車体後部構造
【課題】荷重伝達効率の向上を図り、例えば、トランクスペースの開口部の変形を抑えることを可能にするとともに、部品点数の低減を図ることを可能にする。
【解決手段】ダンパベース(リヤダンパハウジング)25,25とピラー(センタピラー)18,18とを連結する左右の前後メンバ(クォータロアメンバ)27,27を設け、これらの前後メンバ27,27の稜線27b,27bに、押出し材にて成形されたそれぞれ左右のガセット(パーセルメンバガセット)35,35を配置し、これらのガセット35,35に車幅方向に延ばしたクロスメンバ(リヤパーセルメンバ)36を連結し、ガセット35,35は、閉断面に形成され、押出し方向を車体前後方向に沿わせた。
【解決手段】ダンパベース(リヤダンパハウジング)25,25とピラー(センタピラー)18,18とを連結する左右の前後メンバ(クォータロアメンバ)27,27を設け、これらの前後メンバ27,27の稜線27b,27bに、押出し材にて成形されたそれぞれ左右のガセット(パーセルメンバガセット)35,35を配置し、これらのガセット35,35に車幅方向に延ばしたクロスメンバ(リヤパーセルメンバ)36を連結し、ガセット35,35は、閉断面に形成され、押出し方向を車体前後方向に沿わせた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体後方のトランクスペース部分にリヤパーセルを設ける車体後部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車体後部構造として、車体後方のトランクスペースの捩れや変形を抑制するものが知られている。
この種の車体後部構造は、荷重伝達効率を向上させ車体変形を抑えるように、適宜設計されるものであった。
このような、車体後部構造として、リヤサスペンションからフロアパネルに入力される荷重を効率的に分散させるものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1の車体後部構造は、フロアパネルの側縁にホイールエプロンが接合され、ホイールエプロンの外側にホイールアーチインナが接合されるとともに、ホイールエプロンに下端が接合されたリヤクォータインナパネル、及びホイールアーチインナに下端が接合されたリヤクォータアウタパネルによって閉断面形状のリヤピラーが形成されたものであり、フロアパネルに入力されるリヤサスペンション入力荷重を、フロアパネルからリンフォースリヤピラーを介して直接的にリヤピラーに伝達されるようにして、リヤピラーからサイドレールやルーフ等の車体上方部、及びリヤピラーを形成するリヤクォータインナパネルやリヤクォータアウタパネル等の広範囲に効率的に分散できるようにしたものである。
【0004】
しかし、特許文献1の車体後部構造では、リンフォースリヤピラーの内部は空洞のために、クロスメンバとリヤピラーとの間で荷重伝達ができないという課題があった。
また、特許文献1の車体後部構造では、リンフォースリヤピラーは、プレス部品で断面を形成しているため部品点数が多い。
【0005】
特許文献1の車体後部構造では、リンフォースリヤピラーには、溶接ガン等が入らない箇所もあって、溶接ガンを挿入するための作業孔の設定やボルト締結の必要となることもある。
さらに、クロスメンバとリヤピラーとの間で荷重伝達するときに、クロスメンバの上下位置を自由に設定したいものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−362420公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、クロスメンバとリヤピラーとの間の荷重伝達効率の向上を図ることができるとともに、部品点数の低減を図ることができる車体後部構造を提供することを課題とする。
また、クロスメンバの上下位置を自由に設定でき、車体後部構造の設計の自由度の向上を図ることができる車体後部構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、車体前後方向に左右のサイドシルを延ばし、このサイドシルの後部からそれぞれ左右のリヤフレームを延出し、サイドシルの後部からそれぞれ左右のピラーを立ち上げ、リヤフレームの中間にリヤダンパを支持する左右のダンパベースを設けた車体後部構造において、ダンパベースとピラーとを連結する左右の前後メンバを設け、これらの前後メンバの稜線に、押出し材にて成形されたそれぞれ左右のガセットを配置し、これらのガセットに車幅方向に延ばしたクロスメンバを連結し、ガセットは、閉断面に形成され、押出し方向を車体前後方向に沿わせたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明は、ガセットは、前後メンバの稜線に接続される第1の接続面と、クロスメンバの端部に接続される第2の接続面と、この第2の接続面から第1の接続面に指向させた荷重伝達リブとが形成され、クロスメンバ及び前後メンバの上下位置が異なるときに、荷重伝達リブがクロスメンバの端部の断面荷重を前後メンバの稜線へ伝達可能としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明は以下の効果を奏する。
