説明

通信装置

【課題】緊急を要するメッセージを含む緊急画像データを受信した場合、その旨の情報を報知する通信装置において、ユーザにとっての利便性を向上することができる通信装置を提供すること。
【解決手段】本発明の通信装置1は、受信された画像データが緊急画像データであるか否かを判定する第1判定処理部2bと、受信された画像データが緊急画像データであると判定された場合に、緊急画像データを受信した旨の情報を報知する報知制御部2e及び音声出力部11と、緊急画像データを受信したことが外部から確認されたか否かを判定する第2判定処理部2gと、緊急画像データを受信したことが外部から確認されていないと判定された場合に、その旨の情報である確認無情報を通信可能に接続された外部装置17、18、及び22の内、少なくとも1に対して通知する処理を行う通知処理部2hと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データを受信する通信装置に関し、詳しくは、緊急を要するメッセージを含む緊急画像データを受信した場合、その旨の情報を報知する通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像データを受信する通信装置の中には、緊急を要するメッセージを含む緊急画像データを受信した場合、その旨の情報を報知するものがある(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載の通信装置(ここでは、ファクシミリ装置)は、画像データをファクシミリ受信する際の被呼端末識別信号(CED:Called Station Identification)の送信等の送信側の通信装置とのやりとりにおいて、送信側の通信装置から非標準機能設定信号(NSS:Non-Standard facilities Set-up)を受信した場合に、ファクシミリ受信する画像データを緊急画像データであると判断する。そして、例えば、「緊急画像データを受信しました。」といった音声メッセージや、「ピーピー」といった警報音を出力したり、ランプを点灯することにより、緊急画像データを受信した旨の情報を報知する。なお、緊急画像データとしては、緊急の連絡事項等が記載された原稿の画像データ等がある。
【特許文献1】特開平10−210204号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載の通信装置においては、単に緊急画像データを受信した旨の情報が報知されるのみであるため、ユーザにとっての利便性が充分ではないという問題点があった。例えば、ユーザが通信装置の近辺にいない場合に、ユーザに緊急画像データに記載されている緊急の連絡事項等が伝わらないおそれがあった。
【0004】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、緊急を要するメッセージを含む緊急画像データを受信した場合、その旨の情報を報知する通信装置において、ユーザにとっての利便性を向上することができる通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の通信装置は、画像データを受信する通信装置であって、受信された画像データが緊急を要するメッセージを含む緊急画像データであるか否かを判定する第1の判定手段と、前記第1の判定手段により、前記受信された画像データが前記緊急画像データであると判定された場合に、前記緊急画像データを受信した旨の情報を報知する報知手段と、前記緊急画像データを受信したことが外部から確認されたか否かを判定する第2の判定手段と、前記第2の判定手段により、前記緊急画像データを受信したことが外部から確認されていないと判定された場合に、その旨の情報である確認無情報を通信可能に接続された外部装置に対して通知する処理を行う通知手段と、を備えることを特徴としている。
【0006】
上記構成によれば、第1の判定手段により、受信された画像データが緊急を要するメッセージを含む緊急画像データであるか否かが判定され、受信された画像データが緊急画像データであると判定された場合に、報知手段により、緊急画像データを受信した旨の情報が報知され、第2の判定手段により、緊急画像データを受信したことが外部から確認されたか否かが判定される。そして、緊急画像データを受信したことが外部から確認されていないと判定された場合に、通知手段により、緊急画像データを受信したことが外部から確認されていない旨の情報である確認無情報が通信可能に接続された外部装置に対して通知される。
【0007】
従って、緊急画像データを受信したことが外部から(ユーザにより)確認されていない場合に、緊急画像データを受信したことが外部から確認されてない旨の情報である確認無情報が外部装置に対して通知されるため、確認無情報を通知する外部装置を適正に設定することにより、ユーザにとっての利便性が向上する。例えば、確認無情報を通知する外部装置を、緊急を要するメッセージの内容を確認すべきユーザが近辺に存在し得る外部装置に設定することにより、緊急を要するメッセージの内容を確認すべきユーザに、緊急画像データを受信したことを認識させることができる。また、例えば、確認無情報を通知する外部装置を、緊急画像データの送信元の外部装置に設定することにより、外部装置を利用して画像データを送信したユーザに、緊急画像データを受信したことが外部から確認されてないことを認識させることができる。
【0008】
請求項2記載の通信装置は、請求項1記載の通信装置において、前記通知手段は、前記確認無情報を画像データとして前記外部装置に送信することにより、前記通知する処理を行うことを特徴としている。
【0009】
上記構成によれば、通知手段により、確認無情報が画像データとして外部装置に送信されることにより、確認無情報を通知する処理が行われる。
【0010】
従って、確認無情報が画像データとして外部装置に送信されるため、外部装置の近辺にいるユーザは、画像データが印刷出力された記録紙を見ることにより、緊急画像データを受信したことを容易に認識することができる。
【0011】
請求項3記載の通信装置は、請求項2記載の通信装置において、前記外部装置は、前記画像データの送信元の装置であることを特徴としている。
【0012】
上記構成によれば、通知手段により、緊急画像データであると判定された画像データの送信元の装置である外部装置に、確認無情報が画像データとして送信されることにより、確認無情報を通知する処理が行われる。
【0013】
従って、緊急画像データであると判定された画像データの送信元の外部装置に、確認無情報が画像データとして送信されるため、外部装置を利用して画像データを送信したユーザは、画像データが印刷出力された記録紙を見ることにより、緊急画像データを受信したことが外部から(ユーザにより)確認されていないことを容易に認識することができる。
