説明

通信バンド内にあるサブバンドにアンテナをインピーダンス整合するためのシステムおよび方法

通信バンド幅セグメントインピーダンスを選択的に整合するための、サブバンドアンテナ整合方法およびアンテナ整合システムを提供する。方法は、周波数に応じたインピーダンスをアンテナから受け入れることと、第1の通信バンドのサブバンドにおいて、アンテナに対して共役インピーダンスを選択的に供給することとを包含する。一部の局面では、方法は、第2の通信バンドのサブバンドにおいて、アンテナに対して共役インピーダンスを選択的に供給する。より具体的には、方法は、第1のチューニング回路を第1の周波数にチューニングすることと、同時に第2のチューニング回路を第2の周波数にチューニングして、第1の通信バンドの低周波数側の終端においてアンテナを整合することとを包含する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、「SYSTEM AND METHOD FOR IMPEDANCE MATCHING AN ANTENNA TO SUB−BANDS IN A COMMUNICATION BAND」と題された、同時係属中の米国特許出願第10/899,218号(所有権が同一である)に関連する。当該出願の全体を本明細書中に援用する。
【0002】
本出願はまた、上記係属中の米国出願と同一の出願日に出願された、同一の発明者による以下の2件の係属中の米国出願:「SYSTEM AND METHOD FOR DUAL−BAND ANTENNA MATCHING」と題された米国特許出願第10/899,278号および「FULL−DUPLEX ANTENNA SYSTEM AND METHOD」と題された米国特許出願10/899,285号にも関連する。これらの出願の全体を本明細書中に援用する。
【0003】
(1.発明の分野)
本発明は、一般的には無線通信アンテナに関し、より詳細には、通信バンド内にある選択されたサブバンドに選択的にアンテナを整合させるためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0004】
(2.関連技術の説明)
より多くの機能性まで加えられながらも、電話等の携帯無線通信機器のサイズは縮小し続けている。その結果、設計者はコンポーネントまたは機器サブシステムの性能を、これらのコンポーネントを不都合な位置にパッケージングしながらも向上させ、かつそれらのサイズを縮小しなければならない。このような重要なコンポーネントの1つは無線通信アンテナである。このアンテナは、たとえば電話トランシーバ、またはグローバルポジショニングシステム(GPS)レシーバに接続され得る。
【0005】
最新技術の無線電話は、多数の異なる通信バンドにおいて動作することを期待される。米国では、850メガヘルツ(MHz)周辺のセルラー方式のバンド(AMPS)と、1900MHz周辺のPCS(パーソナルコミュニケーションシステム)バンドおよびDCSバンドとが利用されている。その他の通信バンドとしては、約1800MHzのPCN(パーソナルコミュニケーションネットワーク)、約900MHzおよび約1830MHzのGSMシステム(グループスペシャルモバイル)、約800MHzおよび約1500MHzのJDC(ジャパニーズデジタルセルラー)が含まれる。対象となるその他のバンドは、約1575MHzのGPS信号、約2400MHzのBluetooth、および約1850〜2200MHzの広帯域符号分割多重接続(WCDMA)である。
【0006】
無線通信機器は、単純な円筒コイルまたはホイップアンテナを第1または第2の通信アンテナとして使用することが知られている。逆F字型のアンテナも普及している。アンテナの共振周波数は、その電気長に応じたものであり、電気長は、動作周波数の波長の一部分を構成する。無線機器アンテナの電気長は、5λ/4、3λ/4、λ/2、またはλ/4等、4分の1波長の倍数(λは動作周波数の波長である)であることが多い。実効波長は、アンテナラジエータの物理長および近似の比誘電率に応じたものである。
【0007】
従来、各無線機器トランシーバ(受信器および/または送信器)は、特定の通信バンドにおいて共振する別個のアンテナに接続されている。アンテナは、ある通信バンド全体にわたって非常に良く共振し得るが、その通信バンド内にある全チャンネルに対して最適にチューニングされることは不可能である。したがって、広帯域のチューニングは最適な効率を犠牲にすることになる。
【0008】
最新技術の多くの無線機器は、多数の通信バンドにおいて動作する。しかしながら、それぞれ異なる通信バンドにおいて動作する多数のトランシーバ、あるいは多数の通信バンドにおいて動作するようにチューニングされ得る1つのトランシーバを機器が組み込んでいる場合、個別のアンテナを携帯無線機器に配置することは困難である。力ずくの手法は、各通信バンドに対して異なる共振子またはアンテナを追加することであった。たとえば、面積の異なる2つのマイクロストリップパッチを異なる領域に重ね、調和しない関連する共振周波数応答を作ることが知られているが、このような設計は、必要とされる全周波数(通信バンド)をカバーするには不適切である場合もある。上記のアンテナに対する問題に対処するための解決策は、より高い通信バンドのバンドパス応答を拡大し、たとえばGPS通信およびPCS通信をカバーすること、およびより低い通信バンドを利用してセルラー方式のバンド(AMPS)の周波数において共振させることであった。しかしながら、より高いバンドを拡大してGPSやPCSの性能を向上させることは、セルラー方式のバンドの性能を犠牲にすることになる。
【0009】
従来のアンテナ設計は、誘電性材料の使用を組み込んでいる。一般的に言えば、アンテナによって生成された場の一部分は、誘電体を介してラジエータから埋設地線(アース)へ返る。アンテナは、複数の周波数において共振するようにチューニングされ、ラジエータの波長および比誘電率は、共振周波数において最適の関係を有する。最も一般的な誘電体は空気であり、比誘電率1を有する。その他の材料の比誘電率は、空気に対して定義されている。
【0010】
強誘電性材料は、印加電圧に応じて変化する比誘電率を有する。その可変的な比誘電率のため、強誘電性材料はチューニング可能なコンポーネントを作製するための良い候補である。しかしながら、従来の測定技術は、強誘電性のコンポーネントのロス特性を改善するために用いられた処理、ドーピング、またはその他の製造技術にかかわらず、強誘電性のコンポーネントを実質的にロスのあるものと特徴づけてきた。RF領域または電磁波領域において動作する、強誘電性のチューニング可能なコンポーネントは、特にロスのあるものとして認識されていた。この所見は、レーダアプリケーションにおける経験によって裏付けられている。レーダアプリケーションにおいて、特に最大のチューニングが所望されている場合、大量の(厚みが約1.0mmよりも大きい)FE(強誘電性)材料に関して、たとえば高い無線周波数(RF)のロスまたはマイクロ波のロスが従来では慣習的であった。一般的に、ほとんどの強誘電性材料は、ロスを改善(低減)するためのステップをとらなければロスを生じるものである。このようなステップとしては、(1)O2空洞を埋めるための堆積前および堆積後のアニーリング、またはその両方、(2)表面ストレスを低減するための緩衝層の使用、(3)その他の材料によるアロイングまたは緩衝、(4)選択的ドーピングが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
【0011】
近年、より低電力のコンポーネントの制限された範囲におけるチューニングに対する需要が高まりつつあるため、強誘電性材料への関心は、大量の材料ではなくむしろ薄膜の使用へと変わってきた。しかしながら、高い強誘電体ロスの仮定は、薄膜加工物にも同様に持ち込まれた。従来のブロードバンド測定技術は、チューニング可能な強誘電性コンポーネントが大量であっても薄膜であっても実質的なロスを有するという仮定を支持してきた。無線通信整合回路において、たとえば、40よりも大きな、好ましくは180よりも大きな、より好ましくは350よりも大きな、Qが、約2GHzの周波数において必要である。これらの同様の仮定がアンテナインタフェース回路およびトランシーバの設計に適用されている。
【0012】
