説明

車両給電装置および駐車管理システム

【課題】一の駐車スペースに駐車した車両に給電するために設置されている給電機を用いて他の駐車スペースに駐車している車両に給電が行われることを防止する。
【解決手段】各駐車スペース3に対応する給電機13の給電コネクタ72には、互いに周波数および発信方向が異なる右信号RSおよび左信号LSを発信する右発信部94および左発信部95を設け、各駐車スペース3の奥側には受信機12を設け、受信機12における右信号RSおよび左信号LSの受信強度に基づいて、駐車車両の給電口に接続された給電コネクタ72の位置を検出し、この検出結果に基づいて、一の駐車スペース3に駐車した車両に給電するために設置されている給電機13の給電コネクタ72が当該一の駐車スペース3に駐車している車両の給電口に接続されているか否かを判断し、このように接続されていない場合には給電を行わない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば電気自動車の給電に用いられる車両給電装置、およびこのような車両給電装置を備え、有料駐車場における車両の駐車管理と給電とを行うことができる駐車管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車の普及に伴い、外出先で電気自動車の給電を行えるようにするために、給電スタンドの設置を促進しようという風潮にあり、単にガソリンスタンドに代わる給電スタンドではなく、高速充電でも20分ないし30分はかかると言われている充電時間を利用者が有効に活用するため、電気自動車を駐車場に駐車している間に給電を行う施設が一部自治体の敷地内の駐車場などで実用されている。
【0003】
また、例えば特許文献1では、出先又は旅行先で所定位置に駐車して有料で電気自動車の給電を行い、または、駐車エリアに有料で駐車中に有料で電気自動車の給電を行うことを可能にするため、給電ケーブルで電気自動車のバッテリと電源とを接続すると、容量検出器が現在のバッテリの容量を検出し、給電(充電)可能な時間を表示部に表示し、給電時間を設定して表示された給電料金を支払うと給電が開始され、さらに電気自動車が駐車エリアに入ると、車両感知部がそれを感知し、車止めがロック動作して電気自動車の退出を阻止し、駐車料金が表示され、給電ケーブルで電気自動車のバッテリと電源とを接続すると、所定容量まで給電(充電)が行われて給電料金が表示され、表示された料金を支払うと、車止めのロックが解除されて、電気自動車の退出が可能になる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6-318288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載の給電(充電)装置では、複数の駐車スペースが並んで設置されている駐車場において、個々の駐車スペース毎に給電装置や給電ケーブルを設置した場合、給電ケーブルを誤って隣の駐車スペースに駐車した車両の給電口に差し込んで給電を行ってしまう可能性がある。また、故意にそのように隣の駐車スペース用の給電ケーブルを自分の車両に接続し、給電料金を支払わないといった不正な行為がなされる可能性もある。このような不正な行為に対しては、駐車場に監視係員を配備したり、遠隔モニターで給電ケーブルの引き回し方を監視する等の対処方法も考えられるが、このような対処方法では、設備や運用コストが上昇してしまう。
【0006】
本発明は例えば上述したような問題に鑑みなされたものであり、本発明の課題は、一の駐車スペースに駐車した車両に給電するために設置されている車両給電装置を用いて他の駐車スペースに駐車している車両に給電が行われることを防止することができる車両給電装置および駐車管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第1の車両給電装置は、駐車スペースに駐車した車両に給電する給電機本体と、前記車両の給電口に着脱可能に接続される給電コネクタと、前記給電機本体と前記給電コネクタとの間を接続する給電ケーブルと、前記車両の給電口に接続された前記給電コネクタの位置を検出する位置検出手段と、前記位置検出手段による検出結果に基づいて、前記車両の給電口に接続された前記給電コネクタの位置が所定の位置であるときには給電を行い、前記車両の給電口に接続された前記給電コネクタの位置が所定の位置でないときには給電を行わないように前記給電機本体を制御する給電制御手段とを備えている。
【0008】
本発明の第1の車両給電装置では、給電コネクタが車両の給電口に接続されたときに、その給電コネクタの位置を検出することで、一の駐車スペースに駐車した車両に給電するために設置されている車両給電装置の給電コネクタが他の駐車スペースに駐車している車両に接続されていることを認識し、このような場合には給電を行わない。これにより、一の駐車スペースに駐車した車両に給電するために設置されている車両給電装置を用いて他の駐車スペースに駐車している車両に給電が行われることを防止することができる。
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の第2の車両給電装置は、上述した本発明の第1の車両給電装置において、前記位置検出手段は、前記給電コネクタに設けられた複数の発信手段と、前記駐車スペースの近傍または前記駐車スペース内の端側における相互に異なる位置にそれぞれ設けられた複数の受信手段とを備え、前記給電制御手段は、前記複数の発信手段からそれぞれ発信された信号の前記複数の受信手段における受信状態が、前記駐車スペースに駐車している前記車両の給電口に前記給電コネクタが接続されていることを示す予め設定された条件を満足したときに給電を行うように前記給電機本体を制御することを特徴とする。
【0010】
本発明の第2の車両給電装置によれば、複数の駐車スペースが駐車場内に配置され、複数の車両給電装置が駐車スペースごとに設置されている場合であっても、複数の信号の受信状態に基づいて、駐車スペース内の給電コネクタの位置や方向を精度良く検出することができ、駐車スペース外に給電コネクタを引き回したり、駐車スペース内から外に向かって給電コネクタを接続して充電する不正の防止ができる。
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の第3の車両給電装置は、上述した本発明の第1の車両給電装置において、前記位置検出手段は、前記給電コネクタに設けられ、指向性を有する第1の信号を発信する第1の発信手段と、前記給電コネクタに設けられ、指向性を有し、前記第1の信号と異なる第2の信号を発信する第2の発信手段と、前記駐車スペースの近傍または前記駐車スペース内の端側における相互に異なる位置にそれぞれ設けられた第1の受信手段および第2の受信手段とを備え、前記駐車スペースの手前側から奥側に向かって右側の方向に開口している前記車両の給電口に前記給電コネクタが接続されたときに前記第1の受信手段において前記第1の信号の受信強度が前記第2の受信強度よりも大きくなり、かつ、前記駐車スペースの手前側から奥側に向かって左側の方向に開口している前記車両の給電口に前記給電コネクタが接続されたときに前記第2の受信手段において前記第2の信号の受信強度が前記第1の信号の受信強度よりも大きくなり、かつ、前記駐車スペースの奥側に向かって開口している前記車両の給電口に前記給電コネクタが接続されたときに、前記第1の受信手段において前記第2の信号の受信強度が前記第1の受信強度よりも大きくなると共に前記第2の受信手段において前記第1の信号の受信強度が前記第2の受信強度よりも大きくなるように、前記給電コネクタにおける前記第1の発信手段および前記第2の発信手段の配置、並びに前記駐車スペースの近傍または前記駐車スペース内の端側における前記第1の受信手段および前記第2の受信手段の配置が定められ、前記給電制御手段は、前記第1の受信手段において前記第1の信号の受信強度が前記第2の信号の受信強度よりも大きいとき、前記第2の受信手段において前記第2の信号の受信強度が前記第1の信号の受信強度よりも大きいとき、または、前記第1の受信手段において前記第2の信号の受信強度が前記第1の信号の受信強度よりも大きくなると共に前記第2の受信手段において前記第1の信号の受信強度が前記第2の信号の受信強度よりも大きいときに給電を行うように前記給電機本体を制御することを特徴とする。
【0012】
本発明の第3の車両給電装置によれば、複数の駐車スペースがそれぞれ隣接して配置され、複数の車両給電装置が駐車スペースごとに設置されているために、複数の車両給電装置がそれぞれ近接している場合であっても、2つの信号の受信強度の違いに基づいて、給電コネクタの位置を精度良く検出することができる。
【0013】
上記課題を解決するために、本発明の第4の車両給電装置は、上述した本発明の第1の車両給電装置において、前記位置検出手段は、前記給電コネクタに設けられ、指向性を有する第1の信号を発信する第1の発信手段と、前記給電コネクタに設けられ、指向性を有し、前記第1の信号と異なる第2の信号を発信する第2の発信手段と、前記駐車スペースの近傍または前記駐車スペース内の端側における相互に異なる位置にそれぞれ設けられた第1の受信手段および第2の受信手段とを備え、前記駐車スペースの手前側から奥側に向かって右側の方向に開口している前記車両の給電口に前記給電コネクタが接続されたときに前記第1の信号が前記第1の発信手段から発信されてから前記第1の受信手段に到達するまでにかかる時間が前記第2の信号が前記第2の発信手段から発信されてから前記第1の受信手段に到達するまでにかかる時間よりも短くなり、かつ、前記駐車スペースの手前側から奥側に向かって左側の方向に開口している前記車両の給電口に前記給電コネクタが接続されたときに前記第2の信号が前記第2の発信手段から発信されてから前記第2の受信手段に到達するまでにかかる時間が前記第1の信号が前記第1の発信手段から発信されてから前記第2の受信手段に到達するまでにかかる時間よりも短くなり、かつ、前記駐車スペースの奥側に向かって開口している前記車両の給電口に前記給電コネクタが接続されたときに、前記第2の信号が前記第2の発信手段から発信されてから前記第1の受信手段に到達するまでにかかる時間が前記第1の信号が前記第1の発信手段から発信されてから前記第1の受信手段に到達するまでにかかる時間よりも短くなると共に前記第1の信号が前記第1の発信手段から発信されてから前記第2の受信手段に到達するまでにかかる時間が前記第2の信号が前記第2の発信手段から発信されてから前記第2の受信手段に到達するまでにかかる時間よりも短くなるように、前記給電コネクタにおける前記第1の発信手段および前記第2の発信手段の配置、並びに前記駐車スペースの近傍または前記駐車スペース内の端側における前記第1の受信手段および前記第2の受信手段の配置が定められ、前記給電制御手段は、前記第1の信号が前記第1の発信手段から発信されてから前記第1の受信手段に到達するまでにかかる時間が前記第2の信号が前記第2の発信手段から発信されてから前記第1の受信手段に到達するまでにかかる時間よりも短いとき、または前記第2の信号が前記第2の発信手段から発信されてから前記第2の受信手段に到達するまでにかかる時間が前記第1の信号が前記第1の発信手段から発信されてから前記第2の受信手段に到達するまでにかかる時間よりも短いとき、または、前記第2の信号が前記第2の発信手段から発信されてから前記第1の受信手段に到達するまでにかかる時間が前記第1の信号が前記第1の発信手段から発信されてから前記第1の受信手段に到達するまでにかかる時間よりも短いと共に前記第1の信号が前記第1の発信手段から発信されてから前記第2の受信手段に到達するまでにかかる時間が前記第2の信号が前記第2の発信手段から発信されてから前記第2の受信手段に到達するまでにかかる時間よりも短いときに給電を行うように前記給電機本体を制御することを特徴とする。
