遊技情報表示装置
【課題】潜伏期間を経てAT等の特定遊技状態を発生させるスロットマシンに対応する遊技情報表示装置であって、潜伏期間の長さを客観的に把握したいという遊技者側のニーズに対応できる遊技情報表示装置を提供すること。
【解決手段】遊技情報表示装置1は、潜伏期間の開始及び終了を判定する潜伏判定手段111と、潜伏期間が開始してから終了するまでの長さを特定する潜伏期間特定手段112と、潜伏期間の長さを表示する潜伏期間表示手段116Aと、を備えている。
【解決手段】遊技情報表示装置1は、潜伏期間の開始及び終了を判定する潜伏判定手段111と、潜伏期間が開始してから終了するまでの長さを特定する潜伏期間特定手段112と、潜伏期間の長さを表示する潜伏期間表示手段116Aと、を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入賞をアシストする機能である、いわゆるAT機能を備えたスロットマシンに対応して個別に設けられる遊技情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、特定役の内部当選に応じてAT(アシストタイム)の内部抽選を実行し、ATが内部当選した場合に、所定の潜伏期間を経由してATを発動するタイプのスロットマシンが知られている(例えば、特許文献1参照。)。このような潜伏期間の設定目的の一つは、特定役が入賞してから潜伏期間が経過するまでの間、ATに対する遊技者の期待感を持続させて遊技の興趣を高めることにある。
【0003】
しかしながら、前記従来のスロットマシンでは、次のような問題がある。すなわち、潜伏期間中の遊技状態は、通常状態と同様に入賞確率が低い状態であるので、遊技者にとっては潜伏期間が短い方が望ましく、その長さが関心事となっている一方、潜伏期間の長さを客観的に把握できないことに不満を感じる遊技者が多く存在しているという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−334448号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、潜伏期間を経てAT等の特定遊技状態を発生させるスロットマシンに対応する遊技情報表示装置であって、潜伏期間の長さを客観的に把握したいという遊技者側のニーズに対応できる遊技情報表示装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、複数の図柄表示領域において複数種類の図柄を所定の配列に従って変動表示する図柄変動表示手段と、
遊技媒体が投入された状態でゲームを開始するために遊技者が操作するゲーム開始操作手段と、
前記ゲーム開始操作手段が操作されたときに、特定役を含む複数種類の役の中から内部当選役を決定するための内部抽選を実行する内部抽選手段と、
前記図柄変動表示手段による図柄の変動表示を停止させるために遊技者が操作する停止操作手段と、
前記停止操作手段が操作されたときに、前記内部当選役に対応する図柄を予め規定された引込範囲内で引き込んで前記図柄表示領域に停止表示させる表示制御手段と、
前記図柄変動表示手段の各図柄表示領域に停止表示された図柄の組合せに基づいて入賞が発生したか否かを判定する入賞判定手段と、
前記入賞判定手段により入賞が発生したと判定されたときに、当該入賞に対応する数の遊技媒体を遊技者に付与する遊技媒体付与手段と、
前記特定役が内部当選役として決定されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させるか否かを決定するための内部抽選を実行する特定遊技状態抽選手段と、
該特定遊技状態抽選手段により特定遊技状態を発生させることが決定されたときに、長さが異なる複数の潜伏期間の中から何れか1つの潜伏期間を抽選により選択する潜伏期間選択手段と、
該潜伏期間選択手段により選択された潜伏期間が経過したときに、前記特定遊技状態を発生させる特定遊技状態発生手段と、を備えたスロットマシンに付設される遊技情報表示装置において、
前記潜伏期間の開始及び終了を判定する潜伏判定手段と、
該潜伏判定手段による判定結果に基づいて、前記潜伏期間が開始してから終了するまでの長さを特定する潜伏期間特定手段と、
該潜伏期間特定手段により特定された潜伏期間の長さを表示する潜伏期間表示手段と、を備えたことを特徴とする遊技情報表示装置にある(請求項1)。
【0007】
本発明の遊技情報表示装置では、前記潜伏判定手段が前記潜伏期間の開始及び終了を判定し、前記潜伏期間特定手段が、前記潜伏期間の長さを特定する。そして、前記潜伏期間表示手段が、特定された前記潜伏期間の長さを表示する。
本発明の遊技情報表示装置が表示する前記潜伏期間の長さに基づけば、前記特定遊技状態を効率良く発生できているか否かを遊技者が把握可能である。表示された前記潜伏期間が短ければ効率が良く、長ければ効率が悪いということになる。
【0008】
このように本発明の遊技情報表示装置は、前記潜伏期間を経て前記特定遊技状態を発生させるスロットマシンに対応する遊技情報表示装置であって、前記潜伏期間の長さを客観的に把握したいという遊技者側のニーズに対応可能な遊技情報表示装置である。
【0009】
本発明の遊技情報表示装置に組み合わせるスロットマシンとしては、メダルやコインを遊技媒体とした狭義のスロットマシンのほか、パチンコ玉を遊技媒体としたパロット(R)などであっても良い。
なお、前記特定遊技状態としては、特定役の内部当選確率を高めた遊技状態、特定役の入賞を補助するための情報を遊技者に報知する遊技状態等を設定できる。
【0010】
また、前記特定遊技状態が開始してから終了するまでの期間において遊技者が獲得した第1遊技媒体数を計数する第1遊技媒体数計数手段と、
前記潜伏期間が開始してから前記特定遊技状態が終了するまでの期間において遊技者が獲得した第2遊技媒体数を計数する第2遊技媒体数計数手段と、
前記第1遊技媒体数及び前記第2遊技媒体数を表示する遊技媒体数表示手段と、を備えていることが好ましい(請求項2)。
【0011】
前記潜伏期間は、遊技の継続に応じて手持ちの遊技媒体が減っていく可能性が高い遊技期間である一方、前記特定遊技状態は、遊技の継続に応じて手持ちの遊技媒体が増えていく有利な遊技状態である。前記潜伏期間が短期間であるほど、前記第1遊技媒体数と前記第2遊技媒体数との差分が小さくなる。この差分が小さいほど、短期間の潜伏状態を経て効率良く前記特定遊技状態を発生できたことになる。
【0012】
また、前記スロットマシンは、入賞に応じて付与する遊技媒体数を特定可能な遊技媒体信号、及び前記特定遊技状態の発生を示す特定遊技状態信号を出力可能な信号出力手段を備え、
前記潜伏判定手段は、受信した前記遊技媒体信号により特定された遊技媒体数が、前記特定役の入賞に応じて付与される遊技媒体数と一致したときに前記潜伏期間が開始したと判定し、前記特定遊技状態信号の受信に応じて前記潜伏期間が終了したと判定することが好ましい(請求項3)。
この場合には、スロットマシン側から受信した前記遊技媒体信号及び特定遊技状態信号に基づいて前記潜伏期間の開始及び終了を確実性高く判定できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例における、遊技情報表示装置を含む遊技情報管理システムの構成を示すブロック図。
【図2】実施例における、スロットマシンの外観を示す正面図。
【図3】実施例における、スロットマシンの役、入賞図柄、利益を示す説明図。
【図4】実施例における、リールの外周に配置された図柄の配列を展開して示す展開図。
【図5】実施例における、スロットマシンの電気的な構成を示すブロック図。
【図6】実施例における、内部当選役抽選テーブルの一部を示す説明図。
【図7】実施例における、AT発動抽選テーブルを示す説明図。
【図8】実施例における、潜伏期間選択テーブルを示す説明図。
【図9】実施例における、リプレイ役が同時当選したときの第1停止リール毎の入賞振り分けを説明する説明図。
【図10】実施例における、遊技状態の遷移を説明する状態遷移図。
【図11】実施例における、AT発動時の通常状態画面を示す正面図。
【図12】実施例における、AT発動時のRT中画面を示す正面図。
【図13】実施例における、AT非発動時のRT中画面を示す正面図。
【図14】実施例における、遊技情報表示装置の正面図。
【図15】実施例における、遊技情報表示装置の構成を示すブロック図。
【図16】実施例における、基本データ表示画面を示す正面図。
【図17】実施例における、ARTデータ表示画面を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例)
本例は、スロットマシン5(遊技機)に対応して個別に設けられる遊技情報表示装置1に関する例である。この内容について、図1〜図17を用いて説明する。
【0015】
本例の遊技情報表示装置1(以下、表示装置1という。)は、図1に示すごとく、貸出用のメダルを払い出す貸出装置3と共にスロットマシン5に対して個別に設けられている。遊技場では、表示装置1、貸出装置3及びスロットマシン5の組合せが、遊技場管理装置(管理装置)2により管理され、全体として遊技場管理システム(管理システム)100が形成されている。この管理システム100では、図1に示すごとく、管理装置2のほか、スロットマシン5毎に設けられた貸出装置3及び表示装置1が通信ネットワーク40に接続されている。スロットマシン5は、表示装置1を介して通信可能な状態で通信ネットワーク40に接続されている。
【0016】
まず、本例のスロットマシン5について説明する。スロットマシン5は、図2に示すごとく外観的な構成を有している。スロットマシン5の前面部分は、略矩形状の図柄表示窓51を略中央に設けた前面枠体50によって形成されている。前面枠体50は、図柄表示窓51の上側に、液晶表示部638、左右一対のスピーカ57及び装飾ランプ部636を配置してなる。図柄表示窓51の下側には、スロットマシン5の基部をなすベース部500が形成されている。図柄表示窓51の右側には、メダル(遊技媒体)の払出数を表示する払出数表示部551、及びクレジット数を表示するクレジット表示部552が配置されている。
【0017】
ベース部500は、遊技者から奥まって位置する図柄表示窓51に相対して張り出すように形成されている。ベース部500は、図柄表示窓51に隣り合う上端部に棚面状の操作面54を有し、下端部にメダル受け皿55を有し、操作面54の下側に隣接して操作パネル53を有している。
【0018】
操作面54には、クレジット機能によりクレジット(貯留)されたメダルを投入するためのベットボタン64と、クレジットされたメダルを払い出させるための精算ボタン65と、メダルを直接投入するためのメダル投入口630と、が配置されている。操作パネル53には、リール52の図柄変動を開始させるためのスタートレバー62(ゲーム開始操作手段)、図柄変動を停止させるためのストップボタン61(停止操作手段)が配置されている。
【0019】
図柄表示窓51は、図2に示すごとく、図柄表示領域510L、C、Rを含む表示窓である。各図柄表示領域510L、C、Rは、いずれも3図柄分の図柄表示領域である。図柄表示窓51全体では、3行3列よりなる2次元マトリクス状に配置された9図柄分の図柄表示領域が形成されている。2次元マトリクス状に9個の図柄525が配置される図柄表示領域においては、入賞の対象となる入賞図柄の並び方向である入賞ライン511〜515が設定されている。
【0020】
各図柄表示領域510L、C、Rの裏側には、図柄変動表示手段520を構成するリール52L、C、Rがそれぞれ配置されている。詳しくは図4を参照して後述するごとくリール52L、C、Rは、円柱形状の外周面に略一定の間隔を空けて21個の図柄525が配置された回転式のリールである。リール52L、C、Rにそれぞれ個別に対応するストップボタン61として、左ストップボタン61L、中ストップボタン61C、右ストップボタン61Rが設けられている。
液晶表示部638は、液晶ディスプレイよりなる。液晶表示部638は、遊技を演出するための各種の演出画面や、遊技データを表示する表示画面などを表示可能である。
【0021】
本例のスロットマシン5では、図3に示すごとく、ボーナス役(BB役、RB役)、15枚役A〜C及び10枚役A・Bよりなる複数種類の小役のほか、リプレイ役A〜Eが設定されている。図3では、左列に各役の名称を、中列に各役に対応する図柄525の組合せである入賞図柄を、右列に入賞に応じて遊技者に付与される利益を示してある。利益としては、同図中「利益」欄の左側(3BET)に示す非ボーナス状態下の利益と、同右側(2BET)に示すボーナス状態下の利益と、を示してある。
【0022】
本例では、リプレイ役Aの入賞図柄が低確RT状態(後述)への移行契機となる低確RT図柄となっており、リプレイ役Cの入賞図柄が高確RT状態(後述)への移行契機となる高確RT図柄となっている。また、10枚役を取りこぼしたときに100%の確率で停止表示される10枚役こぼし図柄が高確RT状態の終了契機となる高確RT終了図柄となっている。なお、本例では、通常状態下のリプレイ役、及び低確RT状態・高確RT状態下の10枚役が、ATの報知対象役となっている。
【0023】