請求項1に係る発明では、車体後部構造は、車体前後方向に左右のサイドシルを延ばし、このサイドシルの後部からそれぞれ左右のリヤフレームを延出し、サイドシルの後部からそれぞれ左右のピラーを立ち上げ、リヤフレームの中間にリヤダンパを支持する左右のダンパベースを設けたものである。
ダンパベースとピラーとを連結する左右の前後メンバを設け、これらの前後メンバの稜線に、押出し材にて成形されたそれぞれ左右のガセットを配置し、これらのガセットに車幅方向に延ばしたクロスメンバを連結する。ガセットは、閉断面に形成され、押出し方向を車体前後方向に沿わせた。
例えば、車体が捩れた際には、車体後方に設けられるトランクスペースの開口部が変形する。
ダンパベースとピラーとを連結する左右の前後メンバを設け、これらの前後メンバの稜線に、押出し材にて成形されたそれぞれ左右のガセットを配置し、これらのガセットに車幅方向に延ばしたクロスメンバを連結し、ガセットが、押出し方向を車体前後方向に沿わせた閉断面に形成されたので、荷重伝達効率を向上することができる。この結果、トランクスペースの開口部の変形を抑えることができる。
さらに、左右のガセットは、押出し材にて成形されるので、一体的に形成することができる。例えば、ガセットをプレス部品で形成する場合に比べて部品点数の低減を図ることができる。
【0011】
請求項2に係る発明では、ガセットに、前後メンバの稜線に接続される第1の接続面と、クロスメンバの端部に接続される第2の接続面と、この第2の接続面から第1の接続面に指向させた荷重伝達リブとが形成されたので、クロスメンバ及び前後メンバの上下位置が異なるときに、荷重伝達リブがクロスメンバの端部の断面荷重を前後メンバの稜線へ伝達可能とすることができる。これにより、クロスメンバと前後メンバと上下位置を自由に異ならせることができる。この結果、車体後部構造の設計の自由度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る車体後部構造を採用する車両後部の左側面図である。
【図2】本発明に係る車体後部構造の左側面図である。
【図3】図2に示された車体後部構造の左側面を車室側から見た斜視図である。
【図4】図2に示された車体後部構造の左側面をパーセルボードを外した状態で見た斜視図である。
【図5】図2に示された車体後部構造を車室内から後方を見た斜視図である。
【図6】図3の6−6線断面図である。
【図7】図3の7−7線断面図である。
【図8】図2に示された車体後部構造のガセットの斜視図である。
【図9】図2に示された車体後部構造のガセットの正面図である。
【図10】図2に示された車体後部構造のガセットの作用説明図である。
【図11】図2に示された車体後部構造の作用説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
【実施例】
【0014】
図1に示されたように、車両10は、スポーツタイプの車両である。
図2〜図5に示されたように、車体後部構造20は、車体前後方向に延ばした左右のサイドシル13,13と、これらのサイドシル13,13の後部13a,13a(一方不図示)から車体後方へ延出した左右のリヤフレーム15,15と、左右のリヤフレーム15,15に渡したリヤフロアパネル17と、このリヤフロアパネル17の前方にて左右のリヤフレーム15,15に渡したリヤフロアクロスメンバ21と、左右のサイドシル13,13からそれぞれ上方に延ばした左右のセンタピラー18,18と、これらのセンタピラー18,18の先端18a,18aから前方に延ばしたルーフレール22,22(一方不図示)と、左右のセンタピラー18,18の後方に設けられる左右のリヤピラー23,23と、左右のリヤフレーム15,15に設けられるリヤダンパハウジング25,25(一方不図示)と、左右のリヤフレーム15,15の後端を繋ぐリヤフロアエンドクロスメンバ26と、センタピラー18,18の中間上部とリヤダンパハウジング25,25とを結ぶクォータロアメンバ27,27(一方不図示)と、リヤダンパハウジング25,25とリヤフロアエンドクロスメンバ26の両端とを結ぶリヤホイールハウスアッパメンバ28,28(一方不図示)と、クォータロアメンバ(前後メンバ)27,27とリヤホイールハウスアッパメンバ28,28とに接合するリヤメンバ用ガセット29,29(一方不図示)と、トランクリッド31の開閉のためのヒンジ(不図示)を取付けるトランクヒンジ用スチフナ32,32(一方不図示)と、左右のリヤピラー23,23に左右のパーセルメンバガセット(ガセット)35,35を介して接続するリヤパーセルメンバ(クロスメンバ)36と、このリヤパーセルメンバ36で前端37aが支持されるリヤパーセル(仕切部材)37と、リヤパーセルメンバ36からリヤフロアパネル17に延ばしたリヤバルクヘッド(隔壁)41と、リヤダンパハウジング25,25の下方に設けられるリヤホイールハウス42,42とから構成される。
【0015】
サイドシル13,13は、アルミニウム等の軽金属の押出材で形成される。リヤフレーム15,15は、アルミニウム等の軽金属の鋳物で形成される。
