説明

車両用ホイールパーキングブレーキ装置

【課題】離席時に運転席に戻ることなく動き始めた車両を停車させる。
【解決手段】パーキングブレーキ装置は、圧縮エア給排室19aに圧縮エアを給排することによりホイールパーキングブレーキ26を解除又は作動させるブレーキチャンバ14と、圧縮エアを圧縮エア給排室19aに供給し又は排出するパーキングブレーキ用リレーバルブ16と、運転者の解除操作又は作動操作時に圧縮エアを信号圧室27cに給排するパーキングブレーキ用コントロールバルブ17とを備える。ホイールパーキングブレーキ26の解除時に作動すると第2接続管12を遮断するとともに信号圧室27cに供給された圧縮エアを信号圧室27cから排出する圧縮エア排出バルブ51が第2接続管12に設けられ、運転者の操作により圧縮エア排出バルブ51を作動可能に構成された操作手段53が車両10の外部に設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブレーキチャンバに圧縮エアを供給することによりホイールパーキングブレーキを解除し又は作動させる車両用ホイールパーキングブレーキ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両には路面の傾斜に拘わらずその車両の停車状態を維持するための車両用ホイールパーキングブレーキ装置が設けられる。そして、この種のホイールパーキングブレーキ装置として、パーキングブレーキ用コントロールバルブを解除操作することによりエアタンクからブレーキチャンバの圧縮エア給排室に圧縮エアが供給されてホイールパーキングブレーキが解除され、上記コントロールバルブを作動操作することにより上記圧縮エア給排室の圧縮エアが排出されてホイールパーキングブレーキが作動するように構成されたパーキングブレーキ装置(例えば、特許文献1参照。)が知られている。
一方、この種のパーキングブレーキ装置では、コントロールバルブを作動操作することによりホイールパーキングブレーキが作動するように構成されているので、運転者がコントロールバルブを作動操作することなくエンジンを停止させて地上に降りてしまうと、その車両はホイールパーキングブレーキが作動していないので、例えば路面が傾斜していると、その傾斜に従って、車両が移動し始める不具合があった。
この点を解消するために、運転者がコントロールバルブを作動操作することなくエンジンを停止したときに警報を発する離席警報装置(例えば、特許文献2参照。)が提案されている。
【特許文献1】特開平11−139301号公報
【特許文献2】実開平1−106360号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記従来の離席警報装置では、エンジンが停止されることを要件とするため、エンジンを停止させることなく運転者が車両を降りた場合に警報が発せられることはない。このため、運転者がコントロールバルブを作動操作することを忘れ、エンジンを停止させることなく車両を降りると、その車両はホイールパーキングブレーキが作動していないので、車両が移動し始めるおそれがあった。そして、車両が動き始めると、そのことに気がついた運転者は車両の外部から運転席に再び戻ってコントロールバルブを作動操作し、それによりホイールパーキングブレーキを作動させて車両を停車させる必要があり、動いている車両の運転席に戻ることに関して運転者の安全性が損なわれるという未だ解決すべき課題が残存していた。
本発明の目的は、離席時に運転席に戻ることなく動き始めた車両を停車させ得る車両用パーキングブレーキ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1に係る発明は、図1に示すように、圧縮エアが貯留されたエアタンク13と、エアタンク13に第1接続管11を介して連通接続された圧縮エア給排室19aを有しこの圧縮エア給排室19aに圧縮エアを給排することによりホイールパーキングブレーキ26を解除又は作動させるブレーキチャンバ14と、第1接続管11に設けられ内部の信号圧室27cに圧縮エアが供給されることによりエアタンク13から圧縮エアを圧縮エア給排室19aに供給し信号圧室27cから圧縮エアが排出されることにより圧縮エア給排室19aに供給された圧縮エアを圧縮エア給排室19aから排出するパーキングブレーキ用リレーバルブ16と、エアタンク13と信号圧室27cとを連通接続する第2接続管12に設けられ運転者の解除操作又は作動操作時にエアタンク13の圧縮エアを信号圧室27cに給排することにより圧縮エア給排室19aに圧縮エアを給排するパーキングブレーキ用コントロールバルブ17とを備えた車両用ホイールパーキングブレーキ装置の改良である。
その特徴ある構成は、ホイールパーキングブレーキ26の解除時に作動すると第2接続管12を遮断するとともに信号圧室27cに供給された圧縮エアを信号圧室27cから排出する圧縮エア排出バルブ51が第2接続管12に設けられ、運転者の操作により圧縮エア排出バルブ51を作動可能に構成された操作手段53,53が車両10の外部に設けられたところにある。
【0005】
