説明

通信端末

【課題】 位置に応じた言語設定を不要にし、利便性を向上させる。
【解決手段】 複数の言語環境に対応した環境設定が可能な携帯電話端末101であって、位置を測定する測位装置2と、位置情報対応記憶部4が記憶する位置情報と言語との対応関係から、測位結果に対応する言語を特定する機能及び特定した言語で環境設定を行う機能を有する携帯電話信号処理部3とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置測定機能を有する通信端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話端末の機能の技術進歩が激しく、携帯電話端末に位置測定機能が実装されるようになってきている。位置測定機能として、自端末の位置を測定した結果を携帯電話端末の画面上で地図と合わせて描写する機能や、通信相手端末の位置を検索する機能等が実装されている。位置測定技術を応用した技術として、例えば、翻訳機において、移動先の位置に応じた言語を翻訳言語に設定する技術がある(特許文献1参照)。
【0003】
一方、全世界的に携帯電話端末が劇的に普及している。このため、携帯電話端末メーカーは、世界中の国々に向けて製品を出荷することが必要となっている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−114887号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、世界中で携帯電話端末を使用するためには、携帯電話端末のメニュー画面やブラウザ、メール等の表示を、各国で使用される言語に対応させる必要がある。このため、ユーザーもしくはメーカーが、携帯電話端末毎に言語設定を行う必要がある。
【0006】
本発明は、上記従来の事情に鑑みてなされたものであって、位置に応じた言語設定を不要にし、利便性を向上させることができる通信端末を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の通信端末は、複数の言語環境に対応した環境設定が可能な通信端末であって、位置を測定する測位手段と、位置情報と言語との対応関係から、測位結果に対応する言語を特定する特定手段と、特定した言語で環境設定を行う制御手段と、を備える。
【0008】
上記構成によれば、位置情報に基づいて特定した言語で環境設定を行う制御手段を備えることにより、通信端末が存在する位置に応じた言語で環境設定が行われる為、メーカやユーザが、位置に合わせて環境設定を行う必要がなくなる為、利便性が向上する。
【0009】
また、本発明の通信端末は、複数の言語環境に対応した環境設定が可能な通信端末であって、基地局の位置情報を取得する取得手段と、位置情報と言語との対応関係から、取得した基地局の位置情報に対応する言語を特定する特定手段と、特定した言語で環境設定を行う制御手段と、を備える。
【0010】
上記構成によれば、位置情報に基づいて特定した言語で環境設定を行う制御手段を備えることにより、通信端末が存在する位置に応じた言語で環境設定が行われる為、メーカやユーザが、位置に合わせて環境設定を行う必要がなくなる為、利便性が向上する。また、基地局の位置情報を用いて言語を特定することにより、自端末に位置測定手段を設ける必要がなくなる為、コストや実装面積の増加を抑制できる。
【0011】
また、本発明の通信端末は、複数の言語環境に対応した環境設定が可能な通信端末であって、基地局から国コード情報を取得する取得手段と、国コード情報と言語との対応関係から、取得した国コード情報に対応する言語を特定する特定手段と、特定した言語で環境設定を行う制御手段と、を備える。
【0012】
上記構成によれば、位置情報に基づいて特定した言語で環境設定を行う制御手段を備えることにより、通信端末が存在する位置に応じた言語で環境設定が行われる為、メーカやユーザが、位置に合わせて環境設定を行う必要がなくなる為、利便性が向上する。また、基地局から取得した国コード情報を用いて言語を特定することにより、自端末に位置測定手段を設ける必要がなくなる為、コストや実装面積の増加を抑制できる。
【0013】
また、本発明の通信端末は、複数の言語環境に対応した環境設定が可能な通信端末であって、複数の基地局のそれぞれの位置情報と、前記複数の基地局のそれぞれから自端末への電波の伝播時間と、に基づいて算出された自端末の位置情報を取得する取得手段と、位置情報と言語との対応関係から、取得した位置情報に対応する言語を特定する特定手段と、特定した言語で環境設定を行う制御手段と、を備える。
