説明

転写装置

【課題】転写装置にクリーニング機構27を接触・離間する機構を備えていると共に、残留トナーを効率良くノ除去するための圧力を最適にすることができる転写装置を提供する。
【解決手段】中間転写ベルト24に担持したトナー像を用紙に転写する転写部25と、転写後に中間転写ベルト24の残存付着物を除去するクリーニング機構27と、中間転写ベルト24と接触して付着物を除去するクリーニングブレード41と、クリーニングブレード41を中間転写ベルト24に接触させる際の圧力を変更する圧力変更部と、クリーニングブレード41を中間転写ベルト24に接触させている使用累積時間が長くなるにつれてクリーニングブレード41の中間転写ベルト24への接触圧力を高くするように圧力変更部を制御する制御部70と、圧力変更部で変更した接触圧力のままクリーニングブレード41を中間転写ベルト24に接触させるロック爪47と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式の画像形成装置に用いられるトナー像を用紙に転写する転写装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電子写真方式の画像形成装置に用いられるトナー像を用紙に転写する転写装置には、転写装置上に付着している未転写等の残留トナーをクリーニングするためのクリーニング機構を備えたものが周知である。
【0003】
また、このクリーニング機構は、使用に伴って経年的に劣化し、転写装置上の残留トナーを十分に除去することができなくなり、画像劣化の要因となってしまう。
【0004】
そこで、転写装置とクリーニング機構とを離間する機構を配置し、残留トナーを除去するときのみ転写装置にクリーニング機構を接触させることでクリーニング機構の劣化を軽減することが考えられる。
【0005】
例えば、転写ベルト上に形成されたトナー像としての調整パターンの濃度を検知するセンサと、転写ベルトの表面に接触して調整パターンを掻き込み除去するブレードと、このブレードを常時は転写ベルト上に接触させると共にセンサの検知結果によってブレードを転写ベルト上から離間させる機構(ブレード離間機構)と、画像形成処理中に転写ベルトと感光体とを離間させる機構(感光体離間機構)と、を配置すると共に、これらブレード離間機構と感光体離間機構とを単一のクラッチによって連繋させたものが既に知られている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、今までのクリーニング機構では、転写ベルトにクリーニング機構を接触させる圧力は、一定であり、クリーニング機構の劣化状態や、転写ベルトに付着している残留トナー量に対して最適ではなかった。
【0007】
具体的には、トナー転写中の用紙が紙詰まり(ジャム)してしまった場合、転写途中の用紙は取り除かれることから、転写ベルト上に付着した未転写のトナーは大量な残留トナーとなってしまう。
【0008】
したがって、このような大量に残留トナーが発生している状況で、クリーニング機構が使用に伴う経年劣化によりクリーニングカが低下していると、用紙ジャムが発生しなかった場合に比べて残留トナーの除去は非常に困難となってしまう。
【0009】
このように、クリーニング機構は、その劣化状態によって残留トナーの除去率が変化すると共に、残留トナーのトナー量によっても除去率は変化する。
【0010】
しかしながら、上述したように、転写ベルトへのクリーニング機構の接触圧力が一定であると、クリーニング機構が劣化していない状況であっても残留トナー量が大量である場合には十分に除去し得ず、クリーニング機構が劣化している状況であれば残留トナー量が少量であっても十分に除去し得ず、転写ベルトに付着した残留トナーの清掃不良によって画像劣化が生じるという問題があった。
【0011】
そこで、本発明は、転写装置にクリーニング機構を接触・離間する機構を備えていると共に、残留トナーを効率良く除去するための圧力を最適にすることができる転写装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明の転写装置トナー像を担持する像担持体と、担持したトナー像を用紙に転写する転写部と、転写後に前記像担持体に残存した付着物を除去するクリーニング機構と、を備えた転写装置において、前記クリーニング機構は、前記像担持体と接触して付着物を除去するクリーニング部材と、前記クリーニング部材を前記像担持体に接触させる際の圧力を変更する圧力変更部と、前記クリーニング部材を前記像担持体に接触させている累積使用時間が長くなるにつれて前記クリーニング部材の前記像担持体への接触圧力を高くするように前記圧力変更部を制御する制御部と、前記圧力変更部で変更した接触圧力のまま前記クリーニング部材を前記像担持体に接触させる固定部と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
本発明の転写装置は、前記圧力変更部は、前記クリーニング部材を前記像担持体から離間させる離間機構部と、前記クリーニング部材を前記像担持体に接触させる接触機構部と、を備え、前記固定部は、前記接触機構部によって前記クリーニング部材を前記像担持体に所定の接触圧力で接触させた後に、その接触圧力のまま前記クリーニング部材を前記像担持体に接触固定することを特徴とする。
【0014】
