説明

車載用電子機器の照明装置、その制御方法及びその制御プログラム

【課題】バリアブルカラー表示を行うに際し、車両の走行速度に応じて照明パターンを変化させることが可能な車載用電子機器の照明装置を提供することを目的とする。
【解決手段】閾値設定手段11が、車速度取得部6を通じて取得した車両の走行速度と比較するための所定の閾値を設定する。車速度検出手段12が車速度取得部6を通じて取得した車両の走行速度をメモリ上に抽出する。速度判定部13が、車速度検出手段12で検出した車両の走行速度と閾値設定手段11で設定した閾値との大小関係を比較する。照明パターン制御部14が、速度判定部で判定した車両の走行速度と設定した閾値との大小関係に応じて、記憶部5に記録されている車両の走行速度に対応付けた照明の変更周期や色彩である照明パターンを選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の走行速度に基づいて照明パターンを変更可能な車載用電子機器の照明装置、その制御方法及びその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車載用のナビゲーション装置やオーディオ機器などの表示画面や操作部に、赤、緑、青色を組み合わせることによりすべての色彩を表現することが可能なLEDを備えた照明装置が普及している。ここで、従来技術として、予め設定された照明パターンに応じて多種多様な照明色で発光するバリアブルカラー表示機能を備えた照明装置が提供されている(特許文献(1)参照)。具体的には、発光色の異なる複数の光源と、各光源の点灯/消灯状態および点灯中の光源の輝度を選択する選択手段とを備えていることを特徴とした照明装置である。
【特許文献1】特許3041016
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記の予め設定された照明パターンに応じて多種多様な照明色で発光するバリアブルカラー表示機能を備えた照明装置にあっては、選択ボタンを押圧することでユーザが自由に照明の輝度を調整できる反面、照明色の変化の理由が不明確となってしまう。また、車両が走行中である場合には、運転に集中し過ぎて走行速度の超過などに気づかないケースが多々見受けられる。
【0004】
そこで、本発明は、上記の課題を解決するために、バリアブルカラー表示を行うに際し、車両の走行速度に応じて照明パターンを変化させることが可能な車載用電子機器の照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を本発明は以下の手段により解決する。
請求項1の発明は、車両の走行速度に基づいて照明を行う車載用電子機器の照明装置であって、車両の走行速度を検出する車速度検出手段と、前記車速度検出部で検出した走行速度に応じて、照明パターンを変更する照明制御手段と、前記照明制御手段により変更した照明パターンを出現させる照明部と、を有することを特徴とする。
【0006】
請求項10の発明は、請求項1の照明装置を方法の観点から把握したもので、車両の走行速度に基づいて照明を行う車載用電子機器の照明装置の制御方法であって、車両の走行速度を検出する車速度検出ステップと、前記車速度検出ステップで検出した走行速度に応じて、照明パターンを変更する照明制御ステップと、を実行し、前記照明制御ステップにより変更した照明パターンを照明部に出現させることを特徴とする。
【0007】
請求項19の発明は、請求項1又は10の発明をコンピュータプログラムの観点から把握したもので、車両の走行速度に基づいて照明を行う車載用電子機器の照明装置の制御プログラムであって、このプログラムが照明装置に、車両の走行速度を検出する車速度検出処理と、前記車速度検出処理で検出した走行速度に応じて、照明パターンを変更する照明制御処理と、を実行させ、前記照明制御処理により変更した照明パターンを照明部に出現させることを特徴とする。
【0008】
以上のような態様では、車両の走行速度に応じて照明パターンを変更させることができるので、速度の増減を照明部において視覚的に影響のある態様で表現することが可能となる。そのため、速度が超過する場合などに照明パターンを変化させることで、ユーザに対して注意を喚起させる効果を有する。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1記載の照明装置において、前記照明制御手段は、前記車速度検出手段で検出した走行速度を所定の閾値と比較し、前記走行速度と前記閾値との大小関係に応じて、前記照明パターンを変更することを特徴とする。
【0010】
請求項11の発明は、請求項2の照明装置を方法の観点から把握したもので、請求項10記載の照明装置の制御方法において、前記照明制御手段ステップは、前記車速度検出ステップで検出した走行速度を所定の閾値と比較し、前記走行速度と前記閾値との大小関係に応じて、前記照明パターンを変更することを特徴とする。
【0011】
