説明

車両用吸音構造体

【課題】低コストの車両用吸音構造体を提供することを目的とする。
【解決手段】一端に開口部24を有する凹状のセル12と、該セル12内に設けられ、開口部24から該セル12内に侵入した音波を2つに分岐させる分岐部14と、該分岐部14で分岐した一方の音波32及び他方の音波34を開口部24側に反射させると共に、該一方の音波32と該他方の音波34との間に、位相差を生じさせる反射部16,18と、セル12内に設けられ、反射部16,18で反射した一方の音波32と他方の音波34とを干渉させる干渉部22と、を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用吸音構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
エンジンルームから発生するエンジン音や、走行時に発生するロードノイズ、風切り音などの騒音が、ドアのシールを経由して自動車の車室内へ侵入することを抑制するための対策品として、自動車のフロントフェンダ断面内へ嵌め込むことにより使用する防音材であって、フィルム状物で包み込んだ所定密度のクッション材や、フィルム状物で包み込むことなく耐水処理を施した所定密度のクッション材が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3048125号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来例のように、所定密度の特殊なクッション材をフィルム状物で包んだり、該クッション材の表面に耐水処理を施したりしたのでは、クッション材のコスト、部品点数、加工費及び管理費の増加を招くと考えられる。
【0005】
本発明は、上記事実を考慮して、低コストの車両用吸音構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様に係る車両用吸音構造体では、セルの開口部から該セル内に侵入した音波が分岐部で2つに分岐し、反射部で反射する際、一方の音波と他方の音波との間に位相差が生じる。この位相差を有する一方の音波と他方の音波とが、干渉部で干渉することで、吸音作用が生じる。これにより、部品点数を増やすことなく、低コストの車両用吸音構造体を提供することができる。
【0007】
第2の態様は、第1の態様に係る車両用吸音構造体において、前記分岐部の前記開口部側の端部は、該開口部より内側の前記セル内に位置すると共に、前記反射部のうち該開口部側の反射部よりも更に該開口部側に位置しており、前記干渉部は、該端部と前記開口部との間に位置している。
【0008】
第2の態様に係る車両用吸音構造体では、分岐部の開口部側の端部が、該開口部より内側のセル内に位置すると共に、反射部のうち該開口部側の反射部よりも更に該開口部側に位置しており、干渉部が、該端部と開口部との間に位置しているので、セルに侵入した音波は、該セル内において吸音される。これにより、セル内で安定的して吸音作用を生じさせることができる。
【0009】
第3の態様は、第1又は第2の態様に係る車両用吸音構造体において、前記開口部を覆う被覆部を備え、該被覆部における前記分岐部の延長上には、スリットが設けられている。
【0010】
第3の態様に係る車両用吸音構造体では、音波がセルの深さ方向に対して斜め方向に入射された場合でも、該音波がスリットを通ってセル内に侵入する際に、回折現象によって該音波の位相が揃えられ同位相となる。これにより、分岐部で分岐する一方の音波と他方の音波に、所望の位相差を正確に生じさせることができる。このため、狙いの周波数の音波に対する吸音性能を高めることができる。
【0011】
第4の態様は、第3の態様に係る車両用吸音構造体において、前記スリットは、前記分岐部の前記端部に沿う方向に延びている。
【0012】
第4の態様に係る車両用吸音構造体では、スリットが分岐部の端部に沿う方向に延びているので、音波が該スリットを通ってセル内に侵入する際に、回折現象によって広い範囲で該音波の位相が揃えられる。このため、狙いの周波数の音波に対する吸音性能を、より一層高めることができる。
【0013】
第5の態様は、第1〜第4の態様の何れか1態様に係る車両用吸音構造体において、前記セルを区画する壁部の根元部は、該根元部以外の一般部と比較して薄く形成されている。
【0014】
第5の態様に係る車両用吸音構造体では、セルを区画する壁部の根元部が、該根元部以外の一般部と比較して薄く形成されているので、セル内に侵入した音波により、該セルを区画する壁部に膜共振を生じさせ、該音波のエネルギーを運動エネルギーに変えて音を吸収することができる。このため、吸音性能を更に高めることができる。
【0015】
第6の態様は、第1〜第5の態様の何れか1態様に係る車両用吸音構造体において、フロントフェンダパネルの後部の車両内側端部と車体骨格との間の隙間を遮蔽するフェンダプロテクタを兼ねており、前記開口部が車両前方側に形成されている。
【0016】
第6の態様に係る車両用吸音構造体は、フェンダプロテクタを兼ねており、開口部が車両前方側に形成されているので、部品点数を増やすことなく、フロントタイヤからのノイズを吸音することが可能である。
