説明

車両用燃料タンクの配置構造

【課題】 燃料タンクを配置するためのまとまった空間を確保することができない車体構造において、所定体積分の燃料の保持を可能とする車両用燃料タンクの配置構造を提供する。
【解決手段】 車体2の側部に配置された開閉体5に設けられた車体前後方向に延びる中空の補強構造8の内部に第1燃料タンク20を配置するようにした。この場合に、第1燃料タンク20と補強構造8との間に空間を設け、当該空間に緩衝部材21および油ゲル化剤22を配置して、第1燃料タンクからの燃料の流出を防止した。また、車体に第2燃料タンク30,31を設け、第1および第2燃料タンク間を配管23で連結し、開閉弁36、ポンプ24,33、液量センサ35および燃料移送制御部40を設け、燃料移送制御部により両タンクの燃料保持量に応じて開閉弁およびポンプを制御して燃料の分配を制御するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用燃料タンクの配置構造に関し、より詳細には、車両側部に設けられた開閉体の内部に燃料タンクを配置する構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用燃料タンクは一般に車室を形成するフロアの下方に設けられている。この燃料タンクの配置構造は、車体のコンパクト化と車室空間の拡張化との要請から様々な配置構造が検討され、例えば前部座席の下方に燃焼タンクを配置したものがある(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特許第3765947号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、車体のコンパクト化や車室空間の拡張化、車体構造の高剛性化等の車体構造に対する様々な要求を満たすように車体構造を構成する場合に、燃料タンクを配置するためのまとまった所定の空間をフロア下方の一部分に確保できない場合があるという問題がある。例えば、車椅子使用者が車椅子から車両後部座席へと移動し易いように、車椅子が後部座席の近傍に接近できるようにするべく、後部座席の車体側部側のサイドシルおよびフロアがスライドドアと一体に設けられ、スライドドアの開作動とともに車外側に移動するように車体構造を構成した場合、フロア下の燃料タンクの配置可能な空間は低減される。
【0004】
本発明は以上の問題を鑑みてなされたものであって、車体のフロア下の一部分に燃料タンクを配置するためのまとまった空間を確保できない場合において、所定体積分の燃料タンクの車体への配置を可能とする車両用燃料タンクの配置構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の第1の発明は、車体前後方向に延びる中空の補強構造(リアサイドシル8)を備えるとともに、車体(2)の側部に配置された開閉体(スライドドア5)を有する車体において、前記補強構造の内部に第1燃料タンク(ドア燃料タンク20)を配置したことを特徴とする。
【0006】
本発明の第2の発明は第1の発明において、前記補強構造は、前記開閉体の下端部に設けられ、前記開閉体が閉位置に配置された状態において、車体の骨格構造の一部を構成することを特徴とする。
【0007】
本発明の第3の発明は第1の発明または第2の発明において、前記第1燃料タンクと前記補強構造との間には空間が設けられ、前記第1燃料タンクは、緩衝部材(21)を介して前記補強構造に支持されていることを特徴とする。
【0008】
本発明の第4の発明は第1〜第3の発明のいずれかの発明において、前記第1燃料タンクと前記補強構造との間の空間には油ゲル化剤(22)が配置されていることを特徴とする。
【0009】
本発明の第5の発明は第1〜第4の発明のいずれかの発明において、前記車体は、前記開閉体に設けられた前記第1燃料タンクの他に少なくとも1つの第2燃料タンク(メイン燃料タンク30,サブ燃料タンク31)と、前記第1燃料タンクと前記第2燃料タンクとを互いに連結する配管(フレキシブルホース23)と、前記配管に設けられた開閉弁(電磁弁36)と、前記配管を通して前記第1燃料タンクと前記第2燃料タンクとの間で燃料を圧送するポンプ(ドア燃料タンクポンプ24,メイン燃料タンクポンプ33)と、前記第1燃料タンクおよび前記第2燃料タンクに設けられ、各燃料タンク内の保持燃料量を検出する液量センサ(35)と、前記液量センサにより検出された前記各燃料タンクの保持燃料量に応じて前記ポンプおよび前記開閉弁を制御する燃料移送制御部(ECU40)とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
