説明

車載バッテリの状態検知方法、電源制御方法、車載バッテリの状態検知装置及び電源制御装置

【課題】電流センサを用いることなく、低部品コストで、車載バッテリの状態を検知することができる車載バッテリの状態検知方法の提供。
【解決手段】エンジンの回転数が所定回転数より低い期間(S5)に、分電機器の入力端子電圧値を逐次検出し(S9)、また、検出した入力端子電圧値及び発電電圧指令値を逐次比較し(S11)、入力端子電圧値及び発電電圧指令値が一致するように(S13)、発電電圧指令値を繰返し変化させ(S7)、入力端子電圧値及び発電電圧指令値が一致したとき(S13)の入力端子電圧値に基づき、車載バッテリの開放電圧値を求め(S15)、求めた開放電圧値に基づき、車載バッテリの状態を検知する(S17,19)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レギュレータにより出力電圧が制御され、エンジンに連動して発電し、発電した電力を分電機器を通じて複数の電気負荷に供給すると共に、バッテリに充電する車載発電機の出力電圧を用いて、車載バッテリの状態を検知する車載バッテリの状態検知方法、電源制御方法、車載バッテリの状態検知装置及び電源制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載される電装品は、安全性、利便性、快適さ及び商品力の各面から、増加の一途を辿っている。ウインドーデフォッガ及び寒冷地向けのシートヒータ等の大容量の電気負荷が採用されたり、また、油圧又はエンジン動力で作動させていた機器を電動化して、制御性能及び効率の向上を図る動きが進んでいる。電動ブレーキ及び電動パワーステアリング装置(EPS)等、高い信頼性が要求される電気負荷も採用され、車両の電源装置の重要度は増すばかりである。
【0003】
特許文献1には、外部から入力される制御信号に基づき車両用発電機の発電量を制御し、車両用発電機の出力電圧が監視範囲に含まれているか否かを監視し、出力電圧が監視範囲を外れたときに、制御信号に基づく制御を禁止し、監視範囲に含まれる目標値を用いて発電電圧を制御する車両用発電制御装置が開示されている。
【特許文献1】特開2006−115619号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車載発電機及び車載バッテリを備える電源装置では、車載バッテリの状態を検知することは、車載バッテリに分極現象が付随する為、容易ではないという問題があり、従来は、車載バッテリに電流センサを取付けて、入出電流を積算する等、様々な方法が考えられて来た。しかし、電流センサを用いて入出電流を積算する方法では、車載バッテリの自然放電等もあって、部品コストが掛かる電流センサを用いる割には、車載バッテリの状態を正確に検知できず、ユーザは、前触れもなくいきなりバッテリ上がり状態に遭遇してしまうことも考えられるという問題がある。
【0005】
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであり、第1発明では、電流センサを用いることなく、低部品コストで、車載バッテリの状態を検知することができる車載バッテリの状態検知方法を提供することを目的とする。
第2発明では、第1発明に係る車載バッテリの状態検知方法で検知した車載バッテリの状態に基づき、バッテリ上がり状態を回避できる電源制御方法を提供することを目的とする。
【0006】
第3発明では、電流センサを用いることなく、低部品コストで、車載バッテリの状態を検知することができる車載バッテリの状態検知装置を提供することを目的とする。
第4発明では、第3発明に係る車載バッテリの状態検知装置を備え、この状態検知装置が検知した車載バッテリの状態に基づき、バッテリ上がり状態を回避できる電源制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
車載発電機が発電した電力は、電源分配ボックス(分電機器)を通じて、各電気負荷へ分配されるが、車載発電機及び電源分配ボックス間のハーネス抵抗により、車載発電機の端子電圧値は、電源分配ボックスの端子電圧値(=バッテリ端子電圧値とする)と同じではない。電源分配ボックスの端子電圧値は、図2(a)(b)に示すように、車載発電機の発電電流が大きくなる程、車載発電機の端子電圧値より低下し、ハーネス抵抗が既知であれば、図2(b)に示すように、車載発電機の出力電流値を推定することもできる。
