説明

車両用成形品

【課題】 車体に取り付けたときに意匠面に影響が出にくい車両用成形品を提供する。
【解決手段】 成形品本体2の裏面4から突設されて互いに対向した第1および第2の側壁部21、22と、成形品本体2の裏面4から離間して第1の側壁部21の頂部および第2の側壁部22の頂部を連結してなる抜止部23とを有する固定部材保持部5が設けられ、固定部材保持部5に保持された固定部材30と締付部材14との締結により車体に取り付けられる車両用成形品1において、固定部材30の軸部32がスライド穴27に挿通され、固定部材30の頭部31が抜止部23と成形品本体2の裏面4との間の収容空間24に収容されたときに、第1の側壁部21の内面と第2の側壁部22の内面との間の位置において固定部材30の頭部31の周面に当接して該固定部材30の回転を規制する回転規制リブ28Aを固定部材保持部5に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モールディングなどの車両用成形品に関し、特に、車体に取り付けたときに外表面となる意匠面を有し、この意匠面とは反対側の面を形成する裏面に形成された固定部材保持部に固定部材(ボルト等)の頭部を挿入配置し、該頭部に植立された軸部に締付部材(ナット等)を組みつけることにより、車体に取り付け可能となっている車両用成形品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、モールディングなどの車両用成形品としては、裏面にボルトの頭部を装着して収容する概略四角箱状のボルト保持部を設け、このボルト保持部内にボルトの頭部を装着するとともに、該ボルトの軸部にナットを締結することにより、車体に取り付けるようにしたものが多く用いられている。
前記ボルトとしては、矩形状の頭部を有するものが一般的である。このため、ボルトの頭部をボルト保持部に挿入し、ボルトの軸部にナットを締結したとき、ボルトの頭部の周面がボルト保持部の側壁部の内面に当接することにより、前記頭部がボルト保持部内で回転しにくくなっている。
また、ボルトのボルト保持部内での空回りを防止するため、該ボルト保持部の側壁を挟持可能な規制部と、ボルトの軸部が挿通される挿通穴とを有するブラケットを用いた取付構造も知られている(特許文献1参照)。
また、ボルトの頭部の二隅を斜めに切除し、締結のためボルトを回転させたときに切除した斜辺部で側壁部の内面に当接するようにした取付構造も知られている(特許文献2参照)。
【特許文献1】実開平6−071913号公報
【特許文献2】特開2004−132432号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、モールディングなどの車両用成形品(以下、単にモールディングということもある)は表面に美観を呈するための意匠面を有することが多い。この意匠面としては、例えば金属のメッキなどにより光輝化処理されたものが用いられている。
例えばメッキ処理の場合、モールディングをメッキ液中にくぐらせて、該モールディングの表面に意匠面を形成するが、この際、モールディングの裏面にもメッキ液が付着してメッキ層が形成される。メッキ層の厚さは、表面側の意匠性を重視して調整されるので、裏面におけるメッキ厚の精度は低くなり、寸法変動が大きくなることがある。
このメッキ厚の変動に対応するため、ボルト保持部の寸法は、ボルトの頭部との間に隙間が得られるように、若干大きめにされている。しかし、ねじ締めの際にボルトの頭部がボルト保持部内で回転し、ボルト頭部の角部がボルト保持部の側壁部同士の間隔を押し広げる(これを「口開き」ということがある。)結果、モールディングに内側から歪みが掛かって変形させることがある。このとき、モールディング表面の意匠面にわずかな凹凸や変形が生じて反射光の方向が変化することにより、意匠面の光輝に若干の乱れが生じ、意匠性を損ねるおそれがあり、問題となっている。
【0004】
特許文献1に記載されているように、ボルトの軸部にブラケットを装着し、該ブラケットの規制部でボルト保持部を挟持する取付構造では、ブラケットを製造するための製造コストの増大とともに、ボルト保持部の側壁部表面のメッキ厚の変動に対応することが困難であり、メッキ厚が厚くなった場合にブラケットをボルト保持部に装着できなくなるおそれがある。このため、メッキなどの意匠面を有する車両用成形品には適用が困難であり、上記問題を解決するものではない。
【0005】