【0017】
第7の態様は、第1〜第5の態様の何れか1態様に係る車両用吸音構造体において、フロントフェンダパネルの後部の車両内側端部と車体骨格との間の隙間を遮蔽するフェンダプロテクタの前面に設けられる。
【0018】
第7の態様に係る車両用吸音構造体は、フェンダプロテクタの前面に設けられるので、フロントタイヤからのノイズを吸音することが可能である。
【0019】
第8の態様は、第6又は第7の態様に係る車両用吸音構造体において、前記フェンダプロテクタと組み合わせて構成され、該フェンダプロテクタの前記前面を前記反射部として利用する。
【0020】
第8の態様に係る車両用吸音構造体では、反射部としてフェンダプロテクタの前面を利用するので、該反射部をセルの壁部と一体的に設ける場合と比較して、材料費の低減や軽量化を図ることができる。
【0021】
第9の態様は、第6〜第8の態様の何れか1態様に係る車両用吸音構造体において、複数の前記セルが、前記開口部を車両前方側に向けた状態で上下方向に並列して設けられ、前記セルの下側壁部には、下側に隣接する前記セルに連通する連通孔が形成されている。
【0022】
第9の態様に係る車両用吸音構造体では、複数のセルが、開口部を車両前方側に向けた状態で上下方向に並列して設けられているので、吸音作用を広い領域で生じさせることができる。またセルの下側壁部に、下側に隣接するセルに連通する連通孔が形成されているので、膨張型消音器の機能を付加することができる。更に該連通孔により、セル内の水抜きが可能である。このため、吸音性能を更に高めると共に、セル内に水が残留することを抑制して、吸音性能を維持することができる。
【0023】
第10の態様は、第9の態様に係る車両用吸音構造体において、前記下側壁部が車両前下方に傾斜している。
【0024】
第10の態様に係る車両用吸音構造体では、セルの下側壁部が車両前下方に傾斜しているので、該セル内に水が残留し難くなる。
【0025】
第11の態様は、第9又は第10の態様に係る車両用吸音構造体において、前記連通孔は、前記下側壁部の後端に設けられている。
【0026】
第11の態様に係る車両用吸音構造体では、連通孔が下側壁部の後端に設けられているので、車両の加速時には車両後方へ移動するセル内の水を、外部へ効率的に排出することができる。
【0027】
第12の態様は、第1〜第11の態様の何れか1態様に係る車両用吸音構造体において、前記セルに隣接して、前記開口部と同じ方向に開口したネック部を有するヘルムホルツ共鳴器が設けられている。
【0028】
第12の態様に係る車両用吸音構造体では、セルに隣接して設けられたヘルムホルツ共鳴器により、吸音性能を更に高めることができる。
【0029】
第13の態様は、第1〜第11の態様の何れか1態様に係る車両用吸音構造体において、前記セルに隣接して設けられ、前記開口部と同じ方向に開口した主管路と、該主管路の途中から分岐し、再び該主管路に合流する副管路と、を有し、前記主管路及び前記副管路の管長は、該主管路と該副管路の合流点において、該主管路のみを通った音波と、該副管路を経由した音波との間に位相差を生じるように設定されている。
【0030】
第13の態様に係る車両用吸音構造体では、主管路のみを通った音波と、副管路を経由した音波とが、該主管路と副管路の合流点において位相差を持って干渉することで、吸音作用が生じる。このため、吸音性能をより一層高めることができる。
【0031】
第14の態様(フロントフェンダ構造)は、フロントフェンダパネルと、該フロントフェンダパネルの後部の車両内側端部と車体骨格との間の隙間を遮蔽するフェンダプロテクタと、該フェンダプロテクタの前面に、前記開口部を車両前方側に向けた状態で取り付けられる第1〜第5の態様の何れか1態様に係る車両用吸音構造体と、を有している。
【0032】
第14の態様に係るフロントフェンダ構造では、フロントタイヤからのノイズを、低コストで吸音することができる。
【0033】
第15の態様は、第14の態様に係るフロントフェンダ構造において、複数の前記セルが上下方向に並列して設けられ、前記セルの下側壁部には、下側に隣接する前記セルに連通する連通孔が形成されている。
【0034】
第15の態様に係るフロントフェンダ構造では、複数のセルが上下方向に並列して設けられているので、吸音作用を広い領域で生じさせることができる。またセルの下側壁部に、下側に隣接するセルに連通する連通孔が形成されているので、膨張型消音器の機能を付加することができる。更に該連通孔により、セル内の水抜きが可能である。このため、吸音性能を更に高めると共に、セル内に水が残留することを抑制して、吸音性能を維持することができる。
【発明の効果】
【0035】
以上説明したように、本発明に係る第1の態様に係る車両用吸音構造体によれば、低コストの車両用吸音構造体を提供することができる、という優れた効果が得られる。
【0036】
第2の態様に係る車両用吸音構造体によれば、セル内で安定的して吸音作用を生じさせることができる、という優れた効果が得られる。
【0037】
