説明

連結されたアリールアミンポリマおよびそれから作製された電子デバイス

【課題】安定性がありかつ溶液処理可能でもあり、また周囲酸素によってその性能に悪影響を及ぼさない半導体材料を含む電子デバイスを提供する。
【解決手段】式(I)で示される連結されたアリールアミンポリマを含む半導体材料を含有する電子デバイスである。


(I)
(式中、Arはアリールまたはヘテロアリールであり、XはCH、イオウ、酸素、セレン、NR’またはSiR’’(R’およびR’’はそれぞれ適切な炭化水素である)を表し、mはX置換基の数を表し、nは反復単位の数を表す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(連邦政府から委託された研究または開発に関する記述)
この電子デバイスおよびその特定の成分は、米国標準技術局(NIST)により付与された米国政府共同契約番号70NANBOH3033によって補助されたものである。米国政府は、以下に示すデバイスおよび特定の半導体成分に関連する特定の権利を有する。
【0002】
本開示は、一般に連結されたアリールアミンポリマおよびその使用を対象とする。より具体的には、実施形態において、本開示は、薄膜トランジスタなどの有機電子デバイスにおいて溶液処理性のある実質的に安定したチャンネル半導体として選択される、連結されたアリールアミンポリマの部類を対象とする。アリールアミンポリマはポリマ骨格について高い共平面性を有しており、したがって、高い結晶化度特性を有し、その結晶化度すなわち分子秩序が、例えば、優れた電荷キャリア移動度を可能にすると考えられ、また、酸素に曝露された場合、これらのポリマは安定であるとも考えられている。したがって、本明細書で開示の連結されたアリールアミンポリマは、有機薄膜トランジスタ回路用のp−チャンネル半導体として選択することができる。
【背景技術】
【0003】
溶液処理が可能であり、そのデバイスが、プラスチック基板上に柔軟なTFTを加工するのに望ましい高い結晶化度、機械的耐久性および構造的柔軟性を有する優れた溶媒溶解性を有する実質的に安定な連結されたアリールアミンポリマで加工された薄膜トランジスタ、TFTなどの電子デバイスが望まれている。また、スマートカード、無線IC(RFID)タグおよびメモリ/ストレージ素子などの低価格マイクロエレクトロニクス用の集積回路論理素子のために連結されたアリールアミンポリマTFTを選択することによって、機械的耐久性を向上させ、したがってその耐用年数を向上させることもできる。
【0004】
それらが周囲酸素により酸化的にドーピングされ、導電性が増大する結果となるので、空気に曝露された場合、多くの半導体材料は安定でないと考えられている。これは、これらの材料から加工されたデバイスに、大きなオフ電流、したがって低い電流オン/オフ比をもたらす結果となる。したがって、これらの材料の多くについては、材料処理およびデバイス加工の際に、通常、環境酸素を排除するための厳密な予防措置を施して、酸化的ドーピングを回避するかまたはそれを最少化させる。これらの予防手段は製造コストを増大させ、したがって特に大面積デバイスのためのアモルファスシリコン技術に対するある種の半導体TFTの経済的代替策としての魅力を相殺することになる。また、空気中で安定なある種の既知のアリールアミン担持分子(aryl amine transport molecules)は、結晶化度が低いかまたは結晶性が劣っており、そうした成分が有機薄膜トランジスタとして選択された場合、低い電界効果移動度をもたらす結果となる。本開示の実施形態では、上記および他の欠点を回避または最少化する。
【0005】
薄膜トランジスタ(TFT)用の半導体層として選択された場合、位置選択性ポリチオフェン類は、空気に対して敏感であり、酸素に曝露される、すなわち例えば空気中における光誘発の酸化的ドーピングに曝露されると不安定である。本開示の薄膜トランジスタでは、この欠点が回避または最少化される。
【0006】
ペンタセン類およびヘテロアセン類どのアセン類は、TFTにおけるチャンネル半導体として用いられる場合、満足できる高い電界効果移動度を有することが知られている。しかし、この材料は、例えば、光線のもとでの大気酸素によって急速に酸化され、そうした成分は周囲条件下で処理可能であるとは考えられていない。さらに、TFT用に選択した場合、アセン類は、薄膜形成特性が劣っており、実質的に不溶性であり、これらは本質的に溶液処理が不可能である。したがってそうした成分は、ほとんど真空蒸着法によって処理されており、その結果製造コストが高くなる。本明細書で示す連結されたアリールアミンポリマを用いて作製したTFTでは、それは排除されるかまたは最少化される。