ここで、ATの報知対象役であるリプレイ役及び10枚役の入賞図柄を説明する。図3のごとく、リプレイ役Aの入賞図柄は、図柄「R」のゾロ目である。リプレイ役Aの入賞図柄を元にして右リール52Rを図柄「黒オレンジ」に置換すればリプレイ役Bの入賞図柄となり、図柄「スイカ」に置換すればリプレイ役Cの入賞図柄となる。
【0024】
10枚役Aの入賞図柄は「黒オレンジ」のゾロ目である。10枚役Aの入賞図柄を元にして左リール52Lの図柄を「白オレンジ」に置換した組み合わせが10枚役Bの入賞図柄となっている。さらに、左リール52Lの図柄を図柄「R」に置換した組合せが10枚役こぼし図柄となっている。
【0025】
本例のスロットマシン5では、各リール52L、C、Rの図柄が図4に示すごとく配列されている。左リール52L及び中リール52Cでは、リプレイ役A〜Cに共通する図柄「R」の最大間隔が4図柄となっている。ここで、本例のスロットマシン5では、後述するごとくリール52が停止する際の引込範囲として4図柄分に相当する範囲が設定されている。また、図柄表示領域510L、510Cでは、上段中段下段の3図柄分に渡って入賞ラインが設定されている(図2参照。)。したがって、左リール52L及び中リール52Cにおける「R」は、停止操作のタイミングに関わらず必ず引込範囲内に存在し、入賞ライン上に停止表示される図柄となっている。
【0026】
右リール52Rでは、リプレイ役A〜Cにそれぞれ対応する図柄「R」、図柄「黒オレンジ」及び図柄「スイカ」について、最大間隔がいずれも4図柄となっている。他のリール52L、Cにおける図柄「R」と同様、右リール52Rにおける「R」、「黒オレンジ」及び「スイカ」は、停止操作のタイミングに関わらず必ず引込範囲内に存在し、入賞ライン上に停止表示される図柄となっている。
【0027】
リプレイ役の図柄が上記のように配列された本例のスロットマシン5におけるリプレイ役A〜Cは、仮に単独当選したとすれば必ず入賞し、他のリプレイ役と同時当選した場合でも、ストップボタン61L、C、Rを所定の順番で停止操作すれば、必ず入賞するリプレイ役となっている。スロットマシン5では、リプレイ役A・Cを含む同時当選が発生したときに、リプレイ役A(低確RT図柄)を回避してリプレイ役C(高確RT図柄)を入賞させるためのストップボタン61の操作態様である第1停止リールが存在している。なお、第1停止リールと入賞リプレイ役の種類との関係については、図9を参照して後述する。
【0028】
一方、10枚役に対応する図柄については、次のようになっている。中リール52C及び右リール52Rでは、10枚役A・Bに共通する図柄「黒オレンジ」の最大間隔が4図柄となっている。したがって、中リール52C及び右リール52Rにおける「黒オレンジ」は、停止操作のタイミングに関わらず必ず引込範囲内に存在し、入賞ライン上に停止表示される図柄となっている。
【0029】
左リール52Lでは、10枚役A・Bの一方に対応する特定の種類の図柄「オレンジ」の最大間隔が15図柄以上、10枚役A・Bの何れかに対応する任意の種類の図柄「オレンジ」の最大間隔が6図柄となっている。したがって、左リール52Lにおける「オレンジ」は、停止操作のタイミングによらず2種類のうちのいずれかが必ず引込範囲内に存在することになる。一方、特定の種類の「オレンジ」については、停止操作のタイミングが合致しなければ停止表示させることができないようになっている。
【0030】
このように図柄が配列された10枚役A・Bについては、同時当選したときに何れかの10枚役を必ず入賞できる一方、単独当選したときにその種類が不明であるときの入賞確率は1/2となっている。そして、10枚役の入賞が取りこぼされたときには、高確RT終了図柄である10枚役こぼし図柄(図3参照。)が必ず停止表示されるようになっている。
【0031】
スロットマシン5は、図5に示すごとく、電気的な構成を備えている。スロットマシン5の全体動作を制御する制御部58に対しては、既出の構成のほか、メダル投入口630(図2)から投入されたメダルを検知する投入メダル検知部63、リール52と共に図柄変動表示手段520を構成するリール駆動部521、リール52の回転位置を検知する基準位置検知部632、メダルを受け皿55に払い出すメダル払出部633、付与数表示部551やクレジット表示部552を含む各種表示部634、遊技者の有利度合いを表す設定値を設定するための設定値操作部68、スピーカ57を制御する音声出力部637、及び各種の信号を出力する信号出力部(信号出力手段)635等が電気的に接続されている。
【0032】
リール駆動部521は、ステップ単位で制御可能なステッピングモータ(図示略)を含み、このステッピングモータの回転駆動力によりリール52を回転駆動する手段である。
基準位置検知部632は、各リール52L、C、Rについて基準位置片の通過を検知し、検知信号を出力する検知部である。
設定値操作部68は、設定キー680を利用して、ボーナス役等の内部当選確率が異なる6段階の設定値を変更するための操作部である。
【0033】
制御部58は、図5に示すごとく、CPU581と、メモリ手段であるROM583・RAM584と、入出力インターフェースとしてのI/O部582と、内部当選役抽選用の乱数を抽出する乱数抽出部585と、乱数を発生する乱数発生部586と、を有している。CPU581は、ROM583から読み込みしたソフトウェアプログラムを実行することにより、ゲーム開始許可手段70、内部当選役を抽選する内部抽選手段71、内部当選役に対応する内部当選フラグを制御するフラグ制御手段710、当選確率設定手段711、リール52を制御する表示制御手段72、入賞図柄を判定する入賞判定手段73、入賞に応じてメダルを付与する遊技媒体付与手段74、ボーナス状態発生手段751、高確RT状態発生手段752、低確RT状態発生手段753、AT発動抽選等を実行する特定遊技状態抽選手段761、潜伏期間選択手段762、ATを発動させる特定遊技状態発生手段763、AT情報を報知する報知手段764としての各機能を実現する。
【0034】
RAM584は、残り潜伏ゲーム数を計数する潜伏カウンタ341としての機能を備えている。潜伏カウンタ341には、AT発動までの残りゲーム数である残り潜伏ゲーム数が記憶される。この残り潜伏ゲーム数は、潜伏期間内にゲームが実行される毎に1ゲームずつ減算される。
【0035】
ROM583は、内部抽選手段71が内部当選役の抽選に用いる内部当選役抽選テーブル(図6)、表示制御手段72がリール52の停止制御に用いるリール制御テーブル(図示略)、AT発動抽選に適用するAT発動抽選テーブル(図7)、潜伏期間抽選に適用する潜伏期間選択テーブル(図8)、AT継続抽選に適用するAT継続抽選テーブル(図示略)を記憶している。
【0036】
リール制御テーブルは、入賞ライン上に停止可能な停止位置が規定されたデータテーブルである。
内部当選役抽選テーブルは、図6に示すごとく、0〜65535の内部当選役抽選用の乱数のうち、各役の当選乱数の範囲が規定されたデータテーブルである。内部当選役抽選テーブルとしては、通常状態に適用されるテーブル、低確RT状態に適用されるテーブル、高確RT状態に適用されるテーブルのほか、図示しないボーナス状態に適用されるテーブルがある。なお、同図中、各遊技状態に対応する欄のうち、縦方向の左列は当選乱数の個数を示し、同右列は内部当選確率を分母(1/xのx。)により示している。
【0037】
ボーナス状態を除く各遊技状態の内部当選役抽選テーブルは、設定値毎に用意されている。本例では、内部当選役抽選テーブルを記憶するROM583が、内部当選役を決定するための内部抽選の当選確率を複数段階の設定値に対応付けて規定する当選確率規定手段331としての機能を実現している。
【0038】
通常状態、低確RT状態及び高確RT状態用のテーブルでは、図6に示すごとく、リプレイ役以外の各役の当選乱数が共通している一方、リプレイ役の当選乱数の設定が異なっている。通常状態用のテーブルでは、リプレイ役Aを含めた2種類以上のリプレイ役が同時当選する乱数のみが設定されている。通常状態用のテーブルでは、いずれかのリプレイ役の内部当選確率が1/1.5であり、高確RT状態の契機となるリプレイ役Cの内部当選確率が約1/22となっている。
【0039】
低確RT状態用及び高確RT状態用のテーブルでは、いずれも、リプレイ役Aが単独で内部当選する乱数のみが設定されており、相違点はリプレイ役Aの内部当選確率にある。低確RT状態用のテーブルにおけるリプレイ役Aの内部当選確率が1/7.3であるのに対して、高確RT状態用のテーブルにおける同確率は1/1.5となっている。
【0040】
AT発動抽選テーブルは、図7に示すごとく、AT発動抽選の当選乱数が規定された抽選テーブルである。本例のAT発動抽選テーブルでは、15枚役A〜Cの600個の当選乱数のうちの一部がAT発動抽選の当選乱数(AT当選乱数)として規定されている。なお、AT発動抽選テーブルは、AT当選乱数の個数が設定値に応じて異なっており、高設定値ほど当選確率が高くなっている。それ故、本例のスロットマシン5では、AT発動抽選の抽選結果に応じて、設定値の推測が可能である。
【0041】
潜伏期間選択テーブルは、図8に示すごとく、1〜16ゲームまでの各潜伏ゲーム数(潜伏期間)の当選乱数が規定された抽選テーブルである。潜伏期間選択テーブルでは、0〜255の潜伏期間抽選乱数のうちの各潜伏ゲーム数の当選乱数の個数が、1〜6の設定値毎に規定されている。同図から知られるように、奇数の設定値は、奇数の潜伏ゲーム数の選択率が高く、偶数の設定値は、偶数の潜伏ゲーム数の選択率が高くなっている。また、設定値が高い良い設定ほど、16ゲームなどの大きな潜伏ゲーム数の選択率が高くなっている。本例のスロットマシン5では、AT発動前の潜伏ゲーム数によっても設定値の推測が可能になっている。
【0042】
AT継続抽選テーブル(図示略)は、AT終了乱数が規定された抽選テーブルである。本例では、10枚役ABの同時当選乱数(3000個)のうちの1000個がAT終了乱数として規定されている。なお、本例では、AT終了乱数の設定が全ての設定値について共通となっている。これに代えて、設定値に応じてAT終了乱数の設定を変更しても良い。
【0043】
前記乱数抽出部585は、図5に示すごとく、乱数発生部586が発生する乱数(0〜65535)の中から内部当選役抽選用の乱数を抽出する。本例では、内部当選役抽選用の乱数を利用して、前記AT発動抽選及び前記AT継続抽選を実行している。本例に代えて、AT発動抽選及びAT継続抽選について専用の抽選用乱数を適用することも良い。一方、潜伏期間抽選については、0〜255の範囲の潜伏期間抽選用の乱数を適用して実行している。潜伏期間抽選用の乱数は、AT発動抽選に当選したときに乱数発生部586が発生する乱数(0〜255)の中から乱数抽出部585により抽出される。
【0044】
内部抽選手段71は、図5に示すごとく、内部抽選により内部当選役を決定し、その内部当選役に対応する内部当選フラグを成立させる手段である。内部抽選手段71は、内部当選役抽選テーブル(図6)に規定された各役の当選乱数に対して内部当選役抽選用の乱数を照合し、内部当選役を決定する。内部抽選手段71は、前記内部当選役抽選テーブルのうちの何れかを遊技状態に応じて選択的に利用する。
【0045】
当選確率設定手段711は、内部抽選手段71による内部抽選の当選確率を設定する手段である。具体的には、当選確率設定手段711は、ROM583に記憶された設定値毎の内部当選役抽選テーブル(例えば、図6)のうち、前記設定値操作部68を介して設定された設定値に対応する内部当選役抽選テーブルを選択して内部抽選手段71に適用する。
【0046】
フラグ制御手段710は、内部抽選手段71が決定した内部当選役に対応する内部当選フラグを制御する手段である。フラグ制御手段710は、ボーナス役以外の他の役の内部当選フラグについては、当該内部当選フラグが初めて成立したゲームで入賞したか否かに関わらず次のゲームを開始するまでにオフ状態(ゼロ)にリセットする。したがって、ボーナス役以外の各役が内部当選したゲームで入賞しなかった場合、全て取りこぼしとなる。一方、ボーナス役の内部当選フラグであるボーナス役フラグについては、入賞するまで、内部当選フラグの成立状態が次回のゲームに順次、持ち越され、入賞に応じてオフ状態にリセットされる。
【0047】
特定遊技状態抽選手段761は、AT発動抽選及びAT継続抽選を実行する手段である。AT発動抽選は、低確RT状態下で特定役である15枚役A〜Cの何れかが単独で内部当選したとき、そのときの内部当選役抽選用の乱数を前記AT発動抽選テーブル(図7)と照合することにより実行される。AT継続抽選は、AT有りの高確RT状態であるART状態下の各ゲームで抽出された内部当選役抽選用の乱数を前記AT継続抽選テーブル(図示略)と照合することにより実行される。
【0048】
潜伏期間選択手段762は、AT発動までの潜伏期間を選択するための潜伏期間抽選を実行する手段である。潜伏期間選択手段762は、AT発動抽選の当選に応じて乱数抽出部585が抽出した潜伏期間抽選用の乱数(0〜255)を潜伏期間選択テーブル(図8)と照合することにより、潜伏期間抽選を実行する。
【0049】
