車両用冷却装置
【課題】冷却風が冷却装置に対して斜めに通り抜けることを可能とし、従来よりも配置の自由度が高くスムーズに冷却風を流すことを可能にした冷却装置を提供する。
【解決手段】冷却装置のフィンやチューブ、またはフィンとチューブの両方を冷却装置本体に対して傾けて配設する。
【解決手段】冷却装置のフィンやチューブ、またはフィンとチューブの両方を冷却装置本体に対して傾けて配設する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両用冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車や自動二輪車等の車両には、ラジエターやインタークーラーなどのように被冷却流体を冷却風によって冷却する冷却装置を持つものがある。そのなかでも、図5や図6のように冷却装置を進行方向に対して傾斜させて設置したものがあり、こうした配置の冷却装置には、ダクトや導風板で冷却風の向きを変えて冷却装置に冷却風を当てる構造のものがある。このように冷却装置を設置したものとしては、例えば特許公開平6−270870号公報や特許公開2003−247423号公報がある。
【0003】
従来のラジエター等の車両用冷却装置のフィンやチューブは、冷却装置本体に対して直角に配設されている。車両用冷却装置のフィンの構造は、例えば実用新案公開平6−65752がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、以上の技術によれば、フィンやチューブが冷却装置に直角に配設されているため、冷却風が冷却装置の通り抜ける際に冷却風の方向を、ダクトの装着により冷却装置と直角方向に変えなければならなかった。冷却風の方向を大きく変えることは、スムーズな空気の流れの抵抗になり、冷却風量の低下や車両全体の空気抵抗の増加を招くという不具合があった。
【0005】
本考案は、冷却風が冷却装置に対して斜めに通り抜けることを可能とし、冷却風の流れを自由に設定できる事により、従来よりも配置の自由度が高く、スムーズに冷却風を流すことを可能にした冷却装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するために、本発明では、冷却装置のフィンやチューブ、またはフィンとチューブの両方を冷却装置本体に対して傾けて配設したことを特徴とする。
【0007】
上記のフィンやチューブは一層のものに限らず、複数層重ねた物についても同様にフィンやチューブを傾けて配設できる。
【0008】
フィンやチューブを傾けて配設するときの角度は、冷却風の流れをスムーズにするためには進行方向に近づけて向けることが効果的である。また、冷却風が抜ける方向を任意に設定する為に、フィンやチューブを傾けて配設することもできる。
【発明の効果】
【0009】
本発明は下記に示すような効果を奏する。
【0010】
本発明によれば、ラジエターやインタークーラー、エアコンコンデンサーなどの車両用冷却装置において冷却装置を抜ける冷却風の流れる方向を自由に設定することを可能にする。
【0011】
車両の進行方向に対して傾斜して配設されている車両用冷却装置において、進行方向に対して角度が小さく近くなるようにフィンを傾けることにより、冷却風の流れる方向の変化が少なくなり通風抵抗が減少する。
【0012】
上記のように、通風抵抗が減少し冷却装置を通過する空気流量が増えることにより冷却効果が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
この発明の実施の一つの形態について図面を参照して説明すると、図3、図4に示すようにインタークーラー5のフィン1を傾斜させて配設し、図5に示すように車両に装着する。
【0014】
図5はある車両のエンジンルーム内部の図であり、5が本発明を適応したインタークーラー、6はラジエター、10がボンネット、15がインタークーラーに当てる冷却風を吸入するエアーインテーク、18がエアーインテークから吸入した冷却風をインタークーラーに導くダクトである。また、8が本発明を適応しない場合の冷却風の流れ、9が本発明を適応した場合の空気の流れを大まかに現したものである。
【0015】
取り付け方向としては、図3の右側が図5におけるインタークーラー5の手前側に来るように配設する、つまり、空気の流れを現す矢印9の角度にフィンが傾くようにインタークーラー5を配設する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の効果は、フィンやチューブの角度を変化させることで、冷却装置を通過する空気の向きをある範囲の角度で変化させることが可能となることである。
【0017】
その結果として、この実施形態では、冷却風の進行方向の変化が少なくなり、インタークーラーの通風抵抗が減り、通過する風量が上昇し冷却効率が良くなり、また、車両全体の空気抵抗を低減することができる。
【0018】
図5の実施形態では、自動車のインタークーラーに使用したが、上述の使用例に限定されるものではなく、他の実施形態では、図6のように二輪車のラジエターに使用するなど、本発明はフィンやチューブを持つ冷却装置に適応できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明のラジエターにおける実施形態を示す正面図である。
【図2】図1で示した実施形態の断面図である。
【図3】本発明のインタークーラーにおける実施形態を示す正面図である。
【図4】図3で示した実施形態の断面図である。
【図5】本発明を実施したインタークーラーの自動車への装着例である。
【図6】本発明を実施したラジエターの二輪車への装着例である。
【符号の説明】
【0020】
1 フィン
2 チューブ
3 タンク
4 ラジエターキャップ
5 インタークーラー
6 ラジエター
7 ラジエターカバー
8 本発明を実施しないときの空気の通り道
9 本発明を実施したときの空気の通り道
10 ボンネット
11 エンジン
12 エキゾーストマニホールド
13 トランスミッション
14 マフラー
15 エアーインテーク
16 タービン
17 インテークマニホールド
18 ダクト
19 インテークパイプ
20 カウル
21 エアアウトレット
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両用冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車や自動二輪車等の車両には、ラジエターやインタークーラーなどのように被冷却流体を冷却風によって冷却する冷却装置を持つものがある。そのなかでも、図5や図6のように冷却装置を進行方向に対して傾斜させて設置したものがあり、こうした配置の冷却装置には、ダクトや導風板で冷却風の向きを変えて冷却装置に冷却風を当てる構造のものがある。このように冷却装置を設置したものとしては、例えば特許公開平6−270870号公報や特許公開2003−247423号公報がある。
