説明

車両組立ラインにおけるドア搬送装置およびドア搬送方法

【課題】コンベヤの総設置距離を小さくしつつ、左右のドアの艤装組立作業を作業者が対面するかたちで行う際に、一方の作業者側でのハンガーの揺れ等が他方の作業者側での作業に影響しないドア搬送装置を提供する。
【解決手段】一次コンベヤ3と一対の二次コンベヤ4と備え、一次コンベヤ3の一次ハンガー5に各二次コンベヤ4の二次ハンガー16がそれぞれに吊り下げ支持可能となっている。特定の区間ではドアDを搭載した二次ハンガー16を二次コンベヤ4のガイドレール17から外して一次コンベヤ3によって搬送する。別の区間では各二次ハンガー16を一次ハンガー5から切り離し、それぞれの二次コンベヤ4で独立して搬送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両組立ラインにおいて少なくとも左右のドアをセットとして搬送するための装置および方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車の生産ラインである車両組立ラインにおいては、各種組立作業の作業性を考慮して、塗装後の車体を搬送するメインラインのドア取り外し工程において車体から左右のドアを一旦取り外し、その取り外した左右のドアをセットとしてドア・サブラインに投入して、メインラインでの車体に対する諸々の組立作業と並行してドア・サブラインでは各ドアに対する必要な艤装組立作業を行い、上記メインラインのドア取り付け工程において、ドア・サブラインより搬送されてくるドアを左右セットとして再び元の車体に組み付けるようにした工法が採用されている。
【0003】
そして、かかる工法に適したドアの搬送装置として、特許文献1に記載のものが提案されている。特許文献1では、左右のドアをセットとして搬送するためのオーバーヘッドコンベヤタイプの搬送装置であって、移動体側の一次ハンガーに対して実際にドアを搭載することになる二次ハンガーを係脱自在に支持させるようになっている。
【特許文献1】特開平5−193498号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の技術では、一次ハンガーから吊り下げ支持された共通の二次ハンガーに左右のドアをいわゆる背中合わせの状態で搭載した上で、ドア・サブラインにて各ドアに必要な艤装組立作業を行うようにしているため、それぞれのドアに作業者が個別に対面して艤装組立作業を行う際に支障が生ずることとなって好ましくない。
【0005】
すなわち、一方の作業者が艤装組立作業を行う際にドアが搭載されている二次ハンガー全体が揺れることがあるが、この揺れは対面するかたちで他方のドアの艤装組立作業を行っている他方の作業者にとっては迷惑となり、作業性の低下をもたらす結果となる。また、先に述べたドア搬送装置は、多くの場合にパワー&フリーコンベヤタイプのものが採用されていて、いわゆるストレージ機能を有しているものであるが、双方の作業者にとって必要な二次ハンガーの走行及び停止のタイミングが微妙に異なることから、これによってもまた作業性の低下が余儀なくされる。
【0006】
その一方、例えば左右のドアごとにコンベヤを独立させればかかる不具合は解消されることになるものの、コンベヤの総設置距離が単純に二倍となり、設備の大型化とともに占有スペースの増大を招くこととなって好ましくない。
【0007】
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、コンベヤの総設置距離を極力小さくしつつ、左右のドアの艤装組立作業をそのドアをはさんで作業者が対面するかたちで行う際に、一方の作業者側での揺れ、あるいは走行および停止のタイミングが他方の作業者側での作業に影響しないように考慮された車両組立ラインにおけるドア搬送装置およびドア搬送方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、車体搬送用のメインラインのドア取り外し工程において車体から左右のドアを一旦取り外し、その取り外した左右のドアをセットとしてドア・サブラインに投入する一方、上記メインラインのドア取り付け工程において、ドア・サブラインより搬送されてくるドアを左右セットとして元の車体に組み付けるようにした車両組立ラインにして、上記ドア・サブラインを構成しているドア搬送装置の構成要素として、左右のドアごとに独立していて、右側または左側の単一のドアを搭載して走行移動可能な二次キャリアを有する一対の二次コンベヤと、左側ドア用と右側ドア用の一対の二次キャリアをセットとして搭載して走行移動可能な一次キャリアを有する一次コンベヤとを設けてある。
【0009】
そして、上記ドア・サブラインのうち少なくともドアの組立作業に直接関与する実作業領域では、それぞれの二次コンベヤの二次キャリアに個別にドアを搭載した状態でその二次キャリアを走行移動させてドアの組立作業に供するものとする。
【0010】
