説明

農産物箱詰用包装資材の供給装置および農産物の箱詰装置

【課題】農産物の箱詰の際に、トレイパックと緩衝シートを供給するのに一つの動作を行うと退避位置まで戻り、次の動作指令を待つというシーケンスでは休止時間が多くなるという問題があった。
【解決手段】受渡空間25内において、箱詰ロボット30の吸着式移載機構33の移動領域を仮想受渡位置25Aよりも上方とし、中仕切27及びトレイパック26を仮想受渡位置25Aに移動させる中仕切搬送装置36及びトレイパック取出吸着パッド34Eの移動領域を仮想受渡位置25Aよりも下方とし、吸着式移載機構33と中仕切搬送装置36及びトレイパック取出吸着パッド34Eが干渉しないようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばリンゴ、梨、トマト、メロンなどの農産物を選別包装する選果場で好ましく用いられる農産物箱詰用包装資材の供給装置および農産物の箱詰装置に係り、ダンボール箱などの製品箱にトレイパック、緩衝シートなどの包装資材を供給する農産物箱詰用包装資材の供給装置、およびこの供給装置を備えた農産物の箱詰装置に関する。
【背景技術】
【0002】
リンゴ、梨、トマト、メロンなどの農産物を選別包装する選果場において、等階級別に選別された農産物は、搬送コンベアにより箱詰位置まで搬送され、箱詰ロボットにより所定個数の農産物が段ボール箱などの製品箱内に収納される。
【0003】
例えばリンゴを製品箱内に2段重ねで収納する場合、所定位置に待機している製品箱内に先ずトレイパックを入れ、このトレイパックに所定の配列に形成されている複数の凹部にリンゴが収納され、すべての凹部にリンゴの収納処理が終了すると、次に緩衝シートがその上に載置され、引き続いて空のトレイパックがこの緩衝シートの上に載置され、先ほどと同様にして2段目のトレイパックの凹部にリンゴが収納され、最後に緩衝シートが載せられて箱詰作業が終了する。
【0004】
この箱詰の際、所定位置に待機している製品箱内にトレイパック、緩衝シートといった包装資材を供給する農産物箱詰用包装資材の供給装置が用いられている。
【0005】
農産物箱詰用包装資材の供給装置としては、垂直方向に回転軸を有する割り出し機構を利用し、該回転軸回りに4分割して受台を配置した回転台を備えており、3つの受台にはそれぞれ種類の異なるトレイパックを積載し、残り一つの受台に緩衝シートを積載する。
【0006】
前記回転台は、所定の回転位置である取り出し位置に受台を停止可能とし、箱詰に要求される種類のトレイパックを載せた受台をこの包装資材供給位置に停止させ、箱詰ロボットを利用して包装資材供給位置に停止している受台に積載されている最上位置のトレイパックを包装箱内に嵌挿する。トレイパックが取り上げられると、回転台は回転を始めて緩衝シートの積載されている受台が取り出し位置に停止する。そして、製品箱内のトレイパックにリンゴが全て収納されると、箱詰ロボットが取り出し位置の緩衝シートを製品箱内に供給する(特許文献1)。
【0007】
また、農産物箱詰用包装資材の供給装置の他の構成としては、複数種類のトレイパックをそれぞれ積載するトレイパック積載台と、緩衝シートを積載する緩衝シート用積載台をそれぞれ固定配置し、所望するトレイパックについてはパック・シート供給装置によりトレイパック積載台から箱詰待機位置に待機している製品箱に嵌挿し、農産物は箱詰ロボットによりトレイパック内に収納される。一方、緩衝シート用積載台上の緩衝シートは、前記パック・シート供給装置によりコンベアからなる緩衝シート仮置部に一旦載置され、前記箱詰ロボットにより製品箱に供給される(特許文献2)。
【特許文献1】特開平11−029116号公報
【特許文献2】特開2002−104342号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した回転台方式の農産物包装資材の供給装置にあっては、コンパクト化が図れるために狭い場所でも配置できるが、回転台が頻繁に回転し、回転台が休止している期間が短いため、トレイパックおよび緩衝シートの補充供給作業が規制される。
【0009】
これに対し、積載台固定方式の農産物包装資材の供給装置にあっては、トレイパック及び緩衝シートが積載される積載台は固定配置されているため、トレイパックおよび緩衝シートの補充供給作業は行えるが、パック・シート供給装置が最上段のパック又は緩衝シートを取り出すため、パック・シート供給装置が停止している又は停止させることで供給することができる。また、製品箱に対してパック・シート供給装置と箱詰ロボットの2つが移動するため、互いが干渉するのを避けるために、パック・シート供給装置はトレイパックを製品箱に嵌挿後、及び緩衝シートを緩衝シート仮置部に仮置き後直ちに元の退避位置まで戻って待機する。また、箱詰ロボットは、緩衝シートを緩衝シート仮置部から製品箱に供給すると、直ちに退避位置まで戻り、トレイパックが製品箱に嵌挿後、農産物の箱詰指令が出されるまでこの退避位置で待機している。
【0010】
このように一つの動作を行うと退避位置まで戻り、次の動作指令を待つというシーケンスによってトレイパックと緩衝シートの供給を行う農産物箱詰用包装資材の供給装置において、1段目の箱詰が終了し、その上に緩衝シートを載せ、さらにこの緩衝シートの上に空のトレイパックを嵌挿して2段あるいは3段といった多段の箱詰態様での箱詰を行なう場合、緩衝シートを緩衝シート仮置部から製品箱内に供給した箱詰ロボットは一旦退避位置に戻り、次に退避位置のパック・シート供給装置が積載台まで移動してトレイパックを吸着手段などで取り上げて製品箱まで移動するという手順を要する。
【0011】
