説明

遊技情報表示装置

【課題】自分自身のフィーリングを重視して遊技状態の良し悪しを判断する遊技者にとっても有用な遊技情報表示装置を提供すること。
【解決手段】遊技情報表示装置1は、予め定められたゲーム数に渡る直近の遊技期間における入賞履歴を記憶する遊技履歴記憶手段164と、現在の遊技状態が良好であると判断したときに遊技者が操作する操作手段163と、操作手段163が操作されたときに限り遊技履歴記憶手段164が記憶する直近の入賞履歴を表示する遊技履歴表示手段168と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に対応して個別に設けられる遊技情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、パチンコ機やスロットマシン等の遊技情報を表示するように各遊技機に対応して設けられる遊技情報表示装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。パチンコ機やスロットマシン等の遊技者が、遊技状態の良し悪しを判断する基準は実に様々であり、遊技データを緻密に検証して遊技状態の良し悪しを判断しようとする遊技者にとっては、上記のような遊技情報表示装置が非常に有用となる。一方、遊技データよりも自分自身の感覚的なフィーリングを重視して遊技状態の良し悪しを判断しようとする遊技者も多く存在している。
【0003】
自分自身のフィーリングを重視して遊技状態の良し悪しを判断する遊技者についても、どのような状態のときに良い(大当たりが発生しやすい)と判断し、逆にどのような状態で悪い(大当たりが発生しにくい)と判断するのか、は遊技者によってまちまちで多様である。一般的に、フィーリングによる遊技状態の良し悪しの判断については、普遍的な法則性は無いと言われている。
【0004】
従来の遊技情報表示装置では、次のような問題がある。すなわち、上記のようにフィーリングを重視して遊技状態の良し悪しを判断する遊技者にとっては、遊技情報表示装置が表示する遊技データ等の利用価値が高くなく、遊技を進める上で遊技情報表示装置が有効に活用されていないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−285138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、自分自身のフィーリングを重視して遊技状態の良し悪しを判断する遊技者にとっても有用な遊技情報表示装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、遊技媒体を使用するゲームの実行に応じて入賞が発生したときには所定数の遊技媒体を遊技者に付与すると共に、大当たりが発生したときには前記入賞の発生確率を高める遊技機の遊技データを表示可能なように当該遊技機に対応して設けられる遊技情報表示装置において、
予め定められたゲーム数に渡る直近の遊技期間における遊技結果を表す直近遊技情報を記憶する遊技履歴記憶手段と、
現在の遊技状態が良好であると判断したときに遊技者が操作する操作手段と、
該操作手段が操作されたときに限り前記遊技履歴記憶手段が記憶する直近遊技情報を読み出して表示する遊技履歴表示手段と、を備えたことを特徴とする遊技情報表示装置にある(請求項1)。
【0008】
本発明の遊技情報表示装置では、遊技者が良好な遊技状態と判断できたときに前記操作手段を操作すれば、直近の遊技結果を表す前記直近遊技情報を表示させることができる。この直近遊技情報は常時、表示される訳ではない。遊技者の意思で前記操作手段が操作されたときに限って表示されるので、遊技者自身のフィーリングで遊技状態の良し悪しの判断がなされたことが前記直近遊技情報が表示される前提となる。このような直近遊技情報の表示があれば、遊技者が自身のフィーリングで“良好な遊技状態”と判断する状態が実際にどのような状態であるのか、具体的な遊技結果に基づいて遊技者が客観的に判断できるようになる。
【0009】
以上の通り、本発明の遊技情報表示装置は、遊技データに依らずに自分自身のフィーリングを重視して遊技状態の良し悪しを判断する遊技者にとっても利用価値が高く、遊技を進める上で有用な表示装置である。
【0010】
本発明の遊技情報表示装置に組み合わせるスロットマシンとしては、メダルやコインを遊技媒体とした狭義のスロットマシンのほか、パチンコ玉を遊技媒体としたパロット(R)などであっても良い。