ゲーム開始許可手段70は、図5に示すごとく、規定数のメダルがゲームに賭けられたときにゲームの開始を許可する手段である。ゲーム開始許可手段70は、メダルの直接投入、あるいはベットボタン64の操作により、規定数のメダルが賭けられたときにゲームの開始を許可する。ゲームの開始が許可されると、スタートレバー62を有効に操作できゲームを開始できる状態となる。なお、リプレイ役が入賞した場合には、メダルの直接投入、あるいはベット操作がされなくても、次のゲームに対して自動的に規定数のメダルが賭けられる。本例では、ボーナス状態であるか否かに応じて規定数が異なっており、ボーナス状態では2枚、ボーナス状態以外の遊技状態では3枚となっている。
【0050】
表示制御手段72は、図5に示すごとく、ゲームの開始が許可された状態でスタートレバー62が操作されたときにリール52の図柄変動を開始し、ストップボタン61の操作に応じてリール52の図柄変動を停止させる手段である。表示制御手段72は、リール駆動部521を構成するステッピングモータに制御パルスを入力し、1パルス毎に1ステップずつステッピングモータを回転させる。表示制御手段72は、リール駆動部521に入力した制御パルス数、すなわちステッピングモータが回転したステップ数をカウントする。特に、本例の表示制御手段72は、各リール52の基準位置片の検知信号を取り込むごとにステップ数をゼロリセットすることで、直近の検知信号の後に生じたステップ数をカウントしている。
【0051】
表示制御手段72は、規則(遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則)等が定める所定の引込範囲内の図柄を入賞ライン上に停止させる、いわゆる引込制御を実行する。本例では、前記のごとく、引込範囲として4図柄分に相当する範囲が設定されている。表示制御手段72は、入賞ライン上に停止可能な停止位置が規定されたリール制御テーブルに対してストップボタン61が操作された時のステップ数を照合し、停止位置を決定する。表示制御手段72は、内部当選フラグに対応する図柄をその停止位置に引き込んでリール52を停止させる。
【0052】
入賞判定手段73は、図5に示すごとく、3基のリール52L、C、Rが停止表示する図柄の組合せが所定の入賞図柄であるか否かを判定する手段である。具体的には、入賞判定手段73は、3基のリール52L、C、Rを横断するように設定された入賞ライン511〜515上に停止した図柄の組合せに応じて入賞役を判定する。入賞判定手段73は、各リール52L、C、Rが停止した後、対応する各ステッピングモータ(リール駆動部521)のステップ数を取り込む。入賞判定手段73は、このステップ数に基づき入賞ライン511〜515上に停止した図柄525の種類を求め、その図柄525の組合せについて入賞役が成立するか否かを判定する。
【0053】
遊技媒体付与手段74は、入賞判定手段73により判定された入賞役に対応する数の遊技媒体を付与する手段である。例えば、15枚役が入賞役である場合には15枚のメダルを付与する(図3参照)。但し、ボーナス状態では、リプレイ役を除く全ての小役について、15枚のメダルの付与が設定されている。
【0054】
ボーナス状態発生手段751は、ボーナス役の入賞に応じてボーナス状態を発生させると共に、所定の終了条件の成立に応じてボーナス状態を終了させる手段である。ボーナス状態としては、BB役の入賞に応じたBB状態と、RB役の入賞に応じたRB状態がある。BB状態の終了条件は、付与したメダルが300枚を超過したことであり、RB状態の終了条件は、付与したメダルが100枚を超過したことである。
【0055】
低確RT状態発生手段753は、リプレイ役の入賞確率が低く遊技者にとって不利な低確RT状態を発生させる手段である。低確RT状態発生手段753は、低確RT図柄であるリプレイ役Aの入賞図柄が通常状態下で停止表示されたときに低確RT状態を発生させる。低確RT状態は、消化ゲーム数が32ゲームに達するか、あるいはBB役及びRB役の何れかが内部当選したときに終了する。
【0056】
高確RT状態発生手段752は、リプレイ役の入賞確率が高く遊技者にとって有利な高確RT状態を発生させる手段である。高確RT状態発生手段752は、高確RT図柄であるリプレイ役Cの入賞図柄が通常状態下で停止表示されたときに高確RT状態を発生させる。高確RT状態は、高確RT終了図柄である10枚役こぼし図柄が停止表示されるか、あるいはBB役及びRB役の何れかが内部当選したときに終了する。
【0057】
特定遊技状態発生手段763は、特定遊技状態であるATを発動させる手段である。特定遊技状態発生手段763は、AT発動抽選に当選したとき、前記潜伏期間抽選により選択された潜伏期間が経過した後でATを発動させる。その後、通常状態を経由して高確RT状態へ移行した場合には、前記AT継続抽選がハズレになるか、あるいは高確RT状態の終了に応じて通常状態へ復帰するまで、ATを継続させる。一方、ATの発動後、通常状態から高確RT状態へ移行できずに低確RT状態へ転落した場合には、その時点でATを終了させる。なお、ART状態下でBB役又はRB役に内部当選して高確RT状態が終了した場合、対応するボーナス状態が終了するまでの間、ATを中断し、通常状態への復帰に応じて再度、ATを発動させる。
【0058】
報知手段764は、AT発動中に何れかの役の入賞を補助するAT情報を報知する手段である。通常状態下でリプレイ役が同時当選したときには、リプレイ役A以外のリプレイ役を入賞させるためのAT情報が報知される。具体的には、入賞図柄が低確RT図柄であるリプレイ役Aの入賞を回避するための第1停止リールが報知される。このようなAT情報の報知があれば、リプレイ役Aの入賞を回避でき、他のリプレイ役を入賞させることができる。また、低確RT状態及び高確RT状態では、10枚役A・Bが単独で内部当選したとき、その10枚役の種類がAT情報として報知される。特に、高確RT状態では、単独で内部当選した10枚役を入賞させることにより、高確RT終了図柄である10枚役こぼし図柄を回避できる。
【0059】
ここで、通常状態下でリプレイ役の同時当選パターンが発生したときの第1停止リールに応じた入賞リプレイ役の振り分けについて、図9を参照して説明する。
例えば、リプレイ役A・B・Cの同時当選パターンにおいて第1停止リールが左リール52L又は中リール52Cであった場合には、リプレイ役Aが入賞する。一方、第1停止リールが右リール52Rであった場合には、リプレイ役Cが入賞する。このとき、右リール52Rを第1停止リールとすべき旨のAT情報は、高確RT図柄であるリプレイ役Cの入賞図柄を停止表示させるための補助情報であると共に、低確RT図柄であるリプレイ役Aの入賞図柄を回避するための回避情報となる。
【0060】
次に、以上のように構成されたスロットマシン5の遊技状態の遷移について、図10の状態遷移図を参照して説明する。
(通常状態)
通常状態は、ボーナス状態を含む他の遊技状態の終了に応じて発生する初期状態である。通常状態は、高確RT図柄(リプレイ役Cの入賞図柄)あるいは低確RT図柄(リプレイ役Aの入賞図柄)の停止表示に応じて終了し、高確RT状態、低確RT状態への移行が発生する。また、BB役あるいはRB役の入賞によっても終了し、ボーナス状態であるBB状態かRB状態へ移行する。
【0061】
AT有りの通常状態では、リプレイ役の同時当選に応じてリプレイ役A以外のリプレイ役を入賞させるためのAT情報の報知が実行される。具体的には、図11の通常状態画面81の表示により、入賞図柄が低確RT図柄であるリプレイ役Aの入賞を回避するための第1停止リールが報知される。通常状態画面81は、リプレイ役A以外のリプレイ役を入賞させる第1停止リールを報知する第1停止報知欄811と、AT発動後の獲得メダル数(付与数−賭け数)を表示する獲得数表示欄812と、報知に応じて入賞するリプレイ役の種類を報知するリプレイ役報知欄814と、を組み合わせてなる。入賞図柄が低確RT図柄であるリプレイ役Aの入賞を回避できれば、低確RT状態への移行を回避しつつ高確RT状態への移行を待機できる。
【0062】
なお、ART状態下でBB役又はRB役の内部当選に応じて通常状態へ復帰したときには、まず、ATなしの通常状態となる。その後、そのBB役又はRB役の入賞を契機としたボーナス状態が終了して通常状態に復帰したとき、潜伏することなく直ちにATが発動してAT有りの通常状態となる。したがって、ART状態下でBB役又はRB役が内部当選したときは、対応するボーナス状態が終了した後、AT有りの通常状態を経由して再度、ART状態へ移行できる可能性が高い。
【0063】
(低確RT状態)
低確RT状態は、消化ゲーム数が32ゲームに達するか、あるいはBB役又はRB役が内部当選したときに終了し、通常状態へ復帰する。低確RT状態では、AT発動抽選が実行される。このAT発動抽選に当選すると、さらに、潜伏期間抽選が実行され、AT発動までの潜伏ゲーム数が潜伏期間として選択される。ATが発動すると、図示しない報知画面が液晶表示部638に表示され、単独で内部当選した10枚役の種類を示すAT情報が報知される。
【0064】
(高確RT状態)
高確RT状態は、高確RT終了図柄(10枚役こぼし図柄)の停止表示、あるいはBB役及びRB役の何れかの内部当選に応じて終了し、通常状態へ復帰する。AT無しの通常状態から高確RT状態へ移行したときには、AT無しの高確RT状態である自力RT状態となる。一方、AT有りの通常状態から高確RT状態へ移行したときには、そのまま継続的にATが発動してART状態となる。
【0065】
ART状態では、10枚役A・Bが単独で内部当選したときの10枚役こぼし図柄を回避するためのAT情報の報知が実行される。具体的には、図12のRT中画面82の表示により、内部当選した10枚役の種類が報知される。RT中画面82は、高確RT状態が発生中である旨を報知する状態報知欄824と、内部当選した10枚役の種類を報知する内部当選役報知欄821と、AT発動後の獲得メダル数(付与数−賭け数)を表示する獲得数表示欄822と、を組合せてなる。同図は、10枚役Aが内部当選した旨のAT情報を報知するRT中画面である。
【0066】
一方、前記自力RT状態では、図13のRT中画面83のごとく、10枚役が内部当選した旨が報知されるのみで、その種類は報知されない。RT中画面83は、高確RT状態が発生中である旨を報知する状態報知欄834と、何れかの10枚役が内部当選した旨を報知する内部当選役報知欄831と、高確RT状態へ移行した後の獲得メダル数(付与数−賭け数)を表示する獲得数表示欄832と、を組合せてなる。
【0067】
以上のように構成されたスロットマシン5が、信号出力部635(図5)を介して表示装置1に向けて外部出力する信号としては、以下の各信号がある。
(1)セーフ信号:入賞に応じてメダルが1枚払い出される毎に出力される信号(遊技媒体信号)。
(2)アウト信号:ゲームに使用されたメダル数分、ゲームの開始に応じて出力される信号。
(3)RB信号:RB状態の発生中に出力される信号。
(4)BB信号:BB状態の発生中に出力される信号。
(5)RT信号:高確RT状態の発生中に出力される信号。
(6)AT信号:AT発動中に出力される信号(特定遊技状態信号)。
【0068】
次に、表示装置1について説明する。表示装置1は、図14に示すごとく、スロットマシン5の上側のスペースに配設される横長の装置である。表示装置1の正面では、データ表示部15を中心として、左右両側に装飾ランプ163が配置されている。左側の装飾ランプ163の下には呼出ボタン161が配置され、右側の装飾ランプ163の下にはデータ切換ボタン162が配置されている。
【0069】
表示装置1の内部には、図15に示すごとく、演算処理を実行するCPU11を含む制御部10のほか、ハードディスクドライブ(HDD)、ROM、RAM等を含む記憶部12、及び各種信号あるいは情報の入出力経路をなす通信ポート(図示略)を含む送受信部(I/O)13が収容されている。表示装置1は、送受信部13を介して通信ネットワーク40(図1)に接続されている。
【0070】
送受信部13は、スロットマシン5が外部出力する信号を受信する信号受信手段131としての機能を備えている。本例の信号受信手段131がスロットマシン5側から取り込む信号としては、上記のごとく、セーフ信号、アウト信号、BB信号、RB信号、RT信号、AT信号がある。
【0071】
記憶部12は、スロットマシン5の遊技データを記憶する遊技データ記憶手段122としての機能を備えている。遊技データ記憶手段122が記憶する遊技データとしては、以下のデータがある。
(1)累計ゲーム数:当日、非ボーナス状態(通常状態、低確RT状態、高確RT状態)において実行された累計のゲーム数。
(2)通常ゲーム数:累計ゲーム数のうち、通常状態及び低確RT状態において実行された累計のゲーム数。
(3)BB回数:BB状態の発生回数。
(4)RB回数:RB状態の発生回数。
(5)ARTゲーム数:AT有りの高確RT状態において実行された累計のゲーム数。
(6)ART回数:AT有りの通常状態からAT有りの高確RT状態への移行回数。
(7)潜伏ゲーム数:AT発動抽選に当選してからAT発動までの潜伏期間に実行されたゲーム数。
(8)累計潜伏ゲーム数:当日の潜伏ゲーム数の累計。
(9)第1差枚数(第1遊技媒体数):AT発動後、AT終了までに遊技者が獲得したメダル数(付与数−賭け数)の当日の累計。
(10)第2差枚数(第2遊技媒体数):潜伏期間が開始されてからAT終了までの遊技者が獲得したメダル数(付与数−賭け数)の当日の累計。
【0072】