このため、選果場における選果から箱詰までの処理時間を短縮するという要請から、このような手順を見直し、トレイパック、緩衝シートといった農産物を製品箱に収納する際に用いられる包装資材の供給に要する時間を短縮することが望まれていた。
【0012】
本発明はこのような観点に鑑みなされたもので、積載台固定方式の農産物包装資材の供給装置の長所を生かしつつ、トレイパック、緩衝シートといった農産物を製品箱に収納する際に用いられる包装資材の供給手順を見直し、このような包装資材の供給に要する時間をより一層短縮できる農産物箱詰用包装資材の供給装置、および農産物を製品箱に箱詰するのに要する時間をより一層短縮できる農産物の箱詰装置を提供することを目的とするものであります。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の目的を実現する農産物箱詰用包装資材の供給装置の第1の構成は、請求項1に記載のように、農産物を箱詰する製品箱内に箱詰用の包装資材を供給する農産物箱詰用包装資材の供給装置において、前記包装資材を集積する包装資材集積部と、前記製品箱が待機する製品箱待機位置と、前記包装資材集積部と前記製品箱待機位置との間に設定された包装資材受渡空間と、前記包装資材集積部と前記包装資材受渡空間の所定位置との間を移動可能で、前記包装資材集積部から取出した包装資材を前記包装資材受渡空間の所定位置まで移動させて待機する包装資材取出受渡手段と、前記包装資材受渡空間の所定位置と前記製品箱待機位置に待機している製品箱との間を移動可能で、前記包装資材受渡空間の所定位置で前記包装資材取出受渡手段によって支持されて待機している包装資材を受取り、該製品箱内に当該包装資材を供給する包装資材受取り供給手段と、を有し、前記受渡空間の上下方向における所定レベルの水平面を包装資材の受渡面とし、前記受渡空間内において、該受渡面を境にして下方位置を前記包装資材取出受渡手段の可動領域とし、該受渡面を境にして上方位置を前記包装資材受取り供給手段の可動領域としたことを特徴とする。
【0014】
本発明の目的を実現する農産物箱詰用包装資材の供給装置の第2の構成は、請求項2に記載のように、上記した第1の構成で、前記包装資材取出受渡手段は、包装資材としてのトレイパックを上端に保持して前記受渡空間の所定位置に待機する第1の包装資材取出受渡手段と、包装資材としての緩衝材を積載して前記受渡空間の所定位置に、該トレイパックよりも上方で待機する第2の包装資材取出受渡手段と、を有することを特徴とする。
【0015】
本発明の目的を実現する農産物箱詰用包装資材の供給装置の第3の構成は、請求項3に記載のように、農産物を箱詰する製品箱内に箱詰用の包装資材を供給する農産物箱詰用包装資材の供給装置において、前記包装資材を集積する包装資材集積部と、前記製品箱が待機する製品箱待機位置と、前記包装資材集積部と前記製品箱待機位置との間に設定された包装資材受渡空間と、前記包装資材受渡空間の所定位置に設けられた包装資材保持手段と、前記包装資材集積部と前記包装資材保持手段との間を移動可能で、前記包装資材集積部から取出した包装資材としてのトレイパックを該包装資材保持手段まで移動させる第1の包装資材取出受渡手段と、前記包装資材集積部と前記包装資材受渡空間の所定位置との間を移動可能で、前記包装資材集積部から取出して積載している包装資材としての緩衝材を前記包装資材保持手段の上方位置で前記包装資材受渡空間の所定位置まで移動させて待機する第2の包装資材取出受渡手段と、前記包装資材受渡空間の所定位置と前記製品箱待機位置に待機している製品箱との間を移動可能で、前記包装資材受渡空間の所定位置で前記包装資材保持手段に保持されているトレイパック及び前記第2の包装資材取出受渡手段に積載されている緩衝材を受取り、該製品箱内に当該包装資材を供給する包装資材受取り供給手段と、を有し、前記受渡空間の上下方向における所定レベルの水平面を包装資材の受渡面とし、前記受渡空間内において、該受渡面を境にして下方位置を前記第1及び第2の包装資材取出受渡手段の可動領域とし、該受渡面を境にして上方位置を前記包装資材受取り供給手段の可動領域としたことを特徴とする。
【0016】
本発明の目的を実現する農産物箱詰用包装資材の供給装置の第4の構成は、請求項4に記載のように、上記いずれかの発明で、前記包装資材集積部には、異なる種類のトレイパックを積層し、底面側からトレイパックを取出し可能な複数のトレイパックストッカーと、緩衝材を積層し、底面側から緩衝材を取出し可能な緩衝材ストッカーを有することを特徴とする。
【0017】
本発明の目的を実現する農産物の箱詰装置は、請求項5に記載のように、箱詰用コンベアの農産物箱詰待機位置に整列して待機する農産物を箱詰ロボットにより、製品箱待機位置で待機している製品箱に箱詰する農産物の箱詰装置において、上記したいずれかの構成の農産物箱詰用包装資材の供給装置を備え、前記包装資材受取り供給手段と前記箱詰ロボットとを兼用させ、前記包装資材受取り供給手段を、前記箱詰用コンベアの農産物箱詰待機位置と前記製品箱との間にさらに移動可能としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に係る発明によれば、包装資材受渡空間を設定し、この空間内で包装資材取出受渡手段と包装資材受取り供給手段との移動領域を受渡空間内において上下に分けたので、包装資材取出受渡手段と包装資材受取り供給手段とがこの受渡空間内で干渉することがなくなり、包装資材取出受渡手段と包装資材受取り供給手段とをそれぞれ任意に動作させることができ、包装資材の供給の効率を向上させ、結果として製品箱に対する農産物の箱詰に要する時間の短縮化が図れる。