チューニング可能な強誘電性コンポーネント(特に薄膜を使用するもの)を、広範囲の周波数アジャイルな回路において採用することができる。回路が通信バンド内の選択可能なチャンネルまたはサブバンドにチューニングされることを可能にするため、チューニング可能なコンポーネントが望ましい。個別のバンド固定周波数のコンポーネントとその関連スイッチが不要になるため、複数のサブバンドをカバーするチューニング可能なコンポーネントは、機器内のコンポーネントの合計数を潜在的に減少させる。これらの利点は、無線ハンドセット設計において特に重要である。無線ハンドセット設計においては、より高い機能性、より低いコストやより小さなサイズに対する必要性は一見矛盾した要件である。たとえばCDMAハンドセットでは、個々のコンポーネントの性能が非常に強調される。FE材料は、現在まで縮小に抵抗してきたRFコンポーネントの統合をも可能にし得る。
【0013】
チューニング可能なアンテナ設計は、先に挙げた記関連出願において開示されており、FE誘電体アンテナを使用して、最適なサブバンド共振が可能である。しかしながら、チューニング可能なアンテナは比較的複雑であり、従来の固定周波数アンテナよりも組み立てにコストがかかる。
【0014】
通信バンド内にある特定の選択されたチャンネルに対してアンテナを最適に整合することが可能であれば好都合であろう。
【0015】
上記のチャンネル整合されたアンテナが固定のインピーダンスを有していれば好都合であろう。すなわち、非チューニング可能なアンテナを用いてチャネル選択を行うことが可能であれば好都合であろう。
【0016】
上記のチャンネル選択可能性を、チューニング可能なアンテナ整合回路を使用することによって得ることが可能であれば、好都合であろう。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0017】
(発明の概要)
本発明は、通信バンド内に選択されたチャネル、すなわちサブバンドにおいて整合する最適なインピーダンスを提供するようにチューニングすることが可能なアンテナ整合システムを記載する。最適な整合は、チューニング可能なアンテナの複雑性、あるいは複数の選択可能なアンテナまたは広帯域アンテナの使用に伴う、より大きなフォームファクタを伴わずに、より高い効率、より低いレシーバノイズフロア、より低い送信器電力、または最適なバンド幅を可能にする。本発明はまた、アンテナ整合が、人間の体がごく近接している携帯無線機器の相互作用によって生じる負荷の変化に応じることを可能にする。
【0018】
したがって、アンテナをサブバンドにインピーダンス整合するための方法が提供される。本方法は、アンテナから周波数に応じたインピーダンスを受け入れることと、第1の通信バンドのサブバンドにおいてアンテナに対する共役インピーダンス整合を選択的に供給することとを包含する。一部の局面において、本方法は、第2の通信バンドのサブバンドにおいてアンテナに対する共役インピーダンス整合を選択的に供給することをさらに包含する。すなわち、アンテナは、2つの別個の通信バンドのうちの1つの通信バンドにおける特定のチャンネルに整合され得る。
【0019】
より具体的には、本方法は、第1のチューニング回路を第1の周波数にチューニングすることと、同時に第2のチューニング回路を第2の周波数にチューニングすることとを包含する。すると、アンテナは、第1の周波数および第2の周波数に応じて、第1の通信バンドの低周波数側の終端において整合され得る。同様に、第1のチューニング回路が第3の周波数にチューニングされ、第2のチューニング回路が第4の周波数にチューニングされている場合、アンテナは、第3の周波数および第4の周波数に応じて、第1の通信バンドの高周波数側の終端において整合され得る。
【0020】
第1のチューニング回路が第5の周波数にチューニングされ、第2のチューニング回路が第6の周波数にチューニングされている場合、アンテナは、第5の周波数および第6の周波数に応じて、第2の通信バンドの低周波数側の終端において整合される。同様に、第1のチューニング回路が第7の周波数にチューニングされ、第2のチューニング回路が第8の周波数にチューニングされている場合、アンテナは、第7の周波数および第8の周波数に応じて、第2の通信バンドの高周波数側の終端において整合される。一部の局面において、周波数チューニングは、制御電圧に応じた可変的な比誘電率を有する強誘電性(FE)材料を用いて遂行される。
【0021】
上記の方法のさらなる詳細である、通信バンド幅セグメントインピーダンスを選択的に整合するためのアンテナ整合システムと、バンド幅セグメントアンテナ整合システムを有する無線通信機器とを以下に提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1は、通信バンド幅セグメントインピーダンスを選択的に整合させるための本発明のアンテナ整合システムの概略ブロック図である。システム100は、周波数に応じたインピーダンスを備えるインタフェースポートをライン104上に有する、アンテナ102を備えている。サブバンド整合回路106は、アンテナインタフェースポートに接続されたライン104上に出力ポートを有する。サブバンド整合回路106は、第1の通信バンドのサブバンドにおいて、共役インピーダンスを選択的に供給する。最も単純な形態において、サブバンド整合回路106は、第1の通信バンドの低周波数側の終端および第1の通信バンドの高周波数側の終端において共役インピーダンスを選択的に供給する。
【0023】
アンテナは、不完全に整合されている場合でも、ある程度までは機能するという点が理解されるべきである。一部の従来のアンテナ/整合回路設計は、バンド全体にわたって大きく変化する整合を提供することによって、通信バンド全体をカバーすることが可能である。不完全に整合されたアンテナは、整合回路インタフェースにおける電力の反射の結果、非効率を生じる傾向にある。不完全に整合されたアンテナまたは非効率なアンテナの使用は、結果として低下したレシーバノイズフロアを生じ得る。あるいは、不完全に整合されたアンテナまたは非効率なアンテナの使用は、より低電力の伝達信号を結果として生じ得、送信器がさらなるバッテリ電力の使用で補わざるを得なくする。
【0024】
アンテナ102は、目的の周波数全てにわたって一定のインピーダンスを提供する可能性が低いという点が理解されるべきである。一般的には、アンテナは複素インピーダンス(抵抗とリアクタンス(虚数のインピーダンス)の組み合わせ)を有し、複素インピーダンスは、通信バンドにわたって変化する。しかしながら、アンテナのインピーダンスが固定されているので、通信バンド(周波数バンド)内の様々なサブバンド中のインピーダンスを決定することが可能である。サブバンド整合回路106は、アンテナ複素インピーダンスの各々に共役インピーダンスを供給することが可能である。代替的に、サブバンド整合回路106は、各サブバンドに対して異なる共役の整合(複素インピーダンス)を供給する可能性がある。
【0025】
共役インピーダンスは、整合されるインピーダンスと同一の実数値および反対の虚数値を有するものと理解される。たとえば、第1の通信バンドの中央における、(25+13j)オームというアンテナインピーダンス値の場合、共役インピーダンスは(25−13j)オームである。完全な共役整合は、特定の周波数を除いて稀なものである。したがって、共役整合は、典型的にはサブバンドの中心に対して最適化し、かつ/または、サブバンド整合回路インピーダンスが、サブバンドにわたってアンテナインピーダンスをたどるように努力がなされる。任意のインピーダンスに対して共役整合を提供する整合回路を構築することは、理論上可能であるが、アンテナは好都合な(整合しやすい)インピーダンスを通信バンド全体にわたって提供するいくつかの固定チューニング素子または構造を組み込み得るという点が理解されるべきである。
【0026】
システム100の一部の局面において、サブバンド整合回路106は、第2の通信バンドのサブバンドにおいて共役インピーダンスを供給する。最も単純な形態において、サブバンド整合回路106は、第2の通信バンドの低周波数側の終端と、第2の通信バンドの高周波数側の終端とにおいて、共役インピーダンスを選択的に供給する。整合回路は必ずしも第1の通信バンドと第2の通信バンドとに同時に共役整合を供給する必要はないという点が理解されるべきである。すなわち、整合回路は、第1の通信バンドまたは第2の通信バンドのいずれかに選択的に共役整合を供給するように動作し得る。
