説明

車載ナビゲーション装置、車載ナビゲーション装置の制御方法、及び、プログラム

【課題】目的地に至る経路の周辺に位置する施設の検索に際し、車両の走行状況に応じて適切に施設を検索可能とする。
【解決手段】目的地に至る経路を検索可能な車載ナビゲーション装置1において、目的地に至る経路から所定の検索範囲に位置する施設を検索するルートサイド施設検索機能と、記ルートサイド施設検索機能の実行時、目的地に至る経路に係る渋滞情報に基づいて、検索範囲の大きさを調整した上で施設の検索を実行する制御部10と、を備えるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目的地に至る経路を検索可能な車載ナビゲーション装置、この車載ナビゲーション装置の制御方法、及び、この車載ナビゲーション装置を制御するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自車両の周辺に位置する施設を検索するだけでなく、目的地に至る経路の周辺に位置する施設を検索する車載ナビゲーション装置が知られている。(例えば、特許文献1参照)。
この種の車載ナビゲーションでは、目的地に至る経路の周辺に位置する施設の検索に際し、経路からの最短距離が5km以内である施設を検索する等、予め、検索範囲が定められており、この検索範囲に属する施設の検索が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−195406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両が渋滞に巻き込まれている状況や、施設が接する道路に渋滞が発生している状況のときに、遠方にある施設を経由した場合、目的地への到着までに大幅なタイムロスが生じる可能性があるため、このような状況下ではできるだけ遠方の施設を経由したくない場合が多い。しかしながら、上述したナビゲーション装置では、目的地に至る経路の周辺に位置する施設の検索に際し、車両の走行状況にかかわらず、予め定められた検索範囲において施設の検索が行われるため、ユーザーは、検索結果から車両の走行状況に応じて、さらに、経由可能な施設をさらに絞る必要があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、車両の走行状況に応じて目的地に至る経路沿いの施設を適切に検索可能な車載ナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、目的地に至る経路を検索可能な車載ナビゲーション装置において、目的地に至る経路から所定の検索範囲に位置する施設を検索するルートサイド施設検索機能と、前記ルートサイド施設検索機能の実行時、目的地に至る経路に係る渋滞情報に基づいて、前記検索範囲の大きさを調整した上で施設の検索を実行する制御部と、を備えることを特徴とする。
【0006】
ここで、上記発明の車載ナビゲーション装置において、前記制御部は、前記ルートサイド施設検索機能の実行時、目的地に至る経路が含まれるエリアの渋滞情報に基づいて、前記検索範囲の大きさを調整した上で施設の検索を実行してもよい。
【0007】
また、上記発明の車載ナビゲーション装置において、前記制御部は、前記ルートサイド施設検索機能の実行時、目的地に至る経路が含まれるエリアに属する道路が渋滞していればしているほど前記検索範囲を狭くし、一方、渋滞していなければしていないほど前記検索範囲を広くした上で、施設の検索を実行してもよい。
【0008】
また、上記発明の車載ナビゲーション装置において、地図を表示可能な表示部をさらに備え、前記制御部は、ルートサイド検索機能の実行時、地図上で分割されたエリア毎に、目的地に至る経路に係る渋滞情報に基づいて前記検索範囲の大きさを調整した上で施設の検索を行うと共に、前記表示部に、エリア毎の渋滞の度合いが分かる態様で、地図上の各エリアを表示した上で、各エリアにおける施設の検索の結果を表示してもよい。
【0009】
また、上記発明の車載ナビゲーション装置において、目的地に至る経路に係る渋滞情報は、過去の道路の渋滞に関する情報に基づいて生成された情報であってもよい。
【0010】
また、上記目的を達成するために、本発明は、目的地に至る経路を検索可能な車載ナビゲーション装置を制御して、目的地に至る経路から所定の検索範囲に位置する施設を検索するルートサイド施設検索機能の実行時、目的地に至る経路に係る渋滞情報に基づいて、前記検索範囲の大きさを調整し、施設の検索を実行することを特徴とする。
【0011】
また、上記目的を達成するために、本発明は、目的地に至る経路を検索可能な車載ナビゲーション装置を制御するコンピューターにより読み取り可能なプログラムであって、前記コンピューターを、目的地に至る経路から所定の検索範囲に位置する施設を検索するルートサイド施設検索機能の実行時、目的地に至る経路に係る渋滞情報に基づいて、前記検索範囲の大きさを調整した上で施設の検索を実行する制御部として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、目的地に至る経路の周辺に位置する施設の検索に際し、車両の走行状況に応じて適切に施設を検索可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態に係る車載ナビゲーション装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】地図上でエリアを明示した図である。