CPU11は、ソフトウェアの実行により、上記(1)〜(6)の各遊技データを生成する遊技データ生成手段110、潜伏期間の開始及び終了を判定する潜伏判定手段111、潜伏期間の長さを特定する潜伏期間特定手段112、遊技者が獲得したメダル数を計数する遊技媒体数計数手段114、115、潜伏ゲーム数等を表示するデータ表示手段116としての機能を備えている。
【0073】
潜伏判定手段111は、15枚役の入賞に応じて潜伏期間の開始を判定し、AT信号の受信開始に応じて潜伏期間の終了を判定する手段である。潜伏判定手段111は、セーフ信号を15回連続的に受信したときに15枚役の入賞を検知し、これにより、潜伏期間の開始を判定する。潜伏判定手段111は、その後、AT信号の受信開始に応じて潜伏期間の終了を判定する。但し、潜伏ゲーム数が16ゲーム(最長の潜伏ゲーム数)に到達してもAT信号を受信できなかった場合には、潜伏期間ではなかった(ATが当選していなかった)と判定し、潜伏期間の終了判定を行わない。なお、AT信号を受信する前に再度15枚役の入賞を検知したときは、その時点から改めて潜伏期間の開始を判定する。従って、前回の15枚役の内部当選時にATが当選していた場合には、潜伏ゲーム数が実際の潜伏ゲーム数よりも短くなるので、そのような可能性がある旨を遊技者に対して表示するとよい。
【0074】
潜伏期間特定手段112は、潜伏期間内に実行された前記(7)潜伏ゲーム数をもって、潜伏期間の長さを特定する手段である。潜伏期間特定手段112は、潜伏判定手段111による潜伏期間の開始判定に応じて潜伏ゲーム数の計数を開始し、潜伏期間の終了判定に応じて潜伏ゲーム数を確定させる。但し、潜伏ゲーム数が16ゲームを超過して潜伏期間の終了判定が行われなかった場合には、潜伏期間ではなかったとして潜伏ゲーム数を確定せずにゼロリセットする。なお、確定した潜伏ゲーム数は、前記(8)累計潜伏ゲーム数に累積加算される。
【0075】
遊技データ生成手段110は、以下に説明する方法で上記(1)〜(6)の各遊技データを生成する。
(1)累計ゲーム数:非ボーナス状態(通常状態、低確RT状態、高確RT状態)においてアウト信号を3回連続的に受信したときにゲームスタートを検知し、検知する毎に1ゲームずつ加算される。
(2)通常ゲーム数:通常状態又は低確RT状態においてアウト信号を3回連続的に受信したときにゲームスタートを検知し、検知する毎に1ゲームずつ加算される。
(3)BB回数:BB信号の非受信状態から受信状態への切換毎に1回ずつ加算される。
(4)RB回数:RB信号の非受信状態から受信状態への切換毎に1回ずつ加算される。
(5)ARTゲーム数:AT信号及びRT信号の受信状態においてアウト信号を3回連続的に受信したときにゲームスタートを検知し、検知する毎に1ゲームずつ加算される。
(6)ART回数:AT信号の受信状態下でRT信号の受信が開始されたときに1回ずつ加算される。
【0076】
遊技媒体数計数手段114、115は、遊技者が獲得したメダル数、すなわち差枚数(付与数−賭け数)を計数する手段である。第1遊技媒体数計数手段114は、前記(9)第1差枚数(第1遊技媒体数)を計数する。この第1差枚数は、AT信号の受信中、セーフ信号を受信する毎に1枚ずつ加算され、アウト信号を受信する毎に1枚ずつ減算される。
第2遊技媒体数計数手段115は、前記(10)第2差枚数(第2遊技媒体数)を計数する。潜伏期間の差枚数は、セーフ信号の受信に応じて1枚ずつ加算され、アウト信号の受信に応じて1枚ずつ減算され、その後、前記潜伏判定手段111により潜伏期間の終了が判定されたときに確定し、第2差枚数に加算される。一方、潜伏期間の終了が判定されなかった場合には、潜伏期間に計数された差枚数は、第2差枚数に加算されることなくリセットされる。第2差枚数は、AT信号の受信中では、セーフ信号の受信に応じて1枚ずつ加算され、アウト信号の受信に応じて1枚ずつ減算される。
【0077】
データ表示手段116は、各種の遊技データをデータ表示部15に表示する手段である。データ表示手段116が表示する表示画面としては、図16に示す基本データ表示画面151と、図17に示すARTデータ表示画面152と、がある。基本データ表示画面151及びARTデータ表示画面152は、データ切換ボタン162の操作により相互に切り換えられる。
【0078】
基本データ表示画面151は、図16に示すごとく、当日の遊技データを表示する画面である。基本データ表示画面151には、(1)累計ゲーム数の表示欄151A、(2)通常ゲーム数の表示欄151B、(3)BB回数の表示欄151D、(4)RB回数の表示欄151E、(5)ARTゲーム数の表示欄151C、(6)ART回数の表示欄151Fが配置されている。
【0079】
ARTデータ表示画面152は、図17に示すごとく、潜伏期間やARTに関する遊技データを表示する画面である。ARTデータ表示画面152には、(5)ARTゲーム数の表示欄152B、(6)ART回数の表示欄152A、(8)累計潜伏ゲーム数の表示欄152F、(9)第1差枚数の表示欄152D、(10)第2差枚数の表示欄152Hのほか、ART平均ゲーム数の表示欄152C、ART確率の表示欄152E、潜伏平均ゲーム数の表示欄152Gが配置されている。ここで、累計潜伏ゲーム数の表示欄152Fは、潜伏期間表示手段116Aによる表示欄である。第1差枚数の表示欄152D、及び第2差枚数の表示欄152Hは、遊技媒体数表示手段116Bによる表示欄である。
【0080】
ART平均ゲーム数の表示欄152Cには、(5)ARTゲーム数を(6)ART回数により除算した平均のゲーム数が表示される。ART確率の表示欄152Eには、(6)ART回数を(1)累計ゲーム数により除算した確率値が表示される。潜伏平均ゲーム数の表示欄152Gには、(8)累積潜伏ゲーム数を(6)ART回数により除算した平均のゲーム数が表示される。
【0081】
以上のように構成された遊技情報表示装置1によれば、ATが発動する前の潜伏期間の開始及び終了を判定することにより、潜伏期間中の遊技データの集計、表示が可能になっている。潜伏期間の遊技データを把握できれば、ATを効率良く発動させているか否かを遊技者が判断できるようになる。
【0082】
このように本例の遊技情報表示装置1は、潜伏期間を経てAT等の特定遊技状態を発生させるスロットマシン5に対応する遊技情報表示装置であって、潜伏期間の長さを客観的に把握したいという遊技者側のニーズに対応できる遊技情報表示装置である。
【0083】
なお、本例では、15枚役の入賞を検知できたときに潜伏ゲーム数の計数を開始している。一方、15枚役が内部当選しても入賞しなかった場合(取りこぼされた場合)はセーフ信号が出力されないので、潜伏ゲーム数の計数を開始できない。15枚役の入賞を検知することなくATの発生が検知された回数を潜伏期間不明回数として計数して表示することも良い。この場合には、潜伏期間不明回数を考慮した上で、潜伏ゲーム数の多寡を判断できるようになる。
【0084】
なお、本例では、AT発動抽選の契機となる特定役として15枚役を設定した例である。特定役は、本例の15枚役に限定されず、どのような種類の役であってもよい。また、内部当選しても入賞しない、いわゆる取りこぼす可能性がある役を特定役として設定した場合には、入賞を条件としてAT発動抽選を実行することもできる。
【0085】
また、ATの終了条件は、本例に限定されず、他の終了条件を採用することもできる。例えば、ATを発動させるに当たって、予め継続ゲーム数を決定しておき、その継続ゲーム数が消化された時点でATを終了するのも良い。
また、本例では、特定遊技状態としてATを採用したが、特定遊技状態としては、遊技者にとって有利な状態であれば良く、どのような遊技状態であっても良い。例えば、CT(チャレンジタイム)などを特定遊技状態として採用しても良い。
【0086】
なお、本例では、低確RT図柄及び高確RT図柄として、リプレイ役の入賞図柄が設定されている。当然ながら、リプレイ役の入賞図柄には限定されない。
また、本例は、低確RT状態下のAT発動抽選に当選しない限り、通常状態下でATが発動しない例である。本例に代えて、AT発動抽選に当選しない場合にも、通常状態下でATが発動する場合を設定しても良い。
【0087】
なお、本例は、ゲームの実行を表す遊技信号として、アウト信号を利用した例である。本例に代えて、スタートレバー62が有効に操作された旨を表す操作信号を利用してゲームの実行を検知することもできる。
また、本例では、ATの発動中にAT信号を出力するスロットマシン5の例であるが、ATを検知するための方法は、AT信号に基づく方法には限定されない。例えば、AT発動時に発光する発光手段を備えたスロットマシンであれば、発光手段の発光を光センサで検知してATの発動を検知することもできる。
【0088】
以上のごとく本発明の実施例を詳細に説明したが、これらの実施例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、実施例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して実施例を多様に変形あるいは変更した技術を包含している。
【符号の説明】
【0089】
1 遊技情報表示装置(表示装置)
100 遊技場管理システム(管理システム)
110 遊技データ生成手段
111 潜伏判定手段
112 潜伏期間特定手段
114 第1遊技媒体数計数手段
115 第2遊技媒体数計数手段
116 データ表示手段
116A 潜伏期間表示手段
116B 遊技媒体数表示手段
122 遊技データ記憶手段
131 信号受信手段
15 データ表示部
151 基本データ表示画面
152 ARTデータ表示画面
5 スロットマシン
520 図柄変動表示手段
61 ストップボタン(停止操作手段)
62 スタートレバー(ゲーム開始操作手段)
635 信号出力部(信号出力手段)
71 内部抽選手段
73 入賞判定手段
762 潜伏期間選択手段
763 特定遊技状態発生手段
764 報知手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、入賞をアシストする機能である、いわゆるAT機能を備えたスロットマシンに対応して個別に設けられる遊技情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、特定役の内部当選に応じてAT(アシストタイム)の内部抽選を実行し、ATが内部当選した場合に、所定の潜伏期間を経由してATを発動するタイプのスロットマシンが知られている(例えば、特許文献1参照。)。このような潜伏期間の設定目的の一つは、特定役が入賞してから潜伏期間が経過するまでの間、ATに対する遊技者の期待感を持続させて遊技の興趣を高めることにある。
【0003】
しかしながら、前記従来のスロットマシンでは、次のような問題がある。すなわち、潜伏期間中の遊技状態は、通常状態と同様に入賞確率が低い状態であるので、遊技者にとっては潜伏期間が短い方が望ましく、その長さが関心事となっている一方、潜伏期間の長さを客観的に把握できないことに不満を感じる遊技者が多く存在しているという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−334448号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、潜伏期間を経てAT等の特定遊技状態を発生させるスロットマシンに対応する遊技情報表示装置であって、潜伏期間の長さを客観的に把握したいという遊技者側のニーズに対応できる遊技情報表示装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、複数の図柄表示領域において複数種類の図柄を所定の配列に従って変動表示する図柄変動表示手段と、
遊技媒体が投入された状態でゲームを開始するために遊技者が操作するゲーム開始操作手段と、
前記ゲーム開始操作手段が操作されたときに、特定役を含む複数種類の役の中から内部当選役を決定するための内部抽選を実行する内部抽選手段と、
前記図柄変動表示手段による図柄の変動表示を停止させるために遊技者が操作する停止操作手段と、
前記停止操作手段が操作されたときに、前記内部当選役に対応する図柄を予め規定された引込範囲内で引き込んで前記図柄表示領域に停止表示させる表示制御手段と、
前記図柄変動表示手段の各図柄表示領域に停止表示された図柄の組合せに基づいて入賞が発生したか否かを判定する入賞判定手段と、
前記入賞判定手段により入賞が発生したと判定されたときに、当該入賞に対応する数の遊技媒体を遊技者に付与する遊技媒体付与手段と、
前記特定役が内部当選役として決定されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させるか否かを決定するための内部抽選を実行する特定遊技状態抽選手段と、
該特定遊技状態抽選手段により特定遊技状態を発生させることが決定されたときに、長さが異なる複数の潜伏期間の中から何れか1つの潜伏期間を抽選により選択する潜伏期間選択手段と、
該潜伏期間選択手段により選択された潜伏期間が経過したときに、前記特定遊技状態を発生させる特定遊技状態発生手段と、を備えたスロットマシンに付設される遊技情報表示装置において、
前記潜伏期間の開始及び終了を判定する潜伏判定手段と、