コントロールバルブ17の操作レバー37を作動位置に操作することなく運転者が車両10を停車させ、その状態で車両10から降りた場合には、その車両10におけるホイールパーキングブレーキ26は作動せずにその車両10が移動し始める場合がある。この請求項1に記載された車両用ホイールパーキングブレーキ装置では、運転者の操作により圧縮エア排出バルブ51を作動可能に構成された操作手段53,53を車両10の外部に設けているので、車両10が実際に動き始めた場合には、そのことに気がついた運転者が車両10の外部からその作動弁53,53を操作する。すると、圧縮エア排出バルブ51は作動状態となり、この作動状態の圧縮エア排出バルブ51は第2接続管12を遮断するとともに信号圧室27cに供給された圧縮エアを信号圧室27cから排出してホイールパーキングブレーキ26を作動させる。これにより、運転者は運転席に戻ることなく、その動き出した車両を停車させることができる。
【0006】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、車両10がトレーラ41を接続可能に構成されたトラクタであって、圧縮エアが供給されることによりトレーラ用ブレーキ42を解除又は作動させるトレーラ用ブレーキチャンバ43と信号圧ポート47aに圧縮エアが供給されることによりトレーラ用ブレーキチャンバ43に圧縮エアを供給するトレーラ用リレーバルブ47がトレーラ41に設けられ、パーキングブレーキ用コントロールバルブ17に接続されそのコントロールバルブ17から圧縮エアが供給されることにより信号圧ポート47aに圧縮エアを供給し又はその信号圧ポート47aに供給された圧縮エアを排出するように構成されたトレーラコントロールバルブ38が車両10に設けられ、コントロールバルブ17は運転者の解除操作時にエアタンク13から第2接続管12を介して供給される圧縮エアをトレーラコントロールバルブ38に供給するように構成され、エアタンク13とコントロールバルブ17の間の第2接続管12に圧縮エア排出バルブ51が設けられた車両用ホイールパーキングブレーキ装置である。
【0007】
この請求項2に記載された車両用ホイールパーキングブレーキ装置では、エアタンク13とコントロールバルブ17の間の第2接続管12に圧縮エア排出バルブ51を設けているので、作動状態の圧縮エア排出バルブ51は、トレーラコントロールバルブ38に供給された圧縮エアを排出する。すると、このトレーラコントロールバルブ38はトレーラ用リレーバルブ47における信号圧ポート47aに圧縮エアを供給するか、又は逆に信号圧ポート47aに供給された圧縮エアを排出する。これによりトレーラ用ブレーキチャンバ43に圧縮エアが給排され、トレーラ用ブレーキ42を作動させることができる。従って、運転者は運転席に戻ることなく動き始めた車両(トラクタ)10及びトレーラ41を確実に停車させることができる。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明であって、圧縮エア排出バルブ51がエア圧作動方式のバルブであって、操作手段が圧縮エア排出バルブ51の信号ポート51aとエアタンク13を連結する第4接続管52に設けられた常開の作動弁53,53であって運転者の操作により第4接続管52を遮断して下流側のエアを排出することにより圧縮エア排出バルブ51を作動させる電磁式又は機械式の作動弁53,53である車両用ホイールパーキングブレーキ装置である。
この請求項3に記載された車両用ホイールパーキングブレーキ装置では、操作手段である作動弁53,53を操作すると、第4接続管52は遮断されて下流側のエアが排出されるので圧縮エア排出バルブ51は作動状態となり、この作動状態の圧縮エア排出バルブ51は第2接続管12を遮断するとともに、コントロールバルブ17を介してリレーバルブ16に供給された圧縮エアを排出する。これによりホイールパーキングブレーキ26を作動させることができる。
【0009】
請求項4に係る発明は、請求項1又は2に係る発明であって、図4に示すように、圧縮エア排出バルブが第2接続管12にパーキングブレーキ用コントロールバルブ17と直列に設けられた機械式オンオフバルブ61,61であって、オンオフバルブ61,61がキャブ外部に設けられて操作手段が機械式オンオフバルブ61,61の操作桿61a,61aである車両用ホイールパーキングブレーキ装置である。
この請求項4に記載された車両用ホイールパーキングブレーキ装置では、圧縮エア排出バルブとして機械式オンオフバルブ61,61を第2接続管12にパーキングブレーキ用コントロールバルブ17と直列に設け、このオンオフバルブ61,61を車両10におけるキャブ外部に設けるので、その機械式オンオフバルブ61,61を操作させるために必要な接続管を不要にすることができる。
【0010】
請求項5に係る発明は、請求項1又は2に係る発明であって、図6に示すように、圧縮エア排出バルブが電磁作動方式のバルブ71であって、電磁作動バルブ71を操作可能なスイッチ72が操作手段としてキャブ外部に操作可能に設けられた車両用ホイールパーキングブレーキ装置である。
この請求項5に記載された車両用ホイールパーキングブレーキ装置では、圧縮エア排出バルブが電磁作動バルブ71であるので、それを操作可能なスイッチ72,72が操作手段として用いられる。このスイッチ72,72は可撓性に富むリード線を配索することによりそれらのスイッチ72,72を車両10のキャブ外部の両側に外部から操作可能にそれぞれ設けることができ、管路を設ける場合に比較してその設置が容易となる。
【0011】
請求項6に係る発明は、請求項1又は2に係る発明であって、図8に示すように、圧縮エア排出バルブがエア圧作動方式のサプライダンプバルブ81であって、操作手段がサプライダンプバルブ81とエアタンク13を連結する第4接続管52に設けられ運転者の操作により第4接続管52を連通させてエアタンク13の圧縮エアを供給することによりサプライダンプバルブ81を作動させる単一のコック又は並列に設けられた2以上のコック82,82である請求項1又は2記載の車両用ホイールパーキングブレーキ装置。