本発明の転写装置は、前記接触機構部は、前記クリーニング部材が離間位置から所定接触圧力で前記クリーニング部材が前記像担持体に接触するまで前記像担持体又は前記転写部の駆動機構の動力を利用して前記クリーニング部材を駆動させる動力部を備えていることを特徴とする。
【0015】
本発明の転写装置は、前記圧力変更部は、前記クリーニング部材の前記像担持体への接触圧力を、前記クリーニング部材が離間している位置から停止するまでの時間で変更することを特徴とする。
【0016】
本発明の転写装置は、前記離間機構部は、前記固定部を解除することによって前記クリーニング部材を前記像担持体から離間させることを特徴とする。
【0017】
本発明の転写装置は、前記制御部は、前記転写部よりも下流側の前記像担持体に付着している残留トナー量を推定すると共に、その残留トナー量が多くなるにつれて前記クリーニング部材の前記像担持体への接触圧力を高くするように前記圧力変更部を制御することを特徴とする。
【0018】
本発明の転写装置は、前記制御部は、前記像担持体に付着している残留トナー量を、前記像担持体にトナー像を担持させるための印字データから推定することを特徴とする。
【0019】
本発明の転写装置は、前記制御部は、前記像担持体に付着している残留トナー量を、前記転写部よりも下流側で前記クリーニング機構よりも上流側に配置された濃度読取センサからの検出結果から推定することを特徴とする。
【0020】
本発明の転写装置は、前記クリーニング部材の前記像担持体への接触圧力を手動で設定又は変更する操作部を備え、前記制御部は、前記換作部で設定又は変更された接触圧力に応じた圧力となるように前記圧力変更部を制御することを特徴とする。
【0021】
本発明の転写装置は、前記制御部は、前記クリーニング機構の使用累積時間が一定以上に達した場合に、前記クリ∵ニング機構のメンテナンスを促すための報知部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明の転写装置は、転写装置にクリーニング機構を接触・離間する機構を備えていると共に、残留トナーを効率良く除去するための圧力を最適にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態に係る転写装置を搭載した画像形成装置の説明図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る転写装置を搭載した画像形成装置を示し、ハードウェア構成例のブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る転写装置を搭載した画像形成装置を示し、機能ブロック構成例のブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る転写装置を示し、転写装置の要部の説明図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る転写装置を示し、(A)はクリーニングブレードの累積使用時間と固定圧力との関係を示すグラフ図、(B)はクリーニングブレードの累積使用時間と像担持体に付着した付着物を除去するために必要な接触圧力との関係を示す図表である。
【図6】本発明の一実施形態に係る転写装置を示し、(A)は残留トナー量と固定圧力との関係を示す説明図、(B)は残留トナー量と固定圧力との関係を示す図表である。
【図7】本発明の一実施形態に係る転写装置を示し、印刷途中でジャム発生した際のクリーニング動作を模式的に示す説明図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る転写装置を示し、クリーニング実施時におけるクリーニング機構の各制御信号についてのタイミング図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る転写装置を搭載した画像形成装置におけるクリーニング動作の制御フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、本発明の実施の形態を説明する。本発明は、転写装置とクリーニング装置のクリーニング処理に際して、以下の特徴を有する。
【0025】
要するに、転写ベルト上に付着しているトナー量とクリーニング装置使用時間を算出し、転写ベルトとクリーニング装置を接する際の圧力を求め、最適な圧力となるようにクリーニング装置の制御を行うことが特徴になっている。
【0026】
上記記載の本発明の画像形成装置の特徴について、画像形成装置としてのフルカラーのプリンタに適用し、以下の図面を用いて詳細に解説する。尚、以下に示す実施例は本発明の転写装置における好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定を付している場合もあるが、本発明の技術範囲は、特に本発明を限定する記載がない限り、これらの態様に限定されるものではない。また、以下に示す実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、かつ、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、以下に示す実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【0027】
