説明

車両用盗難防止装置

【課題】本発明は、車両完成後にユーザヘ引き渡すのに、事前にユーザの生体情報を入手せずに、車両を走行させ、ユーザの生体情報悪用への不安を解消するとともに、車両を取り扱う業者の車両納入作業における不便の解消を図ることを目的としている。
【解決手段】このため、車両用盗難防止装置において、第1の認証手段は、生体情報の未登録時には、第1の認証コード同士が一致するだけで駆動源の始動を許可する。また、第2の認証手段は、生体情報の未登録時には、第3の判定手段により第2の認証コード同士が一致するだけで駆動源の始動を許可する。更に、第1の認証手段は、生体情報の未登録時には、第1の認証コード同士が一致するだけでドアの施錠及び解錠をする。更にまた、第2の認証手段は、生体情報の未登録時には、第3の判定手段により第2の認証コード同士が一致するだけでドアの施錠及び解錠をする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は車両用盗難防止装置に係り、特にユーザを特定する手段として生体情報が登録された認証装置を備えた車両用盗難防止装置(「イモビライザシステム」とも換言できる。)における生体情報の登録方法の改善を図った車両用盗難防止装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両用盗難防止装置の認証装置に使用される、既存のイモビライザシステムは、キーに組み込まれたトランスポンダとその認証結果をもって正規のユーザであるか否かを判断し、エンジン始動の許可を与えている。
この場合、認証情報は事前に車両側に登録される必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−178032号公報
【特許文献2】特開2003−214241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の車両用盗難防止装置において、現在、指紋認証のような生体認証方式が開発され、ユーザを特定する認証方法として活用されている。
このような生体認証方式を車両に組み込んだ場合、生体情報を事前に入手し、車両側に登録することが困難となるという不都合がある。
また、車両完成後の車両引き渡しの際に生体情報を登録する場合には、車両完成から情報を登録するまでの間において、エンジンを始動させることが不可能となるという不都合がある。
更に、生体情報を登録するまで無条件にエンジンを始動させることを可能とした場合には、防盗性の悪化が懸念される。
【0005】
この発明は、車両完成後に車両をユーザヘ引き渡すのに、事前にユーザの生体情報を入手せずに、車両を走行させ、ユーザの生体情報悪用への不安を解消するとともに、車両を取り扱う業者の車両納入作業における不便の解消を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、この発明は、上述不都合を除去するために、キーをキーシリンダに挿入し車両の駆動源の始動動作を行う場合に、キーに保持された第1の認証コードと車両に搭載された認証装置に保持された第1の認証コードとが一致するか否かを判定する第1の判定手段と、生体情報を読み取る生体情報読取手段と、この生体情報読取手段により読み取られた生体情報と前記認証装置に登録された生体情報とが一致するか否かを判定する第2の判定手段と、前記第1の判定手段により第1の認証コード同士が一致し、かつ、前記第2の判定手段により生体情報同士が一致する場合に車両の駆動源の始動を許可する第1の認証手段とを備えた車両用盗難防止装置において、前記第1の認証手段は、前記認証装置に生体情報が登録されていない時には、前記第1の判定手段により第1の認証コード同士が一致するだけで車両の駆動源の始動を許可することを特徴とする。
また、携帯機から送信された第2の認証コードと、車両に搭載された認証装置に保持された第2の認証コードとが一致するか否かを判定する第3の判定手段と、生体情報を読み取る生体情報読取手段と、この生体情報読取手段により読み取られた生体情報と前記認証装置に登録された生体情報とが一致するか否かを判定する第2の判定手段と、前記第3の判定手段により第2の認証コード同士が一致し、かつ、前記第2の判定手段により生体情報同士が一致する場合に車両の駆動源の始動を許可する第2の認証手段とを備えた車両用盗難防止装置において、前記第2の認証手段は、前記認証装置に生体情報が登録されていない時には、前記第3の判定手段により第2の認証コード同士が一致するだけで車両の駆動源の始動を許可することを特徴とする。
更に、キーをキーシリンダに挿入し車両のドアの施錠及び解錠を行う場合に、キーに保持された第1の認証コードと車両に搭載された認証装置に保持された第1の認証コードとが一致するか否かを判定する第1の判定手段と、生体情報を読み取る生体情報読取手段と、この生体情報読取手段により読み取られた生体情報と前記認証装置に登録された生体情報とが一致するか否かを判定する第2の判定手段と、前記第1の判定手段により第1の認証コード同士が一致し、かつ、前記第2の判定手段により生体情報同士が一致する場合に車両のドアの施錠及び解錠をする第1の認証手段とを備えた車両用盗難防止装置において、前記第1の認証手段は、前記認証装置に生体情報が登録されていない時には、前記第1の判定手段により第1の認証コード同士が一致するだけで車両のドアの施錠及び解錠をすることを特徴とする。
更にまた、携帯機から送信された第2の認証コードと、車両に搭載された認証装置に保持された第2の認証コードとが一致するか否かを判定する第3の判定手段と、生体情報を読み取る生体情報読取手段と、この生体情報読取手段により読み取られた生体情報と前記認証装置に登録された生体情報とが一致するか否かを判定する第2の判定手段と、前記第3の判定手段により第2の認証コード同士が一致し、かつ、前記第2の判定手段により生体情報同士が一致する場合に車両のドアの施錠及び解錠をする第2の認証手段とを備えた車両用盗難防止装置において、前記第2の認証手段は、前記認証装置に生体情報が登録されていない時には、前記第3の判定手段により第2の認証コード同士が一致するだけで車両のドアの施錠及び解錠をすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
以上詳細に説明した如くこの発明によれば、キーをキーシリンダに挿入し車両の駆動源の始動動作を行う場合に、キーに保持された第1の認証コードと車両に搭載された認証装置に保持された第1の認証コードとが一致するか否かを判定する第1の判定手段と、生体情報を読み取る生体情報読取手段と、この生体情報読取手段により読み取られた生体情報と認証装置に登録された生体情報とが一致するか否かを判定する第2の判定手段と、第1の判定手段により第1の認証コード同士が一致し、かつ、第2の判定手段により生体情報同士が一致する場合に車両の駆動源の始動を許可する第1の認証手段とを備えた車両用盗難防止装置において、第1の認証手段は、認証装置に生体情報が登録されていない時には、第1の判定手段により第1の認証コード同士が一致するだけで車両の駆動源の始動を許可することを特徴とする。
