説明

遊技情報表示装置

【課題】第一機種及び第二機種の何れの機種に対しても天井機能の発動状況とART状態等の特定状態の発生状況とを分かりやすく表示することが可能な遊技情報表示装置を提供する。
【解決手段】第一機種と第二機種とを含む複数種類の遊技機に関する遊技情報を表示する場合、直前の特別状態が終了してから抽選手段が実行した抽選回数を特別状態が発生した場合とは異なる表示態様で時系列で表示する第一表示パターンと、直前の特別状態又は直前の特定状態が終了してから抽選手段が実行した抽選回数を時系列で表示する第二表示パターンとの何れかの表示パターンによって遊技情報を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシンに付設される遊技情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1のように、ボーナス間ゲーム数(「前記特別状態又は前記特定状態が終了してから前記抽選手段によって実行された抽選回数」に相当する)の履歴を表示する遊技情報表示装置が知られている。遊技者は、履歴を確認することで、遊技する遊技機を選択したり、遊技の継続・終了を判断したりする。ところで、近年BB状態やRB状態(特別状態に相当する)とは別に、ART状態(特定状態に相当する)を発生するART機能を有する遊技機が多く見られる。このような遊技機に対応するため、BB状態、RB状態、ART状態間のゲーム数を表示することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−29541号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ART機能を有する遊技機の中には、BB状態、RB状態間ゲーム数に応じて所謂天井機能が発動する機種(第一機種に相当する)と、BB状態、RB状態、ART状態間ゲーム数に応じて天井機能が発動する機種(第二機種に相当する)とが存在するため、上記した特許文献1等の従来の手法では両者に適した表示を行うことができなかった。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、第一機種及び第二機種の何れの機種に対しても天井機能の発動状況とART状態等の特定状態の発生状況とを分かりやすく表示することが可能な遊技情報表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載した発明は、所定の特別役を含む複数種類の役の中から内部当選役を決定するための抽選を実行する抽選手段と、通常状態における前記特別役の入賞に応じて、前記特別役の抽選は実行されないが小役の内部当選確率が通常状態よりも高まる特別状態を発生する特別状態発生手段と、通常状態と同様に前記特別役の抽選が実行され、且つ出率が通常状態よりも高まる特定状態を発生する特定状態発生手段と、を有する遊技機で、前記特別状態が終了してから前記抽選手段によって実行された抽選回数が所定値となった場合に、通常状態よりも前記特定状態の発生確率を高める第一機種と、前記特別状態又は前記特定状態が終了してから前記抽選手段によって実行された抽選回数が所定値となった場合に、通常状態よりも前記特定状態の発生確率を高める第二機種とを含む複数種類の遊技機に関する遊技情報を表示する遊技情報表示装置であって、前記特別状態が発生する毎に、特別状態が発生したことを示す情報と対応付けて、直前の前記特別状態が終了してから前記抽選手段が実行した抽選回数を時系列で表示すると共に、前記特定状態が発生する毎に、特定状態が発生したことを示す情報と対応付けて、直前の前記特別状態が終了してから前記抽選手段が実行した抽選回数を、前記特別状態が発生した場合とは異なる表示態様で時系列で表示する第一表示パターンと、前記特別状態及び前記特定状態が発生する毎に、発生した状態の種類を示す情報と対応付けて、直前の前記特別状態又は直前の前記特定状態が終了してから前記抽選手段が実行した抽選回数を時系列で表示する第二表示パターンとの何れかの表示パターンによって遊技情報を表示する表示手段と、前記表示パターンを切り替える切替手段と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載した発明は、前記表示手段は、前記第一表示パターンによる表示において、前記特定状態が発生したことを示す情報と対応付けて、直前の前記特別状態が終了してから前記抽選手段が実行した抽選回数と共に、当該特定状態中に前記抽選手段が実行した抽選回数を表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載した発明によれば、第一表示パターンでは特別状態間(BB状態、RB状態)の抽選回数を表示するので第一機種について通常よりも特定状態(ART状態)の発生確率が高まる天井機能の発動状況を分かりやすく表示することができ、第二表示パターンでは特別状態及び特定状態間(ART状態)の抽選回数を表示するので第二機種についても天井機能の発動状況とART状態の発生状況とを分かりやすく表示することができる。さらに、第一表示パターンでは特別状態間の抽選回数を表示しつつ、特定状態の発生タイミングも表示するので、ART状態の発生状況も遊技者にとって分かりやすく表示することができる。