【0014】
本発明の第4の車両給電装置によれば、複数の駐車スペースがそれぞれ隣接して配置され、複数の車両給電装置が駐車スペースごとに設置されているために、複数の車両給電装置がそれぞれ近接している場合であっても、2つの信号の伝搬時間の違いに基づいて、給電コネクタの位置を精度良く検出することができる。
【0015】
上記課題を解決するために、本発明の第5の車両給電装置は、上述した本発明の第3または第4の車両給電装置において、前記第1の発信手段は、前記車両の給電口に前記給電コネクタが接続されたときに前記給電口に向かって右側の方向に前記第1の信号を発信するように前記給電コネクタに配置され、前記第2の発信手段は、前記車両の給電口に前記給電コネクタが接続されたときに前記給電口に向かって左側の方向に前記第2の信号を発信するように前記給電コネクタに配置され、前記第1の受信手段は、前記駐車スペースの手前側から奥側に向かって右側に位置する前記駐車スペースの近傍または前記駐車スペース内の端部に配置され、前記第2の受信手段は、前記駐車スペースの手前側から奥側に向かって左側に位置する前記駐車スペースの近傍または前記駐車スペース内の端部に配置されていることを特徴とする。
【0016】
本発明の第5の車両給電装置によれば、各発信手段および各受信手段の配置をこのように定めることにより、第1の信号および第2の信号を用いて給電コネクタの位置を高精度に検出することができると共に、各受信手段が車両の駐車を妨げたり、利用者の車両の乗降等を妨げることを防止することができる。
【0017】
上記課題を解決するために、本発明の第6の車両給電装置は、上述した本発明の第3ないし第5のいずれかの車両給電装置において、前記第1の信号と前記第2の信号とは相互に周波数が異なることを特徴とする。
【0018】
これにより、第1の信号と第2の信号との相違を容易にかつ正確に識別することが可能になり、給電コネクタの位置検出の精度を高めることができる。
【0019】
上記課題を解決するために、本発明の第7の車両給電装置は、上述した本発明の第3ないし第5のいずれかの車両給電装置において、相互に異なる2つの信号識別情報のうちの一方が前記第1の信号に重畳され、他方が前記第2の信号に重畳されていることを特徴とする。
【0020】
このような構成によっても、第1の信号と第2の信号との相違を容易にかつ正確に識別することが可能になり、給電コネクタの位置検出の精度を高めることができる。
【0021】
上記課題を解決するために、本発明の第8の車両給電装置は、上述した本発明の第2ないし第7のいずれかの車両給電装置において、前記給電機は、前記給電コネクタが前記車両の給電口に接続されたときに前記給電コネクタの姿勢を検出する姿勢検出手段を備え、前記給電制御手段は、前記姿勢検出手段による検出結果に基づいて、前記給電コネクタが所定の姿勢でないときには給電を行わないように前記給電機本体を制御することを特徴とする。
【0022】
車両の給電口に接続された給電コネクタの姿勢を変えることにより、各発信手段と各受信手段との配置関係や、各発信手段から発信される各信号の発信方向を変え、これにより、給電コネクタの位置検出を誤らせて、一の駐車スペースに設置されている車両給電装置の給電コネクタが他の駐車スペースに駐車している車両に接続されていることを認識させないようにすることができる場合がある。このような場合には、不正な給電が行われてしまうおそれがある。しかし、本発明の第8の車両給電装置によれば、給電コネクタの姿勢が所定の姿勢でないときに給電を行わないようにすることで、このような不正な給電を防止することができる。
【0023】
上記課題を解決するために、本発明の駐車管理システムは、上述した本発明の第1ないし第8のいずれかの車両給電装置と、前記駐車スペース内に設けられたフラップ装置と、前記フラップ装置を制御すると共に、駐車料金の精算および前記車両給電装置における前記給電機本体の前記車両への給電に係る給電料金の精算を行う料金精算機とを備え、前記料金精算機は、前記フラップ装置を制御し、前記給電機本体の前記車両への給電が開始されてから少なくとも前記給電料金の精算が済むまでの間、前記車両を前記駐車スペース内において退出不能にする。
【0024】
本発明の駐車管理システムによれば、一の駐車スペースに駐車した車両に給電するために設置されている車両給電装置を用いて他の駐車スペースに駐車している車両に給電が行うことを防止でき、給電料金を支払わずに給電を行うといった不正な行為を防止することができる。また、駐車時間に応じた駐車料金と給電料金の双方の精算が済むまでの間、車両をスペース内において退出不能にすることができ、料金支払いを一度で済ますことができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、一の駐車スペースに駐車した車両に給電するために設置されている車両給電装置を用いて他の駐車スペースに駐車している車両に給電が行われることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施形態による駐車管理システムの概観を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態による駐車管理システムの概観を示す平面図である。
【図3】本発明の実施形態による駐車管理システムの電気的構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態による駐車管理システムにおいて、車両の給電口に給電コネクタが接続された状態を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施形態による駐車管理システムにおける給電コネクタの構造を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施形態による駐車管理システムにおいて、一の駐車スペースに設置された給電機の給電コネクタが当該一の駐車スペースに駐車された車両側面の給電口に接続された第1の状態を示す平面図である。
【図7】本発明の実施形態による駐車管理システムにおいて、一の駐車スペースに設置された給電機の給電コネクタが当該一の駐車スペースに駐車された車両側面の給電口に接続された第2の状態を示す平面図である。
【図8】本発明の実施形態による駐車管理システムにおいて、一の駐車スペースに設置された給電機の給電コネクタが他の駐車スペースに駐車された車両側面の給電口に接続された状態を示す平面図である。
【図9】本発明の実施形態による駐車管理システムにおいて、一の駐車スペースに設置された給電機の給電コネクタが当該一の駐車スペースに駐車された車両の前側に配置された給電口に接続された状態を示す平面図である。
【図10】本発明の実施形態による駐車管理システムにおいて、一の駐車スペースに設置された給電機の給電コネクタが他の駐車スペースに駐車された車両の前側に配置された給電口に接続された状態を示す平面図である。
【図11】本発明の実施形態による駐車管理システムにおける駐車管理および給電の動作を示すフローチャートである。
【図12】図11に続いて、本発明の実施形態による駐車管理システムにおける駐車管理および給電の動作を示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施形態による駐車管理システムにおいて、一の駐車スペースの近傍に設置された受信機の他の実施形態を示す斜視図である。
【図14】本発明の実施形態による駐車管理システムにおいて、受信機の配置の他の実施形態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照しながら説明する。
【0028】
(駐車管理システム)
図1および図2は、本発明の実施形態による駐車管理システムの概観を示し、図3はその電気的構成を示している。図4は当該駐車管理システムにおける給電コネクタが車両の給電口に接続された状態を示し、図5はその給電コネクタの詳細な構造を示している。
【0029】
図1において、本発明の実施形態による駐車管理システム1は、車載のバッテリから供給される電力により電動モータを駆動して走行する電気自動車等の車両に給電を行い、バッテリの充電を行う機能を有している。利用者は車両の駐車中に効率よく充電を行うことができる。また、利用者は給電料金を駐車料金といっしょに支払うことできる。さらに、駐車管理システム1は、車両の給電口に接続された給電機13の給電コネクタ72の位置を検出することで、一の駐車スペース3に駐車した車両に給電するために設置されている給電機13の給電コネクタ72が当該一の駐車スペース3に駐車している車両の給電口に接続されているときに給電を行い、そうでないときには給電を行わないようにする機能を備えている。
【0030】
駐車管理システム1が設置された駐車場2には、図2に示すように、複数の駐車スペース3が連続して一列に並んでおり、1つの駐車スペース3に1台の車両(例えば車両200または300)を駐車することができる。各駐車スペース3には、駐車スペース番号が割り当てられている。また、各駐車スペース3において、車両が進入する側を手前側とし、その反対側を奥側とすると、各駐車スペース3の奥側には車両止め4が設けられている。
【0031】
駐車管理システム1は、フラップ装置5、車両センサ7、料金精算機11、受信機12および給電機13を備えている。そして、受信機12および給電機13により車両給電装置が構成される。フラップ装置5は複数設けられ、各駐車スペース3内に配置されている。各フラップ装置5はフラップ板6を寝かせることにより車両の駐車スペース3内に対する進退を許し、フラップ板6を立ち上げることにより、駐車スペース3内に駐車している車両の退出を阻止する。車両センサ7は複数設けられ、各駐車スペース3内に埋設されている。各車両センサ7は駐車スペース3内に車両が存在していることを検出する。
【0032】
料金精算機11は、主として、各フラップ装置5を制御すると共に、駐車料金および給電料金の精算を行う。料金精算機11は例えば駐車場2の出入口近傍に設置されている。本実施形態における駐車管理システム1は1台の料金精算機11を有し、1台の料金精算機11により各フラップ装置5を制御し、各受信機12と給電に関する情報の通信等を行うが、管理を行う駐車場が大規模な場合には、駐車管理システム1に複数の料金精算機11を設けることができる。料金精算機11の前扉21に設けられたパネル板には、表示器22、操作キー23、紙幣挿入口24、硬貨投入口25、釣銭・領収証取出口26、スピーカ27等が設けられている。表示器22は、例えば小型液晶ディスプレイ装置を備え、ガイドメッセージ、駐車料金、給電料金、エラーメッセージ等を表示する。また、操作キー23は、例えば料金精算時等に利用者が駐車スペース番号を入力する等、料金精算機11の操作、情報入力等を行うための手段であり、図3に示すように、テンキー、精算キー等の種々のキーを備えている。