【0008】
車載発電機への発電電圧指令値と車載発電機の端子電圧値とが等しいとして、発電電圧指令値を低下させて車載発電機の発電電圧値を低下させて行くと、発電電流が小さくなって行く。発電電流が0のときは、車載発電機の端子電圧値と車載バッテリの端子電圧値とは一致し、このときの車載バッテリの端子電圧値は開放電圧値として扱うことが可能である。
【0009】
実際には、発電電圧指令値を変化させたとき、車載バッテリの開放電圧値より高い領域では、車載バッテリの端子電圧値は、発電電圧指令値に数秒の遅延で追随するが、車載バッテリの開放電圧値より低い領域では、車載バッテリの端子電圧値は、数秒の遅延では追随できず、ダラダラと低下する現象が観察される。
そこで、この現象を利用して、発電電圧指令値を徐々に高又は低に変化させながら、車載バッテリの端子電圧値の追随速度を判定することにより、車載バッテリの開放電圧値を検知することができる。
【0010】
第1発明に係る車載バッテリの状態検知方法は、発電電圧指令値が与えられるレギュレータにより出力電圧が制御され、エンジンに連動して発電し、発電した電力を分電機器を通じて複数の電気負荷に供給すると共に、車載バッテリに充電する車載発電機の出力電圧を用いて、前記車載バッテリの状態を検知する車載バッテリの状態検知方法であって、前記エンジンの回転数が所定回転数より低い期間に、前記分電機器の入力端子電圧値を逐次検出し、また、検出した入力端子電圧値及び前記発電電圧指令値を逐次比較し、該入力端子電圧値及び発電電圧指令値が一致するように、該発電電圧指令値を繰返し変化させ、前記入力端子電圧値及び発電電圧指令値が一致したときの入力端子電圧値に基づき、前記車載バッテリの開放電圧値を求め、求めた開放電圧値に基づき、前記車載バッテリの状態を検知することを特徴とする。
【0011】
第2発明に係る電源制御方法は、第1発明に係る車載バッテリの状態検知方法により求められた開放電圧値に基づき、発電電圧指令値又は複数の電気負荷を制御する電源制御方法であって、前記開放電圧値と第1電圧値及び該第1電圧値より低い第2電圧値とを比較し、前記開放電圧値が第1電圧値以上であるときは、発電電圧指令値を前記第2電圧値未満に設定し、前記開放電圧値が前記第1電圧値未満であるときは、前記発電電圧指令値を該第1電圧値より高く設定し、前記開放電圧値が前記第2電圧値未満であるときは、警報表示又は前記電気負荷の削減を実行することを特徴とする。
【0012】
第3発明に係る車載バッテリの状態検知装置は、発電電圧指令値が与えられるレギュレータにより出力電圧が制御され、エンジンに連動して発電し、発電した電力を分電機器を通じて複数の電気負荷に供給すると共に、車載バッテリに充電する車載発電機の出力電圧を用いて、前記車載バッテリの状態を検知する車載バッテリの状態検知装置であって、前記エンジンの回転数が所定回転数より低いか否かを判定する手段と、該手段が低いと判定している期間に、前記分電機器の入力端子電圧値を逐次検出する手段と、該手段が検出した入力端子電圧値及び前記発電電圧指令値を逐次比較する手段と、該手段の比較結果で前記入力端子電圧値及び発電電圧指令値が一致するように、該発電電圧指令値を繰返し変化させる手段とを備え、前記入力端子電圧値及び発電電圧指令値が一致したときの入力端子電圧値に基づき、前記車載バッテリの開放電圧値を求め、求めた開放電圧値に基づき、前記車載バッテリの状態を検知することを特徴とする。
【0013】
第1発明に係る車載バッテリの状態検知方法及び第3発明に係る車載バッテリの状態検知装置では、発電電圧指令値が与えられるレギュレータにより出力電圧が制御され、エンジンに連動して発電し、発電した電力を分電機器を通じて複数の電気負荷に供給すると共に、車載バッテリに充電する車載発電機の出力電圧を用いて、車載バッテリの状態を検知する。エンジンの回転数が所定回転数より低いか否かを判定し、低いと判定している期間に、分電機器の入力端子電圧値を逐次検出し、検出した入力端子電圧値及び発電電圧指令値を逐次比較する。その比較結果で入力端子電圧値及び発電電圧指令値が一致するように、発電電圧指令値を繰返し変化させ、入力端子電圧値及び発電電圧指令値が一致したときの入力端子電圧値に基づき、車載バッテリの開放電圧値を求め、求めた開放電圧値に基づき、車載バッテリの状態を検知する。