他方、上記実作業領域以外の領域では、一次コンベヤの一次キャリアに対し一対の二次キャリアを搭載した状態でその一次キャリアを走行移動させるものとする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ドア・サブラインの少なくとも実作業領域では、互いに独立したそれぞれの二次コンベヤの二次キャリアに個別にドアを搭載した状態でその二次キャリアを走行移動させることから、例えば左右のドアの艤装組立作業をそのドアをはさんで作業者が対面するかたちで行う際に、一方の作業者側での揺れ、あるいは走行および停止のタイミングが他方の作業者側での作業に影響を及ぼすことがなくなり、作業性の向上が図れる。
【0012】
また、実作業領域以外の領域では、一次コンベヤの一次キャリアに対し一対の二次キャリアを搭載した状態でその一次キャリアを走行移動させることから、全体にわたり互いに独立した一対の二次コンベヤを設置する場合と比べて、コンベヤの総設置距離を極力小さくできる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は自動車の生産ラインのうち車両組立ラインの概略構造を示す平面説明図である。ここでは、車両組立ラインは、大別して、スラットコンベヤあるいは台車搬送方式のコンベヤを主体として構成された例えばコンティニアスタイプの車体B搬送用のメインライン1と、オーバーヘッドコンベヤ(例えばチェーン式のパワー&フリーコンベヤ)である一次コンベヤ3を主要素として構成されたドアD搬送用のドア・サブライン2とを備えている。なお、一次コンベヤ3は後述する二次コンベヤ4とともにドア搬送装置を構成することになる。
【0014】
メインライン1は塗装が施された車体(ボデイ)Bそのものの艤装組み立てを行うためのものであり、ラインの途中に、車体BからドアDを一旦取り外すためのドア取り外し工程S1と、先にドアDが取り外された元の車体BにドアDを再度取り付けるためのドア取り付け工程S2を備えている。
【0015】
他方、ドア・サブライン2はドアD単独での艤装組み立てを行うためにエンドレスなラインとして構成されているものであり、その途中に直列的な複数の工程を含んでなる実作業領域としてのドア・サブアセンブリ工程S13のほか、ドア・サブアセンブリ工程S13の上流側に位置するドア・ローディング工程S11と、ドア・サブアセンブリ工程S13の下流側に位置するドア・アンローディング工程S12を備えているとともに、ドア・ローディング工程S11がメインライン1側のドア取り外し工程S1に、ドア・アンローディング工程S12が同じくメインライン1側のドア取り付け工程S2にそれぞれ近接するように設定してある。
【0016】
メインライン1側のドア取り外し工程S1にて車体Bから一旦取り外されたドアDは、後述するように左右セットとしてドア・サブライン2側のドア・ローディング工程S11に移載された上で当該ドア・サブライン2に投入され、またドア・サブライン2での艤装組み立てを終えたドアDは左右セットとしてドア・アンローディング工程S12からメインライン1側のドア取り付け工程S2に移載された上で元の車体Bに取り付けられることになる。
【0017】
ここで、左右セットとされたドアDがドア・サブライン2を一巡する過程で各ドアDに必要な艤装組立作業が施される一方、それと並行してメインライン1側ではドアDが取り外されたままの車体Bに対してドア取り付け工程S2までの間に必要な艤装組立作業が施され、艤装組立作業が施された左右のドアDが上記のようにメインライン1側のドア取り付け工程S2にて元の車体Bに取り付けられることになる。
【0018】
上記ドア・サブライン2は、エンドレスなオーバーヘッドコンベヤである一次コンベヤ3を主要素として構成されていることは先に述べた。そして、図1に示すように、ドア・サブライン2のうちドア・サブアセンブリ工程S13とドア・ローディング工程S11およびドア・アンローディング工程S12の各工程には、一次コンベヤ3とは別に、各工程S13,S11,S12の始終端部側に所定量だけ張り出すようにして左右一対の二次コンベヤ4、例えば一次コンベヤ3と同様のパワー&フリーコンベヤ等のオーバーヘッドコンベヤを二次コンベヤ4として並設してある。
【0019】
すなわち、ドア・サブライン2の多くの部分では単一のオーバーヘッドコンベヤである一次コンベヤ3をもって構成してあるのに対して、ドア・サブアセンブリ工程S13とドア・ローディング工程S11およびドア・アンローディング工程S12の各工程では、一次コンベヤ3にこれと平行なオーバーヘッドコンベヤである左右一対の二次コンベヤ4を加えた合計3本のコンベヤをもって構成してある。
【0020】
図2は、上記ドア・サブアセンブリ工程S13とドア・ローディング工程S11およびドア・アンローディング工程S12の三つの工程の代表例として、ドア・サブアセンブリ工程S13でのコンベヤ構成の詳細を示しており、図3は図2の拡大図を示している。さらに、図4は図2,3における一つのハンガーの拡大図を、図5は図4の側面図をそれぞれ示している。
【0021】
なお、図4のハンガーにドアDが搭載された状態を図7に、図5のハンガーにドアDが搭載された状態を図8にそれぞれ示してある。
【0022】