【発明の効果】
【0012】
本発明の車両用ホイールパーキングブレーキ装置では、ホイールパーキングブレーキの解除時に作動すると第2接続管を遮断するとともに信号圧室に供給された圧縮エアを信号圧室から排出する圧縮エア排出バルブを第2接続管に設け、運転者の操作により圧縮エア排出バルブを作動可能に構成された操作手段を車両の外部に設けたので、運転者が車両から降りた後に車両が移動し始めたならば、運転者は車両の外部から作動弁を操作することにより圧縮エア排出バルブを作動状態にすることによりリレーバルブに供給された圧縮エアをから排出することができる。これにより車両におけるブレーキチャンバの圧縮エア給排室のエア圧は大気圧になり、運転者は運転席に戻ることなく、ホイールパーキングブレーキを作動させることができる。
【0013】
車両が、トレーラを接続可能に構成され、コントロールバルブから圧縮エアが供給されることによりトレーラのリレーバルブに圧縮エアを供給し又はそこに供給された圧縮エアを排出するように構成されたトレーラコントロールバルブを備えたトラクタである場合、エアタンクとコントロールバルブの間の第2接続管に圧縮エア排出バルブを設ければ、圧縮エア排出バルブが作動することにより、トレーラ用ブレーキを作動させることができる。従って、運転者は運転席に戻ることなく動き始めた車両及びトレーラを確実に停車させることができる。
そして、圧縮エア排出バルブがエア圧作動方式のバルブである場合、操作手段が圧縮エア排出バルブの信号ポートとエアタンクを連結する第4接続管に設けられた常開の作動弁であって運転者の操作により第4接続管を遮断して圧縮エア排出バルブを作動させる電磁式又は機械式の作動弁とすることができる。これによれば、操作手段である作動弁を操作すると、第4接続管は遮断されて圧縮エア排出バルブは作動状態となり、これによりホイールパーキングブレーキを作動させることができる。
【0014】
一方、圧縮エア排出バルブが第2接続管に直列に設けられた一対の機械式オンオフバルブである場合、一対のオンオフバルブがキャブ外部に設けることにより操作手段を一対の機械式オンオフバルブのそれぞれの操作桿とすることができる。また、圧縮エア排出バルブが電磁作動方式のバルブである場合、電磁作動バルブを操作可能なスイッチを操作手段としてキャブ外部の外部から操作可能にそれぞれ設けることもできる。更に、圧縮エア排出バルブがエア圧作動方式のサプライダンプバルブである場合、運転者の操作により圧縮エアを供給してサプライダンプバルブを作動させる単一のコック又は並列に設けられた2以上のコックをその操作手段とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、車両10にはホイールパーキングブレーキ装置が設けられる。このホイールパーキングブレーキ装置は、圧縮エアが貯留されたエアタンク13と、エアタンク13に第1接続管11を介して連通接続されたブレーキチャンバ14と、第1接続管11に設けられたパーキングブレーキ用リレーバルブ16と、エアタンク13とリレーバルブ16の信号圧室27c(図2)とを連通接続する第2接続管12に設けられたパーキングブレーキ用コントロールバルブ17とを備える。
【0016】
ブレーキチャンバ14はチャンバ用ケース19に摺動可能に収容されこのケース19内を圧縮エア給排室19a及びばね収容室19bとに区画するチャンバ用ピストン21と、このピストン21に一端が連結され他端がケース19外に突出するチャンバ用ピストンロッド22と、上記ばね収容室19bに収容されピストンロッド22をピストン21を介してケース19外に突出させる方向に付勢するチャンバ用ばね23と、ケース19に形成されエアタンク13の圧縮エアを上記圧縮エア給排室19aに給排可能な給排ポート19cとを有する。
【0017】
チャンバ用ピストンロッド22の他端はベルクランク24等を介してホイールパーキングブレーキ26のシリンダ(図示せず)等に接続される。ブレーキチャンバ14は圧縮エア給排室19aの圧縮エアが給排ポート19cから排出されたときに、チャンバ用ばね23の弾性力によりピストンロッド22をケース19から突出させて、ホイールパーキングブレーキ26を作動させるように構成される。一方、ブレーキチャンバ14はエアタンク13の圧縮エアが給排ポート19cから圧縮エア給排室19aに供給されたときに、この圧縮エアの圧力によりピストン21がチャンバ用ばね23の弾性力に抗してばね収容室19b側に移動し、ピストンロッド22がケース19内に引込まれて、ホイールパーキングブレーキ26が解除されるように構成される。
【0018】
パーキングブレーキ用リレーバルブ16は図2に詳しく示すように、内部にピストン収容室27a及びバルブ本体収容室27bが形成されたリレー用ケース27と、上記ピストン収容室27aに摺動可能に収容されたリレー用ピストン28と、このピストン28を上方に付勢するリレー用上側ばね29と、バルブ本体収容室27bに摺動可能に収容されたリレー用バルブ本体31と、このバルブ本体31を上方に付勢するリレー用下側ばね32とを有する。ピストン収容室27aはピストン28により信号圧室27cと駆動圧室27dとに区画され、駆動圧室27dとバルブ本体収容室27bとはリレー用連通孔27eにより連通する。この連通孔27eの周縁にはバルブ本体31の当接可能な弁座27fが形成され、バルブ本体31が弁座27fに当接することにより上記連通孔27eが閉止されるように構成される。