なお、「前記操作手段が操作されたときに限り前記直近遊技情報を表示する」とは、前記直近遊技情報の表示が専ら前記操作手段の操作を契機としており、前記操作手段が操作されていないにも関わらず前記直近遊技情報が表示されることがない旨を意味している。前記直近遊技情報の表示期間としては、例えば、前記操作手段が操作されてから所定時間や、前記操作手段が操作されてから次のゲームが開始されるまでの期間など様々な期間を設定可能である。
【0011】
また、前記直近遊技情報は、前記直近の遊技期間におけるゲーム毎の入賞の有無及び種類を表す入賞履歴であることが好ましい(請求項2)。
この場合には、前記直近の遊技期間の入賞履歴に応じて、遊技者が自分自身のフィーリングで良好な遊技状態と判断する状態を遊技者が客観的に判断できるようになる。
【0012】
なお、前記直近遊技情報としては、前記入賞履歴のほか、前記直近の遊技期間における遊技媒体の付与数の履歴や、前記直近の遊技期間における入賞回数や、前記直近の遊技期間において非入賞ゲームで停止表示されたハズレ図柄の履歴などを採用することもできる。
【0013】
また、前記操作手段が操作されたときの前記直近遊技情報である直近の入賞履歴を特別入賞履歴として記憶する過去履歴記憶手段を備え、
前記遊技履歴表示手段は、前記操作手段の操作に応じて前記直近遊技情報である直近の入賞履歴を表示する際、前回以前の前記操作手段の操作時に前記過去履歴記憶手段が記憶した過去の入賞履歴である前記特別入賞履歴を併せて表示することが好ましい(請求項3)。
この場合には、直近の入賞履歴である前記直近遊技情報と共に、過去の入賞履歴である前記特別入賞履歴を表示すれば、遊技者が良好な遊技状態と判断するフィーリングの時間的な変化を確認できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施例における、遊技情報表示装置を含む遊技情報管理システムの構成を示すブロック図。
【図2】実施例における、スロットマシンの外観を示す正面図。
【図3】実施例における、リールの外周に配置された図柄の配列を展開して示す展開図。
【図4】実施例における、スロットマシンの役、入賞図柄、利益を示す説明図。
【図5】実施例における、スロットマシンの電気的な構成を示すブロック図。
【図6】実施例における、内部当選役抽選テーブルにおける各役の当選乱数の設定を説明する説明図。
【図7】実施例における、遊技情報表示装置を示す正面図。
【図8】実施例における、遊技情報表示装置の電気的な構成を示すブロック図。
【図9】実施例における、入賞履歴の記憶領域を説明する説明図。
【図10】実施例における、遊技情報表示装置が表示する通常表示画面を示す正面図。
【図11】実施例における、遊技情報表示装置が表示する履歴表示画面を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例)
本例は、スロットマシン5(遊技機)に対応して個別に設けられる遊技情報表示装置1に関する例である。この内容について、図1〜図11を用いて説明する。
【0016】
本例の遊技情報表示装置1(以下、表示装置1という。)は、図1に示すごとく、貸出用のメダルを払い出す貸出装置3及び中継端末4と共にスロットマシン5に対して個別に設けられている。遊技場では、表示装置1、貸出装置3、中継端末4及びスロットマシン5の組合せが、遊技場管理装置(管理装置)2により管理され、全体として遊技場管理システム(管理システム)100が形成されている。この管理システム100では、図1に示すごとく、管理装置2のほか、呼出ランプとしての機能を備えた中継端末4が通信ネットワーク40に接続されている。スロットマシン5、表示装置1及び貸出装置3は、中継端末4を介して通信可能な状態で通信ネットワーク40に接続されている。
【0017】
まず、本例のスロットマシン5について説明する。スロットマシン5は、図2に示すごとく外観的な構成を有している。スロットマシン5の前面部分は、略矩形状の図柄表示窓51を略中央に設けた前面枠体50によって形成されている。前面枠体50は、図柄表示窓51の上側に、液晶表示部638、左右一対のスピーカ57及び装飾ランプ部636を配置してなる。図柄表示窓51の下側には、スロットマシン5の基部をなすベース部500が形成されている。図柄表示窓51の右側には、メダル(遊技媒体)の付与数を表示する付与数表示部551、及びクレジット数を表示するクレジット表示部552が配置されている。