【0007】
電界効果TFTで使用するための多くの有機半導体材料が記載されている。そうした材料には、ペンタセンなどの有機小分子(例えば、D.J.グントラッハ(Gundlach)ら、「Pentacene organic thin film transistors−molecular ordering and mobility」、IEEE Electron Device Lett.、Vol.18、87頁(1997年)を参照)、セクシチオフェン類またはその変形体などのオリゴマ(例えば文献、F.ガルニエール(Garnier)ら、「Molecular engineering of organic semiconductors:Design of self−assembly properties in conjugated thiophene oligomers」、J.Amer.Chem.Soc.、Vol.115、8716頁(1993年)を参照)、およびポリ(3−アルキルチオフェン)(例えば文献、Z.バオら、「Soluble and processable regioregular poly(3−hexylthiophene) for field effect thin film transistor application with high mobility」、Appl.Phys.Lett.Vol.69、4108頁(1996年)を参照)が含まれる。有機材料をベースとしたTFTは一般に、シリコン結晶またはポリシリコン結晶TFTなどの従来のそのシリコン系対応物より低い性能特性をもたらすが、それでもこれらは、高い移動度が必要とされない分野の用途では十分に有用である。
【0008】
【非特許文献1】D.J.グントラッハ(Gundlach)ら、「Pentacene organic thin film transistors−molecular ordering and mobility」、IEEE Electron Device Lett.、Vol.18、87頁(1997年)
【非特許文献2】F.ガルニエール(Garnier)ら、「Molecular engineering of organic semiconductors:Design of self−assembly properties in conjugated thiophene oligomers」、J.Amer.Chem.Soc.、Vol.115、8716頁(1993年)
【非特許文献3】Z.バオら、「Soluble and processable regioregular poly(3−hexylthiophene) for field effect thin film transistor application with high mobility」、Appl.Phys.Lett.Vol.69、4108頁(1996年)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
多くの既知の小分子またはオリゴマをベースとしたTFTデバイスは、加工のために困難な真空蒸着技術をあてにしている。真空蒸着は主に、これらの材料が不溶性であるか、あるいは、スピンコーティング、溶媒キャスト法またはスタンププリンティングによるその溶液プロセスが一般に均一な薄膜をもたらさないという理由で選択される。
【0010】
さらに、真空蒸着は、大面積様式のための安定した薄膜品質を実現するのにも困難を伴う場合がある。溶液プロセスにより、例えば位置選択性ポリ(アルキルチオフェン−2,5−ジイル)の位置選択性成分から加工されたものなどのポリマTFTは、いくらかの移動度はもたらすが、空気中で酸化的ドーピングを受けるという問題点がある。周囲条件でこれらの材料から加工されたTFTは一般に、非常に大きなオフ電流、非常に低い電流オン/オフ比を示し、その性能特性は急速に低下すると考えられている。したがって、優れた特性を有する低コストのTFT設計のためには、安定性がありかつ溶液処理可能でもあり、また周囲酸素によってその性能に悪影響を及ぼされない半導体材料、例えば本明細書で示すアリールアミンポリマで作製されたTFTを有することは非常に価値があることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、式(I)で示される連結されたアリールアミンポリマを含む半導体材料を含有する電子デバイスである。
【化1】


