説明

農作業機

【課題】 エンジン振動が伝動機構に伝達されることを抑制し、伝動機能を十分に発揮できる農作業機を提供する。
【解決手段】 エンジン4から静油圧式無段変速装置5への伝動系を構成するに、エンジン出力軸4Aから二つのユニバーサルジョイント19A、19Bを介して、そのエンジン出力軸4Aと同一軸芯上に配置したエンジン出力プーリ12の入力ボス部17Cに動力伝達可能に構成してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジン出力軸を介して他の変速装置に動力伝達する農作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
エンジン出力軸には出力回転体としての出力プーリを直接取り付けるとともに、伝動下手側の静油圧式無段変速装置の入力軸に入力プーリを取付け、両プーリに亘って伝動ベルトを巻回して、エンジンから静油圧式無段変速装置への動力伝達を行っていた(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−36887号公報(段落番号〔0034〕、及び、図5、図6)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エンジン出力軸に直接取り付けた出力プーリは、エンジン自体の振動を受けて振動する。そうすると、出力プーリの振動によって伝動ベルトのテンション力が大きく変動する状態が起こり易く、それが継続すると、伝動ベルトが波打つ等の伝動作用に影響を及ぼす事態が招来する虞があり、伝動機能が十分でないことがあった。
【0005】
本発明の目的は、エンジン振動が伝動機構に伝達されることを抑制し、伝動機能を十分に発揮できる農作業機を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
〔構成〕
請求項1に係る発明の特徴構成は、エンジン出力軸からそのエンジン出力軸と同一軸芯上に配置した出力回転体の入力部への動力伝達機構に、振動吸収機構を介在させてある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0007】
〔作用〕
エンジン出力軸から出力回転体へ動力伝達するのに、エンジン出力軸に出力回転体を直接取り付けるのではなく、両者の間に動力伝達機構を介在させて行うこととした。これによって、出力回転体はエンジン出力軸に直接固定される状態ではなくなり、動力伝達機構に振動吸収機構を介在させることによって、エンジン出力軸から伝わるエンジン振動を出力回転体に伝達し難い構造とすることができた。
【0008】
〔効果〕
したがって、エンジン振動が出力回転体に伝達されることを抑えることができ、出力回転体の振動を抑制して伝動機能を十分に発揮させる構成とすることができた。
しかも、動力伝達機構及び出力回転体は、エンジン出力軸と同一軸芯上にあるので、エンジン出力軸から出力回転体までの占有スペースを大きなものとすることなく、エンジン周りでの機器配置が輻輳する状態を抑えることができた。
【0009】
請求項2に係る発明の特徴構成は、請求項1に係る発明において、前記振動吸収機構が前記同一軸芯上に配置したユニバーサルジョイントである点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0010】
〔作用効果〕
つまり、エンジン出力軸の振動によっても、ユニバーサルジョイントがその振動に追従し、相手側の入力回転体に対しては振動を伝え難い。
しかも、ユニバーサルジョイント自体は元来動力伝達機構としての機能を有するものであるから、ユニバーサルジョイントを動力伝達機構として機能させるとともに振動防止機構としても機能させることができ、兼用化を図ることができたのである。
【0011】
請求項3に係る発明の特徴構成は、請求項1又は2に係る発明において、前記エンジンを支持するエンジン支持台とラジエータを支持するラジエータ支持台とを一体に形成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0012】
〔作用効果〕
エンジン支持台とラジエータ支持台とを別個に形成していると、夫々がエンジン振動を受けて振動や振動音の発生が大きくなっているが、ここでは、エンジン支持台とラジエータ支持台とを一体化することによって、振動体としての質量を両支持台を合算したものとでき、共振点をずらすことができて、振動を抑えることができる。