以上のような態様では、実際に検出した走行速度と所定の閾値との大小関係に応じて照明パターンを変更することができるので、ユーザに対し走行速度が所定の閾値を超える、あるいは超えていないことを視覚的に認識させることができる。そのため、閾値を基準として走行速度の増減を照明パターンの変化により表現することが可能となる。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の照明装置において、前記照明パターンは照明の変更周期であり、前記照明制御手段は、前記車速度検出手段で検出した走行速度に応じて、前記照明の変更周期を変化させることを特徴とする。
【0013】
請求項12の発明は、請求項3の照明装置を方法の観点から把握したもので、請求項10又は請求項11に記載の照明装置の制御方法において、前記照明パターンは照明の変更周期であり、前記照明制御ステップは、前記車速度検出ステップで検出した走行速度に応じて、前記照明の変更周期を変化させることを特徴とする。
【0014】
以上の態様では、照明パターンを照明の変更周期、すなわち照明が切り替わるピッチとするため、走行速度の変化に応じて照明の変更周期を調整することが可能となる。これにより、ユーザは、照明の変更周期の変化といった視覚的に認識し易い態様で車両の走行速度の増減を把握することができる。
【0015】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の照明装置において、前記照明パターンは照明の色相、明度、彩度のいずれか又は組み合わせたものであり、前記照明制御手段は、前記車速度検出手段で検出した走行速度に応じて、前記照明の色相、明度、彩度のいずれか又は組み合わせたものを変化させることを特徴とする。
【0016】
請求項13の発明は、請求項4の照明装置を方法の観点から把握したもので、請求項10〜12のいずれか1項に記載の照明装置の制御方法において、前記照明パターンは照明の色相、明度、彩度のいずれか又は組み合わせたものであり、前記照明制御ステップは、前記車速度検出ステップで検出した走行速度に応じて、前記照明の色相、明度、彩度のいずれか又は組み合わせたものを変化させることを特徴とする。
【0017】
以上の態様では、照明パターンを照明の色相、明度、彩度のいずれか又は組み合わせたもの、すなわち照明の色彩とするため、走行速度の変化に応じて照明の色彩を変化させることが可能となる。そのため、照明の色彩の変化といった視覚的に認識し易い態様で車両の走行速度の増減をユーザが把握することができる。
【0018】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の照明装置において、前記照明部は、車載用オーディオ機器の表示画面を照明するものであることを特徴とする。
【0019】
請求項14の発明は、請求項5の照明装置を方法の観点から把握したもので、請求項10〜13のいずれか1項に記載の照明装置の制御方法において、前記照明部は、車載用オーディオ機器の表示画面を照明するものであることを特徴とする。
【0020】
請求項6の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の照明装置において、前記照明部は、前記車載用オーディオ機器の操作部を照明するものであることを特徴とする。
【0021】
請求項15の発明は、請求項6の照明装置を方法の観点から把握したもので、請求項10〜13のいずれか1項に記載の照明装置の制御方法において、前記照明部は、前記車載用オーディオ機器の操作部を照明するものであることを特徴とする。
【0022】
請求項7の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の照明装置において、前記照明部は、車載用ナビゲーション装置の表示画面を照明するものであることを特徴とする。
【0023】
請求項16の発明は、請求項7の照明装置を方法の観点から把握したもので、請求項10〜13のいずれか1項に記載の照明装置の制御方法において、前記照明部は、車載用ナビゲーション装置の表示画面を照明するものであることを特徴とする。
【0024】
請求項8の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の照明装置において、前記照明部は、前記車載用ナビゲーション装置の操作部を照明するものであることを特徴とする。
【0025】
請求項17の発明は、請求項8の照明装置を方法の観点から把握したもので、請求項10〜13のいずれか1項に記載の照明装置の制御方法において、前記照明部は、前記車載用ナビゲーション装置の操作部を照明するものであることを特徴とする。
【0026】
以上のような態様では、照明パターンが出現する照明部が、車載用オーディオ機器やナビゲーション装置の表示画面や操作部を照らすものであるため、この表示画面や操作部に映る色彩の変化等により走行速度の増減をユーザに認識させることが可能となる。