【0014】
第4発明に係る電源制御装置は、第3発明に係る車載バッテリの状態検知装置を備え、該車載バッテリの状態検知装置が求めた開放電圧値に基づき、発電電圧指令値又は複数の電気負荷を制御する電源制御装置であって、前記開放電圧値と第1電圧値及び該第1電圧値より低い第2電圧値とを比較する手段と、該手段の比較結果が、前記開放電圧値が第1電圧値以上であるときは、発電電圧指令値を前記第2電圧値未満に設定する手段と、前記比較結果が、前記開放電圧値が前記第1電圧値未満であるときは、前記発電電圧指令値を該第1電圧値より高く設定する手段と、前記比較結果が、前記開放電圧値が前記第2電圧値未満であるときは、警報を表示する手段、又は前記電気負荷を削減する手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
第2発明に係る電源制御方法及び第4発明に係る電源制御装置では、第3発明に係る車載バッテリの状態検知装置が求めた開放電圧値に基づき、発電電圧指令値又は複数の電気負荷を制御する。求めた開放電圧値と第1電圧値及び第1電圧値より低い第2電圧値とを比較し、その比較結果が、開放電圧値が第1電圧値以上であるときは、発電電圧指令値を第2電圧値未満に設定する。開放電圧値が第1電圧値未満であるときは、発電電圧指令値を第1電圧値より高く設定する。開放電圧値が第2電圧値未満であるときは、警報を表示するか、電気負荷を削減する。
【発明の効果】
【0016】
第1発明に係る車載バッテリの状態検知方法によれば、電流センサを用いることなく、低部品コストで、車載バッテリの状態を検知することができる車載バッテリの状態検知方法を実現することができる。
【0017】
第2発明に係る電源制御方法によれば、第1発明に係る車載バッテリの状態検知方法で検知した車載バッテリの状態に基づき、バッテリ上がり状態を回避できると共に、車載発電機に無駄な発電をさせないので、車両の燃費を向上させることができる電源制御方法を実現することができる。
【0018】
第3発明に係る車載バッテリの状態検知装置によれば、電流センサを用いることなく、低部品コストで、車載バッテリの状態を検知することができる車載バッテリの状態検知装置を実現することができる。
【0019】
第4発明に係る電源制御装置によれば、第3発明に係る状態検知装置が検知した車載バッテリの状態に基づき、バッテリ上がり状態を回避できると共に、車載発電機に無駄な発電をさせないので、車両の燃費を向上させることができる電源制御装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に、本発明をその実施の形態を示す図面に基づき説明する。
図1は、本発明に係る車載バッテリの状態検知方法、電源制御方法、車載バッテリの状態検知装置及び電源制御装置の実施の形態の概略構成を示すブロック図である。
この車載バッテリの状態検知装置及び電源制御装置では、車載発電機(オルタネータ、交流発電機)1が発電し整流した直流電力が、車載発電機1に並列接続された車載バッテリ3に供給される。
【0021】
また、車載発電機1が発電し整流した直流電力は、イグニッションスイッチ(以下、IGスイッチと記載)10、及び電源分配ボックス(分電機器)8内に配設された各スイッチS1〜S4を通じて各電気負荷R1〜R4に供給される。IGスイッチ10は、IGキー5が操作されることにより、オン/オフされ、その操作信号は電源制御部6(後述)に与えられる。尚、ここでは、IGスイッチ10にアクセサリスイッチも含まれるものとする。
【0022】
電源分配ボックス8内には、電源制御部6が配設されており、電源制御部6は、各スイッチS1〜S4をオン/オフ制御する。
電圧検出器(検出する手段)4が、車載バッテリ3の端子電圧値を検出して、電源制御部6に与える。尚、車載バッテリ3の端子電圧値と、電源分配ボックス(分電機器)8の入力端子電圧値とは同じ電圧値として扱う。
車載発電機1及び電源分配ボックス(分電機器)8間のワイヤハーネスは、抵抗Rhを有している。