また、エンジン支持台とラジエータ支持台とを一体化することによって、同じ振動態様とすることができる。これによって、エンジンとラジエータとの間に架設されている冷却水循環パイプ等のエンジン側接続部とラジエータ側接続部とが別個の振動態様を示していたのを抑制することができ、エンジンとラジエータとの間に亘って架設される機器に掛かる振動負担を軽減できようになった。
【0013】
請求項4に係る発明の特徴構成は、請求項1〜3の内のいずれか一つに係る発明において、エンジンマフラーを機体フレーム又はエンジン自体に弾性支持体を介して取付固定してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0014】
〔作用効果〕
弾性支持体でエンジン振動を吸収できるので、エンジンマフラーにはエンジン振動が伝達されるのを抑制できる。
【0015】
請求項5に係る発明の特徴構成は、請求項1〜3の内のいずれか一つに係る発明において、エンジンマフラーを機体フレームに、一対の弾性支持体を介して吊下げ支持するとともに、前記一対の弾性支持体の吊下げ姿勢を傾斜する姿勢に設定してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0016】
〔作用効果〕
弾性支持体によってエンジン振動力を吸収できて、エンジンマフラーへの振動伝達を有効に抑制できるとともに、弾性支持体を傾斜姿勢に設定してあるので、垂直方向のみならず水平方向での振動にも対処することが出来るに至った。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
乗用型田植機について説明する。
図1に示すように、前車輪1と後車輪2とを備えた走行機体3の前端部にエンジン4、静油圧式無段変速装置5、及び、ミッションケース6を配置するとともに、走行機体3の中間位置に運転操縦部7を配置し、運転操縦部7の後方に施肥装置8を設け、走行機体3の後端に、昇降リンク機構9を介して苗植付装置10を取り付けて、乗用型田植機を構成してある。
【0018】
エンジン4から静油圧式無段変速装置5への伝動構造について説明する。図1及び図2に示すように、エンジン4を走行機体3の左右横向き方向に設置し、フライホイール11とエンジン出力軸4Aを左横側方に向けて配置してある。エンジン4の後方側にミッションケース6を配置するとともに、ミッションケース6の左横側面に静油圧式無段変速装置5を取り付けてある。
【0019】
静油圧式無段変速装置5に対してエンジン4から動力伝達すべく、次のような伝動構造が形成されている。まず、出力回転体としてのエンジン出力プーリ12の支持構造を説明すると、図2〜図4に示すように、エンジン4を支持するエンジン支持フレーム13から横側方に向けて、前後1対のプーリ支持フレーム14,14を延出する。前後1対のプーリ支持フレーム14,14の間で両者に亘って取り付け固定された状態で左右1対のL字型ブラケット15,15を立設し、L字型ブラケット15,15の上端に大径ボス部16を取り付け固定している。
【0020】
図2〜図4に示すように、大径ボス部16内には、回転筒状体17が位置されており、回転筒状体17は大径ボス部16の左右端に外嵌装着された左右のベアリング18,18によって回転自在に支持されている。回転筒状体17のエンジン4に近接する右側端に、エンジン出力プーリ12が取り付け固定されている。
【0021】
エンジン出力プーリ12は、Vベルト支持リング体部分12AとそのVベルト支持リング体部分12Aの左側端に形成されたディスク状取付部12Bとからなり、ディスク状取付部12Bを回転筒状体17の右端ブラケット17Aにボルトを介して取付固定してある。
【0022】
図2〜図4に示すように、エンジン出力軸4Aと同心位置に中間伝動軸4B、最終出力軸4Cを配置し、エンジン出力軸4Aと中間伝動軸4Bとを第1ユニバーサルジョイント19Aで連結し、中間伝動軸4Bと最終出力軸4Cとを第2ユニバーサルジョイント19Bで連結し、最終出力軸4Cへの伝動構造を形成する。
第1ユニバーサルジョイント19A、19Bは、エンジン出力軸4Aに連結されるエンジン側部材と中間伝動軸4Bに連結される中間伝動軸側部材とを屈曲自在に連結している。
【0023】
図2〜図4に示すように、回転筒状体17の左端には、円板状閉塞体17Bが設けてあり、円板状閉塞体17Bの中心位置に入力部としてのボス部17Cが貫通固定されており、ボス部17Cの内周面にスプライン連結部17aが形成されている。一方、最終出力軸4Cにもスプライン連結部4aを設けて、最終出力軸4Cのスプライン連結部4aをボス部17Bのスプライン連結部17aに嵌入することによって、両者4C、17Bを一体で回転可能に構成する。
【0024】