図2,3のほか図4,5に示すように、オーバーヘッドコンベヤである一次コンベヤ3は、一次キャリアとしての複数の一次ハンガー5をガイドレール6に沿って走行可能に配置してあるとともに、図示外のパワーチェーンをガイドレール6に沿って敷設してある。そして、連続的に走行するパワーチェーンを後述するフロントトロリ10に引っ掛けることで、そのパワーチェーンの動きに追従して一次ハンガー5が走行することになる。また、前後の一次ハンガー5,5同士が接近して後述するフロントトロリ10と後側のハンガートロリ9とが衝突すると、パワーチェーンとフロントトロリ10との係合が解除されて、後側の一次ハンガー5はその位置で停止し、パワー&フリーコンベヤとしていわゆるストレージ機能を発揮することになる。なお、かかる構造は先に述べた特許文献2等にて周知である。
【0023】
ここで、上記一次コンベヤ3は必ずしも先に述べたようなパワー&フリーコンベヤである必要ななく、例えばモータ駆動により一次ハンガー5が自走するタイプのもの等であっても良い。
【0024】
一次コンベヤ3のうちドア・サブアセンブリ工程S13に相当する部分では、ガイドレール6が徐変部たる前後の傾斜部7a,7bを介して一般部6aよりもその高さが一段低くなるボトムレール部6bとなっている。そして、一般部6aとボトムレール部6b相互間で一次ハンガー5が乗り移る際には、その一般部6aとボトムレール部6bとの高さ変化分だけ一次ハンガー5が昇降動作するようになっている。
【0025】
一次キャリアとしての一次ハンガー5は、図4,5に示すように、ガイドレール6に案内支持されたガイドローラ付きの前後一対のハンガートロリ8,9のほか、同じくガイドローラ付きのフロントトロリ10をハンガー本体11の上部に備えていて、前側のハンガートロリ8とフロントトロリ10とはバー12にて連結されている。ハンガー本体11からは中間シャフト13を介して水平なハンガープレート14が吊り下げ支持されており、そのハンガープレート14には図6に示すように複数の係合突起部15を上向きに形成してある。
【0026】
他方、図2〜4に示すように、同じくオーバーヘッドコンベヤである一対の二次コンベヤ4は、一次コンベヤ3を挟んで当該一次コンベヤ3よりも所定量だけ低い位置に一次コンベヤ3と平行に配設されている。これらの二次コンベヤ4は、一次コンベヤ3と同様に、二次キャリアとしての複数の二次ハンガー16をガイドレール17に沿って走行可能に配置してあるとともに、双方の二次コンベヤ4,4間で同期して走行する図示外のパワーチェーンを各ガイドレール17に沿って敷設してある。なお、双方の二次コンベヤ4,4間において二次ハンガー16の位置およびピッチは共にほぼ等しくなるように設定してある。そして、一次コンベヤ3側とは独立して走行するパワーチェーンを後述するハンガートロリ19に引っ掛けることで、そのパワーチェーンの動きに追従して双方の二次コンベヤ4,4の二次ハンガー16が同期走行することになる。この同期走行する範囲は、図2,3においてガイドレール6の一般部6aからボトムレール部6bへの一次ハンガー5の乗り移りが完了する位置から、同じくガイドレール6のボトムレール部6bから一般部6aへの一次ハンガー5の乗り移りが完了する位置までの間であれば良い。なお、この二次コンベヤ4についても例えばモータ駆動により二次ハンガー16が自走するタイプのもの等であっても良い。
【0027】
二次キャリアとしての二次ハンガー16は、図4,5に示すように、キャリア本体として機能するプレート状のハンガー本体18の上部にガイドレール17に案内支持されたガイドローラ付きの前後一対のハンガートロリ19を備えているとともに、プレート状のハンガー本体18には搬送対象となるドアDを直接的に位置決め支持するためのハンガーフレーム20を吊り下げ支持させてある。また、プレート状のハンガー本体18の下面には一次ハンガー5側の係合突起部15に対応する複数の係合穴21を形成してあるとともに、ハンガーフレーム20にはドアDの受け治具22やパッド23を付設してある。そして、各二次ハンガー16には図7,8に示すように右側または左側のドアDを後傾姿勢にて起立させて位置決め支持させるようになっている。つまり、図4,5に示すように、一次コンベヤ3側の一次キャリア5に対し左右一対の二次コンベヤ4側の二次キャリア16が支持されている状態では、双方の二次コンベヤ4において同じ位置にある二次ハンガー16は背面側の背当て部材24同士が当接するとともに、それらの二次ハンガー16には、左右のドアDがセットとしてそれらの外板面が対面するかたちで支持されることになる。
【0028】
ここで、図6に示すように、一次ハンガー5側の係合突起部15と二次ハンガー16側の係合穴21は、その数や大きさをいわゆる凹凸嵌合をもって互いに係合離脱可能に形成してあることから、図5,6に示すように搬送方向において一次ハンガー5と二次ハンガー16とを位置的に一致させた状態で一次ハンガー5を昇降動作させれば、一次ハンガー5側の係合突起部15と二次ハンガー16側の係合穴21が自律的に係合または離脱し、特に両者の係合状態においては一次ハンガー5と二次ハンガー16の三次元方向の相対位置決めが自律的になされ、一次ハンガー5に対する各二次ハンガー16の支持状態が安定化することになる。
【0029】