【0014】
請求項4記載の通信装置は、請求項1記載の通信装置において、前記外部装置と電話回線を介して通信可能に接続されており、前記通知手段は、前記外部装置に対して発呼し、前記外部装置との回線が接続された後、前記確認無情報を音声メッセージとして前記外部装置に送出することにより、前記通知する処理を行うことを特徴としている。
【0015】
上記構成によれば、通知手段により、電話回線を介して通信可能に接続されている外部装置に対して発呼され、外部装置との回線が接続された後、確認無情報が音声メッセージとして外部装置に送出されることにより、確認無情報を通知する処理が行われる。
【0016】
従って、確認無情報が音声メッセージとして外部装置に送出されるため、外部装置の近辺にいるユーザは、音声メッセージを聞くことにより、緊急画像データを受信したことを容易に認識することができる。
【0017】
請求項5記載の通信装置は、請求項1乃至4のいずれか1に記載の通信装置において、前記受信手段により受信された画像データを記録紙に印刷出力する印刷出力手段を備えることを特徴としている。
【0018】
上記構成によれば、印刷出力手段により、受信された画像データが記録紙に印刷出力される。
【0019】
従って、ユーザは、緊急画像データが印刷出力された記録紙を見ることにより、緊急を要するメッセージの内容を容易に確認することができる。
【0020】
請求項6記載の通信装置は、請求項5記載の通信装置において、前記印刷出力手段は、前記第1の判定手段により、前記受信された画像データが前記緊急画像データであると判定され、且つ、前記第1の判定手段により前記緊急画像データでないと判定された画像データを記録紙に印刷出力している場合は、印刷出力を中止し、前記第1の判定手段により前記緊急画像データであると判定された画像データを優先して記録紙に印刷出力することを特徴としている。
【0021】
上記構成によれば、受信された画像データが緊急画像データであると判定され、且つ、印刷出力手段により、緊急画像データでないと判定された画像データが記録紙に印刷出力されている場合は、その印刷出力が中止され、緊急画像データであると判定された画像データが優先して記録紙に印刷出力される。
【0022】
従って、受信された画像データが緊急画像データであり、且つ、緊急画像データでない画像データが記録紙に印刷出力されている場合は、その印刷出力が中止され、緊急画像データが優先して記録紙に印刷出力されるため、ユーザは、緊急を要するメッセージの内容を可及的速やかに確認することができる。
【0023】
請求項7記載の通信装置は、請求項1乃至6のいずれか1に記載の通信装置において、外部からの操作入力を受け付ける受付手段と、前記第1の判定手段により、前記受信された画像データが前記緊急画像データであると判定された場合に、前記受信手段により前記緊急画像データが受信された時点からの経過時間を計測する計時手段と、を備え、前記第2の判定手段は、前記受付手段により前記操作入力が受け付けられたか否かに基づいて、前記緊急画像データを受信したことが外部から確認されたか否かを判定するものであり、前記経過時間が第1の所定の時間を越えるまでに、前記受付手段により前記操作入力が受け付けられなかった場合に、前記緊急画像データを受信したことが外部から確認されていないと判定することを特徴としている。
【0024】
上記構成によれば、受付手段により、外部からの操作入力が受け付けられ、受信された画像データが緊急画像データであると判定された場合に、計時手段により、緊急画像データが受信された時点からの経過時間が計測される。そして、経過時間が第1の所定の時間を越えるまでに、操作入力が受け付けられなかった場合に、第2の判定手段により、緊急画像データを受信したことが外部から確認されていないと判定される。
【0025】
従って、緊急画像データが受信された時点からの経過時間が第1の所定の時間を越えるまでに、操作入力が受け付けられなかった場合に、緊急画像データを受信したことが外部から確認されていないと判定されるため、簡単な構成で、緊急画像データを受信したことが外部から(ユーザにより)確認されたか否かを判定することができる。
【0026】
請求項8記載の通信装置は、請求項7記載の通信装置において、前記報知手段は、前記緊急画像データを受信した旨の音声メッセージを出力することにより、前記緊急画像データを受信した旨の情報を報知するものであり、前記経過時間が前記第1の所定の時間よりも短い第2の所定の時間を越えた場合に、前記音声メッセージの出力速度、音程、及び大きさの内、少なくとも1を変更するを特徴としている。
【0027】
上記構成によれば、経過時間が第1の所定の時間よりも短い第2の所定の時間を越えた場合に、報知手段により、緊急画像データを受信した旨の音声メッセージの出力速度、音程、及び大きさの内、少なくとも1が変更される。
【0028】
従って、緊急画像データが受信された時点からの経過時間が第2の所定の時間を越えた場合に、緊急画像データを受信した旨の音声メッセージの出力速度、音程、及び大きさの内、少なくとも1が変更されるため、ユーザが、緊急画像データを受信したことをより認識しやすくなるという利点がある。
【0029】
請求項9記載の通信装置は、請求項5又は6記載の通信装置において、前記印刷出力手段により画像データが印刷出力された記録紙の有無を検出する検出手段と、前記第1の判定手段により、前記受信された画像データが前記緊急画像データであると判定された場合に、前記受信手段により前記緊急画像データが受信された時点からの経過時間を計測する計時手段と、を備え、前記第2の判定手段は、前記検出手段により検出される前記記録紙の有無に基づいて、前記緊急画像データを受信したことが外部から確認されたか否かを判定するものであり、前記経過時間が第3の所定の時間を越えた時点で、前記検出手段により前記記録紙が有ることが検出されている場合に、前記緊急画像データを受信したことが外部から確認されていないと判定することを特徴としている。
【0030】
上記構成によれば、検出手段により、画像データが印刷出力された記録紙の有無が検出され、受信された画像データが緊急画像データであると判定された場合に、計時手段により、緊急画像データが受信された時点からの経過時間が計測される。そして、経過時間が第3の所定の時間を越えた時点で、画像データが印刷出力された記録紙が有ることが検出されている場合に、第2の判定手段により、緊急画像データを受信したことが外部から確認されていないと判定される。
【0031】
従って、緊急画像データが受信された時点からの経過時間が第3の所定の時間を越えた時点で、記録紙が有る場合、緊急画像データを受信したことが外部から確認されていないと判定されるため、緊急画像データを受信したことが外部から(ユーザにより)確認されたか否かを利便性が良好な方法で判定することができる。