特許文献2に記載されているように、ボルトの頭部の二隅を斜めに切除して斜辺を形成した取付構造の場合、ボルトの頭部の周面がボルト保持部の側壁部の内面に対して斜辺で当接するので、頭部の隅を切除しない場合に頭部の隅の角部で当接するときに比べて、側壁部に掛かる歪みを小さくし、意匠面の実質的な歪みを消失させることができるとはいえ、この構造であってもボルトの頭部の周面がボルト保持部の側壁部の内面に当接したときにボルト保持部の側壁部同士の間隔を押し広げる方向に力が掛かるので、ボルトおよびナットを必要以上に強い取付力に締結したり、ボルトおよびナットの締結に要する締結力が比較的強い場合には、意匠面に歪みが出る可能性がある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、車体に取り付けたときに意匠面の意匠性に影響が出にくい車両用成形品を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明は、車体に取り付けたときに外表面となる意匠面および該意匠面とは反対側の面を形成する裏面を有する成形品本体と、前記成形品本体の裏面に形成された固定部材保持部と、前記固定部材保持部に挿入配置される頭部および該頭部に植立された軸部を有する固定部材と、前記固定部材の軸部に組みつけられる締付部材とを備えてなる車両用成形品であって、前記固定部材保持部は、前記成形品本体の裏面から突設されて互いに対向した第1および第2の側壁部と、前記成形品本体の裏面から離間して前記第1の側壁部の頂部および第2の側壁部の頂部を連結してなる抜止部とを備え、前記抜止部と前記成形品本体の裏面との間には前記固定部材の頭部を収容する収容空間が確保されているとともに、前記抜止部には前記固定部材の軸部が挿通されるスライド穴が設けられており、前記固定部材保持部は、前記固定部材の軸部が前記スライド穴に挿通され、前記固定部材の頭部が前記収容空間に収容されたときに、前記第1の側壁部の内面と前記第2の側壁部の内面との間の位置において前記固定部材の頭部の周面に当接して該固定部材の回転を規制する回転規制リブを有することを特徴とする車両用成形品を提供する。
本発明の車両用成形品において、前記回転規制リブは、前記第1および第2の側壁部と実質的に平行な方向に延在することが好ましい。
また、前記回転規制リブは、前記固定部材の頭部の周面が当接したときに当該周面と実質的に直交する方向に延在することが好ましい。
また、前記回転規制リブは、前記成形品本体の裏面との間に隙間を確保しつつ、前記抜止部から垂下されてなることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、固定部材を取り付ける際に、回転規制リブが固定部材の頭部の周面に当接する結果、固定部材の頭部の周面が固定部材保持部の両側壁部の内面に当接することがなく、固定部材にかかる取付力を回転規制リブが受けるようになる。従って、側壁部同士の間隔を押し広げる「口開き」を防止し、意匠面にかかる歪みを極めて小さくすることができる。この結果、車両用成形品の歪みによる意匠面の光輝などの乱れが実質的に消失し、優れた美観が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、最良の形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。
以下、実施の形態に基づいて、本発明を詳しく説明する。本発明を適用することができる車両用成形品としては、例えば、外装用のフードモールディング等、内装用のピラー用ガーニッシュ等が挙げられるが、ここでは、一実施の形態として、フードモールディングの一例を図面を参照しながら説明する。
【0010】
図1は、本発明の車両用成形品の一例であるフードモールディングを車両の車体に取り付けた状態を示す概略斜視図である。図2(a)は、図1に示すフードモールディングの裏面図である。図2(b)は、図2(a)のIIb−IIb線に沿う断面図である。図3(a)は、固定部材および締付部材の一例を示す斜視図であり、図3(b)は、固定部材の他の例であって、ワッシャーが取り外し可能なものを示す斜視図である。
図1に示す車両の車体10において、フード11の外面を構成するフードパネルアウター12の前縁部には、長尺のフードモールディング1が取り付けられている。
【0011】
図2(a)に示すように、フードモールディング1は、プラスチックなどの成形品であり、全体がフードパネルアウター12の前縁部に沿って湾曲するように成形された成形品本体2(以下、モールディング本体ということがある)と、このモールディング本体2の裏面4に形成された固定部材保持部5とを備えている。また、図2(b)に示すように、モールディング本体2の外表面には、メッキなどにより意匠性を高めた意匠面3が形成されている。
【0012】
図2(a)において、符号6は、クリップ係止部であり、本形態例では、車幅方向中央付近の左側(図2(a)の左側)に形成されている。このクリップ係止部6にクリップ(図示略)を係止し、このクリップをフードパネルアウター12(図1参照)の前縁部と係合することにより、フードモールディング1をフードパネルアウター12に対して仮止めすることができる。
【0013】
図6(b)に示すように、フードモールディング1は、モールディング本体2側の固定部材保持部5に保持させた固定部材30の軸部32を車体10(図1参照)側のフードパネルアウター12の前縁部に穿設された取付穴13に挿通し、前記軸部32に締付部材14を締め付けることにより、フード11の前端部に取り付け固定される。
モールディング本体2は、意匠面3がフードパネルアウター12の上面と面一になるように取り付けられており、これによりフード11の前端部が一体感のあるデザインとなるように形成されている。
【0014】