【0033】
さらに、料金精算機11の内部には、料金精算機11の制御を行う制御部が設けられ、制御部には、図3に示すように、CPU(Central Processing Unit)31およびメモリ32が設けられ、両者はバス33を介して接続されている。メモリ32には、料金精算機11をはじめ、駐車管理システム1を構成する各装置を制御するためのプログラム、駐車データ、給電データ等が格納されている。CPU31は、メモリ32に格納されたプログラムやデータを読み取り、このプログラムを実行することにより、料金精算機11をはじめ、駐車管理システム1を構成する各装置を制御する。また、CPU31およびメモリ32には、バス33およびインターフェイス34を介し、表示器22、操作キー23、スピーカ27、扉開センサ35、領収証プリンタ36、コインセレクタ37、硬貨払い戻し装置38、紙幣リーダ39、フラップ装置制御部40、外部通信部41等が接続されている。フラップ装置制御部40は、駐車場2内に埋設された埋設配線14を介して各車両センサ7、各フラップ装置5に設けられたフラップ装置駆動部51、駆動センサ部52等に接続されている。
【0034】
料金精算機11は、駐車スペース3に車両が駐車したとき、このことを車両センサ7により認識し、後述する所定の条件を満足した場合に、各フラップ装置5のフラップ装置駆動部51を制御し、フラップ板6を立ち上がらせる。これにより車両は駐車スペース3内から退出することができなくなる。一方、料金精算時に、利用者が操作キーを操作して、駐車スペース番号の入力等を行うと、駐車時間、駐車料金等が表示器22に表示される。これに応じて利用者が、紙幣を紙幣挿入口24に挿入し、硬貨を硬貨投入口25に投入すると、料金精算機11は、紙幣リーダ39、コインセレクタ37、硬貨払い戻し装置38、領収証プリンタ36等を動作させ、釣銭・領収証取出口26に領収証、釣銭等を出す。そして、料金精算が完了し、後述する所定の条件を満足した場合に、料金精算機11は、各フラップ装置5のフラップ装置駆動部51を制御し、フラップ板6を寝かせる。これにより車両は駐車スペース3から退出することが可能になる。
【0035】
また、料金精算機11の外部通信部41は例えばシリアル通信回路を備えており、外部通信部41には、各受信機12に設けられた外部通信部66が埋設配線14(例えばシリアル通信線)を介してマルチドロップ状に接続されている。また、料金精算機11の外部通信部41には時計回路42が接続され、時計回路42により、料金精算機11の外部通信部41と各受信機12との通信タイミングが制御される。
【0036】
受信機12は、後述するように給電機13の給電コネクタ72に設けられた右発信部94および左発信部95から発信された右信号RSおよび左信号LSを受信することにより、車両の給電口に接続された給電コネクタ72の位置を検出する機能を有する。また、受信機12は、給電コネクタ72に設けられた右発信部94および左発信部95の発信動作を制御すると共に、給電コネクタ72に設けられた姿勢センサ96、給電接続センサ97、給電機本体71に設けられた保管部センサ83の検出動作を制御する機能を有する。さらに、受信機12は、給電コネクタ72の位置検出結果、給電接続センサ97の検出結果、接続センサの検出結果等に基づいて給電機13の給電動作を制御する機能を備えている。さらに、受信機12は給電時間を測定する機能を備えている。さらに、受信機12は、姿勢センサ96、給電接続センサ97および保管部センサ83の検出結果、右発信部94および左発信部95の発信状態、受信機12の受信状態、給電機13の給電状態、給電時間等を、外部通信部66、41を介して料金精算機11に送信する機能を備えている。なお、受信機12から料金精算機11へ給電開始時刻、給電終了時刻、エラーメッセージ、指令等を送信する構成としてもよい。
【0037】
受信機12は、図2に示すように、複数設けられ、駐車スペース3の奥側の近傍であって駐車スペース3外に配置されている。さらに、各受信機12は、原則として、互いに隣り合う駐車スペース3の境界に対応する位置(一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かって右側であり、かつ当該一の駐車スペース3の右隣の駐車スペース3の手前側から奥側に向かって左側である位置)に配置されている。ただし、駐車スペース3の手前側から奥側に向かって見たときに、駐車場2の右端側に配置された受信機12(以下、「右端受信機12R」という場合にはこの受信機12を指す。)は、駐車場2の右端側に配置された駐車スペースの右側に配置されている。また、駐車スペース3の手前側から奥側に向かって見たときに、駐車場2の左端側に配置された受信機12(以下、「左端受信機12L」という場合にはこの受信機12を指す。)は、駐車場2の左端側に配置された駐車スペースの左側に配置されている。また、右端受信機12Rおよび左端受信機12L以外の各受信機12は、後述するように、当該受信機12のすぐ右側に配置された駐車スペース3に駐車された車両の給電口に接続された給電コネクタ72の位置検出を行う役割と、当該受信機12のすぐ左側に配置された駐車スペース3に駐車された車両の給電口に接続された給電コネクタ72の位置検出を行う役割とを兼ね備えている。一方、右端受信機12Rは、当該右端受信機12Rのすぐ左側に配置された駐車スペース3に駐車された車両の給電口に接続された給電コネクタ72の位置検出を行う役割を備えている。また、左端受信機12Lは、当該左端受信機12Lのすぐ右側に配置された駐車スペース3に駐車された車両の給電口に接続された給電コネクタ72の位置検出を行う役割を備えている。
【0038】
図3に示すように、右端受信機12R以外の受信機12は、CPU61、メモリ62、バス63、インターフェイス64、受信部65、外部通信部66および給電制御部67を備えている。CPU61およびメモリ62はバス63を介して接続され、これらはさらにインターフェイス64を介して受信部65および外部通信部66と接続されている。メモリ62には、上述した受信機12の各機能、すなわち、給電コネクタ72の位置検出機能、右発信部94、左発信部95、姿勢センサ96、給電接続センサ97、保管部センサ83の制御機能、給電機13の給電制御機能、料金精算機11との通信機能等を実現するためのプログラムが記憶され、CPU61はこれらのプログラムをメモリ62から読み取って実行することにより、受信機12の上記機能を実現する。外部通信部66は例えばシリアル通信回路を備え、料金精算機11の外部通信部41と通信を行うことができる。
【0039】
受信部65は、受信機12内に設けられ、または受信機12の外面に取り付けられている。受信部65は、給電機13の給電コネクタ72に設けられた右発信部94および左発信部95からそれぞれ発信される右信号RSおよび左信号LS(例えばマイクロ波)を受信し、受信した右信号RSおよび左信号LSを例えば増幅等してCPU61に出力する。受信部65は例えば広い角度にわたり高い受信感度を有するアンテナを備えている。この結果、後述するように、右信号RSおよび左信号LSは比較的鋭い指向性を有するのに対し、受信部65の受信範囲は広い。例えば、駐車場2内のいずれの駐車スペース3内のいずれの位置に給電コネクタ72が位置していようとも、当該給電コネクタ72に設けられた右発信部94から発信された右信号RSの発信方向が受信機12に向いている限り、受信機12は右信号RSを受信することができる。当該給電コネクタ72に設けられた左発信部95から発信される左信号LSについても同様である。もっとも、右発信部94、左発信部95と受信機12との距離の相違に応じて受信強度や伝搬時間は異なる。
【0040】
給電制御部67は、駐車スペース3の手前側から奥側に向かって見たとき、受信機12のすぐ右側に配置された給電機13に接続されている。具体的には、給電制御部67は、埋設配線14等を介し、当該給電機13の給電機本体71に設けられた給電部81および保管部センサ83に接続されている。また、給電制御部67は、埋設配線14および給電ケーブル73等を介し、当該給電機13の給電コネクタ72に設けられた右発信部94、左発信部95、姿勢センサ96および給電接続センサ97に接続されている。そして、給電制御部67は、主に、CPU61と、これら給電制御部67に接続された当該給電機13の上記構成要素との間で送受信される制御信号、検出信号等を中継する。
【0041】
右端受信機12Rは、給電制御部67が設けられておらず、いずれの給電機13とも接続されていない。この点を除き、右端受信機12Rは右端受信機12R以外の受信機12と同じ構成を有する。
【0042】
なお、一の駐車スペース3に着目した場合、当該駐車スペースの手前側から奥側に向かってすぐ右側に配置された受信機12の受信部65が第1の受信手段および第3の受信手段の具体例であり、当該駐車スペースの手前側から奥側に向かってすぐ左側に配置された受信機12の受信部65が第2の受信手段および第4の受信手段の具体例である。また、右端受信機12R以外の受信機12のCPU61および給電制御部67が給電制御手段の具体例である。
【0043】
給電機13は、駐車スペース3に駐車した車両に給電する装置である。給電機13は複数設けられ、駐車スペース3ごとに1台ずつ設けられている。給電機13は、図4に示すように、給電機本体71、給電コネクタ72および給電ケーブル73を備えている。
【0044】
給電機13は、図2に示すように、駐車スペース3の奥側の近傍であって駐車スペース3外に配置されている。さらに、給電機本体71は、例えば、受信機12との間、または駐車スペース3の幅方向中間位置に対応する位置に配置されている。給電機本体71は、図3および図4に示すように、給電部81、給電コネクタ保管部82、保管部センサ83および表示ランプ84および筐体85等を備えている。給電部81は、筐体85内に設けられ、電力の供給を行う電力供給回路または電源回路を備えている。給電コネクタ保管部82は、筐体85の例えば側面部または前面部に設けられている。給電コネクタ保管部82は、例えば筐体85の側面部または前面部に開口する開口部を有し、その開口部に給電コネクタ82の先端部(例えばソケット部93)を装着することにより、給電コネクタ82を着脱可能に保持する。保管部センサ83は、給電コネクタ保管部82の開口部近傍または開口部内に取り付けられ、給電コネクタ72が給電コネクタ保管部82の開口部に装着されているか否かを検出する。保管部センサ83は例えば給電コネクタ72が給電コネクタ保管部82の開口部に装着されたときに、給電コネクタ72の先端部または外周部により押されるスイッチにより構成されている。なお、保管部センサ83を接触センサまたは位置センサ等により構成してもよい。表示ランプ84は、筐体85の前面部等に設けられ、給電部81が給電を実行しているときに点灯し、そうでないときに消灯するランプである。表示ランプ84により、給電中か給電終了かを利用者に知らせることができる。さらに、給電機本体71には、給電ケーブル73を巻き取るためのケーブルリール(図示せず)が設けられている。