【0019】
請求項2に係る発明によれば、製品箱内のトレイパックに農産物を収納後、緩衝材を供給し、その上にトレイパックを供給する場合、あるいは緩衝材を製品箱に供給することで箱詰が終了し、次の製品箱にトレイパックを供給するような場合、予め受渡空間の所定位置で、緩衝材とトレイパックを上下にして待機させておくことができるので、迅速に緩衝材とトレイパックの製品箱への供給が可能となる。これにより、農産物の箱詰作業時間も短縮できる。
【0020】
請求項3に係る発明によれば、トレイパックが受け渡されるまで第1の包装資材取出受渡手段をその位置に待機させる必要がないので、包装資材保持手段までトレイパックを移動させればこの第1の包装資材取出受渡手段に次の作業を実行させることができ、装置を構成する要素の休止時間をできるだけ減少させることが可能となり、装置の稼動効率を向上させることができる。
【0021】
請求項4に係る発明によれば、積層されているトレイパック、緩衝材を下側から取り出すようにしているので、包装資材受取り供給手段と、包装資材取出受渡手段(第1及び第2の包装資材取出受渡手段)との可動領域の区分けに対応し、包装資材取出受渡手段(第1及び第2の包装資材取出受渡手段)の構成を単純化することができる。
【0022】
請求項5に係る発明によれば、箱詰ロボットの休止時間を短縮化でき、農産物の箱詰効率の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
第1の実施の形態
図1〜図9は本発明の第1の実施の形態を示す。
【0024】
図1は本発明を有効に実施できる選果場における農産物の選別箱詰装置の概略構成を示す平面図で、例えばリンゴ、梨、トマト、メロンなどの農産物をトレイに載せて箱詰位置まで搬送するいわゆるフリートレイ方式を採用したものである。図2は図1のF-F矢視図を示している。
【0025】
選別装置から箱詰コンベアまでの構成
この選別箱詰装置は、上下2段に配列した選別コンベア1からそれぞれ仕分区分毎にプールコンベア2が選別コンベア1の搬送方向と直交する横方向に配置され、不図示の計測装置により仕分区分が判定された農産物が当該仕分区分毎のプールコンベア2の位置に到達すると、排出装置3が動作して選別コンベア1上の農産物が載ったトレイ(以下実トレイと称す)Tがプールコンベア2に排出される。
【0026】
各プールコンベア2の搬送方向の先端は実トレイ搬送コンベア4(下段の実トレイ搬送コンベアを4A、上段の実トレイ搬送コンベアを4Bとする)に接続され、下段の実トレイ搬送コンベア4Bの先端部側は上り傾斜の傾斜搬送路4Bbを有し、また上段の実トレイ搬送コンベア4Aの先端部は下り傾斜の傾斜搬送路4Aaを有している。上り傾斜の傾斜搬送路4Bbの搬送方向先端には上下段切換ガイド5が配置され、この上下段切換ガイド5を切換えることにより、その先に配置された1条の箱詰コンベア6に対し、上段の実トレイ搬送コンベア4Aを搬送された実トレイTと、下段の実トレイ搬送コンベア4Bを搬送された実トレイTとのいずれかを送り込むようになっている。
【0027】
また、実トレイ搬送コンベア4には、プールコンベア2が接続される箇所に切換ガイド7が配置され、これらの切換ガイド7の切換位置を適宜制御することにより、個々のプールコンベア2上にプールされた特定の仕分区分に属する実トレイTのみを箱詰コンベア6に向けて搬送させることができるようになっている。
【0028】
したがって、この箱詰コンベア6を通して農産物箱詰待機位置に搬送される農産物は複数の仕分区分が存在することになる。このため、仕分区分が異なると、製品箱に箱詰する農産物の箱詰態様、箱詰個数が変わり、これに対応してこの箱詰部Gでは複数種類のトレイパックを用意することが必要となる。なお、各プールコンベア2の搬送方向先端部にはプールしている実トレイTが実トレイ搬送コンベア4に送り込むか否かを制御するためのストッパ8が設けられている。
【0029】
本実施の形態において、箱詰コンベア6は平面U字形状に折り返した構成とし、ストッパ9により箱詰コンベア6上を搬送される実トレイTが強制的に停止させられている。このストッパ9によって実トレイTが一列に整列されて停止している位置を農産物箱詰待機位置としている。この農産物箱詰待機位置で、実トレイT上の農産物が取り上げられて空となったトレイ(以下空トレイと称す)Tはストッパ9のストッパ動作を解除することにより、その先の空トレイ搬送コンベア10上を搬送され、さらに空トレイ回収コンベア11に合流し、不図示の農産物供給部に戻される。
【0030】
箱詰部Gの構成を図1、図2〜図9に示す図面を参照して以下に説明する。
【0031】
図3は図1のA-A矢視図、図4は図1のB-B矢視図、図5は図1のC-C矢視図、図6は図1のD-D矢視図である。図7は図1に示すトレイパックストッカーを説明する図で、(a)は下面のシャッターを閉じて積載されているトレイパックをシャッター位置まで自重で降ろした状態、(b)はシャッターを開いて最下端のトレイパックを引き下げて抜き取る状態を示す。図8は図1に示す緩衝シート(中仕切)ストッカーを説明する図で、(a)は下面のシャッターを閉じて積載されている中仕切をシャッター位置まで自重で降ろした状態、(b)はシャッターを開いて下方の中仕切搬送装置のテーブルに中仕切を落下載置した状態を示す。図9は中仕切搬送装置の概略構成を示す斜視図。
【0032】
箱詰部の構成
図1において、箱詰コンベア6の農産物箱詰待機位置と平行に空の製品箱20を製品箱箱詰待機位置に搬送する製品箱搬送コンベア21が配置され、不図示の製品箱ストッパによりこの製品箱箱詰待機位置に空の製品箱20が停止される。この製品箱箱詰待機位置で農産物の箱詰が終了した製品箱は、前記製品箱ストッパを解除することにより製品箱搬送コンベア21上を搬送される。また、製品箱降下装置22により逐次空の製品箱20が製品箱搬送コンベア21に供給される。