【図3】渋滞情報データベースのデータ構造を示す図である。
【図4】車載ナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】表示部に表示された地図の一例を示す図である。
【図6】施設と推奨経路とを模式的に示す図である。
【図7】検索距離データベースのデータ構造を示す図である。
【図8】検索結果が表示された表示部の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る車載ナビゲーション装置1の機能的構成を示すブロック図である。
この図に示すように、車載ナビゲーション装置1は、制御部10と、絶対位置方位検出部11と、相対方位検出部12と、車速検出部13と、FM多重受信処理部14と、ビーコン受信処理部15と、表示部16と、入力部17と、ユーザーインターフェイス部18と、記録装置制御部19と、外部記録装置制御部20と、音声認識制御部21と、電話制御部22と、を備えている。
【0015】
制御部10は、車載ナビゲーション装置1全体を制御するものであり、CPU及びその周辺回路から構成される。ROM30は、BIOSやブートプログラム、その他の制御プログラム等を予め記憶し、車載ナビゲーション装置1の起動時にCPUによってアクセスされる。制御部10のCPUは、ROM30に記憶された制御プログラム等を読み出して、車載ナビゲーション装置1の各部を制御する。DRAM31は、CPUのワークエリアに使用されるメモリーである。SRAM32は、車両のアクセサリー電源等の車載ナビゲーション装置1のメイン電源がオフの間も、電池等でバックアップされてメモリー内容を保持するようにされている。VRAM33は、後述する表示部16の表示用データが格納されるメモリーである。
【0016】
絶対位置方位検出部11は、車載ナビゲーション装置1が搭載された車両の現在位置すなわち自車位置について、地表での絶対的な位置座標や方位を計算するため、GPS衛生から送られてくるGPS電波をGPSアンテナ11aやレシーバーなどで受信し、GPS電波に重畳されたGPS信号から、地表での絶対的な位置座標や方位を算出し、制御部10に出力する。
相対方位検出部12は、ジャイロセンサー等を使って、自車位置の相対的な方位を検出し、制御部10に出力する。
車速検出部13は、車両の速度を計算するため、車両より得られる車速パルスに基づいて車両の速度を算出し、制御部10に出力する。制御部10は、車速検出部13の検出値に基づいて車両の速度を検出する。
【0017】
FM多重受信処理部14は、制御部10の制御の下、FM多重放送波を受信して、FM多重放送波に含まれる道路交通情報等の情報を抽出し、制御部10に出力するものである。具体的には、FM多重受信処理部14は、FM多重専用チューナーと、多重エンコーダーと、を備えている。FM多重専用チューナーは、FM多重放送を受信すると、FM多重信号を多重エンコーダーに出力する。多重エンコーダーは、FM多重専用チューナーから入力されたFM多重信号を復号して道路交通情報等の情報を取得し、制御部10に出力する。
ビーコン受信処理部15は、制御部10の制御の下、道路に設けられたビーコンが発する道路交通情報等の情報に係る電波を受信し、制御部10に出力する。
【0018】
表示部16は、液晶表示パネル等の表示パネルを備え、制御部10の制御の下、表示パネルにナビゲーションのための地図や、操作メニュー等の各種情報を表示する。
入力部17は、複数の操作ボタンと、表示部16の表示パネルに重ねて配設されたタッチパネルを備え、ユーザーの操作ボタンや、タッチパネルに対する操作を検出し、制御部10に出力する。なお、入力部17がリモートコントローラーを備える構成であってもよい。
ユーザーインターフェイス部18は、I/O制御回路やドライバー等であり、表示部16及び入力部17と、制御部10とを接続するインターフェースである。
【0019】
記録装置制御部19は、各種データを記憶するハードディスク25に接続され、制御部10の制御の下、ハードディスク25に対して、データの読み書きを行う。
ハードディスク25に記憶される各種データには、少なくとも地図データ40、経路探索用データ41、渋滞情報データベース42、及び、検索距離データベース43が含まれている。検索距離データベース43については、後述する。
地図データ40は、地図に関するデータであり、車両の現在位置を表示する際や、経路誘導時において、表示部16の表示パネルに表示される表示用のデータや、地図上の道路や店舗、施設等の情報に関するデータ等を含んでいる。この地図データ40には、少なくとも、後述するルートサイド施設検索機能の実行時においてユーザーによって選択可能な施設について、施設のそれぞれの位置情報が含まれている。
経路探索用データ41は、所定単位で区分された区間経路(リンク)に関するリンクデータ、及び、交差点(ノード)に関するノードデータを備えている。リンクデータ及びノードデータには道路種別、道路幅、車線数、一方通行か否か、及び、制限速度に関する情報や、各リンクのリンクコストを示すリンクコストデータが含まれている。各リンクのリンクコストは、リンク長やリンクの種別、平均旅行時間などから算出される。
渋滞情報データベース42とは、エリアと、当該エリアに属する道路の渋滞情報とを対応づけて記憶するデータベースである。
【0020】