リヤフロアパネル17は、図7に示されたように、リヤバルクヘッド41の前方に設けられる前部フロア51と、リヤバルクヘッド41の後方に設けられる後部フロア52とからなる。さらに、リヤフロアパネル17は、左右のリヤフレーム15,15に渡したリヤフロアクロスメンバ21で支持されている。
【0016】
センタピラー18は、車室12側に構成されるインナパネル55と、車室外方に構成されるアウタパネル56とから構成される。
センタピラー18の上部(先端)18aは、ルーフレール22及びリヤピラー23の上部前端23aが接続される。センタピラー18の中間上部18bは、リヤピラー23の中間前端23b及びクォータロアメンバ(前後メンバ)27の前端27aが接続される。センタピラー18の下部18cは、サイドシル13の後部13aに接続される。
【0017】
リヤピラー23は、車室12側に構成されるリヤピラーインナ61と、車室外方に構成されるリヤピラーアウタ62(図6参照)と、これらのリヤピラーインナ61とリヤピラーアウタ62の間に設けられるリヤピラーメンバ63とから構成される。
【0018】
リヤピラーメンバ63は、アルミニウム等の軽金属の鋳物で形成される。リヤピラーメンバ63の前端63aは、ルーフレール22と連続的に設けられる。リヤピラーメンバ63の後端63bは、リヤピラーインナ61を介してクォータロアメンバ27、リヤホイールハウスアッパメンバ28及びリヤメンバ用ガセット29に接続される。
【0019】
センタピラー18及びリヤピラー23で、クォータウインドウ(図1参照)用の開口64が形成される。
リヤダンパハウジング25は、アルミニウム等の軽金属の鋳物で形成される。リヤフロアエンドクロスメンバ26は、アルミニウム等の軽金属の押出材で形成される。トランクヒンジ用スチフナ32は、アルミニウム等の軽金属の押出材で形成される。リヤパーセルメンバ36は、アルミニウム等の軽金属の押出材で形成される。
【0020】
図8〜図10に示されたように、リヤパーセルガセット(ガセット)35は、アルミニウム等の軽金属の押出材で形成される。リヤパーセルガセット35は、閉断面に形成され、押出し方向を車体前後方向に沿わせて用いられる。
【0021】
さらに、リヤパーセルガセット35は、クォータロアメンバ(前後メンバ)27の上面(稜線)27bに接合されるロアメンバ接合部(第1の接続面)71と、リヤピラー23のリヤピラーインナ61に接合されるピラー接合部(第2の接続面)72と、リヤパーセルメンバ36の端部36aが接合されるパーセル接合部73と、パーセル接合部73から外方に延長したパーセル延長部74と、パーセル接合部73の上端とピラー接合部72の上端とを繋ぐ上部接続部75と、ロアメンバ接合部71の下端とパーセル接合部73の下端とを繋ぐ下部接続部83と、下部接続部83の上端及びパーセル接合部73の下端から車室12側に突出させた内突出部77と、下部接続部83の下端及びロアメンバ接合部71の下端から下方に突出させた下突出部78と、パーセル接合部73及び上部接続部75の内コーナ87、及びピラー接合部72及びロアメンバ接合部71の内コーナ88を接続する第1の荷重伝達リブ81と、パーセル接合部73及び下部接続部83の内コーナ89、及びピラー接合部72及びロアメンバ接合部71の内コーナ88とを接続する第2の荷重伝達リブ82とからなる。
なお、下部接続部83は、第3の荷重伝達リブに相当する。
【0022】
図9及び図10に示されたように、第1の荷重伝達リブ81、第2の荷重伝達リブ82及び下部接続部(第3の荷重伝達リブ)83の肉厚は、ロアメンバ接合部(第1の接続面)71、ピラー接合部(第2の接続面)72、パーセル接合部73及び上部接続部75よりも厚く形成されている。
【0023】
すなわち、リヤパーセルガセット35の板厚を最適化することで、リヤパーセルガセット35の軽量化を図ることができるとともに、リヤパーセルメンバ36とクォータロアメンバ27との入力(荷重)の伝達効率の向上を図ることができる。
【0024】
これにより、矢印a1,a2の如く、リヤパーセルメンバ36の上面38からクォータロアメンバ(前後メンバ)27の上面(稜線)27bに向かう入力(荷重)の伝達効率が向上するとともに、矢印a3〜a5の如く、リヤパーセルメンバ36の下面39からクォータロアメンバ(前後メンバ)27の上面(稜線)27bに向かう入力(荷重)の伝達効率が向上することができる。なお、荷重は、矢印a1〜a5の逆方向に伝達することもある。
【0025】
パーセル延長部74及び下突出部78は、クォータロアメンバ(前後メンバ)27の上面(稜線)27bに、リヤパーセルガセット35を取付ける(溶接する)ときのガイドである。
【0026】
内突出部77は、リヤパーセルガセット35にリヤパーセルメンバ36の端部36aを取付ける(溶接する)ときのガイドである。すなわち、リヤパーセルガセット35には、溶接するときのガイド機能を有するので、溶接時の作業性の向上を図ることができる。
【0027】
すなわち、リヤパーセルメンバ36とクォータロアメンバ27とを押出し材のリヤパーセルガセット35で結合するとともに、リヤパーセルガセット35のリブ形状(第1の荷重伝達リブ81及び第2の荷重伝達リブ82)をリヤパーセルメンバ36の上面38及び下面39からクォータロアメンバ(前後メンバ)27の上面(稜線)27bに指向させることで、リヤパーセルメンバ36とクォータロアメンバ27との入力(荷重)の伝達効率を向上することができる。
