説明

車体構造

【課題】衝撃エネルギー吸収時での反力の増大を防止することができる車体構造を提供する。
【解決手段】中央固定ブラケット24に設けられたサスペンションメンバ25を、左支持メンバ31と右支持メンバ32とで構成し、基端側から先端へ向かうに従って両支持メンバ31,32の離間距離33が広がるように設定する。両支持メンバ31,32の前端部を連結クロスメンバ41で連結し、両支持メンバ31,32に、フロントタイヤ13を支持するサスペンションリンク73を固定する。両支持メンバ31,32の先端に左右傾斜メンバ81,82を連設し、両傾斜メンバ81,82の前端を車両中心0Xにて連結する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両を構成する車体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両前部には、サスペンションメンバが設けられており、該サスペンションメンバには、サスペンションリンクが取り付けられている。
【0003】
このサスペンションリンクには、前輪が設けられており、当該車両を操舵できるように構成されている。
【0004】
また、この車両の前部には、エネルギー吸収メンバが設けられており、衝突時には、このエネルギー吸収メンバが潰れ変形することによって、衝撃エネルギーを吸収できるように構成されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような従来の車体構造においては車両の軽量を進めた場合、前記エネルギー吸収メンバの潰れ変形を促進させる為に、当該エネルギー吸収メンバの剛性を低く設定しなければならない。
【0006】
このようなエネルギー吸収メンバで衝撃エネルギーを吸収する為には、自ずと潰れ変形ストロークが大きくなる。すると、その変形領域が剛性の高いサスペンションリンクに設けられたタイヤ達する恐れがあり、この場合、このタイヤ位置において反力が増大することが予想される。
【0007】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、衝撃エネルギー吸収時での反力の増大を防止することができる車体構造を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために本発明の請求項1の車体構造にあっては、車両前方に延出するサスペンションメンバにサスペンションリンクが固定された車体構造において、前記サスペンションメンバを、左方のサスペンションリンクを支持する左支持メンバと、右方のサスペンションリンクを支持する右支持メンバと、両支持メンバを連結する連結クロスメンバとで構成し、前記各支持メンバの基端側から前記連結クロスメンバによる連結位置へ向かうに従って前記両支持メンバの離間距離が広がるように両支持メンバを傾斜して設けた。
【0009】
すなわち、車両前方に延出するサスペンションメンバは、左方のサスペンションリンクを支持する左支持メンバと、右方のサスペンションリンクを支持する右支持メンバと、両支持メンバを連結する連結クロスメンバとで構成されており、前記両支持メンバは、基端側から前記連結クロスメンバによる連結位置へ向かうに従って、その離間距離が広がるように設定されている。
【0010】
このため、車両前方から外力がサスペンションリンクに支持されたタイヤに入力された際には、左方のサスペンションリンクを支持する左支持メンバには、左方へ向けた回転力が作用する。また、右方のサスペンションリンクを支持する右支持メンバには、右方へ向けた回転力が作用する。
【0011】
また、請求項2の車体構造においては、前記連結クロスメンバ周面の車両後方側の部位に、前記各支持メンバに溶着された溶着部を設定する一方、前記連結クロスメンバ周面の車両前方側の部位に、前記各支持メンバに溶着されない非溶着部を設定した。
【0012】
すなわち、前記左支持メンバと前記右支持メンバとを連結する前記連結クロスメンバは、その周面の車両後方側の部位のみが溶着部によって前記各支持メンバに溶着されている。
【0013】
このため、前記各支持メンバに車両側方へ向けた回転力が生じた際には、前記連結クロスメンバと前記各支持メンバとを溶着した溶着部に剥離方向の力が加えられる。
【0014】
さらに、請求項3の車体構造では、前記左支持メンバの前端部と前記右支持メンバの前端部とを前端部連結メンバで連結するとともに、該前端部連結メンバを、両端部から中心部へ向かうに従って車両前方へ突出した前方突出形状に形成した。
【0015】
すなわち、前記左支持メンバと前記右支持メンバとは、前端部連結メンバで連結されており、車両前方から前記前端部連結メンバに入力された外力は、当該前端部連結メンバの各端部より前記各支持メンバに伝達される。