第3の態様に係る車両用吸音構造体によれば、狙いの周波数の音波に対する吸音性能を高めることができる、という優れた効果が得られる。
【0038】
第4の態様に係る車両用吸音構造体によれば、狙いの周波数の音波に対する吸音性能を、より一層高めることができる、という優れた効果が得られる。
【0039】
第5の態様に係る車両用吸音構造体によれば、吸音性能を更に高めることができる、という優れた効果が得られる。
【0040】
第6の態様に係る車両用吸音構造体によれば、部品点数を増やすことなく、フロントタイヤからのノイズを吸音することができる、という優れた効果が得られる。
【0041】
第7の態様に係る車両用吸音構造体によれば、フロントタイヤからのロードノイズを吸音することができる、という優れた効果が得られる。
【0042】
第8の態様に係る車両用吸音構造体によれば、反射部を一体的に設ける場合と比較して、材料費の低減や軽量化を図ることができる、という優れた効果が得られる。
【0043】
第9の態様に係る車両用吸音構造体によれば、吸音性能を更に高めると共に、セル内に水が残留することを抑制して、吸音性能を維持することができる、という優れた効果が得られる。
【0044】
第10の態様に係る車両用吸音構造体によれば、セル内に水が残留し難くなるという優れた効果が得られる。
【0045】
第11の態様に係る車両用吸音構造体によれば、車両の加速時には車両後方へ移動するセル内の水を、外部へ効率的に排出することができる、という優れた効果が得られる。
【0046】
第12の態様に係る車両用吸音構造体によれば、セルに隣接して設けられたヘルムホルツ共鳴器により、吸音性能を更に高めることができる、という優れた効果が得られる。
【0047】
第13の態様に係る車両用吸音構造体によれば、吸音性能をより一層高めることができる、という優れた効果が得られる。
【0048】
第14の態様に係る車両用吸音構造体によれば、フロントタイヤからのノイズを、低コストで吸音することができる、という優れた効果が得られる。
【0049】
第15の態様に係る車両用吸音構造体によれば、吸音性能を更に高めると共に、セル内に水が残留することを抑制して、吸音性能を維持することができる、という優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】図1から図8は、第1実施形態に係り、図1は、車両用吸音構造体を車両前方側から見た状態を示す斜視図である。
【図2】車両用吸音構造体を車両後方側から見た状態を示す斜視図である。
【図3】車両用吸音構造体を示す拡大断面図である。
【図4】セル内での吸音作用を示す拡大断面図である。
【図5】車両用吸音構造体の変形例を示す拡大断面図である。
【図6】周波数と吸音率の関係を示す線図である。
【図7】車両用吸音構造体を用いたフロントフェンダ構造を示す斜視図である。
【図8】フロントフェンダ構造を示す断面図である。
【図9】図9及び図10は、第2実施形態に係り、図9は、車両用吸音構造体を示す拡大斜視断面図である。
【図10】周波数と吸音率の関係を示す線図である。
【図11】図11及び図12は、第3実施形態に係り、図11は、車両用吸音構造体を示す拡大断面図である。
【図12】壁部の膜共振を示す断面図である。
【図13】図13から図16は、第4実施形態に係り、図13は、車両用吸音構造体を示す拡大断面図である。
【図14】変形例に係る車両用吸音構造体を示す拡大断面図である。
【図15】変形例に係る車両用吸音構造体を示す拡大断面図である。
【図16】周波数と吸音率の関係を示す線図である。
【図17】第5実施形態に係る車両用吸音構造体を示す拡大断面図である。
【図18】図18から図20は、第6実施形態に係り、図18は、車両用吸音構造体を示す斜視断面図である。
【図19】膨張型消音器を示す模式図である。
【図20】図20から図22は、他の実施形態に係り、図2は、車両用吸音構造体が、フェンダプロテクタの前面に設けられたフロントフェンダ構造を示す断面図である。
【図21】フェンダプロテクタの前面を反射部として利用した例を示す拡大断面図である。
【図22】車両用吸音構造体の変形例を示す斜視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づき説明する。
【0052】
[第1実施形態]
図1から図4において、本実施形態に係る車両用吸音構造体10は、例えば合成樹脂の一体成形品であり、凹状のセル12と、分岐部14と、反射部16,18と、干渉部22とを有している。
【0053】
図3,図4において、セル12は、壁部26により区画され、一端に開口部24を有している。車両用吸音構造体10には、複数のセル12が、開口部24を車両前方側に向けた状態で、例えば上下左右方向に並列して設けられている。
【0054】
分岐部14は、セル12内に設けられ、開口部24から該セル12内に侵入した音波を2つに分岐させる部位であり、例えば車幅方向に延び、左右の壁部26に至っている。分岐部14の開口部24側の端部14Aは、該開口部24より内側のセル12内に位置している。換言すれば、該端部14Aは、壁部26の開口部24側の端部同士を結ぶ直線(図示せず)より内側に位置している。また該端部14Aは、反射部16,18のうち該開口部24側の反射部16よりも更に該開口部24側に位置している。