【0028】
さらに、リヤパーセルメンバ36を押出し材で形成することで、プレス部品で構成する場合に比べ、部品点数削減を図ることができる。また、リヤパーセルメンバ36とクォータロアメンバ27との間の結合に、MIG溶接で全面溶接が可能となる。すなわち、溶接作業の作業性の向上を図ることができる。
【0029】
図11(a)に、車体後方に設けられるトランクスペース(トランクルーム)85の開口部86が示される。図11(b)に示されたように、例えば、車体11が捩れた際には、リヤフロアクロスメンバ21と逆位相の入力が開口部の上辺に矢印b1の如く作用し、車体後方に設けられるトランクスペース85の開口部86は変形する。
【0030】
車体後部構造20では、車体前後方向に左右のサイドシル13,13を延ばし、このサイドシル13,13の後部13a,13aからそれぞれ左右のリヤフレーム15,15を延出し、サイドシル13,13の後部13a,13aからそれぞれ左右のピラー(センタピラー)18,18を立ち上げ、リヤフレーム15,15の中間にリヤダンパ(不図示)を支持する左右のダンパベース(リヤダンパハウジング)25,25を設けたものである。
【0031】
ダンパベース(リヤダンパハウジング)25,25とピラー18,18とを連結する左右の前後メンバ(クォータロアメンバ)27,27を設け、これらの前後メンバ27,27の稜線27b,27bに、押出し材にて成形されたそれぞれ左右のガセット(パーセルメンバガセット)35,35を配置し、これらのガセット35,35に車幅方向に延ばしたクロスメンバ(リヤパーセルメンバ)36を連結する。ガセット35,35は、閉断面に形成され、押出し方向を車体前後方向に沿わせた。
【0032】
例えば、車体11が捩れた際には、車体後方に設けられるトランクスペース85の開口部86が変形する。
【0033】
ダンパベース(リヤダンパハウジング)25,25とピラー(センタピラー)18,18とを連結する左右の前後メンバ(クォータロアメンバ)27,27を設け、これらの前後メンバ27,27の稜線27b,27bに、押出し材にて成形されたそれぞれ左右のガセット(パーセルメンバガセット)35,35を配置し、これらのガセット35,35に車幅方向に延ばしたクロスメンバ(リヤパーセルメンバ)36を連結し、ガセット35,35が、押出し方向を車体前後方向に沿わせた閉断面に形成されたので、荷重伝達効率を向上することができる。この結果、トランクスペース85の開口部86の変形を抑えることができる。
【0034】
さらに、ガセット35,35は、押出し材にて成形されるので、一体的に形成することができる。例えば、ガセットをプレス部品で形成する場合に比べて部品点数の低減を図ることができる。
【0035】
ガセット35は、前後メンバ27の稜線27bに接続される第1の接続面71と、クロスメンバ36の端部36aに接続される第2の接続面72と、この第2の接続面72から第1の接続面71に指向させた荷重伝達リブ(第1〜第3の荷重伝達リブ)81〜83とが形成された。
【0036】
これにより、クロスメンバ36及び前後メンバ27の上下位置が異なるときに、荷重伝達リブ81〜83がクロスメンバ36の端部36aの断面荷重を前後メンバ27の稜線27bへ伝達可能とすることができる。これにより、クロスメンバ36及び前後メンバ27と上下位置を自由に異ならせることができる。この結果、車体後部構造20の設計の自由度の向上を図ることができる。
【0037】
尚、本発明に係る車体後部構造は、図5に示すように、クロスメンバはリヤパーセルメンバ36であり、ガセットはリヤパーセルガセット35であったが、これに限るものではなく、リヤパーセルメンバ36の他のクロスメンバに用いることを妨げるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明に係る車体後部構造は、セダンやワゴンなどの乗用車に採用するのに好適である。
【符号の説明】
【0039】
10…車両、20…車体後部構造、13…サイドシル、13a…後部、15…リヤフレーム、18…ピラー(センタピラー)、25…ダンパベース(リヤダンパハウジング)、27…前後メンバ(クォータロアメンバ)、27b…稜線(上面)、35…ガセット(パーセルメンバガセット)、36…クロスメンバ(リヤパーセルメンバ)、71…ロアメンバ接合部(第1の接続面)、72…ピラー接合部(第2の接続面)、81〜83…荷重伝達リブ(第1〜第3の荷重伝達リブ)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体後方のトランクスペース部分にリヤパーセルを設ける車体後部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車体後部構造として、車体後方のトランクスペースの捩れや変形を抑制するものが知られている。
この種の車体後部構造は、荷重伝達効率を向上させ車体変形を抑えるように、適宜設計されるものであった。