【0008】
請求項2に記載した発明によれば、特定状態は一般的に継続回数が一定でないので発生タイミングを示すだけでは出玉感が遊技者に伝わり難いものの、特定状態中に実行した抽選回数を表示即ち特定状態が発生する毎にその特定状態の継続回数を表示するので、出玉感を遊技者にアピールすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態による遊技情報表示装置を適用した遊技場用システムの概略を示す全体構成図
【図2】遊技機の正面図
【図3】遊技機の各リールの図柄配列を示す図
【図4】遊技機の役構成を示す図
【図5】遊技機の有効ラインを示す図
【図6】遊技機の電気的構成を示す機能ブロック図
【図7】遊技機の小役内部当選テーブルを示す図
【図8】通常状態での小役内部当選時のART抽選テーブルを示す図
【図9】BB状態中における1枚役内部当選時のART抽選テーブルを示す図
【図10】ARTゲーム数上乗せ抽選テーブルを示す図
【図11】天井到達時のART抽選テーブルを示す図
【図12】遊技機の遊技状態遷移図
【図13】機種AのART抽選契機を示す状態遷移図
【図14】機種BのART抽選契機を示す状態遷移図
【図15】表示装置の外観を模式的に示す図
【図16】表示装置の電気的構成を示す機能ブロック図
【図17】第一表示パターンによる表示態様の一例を模式的に示す図
【図18】第二表示パターンによる表示態様の一例を模式的に示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態による遊技情報表示装置について図面を参照しながら説明する。
図1は、遊技情報表示装置を適用した遊技場用システム1を概略的に示す全体構成図である。遊技場用システム1は、遊技場内に設置された複数の遊技機2、各遊技機2にそれぞれ対応して設けられている貸出装置3、遊技情報表示装置としての表示装置4、及び中継端末5等から構成されている。中継端末5は、遊技機2、貸出装置3及び表示装置4に接続されているとともに、LAN6を介して管理装置7(切替手段に相当する)等に通信可能に接続されている。管理装置7は、例えば遊技場内の事務所等に設置され、中継端末5及びLAN6を介して、遊技機2、貸出装置3及び表示装置4との間で各種の情報や信号の送受信を行う。管理装置7が管理する後述する遊技情報は、モニタ8等に表示される。
【0011】
図2は、遊技機2の正面外観を概略的に示している。遊技機2は、所謂スロットマシンであり、その正面には表示窓11が設けられており、遊技者は表示窓11を通じて内部に設けられたリール12の図柄を視認可能となっている。この場合、図柄は、図3に示すように、左リール12a、中リール12b及び右リール12cの円周面に描かれている。これらの図柄は、各リール12a〜12cが停止した状態では、表示窓11の上段、中段及び下段に対応して表示される。即ち、遊技機2には、各リール12a〜12cそれぞれについて3図柄ずつ、合計9図柄分の図柄表示領域が形成されている。
図4は、遊技機2に設定されている内部当選役の役構成を示している。遊技機2には、ボーナス役、小役、リプレイ役の3種類の役が設定されている。これらのうち、ボーナス役としてBB役及びRB役の2種類、小役として6枚役、5枚役A〜F、2枚役、1枚役の9種類、リプレイ役として通常リプレイ役、昇格リプレイ役、転落リプレイ役A〜Cの5種類が設定されている。尚、各役の意味合い、遊技機2における遊技状態の遷移、及び転落・昇格の意味合いについては後述する。
【0012】
表示窓11の左方には有効化された入賞ラインを示す有効ライン表示部13が設けられている。また、遊技機2には、図5に示す合計4本(表示窓11の上段、中段に対応した横方向に1本ずつの2本及び斜め方向の2本)の有効ライン1〜4が設けられている。これらの有効ライン1〜4のうち何れかの有効ライン上に内部当選役に対応する図柄が揃ったとき、即ち、有効ライン上に停止表示された図柄の組合せが内部当選役に対応する図柄の組合せと一致したときに入賞が発生する。