【0027】
図2は、サブバンドアンテナ整合の選択を示すグラフである。第1の通信バンドおよび第2の通信バンドが図示されている。また、第1の通信バンド内の2つのサブバンドと、第2の通信バンド内の2つのサブバンドとの4つの異なるサブバンドも図示されている。周波数範囲は2つの通信バンドを分けて示してあるが、他の局面においては、通信バンドは隣接するかあるいはオーバーラップする。同様に、サブバンドは周波数範囲によって分けられるか、隣接するか、オーバーラップし得る。2つの通信バンドのみを図示しているが、システムは、3以上の通信バンドにおけるアンテナ整合サブバンドへ拡張可能であるという点が理解されるべきである。さらに、各通信バンドについて2つのサブバンドのみを図示しているが、システムのその他の局面においては、各通信バンドは3以上のサブバンドによって分割されていてもよい。すなわち、サブバンド整合回路は、第1の通信バンド内にある複数のサブバンド、および/または第2の通信バンド内にある複数のサブバンドにおいて共役インピーダンスを供給し得る。本発明の整合システムは、チャンネル選択と同様に補正にも用いられ得るという点が理解されるべきである。たとえば、システムは、アンテナの付近にある人間の体やその他の物体のデチューニング効果を補正するためにも用いられ得る。
【0028】
図3aおよび図3bは、図1のサブバンド整合回路106をより詳細に示す概略ブロック図である。図3aにおいて、サブバンド整合回路106は、第1のチューニング回路300と第2のチューニング回路302とを含んでいる。サブバンド整合回路106は、第1のチューニング回路300の第1の周波数へのチューニング、および第2のチューニング回路の第2の周波数へのチューニングに応じて、第1の通信バンドの低周波数側の終端において共役インピーダンスを選択的に供給する。第1の通信バンドの高周波数側の終端における共役インピーダンスは、第1のチューニング回路300の第3の周波数へのチューニング、および第2のチューニング回路302の第4の周波数へのチューニングに応じて供給される。第1のチューニング回路300/第2のチューニング回路302は直列接続されているように図示されているが、当技術分野においては並列のチューニングトポロジも周知である。図示していないが、一部の設計においては、伝達ライン104においてアンテナ102とサブバンド整合回路106との間にブロッキングコンデンサを挿入してもよい。
【0029】
システムが、第2の通信バンドにおいてもアンテナをチューニングする場合、第1のチューニング回路300の第5の周波数へのチューニングと、第2のチューニング回路302の第6の周波数へのチューニングとに応じて、第2の通信バンドの低周波数側の終端において共役インピーダンスが供給される。同様に、第1のチューニング回路300の第7の周波数へのチューニングと、第2のチューニング回路308の第8の周波数へのチューニングとに応じて、第2の通信バンドの高周波数側の終端において共役インピーダンスが供給される。
【0030】
一部の局面において、第1のチューニング回路300および第2のチューニング回路302のそれぞれは、制御電圧に応じた可変的な比誘電率を有する強誘電性(FE)の誘電材料と、それぞれライン304および306上にある、制御電圧を受け取るインタフェースとを有する。一局面において、チューニング電圧と比誘電率との間には直線的な関係が存在する。別の局面では、その関係は、特に0〜3ボルトのチューニング範囲においては、少なくとも、バラクターダイオードの電圧/キャパシタンス曲線よりは、より直線的である。少し例を挙げると、FE材料は、チューニング可能なコンデンサ内の誘電材料、すなわち、個々のあるいはマイクロストリップのインダクタの付近にある誘電性材料であり得る。第1のチューニング回路300および第2のチューニング回路302は、好ましくは、0〜3ボルトdcの範囲内の制御電圧に応じたものである。この電圧範囲は、従来の無線機器バッテリによってサポートされ得る。FE材料を用いない、周知の可変的またはチューニング可能なコンポーネントが多数存在するが、FEは、サイズや性能(高いQ)が重要である携帯無線機器において使用するための材料としては良い選択である。
【0031】
最も単純な形態において、本発明のデュアルバンド整合回路は、コンデンサやインダクタ等のチューニング可能な直列の素子またはチューニング可能な分流の素子を用いて可能となり得る。あるいは、デュアルバンド整合回路は、「L字」、π、「T字」または前記のトポロジの組み合わせであり得る。デュアルバンド整合回路は、任意の特定のトポロジに限定されるものではない。
【0032】
例示的な第1のチューニング回路300は、インダクタンス値が固定された第1のインダクタ310と、キャパシタンス値が選択可能である第1の可変コンデンサ312とを含んでいる。第2のチューニング回路302は、インダクタンス値が固定された第2のインダクタ314と、キャパシタンス値が選択可能である第2の可変コンデンサ316とを含んでいる。
【0033】
第1の可変コンデンサ312は、ライン104上にあるサブバンド整合回路の出力ポートへ接続された、第1の端子を有する。第1のインダクタ310は、ライン318上にある第1の可変コンデンサの第2の端子と基準電圧との間に分流で接続されている。たとえば、基準電圧はアースであり得る。第2の可変コンデンサ316は、ライン318上にある第1の可変コンデンサの第2の端子へ接続された第1の端子を有する。第2のインダクタ314は、ライン320上にある第2の可変コンデンサの第2の端子と、ライン322上にあるサブバンド整合回路の入力ポートとの間に直列で接続されている。
【0034】
例を続ける。第1のインダクタ310は、8ナノヘンリー(nH)のインダクタンスを有し、第1の可変コンデンサ312は、2.35〜3.1ピコファラド(pF)の範囲のキャパシタンスを有する。第2のインダクタ314は2nHのインダクタンスを有し、第2の可変コンデンサ316は、1.85〜3.5pFの範囲のキャパシタンスを有する。
【0035】
第1のチューニング回路310の第1の周波数は、第1の可変コンデンサ値2.35pFに応じ、第2のチューニング回路312の第2の周波数は、第2の可変コンデンサ値2.9pFに応じる。これらは、第1の通信バンドにおいて低いサブバンド整合を作るために用いられる値である。第1のチューニング回路310の第3の周波数は第1の可変コンデンサ値2.6pFに応じ、第2のチューニング回路312の第4の周波数は、第2の可変コンデンサ値2.6pFに応じる。これらは、第1の通信バンドにおいて高いサブバンド整合を作るために用いられる値である。
【0036】
第1のチューニング回路310の第5の周波数は、第1の可変コンデンサ値3.1pFに応じ、第2のチューニング回路312の第6の周波数は、第2の可変コンデンサ値1.85pFに応じる。これらは、第2の通信バンドにおいて低いサブバンド整合を作るために用いられる値である。第1のチューニング回路310の第7の周波数は第1の可変コンデンサ値2.6pFに応じ、第2のチューニング回路312の第8の周波数は、第2の可変コンデンサ値3.5pFに応じる。これらは、第2の通信バンドにおいて高いサブバンド整合を作るために用いられる値である。「中間の」コンデンサ値を用いることによって、通信バンドにおいてさらなるサブバンド位置が生成され得るという点が理解されるべきである。たとえば、第1の通信バンドに対する中央サブバンド位置は、第1の可変コンデンサ値を約2.5pf、第2の可変コンデンサ316を約2.75pfにチューニングすることに応じて生成され得る。
【0037】
本発明は図3aに示すもの以外の他のコンポーネントおよび回路トポロジを用いて可能となり得るという点が理解されるべきである。さらに、極の数を増やすために、固定値または可変値を有する追加のコンポーネントが追加され得、より優れたチューニング性能および/またはよりシャープな周波数応答を回路に与える。
【0038】
例をさらに拡張するために上記の値を用いる。サブバンド整合回路106は、824〜894メガヘルツ(MHz)の範囲内の第1の通信バンド、および1850〜1990MHzの範囲内の第2の通信バンドにおいて共役インピーダンスを供給する。無線電話機器に対しては、対象となるその他の通信バンドとしてGPS、WCDMS、JDC、PCN、GMS、Bluetoothが含まれる。