第1の発明によれば、第1燃料タンクを開閉体の内部に設けることで所定量の燃料を保持することができる空間を確保することができ、フロア下に配置する燃料タンクの容積を低減することができる。また、第1燃料タンクは補強構造の内部に配置されることから、車体外部からの衝撃および荷重から保護される。
【0011】
第2の発明によれば、開閉体の補強構造が車体の骨格構造の一部を構成するような車体構造において、燃料タンクを配置するための空間を確保することができる。
【0012】
第3の発明によれば、車体の衝突等により補強構造が変形等する場合にも、補強構造と第1燃料タンクとの間の空間により第1燃料タンクは影響を受け難く、また第1燃料タンクは緩衝部材により補強部材からの衝撃や荷重から保護される。
【0013】
第4の発明によれば、第1燃料タンクが破損等して燃料が流出しても、燃料は油ゲル化剤にゲル化され、補強構造から外部に流出することが防がれる。また、燃料のゲル化により第1燃料タンクの破損箇所が閉塞され、第1燃料タンクからの燃料の流出を停止させることができる。
【0014】
第5の発明によれば、第1燃料タンクと第2燃料タンクとは協働して1つの燃料システム系を構成する。これにより、例えば、第1燃料タンクおよび第2燃料タンクの内の燃料供給装置(例えば、キャブレタ)に連結された燃料タンクに他の燃料タンクから燃料を送液することができる。また、給油時に第1燃料タンクおよび第2燃料タンクの給油口と連結された燃料タンクから他のタンクに燃料を分配することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、説明の便宜上、本発明が適用される自動車の進行方向を前方、進行方向と逆の方向を後方、前方を向いた際の右側を右、左側を左、鉛直上方を上方、鉛直下方を下方とする。
【0016】
図1は、本発明を適用した車両の斜視図であって、スライドドアが開かれた状態の車両の左側側部を示す。車両1は、ミニバン型の車体2により構成されている。車体2の両側部には、乗客が後部座席3へ乗り込むための乗降口4が設けられており、その乗降口4を開閉可能にするための開閉体としてのスライドドア5が設けられている。車体2の両側部に設けられた両スライドドア5は同様の構成を有するため、以下左側側部に設けられたスライドドア5について説明する。
【0017】
スライドドア5は、開口6を有するドアパネル7と、ドアパネル7の下端部に連結された補強部材としてのリアサイドシル8を備えている。開口6には、ガラスおよび樹脂材料等により形成された窓部材6aが設けられている。リアサイドシル8は、スライドドア5の下端部に沿って車体前後方向に延設された閉断面形状を有する中空の部材である。リアサイドシル8はドアパネル7と溶接により接合されている。なお、他の実施形態においては、リアサイドシル8とドアパネル7とを同一の鋼板から一体的に形成してもよい。リアサイドシル8の前端部は、リアサイドシル8に対してヒンジ結合された蓋部材9により開閉可能に液密に閉塞されており、後端部は板部材等により溶接によって液密に閉塞されている。
【0018】
スライドドア5にはスライダ(図示しない)が設けられ、スライダを前後方向に摺動自在に支持するガイドレール(図示しない)が車体2に設けられている。これにより、スライドドア5は乗降口4を閉塞する閉位置と、乗降口4を開放する開位置との間で車体に対して前後方向にスライド移動可能となっている。
【0019】
図2は、実施形態に係る車体の下部構造を示す平面図であり、フロアパネルを取り除いて骨格構造および燃料タンクを示す。図2に示すように、車体2の骨格構造は、車室100とエンジンルーム101とを区画するダッシュパネル10と、エンジンルーム101を画成するフロントサイドフレーム11、アッパメンバ12およびフロントバルクヘッド13と、車室100の床部を形成するリアフレーム14、フロアクロスメンバ15、フロントサイドシル16、リアホイールハウス17、リアインナパネル18とを有し、リアサイドシル8はスライドドア5が閉位置にある場合においてフロントサイドシル16とリアインナパネル18との間に配置されて車室100の床部を構成する骨格部材として機能する。一方、スライドドア5が開位置にある場合においては、リアサイドシル8はリアインナパネル18の外方に配置される。図2中のTは車輪を表す。