【0014】
上記構成によれば、位置情報に基づいて特定した言語で環境設定を行う制御手段を備えることにより、通信端末が存在する位置に応じた言語で環境設定が行われる為、メーカやユーザが、位置に合わせて環境設定を行う必要がなくなる為、利便性が向上する。また、複数の基地局のそれぞれの位置情報と、前記複数の基地局のそれぞれから自端末への電波の伝播時間と、に基づいて算出された位置情報を用いて言語を特定することにより、自端末に位置測定手段を設ける必要がなくなる為、コストや実装面積の増加を抑制できる。
【0015】
また、本発明の通信端末は、複数の言語環境に対応した環境設定が可能な通信端末であって、複数の基地局のそれぞれの位置情報と、前記複数の基地局のそれぞれから自端末への電波の伝播時間と、に基づいて、自端末の位置情報を算出する算出手段と、位置情報と言語との対応関係から、算出した位置情報に対応する言語を特定する特定手段と、特定した言語で環境設定を行う制御手段と、を備える。
【0016】
上記構成によれば、位置情報に基づいて特定した言語で環境設定を行う制御手段を備えることにより、通信端末が存在する位置に応じた言語で環境設定が行われる為、メーカやユーザが、位置に合わせて環境設定を行う必要がなくなる為、利便性が向上する。また、複数の基地局のそれぞれの位置情報と、前記複数の基地局のそれぞれから自端末への電波の伝播時間と、に基づいて算出した自端末の位置を用いて言語を特定することにより、自端末に位置測定手段を設ける必要がなくなる為、コストや実装面積の増加を抑制できる。
【0017】
また、本発明の通信端末は、任意の言語を指定する指定手段を備え、前記制御手段が、前記指定手段が指定した言語及び前記特定手段が特定した言語から選択した言語で環境設定を行うものである。
【0018】
上記構成によれば、制御手段が、前記指定手段が指定した言語及び前記特定手段が特定した言語から選択した言語で環境設定を行うことにより、位置に拘わらずユーザが希望する言語で環境設定を行うことが可能となる為、例えば、日本人ユーザが海外旅行先でも日本語メニューで操作することができる為、利便性が向上する。
【0019】
また、本発明の通信端末は、外部から入力された言語を、特定した言語に変換する変換手段を備える。
【0020】
上記構成によれば、位置情報に基づいて外部から入力された言語を、特定した言語に変換する変換手段を備えることにより、入力した言語を通信端末が存在する位置に応じた言語に変換できる為、入力する際言語を自ら翻訳する必要が無くなる為、利便性が向上する。
【0021】
さらに、本発明の通信端末は、通信相手端末の位置情報を取得する取得手段と、位置情報と言語との対応関係から、取得した前記通信相手端末の位置情報に対応する言語を特定する特定手段と、外部から入力された言語を、特定した言語に変換する変換手段と、変換した言語で記述されたメッセージを前記通信相手端末に送信する送信手段と、を備える。
【0022】
上記構成によれば、位置情報に基づいて通信相手端末の位置に応じて変換した言語で記述されたメッセージを通信相手端末に送信することにより、通信相手端末は、自端末の位置に応じた言語で記述されたメッセージを受信することができる為、位置が異なる端末間の通信における利便性が向上する。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、位置情報に基づいて特定した言語で環境設定を行う制御手段を備えることにより、通信端末が存在する位置に応じた言語で環境設定が行われる為、メーカやユーザが、位置に合わせて環境設定を行う必要がなくなる為、利便性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0025】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態を説明するための携帯電話端末のブロック図である。 本実施形態の携帯電話端末101は、複数の言語環境に対応した環境設定が可能な携帯電話端末であって、図1に示すように、、携帯電話無線部1と測位装置2と携帯電話信号処理部3と位置情報対応記憶部4と携帯電話表示部5と携帯電話文字入力部6から構成されている。
【0026】
携帯電話無線部1は、例えば、WCDMA(Wideband CDMA)、GSM(Global System Mobile communications)やPDC(Personal Digital Cellular)他いろいろな通信方式での無線構成を示しており、方式については限定する必要はない。