【0018】
ベース部500は、遊技者から奥まって位置する図柄表示窓51に相対して張り出すように形成されている。ベース部500は、図柄表示窓51に隣り合う上端部に棚面状の操作面54を有し、下端部にメダル受け皿55を有し、操作面54の下側に隣接して操作パネル53を有している。
【0019】
操作面54には、クレジット機能によりクレジット(貯留)されたメダルを投入するためのベットボタン64と、クレジットされたメダルを払い出させるための精算ボタン65と、メダルを直接投入するためのメダル投入口630と、が配置されている。操作パネル53には、リール52の図柄変動を開始させるためのスタートレバー62、図柄変動を停止させるためのストップボタン61が配置されている。
【0020】
図柄表示窓51は、図2に示すごとく、図柄表示領域510L、C、Rを含む表示窓である。各図柄表示領域510L、C、Rは、いずれも3図柄分の図柄表示領域である。図柄表示窓51全体では、3行3列よりなる2次元マトリクス状に配置された9図柄分の図柄表示領域が形成されている。2次元マトリクス状に9個の図柄525が配置される図柄表示領域においては、入賞の対象となる入賞図柄の並び方向である入賞ライン511〜515が設定されている。
【0021】
各図柄表示領域510L、C、Rの裏側には、図柄変動表示手段520を構成するリール52L、C、Rがそれぞれ配置されている。リール52L、C、Rは、図3に示すごとく、円柱形状の外周面に略一定の間隔を空けて21個の図柄525が配置された回転式のリールである。リール52L、C、Rにそれぞれ個別に対応するストップボタン61として、左ストップボタン61L、中ストップボタン61C、右ストップボタン61Rが設けられている。
液晶表示部638は、液晶ディスプレイよりなる。液晶表示部638は、遊技を演出するための各種の演出画面や、遊技データを表示する表示画面などを表示可能である。
【0022】
本例のスロットマシン5では、図4に示すごとく、ボーナス役(BB役、RB役)、15枚役、10枚役及び2枚役よりなる3種類の小役のほか、リプレイ役が設定されている。図4では、左列に各役の名称を、中列に各役に対応する図柄525の組合せである入賞図柄を、右列に入賞に応じて遊技者に付与される利益を示してある。利益としては、同図中「利益」欄の左側(3BET)に示す非ボーナス状態下の利益と、同右側(2BET)に示すボーナス状態下の利益と、がある。
【0023】
スロットマシン5は、図5に示すごとく電気的に構成されている。スロットマシン5の全体動作を制御する制御部58に対しては、既出の構成のほか、メダル投入口630(図2)から投入されたメダルを検知する投入メダル検知部63、リール52と共に図柄変動表示手段520を構成するリール駆動部521、リール52の回転位置を検知する基準位置検知部632、メダルを受け皿55に払い出すメダル払出部633、付与数表示部551やクレジット表示部552を含む各種表示部634、遊技者の有利度合いを表す設定値を設定するための設定値操作部68、スピーカ57を制御する音声出力部637、各種の信号を出力する信号出力部635等が電気的に接続されている。
【0024】
リール駆動部521は、ステップ単位で制御可能なステッピングモータ(図示略)を含み、このステッピングモータの回転駆動力によりリール52を回転駆動する手段である。
基準位置検知部632は、各リール52L、C、Rについて基準位置片の通過を検知し、検知信号を出力する検知部である。
設定値操作部68は、設定キー680を利用して、ボーナス役等の内部当選確率が異なる6段階の設定値を変更するための操作部である。
【0025】
制御部58は、図5に示すごとく、CPU581と、メモリ手段であるROM583・RAM584と、入出力インターフェースとしてのI/O部582と、内部当選役抽選用の乱数を抽出する乱数抽出部585と、乱数を発生する乱数発生部586と、を有している。CPU581は、ROM583から読み込みしたソフトウェアプログラムを実行することにより、内部当選役を抽選する内部抽選手段71、内部当選役に対応する内部当選フラグを制御するフラグ制御手段710、リール52を制御する表示制御手段72、入賞図柄を判定する入賞判定手段73、入賞に応じてメダルを付与する遊技媒体付与手段74、ボーナス状態発生手段75としての各機能を実現する。