【0055】
反射部16,18は、分岐部14で分岐した一方の音波32及び他方の音波34を開口部24側に反射させると共に、該一方の音波と該他方の音波との間に、位相差を生じさせる部位である。開口部24から反射部18までの深さは、開口部24から反射部16までの深さよりも大きくなっている。
【0056】
図3,図4において、干渉部22は、セル12内に設けられ、反射部16で反射した一方の音波32と、反射部18で反射した他方の音波34とを干渉させる部位であり、分岐部14の端部14Aと開口部24との間に位置している。この干渉部22は、分岐部14の端部14Aの位置を開口部24より内側に設定することでセル12内に形成される空間である。
【0057】
なお、図5に示されるように、壁部26と同様に開口部24まで延設される壁部27に、干渉部22となる窓部27Aを設け、該窓部27Aにおけるセル12の奥側の縁部を分岐部14の端部14Aとしてもよい。
【0058】
吸音しようとする狙いの周波数の音波の波長をλとすると、図4に示されるように、開口部24から反射部16までの深さと、開口部24から反射部18までの深さとの差は、λ/4であることが望ましい。開口部24からセル12内に侵入して分岐部14で分岐した2つの音波32,34が、反射部16,18で夫々反射して、干渉部22で干渉するまでの間に、該2つの音波32,34に対して2×λ/4=λ/2(半波長)の位相差が生じることとなり、音波32,34が干渉して互いに打ち消し合うことで、吸音率が最も高くなるからである。
【0059】
なお、吸音しようとする狙いの周波数が複数存在する場合には、各周波数の音波の波長λに対応する構造のセル12を混在させることで対応可能である。
【0060】
(フロントフェンダ構造)
図7,図8において、フロントフェンダ構造Sは、フロントフェンダパネル36と、フェンダプロテクタを兼ねる車両用吸音構造体10とを有して構成されている。フェンダプロテクタとは、一般に、フロントフェンダパネル36の後部の車両内側端部36Aと車体骨格46との間の隙間48を遮蔽する部材である。このフェンダプロテクタに吸音機能を設けたものが、本実施形態に係る車両用吸音構造体10である。
【0061】
フロントフェンダパネル36は、車両前部の外側面を構成する部材である。フロントフェンダパネル36の内側には、フロントタイヤ44を囲むアーチ状のフェンダライナ52が取り付けられている。
【0062】
図8において、車体骨格46は、例えばドア56がヒンジ58を介して取り付けられる前部ピラーである。車両用吸音構造体10がフェンダプロテクタを兼ねることで、寒冷地において、水が隙間48を通ってヒンジ58に付着し凍結することを抑制できるようになっている。
【0063】
車両用吸音構造体10は、例えばクリップ(図示せず)を用いて、フロントフェンダパネル36の後部の車両内側端部36Aと車体骨格46との間の隙間48を遮蔽するように取り付けられている。この状態において、フェンダライナ52と車両用吸音構造体10との間には、隙間62が確保されている。図1,図2に示されるように、車両用吸音構造体10には、クリップ(図示せず)を取り付ける固定点42が、例えば3箇所設けられている。
【0064】
(作用)
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。図4において、本実施形態に係る車両用吸音構造体10では、セル12の開口部24から該セル12内に侵入した音波が、分岐部14で2つに分岐して音波32,34となる。なお、図面では簡単のため、2つの音波32,34が別々に描かれているが、該音波32,34は、セル12内に侵入した音波(図示せず)が分岐部14で分岐することで形成されるものである。一方の音波32は反射部16で反射し、音波34は反射部18で反射する。反射部18は、反射部16よりも深い位置にあるため、一方の音波32と他方の音波34との間に位相差が生じる。そして、一方の音波32及び他方の音波34は、干渉部22において位相差を持って干渉することで吸音作用が生じる。
【0065】
具体的には、吸音しようとする狙いの周波数の音波の波長がλであり、開口部24から反射部16までの深さと、開口部24から反射部18までの深さとの差がλ/4である場合、開口部24からセル12内に侵入して分岐部14で分岐した2つの音波32,34が、反射部16,18で夫々反射して、干渉部22で干渉するまでの間に、該2つの音波32,34に対して2×λ/4=λ/2(半波長)の位相差が生じる。
【0066】
この半波長位の相差を有する一方の音波32と他方の音波34とが、干渉部22で干渉して互いに打ち消し合うことで、図6に示されるように、狙いの周波数の音波に対する吸音率が最も高くなる。分岐部14の開口部24側の端部14Aは、該開口部24より内側のセル12内に位置すると共に、反射部16,18のうち該開口部24側の反射部16よりも更に該開口部24側に位置しており、干渉部22が、該端部14Aと開口部24との間に位置しているので、セル12に侵入した音波は、該セル12内において吸音される。これにより、セル12内で安定的して吸音作用を生じさせることができる。