該潜伏判定手段による判定結果に基づいて、前記潜伏期間が開始してから終了するまでの長さを特定する潜伏期間特定手段と、
該潜伏期間特定手段により特定された潜伏期間の長さを表示する潜伏期間表示手段と、を備えたことを特徴とする遊技情報表示装置にある(請求項1)。
【0007】
本発明の遊技情報表示装置では、前記潜伏判定手段が前記潜伏期間の開始及び終了を判定し、前記潜伏期間特定手段が、前記潜伏期間の長さを特定する。そして、前記潜伏期間表示手段が、特定された前記潜伏期間の長さを表示する。
本発明の遊技情報表示装置が表示する前記潜伏期間の長さに基づけば、前記特定遊技状態を効率良く発生できているか否かを遊技者が把握可能である。表示された前記潜伏期間が短ければ効率が良く、長ければ効率が悪いということになる。
【0008】
このように本発明の遊技情報表示装置は、前記潜伏期間を経て前記特定遊技状態を発生させるスロットマシンに対応する遊技情報表示装置であって、前記潜伏期間の長さを客観的に把握したいという遊技者側のニーズに対応可能な遊技情報表示装置である。
【0009】
本発明の遊技情報表示装置に組み合わせるスロットマシンとしては、メダルやコインを遊技媒体とした狭義のスロットマシンのほか、パチンコ玉を遊技媒体としたパロット(R)などであっても良い。
なお、前記特定遊技状態としては、特定役の内部当選確率を高めた遊技状態、特定役の入賞を補助するための情報を遊技者に報知する遊技状態等を設定できる。
【0010】
また、前記特定遊技状態が開始してから終了するまでの期間において遊技者が獲得した第1遊技媒体数を計数する第1遊技媒体数計数手段と、
前記潜伏期間が開始してから前記特定遊技状態が終了するまでの期間において遊技者が獲得した第2遊技媒体数を計数する第2遊技媒体数計数手段と、
前記第1遊技媒体数及び前記第2遊技媒体数を表示する遊技媒体数表示手段と、を備えていることが好ましい(請求項2)。
【0011】
前記潜伏期間は、遊技の継続に応じて手持ちの遊技媒体が減っていく可能性が高い遊技期間である一方、前記特定遊技状態は、遊技の継続に応じて手持ちの遊技媒体が増えていく有利な遊技状態である。前記潜伏期間が短期間であるほど、前記第1遊技媒体数と前記第2遊技媒体数との差分が小さくなる。この差分が小さいほど、短期間の潜伏状態を経て効率良く前記特定遊技状態を発生できたことになる。
【0012】
また、前記スロットマシンは、入賞に応じて付与する遊技媒体数を特定可能な遊技媒体信号、及び前記特定遊技状態の発生を示す特定遊技状態信号を出力可能な信号出力手段を備え、
前記潜伏判定手段は、受信した前記遊技媒体信号により特定された遊技媒体数が、前記特定役の入賞に応じて付与される遊技媒体数と一致したときに前記潜伏期間が開始したと判定し、前記特定遊技状態信号の受信に応じて前記潜伏期間が終了したと判定することが好ましい(請求項3)。
この場合には、スロットマシン側から受信した前記遊技媒体信号及び特定遊技状態信号に基づいて前記潜伏期間の開始及び終了を確実性高く判定できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例における、遊技情報表示装置を含む遊技情報管理システムの構成を示すブロック図。
【図2】実施例における、スロットマシンの外観を示す正面図。
【図3】実施例における、スロットマシンの役、入賞図柄、利益を示す説明図。
【図4】実施例における、リールの外周に配置された図柄の配列を展開して示す展開図。
【図5】実施例における、スロットマシンの電気的な構成を示すブロック図。
【図6】実施例における、内部当選役抽選テーブルの一部を示す説明図。
【図7】実施例における、AT発動抽選テーブルを示す説明図。
【図8】実施例における、潜伏期間選択テーブルを示す説明図。
【図9】実施例における、リプレイ役が同時当選したときの第1停止リール毎の入賞振り分けを説明する説明図。
【図10】実施例における、遊技状態の遷移を説明する状態遷移図。
【図11】実施例における、AT発動時の通常状態画面を示す正面図。
【図12】実施例における、AT発動時のRT中画面を示す正面図。
【図13】実施例における、AT非発動時のRT中画面を示す正面図。
【図14】実施例における、遊技情報表示装置の正面図。
【図15】実施例における、遊技情報表示装置の構成を示すブロック図。
【図16】実施例における、基本データ表示画面を示す正面図。
【図17】実施例における、ARTデータ表示画面を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例)
本例は、スロットマシン5(遊技機)に対応して個別に設けられる遊技情報表示装置1に関する例である。この内容について、図1〜図17を用いて説明する。
【0015】
本例の遊技情報表示装置1(以下、表示装置1という。)は、図1に示すごとく、貸出用のメダルを払い出す貸出装置3と共にスロットマシン5に対して個別に設けられている。遊技場では、表示装置1、貸出装置3及びスロットマシン5の組合せが、遊技場管理装置(管理装置)2により管理され、全体として遊技場管理システム(管理システム)100が形成されている。この管理システム100では、図1に示すごとく、管理装置2のほか、スロットマシン5毎に設けられた貸出装置3及び表示装置1が通信ネットワーク40に接続されている。スロットマシン5は、表示装置1を介して通信可能な状態で通信ネットワーク40に接続されている。
【0016】
まず、本例のスロットマシン5について説明する。スロットマシン5は、図2に示すごとく外観的な構成を有している。スロットマシン5の前面部分は、略矩形状の図柄表示窓51を略中央に設けた前面枠体50によって形成されている。前面枠体50は、図柄表示窓51の上側に、液晶表示部638、左右一対のスピーカ57及び装飾ランプ部636を配置してなる。図柄表示窓51の下側には、スロットマシン5の基部をなすベース部500が形成されている。図柄表示窓51の右側には、メダル(遊技媒体)の払出数を表示する払出数表示部551、及びクレジット数を表示するクレジット表示部552が配置されている。
【0017】
ベース部500は、遊技者から奥まって位置する図柄表示窓51に相対して張り出すように形成されている。ベース部500は、図柄表示窓51に隣り合う上端部に棚面状の操作面54を有し、下端部にメダル受け皿55を有し、操作面54の下側に隣接して操作パネル53を有している。
【0018】
操作面54には、クレジット機能によりクレジット(貯留)されたメダルを投入するためのベットボタン64と、クレジットされたメダルを払い出させるための精算ボタン65と、メダルを直接投入するためのメダル投入口630と、が配置されている。操作パネル53には、リール52の図柄変動を開始させるためのスタートレバー62(ゲーム開始操作手段)、図柄変動を停止させるためのストップボタン61(停止操作手段)が配置されている。
【0019】
図柄表示窓51は、図2に示すごとく、図柄表示領域510L、C、Rを含む表示窓である。各図柄表示領域510L、C、Rは、いずれも3図柄分の図柄表示領域である。図柄表示窓51全体では、3行3列よりなる2次元マトリクス状に配置された9図柄分の図柄表示領域が形成されている。2次元マトリクス状に9個の図柄525が配置される図柄表示領域においては、入賞の対象となる入賞図柄の並び方向である入賞ライン511〜515が設定されている。
【0020】
各図柄表示領域510L、C、Rの裏側には、図柄変動表示手段520を構成するリール52L、C、Rがそれぞれ配置されている。詳しくは図4を参照して後述するごとくリール52L、C、Rは、円柱形状の外周面に略一定の間隔を空けて21個の図柄525が配置された回転式のリールである。リール52L、C、Rにそれぞれ個別に対応するストップボタン61として、左ストップボタン61L、中ストップボタン61C、右ストップボタン61Rが設けられている。
液晶表示部638は、液晶ディスプレイよりなる。液晶表示部638は、遊技を演出するための各種の演出画面や、遊技データを表示する表示画面などを表示可能である。
【0021】
本例のスロットマシン5では、図3に示すごとく、ボーナス役(BB役、RB役)、15枚役A〜C及び10枚役A・Bよりなる複数種類の小役のほか、リプレイ役A〜Eが設定されている。図3では、左列に各役の名称を、中列に各役に対応する図柄525の組合せである入賞図柄を、右列に入賞に応じて遊技者に付与される利益を示してある。利益としては、同図中「利益」欄の左側(3BET)に示す非ボーナス状態下の利益と、同右側(2BET)に示すボーナス状態下の利益と、を示してある。
【0022】
本例では、リプレイ役Aの入賞図柄が低確RT状態(後述)への移行契機となる低確RT図柄となっており、リプレイ役Cの入賞図柄が高確RT状態(後述)への移行契機となる高確RT図柄となっている。また、10枚役を取りこぼしたときに100%の確率で停止表示される10枚役こぼし図柄が高確RT状態の終了契機となる高確RT終了図柄となっている。なお、本例では、通常状態下のリプレイ役、及び低確RT状態・高確RT状態下の10枚役が、ATの報知対象役となっている。
【0023】
ここで、ATの報知対象役であるリプレイ役及び10枚役の入賞図柄を説明する。図3のごとく、リプレイ役Aの入賞図柄は、図柄「R」のゾロ目である。リプレイ役Aの入賞図柄を元にして右リール52Rを図柄「黒オレンジ」に置換すればリプレイ役Bの入賞図柄となり、図柄「スイカ」に置換すればリプレイ役Cの入賞図柄となる。
【0024】
10枚役Aの入賞図柄は「黒オレンジ」のゾロ目である。10枚役Aの入賞図柄を元にして左リール52Lの図柄を「白オレンジ」に置換した組み合わせが10枚役Bの入賞図柄となっている。さらに、左リール52Lの図柄を図柄「R」に置換した組合せが10枚役こぼし図柄となっている。
【0025】
本例のスロットマシン5では、各リール52L、C、Rの図柄が図4に示すごとく配列されている。左リール52L及び中リール52Cでは、リプレイ役A〜Cに共通する図柄「R」の最大間隔が4図柄となっている。ここで、本例のスロットマシン5では、後述するごとくリール52が停止する際の引込範囲として4図柄分に相当する範囲が設定されている。また、図柄表示領域510L、510Cでは、上段中段下段の3図柄分に渡って入賞ラインが設定されている(図2参照。)。したがって、左リール52L及び中リール52Cにおける「R」は、停止操作のタイミングに関わらず必ず引込範囲内に存在し、入賞ライン上に停止表示される図柄となっている。
【0026】
右リール52Rでは、リプレイ役A〜Cにそれぞれ対応する図柄「R」、図柄「黒オレンジ」及び図柄「スイカ」について、最大間隔がいずれも4図柄となっている。他のリール52L、Cにおける図柄「R」と同様、右リール52Rにおける「R」、「黒オレンジ」及び「スイカ」は、停止操作のタイミングに関わらず必ず引込範囲内に存在し、入賞ライン上に停止表示される図柄となっている。
【0027】
リプレイ役の図柄が上記のように配列された本例のスロットマシン5におけるリプレイ役A〜Cは、仮に単独当選したとすれば必ず入賞し、他のリプレイ役と同時当選した場合でも、ストップボタン61L、C、Rを所定の順番で停止操作すれば、必ず入賞するリプレイ役となっている。スロットマシン5では、リプレイ役A・Cを含む同時当選が発生したときに、リプレイ役A(低確RT図柄)を回避してリプレイ役C(高確RT図柄)を入賞させるためのストップボタン61の操作態様である第1停止リールが存在している。なお、第1停止リールと入賞リプレイ役の種類との関係については、図9を参照して後述する。
【0028】
一方、10枚役に対応する図柄については、次のようになっている。中リール52C及び右リール52Rでは、10枚役A・Bに共通する図柄「黒オレンジ」の最大間隔が4図柄となっている。したがって、中リール52C及び右リール52Rにおける「黒オレンジ」は、停止操作のタイミングに関わらず必ず引込範囲内に存在し、入賞ライン上に停止表示される図柄となっている。
【0029】
左リール52Lでは、10枚役A・Bの一方に対応する特定の種類の図柄「オレンジ」の最大間隔が15図柄以上、10枚役A・Bの何れかに対応する任意の種類の図柄「オレンジ」の最大間隔が6図柄となっている。したがって、左リール52Lにおける「オレンジ」は、停止操作のタイミングによらず2種類のうちのいずれかが必ず引込範囲内に存在することになる。一方、特定の種類の「オレンジ」については、停止操作のタイミングが合致しなければ停止表示させることができないようになっている。
【0030】
このように図柄が配列された10枚役A・Bについては、同時当選したときに何れかの10枚役を必ず入賞できる一方、単独当選したときにその種類が不明であるときの入賞確率は1/2となっている。そして、10枚役の入賞が取りこぼされたときには、高確RT終了図柄である10枚役こぼし図柄(図3参照。)が必ず停止表示されるようになっている。
【0031】
スロットマシン5は、図5に示すごとく、電気的な構成を備えている。スロットマシン5の全体動作を制御する制御部58に対しては、既出の構成のほか、メダル投入口630(図2)から投入されたメダルを検知する投入メダル検知部63、リール52と共に図柄変動表示手段520を構成するリール駆動部521、リール52の回転位置を検知する基準位置検知部632、メダルを受け皿55に払い出すメダル払出部633、付与数表示部551やクレジット表示部552を含む各種表示部634、遊技者の有利度合いを表す設定値を設定するための設定値操作部68、スピーカ57を制御する音声出力部637、及び各種の信号を出力する信号出力部(信号出力手段)635等が電気的に接続されている。