【0016】
このとき、前記前端部連結メンバは、その両端部から中心部へ向かうに従って車両前方へ突出した前方突出形状に形成されている。このため、前記左支持メンバには、左方へ向けた分力が生じ、左回転方向への変形が促進される。また、前記右支持メンバには、右方へ向けた分力が生じ、右回転方向への変形が促進される。
【0017】
加えて、本発明の請求項4の車体構造にあっては、車両前方に延出するサスペンションメンバにサスペンションリンクが固定された車体構造において、前記サスペンションメンバを、左方のサスペンションリンクを支持する左支持メンバと、右方のサスペンションリンクを支持する右支持メンバとで構成し、前記両支持メンバの前端部に、前端へ向かうに従って対向する支持メンバ側へ向けて延出する傾斜部を設定するとともに、前記両支持メンバの各傾斜部を車両中心部で連結した。
【0018】
すなわち、車両前方に延出するサスペンションメンバは、左方のサスペンションリンクを支持する左支持メンバと、右方のサスペンションリンクを支持する右支持メンバとで構成されており、前記両支持メンバの前端部には、前端へ向かうに従って対向する支持メンバ側へ向けて延出する傾斜部が設定され、両傾斜部は車両中心部で連結されている。
【0019】
このため、車両前方から前記両傾斜部の連結部分に入力された外力は、前記左支持メンバを左方へ向けて回転させる回転力として作用する。また、前記外力は、前記右支持メンバを右方へ向けて回転させる回転力として作用する。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように本発明の請求項1の車体構造にあっては、車両前方からタイヤに加えられた外力を、左支持メンバを左方へ向けて回転させる回転力として作用させることができる。これにより、前記左支持メンバを左方へ変形することができ、該左支持メンバのサスペンションリンクに支持されたタイヤの車両後方へ移動を許容することができる。
【0021】
また、前記外力を、右支持メンバを右方へ向けて回転させる回転力として作用させることができる。これにより、前記右支持メンバを右方へ変形することができ、該右支持メンバのサスペンションリンクに支持されたタイヤの車両後方へ移動を許容することができる。
【0022】
このように、エネルギー吸収メンバの潰れ変形によって衝撃エネルギーを吸収する際に、その変形領域が左右のタイヤに達した場合には、両タイヤを剛性の高いサスペンションリンクと共に車両後方へ移動することができる。
【0023】
このため、前記エネルギー吸収メンバによる変形領域がタイヤ位置に達した際に、その衝撃エネルギーを剛性の高いサスペンションリンクで受け止めてしまう従来と比較して、反力の増大を防止することができる。
【0024】
また、請求項2の車体構造においては、前記左支持メンバと前記右支持メンバとを連結する前記連結クロスメンバは、その周面の車両後方側の部位のみが溶着部にて前記各支持メンバに溶着されている。
【0025】
このため、前記各支持メンバに車両側方へ向けた回転力が加えられた際には、前記連結クロスメンバと前記各支持メンバとを溶着した溶着部に剥離方向の力を加えることができる。これにより、前記連結クロスメンバによる前記各支持メンバの拘束力を、初期段階で解放することができ、各支持メンバの側方への変形を促進することができる。
【0026】
さらに、請求項3の車体構造では、前方突出形状の前端部連結メンバに車両前方から外力が入力された際に、前記左支持メンバの左回転方向への変形を促進することができる。また、前記右支持メンバにあっては、右回転方向への変形を促進することができる。
【0027】
加えて、本発明の請求項4の車体構造にあっては、車両前方からサスペンションメンバに加えられた外力を、左支持メンバを左方へ向けて回転させる回転力として作用させることができる。これにより、前記左支持メンバを左方へ変形することができ、該左支持メンバに設けられた左方のサスペンションリンク及び該サスペンションリンクに支持された左タイヤを車両後方へ移動することができる。
【0028】
また、前記外力を、右支持メンバを右方へ向けて回転させる回転力として作用させることができる。これにより、前記右支持メンバを右方へ変形することができ、該右支持メンバに設けられた右方のサスペンションリンク及び該サスペンションリンクに支持された右タイヤを車両後方へ移動することができる。
【0029】
このように、エネルギー吸収メンバの潰れ変形によって衝撃エネルギーを吸収する際に、その変形領域が前記サスペンションメンバに達した場合には、剛性の高いサスペンションリンク及び該サスペンションリンクに支持されたタイヤを車両後方へ移動することができる。