【0027】
測位装置2は、自端末の位置を測定するための装置で、例えば、GPS(Global Positioning System)などを使って自端末の位置の座標を求め、その結果を出力するものである。自端末の位置の座標を得るための手段として、GPSに限定する必要はなく、他の方法(たとえば、通信するための基地局の座標や、複数の基地局からの通信時間差を使ったObserve Time Difference of Arrival( OTDOA )もしくはEnhanced Observed Time Difference (E-OTD))でも可能である。測位装置2によって例えば、緯度・経度・高度情報が得られるが、自端末の位置が一義的に示せる情報であれば、とくに限定する必要はない。
【0028】
携帯電話信号処理部3は、位置情報と言語との対応関係から、測位結果に対応する言語を特定する機能と、特定した言語で環境設定を行う機能とを有する。ここで、環境設定とは、携帯電話表示部5が表示するメニュー画面、メールやブラウザ等の文字表示形態及び操作キーに対する文字の割当等の文字入力環境の設定を意味する。また、携帯電話信号処理部3は、携帯電話無線部1で処理された無線信号を復調及び変調し、データの送受信をする機能や、その他携帯電話端末の機能としてメールやブラウザなど、携帯電話表示部5に画像や文字を表示させる機能、メールやブラウザなどで文字を入力するための携帯電話文字入力部6などを制御する機能を有する。
【0029】
位置情報対応記憶部4は、位置情報と言語との対応関係を記憶するものであり、測位装置2で得られる位置情報(例えば、緯度・経度・高度)と、その位置で使用されている言語を関連づけて記憶しておくものである。位置情報対応記憶部4が記憶する言語とは、ある地域で一般に使用される言語であり、方言を含む。例えば、
東経135度,北緯35度,日本語
東経120度,北緯41度,中国語
あるいは、
東経135度以上145度以下、かつ北緯30から40度、日本語、東京弁
…、etc
があげられるが、上記形式にとくに限定することなく、関連付けられる形であればよい。
【0030】
つぎに、携帯電話端末101の動作について説明する。測位装置2は、例えばGPS(Global Positioning System)などを使って自端末の位置を測定し、測位結果から座標(緯度・経度)による位置情報を求め、位置情報を携帯電話処理部3に出力する。携帯電話処理部3は、位置情報対応記憶部4に記憶されている位置情報と言語との対応関係から、得られた測位結果に対応する言語を特定する。そして、携帯電話処理部3は、特定した言語で環境設定を行い、携帯電話表示部5に対して、、メールなどの文字表示や、メニューなどのインターフェイス(Human Machine Interface)を特定した言語で表示させる。また、携帯電話信号処理部3は、携帯電話文字入力部6に対して、キー割当等の入力環境や単語や文章の変換を、特定した言語により行うよう設定する。
【0031】
図2は、単語の変換例を示す図である。図2(a)を参照して、携帯電話文字入力部6を介して外部からたとえば、“ありがとう”と入力された場合の例を説明する。携帯電話信号処理部3は、位置測位装置2により得られた位置情報(東経135度、北緯35度など)に対応する言語を、位置情報対応記憶部4が記憶する位置情報と言語との対応関係を参照して「京都弁」と特定する。位置情報対応記憶部4には、あらかじめ、位置情報とその位置を含む地域で使用される言語(この場合「京都弁」)で、”ありがとう”という単語に対応する“おおきに”という単語の情報が記憶されている。携帯電話信号処理部3は、この情報に基づき、”ありがとう”という単語を”おおきに”という単語に変換して、携帯電話表示部5に“おおきに”と表示させる。
【0032】
同様に、“こんにちは”と入力されると、携帯電話端末101の位置に応じて、“まいど”と表示されたり(図2(b))、“Hello”と表示される(図2(c))。
【0033】
以上説明したように、本実施形態の携帯電話端末100によれば、携帯電話信号処理部3が、特定した言語で環境設定を行うことにより、携帯電話端末100が存在する位置に応じた言語で環境設定が行われる為、メーカやユーザが、位置に合わせて環境設定を行う必要がなくなる為、利便性が向上する。
【0034】
(第2の実施形態)