図3(a)に示すように、本形態例における固定部材30はボルトであり、矩形状の頭部31と、この頭部31に植立された軸部32とを有している。図5に示すように、この例では固定部材30の頭部31は長方形状であるが、本発明では正方形状の頭部を有する固定部材を採用することも可能である。
固定部材30の軸部32は、雄ねじを有するねじ部32aと、頭部31の座面31bに接して軸部32の根元部に設けられた段状のつば部32bと、ねじ部32aおよびつば部32bの間に一体的に形成されたワッシャー33とを有する。
ねじ部32aは、ここでは右ねじであり、ここに締付部材14であるナットが時計回りに回転しながらねじ部32aに締め付けられるようになっている。
なお、図3(b)に示すように、固定部材30の軸部32は、雄ねじを有するねじ部32aと、頭部31の座面31bに接して軸部32の根元部に設けられた段状のつば部32bとを有し、ねじ部32aには別体のワッシャー33(図示略)を取り外し可能に装着するものを用いることも可能である。
【0015】
固定部材保持部5としては、固定部材30を挿入するための挿入口25が右側に開口しているもの5Lと、挿入口25が左側に開口しているもの5Rとがある(図2(a)参照)。これらは同様の構成を備えており、形状が180°回転させることにより同一となるので、以下、左側の固定部材保持部5Lについて、図4〜図6を参照しながら説明する。
【0016】
図4は、フードモールディングの固定部材保持部の第1例を示す斜視図である。図5は、固定部材保持部の第1例に固定部材を取り付けた状態を示す裏面図である。ただし、図を分かりやすくするため、図5においてワッシャー33の図示を省略してある。図6(a)は、図5のVIa−VIa線に沿う断面図である。図6(b)は、図5のVIb−VIb線に沿う断面図である。
図6(b)に示すように、ワッシャー33とフードパネルアウター12との間には、ゴムや樹脂などからなる環状のスペーサ7が設けられている。このスペーサ7により、ワッシャー33とフードパネルアウター12とが離隔され、異種金属の接触による錆の発生が防止される。また、車両10のエンジンルームの点検等を行うため、フード11(図1参照)を上下に開閉したとき、スペーサ7がフードモールディング1の振動を緩衝する緩衝材となり、ガタツキ音を抑制する効果もある。
図4および図6に示すように、固定部材保持部5は、モールディング本体2の意匠面3と反対側の裏面4に、モールディング本体2と一体に成形されている。
【0017】
図4に示すように、固定部材保持部5Lは、モールディング本体2の裏面4から突設され、互いに対向して設けられた第1および第2の側壁部21、22と、モールディング本体2の裏面4から離間した抜止部23とを備える。第1の側壁部21と、第2の側壁部22と、抜止部23と、モールディング本体2の裏面4とによって囲まれてなる固定部材保持部5Lの内部空間は、固定部材30の頭部31を収容する収容空間24となっている。
図6(a)、(b)に示すように、収容空間24において、抜止部23とモールディング本体2の裏面4との間は、固定部材30の頭部31が収容空間24に収容されたとき、該頭部31の頂面31aとモールディング本体2の裏面4との間に隙間が確保されるだけ開いている。
【0018】
図5に示すように、第1の側壁部21と第2の側壁部22とは、実質的に平行であり、成形の際に両側壁部21、22の間に収容空間24を形成するための金型を抜くため、若干の抜け勾配(約3°)が設定されている。ここで、抜け勾配は、収容空間24を形成するための金型が挿入口25側の開口(図中右側)に抜けるように設けられる。
両側壁部21、22の延在方向(図5の左右方向)は、モールディング本体2の長手方向(図2(a)の左右方向)と実質的に平行(同じ方向)であり、モールディングの成形時に固定部材保持部を形成する樹脂が流れ込みやすくなっており、ヒケを防止できる。
【0019】
図6(a)、(b)に示すように、両側壁部21、22の根元部21c、22cは厚みが若干薄くなっている。このように側壁部21、22とモールディング本体2の裏面4とを連結する断面積を小さくすることにより、フードモールディング1の成形時に固定部材保持部5がヒケて熱収縮したとしても、その影響がモールディング本体2側に伝達しにくくなり、意匠面3の歪みを抑制することができる。
【0020】
固定部材保持部5Lは、図2に示すようにモールディング本体2の中心線2a側(図5では右側)に開放されており、ここが固定部材30の頭部31を収容空間24に収納するための挿入口25となっている。また、この挿入口25と反対側(図5の左側)は穴26(以下、この穴26を「後端穴」と呼ぶことがある。)が開いている。このように、固定部材保持部5とモールディング本体2の裏面4との連結領域を小さくすることにより、フードモールディング1の成形時に固定部材保持部5がヒケて熱収縮したとしても、その影響がモールディング本体2側に伝達しにくくなり、意匠面3の歪みを抑制することができる。また、固定部材保持部5Lの内部空間24がモールディング本体2の長手方向に対向する挿入口25と後端穴26とによって貫通する構造になっているため、フードモールディング1のメッキ時にメッキ液が挿入口25や後端穴26を通って抜けやすくなっている。