(全体構成)
図1は本発明の一実施形態に係る転写装置を搭載した画像形成装置の説明図である。
【0028】
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る画像形成装置としてのタンデム方式のカラープリンタ11は、プリンタ本体12の内部に、用紙Pを収納した用紙トレイ13と、用紙トレイ13から用紙Pを取り出す給紙部14と、用紙トレイ13から供給された用紙Pに画像形成処理を行う作像部15と、画像形成処理後の用紙Pを排出トレイ16に向けて排出する排紙部17と、を備えている。尚、給紙部14から作像部15を経由して排紙部17で排紙される用紙Pは、用紙搬送経路18に配置された複数の搬送ローラ対や搬送ガイド(共に図示せず)によって搬送されると共に、その中途部でのジャムがスイッチ等のジャムセンサ(図示せず)によって検出される。
【0029】
(給紙部14)
給紙部14は、用紙トレイ13に収納された用紙Pを最上位のものから1枚毎に取り出す給紙ローラ19と、用紙Pが給紙された(取り出された)かを確認するためのレジストセンサ20と、用糸氏Pを用紙搬送経路18の下流側に向けて搬送する搬送ローラ対21と、を備えている。この搬送ローラ対21は、作像部15へと搬送する用紙Pを突き当て整合するレジストローラ対を兼ねている。
【0030】
(作像部15)
作像部15は、本発明に係る転写装置を構成しており、例えば、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のトナー(現像剤)を用いて画像形成処理を行うタンデム方式が採用されている。また、作像部15は、各色(Y,M,C,K)毎に対応したトナーを収納した複数のトナーカートリッジ(図示せず)と、図示を略するパーソナルコンピュータから送信された印刷データに含まれる画像データに基づいてトナーカートリッジから供給された各色トナーで複数の感光体ドラム22に各色トナーを供給する複数の現像器23と、感光体ドラム22に形成したトナー像を一次転写する無端状の中間転写ベルト24と、中間転写ベルト24に一次転写したトナー像を給紙部14から搬送された用紙Pに二次転写する転写部25と、中間転写ベルト24に一次転写したトナー像のトナー濃度を読み取る濃度読取センサ26と、中間転写ベルト24の残留トナーを除去するためのクリーニング機構27と、クリーニング機構27で除去した残留トナーを回収するトナー回収ボックス28と、を備えている。
【0031】
各感光体ドラム22は、その表面にLD装置29から出射されたLD光に基づいて各色のトナー像を担持して中間転写ベルト24にトナー像を一次転写するためのものであり、現像器23と共に中間転写ベルト24の下方に配置されている。また、各感光体ドラム22の上方には、中間転写ベルト24を挟んで一次転写ローラ30が配置されている。尚、感光体ドラム22の周囲には、帯電器(図示せず)、LD装置29、現像器23、一次転写ローラ30、除電器(図示せず)が転写プロセス順に配置されている。
【0032】
各現像器23は、基本的に同一構成のものが中間転写ベルト24の下方に回動移動方向に沿って隣接配置されている。尚、現像器23の詳細な構成の説明は省略する。
【0033】
像担持体としての中間転写ベルト24は、プリンタ本体12内で水平方向に延びて配置された無端ベルトであり、画像形成動作に伴って循環駆動される。また、中間転写ベルト24に一次転写されたトナー像は、用紙トレイ13から用紙搬送経路18を通って搬送されてきた用紙Pに対し転写部25で転写する。また、中間転写ベルト24は、複数のローラ31,32,33の間に回動移動可能に架設され、例えば、ローラ31を駆動ローラ、ローラ32を従動ローラ、ローラ33をテンションローラとすることで緊張状態が維持されている。
【0034】
転写部25は、中間転写ベルト24のテンションローラであるローラ33と対を成す二次転写ローラ34を備え、ローラ33のテンションと中間転写ベルト24の回動移動とによって二次転写ローラ34を回転させつつ用紙Pをニップ搬送し、このニップ搬送時に用紙Pにトナー像を転写する。尚、各ローラ31,32,33の駆動・従動・テンション機能は限定されるものではないが、ローラ33を駆動ローラ又は従動ローラとした場合には二次転写ローラ34にテンション機構を設けて中間転写ベルト24に向けて加圧する必要がある。
【0035】
LD装置29は、パーソナルコンピュータから送信された印刷データを処理する。ここでの印刷データとは、カラープリンタ11の機能に応じたデータであり、例えば、画質、印刷枚数、印刷処理順(ページ先頭順等)、印刷部数、拡大縮小率(2i nl等を含む)等の他、トナー像形成用の画像データを含むものとする。これにより、LD装置29は、その画像データに応じてLD光を生成した後、感光体ドラム22にLD光を照射する。
【0036】
濃度読取センサ26は、用紙Pに転写後の中間転写ベルト24に残留したトナー像の濃度を検出する。尚、濃度読取センサ26の具体的な機能は後述する。
【0037】
クリーニング機構27は、用紙Pに転写後の中間転写ベルト24に残留トナーを掻き取ると共にトナー回収ボックス28に掻き取った残留トナーを搬送する。尚、クリーニング機構27の具体的な構成は後述する。
【0038】
(排出部16)