このような、車体後部構造として、リヤサスペンションからフロアパネルに入力される荷重を効率的に分散させるものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1の車体後部構造は、フロアパネルの側縁にホイールエプロンが接合され、ホイールエプロンの外側にホイールアーチインナが接合されるとともに、ホイールエプロンに下端が接合されたリヤクォータインナパネル、及びホイールアーチインナに下端が接合されたリヤクォータアウタパネルによって閉断面形状のリヤピラーが形成されたものであり、フロアパネルに入力されるリヤサスペンション入力荷重を、フロアパネルからリンフォースリヤピラーを介して直接的にリヤピラーに伝達されるようにして、リヤピラーからサイドレールやルーフ等の車体上方部、及びリヤピラーを形成するリヤクォータインナパネルやリヤクォータアウタパネル等の広範囲に効率的に分散できるようにしたものである。
【0004】
しかし、特許文献1の車体後部構造では、リンフォースリヤピラーの内部は空洞のために、クロスメンバとリヤピラーとの間で荷重伝達ができないという課題があった。
また、特許文献1の車体後部構造では、リンフォースリヤピラーは、プレス部品で断面を形成しているため部品点数が多い。
【0005】
特許文献1の車体後部構造では、リンフォースリヤピラーには、溶接ガン等が入らない箇所もあって、溶接ガンを挿入するための作業孔の設定やボルト締結の必要となることもある。
さらに、クロスメンバとリヤピラーとの間で荷重伝達するときに、クロスメンバの上下位置を自由に設定したいものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−362420公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、クロスメンバとリヤピラーとの間の荷重伝達効率の向上を図ることができるとともに、部品点数の低減を図ることができる車体後部構造を提供することを課題とする。
また、クロスメンバの上下位置を自由に設定でき、車体後部構造の設計の自由度の向上を図ることができる車体後部構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、車体前後方向に左右のサイドシルを延ばし、このサイドシルの後部からそれぞれ左右のリヤフレームを延出し、サイドシルの後部からそれぞれ左右のピラーを立ち上げ、リヤフレームの中間にリヤダンパを支持する左右のダンパベースを設けた車体後部構造において、ダンパベースとピラーとを連結する左右の前後メンバを設け、これらの前後メンバの稜線に、押出し材にて成形されたそれぞれ左右のガセットを配置し、これらのガセットに車幅方向に延ばしたクロスメンバを連結し、ガセットは、閉断面に形成され、押出し方向を車体前後方向に沿わせたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明は、ガセットは、前後メンバの稜線に接続される第1の接続面と、クロスメンバの端部に接続される第2の接続面と、この第2の接続面から第1の接続面に指向させた荷重伝達リブとが形成され、クロスメンバ及び前後メンバの上下位置が異なるときに、荷重伝達リブがクロスメンバの端部の断面荷重を前後メンバの稜線へ伝達可能としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明は以下の効果を奏する。
請求項1に係る発明では、車体後部構造は、車体前後方向に左右のサイドシルを延ばし、このサイドシルの後部からそれぞれ左右のリヤフレームを延出し、サイドシルの後部からそれぞれ左右のピラーを立ち上げ、リヤフレームの中間にリヤダンパを支持する左右のダンパベースを設けたものである。
ダンパベースとピラーとを連結する左右の前後メンバを設け、これらの前後メンバの稜線に、押出し材にて成形されたそれぞれ左右のガセットを配置し、これらのガセットに車幅方向に延ばしたクロスメンバを連結する。ガセットは、閉断面に形成され、押出し方向を車体前後方向に沿わせた。
例えば、車体が捩れた際には、車体後方に設けられるトランクスペースの開口部が変形する。
ダンパベースとピラーとを連結する左右の前後メンバを設け、これらの前後メンバの稜線に、押出し材にて成形されたそれぞれ左右のガセットを配置し、これらのガセットに車幅方向に延ばしたクロスメンバを連結し、ガセットが、押出し方向を車体前後方向に沿わせた閉断面に形成されたので、荷重伝達効率を向上することができる。この結果、トランクスペースの開口部の変形を抑えることができる。
さらに、左右のガセットは、押出し材にて成形されるので、一体的に形成することができる。例えば、ガセットをプレス部品で形成する場合に比べて部品点数の低減を図ることができる。
【0011】
請求項2に係る発明では、ガセットに、前後メンバの稜線に接続される第1の接続面と、クロスメンバの端部に接続される第2の接続面と、この第2の接続面から第1の接続面に指向させた荷重伝達リブとが形成されたので、クロスメンバ及び前後メンバの上下位置が異なるときに、荷重伝達リブがクロスメンバの端部の断面荷重を前後メンバの稜線へ伝達可能とすることができる。これにより、クロスメンバと前後メンバと上下位置を自由に異ならせることができる。この結果、車体後部構造の設計の自由度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る車体後部構造を採用する車両後部の左側面図である。