【0032】
リール駆動部521は、ステップ単位で制御可能なステッピングモータ(図示略)を含み、このステッピングモータの回転駆動力によりリール52を回転駆動する手段である。
基準位置検知部632は、各リール52L、C、Rについて基準位置片の通過を検知し、検知信号を出力する検知部である。
設定値操作部68は、設定キー680を利用して、ボーナス役等の内部当選確率が異なる6段階の設定値を変更するための操作部である。
【0033】
制御部58は、図5に示すごとく、CPU581と、メモリ手段であるROM583・RAM584と、入出力インターフェースとしてのI/O部582と、内部当選役抽選用の乱数を抽出する乱数抽出部585と、乱数を発生する乱数発生部586と、を有している。CPU581は、ROM583から読み込みしたソフトウェアプログラムを実行することにより、ゲーム開始許可手段70、内部当選役を抽選する内部抽選手段71、内部当選役に対応する内部当選フラグを制御するフラグ制御手段710、当選確率設定手段711、リール52を制御する表示制御手段72、入賞図柄を判定する入賞判定手段73、入賞に応じてメダルを付与する遊技媒体付与手段74、ボーナス状態発生手段751、高確RT状態発生手段752、低確RT状態発生手段753、AT発動抽選等を実行する特定遊技状態抽選手段761、潜伏期間選択手段762、ATを発動させる特定遊技状態発生手段763、AT情報を報知する報知手段764としての各機能を実現する。
【0034】
RAM584は、残り潜伏ゲーム数を計数する潜伏カウンタ341としての機能を備えている。潜伏カウンタ341には、AT発動までの残りゲーム数である残り潜伏ゲーム数が記憶される。この残り潜伏ゲーム数は、潜伏期間内にゲームが実行される毎に1ゲームずつ減算される。
【0035】
ROM583は、内部抽選手段71が内部当選役の抽選に用いる内部当選役抽選テーブル(図6)、表示制御手段72がリール52の停止制御に用いるリール制御テーブル(図示略)、AT発動抽選に適用するAT発動抽選テーブル(図7)、潜伏期間抽選に適用する潜伏期間選択テーブル(図8)、AT継続抽選に適用するAT継続抽選テーブル(図示略)を記憶している。
【0036】
リール制御テーブルは、入賞ライン上に停止可能な停止位置が規定されたデータテーブルである。
内部当選役抽選テーブルは、図6に示すごとく、0〜65535の内部当選役抽選用の乱数のうち、各役の当選乱数の範囲が規定されたデータテーブルである。内部当選役抽選テーブルとしては、通常状態に適用されるテーブル、低確RT状態に適用されるテーブル、高確RT状態に適用されるテーブルのほか、図示しないボーナス状態に適用されるテーブルがある。なお、同図中、各遊技状態に対応する欄のうち、縦方向の左列は当選乱数の個数を示し、同右列は内部当選確率を分母(1/xのx。)により示している。
【0037】
ボーナス状態を除く各遊技状態の内部当選役抽選テーブルは、設定値毎に用意されている。本例では、内部当選役抽選テーブルを記憶するROM583が、内部当選役を決定するための内部抽選の当選確率を複数段階の設定値に対応付けて規定する当選確率規定手段331としての機能を実現している。
【0038】
通常状態、低確RT状態及び高確RT状態用のテーブルでは、図6に示すごとく、リプレイ役以外の各役の当選乱数が共通している一方、リプレイ役の当選乱数の設定が異なっている。通常状態用のテーブルでは、リプレイ役Aを含めた2種類以上のリプレイ役が同時当選する乱数のみが設定されている。通常状態用のテーブルでは、いずれかのリプレイ役の内部当選確率が1/1.5であり、高確RT状態の契機となるリプレイ役Cの内部当選確率が約1/22となっている。
【0039】
低確RT状態用及び高確RT状態用のテーブルでは、いずれも、リプレイ役Aが単独で内部当選する乱数のみが設定されており、相違点はリプレイ役Aの内部当選確率にある。低確RT状態用のテーブルにおけるリプレイ役Aの内部当選確率が1/7.3であるのに対して、高確RT状態用のテーブルにおける同確率は1/1.5となっている。
【0040】
AT発動抽選テーブルは、図7に示すごとく、AT発動抽選の当選乱数が規定された抽選テーブルである。本例のAT発動抽選テーブルでは、15枚役A〜Cの600個の当選乱数のうちの一部がAT発動抽選の当選乱数(AT当選乱数)として規定されている。なお、AT発動抽選テーブルは、AT当選乱数の個数が設定値に応じて異なっており、高設定値ほど当選確率が高くなっている。それ故、本例のスロットマシン5では、AT発動抽選の抽選結果に応じて、設定値の推測が可能である。
【0041】
潜伏期間選択テーブルは、図8に示すごとく、1〜16ゲームまでの各潜伏ゲーム数(潜伏期間)の当選乱数が規定された抽選テーブルである。潜伏期間選択テーブルでは、0〜255の潜伏期間抽選乱数のうちの各潜伏ゲーム数の当選乱数の個数が、1〜6の設定値毎に規定されている。同図から知られるように、奇数の設定値は、奇数の潜伏ゲーム数の選択率が高く、偶数の設定値は、偶数の潜伏ゲーム数の選択率が高くなっている。また、設定値が高い良い設定ほど、16ゲームなどの大きな潜伏ゲーム数の選択率が高くなっている。本例のスロットマシン5では、AT発動前の潜伏ゲーム数によっても設定値の推測が可能になっている。
【0042】
AT継続抽選テーブル(図示略)は、AT終了乱数が規定された抽選テーブルである。本例では、10枚役ABの同時当選乱数(3000個)のうちの1000個がAT終了乱数として規定されている。なお、本例では、AT終了乱数の設定が全ての設定値について共通となっている。これに代えて、設定値に応じてAT終了乱数の設定を変更しても良い。
【0043】
前記乱数抽出部585は、図5に示すごとく、乱数発生部586が発生する乱数(0〜65535)の中から内部当選役抽選用の乱数を抽出する。本例では、内部当選役抽選用の乱数を利用して、前記AT発動抽選及び前記AT継続抽選を実行している。本例に代えて、AT発動抽選及びAT継続抽選について専用の抽選用乱数を適用することも良い。一方、潜伏期間抽選については、0〜255の範囲の潜伏期間抽選用の乱数を適用して実行している。潜伏期間抽選用の乱数は、AT発動抽選に当選したときに乱数発生部586が発生する乱数(0〜255)の中から乱数抽出部585により抽出される。
【0044】
内部抽選手段71は、図5に示すごとく、内部抽選により内部当選役を決定し、その内部当選役に対応する内部当選フラグを成立させる手段である。内部抽選手段71は、内部当選役抽選テーブル(図6)に規定された各役の当選乱数に対して内部当選役抽選用の乱数を照合し、内部当選役を決定する。内部抽選手段71は、前記内部当選役抽選テーブルのうちの何れかを遊技状態に応じて選択的に利用する。
【0045】
当選確率設定手段711は、内部抽選手段71による内部抽選の当選確率を設定する手段である。具体的には、当選確率設定手段711は、ROM583に記憶された設定値毎の内部当選役抽選テーブル(例えば、図6)のうち、前記設定値操作部68を介して設定された設定値に対応する内部当選役抽選テーブルを選択して内部抽選手段71に適用する。
【0046】
フラグ制御手段710は、内部抽選手段71が決定した内部当選役に対応する内部当選フラグを制御する手段である。フラグ制御手段710は、ボーナス役以外の他の役の内部当選フラグについては、当該内部当選フラグが初めて成立したゲームで入賞したか否かに関わらず次のゲームを開始するまでにオフ状態(ゼロ)にリセットする。したがって、ボーナス役以外の各役が内部当選したゲームで入賞しなかった場合、全て取りこぼしとなる。一方、ボーナス役の内部当選フラグであるボーナス役フラグについては、入賞するまで、内部当選フラグの成立状態が次回のゲームに順次、持ち越され、入賞に応じてオフ状態にリセットされる。
【0047】
特定遊技状態抽選手段761は、AT発動抽選及びAT継続抽選を実行する手段である。AT発動抽選は、低確RT状態下で特定役である15枚役A〜Cの何れかが単独で内部当選したとき、そのときの内部当選役抽選用の乱数を前記AT発動抽選テーブル(図7)と照合することにより実行される。AT継続抽選は、AT有りの高確RT状態であるART状態下の各ゲームで抽出された内部当選役抽選用の乱数を前記AT継続抽選テーブル(図示略)と照合することにより実行される。
【0048】
潜伏期間選択手段762は、AT発動までの潜伏期間を選択するための潜伏期間抽選を実行する手段である。潜伏期間選択手段762は、AT発動抽選の当選に応じて乱数抽出部585が抽出した潜伏期間抽選用の乱数(0〜255)を潜伏期間選択テーブル(図8)と照合することにより、潜伏期間抽選を実行する。
【0049】
ゲーム開始許可手段70は、図5に示すごとく、規定数のメダルがゲームに賭けられたときにゲームの開始を許可する手段である。ゲーム開始許可手段70は、メダルの直接投入、あるいはベットボタン64の操作により、規定数のメダルが賭けられたときにゲームの開始を許可する。ゲームの開始が許可されると、スタートレバー62を有効に操作できゲームを開始できる状態となる。なお、リプレイ役が入賞した場合には、メダルの直接投入、あるいはベット操作がされなくても、次のゲームに対して自動的に規定数のメダルが賭けられる。本例では、ボーナス状態であるか否かに応じて規定数が異なっており、ボーナス状態では2枚、ボーナス状態以外の遊技状態では3枚となっている。
【0050】
表示制御手段72は、図5に示すごとく、ゲームの開始が許可された状態でスタートレバー62が操作されたときにリール52の図柄変動を開始し、ストップボタン61の操作に応じてリール52の図柄変動を停止させる手段である。表示制御手段72は、リール駆動部521を構成するステッピングモータに制御パルスを入力し、1パルス毎に1ステップずつステッピングモータを回転させる。表示制御手段72は、リール駆動部521に入力した制御パルス数、すなわちステッピングモータが回転したステップ数をカウントする。特に、本例の表示制御手段72は、各リール52の基準位置片の検知信号を取り込むごとにステップ数をゼロリセットすることで、直近の検知信号の後に生じたステップ数をカウントしている。
【0051】
表示制御手段72は、規則(遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則)等が定める所定の引込範囲内の図柄を入賞ライン上に停止させる、いわゆる引込制御を実行する。本例では、前記のごとく、引込範囲として4図柄分に相当する範囲が設定されている。表示制御手段72は、入賞ライン上に停止可能な停止位置が規定されたリール制御テーブルに対してストップボタン61が操作された時のステップ数を照合し、停止位置を決定する。表示制御手段72は、内部当選フラグに対応する図柄をその停止位置に引き込んでリール52を停止させる。
【0052】
入賞判定手段73は、図5に示すごとく、3基のリール52L、C、Rが停止表示する図柄の組合せが所定の入賞図柄であるか否かを判定する手段である。具体的には、入賞判定手段73は、3基のリール52L、C、Rを横断するように設定された入賞ライン511〜515上に停止した図柄の組合せに応じて入賞役を判定する。入賞判定手段73は、各リール52L、C、Rが停止した後、対応する各ステッピングモータ(リール駆動部521)のステップ数を取り込む。入賞判定手段73は、このステップ数に基づき入賞ライン511〜515上に停止した図柄525の種類を求め、その図柄525の組合せについて入賞役が成立するか否かを判定する。
【0053】
遊技媒体付与手段74は、入賞判定手段73により判定された入賞役に対応する数の遊技媒体を付与する手段である。例えば、15枚役が入賞役である場合には15枚のメダルを付与する(図3参照)。但し、ボーナス状態では、リプレイ役を除く全ての小役について、15枚のメダルの付与が設定されている。
【0054】
ボーナス状態発生手段751は、ボーナス役の入賞に応じてボーナス状態を発生させると共に、所定の終了条件の成立に応じてボーナス状態を終了させる手段である。ボーナス状態としては、BB役の入賞に応じたBB状態と、RB役の入賞に応じたRB状態がある。BB状態の終了条件は、付与したメダルが300枚を超過したことであり、RB状態の終了条件は、付与したメダルが100枚を超過したことである。
【0055】
低確RT状態発生手段753は、リプレイ役の入賞確率が低く遊技者にとって不利な低確RT状態を発生させる手段である。低確RT状態発生手段753は、低確RT図柄であるリプレイ役Aの入賞図柄が通常状態下で停止表示されたときに低確RT状態を発生させる。低確RT状態は、消化ゲーム数が32ゲームに達するか、あるいはBB役及びRB役の何れかが内部当選したときに終了する。
【0056】
高確RT状態発生手段752は、リプレイ役の入賞確率が高く遊技者にとって有利な高確RT状態を発生させる手段である。高確RT状態発生手段752は、高確RT図柄であるリプレイ役Cの入賞図柄が通常状態下で停止表示されたときに高確RT状態を発生させる。高確RT状態は、高確RT終了図柄である10枚役こぼし図柄が停止表示されるか、あるいはBB役及びRB役の何れかが内部当選したときに終了する。