【0019】
リレー用ケース27の上面には信号ポート27gが形成され、この信号ポート27gには第2接続管12が接続される(図1)。ケース27の下面にはリレー用排気ポート27hが形成される。またケース27の外周面には第1及び第2リレー用ポート27i,27jがそれぞれ形成され、第1リレー用ポート27iはバルブ本体収容室27bに連通し、第2リレー用ポート27jは第1透孔27kを介して駆動圧室27dに連通する。リレー用排気ポート27hには粉塵のケース27内への侵入を防止するためにゴム製のシール部材33がシール取付板34を介して取付けられる(図2)。図2の符号34aはシール取付板34に形成された複数の第2透孔であり、符号31aはバルブ本体31に形成されかつ駆動圧室27d及び排気ポート27hを連通する第3透孔である。
【0020】
このような構造により、リレーバルブ16は、その信号ポート27gを介して内部に設けられた信号圧室27cに圧縮エアが供給されるとリレー用ピストン28が図の下方に移動してバルブ本体31に当接して排気ポート27hを塞ぎ、その後、そのリレー用ピストン28が更に移動するとバルブ本体31を弁座27fからり離間させて連通孔27eを開放し、第1及び第2リレー用ポート27i,27jを連通させて図1におけるブレーキチャンバ14の圧縮エア給排室19aに圧縮エアを供給するように構成される。逆に、信号圧室27cに供給された圧縮エアがそこから排出されると、リレー用上側バネ29の付勢力によりリレー用ピストン28が図の上方向に押し上げられ、バルブ本体31が弁座27fに当接して連通孔27eを閉止し、第2接続管12(図1)を遮断するように構成される。そして、リレー用ピストン28が更に押し上げられると、第2リレー用ポート27jが排気ポート27hに連通し、その排気ポート27hから図1におけるブレーキチャンバ14の圧縮エア給排室19aに供給された圧縮エアを排出し、パーキングブレーキ26を作動させるように構成される。
【0021】
図1に戻って、パーキングブレーキ用コントロールバルブ17は運転席に取付けられたコントロール用ケース36と、このケース36に回動可能に取付けられかつ運転者が操作する操作レバー37とを有する。コントロール用ケース36にはエアタンク13に接続された第1コントロール用ポート36aと、リレーバルブ16の信号ポート27gに接続された第2コントロール用ポート36bと、後述するトレーラコントロールバルブ38に接続された第3コントロール用ポート36dと、コントロール用排気ポート36cとが設けられる。また操作レバー37は解除位置と作動位置との間を回動可能に構成される。操作レバー37を解除位置に操作すると、第1コントロール用ポート36aと第2及び第3コントロール用ポート36b,36dとがそれぞれ連通し、操作レバー37を作動位置に操作すると、第1コントロール用ポート36aを遮断するとともに、第2及び第3コントロール用ポート36b,36dとコントロール用排気ポート36cとがそれぞれ連通するように構成される。そして、第1コントロール用ポート36aと第2コントロール用ポート36bとが連通すると、エアタンク13の圧縮エアがリレーバルブ16の信号ポート27gを介してその信号圧室27cに供給されるように構成される。一方、操作レバー37を作動位置に操作して第2コントロール用ポート36bとコントロール用排気ポート36cとが連通すると、リレーバルブ16における信号圧室27cの圧縮エアが排出されるように構成される。
【0022】
ここで、この実施の形態における車両10は、トレーラ41を接続可能に構成されたトラクタであり、トレーラ41にはトレーラ用ブレーキが設けられる。トレーラ用ブレーキは、トレーラ用サービスブレーキ42と、圧縮エアを給排することによりこのトレーラ用サービスブレーキ42を解除又は作動させるトレーラ用ブレーキチャンバ43が設けられる。このトレーラ用ブレーキチャンバ43は、圧縮エア給排室43aに圧縮エアを供給することによりチャンバ用ピストンロッド43dを突出させてトレーラ用サービスブレーキ42を作動させ、圧縮エア給排室43aに供給された圧縮エアを排出させてチャンバ用バネ43cの付勢力によりピストンロッド43dを没入させてトレーラ用サービスブレーキ42を解除させるように構成される。トレーラ41には、圧縮エアが貯留されたトレーラ用エアタンク46とトレーラ用リレーバルブ47が設けられる。トレーラ用リレーバルブ47は、その第1リレー用ポート47bはトレーラ用エアタンク46に接続され、その第2リレー用ポート47cはトレーラ用ブレーキチャンバ43の圧縮エア給排室43aに接続される。
【0023】
一方、車両10であるトラクタには、補助エアタンク39と、その補助エアタンク39における圧縮エアをサービスライン38aを介してトレーラ用リレーバルブ47の信号圧ポート47aに供給し又はその信号圧ポート47aに供給された圧縮エアを排出するように構成されたトレーラコントロールバルブ38が設けられる。このトレーラコントロールバルブ38はパーキングブレーキ用コントロールバルブ17の第3コントロール用ポート36dに第3接続管44を介して接続され、操作レバー37を解除位置にしてコントロールバルブ17から第3接続管44を介して圧縮エアが供給されると、トレーラ用リレーバルブ47の信号圧ポート47aに供給された圧縮エアを排出し、操作レバー37を操作位置にしてコントロールバルブ17から供給された圧縮エアが排出されると、補助エアタンク39における圧縮エアをサービスライン38aを介してトレーラ用リレーバルブ47の信号圧ポート47aに供給するように構成される。