【0033】
本実施の形態において、製品箱搬送コンベア21を挟んで箱詰コンベア6と反対側に、トレイパック集積部23と中仕切集積部24が並んで配置されており、製品箱搬送コンベア21と、これらトレイパック集積部23と中仕切集積部24との間には製品箱搬送コンベア21の搬送方向に沿ってトレイパックと中仕切の受渡空間(以下受渡空間と称す)25が形成され、この受渡空間25内をトレイパック26及び中仕切27が移動できるようになっている。
【0034】
なお、製品箱搬送コンベア6の搬送方向をX方向、水平平面でこのX方向と直交する方向をY方向、上下方向をZ方向として以下説明する。
【0035】
トレイパック集積部23には、複数のトレイパックストッカー28(28A、28B、28C)がX方向に沿って配置され、各トレイパックストッカー28A、28B、28Cには種類の異なるトレイパック26が積載されている。また、中仕切集積部24には、中仕切ストッカー29が配置され、この中仕切ストッカー29に中仕切27が積載されている。
【0036】
図3及び図6に示すように、箱詰コンベア6、製品箱搬送コンベア21及び空間25に渡って跨ぐように箱詰ロボット30が設けられている。
【0037】
箱詰ロボット30は、箱詰コンベア6、製品箱搬送コンベア21及び受渡空間25の間に差し渡されたY方向に延びる水平ビーム31Aに設けたレール32Aに嵌合する水平移動体32を介して吸着式の移載機構(以下吸着式移載機構と称す)33を取り付け、この水平移動体32を不図示の駆動機構により水平ビーム31Aの長さ方向であるY方向に沿って移動することにより、この吸着式移載機構33を箱詰コンベア6の農産物箱詰待機位置と受渡空間25との間で移動自在としている。なお、水平ビーム31Aは、その両側をフレーム31Bと31Cにより支持されている。
【0038】
吸着式移載機構32は、水平移動体32に対してZ方向に昇降可能な昇降ロッド33Aの下端部に、水平ビーム31Aと直交するX方向に延びる下部レール部材33Bが取り付けられていて、この下部レール部材33Bにスライド自在に嵌合する嵌合部材33Cを介して複数本の吸着パッド33Dを吊り下げ保持する吸着パッド吊り下げ体33Eが固定された構成としている。
【0039】
また、図6に示すように、この吸着パッド吊り下げ体33Eには、一番左側の吸着パッド33D−1が固定され、残りの複数の吸着パッド33D―2が吸着パッド吊り下げ体33Eの長さ方向であるX方向に沿って移動自在に取り付けられ、これらの吸着パッド33Dをそれぞれパンタグラフ式の連結機構33Fで連結し、このパンダグラフ式の連結機構33Fを不図示の駆動機構により伸縮駆動させることにより、吸着パッド33D間のX方向のピッチを任意に変更可能としている。
【0040】
吸着パッド33Dは、エアシリンダー機構などにより上下方向であるZ方向の長さが伸縮可能な吸着ロッド33Gと、この吸着ロッド33Gの下端部に設けられた吸着パッド部33Hとにより構成され、後述するトレイパック26及び中仕切27との受渡時に、特定の吸着パッド33Dが降下してトレイパック26及び中仕切27の受渡に供することが可能となっている。また、この吸着パッド33Dは、不図示の真空源と不図示のコントロールバルブを介して接続され、吸着パッド部33Hに当接した物体を吸着保持する。
【0041】
なお、複数の吸着パッド33Dを吊り下げ保持している吸着パッド吊り下げ体33Eは嵌合部材33Cを下部レール部材33Bに対してX方向に沿って移動させることにより、箱詰コンベア6の農産物箱詰待機位置あるいは後述する受渡空間25に仮想的に設定した仮想受渡位置25Aに対する位置調整ができるようになっている。
【0042】
トレイパック集積部23に配置しているトレイパックストッカー28(28A〜28C)は、トレイパック26を上方から補充し、下方から取出す方式が採用されており、トレイパックストッカー28(28A〜28C)の下面は図3に示すように、製品箱搬送コンベア21の搬送面よりも上方の位置となっている。
【0043】
トレイパック取出搬送装置
このトレイパック集積部23には、トレイパックストッカー28(28A〜28C)の下面よりも下方にトレイパック取出搬送装置34が配置されている。図3及び図5に示すように、トレイパック取出搬送装置34は、X方向に延びる下レール部材34Aに嵌合部材34Bが摺動自在に嵌合し、この嵌合部材34にY方向に延びる上レール部材34Cが固定され、この上レール部材34Cに対してホルダー34DがY方向に摺動自在に嵌合している。このホルダー34Dと嵌合部材34Bはそれぞれ不図示の駆動機構により駆動制御される。
【0044】
このホルダー34Dには、トレイパック取出用吸着パッド34Eが上向きに取り付けられている。このトレイパック取出用吸着パッド34Eは、ホルダー34Dに保持されたシリンダー34Fを昇降駆動することにより、ロッド34Gが昇降する。このロッド34Gの上端には板部材34Hが取り付けられ、この板部材34Hに2本の吸着ロッド34IがX方向に離隔して取り付けられており、一方の吸着ロッド34IがX方向に沿って取り付け位置の調整が可能となっている。そして、吸着ロッド34Iの上端に吸着パッド部34Jが取り付けられている。
【0045】
本実施の形態において、下レール部材34Aは全てのトレイパックストッカー28(28A〜28C)をカバーする長さを有し、上レール部材34Cは2本の吸着ロッド34Iが全てのトレイパックストッカー28(28A〜28C)の真下まで移動できる長さを有している。