【0039】
図3bは、具体的にFEコンデンサによって可能となった、図3aのサブバンド整合回路を示す。
【0040】
図14は、セル通信バンドおよびPCS通信バンドの両方における、例示的なアンテナのスミスチャートおよびリターンロスの大きさのプロットを示す。
【0041】
図12は、アンテナおよび図3bの整合回路のリターンロスを示すプロットである。図示したように、整合回路は、第1のコンデンサに対し1.7ボルト、第2のコンデンサに対し0ボルトの電圧を供給することに応じて、セル通信バンド内にある低いサブバンドに対して共役インピーダンスを供給する。
【0042】
図13は、セル通信バンド内にある高いサブバンドにチューニングされた、アンテナおよび図3bの整合回路のリターンロスを示すプロットである。第1のコンデンサには1ボルトの電圧が供給され、第2のコンデンサには2.5ボルトの電圧が供給されている。
【0043】
図15は、セル通信バンドの低いサブバンドにおける、図14のアンテナおよび図3bの整合回路のリターンロスを示すスミスチャートである。第1のコンデンサは2.35pf、第2のコンデンサは2.9pfにそれぞれチューニングされている。
【0044】
図16は、セル通信バンドの高いサブバンドにおける、図14のアンテナおよび図3bの整合回路のリターンロスを示すスミスチャートである。第1のコンデンサおよび第2のコンデンサは、両方とも2.6pfにチューニングされている。
【0045】
図17は、PCS通信バンドの低いサブバンドにおける、図14のアンテナおよび図3bの整合回路のリターンロスを示すスミスチャートである。第1のコンデンサは3.1pf、第2のコンデンサは1.85pfにそれぞれチューニングされている。
【0046】
図18は、PCS通信バンドの高いサブバンドにおける、図14のアンテナおよび図3bの整合回路のリターンロスを示すスミスチャートである。第1のコンデンサは2.35pf、第2のコンデンサは2.9pfにそれぞれチューニングされている。
【0047】
図3aおよび図3bに戻る。一部の局面では、サブバンド整合回路106は、約45メガヘルツ(MHz)の第1の通信バンドサブバンドと、約80MHzの第2の通信バンドサブバンドとにおいて、2:1未満のリターンロス(または電圧定在波比)を伴う共役インピーダンスを供給する。
【0048】
第1のチューニング回路および第2のチューニング回路において異なるコンポーネント値を選択することによって、その他の通信バンド、バンド幅、バンド幅間隔が得られ得る。さらに、以上で展開してきた整合回路概念を改変して、マルチバンドアンテナ(すなわち3バンドアンテナ)にチューニングできる整合回路を作ることも可能であろう。例示的なチューニング回路はFEコンデンサを用いて可能となり得るが、従来の可変コンポーネント、またはFEと従来の可変コンポーネントとの組み合わせを備えた回路を組み立てることが可能である。以上に述べたように、その他の周知のチューニングトポロジを本発明において使用するために適合することができる。
【0049】
一般的に、整合回路は、集中素子、分散型ネットワーク素子、またはこの2種の組み合わせを用いて実施可能である。分散型の素子の整合の場合、平面的な(特に、マイクロストリップ、ストリップライン、共平面上の導波路)受動整合回路において、薄いFE膜または厚いFE膜を用いて、土台にある基板の誘電率を変化させることが可能であり、それによって整合回路または共振子の電気長または特性インピーダンスに変化をもたらされる。平面整合回路の使用は、増幅器または回路設計の分野の当業者であれば誰にでもよく知られている。ここでの整合ネットワークは、より従来的な分散型の誘導性構造および容量性構造と同様にハイブリッドおよびカプラーであり得る。集中要素整合コンポーネントが用いられる場合、FEベースのチューニング可能なコンデンサを同様の方法で用いて変化をもたらすことが可能である。
【0050】
図4は、分散型の素子ギャップコンデンサの平面図である。IDCと比較して、ギャップコンデンサはより高いQを有するが、単位断面積あたりのキャパシタンス(W)はより低い。IDCのキャパシタンスは、単位断面積あたり多数のフィンガーを使用しているため、より大きい。しかしながら、多くの通信フィルタの応用において、大きなキャパシタンス(C≧4.0pF)は不要である。したがって、ギャップコンデンサは、適切なキャパシタンスを提供することが可能であることが多い。本来、ほとんどのFE膜に対してκの値が高いため、従来のギャップコンデンサに比べて比較的高い単位断面積あたりのキャパシタンスWを提供するのに役に立つ。
【0051】
図5は、オーバーレイコンデンサの断面図である。ギャップコンデンサやインターデジタルコンデンサと比較すると、オーバーレイコンデンサは最も低いLgeomを有する。オーバーレイコンデンサは、平行なプレート配置の一例であり、プレートの寸法(長さおよび幅)は、プレート分離よりもはるかに大きい。このような配置のため、プレート間の電場のほとんどは、エッジに沿ったフリンジングを除いて一様である。当技術分野において公知であるように、保護周波数帯を用いることによって、フリンジング効果を顕著に低減することが可能である。したがって、平行な平板コンデンサからのジオメトリックなロスは、非常に低い。加えて、平行な平板コンデンサは、小さな制御電圧変動から、高いチューニングに沿って高いキャパシタンスを提供することが可能である。
【0052】
図6は、インターデジタル(IDC)コンデンサの平面図である。与えられた断面積に対し、IDCは、ギャップコンデンサよりも高いキャパシタンスを提供することが可能である。ギャップ間隔が減少するとともにロスは増加する。同様に、フィンガーの幅が減少するとともにロスは増加する。フィンガーの長さもロスに影響し、特に、IDCのマイクロストリップ実現においては、このような構造においては奇数モードが支配するため、フィンガーの長さが増加するとともにロスが増加する。加えて、フィンガーの数が増加するとともに、さらなるシャープなコーナーから導入されたロスのため、ロスは増加する。フィンガーの数が増加すると、一般的にIDCのキャパシタンスは増加するという点に留意されたい。
【0053】
図7は、考えられる2つの「L字」整合回路構成を示す概略図である。2つのリアクタンス素子602および604は、コンデンサおよび/またはインダクタの任意の組み合わせであり得る。
【0054】
図8は、π整合ネットワークを示す概略図である。ここでも、リアクタンス素子702、704および706は、コンデンサおよび/またはインダクタの任意の組み合わせであり得る。
【0055】
図9は、「T字」整合ネットワークを示す概略図である。ここでも、リアクタンス素子802、804および806は、コンデンサおよび/またはインダクタの任意の組み合わせであり得る。
【0056】
図10は、バンド幅セグメントアンテナ整合システムを有する本発明の無線通信機器の概略ブロック図である。機器400は、少なくとも第1の通信バンドにおいて情報を通信するための無線通信ポートをライン322上に有するトランシーバ402を備える。アンテナ102は、周波数に応じたインピーダンスを有するインタフェースポートをライン104上に有する。サブバンド整合回路106は、ライン322上のトランシーバ無線通信ポートに接続された入力ポートと、ライン104上のアンテナインタフェースポートに接続された出力ポートとを含んでいる。サブバンド整合回路106は、少なくとも第1の通信バンドのサブバンドにおいて共役インピーダンスを選択的に供給する。
【0057】
以上に説明したように、サブバンド整合回路106は、その最も単純な形態において、第1の通信バンドの低周波数側の終端と、第1の通信バンドの高周波数側の終端とにおいて、選択的に共役インピーダンスを供給し得る。トランシーバ402が第2の通信バンドにおいて情報を通信する場合、サブバンド整合回路106は、第2の通信バンドのサブバンドにおいて共役インピーダンスを供給する。ここでも、サブバンド整合回路106は、その最も単純な形態において、第2の通信バンドの低周波数側の終端と、第2の通信バンドの高周波数側の終端とにおいて、選択的に共役インピーダンスを供給し得る。
【0058】