【0024】
また、トレーラ用リレーバルブ47は、その信号ポート47aを介して内部の図示しない信号圧室に圧縮エアが供給されると第1及び第2リレー用ポート47b,47cを連通させてトレーラ用エアタンク46における圧縮エアをトレーラ用ブレーキチャンバ43の圧縮エア給排室43aに供給して、トレーラ用サービスブレーキ42を作動させるように構成される。逆に、トレーラ用リレーバルブ47の図示しない信号圧室に供給された圧縮エアがそこから排出されると、第1リレー用ポート47bを閉止するとともに、第2リレー用ポート47cを排気ポート47dに連通させてトレーラ用ブレーキチャンバ43の圧縮エア給排室43aから圧縮エアを排出し、トレーラ用サービスブレーキ42を解除させるように構成される。
【0025】
なお、このトレーラコントロールバルブ38は車両10における図示しないブレーキペダルにも接続され、図示しないブレーキペダルが踏み込まれると、トレーラコントロールバルブ38はトレーラ用エアタンク46における圧縮エアをサービスライン38aを介して信号圧ポート47aに供給してそのサービスブレーキ42を作動させ、ブレーキペダルの踏み込みが解除されると、信号圧ポート47aに供給された圧縮エアを排出してサービスブレーキ42を不作動にさせるようにも構成される。
【0026】
また、トレーラ用リレーバルブ47には連絡ポート47eが形成され、この連絡ポート47eとトレーラコントロールバルブ38はエマージェンシーライン38bにより接続される。このエマージェンシーライン38bはトレーラコントロールバルブ38を介して補助エアタンク39に接続される。一方、連絡ポート47eはトレーラ用リレーバルブ47の内部で第1リレー用ポート47bに連通するように構成され、エマージェンシーライン38bを介して補助エアタンク39から供給される圧縮エアを、トレーラ用エアタンク46に供給するように構成される。
【0027】
第2接続管12にはコントロールバルブ17と並んで圧縮エア排出バルブ51が設けられる。この実施の形態では、エアタンク13とコントロールバルブ17の間の第2接続管12に圧縮エア排出バルブ51が設けられる場合を示す。そして、この実施の形態における圧縮エア排出バルブ51はエア圧作動方式のバルブである。そして、その第1ポート51bはエアタンク13に接続されを第2ポート51cはコントロールバルブ17の第1コントロール用ポート36aに接続される。一方、圧縮エア排出バルブ51の信号ポート51aは第4接続管52を介してエアタンク13に接続される。即ち、この圧縮エア排出バルブ51は、通常状態で信号ポート51aを介して内部に設けられた図示しない信号圧室に圧縮エアが供給され、これにより第1及び第2ポート51b,51cは連通される。一方、圧縮エア排出バルブ51の図示しない信号圧室に供給された圧縮エアが排出されると作動状態となり、この作動状態の圧縮エア排出バルブ51は第1ポート51bを閉止して第2接続管12を遮断するとともに、第2ポート51cを排気ポート51dに連通させてコントロールバルブ17を介してリレーバルブ16における信号圧室27c及びトレーラコントロールバルブ38に供給された圧縮エアをその信号圧室27cから排出するように構成される。
【0028】
一方、車両10の外部には、運転者の操作により圧縮エア排出バルブ51を作動可能に構成された操作手段が設けられる。この実施の形態における操作手段は、圧縮エア排出バルブ51の信号ポート51aとエアタンク13を連結する第4接続管52に設けられた常開の作動弁53,53であって、運転者がその操作桿53a,53aを操作することによりその第4接続管52を遮断して圧縮エア排出バルブ51を作動させる機械式の作動弁53,53である。図では操作桿53a,53aを押し込むことにより作動する作動弁53,53を示すけれども、操作桿53a,53aを引っ張ることにより作動する作動弁53,53であっても良い。この作動弁53,53は第4接続管52に2つ直列に設けられ、キャブ後方の車幅方向両側における車両10の外部に取付けられる。これにより、運転者は車両10の外部からその操作手段である作動弁53,53を操作することにより圧縮エア排出バルブ51を作動させることができるように構成される。
【0029】
このように構成されたホイールパーキングブレーキ装置の動作を説明する。
パーキングブレーキ用コントロールバルブ17の操作レバー37を解除位置に操作すると、第1コントロール用ポート36aと第2コントロール用ポート36bとが連通するので、エアタンク13の圧縮エアがコントロールバルブ17を通って、パーキングブレーキ用リレーバルブ16の信号ポート27gからその信号圧室27cに供給される(図2)。ここで、コントロールバルブ17と並んで第2接続管12には圧縮エア排出バルブ51が設けられているけれども、この圧縮エア排出バルブ51は、通常状態で第1及び第2ポート51b,51cが連通されるので、第2接続管12に圧縮エアが流通することに介して支障を生じさせることはない。
【0030】
