説明

農作物搬送装置

【課題】農作物の周面全体を撮像装置の撮像方向に向けて、判別のための撮像が確実に可能となる農作物判別機を提供する。
【解決手段】農作物の表面を撮像装置で撮像した画像データに基づいて、農作物を判別できる農作物搬送装置1において、搬送道中でガイドレール3D、4Dの凸部に案内されて挟持した農作物を、第一ギア部3B、4Bが第二ギア部3F、4Fと噛み合うことにより軸部30A、40Aを前方向に1/3週回転させる。次に、挟持状態を解除した後に、軸部40Aを上下動するように支持し、軸部30Aの軸心に対して軸部40Aを下側に偏心した位置から同軸になる位置に上昇させて農作物を右方向に回転させる。すなわち、前方向及び右方向に1/3周ずつの回転行い、さらに繰り返し3回行うことで、周面全体を上方に向かせることができる。これにより農作物の周面全体の撮像を確実に行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農作物搬送装置に関し、特に、農作物の表面を撮像装置で撮像した画像データに基づいて、農作物を判別することができる農作物判別機に用いられる農作物搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明に係る農作物判別機に用いられる農作物搬送装置に関連する先行技術文献情報として、例えば、次の特許文献1がある。
【特許文献1】特開2000-237696号公報
【0003】
特許文献1では、農作物(茄子)を検査する農作物搬送装置(コンベア)において、分離コンベアと整列コンベアとの間に高低差を設け、ここで落下する農作物を撮像検査する装置について述べられている。具体的には、搬送される農作物の上面を分離コンベア上に設けられた撮像装置(撮像カメラ)で撮像した後、農作物を分離コンベアから整列コンベアへ落下させ(飛び移らせ)、農作物が落下するときに、該落下位置に向けて設けられた撮像装置で、空中において農作物の下面側を撮像することにより、農作物の周面全体を撮像する構成である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の農作物搬送装置の場合、撮像装置の向きが固定されているため、農作物の落下姿勢が一定であれば、確実に農作物の下面を撮像することができるが、同じ農作物でもその形状や重さ、あるいは重心位置が異なるため、すべての農作物の落下姿勢が必ずしも一定にならず、すべての農作物の周面全体を確実に撮像することができないものであった。
【0005】
本発明は、このような問題に対処することを課題とするものである。すなわち、農作物の周面全体を確実に撮像装置の撮像方向に向けることが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明に係る農作物搬送装置は、次の構成を少なくとも具備する。
【0007】
すなわち、農作物を搬送する搬送体と、搬送体に搬送方向に沿って複数備えられた農作物の載置部と、搬送体の搬送動作に伴って、載置部の農作物を搬送方向に対して平面方向で交差する方向から保持及び保持解除すると共に、保持状態において搬送方向及び該搬送方向に対して平面方向で交差する方向に回転させる回転保持部と、を備え、回転保持部は、載置部の搬送方向と平面方向で交差する方向の一端側に搬送方向に沿って配設された第1保持部と、他端側に搬送方向に沿って配設され、農作物を前記第1保持部とで挟持状に保持する第2保持部と、を備え、第1保持部は、前記搬送体の搬送動作に伴って搬送動作すると共に、該搬送動作中に農作物の保持方向及び保持解除方向にスライド可能、且つ搬送方向に回転可能に支持された保持部と、該保持部に対して該保持部を保持解除方向にスライドさせる方向に付勢するように設けられた付勢手段と、搬送体の搬送方向の全域に亘って、前記保持部の農作物の保持側端部とは反対側の端部と対面すると共に、該反対側の端部が搬送動作中に接触するように固定され、この反対側の端部と対面するように突出する複数の凸部、及び該凸部の突出方向に対して反対方向に凹む複数の凹部を搬送方向に沿って交互に設けたガイドレール部と、前記保持部と同軸で一体回転し、且つ該保持部のスライドに対して定位置を保持するように支持された第1ギア部と、前記凸部の搬送方向に沿う全長よりも短い長さとし、該凸部の搬送方向下流側に対応する部位に固定され、前記搬送体の搬送動作中に前記第1ギア部と噛み合って該第1ギアを半周未満回転させる歯数を有した第2ギア部と、前記搬送体の搬送方向の全域に亘って前記保持部の搬送動作を案内するように固定された案内部と、を備え、第2保持部は、前記第1保持部と同構成の、保持部と、付勢手段と、ガイドレール部と、第1ギア部と、第2ギア部と、を備え、且つ搬送体の搬送方向の全域に亘って前記保持部の搬送動作を案内するように固定され、農作物の保持解除状態において前記第1保持部の軸心に対して鉛直方向で偏心させ、農作物の保持状態において前記第1保持部の軸心と同心となるように案内する案内部を備えていることを特徴とする。
【0008】
また、第2ギア部の歯数が、第1ギアを1/3周以下回転させる歯数であることを特徴とする。
【0009】
また、第2保持部の保持部が第1保持部の軸心に対して偏心している位置と、第2保持部の保持部が第1保持部の軸心に対して同軸となる位置との距離を、農作物の外周の1/3周の長さと同等以下にしていることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明に係る農作物搬送装置を実施するための最良の形態を、図1〜図7に基づいて説明する。尚、本実施例で例示する農作物は、ジャガイモであり、以下、農作物をジャガイモとして説明する。また、本実施例では、ジャガイモの搬送方向を前方向、反搬送方向を後方向、搬送方向と平面方向で交差する方向を左右方向、搬送方向と鉛直方向で交差する方向を上下方向とする。
【0011】
本実施例の農作物搬送装置Aは、複数のローラ11を搬送方向に並列させてなるローラコンベア状の搬送体1と、各ローラ11の中央周面を切欠いて、隣り合う各ローラ11の切欠き部分が対向することにより凹状に形成された載置部12と、搬送体1の搬送体の搬送動作に伴って、載置部12に載置されたジャガイモBを左右方向から保持及び保持解除すると共に、保持状態において前方向及び右方向に回転させる回転保持部2とから構成されている。載置部12は、ジャガイモBの周面が嵌合する程度の大きさであり、この載置部12にジャガイモBを嵌合状に載置することにより、搬送動作中のジャガイモBの位置を保持することができる。
【0012】
本実施例の搬送体1は、該搬送体1の左右に配設され、前方向に駆動するように巻き掛けられた駆動チェーン13に各ローラ11を連結することにより無端コンベア状に形成されている。各ローラ11は、右側の駆動チェーン13に垂設された支持板14と左側の駆動チェーン13に垂設された支持板15に軸支されている。駆動チェーン13は、右側のチェーンレール13Rと左側のチェーンレール13Lにより、上下方向にたるみが生じないように支持されている。
【0013】
回転保持部2は、搬送体1の右側に駆動チェーン13を挟んで前後方向に沿って配設された第1保持部3と、搬送体1の左側に駆動チェーン13を挟んで前後方向に沿って配設された第2保持部4とからなり、これら、第1保持部3と第2保持部4とで、搬送されるジャガイモBを挟持状に保持するものである。
【0014】