【0026】
ROM583は、内部抽選手段71が内部当選役の抽選に用いる内部当選役抽選テーブル(図6に当選乱数の設定を図示している。)、表示制御手段72がリール52の停止制御に用いるリール制御テーブル(図示略)を記憶している。
リール制御テーブルは、入賞ライン上に停止可能な停止位置が規定されたデータテーブルである。
【0027】
内部当選役抽選テーブルは、0〜65535の内部当選役抽選用の乱数のうち、各役の当選乱数の範囲が規定されたデータテーブルである。内部当選役抽選テーブルとしては、通常状態に適用されるテーブル、図示しないボーナス状態に適用されるテーブルがある。通常状態用の内部当選役抽選テーブルは、設定値毎に用意されている。図6は、6段階の設定値のうちの設定値1及び6につき、各内部当選役抽選テーブルで規定された当選乱数の設定を例示する図である。同図中の各設定値に対応する欄のうち、縦方向の左列は当選乱数の個数を示し、同右列は内部当選確率を分母(1/xのx。)により示している。また、図示しないボーナス状態用の内部当選役抽選テーブルでは、ボーナス役、リプレイ役の当選乱数が未設定となっている。これにより、ボーナス状態の発生中では、ボーナス役、リプレイ役が内部抽選対象から除外されることになる。
【0028】
図5に示す乱数抽出部585は、乱数発生部586が発生する乱数(0〜65535)の中から内部当選役抽選用の乱数を抽出する。
内部抽選手段71は、内部抽選により内部当選役を決定し、その内部当選役に対応する内部当選フラグを成立させる手段である。内部抽選手段71は、内部当選役抽選テーブルに規定された各役の当選乱数に対して内部当選役抽選用の乱数を照合し、内部当選役を決定する。内部抽選手段71は、前記内部当選役抽選テーブルのうちの何れかを遊技状態及び設定値に応じて選択的に利用する。
【0029】
フラグ制御手段710は、内部抽選手段71が決定した内部当選役に対応する内部当選フラグを制御する手段である。フラグ制御手段710は、ボーナス役以外の他の役の内部当選フラグについては、その内部当選フラグが初めて成立したゲームで入賞したか否かに関わらず次のゲームを開始するまでにオフ状態(ゼロ)にリセットする。したがって、ボーナス役以外の各役が内部当選したゲームで入賞しなかった場合、全て取りこぼしとなる。一方、ボーナス役の内部当選フラグであるボーナス役フラグについては、入賞するまで、内部当選フラグの成立状態が次回のゲームに順次、持ち越され、入賞に応じてオフ状態にリセットされる。
【0030】
表示制御手段72は、ゲームの開始が許可された状態でスタートレバー62が操作されたときにリール52の図柄変動を開始し、ストップボタン61の操作に応じてリール52の図柄変動を停止させる手段である。表示制御手段72は、リール駆動部521を構成するステッピングモータに制御パルスを入力し、1パルス毎に1ステップずつステッピングモータを回転させる。表示制御手段72は、リール駆動部521に入力した制御パルス数、すなわちステッピングモータが回転したステップ数をカウントする。特に、本例の表示制御手段72は、各リール52の基準位置片の検知信号を取り込むごとにステップ数をゼロリセットすることで、直近の検知信号の後に生じたステップ数をカウントしている。
【0031】
表示制御手段72は、規則(遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則)等が定める所定の引込範囲内の図柄を入賞ライン上に停止させる、いわゆる引込制御を実行する。本例では、引込範囲として4図柄分に相当する範囲が設定されている。表示制御手段72は、入賞ライン上に停止可能な停止位置が規定されたリール制御テーブルに対してストップボタン61が操作された時のステップ数を照合し、停止位置を決定する。表示制御手段72は、内部当選フラグに対応する図柄をその停止位置に引き込んでリール52を停止させる。
【0032】
図5に示す入賞判定手段73は、3基のリール52L、C、Rが停止表示する図柄の組合せが所定の入賞図柄であるか否かを判定する手段である。入賞判定手段73は、3基のリール52L、C、Rを横断するように設定された入賞ライン511〜515上に停止した図柄の組合せに応じて入賞役を判定する。入賞判定手段73は、各リール52L、C、Rが停止した後、対応する各ステッピングモータ(リール駆動部521)のステップ数を取り込む。入賞判定手段73は、このステップ数に基づき入賞ライン511〜515上に停止した図柄525の種類を求め、その図柄525の組合せについて入賞役が成立するか否かを判定する。