(I)
(式中、Arはアリールまたはヘテロアリールであり、XはCH、イオウ、酸素、セレン、NR’またはSiR’’(R’およびR’’はそれぞれ適切な炭化水素である)を表し、mはX置換基の数を表し、nは反復単位の数を表す。)
【0012】
また、前記電子デバイスにおいて、前記アリールが、1〜約36個の炭素原子を有する炭化水素、1〜約36個の炭素原子を有する基を含むヘテロ原子またはハロゲンから選択される少なくとも1つで任意選択で置換されたフェニル、ビフェニル、ナフチル、アントリルであることが好ましい。
【0013】
また、前記電子デバイスにおいて、前記アリールが、少なくとも1つの置換基で任意選択で置換されたフェニル、ビフェニル、ナフチル、アントリルであり、前記炭化水素がメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシルまたはオクタデシルのアルキルであることが好ましい。
【0014】
また、前記電子デバイスにおいて、前記アリールが少なくとも1つの炭化水素基で任意選択で置換されたフェニル、ビフェニル、ナフチル、アントリルであり、前記炭化水素がフェニル、メチルフェニル(トリル)、エチルフェニル、プロピルフェニル、ブチルフェニル、ペンチルフェニル、ヘキシルフェニル、ヘプチルフェニル、オクチルフェニル、ノニルフェニル、デシルフェニル、ウンデシルフェニル、ドデシルフェニル、トリデシルフェニル、テトラデシルフェニル、ペンタデシルフェニル、ヘプタデシルフェニルまたはオクタデシルフェニルのアリールであることが好ましい。
【0015】
また、前記電子デバイスにおいて、前記アリールが、置換基を有する少なくとも1つのヘテロ原子で置換されたフェニル、ビフェニル、ナフチル、アントリルであり、前記置換基を有するヘテロ原子が、ニトロ、シアノ、1〜約18個の炭素原子を有するアルコキシ、約3〜約36個の炭素原子を有するトリアルキルシリル、及び約18〜約36個の炭素原子を有するトリアリールシリルであることが好ましい。
【0016】
また、前記電子デバイスにおいて、前記アリールが、1、2またはそれ以上のハロゲンで置換されたフェニル、ビフェニル、ナフチル、アントリルであり、前記ハロゲンがフッ素、塩素、臭素、またはヨウ素であることが好ましい。
【0017】
また、前記電子デバイスにおいて、前記ヘテロアリールが、1〜約36個の炭素原子を有する炭化水素、1〜約36個の炭素原子を有する基を含むヘテロ原子またはハロゲンから選択される少なくとも1つで任意選択で置換されたチエニル、フラニル、ピリジニル、オキサゾイル、ピロイル、トリアジニル、イミダゾイル、ピリミジニル、ピラジニル、オキサジアゾイル、ピラゾイル、トリアゾイル、チアゾイル、チアジアゾイル、キノリニル、キナゾリニル、ナフチリジニル、カルバゾイルであることが好ましい。
【0018】
また、前記電子デバイスにおいて、前記ヘテロアリールが、少なくとも1つ、2つまたはそれ以上の炭化水素基で任意選択で置換されたチエニル、フラニル、ピリジニル、オキサゾイル、ピロイル、トリアジニル、イミダゾイル、ピリミジニル、ピラジニル、オキサジアゾイル、ピラゾイル、トリアゾイル、チアゾイル、チアジアゾイル、キノリニル、キナゾリニル、ナフチリジニル、カルバゾイルであり、前記炭化水素がメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘプタデシルまたはオクタデシルのアルキルであることが好ましい。
【0019】
また、前記電子デバイスにおいて、前記ヘテロアリールが、少なくとも1つの炭化水素基で任意選択で置換されたチエニル、フラニル、ピリジニル、オキサゾイル、ピロイル、トリアジニル、イミダゾイル、ピリミジニル、ピラジニル、オキサジアゾイル、ピラゾイル、トリアゾイル、チアゾイル、チアジアゾイル、キノリニル、キナゾリニル、ナフチリジニル、カルバゾイルであり、前記炭化水素がフェニル、メチルフェニル(トリル)、エチルフェニル、プロピルフェニル、ブチルフェニル、ペンチルフェニル、ヘキシルフェニル、ヘプチルフェニル、オクチルフェニル、ノニルフェニル、デシルフェニル、ウンデシルフェニル、ドデシルフェニル、トリデシルフェニル、テトラデシルフェニル、ペンタデシルフェニル、ヘキサデシルフェニル、ヘプタデシルフェニルまたはオクタデシルフェニルのアリールであることが好ましい。
【0020】
また、前記電子デバイスにおいて、前記ヘテロアリールが、置換基を有する少なくとも1つのヘテロ原子で置換されたチエニル、フラニル、ピリジニル、オキサゾイル、ピロイル、トリアジニル、イミダゾイル、ピリミジニル、ピラジニル、オキサジアゾイル、ピラゾイル、トリアゾイル、チアゾイル、チアジアゾイル、キノリニル、キナゾリニル、ナフチリジニル、カルバゾイルであり、前記置換基を有するヘテロ原子が、ニトロ、シアノ、1〜約18個の炭素原子を有するアルコキシ、約3〜約36個の炭素原子を有するトリアルキルシリル、及び約18〜約36個の炭素原子を有するトリアリールシリルであることが好ましい。
【0021】
また、前記電子デバイスにおいて、前記ヘテロアリールが、少なくとも1つのハロゲンで置換されたチエニル、フラニル、ピリジニル、オキサゾイル、ピロイル、トリアジニル、イミダゾイル、ピリミジニル、ピラジニル、オキサジアゾイル、ピラゾイル、トリアゾイル、チアゾイル、チアジアゾイル、キノリニル、キナゾリニル、ナフチリジニル、カルバゾイルであり、前記ハロゲンがフッ素、塩素、臭素、またはヨウ素であることが好ましい。
【0022】
また、前記電子デバイスにおいて、nが約2〜約5,000であることが好ましい。
【0023】
また、前記電子デバイスにおいて、Xがイオウ、酸素、セレンおよびNR’(R’およびR’’はアルキルである)の少なくとも1つであることが好ましい。
【0024】
また、前記電子デバイスにおいて、R’がアリールであることが好ましい。
【0025】
また、前記電子デバイスにおいて、XがSiR’’であり、R’’がアルキルであることが好ましい。
【0026】
また、前記電子デバイスにおいて、R’’がアリールであることが好ましい。
【0027】
また、前記電子デバイスにおいて、XがCHであることが好ましい。
【0028】
また、前記電子デバイスにおいて、mが1〜約3であることが好ましい。
【0029】
また、前記電子デバイスにおいて、mが1であることが好ましい。
【0030】
また、本発明は、基板と、ゲート電極と、ゲート誘電体層と、ソース電極と、ドレイン電極と、前記ソース及び/又はドレイン電極およびゲート誘電体層と接触している式(I)で示される連結されたアリールアミンポリマを含む半導体層とを含む薄膜トランジスタである。
【化2】