【図2】本発明に係る車体後部構造の左側面図である。
【図3】図2に示された車体後部構造の左側面を車室側から見た斜視図である。
【図4】図2に示された車体後部構造の左側面をパーセルボードを外した状態で見た斜視図である。
【図5】図2に示された車体後部構造を車室内から後方を見た斜視図である。
【図6】図3の6−6線断面図である。
【図7】図3の7−7線断面図である。
【図8】図2に示された車体後部構造のガセットの斜視図である。
【図9】図2に示された車体後部構造のガセットの正面図である。
【図10】図2に示された車体後部構造のガセットの作用説明図である。
【図11】図2に示された車体後部構造の作用説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
【実施例】
【0014】
図1に示されたように、車両10は、スポーツタイプの車両である。
図2〜図5に示されたように、車体後部構造20は、車体前後方向に延ばした左右のサイドシル13,13と、これらのサイドシル13,13の後部13a,13a(一方不図示)から車体後方へ延出した左右のリヤフレーム15,15と、左右のリヤフレーム15,15に渡したリヤフロアパネル17と、このリヤフロアパネル17の前方にて左右のリヤフレーム15,15に渡したリヤフロアクロスメンバ21と、左右のサイドシル13,13からそれぞれ上方に延ばした左右のセンタピラー18,18と、これらのセンタピラー18,18の先端18a,18aから前方に延ばしたルーフレール22,22(一方不図示)と、左右のセンタピラー18,18の後方に設けられる左右のリヤピラー23,23と、左右のリヤフレーム15,15に設けられるリヤダンパハウジング25,25(一方不図示)と、左右のリヤフレーム15,15の後端を繋ぐリヤフロアエンドクロスメンバ26と、センタピラー18,18の中間上部とリヤダンパハウジング25,25とを結ぶクォータロアメンバ27,27(一方不図示)と、リヤダンパハウジング25,25とリヤフロアエンドクロスメンバ26の両端とを結ぶリヤホイールハウスアッパメンバ28,28(一方不図示)と、クォータロアメンバ(前後メンバ)27,27とリヤホイールハウスアッパメンバ28,28とに接合するリヤメンバ用ガセット29,29(一方不図示)と、トランクリッド31の開閉のためのヒンジ(不図示)を取付けるトランクヒンジ用スチフナ32,32(一方不図示)と、左右のリヤピラー23,23に左右のパーセルメンバガセット(ガセット)35,35を介して接続するリヤパーセルメンバ(クロスメンバ)36と、このリヤパーセルメンバ36で前端37aが支持されるリヤパーセル(仕切部材)37と、リヤパーセルメンバ36からリヤフロアパネル17に延ばしたリヤバルクヘッド(隔壁)41と、リヤダンパハウジング25,25の下方に設けられるリヤホイールハウス42,42とから構成される。
【0015】
サイドシル13,13は、アルミニウム等の軽金属の押出材で形成される。リヤフレーム15,15は、アルミニウム等の軽金属の鋳物で形成される。
リヤフロアパネル17は、図7に示されたように、リヤバルクヘッド41の前方に設けられる前部フロア51と、リヤバルクヘッド41の後方に設けられる後部フロア52とからなる。さらに、リヤフロアパネル17は、左右のリヤフレーム15,15に渡したリヤフロアクロスメンバ21で支持されている。
【0016】
センタピラー18は、車室12側に構成されるインナパネル55と、車室外方に構成されるアウタパネル56とから構成される。
センタピラー18の上部(先端)18aは、ルーフレール22及びリヤピラー23の上部前端23aが接続される。センタピラー18の中間上部18bは、リヤピラー23の中間前端23b及びクォータロアメンバ(前後メンバ)27の前端27aが接続される。センタピラー18の下部18cは、サイドシル13の後部13aに接続される。
【0017】
リヤピラー23は、車室12側に構成されるリヤピラーインナ61と、車室外方に構成されるリヤピラーアウタ62(図6参照)と、これらのリヤピラーインナ61とリヤピラーアウタ62の間に設けられるリヤピラーメンバ63とから構成される。
【0018】
リヤピラーメンバ63は、アルミニウム等の軽金属の鋳物で形成される。リヤピラーメンバ63の前端63aは、ルーフレール22と連続的に設けられる。リヤピラーメンバ63の後端63bは、リヤピラーインナ61を介してクォータロアメンバ27、リヤホイールハウスアッパメンバ28及びリヤメンバ用ガセット29に接続される。
【0019】
センタピラー18及びリヤピラー23で、クォータウインドウ(図1参照)用の開口64が形成される。
リヤダンパハウジング25は、アルミニウム等の軽金属の鋳物で形成される。リヤフロアエンドクロスメンバ26は、アルミニウム等の軽金属の押出材で形成される。トランクヒンジ用スチフナ32は、アルミニウム等の軽金属の押出材で形成される。リヤパーセルメンバ36は、アルミニウム等の軽金属の押出材で形成される。
【0020】
図8〜図10に示されたように、リヤパーセルガセット(ガセット)35は、アルミニウム等の軽金属の押出材で形成される。リヤパーセルガセット35は、閉断面に形成され、押出し方向を車体前後方向に沿わせて用いられる。
【0021】