【0033】
遊技媒体付与手段74は、入賞判定手段73により判定された入賞役に対応する数の遊技媒体を付与する手段である。例えば、15枚役が入賞役である場合には15枚のメダルを付与する(図4参照)。但し、ボーナス状態では、全ての小役について、15枚のメダルの付与が設定されている。
【0034】
ボーナス状態発生手段75は、ボーナス役の入賞に応じてボーナス状態を発生させると共に、所定の終了条件の成立に応じてボーナス状態を終了させる手段である。ボーナス状態としては、BB役の入賞に応じたBB状態と、RB役の入賞に応じたRB状態がある。BB状態の終了条件は、付与したメダルが465枚を超過したことであり、RB状態の終了条件は、付与したメダルが120枚を超過したことである。
【0035】
以上のように構成されたスロットマシン5が、信号出力部635(図5)を介して中継端末4に向けて外部出力する信号としては、以下の各信号がある。
(1)セーフ信号:入賞に応じてメダルが1枚付与される毎に出力される信号。
(2)アウト信号:ゲームに使用されたメダル数分、ゲームの開始に応じて連続的に出力される信号。
(3)RB信号:RB状態の発生中に出力される信号。
(4)BB信号:BB状態の発生中に出力される信号。
【0036】
次に、表示装置1について説明する。表示装置1は、図1及び図7に示すごとく、左隣りのスロットマシン5との間の台間スペースに配置される縦長の装置である。表示装置1の正面には、回動可能な状態で取り付けられたタッチパネルディスプレイ10と、会員カード121(図8)を挿入するためのカードスリット120と、カード排出ボタン14と、作動状態を表示する状態表示ランプ13と、が配置されている。
【0037】
本例の表示装置1は、有効な会員カード121が挿入されたときに、各種の遊技情報の表示及び操作が可能になる。一方、会員カード121の未挿入状態では、カード挿入を促すメッセージがタッチパネルディスプレイ10に繰り返し表示される。なお、会員カード121の未挿入状態においても、自台の稼動データ表示など一部の機能を有効化することも良い。
【0038】
表示装置1は、図8に示すごとく、制御部11を中心として電気的に構成されている。この制御部11に対しては、上記の構成のほか、液晶ディスプレイよりなる液晶表示部101、その表示画面を覆うように配設されたタッチパネル102、会員カード121のカード情報を読み取るカードリーダ12、各種信号あるいは情報の入出力経路をなす通信ポート(図示略)を含む送受信部(I/O)15が電気的に接続されている。表示装置1は、送受信部15を介して中継端末4(図1)に接続されている。
【0039】
タッチパネルディスプレイ10は、表示画面上に様々な図形や文字等を描画可能な液晶表示部101と、ポインティングデバイスとしての機能を実現するタッチパネル102と、を組み合せた表示デバイスである。このタッチパネルディスプレイ10によれば、表示画面上に描画された操作ボタン等を指先で軽く触れることでその操作ボタンを選択可能である。
【0040】
送受信部15は、スロットマシン5が外部出力する信号を受信する信号受信手段としての機能を備えている。本例の信号受信手段が、中継端末4を介してスロットマシン5側から取り込む信号としては、上記のごとく、セーフ信号、アウト信号、BB信号、RB信号がある。
【0041】
制御部11は、記憶素子であるROM112・RAM113や、演算処理を実行するCPU111等を備えている。
RAM113は、スロットマシン5の遊技データを記憶する遊技データ記憶手段160、直近の入賞履歴(直近遊技情報)を記憶する遊技履歴記憶手段164、過去の入賞履歴(特別入賞履歴)を記憶する過去履歴記憶手段165としての機能を備えている。さらに、RAM113の記憶領域には、図示しないボーナス間ゲーム数の記憶領域が設定されている。
【0042】
遊技データ記憶手段160が記憶する遊技データとしては、以下のデータがある。
(1)只今G数:直近のボーナス状態が終了した時点からの消化ゲーム数。
(2)累計G数:通常状態(非ボーナス状態)における累計ゲーム数。
(3)BB回数:BB状態の発生回数。
(4)RB回数:RB状態の発生回数。