そして、一次ハンガー5側の係合突起部15と二次ハンガー16側の係合穴21が係合している状態においては、二次ハンガー16を二次コンベヤ4側のガイドレール17から外したとしても、あるいは二次ハンガー16が二次コンベヤ4側のガイドレール17に案内支持されていたとしても、一次ハンガー5に二次ハンガー16を直接吊り下げ支持させた状態で搬送することができる。逆に一次ハンガー5側の係合突起部15と二次ハンガー16側の係合穴21との係合が解除された状態においては、一次ハンガー5は空載状態となっていわゆる空走するだけであり、二次ハンガー16は二次コンベヤ4側のガイドレール17に案内支持されていることを条件にその二次コンベヤ4側のパワーチェーンによってのみ走行することができる。
【0030】
以上のような構造は、ドア・サブアセンブリ工程S13だけでなく、ドア・ローディング工程S11およびドア・アンローディング工程S12についても基本的に同じ構造となっている。ただし、ドア・サブアセンブリ工程S13での作業量はドア・ローディング工程S11やドア・アンローディング工程S12でのそれと比べて格段に多いことから、二次ハンガー16が単独で走行する区間の長さは、ドア・ローディング工程S11やドア・アンローディング工程S12に比べてドア・サブアセンブリ工程S13の方が圧倒的に長く設定されている。
【0031】
したがって、例えば図2,3の左端の一次ハンガー5および二次ハンガー16に着目した場合、先に述べた一次ハンガー5側の係合突起部15と二次ハンガー16側の係合穴21との係合をもって左右一対の二次ハンガー16が一次ハンガー5に直接吊り下げ支持されていることから、図9,10に示すように二次ハンガー16は二次コンベヤ4自体のガイドレール17からは外れていて、その二次ハンガー16は一次コンベヤ3の動きをもって搬送される。
【0032】
そして、同図の左端の一次ハンガー5が二次コンベヤ4の始端部に至ると、一次ハンガー5に吊り下げ支持されている二次ハンガー16のハンガートロリ19のローラが二次コンベヤ4のガイドレール17に進入して、二次ハンガー16が二次コンベヤ4のガイドレール17に案内支持されるようになるものの(図2,3の左から2番目の一次ハンガー5を参照)、図4,5または図7,8に示すように二次ハンガー16は依然として一次ハンガー5に吊り下げ支持されている状態で搬送される。
【0033】
やがて、図2,3のように一次ハンガー5が一次コンベヤ3側のガイドレール6のうちその一般部6aからボトムレール部6b側に乗り移ると(図2,3の左から3番目の一次ハンガー5を参照)、二次コンベヤ4側のガイドレール17に案内支持されている二次ハンガー16の高さは不変であるのに対して、一次ハンガー5は一次コンベヤ3側のガイドレール6の一般部6aとボトムレール部6bの高さ変位分だけ下降することになる。この一次ハンガー5の下降動作に伴い、図6に示すように先に述べた一次ハンガー5側の係合突起部15と二次ハンガー16側の係合穴21との係合が自律的に解除され、これをもって一次ハンガー5と二次ハンガー16はいわゆる縁切りされる。以降は一次ハンガー5が単独で空走する一方、代わって図11,12に示すように二次ハンガー16はその二次コンベヤ4側のパワーチェーンに牽引されて単独で走行するようになる。この場合において、図12と図13とを比較すると明らかなように、一次コンベヤ3と縁切りされた左右一対の二次コンベヤ4は必要に応じてその一対の二次コンベヤ4同士のなす間隔を広げることができる。
【0034】
さらに、図2,3に示すように、一次コンベヤ3側のガイドレール6のうちボトムレール部6bから一般部6aへの一次ハンガー5の乗り移りが完了する位置に相当する位置では、それまで単独で走行してきた二次コンベヤ4側の二次ハンガー16の走行が停止するように設定されている。同位置で待機している二次ハンガー16に対して、先に述べたように一次コンベヤ3側のガイドレール6のうちボトムレール部6bから一般部6aへの一次ハンガー5の乗り移りが完了すると、二次コンベヤ4側のガイドレール17に案内支持されている二次ハンガー16の高さは不変であるのに対して、一次ハンガー5は一次コンベヤ3側のガイドレール6のボトムレール部6bと一般部6aの高さ変位分だけ上昇動作することになる。この一次ハンガー5の上昇動作に伴い、図5,6に示すように先に述べた一次ハンガー5側の係合突起部15と二次ハンガー16側の係合穴21とが再度自律的に係合し、これをもって二次ハンガー16は一次ハンガー5に吊り下げ支持されることになる。以降は、二次ハンガー16が二次コンベヤ4側のガイドレール17に案内支持されているか否かにかかわらず(図7,8または図9,10の状態)、その二次ハンガー16は一次ハンガー5に吊り下げ支持された状態で搬送されることになる。
【0035】