図3は、本発明の第2の実施形態を説明するための携帯電話端末のブロック図である。 同図において、第1の実施形態で説明した図1と重複する部分には同一の符号を付して説明を省略する。同図に示すように、本実施形態の携帯電話端末102は、携帯電話無線部1と携帯電話基地局7とが無線等で接続されている。また携帯電話基地局7は基地局位置情報記憶部8と接続されている。本実施形態の携帯電話端末102は、図1に示す測位装置2を備えず、携帯電話基地局7から携帯電話基地局7の位置情報を取得する機能を有する。
【0035】
つぎに、動作について第1の実施形態との相違点を説明する。第1の実施形態において、携帯電話端末101は、自端末の位置情報を取得するために、GPS(Global Positioning Sysytem)などを用いた測位装置2を備えていた。しかし、本実施形態では、あらかじめ既存の携帯電話基地局7の座標を測定し、データベースとして基地局位置情報記憶部8に基地局の位置情報を格納しておく。
【0036】
携帯電話端末102が近接の携帯電話基地局7と同期をとって動作することは一般的である。これを利用して、携帯電話無線部1及び携帯電話信号処理部3は、携帯電話基地局7とのデータの送受信において、基地局位置情報記憶部8が記憶する携帯電話基地局7の位置情報を自端末の位置情報として取得する。そして、携帯電話信号処理部3は、位置情報対応記憶部4に記憶されている位置情報と言語との対応関係から、取得した基地局の位置情報に対応する言語を特定する。また、携帯電話信号処理部3は、特定した言語で環境設定を行う。
【0037】
これにより、GPSと比べて位置測定精度は悪くなるが、携帯電話端末側にあらかじめ測位するためのハードウェアおよびソフトウェア等を設ける必要がなくなるため、コストや実装面積の増加を抑制できる。
【0038】
(第3の実施形態)
図4は、本発明の第3の実施形態を説明するためのブロック図である。同図において、第2の実施形態で説明した図3と重複する部分には同一の符号を付して説明を省略する。 同図に示すように、本実施形態の携帯電話端末102は、携帯電話無線部1と携帯電話基地局7とは無線等で接続されている。また携帯電話基地局7は基地局国情報記憶部9と接続されている。本実施形態の携帯電話端末102は、携帯電話基地局7の位置情報を取得する機能の代わりに、携帯電話基地局7から基地局国情報記憶部9が記憶する国情報(Country code)を取得する機能を有する。また、位置情報対応記憶部4は、国コード情報と言語との対応関係を記憶する。
【0039】
つぎに、動作について第2の実施形態との相違点を説明する。第2の実施形態において、自端末の位置情報を取得するために、携帯電話基地局7の位置情報を利用していた。しかし、本実施形態では、基地局国情報記憶部9の国情報(Country code)を利用する。
【0040】
携帯電話端末102が近接の携帯電話基地局7と同期をとる際のデータの送受信において、携帯電話無線部1及び携帯電話信号処理部3が、基地局国情報記憶部9が記憶する携帯電話基地局7の国情報(Country Code)を取得することにより、携帯電話端末102は自端末の位置を把握する。そして、携帯電話信号処理部3は、位置情報対応記憶部4に記憶されている位置情報と言語との対応関係から、取得した基地局の位置情報に対応する言語を特定する。また、携帯電話信号処理部3は、特定した言語で環境設定を行う。
【0041】
これにより、GPSと比べて位置測定精度は極端に悪くなるが、携帯電話端末側にあらかじめ測位するためのハードウェアおよびソフトウェア等を設ける必要がなくなるため、コストや実装面積の増加を抑制できる。
【0042】
(第4の実施形態)
図5は、本発明の第4の実施形態を説明するためのブロック図である。同図において、第2の実施形態で説明した図3と重複する部分には同一の符号を付して説明を省略する。 同図に示すように、本実施形態の携帯電話端末102は、携帯電話無線部1と複数の携帯電話基地局7と無線等で接続されている。また、複数の携帯電話基地局7は、基地局位置情報記憶部8と接続されている。
【0043】
つぎに、動作について第2の実施形態と相違点を説明する。第2の実施形態において、自端末の位置情報を取得するために、1つの携帯電話基地局7の座標を利用していた。このため、位置測定精度がGPSを利用したもの(数10m程度)と比べて、数百mから数kmと悪くなる。そこで、本実施形態の携帯電話端末102は、複数の携帯電話基地局7のそれぞれの位置情報と、複数の携帯電話基地局7のそれぞれから携帯電話端末102への電波の伝播時間と、に基づいて携帯電話端末102の位置情報を算出する機能を有する。電波の伝播時間を用いた位置算出技術は、特開平9−15314号公報「物体位置決定システムおよび方法」や、特開平11−308658号公報「移動局の位置検出方法並びに移動局基地局および移動通信システム」等に開示されている。電波の伝播時間を用いた位置算出方法の原理について、以下で説明する。