図2に示すように、圧縮エアが供給されて信号圧室27cのエア圧が上昇すると、リレー用ピストン28がリレー用上側ばね29の弾性力に抗して下降し、ピストン28の下面がリレー用バルブ本体31の上面に当接してこのバルブ本体31を押下げる。これによりリレー用連通孔27eが開くので、エアタンク13の圧縮エアが第1リレー用ポート27i,バルブ本体収容室27b,リレー用連通孔27e,駆動圧室27d,第1透孔27kを介して第2リレー用ポート27jから排出される。図1に戻って、パーキングブレーキ用リレーバルブ16を通過してその第2リレー用ポート27jから排出されたエアタンク13の圧縮エアはその後ブレーキチャンバ14の給排ポート19cを通ってその圧縮エア給排室19aに供給される。ブレーキチャンバ14の圧縮エア給排室19aに供給されたエア圧によりチャンバ用ピストン21はチャンバ用ばね23の弾性力に抗してチャンバ用ピストンロッド22をチャンバ用ケース19内に引込む方向に移動する。この結果、ホイールパーキングブレーキ26は解除される。
【0031】
図1に戻って、パーキングブレーキ用コントロールバルブ17の操作レバー37を解除位置に操作すると、第1コントロール用ポート36aと第3コントロール用ポート36dも連通するので、エアタンク13の圧縮エアはコントロールバルブ17を通って、トレーラコントロールバルブ38にも供給される。すると、トレーラコントロールバルブ38は、トレーラ41におけるトレーラ用リレーバルブ47の信号圧ポート47aに供給された圧縮エアを排出し、第1リレー用ポート47bを閉止するとともに、第2リレー用ポート47cを排気ポート47dに連通させてトレーラ用ブレーキチャンバ43の圧縮エア給排室43aから圧縮エアを排出し、トレーラ用サービスブレーキ42を解除させる。
【0032】
一方、コントロールバルブ17の操作レバー37を作動位置に操作すると、図2におけるリレーバルブ16の信号圧室27cの圧縮エアが排出される。図2に示すように、信号圧室27cのエア圧が大気圧になると、リレー用ピストン28はリレー用上側ばね29の弾性力により上昇し、リレー用バルブ本体31もリレー用下側ばね32の弾性力により上昇してリレー用連通孔27eを閉止する。上記リレー用ピストン28は更に上昇し、その下面はバルブ本体31の上面から離れるので、チャンバ用ケース19の圧縮エア給排室19a(図1)の圧縮エアはその給排ポート19c,第2リレー用ポート27j,第1透孔27k,駆動圧室27d,リレー用連通孔27e,第3透孔31a及び第2透孔34aを通り、更にシール部材33を押し退けて大気中に排出される。これにより図1に示すブレーキチャンバ14の圧縮エア給排室19aのエア圧は大気圧になるので、チャンバ用ピストン21はチャンバ用ばね23の弾性力によりチャンバ用ピストンロッド22をチャンバ用ケース19外に突出させる方向に移動させる。これによりホイールパーキングブレーキ26が作動される。
【0033】
図1に戻って、パーキングブレーキ用コントロールバルブ17の操作レバー37を操作位置に操作すると、第3コントロール用ポート36dと排気用ポート36cも連通するので、トレーラコントロールバルブ38に供給された圧縮エアも排出される。すると、トレーラコントロールバルブ38は、トレーラ41におけるトレーラ用リレーバルブ47の信号圧ポート47aに補助エアタンク39における圧縮エアを供給し、第1リレー用ポート47bと第2リレー用ポート47cを連通させてトレーラ用ブレーキチャンバ43の圧縮エア給排室43aに圧縮エアを供給してトレーラ用サービスブレーキ42を作動させる。
【0034】
ここで、コントロールバルブ17の操作レバー37を作動位置に操作することなく運転者が車両10を停車させ、その状態で車両10からを降りた場合を考える。すると、運転者がコントロールバルブ17を作動操作することを忘れているので、その車両10におけるホイールパーキングブレーキ26は作動していない。このため、例えば路面が傾斜していたりすると、その傾斜に従って車両10が移動し始めるおそれがある。そして、車両10が実際に動き始めると、そのことに気がついた運転者は車両10の外部から圧縮エア排出バルブ51の操作手段である作動弁53,53を操作する。具体的には運転者がいる側の車両10に設けられたいずれか一方の作動弁53の操作桿53aを押し込む。すると、第4接続管52は遮断され、圧縮エア排出バルブ51の図示しない信号圧室に供給された圧縮エアが排出される。これにより圧縮エア排出バルブ51は作動状態となり、この作動状態の圧縮エア排出バルブ51は第1ポート51bを閉止して第2接続管12を遮断するとともに、第2ポート51cを排気ポート51dに連通させてコントロールバルブ17を介してリレーバルブ16における信号圧室27cに供給された圧縮エアをその信号圧室27cから排出する。これにより図1に示す車両10におけるブレーキチャンバ14の圧縮エア給排室19aのエア圧は大気圧になるので、チャンバ用ピストン21はチャンバ用ばね23の弾性力によりチャンバ用ピストンロッド22をチャンバ用ケース19外に突出させる方向に移動させる。これによりホイールパーキングブレーキ26が作動される。
【0035】
また、この実施の形態では、エアタンク13とコントロールバルブ17の間の第2接続管12に圧縮エア排出バルブ51を設けているので、作動状態の圧縮エア排出バルブ51は、トレーラコントロールバルブ38に供給された圧縮エアをも排出する。すると、トレーラコントロールバルブ38は、トレーラ41におけるトレーラ用リレーバルブ47の信号圧ポート47aに補助エアタンク39における圧縮エアを供給し、第1リレー用ポート47bと第2リレー用ポート47cを連通させてトレーラ用ブレーキチャンバ43の圧縮エア給排室43aに圧縮エアを供給してトレーラ用サービスブレーキ42を作動させる。従って、運転者は運転席に戻ることなく動き始めた車両10及びトレーラ41を停車させることができる。
【0036】