これにより、車両完成後に車両をユーザヘ引き渡すのに、事前にユーザの生体情報を入手せずに、車両を走行させることができる。したがって、ユーザは、ユーザの生体情報悪用への不安を解消することができる。また、車両を取り扱う業者は、車両納入作業における不便を解消することができる。
また、携帯機から送信された第2の認証コードと、車両に搭載された認証装置に保持された第2の認証コードとが一致するか否かを判定する第3の判定手段と、生体情報を読み取る生体情報読取手段と、この生体情報読取手段により読み取られた生体情報と認証装置に登録された生体情報とが一致するか否かを判定する第2の判定手段と、第3の判定手段により第2の認証コード同士が一致し、かつ、第2の判定手段により生体情報同士が一致する場合に車両の駆動源の始動を許可する第2の認証手段とを備えた車両用盗難防止装置において、第2の認証手段は、認証装置に生体情報が登録されていない時には、第3の判定手段により第2の認証コード同士が一致するだけで車両の駆動源の始動を許可することを特徴とする。
これにより、車両完成後に車両をユーザヘ引き渡すのに、事前にユーザの生体情報を入手せずに、車両を走行させることができる。したがって、ユーザは、ユーザの生体情報悪用への不安を解消することができる。また、車両を取り扱う業者は、車両納入作業における不便を解消することができる。
更に、キーをキーシリンダに挿入し車両のドアの施錠及び解錠を行う場合に、キーに保持された第1の認証コードと車両に搭載された認証装置に保持された第1の認証コードとが一致するか否かを判定する第1の判定手段と、生体情報を読み取る生体情報読取手段と、この生体情報読取手段により読み取られた生体情報と認証装置に登録された生体情報とが一致するか否かを判定する第2の判定手段と、第1の判定手段により第1の認証コード同士が一致し、かつ、第2の判定手段により生体情報同士が一致する場合に車両のドアの施錠及び解錠をする第1の認証手段とを備えた車両用盗難防止装置において、第1の認証手段は、認証装置に生体情報が登録されていない時には、第1の判定手段により第1の認証コード同士が一致するだけで車両のドアの施錠及び解錠をすることを特徴とする。
これにより、車両完成後に車両をユーザヘ引き渡すのに、事前にユーザの生体情報を入手せずに、車両のドアの施錠及び解錠をすることができる。したがって、ユーザは、ユーザの生体情報悪用への不安を解消することができる。また、車両を取り扱う業者は、車両納入作業における不便を解消することができる。
更にまた、携帯機から送信された第2の認証コードと、車両に搭載された認証装置に保持された第2の認証コードとが一致するか否かを判定する第3の判定手段と、生体情報を読み取る生体情報読取手段と、この生体情報読取手段により読み取られた生体情報と認証装置に登録された生体情報とが一致するか否かを判定する第2の判定手段と、第3の判定手段により第2の認証コード同士が一致し、かつ、第2の判定手段により生体情報同士が一致する場合に車両のドアの施錠及び解錠をする第2の認証手段とを備えた車両用盗難防止装置において、第2の認証手段は、認証装置に生体情報が登録されていない時には、第3の判定手段により第2の認証コード同士が一致するだけで車両のドアの施錠及び解錠をすることを特徴とする。
これにより、車両完成後に車両をユーザヘ引き渡すのに、事前にユーザの生体情報を入手せずに、車両のドアの施錠及び解錠をすることができる。したがって、ユーザは、ユーザの生体情報悪用への不安を解消することができる。また、車両を取り扱う業者は、車両納入作業における不便を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は車両用盗難防止装置のシステム構成図である。(実施例1)
【図2】図2は第1の判定手段及び第3の判定手段の制御用フローチャートである。(実施例1)
【図3】図3は第2の判定手段の制御用フローチャートである。(実施例1)
【図4】図4は第1の認証手段の制御用フローチャートである。(実施例1)
【図5】図5は登録手段の制御用フローチャートである。(実施例1)
【図6】図6は車両用盗難防止装置のシステム構成図である。(実施例2)
【図7】図7は第1の判定手段及び第3の判定手段の制御用フローチャートである。(実施例2)
【図8】図8は登録手段の制御用フローチャートである。(実施例2)
【図9】図9は車両用盗難防止装置のシステム構成図である。(実施例3)
【図10】図10は車両用盗難防止装置のシステム構成図である。(実施例4)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細に説明する。
【実施例1】
【0010】
図1〜図5はこの発明の第1実施例を示すものである。
図1において、1は車両用盗難防止装置である。
この車両用盗難防止装置1は、図1に示す如く、キー2と、このキー2を挿入するキーシリンダ3と、車両に搭載された認証装置4と、生体情報を読み取る生体情報読取手段5と、携帯機6とを備えている。
前記キー2は、図示しないトランスポンダを内蔵し、第1の認証コードLC1を保持する。
前記キーシリンダ3は、図示しないイモビライザアンテナが装着されている。
前記認証装置4は、第1の認証コードMC1を保持するとともに、エンジンスタートノブ7またはエンジンスタートスイッチやステアリングロックユニット8、エンジンコントローラ9が夫々接続されており、このエンジンコントローラ9には、イグニッションコイル10とフューエルインジェクタ11とが接続されている。
前記生体情報読取手段5は、ユーザの生体情報を読み取り、読み取った生体情報を前記認証装置4に送信する。
前記携帯機6は、認証装置4に繋がる車室内アンテナ12からリクエスト信号を入力し、第2の認証コードLC2を保持する。
【0011】
前記認証装置4は、図1に示す如く、第1の認証コードMC1を保持する第1の判定手段13と、生体情報を保持する第2の判定手段14と、第2の認証コードMC2を保持する第3の判定手段15と、前記エンジンコントローラ9に接続する第1の認証手段16と、前記ステアリングロックユニット8及び前記エンジンコントローラ9に接続する第2の認証手段17と、前記生体情報読取手段5を接続するとともに生体情報登録要求を入力する生体情報の登録手段18とを備えている。
そして、前記第1の判定手段13は、キー2をキーシリンダ3に挿入し車両の駆動源の始動動作を行う場合に、キー2に保持された第1の認証コードLC1と車両に搭載された前記認証装置4に保持された第1の認証コードMC1とが一致するか否かを判定する。
前記第2の判定手段14は、前記生体情報読取手段5により読み取られた生体情報と前記認証装置4に登録された生体情報とが一致するか否かを判定する。
また、前記第1の認証手段16は、前記第1の判定手段13により第1の認証コードLC1、MC1同士が一致し、かつ、前記第2の判定手段14により生体情報同士が一致する場合に、前記エンジンコントローラ9に制御信号を出力して車両の駆動源の始動を許可する。
【0012】
このとき、前記第1の認証手段16は、前記認証装置4に生体情報が登録されていない時には、前記第1の判定手段16により第1の認証コードLC1、MC1同士が一致するだけで車両の駆動源の始動を許可する。
これにより、車両完成後に車両をユーザヘ引き渡すのに、事前にユーザの生体情報を入手せずに、車両を走行させることができる。