本発明の一局面において、第1の通信バンドは、送信バンド幅であり、一方、第2の通信バンドは受信バンド幅である。この局面では、トランシーバ402は送信機能および受信機能を組込んでいる。別の局面では、全ての通信バンドは、レシーババンド幅または送信バンド幅のいずれかである。通信バンドは、電話、Bluetooth、GPSおよび無線通信をサポートし得る。一般的に、トランシーバ402は、比較的狭いチャンネルに選択的にチューニングされる。各通信バンドは、周波数が連続する複数のチャンネルを含む。以上に述べたように、最も単純な形態において、サブバンド整合回路106は、ハイバンド整合またはローバンド整合を提供し、この場合、サブバンドは、周波数が連続する複数のチャンネルをカバーする。他の局面では、サブバンドはより狭い周波数分解能を有する。すなわち、サブバンド整合回路106は、選択されたチャンネルに集中した最適な整合を提供し、複雑さ(より多くのチューニングの組み合わせ)を犠牲にしてさらに良い整合を提供する。
【0059】
以上に説明したように、図3aおよび図3bに示すとおり、サブバンド整合回路は、第1のチューニング回路および第2のチューニング回路を用いて可能となり得る。さらに、先に説明したように、第1の通信バンドは824〜894メガヘルツ(MHz)、第2の通信バンドは1850〜1990MHzの範囲であり得る。アンテナ102も、GSM、WCMA、Bluetooth、GPS、JDCおよび無線通信バンドにおける使用のために整合され得る。
【0060】
セルラー通信バンドおよびPCS通信バンドを例として用いる。サブバンド整合回路106は、約45メガヘルツ(MHz)の第1の通信バンドサブバンドと、約80MHzの第2の通信バンドサブバンドとにおいて、2:1未満のリターンロスを伴う共役インピーダンスを供給する。しかしながら、その他のサブバンドバンド幅も可能である。一部の局面では、サブバンドバンド幅は、1つの通信バンドあたりのサブバンドの数の増加に応じてより狭くなる。すなわち、サブバンド整合回路106は、第1の通信バンド内にある複数のサブバンド、および/または第2の通信バンド内にある複数のサブバンドにおいて、共役インピーダンスを供給し得る。
【0061】
図11は、アンテナをサブバンドにインピーダンス整合するための本発明の方法を示すフローチャートである。明確性のために、番号を付けた一連のステップとして本方法を示すが、明示的に述べない限り、いかなる順序もこの番号付けから推論されるべきではない。これらのステップのうちの一部を飛ばされ得、並行して実行され得、あるいは順番の厳密な順序を維持するという要件なく実行され得るという点が理解されるべきである。方法はステップ500にて開始する。
【0062】
ステップ502は、アンテナから周波数に応じたインピーダンスを受け入れる。ステップ504は、第1のチューニング回路をチューニングする。ステップ506は、同時に第2のチューニング回路をチューニングする。ステップ508は、選択的に、第1の通信バンドのサブバンドでアンテナに対して共役インピーダンス整合を供給する。一部の局面において、本方法はさらなるステップを含む。ステップ510は、選択的に第2の通信バンドのサブバンドでアンテナに対して共役インピーダンス整合を供給する。
【0063】
ステップ504が第1のチューニング回路を第1の周波数にチューニングし、ステップ506が第2のチューニング回路を第2の周波数にチューニングする場合、次いでステップ508が第1の周波数および第2の周波数に応じて、第1の通信バンドの低周波数側の終端においてアンテナを整合させる。ステップ504が第1のチューニング回路を第3の周波数にチューニングし、ステップ506が第2のチューニング回路を第4の周波数にチューニングする場合、ステップ508は、第3の周波数および第4の周波数に応じて、第1の通信バンドの高周波数側の終端においてアンテナを整合させる。ステップ508およびステップ510は、必ずしも同時に実行される必要はないという点に留意されたい。
【0064】
ステップ504が第1のチューニング回路を第5の周波数にチューニングし、ステップ506が第2のチューニング回路を第6の周波数にチューニングする場合、次いでステップ510が第5の周波数および第6の周波数に応じて、第2の通信バンドの低周波数側の終端においてアンテナを整合させる。ステップ504が第1のチューニング回路を第7の周波数にチューニングし、ステップ506が第2のチューニング回路を第8の周波数にチューニングする場合、ステップ510は、第7の周波数および第8の周波数に応じて、第2の通信バンドの高周波数側の終端においてアンテナを整合させる。
【0065】
一部の局面において、ステップ504およびステップ506における第1のチューニング回路および第2のチューニング回路のチューニングはサブステップを含む。ステップ504aは、第1のチューニング回路に対する第1の制御電圧を受け入れ、ステップ506
aは、第2のチューニング回路に対する第2の制御電圧を受け入れる。ステップ504bおよびステップ506bは、強誘電性(FE)の誘電材料の比誘電率を、制御電圧に応じて調節する。一部の局面において、ステップ504aおよびステップ504bは、0〜3ボルトdcの範囲の制御電圧を受け入れる。一局面において、チューニング電圧と比誘電率との間には直線関係が存在する。別の局面において、その関係は、特に0〜3ボルトのチューニング範囲においては、少なくとも、バラクターダイオードの電圧/キャパシタンス曲線よりは、より直線的である。
【0066】
別の局面において、ステップ504は、固定されたインダクタンス値を有する第1のインダクタに接続された、選択可能なキャパシタンス値を有する第1の可変コンデンサをチューニングする。ステップ506は、固定されたインダクタンス値を有する第2のインダクタに接続された、選択可能なキャパシタンス値を有する第2の可変コンデンサをチューニングする。さらに、ステップ504は、8ナノヘンリー(nH)の固定インダクタンス値を有する第1のインダクタに接続された、2.35〜3.1ピコファラド(pF)の間の範囲で選択可能なキャパシタンスを有する第1の可変コンデンサをチューニングすることを含み得る。ステップ506は、次いで、2nHの固定インダクタンス値を有する第2のインダクタに接続された、1.85〜3.5pFの間の範囲の選択可能なキャパシタンス値を有する第2の可変コンデンサをチューニングする。上述のように、可変コンデンサは、FEコンデンサであり得る。
【0067】
より具体的には、ステップ504は、第1の可変コンデンサを、コンデンサ値が2.35pFである第1の周波数、コンデンサ値が2.6pFである第3の周波数、コンデンサ値が3.1pFである第5の周波数、およびコンデンサ値が2.6pFである第7の周波数にチューニングする。ステップ506は、第2の可変コンデンサを、コンデンサ値が2.9pFである第2の周波数、コンデンサ値が2.6pFである第4の周波数、コンデンサ値が1.85pFである第6の周波数、およびコンデンサ値が3.5pFである第8の周波数にチューニングする。
【0068】
次いで、ステップ508は、アンテナを第1の通信バンドの824〜894MHzの範囲に整合し、ステップ510は、アンテナを第2の通信バンドの1850〜1990MHzの範囲に整合する。一部の局面において、ステップ508は、アンテナを、約45MHzのサブバンドにわたって、2:1未満のリターンロスに整合する。ステップ510は、アンテナを、約80MHzのサブバンドにわたって、2.1未満のリターンロスに整合する。例示的な回路設計、または異なるチューニング回路設計を用いて異なるサブバンド幅、サブバンド周波数分離、効率を作ることができる。
【0069】
以上に述べたように、コンデンサを中間値にチューニングして中間サブバンド整合を作ることが可能である。すなわち、ステップ508において、第1の通信バンドのサブバンドでアンテナに共役インピーダンス整合を選択的に供給することは、第1の通信バンド内にある複数のサブバンドにおいてアンテナを整合することを含む。同様に、ステップ510において、第2の通信バンドのサブバンドでアンテナに共役インピーダンス整合を選択的に供給することは、第2の通信バンド内にある複数のサブバンドにおいてアンテナ整合することを含む。
【0070】