本実施の形態では、上記ドア・サブアセンブリ工程S13とドア・ローディング工程S11およびドア・アンローディング工程S12を除くドア・サブライン2の多くの部分では、図9,10に示すように二次コンベヤ4の二次ハンガー16をガイドレール17から外して、その二次ハンガー16を一次コンベヤ3側の一次ハンガー5に吊り下げ支持させた状態で搬送する一方、上記ドア・サブアセンブリ工程S13とドア・ローディング工程S11およびドア・アンローディング工程S12のそれぞれの工程においては、図11,12または図13に示すように、逆に二次コンベヤ4の二次ハンガー16を一次コンベヤ3の一次ハンガー5から切り離して、二次ハンガー16を二次コンベヤ4のガイドレール17に案内支持させた上で、二次コンベヤ4単独で搬送するところに特徴がある。
【0036】
次に、上記のように構成されたドア・サブラインS2での搬送形態の一連の動きを順を追って説明する。
【0037】
図1に示すように、ドア・サブライン2のうちドア・ローディング工程S11からドア・サブアセンブリ工程S13での間、およびドア・サブアセンブリ工程S13からドア・アンローディング工程S12までの間は、少なくとも二次ハンガー16とともに(部位によっては一次ハンガー5および二次ハンガー16とともに)実際にドアDを搬送する部分であるので実線で示し、それ以外のドア・アンローディング工程S12からドア・ローディング工程S11までの間は、空載状態の一次ハンガー5および二次ハンガー16を回送するべく当該一次ハンガー5および二次ハンガー16のみを搬送する部分であるので破線で示してある。
【0038】
図1のメインライン1のドア取り外し工程S1に車体Bが到達すると、作業者はその車体Bから左右のドアDを取り外し、ドア取り外し工程S1に近接するドア・サブライン2側のドア・ローディング工程S11において、同工程で待機している二次ハンガー16に図7,8のような姿勢でそれらのドアDを左右セットで移載して位置決め支持(搭載)させる。ドア・ローディング工程S11おける一次コンベヤ3と二次コンベヤ4との関係は図2,3の通りであり、上記のようなドアDの移載作業は少なくとも一次ハンガー5とは切り離された二次ハンガー16が図11,12または図13に示すように単独で走行している間に完了すれば良い。図11,12または図13のように左右のドアDがセットとして搭載された二次ハンガー16は、図7,8の状態を経た上で図9,10のようにやがては一次コンベヤ3側の一次ハンガー5に吊り下げ支持され、最終的には一次コンベヤ3のみの動きをもって後工程であるドア・サブアセンブリ工程S13へと搬送される。
【0039】
ドア・サブアセンブリ工程S13における一次コンベヤ3と二次コンベヤ4との関係は図2,3そのものであり、図11,12に示すように一次ハンガー5から切り離された二次ハンガー16が単独で走行している間に複数工程に分けて左右のドアDに対する艤装組み立て作業が施されることになる。この場合、そのドア・サブアセンブリ工程S13の始終端部(一次ハンガー5からの二次ハンガー16の分離および一次ハンガー5への二次ハンガーの移載が行われる部分)以外の部分では、図13に示すように双方の二次コンベヤ4のガイドレール17,17同士のなす間隔を拡げて、対面する二次ハンガー16同士が接触しないように引き離すことが許容されることは先に述べた通りである。
【0040】
そして、図11,12に示すように、同期走行する双方の二次ハンガー16に左右のドアDがセットとして外板面同士が対面するように起立姿勢にて位置決め支持されているので、それぞれのドアDに対して作業者が対面するように立ち、ドアD単独での必要な艤装組立作業を施すことになる。
【0041】
ここで、一方の作業者が艤装組立作業を行う際にドアDが搭載されている二次ハンガー16全体が揺れることがあるが、図13のように二次ハンガー16同士が離れていると、一方のドアDの艤装組立作業に伴う揺れが反対側のドアDの艤装組立作業を行っている他方の作業者にとって迷惑となることはない。また、先に述べたように二次コンベヤ4としてパワー&フリーコンベヤタイプのものが採用されていていわゆるストレージ機能を有している場合に、それぞれの作業者にとって必要な二次ハンガー16の走行及び停止のタイミングが微妙に異なったとしても、これによる作業性への影響も回避される。
【0042】
この後、左右の二次ハンガー16が図2,3のドア・サブアセンブリ工程S13の終端部に至ると、左右のドアDがセットとして搭載された二次ハンガー16は、図7,8の状態を経た上で図9,10のようにやがては一次コンベヤ3側の一次ハンガー5に吊り下げ支持され、最終的には一次コンベヤ3のみの動きをもって後工程であるドア・アンローディング工程S12へと搬送される。
【0043】
艤装組立作業を終えた左右のドアDがセットでドア・アンローディング工程S12に到達すると、それらのドアDを取り付けるべき元の車体Bがメインライン1のドア取り付け工程S2に到達している。そこで、作業者は待機している一対の二次ハンガー16から艤装組立作業を終えた左右のドアDをドア取り付け工程S2に移載した上で、そのドアDを順次元の車体Bに取り付ける。ドア・アンローディング工程S12おける一次コンベヤ3と二次コンベヤ4との関係は図2,3の通りであり、上記のようなドアDの移載作業は、図11,12に示すように、少なくとも一次ハンガー5とは切り離された二次ハンガー16が単独で走行している間に完了すれば良い。そして、空載状態となった二次ハンガー16は、図4,5の状態を経た上で図9,10のようにやがては一次コンベヤ3側の一次ハンガー5に吊り下げ支持され、最終的には一次コンベヤ3のみの動きをもってドア・ローディング工程S11へと回送される。