【0027】
請求項9の発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の照明装置において、前記閾値をユーザが自由に設定する閾値設定手段を有することを特徴とする。
【0028】
請求項18の発明は、請求項9の照明装置を方法の観点から把握したもので、請求項10〜17のいずれか1項に記載の照明装置の制御方法において、前記閾値をユーザが自由に設定する閾値設定ステップを実行することを特徴とする。
【0029】
以上のような態様では、ユーザは閾値設定手段を通じて閾値を設定することができるため、実際に検出した車両の走行速度との比較に際して、照明の変化周期や色彩の変更するポイントを自由に調整することが可能となる。
【発明の効果】
【0030】
以上のように、本発明によれば、車両の走行速度に応じて照明パターンとして照明の変更周期や色彩を変更させることができるので、速度の増減を照明部において視覚的に認識し易い方法により表現することが可能となる。そのため、速度が超過する場合などに照明パターンを変化させることにより、ユーザに対し注意を喚起させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
[1.構成]
以下に、本発明の実施形態における構成を図1に基づいて説明する。
1は、システム全体の制御を司るメインCPU(中央演算装置)及びその周辺回路であり、本発明各部の制御を含む情報処理を行う制御部である。2は、メインプログラムをロードする為のダイナミックRAM(DRAM)、3は、メイン電源オフの間も設定などメモリ内容を保持するためのバッテリーバックアップ付スタティックRAM(SRAM)、4は、起動時等に制御部1よりアクセスされるROMである。ここで、メインメモリMはDRAM2とSRAM3とROM4から構成されている。
【0032】
5は、照明パターンとして照明の色相、彩度、明度である色彩や照明の変更周期を車両の走行速度と対応付けて予め記録しておく記憶部である。例えば、車両の走行速度が10km/h増加する毎に照明の色彩が変化する照明パターンが記憶されていたり、また走行速度が10km/h増加する毎に照明の変更周期を早くする照明パターンが記憶されている。ここで、照明の変更周期とは、照明が所定の色彩に順次変わっていく周期をいい、記憶部5には変化する照明の色彩と車両の走行速度に対応付けた変更周期のピッチが記憶されることとなる。
【0033】
6は、車速センサなどを用いて車両の走行速度を取得する車速度取得部である。7は、赤、緑、青の3色で構成される複数のLEDを備え、様々な色彩に発光する照明部である。この照明部7は、車載用のオーディオ機器やナビゲーション装置の液晶パネル等の表示画面や操作キー等の操作部を照らすために設けられている。
【0034】
8は、情報や操作の入力を受け付ける入力部で、タッチキーなどからの入力を検出する制御装置であるが、入力部の構成や種類は自由で、操作スイッチ類のほか、リモコンユニット、表示パネルと一体のタッチセンサなどを単独、又は自由に組み合わせて用いてもよい。9は、液晶パネルなどの表示画面である。なお、照明部7が照らす操作部や液晶パネルは、この入力部8と表示画面9に対応する。
【0035】
また、制御部1は、後述する作用に対応する次のような処理手段(図1に示す11、12…)を有する。以下、制御部1を構成する各手段を説明する。
【0036】
11は、車速度取得部6を通じて取得した車両の走行速度と比較するための所定の閾値を単数又は複数設定する閾値設定手段である。この設定した単数あるいは複数の閾値をもとに、走行速度との大小関係において、照明制御手段が照明パターンを変更する。
【0037】
12は、車速度取得部6を通じて取得した車両の走行速度をメモリ上に抽出する車速度検出手段である。13は、車速度検出手段12で抽出した車両の走行速度と閾値設定手段11で設定した閾値との大小関係を比較する速度判定部である。
【0038】
14は、速度判定部13で判定した車両の走行速度と設定した閾値との大小関係に応じて、記憶部5に記録されている車両の走行速度に対応付けた照明の変更周期や色彩である照明パターンを選択する照明パターン制御部である。具体的には、一例として、閾値を20、40、60、80km/hと設定しておき、この複数の閾値を上回る毎に異なる照明の変更周期や色彩を適用するケースが考えられる。なお、この速度判定部13と照明パターン制御部14が照明制御手段に対応する。
【0039】
15は、照明パターン制御部14で選択した照明パターンを照明部7に出力する出力手段である。
【0040】
[2.作用]
次に本実施形態の処理手順について、図2、3のフローチャートに基づき説明する。なお、図2のフローチャートは、照明パターンとして照明色が切り替わる変更周期を用い、図3のフローチャートは、照明パターンとして照明の色彩を使用している。なお、発光する照明部には、すべてバリアブルカラー機能に基づいて複数の色彩が適用可能であることを前提とする。