サブバンドアンテナ整合法と、選択的に通信バンド幅セグメントインピーダンスをチューニングするためのアンテナ整合システムと、バンド幅セグメントアンテナ整合システムを備えた無線通信機器を提供した。特定の動作周波数用に設計された例示的な整合回路を用いて本発明を説明したが、本発明はいずれの特定の回路トポロジにも周波数範囲にも限定されるものではない。本発明のその他の変形および実施形態が、当業者には想起されよう。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】図1は、通信バンド幅セグメントインピーダンスを選択的に整合させるための本発明のアンテナ整合システムの概略ブロック図である。
【図2】図2は、サブバンドアンテナ整合の選択を図示するグラフである。
【図3A】図3aは、図1のサブバンド整合回路をより詳細に示す概略ブロック図である。
【図3B】図3bは、図1のサブバンド整合回路をより詳細に示す概略ブロック図である。
【図4】図4は、分散型の素子ギャップコンデンサの平面図である。
【図5】図5は、オーバーレイコンデンサの断面図である。
【図6】図6は、インターデジタルコンデンサ(IDC)の平面図である。
【図7】図7は、考えられる2つの「L字」整合回路構成を示す概略図である。
【図8】図8は、π整合ネットワークを示す概略図である。
【図9】図9は、「T字」整合ネットワークを示す概略図である。
【図10】図10は、バンド幅セグメントアンテナ整合システムを有する本発明の無線通信機器の概略ブロック図である。
【図11】図11は、アンテナをサブバンドにインピーダンス整合するための本発明の方法を示すフローチャートである。
【図12】図12は、アンテナおよび図3bの整合回路のリターンロスを示すプロットである。
【図13】図13は、セル通信バンド内にある高いサブバンドにチューニングされた、アンテナおよび図3bの整合回路のリターンロスを示すプロットである。
【図14】図14は、セル通信バンドおよびPCS通信バンドの両方における、例示的なアンテナのスミスチャートおよびリターンロスの大きさのプロットを示す。
【図15】図15は、セル通信バンドの低いサブバンドにおける、図14のアンテナおよび図3bの整合回路のリターンロスを示すスミスチャートである。
【図16】図16は、セル通信バンドの高いサブバンドにおける、図14のアンテナおよび図3bの整合回路のリターンロスを示すスミスチャートである。
【図17】図17は、PCS通信バンドの低いサブバンドにおける、図14のアンテナおよび図3bの整合回路のリターンロスを示すスミスチャートである。
【図18】図18は、PCS通信バンドの高いサブバンドにおける、図14のアンテナおよび図3bの整合回路のリターンロスを示すスミスチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信バンド幅セグメントインピーダンスを選択的に整合するためのアンテナ整合システムであって、該システムは、
周波数に応じたインピーダンスを有するインタフェースポートを有する、アンテナと、
該アンテナインタフェースポートに接続された出力ポートを含む、サブバンド整合回路であって、第1の通信バンドのサブバンドにおいて共役インピーダンスを選択的に供給する、サブバンド整合回路と
を備える、アンテナ整合システム。
【請求項2】
前記サブバンド整合回路が、前記第1の通信バンドの低周波数側の終端と、該第1の通信バンドの高周波数側の終端において、前記共役インピーダンスを選択的に供給する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記サブバンド整合回路が、第2の通信バンドのサブバンドにおいて共役インピーダンスを供給する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記サブバンド整合回路が、前記第2の通信バンドの低周波数側の終端と、該第2の通信バンドの高周波数側の終端において、前記共役インピーダンスを選択的に供給する、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記サブバンド整合回路が、
第1のチューニング回路と、
第2のチューニング回路と
を含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記サブバンド整合回路が、前記第1のチューニング回路を第1の周波数にチューニングすること、および前記第2のチューニング回路を第2の周波数にチューニングすることに応じて、該第1の通信バンドの低周波数側の終端において、前記共役インピーダンスを選択的に供給する、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記サブバンド整合回路が、前記第1のチューニング回路を第3の周波数にチューニングすること、および前記第2のチューニング回路を第4の周波数にチューニングすることに応じて、該第1の通信バンドの高周波数側の終端において、前記共役インピーダンスを選択的に供給する、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記サブバンド整合回路が、前記第1のチューニング回路を第5の周波数にチューニングすること、および前記第2のチューニング回路を第6の周波数にチューニングすることに応じて、該第2の通信バンドの低周波数側の終端において、前記共役インピーダンスを選択的に供給する、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記サブバンド整合回路が、前記第1のチューニング回路を第7の周波数にチューニングすること、および前記第2のチューニング回路を第8の周波数にチューニングすることに応じて、該第2の通信バンドの高周波数側の終端において、前記共役インピーダンスを選択的に供給する、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1のチューニング回路および前記第2のチューニング回路が、それぞれ、
制御電圧に応じた可変的な比誘電率を有する、強誘電性(FE)の誘電材料と、
該制御電圧を受け取るためのインタフェースと
を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1のチューニング回路および前記第2のチューニング回路が、0〜3ボルトdcの範囲の制御電圧に応じたものである、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1のチューニング回路および前記第2のチューニング回路が、インターデジタルコンデンサ、ギャップコンデンサ、およびオーバーレイコンデンサを含む群から選択される強誘電性の可変コンデンサを含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1のチューニング回路が、
インダクタンス値が固定された第1のインダクタと、
キャパシタンス値が選択可能である第1の可変コンデンサと
を含み、前記第2のチューニング回路が、
インダクタンス値が固定された第2のインダクタと、
キャパシタンス値が選択可能である第2の可変コンデンサと
を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項14】
前記第1の可変コンデンサが、前記サブバンド整合回路の出力ポートに接続された第1の端子を有し、
前記第1のインダクタが、該第1の可変コンデンサの第2の端子と基準電圧との間に分流で接続されており、
前記第2の可変コンデンサが、該第1の可変コンデンサの第2の端子に接続された第1の端子を有し、
前記第2のインダクタが、該第2の可変コンデンサの第2の端子とサブバンド整合回路の入力ポートとの間に直列に接続されている、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1のインダクタが8ナノヘンリー(nH)のインダクタンスを有し、
前記第1の可変コンデンサが2.35〜3.1ピコファラド(pF)の範囲のキャパシタンスを有し、
前記第2のインダクタが2nHのインダクタンスを有し、
前記第2の可変コンデンサが1.85〜3.5pFの範囲のキャパシタンスを有する、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記第1のチューニング回路の第1の周波数は、第1の可変コンデンサ値2.35pFに応じ、前記第2のチューニング回路の第2の周波数は、第2の可変コンデンサ値2.9pFに応じ、