したがって、ユーザは、ユーザの生体情報悪用への不安を解消することができる。
また、車両を取り扱う業者は、車両納入作業における不便を解消することができる。
【0013】
また、前記生体情報読取手段5により読み取られた生体情報を前記認証装置4に登録する生体情報登録手段18を備え、この生体情報登録手段15は、前記第1の判定手段16により第1の認証コードLC1、MC1同士が一致した場合にのみ、生体情報を前記認証装置4に登録可能とする。
これにより、前記キー2側に保持された第1の認証コードLC1と車両側に保持された第1の認証コードMC1とが一致する場合にのみ生体情報を車両側に登録可能となるので、不正に生体情報を登録するのを防ぐことができる。
また、車両をユーザヘ引き渡す前にユーザの生体情報を入手する必要が無く、車両引渡しと同時に生体情報を登録する作業を行うことができる。
【0014】
前記車両用盗難防止装置1は、図1に示す如く、前記携帯機6から送信された第2の認証コードLC2と、車両に搭載された前記認証装置4に保持された第2の認証コードMC2とが一致するか否かを判定する第3の判定手段15と、前記生体情報読取手段5により読み取られた生体情報と前記認証装置4に登録された生体情報とが一致するか否かを判定する第2の判定手段14と、前記第3の判定手段15により第2の認証コードLC2、MC2同士が一致し、かつ、前記第2の判定手段14により生体情報同士が一致する場合に車両の駆動源の始動を許可する第2の認証手段17とを備えている。
そして、前記車両用盗難防止装置1において、図1に示す如く、前記第2の認証手段17は、前記認証装置4に生体情報が登録されていない時には、前記第3の判定手段15により第2の認証コードLC2、MC2同士が一致するだけで車両の駆動源の始動を許可する。
これにより、車両完成後に車両をユーザヘ引き渡すのに、事前にユーザの生体情報を入手せずに、車両を走行させることができる。
したがって、ユーザは、ユーザの生体情報悪用への不安を解消することができる。
また、車両を取り扱う業者は、車両納入作業における不便を解消することができる。
【0015】
前記生体情報読取手段5により読み取られた生体情報を前記認証装置4に登録する生体情報の登録手段18を備え、この生体情報の登録手段18は、前記第3の判定手段15により第2の認証コードLC2、MC2同士が一致した場合にのみ、生体情報を認証装置4に登録可能とする。
これにより、前記携帯機6から送信された第2の認証コードLC2と車両側に保持された第2の認証コードMC2とが一致する場合にのみ生体情報を車両側に登録可能となるので、不正に生体情報を登録するのを防ぐことができる。
また、車両をユーザヘ引き渡す前に、ユーザの生体情報を入手する必要が無く、車両引渡しと同時に生体情報を登録する作業を行うことができる。
【0016】
以下に、場合分けをした状況に説明を追記する。
(ア)前記キー2により車両の駆動源を始動させる場合
キー2を前記キーシリンダ3に差し込むと、前記認証装置4は前記ステアリングロックユニット8に装着されたイモビライザアンテナを介してキー2のトランスポンダから第1の認証コードLC1を読み取る。
そして、前記認証装置4の第1の判定手段13は、読み取った第1の認証コードLC1と認証装置4に保持された第1の認証コードMC1とを比較し、一致しているか否かを判定する。
一方、前記認証装置4は、前記生体情報読取手段5を介してユーザの生体情報を読み取る。
そして、前記認証装置4の第2の判定手段14は、読み取った生体情報と認証装置4に登録された生体情報とを比較し、一致しているか否かを判定する。
このとき、前記認証装置4に生体情報が保持されていない場合、生体情報未登録とする。
また、前記第1の認証手段16は、前記第1の判定手段13及び前記第2の判定手段14の判定結果から前記エンジンコントローラ9に認証OK/NGを出力する。
認証OKの場合には、エンジンの始動を許可して、前記イグニッションコイル10に点火を許可し、前記フューエルインジェクタ11に燃料噴射を許可する。
一方、認証NGの場合には、エンジンの始動を禁止して、イグニッションコイル10に点火を禁止し、フューエルインジェクタ11に燃料噴射を禁止する。
例えば、故障診断テスタのような外部機器を認証装置に接続して、外部機器から生体情報登録要求は入力される。
あるいは、登録スイッチ等の生体情報登録用のインターフェースを車両に設けておいても良い。
(イ)前記携帯機6により車両の駆動源を始動させる場合
前記エンジンスタートノブ7が押されると、前記認証装置4は車室内アンテナ12を起動させ、携帯機6にリクエスト信号を送信する。
そして、リクエスト信号を受信した前記携帯機6は、前記認証装置4(内蔵アンテナ)に第2の認証コードLC2を送信する。
また、前記認証装置4の前記第3の判定手段15は、送信された第2の認証コードLC2と認証装置4に保持された第2の認証コードMC2とを比較し、一致しているか否かを判定する。
一方、前記認証装置4は、前記生体情報読取手段5を介してユーザの生体情報を読み取る。
そして、前記認証装置4の第2の判定手段14は、読み取った生体情報と認証装置4に登録された生体情報とを比較し、一致しているか否かを判定する。
このとき、前記認証装置4に生体情報が保持されていない場合、生体情報未登録とする。
前記第2の認証手段17は、前記第3の判定手段15及び前記第2の判定手段14の判定結果から認証OKである場合には、前記ステアリングロックユニット8にエンジンスタートノブ7の解除要求を出力する。
これにより、エンジンスタートノブ7の回転が可能となる。
また、前記第2の認証手段17は、前記第3の判定手段15及び前記第2の判定手段14の判定結果から前記エンジンコントローラ9に認証OK/NGを出力する。
認証OKの場合には、エンジンの始動を許可して、前記イグニッションコイル10に点火を許可し、前記フューエルインジェクタ11に燃料噴射を許可する。
一方、認証NGの場合には、エンジンの始動を禁止して、イグニッションコイル10に点火を禁止し、フューエルインジェクタ11に燃料噴射を禁止する。
例えば、故障診断テスタのような外部機器を認証装置に接続して、外部機器から生体情報登録要求は入力される。
あるいは、登録スイッチ等の生体情報登録用のインターフェースを車両に設けておいても良い。
【0017】
次に、図2の前記第1の判定手段13及び前記第3の判定手段15の制御用フローチャートに沿って作用を説明する。
なお、第1の判定手段13の場合、認証コードは第1の認証コードLC1、MC1を指す。
また、第3の判定手段15の場合、認証コードは第2の認証コードLC2、MC2を指す。
【0018】
前記第1の判定手段13及び前記第3の判定手段15の制御用プログラムがスタート(A01)すると、認証コードを受信したか否かの判断(A02)に移行する。
この判断(A02)において、前記第1の判定手段13の場合には、認証コードとして、前記キー2に保持された第1の認証コードLC1を受信した否かを判断し、前記第3の判定手段15の場合には、認証コードとして、前記携帯機6から送信された第2の認証コードLC2を受信した否かを判断する。