【0045】
給電コネクタ72は、駐車スペース3に駐車された車両に給電を行うために、車両の給電口(例えば図4中の車両200の給電口201)に着脱可能に接続されるコネクタである。図5の上部は、給電コネクタ72が車両の給電口に接続された状態を示し、図5の下部は、給電コネクタ72が車両の給電口に接続されていない状態を示している。図5の下部に示すように、給電コネクタ72は、接続胴部91と、接続胴部91の基端側に設けられたハンドル部92と、接続胴部91の先端側に設けられたソケット部93とから全体的に見てL字状に形成されている。給電コネクタ72は、給油ノズルと似た形状をしており、燃料を供給するという点では給油ノズルと似ているので、給電ノズルと呼んでもよい。接続胴部91とハンドル部92とは互いに固定され、または一体形成されている。ソケット部93は接続胴部91に対して容易に(少ない摩擦力でスムーズに)回転することができる。ソケット部93の先端内側には、給電用の接続端子が設けられている。また、ハンドル部92の基端側(下端側)には給電ケーブル73が接続されている。給電を行うときには、給電コネクタ72のソケット部93を、車両の給電口と接続する。これにより、ソケット部93内側の接続端子が、車両給電口内の接続端子と接触し、これにより、給電機本体71(給電部81)が例えば車両のバッテリ充電回路等と電気的に接続され、給電が可能になる。接続胴部91に対してソケット部93は容易に回転するので、ソケット部93が給電口に接続されたときには、接続胴部91に対して屈曲して伸びるハンドル部72とその基端側に接続された給電ケーブル73の重みにより、ハンドル部92の基端側が下向きとなるように接続胴部91およびハンドル部92等が、給電口に接続されて不動になったソケット部93に対して回転し、給電コネクタ72の姿勢が図5の上部に示す姿勢(以下、これを「給電接続姿勢」という。)に自然と定まる。なお、上述したように、給電コネクタ72は、給電を行わないときには、給電機本体71の給電コネクタ保管部82に装着される。
【0046】
給電コネクタ72には、右発信部94、左発信部95、姿勢センサ96、給電接続センサ97および表示ランプ98が設けられている。右発信部94および左発信部95はそれぞれ、給電コネクタ72の内部に設けられ、または給電コネクタ72の外面に取り付けられている。右発信部94は、図5の上部に示すように、給電コネクタ72が車両の給電口に接続され、給電接続姿勢を取っているときに、給電口に向かって右側の方向に右信号RSを発信するように配置されている。左発信部95は、給電コネクタ72が車両の給電口に接続され、給電接続姿勢を取っているときに、給電口に向かって左側の方向に左信号LSを発信するように配置されている。例えば、給電コネクタ72が車両の給電口に接続され、給電接続姿勢を取っている状態で、右発信部94はハンドル部92の右側周部に取り付けられ、左発信部95はハンドル部92の左側周部に取り付けられている。
【0047】
給電開始時において、右発信部94は右信号RSを発信し、左発信部95は左信号LSを発信する。右信号RSおよび左信号LSはいずれも指向性を有する電磁波、電波、音波、超音波または赤外線であることが望ましく、例えばマイクロ波が望ましい。右信号RSと左信号LSとは相互に異なる。例えば、右信号RSと左信号LSは互いに周波数が異なる。例えば、右信号RSの周波数が300MHzである場合、左信号LSの周波数が450MHzである。受信機12は、例えばフィルタ回路等を備え、右信号RSの周波数と左信号LSの周波数との相違に基づいて右信号RSと左信号LSとを識別することができる。また、上述したような右発信部94および左発信部95の配置により、給電コネクタ72が車両の給電口に接続されて給電接続姿勢を取っているときに、給電口に向かって右側の方向に右信号RSが発信され、左側の方向に左信号LSが発信される。すなわち、両信号の発信方向ないし伝搬方向は互いにおよそ180度異なる。
【0048】
なお、右発信部94が第1の発信手段の具体例であり、左発信部95が第2の発信手段の具体例である。また、右信号RSが第1の信号の具体例であり、左信号LSが第2の信号の具体例である。
【0049】
また、右信号RSおよび左信号LSの双方には、駐車スペース識別情報が重畳されている。上述したように、駐車管理システム1が有する複数の給電機13は、駐車場2に設けられた複数の駐車スペース3に一対一に対応している。そして、複数の駐車スペース3にはそれぞれ異なる駐車スペース番号が割り当てられている。駐車スペース識別情報は、複数あり、複数の駐車スペース番号にそれぞれ対応している。すなわち、複数の給電機13のそれぞれには、それぞれ異なる駐車スペース識別情報が割り当てられており、各給電機13の給電コネクタ72に設けられた右発信部94および左発信部95からそれぞれ発信される右信号RSおよび左信号LSには、当該給電機13に割り当てられた駐車スペース識別情報が重畳される。つまり、給電機13が異なれば、右信号RSおよび左信号LSに重畳される駐車スペース識別情報は異なるが、同一の給電機13において右信号RSに重畳される駐車スペース識別情報と左信号LSに重畳される駐車スペース識別情報は同一である。これにより、複数の給電機13の給電コネクタ72に設けられた右発信部94から右信号RSが同時に発信された場合でも、受信機12は、右信号RSに重畳された駐車スペース識別情報に基づいて、受信した右信号RSがいずれの給電機13の給電コネクタ72に設けられた右発信部94から発信されたかを認識することができる。複数の給電機13の給電コネクタ72に設けられた左発信部95から左信号LSが同時に発信された場合も同様である。
【0050】
姿勢センサ96は、給電コネクタ72が車両の給電口に接続されたときに給電コネクタ72の姿勢を検出するセンサである。姿勢センサ96は、車両の給電口に接続された給電コネクタ72が給電接続姿勢をとっているか否かを調べるために用いられる。姿勢センサ96は、図5の上部に示すように、給電コネクタ72の接続胴部91またはハンドル部92の内部に設けられている。姿勢センサ96として、例えば、加速度センサ、または重力や浮力によって移動する検出子(例えば小さな球体等)を用いることができる。
【0051】
給電接続センサ97は、給電コネクタ72が車両の給電口に接続されたか否かを検出するセンサである。給電接続センサ97は、例えばソケット部93等に設けられている。さらに、給電コネクタ72には、給電コネクタ72の外面には、給電中に点灯し、そうでないときに消灯する表示ランプ98が設けられている。
【0052】
給電ケーブル73は、給電機本体71と給電コネクタ72とを接続するケーブルである。給電が行われず、給電コネクタ72が給電機本体71の給電コネクタ保管部82に装着されているときには、給電ケーブル73は給電機本体71に設けられたケーブルリールに巻き取られている。一方、給電を行うときには、利用者は、給電コネクタ72を手に持って軽く引っ張ることにより、その力によりケーブルリールが回転し、給電ケーブル73が引き出される。図4に示すように、車両の側面に設けられた給電口に給電コネクタ72が接続されるときには、給電ケーブル73の引き出し量が大きくなる。一方、図9に示すように、車両の前側または後ろ側に設けられた給電口に給電コネクタ72が接続されるときには、給電ケーブル73の引き出し量は小さい。
【0053】
(給電コネクタの位置検出と給電条件)
図6、図7および図9は、一の駐車スペース3に駐車した車両に給電するために設置されている給電機13の給電コネクタ72が当該一の駐車スペース3に駐車している車両の給電口に接続されている状態を示している。これは正常な状態である。一方、図8および図10は、一の駐車スペース3に駐車した車両に給電するために設置されている給電機13の給電コネクタ72が他の駐車スペース3に駐車している車両の給電口に接続されている状態を示している。これは誤った状態、あるいは不正が行われている状態である。
【0054】
まず、図6に示す正常な状態について説明する。図6において、一の駐車スペース3(図6中の中央の駐車スペース3)に駐車した車両に給電するために設置されている給電機13は、当該一の駐車スペース3の奥側において当該一の駐車スペース3と対応する位置に配置されている。図6では、この給電機13の給電機本体71にハッチングを付している。また、当該給電機13の給電コネクタ72の位置検出を主に行う受信機12は、当該一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かってすぐ右側に配置された受信機12と、当該一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かってすぐ左側に配置された受信機12である。図6では、これらの受信機12にハッチングを付している。図6に示すように、当該一の駐車スペース3内には車両200が駐車しており、当該車両200の給電口201には、当該一の駐車スペース3に駐車した車両に給電するために設置されている給電機13の給電コネクタ72が接続され、この給電コネクタ72は給電接続姿勢をとっている。車両200の給電口201は、当該一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かって右側の方向に開口しているので、この給電口201に接続された給電コレクタ72は、当該一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かって右側に位置している。
【0055】
このような状態で給電が開始されるとき、給電口201に接続された給電コネクタ72に設けられた右発信部94から右信号RSが発信され、左発信部95から左信号LSが発信される。右信号RSは、給電口201に向かって右側の方向に発信される。一方、左信号LSは、給電口201に向かって左側の方向に発信される。これにより、右信号RSが十分な強度をもって伝搬される範囲は、図6中の一点鎖線で囲った範囲となり、左信号LSが十分な強度をもって伝搬される範囲は、図6中の破線で囲った範囲となる。この場合、当該一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かってすぐ右側に配置された受信機12は右信号RSを受信する。また、この受信機12が、何らかの物体に反射した左信号LSを受信することがある。この結果、この受信機12において、右信号RSの受信強度が左信号LSの受信強度よりも大きくなる。一方、当該一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かってすぐ左側に配置された受信機12は、何らの物体に反射した右信号RS、左信号LSを受信する可能性はあるが、受信したとしてもそれらの受信強度は極めて小さいので、右信号RSも左信号LSも実質的にみて受信していないといってよい。
【0056】