該第1のチューニング回路の第3の周波数は、第1の可変コンデンサ値2.6pFに応じ、該第2のチューニング回路の第4の周波数は、第2のコンデンサ値2.6pFに応じ、
該第1のチューニング回路の第5の周波数は、第1の可変コンデンサ値3.1pFに応じ、該第2のチューニング回路の第6の周波数は、第2のコンデンサ値1.85pFに応じ、
該第1のチューニング回路の第7の周波数は、第1の可変コンデンサ値2.6pFに応じ、該第2のチューニング回路の第8の周波数は、第2のコンデンサ値3.5pFに応じる、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記サブバンド整合回路が、824〜894メガヘルツ(MHz)の範囲内の第1の通信バンド、および1850〜1990MHzの範囲内の第2の通信バンドにおいて前記共役インピーダンスを供給する、請求項3に記載のシステム。
【請求項18】
前記サブバンド整合回路が、約45メガヘルツ(MHz)の第1の通信バンドサブバンドと、約80MHzの第2の通信バンドサブバンドとにおいて、2:1未満のリターンロスを伴う前記共役インピーダンスを供給する、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記サブバンド整合回路が、前記第1の通信バンド内にある複数のサブバンド、および前記第2の通信バンド内にある複数のサブバンドにおいて前記共役インピーダンスを供給する、請求項3に記載のシステム。
【請求項20】
デュアルバンド整合回路が、チューニング可能な直列素子、「L字」、π、「T字」のチューニング可能な分流素子、および上記のトポロジの組み合わせを含む群から選択される整合トポロジである、請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
バンド幅セグメントアンテナ整合システムを有する無線通信機器であって、該機器は、
第1の通信バンドにおいて情報を通信するための無線通信ポートを有する、トランシーバと、
周波数に応じたインピーダンスを有するインタフェースポートを有する、アンテナと、
トランシーバ無線通信ポートに接続された入力ポートと、該アンテナインタフェースポートに接続された出力ポートとを含む、サブバンド整合回路であって、第1の通信バンドのサブバンドにおいて共役インピーダンスを選択的に供給する、サブバンド整合回路と
を備える、無線通信機器。
【請求項22】
前記サブバンド整合回路が、前記第1の通信バンドの低周波数側の終端と、該第1の通信バンドの高周波数側の終端において、前記共役インピーダンスを選択的に供給する、請求項21に記載の機器。
【請求項23】
前記トランシーバが第2の通信バンドにおいて情報を通信し、
前記サブバンド整合回路が、第2の通信バンドのサブバンドにおいて共役インピーダンスを供給する、請求項22に記載の機器。
【請求項24】
前記サブバンド整合回路が、前記第2の通信バンドの低周波数側の終端と、該第2の通信バンドの高周波数側の終端において、前記共役インピーダンスを選択的に供給する、請求項23に記載の機器。
【請求項25】
前記サブバンド整合回路が、
第1のチューニング回路と、
第2のチューニング回路と
を含む、請求項24に記載の機器。
【請求項26】
前記サブバンド整合回路が、前記第1のチューニング回路を第1の周波数にチューニングすること、および前記第2のチューニング回路を第2の周波数にチューニングすることに応じて、該第1の通信バンドの低周波数側の終端において、前記共役インピーダンスを選択的に供給する、請求項25に記載の機器。
【請求項27】
前記サブバンド整合回路が、前記第1のチューニング回路を第3の周波数にチューニングすること、および前記第2のチューニング回路を第4の周波数にチューニングすることに応じて、該第1の通信バンドの高周波数側の終端において、前記共役インピーダンスを選択的に供給する、請求項26に記載の機器。
【請求項28】
前記サブバンド整合回路が、前記第1のチューニング回路を第5の周波数にチューニングすること、および前記第2のチューニング回路を第6の周波数にチューニングすることに応じて、該第2の通信バンドの低周波数側の終端において、前記共役インピーダンスを選択的に供給する、請求項27に記載の機器。
【請求項29】
前記サブバンド整合回路が、前記第1のチューニング回路を第7の周波数にチューニングすること、および前記第2のチューニング回路を第8の周波数にチューニングすることに応じて、該第2の通信バンドの高周波数側の終端において、前記共役インピーダンスを選択的に供給する、請求項28に記載の機器。
【請求項30】
前記第1のチューニング回路および前記第2のチューニング回路が、それぞれ、
制御電圧に応じた可変的な比誘電率を有する、強誘電性(FE)の誘電材料と、
該制御電圧を受け取るためのインタフェースと
を含む、請求項29に記載の機器。
【請求項31】
前記第1のチューニング回路および前記第2のチューニング回路が、0〜3ボルトdcの範囲の制御電圧に応じたものである、請求項30に記載の機器。
【請求項32】
前記第1のチューニング回路および前記第2のチューニング回路が、インターデジタルコンデンサ、ギャップコンデンサ、およびオーバーレイコンデンサを含む群から選択される強誘電性の可変コンデンサを含む、請求項30に記載の機器。
【請求項33】
前記第1のチューニング回路が、
インダクタンス値が固定された第1のインダクタと、
キャパシタンス値が選択可能である第1の可変コンデンサと
を含み、前記第2のチューニング回路が、
インダクタンス値が固定された第2のインダクタと、
キャパシタンス値が選択可能である第2の可変コンデンサと
を含む、請求項29に記載の機器。
【請求項34】
前記第1の可変コンデンサが、前記サブバンド整合回路の出力ポートに接続された第1の端子を有し、
前記第1のインダクタが、該第1の可変コンデンサの第2の端子と基準電圧との間に分流で接続されており、
前記第2の可変コンデンサが、該第1の可変コンデンサの第2の端子に接続された第1の端子を有し、
前記第2のインダクタが、該第2の可変コンデンサの第2の端子とサブバンド整合回路の入力ポートとの間に直列に接続されている、請求項33に記載の機器。
【請求項35】
前記第1のインダクタが8ナノヘンリー(nH)のインダクタンスを有し、
前記第1の可変コンデンサが2.35〜3.1ピコファラド(pF)の範囲のキャパシタンスを有し、
前記第2のインダクタが2nHのインダクタンスを有し、
前記第2の可変コンデンサが1.85〜3.5pFの範囲のキャパシタンスを有する、請求項34に記載の機器。
【請求項36】
前記第1のチューニング回路の第1の周波数は、第1の可変コンデンサ値2.35pFに応じ、前記第2のチューニング回路の第2の周波数は、第2の可変コンデンサ値2.9pFに応じ、
該第1のチューニング回路の第3の周波数は、第1の可変コンデンサ値2.6pFに応じ、該第2のチューニング回路の第4の周波数は、第2のコンデンサ値2.6pFに応じ、
該第1のチューニング回路の第5の周波数は、第1の可変コンデンサ値3.1pFに応じ、該第2のチューニング回路の第6の周波数は、第2のコンデンサ値1.85pFに応じ、
該第1のチューニング回路の第7の周波数は、第1の可変コンデンサ値2.6pFに応じ、該第2のチューニング回路の第8の周波数は、第2のコンデンサ値3.5pFに応じる、請求項35に記載の機器。
【請求項37】
前記サブバンド整合回路が、824〜894メガヘルツ(MHz)の範囲内の第1の通信バンド、および1850〜1990MHzの範囲内の第2の通信バンドにおいて前記共役インピーダンスを供給する、請求項23に記載の機器。
【請求項38】
前記サブバンド整合回路が、約45メガヘルツ(MHz)の第1の通信バンドサブバンドと、約80MHzの第2の通信バンドサブバンドとにおいて、2:1未満のリターンロスを伴う前記共役インピーダンスを供給する、請求項37に記載の機器。
【請求項39】
前記サブバンド整合回路が、前記第1の通信バンド内にある複数のサブバンド、および前記第2の通信バンド内にある複数のサブバンドにおいて前記共役インピーダンスを供給する、請求項23に記載の機器。
【請求項40】