【0021】
図4、図6(a)に示すように、抜止部23は、第1の側壁部21の頂部21aと第2の側壁部22の頂部22aとを連結している。このように両側壁部21、22が連結されることにより、締付部材14の締付時に固定部材30の頭部31が回転して該頭部31により両側壁部21、22が離隔する方向に当接力が加わっても、両側壁部21、22が離間して変形することが抑制される。
【0022】
図4、図5に示すように、抜止部23には、挿入口25側から固定部材30の軸部32が挿通される切欠状のスライド穴27が設けられている。このスライド穴27の端縁27aには、該スライド穴27を挟んで向かい合うように、弾性変形可能な突部27b、27bおよび突出部27c、27cが突出形成されている。
図5、図6(b)に示すように、固定部材30の軸部32(詳しくはつば部32b)を固定部材保持部5のスライド穴27に装着すると、固定部材30の頭部31がモールディング本体2の裏面4と抜止部23との間の収容空間24に収容されるとともに、突部27bおよび突出部27cが弾性変形して軸部32を受け入れ、さらに突部27b、27bおよび突出部27c、27cの弾性力により、固定部材30を挟持することができる。
スライド穴27は、その端縁27aが固定部材30の軸部32に対して若干の隙間をもつように設計されており、フードモールディング1の加工時に膨張または収縮しても、スライド穴27に固定部材30の軸部32を確実に挿入できるようになっている。
また、固定部材30にワッシャー33が一体に形成されている場合には、収容空間24に頭部31を容易に保持することができ、固定部材30の軸方向へのガタツキや抜けを防止することができる。
【0023】
さらに、図4〜図6に示すように、固定部材保持部5Lは、固定部材30の軸部32がスライド穴27に挿通され、固定部材30の頭部31が前記収容空間24に収容されたときに、第1の側壁部21の内面21bと第2の側壁部22の内面22bとの間の位置において固定部材30の頭部31の周面31cに当接して該固定部材30の回転を規制する回転規制リブ28Aを有する。
図6(a)に示すように、回転規制リブ28Aの根元部28aは厚みが若干薄くなっている。このように回転規制リブ28Aとモールディング本体2の裏面4とを連結する断面積を小さくすることにより、フードモールディング1の成形時に固定部材保持部5がヒケて熱収縮したとしても、その影響がモールディング本体2側に伝達しにくくなり、意匠面3の歪みを抑制することができる。
【0024】
図4、図5に示すように、固定部材30の頭部31が締付部材14の締付方向(実施例では時計回り)に回転したとき、固定部材30の頭部31の周面31cは回転規制リブ28Aに当接する。この結果、固定部材30の頭部31の周面31cが固定部材保持部5の両側壁部21、22の内面21b、22bへ当接することが回避される。また、固定部材30の頭部31の周面31cが回転規制リブ28Aに当接して該回転規制リブ28Aを押圧する方向(図5中、左向き)が両側壁部21、22と実質的に平行になる。
これにより、側壁部21、22同士の間隔を押し広げる「口開き」が防止されるとともに、固定部材30を回転させる取付力に対して両側壁部21、22が歪みにくくなる結果、従来例の固定部材頭部が両側壁部に当接する場合に比べて、モールディング本体2の意匠面3にかかる歪みを極めて小さくすることができる。この結果、モールディング本体2の変形を抑制し、意匠面3の光輝や光線などの乱れによる美観の悪化を防止することができる。
【0025】
また、第1例の回転規制リブ28Aの場合、図6(a)に示すようにモールディング本体2の裏面4と固定部材保持部5Lの抜止部23との間を橋絡している。
また、図5に示すように、回転規制リブ28Aは、第1および第2の側壁部21、22の延在方向と実質的に平行な方向(図5に示す長さLの方向)に延在する壁状のリブとなっているので、モールディングの成形時に回転規制リブ28Aを形成する樹脂が流れ込みやすくなっており、ヒケを防止できる。
なお、回転規制リブ28Aの厚みTは、両側壁部21、22の厚みt、tと同程度であり、回転規制リブ28Aの長さLは、回転規制リブ28Aの厚みTよりも大きく設定されている。
【0026】
このように、回転規制リブ28Aは、固定部材30の頭部31が回転規制リブ28Aに当接したときに、該頭部31の回転規制リブ28Aに当接した周面31c(図5において軸部32の左側に位置する面)と実質的に直交する方向に延在しているので、従来例の固定部材頭部が両側壁部に当接する場合に比べて、取付時に発生する固定部材30の回転力(取付力)に対する耐久性が向上し、モールディング本体2に加わる歪みを一層小さくし、モールディング本体2の歪みによる意匠面3の光輝などの乱れが実質的に消失し、極めて優れた美観が得られる。
なお、本形態例においては、固定部材30の頭部31の周面31cのうち回転規制リブ28Aに当接した面は、矩形状の頭部31の長辺となる面であるが、本発明は特にこれに限定されるものではなく、矩形状の頭部31の短辺となる面で回転規制リブに当接するように設計することも可能である。