(I)
(式中、Arはアリールまたはヘテロアリールであり、XはCH、イオウ、酸素、セレン、NR’またはSiR’’(R’およびR’’はそれぞれ適切な炭化水素である)を表し、mはX置換基の数を表し、nは反復単位の数を表す。)
【0031】
また、前記薄膜トランジスタにおいて、前記連結されたアリールアミンポリマが以下の式で表されることが好ましい。
【0032】
【化3】


(1)
【0033】
【化4】


(2)
【0034】
【化5】


(3)
【0035】
【化6】


(4)
【0036】
【化7】


(5)
【0037】
【化8】


(6)
【0038】
【化9】


(7)
【0039】
【化10】


(8)
【0040】
【化11】


(9)
【0041】
【化12】


(10)
【0042】
【化13】


(11)
【0043】
【化14】


(12)
【0044】
【化15】


(13)
【0045】
【化16】


(14)
【0046】
【化17】


(15)
【0047】
【化18】


(16)
【0048】
【化19】


(17)
【0049】
【化20】


(18)
【0050】
【化21】


(19)
(式中、RおよびR’はメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシルまたはオクタデシルのアルキルであり、nはポリマ中の約2〜約5,000の反復単位の数である。)
【0051】
また、前記薄膜トランジスタにおいて、Rがメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシルまたはオクタデシルのアルキルであり、nはポリマ中の約10〜約100であることが好ましい。
【0052】
また、前記薄膜トランジスタにおいて、Rが水素、アルキル、アリール、置換アルキル、または置換アリールであることが好ましい。
【0053】
また、前記電子デバイスにおいて、前記アリールアミンポリマが、ポリ(10−(4−オクチルフェニル)フェノチアジン)およびポリ(10−(4−デシルオキシフェニル)フェノチアジン)の少なくとも1つであることが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0054】
本開示の様々な代表的実施形態を図1から図4に示す。ここで、ポリ(10−(4−オクチルフェニル)フェノチアジン)またはポリ(10(4−デシルオキシフェニル)フェノチアジン)などの連結されたアリールアミンポリマが薄膜トランジスタ(TFT)構造体におけるチャンネルまたは半導体材料として選択されている。
【0055】
本開示の特徴は、TFTデバイスなどのマイクロエレクトロニクスデバイスの用途に有用な半導体である連結されたアリールアミンポリマを提供することである。
【0056】
本開示の他の特徴は、その薄膜の吸収スペクトルで測定して約2eV〜約4eV(電子ボルト)、より具体的には約1.5〜約3.5eVの適切なバンドギャップを有し、TFT半導体チャンネル層材料として用いるのに適した連結されたアリールアミンポリマを提供することである。
【0057】
本開示の他の特徴では、マイクロエレクトロニクス成分として選択することができる連結されたアリールアミンポリマであって、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼン等の一般的な有機溶媒に優れた溶解性を有し、したがって、これらの成分が、スピンコーティング、スクリーンプリンティング、スタンププリンティング、ディップコーティング、溶媒キャスト法、ジェットプリンティング等の溶液プロセスによって経済的に加工することができる連結されたアリールアミンポリマを提供する。
【0058】
また、本開示のさらに他の特徴では、新規な連結されたアリールアミンポリマおよびそのデバイスであって、そのデバイスが酸素の悪影響に対して高い抵抗性を示し、そのアリールアミンがS、O、C、Si等と結合した2つのN−アリール環などの複数のN−アリール環を有し、これらのデバイスが、比較的高い電流オン/オフ比を示し、その性能が、位置選択性ポリ(3−アルキルチオフェン−3,5−ジイル)またはアセン類で加工された類似のデバイスほど急速には実質的に低下しないデバイスを提供する。
【0059】
より具体的には、本開示は式(I)
【化22】


(I)
で示されるかまたは包含される連結されたアリールアミンポリマに関する。より具体的には、mはX成分の数を表し、1〜約5の数であってよく、nは重合度を表し、約2〜約5,000、約100〜約500、または約10〜約20、約10〜約200または約20〜約100などの約2以上の数であってよく、Xはヘテロ原子、ヘテロ原子含有基、適切な炭化水素、NR’またはSiR’’(R’およびR’’は炭化水素などの適切な成分を表す)などの適切な成分を表す。
【0060】
実施形態では、連結されたアリールアミンポリマの例は、上記式(1)〜(19)で表される。
(式中、RおよびR’はアルキルまたはアリールなどの適切な炭化水素であり、nは約2〜約5,000の数を表す。)
【0061】
実施形態では、例えば以下の反応スキーム(スキーム1)による連結されたアリールアミンポリマの調製方法を開示する。より具体的には、ポリ(10−(4−オクチルフェニル)フェノチアジン)(1a)およびポリ(10−(4−デシルオキシフェニル)フェノチアジン)(1b)などのポリ(10−(4−置換フェニル)フェノチアジン)(1)を調製するために、モノマ反応物としてフェノチアジン(Xはイオウ原子であり、mは1に等しい)を選択する。より具体的には、1,2−ジクロロベンゼンの還流下で、触媒量の18−クラウン−6エーテル(18−C−6)の存在下、銅を用いて、フェノチアジン(Aldrich Chemicalsから入手可能)を1−ヨード−4−オクチルベンゼンおよび1−デシルオキシ−4−ヨードベンゼンとそれぞれ反応させて、10−(4−オクチルフェニル)フェノチアジンおよび10−(4−デシルオキシフェニル)フェノチアジンを調製することができる。続いて、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中、室温(20℃〜25℃)で、10−(4−オクチルフェニル)フェノチアジンと10−(4−デシルオキシフェニル)フェノチアジンをそれぞれ、2モル当量のN−ブロモスクシンイミド(NBS)で臭素化して、3,7−ジブロモ−10−(4−オクチルフェニル)フェノチアジンと3,7−ジブロモ−10−(4−デシルオキシフェニル)フェノチアジンを調製する。N,N−ジメチルアセトアミド中、80℃などの高温で、塩化ニッケル(II)(NiCl)、トリフェニルホスフィン(PPh)および2,2’−ジピリジルの存在下、亜鉛を用いて、3,7−ジブロモ−10−(4−オクチルフェニル)フェノチアジンまたは3,7−ジブロモ−10−(4−デシルオキシフェニル)フェノチアジンを重合して、ポリ(10−(4−オクチルフェニル)フェノチアジン)(1a)またはポリ(10−(4−デシルオキシフェニル)フェノチアジン)(1b)をそれぞれ生成する。
【0062】
スキーム1−連結されたアリールアミンポリマの合成
【化23】