【0041】
[2.1.処理手順(1)]
ここで、図2のフローチャートに基づき、走行速度に対応して照明の変更周期が変化する処理手順について説明する。まず、ユーザは入力部8を通じて閾値設定手段11により単数又は複数の閾値を設定する(STEP201)。本フローチャートでは、一例として第1、2の閾値をユーザが設定したケースを考える。そして、予めこの第1、2の閾値に対応する照明の変更周期を記憶部5に記憶しておく。例えば、第1の閾値を40km/h、第2の閾値を80km/hとし、走行速度が0km/h〜40km/hの範囲では変更周期、すなわち照明の変更間隔が2秒間、走行速度が41km/h〜80km/hの範囲では照明の変更間隔が1秒間であるといったデータを記憶部5に記憶する。
【0042】
次に、車速度取得部6を通じて取得した車両の走行速度を車速度検出手段12が検出し、メモリ上に抽出する(STEP202)。そして、速度判定部13が、車速度検出手段12により検出された走行速度が設定しておいた第1の閾値を下回るか否かを判定する(STEP203)。
【0043】
ここで、速度判定部13が、車速度検出手段12により検出された走行速度が設定しておいた第1の閾値を下回ると判定する場合には(YES)、照明パターン制御部14が記憶部5に記憶されている第1の閾値を下回る範囲内の照明の変更周期を選択する(STEP204)。一方、速度判定部13が、車速度検出手段12により検出された走行速度が設定しておいた第1の閾値を上回ると判定する場合には(NO)、この走行速度について第2の閾値を下回るか否かが速度判定部13により判定される(STEP205)。
【0044】
速度判定部13が、検出された走行速度が設定しておいた第2の閾値を下回ると判定する場合には(YES)、記憶部5に記憶されている第2の閾値を下回る範囲内の照明の変更周期が照明パターン制御部14により適用されることとなる(STEP206)。一方、速度判定部13が、車速度検出手段12により検出された走行速度が設定しておいた第2の閾値を上回ると判定する場合には(NO)、デフォルト状態における固定の照明の変更周期が適用されることになる(STEP207)。
【0045】
そして、出力手段15が、照明パターン制御部14により選択された照明の変更周期を照明部7に出力する(STEP208)。これにより、車両の走行速度と所定の閾値の大小関係に応じて、照明の色彩を切り替える周期が変化することとなり、視覚的に走行速度の変化を表現することが可能となる。
【0046】
[2.2.処理手順(2)]
次に、図3のフローチャートに基づき、照明の色彩、すなわち色相、彩度、明度のいずれか、あるいはそれらを組み合わせたものが車両の走行速度に応じて変化する処理手順について説明する。
【0047】
まず、ユーザは入力部8を通じて閾値設定手段11により単数又は複数の閾値を設定する(STEP301)。本フローチャートでは、一例として第1、2の閾値をユーザが設定したケースを考える。そして、予めこの第1、2の閾値に対応する照明の色彩を記憶部5に記憶しておく。例えば、第1の閾値を40km/h、第2の閾値を80km/hとし、走行速度が0km/h〜40km/hの範囲では照明の色彩は青色、走行速度が41km/h〜80km/hの範囲では照明の色彩は赤色であるといったデータを記憶部5に記憶する。
【0048】
次に、図2のフローチャートと同様に、車速度取得部6を通じて取得した車両の走行速度を車速度検出手段12が検出し、メモリ上に抽出する(STEP302)。そして、速度判定部13が、車速度検出手段12により抽出された走行速度が設定しておいた第1の閾値を下回るか否かを判定する(STEP303)。
【0049】
ここで、速度判定部13が、車速度検出手段12により検出された走行速度が設定しておいた第1の閾値を下回ると判定する場合には(YES)、照明パターン制御部14が記憶部5に記憶されている第1の閾値を下回る範囲内の照明の色彩(前記の例で言えば青色)を選択する(STEP304)。一方、速度判定部13が、車速度検出手段12により検出された走行速度が設定しておいた第1の閾値を上回ると判定する場合には(NO)、この走行速度について第2の閾値を下回るか否かが速度判定部13により判定される(STEP305)。
【0050】
速度判定部13が、検出された走行速度が設定しておいた第2の閾値を下回ると判定する場合には(YES)、記憶部5に記憶されている第2の閾値を下回る範囲内の照明の色彩(前記例で言えば赤色)が照明パターン制御部14により適用されることとなる(STEP306)。一方、速度判定部13が、車速度検出手段12により検出された走行速度が設定しておいた第2の閾値を上回ると判定する場合には(NO)、デフォルト状態における固定の照明の色彩が適用されることになる(STEP307)。
【0051】