以上より、一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かってすぐ右側に配置された受信機12において、右信号RSの受信強度が左信号LSの受信強度よりも大きく、かつ当該一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かってすぐ左側に配置された受信機12が右信号RSも左信号LSも実質的にみて受信していないときには、図6に示すように、当該一の駐車スペース3に駐車した車両に給電するために設置されている給電機13の給電コネクタ72が、当該一の駐車スペース3に駐車している車両の給電口に接続された正常な状態であると判断できる。ここで、一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かってすぐ右側に配置された受信機12において、右信号RSの受信強度が左信号LSの受信強度よりも大きく、かつ当該一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かってすぐ左側に配置された受信機12が右信号RSも左信号LSも実質的にみて受信していないことを「給電条件1」という。
【0057】
次に、図7に示す正常な状態について説明する。図7において、一の駐車スペース3(図7中の中央の駐車スペース3)に駐車した車両に給電するために設置されている給電機13、および当該給電機13の給電コネクタ72の位置検出を主に行う受信機12は、図6の示す場合と同じであり、図7中においてもハッチングを付して明示している。図7に示すように、当該一の駐車スペース3内には車両300が駐車しており、当該車両300の給電口301には、当該一の駐車スペース3に駐車した車両に給電するために設置されている給電機13の給電コネクタ72が接続され、この給電コネクタ72は給電接続姿勢をとっている。車両300の給電口301は、当該一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かって左側の方向に開口しているので、この給電口301に接続された給電コレクタ72は、当該一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かって左側に位置している。
【0058】
このような状態で給電が開始されるとき、給電口301に接続された給電コネクタ72に設けられた右発信部94から右信号RSが発信され、左発信部95から左信号LSが発信される。右信号RSは給電口301に向かって右側の方向に発信され、左信号LSは給電口301に向かって左側の方向に発信される。これにより、右信号RSが十分な強度をもって伝搬される範囲は、図7中の一点鎖線で囲った範囲となり、左信号LSが十分な強度をもって伝搬される範囲は、図7中の破線で囲った範囲となる。この場合、当該一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かってすぐ左側に配置された受信機12は左信号LSを受信する。また、この受信機12が、何らかの物体に反射した右信号RSを受信することがある。この結果、この受信機12において、左信号LSの受信強度が右信号RSの受信強度よりも大きくなる。一方、当該一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かってすぐ右側に配置された受信機12は、何らの物体に反射した左信号LS、右信号RSを受信する可能性はあるが、受信したとしてもそれらの受信強度は極めて小さく、それゆえ、左信号LSも右信号RSも実質的にみて受信していないといってよい。
【0059】
以上より、一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かってすぐ左側に配置された受信機12において、左信号LSの受信強度が右信号RSの受信強度よりも大きく、かつ当該一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かってすぐ右側に配置された受信機12が左信号LSも右信号RSも実質的にみて受信していないときには、図7に示すように、当該一の駐車スペース3に駐車した車両に給電するために設置されている給電機13の給電コネクタ72が、当該一の駐車スペース3に駐車している車両の給電口に接続された正常な状態であると判断できる。ここで、一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かってすぐ左側に配置された受信機12において、左信号LSの受信強度が右信号RSの受信強度よりも大きく、かつ当該一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かってすぐ右側に配置された受信機12が左信号LSも右信号RSも実質的にみて受信していないことを「給電条件2」という。
【0060】
次に、図8に示す、誤った状態あるいは不正行為が行われている状態について説明する。図8において、一の駐車スペース3(図8中の中央の駐車スペース3)に駐車した車両に給電するために設置されている給電機13、および当該給電機13の給電コネクタ72の位置検出を主に行う受信機12は、図6の示す場合と同じであり、図8中においてもハッチングを付して明示している。図8に示すように、当該一の駐車スペース3内には車両200が駐車している。また、当該一の駐車スペース3の右隣の他の駐車スペース3内には車両300が駐車している。そして、車両300の給電口301には、当該一の駐車スペース3に駐車した車両に給電するために設置されている給電機13の給電コネクタ72が接続され、この給電コネクタ72は給電接続姿勢をとっている。車両300の給電口301は、当該他の駐車スペース3の手前側から奥側に向かって左側の方向に開口しているので、この給電口301に接続された給電コレクタ72は、当該一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かって右側に位置し、かつ、当該他の駐車スペース3の手前側から奥側に向かって左側に位置している。
【0061】
このような状態で給電が開始されるとき、給電口301に接続された給電コネクタ72に設けられた右発信部94から右信号RSが発信され、左発信部95から左信号LSが発信される。右信号RSは給電口301に向かって右側の方向に発信され、左信号LSは給電口301に向かって左側の方向に発信される。これにより、右信号RSが十分な強度をもって伝搬される範囲は、図8中の一点鎖線で囲った範囲となり、左信号LSが十分な強度をもって伝搬される範囲は、図8中の破線で囲った範囲となる。この場合、当該一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かってすぐ右側に配置された受信機12は左信号LSを受信する。また、この受信機12が、何らかの物体に反射した右信号RSを受信することがある。この結果、この受信機12において、左信号LSの受信強度が右信号RSの受信強度よりも大きくなる。一方、当該一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かってすぐ左側に配置された受信機12は、何らの物体に反射した左信号LS、右信号RSを受信する可能性はあるが、受信したとしてもそれらの受信強度は極めて小さく、それゆえ、左信号LSも右信号RSも実質的にみて受信していないといってよい。
【0062】
以上より、一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かってすぐ右側に配置された受信機12において、左信号LSの受信強度が右信号RSの受信強度よりも大きく、かつ当該一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かってすぐ左側に配置された受信機12が左信号LSも右信号RSも実質的にみて受信していないときには、図8に示すように、当該一の駐車スペース3に駐車した車両に給電するために設置されている給電機13の給電コネクタ72が、右隣の他の駐車スペース3に駐車している車両の給電口に接続された誤った状態または不正な状態であると判断できる。
【0063】
これと同様に、一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かってすぐ左側に配置された受信機12において、右信号RSの受信強度が左信号LSの受信強度よりも大きく、かつ当該一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かってすぐ右側に配置された受信機12が左信号LSも右信号RSも実質的にみて受信していないときには、当該一の駐車スペース3に駐車した車両に給電するために設置されている給電機13の給電コネクタ72が、左隣の他の駐車スペース3に駐車している車両の給電口に接続された誤った状態または不正な状態であると判断できる。
【0064】
次に、図9に示す正常な状態について説明する。図9において、一の駐車スペース3(図9中の中央の駐車スペース3)に駐車した車両に給電するために設置されている給電機13、および当該給電機13の給電コネクタ72の位置検出を主に行う受信機12は、図6の示す場合と同じであり、図9中においてもハッチングを付して明示している。図9に示すように、当該一の駐車スペース3内には車両400が駐車しており、当該車両400の給電口401には、当該一の駐車スペース3に駐車した車両に給電するために設置されている給電機13の給電コネクタ72が接続され、この給電コネクタ72は給電接続姿勢をとっている。車両400の給電口401は、当該一の駐車スペース3の奥側に向かって開口しているので、この給電口401に接続された給電コレクタ72は、当該一の駐車スペース3の奥側に位置している。
【0065】
このような状態で給電が開始されるとき、給電口401に接続された給電コネクタ72に設けられた右発信部94から右信号RSが発信され、左発信部95から左信号LSが発信される。右信号RSは、給電口401に向かって右側の方向に発信される。一方、左信号LSは、給電口401に向かって左側の方向に発信される。この場合、当該一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かってすぐ右側に配置された受信機12は左信号LSを受信する。また、この受信機12が、何らかの物体に反射した右信号RSを受信することがある。この結果、当該一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かってすぐ右側に配置された受信機12において、左信号LSの受信強度が右信号RSの受信強度よりも大きくなる。これと同時に、当該一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かってすぐ左側に配置された受信機12は右信号RSを受信する。また、この受信機12が、何らかの物体に反射した左信号LSを受信することがある。この結果、当該一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かってすぐ左側に配置された受信機12において、右信号RSの受信強度が左信号LSの受信強度よりも大きくなる。
【0066】