【0032】
請求項10記載の通信装置は、請求項1乃至9のいずれか1に記載の通信装置において、前記第1の判定手段は、前記受信手段により受信された画像データが示す画像の内、予め設定された所定の領域に含まれている文字を識別し、識別した文字の中に予め設定された所定の文字が含まれている場合に、前記受信手段により受信された画像データが前記緊急画像データであると判定することを特徴としている。
【0033】
上記構成によれば、第1の判定手段により、受信された画像データが示す画像の内、予め設定された所定の領域に含まれている文字が識別され、識別された文字の中に予め設定された所定の文字が含まれている場合に、受信された画像データが緊急画像データであると判定される。
【0034】
従って、受信された画像データが示す画像に、予め設定された所定の文字が含まれている場合、受信された画像データが緊急画像データであると判定されるため、簡単に且つ確実に、受信された画像データが緊急画像データであるか否かを判定することができる。
【0035】
請求項11記載の通信装置は、請求項10記載の通信装置において、前記所定の文字は、所定の大きさ以上の文字であることを特徴としている。
【0036】
上記構成によれば、第1の判定手段により、受信された画像データが示す画像の内、予め設定された所定の領域に含まれている文字が識別され、識別された文字の中に予め設定された所定の文字が含まれており、且つ、所定の文字が所定の大きさ以上の文字である場合に、受信された画像データが緊急画像データであると判定される。
【0037】
従って、受信された画像データが示す画像に、所定の文字が含まれており、且つ、所定の文字が所定の大きさ以上の文字である場合に、受信された画像データが緊急画像データであると判定されるため、緊急画像データでない画像データを緊急画像データであると判定する等の誤判定を防止することができる。
【発明の効果】
【0038】
請求項1記載の通信装置によれば、緊急画像データを受信したことが外部から(ユーザにより)確認されていない場合に、緊急画像データを受信したことが外部から確認されてない旨の情報である確認無情報が外部装置に対して通知されるため、確認無情報を通知する外部装置を適正に設定することにより、ユーザにとっての利便性が向上する。例えば、確認無情報を通知する外部装置を、緊急を要するメッセージの内容を確認すべきユーザが近辺に存在し得る外部装置に設定することにより、緊急を要するメッセージの内容を確認すべきユーザに、緊急画像データを受信したことを認識させることができる。また、例えば、確認無情報を通知する外部装置を、緊急画像データの送信元の外部装置に設定することにより、外部装置を利用して画像データを送信したユーザに、緊急画像データを受信したことが外部から確認されてないことを認識させることができる。
【0039】
請求項2記載の通信装置によれば、確認無情報が画像データとして外部装置に送信されるため、外部装置の近辺にいるユーザは、画像データが印刷出力された記録紙を見ることにより、緊急画像データを受信したことを容易に認識することができる。
【0040】
請求項3記載の通信装置によれば、緊急画像データであると判定された画像データの送信元の外部装置に、確認無情報が画像データとして送信されるため、外部装置を利用して画像データを送信したユーザは、画像データが印刷出力された記録紙を見ることにより、緊急画像データを受信したことが外部から(ユーザにより)確認されていないことを容易に認識することができる。
【0041】
請求項4記載の通信装置によれば、確認無情報が音声メッセージとして外部装置に送出されるため、外部装置の近辺にいるユーザは、音声メッセージを聞くことにより、緊急画像データを受信したことを容易に認識することができる。
【0042】
請求項5記載の通信装置によれば、ユーザは、緊急画像データが印刷出力された記録紙を見ることにより、緊急を要するメッセージの内容を容易に確認することができる。
【0043】
請求項6記載の通信装置によれば、受信された画像データが緊急画像データであり、且つ、緊急画像データでない画像データが記録紙に印刷出力されている場合は、その印刷出力が中止され、緊急画像データが優先して記録紙に印刷出力されるため、ユーザは、緊急を要するメッセージの内容を可及的速やかに確認することができる。
【0044】
請求項7記載の通信装置によれば、緊急画像データが受信された時点からの経過時間が第1の所定の時間を越えるまでに、操作入力が受け付けられなかった場合に、緊急画像データを受信したことが外部から確認されていないと判定されるため、簡単な構成で、緊急画像データを受信したことが外部から(ユーザにより)確認されたか否かを判定することができる。
【0045】
請求項8記載の通信装置によれば、緊急画像データが受信された時点からの経過時間が第2の所定の時間を越えた場合に、緊急画像データを受信した旨の音声メッセージの出力速度、音程、及び大きさの内、少なくとも1が変更されるため、ユーザが、緊急画像データを受信したことをより認識しやすくなるという利点がある。
【0046】
請求項9記載の通信装置によれば、緊急画像データが受信された時点からの経過時間が第3の所定の時間を越えた時点で、記録紙が有る場合、緊急画像データを受信したことが外部から確認されていないと判定されるため、緊急画像データを受信したことが外部から(ユーザにより)確認されたか否かを利便性が良好な方法で判定することができる。
【0047】
請求項10記載の通信装置によれば、受信された画像データが示す画像に、予め設定された所定の文字が含まれている場合、受信された画像データが緊急画像データであると判定されるため、簡単に且つ確実に、受信された画像データが緊急画像データであるか否かを判定することができる。
【0048】
請求項11記載の通信装置によれば、受信された画像データが示す画像に、所定の文字が含まれており、且つ、所定の文字が所定の大きさ以上の文字である場合に、受信された画像データが緊急画像データであると判定されるため、緊急画像データでない画像データを緊急画像データであると判定する等の誤判定を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る通信装置1の一例を示すブロック図である。図示するように、通信装置1は、制御部(CPU:Central Processing Unit)2、ROM(Read Only Memory)3、RAM(Random Access Memory)4、原稿読取部5、コーデック6、画像メモリ7、印刷部8、操作部9、表示部10、音声出力部11、モデム12、NCU(Network Control Unit)13、及びLAN I/F(Local Area Network Interface)14を備えたものであって、各部2乃至14はバス15によって通信可能に接続されている。この通信装置1は、画像データをファクシミリ送受信するファクシミリ機能、電子メールにより画像データを送受信するインターネットファクシミリ機能、及び画像データを記録紙に印刷出力するプリント機能を備える。