【0044】
このように本実施の形態によれば、一次コンベヤ3と一対の二次コンベヤ4とが並設されているのは実質的にドア・サブアセンブリ工程S13のほかドア・ローディング工程S11およびドア・アンローディング工程S12だけであり、それ以外の部分では一次コンベヤ3が単独が敷設されているだけであるから、コンベヤの総設置距離を短縮できるとともに、ドア搬送に要する占有スペースを大幅に縮小化できるようになる。
【0045】
また、単一の一次ハンガー5に対する一対の二次ハンガー16の移載、および単一の一次ハンガー5からの一対の二次ハンガー16の分離は、ガイドレール6の一般部6aとボトムレール部6bとの高さの差を利用して自律的になされることから、二次ハンガー16の移載および分離のための動力機構を必要としない利点がある。
【0046】
さらに、図13に示したように、必要に応じて一対の二次コンベヤ4同士のなす距離を離すことで二次ハンガー16同士を離間させることができるので、左右のドアDの艤装組立作業をそれぞれに別の作業者が行う場合でも、一方の二次ハンガー16の揺れ等が他方の二次ハンガー16に搭載されているドアDの艤装組立作業の支障となることもない。
【0047】
図14は本発明の第2の実施の形態として図6の変形例を示している。
【0048】
この第2の実施の形態では、中間シャフト13の一部にガイドローラ30を付設するとともに、ハンガー本体18下面にテーパ面18aを形成して、一次ハンガー5への二次ハンガー16の移載に際し、このガイドローラ30を左右のハンガー本体18同士の対抗間隙に転動させながら挿入して、二次ハンガー16のハンガー本体18同士、およびそのハンガー本体18とハンガープレート14との相対位置決め行いながら、ピン状の係合突起部15と係合穴21とを係合させるようにしたものである。
【0049】
また、図15は本発明の第3の実施の形態として図14のB部の変形例を示している。
【0050】
この第3の実施の形態では、図14のガイドローラ30に代えて、中間シャフト13の一部にスチールボール31を埋め込んだテーパ状の座面32aを有する大径部32を形成し、その座面32aとテーパ面18aとを滑らせながら最終的に大径部32を左右のハンガー本体18同士の対抗間隙に挿入して、二次ハンガー16のハンガー本体18同士、およびそのハンガー本体18とハンガープレート14との相対位置決め行いながら、ピン状の係合突起部15と係合穴21とを係合させるようにしたものである。
【0051】
これらの第2,第3の実施の形態によれば、中間シャフト13とハンガー本体18との間の摩擦が軽減されるとともに、係合突起部15と係合穴21との係合がより安定してスムースに行われる利点がある。
【0052】
図16は本発明の第4の実施の形態として図6の変形例を示している。
【0053】
この第4の実施の形態では、図6の係合突起部15および係合穴21に代えて、ハンガープレート14の上面およびハンガー本体18の下面をそれぞれ鋸歯状の凹凸係合面33,34としたものである。
【0054】
この第4の実施の形態によれば、一次ハンガー5への二次ハンガー16の移載に際し、両者がドア搬送方向でわずかな相対位置誤差を有していたとしても、その誤差を吸収しつつ凹凸係合させて、一次ハンガー5への二次ハンガー16の移載を確実に行える利点がある。
【0055】
図17は本発明の第5の実施の形態を示す。
【0056】
これまでの第1〜第4の実施の形態では、図2,3に示すように、一次コンベヤ3を構成しているガイドレール6が一般部6aよりも一段低いボトムレール部6bを有していて、その一般部6aとボトムレール部6bとの高さ変化分だけ一次ハンガー5が昇降動作することで、一次コンベヤ3側の一次ハンガー5から二次コンベヤ4への二次ハンガー16の移載、およびに二次コンベヤ4側から一次コンベヤ3側の一次ハンガー5への二次ハンガー16の移載を行うものであるのに対して、図17に示した第5の実施の形態では、上記のような一次ハンガー5の昇降動作を不要にしたものである。
【0057】
図17は図5のA部に相当する部分の拡大図であって、一次コンベヤ3のガイドレール6は、図2,3に示したような傾斜部7a,7bやボトムレール部6bを有していない代わりに、一次ハンガー5側のハンガープレート14上を二次ハンガー16のハンガー本体18が滑りながら相対移動可能な高さ位置に設定されている。そして、一次ハンガー5側のハンガープレート14上には例えば回転型のアクチュエータ40の作動により回転可能なロックプレート41を設けてある。このロックプレート41には係合突起部42を形成してある一方、二次ハンガー16のハンガー本体18には係合突起部42と係合可能な係合穴43を形成してある。
【0058】
したがって、一次ハンガー5に二次ハンガー16を移載する際には、図17に示すように両者の走行方向での位置を一致させた上でロックプレート41を実線で示すように回転変位させて、そのロックプレート41側の係合突起部42を二次ハンガー16のハンガー本体18側の係合穴43に係合させる。これより、一次ハンガー5への二次ハンガー16の移載と同時に両者の三次元方向の相対位置決めがなされて、両者が結合される。