図2は、本実施形態におけるエリアの概念を説明するために、地図上でエリアを明示した図である。
エリアとは、地図を重ならないように分割したときにできる1つの領域のことである。本実施形態では、図2に示すように、所定の値ずつずらした経度線と、所定の値ずつずらした緯度線とによって、地図が格子状に分割されており、経度線と緯度線とによって囲まれた矩形の領域の1つ1つにエリアが割り当てられている。
【0021】
上述したように、本実施形態では、渋滞情報データベース42では、エリア毎に、エリアと、当該エリアに属する道路の混み具合情報とが対応づけて記憶されている。
エリアに属する道路の渋滞情報とは、ある1つのエリアについて、当該エリアに在圏する道路の渋滞の傾向を示す情報のことであり、本実施形態では、渋滞情報として、エリアに在圏する道路が渋滞する傾向にあることを示す「渋滞大」、渋滞には至らないものの、空いている状態にはない傾向にあることを示す「渋滞中」、及び、ある区間が渋滞、及び、混雑しておらず、車両がスムーズに走行できる傾向にあることを示す「渋滞小」の3つが存在する。
【0022】
ある1つのエリアを、「渋滞大」、「渋滞中」、及び、「渋滞小」のいずれに設定するかは、以下の方法によって定められる。
すなわち、FM多重受信処理部14、ビーコン受信処理部15が取得する道路交通情報には、少なくとも、混み具合情報と、区間旅行時間情報とが含まれている。
混み具合情報とは、道路上の1の地点から他の地点に至るまでの区間における車両の混み具合を示す情報であり、本実施形態では、ある区間が渋滞しており、当該区間を車両がスムーズに走行できない状態であることを示す「渋滞」、ある区間において渋滞には至っていないものの、当該区間が空いている状態ではないことを示す「混雑」、及び、ある区間が渋滞、及び、混雑しておらず、車両がスムーズに走行できる状態であることを示す「順調」の3つの情報が存在する。
区間旅行時間情報とは、道路上の1の地点から他の地点までの到達所要時間を示す情報である。
そして、制御部10は、道路交通情報を取得する度に、混み具合情報、及び、区間旅行時間情報を抽出し、これら情報を、道路を示す情報と対応づけてハードディスク25に記憶する。そして、制御部10は、ハードディスク25に記憶に記憶した混み具合情報、及び、区間旅行時間情報に基づいて、エリア毎に、各エリアに含まれる道路の渋滞の度合いを算出し、算出した度合いに基づいて、各エリアについて、「渋滞大」、「渋滞中」、及び、「渋滞小」を定める。
【0023】
混雑の度合いの算出の一例について具体例を挙げて説明すると、制御部10は、ある1つのエリアについて、当該エリアに在圏する道路の過去の混み具合情報に基づいて、各道路の平均的な状態、すなわち、平均的に「渋滞」にあるか、「混雑」にあるか、「順調」にあるかを平均式を利用して算出する。そして、制御部10は、ある1つのエリアに在圏する各道路が平均的に「渋滞」である場合は当該エリアを「渋滞大」として設定し、これら各道路が平均的に「混雑」である場合は当該エリアを「渋滞中」として設定し、これら各道路が平均的に「順調」である場合は当該エリアを「渋滞小」として設定する。
例えば、図2を参照し、図2におけるエリアC1には、道路R1と、道路R3とが在圏している。このエリアC1について渋滞情報を設定する場合、制御部10は、ハードディスク25に記憶した混み具合情報に基づいて、道路R1のエリアC1に含まれている部分について平均的な渋滞の状態を算出すると共に、道路R3のエリアC1に含まれている部分について平均的な渋滞の状態を算出し、さらに、道路R1の平均的な状態、及び、道路R3の平均的な状態に基づいて、エリアC1の渋滞情報を設定する。
【0024】
なお、上記の例では、混み具合情報に基づいて平均式を利用した上で、エリア毎に渋滞情報を設定しているが、エリアに対する渋滞情報の設定の方法はこれに限らない。例えば、平均式を利用する際に、新しい混み具合情報ほど、渋滞の度合いの算出結果に反映されるように、重み付けをした上で、渋滞の度合いを算出するようにしてもよい。
また、区間旅行時間情報を利用して、エリアに含まれる道路の渋滞の度合いを推定し、この推定に基づいて渋滞情報を設定するようにしてもよい。
また、分散や、偏差など、他の統計的な手法を利用して、渋滞の度合いを算出し、算出結果に基づいて渋滞情報を設定するようにしてもよい。
また、上記の例では、道路交通情報に含まれる混み具合情報や、区間旅行時間情報に基づいてエリアに対して渋滞情報を設定していたが、例えば、後述する電話制御部22を制御することによってインターネット上の外部サーバーから道路の渋滞に係る情報を取得し、取得した情報に基づいて、エリアに対して渋滞情報を設定するようにしてもよい。
また、道路の渋滞に係る情報が記憶されたCD−ROMやDVD−ROM等の記録媒体が市販され、また、配布されたりしている場合は、これら記録媒体を読み取って道路の渋滞に係る情報を取得し、取得した情報に基づいて、エリアの渋滞情報を設定するようにしてもよい。
また、上記の例では、エリアは、所定の緯度線と、所定の経度線とで囲まれた矩形の領域であったが、エリアの形態、形状はこれに限らない。道路の形状や、地形、地理等に応じて適切な形態、形状とすることができる。この場合、例えば、ポリゴンデータ(経度及び緯度からなる座標値で示される複数の点を結んで定義される多角形形状の領域を示すデータ)によって各エリアをすればよい。
また、本実施形態では、記録装置制御部19にハードディスク25が接続されているが、EEPROM等の他の不揮発性メモリーが接続される構成であってもよい。