以上のような構成によって、エンジン出力は、エンジン出力軸4A、第1ユニバーサルジョイント19A、中間伝動軸4B、第2ユニバーサルジョイント19B、最終出力軸4C、回転筒状体17を介してエンジン出力プーリ12に伝達され、エンジン振動を二つのユニバーサルジョイント19A,19Bとスプライン連結構造とで吸収する構成を採っており、これらを振動吸収機構と称する。エンジン出力プーリ12に伝達された動力は、Vベルト20を介して静油圧式無段変速装置用入力プーリ21に伝達される。
【0025】
エンジン出力プーリ12と静油圧式無段変速装置用入力プーリ21との設置間隔を調節する構造について説明する。図2及び図4に示すように、エンジン出力プーリ12を支持する為に、エンジン支持フレーム13から前後1対のプーリ支持フレーム14,14を延出してある。プーリ支持フレーム14,14の取り付け基端部には、エンジン支持フレーム13に平行な姿勢の取付部14A,14Aが屈曲形成されており、その取付部14A,14A各々に横向きに長い長孔14a、14aが上下に所定間隔を持って二箇所形成されている。上下に形成された長孔14a,14aを通して、ボルト22,22で、プーリ支持フレーム14,14をエンジン支持フレーム13に取り付け固定してある。
【0026】
上記した構成において、ボルト22,22を緩めることによって、プーリ支持フレーム14,14全体を長孔14a,14aの範囲内でエンジン支持フレーム13に沿って位置調節することができる。一方、後プーリ支持フレーム14の更に後方側に、チャンネル型ブラケット23がエンジン支持フレーム13に取付固定され、このチャンネル型ブラケット23と前後プーリ支持フレーム14,14とに亘る状態で調節ボルト24が貫通支持されている。
【0027】
図2〜図4に示すように、調節ボルト24は、前後プーリ支持フレーム14,14に貫通した状態で固定されるとともに、チャンネル型ブラケット23に貫通した状態でこのチャンネル型ブラケット23に対して相対移動可能に支持されている。1対の調節ナット25、25が調節ボルト24に螺着されてチャンネル型ブラケット23の上下向き面23Aを挟み込む状態に配置されている。
【0028】
以上のような構成により、少なくとも一方の調節ナット25を上下向き面23Aより離間させる状態に緩めることによって、調節ボルト24をチャンネル型ブラケット23に対して相対移動させることができる。そうすると、調節ボルト24に固定されている前後プーリ支持フレーム14,14も一体で移動する。このことによって、プーリ支持フレーム14とチャンネル型ブラケット23との間隔を長孔14aの範囲内で変更することができる。これによって、エンジン出力プーリ12と静油圧式無段変速装置用プーリ21とに亘って掛け渡されているVベルト20に対するテンション力を調節することができる。
調節状態を固定するには、両調節ナット25でチャンネル型ブラケット23の上下向き面23Aを挟み込み固定することによって、固定することができる。
【0029】
マフラー26の取付構造について説明する。図5及び図6に示すように、エンジン4のエギゾーストマニホールド29に第1排気管27をフランジ固定するとともに、エンジン支持フレーム13の近傍で第2排気管28とフランジ連結し、第2排気管28を前車軸ケース30の上方を迂回する状態で後方側に延出してある。走行機体3の前後中間位置にマフラー26を配置し、マフラー26から延出された接続管26Aと第2排気管28とをフランジ接続して、エンジン排気構造を構成してある。
【0030】
上記のように、マフラー26の設置位置をエンジン4から遠く離れた位置に配置することによってエンジン振動の影響がマフラー26に及びにくい配置構成を採ることができた。
【0031】
マフラー26は、箱型の外函体26Eの内部に複数の膨張空間26Bを区画するとともに、各膨張空間26Bの間にパイプ26Dを配置し、接続管26Aの小孔26aを介して投入された排気を、膨張空間26Bとパイプ26Dとに交互に投入して膨張させて消音を図り、最終排気管26Cを介して外部に排出するように構成してある。
【0032】
マフラー26の取付構造について説明する。図5及び図6に示すように、左右方向に沿った姿勢で配置した前後一対の機体フレームとしての取付フレーム31,31の間にマフラー26を配置し、各取付フレーム31,31の上下向き面に当接する状態で夫々取付板32,32をボルト止めしてある。各取付板32,32の左右端部には、棒状部材を折り曲げ形成したL字状のブラケット33,33を取り付け固定してある。
【0033】