【0027】
なお、固定部材30のねじ部32aが右ねじ(取付時の回転方向が時計回り)である場合、上述したようにモールディング本体2の左側の固定部材保持部5L(図2参照)については、モールディング本体2を裏面4側から見て、両側壁部21、22を上および下に配置したとき、図5に示すように、挿入口25を右側に配置して、回転規制リブ28Aを左側の固定部材保持部5Lの左下の隅に配置したが、モールディング本体2の右側の固定部材保持部5R(図2参照)については、挿入口25を左側として、回転規制リブ28Aを固定部材保持部5Rの右上の隅に配置することにより、本形態例の左側の固定部材保持部5Lと同等の作用効果を得ることができる。
【0028】
次に、本発明のモールディングの改変例の一として、モールディング本体の裏面と回転規制リブとの間に隙間を設けてなる固定部材保持部(第2例)について説明する。
図7は、本発明のモールディングに係る固定部材保持部の第2例を示す斜視図である。図8は、第2例の固定部材保持部に固定部材を取り付けた状態を示す裏面図である。ただし、図を分かりやすくするため、図8においてワッシャー33の図示を省略してある。図9(a)は、図8のIXa−IXa線に沿う断面図である。図9(b)は、図8のIXb−IXb線に沿う断面図である。
本改変例のフードモールディングは、回転規制リブの構成を除き、図2に示す第1形態例のフードモールディング1と同様の構成を有するので、ここでは重複する説明を省略することがある。
【0029】
本改変例において固定部材保持部5Lは、図7に示すように、モールディング本体2の裏面4から突設され、互いに対向して設けられた第1および第2の側壁部21、22と、モールディング本体2の裏面4から離間して第1の側壁部21の頂部21aと第2の側壁部22の頂部22aとを連結する抜止部23とを備える。第1の側壁部21と、第2の側壁部22と、抜止部23と、モールディング本体2の裏面4とによって囲まれてなる固定部材保持部5Lの内部空間は、固定部材30の頭部31を収容する収容空間24となっている。
図9(a)、(b)に示すように、収容空間24において、抜止部23とモールディング本体2の裏面4との間は、固定部材30の頭部31が収容空間24に収容されたとき、該頭部31の頂面31aとモールディング本体2の裏面4との間に隙間が確保されるだけ開いている。
【0030】
図8に示すように、第1の側壁部21と第2の側壁部22とは、実質的に平行であり、成形の際に両側壁部21、22の間に収容空間24を形成するための金型を抜くため、若干の抜け勾配(約3°)が設定されている。ここで、抜け勾配は、収容空間24を形成するための金型が挿入口25側の開口(図中右側)に抜けるように設けられる。
また、抜止部23には、挿入口25側から固定部材30の軸部32が挿通される切欠状のスライド穴27が設けられている。このスライド穴27の端縁27aには、該スライド穴27を挟んで対向するように、弾性変形可能な突部27b、27bおよび突出部27c、27cが突出して形成されており、これら突部27b、27bおよび突出部27c、27cの間に固定部材30の軸部32を挟持することができる。
【0031】
図7〜図9に示すように、固定部材保持部5Lは、固定部材30の軸部32がスライド穴27に挿通され、固定部材30の頭部31が前記収容空間24に収容されたときに、第1の側壁部21の内面21bと第2の側壁部22の内面22bとの間の位置において固定部材30の頭部31の周面31cに当接して該固定部材30の回転を規制する回転規制リブ28Bを有する。第2例の回転規制リブ28Bは、抜止部23の挿入口25とは反対側の位置(後端穴26側の位置)に形成されている。
また、固定部材30にワッシャー33が一体に形成されている場合には、収容空間24に頭部31を容易に保持することができ、固定部材30の軸方向へのガタツキや抜けを防止することができるとともに、確実に頭部31と回転規制リブ28Bとを当接させることができる。
【0032】
図7、図8に示すように、固定部材30の頭部31が締付部材14の締付方向(実施例では時計回り)に回転したとき、固定部材30の頭部31の周面31cは回転規制リブ28Bに当接する。この結果、固定部材30の頭部31の周面31cが固定部材保持部5の両側壁部21、22の内面21b、22bへ当接することが回避される。また、固定部材30の頭部31の周面31cが回転規制リブ28Bに当接して該回転規制リブ28Bを押圧する方向(図8中、左向き)が両側壁部21、22と実質的に平行になる。
これにより、側壁部21、22同士の間隔を押し広げる「口開き」が防止されるとともに、固定部材30を回転させる取付力に対して両側壁部21、22が歪みにくくなる結果、従来例の固定部材頭部が両側壁部に当接する場合に比べて、モールディング本体2の意匠面3にかかる歪みを極めて小さくすることができる。この結果、モールディング本体2の変形を抑制し、意匠面3の光輝や光線などの乱れによる美観の悪化を防止することができる。
【0033】
第2例の回転規制リブ28Bは、図9(a)に示すようにモールディング本体2の裏面4との間に隙間26aを確保しつつ、挿入口25とは反対側の穴26に抜止部23から前記裏面4側へ垂下されてなる直方体状の凸部である。