そして、認証コードを受信したか否かの判断(A02)において、判断がNOの場合には、後述する第1の判定手段13及び第3の判定手段15の制御用プログラムのエンド(A06)に移行する。
判断(A02)がYESの場合には、受信した認証コードと前記認証装置4に保持された認証コードとが一致するか否かの判断(A03)に移行する。
この判断(A03)において、前記第1の判定手段13の場合には、前記キー2から受信した第1の認証コードLC1と前記認証装置4に保持された第1の認証コードMC1とが一致するか否を判断し、前記第3の判定手段15の場合には、前記携帯機6から受信した第2の認証コードLC2と前記認証装置4に保持された第2の認証コードMC2とが一致するか否を判断する。
そして、受信した認証コードと前記認証装置4に保持された認証コードとが一致するか否かの判断(A03)がYESの場合には、前記第1の判定手段13の場合、第1の認証コードLC1と第1の認証コードMC1とが一致すると判定し、前記第3の判定手段15の場合に、第2の認証コードLC2と第2の認証コードMC2とが一致すると判定する処理(A04)に移行し、その後に、前記第1の判定手段13及び前記第3の判定手段15の制御用プログラムのエンド(A06)に移行する。
また、上述の受信した認証コードと前記認証装置4に保持された認証コードとが一致するか否かの判断(A03)がNOの場合には、前記第1の判定手段13の場合、第1の認証コードLC1と第1の認証コードMC1とが不一致であると判定し、前記第3の判定手段15の場合に、第2の認証コードLC2と第2の認証コードMC2とが不一致であると判定する処理(A05)に移行し、その後に、前記第1の判定手段13及び前記第3の判定手段15の制御用プログラムのエンド(A06)に移行する。
【0019】
図3の前記第2の判定手段14の制御用フローチャートに沿って作用を説明する。
【0020】
この第2の判定手段14の制御用プログラムがスタート(B01)すると、生体情報登録済みか否かの判断(B02)に移行する。
この判断(B02)において、判断(B02)がYESの場合には、前記生体情報読取手段5により生体情報を読み取ったか否かの判断(B03)に移行し、判断(B02)がNOの場合には、生体情報未登録とする処理(B04)に移行し、その後に、後述する前記第2の判定手段14の制御用プログラムのエンド(B08)に移行する。
そして、上述の前記生体情報読取手段5により生体情報を読み取ったか否かの判断(B03)において、この判断(B03)がNOの場合には、前記第2の判定手段14の制御用プログラムのエンド(B08)に移行し、判断(B03)がYESの場合には、前記生体情報読取手段5により読み取った生体情報と前記認証装置4に保持された生体情報とが一致するか否かの判断(B05)に移行する。
この判断(B05)において、判断(B05)がYESの場合には、生体情報が一致していると判定する処理(B06)に移行し、その後に、前記第2の判定手段14の制御用プログラムのエンド(B08)に移行する。
また、判断(B05)がNOの場合には、生体情報が不一致であると判定する処理(B07)に移行し、その後に、前記第2の判定手段14の制御用プログラムのエンド(B08)に移行する。
【0021】
図4の前記第1の認証手段16の制御用フローチャートに沿って作用を説明する。
なお、この第1の認証手段16の制御用フローチャートによって処理される認証コードは、前記第1の判定手段13の場合の第1の認証コードLC1、MC1、または、前記第3の判定手段15の場合の第2の認証コードLC2、MC2を指している。
【0022】
前記第1の認証手段16の制御用プログラムがスタート(C01)すると、認証コードは一致しているか否かの判断(C02)に移行する。
この判断(C02)においては、前記第1の判定手段13の場合の第1の認証コードLC1、MC1が一致しているか否か、または、前記第3の判定手段15の場合の第2の認証コードLC2、MC2が一致しているか否かの判断を行っている。
そして、上述の認証コードは一致しているか否かの判断(C02)において、判断(C02)がYESの場合には、生体情報は一致するか否かの判断(C03)に移行し、判断(C02)がNOの場合には、認証NGとする処理(C04)に移行し、その後に、後述する前記第1の認証手段16の制御用プログラムのエンド(C07)に移行する。
また、上述の生体情報は一致するか否かの判断(C03)において、この判断(C03)がYESの場合には、認証OKとする処理(C05)に移行し、その後に、前記第1の認証手段16の制御用プログラムのエンド(C07)に移行する。
更に、生体情報は一致するか否かの判断(C03)において、この判断(C03)がNOの場合には、生体情報は未登録であるか否かの判断(C06)に移行する。
そして、この判断(C06)において、判断(C06)がYESの場合には、認証OKとする処理(C05)に移行し、その後に、前記第1の認証手段16の制御用プログラムのエンド(C07)に移行する一方、判断(C06)がNOの場合には、上述した認証NGとする処理(C04)に移行し、その後に、前記第1の認証手段16の制御用プログラムのエンド(C07)に移行する。
【0023】
図5の前記登録手段18の制御用フローチャートに沿って作用を説明する。
なお、この登録手段18の制御用フローチャートによって処理される認証コードは、前記第1の判定手段13の場合の第1の認証コードLC1、MC1、または、前記第3の判定手段15の場合の第2の認証コードLC2、MC2を指している。
【0024】
前記登録手段18の制御用プログラムがスタート(D01)すると、登録要求があるか否かの判断(D02)に移行する。
この登録要求があるか否かの判断(D02)において、判断(D02)がYESの場合には、認証コードは一致しているか否かの判断(D03)に移行し、判断(D02)がNOの場合には、後述する前記登録手段18の制御用プログラムのエンド(D06)に移行する。
また、認証コードは一致しているか否かの判断(D03)においては、前記第1の判定手段13の場合に、第1の認証コードLC1、MC1が一致しているか否かを判断し、または、前記第3の判定手段15の場合には、第2の認証コードLC2、MC2が一致しているか否かを判断する。
そして、上述の認証コードは一致しているか否かの判断(D03)において、判断(D03)がYESの場合には、前記生体情報読取手段5によって生体情報を読み取る処理(D04)に移行し、この処理(D04)の後に、前記登録手段18に生体情報を登録する処理(D05)を行い、その後に、前記登録手段18の制御用プログラムのエンド(D06)に移行する。
また、認証コードは一致しているか否かの判断(D03)がNOの場合には、そのまま前記登録手段18の制御用プログラムのエンド(D06)に移行する。
【実施例2】
【0025】
図6〜図8はこの発明の第2実施例を示すものである。
この第2実施例において、上述第1実施例のものと同一機能を果たす箇所には、同一符号を付して説明する。
【0026】
この第2実施例の特徴とするところは、認証コード同士が一致した時に、所定時間、生体情報を登録可能な状態にする生体情報の登録手段21を設ける構成とした点にある。
【0027】