さらに、リヤパーセルガセット35は、クォータロアメンバ(前後メンバ)27の上面(稜線)27bに接合されるロアメンバ接合部(第1の接続面)71と、リヤピラー23のリヤピラーインナ61に接合されるピラー接合部(第2の接続面)72と、リヤパーセルメンバ36の端部36aが接合されるパーセル接合部73と、パーセル接合部73から外方に延長したパーセル延長部74と、パーセル接合部73の上端とピラー接合部72の上端とを繋ぐ上部接続部75と、ロアメンバ接合部71の下端とパーセル接合部73の下端とを繋ぐ下部接続部83と、下部接続部83の上端及びパーセル接合部73の下端から車室12側に突出させた内突出部77と、下部接続部83の下端及びロアメンバ接合部71の下端から下方に突出させた下突出部78と、パーセル接合部73及び上部接続部75の内コーナ87、及びピラー接合部72及びロアメンバ接合部71の内コーナ88を接続する第1の荷重伝達リブ81と、パーセル接合部73及び下部接続部83の内コーナ89、及びピラー接合部72及びロアメンバ接合部71の内コーナ88とを接続する第2の荷重伝達リブ82とからなる。
なお、下部接続部83は、第3の荷重伝達リブに相当する。
【0022】
図9及び図10に示されたように、第1の荷重伝達リブ81、第2の荷重伝達リブ82及び下部接続部(第3の荷重伝達リブ)83の肉厚は、ロアメンバ接合部(第1の接続面)71、ピラー接合部(第2の接続面)72、パーセル接合部73及び上部接続部75よりも厚く形成されている。
【0023】
すなわち、リヤパーセルガセット35の板厚を最適化することで、リヤパーセルガセット35の軽量化を図ることができるとともに、リヤパーセルメンバ36とクォータロアメンバ27との入力(荷重)の伝達効率の向上を図ることができる。
【0024】
これにより、矢印a1,a2の如く、リヤパーセルメンバ36の上面38からクォータロアメンバ(前後メンバ)27の上面(稜線)27bに向かう入力(荷重)の伝達効率が向上するとともに、矢印a3〜a5の如く、リヤパーセルメンバ36の下面39からクォータロアメンバ(前後メンバ)27の上面(稜線)27bに向かう入力(荷重)の伝達効率が向上することができる。なお、荷重は、矢印a1〜a5の逆方向に伝達することもある。
【0025】
パーセル延長部74及び下突出部78は、クォータロアメンバ(前後メンバ)27の上面(稜線)27bに、リヤパーセルガセット35を取付ける(溶接する)ときのガイドである。
【0026】
内突出部77は、リヤパーセルガセット35にリヤパーセルメンバ36の端部36aを取付ける(溶接する)ときのガイドである。すなわち、リヤパーセルガセット35には、溶接するときのガイド機能を有するので、溶接時の作業性の向上を図ることができる。
【0027】
すなわち、リヤパーセルメンバ36とクォータロアメンバ27とを押出し材のリヤパーセルガセット35で結合するとともに、リヤパーセルガセット35のリブ形状(第1の荷重伝達リブ81及び第2の荷重伝達リブ82)をリヤパーセルメンバ36の上面38及び下面39からクォータロアメンバ(前後メンバ)27の上面(稜線)27bに指向させることで、リヤパーセルメンバ36とクォータロアメンバ27との入力(荷重)の伝達効率を向上することができる。
【0028】
さらに、リヤパーセルメンバ36を押出し材で形成することで、プレス部品で構成する場合に比べ、部品点数削減を図ることができる。また、リヤパーセルメンバ36とクォータロアメンバ27との間の結合に、MIG溶接で全面溶接が可能となる。すなわち、溶接作業の作業性の向上を図ることができる。
【0029】
図11(a)に、車体後方に設けられるトランクスペース(トランクルーム)85の開口部86が示される。図11(b)に示されたように、例えば、車体11が捩れた際には、リヤフロアクロスメンバ21と逆位相の入力が開口部の上辺に矢印b1の如く作用し、車体後方に設けられるトランクスペース85の開口部86は変形する。
【0030】
車体後部構造20では、車体前後方向に左右のサイドシル13,13を延ばし、このサイドシル13,13の後部13a,13aからそれぞれ左右のリヤフレーム15,15を延出し、サイドシル13,13の後部13a,13aからそれぞれ左右のピラー(センタピラー)18,18を立ち上げ、リヤフレーム15,15の中間にリヤダンパ(不図示)を支持する左右のダンパベース(リヤダンパハウジング)25,25を設けたものである。
【0031】
ダンパベース(リヤダンパハウジング)25,25とピラー18,18とを連結する左右の前後メンバ(クォータロアメンバ)27,27を設け、これらの前後メンバ27,27の稜線27b,27bに、押出し材にて成形されたそれぞれ左右のガセット(パーセルメンバガセット)35,35を配置し、これらのガセット35,35に車幅方向に延ばしたクロスメンバ(リヤパーセルメンバ)36を連結する。ガセット35,35は、閉断面に形成され、押出し方向を車体前後方向に沿わせた。
【0032】
例えば、車体11が捩れた際には、車体後方に設けられるトランクスペース85の開口部86が変形する。
【0033】