【0046】
すなわち、本実施の形態のトレイパック取出搬送装置34は、いわゆるX-Yテーブルとして機能し、複数(本実施の形態では3つ)のトレイパックストッカー28A〜28Cの下面位置に2本の吸着ロッド34が任意に移動可能とすると共に、受渡空間25の任意の位置に進出可能であり、本実施の形態では受渡空間25に設定した仮想受渡位置25Aに停止するようにしている。
【0047】
トレイパックストッカー28の構成
トレイパックストッカー28(28A〜28C)はいずれも同じ構成のものを使用しており、その構成を図7を参照して説明する。
【0048】
トレイパックストッカー28は、四角形の角筒形状に形成され角筒28a内に、Y方向に沿って対向する一対のガイド板28bが積載収容するトレイパック26のサイズに合わせてセットされる。この一対のガイド板28bの下方に、上下方向に複数枚のトレイパック26を係合保持する係合溝28cが内面に形成された係合板28dが対向して配置され、一方の係合板28dは角筒28aに固定のシリンダー装置28eによりY方向に移動可能となっている。
【0049】
また、角筒28aには、Y方向に延びる回転軸28fがX方向に沿って一対取り付けられ、これら各回転軸28fにシャッター板28gが取り付けられることにより、トレイパックストッカー28の底面を開閉可能とするシャッター28hを構成している。このシャッター28hの開閉駆動は、不図示の駆動装置を駆動制御することにより、例えば一対の回転軸28fを同時に回動させて行うことができる。
【0050】
図7の(a)は、シャッター28hが閉じた状態を示し、このシャッター閉の状態ではシリンダー装置28eが一方の係合板28dを外側に引いた状態としており、この場合、対向する一対の係合板28dの係合溝28cはトレイパック26の外周縁部との係合が外れているため、積載されているトレイパック26はシャッター28hに当接する位置まで全体的に下がる。そして、最下位のトレイパック26を下方から取出すのにシャッター28hを開放する前に、シリンダー装置28eが一方の係合板28dをトレイパック26に向けて押出すことにより、一対の係合板28dの上下の複数の係合溝28cに最下端から上方に向かって積載されている複数枚のトレイパック26の外周端縁が係合して上下のトレイパック26が分離される。この状態でシャッター28hを開くと積載されているトレイパック26が自然落下することが防止され、最下位のトレイパック26のみを引き抜いて取出すことが可能となる。
【0051】
本実施の形態では、このシャッター28hが開いた後に、トレイパック取出搬送装置34を駆動制御して、上向きに延びているトレイパック取出用吸着パッド34Eを選択されているトレイパックストッカー28の真下まで移動させ、シリンダー34Fを上昇駆動させて2つの吸着パッド部34Jをトレイパックストッカー28の最下端位置のトレイパック26の底面に外側から吸着させ、次いでシリンダー34Fを降下駆動させると、最下端位置のトレイパック26が下方に向けて引っ張られ、このトレイパック26が一対の係合板28dの係合溝28cから離脱し、トレイパック取出用吸着パッド34の上端に支持される。
【0052】
トレイパックストッカー28の底側からトレイパック26を取出したトレイパック取出用吸着パッド34Eは、トレイパック取出搬送装置34の上記したX-Y駆動により、受渡空間25に設定した仮想受渡位置25Aまでこのトレイパック26を支えた姿勢で移動し、停止する。
【0053】
図3は空の製品箱20に最初にトレイパック26を嵌挿する場合を示している。この場合、仮想受渡位置25Aにトレイパック取出用吸着パッド34Eに支持されてトレイパック26は待機しており、箱詰ロボット30は吸着式移載機構33を仮想受渡位置25Aまで移動させ、この吸着式移載機構33における特定の吸着パッド33Dを下げ、仮想受渡位置25Aに待機しているトレイパック26をトレイパック取出用吸着パッド34Eから受け渡される。箱詰ロボット30は、吸着式移載機構33がトレイパック26を仮想受渡位置25Aで受け渡されると、製品箱搬送コンベア21の製品箱箱詰待機位置で待機している製品箱20までこのトレイパック26を運んで製品箱20内に嵌挿する。
【0054】
仮想受渡位置25Aでトレイパック26の受渡が済んだトレイパック取出用吸着パッド34Eは、次のトレイパック26を用意するために、上記したシーケンスに従ってトレイパック26を取出し、再びこの仮想受渡位置25Aでトレイパック26を支持して待機する。また、箱詰ロボット30は、トレイパック26を製品箱20に嵌挿すると、今度は箱詰コンベア6の農産物箱詰待機位置に待機している所定個数の農産物を吸着式移載機構33で一度に吸着して吊り上げ、製品箱20内まで運び、トレイパック26の凹部に収納する。その後、吸着式移載機構33の吸着パッド33Dは農産物との吸着を解除し、再び吸着式移載機構33を箱詰コンベア6の農産物箱詰待機位置まで戻し、農産物を上記の場合と同様に吸着して吊り上げて製品箱20のトレイパック26の空いた凹部に収納する。この一連の農産物の箱詰動作が一枚のトレイパック26に対して終了すると、次に2段目のトレイパック26に農産物を収納することになるが、その前に、先ず中仕切27を1段目の収納が終了した農産物の上に載置する作業が行われる。
【0055】
本実施の形態において、中仕切27を積載する中仕切ストッカー29は、図8に示すように、トレイパックストッカー28と同様の構成に形成されており、図5に示すように、この中仕切ストッカー29の底面はトレイパックストッカー28の底面と略同じ上下方向レベルに位置している。