【0050】
制御部2は、ROM3に格納された制御プログラムに従って、この通信装置1を構成する各部を制御し、後述する受信部2a(図2参照)等として機能するものである。RAM4は、制御部2の主メモリ、ワークエリア等として機能するものである。また、RAM4には、各種の音声メッセージや、画像データ等が格納されている。
【0051】
原稿読取部5は、原稿の画像を読み取って画像データを生成し、所定の出力先に出力するものである。この原稿読取部5は、図示しないが、CCD(Charge Coupled Device)等のイメージセンサや光源等の光学系を有するフラットベッドスキャナ(FBS:Flat Bed Scanner)や原稿自動供給装置(ADF:Automatic Document Feeder)等の原稿供給機構等を有して構成されている。コーデック6は、コピーやファクシミリ送受信等のために画像データを符号化し、符号化されている画像データを復号(展開)する。
【0052】
画像メモリ7は、原稿読取部5から直接出力された画像データ、コーデック6において符号化された画像データ、受信した画像データ等を格納する。印刷部8(印刷出力手段の一部に相当する)は、画像メモリ7から読み出された画像データを記録紙に印刷出力するものである。この印刷部8における印刷方式としては、例えば、電子写真方式を用いることができる。
【0053】
操作部9は、ユーザが情報を入力する入力キー、タッチパネル等から構成されており、ユーザによる各種の操作入力は、この操作部9を介して行われる。入力キーとしては、原稿読取部5に原稿の読取開始を指示するためのスタートキー、原稿の読取中止を指示するためのストップキー、コピー部数等を入力するためのテンキー、各種設定を行うためのカーソルキー等がある。表示部10は、例えば操作部9に並設された、各種の設定状態や通信装置1の動作状態などを文字や図形などで表示する液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)や、点灯又は消灯で表示するLEDランプなどを備えている。音声出力部11(報知手段の一部に相当する)は、制御部2からの指示に応じて音声出力を行うものである。
【0054】
モデム12は、例えばITU−T(国際電気通信連合電気通信標準化部門)の勧告V.30規格又はこれと同様のものに従った送受信データの変調及び復調を行うものである。NCU13は、電話回線を制御して電話をかけたり、切ったりする回線網制御装置であり、PSTN(Public Switched Telephone Networks)16に接続されている。また、PSTN16には、第1外部装置17、及び第2外部装置18が接続されており、通信装置1、第1外部装置17、及び第2外部装置18は、PSTN16を介して通信可能に接続されている。ここでは、第1外部装置17は、ファクシミリ装置であり、第2外部装置18は、電話機である。
【0055】
LAN I/F14は、LAN(Local Area Network)19と通信装置1とを通信可能に接続するものである。LAN19には、ルータ20が接続されると共に、ルータ20及びインターネット21を介して第3外部装置22が接続されている。ここでは、第3外部装置22は、パーソナルコンピュータ(PC)であり、電子メールを送受信する機能を備える。
【0056】
次に、制御部2の機能構成について説明する。制御部2は、図2に示すように、受信部2a、第1判定処理部2b、印刷出力制御部2c、計時部2d、報知制御部2e、受付部2f、第2判定処理部2g、通知処理部2h、及び設定情報記憶部2iを機能的に備えている。
【0057】
受信部2aは、第1外部装置17により送信(ここでは、ファクシミリ送信)された画像データを受信(ここでは、ファクシミリ受信)するものである。受信部2aにより受信された画像データは、画像メモリ7に一時的に格納された後、コーデック6により復号(展開)される。
【0058】
第1判定処理部2b(第1の判定手段に相当する)は、受信部2aにより受信された画像データが緊急を要するメッセージを含む緊急画像データであるか否かを判定するものである。すなわち、受信部2aにより受信された画像データが示す画像の内、予め設定された所定の領域に含まれている文字を識別し、識別した文字の中に予め設定された所定の文字が含まれており、且つ、所定の文字が、所定の大きさ以上の文字である場合に、受信部2aにより受信された画像データが緊急画像データであると判定するものである。
【0059】
図3は、受信部2aにより受信された画像データが示す画像の一例を示した図である。ここでは、矢符Aの方向を主走査方向とし、矢符Bの方向を副走査方向とする。第1判定処理部2bは、所定の領域として、例えば領域Cが予め設定されている場合は、受信部2aにより受信され、コーデック6により復号(展開)された画像データが示す画像の内、領域Cに含まれている文字を識別する(いわゆる、OCR(Optical Character Recognition)処理)。次に、第1判定処理部2bは、所定の文字として、例えば「緊急」が予め設定されている場合は、識別した文字の中から「緊急」の文字を検索する。次に、第1判定処理部2bは、識別した文字の中に所定の文字が含まれている場合、その文字の大きさを計測し、例えば1文字の大きさが主走査方向1.5cm以上、副走査方向1.5cm以上であれば、受信部2aにより受信された画像データが緊急画像データであると判定する。
【0060】
なお、ここでは、所定の文字が「緊急」である場合について説明したが、例えば、「防災」等の文字であってもよい。また、ここでは、受信部2aにより受信された画像データが示す画像に含まれる文字を識別し、受信部2aにより受信された画像データが緊急画像データであるか否かを判定する場合について説明したが、例えば、第1外部装置17が、緊急画像データのヘッダ等に、緊急画像データである旨の情報を付加して送信する場合、ヘッダ等に緊急画像データである旨の情報が付加されているか否かに基づいて、受信部2aにより受信された画像データが緊急画像データであるか否かを判定するようにしてもよい。また、例えば、第1外部装置17が、緊急画像データに、緊急画像データである旨の情報を埋め込んで(いわゆる、電子透かし)送信する場合は、受信部2aにより受信され、コーデック6により復号(展開)された画像データに緊急画像データであることを示す情報が含まれているか否かに基づいて、受信部2aにより受信された画像データが緊急画像データであるか否かを判定するようにしてもよい。
【0061】