【0063】
アリールの例には、約6〜約50個、約6〜約36個または約6〜約18個の炭素原子を含む成分が含まれる。アリールの例はフェニル、ナフチル、アントリル等であり、具体的に述べなかったものも含めてそのアリールは、アルキルなどの炭化水素、ヘテロ含有基、ハロゲン等の多くの適切な周知の基で置換されていてよい。
【0064】
具体的なヘテロ原子含有基は周知であり、例えば、ポリエーテル類、トリアルキルシリル類、ヘテロアリール類等、より具体的には、チエニル、フリルおよびピリジアリールを含む。ヘテロ成分は、イオウ、酸素、窒素、ケイ素、セレン等の複数の周知の原子から選択することができる。ヘテロ原子またはヘテロアリールを含むヘテロ原子含有成分の例には、CN、チアゾリル、チエニル、フリル、ピリジル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリブチルシリル、トリペンチルシリル、トリヘキシルシリル、トリフェニルシリル、トリトリルシリル、トリ(エチルフェニル)シリル、トリ(プロピルフェニル)シリル、トリ(ブチルフェニル)シリル、トリ(ペンチルフェニル)シリル、トリ(ヘキシルフェニル)シリル、トリ(ヘプチルフェニル)シリル、トリ(オクチルフェニル)シリル、トリ(ノニルフェニル)シリル、トリ(デシルフェニル)シリル、トリ(ドデシルフェニル)シリル、その異性体および混合物が含まれる。
【0065】
1〜約50個、1〜約36個、アリールについて6〜約48個の炭素原子を含むことができる炭化水素の例には、例えば置換アルキルおよび置換アリールなどの置換炭化水素を含む本明細書で示すアルキル、アリール等が含まれる。
【0066】
RおよびR’の例には、水素、例えば、約1〜約12個、約1〜約18個(範囲内の数、例えば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17および18はすべて含まれる)の炭素原子を含む約1〜約30個の炭素原子を有するアルキル、例えばブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシルまたはエイコサニル等;約6〜約48個の炭素原子、約6〜約36個の炭素原子、約6〜約24個の炭素原子を有するアリール、例えばチエニル、フェニル、メチルフェニル(トリル)、エチルフェニル、プロピルフェニル、ブチルフェニル、ペンチルフェニル、ヘキシルフェニル、ヘプチルフェニル、オクチルフェニル、ノニルフェニル、デシルフェニル、ウンデシルフェニル、ドデシルフェニル、トリデシルフェニル、テトラデシルフェニル、ペンタデシルフェニル、ヘキサデシルフェニル、ヘプタデシルフェニルまたはオクタデシルフェニル等ならびに置換アルキルおよび置換アリールが含まれる。
【0067】
本開示の態様は、連結されたアリールアミンポリマを含む電子デバイス;
【0068】
基板と、ゲート電極と、ゲート誘電体層と、ソース電極と、ドレイン電極と、ソース/ドレイン電極およびゲート誘電体層と接触している、本明細書で示す連結されたアリールアミンポリマを含む半導体層とを含む薄膜トランジスタであるデバイス;
【0069】
式(I)の連結されたアリールアミンポリマを含む半導体材料を含む電子デバイス(式中、Arはアリールまたはヘテロアリールであり、XはCH、イオウ、酸素、セレン、NR’またはSiR’’(R’およびR’’はそれぞれ適切な炭化水素である)を表し、mはX置換基の数を表し、nは反復単位の数を表す);
【0070】
前記ヘテロアリールが、1〜約36個の炭素原子を有する炭化水素、1〜約36個の炭素原子を有するヘテロ含有基またはハロゲンの少なくとも1つの基で任意選択で置換されている、チエニル、フラニル、ピリジニル、オキサゾイル、ピロイル、トリアジニル、イミダゾイル、ピリミジニル、ピラジニル、オキサジアゾイル、ピラゾイル、トリアゾイル、チアゾイル、チアジアゾイル、キノリニル、キナゾリニル、ナフチリジニル、カルバゾイルであるデバイス;
【0071】
前記ヘテロアリールが、少なくとも1つの炭化水素基で任意選択で置換されており、かつその炭化水素がフェニル、メチルフェニル(トリル)、エチルフェニル、プロピルフェニル、ブチルフェニル、ペンチルフェニル、ヘキシルフェニル、ヘプチルフェニル、オクチルフェニル、ノニルフェニル、デシルフェニル、ウンデシルフェニル、ドデシルフェニル、トリデシルフェニル、テトラデシルフェニル、ペンタデシルフェニル、ヘプタデシルフェニルまたはオクタデシルフェニルのアリールであるチエニル、フラニル、ピリジニル、オキサゾイル、ピロイル、トリアジニル、イミダゾイル、ピリミジニル、ピラジニル、オキサジアゾイル、ピラゾイル、トリアゾイル、チアゾイル、チアジアゾイル、キノリニル、キナゾリニル、ナフチリジニル、カルバゾイルであるデバイス;
【0072】
基板と、ゲート電極と、ゲート誘電体層と、ソース電極と、ドレイン電極と、ソース/ドレイン電極およびゲート誘電体層と接触している式(I)の連結されたアリールアミンポリマを含む半導体層とを含む薄膜トランジスタ(式中、Arは適切な炭化水素であり、XはCH、イオウ、酸素、セレン、NR’、またはSiR’’(R’およびR’’はそれぞれ適切な炭化水素である)を表し、mはX置換基の数を表し、nは反復単位の数を表す。);
【0073】