【0056】
中仕切ストッカー29は、四角形の角筒形状に形成され角筒29a内に、Y方向に沿って対向する一対のガイド板29bが積載収容する中仕切27のサイズに合わせてセットされる。この一対のガイド板29bの下方に、上下方向に複数枚のトレイパック26を挟圧保持する挟持板29dが対向して配置され、一方の挟持板29dは角筒29aに固定のシリンダー装置29eによりY方向に移動可能となっている。
【0057】
また、角筒29aには、Y方向に延びる回転軸29fがX方向に沿って一対取り付けられ、これら各回転軸29fにシャッター板29gが取り付けられることにより、トレイパックストッカー29の底面を開閉可能とするシャッター29hを構成している。このシャッター29hの開閉駆動は、後述する中仕切搬送装置36に載置されている中仕切27の枚数が減ると、中仕切27を補充するためにシャッター29hを開いて一度に複数枚の中仕切27を下方の中仕切押出装置35上に落下させ、この中仕切押出装置35上に落下した中仕切27を中仕切搬送装置36に補充するようにしている。なお、不図示の駆動装置を駆動制御することにより、例えば一対の回転軸29fを同時に回動させてシャッター29hの開閉駆動を行うことができる。
【0058】
図8の(a)は、シャッター29hが閉じた状態を示し、このシャッター閉の状態ではシリンダー装置29eが一方の挟持板29dを外側に引いた状態としており、この場合、対向する一対の挟持板29d間の距離が広がり、積載されている中仕切27はシャッター29hに当接する位置まで全体的に下がる。そして、上述のように中仕切27の補充が必要となると、シャッター29hを開放する前に、シリンダー装置29eが一方の挟持板29dを中仕切27に向けて押出すことにより、一対の挟持板29dにより中仕切27を挟持して全体の落下を防ぐが、一対の挟持板29dよりも下方に位置している複数枚の中仕切27はシャッター29hの開放で、この中仕切ストッカー29の下方に固定配置されている中仕切押出装置35の載置テーブル35Aに自然落下する。
【0059】
中仕切押出装置35は、水平の載置テーブル35AにY方向に沿って溝部35Bを形成し、この溝部35Bに係合する作動部材35Cに押出部材35Dを設け、載置テーブル35Aに載置している複数枚の中仕切27を受渡空間25側に向かって水平に押出し、中仕切搬送装置36に押出すようになっている。この押出部材35Dの押出動作は、作動部材35Cを不図示のシリンダー装置によりY方向に移動させることにより行われる。
【0060】
中仕切搬送装置36は、中仕切ストッカー29と前記受渡空間25の仮想受渡位置25Aとの間をX方向に沿って移動可能としてもので、図4に示すように、仮想受渡位置25Aにおいて、トレイパック取出用吸着パッド34Eに支持されて待機しているトレイパック26よりも中仕切搬送装置36が上方に位置するように設定されている。
【0061】
本実施の形態の中仕切搬送装置36は、X方向に延びるガイドレール36Aに摺動自在に嵌合する嵌合部材36Bに対し、中仕切載置板36Cを取り付けた構成で、不図示のシリンダー装置により、この嵌合部材36BをX方向に移動させることにより、中仕切載置板36Cを中仕切押出装置35と仮想受渡位置25Aとの間で移動可能としている。
【0062】
中仕切載置板36C上に載置されている複数枚の中仕切27は、仮想受渡位置25Aで箱詰ロボット30の吸着式移載機構33により、トレイパックと同様に上方から最上位置の中仕切27を取り上げる際に支障とならないように、X方向の前後に設けたブラケット部36Dを介して嵌合部材36Bに固定している。また、図8に示すように、中仕切搬送装置36が中仕切押出装置35に対応した位置に戻った際、中仕切載置板36Cからの反射強度を光学式のセンサー36Eにより検出し、反射強度が強いと(例えば光学式センサー36Eに対応する中仕切載置板36Cの表面にミラーを設けておく)、中仕切27が無いと判断し、中仕切27の補充を行うようにしている。
【0063】
本実施の形態において、上述した1段目のトレイパック26を製品箱20に嵌挿した後、この1段目のトレイパック26に全ての農産物を収納するまで、箱詰ロボット30の吸着式移載機構33は受渡空間25に進入することはない。このため、1段目のトレイパック26を仮想受渡位置25Aで吸着式移載機構33に受け渡すと、直ちに中仕切搬送装置36を仮想受渡位置25Aまで移動させることが可能となる。またトレイパック取出用吸着パッド34Eも次のトレイパック26を支持した状態でこの仮想受渡位置25Aにおいて、上記の中仕切搬送装置36の下方で待機することが可能となる。
【0064】
この待機状態で、1段目のトレイパック26の凹部に全ての農産物の収納が終了すると、箱詰ロボット30の吸着式移載機構33が仮想受渡位置25Aまで移動し、中仕切搬送装置36の中仕切載置板36C上に載置されている最上位置の中仕切27が吸着式移載機構33により吸着保持されて製品箱箱詰待機位置の製品箱20まで運ばれて載置される。この中仕切27の移載中に、中仕切搬送装置36は中仕切押出装置36の位置まで戻っているため、仮想受渡位置25Aではトレイパック取出用吸着パッド34Eにより支持されているトレイパック26の受渡が可能となる。
【0065】
したがって、箱詰ロボット30の吸着式移載機構33が中仕切27を製品箱20に供給後、直ちにこの吸着式移載機構33を仮想受渡位置25Aまで戻し、2段目のトレイパック26の受渡を行い、再び製品箱20の中仕切27の上にこの2段目のトレイパック26を嵌挿することができ、中仕切26を製品箱20内に供給する作業から2段目のトレイパック26を製品箱20内に嵌挿する作業を連続的に行え、この一連の手順に要する時間を大幅に短縮することができる。