表示窓11の上方には、図2に示すように、各種の情報を表示する表示パネル14、及びスピーカ15が設けられている。表示窓11の下方には、クレジットメダル(遊技価値に相当)の投入を行うクレジットボタン16、クレジットメダルの精算を行う精算ボタン17、メダル(遊技価値に相当)を投入するメダル投入口18が設けられており、これらの下方にはスタートレバー19、及び左ストップボタン20a、中ストップボタン20b、右ストップボタン20cが設けられている。表示窓11の右方には、メダルの払出枚数を表示する払出数表示部21及びメダルのクレジット枚数を表示するクレジット数表示部22が設けられている。また、遊技機2の正面最下部には受皿23が設けられ、正面最上部には装飾ランプ部24が設けられ、表示窓11の左方にはART表示ランプ25が設けられている。
【0013】
次に、遊技機2の電気的な構成について説明する。
図6は、遊技機2の電気的な構成を機能ブロックとして示している。制御部26(抽選手段、特別状態発生手段、特定状態発生手段に相当する)は、CPU26a、ROM26b、RAM26c、I/O26d等を備えたマイクロコンピュータにより構成されており、クレジットボタン16、精算ボタン17、スタートレバー19、左ストップボタン20a、中ストップボタン20b、右ストップボタン20c、投入メダル検知部27、設定値操作部28等から各種の操作信号が入力される。
制御部26は、メダル投入口18に投入されたメダルの真贋及び数量を判定する投入メダル検知部27から投入メダル検知信号が入力されると、その入力された信号の数に基づいて投入されたメダルの数を計数する。メダルの数が1ゲームに必要な規定数(通常状態では3枚)を超過した場合には、超過した分のメダルの数をクレジット数として例えばRAM26c等に所定の上限値(例えば50枚)まで記憶するとともに、そのクレジット数をクレジット数表示部22に表示する。尚、本実施形態では、1回のゲームにおけるメダルの投入数(BET数)は、通常状態では3枚(3BET)に設定されており、ボーナス状態(特別状態に相当する)では2枚(2BET)に設定されている。
【0014】
また、制御部26には、設定値操作部28から当選確率等の各種の設定信号が入力される。遊技機2には例えば1〜6の6段階で役の内部当選確率を設定するための設定値が設けられており、設定値操作部28は、このうち1つの設定値を有効化する。これにより、出玉率(出率に相当する)が理論値として設定される。設定値操作部28では、設定変更キー28aを挿入して設定変更が可能な状態とした上で、例えば図示しないDIPスイッチの切り替え等によって設定値が変更される。
また、制御部26は、表示パネル14、払出数表示部21、クレジット数表示部22、装飾ランプ部24、ART表示ランプ25、各リール12a〜12cに対応するリール用モータを駆動するリール駆動部29、各リール12a〜12cに設けられた基準位置片の通過を検知するセンサからの検知信号に基づいて各リール12a〜12cの基準位置を検知する基準位置検出部30、スピーカ15を駆動する音声出力部31に接続している。また、メダルを払い出すメダル払出部32にも接続しており、精算ボタン17が操作されると、記憶しているクレジット数に対応するメダルを払い出すようにメダル払出部32を制御するとともに、クレジット数表示部22の表示を零にする。また、後述するART状態が発生したときには、ART表示ランプ25を点灯することにより、ART状態が発生したことを遊技者に報知する(特定状態を特定可能な特定状態信号を出力する)。
【0015】
制御部26は、ソフトウェアにより構成される乱数発生部及び乱数抽出部を有している。制御部26は、メダルが投入された状態でスタートレバー19が操作されると(ゲーム開始操作が行われると)、各リール12a〜12cを始動(回転)させる。続いて、乱数発生部が発生する乱数の中から1つの乱数を乱数抽出部で抽出することにより、内部抽選を実行するとともに、内部当選役がある場合には当該内部当選役に対応するフラグを成立させる。この状態で各ストップボタン20a〜20cが操作されると、対応するリール12a〜12cの回転を停止させる。続いて、内部当選役のフラグに応じて各リール12a〜12cの停止位置を決定するための図示しない停止テーブルに基づいて、所謂引込制御(すべり制御)を含む停止制御(各リール12a〜12cを内部当選役フラグの種類に応じた入賞図柄又はハズレ図柄で停止表示させる制御)を実行する。尚、停止テーブルは、内部当選役のフラグの種類毎にそれぞれ設定されている。
【0016】