また、本実施形態では、地図データや、経路検索用データは、ハードディスク25に記憶されているが、これらデータが記憶されたCD−ROMやDVD−ROMを専用の光ディスクドライブで読み込む構成であってもよい。
【0025】
図3は、渋滞情報データベース42のデータ構造を模式的に示す図である。
図3に示すように、渋滞情報データベース42では、エリアと、渋滞情報とが対応づけて記憶されている。
なお、時間帯で分けて、これら情報を対応づけて記憶するようにしてもよい。時間帯で渋滞の状況は変わる場合も多く、時間帯で分けてエリアと渋滞情報とを対応づけて記憶することにより、現実に即して、エリアに対して渋滞情報を設定することができる。
【0026】
さて、前掲図1に戻り、外部記録装置制御部20は、制御部10の制御の下、この車載ナビゲーション装置1に接続された外部記録媒体に対してデータの記録・読み出しを行うものである。外部記録媒体には、例えば、メモリースティック(登録商標)、メモリーカード、CFカード(登録商標)、USBメモリー等がある。
音声認識制御部21は、ユーザーが音声入力するためのマイクロフォン(不図示)を備え、マイクロフォンを介して音声入力したコマンドを認識し、その認識結果を制御部10に出力する。
電話制御部22は、制御部10の制御の下、携帯電話と所定の近距離無線通信の規格に準拠した無線通信を行うものであり、携帯電話が固定電話や他の携帯電話から受信した受話音声を受信して、この受話音声を示す音声信号を制御部10に出力すると共に、ユーザーが発した送話音声に係る音声信号が制御部10から入力されると、この音声信号が示す送話音声を携帯電話に送信する。
さらに、本実施形態では、電話制御部22により制御される携帯電話は、無線基地局が接続された電話回線網、及び、インターネットを介して、インターネット上の所定の外部サーバーにアクセス可能であり、電話制御部22は、携帯電話を介して、インターネット上の所定の外部サーバーに対してアクセスすることができる。
【0027】
上記構成の車載ナビゲーション装置1は、経路探索機能を備えている。
経路探索機能では、入力部17の操作ボタンやタッチパネルによって目的地までの経路の探索が指示された場合、制御部10は、目的地までの推奨経路を探索する。本実施形態では、制御部10は、基本的に、経路探索データに基づいて、目的地に至るまでの連続したリンクにおいて、各リンクのリンクコストの総和が最小になるような経路を推奨経路として探索する。なお、制御部10は、推奨経路の探索後、表示部16の表示パネルに表示された地図上に、車両の現在位置、及び、車両が走行すべき経路を明示し、車両の運転手に対して経路誘導を行う。経路誘導中、制御部10は、相対方位検出部12及び車速検出部13の検出値に基づいて自律航法により算出した自車位置を、絶対位置方位検出部11により検出された自車位置により補正するハイブリッド航法により、高精度に求めた自車位置を地図上に表示して、経路誘導を行う。
【0028】
さらに、本実施形態に係る車載ナビゲーション装置1は、ルートサイド施設検索機能を備えている。
このルートサイド施設検索機能は、上述した経路探索機能により自車位置から目的地までの経路が探索されていることを前提として、目的地に至るまでの経路沿いに存在する特定の施設(ガソリンスタンドや、コンビニエンスストア等)を検索する機能である。
以下、ルートサイド施設検索機能の実行時における車載ナビゲーション装置1の動作について、フローチャートを用いて詳述する。
【0029】
図4は、ルートサイド施設検索機能の実行時における車載ナビゲーション装置1の動作を示すフローチャートである。
この図に示すフローチャートの前提として、経路探索機能により自車位置から目的地までの推奨経路が既に探索され、かつ、探索された推奨経路に従った経路誘導が行われており、ユーザーが、経路誘導に基づいて車両を走行させているものとする。
【0030】
車載ナビゲーション装置1の制御部10は、ルートサイド施設検索機能の実行が指示されたか否かを監視する(ステップSA1)。
ステップSA1におけるルートサイド施設検索機能の実行の指示は、本実施形態では、以下のようにして行われる。まず、ユーザーは、操作ボタンやタッチパネルを操作して、ルートサイド施設検索機能の実行を指示するための専用の画面を表示部16に表示させる。この画面では、少なくとも、検索可能な施設の種類(例:ガソリンスタンド、コンビニエンスストア、本屋、所定の公共施設、警察署)の一覧が選択可能に表示されると共に、検索の開始を指示するためのボタンがタッチ操作可能に表示され、ユーザーは、検索する施設の種類を選択した上で、検索開始を指示するボタンをタッチ操作することにより、ルートサイド施設検索機能の実行を指示する。つまり、ステップSA1では、少なくとも、検索すべき施設の種類が特定された上で、ルートサイド施設検索機能の実行の開始が指示される。
【0031】
ルートサイド施設検索機能の実行が指示された場合(ステップSA1:YES)、制御部10は、経路探索機能によって探索された推奨経路における、現在の自車位置から目的地に至るまでの全てのリンクを取得する(ステップSA2)。