【0066】
このように、本実施の形態では、製品箱20内にトレイパック26を2段に積載する場合を例にして説明したが、1段詰め、あるいは2段詰めの場合でも、最後に中仕切27を載置する場合には、上述の場合と同様に、仮想受渡位置25Aに図4に示すように、中仕切27と次の製品箱20の1段目用のトレイパック26とを待機させておけば、前の製品箱への中仕切27の供給と次の製品箱へのトレイパック26の供給を迅速に行うことができる。
【0067】
この結果、箱詰ロボット30についても休止時間の減少を図れ、農産物を製品箱に収納するのに要する時間を短縮でき、箱詰効率を向上させ、農産物の選別から箱詰までに要する時間の短縮化を図ることができる。
【0068】
なお、本実施の形態では、仮想受渡位置25Aを中仕切ストッカー29に最も近い位置のトレイパックストッカー28Cとの対向位置に設定し、箱詰コンベア6に設定した箱詰位置及び製品箱搬送コンベア21に設定した箱詰待機位置とY方向で一直線上に並ぶようにしているが、この位置に限定されるものではなく、受渡空間25内の任意の位置に設定することができる。また、箱詰ロボット30についても、仮想受渡位置25Aと製品箱箱詰待機位置及び農産物箱詰待機位置がY方向で一直線上に並んでいなくても、吸着式移載機構33の移動範囲を仮想受渡位置25Aと製品箱箱詰待機位置及び農産物箱詰待機位置とに渡って移動できるようにすれば良い。
【0069】
第2の実施の形態
図10は本発明の第2の実施の形態を示し、(a)は第1の実施の形態における図3に相当する図、(b)はトレイパック待機位置を示す図である。なお、保持部材40を設けた点以外の機械的な構成は第1の実施の形態と同様である。
【0070】
第1の実施の形態では、受渡空間25に設定した仮想受渡位置25Aで吸着式移載機構33によりトレイパック26の受け取りが完了するまでトレイパック取出用吸着パッド34Eはこの仮想受渡位置25Aに停止しているが、本実施の形態では、この仮想受渡位置25Aにトレイパック26を仮保持して待機させるための保持部材40をY方向に対向配置している。
【0071】
この一対の保持部材40はいずれか一方がY方向に移動可能とし、この移動可能な保持部材40を軽いバネ力で反対側の保持部材40に向けて付勢するように構成することで、トレイパック取出用吸着パッド34Eが所定の対向距離を維持している一対の保持部材40の下方からトレイパック26を上方に押し上げると、一方の保持部材40が移動して上記の所定の対向距離が広がり、トレイパック26の外周縁が対向する保持部材40の間を通り抜け、該一方の保持部材40がバネ力で元の位置まで戻り、一対の保持部材40でトレイパック26が保持されることになる。この状態で、トレイパック取出用吸着パッド34Eの吸着作用を停止し、所望のトレイパックストッカー28の下方に戻り、次のトレイパック26の取出しを実行する。その後、トレイパックを一対の保持部材40からなるトレイパック待機位置の下方まで移動させ、このトレイパック待機位置でのトレイパックが吸着式移載機構33により製品箱20に向けて運ばれると、直ちに上述したようにトレイパック26を上昇させてトレイパック待機位置に供給する。
【0072】
本実施の形態では、上記した第1の実施の形態の効果に加え、さらにトレイパック取出用吸着パッド34Eを吸着式移載機構33に対してトレイパック26を受け渡すまで拘束することがないので、次のトレイパック26の供給のための準備が行え、トレイパック取出用吸着パッド34の有効利用を図ることができる。
【0073】
なお、一対の保持部材40の一方をバネ力に抗して移動できるようにしているが、シリンダー装置により強制的に移動させても良く、また保持部材40自体をゴムなどの弾性を有する材料で形成し、トレイパック26の上昇の際に弾性変形させるようにしても良いし、トレイパック26の端を保持部材40に引っかけるようにして載置するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明を有効に実施できる選果場における農産物の選別箱詰装置の概略構成を示す平面図。
【図2】図1のF-F矢視図。
【図3】図1のA-A矢視図。
【図4】図1のB-B矢視図。
【図5】図1のC-C矢視図。
【図6】図1のD-D矢視図。
【図7】図1に示すトレイパックストッカーを説明する図で、(a)は下面のシャッター閉の状態、(b)はシャッター開の状態を示す。
【図8】図1に示す緩衝シート(中仕切)ストッカーを説明する図で、(a)は下面のシャッターを閉の状態、(b)はシャッター開の状態を示す。
【図9】図9は中仕切搬送装置の概略構成を示す斜視図。
【図10】本発明の第2の実施の形態を示し、(a)は第1の実施の形態における図3に相当する図、(b)はトレイパック待機位置を示す図である。
【符号の説明】
【0075】
G 箱詰部
T 実トレイ
1 選別コンベア
2 プールコンベア
3 排出装置
4 実トレイ搬送コンベア
4A 上段の実トレイ搬送コンベア 4Aa 下り傾斜の傾斜搬送路
4B 下段の実トレイ搬送コンベア 4Bb 上り傾斜の傾斜搬送路
5 上下段切換ガイド
6 箱詰コンベア6
7 切換ガイド
8、9 ストッパ
10 空トレイ搬送コンベア
11 空トレイ回収コンベア
20 空の製品箱
21 製品箱搬送コンベア
22 製品箱降下装置
23 トレイパック集積部
24 中仕切集積部
25 受渡空間
25A 仮想受渡位置
26 トレイパック
27 中仕切
28 トレイパックストッカー
29 中仕切ストッカー
28a 29a 角筒 28b、29b ガイド板