【0057】
特定遊技状態発生手段763は、特定遊技状態であるATを発動させる手段である。特定遊技状態発生手段763は、AT発動抽選に当選したとき、前記潜伏期間抽選により選択された潜伏期間が経過した後でATを発動させる。その後、通常状態を経由して高確RT状態へ移行した場合には、前記AT継続抽選がハズレになるか、あるいは高確RT状態の終了に応じて通常状態へ復帰するまで、ATを継続させる。一方、ATの発動後、通常状態から高確RT状態へ移行できずに低確RT状態へ転落した場合には、その時点でATを終了させる。なお、ART状態下でBB役又はRB役に内部当選して高確RT状態が終了した場合、対応するボーナス状態が終了するまでの間、ATを中断し、通常状態への復帰に応じて再度、ATを発動させる。
【0058】
報知手段764は、AT発動中に何れかの役の入賞を補助するAT情報を報知する手段である。通常状態下でリプレイ役が同時当選したときには、リプレイ役A以外のリプレイ役を入賞させるためのAT情報が報知される。具体的には、入賞図柄が低確RT図柄であるリプレイ役Aの入賞を回避するための第1停止リールが報知される。このようなAT情報の報知があれば、リプレイ役Aの入賞を回避でき、他のリプレイ役を入賞させることができる。また、低確RT状態及び高確RT状態では、10枚役A・Bが単独で内部当選したとき、その10枚役の種類がAT情報として報知される。特に、高確RT状態では、単独で内部当選した10枚役を入賞させることにより、高確RT終了図柄である10枚役こぼし図柄を回避できる。
【0059】
ここで、通常状態下でリプレイ役の同時当選パターンが発生したときの第1停止リールに応じた入賞リプレイ役の振り分けについて、図9を参照して説明する。
例えば、リプレイ役A・B・Cの同時当選パターンにおいて第1停止リールが左リール52L又は中リール52Cであった場合には、リプレイ役Aが入賞する。一方、第1停止リールが右リール52Rであった場合には、リプレイ役Cが入賞する。このとき、右リール52Rを第1停止リールとすべき旨のAT情報は、高確RT図柄であるリプレイ役Cの入賞図柄を停止表示させるための補助情報であると共に、低確RT図柄であるリプレイ役Aの入賞図柄を回避するための回避情報となる。
【0060】
次に、以上のように構成されたスロットマシン5の遊技状態の遷移について、図10の状態遷移図を参照して説明する。
(通常状態)
通常状態は、ボーナス状態を含む他の遊技状態の終了に応じて発生する初期状態である。通常状態は、高確RT図柄(リプレイ役Cの入賞図柄)あるいは低確RT図柄(リプレイ役Aの入賞図柄)の停止表示に応じて終了し、高確RT状態、低確RT状態への移行が発生する。また、BB役あるいはRB役の入賞によっても終了し、ボーナス状態であるBB状態かRB状態へ移行する。
【0061】
AT有りの通常状態では、リプレイ役の同時当選に応じてリプレイ役A以外のリプレイ役を入賞させるためのAT情報の報知が実行される。具体的には、図11の通常状態画面81の表示により、入賞図柄が低確RT図柄であるリプレイ役Aの入賞を回避するための第1停止リールが報知される。通常状態画面81は、リプレイ役A以外のリプレイ役を入賞させる第1停止リールを報知する第1停止報知欄811と、AT発動後の獲得メダル数(付与数−賭け数)を表示する獲得数表示欄812と、報知に応じて入賞するリプレイ役の種類を報知するリプレイ役報知欄814と、を組み合わせてなる。入賞図柄が低確RT図柄であるリプレイ役Aの入賞を回避できれば、低確RT状態への移行を回避しつつ高確RT状態への移行を待機できる。
【0062】
なお、ART状態下でBB役又はRB役の内部当選に応じて通常状態へ復帰したときには、まず、ATなしの通常状態となる。その後、そのBB役又はRB役の入賞を契機としたボーナス状態が終了して通常状態に復帰したとき、潜伏することなく直ちにATが発動してAT有りの通常状態となる。したがって、ART状態下でBB役又はRB役が内部当選したときは、対応するボーナス状態が終了した後、AT有りの通常状態を経由して再度、ART状態へ移行できる可能性が高い。
【0063】
(低確RT状態)
低確RT状態は、消化ゲーム数が32ゲームに達するか、あるいはBB役又はRB役が内部当選したときに終了し、通常状態へ復帰する。低確RT状態では、AT発動抽選が実行される。このAT発動抽選に当選すると、さらに、潜伏期間抽選が実行され、AT発動までの潜伏ゲーム数が潜伏期間として選択される。ATが発動すると、図示しない報知画面が液晶表示部638に表示され、単独で内部当選した10枚役の種類を示すAT情報が報知される。
【0064】
(高確RT状態)
高確RT状態は、高確RT終了図柄(10枚役こぼし図柄)の停止表示、あるいはBB役及びRB役の何れかの内部当選に応じて終了し、通常状態へ復帰する。AT無しの通常状態から高確RT状態へ移行したときには、AT無しの高確RT状態である自力RT状態となる。一方、AT有りの通常状態から高確RT状態へ移行したときには、そのまま継続的にATが発動してART状態となる。
【0065】
ART状態では、10枚役A・Bが単独で内部当選したときの10枚役こぼし図柄を回避するためのAT情報の報知が実行される。具体的には、図12のRT中画面82の表示により、内部当選した10枚役の種類が報知される。RT中画面82は、高確RT状態が発生中である旨を報知する状態報知欄824と、内部当選した10枚役の種類を報知する内部当選役報知欄821と、AT発動後の獲得メダル数(付与数−賭け数)を表示する獲得数表示欄822と、を組合せてなる。同図は、10枚役Aが内部当選した旨のAT情報を報知するRT中画面である。
【0066】
一方、前記自力RT状態では、図13のRT中画面83のごとく、10枚役が内部当選した旨が報知されるのみで、その種類は報知されない。RT中画面83は、高確RT状態が発生中である旨を報知する状態報知欄834と、何れかの10枚役が内部当選した旨を報知する内部当選役報知欄831と、高確RT状態へ移行した後の獲得メダル数(付与数−賭け数)を表示する獲得数表示欄832と、を組合せてなる。
【0067】
以上のように構成されたスロットマシン5が、信号出力部635(図5)を介して表示装置1に向けて外部出力する信号としては、以下の各信号がある。
(1)セーフ信号:入賞に応じてメダルが1枚払い出される毎に出力される信号(遊技媒体信号)。
(2)アウト信号:ゲームに使用されたメダル数分、ゲームの開始に応じて出力される信号。
(3)RB信号:RB状態の発生中に出力される信号。
(4)BB信号:BB状態の発生中に出力される信号。
(5)RT信号:高確RT状態の発生中に出力される信号。
(6)AT信号:AT発動中に出力される信号(特定遊技状態信号)。
【0068】
次に、表示装置1について説明する。表示装置1は、図14に示すごとく、スロットマシン5の上側のスペースに配設される横長の装置である。表示装置1の正面では、データ表示部15を中心として、左右両側に装飾ランプ163が配置されている。左側の装飾ランプ163の下には呼出ボタン161が配置され、右側の装飾ランプ163の下にはデータ切換ボタン162が配置されている。
【0069】
表示装置1の内部には、図15に示すごとく、演算処理を実行するCPU11を含む制御部10のほか、ハードディスクドライブ(HDD)、ROM、RAM等を含む記憶部12、及び各種信号あるいは情報の入出力経路をなす通信ポート(図示略)を含む送受信部(I/O)13が収容されている。表示装置1は、送受信部13を介して通信ネットワーク40(図1)に接続されている。
【0070】
送受信部13は、スロットマシン5が外部出力する信号を受信する信号受信手段131としての機能を備えている。本例の信号受信手段131がスロットマシン5側から取り込む信号としては、上記のごとく、セーフ信号、アウト信号、BB信号、RB信号、RT信号、AT信号がある。
【0071】
記憶部12は、スロットマシン5の遊技データを記憶する遊技データ記憶手段122としての機能を備えている。遊技データ記憶手段122が記憶する遊技データとしては、以下のデータがある。
(1)累計ゲーム数:当日、非ボーナス状態(通常状態、低確RT状態、高確RT状態)において実行された累計のゲーム数。
(2)通常ゲーム数:累計ゲーム数のうち、通常状態及び低確RT状態において実行された累計のゲーム数。
(3)BB回数:BB状態の発生回数。
(4)RB回数:RB状態の発生回数。
(5)ARTゲーム数:AT有りの高確RT状態において実行された累計のゲーム数。
(6)ART回数:AT有りの通常状態からAT有りの高確RT状態への移行回数。
(7)潜伏ゲーム数:AT発動抽選に当選してからAT発動までの潜伏期間に実行されたゲーム数。
(8)累計潜伏ゲーム数:当日の潜伏ゲーム数の累計。
(9)第1差枚数(第1遊技媒体数):AT発動後、AT終了までに遊技者が獲得したメダル数(付与数−賭け数)の当日の累計。
(10)第2差枚数(第2遊技媒体数):潜伏期間が開始されてからAT終了までの遊技者が獲得したメダル数(付与数−賭け数)の当日の累計。
【0072】
CPU11は、ソフトウェアの実行により、上記(1)〜(6)の各遊技データを生成する遊技データ生成手段110、潜伏期間の開始及び終了を判定する潜伏判定手段111、潜伏期間の長さを特定する潜伏期間特定手段112、遊技者が獲得したメダル数を計数する遊技媒体数計数手段114、115、潜伏ゲーム数等を表示するデータ表示手段116としての機能を備えている。
【0073】
潜伏判定手段111は、15枚役の入賞に応じて潜伏期間の開始を判定し、AT信号の受信開始に応じて潜伏期間の終了を判定する手段である。潜伏判定手段111は、セーフ信号を15回連続的に受信したときに15枚役の入賞を検知し、これにより、潜伏期間の開始を判定する。潜伏判定手段111は、その後、AT信号の受信開始に応じて潜伏期間の終了を判定する。但し、潜伏ゲーム数が16ゲーム(最長の潜伏ゲーム数)に到達してもAT信号を受信できなかった場合には、潜伏期間ではなかった(ATが当選していなかった)と判定し、潜伏期間の終了判定を行わない。なお、AT信号を受信する前に再度15枚役の入賞を検知したときは、その時点から改めて潜伏期間の開始を判定する。従って、前回の15枚役の内部当選時にATが当選していた場合には、潜伏ゲーム数が実際の潜伏ゲーム数よりも短くなるので、そのような可能性がある旨を遊技者に対して表示するとよい。
【0074】
潜伏期間特定手段112は、潜伏期間内に実行された前記(7)潜伏ゲーム数をもって、潜伏期間の長さを特定する手段である。潜伏期間特定手段112は、潜伏判定手段111による潜伏期間の開始判定に応じて潜伏ゲーム数の計数を開始し、潜伏期間の終了判定に応じて潜伏ゲーム数を確定させる。但し、潜伏ゲーム数が16ゲームを超過して潜伏期間の終了判定が行われなかった場合には、潜伏期間ではなかったとして潜伏ゲーム数を確定せずにゼロリセットする。なお、確定した潜伏ゲーム数は、前記(8)累計潜伏ゲーム数に累積加算される。
【0075】
遊技データ生成手段110は、以下に説明する方法で上記(1)〜(6)の各遊技データを生成する。
(1)累計ゲーム数:非ボーナス状態(通常状態、低確RT状態、高確RT状態)においてアウト信号を3回連続的に受信したときにゲームスタートを検知し、検知する毎に1ゲームずつ加算される。
(2)通常ゲーム数:通常状態又は低確RT状態においてアウト信号を3回連続的に受信したときにゲームスタートを検知し、検知する毎に1ゲームずつ加算される。
(3)BB回数:BB信号の非受信状態から受信状態への切換毎に1回ずつ加算される。
(4)RB回数:RB信号の非受信状態から受信状態への切換毎に1回ずつ加算される。
(5)ARTゲーム数:AT信号及びRT信号の受信状態においてアウト信号を3回連続的に受信したときにゲームスタートを検知し、検知する毎に1ゲームずつ加算される。
(6)ART回数:AT信号の受信状態下でRT信号の受信が開始されたときに1回ずつ加算される。
【0076】
遊技媒体数計数手段114、115は、遊技者が獲得したメダル数、すなわち差枚数(付与数−賭け数)を計数する手段である。第1遊技媒体数計数手段114は、前記(9)第1差枚数(第1遊技媒体数)を計数する。この第1差枚数は、AT信号の受信中、セーフ信号を受信する毎に1枚ずつ加算され、アウト信号を受信する毎に1枚ずつ減算される。
第2遊技媒体数計数手段115は、前記(10)第2差枚数(第2遊技媒体数)を計数する。潜伏期間の差枚数は、セーフ信号の受信に応じて1枚ずつ加算され、アウト信号の受信に応じて1枚ずつ減算され、その後、前記潜伏判定手段111により潜伏期間の終了が判定されたときに確定し、第2差枚数に加算される。一方、潜伏期間の終了が判定されなかった場合には、潜伏期間に計数された差枚数は、第2差枚数に加算されることなくリセットされる。第2差枚数は、AT信号の受信中では、セーフ信号の受信に応じて1枚ずつ加算され、アウト信号の受信に応じて1枚ずつ減算される。
【0077】
データ表示手段116は、各種の遊技データをデータ表示部15に表示する手段である。データ表示手段116が表示する表示画面としては、図16に示す基本データ表示画面151と、図17に示すARTデータ表示画面152と、がある。基本データ表示画面151及びARTデータ表示画面152は、データ切換ボタン162の操作により相互に切り換えられる。