(5)オレンジ回数:10枚役(オレンジ)の入賞回数。
(6)スイカ回数:15枚役(スイカ)の入賞回数。
(7)チェリー回数:2枚役(チェリー)の入賞回数。
なお、前記ボーナス間ゲーム数の記憶領域には、過去10回分のボーナス状態について、そのボーナス状態が発生した時点の(1)只今G数が格納される。
【0043】
遊技履歴記憶手段164は、図9に示す入賞履歴の記憶領域113Aにより構成され、過去履歴記憶手段165は、入賞履歴の記憶領域B、Cにより構成されている。入賞履歴の記憶領域113A〜Cは、入賞役の有無及び種類を表す入賞データを格納するデータ枠を10個設けた記憶領域である。
【0044】
CPU111は、ソフトウェアの実行により、入賞検知手段161、上記(1)〜(7)の各遊技データを生成する遊技データ生成手段162、現在の遊技状態が良好であると判断した遊技者が操作する操作手段163、格納データ制御手段166、各種の遊技データを表示する遊技データ表示手段167、入賞履歴を表示する遊技履歴表示手段168としての機能を備えている。
【0045】
入賞検知手段161は、通常状態下で入賞した役の種類を検知する手段である。入賞検知手段161は、セーフ信号の連続的な受信回数に応じて入賞役の種類を検知する。例えば、セーフ信号を連続して10回受信したときは、10枚役の入賞を検知し、連続して15回受信したときは、15枚役の入賞を検知する。
【0046】
遊技データ生成手段162は、以下に説明する方法で前記(1)〜(7)の各遊技データを生成する。
(1)只今G数:通常状態においてアウト信号を連続して3回受信したときにゲームスタートを検知し、検知する毎に1ゲームずつ加算する。前回のボーナス状態の終了時点からゼロスタートで計数開始する。
(2)累計G数:通常状態においてアウト信号を連続して3回受信したときにゲームスタートを検知し、検知する毎に1ゲームずつ加算する。
(3)BB回数:BB信号の非受信状態から受信状態への切換毎に1回ずつ加算する。
(4)RB回数:RB信号の非受信状態から受信状態への切換毎に1回ずつ加算する。
(5)オレンジ回数:10枚役の入賞が検知される毎に1回ずつ加算する。
(6)スイカ回数:15枚役の入賞が検知される毎に1回ずつ加算する。
(7)チェリー回数:2枚役の入賞が検知される毎に1回ずつ加算する。
【0047】
なお、本例の遊技データ生成手段162は、(2)〜(7)の各遊技データについては、当日の営業開始に応じてゼロスタートで計数開始される当日データのほか、個人データのリセットに応じてゼロスタートで計数開始される個人データを生成し、遊技データ記憶手段160にそれぞれ記憶させる。
【0048】
格納データ制御手段166は、入賞履歴の記憶領域113A〜Cに格納する入賞データを制御する手段である。格納データ制御手段166は、直近の10ゲームにおけるゲーム毎の入賞データを記憶領域113Aの各データ枠に格納する。格納データ制御手段166は、ゲームが終了する毎に、図9中の縦矢印のごとく、記憶領域113AのD1→D2、D2→D3・・・D10→消去というように格納済みの入賞データを順送りすると共に、空きデータとなったD1に終了直後のゲームの入賞データを格納する。これにより、記憶領域113Aには、常時、直近の10ゲーム分の入賞データよりなる入賞履歴が格納される。
【0049】
さらに、格納データ制御手段166は、前記操作手段163が操作されたとき、図9中の横矢印のごとく、入賞履歴の記憶領域113B→113C、113A→113Bというように、10ゲーム分の入賞データの移し換えを実行する。そうすると、前回の操作手段163の操作時における10ゲーム分の過去の入賞履歴(特別入賞履歴)が記憶領域113Bに格納され、前々回の操作時における10ゲーム分の過去の入賞履歴(特別入賞履歴)が記憶領域113Cに格納されることになる。なお、記憶領域113Aの各入賞データは、記憶領域113Bへの移し換えが行われても消去されず、そのまま保持される。
【0050】
遊技データ表示手段167は、遊技データ生成手段162により生成された遊技データ、及び直近10回分のボーナス間ゲーム数を表示する手段である。
遊技履歴表示手段168は、遊技データ生成手段162により生成された遊技データと共に、記憶領域113A〜Cに格納された入賞履歴を表示する手段である。
【0051】
次に、遊技データ表示手段167による図10の通常表示画面17A、遊技履歴表示手段168による図11の履歴表示画面17Bについて説明する。