【0044】
図6は、電波の伝播時間を用いた位置算出方法の動作原理を説明するための図である。 図6において、携帯電話基地局7は3つあり、それぞれNodeB♯1,NodeB♯2,NodeB♯3とする。それぞれの携帯電話基地局7の位置座標を、(x1,y1,z1),(x2,y2,z2),(x3,y3,z3)とする。また、携帯電話端末102の位置座標を(x,y,z)とする。
【0045】
また、携帯電話端末電話102で測定された電波の伝搬遅延時間を
携帯電話基地局(NodeB♯1)⇔携帯電話端末電話102 Δt1
携帯電話基地局(NodeB♯2)⇔携帯電話端末電話102 Δt2
携帯電話基地局(NodeB♯3)⇔携帯電話端末電話102 Δt3
とすると、携帯電話基地局7と携帯電話端末電話102との距離は以下の数式1〜3で記述できる。
【0046】
数式1

数式2

数式3

【0047】
ここで、cは光速を示す。以上の関係式から、(x,y,z)を求めることができる。なお、本例では、3つの携帯電話基地局7を用いて、携帯電話102の位置を求めた。
【0048】
以上説明したように、複数の基地局の位置情報と各基地局から携帯電話端末への電波の伝播時間とに基づいて携帯電話端末電話102の位置を算出することができる。
【0049】
これにより、GPSと比べて位置測定精度は悪くなるが、第2の実施形態の場合と比べて測位精度(おおよそ数100m程度)の向上を図ることができる。また、携帯電話端末に電波の伝播時間を測定する機能や自端末の位置を算出する機能が必要となるが、携帯電話端末側にあらかじめ測位するためのハードウェアおよびソフトウェア等を設ける必要がなくなるため、コストや実装面積の増加を抑制できる。尚、基地局側に、複数の基地局の位置情報と各基地局から携帯電話端末への電波の伝播時間とに基づいて携帯電話端末電話の位置を算出する機能を設け、携帯電話端末に、基地局が算出した位置情報を取得する機能を設けてもよい。
【0050】
(第5の実施形態)
図7は、本発明の第5の実施形態を説明するためのブロック図である。同図において、第2の実施形態で説明した図3と重複する部分には同一の符号を付して説明を省略する。 本実施形態の携帯電話端末102aは、携帯電話端末102b(通信相手端末)の位置情報を取得する機能を有する。
【0051】
携帯電話端末102a,102bと携帯電話基地局7とはそれぞれ無線等で接続されている。また携帯電話基地局7は基地局位置情報記憶部8と接続されている。また、携帯電話基地局7は携帯電話ネットワーク網10に接続されている。
【0052】
つぎに、動作について説明する。携帯電話端末102aは、他の携帯電話端末102bの位置情報(緯度・軽度)を取得する。この技術を第3者検索といい、第3世代携帯での標準規格である3GPP(3rd Generation Partnership Project)でのMTLR(Mobile Terminated Location Request)で規定されている。
【0053】
携帯電話端末102aの携帯電話信号処理部3は、位置情報対応記憶部4に記憶されている位置情報と言語との対応関係から、取得した携帯電話端末102bの位置情報に対応する言語を特定する。そして、携帯電話信号処理部3は、外部から入力された言語を、特定した言語に変換する。例えば、携帯電話102a上で携帯電話102b宛に電子メールなど書く際、携帯電話文字入力部6から入力された文字を、位置情報対応記憶部4に記憶される情報に基づいて、通信相手端末の位置に応じた適切な文字に変換する。そして、変換した言語で記述されたメッセージ(文字)を携帯電話端末102bに送信する。
【0054】
携帯電話端末102aの通信相手である携帯電話端末102bは、自端末の位置に応じて変換されたメッセージを受信する。
【0055】
これにより、携帯電話端末102aは、通信相手である携帯電話端末102bの位置に応じて変換した言語で記述されたメッセージを、携帯電話端末102aに送信することができる為、位置が異なる携帯電話端末間の通信における利便性が向上する。
【0056】