図8に示すように、回転規制リブ28Bの厚みTおよび長さLは、両側壁部21、22の厚みt、tよりも大きく設定されている。ここで、回転規制リブ28Bの厚みTは、両側壁部21、22の厚みt、tの方向と同じ方向になる寸法であり、回転規制リブ28Bの長さLは、両側壁部21、22の延在方向(図8の左右方向)と同じ方向になる寸法である。
回転規制リブ28Bは両側壁部のうちの一方である第2の側壁部22と、抜止部23とが交差する内隅部に設けられているので、フードモールディング1の成形時に、回転規制リブ28Bを形成した影響がモールディング本体2側に伝達することがなく、意匠面3のヒケを防止できる。
【0034】
さらに、回転規制リブ28Bは、固定部材30の頭部31が回転規制リブ28Bに当接したときに、該頭部31の回転規制リブ28Bに当接した周面31c(図8において軸部32の左側に位置する面)と実質的に直交する方向の長さ寸法Lが両側壁部21、22の厚みt、tよりも大きく設定されているので、従来例の固定部材頭部が両側壁部に当接する場合に比べて、取付時に発生する固定部材30の回転力(取付力)に対する耐久性が向上し、モールディング本体2に加わる歪みを一層小さくし、モールディング本体2の歪みによる意匠面3の光輝などの乱れが実質的に消失し、極めて優れた美観が得られる。
なお、本形態例においては、固定部材30の頭部31の周面31cのうち回転規制リブ28Bに当接した側の周面31cは、矩形状の頭部31の長辺となる面であるが、本発明は特にこれに限定されるものではなく、矩形状の頭部31の短辺となる面で回転規制リブに当接するように設計することも可能である。
【0035】
なお、固定部材30のねじ部32aが右ねじ(取付時の回転方向が時計回り)である場合、上述したようにモールディング本体2の左側の固定部材保持部5L(図2参照)については、モールディング本体2を裏面4側から見て、両側壁部21、22を上および下に配置したとき、図8に示すように、挿入口25を右側に配置して、回転規制リブ28Bを左側の固定部材保持部5Lの左下の隅に配置したが、モールディング本体2の右側の固定部材保持部5R(図2参照)については、挿入口25を左側として、回転規制リブ28Bを固定部材保持部5Rの右上の隅に配置することにより、本形態例の左側の固定部材保持部5Lと同等の作用効果を得ることができる。
【0036】
次に、本発明のモールディングの他の改変例として、回転規制リブを挿入口の側に設けてなる固定部材保持部(第3例)について説明する。
図10は、本発明のモールディングに係る固定部材保持部の第3例を示す斜視図である。図11は、第3例の固定部材保持部に固定部材を取り付けた状態を示す裏面図である。ただし、図を分かりやすくするため、図11においてワッシャー33の図示を省略してある。図12(a)は、図11のXIIa−XIIa線に沿う断面図である。図12(b)は、図11のXIIb−XIIb線に沿う断面図である。
本改変例のフードモールディングは、回転規制リブの構成を除き、図2に示す第1形態例のフードモールディング1と同様の構成を有するので、ここでは重複する説明を省略することがある。
【0037】
本改変例において、固定部材保持部5Lは、図10に示すように、モールディング本体2の裏面4から突設され、互いに対向して設けられた第1および第2の側壁部21、22と、モールディング本体2の裏面4から離間して第1の側壁部21の頂部21aと第2の側壁部22の頂部22aとを連結する抜止部23とを備える。第1の側壁部21と、第2の側壁部22と、抜止部23と、モールディング本体2の裏面4とによって囲まれてなる固定部材保持部5Lの内部空間は、固定部材30の頭部31を収容する収容空間24となっている。
図12(a)、(b)に示すように、収容空間24において、抜止部23とモールディング本体2の裏面4との間は、固定部材30の頭部31が収容空間24に収容されたとき、該頭部31の頂面31aとモールディング本体2の裏面4との間に隙間が確保されるだけ開いている。
【0038】
図11に示すように、第1の側壁部21と第2の側壁部22とは、実質的に平行であり、成形の際に両側壁部21、22の間に収容空間24を形成するための金型を抜くため、若干の抜け勾配(約3°)が設定されている。ただし、本改変例においては、収容空間24を形成するための金型は挿入口25側の開口(図中右側)には抜けないため、後端穴26(図中左側)に抜けるように抜け勾配を設けている。
また、抜止部23には、挿入口25側から固定部材30の軸部32が挿通される切欠状のスライド穴27が設けられている。このスライド穴27の端縁27aには、該スライド穴27を挟んで対向するように、弾性変形可能な突部27b、27bおよび突出部27c、27cが突出して形成されており、これら突部27b、27bおよび突出部27c、27cの間に固定部材30の軸部32を挟持することができる。
【0039】