また、ここでは、ファクシミリ受信された画像データが緊急画像データであるか否かを判定する場合について説明したが、電子メールにより受信された画像データが緊急画像データであるか否かを判定するようにしてもよい。例えば、ファクシミリ受信された画像データと同様、電子メールにより受信された画像データが示す画像に含まれる文字を識別し、識別した文字の中に予め設定された所定の文字が含まれているか否かに基づいて、電子メールにより受信された画像データが緊急画像データであるか否かを判定することができる。また、例えば、画像データが添付された電子メールの本文の「サブジェクト(件名)」に、所定の文字(例えば、「緊急」)が含まれているか否かに基づいて、電子メールにより受信された画像データが緊急画像データであるか否かを判定することもできる。
【0062】
印刷出力制御部2c(印刷出力手段の一部に相当する)は、印刷部8による画像データの記録紙への印刷出力を制御するものである。ここでは、印刷出力制御部2cは、第1判定処理部2bにより、受信された画像データが緊急画像データであると判定され、且つ、印刷部8が、第1判定処理部2bにより緊急画像データでないと判定されている画像データを記録紙に印刷出力している場合、その印刷出力を中止し、第1判定処理部2bにより緊急画像データであると判定された画像データを優先して記録紙に印刷出力する旨を指示する情報を印刷部8に出力する。印刷部8は、印刷出力制御部2cからの情報を受け付けると、実行中の印刷出力を中止し、第1判定処理部2bにより緊急画像データであると判定された画像データを優先して記録紙に印刷出力する。また、印刷出力制御部2cは、第1判定処理部2bにより緊急画像データであると判定された画像データを印刷部8が記録紙に印刷出力できたか否かを判定する。印刷部8が画像データを記録紙に印刷出力できない例としては、記録紙切れやトナー切れ等がある。印刷出力制御部2cは、第1判定処理部2bにより緊急画像データであると判定された画像データを印刷部8が記録紙に印刷出力できたか否かの情報を報知制御部2eに出力する。
【0063】
計時部2d(計時手段に相当する)は、時間を計測するものであり、具体的には、第1判定処理部2bにより、受信された画像データが緊急画像データであると判定された場合に、受信部2aにより緊急画像データが受信された時点からの経過時間を計測するものである。
【0064】
報知制御部2e(報知手段の一部に相当する)は、音声出力部11による音声出力を制御するものである。具体的には、第1判定処理部2bにより、受信された画像データが緊急画像データであると判定された場合に、緊急画像データを受信した旨の情報を報知する、すなわち、緊急画像データを受信した旨の音声メッセージを出力する旨を指示する情報を音声出力部11に出力する。音声出力部11は、報知制御部2eからの情報を受け付けると、緊急画像データを受信した旨の音声メッセージをRAM4から読み出し、読み出した音声メッセージを繰り返し出力する。従って、第1判定処理部2bにより、受信された画像データが緊急画像データであると判定された場合には、音声出力部11によって、例えば「緊急画像データを受信しました。」というような音声メッセージが繰り返し出力される。
【0065】
なお、緊急画像データであると判定された画像データを記録紙に印刷出力できたなかった旨の情報を報知制御部2eが受け付けた場合、例えば「緊急画像データを受信しました。トナー切れのため、印刷出力できません。」というような音声メッセージが繰り返し出力される。また、ここでは、緊急画像データを受信した旨の音声メッセージをRAM4から読み出して出力することにより、緊急画像データを受信した旨の情報を音声で報知する場合について説明したが、「あ」、「い」、「う」等の言葉そのもののデータである辞書データと、イントネーションに関するデータである音響データと、緊急画像データを受信した旨のメッセージデータ(文章データ)と、を格納しておき、辞書データ、音響データ、及び緊急画像データを受信した旨のメッセージデータに基づいて、緊急画像データを受信した旨の音声メッセージを生成し、生成した音声メッセージを出力することにより、緊急画像データを受信した旨の情報を報知するようにしてもよい。
【0066】
また、ここでは、緊急画像データを受信した旨の音声メッセージを出力することにより、緊急画像データを受信した旨の情報を報知する場合について説明したが、警報音(例えば、「ピーピー」等)を出力することにより、緊急画像データを受信した旨の情報を報知するようにしてもよい。また、音声に限らず、外部から視認可能な位置にランプ(不図示)を設け、このランプを点灯させることにより、緊急画像データを受信した旨の情報を報知するようにしてもよい。また、バイブレータを設け、バイブレータを振動させることにより、緊急画像データを受信した旨の情報を報知するようにしてもよい。
【0067】
受付部2f(受付手段に相当する)は、外部からの操作入力を操作部9を介して受け付けるものである。第2判定処理部2g(第2の判定手段に相当する)は、受付部2fにより外部からの操作入力が受け付けられたか否かに基づいて、緊急画像データを受信したことが外部から、すなわち、ユーザにより確認されたか否かを判定するものである。具体的には、計時部2dにより計測された経過時間が第1の所定の時間(例えば、10分)を越えるまでに、受付部2fにより外部からの操作入力が受け付けられなかった場合に、緊急画像データを受信したことが外部から確認されていないと判定する。例えば、第1判定処理部2bにより、受信された画像データが緊急画像データであると判定されると、緊急画像データを受信した旨の情報が音声で報知されるが、例えばユーザが通信装置1の近辺に存在せず、第1の所定の時間を越えるまでに、受付部2fにより操作入力が受け付けられない場合は、第2判定処理部2gにより、緊急画像データを受信したことが外部から確認されていないと判定される。
【0068】
一方、第2判定処理部2gは、計時部2dにより計測された経過時間が第1の所定の時間を越えるまでに、受付部2fにより外部からの操作入力が受け付けられた場合、緊急画像データを受信したことが外部から確認されたと判定する。例えば、第1判定処理部2bにより、受信された画像データが緊急画像データであると判定されると、緊急画像データを受信した旨の情報が音声で報知されるが、ユーザがこの報知を認識したり、緊急画像データが印刷出力された記録紙を認識して、操作部9のストップキー等を操作した場合、受付部2fにより操作入力が受け付けられるので、第2判定処理部2gにより、緊急画像データを受信したことが外部から確認されたと判定される。
【0069】