排出部16は、転写部25でトナー像を転写した用紙Pを定着部35で定着した後、用紙搬送経路18の終端部に配置された排紙ローラ対36でニップ搬送して排出トレイ16に排紙する。また、排出部16は、排出トレイ16に定着後の用紙Pが排出されたかを排紙センサ37で監視する。尚、排紙センサ37は、その排紙を検出することにより、ジャム検知機能の他、例えば、次の用紙Pへの印刷開始(給紙開始)のトリガー信号や、慮面印刷時のスイッチバック信号等に供することも可能である。
【0039】
定着部35は、加圧ローラ38と加熱ローラ39とを備え、加熱ローラ39の内部にはハロゲンヒータ等の加熱ヒータ40が設けられている。そして、この加熱ヒータ40の過熱によって、各ローラ38,39でニップ搬送しつつ、トナー像を用紙Pに定着する。
【0040】
ところで、上述したカラープリンタ11では、中間転写ベルト24を用いた中間転写方式(タンデム方式)を採用したが、直接転写方式でもよい。この際、クリーニング機構27は、直接転写方式では、用紙Pを搬送する搬送ベルト上に設置される。
【0041】
(ハードウェア構成例)
次に、図2に基づいて、カラープリンタ11のハードウェア構成例について説明する。図2において、カラープリンタ11は、プリンタ本体12に設置された操作パネル51と、プリンタ本体12の内部に設置された回路ユニット(回路基板)に設けられたCPU52と、CPU52で実行するプログラムを格納した読み出し専用の半導体メモリであるROM53と、電気的に消去(書き換え)できる半導体メモリであり、プリンタ本体12の電振OFFでもデータは消去されないEEPROM54と、任意のアドレスを措定して読み書きすることが可能な半導体メモリであるRAM55と、カラープリンタ11が印刷する画像データを格納し、印刷が開始される際に実際に書き出したデータ量を保存し、印刷終了時やプリンタ本休12の電源OFF時にデータが消去される画像メモリ56と、上述した各種センサを含むセンサや駆動系(モータやクラッチ等)の電装品の入出力を制御するI/057と、カラープリンタ11に印刷要求を行う端末(パーソナルコンピュータ)とのインターフェースである外部インターフェース(I/F)58と、を備えている。
【0042】
操作パネル51は、カラープリンタ11を利用するユーザーがカラープリンタ11の状態把握や動作変更する際に用いる。尚、操作パネル11は、パーソナルコンピュータによる操作も含むものとする。
【0043】
CPU52は、画像形成処理に関するプログラム命令を解釈し画像形成処理を実行することができる。また、本発明に関わるクリーニング機構27を制御する。
【0044】
EEPROM54には、画像形成処理を含むカラープリンタ12が駆動するためのプログラム全体が格納されていると共に、本発明のクリーニング機構27を制御するためのプログラムが格納されている。
【0045】
外部インターフェース58としては、例えば、シリアルケーブル接続、US Bケーブル接続、ネットワーク接続等、の接続方式に対応している。また、カラープリンタ11がFAX機能を備えた複合機であった場合、この外部インターフェース58には電話回線接続等の接続方式にも対応している。
【0046】
(機能ブロック構成)
次に、図3に基づいて、カラープリンタ11の機能ブロック構成について説明する。この図3に示した構成は、上述したハードウェア構成を用いた処理を実行するものであり、上述した物理的な構成とは別に説明する。
【0047】
カラープリンタ11は、カラープリンタ11に印刷要求を行う端末(パーソナルコンピュータ等)と相互通信を行う外部インタフェース部61と、カラープリンタ11に印刷要求を行う端末から送信された画像データを格納する画像メモリ部63と、カラープリンタ11に要求された印刷ジョブに対して印刷処理を行う順番を管理するプリントジョブ管理部65と、画像メモリ部62に格納されている画像から電子写真方式によりトナー画像の作成・転写・印刷位置ずれ補正等を行う作像プロセス部62と、作像プロセス部62によりトナー画像を転写した用紙Pに熱と圧力を加えてトナー画像を用紙に定着する定着部66と、カラープリンタ11の状態を表示やカラープリンタ11への命令等の入力を受け付ける操作部64と、ある時点におけるカラープリンタ11の状態を記憶する記憶部69と、用紙P上の印字情報を電気信号に変換する読取部67と、クリーニング機構27のブレード使用累積時間をカウントして記憶部67に記憶させるタイマ69と、CPU52を用いてこれら各ブロックのr連の動作を制御する制御部70と、を備えている。
【0048】
(クリーニング機構27)
次に、図4に基づいて本発明のクリーニング機構27の具体的な構成例について説明する。尚、クリーニング機構27の設置位置は、例えば、後述するジャム検知時等における復帰クリーニング専用に用いる場合には図1に示すように、転写部25よりも上流側等の空きスペースを利用して配置することができる。また、転写後の残留トナーを含めたクリーニングを行う場合には、後述する図7に示した位置等、転写部25よりも下流側で一次転写よりも上流側に配置するのが好ましい。
【0049】
クリーニング機構27は、中間転写ベルト24を挟んでローラ32に対向して配置され先端が中間転写ベルト24に接触するクリーニング部材としてのクリーニングブレード41と、中間転写ベルト24に対するクリーニングブレード41の接触圧力を変更する圧力変更部42とを備えている。
【0050】