なお、上述した実施の形態では、エアタンク13とコントロールバルブ17の間の第2接続管12に圧縮エア排出バルブ51を設ける例を示したが、図3に示すように、圧縮エア排出バルブ51はコントロールバルブ17とパーキングブレーキ用リレーバルブ16の間の第2接続管12に設けても良い。ただし、この場合には、その圧縮エア排出バルブ51を作動させても、トレーラコントロールバルブ38に供給された圧縮エアを排出することができずに、トレーラ用サービスブレーキ42を作動させることができない。このため、車両10におけるホイールパーキングブレーキ26を作動させて、動き始めた車両10及びトレーラ41を停車させることになる。
【0037】
また、上述した実施の形態では、操作手段が圧縮エア排出バルブ51の信号ポート51aとエアタンク13を連結する第4接続管52に設けられた常開の作動弁53,53であって、運転者の操作により第4接続管52を遮断して圧縮エア排出バルブ51を作動させる機械式の作動弁53,53である場合を説明したが、運転者の操作により第4接続管52を遮断して圧縮エア排出バルブ51を作動させることができる限り、操作手段である常開の作動弁53,53は、電磁式の作動弁であっても良い。
【0038】
また、上述した実施の形態では、第2接続管12にエア駆動式の圧縮エア排出バルブ51を設け、その圧縮エア排出バルブ51を作動可能に構成された操作手段である常開の作動弁53,53を車両10の外部に設ける場合を説明したが、図4に示すように、圧縮エア排出バルブは機械式オンオフバルブ61であっても良い。この場合、圧縮エア排出バルブとして一対の機械式オンオフバルブ61,61を第2接続管12に直列に設けることが好ましい。そしてこの一対のオンオフバルブ61,61を車両10におけるキャブ外部の両側に設ければ、その一対の機械式オンオフバルブ61,61のそれぞれの操作桿61a,61aが操作手段となるので好ましい。この場合、エアタンク13とコントロールバルブ17の間の第2接続管12に圧縮エア排出バルブ61を設ける例を示すが、図5に示すように、圧縮エア排出バルブ61はコントロールバルブ17とパーキングブレーキ用リレーバルブ16の間の第2接続管12に設けても良い。
【0039】
また、上述した実施の形態では、第2接続管12にエア駆動式の圧縮エア排出バルブ51を設けたが、図6に示すように、圧縮エア排出バルブは電磁作動方式のバルブ71であっても良い。圧縮エア排出バルブが電磁作動バルブ71である場合には、それを操作可能なスイッチ72,72が操作手段として用いられる。このスイッチ72,72は可撓性に富むリード線を配索することによりそれらのスイッチ72,72を車両10のキャブ外部の両側に外部から操作可能にそれぞれ設けることができる。このため、管路を設ける場合に比較してその設置が容易となる。この場合、エアタンク13とコントロールバルブ17の間の第2接続管12にバルブ11を設ける例を示すが、図7に示すように、バルブ71はコントロールバルブ17とパーキングブレーキ用リレーバルブ16の間の第2接続管12に設けても良い。
【0040】
また、上述した実施の形態では、第2接続管12にエア駆動式の圧縮エア排出バルブ51を設け、その圧縮エア排出バルブ51を作動可能に構成された操作手段である常開の作動弁53,53を車両10の外部に設ける場合を説明したが、図8に示すように、圧縮エア排出バルブはサプライダンプバルブ81であっても良い。この場合には、そのサプライダンプバルブ81を作動可能に構成された操作手段が気体の流路を開閉可能なコック82であっても良い。この場合、エアタンク13とコントロールバルブ17の間の第2接続管12にバルブ81を設ける例を示すが、図9に示すように、バルブ81はコントロールバルブ17とパーキングブレーキ用リレーバルブ16の間の第2接続管12に設けても良い。
【0041】
更に、上述した実施の形態では、トレーラ用ブレーキとしてサービスブレーキ42がトレーラ41に設けられる例を示したが、車両に設けられたスプリングブレーキと同一構造のものをトレーラ用ブレーキとしてトレーラ41に設けても良い。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明実施形態のパーキングブレーキ装置の構成図である。
【図2】それに用いられたリレーバルブの断面図である。
【図3】コントロールバルブとリレーバルブの間の第2接続管に圧縮エア排出バルブが設けられた図1に対応するパーキングブレーキ装置の構成図である。
【図4】圧縮エア排出バルブとして機械式オンオフバルブが設けられた図1に対応するパーキングブレーキ装置の構成図である。
【図5】コントロールバルブとリレーバルブの間の第2接続管にその機械式オンオフバルブが設けられた図4に対応するパーキングブレーキ装置の構成図である。
【図6】圧縮エア排出バルブとして電磁作動バルブが設けられた図1に対応するパーキングブレーキ装置の構成図である。
【図7】コントロールバルブとリレーバルブの間の第2接続管にその電磁作動バルブが設けられた図6に対応するパーキングブレーキ装置の構成図である。
【図8】圧縮エア排出バルブとしてサプライダンプバルブが設けられた図1に対応するパーキングブレーキ装置の構成図である。
【図9】コントロールバルブとリレーバルブの間の第2接続管にそのサプライダンプバルブが設けられた図8に対応するパーキングブレーキ装置の構成図である。
【符号の説明】
【0043】
10 車両
11 第1接続管
12 第2接続管
13 エアタンク
14 ブレーキチャンバ
16 パーキングブレーキ用リレーバルブ
17 パーキングブレーキ用コントロールバルブ
19a 圧縮エア給排室