この引込制御は、各ストップボタン20a〜20cの操作を検出した時点から予め規定された引込範囲(最大で4図柄まで)にある図柄を有効ライン上に引込んで停止させることが可能な制御である。尚、内部当選役フラグに対応する図柄が上記の引込範囲内に存在しないときは、その図柄を有効ライン上に引き込んで停止させることができないので、入賞が発生せず、いわゆる取りこぼしとなる。
【0017】
制御部26は、ゲームの進行に応じて、例えば使用媒体数(消費したメダルの枚数)を特定可能な投入メダル信号(ゲームが開始される毎に投入メダル1枚につき又はクレジットメダル1枚につき1パルス出力)、払出されたメダルの数を特定可能な払出メダル信号(入賞が発生する毎に払出メダル1枚につき1パルス)、遊技状態を特定可能なボーナス信号(BB信号、RB信号。ボーナス状態中にレベル信号出力)等の遊技信号を生成する。制御部26は、これらの遊技信号を、信号出力端子33から外部へ出力する。信号出力端子33から出力される各遊技信号は、中継端末5を介して表示装置4や管理装置7等に入力される。このような構成の遊技機2は、それぞれ固有の番号(所謂台番)が付与されて遊技場内に多数(例えば数百台)設置されている。尚、遊技場内には、図示しないパチンコ遊技機等も設置されている。
【0018】
図7は、遊技機2に設けられている各小役の内部当選乱数の数を示す小役内部当選テーブルを示している。上記した図4に示した各役のうち、5枚役は、5枚役Aが単独で内部当選する場合と、5枚役A及び5枚役B〜Fの何れかが同時に内部当選する場合との全部で6通りのパターンがある。遊技機2の場合、通常状態(RT0、RT1、RT2。尚、RT0〜2については後述する)では、5枚役は、5枚役A及び5枚役B〜Fの何れかが同時に内部当選(同時当選)する5枚役A+5枚役B〜Fにのみ当選乱数が割り振られている。
この場合、5枚役A+5枚役B〜Fが内部当選役となった場合であっても、実際に入賞するのは(停止できるのは)5枚役Aのみである。但し、5枚役A+5枚役B〜Fが内部当選役となった場合には、その組み合わせと各ストップボタン20a〜20cの押し順とに応じてベル図柄(5枚役図柄)が中リール12bの上段又は中段に停止するように制御されるので、上段に停止表示した場合(有効ラインが1本で入賞した場合)には5枚、中段に停止した場合(有効ラインが3本で入賞した場合)には15枚のメダルが払出される。尚、5枚役Aの単独当選時(即ち、ボーナス状態)では、押し順に関わらずベル図柄が中リール12bの中段に停止する。
【0019】
より具体的には、ベル図柄は、押し順が以下の6通りの場合に中段で停止し、それ以外の場合に上段で停止する。尚、以下では、左リール12aを「左」、中リール12bを「中」、右リール12cを「右」と称している。
・5枚役A+5枚役Bが同時当選:「中」→「左」→「右」、又は「中」→「右」→「左」の順で操作
・5枚役A+5枚役Cが同時当選:「左」→「中」→「右」の順で操作
・5枚役A+5枚役Dが同時当選:「左」→「右」→「中」の順で操作
・5枚役A+5枚役Eが同時当選:「右」→「中」→「左」の順で操作
・5枚役A+5枚役Fが同時当選:「右」→「左」→「中」の順で操作
一方、リプレイ役は、RT0では通常リプレイ役のみ、RT1では昇格リプレイ役と2つの転落リプレイ役A〜Cとが同時当選、RT2では通常リプレイ役と2つの転落リプレイ役A〜Cとが同時当選する。以下、通常リプレイ役を「通常リプ」、転落リプレイ役を「転落リプ」、昇格リプレイ役を「昇格リプ」とも称する。
【0020】
リプレイ役は、通常リプレイ役又は昇格リプレイ役と2つの転落リプレイ役とが同時当選した場合、以下の押し順の場合に通常リプレイ役又は昇格リプレイ役が入賞し、それ以外の場合に転落リプレイ役が入賞する。
・通常リプレイ役+転落リプA+転落リプB: 「左」を最初に操作
・通常リプレイ役+転落リプB+転落リプC: 「中」を最初に操作
・通常リプレイ役+転落リプC+転落リプA: 「右」を最初に操作
・昇格リプレイ役+転落リプA+転落リプB: 「左」を最初に操作
・昇格リプレイ役+転落リプB+転落リプC: 「中」を最初に操作
・昇格リプレイ役+転落リプC+転落リプA: 「右」を最初に操作
次に、遊技機2に設けられている遊技状態について説明する。
【0021】
遊技機2には、図8に示す通常状態での小役内部当選時のART抽選テーブル、図9に示すBB状態中における1枚役内部当選時のART抽選テーブル、図10に示すARTゲーム数上乗せ抽選テーブル、図11に示す天井到達時のART抽選テーブル等が設定されている。以下、これらの各テーブル及び各役の意味合いを、図12に示す遊技機2の遊技状態遷移図、図13に示す機種AのART抽選契機を示す状態遷移図、図14に示す機種BのART抽選契機を示す状態遷移図を参照しながら説明する。