28c 係合溝 28d 係合板 29d 挟持板
28e、29e シリンダー装置 28f、29f 回転軸
28g、29g シャッター板 28h、29h シャッター
30 箱詰ロボット
31A 水平ビーム 31B、31C フレーム
32 水平移動体 32A レール
33 吸着式移載機構
33A 昇降ロッド 33B 下部レール部材
33C 嵌合部材 33D 吸着パッド
33E 吸着パッド吊り下げ体 33F 連結機構
33G 吸着ロッド 33H 吸着パッド部
34 トレイパック取出搬送装置
34A 下レール部材 34B 嵌合部材
34C 上レール部材 34D ホルダー
34E トレイパック取出用吸着パッド
34F シリンダー 34G ロッド 34H 板部材
34I 吸着ロッド 34J 吸着パッド部
35 中仕切押出装置
35A 載置テーブル 35B 溝部
35C 作動部材 35D 押出部材
36 中仕切搬送装置
36A ガイドレール 36B 嵌合部材
36C 中仕切載置板 36D ブラケット部
36E センサー
40 保持部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
農産物を箱詰する製品箱内に箱詰用の包装資材を供給する農産物箱詰用包装資材の供給装置において、
前記包装資材を集積する包装資材集積部と、
前記製品箱が待機する製品箱待機位置と、
前記包装資材集積部と前記製品箱待機位置との間に設定された包装資材受渡空間と、
前記包装資材集積部と前記包装資材受渡空間の所定位置との間を移動可能で、前記包装資材集積部から取出した包装資材を前記包装資材受渡空間の所定位置まで移動させて待機する包装資材取出受渡手段と、
前記包装資材受渡空間の所定位置と前記製品箱待機位置に待機している製品箱との間を移動可能で、前記包装資材受渡空間の所定位置で前記包装資材取出受渡手段によって支持されて待機している包装資材を受取り、該製品箱内に当該包装資材を供給する包装資材受取り供給手段と、を有し、
前記受渡空間の上下方向における所定レベルの水平面を包装資材の受渡面とし、前記受渡空間内において、該受渡面を境にして下方位置を前記包装資材取出受渡手段の可動領域とし、該受渡面を境にして上方位置を前記包装資材受取り供給手段の可動領域としたことを特徴とする農産物箱詰用包装資材の供給装置。
【請求項2】
前記包装資材取出受渡手段は、包装資材としてのトレイパックを上端に保持して前記受渡空間の所定位置に待機する第1の包装資材取出受渡手段と、包装資材としての緩衝材を積載して前記受渡空間の所定位置に、該トレイパックよりも上方で待機する第2の包装資材取出受渡手段と、を有することを特徴とする請求項1に記載の農産物箱詰用包装資材の供給装置。
【請求項3】
農産物を箱詰する製品箱内に箱詰用の包装資材を供給する農産物箱詰用包装資材の供給装置において、
前記包装資材を集積する包装資材集積部と、
前記製品箱が待機する製品箱待機位置と、
前記包装資材集積部と前記製品箱待機位置との間に設定された包装資材受渡空間と、
前記包装資材受渡空間の所定位置に設けられた包装資材保持手段と、
前記包装資材集積部と前記包装資材保持手段との間を移動可能で、前記包装資材集積部から取出した包装資材としてのトレイパックを該包装資材保持手段まで移動させる第1の包装資材取出受渡手段と、
前記包装資材集積部と前記包装資材受渡空間の所定位置との間を移動可能で、前記包装資材集積部から取出して積載している包装資材としての緩衝材を前記包装資材保持手段の上方位置で前記包装資材受渡空間の所定位置まで移動させて待機する第2の包装資材取出受渡手段と、
前記包装資材受渡空間の所定位置と前記製品箱待機位置に待機している製品箱との間を移動可能で、前記包装資材受渡空間の所定位置で前記包装資材保持手段に保持されているトレイパック及び前記第2の包装資材取出受渡手段に積載されている緩衝材を受取り、該製品箱内に当該包装資材を供給する包装資材受取り供給手段と、を有し、
前記受渡空間の上下方向における所定レベルの水平面を包装資材の受渡面とし、前記受渡空間内において、該受渡面を境にして下方位置を前記第1及び第2の包装資材取出受渡手段の可動領域とし、該受渡面を境にして上方位置を前記包装資材受取り供給手段の可動領域としたことを特徴とする農産物箱詰用包装資材の供給装置。
【請求項4】
前記包装資材集積部には、異なる種類のトレイパックを積層し、底面側からトレイパックを取出し可能な複数のトレイパックストッカーと、緩衝材を積層し、底面側から緩衝材を取出し可能な緩衝材ストッカーを有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の農産物箱詰用包装資材の供給装置。
【請求項5】
箱詰用コンベアの農産物箱詰待機位置に整列して待機する農産物を箱詰ロボットにより、製品箱待機位置で待機している製品箱に箱詰する農産物の箱詰装置において、
請求項1から4のいずれかに記載の農産物箱詰用包装資材の供給装置を備え、前記包装資材受取り供給手段と前記箱詰ロボットとを兼用させ、前記包装資材受取り供給手段を、前記箱詰用コンベアの農産物箱詰待機位置と前記製品箱との間にさらに移動可能としたことを特徴とする農産物の箱詰装置。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−240718(P2006−240718A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−62299(P2005−62299)
【出願日】平成17年3月7日(2005.3.7)
【出願人】(000137328)株式会社マキ製作所 (48)
【Fターム(参考)】