連結されたアリールアミンポリマを含む半導体材料を含有する電子デバイスであって、前記デバイスが薄膜トランジスタであり、前記連結されたアリールアミンポリマが上記式(1)〜(19)からなる群から選択されるデバイス(式中、Rはメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシルまたはオクタデシルのアルキルまたはアリールであり、nはポリマ中の約2〜約5,000の反復単位の数である。);
【0074】
上記式(I)のポリマ;
【0075】
上記式(1)〜(12)の連結したアリールポリマの層を含む薄膜トランジスタなどの電子デバイス(式中、Rはアルキルアリール等であり、R’およびR’’はアルキルまたはアリール等であり、nは反復ポリマ単位の数を表す。);
【0076】
基板がポリエステル、ポリカーボネートまたはポリイミドのプラスチックシートであり、ゲート、ソースおよびドレイン電極がそれぞれ独立に、銀、金、ニッケル、アルミニウム、クロム、白金、インジウムチタン酸化物または導電性ポリマを含み、ゲート誘電体が窒化ケイ素または酸化ケイ素を含む誘電体層であるTFTデバイス;
【0077】
基板がガラスまたはプラスチックのシートであり、前記ゲート、ソースおよびドレイン電極がそれぞれ金を含み、ゲート誘電体層が有機ポリマであるポリ(メタクリレート)またはポリ(ビニルフェノール)を含むTFTデバイス;
【0078】
ポリ(3−アルキニルチオフェン)層が、スピンコーティング、スタンププリンティング、スクリーンプリンティングまたはジェットプリンティングの溶液プロセスによって形成されるデバイス;
【0079】
ゲート、ソースおよびドレイン電極、ゲート誘電体ならびに半導体層が、スピンコーティング、溶媒キャスト法、スタンププリンティング、スクリーンプリンティングまたはジェットプリンティングの溶液プロセスによって形成されるデバイス;
【0080】
ならびに、基板がポリエステル、ポリカーボネートまたはポリイミドのプラスチックシートであり、ゲート、ソースおよびドレイン電極が、有機導電性ポリマであるポリスチレンスルホネート−ドーピングされたポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)か、またはポリマバインダ中のコロイダルシルバーディスパージョンを含む導電性インク/ペースト化合物から加工され、ゲート誘電体層が有機ポリマまたは無機酸化物粒子−ポリマ複合材であるTFTデバイスに関し、1つまたは複数のデバイスはTFTなどの電子デバイスを含む。
【0081】
図1は、基板16、それと接触している金属接点18(ゲート電極)および絶縁用誘電体層14の層を含むTFT構造体10であって、そのゲート電極の一部またはゲート全体が誘電体層14と接触しており、その層14の頂部に2つの金属接点20および22(ソースおよびドレイン電極)が固着されているTFT構造体の概略を示す図である。金属接点20および22の上およびその間に、ポリ(10−(4−オクチルフェニル)フェノチアジン)(1a)またはポリ(10−(4−デシルオキシフェニル)フェノチアジン)(1b)の連結されたアリールアミンポリマ層12が存在する。ゲート電極は、基板や誘電体層等の中に完全に含めることができる。
【0082】
図2は、基板36と、ゲート電極38と、ソース電極40と、ドレイン電極42と、絶縁用誘電体層34と、連結されたアリールアミンポリマ半導体層32とを含む他のTFT構造体30の概略を示す図である。
【0083】
図3は、ゲート電極として動作できる高度にn−ドーピングされたシリコンウエハ56と、熱的に成長した酸化ケイ素誘電体層54と、連結されたアリールアミンポリマ半導体層52と、その頂部に固着されたソース電極60と、ドレイン電極62と、ゲート電極接点64とを含む他のTFT構造体50の概略を示す図である。
【0084】
図4は、基板76と、ゲート電極78と、ソース電極80と、ドレイン電極82と、連結されたアリールアミンポリマ半導体層72と、絶縁用誘電体層74とを含むTFT構造体70の概略を示す図である。
【0085】
本開示のいくつかの実施形態では、任意選択の保護層を、図1、図2、図3および図4のトランジスタ構造体のそれぞれの頂部に組み込むことができる。図4のTFT構造体では、絶縁用誘電体層74は保護層として機能することもできる。
【0086】
実施形態において、さらに本開示および図を参照して、基板層は一般に、目的の用途に応じて適切な様々な形態のシリコン、ガラス板、プラスチックフィルムまたはシート等を含むシリコン材料であってよい。構造的に柔軟なデバイスのためには、例えばポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミドシート等のプラスチック基板を選択することができる。基板の厚さは、例えば約10ミクロン〜10mm超であってよく、特に柔軟なプラスチック基板のためには具体的な厚さは約50〜約100ミクロンであり、ガラスまたはシリコンなどの剛性の基板のためには約1〜約10mmであってよい。
【0087】