尚、以上説明した携帯電話端末に、任意の言語を指定する指定手段を備え、指定手段が指定した言語及び位置情報に基づいて特定した言語から選択した言語で環境設定を行ってもよい。この構成によれば、位置に拘わらずユーザが希望する言語で環境設定を行うことが可能となる為、例えば、日本人ユーザが海外旅行先でも日本語メニューで操作することができる為、利便性が向上する。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、位置情報に基づいて特定した言語で環境設定を行う制御手段を備えることにより、通信端末が存在する位置に応じた言語で環境設定が行われる為、メーカやユーザが、位置に合わせて環境設定を行う必要がなくなる為、利便性が向上する効果を有し、位置測定機能を有する通信端末等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の第1の実施形態を説明するための携帯電話端末のブロック図
【図2】単語の変換例を示す図
【図3】本発明の第2の実施形態を説明するための携帯電話端末のブロック図
【図4】本発明の第3の実施形態を説明するためのブロック図
【図5】本発明の第4の実施形態を説明するためのブロック図
【図6】電波の伝播時間を用いた位置算出方法の動作原理を説明するための図
【図7】本発明の第5の実施形態を説明するためのブロック図
【符号の説明】
【0059】
1 携帯電話無線部
2 測位装置
3 携帯電話信号処理部
4 位置情報対応記憶部
5 携帯電話表示部
6 携帯電話文字入力部
7 携帯電話基地局
8 基地局位置情報記憶部
9 基地局国情報記憶部
10 携帯電話ネットワーク網
101,102a,102b 携帯電話端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の言語環境に対応した環境設定が可能な通信端末であって、
位置を測定する測位手段と、
位置情報と言語との対応関係から、測位結果に対応する言語を特定する特定手段と、
特定した言語で環境設定を行う制御手段と、
を備える通信端末。
【請求項2】
複数の言語環境に対応した環境設定が可能な通信端末であって、
基地局の位置情報を取得する取得手段と、
位置情報と言語との対応関係から、取得した基地局の位置情報に対応する言語を特定する特定手段と、
特定した言語で環境設定を行う制御手段と、
を備える通信端末。
【請求項3】
複数の言語環境に対応した環境設定が可能な通信端末であって、
基地局から国コード情報を取得する取得手段と、
国コード情報と言語との対応関係から、取得した国コード情報に対応する言語を特定する特定手段と、
特定した言語で環境設定を行う制御手段と、
を備える通信端末。
【請求項4】
複数の言語環境に対応した環境設定が可能な通信端末であって、
複数の基地局のそれぞれの位置情報と、前記複数の基地局のそれぞれから自端末への電波の伝播時間と、に基づいて算出された自端末の位置情報を取得する取得手段と、
位置情報と言語との対応関係から、取得した位置情報に対応する言語を特定する特定手段と、
特定した言語で環境設定を行う制御手段と、
を備える通信端末。
【請求項5】
複数の言語環境に対応した環境設定が可能な通信端末であって、
複数の基地局のそれぞれの位置情報と、前記複数の基地局のそれぞれから自端末への電波の伝播時間と、に基づいて、自端末の位置情報を算出する算出手段と、
位置情報と言語との対応関係から、算出した位置情報に対応する言語を特定する特定手段と、
特定した言語で環境設定を行う制御手段と、
を備える通信端末。
【請求項6】
任意の言語を指定する指定手段を備え、
前記制御手段は、前記指定手段が指定した言語及び前記特定手段が特定した言語から選択した言語で環境設定を行う請求項1ないし5のいずれか一項記載の通信端末。
【請求項7】
外部から入力された言語を、特定した言語に変換する変換手段を備える請求項1ないし5のいずれか一項記載の通信端末。
【請求項8】
通信相手端末の位置情報を取得する取得手段と、
位置情報と言語との対応関係から、取得した前記通信相手端末の位置情報に対応する言語を特定する特定手段と、
外部から入力された言語を、特定した言語に変換する変換手段と、
変換した言語で記述されたメッセージを前記通信相手端末に送信する送信手段と、
を備える通信端末。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2006−129002(P2006−129002A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−313852(P2004−313852)
【出願日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】