そして、出力手段15が、照明パターン制御部14により選択された照明の色彩を照明部7に出力する(STEP308)。これにより、車両の走行速度と所定の閾値の大小関係に応じて照明の色彩が変化することとなり、視覚的に走行速度の変化を表現することが可能となる。
【0052】
以上のように、本実施形態によれば、車両の走行速度に応じて照明パターンとして照明の変更周期や色彩を変更させることができるので、速度の増減を照明部において視覚的に認識し易い方法により表現することが可能となる。そのため、速度が超過する場合などに照明パターンを変化させることで、ユーザに対し注意を喚起させることができる。
【0053】
[2.3.設定例]
ここで、車両の走行速度に対応付けた照明の変化周期と、バリアブルカラー機能の使用の有無の設定の一例を図4のフローチャートと、図5の表示画面9に基づいて以下に説明する。
【0054】
まず、図5のように、設定画面において照明の変色の基準として車速度に対応付けるか否かをユーザが入力部8を通じて選択する(STEP401)。ここで、車速度に対応付けるを選択した場合には(YES)、車速度取得部6が車両の走行速度を取得し始める(STEP402)。
【0055】
そして、照明の変色基準を車速度に対応付けるを選択した上で、ユーザは、複数の色彩にて照明を可能とするバリアブルカラー機能の使用の有無を選択する(STEP403)。ユーザが、バリアブルカラー機能の使用を選択した場合には(YES)、バリアブルカラー機能に基づく照明の色彩が走行速度に応じた変更周期に設定される(STEP404)。この設定状況の下で、上記処理手順(1)のような車両の速度に応じて照明の変更周期を変化させる処理が行われることとなる。
【0056】
一方、STEP403において、ユーザが、バリアブルカラー機能の使用しないを選択した場合には(NO)、バリアブルカラー機能を用いた色彩が照明に適用されることもなく、デフォルト状態の照明の変更周期が適用されることとなる(STEP405)。なお、この状況下で改めて、ユーザが入力部8を通じてバリアブルカラー機能の使用を選択した場合には、車速度取得部6で車両の走行速度は取得されているため、STEP404のように、バリアブルカラー機能に基づく照明の色彩が走行速度に応じた変更周期に設定されることになる(例えば、走行速度が上がるにつれて変更周期を短くする)。
【0057】
また、STEP401において、ユーザが照明の変色の基準として定周期を選択した場合には(NO)、バリアブルカラー機能の使用の有無について選択する(STEP406)。ここで、ユーザが、バリアブルカラー機能の使用を選択した場合には(YES)、バリアブルカラー機能に基づく照明の色彩が走行速度とは無関係な定周期に設定されることになる(STEP407)。
【0058】
一方、ユーザが、バリアブルカラー機能の使用しないを選択した場合には(NO)、バリアブルカラー機能を用いた色彩が照明に適用されることもなく、デフォルト状態の照明の変更周期が適用されることとなる(STEP408)。
【0059】
[3.他の実施形態]
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されず、閾値設定手段11により設定する閾値が単数又は3つ以上の場合の実施形態も包含する。また、照明パターンは、照明の色彩や変更周期に限定されず、例えば照明が点滅するものでもよく、走行速度に対応付けて点滅ピッチが変化する実施形態も本発明は包含する。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施形態の構成を示す機能ブロック図
【図2】本発明の実施形態の作用を示すフローチャート(1)
【図3】本発明の実施形態の作用を示すフローチャート(2)
【図4】本発明の設定例を示すフローチャート
【図5】本発明の設定における表示画面例
【符号の説明】
【0061】
1…制御部
2…ダイナミックRAM(DRAM)
3…スタティックRAM(SRAM)
4…ROM
5…記憶部
6…車速度取得部
7…照明部
8…入力部
9…表示画面
11…閾値設定手段
12…車速度検出手段
13…速度判定部
14…照明パターン制御部
15…出力手段
M…メインメモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の走行速度に基づいて照明を行う車載用電子機器の照明装置であって、
車両の走行速度を検出する車速度検出手段と、
前記車速度検出部で検出した走行速度に応じて、照明パターンを変更する照明制御手段と、
前記照明制御手段により変更した照明パターンを出現させる照明部と、
を有することを特徴とする車載用電子機器の照明装置。
【請求項2】
前記照明制御手段は、前記車速度検出手段で検出した走行速度を所定の閾値と比較し、前記走行速度と前記閾値との大小関係に応じて、前記照明パターンを変更することを特徴とする請求項1に記載の車載用電子機器の照明装置。
【請求項3】
前記照明パターンは照明の変更周期であり、
前記照明制御手段は、前記車速度検出手段で検出した走行速度に応じて、前記照明の変更周期を変化させることを特徴とする請求項1又は2に記載の車載用電子機器の照明装置。