次いで、制御部10は、ステップSA2で取得したリンクのうち、自車両が走行中の道路に対応するリンクを、処理対象のリンクとして設定する(ステップSA3)。上述したように、推奨経路は、連続したリンクによって表されるものであるが、以下、ステップSA6〜ステップSA12の処理が、リンク毎に、自車位置から目的地に向かって順番に実行されることとなる。つまり、「処理対象のリンクとして設定される」とは、ある1つのリンクが、ステップSA6〜ステップSA12の処理を行う対象となるリンクとして設定されることを意味している。
【0032】
次いで、制御部10は、検索施設数をリセットする(ステップSA4)。
ここで、検索施設数とは、ルートサイド施設検索機能を実行した結果、推奨経路(目的地に至る経路)沿いに存在する施設として検索されたものの合計数のことである。本実施形態では、ルートサイド施設検索機能により検索可能な施設の数の上限が予め定められており、検索施設数が当該上限に至った場合には、それ以上の施設の検索が中止される。なお、ステップSA4では、例えば、検索施設数を示すデータを格納する変数としてプログラム上に定義されている変数の値を「0」とする、といった処理が行われる。
【0033】
次いで、制御部10は、推奨経路に係る連続したリンクの全てについて処理が完了していない状況であり、かつ、検索施設数が上限値に至っていない状況であるか否かを判別する(ステップSA5)。この判定により、以下のステップSA6〜ステップSA12の処理は、全てのリンクに対して、リンク毎に行われることとなる。
当該状況である場合(ステップSA5:YES)、制御部10は、ステップSA3で処理対象とされたリンクに対応する推奨経路が属し、また、当該推奨経路の周辺に存在するするエリアを取得する(ステップSA6)。ここで、ステップSA6の動作について詳述する。
【0034】
図5は、ステップSA6の動作を説明するために、表示部16に表示される地図の一例を示す図である。
図5において、目的地DNへ至る経路が探索された結果、道路R1上の太線で示した経路が推奨経路として探索され、かつ、この推奨経路上を車両が走行するように経路誘導されているものとする。さらに、図5において推奨経路を囲んだ点線で示すように、この推奨経路は、リンクL1、リンクL2、及び、リンクL3が連続して形成された経路であるものとする。また、図5において、自車位置マーク60は、地図上における自車両の位置を示すマークであり、車両は、道路R1において自車位置マーク60が示す位置に位置し、かつ、道路R1上を矢印Y1方向へ走行しているものとする。
上述したように、ステップSA6では、制御部10は、ステップSA3で処理対象のリンクとして設定されたリンクに対応する推奨経路が属し、また、当該推奨経路の周辺に存在するエリアを取得する。ここで、ステップSA3で処理対象のリンクとして設定されたリンクに対応する推奨経路の周辺に存在するエリアとは、当該推奨経路沿いの施設が検索される可能性のあるエリアのことである。本実施形態では、詳細は後述するが、推奨経路からの最短距離が300m以内である施設は、当該推奨経路沿いの施設として検索される可能性があるため、推奨経路からの離間距離が300m以内のエリアは、当該推奨経路の周辺に存在するエリアに該当する。
ステップSA6の処理について、図5を用いて一例を挙げると、処理対象のリンクがリンクL1である場合、制御部10は、リンクL1に対応する推奨経路が属するエリアであるエリアA4、エリアA3、及び、エリアB3を取得し、また、当該推奨経路の周辺に存在するエリアとしてエリアB4(エリアB4と、リンクL1に対応する推奨経路との離間距離は300m以内であるものとする)を取得する。
【0035】
次いで、制御部10は、渋滞情報データベース42を参照し、ステップSA6で取得した各エリアの渋滞情報を取得する(ステップSA7)。ステップSA6において、エリアA4、エリアA3、エリアB3、及び、エリアB4が取得されたとすると、図3を参照し、エリアA4の渋滞情報として「渋滞中」が、エリアA3の渋滞情報として「渋滞中」が、エリアB3の渋滞情報として「渋滞大」が、エリアB4の渋滞情報として「渋滞小」が取得される。
次いで、制御部10は、ステップSA6で取得した各エリアについて、検索距離(検索範囲)を設定する(ステップSA8)。ここで、ステップSA8の処理について、検索距離の概念と共に詳述する。
【0036】
図6は、ステップSA8の処理を説明するために、施設と推奨経路とを模式的に示す図である。
本実施形態では、推奨経路沿いに存在する施設の検索にあたり、地図データ40が参照され、エリア毎に、各エリアに在圏する施設が特定され、特定された施設のそれぞれについて、施設から推奨経路に対する最短距離(図6参照)が算出される。そして、算出した最短距離と、検索距離とが比較され、検索距離よりも算出した最短距離が短い場合、当該施設は、推奨経路沿いに存在する施設として検索され、一方、検索距離よりも算出した最短距離が長い場合、当該施設は、検索されない。すなわち、検索距離とは、推奨経路沿いに存在する施設の検索にあたり、推奨経路沿いに存在する施設であるか否かを判別する基準となる値である。
そして、ステップSA8では、制御部10は、検索距離データベース43を参照し、エリア毎に、各エリアに設定された渋滞情報に応じて、検索距離を設定する。
【0037】
図7は、検索距離データベース43のデータ構造を模式的に示す図である。