第1保持部3は、各載置部12と対応する位置に、駆動チェーン13に対して左右方向からスライド可能、且つ前方向に回転可能に貫通支持された保持部3Aを有している。該保持部3Aは、スライド及び回転する軸部30Aの左側端部にジャガイモBを保持するための保持板31Aが固着され、右側端部には、駆動チェーン13の駆動に伴って前方へ移動する保持部を案内するための案内ローラ32Aが軸支されている。案内ローラ32Aは、軸部30Aを回転可能に支持した支持枠33Aに上下方向を軸心として軸支されている。また、軸部30Aには、該軸部30Aと同軸で一体回転し、且つ軸部30Aがスライド可能に貫通するように小判係合した第1ギア部3Bが支持されている。第1ギア部3Bは、該第1ギア部3Bと駆動チェーン13の間に位置し、軸部30Aに対して遊嵌合されたスペーサ30Cにより左方向への移動が阻止されている。第1ギア部3Bと支持枠33Aとの間の軸部30Aには、該軸部30Aを右方向(保持解除方向)にスライドさせる方向に付勢する圧縮ばね(付勢手段)3Cが圧縮させて嵌合されている。
【0015】
また、第1保持部3は、搬送方向の全域に亘って前後方向に、案内ローラ32Aが搬送動作中に接触するように固定されたガイドレール部3Dを有している。該ガイドレール部3Dには、案内ローラ32Aが接触する面に、該案内ローラ32Aに向かって突出する複数の凸部30D、及び反対側に凹む複数の凹部31Dが前後方向に沿って交互に設けられている。凸部30Dと凹部31Dを繋ぐ面は、傾斜面32Dにされており、前方へ移動する案内ローラ32Aが傾斜面32Dに案内されて凹部31Dから凸部30Dに至ることにより、軸部30Aが左方向(保持方向)にスライドすると共に、保持板31AがジャガイモBに接触する。また、前方へ移動する案内ローラ32Aが傾斜面32Dに案内されて凸部30Dから凹部31Dに至ることにより、軸部30Aが圧縮ばね3Cの付勢力によって右方向(保持解除方向)にスライドすると共に、保持板31AがジャガイモBから離間する。
【0016】
また、第1保持部3は、保持部3Aを前方向及び左右方向にスライド可能に支持する案内部3Eが搬送方向の全域に亘って固定されている。案内部3Eには、支持枠33Aが左右方向に貫通すると共に、該支持枠33Aを前方向及び左右方向にスライド可能に支持する案内孔30Eが搬送方向の全域に亘って開孔されている。この案内孔30Eに支持枠33Aが貫通状に支持されることにより、軸部30Aが案内孔30Eとチェーンレール13Rで支持された駆動チェーン13との二点で支持されることになるので、軸部30Aの上下方向の傾斜を防止することができる。
【0017】
また、第1保持部3は、前方へ移動する第1ギア部3Bと噛み合って該第1ギア3Cを1/3周回転させる歯数を有した第2ギア部3Fが固定されている。第2ギア部3Fは、凸部30Dの前後方向の全長よりも短い長さとし、凸部30Dの前方寄りに対応する部位に固定されている。すなわち、保持部が前方向へ移動し、案内ローラ32Aが傾斜面32Dに案内されて凹部31Dから凸部30Dに至って、軸部30Aが左方向にスライドした後に、第1ギア部3Bが第2ギア部3Fと噛み合って回転するようにしている。そして、第1ギア部3Bと第2ギア部3Fとの噛み合いが解除された後に、前方へ移動する案内ローラ32Aが傾斜面32Dに案内されて凸部30Dから凹部31Dに至って、軸部30Aが圧縮ばね3Cの付勢力によって右方向にスライドするようにしている。
【0018】
第2保持部4は、第1保持部3における保持部3A、第1ギア部3B、圧縮ばね3C、ガイドレール部3D、案内部3E、第2ギア部3Fと左右対称となるように設けられた保持部4A、第1ギア部4B、圧縮ばね4C、ガイドレール部4D、案内部3E、第2ギア部4Fを有している。これら、保持部4A、第1ギア部4B、圧縮ばね4C、ガイドレール部4D、第2ギア部4Fは、保持部3A、第1ギア部3B、圧縮ばね3C、ガイドレール部3D、第2ギア部3Fと同構成であり、保持部4Aの保持方向及び保持解除方向のスライドが保持部3Aと左右逆方向となる。
【0019】
尚、前記では、保持部3A、第1ギア部3B、圧縮ばね3C、ガイドレール部3D、案内部3E、第2ギア部3Fの各構成要素の符号を30番台として示しているが、以下の説明では、該各構成要素と同一部位の保持部4A、第1ギア部4B、圧縮ばね4C、ガイドレール部4D、案内部3E、第2ギア部4Fを構成する各構成要素の符号は、40番台として示す。
【0020】