【0030】
このため、前記エネルギー吸収メンバによる変形領域が移動前のタイヤ位置に達した際に、その衝撃エネルギーを剛性の高いサスペンションリンクで受け止めてしまう従来と比較して、反力の増大を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の一実施の形態を図に従って説明する。図1は、本実施の形態にかかる車体構造を備えた車両1を示す図であり、当該車両1では、軽量化が進められている。
【0032】
この車両1のフレーム11には、車両後部に配置された左右のリアタイヤ12と、車両前部に配置された左右のフロントタイヤ13とが設けられており、当該車両1は、各タイヤ12,13で支持されている。また、前記フレーム11には、前記フロントタイヤ13より車両前方FRへ延出するエネルギー吸収メンバ14が設けられており、車両衝突時には、当該エネルギー吸収メンバ14が潰れ変形することによって衝撃エネルギーを吸収できるように構成されている。
【0033】
前記フレーム11は、図2に示すように、両側部に延在するサイドメンバ21,21と、車両中心0Xに延設されたセンターメンバ22と、前記両サイドメンバ21,21と前記センタメンバ22とを連結する複数のクロスメンバとによって構成されており、当該フレーム11の前端には、フロントクロスメンバ23が設けられている。該フロントクロスメンバ23には、車両前方FRへ向けて突出する中央固定ブラケット24が前記センタメンバ22の延長上に設けられており、この中央固定ブラケット24を介してサスペンションメンバ25がフロントクロスメンバ23に固定されている。
【0034】
このサスペンションメンバ25は、離間して設けられた左支持メンバ31と右支持メンバ32とを備えており、両支持メンバ31,32は、それぞれの基端部が前記中央固定ブラケット24に固定されている。前記左支持メンバ31は、基端側から前端側へ向かうに従って左方へ延出するように傾斜して設けられており、前記右支持メンバ32は、基端側から前端側へ向かうに従って右方へ延出するように傾斜して設けられている。これにより、前記両支持メンバ31,32は、基端側から先端へ向かうに従って両支持メンバ31,32の離間距離33が広がるように構成されている。
【0035】
前記両支持メンバ31,32は、その前端部が連結クロスメンバ41によって連結されており、前記中央固定ブラケット24と前記両支持メンバ31,32と、前記連結クロスメンバ41とによって閉ループの枠形状が形成されている。
【0036】
前記両支持メンバ31,32及び前記連結クロスメンバ41は、矩形の閉断面形状に形成されており、図3(左支持メンバ31側のみ図示)にも示すように、前記連結クロスメンバ41は、車両後方RR側を形成する後面51と前記各支持メンバ31,32の内側面52との突き当て部分が溶接によって固定されている。また、前記連結クロスメンバ41は、前記各支持メンバ31,32の前記内側面52に突き当てられた上面53の突き当て部分と下面(図示省略)の突き当て部分とにおいて、車両後方RR側の部位のみが溶接によって固定されている。
【0037】
これにより、前記連結クロスメンバ41の周面には、車両後方RR側の部位に前記各支持メンバ31,32に溶着された溶着部61が設定される一方、前記連結クロスメンバ41周面の車両前方FR側の部位には、前記各支持メンバ31,32に溶着されない非溶着部62が設定されている。
【0038】
前記左支持メンバ31の左側面71には、図2に示したように、前端部と後端部の二箇所に左サスペンションリンク支持ブラケット72,72が設けられている。両左サスペンションリンク支持ブラケット72,72には、左のサスペンションリンク73が固定されており、このサスペンションリンク73には、左のフロントタイヤ13が支持されている。
【0039】
前記右支持メンバ32の右側面75には、前端部と後端部の二箇所に右サスペンションリンク支持ブラケット76,76が設けられている。両右サスペンションリンク支持ブラケット76,76には、右のサスペンションリンクが固定されており、このサスペンションリンクには、右のフロントタイヤ13が支持されている(図示省略)。
【0040】
これにより、当該車両1は、前記サスペンションリンク73に設けられた前記フロントタイヤ13で支持されるように構成されており、各サスペンションリンク73は、当該車両1の重量を支持できる強度に設計されている。
【0041】