図10〜図11に示すように、固定部材保持部5Lは、固定部材30の軸部32がスライド穴27に挿通され、固定部材30の頭部31が前記収容空間24に収容されたときに、第1の側壁部21の内面21bと第2の側壁部22の内面22bとの間の位置において固定部材30の頭部31の周面31cに当接して該固定部材30の回転を規制する回転規制リブ28Cを有する。第3例の回転規制リブ28Cは、抜止部23の挿入口25寄りの位置に形成されている。
なお、この第3例においては、固定部材30の頭部31は長方形状であり、固定部材30をスライド穴27に挿入するときには、図11の二点鎖線30A、30Bで示すように、頭部31の短辺側を先頭とする向きになる。そして、遅くとも固定部材30に締付部材14を装着して締付を行うことによって頭部31が約90°回転し、矩形状の頭部31の長辺となる面で回転規制リブ28Cに当接する。
【0040】
図10、図11に示すように、固定部材30の頭部31が締付部材14の締付方向(実施例では時計回り)に回転したとき、固定部材30の頭部31の周面31cは回転規制リブ28Cに当接する。この結果、固定部材30の頭部31の周面31cが固定部材保持部5の両側壁部21、22の内面21b、22bへ当接することが回避される。また、固定部材30の頭部31の周面31cが回転規制リブ28Cに当接して該回転規制リブ28Cを押圧する方向(図11中、左向き)が両側壁部21、22と実質的に平行になる。
これにより、側壁部21、22同士の間隔を押し広げる「口開き」が防止されるとともに、固定部材30を回転させる取付力に対して両側壁部21、22が歪みにくくなる結果、従来例の固定部材頭部が両側壁部に当接する場合に比べて、モールディング本体2の意匠面3にかかる歪みを極めて小さくすることができる。この結果、モールディング本体2の変形を抑制し、意匠面3の光輝や光線などの乱れによる美観の悪化を防止することができる。
【0041】
さらに、第3例の回転規制リブ28Cの場合、図12(a)に示すようにモールディング本体2の裏面4と固定部材保持部5Lの抜止部23との間を橋絡し、図11に示すように、第1および第2の側壁部21、22の延在方向と実質的に平行な方向(図11に示す長さLの方向)に延在する壁状のリブとなっている。
図12(a)、(b)に示すように、回転規制リブ28Cの根元部28aは厚みが若干薄くなっている。このように回転規制リブ28Cとモールディング本体2の裏面4とを連結する断面積を小さくすることにより、フードモールディング1の成形時に固定部材保持部5がヒケて熱収縮したとしても、その影響がモールディング本体2側に伝達しにくくなり、意匠面3の歪みを抑制することができる。
また、回転規制リブ28Cの延在方向が両側壁部21、22の延在方向と実質的に平行(同じ方向)なので、モールディングの成形時に回転規制リブ28Cを形成する樹脂が流れ込みやすくなっており、ヒケを防止できる。
図11に示すように、回転規制リブ28Cの厚みTは、両側壁部21、22の厚みt、tと同程度であり、回転規制リブ28Cの長さLは、回転規制リブ28Cの厚みTよりも大きく設定されている。
【0042】
このように、回転規制リブ28Cは、固定部材30の頭部31が回転規制リブ28Cに当接したときに、該頭部31の回転規制リブ28Cに当接した周面31c(図11において軸部32の右側に位置する面)と実質的に直交する方向に延在しているので、従来例の固定部材頭部が両側壁部に当接する場合に比べて、取付時に発生する固定部材30の回転力(取付力)に対する耐久性が向上し、モールディング本体2に加わる歪みを一層小さくし、モールディング本体2の歪みによる意匠面3の光輝などの乱れが実質的に消失し、極めて優れた美観が得られる。
【0043】
なお、固定部材30のねじ部32aが右ねじ(取付時の回転方向が時計回り)である場合、上述したようにモールディング本体2の左側の固定部材保持部5L(図2参照)については、モールディング本体2を裏面4側から見て、両側壁部21、22を上および下に配置したとき、図11に示すように、挿入口25を右側に配置して、回転規制リブ28Cを左側の固定部材保持部5Lの右上の隅に配置したが、モールディング本体2の右側の固定部材保持部5R(図2参照)については、挿入口25を左側として、回転規制リブ28Cを固定部材保持部5Rの左下の隅に配置することにより、本形態例の左側の固定部材保持部5Lと同等の作用効果を得ることができる。
【0044】
以上、本発明を好適な実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は上述の形態例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
例えば、固定部材30のねじ部32aは、上記説明では右ねじとしたが、必要に応じて、左ねじとすることもできる。この場合、ナットなどの締付部材14は、ねじ部32aに対して反時計回りに回転しながら締め付けられるようになるので、回転規制リブの位置も、取付時の固定部材30の回転方向に合わせて変更する。具体的には、モールディング本体の裏面側から見て、両側壁部を上および下に配置したとすると、図5,図8,図11に示すように固定部材30のねじ部32aが右ねじの場合、回転規制リブを固定部材保持部の右上または左下の隅に配置することになるが、これとは逆に、固定部材30のねじ部32aが左ねじの場合、回転規制リブを固定部材保持部の右下または左上の隅に配置することになる。この場合でも上述した効果が得られることは言うまでもない。