クリーニングブレード41は、中間転写ベルト24の表面を傷付けない程度の硬度と弾性とを有する部材(例えば、硬質ゴム)が用いられており、その先端は常時は中間転写ベルト24と非接触である。
【0051】
圧力変更部42は、中間転写ベルト24に対してクリーニングブレード41の先端が離間する方向に付勢された複数の分離ばね43と、クリーニングブレード41を回転させる従動ギア44と、従動ギヤ44が噛み合わされて中間転写ベルト24を回動移送させるために駆動回転(又は駆動回転)するローラ31の駆動機構と連繋された駆動ギヤ45と、駆動ギヤ45の回転を従動ギヤ44に伝達するためのクラッチ46と、中間転写ベルト24の回動移動に伴ってクリーニングブレード41に発生する負荷によって従動ギヤ44が不測に回転しないように回転をロックするロック爪47と、を備えている。
【0052】
クリーニングブレード41の先端の中間転写ベルト24への接触圧力は、図示しない駆動機構によって駆動ギヤ45が回転してローラ31が駆動回転し、中間転写ベルト24が回動移動している状態で、図示しないソレノイド等を駆動させてロック爪47と従動ギヤ44との係合(ロック状態)を解除したうえで、クラッチ46を介して駆動ギヤ45の回転を従動ギヤ44に伝達することで加圧方向に調整される。
【0053】
したがって、適宜加圧状態でロック爪47を従動ギヤ44に係合させれば、その加圧力のままクリーニングブレード41により中間転写ベルト24に付着した残留トナーが除去される。また、ロック爪47と従動ギヤ44との係合(ロック状態)を解除すると共にクラッチ46の連繋を解除すれば、クリーニングブレード41の先端は分離ばね43の付勢によって中間転写ベルト24から離間する。尚、これらの機構を排紙し、クリーニングブレード41の先端をソレノイドやパルスモータ駆動によって回動させ、中間転写ベルト24への加圧力を調整することも可能である。
【0054】
さらに、クリーニングブレード41で掻き取った残留トナーは、クリーニングブレード41の先端下方に配置された樋状のトナー受け48に落下し、スパイラル49によって軸線方向に沿って搬送された後、トナー回収ボックス28に回収される。トナー回収ボックス28は、交換可能にプリンタ本体12に設置されている。
【0055】
尚、クリーニングブレード41の動作タイミングとしては、中間転写ベルト24の付着物(残留トナーや用紙Pの紙片・紙粉等)を除去するタイミングで指定した圧力で中間転写ベルト24に接触・固定され、付着物の除去が終了したら中間転写ベルト24への接触を解除する。クリーニングブレード24の先端の中間転写ベルト24への接触圧力は、濃度読取センサ26で読み取った単位面積当たりの残留トナー濃度から中間転写ベルト24の残留トナー量や、クリーニングブレード41の累積使用時間に応じで予め設定された経年劣化量から、所定のアルゴリズム、即ち、EEPROM54に格納されたクリーニング機構制御プログラムにしたがって制御部70が演算処理し、クラッチ46やロック爪47を制御する。
【0056】
図5は、クリーニングブレード41の累積使用時間(稼働時間)と中間転写ベルト24の付着物を除去(クリーニング)するために必要な接触圧力との関係(圧力テーブルA)を示す。図5において、固定圧力とはクリーニングブレード41を中間転写ベルト24に固定する圧力(接触圧力)、累積使用時間とはクリーニングブレード41を中間転写ベルト24に固定してクリーニングした時間(接触時間)の累積である。
【0057】
この図で明らかなように、累積使用時間が増大するにつれてクリーニングするのに必要な固定圧力は増大させる必要がある。これは、クリーニングブレード41の先端が経年劣化(磨耗等)することが主な原因となっている。したがって、累積使用時間に応じて適切な固定圧力を決めるために、たとえば、累積使用時間と固定圧力とクラッチON時間とを関係づけた圧力テーブルAを使用する。これは、累積使用時間と圧力との関係から、圧力を加えるためのクラッチON時間が決められる。
【0058】
たとえば、累積使用時間が365日の場合、固定圧力は3.2N必要となるため、クラッチ46を40ms時間ONするように制御する。尚、圧力テーブルAはEEPROM54に格納される。
【0059】
図6は、中間転写ベルト24の残留トナー量とその残留トナーを除去するために必要な圧力との関係(圧力テーブルB)について示す。
【0060】
図6において、固定圧力とはクリーニングブレード41を中間転写ベルト24に固定する圧力のことで、中間転写ベルト24の残留トナー量が多くなるにつれてクリーニングに必要な固定圧力が増す傾向にある。
【0061】
したがって、中間転写ベルト24の残留トナー量に応じて適切な固定圧力を決めるために、たとえば、残留トナー量と追加固定圧力とクラッチON時間とを関係づけた圧力テーブルBを使用する。これは、残留トナー量と追加固定圧力の関係から、圧力を加えるためのクラッチON時間が決められる。
【0062】
たとえば、残留トナー量が80mgの場合、追加固定圧力は0.5N必要となるため、クラッチ46を2m s時間ONするように制御する。この追加固定圧力は、図5の説明での累積使用時間に応じた圧力に追加して必要となるため、図5で求めたクラッチON時間に加えて、残留トナー量から求めたクラッチON時間分動作させる。
【0063】