【0020】
図1に示すように、リアサイドシル8の内部には第1燃料タンクとしてのドア燃料タンク20が配置されている。ドア燃料タンク20は、車体前後方向に延びる矩形状の形状を呈し、その長手方向長さ(車体前後方向長さ)はリアサイドシル8の長手方向長さよりも短くなるように形成されている。これにより、ドア燃料タンク20の前端部または後端部とリアサイドシル8の前端部または後端部の間に空間が形成されている。ドア燃料タンク20は、リアサイドシル8の前端部に設けられた蓋部材9を開放することによって、リアサイドシル8内に配置される。
【0021】
図3は、図1のIII−III線で切断した断面図であり、リアサイドシル8およびドア燃料タンク20の断面を示す。ドア燃料タンク20は、リアサイドシル8との間に空間が形成されるように、その断面形状がリアサイドシル8の断面に比べて小さく形成されている。ドア燃料タンク20とリアサイドシル8との間の空間には緩衝部材21が配置され、ドア燃料タンク20はリアサイドシル8に接触しないように、リアサイドシル8に対して保持されている。緩衝部材21は、例えばウレタンフォーム等の樹脂材料である。
【0022】
また、リアサイドシル8とドア燃料タンク20の間の空間には、液体状の油をゲル化する油ゲル化剤22が配置されている。油ゲル化剤22は、粉末状態、または不織布等に保持させた状態で配置されている。なお、緩衝部材21をスポンジ状に形成し、油ゲル化剤22を緩衝部材21中に保持させるようにしてもよい。
【0023】
図2に示すように、車体2の床部、すなわちフロアパネルの下には、第2燃料タンクとしての燃料タンク30,31が配置されている。第2燃料タンクは、燃料供給装置としてのキャブレタ51および給油口52に連結された1つのメイン燃料タンク30と、メイン燃料タンク30に連結された複数のサブ燃料タンク31とから構成される。他の実施形態においては、サブ燃料タンク31を設けなくてもよい。メイン燃料タンク30およびサブ燃料タンク31は、リアフレーム14およびフロアクロスメンバ15間に配置され、リアフレーム14およびフロアクロスメンバ15に固定されている。
【0024】
図4は、実施形態に係る燃料タンクの構成を模式的に示すブロック図であって、各燃料タンク間の接続状態を模式的に示す。メイン燃料タンク30と各サブ燃料タンク31とは金属製の配管32により連結され、メイン燃料タンク30と各サブ燃料タンク31との間で燃料の移動が可能となっている。メイン燃料タンク30には配管32を介してサブ燃料タンク31に燃料を圧送するためのメイン燃料タンクポンプ33が設けられ、サブ燃料タンク31には配管32を介してメイン燃料タンク30に燃料を圧送するためのサブ燃料タンクポンプ34が設けられている。
【0025】
メイン燃料タンク30とドア燃料タンク20とは金属製の可撓性を有する配管であるフレキシブルホース23により連結され、両タンク間で燃料の移動が可能となっている。フレキシブルホース23は、リアサイドシル8の上部側に設けられた孔(図示しない)を通過して両燃料タンクに連結されている。これにより、スライドドア5の開閉状態に関係なく、メイン燃料タンク30とドア燃料タンク20とは連結状態を維持することができる。
【0026】
ドア燃料タンク20には、フレキシブルホース23を介してメイン燃料タンク30に燃料を圧送するためのドア燃料タンクポンプ24が設けられている。また、メイン燃料タンクポンプ33は、フレキシブルホース23を介してドア燃料タンク20に燃料を圧送する。
【0027】
ドア燃料タンク20、メイン燃料タンク30およびサブ燃料タンク31の各燃料タンクには、燃料タンク内の保持燃料量を検出する液量センサ35が設けられている。各液量センサ35からの信号は、燃料移送制御部としてのECU(Electronic Control Unit)40に出力される。また、各配管32およびフレキシブルホース23には管路を開閉する電磁弁36が設けられている。
【0028】