すなわち、搬送動作中に、軸部30A,軸部40Aが、夫々ガイドレール3D,4Dの凸部30D,40Dに案内されて、互いに接近する方向にスライドしてジャガイモBを挟持状に保持する。更に、第1ギア部3B,4Bが、夫々第2ギア部3F,4Fに噛み合うことにより、軸部30A,40Aを前方向に1/3周回転させる。そして、軸部30A,軸部40Aが、凸部30D,40Dから傾斜面32D,42Dを経て凹部31D,41Dに案内されることにより、該軸部30A,40Aが圧縮ばね3C,4Cの付勢力で互いに離間する方向にスライドする。
【0021】
第2保持部4の案内部4Eは、案内孔40Eが、前記案内孔30Eと同高として開孔された上孔41Eと、該上孔41Eよりも低い位置に開孔された下孔42Eと、上孔41Eと42Eとを繋ぐ傾斜孔43Eとから構成されている。上孔41Eの位置は、ガイドレール部4Dの凸部40Dと左右方向で隣り合う位置にあり、前後方向の長さを、第2ギア部4Fの後端付近を始端とし、ガイドレール部4Dにおける凸部40Dの終端と同一部位を終端とする長さである。そして、上孔41E,下孔42E,傾斜孔43Eが、ガイドレール部4Dにおける凸部40D,凹部41D,傾斜面42Dと同数形成されている。
【0022】
案内部4Eは、軸部40Aを上下動するように支持し、軸部40Aを下孔42Eで支持した状態では、該軸部40Aの軸心を軸部30Aの軸心よりも下側に位置させ、軸部40Aを上孔41Eで支持した状態では、該軸部40Aを軸部30Aと同軸線上に位置させるようにし、搬送中において軸部40Aを上下動させるようにしている。
【0023】
すなわち、第2保持部4は、軸部40AのジャガイモBの保持解除状態及びジャガイモBの保持状態当初では、軸部40Aが案内孔40Eの下孔42Eに位置していると共に、軸部30Aの軸心に対して下側に偏心している。保持状態において軸部40Aが前方向へ移動して案内孔40Eの上孔41Eに至ると、軸部40Aが上昇して軸部30Aと同軸となる。そして、軸部40Aが軸部30Aと偏心した位置から同軸となる位置に上昇することにより、ジャガイモBを右方向に回転させることになる。更に、軸部40Aが前方向へ移動すると、第1ギア部4Bが第2ギア部4Fに噛み合って前方向に回転することにより、同位置で回転する軸部30Aとで、ジャガイモBを1/3周回転させることができる。
【0024】
ジャガイモBの右方向への回転は、前方向への回転と同様に1/3周である。ジャガイモBを右方向へ1/3周させるには、軸部40Aが軸部30Aと偏心した位置から同軸となる位置までの距離を、ジャガイモBを1/3周させることができる距離とすることで達成できる。
【0025】
ジャガイモBの回転を1/3周とする理由として、例えば、ジャガイモの表面を上方から撮像する場合、ジャガイモを半周させる構成とすると、ジャガイモの上下方向が逆となるだけで、前後方向及び左右方向の表面が上方を向かず、この前後方向及び左右方向の表面が死角となって撮像することができないためである(図7(b)参照)。これに対して1/3周の回転であれば、ジャガイモBの中心から径方向に120度の角度で拡がるように延びる径線がジャガイモの表面と交わる位置を上方から視覚できるため、ジャガイモBの上方から撮像したときの死角をなくすことができる(図7(a)参照)。したがって、ジャガイモBの周面全体を上方に向かせるための回転距離として1/3周とし、この1/3周の回転を3回行なうことにより、ジャガイモBの周面全体を上方に向かせることができる。
【0026】
尚、本発明では、ジャガイモBの回転距離を1/3周に限られず、半周未満であれば、何回かの回転により、ジャガイモBの表面全体を上方に向かせることができる。
【0027】
チェーンレール13Lは、案内孔40Eにおける上孔41E,下孔42E,傾斜孔43Eと正対して沿うように形成されている。すなわち、上孔41Eと正対する上レール13Aと、下孔42Eと正対する下レール13Bと、傾斜面42Dと正対する傾斜レール13Cとから構成されている。すなわち、軸部40Aを支持した駆動チェーン13がチェーンレール13Lに案内されることにより、軸部40Aを案内孔40Eとの二点支持により上下動させながら前方向へ移動させることができる。