図7は、印刷途中でのジャム発生時のクリーニング動作を模式的に示す。画像形成処理時(印刷時)において、カラープリンタ11は、各用紙Pの搬送を含めた画像形成処理に関する駆動系の各モータ信号をONし、印刷が開始できる状態に立ち上げ動作(ウォームアップ)を行う。各感光体ドラム22は図示しない帯電器によって帯電された状態にあり、中間転写ベルト24と二次転写ローラ34とが所定の回転速度で同期して回転している。
【0064】
パーソナルコンピュータから印刷データが送られてくると、LD装置29から照射されたLD光によって対応する感光体ドラム22が露光され、現像器23から感光体ドラム22にトナーが付着し、トナー像が形成される。そのトナー像は中間転写ベルト24に一次転写され、転写部25で用紙Pに二次転写される。尚、中間転写ベルト24に一次転写されたトナー像は、全ての感光体ドラム22からトナー像が一次転写されているとしたならば、中間転写ベルト24の回動移動方向の最上流に位置する感光体ドラム22から転写部25のニップ部に至る範囲(一次転写区間)において形成される(中間転写ベルト24のベルト長と用紙Pのサイズとの関係を不問とした場合)。
【0065】
この二次転写の途中でジャムが発生すると、動作中のすべてのデバイスが即時停止し、プリンタ本体12の全体駆動が停止する。
【0066】
図7では、その二次転写途中で用紙Pがジャムして停止した状態を示す。用紙Pの転写部25のニップ部よりも図示上方にはトナー像が転写されており、転写部25のニップ部よりも回動移動方向上流側の中間転写ベルト24には未転写のトナー像が形成されている。また、転写部25のニップ部よりも下流側でクリーニングブレード41よりも上流側の範囲(クリーニング到達区間)の中間転写ベルト24には、残留トナーが付着している。
【0067】
ジャムが発生してマシン停止した後は、カラープリンタ11のユーザにジャム処理を促すように操作部64やパーソナルコンピュータに警告が表示されるため、ユーザはその警告により転写途中の用紙Pを除去する作業を行う。カラープリンタ11は、用紙Pが取り除かれたことにより、正面カバー(図示せず)やジャム用紙の除去などを検知して復帰処理動作に移行する。
【0068】
この復帰処理動作では、上述した各モータ等をONし、中間転写ベルト24、二次転写ローラ34、感光体ドラム22等を動作させて復帰クリーニング処理を行う。
【0069】
クリーニング機構27は、決められた圧力に応じて、クリーニングブレード41を中間転写ベルト24に固定する。クリーニング機構27の固定タイミングは、クリーニング到達区間の距離と中間転写ベルト24の搬送速度とから求めることができ、ジャム解除後の復帰から所定時間経過後に圧力をかけることで、クリーニングを行うことができる。クリーニングブレード41の固定圧力については、クリーニングブレード41の累積使用時間(圧力テーブルB)と、感光体ドラム22よりも下流側に付着している一次転写時のトナー像のトナーとから最適な圧力を決める。尚、この一次転写時のトナー像のトナー量は、画像メモリ部2に格納された画像データ量(又はLD装置29)で算出してもよし、センサで検出しても良い。また、画像転写時にはクリーニングブレード41の先端は中間転写ベルト24に接触している状態にあるが、この際の接触圧力は残留トナー量は最低レベルの状態で設定(固定)されていることから、復帰クリーニングには、残留トナー量が膨大に増えると想定されることから、接触圧力を単に追加しても良いし、一旦、離間させたうえで再度接触させてもよい。
【0070】
転写部25とクリーニングブレード41との間に配置された濃度読取センサ26で読み取った信号から、制御部70は中間転写ベルト24に付着している残留トナー量を算出(推定)する。尚、濃度読取センサ26が配置されていない場合やジャム後の復帰のためのクリーニング時においては、残留トナー量については、画像メモリ部63に格納された画像データ量から単位面積(又はライン)あたりのトナー付着量を推定する。
【0071】
ジャム発生時以外の調整パターンの形成時やトナーを一定時間輩出してクリーニングする処理などのクリーニング動作時においては、各パターン形成時点からクリーニング機構27に到達するまでの時間経過後、クリーニングブレード41の圧力を加える。
【0072】
図8は、クリーニング実施時におけるクリーニング機構27の各制御信号についてのタイミングについて示す。
【0073】
図8に示すように、クリーニング実施時には、クリーニングブレード41の先端を決められた圧力になるように中間転写ベルト24に固定する。たとえば、ジャム処理後に復帰する際には、二次転写ローラ34を回転させる駆動モータのモータ信号をON(二次転写ローラ34が駆動ローラの場合)する。又は、中間転写ベルト24の駆動モータのモータ信号をONする。そして、駆動モータのモータ信号がONになってから一定期間(Tl)経過後に転写部25から中間転写ベルト24の残留トナーがクリーニング機構27に到達する。
【0074】
この到達時間には、クリーニングブレード41を固定するため必要な回転時間(T2)を考慮して、実際の到達時間より短く設定する。一定期間時間(Tl)が経過したら、クラッチ信号をONし、クリーニングブレード41を回転させ、中間転写ベルト24に押し付ける。