すなわち、前記車両用盗難防止装置1は、上述した第1実施例と同様に、図6に示す如く、図示しないトランスポンダを内蔵し、第1の認証コードLC1を保持するキー2と、このキー2を挿入するとともに、図示しないイモビライザアンテナが装着されているキーシリンダ3と、車両に搭載された認証装置4と、生体情報を読み取る生体情報読取手段5と、携帯機6とを備えている。
そして、前記認証装置4は、第1の認証コードMC1を保持するとともに、エンジンスタートノブ7またはエンジンスタートスイッチやステアリングロックユニット8、エンジンコントローラ9が夫々接続されており、このエンジンコントローラ9には、イグニッションコイル10とフューエルインジェクタ11とが接続されている。
前記生体情報読取手段5は、ユーザの生体情報を読み取り、読み取った生体情報を前記認証装置4に送信する。
前記携帯機6は、認証装置4に繋がる車室内アンテナ12からリクエスト信号を入力し、第2の認証コードLC2を保持する。
また、前記認証装置4は、図6に示す如く、第1の認証コードMC1を保持する第1の判定手段13と、生体情報を保持する第2の判定手段14と、第2の認証コードMC2を保持する第3の判定手段15と、前記エンジンコントローラ9に接続する第1の認証手段16と、前記ステアリングロックユニット8及び前記エンジンコントローラ9に接続する第2の認証手段17と、前記生体情報読取手段5を接続する生体情報の登録手段21とを備えている。
【0028】
このとき、前記生体情報の登録手段21は、前記第1の判定手段13により第1の認証コードLC1、MC1同士が一致した時に、所定時間、生体情報を登録可能な状態にするものである。
これにより、生体情報の登録作業を容易にすることができる。
【0029】
また、前記生体情報の登録手段21は、前記第3の判定手段15により第2の認証コードLC2、MC2同士が一致した時に、所定時間、生体情報を登録可能な状態にするものである。
これにより、生体情報の登録作業を容易にすることができる。
【0030】
以下に、場合分けをした状況に説明を追記する。
(ア)前記キー2により車両の駆動源を始動させる場合
この第2実施例において、上述した第1実施例との違いは、生体情報登録方法のみである。
つまり、前記認証装置4の第1の判定手段13は、読み取った第1の認証コードLC1と認証装置4に保持された第1の認証コードMC1とが一致していると判定すると、所定時間、生体情報の登録状態とする。
生体情報の前記登録手段21は、生体情報登録状態である時に、前記生体情報読取手段5を介して生体情報を読み取った場合に生体情報を登録する。
(イ)前記携帯機6により車両の駆動源を始動させる場合
この第2実施例において、上述した第1実施例との違いは、生体情報登録方法のみである。
つまり、前記認証装置4の前記第3の判定手段15は、読み取った第2の認証コードLC2と認証装置4に保持された第2の認証コードMC2とが一致していると判定すると、所定時間、生体情報の登録状態とする。
生体情報の前記登録手段21は、生体情報登録状態である時に、前記生体情報読取手段5を介して生体情報を読み取った場合に生体情報を登録する。
【0031】
次に、図7の前記第1の判定手段13及び前記第3の判定手段15の制御用フローチャートに沿って作用を説明する。
なお、第1の判定手段13の場合、認証コードは第1の認証コードLC1、MC1を指す。
また、第3の判定手段15の場合、認証コードは第2の認証コードLC2、MC2を指す。
【0032】
前記第1の判定手段13及び前記第3の判定手段15の制御用プログラムがスタート(E01)すると、認証コードを受信したか否かの判断(E02)に移行する。
この判断(E02)において、前記第1の判定手段13の場合には、認証コードとして、前記キー2に保持された第1の認証コードLC1を受信した否かを判断し、前記第3の判定手段15の場合には、認証コードとして、前記携帯機6から送信された第2の認証コードLC2を受信した否かを判断する。
そして、認証コードを受信したか否かの判断(E02)において、判断がNOの場合には、後述する第1の判定手段13及び第3の判定手段15の制御用プログラムのエンド(E10)に移行する。
判断(E02)がYESの場合には、受信した認証コードと前記認証装置4に保持された認証コードとが一致するか否かの判断(E03)に移行する。
この判断(E03)において、前記第1の判定手段13の場合には、前記キー2から受信した第1の認証コードLC1と前記認証装置4に保持された第1の認証コードMC1とが一致するか否を判断し、前記第3の判定手段15の場合には、前記携帯機6から受信した第2の認証コードLC2と前記認証装置4に保持された第2の認証コードMC2とが一致するか否を判断する。
そして、受信した認証コードと前記認証装置4に保持された認証コードとが一致するか否かの判断(E03)がYESの場合には、前記第1の判定手段13の場合、第1の認証コードLC1と第1の認証コードMC1とが一致すると判定し、前記第3の判定手段15の場合に、第2の認証コードLC2と第2の認証コードMC2とが一致すると判定する処理(E04)に移行する。
また、上述の受信した認証コードと前記認証装置4に保持された認証コードとが一致するか否かの判断(E03)がNOの場合には、前記第1の判定手段13の場合、第1の認証コードLC1と第1の認証コードMC1とが不一致であると判定し、前記第3の判定手段15の場合に、第2の認証コードLC2と第2の認証コードMC2とが不一致であると判定する処理(E05)に移行し、その後に、前記第1の判定手段13及び前記第3の判定手段15の制御用プログラムのエンド(E10)に移行する。
上述の前記第1の判定手段13の場合、第1の認証コードLC1と第1の認証コードMC1とが一致すると判定し、前記第3の判定手段15の場合に、第2の認証コードLC2と第2の認証コードMC2とが一致すると判定する処理(E04)の後には、生体情報登録済みか否かの判断(E06)に移行する。
この判断(E06)において、判断(E06)がYESの場合には、そのまま前記第1の判定手段13及び前記第3の判定手段15の制御用プログラムのエンド(E10)に移行する。
また、判断(E06)がNOの場合には、生体情報の前記登録手段21が生体情報を登録可能な状態にする処理(E07)に移行する。
そして、この登録手段21が生体情報を登録可能な状態にする処理(E07)の後に、所定時間が経過したか否かの判断(E08)に移行する。
この所定時間が経過したか否かの判断(E08)において、判断(E08)がNOの場合には、この判断(E08)がYESとなるまで判断(E08)を繰り返し行う。
そして、判断(E08)がYESの場合には、生体情報の前記登録手段21の生体情報登録可能状態を解除する処理(E09)に移行し、その後に、前記第1の判定手段13及び前記第3の判定手段15の制御用プログラムのエンド(E10)に移行する。
【0033】
なお、前記第2の判定手段14の制御は、上述した第1実施例の図3にて説明した制御用フローチャートと同様であるので、説明は省略する。
また、前記第1の認証手段16の制御は、上述した第1実施例の図4にて説明した制御用フローチャートと同様であるので、説明は省略する。
【0034】
図8の前記登録手段21の制御用フローチャートに沿って作用を説明する。
【0035】