通常表示画面17Aは、図10に示すごとく、ゲーム数表示欄171、BBデータ表示欄172、RBデータ表示欄173、ボーナス間ゲーム数履歴表示欄174のほか、個人データリセットボタン175、入賞履歴表示ボタン176が配置された表示画面である。
【0052】
ゲーム数表示欄171には、只今G数、当日データの累計G数、個人データの累計G数が表示される。BBデ−タ表示欄172には、BB回数、及びBB回数を累計G数で除算したBB確率が表示される。なお、同表示欄中、隅付き括弧の前には、当日データのBB回数、及び当日データのBB回数を当日データの累計G数で除算したBB確率が表示されている。一方、隅付き括弧内には、個人データのBB回数、及び個人データのBB回数を個人データの累計G数で除算したBB確率が表示される。RBデータ表示欄173についても、BBデータ表示欄172と同様の構成である。
【0053】
ボーナス間ゲーム数履歴表示欄174には、前記ボーナス間ゲーム数の記憶領域の各データ枠に格納されたボーナス状態毎のボーナス間ゲーム数が水平方向の棒グラフにより表示されている。ボーナス間ゲーム数履歴表示欄174では、新しいボーナス状態に対応する棒グラフほど上側に、古いボーナス状態に対応する棒グラフほど下側に位置するように10本の棒グラフが順番に配置されている。
【0054】
個人データリセットボタン175は、遊技データ記憶手段160に記憶される個人データを初期化(ゼロリセット)するためのリセット手段である。
入賞履歴表示ボタン176は、遊技者が遊技状態を良好と判断したときに操作する操作ボタンである。この入賞履歴表示ボタン176は、遊技状態を良好と判断した遊技者が操作するための操作手段163を構成している。
【0055】
履歴表示画面17Bは、図11に示すごとく、通常表示画面17Aを元にして、ボーナス間ゲーム数履歴表示欄174に換えて、入賞履歴表示欄177〜179が配置された表示画面である。入賞履歴表示欄177は、直近の10ゲーム分の入賞履歴(直近遊技情報)の表示欄である。この入賞履歴表示欄177には、入賞履歴の記憶領域113Aの記憶データが表示される。入賞履歴表示欄178は、前回の入賞履歴表示ボタン176の操作時点を基準とした過去10ゲーム分の入賞履歴(特別入賞履歴)の表示欄である。この入賞履歴表示欄178には、入賞役の記憶領域113Bの記憶データが表示される。入賞履歴表示欄179は、前々回の入賞履歴表示ボタン176の操作時点を基準とした過去10ゲーム分の入賞履歴(特別入賞履歴)の表示欄である。この入賞履歴表示欄179には、入賞役の記憶領域113Cの記憶データが表示される。
【0056】
履歴表示画面17Bは、ゲームの終了後、次のゲームが開始されるまでの間に入賞履歴表示ボタン176がタッチ操作されたときに表示される。その後、次のゲームの開始が検知されたときに履歴表示画面17Bの表示が終了し、前記通常表示画面17Aの表示状態に復帰する。
【0057】
以上のように構成された本例の遊技情報表示装置1においては、遊技者が自分自身のフィーリングで遊技状態を良好と判断できたときに入賞履歴表示ボタン176を操作すれば、直近の10ゲーム分の入賞履歴が表示される。この入賞履歴は常時、表示される訳ではなく、遊技者の意思で入賞履歴表示ボタン176が操作されたときに限って表示される。本例の遊技情報表示装置1では、遊技者自身のフィーリングで遊技状態の良し悪しの判断がなされたことが入賞履歴が表示される前提となっている。
【0058】
直近の入賞履歴の表示があれば、遊技者が自身のフィーリングで“良好な遊技状態”と判断する状態が実際にどのような状態であるのか、具体的な遊技結果に基づいて遊技者が客観的に判断できるようになる。さらに、この遊技情報表示装置1では、直近の入賞履歴が表示される際、前回及び前々回の入賞履歴表示ボタン176の操作時点の入賞履歴が併せて表示される。直近の入賞履歴と過去の入賞履歴とを比較すれば、遊技者が良好な遊技状態と判断するフィーリングの時間的な変化等を客観的に確認できるようになる。
【0059】
このように本例の遊技情報表示装置1によれば、自分自身のフィーリングを重視して遊技状態の良し悪しを判断する遊技者にとって有用な遊技情報を提示できる。この遊技情報表示装置1は、遊技データに基づいて遊技状態の良し悪しを判断する遊技者にとっても、直感的なフィーリングを重視して遊技状態の良し悪しを判断する遊技者にとっても、有用な表示装置である。