以上より、当該一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かってすぐ右側に配置された受信機12において、左信号LSの受信強度が右信号RSの受信強度よりも大きく、かつ当該一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かってすぐ左側に配置された受信機12において、右信号RSの受信強度が左信号LSの受信強度よりも大きいときは、図9に示すように、当該一の駐車スペース3に駐車した車両に給電するために設置されている給電機13の給電コネクタ72が、当該一の駐車スペース3に駐車している車両の給電口に接続された正常な状態であると判断できる。ここで、一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かってすぐ右側に配置された受信機12において、左信号LSの受信強度が右信号RSの受信強度よりも大きく、かつ当該一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かってすぐ左側に配置された受信機12において、右信号RSの受信強度が左信号LSの受信強度よりも大きいことを「給電条件3」という。
【0067】
次に、図10に示す、誤った状態または不正な状態について説明する。図10において、一の駐車スペース3(図10中の中央の駐車スペース3)に駐車した車両に給電するために設置されている給電機13、および当該給電機13の給電コネクタ72の位置検出を主に行う受信機12は、図6の示す場合と同じであり、図10中においてもハッチングを付して明示している。図10に示すように、当該一の駐車スペース3の右隣の他の駐車スペース3内には車両400が駐車しており、当該車両400の給電口401には、前記一の駐車スペース3に駐車した車両に給電するために設置されている給電機13の給電コネクタ72が接続され、この給電コネクタ72は給電接続姿勢をとっている。車両400の給電口401は、当該他の駐車スペース3の奥側に向かって開口しているので、この給電口401に接続された給電コレクタ72は、当該他の駐車スペース3の奥側に位置している。
【0068】
このような状態で給電が開始されるとき、給電口401に接続された給電コネクタ72に設けられた右発信部94から右信号RSが発信され、左発信部95から左信号LSが発信される。右信号RSは、給電口401に向かって右側の方向に発信される。一方、左信号LSは、給電口401に向かって左側の方向に発信される。この場合、当該一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かってすぐ右側に配置された受信機12は右信号RSを受信する。また、この受信機12が、何らかの物体に反射した左信号LSを受信することがある。この結果、当該一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かってすぐ右側に配置された受信機12において、右信号RSの受信強度が左信号LSの受信強度よりも大きくなる。これと同時に、当該一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かってすぐ左側に配置された受信機12も右信号RSを受信する。また、この受信機12が、何らかの物体に反射した左信号LSを受信することがある。この結果、当該一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かってすぐ左側に配置された受信機12においても、右信号RSの受信強度が左信号LSの受信強度よりも大きくなる。
【0069】
以上より、当該一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かってすぐ右側に配置された受信機12において、右信号RSの受信強度が左信号LSの受信強度よりも大きく、かつ当該一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かってすぐ左側に配置された受信機12においても、右信号RSの受信強度が左信号LSの受信強度よりも大きいときは、図10に示すように、当該一の駐車スペース3に駐車した車両に給電するために設置されている給電機13の給電コネクタ72が、当該一の駐車スペース3の右隣の他の駐車スペース3に駐車している車両の給電口に接続された誤った状態または不正な状態であると判断できる。
【0070】
同様に、当該一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かってすぐ左側に配置された受信機12において、左信号LSの受信強度が右信号RSの受信強度よりも大きく、かつ当該一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かってすぐ右側に配置された受信機12においても、左信号LSの受信強度が右信号RSの受信強度よりも大きいときは、当該一の駐車スペース3に駐車した車両に給電するために設置されている給電機13の給電コネクタ72が、当該一の駐車スペース3の左隣の他の駐車スペース3に駐車している車両の給電口に接続された誤った状態または不正な状態であると判断できる。
【0071】
このように、駐車管理システム1では、車両の給電口に接続された給電コネクタ72の位置を検出することで、給電コネクタ72の車両給電口への接続が正常か否かを判断しているが、この検出・判断の処理において、当該一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かってすぐ右側およびすぐ左側に配置された2機の受信機12は、当該一の駐車スペース3と対応する位置に配置された給電機13の給電コネクタ72に設けられた右発信部94および左発信部95から発信された右信号RSおよび左信号LSについて、受信強度の上記検出または判断を行う。これは、当該右信号RSおよび左信号LSに重畳されている駐車スペース識別情報に基づいて、当該右信号RSおよび当該左信号LSを、他の給電コネクタ72に設けられた右発信部94および左発信部95から発信された他の右信号RSおよび他の左信号LSから識別することにより実現している。また、受信機12は、右信号RSの周波数と左信号LSの周波数との相違に基づいて右信号RSと左信号LSとを識別している。
【0072】
また、駐車管理システム1では、車両の給電口に接続された給電コネクタ72の位置を、給電口に向かって右側の方向に発信する右信号RSと、給電口に向かって左側の方向に発信する左信号LSとを用いて検出しているが、この検出は、車両の給電口に接続された給電コネクタ72が給電接続姿勢をとっていることを前提としている。本実施形態のように、給電コネクタ72の接続胴部91およびハンドル部92が給電口に接続されたソケット部93に対して自由に回転し、ハンドル部92や給電ケーブル73の重みにより自然に給電接続姿勢になる構成の場合には、ソケット部93を給電口に接続した状態で、接続胴部91およびハンドル部92を重力に抗して180度回転させることができてしまう。このように給電コネクタ72が給電接続姿勢から180度回転すると、受信機12に対する右発信部94と左発信部95との配置関係を逆になり、右信号RSと左信号LSとが相互に置き換わってしまう。この結果、図8や図10に示すような不正な接続状態であっても、上記給電条件1、2または3を満足させることができてしまう。しかし、駐車管理システム1では、このような不都合を、後述するように、姿勢センサ96により阻止する。
【0073】
(駐車管理および給電の動作)
図11および図12は、駐車管理システム1における料金精算機の動作を示している。図11において、空車の駐車スペース3に車両が進入すると、当該駐車スペース3に埋設された車両センサ7がその旨を検出してONとなり(ステップS1:Y)。これに応じ、料金精算機11は駐車時間の計測を開始する(ステップS2)。続いて、料金精算機11は、駐車時間の計測を開始してから入庫サービス時間が経過したか否かを判断する(ステップS3)。入庫サービス時間は、駐車スペース3に進入した後、極めて短時間で当該駐車スペース3から退出する車両があることを考慮し、駐車時間の計測を開始してからフラップ板6を立ち上げずに待機する時間であり、例えば3分ないし5分程度である。入庫サービス時間が経過したとき(ステップS3:Y)、料金精算機11は当該駐車スペース3に設けられたフラップ装置5を制御し、フラップ板6を上昇させて立ち上げる(ステップS4)。その後、当該駐車スペース3に駐車した車両について利用者が精算を行うのを待つ。そして、利用者による精算が完了したときには(ステップS5:Y)、料金精算機11は当該駐車スペース3に設けられたフラップ装置5を制御し、フラップ板6を下降させて寝かせる(ステップS6)。続いて、車両が当該駐車スペース3を退出すると、当該駐車スペース3に埋設された車両センサ7がその旨を検出してOFFとなり(ステップS7:Y)、処理を終える。その後、再びステップS1から処理が始まる。
【0074】
一方、フラップ板6が下降したにもかかわらず、車両が当該駐車スペース3から退出せず、出庫制限時間を経過した場合には(ステップS7:N、ステップS11:Y)、処理がステップS4に戻り、料金精算機11は再びフラップ板6を上昇させる。出庫制限時間は、精算完了後、車両が長時間駐車を継続した場合には再び課金をする必要があることを考慮して、一旦フラップ板6を下降させてから再びフラップ板6を上昇させるまでの時間であり、例えば5分ないし10分程度である。
【0075】
また、ステップS2で駐車時間の計測が開始されてから、入庫サービス時間が経過するまでの間に、利用者が当該駐車スペース3に対応する給電機13の給電コネクタ72を、給電機本体71に設けられた給電コネクタ保管部82から取り外して車両の給電口に接続した場合には、当該給電コネクタ72に設けられた給電接続センサ97がその旨を検出してONになり(ステップS8:Y)、これに応じ、料金精算機11は当該駐車スペース3に設けられたフラップ装置5を制御し、フラップ板6を上昇させる(ステップS4)。そして、処理はステップS10を介して図12中のステップS21に移行する。また、入庫サービス時間経過後、精算前に、利用者が当該給電コネクタ72を、給電機本体71に設けられた給電コネクタ保管部82から取り外して車両の給電口に接続した場合にも、当該給電コネクタ72に設けられた給電接続センサ97がその旨を検出してONになり(ステップS10:Y)、処理は図12中のステップS21に移行する。
【0076】
当該駐車スペース3に対応する給電機13の給電コネクタ72が車両の給電口に接続され、その旨が給電接続センサ97により検出されると、車両の給電口に接続された給電コネクタ72の位置が検出され、給電コネクタ72の接続が正常か否か判断される。すなわち、図12に示すように、まず、給電接続センサ97の上記検出に応じて、当該給電コネクタ72の位置検出を行う受信機12が給電制御部67を介して当該給電コネクタ72に設けられた右発信部94および左発信部95を制御し、これら右発信部94および左発信部95から右信号RSおよび左信号LSをそれぞれ発信させる。そして、当該受信機12は、受信部65により受信された右信号RSおよび左信号LSの受信強度を測定し、上述した給電条件1、2および3のいずれかを満足するか否かを判断する(ステップS22)。
