す態様で塑性変形して衝撃エネルギーを吸収してなり、
前記第2クラッシュボックスの軸方向への折り返しを許容する空間を有することを特徴とする車両用バンパ装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の車両用バンパ装置において、
前記第3クラッシュボックスの先端は、前記第2クラッシュボックスの先端よりも車両前後方向内側に配置されていることを特徴とする車両用バンパ装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両用バンパ装置において、
前記支持部材は、ラジエータサポートで構成してなることを特徴とする車両用バンパ装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両用バンパ装置において、
前記取付部材は、サスペンションメンバで構成してなることを特徴とする車両用バンパ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−40187(P2009−40187A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−206695(P2007−206695)
【出願日】平成19年8月8日(2007.8.8)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【出願人】(000100791)アイシン軽金属株式会社 (137)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】