【0059】
逆に、両者を分離させる際には、ロックプレート41を仮想線位置まで逆回転変位させて、係合突起部42と係合穴43との係合を解除した上で、二次ハンガー16を一次ハンガーから離れる方向に走行移動させれば良いことになる。
【0060】
この第5の実施の形態においても、先の第1の実施の形態のものと同等の機能が発揮されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の第1の実施の形態として自動車の生産ラインのうち車両組立ラインの概略構造を示す平面説明図。
【図2】図1におけるドア・サブアセンブリ工程のコンベヤ構成を示す説明図。
【図3】図3の拡大図。
【図4】図2,3の要部拡大図として一組の一次ハンガーと二次ハンガーとの関係を示す説明図。
【図5】図4の側面説明図。
【図6】図5のA部拡大図。
【図7】図4の二次ハンガーにドアを搭載した状態を示す説明図。
【図8】図5の二次ハンガーにドアを搭載した状態を示す説明図。
【図9】左右のドアが搭載された一対の二次ハンガーを一次ハンガーにて支持した状態で一次コンベヤにて搬送している状態を示す説明図。
【図10】図9の側面説明図。
【図11】左右のドアが搭載された一対の二次ハンガーが二次コンベヤ単独で搬送されている状態を示す説明図。
【図12】図11の側面説明図。
【図13】図12の状態よりも双方の一次コンベヤ同士の間隔を拡げた状態を示す説明図。
【図14】本発明の第2の実施の形態として図6の変形例を示す要部説明図。
【図15】本発明の第3の実施の形態として図14のB部の変形例を示す要部説明図。
【図16】本発明の第4の実施の形態として図6の別の変形例を示す要部説明図。
【図17】本発明の第5の実施の形態として図6のさらなる変形例を示す要部説明図。
【符号の説明】
【0062】
1…メインライン
2…ドア・サブライン
3…一次コンベヤ
4…二次コンベヤ
5…一次キャリアとしての一次ハンガー
6…ガイドレール
6a…一般部
6b…ボトムレール部
7a,7b…傾斜部
11…ハンガー本体
14…ハンガープレート
15…係合突起部
16…二次キャリアとしての二次ハンガー
17…ガイドレール
18…キャリア本体としてのハンガー本体
20…ハンガーフレーム
21…係合穴
B…車体
D…ドア
S1…ドア取り外し工程
S2…ドア取り付け工程
S11…ドア・ローディング工程
S12…ドア・アンローディング工程
S13…実作業領域としてのドア・サブアセンブリ工程

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体搬送用のメインラインのドア取り外し工程において車体から左右のドアを一旦取り外し、その取り外した左右のドアをセットとしてドア・サブラインに投入する一方、上記メインラインのドア取り付け工程において、ドア・サブラインより搬送されてくるドアを左右セットとして元の車体に組み付けるようにした車両組立ラインにして、
上記ドア・サブラインを構成しているドア搬送装置の構造であって、
左右のドアごとに独立していて、右側または左側の単一のドアを搭載して走行移動可能な二次キャリアを有する一対の二次コンベヤと、
左側ドア用と右側ドア用の一対の二次キャリアをセットとして搭載して走行移動可能な一次キャリアを有する一次コンベヤと、
を備えていて、
上記ドア・サブラインのうち少なくともドアの組立作業に直接関与する実作業領域では、それぞれの二次コンベヤの二次キャリアに個別にドアを搭載した状態でその二次キャリアを走行移動させてドアの組立作業に供する一方、
上記実作業領域以外の領域では、一次コンベヤの一次キャリアに対し一対の二次キャリアを搭載した状態でその一次キャリアを走行移動させるようになっていることを特徴とする車両組立ラインにおけるドア搬送装置。
【請求項2】
上記実作業領域の始端部では、一次コンベヤの一次キャリアにドア搭載状態でセットで搭載されている一対の二次キャリアを左右のドアごとに独立している二次コンベヤに移載する一方、
実作業領域の終端部では、それぞれの二次コンベヤから一次コンベヤの一次キャリアに対し一対の二次キャリアをセットで移載するようになっていることを特徴とする請求項1に記載の車両組立ラインにおけるドア搬送装置。
【請求項3】
上記ドア・サブラインは、実作業領域の上流側にそれぞれの二次キャリアに対してドアを積み込むドア・ローディング工程を備え、実作業領域の下流側にそれぞれの二次キャリアからドアを降ろすドア・アンローディング工程を備えているとともに、
上記ドア・ローディング工程と実作業領域との間および当該実作業領域とドア・アンローディング工程との間においても、一次コンベヤの一次キャリアに対し一対の二次キャリアを搭載した状態でその一次キャリアを走行移動させるようになっていることを特徴とする請求項2に記載の車両組立ラインにおけるドア搬送装置。
【請求項4】