【0060】
なお、本例では、入賞履歴の表示期間として10ゲームに渡る遊技期間を設定している。入賞履歴の表示期間の長さは、適宜、変更可能であるが、5〜30ゲーム程度に渡る遊技期間が好適である。
また、本例では、直近の入賞履歴を表示するに際して、過去2回分の10ゲーム分の入賞履歴を併せて表示している。過去の入賞履歴としては、前回、前々回分の2回分に限らず何回分であっても良いが、2〜5回分程度が好ましい。
さらに、入賞履歴を表示するに際して、各役の入賞回数を集計して表示することも好ましい。
【0061】
なお、本例は、直近遊技情報として直近の役の入賞履歴を記憶する例である。直近遊技情報は、本例に限定されない。例えば、直近の所定ゲーム数において実行された演出の種類(液晶表示部638に表示された演出画面の種類)を直近遊技情報として記憶するようにしても良い。このような構成によれば、どのような種類の演出が実行されたときにフィーリングが“良好”であると感じるのかを遊技者が客観的に把握できるようになる。
【0062】
本例では、遊技機としてスロットマシンを例示したが、対象の遊技機はパチンコ遊技機であっても良い。
さらに、本例の遊技情報表示装置1を遊技機の一部として組み込み、遊技機と一体的に設けることも良い。
【0063】
以上のごとく本発明の実施例を詳細に説明したが、これらの実施例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、実施例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して実施例を多様に変形あるいは変更した技術を包含している。
【符号の説明】
【0064】
1 遊技情報表示装置(表示装置)
100 遊技場管理システム(管理システム)
10 タッチパネルディスプレイ
11 制御部
113A〜C 入賞履歴の記憶領域
12 カードリーダ
160 遊技データ記憶手段
161 入賞検知手段
162 遊技データ生成手段
163 操作手段
164 遊技履歴記憶手段
165 過去履歴記憶手段
166 格納データ制御手段
167 遊技データ表示手段
168 遊技履歴表示手段
17A 通常表示画面
17B 履歴表示画面
2 遊技場管理装置(管理装置)
3 貸出装置
4 中継端末
5 スロットマシン
520 図柄変動表示手段
61 ストップボタン
62 スタートレバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技媒体を使用するゲームの実行に応じて入賞が発生したときには所定数の遊技媒体を遊技者に付与すると共に、大当たりが発生したときには前記入賞の発生確率を高める遊技機の遊技データを表示可能なように当該遊技機に対応して設けられる遊技情報表示装置において、
予め定められたゲーム数に渡る直近の遊技期間における遊技結果を表す直近遊技情報を記憶する遊技履歴記憶手段と、
現在の遊技状態が良好であると判断したときに遊技者が操作する操作手段と、
該操作手段が操作されたときに限り前記遊技履歴記憶手段が記憶する直近遊技情報を読み出して表示する遊技履歴表示手段と、を備えたことを特徴とする遊技情報表示装置。
【請求項2】
前記直近遊技情報は、前記直近の遊技期間におけるゲーム毎の入賞の有無及び種類を表す入賞履歴であることを特徴とする請求項1に記載の遊技情報表示装置。
【請求項3】
前記操作手段が操作されたときの前記直近遊技情報である直近の入賞履歴を特別入賞履歴として記憶する過去履歴記憶手段を備え、
前記遊技履歴表示手段は、前記操作手段の操作に応じて前記直近遊技情報である直近の入賞履歴を表示する際、前回以前の前記操作手段の操作時に前記過去履歴記憶手段が記憶した過去の入賞履歴である前記特別入賞履歴を併せて表示することを特徴とする請求項2に記載の遊技情報表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−115307(P2012−115307A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−265128(P2010−265128)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(000108937)ダイコク電機株式会社 (893)
【Fターム(参考)】