この登録手段21の制御用プログラムがスタート(F01)すると、生体情報の前記登録手段21が生体情報登録可能状態にあるか否かの判断(F02)に移行する。
そして、この判断(F02)がNOの場合には、後述する前記登録手段21の制御用プログラムのエンド(F05)に移行する。
また、判断(F02)がYESの場合には、前記生体情報読取手段5によって生体情報を読み取る処理(F03)に移行し、この処理(F03)の後に、前記登録手段21に生体情報を登録する処理(F04)を行い、その後に、前記登録手段21の制御用プログラムのエンド(F05)に移行する。
【実施例3】
【0036】
図9はこの発明の第3実施例を示すものである。
【0037】
この第3実施例の特徴とするところは、車両用盗難防止装置31の第1の認証手段32が、前記認証装置4に生体情報が登録されていない時には、前記第1の判定手段13により第1の認証コードLC1、MC1同士が一致するだけで車両のドアの施錠及び解錠をする構成とした点にある。
また、第2の認証手段33が、前記認証装置4に生体情報が登録されていない時には、前記第3の判定手段15により第2の認証コードLC2、MC2同士が一致するだけで車両のドアの施錠及び解錠をする構成とした点にある。
【0038】
すなわち、前記車両用盗難防止装置31は、上述した第1実施例と同様に、図9に示す如く、図示しないトランスポンダを内蔵し、第1の認証コードLC1を保持する前記キー2と、このキー2を挿入するとともに、図示しないイモビライザアンテナが装着されている前記キーシリンダ3と、車両に搭載された前記認証装置4と、生体情報を読み取る前記生体情報読取手段5と、前記携帯機6とを備えている。
そして、前記認証装置4は、第1の認証コードMC1を保持するとともに、前記エンジンスタートノブ7またはエンジンスタートスイッチや前記ステアリングロックユニット8、ドアロック制御装置34が夫々接続されており、このドアロック制御装置34には、運転席側ドアロックモータ35と助手席側ドアロックモータ36と後席右側ドアロックモータ37と後席左側ドアロックモータ38と荷室ドアロックモータ39とが接続されている。
前記生体情報読取手段5は、ユーザの生体情報を読み取り、読み取った生体情報を前記認証装置4に送信する。
前記携帯機6は、認証装置4に繋がる前記車室内アンテナ12からリクエスト信号を入力し、第2の認証コードLC2を保持する。
また、前記認証装置4は、図9に示す如く、第1の認証コードMC1を保持する前記第1の判定手段13と、生体情報を保持する前記第2の判定手段14と、第2の認証コードMC2を保持する前記第3の判定手段15と、前記ドアロック制御装置34に接続する前記第1の認証手段32と、前記ステアリングロックユニット8及び前記エンジンコントローラ9に接続する前記第2の認証手段33と、前記生体情報読取手段5を接続するとともに生体情報登録要求を入力する生体情報の前記登録手段18とを備えている。
【0039】
つまり、前記車両用盗難防止装置31は、前記キー2を前記キーシリンダ3に挿入し車両のドアの施錠及び解錠を行う場合に、キー2に保持された第1の認証コードLC1と車両に搭載された前記認証装置4に保持された第1の認証コードMC1とが一致するか否かを判定する前記第1の判定手段13と、生体情報を読み取る前記生体情報読取手段5と、この生体情報読取手段5により読み取られた生体情報と前記認証装置4に登録された生体情報とが一致するか否かを判定する前記第2の判定手段14と、前記第1の判定手段13により第1の認証コードLC1、MC1同士が一致し、かつ、前記第2の判定手段14により生体情報同士が一致する場合に車両のドアの施錠及び解錠をする前記第1の認証手段32とを備えている。
そして、この第1の認証手段32は、前記認証装置4に生体情報が登録されていない時には、前記第1の判定手段13により第1の認証コードLC1、MC1同士が一致するだけで車両のドアの施錠及び解錠をするものである。
これにより、車両完成後に車両をユーザヘ引き渡すのに、事前にユーザの生体情報を入手せずに、車両のドアの施錠及び解錠をすることができる。
したがって、ユーザは、ユーザの生体情報悪用への不安を解消することができる。
また、車両を取り扱う業者は、車両納入作業における不便を解消することができる。
【0040】
また、前記生体情報読取手段5により読み取られた生体情報を前記認証装置4に登録する生体情報の登録手段18を備え、この生体情報の登録手段18は、前記第1の判定手段13により第1の認証コードLC1、MC1同士が一致した場合にのみ、生体情報を前記認証装置4に登録可能とする。
これにより、キー2側に保持された認証コードである第1の認証コードLC1と車両側に保持された認証コードである第1の認証コードMC1とが一致する場合にのみ生体情報を車両側に登録可能となるので、不正に生体情報を登録するのを防ぐことができる。
また、車両をユーザヘ引き渡す前に、ユーザの生体情報を入手する必要が無く、車両引渡しと同時に生体情報を登録する作業を行うことができる。
【0041】
更に、前記車両用盗難防止装置31は、前記携帯機6から送信された第2の認証コードLC2と、車両に搭載された前記認証装置4に保持された第2の認証コードMC2とが一致するか否かを判定する前記第3の判定手段15と、生体情報を読み取る前記生体情報読取手段5と、この生体情報読取手段5により読み取られた生体情報と前記認証装置4に登録された生体情報とが一致するか否かを判定する前記第2の判定手段14と、前記第3の判定手段15により第2の認証コードLC2、MC2同士が一致し、かつ、前記第2の判定手段14により生体情報同士が一致する場合に車両のドアの施錠及び解錠をする前記第2の認証手段33とを備えている。
そして、この第2の認証手段33は、前記認証装置4に生体情報が登録されていない時には、前記第3の判定手段15により第2の認証コードLC2、MC2同士が一致するだけで車両のドアの施錠及び解錠をするものである。
これにより、車両完成後に車両をユーザヘ引き渡すのに、事前にユーザの生体情報を入手せずに、車両のドアの施錠及び解錠をすることができる。
したがって、ユーザは、ユーザの生体情報悪用への不安を解消することができる。
また、車両を取り扱う業者は、車両納入作業における不便を解消することができる。
【0042】
更にまた、前記生体情報読取手段に5より読み取られた生体情報を前記認証装置4に登録する生体情報の前記登録手段18を備え、この生体情報の登録手段18は、前記第3の判定手段15により第2の認証コードLC2、MC2同士が一致した場合にのみ、生体情報を前記認証装置4に登録可能とする。
これにより、前記携帯機6から送信された認証コードである第2の認証コードLC2と車両側に保持された認証コードである第2の認証コードMC2とが一致する場合にのみ生体情報を車両側に登録可能となるので、不正に生体情報を登録するのを防ぐことができる。
また、車両をユーザヘ引き渡す前に、ユーザの生体情報を入手する必要が無く、車両引き渡しと同時に生体情報を登録する作業を行うことができる。
【0043】
以下に、場合分けをした状況に説明を追記する。
(ア)前記キー2により車両のドアの施錠及び解錠をする場合
前記キー2を前記キーシリンダ3に差し込むと、前記認証装置4はドアに装備されたイモビライザアンテナを介してキー2のトランスポンダから第1の認証コードLC1を読み取る。