【0028】
第2保持部4側で各ローラ11を軸支する支持板15には、上下方向に長い長孔150が開孔され、該長孔150に各ローラ11の支軸110が遊嵌合している。また、各ローラ11の支軸110は、搬送方向の全域に亘って固定された支持レール16に支持されていることによって搬送方向全域において定位置を保持している。支持板15は、該駆動チェーン13の支持板15の垂設部位が上レール13Aに至ると上昇し、下レール13Bに至ると下降する。長孔150の長さは、支持板15の上下動距離に相当するものであり、支持板15が上昇している状態において長孔150の下端部で支軸110を支持し、下降している状態において長孔150の上端部で支軸110を支持するようにしている。すなわち、各ローラ11を支持する支持板15が上昇しても、各ローラ11の定位置を保持することができる。
【0029】
本実施例の農作物搬送装置Aによれば、ジャガイモBの搬送中において、ジャガイモBを前方向及び右方向に1/3周ずつ回転させることにより、ジャガイモBの周面全体を上方に向かせることができる。言い換えれば、ジャガイモBの周面全体を撮像装置の撮像方向に向かせることができる。
【0030】
また、ジャガイモBの保持当初においては、ジャガイモBは回転しないため、例えば、本実施例の農作物搬送装置Aを、ジャガイモBの芽取り装置に用いる搬送装置に使用する場合、このジャガイモBの保持当初位置からジャガイモBの回転開始位置までの範囲を、ジャガイモBの芽を取るための作業ゾーンとすることができる。この作業ゾーンは、ガイドレール3D,4Dの凸部30D,40Dの前後方向の長さを長短変更することにより、その範囲を変更することができる。
【0031】
また、載置部12によりジャガイモBが定位置で保持されているため、回転保持部2がジャガイモBを保持するときに、軸部30A,40Aのスライドによる勢いで、ジャガイモBに接触する保持板31A,41AがジャガイモBを飛ばしてしまうようなことが無く、定位置にて確実に保持することができる。更に、ジャガイモBを保持解除状態においても定位置で保持できるため、例えば、ジャガイモBの表面を撮像する位置を保持解除位置とすることにより、保持板31A,41AがジャガイモBの撮像に影響を与えることがなく、ジャガイモBの表面を確実に撮像させることができる。
【0032】
尚、ジャガイモBの芽取り装置については、例えば、搬送されるジャガイモの表面の状態を撮像する撮像手段と、目を取る動作をする芽取り手段と、撮像手段で撮像した画像の画像データに基づいて芽の位置を特定すると共に、該位置データを出力する出力手段と、出力された位置データが入力され、該位置データに基づいて芽取り手段に芽取り動作させるように制御する制御手段とを備えたものが挙げられる(図示せず)。また、本実施例の農作物搬送装置は、農作物の表面を撮像する(例えば、芽取り装置、選別装置)のに用いられるものに限られず、例えば、洗浄水による農作物洗浄装置と組み合わせることもできる。すなわち、農作物搬送装置の上方に洗浄水噴射ノズルを設け、該洗浄水噴射ノズルから、搬送道中で回転しながら周面全体が上方を向く農作物に対して高圧洗浄水を噴射することにより、農作物の周面全体を洗浄することができる(図示せず)。
【0033】
本発明は、例示した実施の形態に限定するものでは無く、特許請求の範囲の各項に記載された内容から逸脱しない範囲の構成による実施が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係る農作物搬送装置の平面図。
【図2】(a)は図1の右側面図、(b)は図1の左側面図。
【図3】図1の要部拡大図。
【図4】(a)は図3の(4a)-(4a)線断面図、(b)は図3の(4b)-(4b)線断面図、(c)は図3の(4c)-(4c)線断面図。