前記左支持メンバ31の先端には、車両前方FRへ向かうに従って前記車両中心0Xへ向けて延出する傾斜部として左傾斜メンバ81が連設されており、前記右支持メンバ32の先端には、車両前方FRへ向かうに従って前記車両中心0Xへ向けて延出する傾斜部としての右傾斜メンバ82が連設されている。両傾斜メンバ81,82は、その前端が前記車両中心0Xにて連結されており、両傾斜メンバ81,82によって、両端部から中心部へ向かうに従って車両前方FRへ突出した前方突出形状の前端部連結メンバ83が構成されている。
【0042】
この前端部連結メンバ83は、その前端が前記フロントタイヤ13の前端位置とほぼ同じ位置に達するように、その長さ寸法が設定されており、前記フロントタイヤ13のホイールより車両前方FRへ延出するように構成されている。
【0043】
以上の構成にかかる本実施の形態において、車両前方FRに延出するサスペンションメンバ25は、左方のサスペンションリンク73を支持する左支持メンバ31と、右方のサスペンションリンク73を支持する右支持メンバ32と、両支持メンバ31,32を連結する連結クロスメンバ41とで構成されており、前記両支持メンバ31,32は、基端側から前記連結クロスメンバ41による連結位置へ向かうに従って、その離間距離33が広がるように設定されている。
【0044】
このため、車両衝突時において、フレーム11に設けられたエネルギー吸収メンバ14が潰れ変形して、図2に示したように、車両前方FRのバリア線101がフロントタイヤ13に達し、その時の車両前方FRから外力がサスペンションリンク73に支持されたフロントタイヤ13に入力された際には、左方のサスペンションリンク73を支持する左支持メンバ31には、その前端部が左方に変位する方向へ向けた回転力が作用する。同様に、右方のサスペンションリンクを支持する右支持メンバ32には、その前端部が右方に変位する方向へ向けた回転力が作用する。
【0045】
これにより、前記左支持メンバ31を左方へ向けて変形することができ、該左支持メンバ31のサスペンションリンク73に支持されたフロントタイヤ13の車両後方RRへ移動を許容することができる。また、前記右支持メンバ32を右方へ変形することができ、該右支持メンバのサスペンションリンクに支持されたフロントタイヤ13の車両後方RRへ移動を許容することができる。
【0046】
このように、前記エネルギー吸収メンバ14の潰れ変形によって衝撃エネルギーを吸収する際に、その変形領域が左右のフロントタイヤ13に達した場合には、両フロントタイヤ13を剛性の高いサスペンションリンク73と共に車両後方RRへ移動することができる。
【0047】
このため、前記エネルギー吸収メンバ14による変形領域がタイヤ位置に達した際に、その衝撃エネルギーを剛性の高いサスペンションリンク73で受け止めてしまう従来と比較して、反力の増大を防止することができる。
【0048】
そして、前記左支持メンバ31と前記右支持メンバ32とを連結する前記連結クロスメンバ41は、その周面の車両後方RR側の部位のみが溶着部61によって前記各支持メンバ31,32に溶着されている。
【0049】
このため、前記各支持メンバ31,32に車両側方へ向けた回転力が加えられた際には、前記連結クロスメンバ41と前記各支持メンバ31,32とを溶着した前記溶着部61に剥離方向の力を加えることができる。これにより、前記連結クロスメンバ41による前記各支持メンバ31,32の拘束力を、前記溶着部61が剥離破壊される初期段階で解放することができ、各支持メンバ31,32の側方への変形を促進することができる。
【0050】
そして、前記左支持メンバ31と前記右支持メンバ32とは、前端部連結メンバ83で連結されており、車両前方FRから前記前端部連結メンバ83に入力された外力は、当該前端部連結メンバ83の各基端部より前記各支持メンバ31,32に伝達される。
【0051】
このとき、前記前端部連結メンバ83は、その両端部から中心部へ向かうに従って車両前方FRへ突出した前方突出形状に形成されている。このため、前記左支持メンバ31に左方へ向けた分力を生じさせ、左回転方向への変形を促進することができる。また、前記右支持メンバ32に右方へ向けた分力を生じさせ、右回転方向への変形を促進することができる。
【0052】
これにより、前述したフロントタイヤ13の車両後方FRへの後退効果を高めることができる。
【0053】
なお、本実施の形態にあっては、左及び右支持メンバ31,32の前端に左及び右傾斜メンバ81,82を連設するとともに、両傾斜メンバ81,82を前端で連結した場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、前記支持メンバ31,32と前記傾斜メンバ81,82とを一体形成しても良い。
【0054】