【0023】
車載発電機1には、電源制御部6から与えられた発電電圧指令値に基づき、出力電圧を制御するレギュレータ2が付設されている。
電源制御部6は、回転数検出器9が検出したエンジンの回転数が与えられ、また、メモリ7を内蔵しており、発電電圧指令値を徐々に高又は低に変化させながら、車載バッテリ3の端子電圧値の変化を判定することにより、車載バッテリ3の開放電圧値を検知し、開放電圧が低過ぎるときは、表示部11(表示する手段)に警告表示させる。
【0024】
以下に、このような構成の車載バッテリの状態検知装置及び電源制御装置の動作を、それを示す図3のフローチャートを参照しながら説明する。
電源制御部6は、IGスイッチ10がオンになると(S1)、回転数検出器9が検出したエンジンの回転数を読込み(S3)、読込んだ回転数が、エンジンのアイドリング中であることを示す所定回転数以下であるか否かを判定する(S5)。読込んだ回転数が、所定回転数以下でなければ、エンジンの回転数を読込む(S3)。
【0025】
電源制御部6は、エンジンの回転数が所定回転数以下であれば(S5)、レギュレータ2への発電電圧指令値を徐々に増加又は低減させる動作を開始し(S7)、電圧検出器4が検出した車載バッテリ3の端子電圧値の逐次読込みを開始して(S9)、発電電圧指令値及び端子電圧値を比較する(S11)。
電源制御部6は、レギュレータ2への発電電圧指令値を徐々に増加又は低減させる際は、例えば、数秒おきに発電電圧指令値を階段状に変化させ、変化させた都度、車載バッテリ3の発電電圧指令値及び端子電圧値を比較して(S11)、端子電圧値が発電電圧指令値に追随する速度を判別する。そして、発電電圧指令値が変化させたときから端子電圧値と一致するか否かを判定し、一致する電圧値を探査する(S13)。
【0026】
発電電圧指令値が車載バッテリ3の開放電圧値より高い領域で低減されたとき、端子電圧値は略数秒以内に発電電圧指令値と一致するように追随する。発電電圧指令値が開放電圧値より低い領域で低減されたとき、端子電圧値は10秒程度では発電電圧指令値と一致せず、追随速度は極端に遅くなる。
【0027】
電源制御部6は、発電電圧指令値が変化させたときから端子電圧値と一致しないときは(S13)、数秒おきに発電電圧指令値を階段状に変化させ、変化させた都度、車載バッテリ3の発電電圧指令値及び端子電圧値を比較して(S11)、端子電圧値が発電電圧指令値に追随する速度を判別する。
電源制御部6は、発電電圧指令値が変化させたときから端子電圧値と一致したときは(S13)、その一致した電圧値を、車載バッテリ3の開放電圧値V0に決定する(S15)。
【0028】
電源制御部6は、次に、決定した開放電圧値V0(S15)が、電圧値V1(例えば13V)以上であるか否かを判定し(S17)、電圧値V1以上であれば、発電電圧指令値を電圧値V2(例えば12V)未満に設定して(S23)、エンジンの回転数を読込む(S3)。発電電圧指令値を電圧値V2未満に設定することにより、車両の燃費向上を図ることができる。
電源制御部6は、開放電圧値V0(S15)が、電圧値V1以上でなければ(S17)、開放電圧値V0が、電圧値V2以上であるか否かを判定し(S19)、電圧値V2以上であれば、発電電圧指令値を電圧値V1を超える電圧値に設定して(S25)、エンジンの回転数を読込む(S3)。
【0029】
電源制御部6は、開放電圧値V0(S15)が、電圧値V2以上でなければ(S19)、表示部11に車載バッテリ3の電圧値が低過ぎ、バッテリ上がりの虞が有る旨の警報を表示させた(S21)後、発電電圧指令値を電圧値V1を超える電圧値に設定して(S25)、エンジンの回転数を読込む(S3)。尚、このとき、スイッチS1〜S4の何れかをオフにして、使用中の電気負荷R1〜R4の何れかを必要度の低い方から停止させても良い。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る車載バッテリの状態検知方法、電源制御方法、車載バッテリの状態検知装置及び電源制御装置の実施の形態の概略構成を示すブロック図である。
【図2】発電機端子電圧、車載バッテリ端子電圧及び発電電流の特性を示す特性図である。