【0077】
給電条件1、2および3のいずれかを満足する場合には、続いて、受信機12は、当該給電コネクタ72に設けられた姿勢センサ96の検出結果を受け取り、この検出結果に基づいて、当該給電コネクタ72が給電接続姿勢をとっているか否かを判断する(ステップS23)。そして、当該給電コネクタ72が給電接続姿勢をとっている場合には(ステップS23:Y)、受信機12は、右発信部94および左発信部95を制御して右信号RSおよび左信号LSの発信を停止させた後(ステップS24)、当該給電機13の給電機本体71内に設けられた給電部81を制御して給電を開始させる(ステップS25)。これと同時に、受信機12は給電時間の測定を開始する(ステップS26)。なお、ステップS24で右信号RSおよび左信号LSの発信を停止させなくてもよいが、停止させることでエネルギーの消費を抑えることができると共に、他の駐車スペース3での給電コネクタ72の位置検出処理におけるノイズ軽減を図ることができる。完全に停止させるのではなく、一定の間隔で発信停止と発信とを繰り返してもよい。
【0078】
続いて、車両のバッテリが満充電となったとき(ステップS27:Y)、あるいは利用者が給電コネクタ72を車両の給電口から外し、給電接続センサ97がその旨を検出したとき(ステップS33:Y)、受信機12は、給電部81を制御して給電を停止させる(ステップS28)。
【0079】
一方、給電条件1、2および3のいずれも満足しない場合(ステップS22:N)、あるいは給電コネクタ72の姿勢が給電接続姿勢でない場合には(ステップS23:N)、受信機12は、例えばエラーメッセージを表示する旨を要求する指令等を料金精算機11に送信する。これに応じ、料金精算機は、給電がされない旨等を告げるエラーメッセージを表示器22に表示する。また、給電条件1、2および3のいずれも満足しない状態、あるいは給電コネクタ72の姿勢が給電接続姿勢でない状態が所定の給電開始前制限時間継続した場合には(ステップS31:Y)、受信機12は右信号RSおよび左信号LSの発信を停止させる(ステップS32)。
【0080】
他方、ステップS28で給電が停止した後、またはステップS31で給電が開始されないまま給電開始前制限時間経過した後、利用者は当該給電コネクタ72を車両の給電口から外し、給電機本体71に設けられた給電コネクタ保管部82に戻してから、精算を行う必要がある。にもかかわらず、利用者が給電コネクタ72を給電コネクタ保管部82に戻すことなく精算を行おうとした場合には、料金精算機11がその旨を認識し、例えば「給電コネクタが返却されていません」といったエラーメッセージを表示部22に表示し、あるいはスピーカ28から音声出力する。利用者が給電コネクタ72を給電コネクタ保管部82に戻すことなく精算を行おうとしたことの判断は例えば次にように行われる。すなわち、給電コネクタ72が給電コネクタ保管部82に装着されていないことを保管部センサ83が検出し、この検出結果を受信機12に送信し、さらに受信機12がその検出結果を料金精算機11に送信し、料金精算機11が、その保管部センサ83の検出結果と、操作キー23等の操作状況とに基づいて、給電コネクタ72が給電コネクタ保管部82に装着されていない状態で精算操作がなされたことを認識する。この認識に基づいて、利用者が給電コネクタ72を給電コネクタ保管部82に戻すことなく精算を行おうとしたことを判断することができる。
【0081】
以上説明した通り、本発明の実施形態による駐車管理システム1によれば、一の駐車スペース3に駐車した車両に給電するために設置されている給電機13を用いて他の駐車スペース3に駐車している車両に給電が行われることを防止することができる。これにより、例えば給電料金を隣の駐車スペース3の利用者を欺いて支払わせ、自分では給電料金を支払わずに、給電を行うといった不正行為を防止することができる。また、駐車場に監視係員を配備したり、遠隔モニターで給電ケーブルの引き回し方を監視する等の対処方法をとらなくても不正行為を防止することができるので、設備や運用コストの上昇を抑えることができる。
【0082】
なお、上述した実施形態では、右信号RSおよび左信号LSの受信強度に基づいて、車両の給電口に接続された給電コネクタ72の位置検出を行い、給電コネクタ72の接続状態が正常か否かを判断する場合を例に挙げたが、本発明はこれに限らない。例えば、右信号RSが右発信部94から発信されてから受信部65に到達するまで時間、および左信号LSが左発信部95から発信されてから受信部65に到達するまで時間に基づいて、車両の給電口に接続された給電コネクタ72の位置検出を行い、給電コネクタ72の接続状態が正常か否かを判断してもよい。この場合、上記給電条件1、2、3はそれぞれ次のようになる。すなわち、給電条件1は、一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かってすぐ右側に配置された受信機12において、右信号RSが右発信部94から発信されてから当該受信機12の受信部65に到達するまでにかかった時間が、左信号LSが左発信部95から発信されてから当該受信機12の受信部65に到達するまでにかかった時間よりも短く、かつ当該一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かってすぐ左側に配置された受信機12が右信号RSも左信号LSも実質的にみて受信していないことである。給電条件2は、一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かってすぐ左側に配置された受信機12において、左信号LSが左発信部95から発信されてから当該受信機12の受信部65に到達するまでにかかった時間が、右信号RSが右発信部94から発信されてから当該受信機12の受信部65に到達するまでにかかった時間よりも短く、かつ当該一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かってすぐ右側に配置された受信機12が左信号LSも右信号RSも実質的にみて受信していないことである。給電条件3は、一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かってすぐ右側に配置された受信機12において、左信号LSが左発信部95から発信されてから当該受信機12の受信部65に到達するまでにかかった時間が、右信号RSが右発信部94から発信されて当該受信機12の受信部65に到達するまでにかかった時間よりも短く、かつ当該一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かってすぐ左側に配置された受信機12において、右信号RSが右発信部94から発信されてから当該受信機12の受信部65に到達するまでにかかった時間が、左信号LSが左発信部95から発信されて当該受信機12の受信部65に到達するまでにかかった時間よりも短いことである。
【0083】
また、給電条件3に、当該一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かってすぐ左側に配置された受信機12において、右信号RSが右発信部94から発信されてから当該受信機12の受信部65に到達するまでにかかった時間が基準時間以下であり、かつ、当該一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かってすぐ右側に配置された受信機12において、左信号LSが左発信部95から発信されてから当該受信機12の受信部65に到達するまでにかかった時間が基準時間以下であることを追加してもよい(先に述べた給電条件3(受信強度に関するもの、または信号到達時間に関するもの)にAND条件として追加してもよいし、OR条件として追加してもよい)。基準時間は、例えば、駐車スペース3の幅の距離を右信号RSまたは左信号LSが伝搬する時間である。給電条件3に合致していても、上記の基準時間以上の到達時間となる条件の場合には、給電コネクタ72の位置が当該一の駐車スペース3の幅の外にあると判断することができる。なお、同様に給電条件3に、右信号RSおよび左信号LSの受信強度が予め設定した基準強度以下かどうかの条件を(AND条件としてまたはOR条件として)追加することも有効である。
【0084】
また、上述した実施形態では、右信号RSと左信号LSとは互いの周波数が異なり、受信機12は右信号RSと左信号LSとの周波数の相違に基づいて右信号RSと左信号LSとの識別を行う場合を例に挙げたが、本発明はこれに限らない。例えば、相互に異なる2つの信号識別情報のうちの一方を右信号RSに重畳し、他方を左信号LSに重畳してもよい。受信機12は、右信号RSおよび左信号LSから信号識別情報をそれぞれ読み取ることにより、右信号RSと左信号LSとを識別する。また、時分割方法や変調方法を右信号RSと左信号LSとの間で異ならせることにより、右信号RSと左信号LSとを受信機12に識別させるようにしてもよい。
【0085】
また、上述した実施形態では、図2に示すように、隣り合う2つの駐車スペース3の境界に対応する位置に1機の受信機12を設け、この受信機12により、当該隣り合う2つの駐車スペース3にそれぞれ対応する2機の給電機13の給電コネクタ72の位置検出を行う構成としたが、本発明はこれに限らない。この受信機12を2分し、一方の受信機12により、当該隣り合う2つの駐車スペース3のうちの一方の駐車スペース3に対応する給電機13の給電コネクタ72の位置検出を行い、他方の受信機12により、当該隣り合う2つの駐車スペース3のうちの他方の駐車スペース3に対応する給電機13の給電コネクタ72の位置検出を行う構成としてもよい。また、上述した実施形態において、発信手段の配置と受信手段と配置とを入れ替えてもよい。
【0086】
また、上述した実施形態では、一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かってすぐ右側に配置された受信機12と、当該一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かってすぐ左側に配置された受信機12とで、それらの間に配置された給電機13の給電コネクタ72の位置検出を主に行うこととしたが、本発明はこれに限らない。一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かってすぐ右側に配置された受信機12と、当該一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かってすぐ左側に配置された受信機12と、さらに他の駐車スペース3の左右の受信機12、例えば一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かってすぐ右側に配置された受信機12のさらに右側に配置された受信機12(12R)と、一の駐車スペース3の手前側から奥側に向かってすぐ左側に配置された受信機12のさらに左側に配置された受信機12を利用し、複数の受信機12間の受信信号の強度若しくは到達時間で総合的に給電コネクタ72の位置を判断することもできる。その場合は複数の駐車スペース3毎に複数の給電コネクタ72からの右信号RSの発信と左信号LSの発信を、時分割で行うこととしてもよい。特に図10で示した不正な充電状態の判断には、右端の受信機12Rで本来は隣の駐車スペースである一の駐車スペース3の給電コネクタ72の左信号LSを高強度に受信するか短時間に受信することで、容易に給電コネクタ72の位置が不正であることが判断できる。