一方、マフラー26においては、外函体26Eの底面と両側面とに当接する状態で、左右方向の二箇所において吊下げ用のベルト体26G,26Gを巻き付けるとともに吊下げ用のベルト体26G,26Gの上端同士を繋ぐ支持棒26F、26Fを取付け、各支持棒26FとL字状のブラケット33とに亘って弾性支持体としてのゴム製の支持アーム34を掛け渡すことによって、マフラー26を取付フレーム31、31によって吊下げ支持する構成を採っている。
【0034】
図5〜図7に示すように、支持アーム34は、マフラー26の前後面夫々に左右に二個づつ配置されている。マフラー26の左右端部に対応して配置されるマフラー側の支持棒26Fと取付フレーム側のL字状のブラケット33との位置関係は、左右に配置された支持棒26F、26Fの間に、左右のL字状のブラケット33、33が配置される位置関係となっている。
【0035】
上記のような位置関係となっている支持棒26FとL字状のブラケット33とに亘って掛け渡されるゴム製の支持アーム34は、図7に示すように、支持棒26Fとの連結点からL字状のブラケット33との連結点に亘って斜めに傾斜する姿勢で掛け渡されている。そして、左右のゴム製の支持アーム34,34の傾斜方向は対称な方向に設定されている。
【0036】
したがって、左右のゴム製の支持アーム34、34は、八の字状の配置状態となっているところから、水平方向の横揺れに対してゴム製の支持アーム34,34同士が横揺れ力を吸収して、マフラー26が振動するのを抑制する。
このようにマフラー26の振動抑制構造を採ることによって、従来、前記した第1排気管に蛇腹機構を介在させてエンジン振動がマフラー26に伝達しない構成を採用していたが、蛇腹機構を採用する必要がなくなった。
【0037】
蛇腹機構を採用していた従来構造においては、エンジン振動によって蛇腹に亀裂が生じて排気の漏れを生じることがあり、蛇腹機構自体が高価なものであり、使用を継続することに難点があったが、上記したように、マフラー26をエンジン4より離間させて設け、ゴム製の支持アーム34を使用してそのマフラー26を支持しているので、従来構成の難点を解消できた。
【0038】
上記した構成においては、マフラー26をエンジン4から離間させる状態でエンジン振動の影響を受けない構成を提案したが、次に、エンジン4に近接させる状態で設けたマフラー26の防振構造について説明する。図8に示すように、エンジン4のエギゾーストマニホールド29にL字状の第1排気管27をフランジ固定するとともに、第1排気管27の上下向き管部の下方にマフラー26を配置する。
【0039】
図8に示すように、マフラー26を機体フレームとしてのエンジンフレーム13に支持するとともに、マフラー26より排気導入管26Hを上方に延出し、排気導入管26Hの上端に設けた接続フランジ部26bと第1排気管27の下端に設けた接続フランジ部27aとを、ボルト35を介して取り付けてある。そして、ボルト35として十分に長いものを採用し、ナット36とマフラー側の接続フランジ部27aとの間に付勢バネ37を介在させて、エンジン振動を接続フランジ部26b、27aとの離間近接作用によって吸収し、マフラー26にエンジン振動が伝達しない構成を採っている。
【0040】
上記構成においては、マフラー26を直接エンジンフレーム13に取り付けたが、ここでは、マフラー26とエンジンフレーム13との間に防振ゴム38を介在させて取り付ける。つまり、図9(イ)(ロ)に示すように、マフラー26の横側面にブラケット26dを取り付け固定するとともに、ブラケット26dとエンジンフレーム13との間に防振ゴム38を介在させて、ボルトナット39で取り付け固定してある。
【0041】
ここで、図9(ロ)において、ボルト35を長いものにし、ナット36と接続フランジ部26bとの間に付勢バネ37を設ける形態のものを示したが、この付勢バネ37を設けずに、ブラケット26dとエンジンフレーム13との間に防振ゴム38を介在させたものだけで構成したものでもよい。
【0042】
マフラー26を、防振ゴム46を介して、エンジン支持フレーム13に取り付ける構成について説明する。図10に示すように、防振ゴム42に支持されたエンジン4の横側方にマフラー26を配置する。マフラー26に対してエンジン4のエギゾーストマニホールド29から排気管43を下向きに延出し、排気管43の下端をマフラー26の上面に接続している。
【0043】
図10に示すように、エンジン支持フレーム13の横側面の二箇所に、フレーム側ブラケット44,44を設けるとともに、マフラー26の前後面よりマフラー側ブラケット45,45を垂下し、フレーム側ブラケット44とマフラー側ブラケット45との間に防振ゴム46,46を配置して、エンジン4の振動が直接マフラー26に伝わるがマフラー26がエンジン支持フレーム13との間に防振ゴム46で支持されているので、エンジン支持フレーム13及び他のフレームにエンジン振動が直接伝達されることを阻止できる。