【図3】本発明に係る車載バッテリの状態検知装置及び電源制御装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0031】
1 車載発電機(オルタネータ、交流発電機)
2 レギュレータ
3 車載バッテリ
4 電圧検出器
5 IGキー
6 電源制御部
8 電源分配ボックス(分電機器)
9 回転数検出器
10 IGスイッチ(イグニッションスイッチ)
11 表示部(表示する手段)
R1〜R4 電気負荷
Rh ハーネス抵抗
S1〜S4 スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電電圧指令値が与えられるレギュレータにより出力電圧が制御され、エンジンに連動して発電し、発電した電力を分電機器を通じて複数の電気負荷に供給すると共に、車載バッテリに充電する車載発電機の出力電圧を用いて、前記車載バッテリの状態を検知する車載バッテリの状態検知方法であって、
前記エンジンの回転数が所定回転数より低い期間に、前記分電機器の入力端子電圧値を逐次検出し、また、検出した入力端子電圧値及び前記発電電圧指令値を逐次比較し、該入力端子電圧値及び発電電圧指令値が一致するように、該発電電圧指令値を繰返し変化させ、前記入力端子電圧値及び発電電圧指令値が一致したときの入力端子電圧値に基づき、前記車載バッテリの開放電圧値を求め、求めた開放電圧値に基づき、前記車載バッテリの状態を検知することを特徴とする車載バッテリの状態検知方法。
【請求項2】
請求項1に記載された車載バッテリの状態検知方法により求められた開放電圧値に基づき、発電電圧指令値又は複数の電気負荷を制御する電源制御方法であって、
前記開放電圧値と第1電圧値及び該第1電圧値より低い第2電圧値とを比較し、前記開放電圧値が第1電圧値以上であるときは、発電電圧指令値を前記第2電圧値未満に設定し、前記開放電圧値が前記第1電圧値未満であるときは、前記発電電圧指令値を該第1電圧値より高く設定し、前記開放電圧値が前記第2電圧値未満であるときは、警報表示又は前記電気負荷の削減を実行することを特徴とする電源制御方法。
【請求項3】
発電電圧指令値が与えられるレギュレータにより出力電圧が制御され、エンジンに連動して発電し、発電した電力を分電機器を通じて複数の電気負荷に供給すると共に、車載バッテリに充電する車載発電機の出力電圧を用いて、前記車載バッテリの状態を検知する車載バッテリの状態検知装置であって、
前記エンジンの回転数が所定回転数より低いか否かを判定する手段と、該手段が低いと判定している期間に、前記分電機器の入力端子電圧値を逐次検出する手段と、該手段が検出した入力端子電圧値及び前記発電電圧指令値を逐次比較する手段と、該手段の比較結果で前記入力端子電圧値及び発電電圧指令値が一致するように、該発電電圧指令値を繰返し変化させる手段とを備え、前記入力端子電圧値及び発電電圧指令値が一致したときの入力端子電圧値に基づき、前記車載バッテリの開放電圧値を求め、求めた開放電圧値に基づき、前記車載バッテリの状態を検知することを特徴とする車載バッテリの状態検知装置。
【請求項4】
請求項3に記載された車載バッテリの状態検知装置を備え、該車載バッテリの状態検知装置が求めた開放電圧値に基づき、発電電圧指令値又は複数の電気負荷を制御する電源制御装置であって、
前記開放電圧値と第1電圧値及び該第1電圧値より低い第2電圧値とを比較する手段と、該手段の比較結果が、前記開放電圧値が第1電圧値以上であるときは、発電電圧指令値を前記第2電圧値未満に設定する手段と、前記比較結果が、前記開放電圧値が前記第1電圧値未満であるときは、前記発電電圧指令値を該第1電圧値より高く設定する手段と、前記比較結果が、前記開放電圧値が前記第2電圧値未満であるときは、警報を表示する手段、又は前記電気負荷を削減する手段とを備えることを特徴とする電源制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−302822(P2008−302822A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−152059(P2007−152059)
【出願日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】