【0003】
従来のラジエター等の車両用冷却装置のフィンやチューブは、冷却装置本体に対して直角に配設されている。車両用冷却装置のフィンの構造は、例えば実用新案公開平6−65752がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、以上の技術によれば、フィンやチューブが冷却装置に直角に配設されているため、冷却風が冷却装置の通り抜ける際に冷却風の方向を、ダクトの装着により冷却装置と直角方向に変えなければならなかった。冷却風の方向を大きく変えることは、スムーズな空気の流れの抵抗になり、冷却風量の低下や車両全体の空気抵抗の増加を招くという不具合があった。
【0005】
本考案は、冷却風が冷却装置に対して斜めに通り抜けることを可能とし、冷却風の流れを自由に設定できる事により、従来よりも配置の自由度が高く、スムーズに冷却風を流すことを可能にした冷却装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するために、本発明では、冷却装置のフィンやチューブ、またはフィンとチューブの両方を冷却装置本体に対して傾けて配設したことを特徴とする。
【0007】
上記のフィンやチューブは一層のものに限らず、複数層重ねた物についても同様にフィンやチューブを傾けて配設できる。
【0008】
フィンやチューブを傾けて配設するときの角度は、冷却風の流れをスムーズにするためには進行方向に近づけて向けることが効果的である。また、冷却風が抜ける方向を任意に設定する為に、フィンやチューブを傾けて配設することもできる。
【発明の効果】
【0009】
本発明は下記に示すような効果を奏する。
【0010】
本発明によれば、ラジエターやインタークーラー、エアコンコンデンサーなどの車両用冷却装置において冷却装置を抜ける冷却風の流れる方向を自由に設定することを可能にする。
【0011】
車両の進行方向に対して傾斜して配設されている車両用冷却装置において、進行方向に対して角度が小さく近くなるようにフィンを傾けることにより、冷却風の流れる方向の変化が少なくなり通風抵抗が減少する。
【0012】
上記のように、通風抵抗が減少し冷却装置を通過する空気流量が増えることにより冷却効果が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
この発明の実施の一つの形態について図面を参照して説明すると、図3、図4に示すようにインタークーラー5のフィン1を傾斜させて配設し、図5に示すように車両に装着する。
【0014】
図5はある車両のエンジンルーム内部の図であり、5が本発明を適応したインタークーラー、6はラジエター、10がボンネット、15がインタークーラーに当てる冷却風を吸入するエアーインテーク、18がエアーインテークから吸入した冷却風をインタークーラーに導くダクトである。また、8が本発明を適応しない場合の冷却風の流れ、9が本発明を適応した場合の空気の流れを大まかに現したものである。
【0015】
取り付け方向としては、図3の右側が図5におけるインタークーラー5の手前側に来るように配設する、つまり、空気の流れを現す矢印9の角度にフィンが傾くようにインタークーラー5を配設する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の効果は、フィンやチューブの角度を変化させることで、冷却装置を通過する空気の向きをある範囲の角度で変化させることが可能となることである。
【0017】
その結果として、この実施形態では、冷却風の進行方向の変化が少なくなり、インタークーラーの通風抵抗が減り、通過する風量が上昇し冷却効率が良くなり、また、車両全体の空気抵抗を低減することができる。
【0018】
図5の実施形態では、自動車のインタークーラーに使用したが、上述の使用例に限定されるものではなく、他の実施形態では、図6のように二輪車のラジエターに使用するなど、本発明はフィンやチューブを持つ冷却装置に適応できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明のラジエターにおける実施形態を示す正面図である。
【図2】図1で示した実施形態の断面図である。
【図3】本発明のインタークーラーにおける実施形態を示す正面図である。
【図4】図3で示した実施形態の断面図である。
【図5】本発明を実施したインタークーラーの自動車への装着例である。
【図6】本発明を実施したラジエターの二輪車への装着例である。
【符号の説明】
【0020】
1 フィン
2 チューブ
3 タンク
4 ラジエターキャップ
5 インタークーラー
6 ラジエター
7 ラジエターカバー
8 本発明を実施しないときの空気の通り道
9 本発明を実施したときの空気の通り道
10 ボンネット
11 エンジン
12 エキゾーストマニホールド
13 トランスミッション
14 マフラー
15 エアーインテーク
16 タービン
17 インテークマニホールド
18 ダクト
19 インテークパイプ
20 カウル
21 エアアウトレット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィンやチューブを冷却装置本体に対して傾けて配設したことを特徴とする車両用冷却装置
【請求項2】
冷却風が斜めに通り抜けるよう、フィンやチューブ、又はフィンとチューブ両方を冷却装置本体に対して傾けて配設したことを特徴とする車両用冷却装置
【請求項1】
フィンやチューブを冷却装置本体に対して傾けて配設したことを特徴とする車両用冷却装置
【請求項2】
冷却風が斜めに通り抜けるよう、フィンやチューブ、又はフィンとチューブ両方を冷却装置本体に対して傾けて配設したことを特徴とする車両用冷却装置
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2006−306356(P2006−306356A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−160357(P2005−160357)
【出願日】平成17年5月2日(2005.5.2)
【出願人】(505202121)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月2日(2005.5.2)
【出願人】(505202121)
【Fターム(参考)】
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