ソースおよびドレイン電極からゲート電極を隔てさせることができ、かつ半導体層と接触している絶縁用誘電体層は、一般に、無機材料フィルム、有機ポリマフィルムまたは有機−無機複合膜であってよい。誘電体層の厚さは、例えば約10ナノメータ〜約1ミクロンであり、より具体的な厚さは約100ナノメータ〜約500ナノメータである。誘電体層に適した無機材料の例には、酸化ケイ素等の無機酸化物、窒化ケイ素等の無機窒化物、酸化アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸バリウム等が含まれ、誘電体層用の有機ポリマの例には、ポリエステル類、ポリカーボネート類、ポリ(ビニルフェノール)、ポリイミド類、ポリスチレン、ポリ(メタクリレート)類、ポリ(アクリレート)類、エポキシ樹脂等が含まれ、無機−有機複合材料の例には、ポリエステル、ポリイミド、エポキシ樹脂等のポリマ中に分散されたナノサイズの金属酸化物粒子が含まれる。絶縁用誘電体層は一般に、使用する誘電体の誘電定数に応じて約50ナノメータ〜約500ナノメータの厚さのものである。より具体的には、誘電体は、例えば少なくとも約3の誘電定数を有し、したがって適切な約300ナノメータの誘電体厚さは、例えば約10−9〜約10−7F/cmの望ましい電気容量を提供することができる。
【0088】
例えば、誘電体層と、ソース/ドレイン電極との間にあり、かつそれらに接触して位置して、本明細書で示す連結されたアリールアミンポリマを含むアクティブ半導体層が配置されており、この層の厚さは通常、例えば約10ナノメータ〜約1μmまたは約40〜約100ナノメータである。この層は一般に、溶液プロセスによって加工することができる。
【0089】
ゲート電極は、薄い金属フィルム、導電性ポリマフィルム、導電性インクまたはペーストで作製された導電性フィルムまたは基板自体(例えば高度にドーピングされたシリコン)であってよい。ゲート電極材料の例には、これらに限定されないが、アルミニウム、金、クロム、インジウムスズ酸化物、ポリスチレンスルホネート−ドーピングされたポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PSS/PEDOT)などの導電性ポリマ、Acheson Colloids Companyから入手可能なElectrodagなどの、ポリマバインダ中に含まれたカーボンブラック/グラファイトまたはコロイダルシルバーディスパージョンを含む導電性インク/ペースト、ならびにNoelle Industries等から入手可能な銀を充てんした導電性熱可塑性インクが含まれる。ゲート層は、金属または導電性金属酸化物の蒸着、スパッタリング、導電性ポリマ溶液または導電性インクからのコーティング、あるいはスピンコーティング、キャスティングまたはプリンティングによる分散によって作製することができる。ゲート電極層の厚さは、例えば約10ナノメータ〜約10ミクロンであり、具体的な厚さは、金属フィルムについては例えば約10〜約200ナノメータであり、ポリマ導体については約1〜約10ミクロンである。
【0090】
ソース電極層およびドレイン電極層は、半導体層に抵抗性の低いオーム接触を提供する材料から加工することができる。ソース電極およびドレイン電極としての使用に適した一般的な材料には、金、ニッケル、アルミニウム、白金、導電性ポリマおよび導電性インクなどのゲート電極材料からなるものが含まれる。この層の一般的な厚さは約、例えば約40ナノメータ〜約1ミクロンであり、より具体的な厚さは約100〜約400ナノメータである。TFTデバイスは幅Wと長さLを有する半導体チャンネルを含む。半導体チャンネル幅は、例えば約10ミクロン〜約5mmであってよく、より具体的なチャンネル幅は約100ミクロン〜約1mmであってよい。半導体チャンネル長さは、例えば約1ミクロン〜約1mmであってよく、より具体的なチャンネル長さは約5ミクロン〜約100ミクロンであってよい。
【0091】
一般に約+10ボルト〜約−80ボルトの電圧をゲート電極に印加する場合、ソース電極は接地され、一般に、例えば約0ボルト〜約−80ボルトのバイアス電圧をドレイン電極に印加して半導体チャンネル間に担持された電荷担体を集める。
【0092】
本明細書で説明しなかった他の既知の材料も、本開示のTFTデバイスの様々な成分のために、実施形態において選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の実施形態に係るTFT構造体の概略を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る他のTFT構造体の概略を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る他のTFT構造体の概略を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る他のTFT構造体の概略を示す図である。
【符号の説明】
【0094】
10,30,50,70 TFT構造体、12,32,52,72 連結されたアリールアミンポリマ層、14,34,74 絶縁用誘電体層、16,36,76 基板、18,38,78 ゲート電極、20,22 金属接点、40,60,80 ソース電極、42,62,82 ドレイン電極、54 誘電体層、56 シリコンウエハ、64 ゲート電極接点。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で示される連結されたアリールアミンポリマを含む半導体材料を含有することを特徴とする電子デバイス。
【化1】