デュアルバンド整合回路が、チューニング可能な直列素子、「L字」、π、「T字」のチューニング可能な分流素子、および上記のトポロジの組み合わせを含む群から選択される整合トポロジである、請求項21に記載の機器。
【請求項41】
アンテナをサブバンドにインピーダンス整合するための方法であって、該方法は、
周波数に応じたインピーダンスをアンテナから受け入れることと、
第1の通信バンドのサブバンドにおいて、該アンテナに対して共役インピーダンス整合を選択的に供給することと
を包含する、方法。
【請求項42】
第2の通信バンドのサブバンドにおいて、前記アンテナに対して共役インピーダンス整合を選択的に供給することをさらに包含する、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
第1のチューニング回路を第1の周波数にチューニングすることと、
同時に第2のチューニング回路を第2の周波数にチューニングすることと
をさらに包含し、
前記第1の通信バンドのサブバンドにおいて、前記アンテナを整合するために共役インピーダンスを選択的に供給することが、該第1の周波数および該第2の周波数に応じて、該第1の通信バンドの低周波数側の終端に該アンテナを整合することを含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記第1のチューニング回路をチューニングすることが、第3の周波数にチューニングすることを含み、
同時に第2のチューニング回路をチューニングすることが、第4の周波数にチューニングすることを含み、
前記第1の通信バンドのサブバンドにおいて、前記アンテナを整合するために共役インピーダンスを選択的に供給することが、該第3の周波数および該第4の周波数に応じて、該第1の通信バンドの高周波数側の終端に該アンテナを整合することを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記第1のチューニング回路をチューニングすることが、第5の周波数にチューニングすることを含み、
同時に第2のチューニング回路をチューニングすることが、第6の周波数にチューニングすることを含み、
前記第2の通信バンドのサブバンドにおいて、前記アンテナを整合するために共役インピーダンスを選択的に供給することが、該第5の周波数および該第6の周波数に応じて、該第2の通信バンドの低周波数側の終端に該アンテナを整合することを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記第1のチューニング回路をチューニングすることが、第7の周波数にチューニングすることを含み、
同時に第2のチューニング回路をチューニングすることが、第8の周波数にチューニングすることを含み、
前記第2の通信バンドのサブバンドにおいて、前記アンテナを整合するために共役インピーダンスを選択的に供給することが、該第7の周波数および該第8の周波数に応じて、該第2の通信バンドの高周波数側の終端に該アンテナを整合することを含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記第1のチューニング回路および前記第2のチューニング回路をチューニングすることが、
該第1のチューニング回路に対する第1の制御電圧と、該第2のチューニング回路に対する第2の制御電圧とをそれぞれ受け入れることと、
該制御電圧に応じて強誘電性(FE)の誘電材料の比誘電率を調節することと
を含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
第1の制御電圧および第2の制御電圧を受け入れることが、0〜3ボルトdcの範囲の制御電圧を受け入れることを含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記第1のチューニング回路をチューニングすることが、インダクタンス値が固定された第1のインダクタに接続された、コンデンサ値が選択可能である第1の可変コンデンサをチューニングすることを含み、
前記第2のチューニング回路をチューニングすることが、インダクタンス値が固定された第2のインダクタに接続された、コンデンサ値が選択可能である第2の可変コンデンサをチューニングすることを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項50】
前記第1のチューニング回路をチューニングすることが、8ナノヘンリー(nH)の固定インダクタンス値を有する第1のインダクタへ接続され、2.35〜3.1ピコファラド(pF)の範囲の選択可能なキャパシタンスを有する、第1の可変コンデンサをチューニングすることを含み、
前記第2のチューニング回路をチューニングすることが、2nHの固定インダクタンス値を有する第2のインダクタへ接続され、1.85〜3.5pFの範囲の選択可能なキャパシタンスを有する、第2の可変コンデンサをチューニングすることを含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記第1のチューニング回路をチューニングすることが、前記第1の可変コンデンサを、
コンデンサ値が2.35pFである前記第1の周波数、
コンデンサ値が2.6pFである前記第3の周波数、
コンデンサ値が3.1pFである前記第5の周波数、および
コンデンサ値が2.6pFである前記第7の周波数
にチューニングすることを含み、
前記第2のチューニング回路をチューニングすることが、前記第2の可変コンデンサを、
コンデンサ値が2.9pFである前記第2の周波数、
コンデンサ値が2.6pFである前記第4の周波数、
コンデンサ値が1.85pFである前記第6の周波数、および
コンデンサ値が3.5pFである前記第8の周波数
にチューニングすることを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記第1の通信バンドのサブバンドにおいて、前記アンテナに対して共役インピーダンス整合を選択的に供給することが、824〜894MHzの範囲内の第1の通信バンドに該アンテナを整合することを含み、
前記第2の通信バンドのサブバンドにおいて、該アンテナに対して共役インピーダンス整合を選択的に供給することが、1850〜1990MHzの範囲内の第2の通信バンドに該アンテナを整合することを含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記第1の通信バンドのサブバンドにおいて、前記アンテナに対して共役インピーダンス整合を選択的に供給することが、約45メガヘルツ(MHz)のサブバンドにわたって2:1未満のリターンロスに該アンテナを整合することを含み、
前記第2の通信バンドのサブバンドにおいて、該アンテナに対して共役インピーダンス整合を選択的に供給することが、約80MHzのサブバンドにわたって2:1未満のリターンロスに該アンテナを整合することを含む、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記第1の通信バンドのサブバンドにおいて、前記アンテナに対して共役インピーダンス整合を選択的に供給することが、該第1の通信バンド内にある複数のサブバンドにおいて該アンテナを整合することを含み、
前記第2の通信バンドのサブバンドにおいて、該アンテナに対して共役インピーダンス整合を選択的に供給することが、該第2の通信バンド内にある複数のサブバンドにおいて該アンテナを整合することを含む、請求項42に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公表番号】特表2008−507942(P2008−507942A)
【公表日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−523659(P2007−523659)
【出願日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【国際出願番号】PCT/US2005/026001
【国際公開番号】WO2006/014795
【国際公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(503370192)キョウセラ ワイヤレス コープ. (93)
【Fターム(参考)】