まず、図12を参照しながら遊技機2の遊技状態の遷移について説明する。遊技機2は、通常は、その遊技状態が通常状態となっている。この通常状態においてボーナス役であるBB役又はRB役が入賞すると、その遊技状態が対応するボーナス状態(BB状態又はRB状態)に遷移する。そして、ボーナス状態において所定の終了条件(本実施形態では、RB状態は300枚のメダルの払出、RB状態は8回の入賞)が成立すると、ボーナス状態は終了し、再び通常状態に遷移する。
【0022】
また、遊技機2は、所定のART発生条件が成立すると、その遊技状態がART状態に遷移する。遊技機2におけるART発生条件は、以下の条件1〜3の何れかである。
条件1:通常状態において2枚役、6枚役が内部当選した際に実行されるART抽選時に当選すること(図8参照)。
条件2:BB状態中において1枚役が内部当選すること(図9参照)。
条件3:天井に達すること(天井機能が発動すること。図10参照)。遊技機2が第一機種に相当する機種A(図13参照)である場合、BB/RB間ゲーム数が1800ゲームで天井に達し、第二機種に相当する機種B(図14参照)である場合、BB/RB/ART間ゲーム数が1200ゲームで天井に達する。ここで、第一機種とは、BB/RB間ゲーム数が所定ゲーム数になると天井に到達する機種であり、第二機種とは、BB/RB/ART間ゲーム数が所定ゲーム数になると天井に到達する機種である。また、BB/RB間ゲーム数とは、直前のボーナス状態が終了されてから実行されたゲーム数で、「直前の前記特別状態が終了してから前記抽選手段が実行した抽選回数」に相当する。また、BB/RB/ART間ゲーム数とは、直前のボーナス状態又はART状態が終了されてから実行されたゲーム数で、「直前の前記特別状態又は直前の前記特定状態が終了してから前記抽選手段が実行した抽選回数」に相当する。
【0023】
<条件1>
まず、条件1のART発生条件について説明する。図12に示すように、遊技機2は、機種A及び機種B共に、通常状態においてさらにRT0、RT1、RT2の状態に遷移する。このうち、RT0は、図8に示す低確状態に相当し、設定値に応じて2枚役及び6枚役のそれぞれに設定値に応じた数の当選乱数が割り振られている。つまり、RT0では、2枚役或いは6枚役の内部当選と同時に、ART抽選が行われている。例えば2枚役(設定値=1)の場合、当選乱数の値が0〜62259のときにはART非当選となり、それ以外がART当選となる。さらにART当選時には、ARTが継続する確率であるART継続率に応じて、ART継続率が50%に対して62260〜64880、67%に対して64881〜65404、79%に対して65405〜65503、89%に対して65504〜65535のように当選乱数が割り振られている。このRT0においてART当選となった場合には、AT(アシストタイム)となり、5枚役Aと5枚役B〜Fの同時当選時に中リール12bの中段にベル図柄が停止するように押し順がナビ(報知)される。ART当選となった場合においては、抽選により0〜32ゲームの潜伏状態終了後、AT状態を発生する。
【0024】
そして、ART当選しているRT0において、1枚役を取りこぼした(1枚役が内部当選したにも関わらず入賞させられなかった)場合には、RT1に遷移する。このRT1は、RT0と同じく低確状態に相当する。RT1では、昇格リプレイ役と2つの転落リプレイ役とが約1/7.3の確率で同時当選し、上記したように押し順に応じて、昇格リプレイ役又は転落リプレイ役の何れかが入賞する。このとき、ART当選すればAT状態となり、昇格リプレイ役が入賞するように押し順がナビされると共に、5枚役Aと5枚役B〜Fの同時当選時に中リール12bの中段にベル図柄が停止するように押し順がナビ(報知)される。
【0025】
RT1において転落リプレイ役が入賞した場合、遊技機2はRT0へ遷移する。一方、RT1において昇格リプレイ役が入賞した場合、遊技機2はRT2へ遷移する。このRT2は、図8に示す高確状態に相当し、リプレイ役の当選確率が大幅に高められた状態である。具体的には、RT2では、通常リプレイ役と2つの転落リプレイ役とが約1/3.3の確率で同時当選する。また、RT2においてART当選となった場合には、ART状態(特定状態)が発生し、このART状態においては、通常リプレイ役が入賞するように押し順がナビされると共に、5枚役Aと5枚役B〜Fの同時当選時に中リール12bの中段にベル図柄が停止するように押し順がナビ(報知)される。
【0026】