26 ホイールパーキングブレーキ
27c 信号圧室
41 トレーラ
42 トレーラ用パーキングブレーキ
43 トレーラ用ブレーキチャンバ
47 トレーラ用リレーバルブ
44 第3接続管
51 圧縮エア排出バルブ
51a 信号ポート
52 第4接続管
53 作動弁(操作手段)
61 機械式オンオフバルブ
61a 操作桿(操作手段)
71 電磁作動バルブ
72 スイッチ(操作手段)
81 サプライダンプバルブ
82 コック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮エアが貯留されたエアタンク(13)と、前記エアタンク(13)に第1接続管(11)を介して連通接続された圧縮エア給排室(19a)を有しこの圧縮エア給排室(19a)に前記圧縮エアを給排することによりホイールパーキングブレーキ(26)を解除又は作動させるブレーキチャンバ(14)と、前記第1接続管(11)に設けられ内部の信号圧室(27c)に圧縮エアが供給されることにより前記エアタンク(13)から圧縮エアを前記圧縮エア給排室(19a)に供給し前記信号圧室(27c)から圧縮エアが排出されることにより前記圧縮エア給排室(19a)に供給された圧縮エアを前記圧縮エア給排室(19a)から排出するパーキングブレーキ用リレーバルブ(16)と、前記エアタンク(13)と前記信号圧室(27c)とを連通接続する第2接続管(12)に設けられ運転者の解除操作又は作動操作時に前記エアタンク(13)の圧縮エアを前記信号圧室(27c)に給排するパーキングブレーキ用コントロールバルブ(17)とを備えた車両用ホイールパーキングブレーキ装置において、
前記ホイールパーキングブレーキ(26)の解除時に作動すると前記第2接続管(12)を遮断するとともに前記信号圧室(27c)に供給された圧縮エアを前記信号圧室(27c)から排出する圧縮エア排出バルブ(51)が前記第2接続管(12)に設けられ、
運転者の操作により前記圧縮エア排出バルブ(51)を作動可能に構成された操作手段(53,53)が車両(10)の外部に設けられた
ことを特徴とする車両用ホイールパーキングブレーキ装置。
【請求項2】
車両(10)がトレーラ(41)を接続可能に構成されたトラクタであって、
圧縮エアが供給されることによりトレーラ用ブレーキ(42)を解除又は作動させるトレーラ用ブレーキチャンバ(43)と信号圧ポート(47a)に圧縮エアが供給されることにより前記トレーラ用ブレーキチャンバ(43)に圧縮エアを供給するトレーラ用リレーバルブ(47)が前記トレーラ(41)に設けられ、
パーキングブレーキ用コントロールバルブ(17)に接続され前記コントロールバルブ(17)から圧縮エアが供給されることにより前記信号圧ポート(47a)に圧縮エアを供給し又は前記信号圧ポート(47a)に供給された圧縮エアを排出するように構成されたトレーラコントロールバルブ(38)が前記車両(10)に設けられ、
前記コントロールバルブ(17)は運転者の解除操作時にエアタンク(13)から第2接続管(12)を介して供給される圧縮エアを前記トレーラコントロールバルブ(38)に供給するように構成され、
前記エアタンク(13)と前記コントロールバルブ(17)の間の第2接続管(12)に圧縮エア排出バルブ(51)が設けられた請求項1記載の車両用ホイールパーキングブレーキ装置。
【請求項3】
圧縮エア排出バルブ(51)がエア圧作動方式のバルブであって、操作手段が前記圧縮エア排出バルブ(51)の信号ポート(51a)とエアタンク(13)を連結する第4接続管(52)に設けられた常開の作動弁(53,53)であって運転者の操作により前記第4接続管(52)を遮断して下流側のエアを排出することにより前記圧縮エア排出バルブ(51)を作動させる電磁式又は機械式の作動弁(53,53)である請求項1又は2記載の車両用ホイールパーキングブレーキ装置。
【請求項4】
圧縮エア排出バルブが第2接続管(12)にパーキングブレーキ用コントロールバルブ(17)と直列に設けられた機械式オンオフバルブ(61,61)であって、前記オンオフバルブ(61,61)がキャブ外部に設けられて操作手段が前記機械式オンオフバルブ(61,61)の操作桿(61a,61a)である請求項1又は2記載の車両用ホイールパーキングブレーキ装置。
【請求項5】
圧縮エア排出バルブが電磁作動方式のバルブ(71)であって、前記電磁作動バルブ(71)を操作可能なスイッチ(72)が操作手段としてキャブ外部に操作可能に設けられた請求項1又は2記載の車両用ホイールパーキングブレーキ装置。
【請求項6】
圧縮エア排出バルブがエア圧作動方式のサプライダンプバルブ(81)であって、操作手段が前記サプライダンプバルブ(81)とエアタンク(13)を連結する第4接続管(52)に設けられ運転者の操作により前記第4接続管(52)を連通させて前記エアタンク(13)の圧縮エアを供給することにより前記サプライダンプバルブ(81)を作動させる単一のコック又は並列に設けられた2以上のコック(82,82)である請求項1又は2記載の車両用ホイールパーキングブレーキ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−320347(P2007−320347A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−149848(P2006−149848)
【出願日】平成18年5月30日(2006.5.30)
【出願人】(000005463)日野自動車株式会社 (1,484)
【Fターム(参考)】