【0044】
次に、エンジン4を支持するエンジン支持台40Aとラジエータ41を支持するラジエータ支持台41Aとを一体のフレームに構成したものについて説明する。図11〜図14に示すように、エンジン支持台40Aとして、同一仕様のものを左右一対設けるとともに、エンジン支持台40Aを、エンジン4の軸芯方向に平行な姿勢の板状部材40aと、板状部材40aの外側面における二箇所に形成した防振ゴム装着用ブラケット40bとで構成してある。
【0045】
図11〜図14に示すように、防振ゴム装着用ブラケット40bは、チャンネル状部材のフランジ部40c、40cを斜めに裁断して、その裁断したフランジ部40c、40cを板状部材40aに固着し、チャンネル状部材の下向き斜辺部40dに防振ゴム42を装着すべく構成してある。
【0046】
一方、一対の板状部材40a,40aの相対向する内向き面に亘ってチャンネル状部材41aのフランジ部41bを板状部材40a,40aに当接させて下向きに開放する状態で固着する。チャンネル状部材41aを板状部材40a,40aより前方に向けて延出するととともに、チャンネル状部材41aの上面41cにアングル状部材41dを固着して、そのアングル状部材41dにラジエータ41の取付座41eを設け、チャンネル状部材41aとアングル状部材41dとでラジエータ取付台41Aを構成してある。
【0047】
〔別実施形態〕
(1)出力回転体としては、プーリ以外にスプロケット等が使用できる。
(2)振動吸収機構としては、エンジン出力軸4Aを嵌合するエンジン側部材と静油圧式無段変速装置5の入力軸を嵌合する静油圧式無段変速装置側部材との間に振動吸収用のゴム体を挟み込んだ、軸結合用のカップリングを使用してもよい。
(3)弾性支持体34としては、コイルスプリングを使用してもよい。
(4)農作業機としては、田植機以外に農用トラクタにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】乗用型田植機の側面図
【図2】エンジンから静油圧式無段変速装置への伝動構造を示す平面図
【図3】エンジンから出力プーリへの伝動機構を示す側面図
【図4】エンジンの出力プーリの支持構造を示す側面図
【図5】エンジンからマフラーへの排気経路を示す平面図
【図6】エンジンからマフラーへの排気経路を示す側面図
【図7】マフラーの吊下げ状態を示す後面図
【図8】マフラーの振動防止にかかる別実施構造を示す側面図
【図9】マフラーの振動防止にかかる別実施構造を示し、(イ)は平面図、(ロ)は側面図
【図10】マフラーの振動防止にかかる別実施構造を示す側面図
【図11】エンジン支持台とラジエータ支持台とを一体化した状態を示す平面図
【図12】図11の側面図
【図13】図11の後面図
【図14】エンジン支持台とラジエータ支持台とを機体フレームに取り付けた状態を示す側面図
【符号の説明】
【0049】
4A エンジン出力軸
12 出力回転体
13,31 機体フレーム
17C 入力部
19A,19B 振動吸収機構
26 マフラー
34,37,38 弾性支持体
40A エンジン支持台
41 ラジエータ
41A ラジエータ支持台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジン出力軸からそのエンジン出力軸と同一軸芯上に配置した出力回転体の入力部への動力伝達機構に、振動吸収機構を介在させてある農作業機。
【請求項2】
前記振動吸収機構が前記同一軸芯上に配置したユニバーサルジョイントである請求項1記載の農作業機。
【請求項3】
前記エンジンを支持するエンジン支持台とラジエータを支持するラジエータ支持台とを一体に形成してある請求項1又は2記載の農作業機。
【請求項4】
エンジンマフラーを機体フレーム又はエンジン自体に弾性支持体を介して取付固定してある請求項1〜3のうちのいずれか一つに記載の農作業機。
【請求項5】
エンジンマフラーを機体フレームに、一対の弾性支持体を介して吊下げ支持するとともに、前記一対の弾性支持体の吊下げ姿勢を傾斜する姿勢に設定してある請求項1〜3のうちのいずれか一つに記載の農作業機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−274978(P2007−274978A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−106436(P2006−106436)
【出願日】平成18年4月7日(2006.4.7)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】