そして、前記認証装置4の第1の判定手段13は、第1の認証コードLC1と認証装置4に保持された第1の認証コードMC1とを比較し、一致しているか否かを判定する。
一方、前記認証装置4は、前記生体情報読取手段5を介してユーザの生体情報を読み取る。
そして、前記認証装置4の第2の判定手段14は、読み取った生体情報と認証装置4に登録された生体情報とを比較し、一致しているか否かを判定する。
このとき、前記認証装置4に生体情報が保持されていない場合、生体情報未登録とする。
また、前記第1の認証手段32は、第1の判定手段13及び第2の判定手段14の判定結果から前記ドアロック制御装置34に認証OK/NGを出力する。
認証OKの場合には、ドアロック/アンロックを許可して、各ドアロックモータ35〜39を作動させる。
例えば、故障診断テスタのような外部機器を認証装置に接続して、外部機器から生体情報登録要求は入力される。
あるいは、登録スイッチ等の生体情報登録用のインターフェースを車両に設けておいても良い。
(イ)前記携帯機6により車両のドアの施錠及び解錠をする場合
図示しないドアアウタハンドルに設置されたドアリクエストスイッチ(図示せず)が押されると、前記認証装置4は前記車室内アンテナ12を起動させ、車室内送信を行う。
このとき、車室内に前記携帯機6がないと判定された場合、ドアリクエストスイッチが押されたドアのドアアンテナ(図示せず)を起動させ、携帯機6にリクエスト信号を送信する。
そして、リクエスト信号を受信した前記携帯機6は、前記認証装置4(内蔵アンテナ)に第2の認証コードLC2を送信する。
また、前記認証装置4の前記第3の判定手段15は、送信された第2の認証コードLC2と認証装置4に保持された第2の認証コードMC2とを比較し、一致しているか否かを判定する。
一方、前記認証装置4は、前記生体情報読取手段5を介してユーザの生体情報を読み取る。
そして、前記認証装置4の前記第2の判定手段14は、読み取った生体情報と前記認証装置4に登録された生体情報とを比較し、一致しているか否かを判定する。
このとき、前記認証装置4に生体情報が保持されていない場合、生体情報未登録とする。
前記第2の認証手段33は、前記第3の判定手段15及び前記第2の判定手段14の判定結果から前記ドアロック制御装置34に認証0K/NGを出力する。
認証0Kの場合には、ドアロック/アンロックを許可して、各ドアロックモータ35〜39を作動させる。
例えば、故障診断テスタのような外部機器を認証装置に接続して、外部機器から生体情報登録要求は入力される。
あるいは、登録スイッチ等の生体情報登録用のインターフェースを車両に設けておいても良い。
【0044】
なお、前記第1の判定手段13及び前記第3の判定手段15の制御は、
上述した第1実施例の図2にて説明した制御用フローチャートと同様であるので、説明は省略する。
また、前記第2の判定手段14の制御は、上述した第1実施例の図3にて説明した制御用フローチャートと同様であるので、説明は省略する。
更に、前記第1の認証手段32の制御は、上述した第1実施例の図4にて説明した制御用フローチャートと同様であるので、説明は省略する。
更にまた、前記登録手段18の制御は、上述した第1実施例の図5にて説明した制御用フローチャートと同様であるので、説明は省略する。
【実施例4】
【0045】
図10はこの発明の第4実施例を示すものである。
【0046】
この第4実施例の特徴とするところは、認証コード同士が一致した時に、所定時間、生体情報を登録可能な状態にする生体情報の登録手段41を設ける構成とした点にある。
【0047】
すなわち、前記車両用盗難防止装置31は、上述した第3実施例と同様に、図10に示す如く、図示しないトランスポンダを内蔵し、第1の認証コードLC1を保持する前記キー2と、このキー2を挿入するとともに、図示しないイモビライザアンテナが装着されている前記キーシリンダ3と、車両に搭載された前記認証装置4と、生体情報を読み取る前記生体情報読取手段5と、前記携帯機6とを備えている。
そして、前記認証装置4は、第1の認証コードMC1を保持するとともに、前記エンジンスタートノブ7またはエンジンスタートスイッチや前記ステアリングロックユニット8、ドアロック制御装置34が夫々接続されており、このドアロック制御装置34には、運転席側ドアロックモータ35と助手席側ドアロックモータ36と後席右側ドアロックモータ37と後席左側ドアロックモータ38と荷室ドアロックモータ39とが接続されている。
前記生体情報読取手段5は、ユーザの生体情報を読み取り、読み取った生体情報を前記認証装置4に送信する。
前記携帯機6は、前記認証装置4に繋がる前記車室内アンテナ12からリクエスト信号を入力し、第2の認証コードLC2を保持する。
また、前記認証装置4は、図6に示す如く、第1の認証コードMC1を保持する前記第1の判定手段13と、生体情報を保持する前記第2の判定手段14と、第2の認証コードMC2を保持する前記第3の判定手段15と、前記ドアロック制御装置34に接続する前記第1の認証手段32と、前記ステアリングロックユニット8及び前記エンジンコントローラ9に接続する前記第2の認証手段33と、前記生体情報読取手段5を接続する生体情報の登録手段41とを備えている。
【0048】
このとき、前記生体情報の登録手段41は、前記第1の判定手段13により第1の認証コードLC1、MC1同士が一致した時に、所定時間、生体情報を登録可能な状態にする。
これにより、生体情報の登録作業を容易にすることができる。
【0049】
また、前記生体情報の登録手段41は、前記第3の判定手段15により第2の認証コードLC2、MC2同士が一致した時に、所定時間、生体情報を登録可能な状態にする。
これにより、生体情報の登録作業を容易にすることができる。
【0050】
以下に、場合分けをした状況に説明を追記する。
(ア)前記キー2により車両のドアの施錠及び解錠をする場合
この第4実施例において、上述した第3実施例との違いは、生体情報登録方法のみである。
つまり、前記認証装置4の前記第1の判定手段13は、読み取った第1の認証コードLC1と前記認証装置4に保持された第1の認証コードMC1とが一致していると判定すると、所定時間、生体情報の登録状態とする。
生体情報の前記登録手段41は、生体情報状態である時に、前記生体情報読取手段5を介して生体情報を読み取った場合に生体情報を登録する。
(イ)前記携帯機6により車両のドアの施錠及び解錠をする場合
この第4実施例において、上述した第3実施例との違いは、生体情報登録方法のみである。
つまり、前記認証装置4の前記第3の判定手段15は、読み取った第2の認証コードLC2と認証装置4に保持された第2の認証コードMC2とが一致していると判定すると、所定時間、生体情報の登録状態とする。
生体情報の前記登録手段41は、生体情報状態である時に、前記生体情報読取手段5を介して生体情報を読み取った場合に生体情報を登録する。
【0051】
なお、前記第1の判定手段13及び前記第3の判定手段15の制御は、
上述した第2実施例の図7にて説明した制御用フローチャートと同様であるので、説明は省略する。
また、前記第2の判定手段14の制御は、上述した第1実施例の図3にて説明した制御用フローチャートと同様であるので、説明は省略する。