第2判定処理部2gにより緊急画像データを受信したことが外部から確認されたと判定された場合、又は、計時部2dにより計測された経過時間が第1の所定の時間を越えても、第2判定処理部2gにより緊急画像データを受信したことが外部から確認されていないと判定された場合、報知制御部2eは、緊急画像データを受信した旨の音声メッセージの出力を中止する旨を指示する情報を音声出力部11に出力する。音声出力部11は、報知制御部2eからの情報を受け付けると、緊急画像データを受信した旨の音声メッセージの出力を中止する。従って、緊急画像データを受信した時点から、ユーザにより操作部9が操作されるまで、又は、第1の所定の時間が経過するまで、音声出力部11によって、緊急画像データを受信した旨の音声メッセージが繰り返し出力される。
【0070】
また、報知制御部2eは、計時部2dにより計測された経過時間が、第1の所定の時間よりも短い第2の所定の時間(例えば、5分)を越えた際に、第2判定処理部2gにより、緊急画像データを受信したことが外部から確認されていないと判定されている場合、緊急画像データを受信した旨の音声メッセージの出力速度、音程、及び大きさを変更する旨を指示する情報を音声出力部11に出力する。音声出力部11は、報知制御部2eからの情報を受け付けると、緊急画像データを受信した旨の音声メッセージの出力速度、音程、及び大きさを変更する。具体的には、報知制御部2eからの情報を受け付けると、緊急画像データを受信した旨の音声メッセージの出力速度を徐々に上げ、音程を徐々に高くし、大きさを徐々に大きくする。従って、緊急画像データを受信した時点から、第2の所定の時間が経過するまでに、ユーザにより操作部9が操作されない場合は、緊急画像データを受信した旨の音声メッセージの出力速度が徐々に上がり、音程が徐々に高くなり、大きさが徐々に大きくなる。なお、ここでは、緊急画像データを受信した旨の音声メッセージの出力速度、音程、及び大きさを変更する場合について説明したが、出力速度、音程、及び大きさの内、少なくとも1を変更するようにしてもよい。例えば、緊急画像データを受信した旨の音声メッセージの大きさのみを変更するようにしてもよい。
【0071】
通知処理部2h(通知手段に相当する)は、第2判定処理部2gにより、緊急画像データを受信したことが外部から確認されていないと判定された場合に、その旨の情報である確認無情報を第1外部装置17、第2外部装置18、及び第3外部装置22の内、少なくとも1に対して通知する処理(以下、確認無情報を通知する処理を「通知処理」ともいう。)を行うものである。具体的には、第1判定処理部2bにより緊急画像データであると判定された画像データの送信元の装置である第1外部装置17に、確認無情報を画像データとしてファクシミリ送信することにより、通知処理を行う。例えば、「緊急画像データを受信したことが確認されていません。」というようなメッセージを含む画像データをRAM4から読み出し、読み出した画像データを第1外部装置17にファクシミリ送信する。
【0072】
また、通知処理部2hは、PSTN16(電話回線に相当する)を介して通信可能に接続されている第2外部装置18に対して発呼し、第2外部装置18との回線が接続された後、確認無情報を音声メッセージとして第2外部装置18に送出することにより、通知処理を行う。例えば、「緊急画像データを受信したことがユーザにより確認されていません。」というような音声メッセージをRAM4から読み出し、読み出した音声メッセージを第2外部装置18に送出する。なお、第2外部装置18が他の装置と回線を接続しており(いわゆる、話し中であり)、第2外部装置18との回線が接続されなかった場合、通知処理部2hは、予め設定されている第2外部装置18以外の複数の外部装置に順に発呼し、複数の外部装置の内、回線が接続された外部装置に確認無情報を音声メッセージとして送出する。
【0073】
また、通知処理部2hは、第3外部装置22に確認無情報を画像データとして送信することにより、通知処理を行う。例えば、「緊急画像データを受信したことが確認されていません。」というようなメッセージを含む画像データをRAM4から読み出し、読み出した画像データを添付した電子メールを生成し、生成した電子メールを第3外部装置22に送信する。
【0074】
なお、ここでは、外部装置に確認無情報を画像データとして送信、又は音声メッセージとして送出することにより、通知処理を行う場合について説明したが、例えば、確認無情報を所定の信号(コマンド)として外部装置に送信するようにしてもよい。この場合、外部装置において、所定の信号が受信されると、例えばランプが点灯されたり、警報音が出力されるようにすれば、確認無情報を外部装置の近辺にいるユーザに報知することができる。
【0075】
設定情報記憶部2iは、確認無情報を第1外部装置17に通知する第1の設定、確認無情報を第2外部装置18に通知する第2の設定、及び確認無情報を第3外部装置22に通知する第3の設定をそれぞれ有効とするか又は無効とするかの情報である有効無効情報を格納しているものである。ユーザは、それぞれの設定の有効又は無効を操作部9から入力することができ、受付部2fは、操作部9を介して入力された情報を設定情報記憶部2iに書き込む。通知処理部2hは、この設定情報記憶部2iに格納されている有効無効情報に基づいて、通知処理を行う。例えば、第1の設定、第2の設定、第3の設定が全て有効である場合、第1外部装置17、第2外部装置18、第3外部装置22に対して、確認無情報を通知する処理を行う。また、例えば、第1の設定、第2の設定が有効であり、第3の設定が無効である場合、第1外部装置17、第2外部装置18に対して、確認無情報を通知する処理を行う。
【0076】
以下、第1外部装置17から画像データを受信した場合に、通信装置1において行われる動作について、図4に示すフローチャートに基づいて説明する。受信部2aは、まず、画像データを受信したか否かを判断する(S1)。ここで、画像データを受信していないと判断した場合には(S1:NO)、待機状態となる。逆に、受信部2aにより、画像データを受信したと判断された場合(S1:YES)、第1判定処理部2bは、受信された画像データが緊急画像データであるか否かを判定する(S2)。第1判定処理部2bにより、受信された画像データが緊急画像データでないと判定された場合(S2:NO)、印刷部8は、受信された画像データを記録紙に印刷出力する(S3)。すなわち、印刷出力制御部2cは、受信された画像データを記録紙に印刷出力する旨を指示する情報を印刷部8に出力し、印刷部8は、印刷出力制御部2cからの情報を受け付け、受信された画像データを記録紙に印刷出力する。
【0077】