【0087】
また、図13に示すように、受信機12を、その高さを低くし、筐体を強固に形成し、たとえ車両が乗り上げても受信機12にも車両にも支障が生じないように構成することも可能である。このような場合には、受信機12を駐車スペース3内や駐車スペース3の手前側に配置することも可能になる。
【0088】
さらに、図14(1)に示すように、受信機12を各駐車スペース3の4隅に位置するように配置してもよい。また、図14(2)に示すように、各駐車スペース3内の4隅に受信機12を配置してもよい。さらに、図14(3)に示すように、受信機12を隣り合う駐車スペース3の間に配置することもできる。また、図14(4)に示すように、受信機12を給電機13に取り付けてもよい。
【0089】
また、本発明は、請求の範囲および明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う車両給電装置および駐車管理システムもまた本発明の技術思想に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明は、個々の駐車スペース毎にフラップ式退出防止装置を設けたフラップ式駐車場に給電装置を設置した駐車場や、単に給電装置の給電料金徴収装置において利用可能である。
【符号の説明】
【0091】
1 駐車管理システム
2 駐車場
3 駐車スペース
5 フラップ装置
11 料金精算機
12 受信機
13 給電機
61 CPU(給電制御手段)
62 メモリ
65 受信部(第1の受信手段、第2の受信手段)
67 給電制御部
71 給電機本体
72 給電コネクタ
73 給電ケーブル
94 右発信部(第1の発信手段)
95 左発信部(第2の発信手段)
96 姿勢センサ
200、300、400 車両
201、301、401 給電口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車スペースに駐車した車両に給電する給電機本体と、
前記車両の給電口に着脱可能に接続される給電コネクタと、
前記給電機本体と前記給電コネクタとの間を接続する給電ケーブルと、
前記車両の給電口に接続された前記給電コネクタの位置を検出する位置検出手段と、
前記位置検出手段による検出結果に基づいて、前記車両の給電口に接続された前記給電コネクタの位置が所定の位置であるときには給電を行い、前記車両の給電口に接続された前記給電コネクタの位置が所定の位置でないときには給電を行わないように前記給電機本体を制御する給電制御手段とを備えた車両給電装置。
【請求項2】
前記位置検出手段は、前記給電コネクタに設けられた複数の発信手段と、前記駐車スペースの近傍または前記駐車スペース内の端側における相互に異なる位置にそれぞれ設けられた複数の受信手段とを備え、
前記給電制御手段は、前記複数の発信手段からそれぞれ発信された信号の前記複数の受信手段における受信状態が、前記駐車スペースに駐車している前記車両の給電口に前記給電コネクタが接続されていることを示す予め設定された条件を満足したときに給電を行うように前記給電機本体を制御することを特徴とする請求項1に記載の車両給電装置。
【請求項3】
前記位置検出手段は、
前記給電コネクタに設けられ、指向性を有する第1の信号を発信する第1の発信手段と、
前記給電コネクタに設けられ、指向性を有し、前記第1の信号と異なる第2の信号を発信する第2の発信手段と、
前記駐車スペースの近傍または前記駐車スペース内の端側における相互に異なる位置にそれぞれ設けられた第1の受信手段および第2の受信手段とを備え、
前記駐車スペースの手前側から奥側に向かって右側の方向に開口している前記車両の給電口に前記給電コネクタが接続されたときに前記第1の受信手段において前記第1の信号の受信強度が前記第2の受信強度よりも大きくなり、かつ、前記駐車スペースの手前側から奥側に向かって左側の方向に開口している前記車両の給電口に前記給電コネクタが接続されたときに前記第2の受信手段において前記第2の信号の受信強度が前記第1の信号の受信強度よりも大きくなり、かつ、前記駐車スペースの奥側に向かって開口している前記車両の給電口に前記給電コネクタが接続されたときに、前記第1の受信手段において前記第2の信号の受信強度が前記第1の受信強度よりも大きくなると共に前記第2の受信手段において前記第1の信号の受信強度が前記第2の受信強度よりも大きくなるように、前記給電コネクタにおける前記第1の発信手段および前記第2の発信手段の配置、並びに前記駐車スペースの近傍または前記駐車スペース内の端側における前記第1の受信手段および前記第2の受信手段の配置が定められ、
前記給電制御手段は、前記第1の受信手段において前記第1の信号の受信強度が前記第2の信号の受信強度よりも大きいとき、前記第2の受信手段において前記第2の信号の受信強度が前記第1の信号の受信強度よりも大きいとき、または、前記第1の受信手段において前記第2の信号の受信強度が前記第1の信号の受信強度よりも大きくなると共に前記第2の受信手段において前記第1の信号の受信強度が前記第2の信号の受信強度よりも大きいときに給電を行うように前記給電機本体を制御することを特徴とする請求項1に記載の車両給電装置。
【請求項4】
前記位置検出手段は、
前記給電コネクタに設けられ、指向性を有する第1の信号を発信する第1の発信手段と、
前記給電コネクタに設けられ、指向性を有し、前記第1の信号と異なる第2の信号を発信する第2の発信手段と、
前記駐車スペースの近傍または前記駐車スペース内の端側における相互に異なる位置にそれぞれ設けられた第1の受信手段および第2の受信手段とを備え、
前記駐車スペースの手前側から奥側に向かって右側の方向に開口している前記車両の給電口に前記給電コネクタが接続されたときに前記第1の信号が前記第1の発信手段から発信されてから前記第1の受信手段に到達するまでにかかる時間が前記第2の信号が前記第2の発信手段から発信されてから前記第1の受信手段に到達するまでにかかる時間よりも短くなり、かつ、前記駐車スペースの手前側から奥側に向かって左側の方向に開口している前記車両の給電口に前記給電コネクタが接続されたときに前記第2の信号が前記第2の発信手段から発信されてから前記第2の受信手段に到達するまでにかかる時間が前記第1の信号が前記第1の発信手段から発信されてから前記第2の受信手段に到達するまでにかかる時間よりも短くなり、かつ、前記駐車スペースの奥側に向かって開口している前記車両の給電口に前記給電コネクタが接続されたときに、前記第2の信号が前記第2の発信手段から発信されてから前記第1の受信手段に到達するまでにかかる時間が前記第1の信号が前記第1の発信手段から発信されてから前記第1の受信手段に到達するまでにかかる時間よりも短くなると共に前記第1の信号が前記第1の発信手段から発信されてから前記第2の受信手段に到達するまでにかかる時間が前記第2の信号が前記第2の発信手段から発信されてから前記第2の受信手段に到達するまでにかかる時間よりも短くなるように、前記給電コネクタにおける前記第1の発信手段および前記第2の発信手段の配置、並びに前記駐車スペースの近傍または前記駐車スペース内の端側における前記第1の受信手段および前記第2の受信手段の配置が定められ、
前記給電制御手段は、前記第1の信号が前記第1の発信手段から発信されてから前記第1の受信手段に到達するまでにかかる時間が前記第2の信号が前記第2の発信手段から発信されてから前記第1の受信手段に到達するまでにかかる時間よりも短いとき、前記第2の信号が前記第2の発信手段から発信されてから前記第2の受信手段に到達するまでにかかる時間が前記第1の信号が前記第1の発信手段から発信されてから前記第2の受信手段に到達するまでにかかる時間よりも短いとき、または、前記第2の信号が前記第2の発信手段から発信されてから前記第1の受信手段に到達するまでにかかる時間が前記第1の信号が前記第1の発信手段から発信されてから前記第1の受信手段に到達するまでにかかる時間よりも短いと共に前記第1の信号が前記第1の発信手段から発信されてから前記第2の受信手段に到達するまでにかかる時間が前記第2の信号が前記第2の発信手段から発信されてから前記第2の受信手段に到達するまでにかかる時間よりも短いときに給電を行うように前記給電機本体を制御することを特徴とする請求項1に記載の車両給電装置。
【請求項5】
前記第1の発信手段は、前記車両の給電口に前記給電コネクタが接続されたときに前記給電口に向かって右側の方向に前記第1の信号を発信するように前記給電コネクタに配置され、
前記第2の発信手段は、前記車両の給電口に前記給電コネクタが接続されたときに前記給電口に向かって左側の方向に前記第2の信号を発信するように前記給電コネクタに配置され、
前記第1の受信手段は、前記駐車スペースの手前側から奥側に向かって右側に位置する前記駐車スペースの近傍または前記駐車スペース内の端部に配置され、
前記第2の受信手段は、前記駐車スペースの手前側から奥側に向かって左側に位置する前記駐車スペースの近傍または前記駐車スペース内の端部に配置されていることを特徴とする請求項3または4に記載の車両給電装置。
【請求項6】
前記第1の信号と前記第2の信号とは相互に周波数が異なることを特徴とする請求項3ないし5のいずれかに記載の車両給電装置。
【請求項7】
相互に異なる2つの信号識別情報のうちの一方が前記第1の信号に重畳され、他方が前記第2の信号に重畳されていることを特徴とする請求項3ないし5のいずれかに記載の車両給電装置。
【請求項8】
前記給電機は、前記給電コネクタが前記車両の給電口に接続されたときに前記給電コネクタの姿勢を検出する姿勢検出手段を備え、
前記給電制御手段は、前記姿勢検出手段による検出結果に基づいて、前記給電コネクタが所定の姿勢でないときには給電を行わないように前記給電機本体を制御することを特徴とする請求項2ないし7のいずれかに記載の車両給電装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載の車両給電装置と、
前記駐車スペース内に設けられたフラップ装置と、
前記フラップ装置を制御すると共に、駐車料金の精算および前記車両給電装置における前記給電機本体の前記車両への給電に係る給電料金の精算を行う料金精算機とを備え、
前記料金精算機は、前記フラップ装置を制御し、前記給電機本体の前記車両への給電が開始されてから前記給電料金の精算が済むまでの間、前記車両を前記駐車スペース内において退出不能にする駐車管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−250654(P2011−250654A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−123958(P2010−123958)
【出願日】平成22年5月31日(2010.5.31)
【出願人】(000101617)アマノ株式会社 (174)
【Fターム(参考)】