ECU40は、マイクロコンピュータやROM、RAM、周辺回路、入出力インタフェース、各種ドライバ等から構成されており、通信回線(CAN(Controller Area Network))を介して、他の制御を行うECUと連結されていてもよい。
【0029】
ECU40は、各燃料タンク20,30,31の保持燃料量に応じて、各電磁弁36の開閉制御および各燃料ポンプ24,33,34の駆動制御を行う。例えば、エンジンの駆動時において、メイン燃料タンク30がキャブレタ51に燃料を供給することによって、メイン燃料タンク30の燃料保持量が低下した場合には、ECU40はメイン燃料タンク30の液量センサ35からの出力信号を受けてメイン燃料タンク30の保持燃料量の低下を検出し、各電磁弁36を開作動させるとともにドア燃料タンクポンプ24およびまたはサブ燃料タンクポンプ34を駆動してドア燃料タンク20およびまたはサブ燃料タンク31からメイン燃料タンク30に燃料を送液する。このとき、ECU40は、ドア燃料タンク20およびサブ燃料タンク31の液量センサ35からの出力に基づき、保持燃料量が多い燃料タンク20,31からの送液を行うべく、保持燃料量が多い燃料タンク20,31に対応する電磁弁36および燃料ポンプ24,34を制御してメイン燃料タンク30に送液してもよい。或いは、予め定められた優先順位に基づいて送液する燃料タンク20,31を決定してもよい。優先順位は、例えばスライドドア5の重量を軽くする目的で、ドア燃料タンク20から優先的に燃料を送液するように決定してもよい。
【0030】
また、ECU40は燃料の給油時においてメイン燃料タンクポンプ33を駆動制御し、給油口52よりメイン燃料タンク30に供給される燃料をドア燃料タンク20およびサブ燃料タンク31に分配する。その際、ドア燃料タンク20およびサブ燃料タンク31の各液量センサ35からの出力信号に基づき各タンクの保持燃料量を検出し、各タンクの保持燃料量に応じて電磁弁36を開閉制御する。
【0031】
次に本実施形態の作用効果について説明する。
以上のように構成することによって、本実施形態に係る車体構造のように、リアサイドシル8がスライドドア5に設けられて車体2の床部面積が低減されるような場合においても、所定体積の燃料タンクを車体に配置することが可能になる。
【0032】
車椅子の使用者が、車椅子に着座した状態から乗降口4より後部座席3へと移動する際に、リアサイドシルが車体に設けられていると、車椅子と後部座席3との間の距離が大きく、移動が困難となる。本実施形態では、リアサイドシル8をスライドドア5と一体に設け、スライドドア5の開状態において、リアサイドシル8が車体2の側部より取り除かれるようにすることで、車椅子が後部座席3の近傍まで接近することができるようになり、車椅子使用者が後部座席3へと移動しやすくなる。
【0033】
車体2の構造をこのような構造とする場合には、車体2の固定された床部面積が削減されることになり、燃料タンクの配置空間が削減されることになるが、スライドドア5の内部に燃料タンクを設けることで必要な燃料タンクの容量を確保することができる。
【0034】
ドア燃料タンク20は、リアサイドシル8内に配置されているため外部からの衝撃や荷重から保護される。また、ドア燃料タンク20とリアサイドシル8との間には空間が形成されていることから車両1が衝突等してリアサイドシル8が変形等する場合にも燃料タンク20は影響を受け難くなっている。また、ドア燃料タンク20が損傷を受けてドア燃料タンク20より燃料が流出する場合にも、燃料はドア燃料タンク20の周囲に配置された油ゲル化剤22にゲル化されるとともに、受皿となるリアサイドシル8に保持されるため外部へと流出することが防止される。
【0035】
燃料タンクをドア燃料タンク20、メイン燃料タンク30および複数のサブ燃料タンク31に分割したことにより、各燃料タンクのそれぞれの容量を低減することができ、リアフレーム14およびフロアクロスメンバ15の間等の小さな空間に燃料タンクを配置することができるようになる。また、燃料タンクを分割したことにより、1つの大きな燃料タンクを配置するためのまとまった大きな空間を必要としなくなり、車体構造のレイアウトの自由度が向上する。
【0036】