ART状態は、1セット50ゲームであり、1セット終了時点でART継続率に基づいて継続抽選を行い、当選すれば次のセットに突入(ART状態が継続)する。このART状態は1セット50ゲームが基本であるが、上乗せ抽選にて当選した場合には、図10に示すARTゲーム数上乗せ抽選テーブルに従って対応するゲーム数(0、10、30、50、100、300の何れか)が上乗せ(加算)される。この図10に示すARTゲーム数上乗せ抽選テーブルは、低確状態及び高確状態で共通、且つ、全設定値で共通である。このRT2において転落リプレイ役が入賞した場合には、RT0に遷移する。尚、RT0〜RT2の何れの状態においても、ボーナス役が入賞した場合には、対応するボーナス状態へと遷移する。
【0027】
<条件2>
次に、条件2のART発生条件について説明する。BB状態中には、1枚役の内部当選時にART抽選が行われる(図13、図14参照)。本実施形態の場合、図9に示すように、ART継続率に差はあるものの、全ての乱数がART当選に割り振られており、必ずART当選となる。そして、ボーナス状態が終了して通常状態に遷移すると、上記したように0〜32ゲームの潜伏状態終了後、AT状態が発生する。
これら条件1、2は、機種A及び機種Bで共通である。
<条件3>
次に、機種Aと機種Bとによって異なる条件3のART発生条件について説明する。機種Aの場合、図13に示すように、ボーナス状態終了後のゲーム数が1800ゲームに達した時点で、ART当選となる。この場合、図11に示すART抽選テーブルに基づいてART抽選が行われるものの、このART抽選テーブルでは、非当選に当選乱数が割り振られていない。つまり、機種Aは、上記した条件1の場合には2枚役或いは6枚役が内部当選した場合にART非当選となる可能性があるのに対して、ボーナス状態の終了した後のゲームにおいて新たなボーナス状態が発生することなく1800ゲームが実行された場合には必ずART当選となる。この場合、ART継続率が79%或いは89%と高いものになっている。
【0028】
一方、機種Bの場合、ボーナス状態が終了した後のゲームにおいて新たなボーナス状態が発生することなく実行されたゲーム数が1200ゲームに達した場合、及び、昇格リプレイ役の入賞に伴い発生したART状態(RT2)の終了後に実行されたゲーム数が1200ゲームに達した場合にART当選となる。ART継続率は、機種Aと共通して、図11のように設定されている。つまり、機種Bは、機種Aとは異なり、ボーナス状態だけでなく、ART状態も天井機能が発動する契機となっている。
このように、機種Aの遊技機2と機種Bの遊技機2とは、ART当選となる条件が異なっている。換言すると、機種Aにのみ対応した表示装置4の場合、機種Bの状態を適切に表示することができず、機種Bにのみ対応した表示装置4の場合、機種Aの状態を適切に表示することができないことになる。
【0029】
また、遊技機2は、以下の条件の成立に応じて、対応する確率にてART当選しやすい(ART状態が発生し易い)高確状態、又はART当選しにくい低確状態に移行する。
<低確状態から高確状態への移行>
・BB状態終了後:約70%
・RB状態終了後:約50%
・2枚役内部当選時:約3%
・6枚役内部当選時:約20%
<高確状態から低確状態への移行>
・毎ゲーム:約0.2%
・リプレイ役入賞時:約12%
【0030】
さて、このような遊技機2に対応して設けられている貸出装置3は、上部に紙幣投入口3a、下部にメダル払出口3bが設けられており、遊技者が紙幣投入口3aに貨幣を投入すると、メダル払出口3bから貨幣に応じた数のメダルが払出され、遊技機2の受皿23(図2参照)に供給される。このとき、払出したメダル数に応じた信号が中継端末5及びLAN6を介して管理装置7に送信される。また、貸出装置3の最上部には動作状態を示す動作ランプ3cが設けられている。動作ランプ3cは、不具合が生じた場合等に点灯し、従業員に異常の発生を報知する。
表示装置4(遊技情報表示装置、表示手段、切替手段に相当する)は、図15に示すように、各種の遊技情報を表示する表示部41、遊技者が操作するためのスイッチ等で構成された各種ボタン42、及び稼動状態やエラー状態等を表示するためのランプ部43を備えている。遊技者は、各種ボタン42から操作を入力することにより表示部41に表示される情報の種類や表示態様等を切り換えることが可能となっている。
【0031】
図16は、表示装置4の電気的構成を示す機能ブロック図である。表示装置4の制御部44は、CPU44a、制御プログラム等を記憶したROM44b、ワーキングエリア用のRAM44c、信号を入出力するための入出力部(I/O44d)等を備えたマイクロコンピュータにより構成されており、制御プログラムに従って表示部41への各種情報の表示、各種ボタン42からの操作入力の受付、ランプ部43の点灯等を制御する。この表示装置4には、上記したように遊技機2から各種の遊技信号が入力される。例えば、表示装置4は、遊技機2のART表示ランプ25の点灯状態を図示しない光センサで検出し、ART状態の発生の有無を判別する(特定状態の発生を特定する)。尚、遊技機2がART状態中に電気的な信号例えばレベル信号を出力可能な場合には、そのレベル信号を表示装置4に入力する構成としてもよい。