【0067】
このように、本実施形態によれば、部品点数を増やすことなく、低コストの車両用吸音構造体10を提供することができる。
【0068】
図8において、フロントフェンダ構造Sでは、フェンダプロテクタを兼ねる車両用吸音構造体10が、複数のセル12の開口部24を車両前方側に向けた状態で上下方向に並列して設けられているので、吸音作用を広い領域で生じさせることができ、フロントタイヤ44からのノイズを、低コストで効率的に吸音することが可能である。
【0069】
なお、車両用吸音構造体10は、フェンダプロテクタとして用いられるものに限られず、車両の各部、例えばエンジンカバー(図示せず)、フロアアンダカバー(図示せず)、フェンダライナ52に適用することが可能である。
【0070】
[第2実施形態]
図9において、本実施形態に係る車両用吸音構造体20は、開口部24に、被覆部の一例たる膜状体66を備えている。この膜状体66は、壁部26の開口部24側の端部同士を結ぶ直線(図示せず)上に形成されている。膜状体66における分岐部14の延長上、即ち該分岐部14の延長線(図示せず)と交差する位置には、スリット64が設けられている。このスリット64は、分岐部14の端部14Aに沿う方向、即ち車幅方向に延びている。
【0071】
他の部分については、第1実施形態と同様であるので、同一の部分には図面に同一の符号を付し、説明を省略する。
【0072】
(作用)
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。音波は、セル12に対してあらゆる方向からランダムに入射され得る。第1実施形態の構造では、音波が、セル12の深さ方向に対して斜め方向に入射されると、音波の山68と谷70(波面)が該セル12内に斜め方向に侵入するため、該波面から反射部16,18までの距離の差が半波長となり難い。
【0073】
しかしながら、本実施形態に係る車両用吸音構造体20では、図9に示されるように、音波がセル12の深さ方向に対して斜め方向に入射された場合でも、該音波がスリット64を通ってセル12内に侵入する際に、回折現象によって該音波の波面72の位相が揃えられ同位相となる。これにより、分岐部14で分岐する一方の音波32と他方の音波34に、所望の位相差を正確に生じさせることができる。このため、狙いの周波数の音波に対する吸音性能を高めることができる。
【0074】
また本実施形態では、スリット64が分岐部14の端部14Aに沿う方向、即ち車幅方向に延びているので、音波が該スリット64を通ってセル12内に侵入する際に、広い範囲で該音波の位相が揃えられる。このため、図10において実線で示されるように、狙いの周波数の音波に対する吸音率を、スリットを設けない場合(破線)と比較して、より一層高めることができる。
【0075】
[第3実施形態]
図11において、本実施形態に係る車両用吸音構造体30では、セル12を区画する壁部26の根元部26Bが、該根元部26B以外の一般部26Aと比較して薄く形成されている。これにより、壁部26に膜共振が生じるようになっている。従って、車両用吸音構造体30は、セル12での吸音機能に加えて、壁部26に膜共振を生じさせることによる吸収機能を有している。
【0076】
根元部26Bとは、例えば壁部26が反射部16,18に連なる部分であり、セル12の奥側に位置する。壁部26の膜共振による吸音性能は、根元部26Bの厚さtと長さLにより制御することが可能である。具体的には、厚さtや長さLを大きくすることで、根元部26Bの剛性を低下させて、共振周波数を低く設定することができる。また厚さtや長さLを小さくすることで、根元部26Bの剛性を高めて、共振周波数を高く設定することができる。
【0077】
図12に示されるように、壁部26と壁部26の交差部には、各々の壁部26が振動し易くなるように、切込み74が設けられている。四方を切込み74により囲まれた部分には、柱状部76が形成されている。なお簡単のため、図12においては分岐部14の図示を省略している。
【0078】
他の部分については、第1実施形態と同様であるので、同一の部分には図面に同一の符号を付し、説明を省略する。
【0079】
(作用)
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。図11,図12において、本実施形態に係る車両用吸音構造体30では、セル12を区画する壁部26の根元部26Bが、該根元部26B以外の一般部26Aと比較して薄く形成されているので、セル12内に侵入した音波により、該セル12を区画する壁部26に、矢印A,B方向や矢印C,D方向の膜共振を生じさせ、該音波のエネルギーを運動エネルギーに変えて音を吸収することができる。 特に、壁部26と壁部26の交差部に切込み74を設けることで、該壁部26が振動し易くなっているので、セル12内に侵入した音波により、壁部26が効率的に膜共振することができる。このため、吸音性能を更に高めることができる。
【0080】
これに加えて、壁部26の根元部26Bの剛性を低下させることで、車両衝突時に車両用吸音構造体30が変形し易くなっている。このため、車両の衝突時における衝撃吸収性能を確保することができる。
【0081】
[第4実施形態]
図13において、本実施形態に係る車両用吸音構造体40では、セル12に隣接して、開口部24と同じ方向に開口したネック部78を有するヘルムホルツ共鳴器80が設けられている。ネック部78の奥には、空洞部82が形成されている。このヘルムホルツ共鳴器80は、ネック部78内の空気を質量とし、空洞部82内の空気をばねとする共振系である。
【0082】
このヘルムホルツ共鳴器80は、隣接する2つのセル12の間に設けられている。空洞部82は、隣接する2つのセル12を各々の反射部16が隣り合うように対称に配置し、これによって形成される該反射部16の奥のスペースを壁部38で閉じることで形成されている。この壁部38は、例えば反射部18と連なっている。
【0083】
ヘルムホルツ共鳴器80の吸音性能は、図14に示されるように、例えば空洞部82の容積を変化させたり、ネック部78の径NDを変化させたり、また図15に示されるように、空洞部82の形状を例えば台形にしたり、ネック部78の長さNLを変更したりすることで制御することが可能である。図15に示される例では、壁部38は台形の上底に対応する辺38Aと該辺38Aの両端から夫々延びる一対の斜辺38Bとから構成され、該斜辺38Bの開口部24側の端部は、分岐部14と反射部16との交差部付近に連結されている。
【0084】
他の部分については、第1実施形態と同様であるので、同一の部分には図面に同一の符号を付し、説明を省略する。
【0085】
(作用)
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。図13において、本実施形態に係る車両用吸音構造体40では、第1実施形態と同様に、セル12に侵入して分岐した一方の音波32が反射部16で反射し、他方の音波34が反射部18で反射し、干渉部22で干渉して互いに打ち消し合うことで、図16において実線LCで示されるように、吸音作用が生じる。
【0086】
加えて、本実施形態では、セル12に隣接して設けられたヘルムホルツ共鳴器80により、吸音性能を更に高めることができる。具体的には、空洞部82の底部である壁部38の位置を、図14において一点鎖線で示される位置にした場合、空洞部82の体積が大きくなるので、図16において一点鎖線L1で示されるように、低音域での吸音率を高めることができる。
【0087】
次に空洞部82の底部である壁部38の位置を、図14において破線で示される位置にした場合、空洞部82の体積が若干小さくなるので、図16において破線L2で示されるように、中音域での吸音率を高めることができる。
【0088】
そして、空洞部82の底部である壁部38の位置を、図14において二点鎖線で示される位置にした場合、空洞部82の体積が更に小さくなるので、図16において二点鎖線L3で示されるように、高音域での吸音率を高めることができる。
【0089】
[第5実施形態]
図17において、本実施形態に係る車両用吸音構造体50は、セル12に加えて、主管路84と、副管路86とを有し、主管路84及び副管路86の管長は、該主管路84と該副管路86の合流点88において、該主管路84のみを通った音波92と、該副管路86を経由した音波94との間に位相差を生じるように設定されている。
【0090】
主管路84は、セル12に隣接して設けられ、開口部24と同じ方向に開口している。副管路86は、主管路84の途中から分岐し、再び該主管路84に合流している。この副管路86は、例えば反射部16の裏側に沿い、分岐部14に連なる壁部96に沿い、反射部18に連なる壁部38に沿って形成されている。また主管路84及び副管路86を形成するために、壁部26、反射部16の裏面、壁部96及び壁部38から夫々離間した、島部98が設けられている。この島部98は、例えば中空に構成されている。
【0091】
副管路86の長さは、吸音しようとする狙いの周波数の音波の波長λに対して、λ/2(半波長)であることが望ましい。主管路84を通った音波92,94が合流点88で干渉して互いに打ち消し合うことで、吸音率が最も高くなるからである。
【0092】
他の部分については、第1実施形態と同様であるので、同一の部分には図面に同一の符号を付し、説明を省略する。
【0093】
(作用)
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。図17において、本実施形態に係る車両用吸音構造体50では、セル12による吸音作用に加えて、主管路84のみを通った音波92と、副管路86を経由した音波とが、該主管路84と副管路86の合流点88において、例えば半波長の位相差を持って干渉することで、更なる吸音作用が生じる。干渉して減衰した音波は、車両用吸音構造体50と例えば後述する別体のフェンダプロテクタ28との間に抜けて行く。本実施形態では、反射部16の裏側のスペースを利用することで、吸音性能を効率的に高めることができる。
【0094】