【0078】
基本データ表示画面151は、図16に示すごとく、当日の遊技データを表示する画面である。基本データ表示画面151には、(1)累計ゲーム数の表示欄151A、(2)通常ゲーム数の表示欄151B、(3)BB回数の表示欄151D、(4)RB回数の表示欄151E、(5)ARTゲーム数の表示欄151C、(6)ART回数の表示欄151Fが配置されている。
【0079】
ARTデータ表示画面152は、図17に示すごとく、潜伏期間やARTに関する遊技データを表示する画面である。ARTデータ表示画面152には、(5)ARTゲーム数の表示欄152B、(6)ART回数の表示欄152A、(8)累計潜伏ゲーム数の表示欄152F、(9)第1差枚数の表示欄152D、(10)第2差枚数の表示欄152Hのほか、ART平均ゲーム数の表示欄152C、ART確率の表示欄152E、潜伏平均ゲーム数の表示欄152Gが配置されている。ここで、累計潜伏ゲーム数の表示欄152Fは、潜伏期間表示手段116Aによる表示欄である。第1差枚数の表示欄152D、及び第2差枚数の表示欄152Hは、遊技媒体数表示手段116Bによる表示欄である。
【0080】
ART平均ゲーム数の表示欄152Cには、(5)ARTゲーム数を(6)ART回数により除算した平均のゲーム数が表示される。ART確率の表示欄152Eには、(6)ART回数を(1)累計ゲーム数により除算した確率値が表示される。潜伏平均ゲーム数の表示欄152Gには、(8)累積潜伏ゲーム数を(6)ART回数により除算した平均のゲーム数が表示される。
【0081】
以上のように構成された遊技情報表示装置1によれば、ATが発動する前の潜伏期間の開始及び終了を判定することにより、潜伏期間中の遊技データの集計、表示が可能になっている。潜伏期間の遊技データを把握できれば、ATを効率良く発動させているか否かを遊技者が判断できるようになる。
【0082】
このように本例の遊技情報表示装置1は、潜伏期間を経てAT等の特定遊技状態を発生させるスロットマシン5に対応する遊技情報表示装置であって、潜伏期間の長さを客観的に把握したいという遊技者側のニーズに対応できる遊技情報表示装置である。
【0083】
なお、本例では、15枚役の入賞を検知できたときに潜伏ゲーム数の計数を開始している。一方、15枚役が内部当選しても入賞しなかった場合(取りこぼされた場合)はセーフ信号が出力されないので、潜伏ゲーム数の計数を開始できない。15枚役の入賞を検知することなくATの発生が検知された回数を潜伏期間不明回数として計数して表示することも良い。この場合には、潜伏期間不明回数を考慮した上で、潜伏ゲーム数の多寡を判断できるようになる。
【0084】
なお、本例では、AT発動抽選の契機となる特定役として15枚役を設定した例である。特定役は、本例の15枚役に限定されず、どのような種類の役であってもよい。また、内部当選しても入賞しない、いわゆる取りこぼす可能性がある役を特定役として設定した場合には、入賞を条件としてAT発動抽選を実行することもできる。
【0085】
また、ATの終了条件は、本例に限定されず、他の終了条件を採用することもできる。例えば、ATを発動させるに当たって、予め継続ゲーム数を決定しておき、その継続ゲーム数が消化された時点でATを終了するのも良い。
また、本例では、特定遊技状態としてATを採用したが、特定遊技状態としては、遊技者にとって有利な状態であれば良く、どのような遊技状態であっても良い。例えば、CT(チャレンジタイム)などを特定遊技状態として採用しても良い。
【0086】
なお、本例では、低確RT図柄及び高確RT図柄として、リプレイ役の入賞図柄が設定されている。当然ながら、リプレイ役の入賞図柄には限定されない。
また、本例は、低確RT状態下のAT発動抽選に当選しない限り、通常状態下でATが発動しない例である。本例に代えて、AT発動抽選に当選しない場合にも、通常状態下でATが発動する場合を設定しても良い。
【0087】
なお、本例は、ゲームの実行を表す遊技信号として、アウト信号を利用した例である。本例に代えて、スタートレバー62が有効に操作された旨を表す操作信号を利用してゲームの実行を検知することもできる。
また、本例では、ATの発動中にAT信号を出力するスロットマシン5の例であるが、ATを検知するための方法は、AT信号に基づく方法には限定されない。例えば、AT発動時に発光する発光手段を備えたスロットマシンであれば、発光手段の発光を光センサで検知してATの発動を検知することもできる。
【0088】
以上のごとく本発明の実施例を詳細に説明したが、これらの実施例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、実施例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して実施例を多様に変形あるいは変更した技術を包含している。
【符号の説明】
【0089】
1 遊技情報表示装置(表示装置)
100 遊技場管理システム(管理システム)
110 遊技データ生成手段
111 潜伏判定手段
112 潜伏期間特定手段
114 第1遊技媒体数計数手段
115 第2遊技媒体数計数手段
116 データ表示手段
116A 潜伏期間表示手段
116B 遊技媒体数表示手段
122 遊技データ記憶手段
131 信号受信手段
15 データ表示部
151 基本データ表示画面
152 ARTデータ表示画面
5 スロットマシン
520 図柄変動表示手段
61 ストップボタン(停止操作手段)
62 スタートレバー(ゲーム開始操作手段)
635 信号出力部(信号出力手段)
71 内部抽選手段
73 入賞判定手段
762 潜伏期間選択手段
763 特定遊技状態発生手段
764 報知手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の図柄表示領域において複数種類の図柄を所定の配列に従って変動表示する図柄変動表示手段と、
遊技媒体が投入された状態でゲームを開始するために遊技者が操作するゲーム開始操作手段と、
前記ゲーム開始操作手段が操作されたときに、特定役を含む複数種類の役の中から内部当選役を決定するための内部抽選を実行する内部抽選手段と、
前記図柄変動表示手段による図柄の変動表示を停止させるために遊技者が操作する停止操作手段と、
前記停止操作手段が操作されたときに、前記内部当選役に対応する図柄を予め規定された引込範囲内で引き込んで前記図柄表示領域に停止表示させる表示制御手段と、
前記図柄変動表示手段の各図柄表示領域に停止表示された図柄の組合せに基づいて入賞が発生したか否かを判定する入賞判定手段と、
前記入賞判定手段により入賞が発生したと判定されたときに、当該入賞に対応する数の遊技媒体を遊技者に付与する遊技媒体付与手段と、
前記特定役が内部当選役として決定されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させるか否かを決定するための内部抽選を実行する特定遊技状態抽選手段と、
該特定遊技状態抽選手段により特定遊技状態を発生させることが決定されたときに、長さが異なる複数の潜伏期間の中から何れか1つの潜伏期間を抽選により選択する潜伏期間選択手段と、
該潜伏期間選択手段により選択された潜伏期間が経過したときに、前記特定遊技状態を発生させる特定遊技状態発生手段と、を備えたスロットマシンに付設される遊技情報表示装置において、
前記潜伏期間の開始及び終了を判定する潜伏判定手段と、
該潜伏判定手段による判定結果に基づいて、前記潜伏期間が開始してから終了するまでの長さを特定する潜伏期間特定手段と、
該潜伏期間特定手段により特定された潜伏期間の長さを表示する潜伏期間表示手段と、を備えたことを特徴とする遊技情報表示装置。
【請求項2】
前記特定遊技状態が開始してから終了するまでの期間において遊技者が獲得した第1遊技媒体数を計数する第1遊技媒体数計数手段と、
前記潜伏期間が開始してから前記特定遊技状態が終了するまでの期間において遊技者が獲得した第2遊技媒体数を計数する第2遊技媒体数計数手段と、
前記第1遊技媒体数及び前記第2遊技媒体数を表示する遊技媒体数表示手段と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の遊技情報表示装置。
【請求項3】
前記スロットマシンは、入賞に応じて付与する遊技媒体数を特定可能な遊技媒体信号、及び前記特定遊技状態の発生を示す特定遊技状態信号を出力可能な信号出力手段を備え、
前記潜伏判定手段は、受信した前記遊技媒体信号により特定された遊技媒体数が、前記特定役の入賞に応じて付与される遊技媒体数と一致したときに前記潜伏期間が開始したと判定し、前記特定遊技状態信号の受信に応じて前記潜伏期間が終了したと判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技情報表示装置。
【請求項1】
複数の図柄表示領域において複数種類の図柄を所定の配列に従って変動表示する図柄変動表示手段と、
遊技媒体が投入された状態でゲームを開始するために遊技者が操作するゲーム開始操作手段と、
前記ゲーム開始操作手段が操作されたときに、特定役を含む複数種類の役の中から内部当選役を決定するための内部抽選を実行する内部抽選手段と、
前記図柄変動表示手段による図柄の変動表示を停止させるために遊技者が操作する停止操作手段と、
前記停止操作手段が操作されたときに、前記内部当選役に対応する図柄を予め規定された引込範囲内で引き込んで前記図柄表示領域に停止表示させる表示制御手段と、
前記図柄変動表示手段の各図柄表示領域に停止表示された図柄の組合せに基づいて入賞が発生したか否かを判定する入賞判定手段と、
前記入賞判定手段により入賞が発生したと判定されたときに、当該入賞に対応する数の遊技媒体を遊技者に付与する遊技媒体付与手段と、
前記特定役が内部当選役として決定されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させるか否かを決定するための内部抽選を実行する特定遊技状態抽選手段と、
該特定遊技状態抽選手段により特定遊技状態を発生させることが決定されたときに、長さが異なる複数の潜伏期間の中から何れか1つの潜伏期間を抽選により選択する潜伏期間選択手段と、
該潜伏期間選択手段により選択された潜伏期間が経過したときに、前記特定遊技状態を発生させる特定遊技状態発生手段と、を備えたスロットマシンに付設される遊技情報表示装置において、
前記潜伏期間の開始及び終了を判定する潜伏判定手段と、
該潜伏判定手段による判定結果に基づいて、前記潜伏期間が開始してから終了するまでの長さを特定する潜伏期間特定手段と、
該潜伏期間特定手段により特定された潜伏期間の長さを表示する潜伏期間表示手段と、を備えたことを特徴とする遊技情報表示装置。
【請求項2】
前記特定遊技状態が開始してから終了するまでの期間において遊技者が獲得した第1遊技媒体数を計数する第1遊技媒体数計数手段と、
前記潜伏期間が開始してから前記特定遊技状態が終了するまでの期間において遊技者が獲得した第2遊技媒体数を計数する第2遊技媒体数計数手段と、
前記第1遊技媒体数及び前記第2遊技媒体数を表示する遊技媒体数表示手段と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の遊技情報表示装置。
【請求項3】
前記スロットマシンは、入賞に応じて付与する遊技媒体数を特定可能な遊技媒体信号、及び前記特定遊技状態の発生を示す特定遊技状態信号を出力可能な信号出力手段を備え、
前記潜伏判定手段は、受信した前記遊技媒体信号により特定された遊技媒体数が、前記特定役の入賞に応じて付与される遊技媒体数と一致したときに前記潜伏期間が開始したと判定し、前記特定遊技状態信号の受信に応じて前記潜伏期間が終了したと判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技情報表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図6】
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【図8】
【図9】
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【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−95928(P2012−95928A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−247997(P2010−247997)
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【出願人】(000108937)ダイコク電機株式会社 (893)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【出願人】(000108937)ダイコク電機株式会社 (893)
【Fターム(参考)】
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