上記ドア・ローディング工程およびドア・アンローディング工程においても、その始端部では、一次コンベヤの一次キャリアにドア搭載状態でセットで搭載されている一対の二次キャリアを左右のドアごとに独立している二次コンベヤに移載する一方、
その終端部では、それぞれの二次コンベヤから一次コンベヤの一次キャリアに対し一対の二次キャリアをセットで移載するようになっていることを特徴とする請求項3に記載の車両組立ラインにおけるドア搬送装置。
【請求項5】
一次コンベヤが単一のものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の車両組立ラインにおけるドア搬送装置。
【請求項6】
上記一次コンベヤおよび一対の二次コンベヤは共にオーバーヘッドタイプのパワー&フリーコンベヤであることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の車両組立ラインにおけるドア搬送装置。
【請求項7】
上記一次コンベヤおよび一対の二次コンベヤのうち少なくとも一次コンベヤ側の一次キャリアから二次コンベヤ側に二次キャリアを移載する部分および二次コンベヤ側から一次コンベヤ側の一次キャリアに二次キャリアを移載する部分では、一次キャリアを案内する一次コンベヤ側のガイドレールと二次キャリアを案内する二次コンベヤ側のガイドレールが平面視にて互いに平行となっていて、
一次コンベヤ側のガイドレールに沿って一次キャリアが所定量だけ下降することで、一次コンベヤ側の一次キャリアから二次コンベヤ側に二次キャリアが自律的に移載され、
他方、一次コンベヤ側のガイドレールに沿って一次キャリアが所定量だけ上昇することで、二次コンベヤ側から一次コンベヤ側の一次キャリアに二次キャリアが自律的に移載されるようになっていることを特徴とする請求項6に記載の車両組立ラインにおけるドア搬送装置。
【請求項8】
上記一次コンベヤ側の一次キャリアから二次コンベヤ側に二次キャリアが移載される際に、両者の三次元方向の相対位置決めが自律的に解除されるようになっている一方、
二次コンベヤ側から一次コンベヤ側の一次キャリアに二次キャリアが移載される際に、両者の三次元方向の相対位置決めが自律的になされるようになっていることを特徴とする請求項7に記載の車両組立ラインにおけるドア搬送装置。
【請求項9】
上記一次キャリアと二次キャリアとの三次元方向の相対位置決めは、両者の凹凸係合によってなされるものであることを特徴とする請求項8に記載の車両組立ラインにおけるドア搬送装置。
【請求項10】
上記ドア・サブラインでのドアの組立作業は、メインラインでのドアが取り外された車体に対する車両組立作業と並行して行われるものであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の車両組立ラインにおけるドア搬送装置。
【請求項11】
上記二次キャリアは、
キャリア本体と、
そのキャリア本体に吊り下げ支持されてドアを直接的に支持することになるハンガーフレームと、
を備えていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の車両組立ラインにおけるドア搬送装置。
【請求項12】
上記一次コンベヤの一次キャリアに対しドア搭載状態の一対の二次キャリアを搭載した状態では、ドア外側面を内側にして左右のドアが背中合わせで支持されるようになっていることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の車両組立ラインにおけるドア搬送装置。
【請求項13】
車体搬送用のメインラインのドア取り外し工程において車体から左右のドアを一旦取り外し、その取り外した左右のドアをセットとしてドア・サブラインに投入する一方、上記メインラインのドア取り付け工程において、ドア・サブラインより搬送されてくるドアを左右セットとして元の車体に組み付けるようにした車両組立ラインにして、
上記ドア・サブラインを構成しているドア搬送装置にてドアを搬送する方法であって、
左右のドアごとに独立していて、右側または左側の単一のドアを搭載して走行移動可能な二次キャリアを有する一対の二次コンベヤと、
左側ドア用と右側ドア用の一対の二次キャリアをセットとして搭載して走行移動可能な一次キャリアを有する一次コンベヤと、
を備えていて、
上記ドア・サブラインのうち少なくともドアの組立作業に直接関与する実作業領域では、それぞれの二次コンベヤの二次キャリアに個別にドアを搭載した状態でその二次キャリアを走行移動させてドアの組立作業に供する一方、
上記実作業領域以外の領域では、一次コンベヤの一次キャリアに対し一対の二次キャリアを搭載した状態でその一次キャリアを走行移動させることを特徴とする車両組立ラインにおけるドア搬送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−227185(P2009−227185A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−77180(P2008−77180)
【出願日】平成20年3月25日(2008.3.25)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】