【請求項4】
前記照明パターンは照明の色相、明度、彩度のいずれか又は組み合わせたものであり、
前記照明制御手段は、前記車速度検出手段で検出した走行速度に応じて、前記照明の色相、明度、彩度のいずれか又は組み合わせたものを変化させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車載用電子機器の照明装置。
【請求項5】
前記照明部は、車載用オーディオ機器の表示画面を照明するものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車載用電子機器の照明装置。
【請求項6】
前記照明部は、前記車載用オーディオ機器の操作部を照明するものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車載用電子機器の照明装置。
【請求項7】
前記照明部は、車載用ナビゲーション装置の表示画面を照明するものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車載用電子機器の照明装置。
【請求項8】
前記照明部は、前記車載用ナビゲーション装置の操作部を照明するものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車載用電子機器の照明装置。
【請求項9】
前記閾値をユーザが自由に設定する閾値設定手段を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の車載用電子機器の照明装置。
【請求項10】
車両の走行速度に基づいて照明を行う車載用電子機器の照明装置の制御方法であって、
車両の走行速度を検出する車速度検出ステップと、
前記車速度検出ステップで検出した走行速度に応じて、照明パターンを変更する照明制御ステップと、を実行し、
前記照明制御ステップにより変更した照明パターンを照明部に出現させることを特徴とする車載用電子機器の照明装置の制御方法。
【請求項11】
前記照明制御手段ステップは、前記車速度検出ステップで検出した走行速度を所定の閾値と比較し、前記走行速度と前記閾値との大小関係に応じて、前記照明パターンを変更することを特徴とする請求項10に記載の車載用電子機器の照明装置の制御方法。
【請求項12】
前記照明パターンは照明の変更周期であり、
前記照明制御ステップは、前記車速度検出ステップで検出した走行速度に応じて、前記照明の変更周期を変化させることを特徴とする請求項10又は11に記載の車載用電子機器の照明装置の制御方法。
【請求項13】
前記照明パターンは照明の色相、明度、彩度のいずれか又は組み合わせたものであり、
前記照明制御ステップは、前記車速度検出ステップで検出した走行速度に応じて、前記照明の色相、明度、彩度のいずれか又は組み合わせたものを変化させることを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項に記載の車載用電子機器の照明装置の制御方法。
【請求項14】
前記照明部は、車載用オーディオ機器の表示画面を照明するものであることを特徴とする請求項10〜13のいずれか1項に記載の車載用電子機器の照明装置の制御方法。
【請求項15】
前記照明部は、前記車載用オーディオ機器の操作部を照明するものであることを特徴とする請求項10〜13のいずれか1項に記載の車載用電子機器の照明装置の制御方法。
【請求項16】
前記照明部は、車載用ナビゲーション装置の表示画面を照明するものであることを特徴とする請求項10〜13のいずれか1項に記載の車載用電子機器の照明装置の制御方法。
【請求項17】
前記照明部は、前記車載用ナビゲーション装置の操作部を照明するものであることを特徴とする請求項10〜13のいずれか1項に記載の車載用電子機器の照明装置の制御方法。
【請求項18】
前記閾値をユーザが自由に設定する閾値設定ステップを実行することを特徴とする請求項10〜17のいずれか1項に記載の車載用電子機器の照明装置の制御方法。
【請求項19】
車両の走行速度に基づいて照明を行う車載用電子機器の照明装置の制御プログラムであって、
このプログラムが照明装置に、
車両の走行速度を検出する車速度検出処理と、
前記車速度検出処理で検出した走行速度に応じて、照明パターンを変更する照明制御処理と、を実行させ、
前記照明制御処理により変更した照明パターンを照明部に出現させることを特徴とする車載用電子機器の照明装置の制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−87553(P2008−87553A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−268646(P2006−268646)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】