なお、主管路84及び副管路86の構成は、図示の例には限られない。
【0095】
[第6実施形態]
図18において、本実施形態に係る車両用吸音構造体60では、複数のセル12が、開口部24を車両前方側に向けた状態で上下方向に並列して設けられ、セル12の下側壁部の一例たる、壁部26や、分岐部14に連なる壁部96には、下側に隣接するセル12に連通する連通孔100が夫々形成されている。この連通孔100は、例えば壁部26,96の後端に夫々設けられている。セル12内に水が入っている場合、車両の加速時に該水が車両後方へ慣性移動して、連通孔100から排出されるようにするためである。反射部16の裏面側には、壁部26,96及び壁部38により区画される空洞部102が設けられている。
【0096】
なお、下側壁部の一例たる、壁部26や、分岐部14に連なる壁部96は、車両前下方に傾斜していることが望ましい。セル12内に水が残留し難くなるからである。また下側壁部に連通孔100が形成されている場合、上側壁部(例えば分岐部14)に、同様の連通孔(図示せず)が形成されていてもよい。各壁部を貫くように連通孔を形成することは、比較的容易と考えられるためである。
【0097】
車両用吸音構造体60の配置方向によっては、例えば開口部24が車両上側に位置し、反射部16,18が車両下側に位置することもある。この場合、該反射部16,18に連通孔100を形成することもできる。
【0098】
他の部分については、第1実施形態と同様であるので、同一の部分には図面に同一の符号を付し、説明を省略する。
【0099】
(作用)
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。図18において、本実施形態に係る車両用吸音構造体60では、セル12の下側壁部である壁部26,96の後端に、下側に隣接するセル12に連通する連通孔100が形成されているので、セル12による吸音機能に加えて、膨張型消音器の機能を付加することができる。具体的には、空洞部102と、該空洞部102の上下に形成されている連通孔100とが、図20に示される膨張型消音器として機能する。これにより、吸音性能を更に高めることができる。
【0100】
連通孔100に相当する小径部104の断面積をS1とし、空洞部102に相当する大径部106の断面積をS2とし、該大径部106の長さをLSとすると、透過損失TLは、式1で表される。なお、m=S2/S1、fは周波数、cは音速である。
【0101】
【数1】

【0102】
また連通孔100により、セル12内の水抜きが可能である。具体的には、セル12内に水(図示せず)が入っていても、車両の加速時に該水が車両後方へ慣性移動して、連通孔100から下側のセル12へと次々に流れ落ちて行く。これにより、セル12内の水を、外部へ効率的に排出することができる。このため、セル12内に水が残留することを抑制して、該水が凍結することによる吸音性能の低下を抑制し、吸音性能を維持することができる。なお車両の減速時には、セル12の開口部24から水が排出される。また下側壁部の一例たる、壁部26や、分岐部14に連なる壁部96が、車両前下方に傾斜していると、セル12内に水が残留し難くなる。
【0103】
(他の実施形態)
図20に示されるように、車両用吸音構造体10を、フェンダプロテクタ28と別体とし、該フェンダプロテクタ28の前面28Aに、例えばクリップ(図示せず)を用いて、セル12の開口部24を車両前方側に向けた状態で取り付けてもよい。
【0104】
フェンダプロテクタ28は、フロントフェンダパネル36の後部の車両内側端部36Aと車体骨格46との間の隙間48を遮蔽する部材であり、フロントフェンダパネル36の車両内側端部36A及び車体骨格46の車両前方側に、例えば接着剤54を用いて固着されている。
【0105】
車両用吸音構造体10が、フェンダプロテクタ28の前面28Aに、複数のセル12の開口部24を車両前方側に向けた状態で上下方向に並列して設けられているので、吸音作用を広い領域で生じさせることができ、フロントタイヤ44からのノイズを、低コストで効率的に吸音することが可能である。
【0106】
また図18に示される例では、車両用吸音構造体60の後部がセル12の壁部26と一体の壁部38で閉塞されているが、これに限られず、図21に示される変形例のように、セル12の後端側を開口状態としておき、該後端側を他の部材で閉塞するようにし、該他の部材を反射部18として用いてもよい。他の部材は、例えばフェンダプロテクタ28である。
【0107】
この例では、反射部18としてフェンダプロテクタ28の前面28Aを利用するので、該反射部18をセル12の壁部26と一体的に設ける場合と比較して、車両用吸音構造体10についての材料費の低減や軽量化を図ることができる。また、図22に示されるように、壁部26,96の後端に切欠きを設けておき、該後端を他の部材(フェンダプロテクタ28)で閉塞することで、連通孔100を容易に形成することができる。従って、車両用吸音構造体60の成形性が良好となる。
【符号の説明】
【0108】
10 車両用吸音構造体
12 セル
14A 端部
14 分岐部
16 反射部
18 反射部