(I)
(式中、Arはアリールまたはヘテロアリールであり、XはCH、イオウ、酸素、セレン、NR’またはSiR’’(R’およびR’’はそれぞれ炭化水素である)を表し、mはX置換基の数を表し、nは反復単位の数を表す。)
【請求項2】
請求項1に記載の電子デバイスであって、
前記アリールが少なくとも1つの炭化水素基で任意選択で置換されたフェニル、ビフェニル、ナフチル、アントリルであり、前記炭化水素がフェニル、メチルフェニル(トリル)、エチルフェニル、プロピルフェニル、ブチルフェニル、ペンチルフェニル、ヘキシルフェニル、ヘプチルフェニル、オクチルフェニル、ノニルフェニル、デシルフェニル、ウンデシルフェニル、ドデシルフェニル、トリデシルフェニル、テトラデシルフェニル、ペンタデシルフェニル、ヘプタデシルフェニルまたはオクタデシルフェニルのアリールであることを特徴とする電子デバイス。
【請求項3】
請求項1に記載の電子デバイスであって、
前記ヘテロアリールが、少なくとも1つ、2つまたはそれ以上の炭化水素基で任意選択で置換されたチエニル、フラニル、ピリジニル、オキサゾイル、ピロイル、トリアジニル、イミダゾイル、ピリミジニル、ピラジニル、オキサジアゾイル、ピラゾイル、トリアゾイル、チアゾイル、チアジアゾイル、キノリニル、キナゾリニル、ナフチリジニル、カルバゾイルであり、前記炭化水素がメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘプタデシルまたはオクタデシルのアルキルであることを特徴とする電子デバイス。
【請求項4】
請求項1に記載の電子デバイスであって、
nが約2〜約5,000であることを特徴とする電子デバイス。
【請求項5】
請求項1に記載の電子デバイスであって、
Xがイオウ、酸素、セレンおよびNR’(R’およびR’’はアルキルである)の少なくとも1つであることを特徴とする電子デバイス。
【請求項6】
請求項1に記載の電子デバイスであって、
mが1〜約3であることを特徴とする電子デバイス。
【請求項7】
基板と、ゲート電極と、ゲート誘電体層と、ソース電極と、ドレイン電極と、前記ソース及び/又はドレイン電極およびゲート誘電体層と接触している式(I)で示される連結されたアリールアミンポリマを含む半導体層とを含むことを特徴とする薄膜トランジスタ。
【化2】


(I)
(式中、Arはアリールまたはヘテロアリールであり、XはCH、イオウ、酸素、セレン、NR’またはSiR’’(R’およびR’’はそれぞれ炭化水素である)を表し、mはX置換基の数を表し、nは反復単位の数を表す。)
【請求項8】
請求項7に記載の薄膜トランジスタであって、前記連結されたアリールアミンポリマが以下の式で表されることを特徴とする薄膜トランジスタ。
【化3】


(1)
【化4】


(2)
【化5】


(3)
【化6】


(4)
【化7】


(5)
【化8】


(6)
【化9】


(7)
【化10】


(8)
【化11】


(9)
【化12】


(10)
【化13】


(11)
【化14】


(12)
【化15】


(13)
【化16】


(14)
【化17】


(15)
【化18】


(16)
【化19】


(17)
【化20】


(18)
【化21】


(19)
(式中、RおよびR’はメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシルまたはオクタデシルのアルキルであり、nはポリマ中の約2〜約5,000の反復単位の数である。)

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−277553(P2007−277553A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−98067(P2007−98067)
【出願日】平成19年4月4日(2007.4.4)
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【Fターム(参考)】