一方、第1判定処理部2bにより、受信された画像データが緊急画像データであると判定された場合(S3:YES)、計時部2dは、受信部2aにより緊急画像データが受信された時点からの経過時間を計測する(S4)。次に、印刷出力制御部2cは、印刷部8が画像データを記録紙に印刷出力しているか否かを判断する(S5)。印刷出力制御部2cにより、画像データを記録紙に印刷出力していると判断された場合(S5:YES)、印刷部8は、画像データの記録紙への印刷出力を中止し(S6)、緊急画像データであると判定された画像データを記録紙に印刷出力する(S7)。すなわち、印刷出力制御部2cは、印刷出力を中止して第1判定処理部2bにより緊急画像データであると判定された画像データを優先して記録紙に印刷出力する旨を指示する情報を印刷部8に出力し、印刷部8は、印刷出力制御部2cからの情報を受け付けて実行中の印刷出力を中止し、第1判定処理部2bにより緊急画像データであると判定された画像データを優先して記録紙に印刷出力する。印刷出力制御部2cにより、画像データを記録紙に印刷出力していないと判断された場合は(S5:NO)、ステップS6の動作が省略され、ステップ7の動作が行われる。
【0078】
次に、音声出力部11は、緊急画像データを受信した旨の情報を報知する(S8)。すなわち、報知制御部2eは、緊急画像データを受信した旨の音声メッセージを出力する旨を指示する情報を音声出力部11に出力し、音声出力部11は、報知制御部2eからの情報を受け付け、緊急画像データを受信した旨の音声メッセージをRAM4から読み出し、読み出した音声メッセージを出力する。次に、第2判定処理部2gは、緊急画像データを受信したことが外部から確認されたか否かを判定する(S9)。第2判定処理部2gにより、緊急画像データを受信したことが外部から確認されたと判定された場合(S9:YES)、動作が終了される。逆に、第2判定処理部2gにより、緊急画像データを受信したことが外部から確認されていないと判定された場合(S9:NO)、計時部2dは、計測している経過時間が第2の所定の時間を越えたか否かを判断する(S10)。計時部2dにより、経過時間が第2の所定の時間を越えていないと判断された場合(S10:NO)、ステップS8乃至S10の動作が繰り返し実行される。
【0079】
逆に、計時部2dにより、経過時間が第2の所定の時間を越えたと判断された場合(S10:YES)、音声出力部11は、緊急画像データを受信した旨の音声メッセージの出力速度、音程、及び大きさを変更する(S11)。すなわち、報知制御部2eは、緊急画像データを受信した旨の音声メッセージの出力速度、音程、及び大きさを変更する旨を指示する情報を音声出力部11に出力し、音声出力部11は、報知制御部2eからの情報を受け付け、緊急画像データを受信した旨の音声メッセージの出力速度、音程、及び大きさを変更する。
【0080】
次に、計時部2dは、計測している経過時間が第1の所定の時間を越えたか否かを判断する(S12)。計時部2dにより、経過時間が第1の所定の時間を越えていないと判断された場合(S12:NO)、ステップS8乃至S12の動作が繰り返し実行される。逆に、計時部2dにより、経過時間が第1の所定の時間を越えたと判断された場合(S12:YES)、通知処理部2hは、設定情報記憶部2iに格納されている有効無効情報に基づいて、第1外部装置17、第2外部装置18、及び第3外部装置22の内、少なくとも1に対して確認無情報を通知する処理を行う(S13)。
【0081】
このように、緊急画像データを受信したことが外部から(ユーザにより)確認されていない場合に、緊急画像データを受信したことが外部から確認されてない旨の情報である確認無情報が第1外部装置17、第2外部装置18、及び第3外部装置19の内、少なくとも1に対して通知されるため、ユーザにとっての利便性が向上する。
【0082】
例えば、緊急画像データであると判定された画像データの送信元の装置である第1外部装置17には、確認無情報が画像データとしてファクシミリ送信されるため、第1外部装置17を利用して画像データを送信したユーザは、画像データが印刷出力された記録紙を見ることにより、緊急画像データを受信したことが外部から(ユーザにより)確認されていないことを容易に認識することができる。
【0083】
また、例えば、第2外部装置18には、確認無情報が音声メッセージとして送出されるため、第2外部装置18の近辺にいるユーザは、音声メッセージを聞くことにより、緊急画像データを受信したことを容易に認識することができる。
【0084】
また、例えば、第3外部装置22には、確認無情報が電子メールに添付された画像データとして送信されるため、第3外部装置22の近辺にいるユーザは、画像データが印刷出力された記録紙を見ることにより、緊急画像データを受信したことを容易に認識することができる。
【0085】
また、受信された画像データが緊急画像データであり、且つ、緊急画像データでない画像データが記録紙に印刷出力されている場合は、その印刷出力が中止され、緊急画像データが優先して記録紙に印刷出力されるため、ユーザは、緊急を要するメッセージの内容を可及的速やかに確認することができる。
【0086】
また、緊急画像データが受信された時点からの経過時間が第2の所定の時間を越えた場合に、緊急画像データを受信した旨の音声メッセージの出力速度、音程、及び大きさが変更されるため、ユーザが、緊急画像データを受信したことをより認識しやすくなるという利点がある。
【0087】
また、受信された画像データが示す画像に、予め設定された所定の文字が含まれている場合、受信された画像データが緊急画像データであると判定されるため、簡単に且つ確実に、受信された画像データが緊急画像データであるか否かを判定することができる。
【0088】
なお、本実施形態においては、受付部2fにより外部からの操作入力が受け付けられたか否かに基づいて、緊急画像データを受信したことが外部から確認されたか否かを判定する場合について説明した。これに限らず、印刷部8により画像データが印刷出力された記録紙が排出される排紙トレイ(不図示)に、記録紙が排紙トレイに有る場合に所定の信号を発信するセンサ(例えば、反射型のフォトセンサ等:検出手段の一部に相当する、不図示)を設け、更に、センサが発信する所定の信号に基づいて、印刷部8により画像データが印刷出力された記録紙の有無を検出する記録紙検出部(検出手段の一部に相当する、不図示)を制御部2に機能的に設け、記録紙検出部により検出される記録紙の有無に基づいて、緊急画像データを受信したことが外部から確認されたか否かを判定するようにしてもよい。すなわち、計時部2dにより計測された経過時間が第3の所定の時間(例えば、10分)を越えた際に、記録紙検出部により記録紙が有ることが検出されている場合に、緊急画像データを受信したことが外部から確認されていないと判定するようにしてもよい。これにより、緊急画像データが受信された時点からの経過時間が第3の所定の時間を越えた時点で、記録紙が有る場合、すなわち、ユーザにより記録紙が排紙トレイから取り除かれていない場合、緊急画像データを受信したことが外部から確認されていないと判定されるため、緊急画像データを受信したことが外部から(ユーザにより)確認されたか否かをユーザにとっての利便性が良好な方法で、すなわち、ユーザによる操作入力を要さずに、判定することができる。また、音声を認識する音声認識部を制御部2に機能的に設け、認識した音声に基づいて、緊急画像データを受信したことが外部から確認されているか否かを判定するようにしてもよい。例えば、「確認しました。」という音声を認識した場合に、緊急画像データを受信したことが外部から確認されていると判定するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の実施形態に係る通信装置の一例を示したブロック図である。