図7に示すように検索距離データベース43は、渋滞情報と、検索距離とを対応づけて記憶する。本実施形態では、「渋滞大」と検索距離50mとが対応づけて記憶されており、ステップSA8において制御部10は、「渋滞大」のエリアに対して検索距離として50mを設定する。また、検索距離データベース43において「渋滞中」と検索距離150mとが対応づけて記憶されており、ステップSA8において制御部10は、「渋滞中」のエリアに対しては、検索距離として150mを設定する。また、検索距離データベース43において「渋滞小」と検索距離300mとが対応づけて記憶されており、ステップSA8において制御部10は、「渋滞小」のエリアに対しては、検索距離として300mを設定する。
このように、本実施形態では、「渋滞大」のエリアの検索距離が最も短く、逆に「渋滞小」のエリアの検索距離が最も長くなるように、渋滞情報と検索距離との関係が規定されているがこの理由については後述する。
【0038】
ステップSA6で取得した各エリアについて検索距離を設定した後、制御部10は、これらエリア毎に、ステップSA3において処理対象として設定されたリンクに対応する推奨経路への最短距離が、エリアに設定された検索距離を下回るような施設を検索する(ステップSA9)。
【0039】
ここで、ステップSA9の処理について例を挙げて説明する。
例えば、図3を参照し、渋滞情報データベース42におけるエリアと渋滞情報との関係が図3の通りであるものとする。そして、ステップSA3で処理対象とされたリンクがリンクL1であるものとする。この場合、ステップSA6において取得されるエリアは、エリアA4、エリアA3、エリアB3、及び、エリアB4であり、さらに、図3に示すように、エリアA4は渋滞情報として「渋滞中」が設定されると共に検索距離として150mが設定され、エリアA3は渋滞情報として「渋滞中」が設定されると共に検索距離として150mが設定され、エリアB3は渋滞情報として「渋滞大」が設定されると共に検索距離として50mが設定され、エリアB4は渋滞情報として「渋滞小」が設定されると共に検索距離として300mが設定される。
このような状況の下、ステップSA9では、制御部10は、エリア毎に、リンクL1に対応する推奨経路への最短距離が、各エリアに設定された検索距離を下回るような施設を検索する。
【0040】
具体的には、制御部10は、エリアA4に在圏する施設については、リンクL1に対応する推奨経路までの最短距離が150m(=エリアA4に設定された検索距離)以内の施設を、推奨経路沿いの施設として検索する。同様に、制御部10は、エリアA3に在圏する施設については、推奨経路までの最短距離が150m(=エリアA3に設定された検索距離)以内の施設を、推奨経路沿いの施設として検索する。また、制御部10は、エリアB3に在圏する施設については、推奨経路までの最短距離が50m(=エリアB3に設定された検索距離)以内の施設を、推奨経路沿いの施設として検索する。また、制御部10は、エリアB4に在圏する施設については、推奨経路までの最短距離が300m(=エリアB4に設定された検索距離)以内の施設を、推奨経路沿いの施設として検索する。
【0041】
このようにして、ステップSA3で処理対象のリンクとして設定されたリンクに対応する推奨経路について、当該推奨経路沿いに存在する施設が検索を行った後、制御部10は、実際に施設が検索されたか否かを判別し(ステップSA10)、実際に施設が検索された場合は(ステップSA10:YES)、検索された施設の分だけ検索施設数を増やし(ステップSA11)、施設が検索されなかった場合は(ステップSA10:NO)、処理手順をステップSA12へ移行する。
ステップSA12において、制御部10は、処理対象のリンクを、次のリンクとし、処理手順をステップSA5へ戻す。
【0042】
このように、本実施形態では、「渋滞大」のエリアの検索距離が最も短く、逆に「渋滞小」のエリアの検索距離が最も長くなるように、渋滞情報と検索距離との関係が規定されている。換言すれば、ある1つのエリアについて、当該エリアに属する道路が渋滞する傾向にあればあるほど検索距離が短く設定され、逆に、当該エリアに属する道路が渋滞しない傾向にあればあるほど検索距離が長く設定される。こうすることにより、以下の効果を奏することができる。
【0043】
すなわち、車両がある1つのエリアに属する道路を走行している場合において、当該エリアに属する道路が渋滞している傾向にある場合、車両を運転するユーザーは、何らかの施設を経由する必要性が生じ、また経由したいとする要求が生じたとしても、現在位置から離れた場所に位置する施設を経由したいと考えることは少ないと想定される。なぜなら、エリアに属する道路が渋滞しているということは、当該エリアに対応する地域一帯の道路が混んでいるということであり、施設の経由のための車線変更や、車線への合流等が渋滞に起因してスムーズに行かない場合が生じ得、大きなタイムロスが生じる場合があり得るからである。
一方で、車両がある1つのエリアに属する道路を走行している場合において、当該エリアに属する道路が渋滞していない傾向にある場合、車両を運転するユーザーは、何らかの施設を経由する必要性が生じ、また経由したいとする要求が生じたときに、現在位置から比較的離れた場所に位置する施設であっても、当該施設を経由したいと考えると想定される。なぜなら、エリアに属する道路が渋滞していないということは、当該エリアに対応する地域一帯の道路が混んでいないということであり、比較的離れた場所に位置する施設を経由した場合であっても、スムーズに当該施設に到達可能であり、大きなタイムロスが生じないからである。
【0044】