クリーニングブレード41の回転時間(T2)は、決められた圧力に応じて可変する。求める圧力に到達したら、クラッチ信号をOFFし、ソレノイド信号をONする。ソレノイド信号がONされるとロック爪47がクリーニングブレード41を回転させる従動ギア44を固定し、クリーニングブレード41が中間転写ベルト24にかける圧力を一定にする。固定期間(T3)は、クリーニング期間であり、ジャム時には、トナー像が転写されている区間に応じた時間になり、調整パターンのクリーニングの際には、中間転写ベルト24の回動移動の1周分に相当する。固定期間(T3)が経過したら、ソレノイド信号をOFFにしてギアの固定を解除する。クリーニングブレード41は、固定が解除されると分離ばね43の付勢により持ち上げられ、クリーニングブレード41と中間転写ベルト24との固定が解除される。
【0075】
図9は、クリーニング動作における制御部70の制御フローを示す。尚、以下のルーチンは、ジャム発生後の復帰時や調整パターン描写後などの要因により、クリーニングを開始するタイミング以降の場合で説明する。
【0076】
(ステップSl)
ステップSlでは、制御部70は、タイマ68でカウントして記憶部69に記憶したブレード使用累積時間を記憶部69から取得してステップS2へと移行する。
【0077】
(ステップS2)
ステップS2では、制御部70は、ジャム発生要因によるクリーニングであるか否かが確認され、例えば、ジャムセンサのジャム検知、正面カバーの開放・開成検知、ジャムセンサの解除検知、の組み合わせがあった場合にはジャム発生・解除がなされたとしてジャム発生要因と判定し、ステップS3へと移行する。また、このジャム発生要因でない場合にはステップS4へと移行する。
【0078】
(ステップS3)
ステップS3では、制御部70は、中間転写ベルト24の残留トナー量を濃度読取センサ26からの検出信号や画像メモリに格納されたデータ量から推定し、ステップS6へと移行する。
【0079】
(ステップS4)
ステップS4では、制御部70は、ジャム発生要因ではないことから、調整パターン描写を行った直後であるか否かが判定され、調整パターン描写を行った直後である場合にはステップS5へと移行し、ジャム発生後でも調整パターン描写後でも無い場合、例えば、電源ON直後などの中間転写ベルト24の状態がわからない場合には何も行わずにステップS6へと移行する。
【0080】
(ステップS5)
ステップS5では、制御部70は、調整パターン描写を行ったことによるトナーパターンをクリーニングする場合、調整パターンに応じたトナー量を算出してステップS6へと移行する。
【0081】
(ステップS6)
ステップS6では、制御部70は、ステップSlで取得したブレード使用累積時間(圧力テーブルA)と残留トナー量(テーブルB)とからブレード固定圧力を算出し、ステップS7へと移行する。
【0082】
(ステップS7)
ステップ7では、制御部70は、ステップS6までで求めた値からブレード固定圧力を算出してステップS8へと移行する。
【0083】
(ステップS8)
ステップS8では、制御部70は、ステップS7で求めたブレード固定圧力値から、クラッチ46のON時間を算出・決定してステップS9へと移行する。尚、制御部70は、操作部66によりユーザが圧力の設定を直接行っていた場合には、その値を反映する。
【0084】
(ステップS9)
ステップS9では、制御部70は、中間転写ベルト24のトナー像がクリーニング機構27に到達するタイミングでクラッチONを行い固定を開始し、ステップS8で算出したクラッチON時間が経過したか否かが監視され、クラッチON時間が経過した場合にはステップSl Oへと移行し、クラッチON時間が経過していない場合には引き続きこのルーチンを監視する。
【0085】
(ステップSl O)
ステップSl Oでは、制御部70は、クラッチON時間の経過に伴い、クラッチ信号をOFFしてステップSllへと移行する。
【0086】
(ステップSll)
ステップsllでは、制御部70は、クラッチ信号OFFに連動してソレノイド信号をONにしてロック爪47を従動ギヤ44に係合させ、クリーニングブレード41の圧力を固定してステップS12へと移行する。
【0087】
(ステップS12)
ステップS12では、制御部70は、クリーニング時間が経過したか否かが監視され、クリーニング時間が経過した場合にはステップS13へと移行し、クリーニング時間が経過していない場合には引き続きこのルーチンを監視する。
【0088】
(ステップS13)
ステップS13では、制御部70は、ソレノイド信号をOFFにし、ロック爪47の従動ギヤ44との係合を解除して分離ばね43の付勢によってクリーニングブレード41の先端を中間転写ベルト24から分離させて(固定を解除して)ステップS14へと移行する。
【0089】
(ステップS14)
ステップS14では、制御部70は、タイマ68のカウントにより、固定していた時間をブレード使用累積時間に加算し、記憶部69に記憶したブレード使用累積時間を更新してステップS15へと移行する。
【0090】
(ステップS15)
ステップS15では、制御部70は、更新したブレード使用累積時間から予め設定されたクリーニングブレード41の寿命を確認し、クリーニングブレード41の寿命に達したと判定した場合にはステップS16へと移行し、更新したブレード使用累積時間が寿命に達していない場合にはこのルーチンを終了する。
【0091】
(ステップS16)