【図5】(a)は図3の(5a)-(5a)線断面図、(b)は図3の(5b)-(5b)線断面図。
【図6】(a)は図3の(6a)-(6a)線断面図、(b)は図3の(6b)-(6b)線断面図。
【図7】(a)はジャガイモを1/3周回転させる状態を示し、(b)はジャガイモを半周回転させる状態を示す。
【符号の説明】
【0035】
A:農作物搬送装置
B:ジャガイモ(農作物)
1:搬送体
12:載置部
2:回転保持部
3:第1保持部
4:第2保持部
3A:保持部
3B:第1ギア部
3C:圧縮ばね(付勢手段)
3D:ガイドレール部
30D:凸部
31D:凹部
3E:案内部
3F:第2ギア部
4A:保持部
4B:第1ギア部
4C:圧縮ばね(付勢手段)
4D:ガイドレール部
40D:凸部
41D:凹部
4E:案内部
4F:第2ギア部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
農作物を搬送する搬送体と、搬送体に搬送方向に沿って複数備えられた農作物の載置部と、搬送体の搬送動作に伴って、載置部の農作物を搬送方向に対して平面方向で交差する方向から保持及び保持解除すると共に、保持状態において搬送方向及び該搬送方向に対して平面方向で交差する方向に回転させる回転保持部と、を備え、
回転保持部は、載置部の搬送方向と平面方向で交差する方向の一端側に搬送方向に沿って配設された第1保持部と、他端側に搬送方向に沿って配設され、農作物を前記第1保持部とで挟持状に保持する第2保持部と、を備え、
第1保持部は、前記搬送体の搬送動作に伴って搬送動作すると共に、該搬送動作中に農作物の保持方向及び保持解除方向にスライド可能、且つ搬送方向に回転可能に支持された保持部と、該保持部に対して該保持部を保持解除方向にスライドさせる方向に付勢するように設けられた付勢手段と、搬送体の搬送方向の全域に亘って、前記保持部の農作物の保持側端部とは反対側の端部と対面すると共に、該反対側の端部が搬送動作中に接触するように固定され、この反対側の端部と対面するように突出する複数の凸部、及び該凸部の突出方向に対して反対方向に凹む複数の凹部を搬送方向に沿って交互に設けたガイドレール部と、前記保持部と同軸で一体回転し、且つ該保持部のスライドに対して定位置を保持するように支持された第1ギア部と、前記凸部の搬送方向に沿う全長よりも短い長さとし、該凸部の搬送方向下流側に対応する部位に固定され、前記搬送体の搬送動作中に前記第1ギア部と噛み合って該第1ギアを半周未満回転させる歯数を有した第2ギア部と、前記搬送体の搬送方向の全域に亘って前記保持部の搬送動作を案内するように固定された案内部と、を備え、
第2保持部は、前記第1保持部と同構成の、保持部と、付勢手段と、ガイドレール部と、第1ギア部と、第2ギア部と、を備え、且つ搬送体の搬送方向の全域に亘って前記保持部の搬送動作を案内するように固定され、農作物の保持解除状態において前記第1保持部の軸心に対して鉛直方向で偏心させ、農作物の保持状態において前記第1保持部の軸心と同心となるように案内する案内部を備えていることを特徴とする農作物搬送装置。
【請求項2】
第2ギア部の歯数が、第1ギアを1/3周回転させる歯数であることを特徴とする農作物搬送装置。
【請求項3】
第2保持部の保持部が第1保持部の軸心に対して偏心している位置と、第2保持部の保持部が第1保持部の軸心に対して同軸となる位置との距離を、農作物の外周の1/3周の長さと同等にしていることを特徴とする農作物搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−286523(P2009−286523A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−138027(P2008−138027)
【出願日】平成20年5月27日(2008.5.27)
【出願人】(503166115)株式会社ヒロシ工業 (13)
【Fターム(参考)】