【0045】
固定部材保持部5やクリップ係止部6は、モールディング本体2に対して、固定部材30と締付部材14との締付に耐える程度に充分な強度で固着されたものである限り、モールディング本体2と一体に成形する必要はない。モールディング本体2とは別体として成形し、接着などによりモールディング本体2と固着して一体化することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、外装用のフードモールディング等や内装用のピラー用ガーニッシュ等、各種モールディングを車体に取り付けるための取付構造として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の車両用成形品の一例であるフードモールディングを車両の車体に取り付けた状態を示す概略斜視図である。
【図2】(a)図1に示すフードモールディングの裏面図である。(b) 図2(a)のIIb−IIb線に沿う断面図である。
【図3】(a)固定部材および締付部材の一例を示す斜視図である。(b)固定部材の他の例であって、ワッシャーが取り外し可能なものを示す斜視図である。
【図4】固定部材保持部の第1例を示す斜視図である。
【図5】第1例の固定部材保持部に固定部材を取り付けた状態を示す裏面図である。
【図6】(a)図5のVIa−VIa線に沿う断面図である。(b)図5のVIb−VIb線に沿う断面図である。
【図7】固定部材保持部の第2例を示す斜視図である。
【図8】第2例の固定部材保持部に固定部材を取り付けた状態を示す裏面図である。
【図9】(a)図8のIXa−IXa線に沿う断面図である。(b)図8のIXb−IXb線に沿う断面図である。
【図10】固定部材保持部の第3例を示す斜視図である。
【図11】第3例の固定部材保持部に固定部材を取り付けた状態を示す裏面図である。
【図12】(a)図11のXIIa−XIIa線に沿う断面図である。(b)図11のXIIb−XIIb線に沿う断面図である。
【符号の説明】
【0048】
1…車両用成形品(フードモールディング)、2…成形品本体(モールディング本体)、3…意匠面、4…裏面、5、5L、5R…固定部材保持部、10…車体、14…締付部材(ナット)、21…第1の側壁部、21a…第1の側壁部の頂部、21b…第1の側壁部の内面、22…第2の側壁部、22a…第2の側壁部の頂部、22b…第2の側壁部の内面、23…抜止部、24…収容空間、26a…隙間、27…スライド穴、28A、28B、28C…回転規制リブ、30…固定部材(ボルト)、31…頭部、31c…頭部の周面、32…軸部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に取り付けたときに外表面となる意匠面および該意匠面とは反対側の面を形成する裏面を有する成形品本体と、前記成形品本体の裏面に形成された固定部材保持部と、前記固定部材保持部に挿入配置される頭部および該頭部に植立された軸部を有する固定部材と、前記固定部材の軸部に組みつけられる締付部材とを備えてなる車両用成形品であって、
前記固定部材保持部は、前記成形品本体の裏面から突設されて互いに対向した第1および第2の側壁部と、前記成形品本体の裏面から離間して前記第1の側壁部の頂部および第2の側壁部の頂部を連結してなる抜止部とを備え、
前記抜止部と前記成形品本体の裏面との間には前記固定部材の頭部を収容する収容空間が確保されているとともに、前記抜止部には前記固定部材の軸部が挿通されるスライド穴が設けられており、
前記固定部材保持部は、前記固定部材の軸部が前記スライド穴に挿通され、前記固定部材の頭部が前記収容空間に収容されたときに、前記第1の側壁部の内面と前記第2の側壁部の内面との間の位置において前記固定部材の頭部の周面に当接して該固定部材の回転を規制する回転規制リブを有することを特徴とする車両用成形品。
【請求項2】
前記回転規制リブは、前記第1および第2の側壁部と実質的に平行な方向に延在することを特徴とする請求項1に記載の車両用成形品。
【請求項3】
前記回転規制リブは、前記固定部材の頭部の周面が当接したときに当該周面と実質的に直交する方向に延在することを特徴とする請求項1または2に記載の車両用成形品。
【請求項4】
前記回転規制リブは、前記成形品本体の裏面との間に隙間を確保しつつ、前記抜止部から垂下されてなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の車両用成形品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−175916(P2006−175916A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−369112(P2004−369112)
【出願日】平成16年12月21日(2004.12.21)
【出願人】(000226600)株式会社アルティア橋本 (48)
【Fターム(参考)】