【図2】制御部の機能構成の一例を示したブロック図である。
【図3】受信された画像データが示す画像の一例を示した図である。
【図4】第1外部装置から画像データを受信した場合に、通信装置において行われる動作の一例を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0090】
1 通信装置
2 制御部
2b 第1判定処理部(第1の判定手段)
2c 印刷出力制御部(印刷出力手段の一部)
2d 計時部(計時手段)
2e 報知制御部(報知手段の一部)
2f 受付部(受付手段)
2g 第2判定処理部(第2の判定手段)
2h 通知処理部(通知手段)
3 ROM
4 RAM
8 印刷部(印刷出力手段の一部)
9 操作部
11 音声出力部(報知手段の一部)
16 PSTN(電話回線)
17 第1外部装置
18 第2外部装置
22 第3外部装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを受信する通信装置であって、受信された画像データが緊急を要するメッセージを含む緊急画像データであるか否かを判定する第1の判定手段と、前記第1の判定手段により、前記受信された画像データが前記緊急画像データであると判定された場合に、前記緊急画像データを受信した旨の情報を報知する報知手段と、前記緊急画像データを受信したことが外部から確認されたか否かを判定する第2の判定手段と、前記第2の判定手段により、前記緊急画像データを受信したことが外部から確認されていないと判定された場合に、その旨の情報である確認無情報を通信可能に接続された外部装置に対して通知する処理を行う通知手段と、を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記通知手段は、前記確認無情報を画像データとして前記外部装置に送信することにより、前記通知する処理を行うことを特徴とする請求項1記載の通信装置。
【請求項3】
前記外部装置は、前記画像データの送信元の装置であることを特徴とする請求項2記載の通信装置。
【請求項4】
前記外部装置と電話回線を介して通信可能に接続されており、
前記通知手段は、前記外部装置に対して発呼し、前記外部装置との回線が接続された後、前記確認無情報を音声メッセージとして前記外部装置に送出することにより、前記通知する処理を行うことを特徴とする請求項1記載の通信装置。
【請求項5】
前記受信手段により受信された画像データを記録紙に印刷出力する印刷出力手段を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載の通信装置。
【請求項6】
前記印刷出力手段は、前記第1の判定手段により、前記受信された画像データが前記緊急画像データであると判定され、且つ、前記第1の判定手段により前記緊急画像データでないと判定された画像データを記録紙に印刷出力している場合は、印刷出力を中止し、前記第1の判定手段により前記緊急画像データであると判定された画像データを優先して記録紙に印刷出力することを特徴とする請求項5記載の通信装置。
【請求項7】
外部からの操作入力を受け付ける受付手段と、前記第1の判定手段により、前記受信された画像データが前記緊急画像データであると判定された場合に、前記受信手段により前記緊急画像データが受信された時点からの経過時間を計測する計時手段と、を備え、
前記第2の判定手段は、前記受付手段により前記操作入力が受け付けられたか否かに基づいて、前記緊急画像データを受信したことが外部から確認されたか否かを判定するものであり、前記経過時間が第1の所定の時間を越えるまでに、前記受付手段により前記操作入力が受け付けられなかった場合に、前記緊急画像データを受信したことが外部から確認されていないと判定することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1に記載の通信装置。
【請求項8】
前記報知手段は、前記緊急画像データを受信した旨の音声メッセージを出力することにより、前記緊急画像データを受信した旨の情報を報知するものであり、前記経過時間が前記第1の所定の時間よりも短い第2の所定の時間を越えた場合に、前記音声メッセージの出力速度、音程、及び大きさの内、少なくとも1を変更するを特徴とする請求項7記載の通信装置。
【請求項9】
前記印刷出力手段により画像データが印刷出力された記録紙の有無を検出する検出手段と、前記第1の判定手段により、前記受信された画像データが前記緊急画像データであると判定された場合に、前記受信手段により前記緊急画像データが受信された時点からの経過時間を計測する計時手段と、を備え、
前記第2の判定手段は、前記検出手段により検出される前記記録紙の有無に基づいて、前記緊急画像データを受信したことが外部から確認されたか否かを判定するものであり、前記経過時間が第3の所定の時間を越えた時点で、前記検出手段により前記記録紙が有ることが検出されている場合に、前記緊急画像データを受信したことが外部から確認されていないと判定することを特徴とする請求項5又は6記載の通信装置。
【請求項10】
前記第1の判定手段は、前記受信手段により受信された画像データが示す画像の内、予め設定された所定の領域に含まれている文字を識別し、識別した文字の中に予め設定された所定の文字が含まれている場合に、前記受信手段により受信された画像データが前記緊急画像データであると判定することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1に記載の通信装置。
【請求項11】
前記所定の文字は、所定の大きさ以上の文字であることを特徴とする請求項10記載の通信装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2007−104189(P2007−104189A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−290043(P2005−290043)
【出願日】平成17年10月3日(2005.10.3)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】