すなわち、図4に示すように、連結クロスメンバ41で連結された前記両支持メンバ31,32より車両前方FR側の前端部に、前端へ向かうに従って対向する支持メンバ側へ向けて延出する傾斜部201,201を設定するとともに、前記両支持メンバ31,32の各傾斜部201,201を車両中心0Xで連結して前方突出形状を形成しても良い。
【0055】
この場合にも、前述と同様の効果を得ることができる。
【0056】
また、各実施の形態にあっては、左及び右支持メンバ31,32の離間距離33が車両前方FRへ向かうに従って大きくなるように設定した場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものでな無く、例えば、平行に並設された左及び右支持メンバ31,32の前端部に前述した前方突出形状を形成しても良い。
【0057】
このような構成であっても、前記両傾斜部201,201前端の連結部に加えられた外力によって、前記両支持メンバ31,32を側方へ向けて変形することができ、それぞれの支持メンバ31,32に支持されたフロントタイヤ13を車両後方FRへ移動することができる。
【0058】
これにより、前述と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の一実施の形態を示す側面図である。
【図2】同実施の形態の車両前部を示す平面図である。
【図3】同実施の形態の要部を示す拡大図である。
【図4】他の実施の形態を示す模式図である。
【符号の説明】
【0060】
1 車両
13 フロントタイヤ
25 サスペンションメンバ
31 左支持メンバ
32 右支持メンバ
33 離間距離
41 連結クロスメンバ
61 溶着部
62 非溶着部
73 サスペンションリンク
81 左傾斜メンバ
82 右傾斜メンバ
83 前端部連結メンバ
201 傾斜部
0X 車両中心
FR 車両前方
RR 車両後方

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両前方に延出するサスペンションメンバにサスペンションリンクが固定された車体構造において、
前記サスペンションメンバを、左方のサスペンションリンクを支持する左支持メンバと、右方のサスペンションリンクを支持する右支持メンバと、両支持メンバを連結する連結クロスメンバとで構成し、前記各支持メンバの基端側から前記連結クロスメンバによる連結位置へ向かうに従って前記両支持メンバの離間距離が広がるように両支持メンバを傾斜して設けたことを特徴とする車体構造。
【請求項2】
前記連結クロスメンバ周面の車両後方側の部位に、前記各支持メンバに溶着された溶着部を設定する一方、前記連結クロスメンバ周面の車両前方側の部位に、前記各支持メンバに溶着されない非溶着部を設定したことを特徴とする請求項1記載の車体構造。
【請求項3】
前記左支持メンバの前端部と前記右支持メンバの前端部とを前端部連結メンバで連結するとともに、該前端部連結メンバを、両端部から中心部へ向かうに従って車両前方へ突出した前方突出形状に形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の車体構造。
【請求項4】
車両前方に延出するサスペンションメンバにサスペンションリンクが固定された車体構造において、
前記サスペンションメンバを、左方のサスペンションリンクを支持する左支持メンバと、右方のサスペンションリンクを支持する右支持メンバとで構成し、前記両支持メンバの前端部に、前端へ向かうに従って対向する支持メンバ側へ向けて延出する傾斜部を設定するとともに、前記両支持メンバの各傾斜部を車両中心部で連結したことを特徴とする車体構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−230308(P2007−230308A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−52874(P2006−52874)
【出願日】平成18年2月28日(2006.2.28)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成17年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「基盤技術研究促進事業(民間基盤技術研究支援制度)/高齢運転者に適応した高度運転支援システム技術開発」委託研究、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受ける特許出願)
【出願人】(000128544)株式会社オーテックジャパン (183)
【Fターム(参考)】