これを踏まえ、本実施形態では、ある1つのエリアについて、当該エリアに属する道路が渋滞する傾向にあればあるほど検索距離を短く設定する。これにより、道路が渋滞する傾向にあるエリアにおいて、比較的離れた場所に位置する施設が、推奨経路沿いに存在する施設として検索されることが防止される。これにより、ユーザーは、検索された施設の中からタイムロスをあまり生じないように現在地から比較的近い場所に位置する施設を探し出す、といった作業を行う必要が無くなり、ユーザーの利便性の向上、操作性の向上を図ることができる。また、ユーザーが誤って現在地から比較的遠い場所に位置する施設を、経由する施設として選択してしまい、結果、大きなタイムロスが生じる、といった事態が発生することを確実に防止できる。
さらに、本実施形態では、ある1つのエリアについて、当該エリアに属する道路が渋滞しない傾向にあればあるほど検索距離を長く設定する。これにより、道路が渋滞しない傾向にあるエリアにおいて、比較的離れた場所に位置する施設であっても、推奨経路沿いに存在する施設として検索されることになる。これにより、不必要に選択肢が狭められることが防止され、ユーザーの利便性が向上する。
【0045】
さて、前掲図4に戻り、ステップSA5において、推奨経路に係る連続したリンクの全てについて処理が完了したか、又は、検索施設数が上限値に至った場合(ステップSA5:NO)、制御部10は、処理結果を表示部16に表示する(ステップSA13)。
【0046】
図8は、ステップSA13において表示部16に表示された画面の一例を示す図である。
図8に示すように、検索結果として、検索された施設が地図上に直接表示される。これにより、地図における施設の相対的な位置がユーザーにとって直感的に把握される。
また、地図上で、渋滞情報として「渋滞大」が設定されているエリアと、「渋滞中」が設定されているエリアと、「渋滞小」が設定されているエリアとが明示的に分かるようになっている。図8の例では、「渋滞大」、「渋滞中」、及び、「渋滞小」の順番に、背景の色が薄く表示されている。これにより、ユーザーは、推奨経路におけるエリア毎の渋滞情報を感覚的に認識でき、この認識に基づいて経由する施設の選択を適切に行うことができる。
さらに、検索された各施設について、施設名、推奨経路への最短距離、及び、進行方向に対して右側に位置しているか、左側に位置しているかが一覧表示される。これにより、ユーザーは、経由する施設を選択するにあたって有益な情報を取得できる。
なお、地図上の施設を示すマークや、一覧の各レコードは、タッチ操作可能とされており、これらがタッチ操作されたことをトリガーとして、タッチ操作によって選択された施設を経由して目的地に至る推奨経路が再探索され、探索結果が地図上に表示される。
【0047】
以上説明したように、本実施形態によれば、推奨経路(目的地に至る経路)から所定の検索距離(検索範囲)に位置する施設を検索するルートサイド施設検索機能を備え、制御部10は、この機能の実行時、推奨経路に係る渋滞情報に基づいて、検索距離の大きさを調整した上で施設の検索を実行する。
これによれば、目的地に至る経路の渋滞状況に応じて、すなわち、車両の走行状況に応じて、推奨経路沿いに存在する施設として検索される施設を適切に調整することが可能となる。
【0048】
また、本実施形態では、制御部10は、ルートサイド施設検索機能の実行時、推奨経路が含まれるエリアの渋滞情報に基づいて、検索距離の大きさを調整した上で施設の検索を実行する。
これによれば、推奨経路が属するエリアの渋滞情報を適切に踏まえた上で、車両の走行状況に応じて、推奨経路沿いに存在する施設として検索される施設を適切に調整することが可能となる。
【0049】
また、本実施形態では、制御部10は、ルートサイド施設検索機能の実行時、推奨経路が含まれるエリアに属する道路が渋滞していればしているほど検索距離を狭くし、一方、渋滞していなければしていないほど検索距離を広くした上で、施設の検索を実行する。
詳細には、本実施形態では、「渋滞大」のエリアの検索距離が最も短く、逆に「渋滞小」のエリアの検索距離が最も長くなるように、渋滞情報と検索距離との関係が規定されている。換言すれば、ある1つのエリアについて、当該エリアに属する道路が渋滞する傾向にあればあるほど検索距離が短く設定され、逆に、当該エリアに属する道路が渋滞しない傾向にあればあるほど検索距離が長く設定される。こうすることにより、以下の効果を奏することができる。
すなわち、車両がある1つのエリアに属する道路を走行している場合において、当該エリアに属する道路が渋滞している傾向にある場合、車両を運転するユーザーは、何らかの施設を経由する必要性が生じ、また経由したいとする要求が生じたとしても、現在位置から離れた場所に位置する施設を経由したいと考えることは少ないと想定される。なぜなら、エリアに属する道路が渋滞しているということは、当該エリアに対応する地域一帯の道路が混んでいるということであり、施設の経由のための車線変更や、車線への合流等が渋滞に起因してスムーズに行かない場合が生じ得、大きなタイムロスが生じる場合があり得るからである。
一方で、車両がある1つのエリアに属する道路を走行している場合において、当該エリアに属する道路が渋滞していない傾向にある場合、車両を運転するユーザーは、何らかの施設を経由する必要性が生じ、また経由したいとする要求が生じたときに、現在位置から比較的離れた場所に位置する施設であっても、当該施設を経由したいと考えると想定される。なぜなら、エリアに属する道路が渋滞していないということは、当該エリアに対応する地域一帯の道路が混んでいないということであり、比較的離れた場所に位置する施設を経由した場合であっても、スムーズに当該施設に到達可能であり、大きなタイムロスが生じ得ないからである。