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、本実施形態は後部座席の乗降口に設けられたスライドドアに適用した例を示したが、開閉体はヒンジにより揺動可能に設けられたドアであってもよく、また前部座席の乗降口に設けられたドアに適用してもよい。本実施形態ではドア燃料タンク20とメイン燃料タンク30とをフレキシブルホース23により連結したが、両燃料タンク間を脱着可能なソケット(カプラ)を備えた鋼管により連結し、スライドドア5が閉位置にある場合にのみソケットにより鋼管が連結されるようにし、両燃料タンク間の燃料の移送を可能とするようにしてもよい。この場合には、給油はスライドドアが閉位置にある場合にのみ実施され、給油時にはスライドドアを閉位置に配置するよう警報音等により警告するようにしてもよい。また、ドア燃料タンク、メイン燃料タンクおよびサブ燃料タンクの配置において、各燃料タンク間で高低差をつけ、重力を利用して各タンクに燃料を分配するようにしてもよい。なお、実施形態中で示したメインおよびサブ燃料タンクの配置は一例であって様々な配置を適用することができる。その他制御装置の構成は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】実施形態に係る車両を示す斜視図である。
【図2】実施形態に係る車体の下部構造を示す平面図である。
【図3】図1のIII−III線で切断した断面図である。
【図4】実施形態に係る燃料タンクの構成を模式的に示すブロック図である。
【符号の説明】
【0038】
5 スライドドア
7 ドアパネル
8 リアサイドシル
20 ドア燃料タンク
21 緩衝部材
22 油ゲル化剤
23 フレキシブルホース
24 ドア燃料タンクポンプ
30 メイン燃料タンク
31 サブ燃料タンク
32 配管
33 メイン燃料タンクポンプ
34 サブ燃料タンクポンプ
35 液量センサ
36 電磁弁
40 ECU
51 キャブレタ
52 給油口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体前後方向に延びる中空の補強構造を備えるとともに、車体の側部に配置された開閉体を有する車体において、前記補強構造の内部に第1燃料タンクを配置したことを特徴とする車両用燃料タンクの配置構造。
【請求項2】
前記補強構造は、前記開閉体の下端部に設けられ、前記開閉体が閉位置に配置された状態において、車体の骨格構造の一部を構成することを特徴とする、請求項1に記載の車両用燃料タンクの配置構造。
【請求項3】
前記第1燃料タンクと前記補強構造との間には空間が設けられ、
前記第1燃料タンクは、緩衝部材を介して前記補強構造に支持されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用燃料タンクの配置構造。
【請求項4】
前記第1燃料タンクと前記補強構造との間の空間には油ゲル化剤が配置されていることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかの項に記載の車両用燃料タンクの配置構造。
【請求項5】
前記車体は、
前記開閉体に設けられた前記第1燃料タンクの他に少なくとも1つの第2燃料タンクと、
前記第1燃料タンクと前記第2燃料タンクとを互いに連結する配管と、
前記配管に設けられた開閉弁と、
前記配管を通して前記第1燃料タンクと前記第2燃料タンクとの間で燃料を圧送するポンプと、
前記第1燃料タンクおよび前記第2燃料タンクに設けられ、各燃料タンク内の保持燃料量を検出する液量センサと、
前記液量センサにより検出された前記各燃料タンクの保持燃料量に応じて前記ポンプおよび前記開閉弁を制御する燃料移送制御部と
を有することを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれかの項に記載の車両用燃料タンクの配置構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−262653(P2009−262653A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−112071(P2008−112071)
【出願日】平成20年4月23日(2008.4.23)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】