ダンパベース(リヤダンパハウジング)25,25とピラー(センタピラー)18,18とを連結する左右の前後メンバ(クォータロアメンバ)27,27を設け、これらの前後メンバ27,27の稜線27b,27bに、押出し材にて成形されたそれぞれ左右のガセット(パーセルメンバガセット)35,35を配置し、これらのガセット35,35に車幅方向に延ばしたクロスメンバ(リヤパーセルメンバ)36を連結し、ガセット35,35が、押出し方向を車体前後方向に沿わせた閉断面に形成されたので、荷重伝達効率を向上することができる。この結果、トランクスペース85の開口部86の変形を抑えることができる。
【0034】
さらに、ガセット35,35は、押出し材にて成形されるので、一体的に形成することができる。例えば、ガセットをプレス部品で形成する場合に比べて部品点数の低減を図ることができる。
【0035】
ガセット35は、前後メンバ27の稜線27bに接続される第1の接続面71と、クロスメンバ36の端部36aに接続される第2の接続面72と、この第2の接続面72から第1の接続面71に指向させた荷重伝達リブ(第1〜第3の荷重伝達リブ)81〜83とが形成された。
【0036】
これにより、クロスメンバ36及び前後メンバ27の上下位置が異なるときに、荷重伝達リブ81〜83がクロスメンバ36の端部36aの断面荷重を前後メンバ27の稜線27bへ伝達可能とすることができる。これにより、クロスメンバ36及び前後メンバ27と上下位置を自由に異ならせることができる。この結果、車体後部構造20の設計の自由度の向上を図ることができる。
【0037】
尚、本発明に係る車体後部構造は、図5に示すように、クロスメンバはリヤパーセルメンバ36であり、ガセットはリヤパーセルガセット35であったが、これに限るものではなく、リヤパーセルメンバ36の他のクロスメンバに用いることを妨げるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明に係る車体後部構造は、セダンやワゴンなどの乗用車に採用するのに好適である。
【符号の説明】
【0039】
10…車両、20…車体後部構造、13…サイドシル、13a…後部、15…リヤフレーム、18…ピラー(センタピラー)、25…ダンパベース(リヤダンパハウジング)、27…前後メンバ(クォータロアメンバ)、27b…稜線(上面)、35…ガセット(パーセルメンバガセット)、36…クロスメンバ(リヤパーセルメンバ)、71…ロアメンバ接合部(第1の接続面)、72…ピラー接合部(第2の接続面)、81〜83…荷重伝達リブ(第1〜第3の荷重伝達リブ)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体前後方向に左右のサイドシルを延ばし、このサイドシルの後部からそれぞれ左右のリヤフレームを延出し、サイドシルの後部からそれぞれ左右のピラーを立ち上げ、リヤフレームの中間にリヤダンパを支持する左右のダンパベースを設けた車体後部構造において、
前記ダンパベースと前記ピラーとを連結する左右の前後メンバを設け、これらの前後メンバの稜線に、押出し材にて成形されたそれぞれ左右のガセットを配置し、これらのガセットに車幅方向に延ばしたクロスメンバを連結し、
前記ガセットは、閉断面に形成され、押出し方向を車体前後方向に沿わせたことを特徴とする車体後部構造。
【請求項2】
前記ガセットは、前記前後メンバの稜線に接続される第1の接続面と、前記クロスメンバの端部に接続される第2の接続面と、この第2の接続面から前記第1の接続面に指向させた荷重伝達リブとが形成され、前記クロスメンバ及び前記前後メンバの上下位置が異なるときに、前記荷重伝達リブが前記クロスメンバの端部の断面荷重を前後メンバの稜線へ伝達可能としたことを特徴とする請求項1記載の車体後部構造。
【請求項1】
車体前後方向に左右のサイドシルを延ばし、このサイドシルの後部からそれぞれ左右のリヤフレームを延出し、サイドシルの後部からそれぞれ左右のピラーを立ち上げ、リヤフレームの中間にリヤダンパを支持する左右のダンパベースを設けた車体後部構造において、
前記ダンパベースと前記ピラーとを連結する左右の前後メンバを設け、これらの前後メンバの稜線に、押出し材にて成形されたそれぞれ左右のガセットを配置し、これらのガセットに車幅方向に延ばしたクロスメンバを連結し、
前記ガセットは、閉断面に形成され、押出し方向を車体前後方向に沿わせたことを特徴とする車体後部構造。
【請求項2】
前記ガセットは、前記前後メンバの稜線に接続される第1の接続面と、前記クロスメンバの端部に接続される第2の接続面と、この第2の接続面から前記第1の接続面に指向させた荷重伝達リブとが形成され、前記クロスメンバ及び前記前後メンバの上下位置が異なるときに、前記荷重伝達リブが前記クロスメンバの端部の断面荷重を前後メンバの稜線へ伝達可能としたことを特徴とする請求項1記載の車体後部構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−234955(P2010−234955A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−84936(P2009−84936)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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