【0050】
また、本実施形態では、制御部10は、ルートサイド検索機能の実行時、地図上で分割されたエリア毎に、推奨経路に係る渋滞情報に基づいて検索距離の大きさを調整した上で施設の検索を行うと共に、表示部16に、エリア毎の渋滞の度合いが分かる態様で、地図上の各エリアを表示した上で、各エリアにおける施設の検索の結果を表示する。
具体的には、図8に示すように、地図上で、渋滞情報として「渋滞大」が設定されているエリアと、「渋滞中」が設定されているエリアと、「渋滞小」が設定されているエリアとが明示的に分かるようになっている。図8の例では、「渋滞大」、「渋滞中」、及び、「渋滞小」の順番に、背景の色が薄く表示されている。これにより、ユーザーは、推奨経路における各エリアの渋滞情報を感覚的に認識でき、この認識に基づいて経由する施設の選択を適切に行うことができる。
【0051】
また、本実施形態では、渋滞情報は、過去の道路の渋滞に関する情報(例えば、道路交通情報に含まれる混み具合情報)に基づいて生成される。
これによれば、過去の道路の渋滞の状況を反映して、適切に渋滞情報を設定できる。
【0052】
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
例えば、本実施形態では、渋滞情報データベース42において、エリアと渋滞情報とが対応づけて記憶されており、この渋滞情報データベース42を利用して、各エリアに対し渋滞情報を設定していたが、各エリアに渋滞情報を設定する必要が生じた場合に、適宜、ハードディスク25に記憶された道路の渋滞に関するデータに基づいて、渋滞情報を設定するようにしてもよい。
また、検索距離データベース43において、渋滞情報と対応づけて記憶される検索距離は、図7で挙げた距離に限らない。
【符号の説明】
【0053】
1 車載ナビゲーション装置
10 制御部
16 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地に至る経路を検索可能な車載ナビゲーション装置において、
目的地に至る経路から所定の検索範囲に位置する施設を検索するルートサイド施設検索機能と、
前記ルートサイド施設検索機能の実行時、目的地に至る経路に係る渋滞情報に基づいて、前記検索範囲の大きさを調整した上で施設の検索を実行する制御部と、を備えることを特徴とする車載ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記ルートサイド施設検索機能の実行時、目的地に至る経路が含まれるエリアの渋滞情報に基づいて、前記検索範囲の大きさを調整した上で施設の検索を実行することを特徴とする請求項1に記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記ルートサイド施設検索機能の実行時、目的地に至る経路が含まれるエリアに属する道路が渋滞していればしているほど前記検索範囲を狭くし、一方、渋滞していなければしていないほど前記検索範囲を広くした上で、施設の検索を実行することを特徴とする請求項2に記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項4】
地図を表示可能な表示部をさらに備え、
前記制御部は、
ルートサイド検索機能の実行時、地図上で分割されたエリア毎に、目的地に至る経路に係る渋滞情報に基づいて前記検索範囲の大きさを調整した上で施設の検索を行うと共に、
前記表示部に、エリア毎の渋滞の度合いが分かる態様で、地図上の各エリアを表示した上で、各エリアにおける施設の検索の結果を表示することを特徴とする請求項1に記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項5】
目的地に至る経路に係る渋滞情報は、過去の道路の渋滞に関する情報に基づいて生成された情報であること、を特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項6】
目的地に至る経路を検索可能な車載ナビゲーション装置を制御して、
目的地に至る経路から所定の検索範囲に位置する施設を検索するルートサイド施設検索機能の実行時、目的地に至る経路に係る渋滞情報に基づいて、前記検索範囲の大きさを調整し、施設の検索を実行することを特徴とする車載ナビゲーション装置の制御方法。
【請求項7】
目的地に至る経路を検索可能な車載ナビゲーション装置を制御するコンピューターにより読み取り可能なプログラムであって、
前記コンピューターを、
目的地に至る経路から所定の検索範囲に位置する施設を検索するルートサイド施設検索機能の実行時、目的地に至る経路に係る渋滞情報に基づいて、前記検索範囲の大きさを調整した上で施設の検索を実行する制御部として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−98128(P2012−98128A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−245543(P2010−245543)
【出願日】平成22年11月1日(2010.11.1)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】