【0032】
この表示装置4は、管理装置7から各種の情報を取得し、表示する。例えば、表示装置4は、差数の日別グラフやボーナス状態の履歴等の各種の遊技情報の表示を行う。また、表示装置4は、管理装置7側で機種A或いは機種Bに対応して設定された表示パターンにてボーナス状態間のゲーム数の履歴であるBB/RB間の履歴表示(第一表示パターン)、ボーナス状態及びART状態間のゲーム数の履歴であるBB/RB/ART間の履歴表示(第二表示パターン)を行う。
管理装置7は、図示しないCPU、ROM、RAM及びHDD等の記憶装置からなるコンピュータで構成されており、例えばROM等に記憶されている制御プログラムに従って作動する。管理装置7は、遊技機2側の機器から送信された各種の遊技信号に基づいて、例えばアウトやセーフ等の周知の遊技情報を集計及び管理すると共に、遊技場管理者の操作に応じて表示装置4に対して機種A或いは機種Bに対応した表示パターンの設定、具体的には、上記した天井機能の発動条件に基づいて機種A及び機種Bにおいて適切な表示が可能となる表示パターンの切り替え(「BB/RB間」又は「BB/RB/ART間」)を行う。
【0033】
次に、上記構成の表示装置4の作用について説明する。
機種Aに対応して設けられた表示装置4には、「BB/RB間」が表示される。表示装置4は、「BB/RB間」が設定された場合、図17に示すように、第一表示パターンにて履歴表示を行う。表示装置4の表示部41には、以下の項目が表示される。
・ゲーム:BB/RB間ゲーム数を時系列で表示。ART状態発生時は、直前のBB/RB終了後ゲーム数を表示する。つまり、第一表示パターンでは、直前のBB状態又はRB状態の終了後に実行されたゲーム数が表示される。図17の場合、直前(1回前)のRB状態の終了後に実行されたゲーム数が92ゲームであり、その前(2回前)のBB状態が終了してから直前(1回前)のRB状態が発生するまでに実行されたゲーム数が464ゲームであること等が表示されている。尚、この図17には、ART状態の発生も表示されている。この場合、BB/RB終了後ゲーム数との区別をつけるために、ART状態が発生した時点における直前のBB状態(2回前)の終了後に実行されたゲーム数をカッコ付きで識別表示している。この図17の表示態様が、「特別状態が発生したことを示す情報と対応付けて、直前の前記特別状態が終了してから前記抽選手段が実行した抽選回数を時系列で表示すると共に、前記特定状態が発生する毎に、特定状態が発生したことを示す情報と対応付けて、直前の前記特別状態が終了してから前記抽選手段が実行した抽選回数を、前記特別状態が発生した場合とは異なる表示態様で時系列で表示」に相当する。
【0034】
・ARTゲーム数:ART状態が発生してから終了するまでのゲーム数。ART状態が継続したゲーム数を示している。
・獲得数:連チャン時は最後のBB/RB/ART終了時の差数(セーフ−アウト)。連チャン中は、上矢印マークを表示する。連チャンではない単発時は、そのBB/RB/ART終了時の差数を表示する。
このように、BB状態又はRB状態の発生時には「1回前」、「2回前」と表示し、ART状態の発生時にはカッコ付きで表示することにより、BB/RB間ゲーム数を表示していることを容易に把握できる。尚、連チャン発生時には、連チャン矢印マークを例えば左端に表示し、連チャンであることを表示してもよい。本実施形態の場合、BB状態又はRB状態の終了後100ゲーム以内に次のBB状態又はRB状態が発生したときを連チャンと判定している。尚、連チャンを判定するゲーム数は、例えば50ゲーム等適宜設定すればよい。
【0035】
これに対して、機種Bに対応して設けられた表示装置4には、「BB/RB/ART間」が表示される。表示装置4は、「BB/RB/ART間」が設定された場合、図18に示すように、第二表示パターンにて履歴表示を行う。表示部41に表示される項目は基本的には図17の場合と共通するものの、図18では、ART状態の発生も回数としてカウントしている。このため、図18では、「2回前」が、「1回前」のRB状態の直前に発生しているART状態の発生時に対応付けて表示されている。つまり、図18におけるゲームの項には、直前のボーナス状態又はART状態が発生してから実行されたゲーム数が表示されている。この図18に示す表示態様が、「前記特別状態及び前記特定状態が発生する毎に、発生した状態の種類を示す情報と対応付けて、直前の前記特別状態又は直前の前記特定状態が終了してから前記抽選手段が実行した抽選回数を時系列で表示」に相当する。