20 車両用吸音構造体
22 干渉部
24 開口部
26 壁部(下側壁部)
26A 一般部
26B 根元部
28 フェンダプロテクタ
28A 前面
30 車両用吸音構造体
32 一方の音波
34 他方の音波
36 フロントフェンダパネル
36A 車両内側端部
40 車両用吸音構造体
46 車体骨格
48 隙間
50 車両用吸音構造体
60 車両用吸音構造体
64 スリット
66 膜状体(被覆部)
80 ヘルムホルツ共鳴器
84 主管路
86 副管路
88 合流点
92 主管路のみを通った音波
94 副管路を経由した音波
96 壁部(下側壁部)
100 連通孔
S フロントフェンダ構造

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端に開口部を有する凹状のセルと、
該セル内に設けられ、前記開口部から該セル内に侵入した音波を2つに分岐させる分岐部と、
該分岐部で分岐した一方の音波及び他方の音波を前記開口部側に反射させると共に、該一方の音波と該他方の音波との間に、位相差を生じさせる反射部と、
前記セル内に設けられ、前記反射部で反射した前記一方の音波と前記他方の音波とを干渉させる干渉部と、
を有する車両用吸音構造体。
【請求項2】
前記分岐部の前記開口部側の端部は、該開口部より内側の前記セル内に位置すると共に、前記反射部のうち該開口部側の反射部よりも更に該開口部側に位置しており、
前記干渉部は、該端部と前記開口部との間に位置している請求項1に記載の車両用吸音構造体。
【請求項3】
前記開口部を覆う被覆部を備え、
該被覆部における前記分岐部の延長上にスリットが設けられている請求項1又は請求項2に記載の車両用吸音構造体。
【請求項4】
前記スリットは、前記分岐部の前記端部に沿う方向に延びている請求項3に記載の車両用吸音構造体。
【請求項5】
前記セルを区画する壁部の根元部は、該根元部以外の一般部と比較して薄く形成されている請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の車両用吸音構造体。
【請求項6】
フロントフェンダパネルの後部の車両内側端部と車体骨格との間の隙間を遮蔽するフェンダプロテクタを兼ねており、
前記開口部が車両前方側に形成されている請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の車両用吸音構造体。
【請求項7】
フロントフェンダパネルの後部の車両内側端部と車体骨格との間の隙間を遮蔽するフェンダプロテクタの前面に設けられる請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の車両用吸音構造体。
【請求項8】
前記フェンダプロテクタと組み合わせて構成され、該フェンダプロテクタの前記前面を前記反射部として利用する請求項6又は請求項7に記載の車両用吸音構造体。
【請求項9】
複数の前記セルが、前記開口部を車両前方側に向けた状態で上下方向に並列して設けられ、
前記セルの下側壁部には、下側に隣接する前記セルに連通する連通孔が形成されている請求項6〜請求項8の何れか1項に記載の車両用吸音構造体。
【請求項10】
前記下側壁部は、車両前下方に傾斜している請求項9に記載の車両用吸音構造体。
【請求項11】
前記連通孔は、前記下側壁部の後端に設けられている請求項9又は請求項10に記載の車両用吸音構造体。
【請求項12】
前記セルに隣接して、前記開口部と同じ方向に開口したネック部を有するヘルムホルツ共鳴器が設けられている請求項1〜請求項11の何れか1項に記載の車両用吸音構造体。
【請求項13】
前記セルに隣接して設けられ、前記開口部と同じ方向に開口した主管路と、
該主管路の途中から分岐し、再び該主管路に合流する副管路と、を有し、
前記主管路及び前記副管路の管長は、該主管路と該副管路の合流点において、該主管路のみを通った音波と、該副管路を経由した音波との間に位相差を生じるように設定されている請求項1〜請求項11の何れか1項に記載の車両用吸音構造体。
【請求項14】
フロントフェンダパネルと、
該フロントフェンダパネルの後部の車両内側端部と車体骨格との間の隙間を遮蔽するフェンダプロテクタと、
該フェンダプロテクタの前面に、前記開口部を車両前方側に向けた状態で取り付けられる請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の車両用吸音構造体と、
を有するフロントフェンダ構造。
【請求項15】
複数の前記セルが上下方向に並列して設けられ、
前記セルの下側壁部には、下側に隣接する前記セルに連通する連通孔が形成されている請求項14に記載のフロントフェンダ構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2012−166659(P2012−166659A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−28522(P2011−28522)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】