更に、前記第1の認証手段32の制御は、上述した第1実施例の図4にて説明した制御用フローチャートと同様であるので、説明は省略する。
更にまた、前記登録手段41の制御は、上述した第2実施例の図8にて説明した制御用フローチャートと同様であるので、説明は省略する。
【0052】
なお、この発明は上述第1〜第4実施例に限定されるものではなく、種々の応用改変が可能である。
例えば、この発明においては、車両以外に駆動源を有する移動体として、船舶、電動自転車、バイク、スノーモービル、飛行機等に適用可能である。
【符号の説明】
【0053】
1 車両用盗難防止装置
2 キー
3 キーシリンダ
4 認証装置
5 生体情報読取手段
6 携帯機
7 エンジンスタートノブ
8 ステアリングロックユニット
9 エンジンコントローラ
10 イグニッションコイル
11 フューエルインジェクタ
12 車室内アンテナ
13 第1の判定手段
14 第2の判定手段
15 第3の判定手段
16 第1の認証手段
17 第2の認証手段
18 生体情報の登録手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キーをキーシリンダに挿入し車両の駆動源の始動動作を行う場合に、キーに保持された第1の認証コードと車両に搭載された認証装置に保持された第1の認証コードとが一致するか否かを判定する第1の判定手段と、生体情報を読み取る生体情報読取手段と、この生体情報読取手段により読み取られた生体情報と前記認証装置に登録された生体情報とが一致するか否かを判定する第2の判定手段と、前記第1の判定手段により第1の認証コード同士が一致し、かつ、前記第2の判定手段により生体情報同士が一致する場合に車両の駆動源の始動を許可する第1の認証手段とを備えた車両用盗難防止装置において、前記第1の認証手段は、前記認証装置に生体情報が登録されていない時には、前記第1の判定手段により第1の認証コード同士が一致するだけで車両の駆動源の始動を許可することを特徴とする車両用盗難防止装置。
【請求項2】
前記生体情報読取手段により読み取られた生体情報を前記認証装置に登録する生体情報の登録手段を備え、この生体情報の登録手段は、前記第1の判定手段により第1の認証コード同士が一致した場合にのみ、生体情報を前記認証装置に登録可能とすることを特徴とする請求項1に記載の車両用盗難防止装置。
【請求項3】
前記生体情報の登録手段は、前記第1の判定手段により第1の認証コード同士が一致した時に、所定時間、生体情報を登録可能な状態にすることを特徴とする請求項2に記載の車両用盗難防止装置。
【請求項4】
携帯機から送信された第2の認証コードと、車両に搭載された認証装置に保持された第2の認証コードとが一致するか否かを判定する第3の判定手段と、生体情報を読み取る生体情報読取手段と、この生体情報読取手段により読み取られた生体情報と前記認証装置に登録された生体情報とが一致するか否かを判定する第2の判定手段と、前記第3の判定手段により第2の認証コード同士が一致し、かつ、前記第2の判定手段により生体情報同士が一致する場合に車両の駆動源の始動を許可する第2の認証手段とを備えた車両用盗難防止装置において、前記第2の認証手段は、前記認証装置に生体情報が登録されていない時には、前記第3の判定手段により第2の認証コード同士が一致するだけで車両の駆動源の始動を許可することを特徴とする車両用盗難防止装置。
【請求項5】
前記生体情報読取手段により読み取られた生体情報を認証装置に登録する生体情報の登録手段を備え、この生体情報の登録手段は、前記第3の判定手段により第2の認証コード同士が一致した場合にのみ、生体情報を認証装置に登録可能とすることを特徴とする請求項4に記載の車両用盗難防止装置。
【請求項6】
前記生体情報の登録手段は、前記第3の判定手段により第2の認証コード同士が一致した時に、所定時間、生体情報を登録可能な状態にすることを特徴とする請求項5に記載の車両用盗難防止装置。
【請求項7】
キーをキーシリンダに挿入し車両のドアの施錠及び解錠を行う場合に、キーに保持された第1の認証コードと車両に搭載された認証装置に保持された第1の認証コードとが一致するか否かを判定する第1の判定手段と、生体情報を読み取る生体情報読取手段と、この生体情報読取手段により読み取られた生体情報と前記認証装置に登録された生体情報とが一致するか否かを判定する第2の判定手段と、前記第1の判定手段により第1の認証コード同士が一致し、かつ、前記第2の判定手段により生体情報同士が一致する場合に車両のドアの施錠及び解錠をする第1の認証手段とを備えた車両用盗難防止装置において、前記第1の認証手段は、前記認証装置に生体情報が登録されていない時には、前記第1の判定手段により第1の認証コード同士が一致するだけで車両のドアの施錠及び解錠をすることを特徴とする車両用盗難防止装置。
【請求項8】
前記生体情報読取手段により読み取られた生体情報を前記認証装置に登録する生体情報の登録手段を備え、この生体情報の登録手段は、前記第1の判定手段により第1の認証コード同士が一致した場合にのみ、生体情報を前記認証装置に登録可能とすることを特徴とする請求項7に記載の車両用盗難防止装置。
【請求項9】
前記生体情報の登録手段は、前記第1の判定手段により第1の認証コード同士が一致した時に、所定時間、生体情報を登録可能な状態にすることを特徴とする請求項8に記載の車両用盗難防止装置。
【請求項10】
携帯機から送信された第2の認証コードと、車両に搭載された認証装置に保持された第2の認証コードとが一致するか否かを判定する第3の判定手段と、生体情報を読み取る生体情報読取手段と、この生体情報読取手段により読み取られた生体情報と前記認証装置に登録された生体情報とが一致するか否かを判定する第2の判定手段と、前記第3の判定手段により第2の認証コード同士が一致し、かつ、前記第2の判定手段により生体情報同士が一致する場合に車両のドアの施錠及び解錠をする第2の認証手段とを備えた車両用盗難防止装置において、前記第2の認証手段は、前記認証装置に生体情報が登録されていない時には、前記第3の判定手段により第2の認証コード同士が一致するだけで車両のドアの施錠及び解錠をすることを特徴とする車両用盗難防止装置。
【請求項11】
前記生体情報読取手段により読み取られた生体情報を前記認証装置に登録する生体情報の登録手段を備え、この生体情報の登録手段は、前記第3の判定手段により第2の認証コード同士が一致した場合にのみ、生体情報を前記認証装置に登録可能とすることを特徴とする請求項10に記載の車両用盗難防止装置。
【請求項12】
前記生体情報の登録手段は、前記第3の判定手段により第2の認証コード同士が一致した時に、所定時間、生体情報を登録可能な状態にすることを特徴とする請求項11に記載の車両用盗難防止装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−166734(P2012−166734A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−30565(P2011−30565)
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】