ステップS16では、制御部70は、クリーニングブレード41が寿命に達してたことにより、メンテナンス表示等によってクリーニングブレード41の交換をユーザーに報知してこのルーチンを終了する。
【0092】
このように、本発明の転写装置にあっては、中間転写ベルト24上に付着しているトナー量とクリーニング装置使用時間を算出し、中間転写ベルト24とクリーニング装置を接する際の圧力を求め、最適な圧力となるようにクリーニング装置の制御を行うので、転写装置にクリーニング機構27を接触・離間する機構を備えていると共に、残留トナーを効率良く除去するための圧力を最適にすることができる。
【符号の説明】
【0093】
11 カラープリンタ(画像形成装置)
15 作像部(転写装置)
24 中間転写ベルト(像担持体)
26 濃度読取センサ
41 クリーニングブレード(クリーニング部材)
42 圧力変更部
43 分離ばね(離間機構部)
44 従動ギヤ(接触機構部)
45 駆動ギヤ(動力部)
46 クラッチ(動力部)
47 ロック爪(固定部)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0094】
【特許文献1】特開2006−215588号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像を担持する像担持体と、担持したトナー像を用紙に転写する転写部と、転写後に前記像担持体に残存した付着物を除去するクリーニング機構と、を備えた転写装置において、
前記クリーニング機構は、前記像担持体と接触して付着物を除去するクリーニング部材と、前記クリーニング部材を前記像担持体に接触させる際の圧力を変更する圧力変更部と、前記クリーニング部材を前記像担持体に接触させている使用累積時間が長くなるにつれて前記クリーニング部材の前記像担持体への接触圧力を高くするように前記圧力変更部を制御する制御部と、前記圧力変更部で変更した接触圧力のまま前記クリーニング部材を前記像担持体に接触させる固定部と、を備えたことを特徴とする転写装置。
【請求項2】
前記圧力変更部は、前記クリーニング部材を前記像担持体から離間させる離間機構部と、前記クリーニング部材を前記像担持体に接触させる接触機構部と、を備え、
前記固定部は、前記接触機構部によって前記クリーニング部材を前記像担持体に所定の接触圧力で接触させた後に、その接触圧力のまま前記クリーニング部材を前記像担持体に接触固定することを特徴とする請求項1に記載の転写装置。
【請求項3】
前記接触機構部は、前記クリーニング部材が離間位置から所定接触圧力で前記クリーニング部材が前記像担持体に接触するまで前記像担持体又は前記転写部の駆動機構の動力を利用して前記クリーニング部材を駆動させる動力部を備えていることを特徴とする請求項2に記載の転写装置。
【請求項4】
前記圧力変更部は、前記クリーニング部材の前記像担持体への接触圧力を、前記クリーニング部材が離間している位置から停止するまでの時間で変更することを特徴とする請求項2又は3に記載の転写装置。
【請求項5】
前記離間機構部は、前記固定部を解除することによって前記クリーニング部材を前記像担持体から離間させることを特徴とする請求項2から4の何れか1項に記載の転写装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記転写部よりも下流側の前記像担持体に付着している残留トナー量を推定すると共に、その残留トナー量が多くなるにつれて前記クリーニング部材の前記像担持体への接触圧力を高くするように前記圧力変更部を制御することを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の転写装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記像担持体に付着している残留トナー量を、前記像担持体にトナー像を担持させるための印字データから推定することを特徴とする請求項6に記載の転写装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記像担持体に付着している残留トナー量を、前記転写部よりも下流側で前記クリーニング機構よりも上流側に配置された濃度読取センサからの検出結果から推定することを特徴とする請求項6に記載の転写装置。
【請求項9】
前記クリーニング部材の前記像担持体への接触圧力を手動で設定又は変更する操作部を備え、前記制御部は、前記操作部で設定又は変更された接触圧力に応じた圧力となるように前記圧力変更部を制御することを特徴とする請求項6に記載の転写装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記クリーニング機構の使用累積時間が一定以上に達した場合に、前記クリーニング機構のメンテナンスを促すための報知部を有することを特徴とする請求項1から9の何れか1項に記載の転写装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−155101(P2012−155101A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−13468(P2011−13468)
【出願日】平成23年1月25日(2011.1.25)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】