このように、表示装置4は、機種A(第一機種)及び機種B(第二機種)の何れに対しても天井機能の発動状況とART状態等の特定状態の発生状況とを分かりやすく表示している。
【0036】
以上説明した本実施形態の表示装置4によれば、次のような効果を奏する。
第一表示パターンではボーナス状態間ゲーム数を表示するので第一機種である機種Aに対応でき、第二表示パターンではボーナス状態及びART状態間ゲーム数を表示するので第二機種である機種Bにも対応できる。
さらに、第一表示パターンではボーナス状態間のゲーム数を表示しつつ、ART状態の発生タイミングも表示するので、通常よりもART状態の発生確率が高まる天井機能の発動状況と、ART状態の発生状況とを遊技者にとって分かりやすく表示することができる。
また、ART状態は一般的に継続回数が一定でないので発生タイミングを示すだけでは出玉感が遊技者に伝わり難いものの、ART状態中のゲーム数を表示即ちART状態が発生する毎にそのART状態の継続回数を表示するので、出玉感を遊技者にアピールすることができる。
【0037】
(その他の実施形態)
本発明は、上記した一実施形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲で各種の変形又は拡張を行うことができる。
第一表示パターン及び第二表示ターンの設定(切替)を管理装置7から行うようにしたが(切替手段を管理装置7に設けたが)、表示装置4の各種ボタン42を切替手段として採用し、遊技者の操作入力により表示を切替可能としてもよい。
一実施形態で示した遊技機2の仕様や各種の数値は一例であり、これに限定されない。
【符号の説明】
【0038】
図面中、2は遊技機(抽選手段、特別状態発生手段、特定状態発生手段)、4は表示装置(遊技情報表示装置、表示手段、切替手段)、7は管理装置(切替手段)を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の特別役を含む複数種類の役の中から内部当選役を決定するための抽選を実行する抽選手段と、通常状態における前記特別役の入賞に応じて、前記特別役の抽選は実行されないが小役の内部当選確率が通常状態よりも高まる特別状態を発生する特別状態発生手段と、通常状態と同様に前記特別役の抽選が実行され、且つ出率が通常状態よりも高まる特定状態を発生する特定状態発生手段と、を有する遊技機で、前記特別状態が終了してから前記抽選手段によって実行された抽選回数が所定値となった場合に、通常状態よりも前記特定状態の発生確率を高める第一機種と、前記特別状態又は前記特定状態が終了してから前記抽選手段によって実行された抽選回数が所定値となった場合に、通常状態よりも前記特定状態の発生確率を高める第二機種とを含む複数種類の遊技機に関する遊技情報を表示する遊技情報表示装置であって、
前記特別状態が発生する毎に、特別状態が発生したことを示す情報と対応付けて、直前の前記特別状態が終了してから前記抽選手段が実行した抽選回数を時系列で表示すると共に、前記特定状態が発生する毎に、特定状態が発生したことを示す情報と対応付けて、直前の前記特別状態が終了してから前記抽選手段が実行した抽選回数を、前記特別状態が発生した場合とは異なる表示態様で時系列で表示する第一表示パターンと、前記特別状態及び前記特定状態が発生する毎に、発生した状態の種類を示す情報と対応付けて、直前の前記特別状態又は直前の前記特定状態が終了してから前記抽選手段が実行した抽選回数を時系列で表示する第二表示パターンとの何れかの表示パターンによって遊技情報を表示する表示手段と、
前記表示パターンを切り替える切替手段と、
を備えたことを特徴とする遊技情報表示装置。
【請求項2】
前記表示手段は、前記第一表示パターンによる表示において、前記特定状態が発生したことを示す情報と対応付けて、直前の前記特別状態が終了してから前記抽選手段が実行した抽選回数と共に、当該特定状態中に前記抽選手段が実行した抽選回数を表示することを特徴とする請求項1に記載の遊技情報表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−85646(P2013−85646A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−227896(P2011−227896)
【出願日】平成23年10月17日(2011.10.17)
【出願人】(000108937)ダイコク電機株式会社 (893)
【Fターム(参考)】